JP6987619B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
定着性の向上及びさらなる高画質化を達成する為には、トナーの溶融粘度を制御し、且つ高い帯電量を維持する必要がある。従来、トナーの溶融粘度の制御の容易性と高帯電量を有する結着樹脂として、ポリエステル樹脂が用いられている。
ポリエステル樹脂を用いて、トナーの溶融粘度を制御する方法として、以下の方法が開示されている。
また、特許文献2では、酸価が30mgKOH/g以上のポリエステル樹脂にポリグリシジルメタクリレートを0.5質量部添加することで、粘弾性を制御したトナーが開示されている。
特許文献1及び2に開示されたトナーによれば、ポリエステル樹脂のカルボキシ基とエポキシ基との反応によってトナーの粘弾性を制御し、高い帯電量を得ることができる。
その為、低温低湿環境下や高温高湿環境下で使用すると、トナーの帯電量が変化する場合がある。トナーの帯電量が変化すると、所望の画像濃度が得られず、カブリや飛び散りが発生し、画質が低下する。
使用環境によらず、さらなる高画質化を達成する為には、帯電量の環境変動を抑制する必要がある。
該特許文献1及び特許文献2に開示されたトナーは、トナーの粘弾性は制御されているが、トナーの帯電量の環境変動を抑制する効果は得られていない。
本発明は、帯電量の環境変動を抑制することで、低温低湿環境下及び高温高湿環境下においても所望の画像濃度を得ることができ、カブリや飛び散りの発生が抑制されたトナー及び該トナーの製造方法を提供するものである。
結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂は、カルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマーとエポキシ基を有するビニル系ポリマーとが、該カルボキシ基と該エポキシ基との反応によって化学的に結合したハイブリッド樹脂を含有し、
該エポキシ基を有するビニル系ポリマーが、エポキシ基を有するビニル系モノマー由来のモノマーユニットを50質量%以上100質量%以下含有し、
該トナーのクロロホルム可溶分のエポキシ価が、0.040eq/kg以上0.500eq/kg以下であることを特徴とするトナーに関する。
上記トナーの製造方法であって、
カルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマー及びエポキシ基を有するビニル系ポリマーを含有する組成物を溶融混練する工程を含み、
該エポキシ基を有するビニル系ポリマーが、エポキシ基を有するビニル系モノマー由来のモノマーユニットを50質量%以上100質量%以下含有し、
該トナーのクロロホルム可溶分のエポキシ価が、0.040eq/kg以上0.500eq/kg以下であることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
また、モノマーユニットとは、ポリマー又は樹脂中のモノマー物質の反応した形態をいう。
該結着樹脂は、カルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマーとエポキシ基を有するビニル系ポリマーとが化学的に結合したハイブリッド樹脂を含有する。
該トナーのクロロホルム可溶分のエポキシ価は、0.040eq/kg以上0.500eq/kg以下である。
本発明者らは、上記トナーを用いることで、トナーの帯電量の環境変動を抑制することができ、低温低湿環境下及び高温高湿環境下においても所望の画像濃度を得られ、カブリや飛び散りの発生を抑制することができることを見出した。
帯電量の環境変動を抑制するとは、低温低湿環境下における過剰帯電を抑制することと、高温高湿環境下における帯電量の低下を抑制することである。
樹脂の帯電特性は、一般的に吸湿すると低くなり、乾燥すると高くなる。すなわち、ポリエステル樹脂は、高温高湿環境下では、吸湿により帯電量が低下しやすく、低温低湿環境下では、乾燥により過剰に帯電しやすい。
その結果、ポリエステル樹脂を用いたトナーは、帯電量の環境変動が大きくなり、使用環境の温湿度の変化により、所望の画像濃度が得られない場合があった。
さらに、低温低湿環境下で過剰に帯電すると、飛び散りが発生し、高温高湿環境下で帯電量が低下するとカブリが発生する場合があった。
結着樹脂として、該帯電特性の異なる樹脂を化学的に結合させたハイブリッド樹脂を用い、且つ、トナーのクロロホルム可溶分のエポキシ価を0.040eq/kg以上0.500eq/kg以下に制御することで、トナーの帯電量の環境変動を制御できることを見出した。
上記構成により、従来にない優れた効果を得られる理由は以下のように考えている。
該トナーの特徴は、結着樹脂として、負帯電性が高いポリエステル構造を含有するポリ
マーと負帯電性が低いエポキシ基を有するビニル系ポリマーとが化学的に結合した構造を有するハイブリッド樹脂を含有することである。
該ハイブリッド樹脂としては、ポリエステル構造を含有するポリマーのカルボキシ基とビニル系ポリマーのエポキシ基が化学的に反応して、下記のような結合を形成する態様が例示できる。
すなわち、該ハイブリッド樹脂は、カルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマーとエポキシ基を有するビニル系ポリマーとが化学的に結合した構造を有する。
化学的に結合するとは、共有結合が挙げられる。
該トナーのクロロホルム可溶分のエポキシ価は、0.040eq/kg以上0.500eq/kg以下である。該エポキシ価は、0.070eq/kg以上0.300eq/kg以下であることが好ましく、0.100eq/kg以上0.200eq/kg以下であることがより好ましい。
該トナーのクロロホルム可溶分は、結着樹脂が主成分であり、トナーの帯電量の環境変動抑制効果に大きく影響する成分である。なお、該トナーのクロロホルム可溶分の樹脂成分としては、ハイブリッド樹脂の他に未反応のカルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマー、未反応のエポキシ基を有するビニル系ポリマー及びその他の樹脂が含まれていてもよい。
該ハイブリッド樹脂中のカルボキシ基と反応したエポキシ基は、エステル基となる為、エポキシ価として検出されない。すなわち、エポキシ価が0.040eq/kg以上0.500eq/kg以下とは、結着樹脂中に未反応のエポキシ基が存在していることを示している。
一方で、高温高湿環境下では、エポキシ基は吸湿性が高い為、負帯電性を弱める効果は小さくなると共に、ポリエステル構造への吸湿を抑制する。その結果、トナーの帯電量の低下を抑制することができ、帯電量の環境変動も抑制することができる。
