JP2022160249A - 易溶性ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体 - Google Patents

易溶性ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体 Download PDF

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哲郎 岩澤
Tetsuo Iwazawa
新祐 上口
Shinsuke Kamiguchi
尚樹 吉田
Naoki Yoshida
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Abstract

【課題】有機溶媒に溶けやすくする2つ以上の置換基と、反応させやすくする2つ以上のハロゲノ基等を有し、全ての置換基の数が6以上であるジベンゾ[g,p]クリセン誘導体を提供する。【解決手段】分岐構造を有するアルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基を2個以上と、ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基を2個以上とを有し、全ての置換基の数が6以上であるジベンゾ[g,p]クリセン誘導体。【選択図】 なし

Description

本発明は、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体に関する。
ジベンゾ[g,p]クリセンは、機能性材料として有望な材料である。ジベンゾ[g,p]クリセン構造の最大の特徴は、非平面性の高いパイ共役系構造にあり、多くの興味がもたれてきた。ここで、非平面性とは、π共役系芳香族基がらせん状にねじれていることを意味し、らせん構造が薄膜トランジスターの正孔輸送物質や有機発光ダイオードの発光素子として期待されている。光量子物性(量子収率・励起寿命)、電子的特性、耐熱性において潜在的価値が高く、高分子材料へ組み込むことが試みられている。また、ジベンゾ[g,p]クリセンは屈折率が高く、プラスチックレンズなどの光学材料としても期待されている。
しかしながら、ジベンゾ[g,p]クリセンは、反応性置換基を有しておらず、機能性材料として使用するためには反応性置換基を導入する必要がある。たとえば、ハロゲン、窒素、酸素、硫黄等のヘテロ原子を導入し、該ヘテロ原子を他の置換基に変換後、末端に三員環エーテル、メタクリレート基、末端アルケン等の重合可能な置換基を導入して、重合させたり高分子の側鎖や末端に反応させたりして機能性材料を作製する必要がある。しかしながら、多環式芳香族炭化水素は、有機溶媒に溶けにくいという問題がある。
非特許文献1には、ジベンゾ[g,p]クリセンの2位と10位に水酸基を、6位と14位にn-ヘキシル基を有し、有機溶媒に対する溶解性が改善された化合物が開示されているが、分岐構造を有するアルキル基も、全ての置換基の数が6以上である化合物も開示されていない。また、非特許文献2には、ジベンゾ[g,p]クリセンの7位と10位にブロモ基を、2位と15位にt-ブチル基を、それぞれ有する化合物が開示されているが、全ての置換基の数が6以上である化合物は開示されていない。
特許文献1には、複数の置換基を有するジベンゾ[g,p]クリセン誘導体が開示されているが、3つのヨード基を有する誘導体までしか開示されておらず、6つ以上の置換基を有する誘導体の製造方法も開示されていない。特許文献2には、複数の置換基を有するジベンゾ[g,p]クリセン誘導体が開示されているが、4つのヨード基を有する誘導体は開示されているが、それ以外の置換基を有する誘導体は開示されておらず、その製造方法も開示されていない。
Angew.Chem.Int.Ed.2019,58,7385-7389 Thin Solid Films,2017,636,8-14
国際公開2015/170734号公報 特開2013-227307号公報
本発明は、有機溶媒に溶けやすくする2つ以上の置換基と、反応させやすくする2つ以上のハロゲノ基等を有し、全ての置換基の数が6以上であるジベンゾ[g,p]クリセン誘導体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、分岐構造を有するアルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基を2個以上と、ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基を2個以上とを有し、全ての置換基の数が6以上であるジベンゾ[g,p]クリセン誘導体に関する。
前記誘導体において、下記式
Figure 2022160249000001
Figure 2022160249000002
Figure 2022160249000003
Figure 2022160249000004
Figure 2022160249000005
Figure 2022160249000006
Figure 2022160249000007
Figure 2022160249000008
、または、
Figure 2022160249000009
であることが好ましい。
また、本発明は、分岐構造を有するアルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基を2個以上と、ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基を2個以上と、フルオレン骨格とを有し、全ての置換基の数が6以上であるスピロケトン誘導体に関する。
前記誘導体は、下記式
Figure 2022160249000010
Figure 2022160249000011
Figure 2022160249000012
、または、
Figure 2022160249000013
であることが好ましい。
さらに、本発明は、(a)分岐構造を有するアルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基と、ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基を有し、全ての置換基の数が3以上であるフルオレノン誘導体を二量化し、スピロケトン誘導体を作製する工程、
(b)得られたスピロケトン誘導体を還元し、水酸基を有するスピロケトン誘導体を作製する工程、および、
(c)得られたスピロケトン誘導体を脱水し、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体を得る工程
を含む前記ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体の製造方法に関する。
本発明のジベンゾ[g,p]クリセン誘導体は、嵩高い分岐構造を有するアルキル基と、さまざまな官能基に変換可能なハロゲノ基等を有する9―フルオレノンを二量化して、全ての置換基の数が6以上であるジベンゾ[g,p]クリセン誘導体を作製した。複数の嵩高い分岐構造を有するアルキル基等により、有機溶媒に対する溶解性が非常に高いという効果を奏する。また、複数の臭素原子等により、位置を定めて官能基を導入できる足場分子(プラットホーム型分子)の開発につながり、分子多様性を確保する性能を有している。実際に、臭素原子を水酸基に変換することにも成功し、さまざまな種類の置換基を有するジベンゾ[g,p]クリセン誘導体を創出・創製できることを示すことができた。
本発明のジベンゾ[g,p]クリセン誘導体は、
