JP2018118944A - 新規蛍光化合物、及びそれを含有する蛍光組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、単一分子で白色蛍光を示す新規化合物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、式(I):[式中、各記号は本明細書中で定義した通りである。]で表される化合物又はその塩、或いはそれらの溶媒和物、並びに該化合物及びその酸との塩を含有する白色蛍光組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光色素として有用な、ベンゼン環架橋ビピロール構造を有する新規な化合物、及びそれを含有する蛍光組成物に関する。本発明はまた、単一分子で白色蛍光を示す、上記化合物を含有する蛍光組成物に関する。
白色蛍光は、通常、赤、緑、青色の光の三原色のうちの複数の蛍光色素を混合することにより得ることが可能である。しかし、それら蛍光色素である無機化合物や有機化合物は、それぞれ異なる励起波長及び蛍光量子収率を持つことから、白色蛍光を得るためには、色素混合比や励起波長等において、極めて制約された条件が求められるという問題点を有していた。また、蛍光色素は、それぞれ化合物の耐久性も異なることから、それらのバランスを維持して、白色蛍光が得られる状態を長期間維持することは難しく、それ故、その製品化においては、煩雑な条件検討が必要であり、製品価格も増大する等の多くの技術的困難性を有していた。
一方、単一分子で白色蛍光を実現することができれば、より簡便且つ効果的な蛍光色素となり得ることが予想される。しかし、単一分子で白色蛍光を実現できる化合物は、これまで殆ど報告されておらず、本発明者らが知る限りでは、アリール基を有するオキサジアゾール化合物(特許文献1、2)、並びに酸の添加により白色蛍光を発現する、特定のアミノチアゾール構造(非特許文献1)又は特定のジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]ホスホール構造(非特許文献2)を有する化合物についての報告例のみである。
特開2005−132742号公報 特開2005−120071号公報
Yamaguchi, K. et al., Chemistry Open, 2016, vol.5, No.5, 434-438. Huynh, H. V. et al., Chem. Commun., 2013, vol.49, 4899-4901.
このような背景のもと、耐久性が高く、簡便且つ安価に高品質の白色蛍光が実現できる実用的な蛍光素子の開発がますます求められている。
本発明の目的は、単一分子で白色蛍光を含め多彩な蛍光色を発現することができ、且つ耐久性にもコスト的にも優れた実用的な蛍光素子として有用な新規化合物、及びそれを含有する蛍光組成物を提供することである。
本発明者らは、かかる状況下、鋭意検討を重ねた結果、下記式(I):
[式中、
及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換されていてもよいアリール基を示し、
、R’ 、R及びR’は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示し、
n個のRは、それぞれ独立して、アルキル基を示し、並びに
nは、0〜4の整数を示す。]
で表される化合物(以下、「化合物(I)」と称することもある。)又はその塩、或いはそれらの溶媒和物が、酸を特定の当量比で添加するという簡便な操作により発光色を微調整することができ、多彩な蛍光発光、特に、白色蛍光発光、を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]式(I):
[式中、
及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換されていてもよいアリール基を示し、
、R’ 、R及びR’は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示し、
n個のRは、それぞれ独立して、アルキル基を示し、並びに
nは、0〜4の整数を示す。]
で表される化合物又はその塩、或いはそれらの溶媒和物、
[2]R、R’ 、R及びR’が、それぞれ独立して、C1−6アルキル基であり、且つnが0である、上記[1]に記載の化合物又はその塩、或いはそれらの溶媒和物、
[3]R及びR’が、それぞれ独立して、アリール基又はC1−20アルキル基である、上記[1]又は[2]に記載の化合物又はその塩、或いはそれらの溶媒和物、
[4]R及びR’が、共にフェニル基又はC1−6アルキル基である、上記[3]に記載の化合物又はその塩、或いはそれらの溶媒和物、
[5]式(Ia):
又は式(Ib):
で表される、上記[1]に記載の化合物又はその塩、或いはそれらの溶媒和物、
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物及びその塩を含有する蛍光組成物、
[7]その塩が、塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化アルミニウム、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、塩化ガリウム及びトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素からなる群より選択される酸との塩である、上記[6]に記載の蛍光組成物、
[8]その塩が、塩酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、硫酸、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム又は臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムとの塩である、上記[6]に記載の蛍光組成物、
[9]上記[5]に記載の化合物、及びその塩酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、硫酸、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム又は臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムとの塩を含有し、CIE(1931)色度図における色度座標(x,y)が、(0.32〜0.34,0.32〜0.34)である、白色蛍光組成物、
[10]上記[5]に記載の化合物と、塩酸、トリフルオロ酢酸、硝酸又は硫酸とを非極性有機溶媒中で当量比1:0.7〜1:1で混合してなる、白色蛍光組成物、
[11]上記[5]に記載の化合物と、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム又は臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムとを当量比1:500で混合してなる、白色蛍光組成物、等に関する。
本発明によれば、酸を特定の当量比で添加するという簡便な操作により単一分子で白色蛍光を含め多彩な蛍光色を発現することができ、且つ耐久性にもコスト的にも優れた実用的な蛍光素子として有用な新規化合物(化合物(I)又はその塩)及びそれを含有する蛍光組成物を提供することができる。