以上の効果により、該トナーは、使用環境によらず、所望の画像濃度を得られ、カブリや飛び散りの発生が抑制される。
例えば、以下の方法が例示できる。
カルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマーとエポキシ基を有するビニル系ポリマーの混合物を化学的に結合しうる温度(例えば、100℃以上程度)で溶融混練する方法。
カルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマーとエポキシ基を有するビニル系ポリマーの混合物を溶媒に溶解した後、化学的に結合しうる温度(例えば、100℃以上程度)で保持する方法。
上記範囲内のエポキシ価を有するビニル系ポリマーは、エポキシ基の官能基濃度が高い為、エポキシ基同士の分子間距離が近くなる。その為、ポリエステル構造と反応したハイブリッド樹脂の未反応のエポキシ基は、ポリエステル構造の立体障害により、反応性が低下する。
その結果、エポキシ基と反応したポリエステル構造と未反応のエポキシ基の分子間距離が近くなる為、化学結合を介した帯電制御効果がより効果的に得られ、帯電量の環境変動をより効果的に抑制することができる。
エポキシ基を有するビニル系ポリマーに由来する構造の含有量が上記範囲内であることにより、ポリエステル構造に由来する高い帯電性を阻害することなく、帯電量の環境変動を効果的に抑制することができる。
なお、エポキシ基を有するビニル系ポリマーに由来する構造の含有量は、ハイブリッド樹脂中のエポキシ基を有するビニル系ポリマーに由来する構造と、未反応のエポキシ基を有するビニル系ポリマーの合計量である。
該ポリエステル構造を有するポリマーのカルボキシ基価は、エポキシ基との反応点となる官能基濃度を表している。カルボキシ基価が上記範囲内であることにより、カルボキシ基とエポキシ基が化学的に結合したハイブリッド樹脂を効果的に得ることができ、帯電量の環境変動をより効果的に抑制することができる。
該カルボキシ基価は、カルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマーの酸価を測定して、下記式(1)から計算により算出する。
カルボキシ基価(eq/kg)=酸価(mgKOH/g)/56.11 (1)
なお、カルボキシ基価として0.070eq/kg以上0.500eq/kg以下に対応する酸価は、4mgKOH/g以上28mgKOH/g以下である。
結着樹脂のクロロホルム可溶分量が上記範囲であることにより、トナーの帯電量の環境変動を効果的に抑制することができる。
なお、結着樹脂のクロロホルム可溶分量を上記範囲に調整する手法としては、反応時の反応温度及び反応時間を調整することによって、ハイブリッド樹脂の分子量を制御する方法などが挙げられる。
なお、以下の成分は種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
ポリエステル構造としては、下記酸成分と下記アルコール成分との縮重合物が例示できる。
2価の酸成分としては、以下のジカルボン酸又はその誘導体が挙げられる。
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸のようなベンゼンジカルボン酸類、その無水物又はその低級アルキルエステル;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類、その無水物又はその低級アルキルエステル;炭素数の平均値が1以上50以下のアルケニルコハク酸類又はアルキルコハク酸類、又はその無水物若しくはその低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸のような不飽和ジカルボン酸類、その無水物又はその低級アルキルエステル。
一方、2価のアルコール成分としては、以下のものが挙げられる。
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、水素化ビスフェノールA、式(I)で表されるビスフェノール及びその誘導体、及び式(II)で示されるジオール類。
3価以上のカルボン酸化合物としては、特に制限されないが、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
また、3価以上のアルコール化合物としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリンなどが挙げられる。
さらに。該ポリエステル構造の構成成分は、上述した化合物以外に、1価のカルボン酸化合物及び1価のアルコール化合物を構成成分として含有してもよい。
具体的には、1価のカルボン酸化合物としては、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、テトラコンタン酸、ペンタコンタン酸などが挙げられる。
一方、1価のアルコール化合物としては、ベヘニルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、テトラコンタノールなどが挙げられる。
例えば、該2価のカルボン酸化合物及び2価のアルコール化合物をエステル化反応又はエステル交換反応、及び縮合反応を経て重合する方法が挙げられる。
重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲であることが好ましい。ポリエステル構造の重合に際しては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなどの重合触媒を用いることができる。
なお、以下の成分は種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
エポキシ基を有するビニル系モノマーとしては、以下のモノマーが挙げられる。
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸−β−メチルグリシジル、メタクリル酸−β−メチルグリシジル、アリルグリシジルエーテル、アリル−β−メチルグリシジルエーテル。
この中でも、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルが好ましい。
該エポキシ基を有するビニル系モノマーは単独、又は混合して、該エポキシ基を有するビニル系モノマー以外のビニル系モノマーと公知の重合方法により共重合させることにより、該エポキシ基を有するビニル系ポリマーを得ることができる。
該エポキシ基を有するビニル系ポリマーは、エポキシ基を有するビニル系モノマー由来のモノマーユニットを50質量%以上100質量%以下含有することが好ましく、80質量%以上100質量%以下含有することがより好ましい。