分岐構造を有するアルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基を2個以上と、ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基を2個以上とを有し、全ての置換基の数が6以上であることを特徴とする。
ジベンゾ[g,p]クリセンは、下記化学式
Figure 2022160249000014
で表される化合物である。各炭素の置換位置を図中に示す。
分岐構造を有するアルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基の個数は2個以上であるが、4個以上が好ましい。上限は8個以下が好ましい。ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基の数は2個以上であり、上限は8個以下が好ましい。
アルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基の中でも、幅広い種類の有機溶媒に対する溶解性の点で、アルキル基が好ましい。
アルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基の置換位置は特に限定されないが、3、6、11、14位の位置に置換されていることが好ましい。
ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基なる群から選択される置換基の置換位置は特に限定されないが、1,3、6、8、9、11、14、16位の位置に置換されていることが好ましい。
分枝構造を有するアルキル基の炭素数は3~12が好ましく、3~8がより好ましい。例えば、iso-プロピル、iso-ブチル、t-ブチル、2,2-ジメチルプロピル、iso-ヘキシル、iso-ヘプチル、iso-オクチル、iso-ノニル、iso-デシル、iso-ウンデシル、iso-ドデシル等が挙げられる。なかでも、iso-プロピル、iso-ブチル、t-ブチルが好ましい。アルケニル基は、前記アルキル基の内部または末端に二重結合を有する基であり、アルキニル基は、前記アルキル基の内部または末端に三重結合を有する基である。
ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられ、ブロモ基が好ましい。
アルキルエーテル基としては、置換基を有していてもよい直鎖状又は分枝状のアルキルエーテル基が挙げられる。アルキルエーテル基の炭素数は1~12が好ましく、1~8がより好ましい。例えば、メチルエーテル基、エチルエーテル基、ノルマルプロピルエーテル基、イソプロピルエーテル基、n-ブチルエーテル基、2―メチルプロピルエーテル基、n-ペンチルエーテル基、2,2-ジメチルプロピルエーテル基、n-ヘキシルエーテル基、n-ヘプチルエーテル基、n-オクチルエーテル基、n-ノニルエーテル基、n-デシルエーテル基、n-ウンデシルエーテル基、n-ドデシルエーテル基等が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、プロピルエーテル基、n-ブチルエーテル基、2―メチルプロピルエーテル基、n-ペンチルエーテル基、2,2-ジメチルプロピルエーテル基、n-ヘキシルエーテル基が好ましい。アルケニルエーテル基は、前記アルキルエーテル基の内部または末端に二重結合を有する基であり、アルキニルエーテル基は、前記アルキルエーテル基の内部または末端に三重結合を有する基である。
ポリオキシアルキレン基としては、アルキレンジオールの単独重合体または共重合体の末端の水素を取った置換基である。このような置換基を導入することで、水または水溶性有機溶媒に溶解しやすくなる。ポリオキシアルキレンとしては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等が挙げられる。重合度は、ポリエチレングリコールの場合には4~450が好ましく、ポリエチレンオキシドの場合には450~10000が好ましい。
全ての置換基の数は6以上であり、上限は10以下が好ましく、8以下がより好ましい。
前記ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体の中でも、下記式
Figure 2022160249000015
Figure 2022160249000016
Figure 2022160249000017
Figure 2022160249000018
Figure 2022160249000019
Figure 2022160249000020
Figure 2022160249000021
Figure 2022160249000022
、または、
Figure 2022160249000023
で表される化合物が好ましい。
また、本発明のスピロケトン誘導体は、分岐構造を有するアルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基を2個以上と、ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基を2個以上と、フルオレン骨格とを有し、全ての置換基の数が6以上であることを特徴とする。
分岐構造を有するアルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基の個数は2個以上であるが、4個以上が好ましい。上限は8個以下が好ましい。ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基の数は2個以上であり、上限は8個以下が好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基の中でも、幅広い種類の有機溶媒に対する溶解性の点で、アルキル基が好ましい。
アルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基の置換位置は特に限定されないが、3、6、11、14位の位置に置換されていることが好ましい。
ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基の置換位置は特に限定されないが、1,3、6、8、9、11、14、16位の位置に置換されていることが好ましい。
分枝構造を有するアルキル基の炭素数は3~12が好ましく、3~8がより好ましい。例えば、iso-プロピル、iso-ブチル、t-ブチル、2,2-ジメチルプロピル、iso-ヘキシル、iso-ヘプチル、iso-オクチル、iso-ノニル、iso-デシル、iso-ウンデシル、iso-ドデシル等が挙げられる。なかでも、iso-プロピル、iso-ブチル、t-ブチルが好ましい。アルケニル基は、前記アルキル基の内部または末端に二重結合を有する基であり、アルキニル基は、前記アルキル基の内部または末端に三重結合を有する基である。
ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられ、ブロモ基が好ましい。
アルキルエーテル基としては、置換基を有していてもよい直鎖状又は分枝状のアルキルエーテル基が挙げられる。アルキルエーテル基の炭素数は1~12が好ましく、1~8がより好ましい。例えば、メチルエーテル基、エチルエーテル基、プロピルエーテル基、n-ブチルエーテル基、2―メチルプロピルエーテル基、n-ペンチルエーテル基、2,2-ジメチルプロピルエーテル基、n-ヘキシルエーテル基、n-ヘプチルエーテル基、n-オクチルエーテル基、n-ノニルエーテル基、n-デシルエーテル基、n-ウンデシルエーテル基、n-ドデシルエーテル基等が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、プロピルエーテル基、n-ブチルエーテル基、2―メチルプロピルエーテル基、n-ペンチルエーテル基、2,2-ジメチルプロピルエーテル基、n-ヘキシルエーテル基が好ましい。アルケニルエーテル基は、前記アルキルエーテル基の内部または末端に二重結合を有する基であり、アルキニルエーテル基は、前記アルキルエーテル基の内部または末端に三重結合を有する基である。