化合物(Ia)のジクロロメタン溶液に各当量の塩酸を添加した際の紫外−可視吸収スペクトルの変化を示す図、及びそれらの色度座標である。 化合物(Ia)のジクロロメタン溶液に各当量の硝酸を添加した際の紫外−可視吸収スペクトルの変化を示す図、及びそれらの色度座標である。 化合物(Ia)のジクロロメタン溶液に各当量のトリフルオロ酢酸を添加した際の紫外−可視吸収スペクトルの変化を示す図、及びそれらの色度座標である。 化合物(Ia)のジクロロメタン溶液に各当量の塩化テトラ−n−ブチルアンモニウムを添加した際の紫外−可視吸収スペクトルの変化を示す図、及びそれらの色度座標である。 化合物(Ib)のジクロロメタン溶液に各当量のトリフルオロ酢酸を添加した際の紫外−可視吸収スペクトルの変化を示す図、及びそれらの色度座標である。 化合物(IIa)のジクロロメタン溶液に各当量のトリフルオロ酢酸を添加した際の紫外−可視吸収スペクトルの変化を示す図、及びそれらの色度座標である。 化合物(IIb)のジクロロメタン溶液に各当量のトリフルオロ酢酸を添加した際の紫外−可視吸収スペクトルの変化を示す図、及びそれらの色度座標である。 化合物(IIc)のジクロロメタン溶液に各当量のトリフルオロ酢酸を添加した際の紫外−可視吸収スペクトルの変化を示す図、及びそれらの色度座標である。 化合物(IId)のジクロロメタン溶液に各当量のトリフルオロ酢酸を添加した際の紫外−可視吸収スペクトルの変化を示す図、及びそれらの色度座標である。
以下、本発明について詳細に説明する。
(定義)
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
本明細書中、「置換されていてもよいアルキル基」における「アルキル基」としては、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1以上のアルキル基を意味し、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C1−20アルキル基であり、中でも、C1−12アルキル基がより好ましく、C1−6アルキル基が特に好ましい。
本明細書中、「C1−20アルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜20のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、エイコシル等が挙げられる。
本明細書中、「C1−12アルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜12のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等が挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜6のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。
本明細書中、「C1−4アルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルコキシ基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜6のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。中でも、C1−4アルコキシ基が好ましい。
本明細書中、「置換されていてもよいシクロアルキル基」における「シクロアルキル基」としては、環を構成する炭素原子数3以上のシクロアルキル基を意味し、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C3−10シクロアルキル基である。
本明細書中、「C3−10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。中でも、C3−8シクロアルキル基が好ましく、C3−6シクロアルキル基がより好ましく、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基が特に好ましい。
上記のC3−10シクロアルキル基は、ベンゼン環と縮合して縮合環基を形成していてもよく、このような縮合環基としては、例えば、インダニル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル等が挙げられる。
また、上記のC3−10シクロアルキル基は、C7−10橋かけ式炭化水素基であってもよい。C7−10橋かけ式炭化水素基としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル(ノルボルニル)、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、アダマンチル等が挙げられる。
さらに、上記のC3−10シクロアルキル基は、C3−10シクロアルカンとスピロ環基を形成していてもよい。ここで、C3−10シクロアルカンとしては、上記のC3−10シクロアルキル基に対応する環が挙げられる。このようなスピロ環基としては、スピロ[4.5]デカン−8−イル等が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいアリール基」における「アリール基」としては、芳香族性を示す単環式或いは多環式(縮合)の炭化水素基を意味し、具体的には、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、ジフェニルナフチル、2−アンスリル、フェナントリル等のC6−22アリール基を示す。中でも、C6−10アリール基が好ましい。
本明細書中、「C6−10アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルが挙げられ、フェニルが特に好ましい。
上記のC6−10アリール基は、C3−10シクロアルカンと縮合して縮合環基を形成していてもよく、このような縮合環基としては、例えば、インダニル、テトラヒドロナフチル等が挙げられる。
本明細書中、「アラルキル基」とは、前記した「アルキル基」に前記した「アリール基」が置換した基を意味し、好ましくは、「C7−14アラルキル基」である。
本明細書中、「C7−14アラルキル基」とは、「C1−4アルキル基」に「C6−10アリール基」が置換した基を意味し、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(ナフチル−1−イル)メチル、(ナフチル−2−イル)メチル、1−(ナフチル−1−イル)エチル、1−(ナフチル−2−イル)エチル、2−(ナフチル−1−イル)エチル、2−(ナフチル−2−イル)エチル、ビフェニリルメチル等が挙げられ、ベンジルが特に好ましい。
本明細書中、「アルキルスルホニル基」とは、−S(O)−に「アルキル基」が結合した基を意味し、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル、ノニルスルホニル、デシルスルホニル、ウンデシルスルホニル、ドデシルスルホニル等のC1−20アルキルスルホニル基が挙げられる。中でも、ドデシルスルホニル基が好ましい。