エポキシ基を有するビニル系モノマー由来のモノマーユニットを上記範囲で含有することにより、トナーの帯電量の環境変動抑制効果をより効果的に得ることができ、所望の画像濃度が得られ、カブリや飛び散りの発生が抑制される。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンのようなスチレン誘導体が挙げられる。
アクリル酸系モノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルのようなアクリル酸及びアクリル酸エステル類;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなα−メチレン脂肪族モノカルボン酸及びそのエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル酸又はメタクリル酸誘導体などが挙げられる。
ビニル系ポリマーには、ビニル重合が可能な種々のモノマーを必要に応じて併用することができる。このようなモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンのような不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンのような不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルのようなハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類:;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンのようなビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンのようなN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸のような不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物のような不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルのような不飽和塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸のような不飽和塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸のようなα,β−不飽和酸の酸無水物;該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルのようなカルボキシ基を有するモノマーが挙げられる。
架橋性モノマーには、例えば、芳香族ジビニル化合物、アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、ポリエステル型ジアクリレート類、及び多官能の架橋剤などが挙げられる。
該芳香族ジビニル化合物としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどが挙げられる。
該アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものなどが挙げられる。
該エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及
び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものなどが挙げられる。
該芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものなどが挙げられる。ポリエステル型ジアクリレート類としては、商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。
該多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;などが挙げられる。
該重合開始剤は、効率の点から、モノマー100質量部に対して、0.05質量部以上10質量部以下で用いるのが好ましい。
該重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−カーバモイルアゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン);メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロビルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
該ガラス転移温度(Tg)は、示差走査型熱量計(DSC)「MDSC−2920」(
TA Instruments社製)を用い、ASTM D3418−82に準じて、常温常湿下で測定する。
測定試料として、結着樹脂約3mgを精秤したものをアルミニウム製パン中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製パンを用いる。
測定温度範囲を30℃以上200℃以下とし、一旦、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温した後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温し、再度、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温させる。
該2回目の昇温過程で得られるDSC曲線において、比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。
該ワックスとしては、以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化型ワックス;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したものなど。
これらのうち、脂肪族炭化水素系ワックスが好ましい。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒で重合した低分子量の炭化水素;石炭又は天然ガスから合成されるフィッシャートロプシュワックス;高分子量のオレフィンポリマーを熱分解して得られるオレフィンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス、又はこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスが挙げられる。
さらに、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましい。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。