ポリオキシアルキレン基としては、アルキレンジオールの単独重合体または共重合体の末端の水素を取った置換基である。このような置換基を導入することで、水または水溶性有機溶媒に溶解しやすくなる。ポリオキシアルキレンとしては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等が挙げられる。重合度は、ポリエチレングリコールの場合には4~450が好ましく、ポリエチレンオキシドの場合には450~10000が好ましい。
全ての置換基の数は6以上であり、上限は10以下が好ましく、8以下がより好ましい。
前記誘導体は、下記式
Figure 2022160249000024
Figure 2022160249000025
Figure 2022160249000026
または、
Figure 2022160249000027
であることが好ましい。
また、本発明のジベンゾ[g,p]クリセン誘導体の製造方法は、
(a)分岐構造を有するアルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基と、ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基を有し、全ての置換基の数が3以上であるフルオレノン誘導体を二量化し、スピロケトン誘導体を作製する工程、
(b)得られたスピロケトン誘導体を還元し、水酸基を有するスピロケトン誘導体を作製する工程、および、
(c)得られたスピロケトン誘導体を脱水し、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体を得る工程
を含むことを特徴とする。
全ての置換基の数が3以上であるフルオレノン誘導体における分岐構造を有するアルキル基等の置換基、ハロゲノ基等の置換基は、前述した置換基と同じ置換基である。全ての置換基の数は3以上であり、上限は5以下が好ましく、4以下がより好ましい。
フルオレノン誘導体の二量化方法は特に限定されず、亜リン酸トリアルキルなどの酸素親和性の高いルイス塩基試薬の存在下で行う方法が挙げられる。亜リン酸トリアルキルなどの活性化試薬は2当量以上が好ましい。反応温度は特に限定されず、90~200℃が好ましい。
スピロケトン誘導体の還元法は特に限定されず、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウムなどが挙げられる。
水酸基を有するスピロケトン誘導体の脱水法は特に限定されず、二塩化エチルアルミニウム、三塩化アルミニウム、濃塩酸、塩酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。
得られたジベンゾ[g,p]クリセン誘導体に、ハロゲノ基を有する場合には、ナトリウムアルコキシドとヨウ化銅や臭素化銅や塩化銅などによって、ハロゲノ基をアルコキシ基に変換することができる。
本発明のジベンゾ[g,p]クリセン誘導体、および、スピロケトン誘導体は、高分子材料、光機能性材料、電子材料の分野に適用される。具体的には、リソグラフィー用材料、有機EL用材料、接着剤等の樹脂用材料、スーパーエンジニアリングプラスチック用材料等が挙げられる。特に、薄膜トランジスターの正孔輸送物質や有機発光ダイオードの発光素子や、その前駆体の化合物として応用可能である。また、屈折率が高く、プラスチックレンズなどの光学材料として応用可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。
実施例において、禁水反応はアルゴンまたは窒素雰囲気下で行なっており、特に断りのない限り実験は禁水条件で実施した。購入した無水溶媒・試薬は、改めて精製して純度を向上させることなく使用した。薄層クロマトグラフィーとしてMerck silica 60F254を使用し、カラムクロマトグラフィーとしてシリカゲル60(関東化学(株)製)を用いた。高分解能質量測定(HRMS)として飛行時間型質量分析法(MALDI-TOFまたはLCMS-IT-TOF)または直接質量分析法(DART-MS)のいずれかを用いた。
H-NMR、13C-NMRスペクトルについては、5mmのQNPプローブを用い、それぞれ400MHz、100MHzで測定した。化学シフト値はδ(ppm)で示しており、それぞれの溶媒中での基準値はH-NMR:CHCl(7.26),CHCl(5.32)、DMSO(2.50);13C-NMR:CDCl(77.0)、DMSO(39.5)としている。分裂のパターンは、s:単一線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、m:多重線、br:幅広線で示す。
Figure 2022160249000028
合成例1
4-ブロモ-2、7-ジ-tert-ブチルフルオレノン(化合物1)の合成
空気下、200mLの一径フラスコに4-ブロモ-2、7-ジ-tert-ブチルフルオレン(5.72g,16mmol)とピリジン(32mL)と塩化鉄(III)六水和物(864mg,3.2mmol)を加えた。tert-ブチルペルオキシド(6.6mL,48mmol,70%水溶液)を5分かけて滴下後、80℃に昇温した。反応1時間後、さらにtert-ブチルペルオキシド(2.2mL,16mmol)を5分かけて滴下し、1時間後に原料の完全消失を確認した。反応溶液をシリカゲルとセライトを詰めたグラスフィルターで濾過、除媒濃縮後、得られた黄色固体を塩化メチレン(30mL)に溶かし抽出操作を行った。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄、芒硝乾燥、除媒濃縮後、黄色の粗生成物5.83gを得た。これをイソプロピルアルコール(8.4mL/g)で再結晶操作を行い、化合物1を5.22g(88%)の黄色の結晶として得た。
化合物1の分析データ
Rf value 0.37(Hexane/EtOAc=19/1);
HNMR(400MHz,CDCl)8.18(d,J=8.0Hz,1H),
7.73(d,J=2.0Hz,1H),7.66(d,J=1.7Hz,1H),7.56(d,J=1.7Hz,1H),7.55(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),1.35(s,9H),1.33(s,9H)ppm;
13CNMR(100MHz,CDCl)193.6,154.2,153.1,141.4,140.2,137.3,136.3,134.8,131.9,123.1,121.9,120.9,117.3,35.33,35.30,31.4,31.3ppm;
MS(DART-TOFMS)m/z:371[MH]+;
IR(neat):2960,1714(C=O),1606,1475,1360,1148,826,778,563cm-1
HRMS(DART-TOFMS)calcd for C2124BrO:371.1011[MH]+,Found:371.1009;
Anal. Calcd for C2123BrO:C,67.93;H,6.24.Found:C,67.73;H,6.10.