本明細書中、「アリールスルホニル基」とは、−S(O)−に「アリール基」が結合した基を意味し、例えば、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル等のC6−10アリールスルホニル基が挙げられる。中でも、フェニルスルホニル基が好ましい。
本明細書中、「アシル基」としては、例えば、直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルカノイル基、C7−13アロイル基等が挙げられる。具体的には、例えば、ホルミル、アセチル、n−プロピオニル、イソプロピオニル、n−ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、バレリル、ヘキサノイル、ベンゾイル、ナフトイル、レブリニル等が挙げられ、これらはそれぞれ置換されていてもよい。
本明細書中、「アシロキシ基」とは、ヒドロキシ基に前記した「アシル基」が置換した基を意味し、好ましくは、C1−6アルカノイロキシ基又はC7−13アロイロキシ基等が挙げられる。具体的には、例えば、アセトキシ、n−プロピオニロキシ、ピバロイロキシ、バレリロキシ、ヘキサノイロキシ、ベンゾイロキシ等が挙げられ、これらはそれぞれ置換されていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよい」とは、特に規定する場合を除き、1個以上の置換基を有していてもよいことを意味し、該「置換基」としては、(1)ハロゲン原子、(2)ニトロ基、(3)シアノ基、(4)ヒドロキシ基、(5)アシロキシ基、、(6)アシル基、(7)C1−6アルキル基、(8)C3−8シクロアルキル基、(9)C1−6アルコキシ基、(10)C1−6アルキレンジオキシ基、(11)C6−10アリール基、(12)C7−14アラルキル基、(13)C1−6アルキルスルホニル基、(14)C6−10アリールスルホニル基等が挙げられる。中でも、フッ素原子、塩素原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、メチレンジオキシ、フェニル、シクロヘキシル、ベンジル等が好ましい。また、複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記置換基は、さらに上記(1)〜(14)から選ばれる1個以上の置換基で置換されていてもよい。置換基の数は、置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは、0個(すなわち無置換)、または1乃至3個である。
本明細書における「非極性有機溶媒」としては、具体的には、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。中でも、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等が好ましい。
本明細書中、化合物の「塩」としては、化合物(I)と塩を形成するものであればいかなる塩でもよく、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩等のブレンステッド酸との塩、ルイス酸との塩等が挙げられる。
無機酸との塩としては、例えば、塩酸(又は塩化水素)、硝酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸(又は臭化水素)、フッ化水素酸(又はフッ化水素)、ヨウ化水素酸(又はヨウ化水素)、過塩素酸等との塩が挙げられる。
有機酸との塩としては、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、グルコン酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ヘキサフルオロ−2−プロパノール等との塩が挙げられる。
ルイス酸との塩としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化アルミニウム、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、塩化ガリウム及びトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等との塩が挙げられる。
化合物(I)の塩は、好ましくは、化合物(I)1分子に対して、上記酸が1分子又は2分子付加した塩である。
化合物(I)の塩としては、好ましくは、塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化アルミニウム、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、塩化ガリウム及びトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素からなる群より選択される酸との塩であり、より好ましくは、塩酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、硫酸、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム又は臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムとの塩である。
前記化合物(I)の塩は、非極性有機溶媒中で化合物(I)と上述した各酸とを混合することにより得られるが、両者の当量比に依らず、化合物(I)、化合物(I)に1分子の酸が付加した塩(以下、単に「一付加塩」ともいう。)及び化合物(I)に2分子の酸が付加した塩(以下、単に「二付加塩」ともいう。)の混合物が形成される。該混合物であることは、時間分解蛍光スペクトル測定及び質量分析により確認することができるが、該混合物は、平衡混合物であるため、化合物(I)、一付加塩及び二付加塩の3成分の混合比(すなわち、組成)を正確に特定することは現在の技術では不可能であるか、またはおよそ実際的ではない。そのため、本明細書及び特許請求の範囲では、本発明の蛍光組成物を、「化合物(I)と酸とを(特定の当量比で)混合してなる組成物」として特定する。また、前記化合物(I)とルイス酸(例えば、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム又は臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム)との塩は、無溶媒で化合物(I)と酸を混合することによっても得られる。
本発明の化合物(I)の塩として、好ましくは、化合物(I)と、塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化アルミニウム、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、塩化ガリウム及びトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素からなる群より選択される酸との一付加塩又は二付加塩であり、より好ましくは、化合物(I)と、塩酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、硫酸、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム又は臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムとの一付加塩又は二付加塩である。