ワックスを添加するタイミングは、トナー製造時に添加してもよいし、結着樹脂の製造時に添加してもよい。また、これらワックスは、一種類を単独で使用してもよいし二種類以上を併用して使用してもよい。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
磁性1成分現像剤の場合、着色剤として、磁性体が好ましく用いられる。該磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む磁性酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、又は、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物が挙げられる。
磁性体の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、30質量部以上100質量部以下であることが好ましい。
黒色の顔料としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。また、マグネタイト、フェライトなどの磁性体を用いることもできる。
イエロー色の着色剤としては、下記顔料又は染料が例示できる。
顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、17、23、62、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、109、110、111、117、120、127、128、129、137、138、139、147、151、154、155、167、168、173、174、176、180、181、183、191、C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。
染料としては、C.I.ソルベントイエロー19、44、77、79、81、82、93、98、103、104、112、162などが挙げられる。
これらは、1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
シアン色の着色剤としては、下記顔料又は染料が例示できる。
顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15;1、15;2、15;3、15;4、16、17、60、62、66、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45が挙げられる。
染料としては、C.I.ソルベントブルー25、36、60、70、93、95などが挙げられる。
これらは、1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
マゼンタ色の着色剤としては、下記顔料又は染料が例示できる。
顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48;2、48;3、48;4、49、50、51、52、53、54、55、57、57;1、58、60、63、64、68、81、81;1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、52、58、63、81、82、83、84、100、109、111、121、122、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1などの油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料などが挙げられる。
これらは、1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
該荷電制御剤としては、アゾ系鉄化合物、アゾ系クロム化合物、アゾ系マンガン化合物、アゾ系コバルト化合物、アゾ系ジルコニウム化合物、カルボン酸誘導体のクロム化合物、カルボン酸誘導体の亜鉛化合物、カルボン酸誘導体のアルミ化合物、カルボン酸誘導体のジルコニウム化合物が挙げられる。
該カルボン酸誘導体は、芳香族ヒドロキシカルボン酸が好ましい。また、荷電制御樹脂も用いることもできる。これらの荷電制御剤は、1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。荷電制御剤及び荷電制御樹脂の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
外添剤としては、例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラ定着時の離型剤、滑剤、及び研磨剤などの働きをする樹脂微粒子や無機微粒子が挙げられる。滑剤としては、ポリフッ化エチレン微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子が挙げられる。研磨剤としては、酸化セリウム微粒子、炭化ケイ素微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子が挙げられる。
これらのうち、シリカ微粒子をトナー粒子に外添することが好ましい。
該シリカ微粒子は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m2/g以上500m2/g以下であることが好ましく、50m2/g以上400m2/g以下であることがより好ましい。また、シリカ微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部以上8.0質量部以下であることが好ましく、0.10質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。
該シリカ微粒子は、必要に応じ、疎水化、摩擦帯電性コントロールの目的で、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物又は、その他の有機ケイ素化合物のような処理剤で処理されていてもよい。
該キャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイトなどのキャリアや樹脂コートキャリアを使用することができる。また、樹脂中に磁性体が分散されたバインダー型のキャリアコアも用いることができる。
樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子とキャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆材からなる。被覆材に用いられる樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素含有樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリビニルブチラール;アミノアクリレート樹脂が挙げられる。その他には、アイオモノマー樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は複数を併用して用いることができる。
カルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマー及びエポキシ基を有するビニル系ポリマーを含有する組成物を溶融混練する工程を含み、
該トナーのクロロホルム可溶分のエポキシ価が、0.040eq/kg以上0.500eq/kg以下であることを特徴とする。
該トナーは、上記製造方法以外に、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法などの公知の方法によって製造することができる。しかし、上記製造方法を用いた場合、トナー中のクロロホルム可溶分のエポキシ価を上記範囲へ調整することが容易である。
結着樹脂を形成する、カルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマー及びエポキシ基を有するビニル系ポリマー、並びに、必要に応じて、着色剤、ワックス、荷電制御剤及びその他の添加剤を含有する組成物を、ヘンシェルミキサー又は、ボールミルのような混合機により十分混合して混合物を得る。
得られた混合物を、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練する(溶融混練工程)。
混練時の混合物の温度は、100℃以上200℃以下程度であることが好ましく、140℃以上180℃以下程度であることがより好ましい。
得られた混練物を、冷却固化後、粉砕及び分級を行い、トナー粒子を得る。
さらに、トナー粒子にシリカ微粒子などの外添剤をヘンシェルミキサーのような混合機
により十分混合することでトナーを得る。
ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
該混練機としては、以下のものが挙げられる。
KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。
カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。
クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ、TTSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。
ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
<エポキシ価の測定方法>
基本操作はJIS K−7236に準ずる。
(1)試料は予めトナー及び結着樹脂のクロロホルム不溶成分を除去して使用するか、クロロホルム溶媒によって抽出された可溶成分を試料として使用する。試料の粉砕品を0.5〜2.0(g)を精秤し、その重さをW(g)とする。
(2)300mLのビーカーに試料を入れ、クロロホルム10mL及び酢酸20mLに溶解する。この溶液に、臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液10mLを加えて測定試料を調製する。
(3)該測定試料を、電位差滴定装置AT−400(win workstation)、及び、APB−410電動ビュレット(以上、京都電子株式会社製)を用い、0.1mol/Lの過塩素酸酢酸溶液で、自動滴定する。
(4)この時の過塩素酸酢酸溶液の使用量をS(mL)とし、同時にブランクを測定し、この時の過塩素酸酢酸溶液の使用量をB(mL)とする。
(5)エポキシ価は次式により得られる。fは過塩素酸酢酸溶液のファクターである。
エポキシ価(eq/kg)=0.1×f×(S−B)/W
基本操作はJIS K−0070に準ずる。
(1)試料は予めトナー及び結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶成分を除去し
て使用するか、THF溶媒によって抽出された可溶成分を試料として使用する。試料の粉砕品を0.5〜2.0(g)を精秤し、その試料の重さをW(g)とする。
(2)300mLのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150mLを加え溶解し、測定試料を調製する。
(3)該測定試料を、電位差滴定装置AT−400(win workstation)、及び、APB−410電動ビュレット(以上、京都電子株式会社製)を用い、0.1mol/LのKOHエタノール溶液で、自動滴定する。
(4)この時のKOHエタノール溶液の使用量をS(mL)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOHエタノール溶液の使用量をB(mL)とする。
(5)カルボキシ基価は次式により得られる。fはKOHエタノール溶液のファクターである。
カルボキシ基価(eq/kg)={(S−B)×f×5.61}/(W×56.11)
トナー1.0gを秤量(W1g)し、円筒ろ紙(No.86R、サイズ28×100mm、東洋濾紙(株)製)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてクロロホルム200mLを用いて、16時間抽出する。
このとき、溶媒の抽出サイクルが約4分〜5分に一回になるような還流速度で抽出を行う。抽出終了後、円筒ろ紙を取り出し、40℃で8時間真空乾燥し、抽出残分を秤量する(W2g)。
そして、樹脂成分以外の成分の含有量(W3g)を次式のように差し引くことによって、結着樹脂のクロロホルム可溶分量(質量%)を求める。
クロロホルム可溶分量(質量%)=100−{(W2−W3)/(W1−W3)}×100
樹脂成分以外の成分の含有量は、公知の分析手段によって測定する。
分析が困難な場合には、以下のようにして樹脂成分以外の成分の含有量(トナー中の焼却残灰分(W3’g))を見積もり、その含有量を差し引くことによって、クロロホルム可溶分を求める。
トナー中の焼却残灰分は以下の手順で求める。
予め秤量した30mLの陶磁製るつぼに2.0gのトナーを秤量(Wag)する。
るつぼを電気炉に入れ、900℃で3時間加熱し、電気炉中で放冷し、常温下でデシケーター中に1時間以上放冷し、焼却残灰分を含むるつぼの質量を秤量し、るつぼの質量を差し引くことにより焼却残灰分(Wbg)を算出する。