実施例1
スピロケトン誘導体(化合物3、iso-3)の合成
空気下、50mLの一径フラスコに4-ブロモ-2、7-ジ-tert-ブチルフルオレノン(6.68g,16mmol)と亜リン酸トリエチル(6.2mL,36mmol)を加え、室温下のオイルバスに浸し175℃に昇温した。60時間撹拌後、60℃に自然に降温した。水道水(6.5mL,360mmol)を3分かけて添加後、再び80℃に昇温した。2時間撹拌後、減圧濾取し、水(200mL)と冷メタノール(30mL)で洗浄した。200mLの一径フラスコにメタノール(53mL)を加え95℃で加熱還流した。30分撹拌後、室温に自然降温、減圧濾取し、冷メタノール(50mL)で洗浄した。加熱真空乾燥後、黄白色の粗生成物を5.17g(79%,異性体比50:50)得た。その内500mgを用いてシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒はヘキサン/トルエン=1/1)を行い、化合物3を209mg(28%)、化合物iso-3を178 mg(33%)の白色固体として得た。化学構造は、X線結晶構造解析により決定した。
化合物3の分析データ
Rf value 0.70(Hexane/Toluene=1/1);
HNMR(400MHz,CDCl)8.72(d,J=8.5Hz,1H),8.42(d,J=8.3Hz,1H),7.82(dd,J=8.5,2.3Hz,1H),7.72(d,J=2.3Hz,1H),7.65(d,J=2.0Hz,1H),7.50(d,J=1.6Hz,1H)7.42(dd,J=8.3,2.0Hz,1H),6.84(d,J=1.6Hz,1H),6.82(d,J=1.8Hz,1H),6.66(d,J=1.8Hz,1H),1.32(s,9H),1.15(s,9H),1.13(s,9H),1.09(s,9H)ppm;
13CNMR(100MHz,CDCl)198.3,152.5,152.1,152.0,151.4,148.0,145.8,140.7,138.0,137.3,134.9,132.9,132.6,130.6,130.5,129.7,128.6,125.3,125.1,124.9,123.4,122.4,122.2,120.7,116.6,70.3,35.1,35.0(two peaks are overlapped),34.9,31.5,31.4,31.3,31.1ppm;
MS(DARTTOF)m/z:727[MH]+;
IR(neat):2959,1702(C=O),1454,1362,1229,829,753cm-1
HRMS(DART-TOF)calcd for C4247BrO:727.1973 [H]+,Found:727.1971;
Anal.Calcd for C4246BrO:C,69.42;H,6.38.Found:C,69.35;H,6.34.
化合物iso-3の分析データ
Rf value 0.74(Hexane/Toluene=1/1);
HNMR(400MHz,CDCl)8.55(d,J=8.3Hz,1H),8.44(d,J=8.3Hz,1H),8.03(d,J=2.0Hz,1H),7.71(d, J=2.0Hz,1H),7.52(d,J=1.5Hz,1H),7.43(dd,J =8.3,2.0Hz,1H),7.41(d,J=8.3,2.1Hz,1H),7.04-7.03(m,2H),6.82(d,J=2.1Hz,1H),1.30(s,9H),1.19(s,9H)1.18(s,9H),1.14(s,9H)ppm;
13CNMR(100MHz,CDCl)198.0,152.8,152.3,151.9,151.2,147.2,144.9,138.1,138.0,137.7,137.4,136.1,134.0,130.5,128.9,128.8,125.2,125.1,124.9,124.4,123.4,122.9,122.7,119.5,116.6,69.9,35.1(four peaks are overlapped),31.52,31.45,31.3,31.1ppm;
MS(DART-TOF)m/z:727[MH]+;
IR(neat):2959,1699(C=O),1447,1362,1234,1157,830,746,695cm-1
HRMS(DART-TOF)calcd for C4247BrO:727.1973[MH]+,Found:727.1988;
Anal. Calcd for C4246BrO:C,69.42;H,6.38. Found:C,69.59;H,6.41.