本明細書に開示される化合物又はその塩は、溶媒和物として存在することもある。「溶媒和物」とは、本明細書に開示される化合物又はその塩に、溶媒の分子が配位したものであり、水和物も包含される。溶媒和物としては、例えば、本明細書に開示される化合物又はその塩の水和物、メタノール和物、エタノール和物、ジメチルスルホキシド和物等が挙げられる。公知の方法に従って、その溶媒和物を得ることができる。
(本発明の化合物)
本発明の化合物は、下記式(I):
[式中、
及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換されていてもよいアリール基を示し、
、R’ 、R及びR’は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示し、
n個のRは、それぞれ独立して、アルキル基を示し、並びに
nは、0〜4の整数を示す。]
で表される化合物又はその塩、或いはそれらの溶媒和物である。
以下、本発明の化合物(I)の各基について説明する。
及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換されていてもよいアリール基を示す。
及びR’は、好ましくは、それぞれ独立して、アリール基又はC1−20アルキル基である。
及びR’は、より好ましくは、共にフェニル基又はC1−6アルキル基である。
、R’ 、R及びR’は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示す。
、R’ 、R及びR’は、好ましくは、それぞれ独立して、C1−6アルキル基である。
、R’ 、R及びR’は、より好ましくは、共にC1−4アルキル基である。
n個のRは、それぞれ独立して、アルキル基を示す。
n個のRは、好ましくは、それぞれ独立して、C1−6アルキル基である。
n個のRは、より好ましくは、それぞれ独立して、C1−4アルキル基である。
nは、0〜4の整数を示す。
nは、好ましくは、0である。
化合物(I)としては、以下の化合物が好適である。
[化合物(IA)]
及びR’が、それぞれ独立して、アリール基又はC1−20アルキル基であり、R、R’ 、R及びR’が、それぞれ独立して、C1−6アルキル基であり、且つnが0である、化合物(I)。
[化合物(IB)]
及びR’が、共にフェニル基又はC1−6アルキル基であり、R、R’ 、R及びR’が、共にC1−4アルキル基であり、且つnが0である、化合物(I)。
[化合物(IC)]
及びR’が、共にフェニル基又はC1−6アルキル基であり、R、R’ 、R及びR’が、共にC1−4アルキル基であり、Rが、それぞれ独立して、C1−4アルキル基であり、且つnが1〜4である、化合物(I)。
特に好適な化合物(I)は、具体的には、下記式(Ia):
で表される化合物、又は下記式(Ib):
で表される化合物である。
本発明による化合物(I)が不斉中心を有する場合、エナンチオマーあるいはジアステレオマーなどの異性体が存在しうる。このような異性体及びそれらの混合物はすべて本発明の範囲内に包含される。また、コンホメーションあるいは互変異性による異性体が生成する場合があるが、このような異性体あるいはその混合物も本発明の化合物(I)に含まれる。
(本発明の化合物(I)の合成)
本発明の化合物(I)の製造方法について以下に説明する。
以下の製造方法における各工程では反応液のままか、または粗生成物として得た後に、次反応に用いることもできる、あるいは、各工程で得られた化合物を、常法に従って、反応混合物から濃縮、晶出、再結晶、蒸留、溶媒抽出、分溜、クロマトグラフィーなどの分離手段により単離及び/又は精製することができる。
本発明の化合物(I)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、下記の反応式で示される方法またはそれに準じた方法等により製造することができる。
反応式
[式中の各記号は、前記と同義である。]
(工程1)
本工程は、自体公知の方法(例えば、Setsune, J. et al., Tetrahedron Lett., 2006, 47, 7541-7544.参照)又はそれに準ずる方法に従って製造される化合物(1)を、塩基存在下、加熱還流することにより、化合物(2)を製造する工程である。
使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好適に用いられる。
塩基の使用量は、化合物(1)1当量に対して、通常、2〜20当量、好ましくは4〜10当量、特に好ましくは8〜10当量である。
この反応は、反応に影響を及ぼさない高沸点の溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例、キシレン、メシチレン等)、アルコール類(例、エチレングリコール等)、ニトリル類(例、ベンゾニトリル等)、エーテル類(例、ジグリム等)等が挙げられるが、中でも、エチレングリコールが好ましい。
この反応は、加熱還流下(通常約100〜220℃、好ましくは約130〜200℃)で行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは2〜10時間である。
(工程2)
本工程は、化合物(2)を、自体公知のホルミル化反応(Vilsmeier-Haack反応)に付すことにより、化合物(3)を製造する工程である。
この反応に用いるホルミル化剤(Vilsmeier試薬)としては、例えば、塩化ホスホリルとN,N−ジメチルホルムアミドが好適に用いられる。
ホルミル化剤の使用量は、化合物(2)1当量に対して、通常、2〜20当量、好ましくは4〜10当量である。
この反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等)、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン等)、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミドまたはこれらの混合溶媒が挙げられるが、中でも、1,2−ジクロロエタンが好ましい。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
(工程3)
本工程は、化合物(3)を、式:
(式中、Rは、前記と同義である。)
で表されるアミンと反応させることにより、化合物(I)を製造する工程である。当該反応は、必要に応じて酸触媒の存在下で、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
酸触媒としては、例えば、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩酸等が挙げられるが、中でもトリフルオロ酢酸が特に好ましい。
酸触媒の使用量は、使用する酸の種類により異なるが、化合物(3)1当量に対して、通常、0.1〜10当量、好ましくは0.5当量である。