そして、次式により、試料(W1g)中の焼却残灰分の質量(W3’g)を算出する。W3’=W1×(Wb/Wa)
この場合、結着樹脂のクロロホルム可溶分量は、次式で求める。
クロロホルム可溶分量(質量%)=100−{(W2−W3’)/(W1−W3’)}×100
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解水溶液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
・ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物 30mol%
(平均付加mol数:2.2mol)
・ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物 20mol%
(平均付加mol数:2.2mol)
・テレフタル酸 42mol%
・無水トリメリット酸 8mol%
上記モノマーとジブチル錫オキシドを、酸成分の全量100部に対して、0.03部添加し、窒素気流下、220℃にて6時間攪拌しつつ反応させて、ポリマーA−1を得た。
得られたポリマーA−1のカルボキシ基価は0.400eq/kgであり、ガラス転移温度(Tg)は60℃であった。
モノマー組成を表1に示す様に変更する以外は、ポリマーA−1の製造例に従い、ポリマーA−2〜A−5を得た。
表中の、BPA−POは、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(平均付加mol数:2.2mol)を表し、BPA−EOは、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(平均付加mol数:2.2mol)を表す。
・スチレン 50部
・メタクリル酸n−ブチル 45部
・メタクリル酸 5部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 8部
4つ口フラスコにキシレン200部を準備し、撹拌しながらフラスコ内を十分に窒素で置換し120℃に昇温させた。その後、上記各成分を、4時間かけて滴下した。
さらに、キシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去して、ポリマーA−6を得た。ポリマーA−6のカルボキシ基価は0.600eq/kgであり、ガラス転移温度(Tg)は58℃であった。
・メタクリル酸グリシジル 100部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 8部
4つ口フラスコにキシレン200部を準備し、撹拌しながらフラスコ内を十分に窒素で置換し120℃に昇温させた。その後、上記各成分を、4時間かけて滴下した。
さらに、キシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去して、ポリマーB−1を得た。ポリマーB−1のエポキシ価は7.0eq/kgであった。
メタクリル酸グリシジルをアクリル酸グリシジルに変更した以外は、ポリマーB−1の製造例に従い、ポリマーB−2を得た。ポリマーB−2のエポキシ価は7.8eq/kgであった。
・メタクリル酸グリシジル 80部
・メタクリル酸n−ブチル 20部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 8部
モノマー成分を上記成分に変更した以外は、ポリマーB−1の製造例に従い、ポリマーB−3を得た。ポリマーB−3のエポキシ価は5.5eq/kgであった。
・メタクリル酸グリシジル 60部
・メタクリル酸n−ブチル 40部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 8部
モノマー成分を上記成分に変更した以外は、ポリマーB−1の製造例に従い、ポリマーB−4を得た。ポリマーB−4のエポキシ価は4.0eq/kgであった。
メタクリル酸グリシジルをアリルグリシジルエーテルに変更した以外は、ポリマーB−1の製造例に従い、ポリマーB−5を得た。ポリマーB−5のエポキシ価は8.8eq/kgであった。
・メタクリル酸グリシジル 50部
・メタクリル酸n−ブチル 50部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 8部
モノマー成分を上記成分に変更した以外は、ポリマーB−1の製造例に従い、ポリマーB−6を得た。ポリマーB−6のエポキシ価は3.2eq/kgであった。
・メタクリル酸グリシジル 40部
・メタクリル酸n−ブチル 60部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 8部
モノマー成分を上記成分に変更した以外は、ポリマーB−1の製造例に従い、ポリマーB−7を得た。ポリマーB−7のエポキシ価は2.7eq/kgであった。
・メタクリル酸グリシジル 2部
・メタクリル酸n−ブチル 98部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 8部
モノマー成分を上記成分に変更した以外は、ポリマーB−1の製造例に従い、ポリマーB−8を得た。ポリマーB−8のエポキシ価は0.1eq/kgであった。
(トナー1の製造例)
・ポリマーA−1 97.0部
・ポリマーB−1 3.0部
・ノルマルパラフィンワックス(融点:78℃) 6.0部
・C.I.ピグメントブルー 15:3 4.0部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5部
上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、二軸混練押し出し機によって、160℃で溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで微粉砕した。
得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)6.0μmの負摩擦帯電性のトナー粒子を得た。
該トナー粒子100部に対して、疎水化処理したシリカ微粒子(BET法で測定した窒素吸着による比表面積が140m2/g)3.5部、及び、酸化チタン微粒子(ルチル形、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が70m2/g)0.5部を外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。
得られたトナー1のクロロホルム可溶分のエポキシ価は、0.170eq/kgであり、結着樹脂中のクロロホルム可溶分量は80質量%であった。
・Fe2O3 62.7部
・MnCO3 29.5部
・Mg(OH)2 6.8部