実施例2
ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体(化合物5、iso-5)混合物の合成
空気下、25mLの二径フラスコに化合物iso-3(541mg,0.74mmol)、トルエン(3.0mL)、メタノール(0.6mL)を加え、45℃に昇温した。水素化ホウ素ナトリウム(28mg,0.74mmol)を20分かけて添加後(7mgずつ4回に分けて5分ごとに加えた)、30分間攪拌した。アセトン(0.5mL)を加え30分間攪拌後、室温に自然降温した。有機層を水で洗浄し(10mL×5)、飽和食塩水で洗浄(10mL)、芒硝乾燥、除媒濃縮を経て黄白色の粗生成物520mgを得た。得られた粗生成物は精製することなくそのまま次のステップに供した。
得られた粗生成物(250mg、0.34mmol)のトルエン(2.5mL)溶液にヘキサフルオロ-2-イソプロパノール(2.5mL)と濃塩酸(0.02mL,0.21mmol,35%水溶液)を加えた。1時間攪拌後、0℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて反応停止操作を行った。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄(10mL)、芒硝乾燥、除媒濃縮を行い、白色の粗生成物を得た。シリカゲルを用いた濾過カラム精製(展開溶媒はヘキサン)を行い、白色固体の混合物(化合物5:化合物iso-5=91:9)を221mg(91%)で得た。
Figure 2022160249000029
合成例2
2,5-ジブロモ-7-tert-ブチルフルオレノン(化合物2)の合成
空気下、200mLの一径フラスコに2、5-ジブロモ-7-tert-ブチルフルオレン(6.30g,16.6mmol)とピリジン(26mL)と塩化鉄(III)六水和物(897mg,3.3mmol)を加えた。tert-ブチルペルオキシド(6.8mL,49.7mmol,70%水溶液)を5分かけて滴下後、80℃に昇温した。反応1時間後、さらにtert-ブチルペルオキシド(2.3mL,16.6mmol)を5分かけて滴下し、1時間後に原料の完全消失を確認した。反応溶液をシリカゲルとセライトを詰めたグラスフィルターで濾過、除媒濃縮後、得られた黄色固体をトルエン(40mL)に溶かし抽出操作を行った。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄、芒硝乾燥、除媒濃縮後、黄色の粗生成物6.44gを得た。再沈殿操作(塩化メチレン/メタノール=1/8、v/v)を行い、5.22gの黄色固体を得た。その後プロピオニトリル(2.9mL/g)で再結晶操作を行い、化合物2を4.72g(72%)の黄色固体として得た。
化合物2の分析データ
Rf value 0.35(Hexane/EtOAc=19/1);
HNMR(400MHz,CDCl)8.16(d,J=8.2Hz,1H),7.79(d,J=2.0Hz,1H),7.68(d,J=1.7Hz,1H),7.64(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),7.60(d,J=1.7Hz,1H),1.33(s,9H)ppm;
13CNMR(100MHz,CDCl)191.6,155.2,142.6,139.4,137.4,136.8,136.5,136.3,127.8,124.6,123.5,121.4,117.7,35.5,31.3ppm;
MS(DART-TOFMS)m/z:393[M]+;
IR(neat):2952,1713(C=O),1441,1235,1175,1144,780,709cm-1
HRMS(DART-TOFMS)calcd for C1714BrO[M]+:393.9391,Found:393.9387;
Anal.Calcd for C1714BrO,C,51.81;H,3.58.Found:C,51.76;H,3.66.
実施例3
スピロケトン誘導体(化合物4、iso-4)の合成
空気下、一径フラスコに2、5-ジブロモ-7-tert-ブチルフルオレノン(12g, 30mmol)と亜リン酸トリエチル(10.2mL,60mmol)を加え、175℃で20時間撹拌した。60℃に自然降温後、水道水(10.8mL,600mmol)を10分かけて添加し、再び80℃に昇温した。2時間撹拌後、減圧濾取し、冷メタノール(60mL)で洗浄した。得られた固形物にメタノール(120mL)を加え、85℃で加熱還流した。20分間撹拌後、室温に自然降温、減圧濾取し、再び冷メタノール(120mL)で洗浄した。加熱真空乾燥後、赤色の粗生成物を8.92g(77%)得た。シリカゲルを用いた濾過カラム精製(展開溶媒はヘキサン/塩化メチレン=4/1)の結果、白赤色固体が8.22g(71%,異性体比70:30)で得られた。得られたサンプル1.2gを用いてプロピオニトリル再結晶操作(23mL/g)を行った結果、白色結晶の化合物iso-4が702mg(42%)で得られた。残った混合物250mgに対してシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒はヘキサン/トルエン=9/1)を行い62mgの化合物iso-4(6%)と152mg(15%)の化合物4が白色固体として得られた。化学構造は、X線結晶構造解析により決定した。
化合物4の分析データ
Rf value 0.52(Hexane/Toluene=2/1);
HNMR(400MHz,CDCl)8.54(d,J=8.6Hz,1H),8.47(d,J=8.5Hz,1H),8.06(d,J=2.4Hz,1H),7.78(d,J=1.9Hz,1H),7.64(dd,J=8.5,2.4Hz,1H),7.54 (dd,J=8.6,2.0Hz,1H),7.46(d,J=1.7Hz,1H),7.28(d,J=1.7Hz,1H),6.88(d,J=1.9Hz,1H),6.81 (d,J=2.0Hz,1H),1.32(s,9H),1.08(s,9H),ppm;
13CNMR(100MHz,CDCl)195.4,153.5,152.8,146.4,146.0,140.2,139.3,138.4,135.2,134.5,132.9,131.7,130.8,130.4,130.0,129.9,129.3,125.1,124.8,123.2,122.1,120.9,119.5,116.9,34.9,34.8,30.9,30.8ppm;
MS(DART-TOFMS)m/z:772[MH]+;
IR(neat):2960,1698,1439,1391,1232,1160,822,750,710cm-1
HRMS(DARTTOFMS)calcd for C3429BrO:772.8911 [H]+,Found:772.8883[MH]+;
Anal.Calcd for C3428BrO:C,52.88;H,3.65.Found:C,52.60;H,3.54.