この反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等)、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン等)、炭化水素類(例、ヘキサン等)、水等が挙げられるが、中でも、ジクロロメタン又は水が好ましい。
この反応は、通常約0℃〜室温下で行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
(本発明の化合物(I)と酸とを混合してなる蛍光組成物)
本発明の化合物(I)は、非極性有機溶媒中か、又は無溶媒下で酸を添加することにより蛍光発光させることが可能である。また、化合物(I)に対する酸の当量比を変化させることにより、単一分子でありながら異なる蛍光色を発現させることが可能である。特に、後述する実験例1において示されるように、本発明の化合物(I)と酸とを特定の当量比で混合してなる組成物は、通常、単一分子では発現させることが難しい白色蛍光を発することができる点で有用である。当該蛍光組成物について、以下に説明する。
本発明の化合物(I)は、非極性有機溶媒(例、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン)中で青色蛍光を発する化合物である。化合物(I)(例、化合物(Ia))に対し、0.7〜1.0当量のブレンステッド酸(例、トリフルオロ酢酸)を添加すると、下記式:
で表される化合物(Ia)、化合物(Ia)の一付加塩(化合物(Ia−1))、及び化合物(Ia)の二付加塩(化合物(Ia−2))の混合物が形成され、白色蛍光を発する。これらは平衡混合物であるため、組成比を正確に特定することは困難であるが、3種の混合物の状態で存在していることは、時間分解蛍光スペクトル測定及び質量分析により確認することができる。
化合物(Ia−1)は、単独では、赤色蛍光を示し、化合物(Ia−2)は、単独では、緑色蛍光を示すことが時間分解蛍光スペクトルにより確認されたことから、ブレンステッド酸の添加により、青、赤及び緑色の各成分が絶妙なバランスで形成され、紫外線(波長10〜400nm)を吸収することにより、国際照明委員会(CIE:Commission Internationale de l'Eclairage)(1931)色度図における色度座標(x,y)、(0.32〜0.34,0.32〜0.34)を示す白色蛍光を発すると推定される。また、同様の蛍光発光特性は、ルイス酸の添加によっても発現させることが可能である。具体的には、後述する実験例1に記載のように、ルイス酸として、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウムを、化合物(Ia)に対し、500当量添加すると、ブレンステッド酸添加時と同様の紫外−可視吸収スペクトル及び発光スペクトルを示し、白色蛍光が確認された。
このことから、化合物(I)と酸を混合してなる組成物において、白色蛍光発現に必要な酸の当量は、添加する酸の種類により変化し、その変化は、化合物(I)との塩形成のされ易さに起因すると推定することができる。
一方、本発明の化合物(I)と化学構造上、類似するが、化合物(I)の範囲外である下記式:
で表される化合物それぞれについて、酸(トリフルオロ酢酸)の添加による蛍光発光特性を、添加する酸の当量比を変えて調べた結果、酸の当量の多少に関わらず、いずれの場合にも白色蛍光を発現させることはできなかった。
以上より、白色蛍光を発現させるためには、芳香環で架橋されたビピロール骨格を有することに加えて、以下の構造上の特徴を具備する必要がある。すなわち、(1)ピロールに結合する2個のイミン構造、(2)該イミンに隣接するメチレン基、及び(3)架橋芳香環が、1,4−フェニレンである、化合物、すなわち、本発明の化合物(I)、であることが必要である。
本発明の化合物(I)と酸を混合してなる蛍光組成物は、化合物(I)と酸以外に、各種非極性有機溶媒、その蛍光発光特性に悪影響を及ぼさない添加剤等を更に含有していてもよい。
本発明の化合物(I)と酸を混合してなる蛍光組成物は、単一分子で、酸を添加するだけという簡便な操作により、発光量子収率が高く、質の高い白色蛍光を発することができ、また、化合物としての安定性(すなわち、耐久性)も高いことから、蛍光発光素子として有用である。
以下に実施例及び実験例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
反応は、Merck 60 F254 シリカゲルプレート(厚さ0.25mm)を用いて、薄層クロマトグラフィーによりモニターした。
H及び13C−NMRスペクトルは、Bruker AVANCE 400を用い、内部標準として、テトラメチルシランを用いて、重クロロホルム又は重ジメチルスルホキシドを溶媒として測定した。H−NMRについてのデータは、化学シフト(δppm)、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット、br=ブロード)、カップリング定数(Hz)、積分及び割当てとして報告する。
吸収スペクトルは、JASCO ETC−717温度/撹拌調節器を装着したJASCO V−670 UV/VIS/NIRを用いて測定した。発光スペクトルは、JASCO ETC−273T温度/撹拌調節器を装着したJASCO FP−6500を用いて測定した。フーリエ変換赤外スペクトルは、JSCO FT/IR 4200を用いて測定した。フーリエ変換質量分析は、Thermo Fisher Scientific LTQ Orbitrapを用いて測定した。
以下の実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約30℃を示す。%は、収率についてはmol/mol%を、その他については特に断らない限り重量%を示す。
以下の実施例において、化合物(Ia)、化合物(Ib)、化合物(IIa)、化合物(IIb)、化合物(IIc)又は化合物(IId)の合成に使用した原料化合物は、自体公知の方法(例えば、Setsune, J. et al., Tetrahedron Lett., 2006, 47, 7541-7544.参照)、又はそれに準ずる方法に従って製造することができる。また、当該原料化合物の合成に用いる1,4−ジヨードベンゼン(東京化成工業株式会社製)、1,3−ジヨードベンゼン(東京化成工業株式会社製)、2,5−ジヨードチオフェン(Sigma−Aldrich社製)、アニリン(ナカライテスク社製)、ベンジルアミン(ナカライテスク社製)及びn−ヘキシルアミン(ナカライテスク社製)は、市販品をそのまま使用した。その他の原料化合物は、市販品をそのまま使用するか、又は自体公知の方法若しくはそれに準ずる方法に従って製造することができる。
メタノール、エタノール及びジクロロメタンは、試薬グレードのものを購入し、そのまま用いた。その他の試薬は、市販品をそのまま使用するか、又は必要に応じて精製してから用いた。
実施例1
(N,N’E,N,N’E)−N,N’−((5,5’−(1,4−フェニレン)ビス(3,4−ジエチル−1H−ピロール−5,2−ジイル))ビス(メタニリリデン))ビス(1−フェニルメタンアミン) (化合物(Ia))の合成
(工程1)
1,4−ビス(3,4−ジエチル−1H−ピロール−2−イル)ベンゼン(2a)の合成