・SrCO3 1.0部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。
その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕及び混合した。得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。
このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りであった。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
該仮焼フェライトをクラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。さらに、得られたスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
該フェライトスラリーに、仮焼フェライト100部に対して、分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム1.0部、及び、バインダーとしてのポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子の粒度を調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)が37.0μmの磁性コア粒子を得た。
・シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8%
・メチルメタクリレートモノマー 0.2%
・メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
・トルエン 31.3%
・メチルエチルケトン 31.3%
・アゾビスイソブチロニトリル 2.0%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレートモノマー、メチルメタクリレートモノマー、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、及びメチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに
入れた。セパラブルフラスコ内に、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加し、5時間還流して重合させた。
得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させた。
得られた沈殿物を濾別後、真空乾燥して樹脂を得た。
30部の該樹脂を、トルエン40部及びメチルエチルケトン30部の混合溶媒に溶解して、樹脂溶液(固形分濃度30%)を得た。
(被覆樹脂溶液の調製)
・樹脂溶液(固形分濃度30%) 33.3%
・トルエン 66.4%
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.3%
(一次粒子の個数平均粒径:25nm、窒素吸着比表面積:94m2/g、DBP吸油量:75ml/100g)
上記材料を、ペイントシェーカーに投入し、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過を行い、被覆樹脂溶液を得た。
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに、被覆樹脂溶液及び磁性コア粒子を投入した(被覆樹脂溶液の投入量は、磁性コア粒子100部に対して、樹脂成分として2.5部)。
投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後に冷却した。
得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)が38.2μmの磁性キャリアを得た。
トナー1と磁性キャリアを、磁性キャリア90部に対して、トナー1が10部になるように、V型混合機(V−10型:株式会社徳寿製作所)を用いて、0.5s−1、回転時間5minの条件で混合して現像剤1を調製した。
画像形成装置として、キヤノン(株)製のカラー複写機(商品名:imageRUNNER ADVANCE C9075 PRO)の改造機を用いた。
シアン位置の現像器に現像剤1を入れ、補給用現像剤を入れた補給用現像剤容器をセットし、画像を形成し、各種評価を行った。
評価は、温度23℃/湿度50%RH(以下、N/N)、温度15℃/湿度10%RH(以下、L/L)、温度30℃/湿度80%RH(以下、H/H)で行った。
出力画像の種類や出力枚数は、各評価項目によって変更した。
その他の条件は以下の通り。
紙:レーザービームプリンター用紙(商品名:CS−814(81.4g/m2、キヤノンマーケティングジャパン(株)製)
画像形成速度:A4サイズの紙をフルカラーで80枚/分で出力できるように改造した。
現像条件:現像コントラストを任意値で調整可能にし、本体による自動補正が作動しないように改造した。
補給用現像剤容器にはトナー1のみを充填したものを、補給用現像剤として使用した。
各評価項目を以下に示す。
N/N環境で、単色の紙上のベタ画像反射濃度が1.50となるように、現像コントラストを調整し、シアンのベタ画像を1000枚出力した。
その後、N/N環境で設定した現像コントラストのまま、複写機本体をL/L環境及びH/H環境の各環境に24時間放置後、各環境でシアンのベタ画像を10枚出力した。
反射濃度は、10枚出力した画像の、1枚目、5枚目、10枚目の画像中の任意の5点を測定して、その平均値とした。なお、反射濃度の測定には、分光濃度計500シリーズ(X−Rite社製)を使用した。
評価は、N/N環境に対するH/H環境及びL/L環境の反射濃度差の絶対値を以下の基準で評価した。
A:0.06未満
B:0.06以上0.10未満
C:0.10以上0.14未満
D:0.14以上0.18未満
E:0.18以上
L/L環境で72時間放置後、単色の紙上のベタ画像反射濃度が1.50となるように、現像コントラストを調整し、シアンのベタ画像を5000枚出力した。
その後、ライン画像(ライン数19本、ライン幅100μm、間隔300μm、ライン長さ1.0cm)を未定着画像で10枚出力し、100℃のオーブン中に3分間放置して定着させた。
この画像のラインを、ルーペを用いて観察し、ライン部分以外に、トナーが付着している飛び散りの個数をカウントした。10枚のうち最も悪いものを以下の基準で評価した。A:飛び散りが19個以下
B:飛び散りが20個以上29個以下
C:飛び散りが30個以上39個以下
D:飛び散りが40個以上49個以下
E:飛び散りが50個以上59個以下