化合物iso-4の分析データ
Rf value 0.55(Hexane/Toluene=2/1);
HNMR(400MHz,CDCl)8.72(d,J=8.6Hz,1H),8.42(d,J=8.4Hz,1H),7.92(dd,J=8.6,1.9Hz,1H),7.88(d,J=1.8Hz,1H),7.68(d,J=1.9Hz,1H),7.56(d,J=1.6Hz,1H),7.54(dd,J=8.4,1.9Hz,1H), 6.96(d,J=1.6Hz,1H),6.83(d,J=1.8Hz,1H),6.60(d,J=1.9Hz,1H),1.17(s,9H),1.10(s,9H)ppm;
13CNMR(100MHz,CDCl)195.4,153.7,153.4,147.8,147.6,139.80,139.79,136.6,136.4,136.2, 133.8,133.4,131.8,131.3,131.0,130.6,128.6,128.3,125.4,125.2,123.1,122.1,122.0,121.1,117.3,69.8,35.3,35.1,31.4,31.0ppm;
MS(DART-TOFMS)m/z:772[MH]+;
IR(neat):2955,1689(C=O),1441,1389,1243,816,748,685cm-1
HRMS(DART-TOFMS)calcd for C3429BrO:772.8911[MH]+,Found:772.8902[MH]+Anal.Calcd for C3428BrO:C,52.88;H,3.65.Found:C,52.80; H,3.49.
実施例4
ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体(化合物6、iso-6)の合成
空気下、25mLの二径フラスコに化合物iso-4(576mg,0.75mmol)、トルエン(2.0mL)、メタノール(0.4mL)を加え、45℃に昇温した。水素化ホウ素ナトリウム(28mg,0.75mmol)を20分かけて添加後(7mgずつ4回に分けて5分ごとに加えた)、30分間攪拌した。アセトン(0.5mL)を加え30分間攪拌後、室温に自然降温した。有機層を水で洗浄(10mL×5)、飽和食塩水で洗浄(10mL)、芒硝乾燥、除媒濃縮を経て黄白色の粗生成物556mgを得た。得られた粗生成物は精製することなくそのまま次のステップに供した。
得られた粗生成物100mgのトルエン(1mL)溶液に二塩化エチルアルミニウム(0.16mL,0.16mmol、1Mのヘキサン溶液)を-78℃で2分かけて滴下した。その後5分間撹拌した後、0℃に昇温し、さらに4時間撹拌、0℃で水(2mL)を用いて反応停止操作を行った。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄(10mL)、芒硝乾燥、除媒濃縮を行い、白色の粗生成物を得た。シリカゲルを用いた濾過カラム精製(展開溶媒はヘキサン)を行い、白色固体の混合物(化合物6:化合物iso-6=19:81)を77mg(79%)で得た。
Figure 2022160249000030
実施例5
ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体(化合物7、iso-7)の合成
アルゴン雰囲気下、50mLの一径フラスコに化合物5と化合物iso-5の混合物(618mg,0.87mmol,化合物5:化合物iso-5=20:80)とジメチルホルムアミド(9.0mL)、ヨウ化銅(249mg,1.3mmol)、ナトリウムメトキシド(1.3mL、6.5mmol、28%のメタノール溶液)を加えた。反応溶液を120℃で30分間攪拌後、1M塩酸水溶液(20mL)で反応停止操作を行った。水層を塩化メチレン(10mL×3)で抽出操作を行った後、飽和食塩水で洗浄(20mL)、芒硝乾燥、除媒濃縮を経て粗生成物を得た。シリカゲルを用いたカラム精製(展開溶媒はヘキサン/トルエン=9/1)により、白色固体の混合物(化合物7:化合物iso-7 =24:76)を445mg(83%)で得た。
実施例6
ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体(化合物9、iso-9)の合成
アルゴン雰囲気下、化合物6と化合物iso-6の混合物(615mg,0.8mmol,化合物6:化合物iso-6=67:33)のジメチルホルムアミド(50mL)溶液にヨウ化銅(1.85g,9.72mmol)とナトリウムメトキシド(25mL,122 mmol,28%のメタノール溶液)を加えた。反応溶液を120℃で30分間撹拌後、セライトを詰めたグラスフィルターで濾過(展開溶媒はトルエン)を行い、3M塩酸水溶液(70mL)で反応停止操作を行った。得られたサンプルをトルエンで希釈し、水層に対してトルエンで抽出操作(15mL×3)を行った。集めた有機層を飽和食塩水で洗浄(20mL)、芒硝乾燥、真空乾燥後、粗生成物を得た。シリカゲルを用いた濾過カラム精製操作(展開溶媒はヘキサン/トルエン=1/1から1/2)を行い、白黄色固体の化合物iso-9を184mg(47%)、白色固体の化合物9を100mg(25%)得た。
化合物9の分析データ
Rf value 0.38(Hexane/Toluene=1/2);
HNMR(400MHz,CDCl)9.27(d,J=9.2Hz,2H),8.33(d,J=1.7Hz,2H),8.07(d,J=2.7Hz,2H),7.20(d,J=1.7Hz,2H),7.19(dd,J=9.2,2.7Hz,2H),4.13 (s,6H),3.89(s,6H),1.42(s,18H)ppm;
13CNMR(100MHz,CDCl)157.9,157.8,149.5,132.2,131.1,130.6,129.9,124.1,119.4,118.2,115.8,110.2,107.5,56.6,55.9,35.9,32.2ppm;
MS(DART-TOFMS)m/z:561[MH]+;
IR(neat):2952,1606,1463,1232,1092,1045,730,619cm-1
HRMS(DART-TOFMS)calcd for C3841:561.3004 [H]+,Found:561.2995[MH]+;
Anal. Calcd for C3840:C,81.40;H,7.19.Found:C,81.20;H,7.27.