200mlナスフラスコにジエチル 5,5’−(1,4−フェニレン)ビス(3,4−ジエチル−1H−ピロール−2−カルボキシレート)(1a)(2.7g,5.81mmol)、水酸化ナトリウム(1.4g,35mmol)及びエチレングリコール(82mL)を加え、アルゴン置換した。該混合物を、撹拌しながら2時間30分間、加熱還流した。その後、反応混合物を室温まで放冷すると針状結晶が析出した。氷冷後、反応混合物に冷水を加えてグラスフィルターで吸引ろ過し、水で洗浄することにより標題化合物(2a)(1.6g,収率:86%)を黄色結晶として得た。
(工程2)
5,5’−(1,4−フェニレン)ビス(3,4−ジエチル−1H−ピロール−2−カルボアルデヒド)(3a)の合成
50mL二口ナスフラスコをアルゴン置換し、0℃でN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2.7mL,34.9mmol)及び塩化ホスホリル(3.2mL,34.2mmol)を加え、室温で30分間撹拌し、Vilsmeier試薬を調製した。別の50mL二口フラスコに、1,4−ビス(3,4−ジエチル−1H−ピロール−2−イル)ベンゼン(2a)(1.1g,3.43mmol)を加え、アルゴン置換後、20mLの1,2−ジクロロエタンを加えて、0℃に冷却した。調製したVilsmeier試薬を10mLの1,2−ジクロロエタンに溶かし、化合物(2a)の溶液にゆっくりとシリンジで滴下した。その後、反応液を室温で終夜撹拌した。反応液を0℃に冷却し、炭酸カリウム水溶液(12g/20mL)を加えた後、80℃に加熱して2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、ジクロロメタンとメタノールを添加することにより再沈殿させることで、標題化合物(3a)(1.2g,収率:93%)を茶色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 20℃):δ 9.65 (s, 2H, CHO), 9.53 (br., 2H, NH), 7.58 (s, 4H, phenylene-H), 2.81 (q, J = 7.6 Hz, 4H, CH2), 2.64 (q, J = 7.6 Hz, 4H, CH2), 1.29 (t, J = 7.6 Hz, 6H, CH3), 1.20 (t, J = 7.6 Hz, 6H, CH3);
13C NMR (100 MHz, CDCl3, 20℃):δ 177.23, 138.90, 136.02, 131.56, 128.74, 127.79, 124.90, 17.75, 17.32, 17.13, 15.92;
IR (ATR): 3300, 3264, 3054, 2965, 2924, 2872, 2809, 2361, 1629, 1442, 1384, 1337, 1287, 1265, 1237, 1197, 1090, 892, 735, 704, 629, 588 cm-1; Anal. Calcd for C24H28N2O2: C, 76.56; H, 7.50; N, 7.29 Found: C, 75.89; H, 7.14; N, 7.29.
(工程3)
(N,N’E,N,N’E)−N,N’−((5,5’−(1,4−フェニレン)ビス(3,4−ジエチル−1H−ピロール−5,2−ジイル))ビス(メタニリリデン))ビス(1−フェニルメタンアミン)(Ia)の合成
試験管に化合物(3a)(50mg,0.13mmol)、ベンジルアミン(0.3mL,2.75mmol)、メタノール(5mL)、ジクロロメタン(0.1mL)及びトリフルオロ酢酸(2滴)を加えて、室温で終夜撹拌した。反応溶液に炭酸カリウムを加え、ジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣にジクロロメタンとメタノールを加えることにより再沈殿させることで、標題化合物(Ia)(39mg,収率:53%)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 20℃): δ 8.29 (s, 2H, CH=N), 7.51 (s, 4H, phenylene-H), 7.38-7.26 (m, 10H, phenyl-H), 4.76 (s, 4H, benzyl-H), 2.69 (q, J = 7.6 Hz, 4H, CH2), 2.66 (q, J = 7.6 Hz, 4H, CH2), 1.26 (t, J = 7.6 Hz, 6H, CH3), 1.23 (t, J = 7.6 Hz, 6H, CH3);
13C NMR (100 MHz, CDCl3, 20℃): δ 150.55, 139.92, 131.63, 131.59, 131.404, 128.45, 127.85, 127.10, 126.88, 125.86, 123.43, 64.76, 17.60, 17.53, 17.11, 16.15;
IR (ATR): 2978, 2921, 2791, 2362, 1624, 1470, 1434, 1383, 1291, 1236, 735, 630, 558 cm-1;
HRMS: m/z calculated for [M+H]+(C38H42N4) 555.3487, found 555.3497.
実施例2
(N,N’E,N,N’E)−N,N’−((5,5’−(1,4−フェニレン)ビス(3,4−ジエチル−1H−ピロール−5,2−ジイル))ビス(メタニリリデン))ビス(1−ヘキサンアミン) (化合物(Ib))の合成
試験管に化合物(3a)(100mg,0.27mmol)、n−ヘキシルアミン(0.3mL,2.27mmol)及び水(5mL)を加え、室温で終夜撹拌した。沈殿物をろ別し、乾燥させた後、n−ヘキサンで洗浄して、標題化合物(Ib)(100mg,収率:69%)を肌色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 20℃): δ 8.15 (s, 2H, imine-H), 7.51 (s, 4H, phenylene-H), 6.70 (br., 2H, NH), 3.51 (t, J = 7.2 Hz, 4H, hexyl-CH2), 2.68 (q, J = 7.2 Hz, 4H, CH2), 2.66 (q, J = 7.2 Hz, 4H, CH2), 1.67-1.60 (m, 4H, hexyl), 1.41-1.29 (m, 12H, hexyl), 1.25 (t, J = 7.2 Hz, 6H, CH3), 1.23 (t, J = 7.2 Hz, 6H, CH3), 0.91 (t, J = 7.2 Hz, 6H, hexyl-CH3);
13C NMR (100 MHz, CDCl3, 20℃): δ 149.55, 131.55, 131.22, 130.96, 127.16, 126.06, 123.41, 61.56, 31.87, 31.53, 27.16, 22.82, 17.75, 17.62, 17.19, 16.31, 14.26;
IR (ATR): 2979, 2920, 2791, 2020, 1623, 1470, 1433, 1383, 1273, 1236, 1090, 888, 735, 703, 631, 572, 562 cm-1;
HRMS: m/z calculated for [M+H]+ (C36H54N4) 543.4426, found 543.4423.