化合物iso-9の分析データ
Rf value 0.55(Hexane/Toluene=1/2);
HNMR(400MHz,CDCl)9.29(d,J=9.4Hz,2H),8.25(d,Jx=1.6Hz,2H),8.13(d,J=2.8Hz,2H),7.21 (d,J=1.6Hz,2H),7.19(dd,J=9.4,2.8Hz,2H),4.13(s,6H),3.90(s,6H),1.42(s,18H)ppm;
13CNMR(100MHz,CDCl)157.7,157.4,149.1,131.5,131.2,130.5,130.1,129.2,123.8,119.3,118.4,114.9,109.7,107.3,56.3,55.7,35.6,31.9ppm;
MS(DART-TOFMS)m/z:561[MH]+;
IR(neat):2948,1606,1455,1387,1224,1017,826,790cm-1
HRMS(DART-TOFMS)calcd for C3841:561.3004[MH]+,Found:561.3005[MH]+;
Anal.Calcd for C3840:C,81.40;H,7.19.Found:C,81.43;H,7.01.
Figure 2022160249000031
実施例7
ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体(化合物8、iso-8)の合成
アルゴン雰囲気下、25mLフラスコに化合物7と化合物iso-7の混合物(445mg,0.73mmol,化合物7:化合物iso-7=24:76)と塩化メチレン(5.0mL)を加えた。0℃で10分間撹拌後、1M三臭化ホウ素(2.2mL,2.2mmol,塩化メチレン溶液)を5分かけて滴下した。0℃で4時間撹拌させた後、水(10mL)を加えて反応停止操作を行った。水層を塩化メチレン(10mL×3)で抽出操作を行った。飽和食塩水で洗浄(30mL)、芒硝乾燥、減圧濃縮、真空乾燥を行い、451mgの茶白色の粗生成物を得た。シリカゲルを用いたカラム精製(展開溶媒はトルエン/ヘキサン=4/1)の結果、71mg(17%)の化合物8と270mg(63%)の化合物iso-8が白色固体として得られた。
化合物8の分析データ
Rf value 0.28(Toluene only);
HNMR(400MHz,CDCN)9.15(d,J=8.7Hz,2H),8.59(d,J=2.0Hz,2H),8.24(d,J=1.7Hz,2H),7.66(dd,J=8.8,2.0Hz,2H),7.09(d,J=1.7Hz,2H),5.57(s,2H),1.41(s,18H),1.40(s,18H)ppm;
13CNMR(100MHz,DMSO-d6)153.4,150.1,149.0,131.9,130.4,129.6,127.5,127.2,124.9,124.0,118.3,117.5,111.8,35.33,35.28,31.9,31.8ppm;
MS(DART-TOFMS)m/z:585[MH]+;
IR(neat):3470,2960,1610,1404,1232,1204,759cm-1
HRMS(DART-TOFMS)calcd for C4249:585.3733[MH]+,Found:585.3725.
化合物iso-8の分析データ
Rf value 0.42(Toluene only);
HNMR(400MHz,CDCN)9.16(d,J=8.8Hz,2H),8.60(d,J=2.0Hz,2H),8.23(d,J=1.8Hz,2H),7.67(dd,J=8.8,2.0Hz,2H),7.07(d,J=1.8Hz,2H),5.56(s,2H),1.42(s,18H),1.39(s,18H)ppm;
13CNMR(100MHz,DMSO-d)152.3,148.9,148.0,131.1,129.2,129.0,127.9,126.6,126.3,123.9,123.1,117.3,116.4,110.6,34.3,34.2,30.8,30.7ppm;
MS(DART-TOFMS)m/z:585[MH]+;
IR(neat):3509,3235,2956,1615,1399,1236,1097,942cm-1
HRMS(DART-TOFMS)calcd for C4249:585.3733[H]+,Found:585.3737.
実施例8
ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体(化合物10)の合成
アルゴン雰囲気下、20mL一径フラスコに化合物9(0.36mmol,200mg)と塩化メチレン(2mL)を加えた。0℃で20分間撹拌後、1M三臭化ホウ素(2.2mL,2.2mmol,塩化メチレン溶液)を3分かけて滴下し、反応溶液を4時間撹拌した。室温まで自然昇温し、30分間撹拌後に、0℃で水(10mL)を用いて反応停止操作を行った。得られたサンプルを酢酸エチルで希釈し、水層に対して酢酸エチルで抽出操作(10mL×3)を行った。集めた有機層を飽和食塩水で洗浄(15mL)、芒硝乾燥、真空乾燥後、126mg(90%)の化合物10を白黄色固体として得た。
化合物10の分析データ
Rf value0.31(Toluene/EtOAc=4/1);
HNMR(400MHz,CDCN)9.29(d,J=9.0Hz,2H),8.17(d,J=1.8Hz,2H),7.95(d,J=2.7Hz,2H),7.68(s,2H),7.20(s,2H),7.19(d,J=1.8Hz,2H),7.10(d,J=2.7,9.0Hz,2H),1.39(s,18H)ppm;
13CNMR(100MHz,DMSO-d)155.0,154.4,147.8,130.8,129.7,129.6,128.3,122.3,116.7,115.3,115.0,111.7,110.9,34.4,31.1ppm;
MS(DART-TOFMS)m/z:505[MH]+;
IR(neat):3530,3382,2956,1606,1407,1188,854,774cm-1
HRMS(DART-TOFMS)calcd for C3433:505.2378[MH]+,Found:505.2385.