以下の比較例1〜4の化合物(化合物(IIa)、化合物(IIb)、化合物(IIc)及び化合物(IId))は、実施例1及び2に記載の方法若しくはそれに準ずる方法、及び自体公知の方法(例えば、Setsune, J. et al., Tetrahedron Lett., 2006, 47, 7541-7544.参照)に従って、対応する原料化合物からそれぞれ製造した。
比較例1
((5,5’−(1,4−フェニレン)ビス(3,4−ジエチル−1H−ピロール−5,2−ジイル))ビス(メタニリリデン))ビス(フェニルアミン)(化合物(IIa))
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 20℃): δ 8.35 (s, 2H, imine-H), 7.63 (s, 4H, phenylene-H), 7.43-7.39 (m, 4H, phenyl-H), 7.22-7.20 (m, 6H, phenyl-H), 2.75 (q, J = 7.6 Hz, 4H, CH2), 2.71 (q, J = 7.6 Hz, 4H, CH2), 1.29 (t, J = 7.6 Hz, 6H, CH3), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 6H CH3);
13C NMR (100 MHz, CDCl3, 20℃): δ 152.62, 147.68, 134.09, 131.68, 132.80, 129.35, 127.41, 127.06, 125.26, 124.38, 121.04, 17.77, 17.67, 17.39, 16.24;
HRMS: m/z calculated for [M+H]+ (C36H38N4) 527.3174, found for 527.3170;
IR (ATR): 2962, 2922, 2853, 2366, 2337, 1740, 1469, 1435, 1383, 1236, 1090, 889, 744, 698, 628, 596, 580, 569, 5559 cm-1.
比較例2
5,5’−(1,4−フェニレン)ビス(N−ベンジル−3,4−ジエチル−1H−ピロール−2−カルボキサミド)(化合物(IIb))
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 75℃): δ 10.76 (br, 2H, pyrrolic-NH), 7.96 (t, J = 5.6 Hz, 2H, amide-H), 7.57 (s, 4H, phenylene-H), 7.37-7.22 (m, 10H, phenyl-H), 4.47 (d, J = 5.6 Hz, 4H, benzyl-H), 2.79 (q, J = 7.6 Hz, 4H, CH2), 2.56 (q, J = 7.6 Hz, 4H, CH2), 1.17 (t, J = 7.6 Hz, 6H, CH3), 1.12 (t, J = 7.6 Hz, 6H, CH3);
13C NMR (100 MHz; DMSO; 348K): δ 160.47, 139.49, 130.89, 130.88, 128.96, 127.86, 127.12, 126.79, 126.35, 122.23, 121.02, 41.87, 17.14, 16.59, 15.65, 15.55;
HRMS: m/z calculated for [M+H]+ (C38H42N4O2) 587.3386, found for 587.3395;
IR (ATR): 3056, 2981, 2920, 1712, 1470, 1432, 1383, 1265, 1236, 1090, 892, 735, 704, 666, 630 cm-1.
比較例3
(N,N’E,N,N’E)−N,N’−((5,5’−(1,3−フェニレン)ビス(3,4−ジエチル−1H−ピロール−5,2−ジイル))ビス(メタニリリデン))ビス(1−フェニルメタンアミン)(化合物(IIc))
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 20℃): δ 8.21 (s, 2H, imine-H), 7.58 (s, 1H, phenylene-H), 7.46-7.21 (m, 13H, phenylene-H and phenyl-H), 4.64 (s, 4H, benzyl-H), 2.64 (q, J = 7.6 Hz, 4H, CH2), 2.62 (q, J = 7.6 Hz, 4H, CH2), 1.23 (t, J = 7.6 Hz, 6H, CH3), 1.17 (t, J = 7.6 Hz, 6H, CH3);
13C NMR (100M Hz, CDCl3): δ 150.65, 139.93, 133.50, 132.20, 131.82, 129.10, 128.73, 128.52, 127.92, 126.94, 125.88, 125.85, 123.42, 64.51, 17.64, 17.63, 17.25, 16.33;
HRMS: m/z calculated for [M+H]+(C38H42N4) 555.3487, found for 555.3492;
IR (ATR): 3055, 2977, 2920, 1636, 1468, 1435, 1383, 1265, 1236, 1090, 891, 734, 703, 630, 572, 563 cm-1.
比較例4
(N,N’E,N,N’E)−N,N’−((5,5’−(チオフェン−2,5−ジイル)ビス(3,4−ジエチル−1H−ピロール−5,2−ジイル))ビス(メタニリリデン))ビス(1−フェニルメタンアミン)(化合物(IId))
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 20℃): δ 8.22 (s, 2H, imine-H), 7.36-7.23 (m, 10H, phenyl-H), 7.07 (s, 2H, thiophene-H), 4.72 (s, 4H, benzyl-H), 2.67 (q, J = 7.6 Hz, 4H, CH2), 2.62 (q, J = 7.6 Hz, 4H, CH2), 1.23 (t, J = 7.6 Hz, 6H, CH3), 1.20 (t, J = 7.6 Hz, 6H, CH3);
13C NMR (100 MHz, CDCl3, 20℃): δ 150.41, 139.89, 133.35, 131.92, 128.65, 128.01, 127.12, 126.27, 125.88, 124.31, 123.86, 64.91, 17.93, 17.58, 17.13, 15.91;
HRMS: m/z calculated for [M+H]+(C36H40N4S) 561.3051, found for 561.3060;
IR (ATR): 3056, 2981, 2920, 1712, 1469, 1433, 1383, 1265, 1236, 1090, 892, 735, 704, 631, 590, 579, 566 cm-1.