実施例9
ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体(化合物iso-10)の合成
アルゴン雰囲気下、20mL一径フラスコに化合物iso-9(0.28mmol,160mg)と塩化メチレン(2mL)を加えた。0℃で20分間撹拌後、1M三臭化ホウ素(1.7mL,1.7mmol,塩化メチレン溶液)を3分かけて滴下し、反応溶液を4時間撹拌させた。水(5mL)で反応停止操作を行った後、得られたサンプルを酢酸エチルで希釈し、水層に対して酢酸エチルで抽出操作(10mL×3)を行った。集めた有機層を飽和食塩水で洗浄(20mL)、芒硝乾燥、真空乾燥後、130mg(93%)の化合物iso-10を白緑色固体として得た。
化合物iso-10の分析データ
Rf value0.29(Hexane/EtOAc,1/1);
HNMR(400MHz,CDCN)9.28(d,J=9.0Hz,2H),8.11(d,J=1.8Hz,2H),8.06(d,J=2.6Hz,2H),7.67(s,2H),7.26(s,2H),7.19(d,J=1.8Hz,2H),7.10(d, J=2.6,9.0Hz,2H),1.36(s,18H)ppm;
13CNMR(100MHz,DMSO-d)155.1,154.5,147.7,130.4,130.1,129.8,127.4,122.1,117.0,115.7,115.0,111.1,110.9,34.4,31.2ppm;
MS(DART-TOFMS)m/z:505[MH]+;
IR(neat):3501,3346,2955,1606,1404,1222,1179,1084,851,791cm-1
HRMS(DART-TOFMS)calcd for C3433:505.2378[MH]+,Found:505.2372.
本発明のジベンゾ[g,p]クリセン誘導体の製造方法は、薄膜トランジスターの正孔輸送物質や有機発光ダイオードの発光素子として有用なジベンゾ[g,p]クリセン誘導体の製造方法として適用可能である。また、本発明のジベンゾ[g,p]クリセン誘導体は、薄膜トランジスターの正孔輸送物質や有機発光ダイオードの発光素子に適用可能である。
本発明の最も重要な要素は、嵩高い分岐構造を有するアルキル基等、および、さまざまな官能基へと変換可能なハロゲノ基等を有する9-フルオレノンを二量化したことである。その主たる効果は、以下の通りである。
(1)ハロゲノ基等を持ち、なおかつ有機溶媒に問題なく溶けるジベンゾ[g,p]クリセン誘導体を、極めて簡単簡便に合成できる。
(2)ハロゲノ基等を足掛かりとした多彩かつ多様な官能基の導入が可能となる。さらに、クロスカップリング反応やリチウムーハロゲン交換反応による精密な置換反応を行うことで、新化合物を生み出すことが可能となり、ジベンゾ[g,p]クリセンを基軸とした新しい機能性材料を生み出すきっかけとなる。
(3)水酸基を持ち、なおかつ有機溶媒に問題なく溶けるジベンゾ[g,p]クリセン誘導体を、極めて簡単簡便に合成でき、高分子材料を製造する関連産業に対して有用な発明の一つと考えられ、業界への貢献が期待される。

Claims (5)

  1. 分岐構造を有するアルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基を2個以上と、ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基を2個以上とを有し、全ての置換基の数が6以上であるジベンゾ[g,p]クリセン誘導体。
  2. 下記式
    Figure 2022160249000032
    Figure 2022160249000033
    Figure 2022160249000034
    Figure 2022160249000035
    Figure 2022160249000036
    Figure 2022160249000037
    Figure 2022160249000038
    Figure 2022160249000039
    、または、
    Figure 2022160249000040
    である請求項1に記載のジベンゾ[g,p]クリセン誘導体。
  3. 分岐構造を有するアルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基を2個以上と、ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基を2個以上と、フルオレン骨格を有し、全ての置換基の数が6以上であるスピロケトン誘導体。
  4. 下記式
    Figure 2022160249000041
    Figure 2022160249000042
    Figure 2022160249000043
    または、
    Figure 2022160249000044
    である請求項3に記載のスピロケトン誘導体。
  5. (a)分岐構造を有するアルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基からなる群から選択される置換基と、ハロゲノ基、水酸基、アルキルエーテル基、および、ポリオキシアルキレン基からなる群から選択される置換基を有し、全ての置換基の数が3以上であるフルオレノン誘導体を二量化し、スピロケトン誘導体を作製する工程、
    (b)得られたスピロケトン誘導体を還元し、水酸基を有するスピロケトン誘導体を作製する工程、および、
    (c)得られたスピロケトン誘導体を脱水し、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体を得る工程
    を含む請求項1または2に記載のジベンゾ[g,p]クリセン誘導体の製造方法。

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