実験例1
化合物(Ia)、化合物(Ib)、化合物(IIa)、化合物(IIb)、化合物(IIc)及び化合物(IId)への酸の添加(酸の種類、及び添加する酸の当量比の変化に伴う)による各化合物の蛍光発光特性についての検討
(試験方法1)
被験化合物を、1.8×10−5M〜2.0×10−5Mの濃度となるようにジクロロメタンに溶解させ、試験溶液を作製する。該試験溶液(3mL)を石英セルにとり、所定の当量(0当量、0.5当量、0.7当量、1.0当量、1.5当量、2.0当量、2.5当量及び3.0当量)の酸(トリフルオロ酢酸、塩酸又は硝酸)を添加し、混合後に、紫外-可視吸収スペクトル及び発光スペクトルを測定する。
(試験方法2)
被験化合物を、2.8×10−5Mの濃度となるようにジクロロメタンに溶解させ、試験溶液を作製する。該試験溶液(3mL)を石英セルにとり、所定の当量(0当量、250当量、500当量、750当量、1000当量、1250当量、1500当量、1750当量及び2000当量)の酸(塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム)を添加し、混合後に、紫外-可視吸収スペクトル及び発光スペクトルを測定する。
(試験結果)
化合物(Ia)、化合物(Ib)、化合物(IIa)、化合物(IIb)、化合物(IIc)及び化合物(IId)のそれぞれについて、試験方法1を実施した。それらの結果とそれらから算出した色度座標を図1〜3、5〜9に示す。また、化合物(Ia)について、試験方法2を実施した。その結果とそれから算出した色度座標を図4に示す。
図1〜5に示すように、本発明の化合物(I)(すなわち、化合物(Ia)及び化合物(Ib))は、ジクロロメタン中で添加する酸の当量を変化させることにより発光色が変化することが確認された。特に、化合物(Ia)又は化合物(Ib)と酸(トリフルオロ酢酸、塩酸又は硝酸)を当量比1:0.7〜1:1で混合した場合、或いは化合物(Ia)と塩化テトラ−n−ブチルアンモニウムを当量比1:500で混合した場合に、該組成物は、国際照明委員会(CIE:Commission Internationale de l'Eclairage)(1931)色度図における色度座標(x,y)、(0.32〜0.34,0.32〜0.34)を示し、紫外線(波長10〜400nm)を吸収して白色蛍光を発することが分かった。
これに対して、図6〜9に示すように、本発明の化合物(I)と化学構造が類似する化合物(IIa)、化合物(IIb)、化合物(IIc)及び化合物(IId)を用いた場合には、いずれの当量比で酸を添加しても白色蛍光を発しないことが分かった。
以上の結果から、白色蛍光を発現させるためには、化学構造の厳密な調整(すなわち、2個のイミン構造及び該イミンに隣接するメチレン基が必須であり、更に架橋芳香環は、1,4−フェニレンであることが必須である)が必要であることが分かった。
本発明の化合物(I)は、各種酸を特定の当量比で添加するという簡便な操作により単一分子で白色蛍光を含め多彩な蛍光色を発現することができ、且つ耐久性にもコスト的にも優れた実用的な蛍光素子として有用である。白色蛍光材料は、蛍光インク、化粧品、塗料、洗剤等の界面活性剤、玩具、プラスチック材料の着色等の様々な用途が考えられる。それ故、発光量子収率が高く、質の高い白色蛍光を発することができる、本発明の化合物(I)又はその塩、或いはそれらを含有する蛍光組成物は、前記用途への応用が可能である。

Claims (11)

  1. 式(I):
    [式中、
    及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換されていてもよいアリール基を示し、
    、R’ 、R及びR’は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示し、
    n個のRは、それぞれ独立して、アルキル基を示し、並びに
    nは、0〜4の整数を示す。]
    で表される化合物又はその塩、或いはそれらの溶媒和物。
  2. 、R’ 、R及びR’が、それぞれ独立して、C1−6アルキル基であり、且つnが0である、請求項1に記載の化合物又はその塩、或いはそれらの溶媒和物。
  3. 及びR’が、それぞれ独立して、アリール基又はC1−20アルキル基である、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩、或いはそれらの溶媒和物。
  4. 及びR’が、共にフェニル基又はC1−6アルキル基である、請求項3記載の化合物又はその塩、或いはそれらの溶媒和物。
  5. 式(Ia):
    又は式(Ib):
    で表される、請求項1に記載の化合物又はその塩、或いはそれらの溶媒和物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物及びその塩を含有する蛍光組成物。
  7. その塩が、塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化アルミニウム、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、塩化ガリウム及びトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素からなる群より選択される酸との塩である、請求項6に記載の蛍光組成物。
  8. その塩が、塩酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、硫酸、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム又は臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムとの塩である、請求項6に記載の蛍光組成物。
  9. 請求項5に記載の化合物、及びその塩酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、硫酸、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム又は臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムとの塩を含有し、CIE(1931)色度図における色度座標(x,y)が、(0.32〜0.34,0.32〜0.34)である、蛍光組成物。
  10. 請求項5に記載の化合物と、塩酸、トリフルオロ酢酸、硝酸又は硫酸とを非極性有機溶媒中で当量比1:0.7〜1:1で混合してなる、白色蛍光組成物。
  11. 請求項5に記載の化合物と、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム又は臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムとを当量比1:500で混合してなる、白色蛍光組成物。
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CN115108897A (zh) * 2021-03-23 2022-09-27 帕潘纳(北京)科技有限公司 一种4-乙氧基-1,1,1-三氟-3-丁烯-2-酮及其衍生物的制备方法

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