H/H環境で、画出し前の評価紙の平均反射率Dr(%)をリフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。
一方、H/H環境で、印字率5%のシアン画像を5000枚出力した。
その後、00h画像部:白地部の反射率Ds(%)を測定した。得られたDr及びDsより、下記式を用いてカブリ(%)を算出した。得られたカブリの値から、下記の評価基準に従ってランク付けした。
カブリ(%)=Dr(%)−Ds(%)。
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上1.5%未満
D:1.5%以上2.0%未満
E:2.0%以上
以上の各評価項目において、現像剤1は全てA判定であった。
(トナー2〜11の製造例)
ポリマーA−1及びポリマーB−1を表2のように変更した以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2〜11を得た。
トナー1を表2のように変更した以外は、現像剤1の製造例と同様にして、現像剤2〜11を得た。さらに、現像剤1と同様に評価を行った。評価結果を表3に示す。また、実施例11は、参考例11とする。
(トナー12の製造例)
水浴にセットしたビーカーに、11.7部のリン酸三ナトリウム12水和物(和光純薬製)及び1200部のイオン交換水を投入し、リン酸三ナトリウム12水和物を溶解した。
続いて、水浴の温度を60℃まで上げた。60℃に到達後、5.15部の塩化カルシウム(キシダ化学製)をイオン交換水100部に溶解した水溶液を添加した。添加後30分間撹拌を行い、分散剤(リン酸三カルシウム)を含有する水系媒体を得た。
次に、
・ポリマーA−5 80.0部
・ポリマーB−7 20.0部
上記材料にキシレン200.0部を加えて、混合溶解し、昇温して還流下で1時間、撹拌混合した後、キシレンを留去した。得られた樹脂を冷却及び固化後、粉砕して、樹脂Cを得た。
・樹脂C 100.0部
・ノルマルパラフィンワックス(融点:78℃) 6.0部
・C.I.ピグメントブルー 15:3 4.0部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5部
・トルエン 400.0部
上記材料を混合し、撹拌しながら80℃まで昇温して溶解及び分散させて、樹脂組成物を作製した。一方、上記リン酸三カルシウムを含有する水系媒体600部を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で撹拌を行いながら、80℃に加熱した。該リン酸三カルシウムを含有する水系媒体に樹脂組成物を添加し、回転数10000rpmで10分間撹拌を行うことで分散液を得た。
得られた分散液を、撹拌翼を用いて攪拌を行いながら80℃から50℃まで10分間で冷却し、温度50℃で攪拌を5時間継続することでトルエンを除去した。
得られた樹脂粒子の粒子径を測定したところ、重量平均粒子径(D4)が6.0μmであった。
その後、塩酸水溶液で洗浄ろ過、さらにイオン交換水で洗浄ろ過を行い固液分離した。
次に、得られた固形分を乾燥させることにより、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子は重量平均粒子径(D4)6.0μmであった。
該トナー粒子100部に対して、疎水化処理したシリカ微粒子(BET法で測定した窒素吸着による比表面積が140m2/g)3.5部、及び、酸化チタン微粒子(ルチル形、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が70m2/g)0.5部を外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー12を得た。
得られたトナー12のクロロホルム可溶分のエポキシ価は、0.430eq/kgであり、結着樹脂中のクロロホルム可溶分量は58質量%であった。
トナー1をトナー12に変更した以外は現像剤1の製造例と同様にして、現像剤12を得た。さらに、現像剤1と同様に評価を行った。評価結果を表3に示す。また、実施例12は参考例12とする。
ポリマーA−1及びポリマーB−1を表4のように変更した以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー13〜15を得た。
トナー1を表4のように変更した以外は、現像剤1の製造例と同様にして、現像剤13〜15を得た。さらに、現像剤1と同様に評価を行った。評価結果を表5に示す。
Claims (7)
- 結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂は、カルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマーとエポキシ基を有するビニル系ポリマーとが、該カルボキシ基と該エポキシ基との反応によって化学的に結合したハイブリッド樹脂を含有し、
該エポキシ基を有するビニル系ポリマーが、エポキシ基を有するビニル系モノマー由来のモノマーユニットを50質量%以上100質量%以下含有し、
該トナーのクロロホルム可溶分のエポキシ価が、0.040eq/kg以上0.500eq/kg以下であることを特徴とするトナー。 - 前記エポキシ基を有するビニル系ポリマーのエポキシ価が、3.2eq/kg以上8.8eq/kg以下である、請求項1に記載のトナー。
- 前記結着樹脂の総量に対する、エポキシ基を有するビニル系ポリマーに由来する構造の含有量が、1.0質量%以上10.0質量%以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記カルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマーのカルボキシ基価が、0.070eq/kg以上0.500eq/kg以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記結着樹脂のクロロホルム可溶分量が、60質量%以上100質量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記エポキシ基を有するビニル系ポリマーが、エポキシ基を有するビニル系モノマー由来のモノマーユニットを80質量%以上100質量%以下含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナーの製造方法であって、
カルボキシ基を有するポリエステル構造を含有するポリマー及びエポキシ基を有するビニル系ポリマーを含有する組成物を溶融混練する工程を含み、
該エポキシ基を有するビニル系ポリマーが、エポキシ基を有するビニル系モノマー由来のモノマーユニットを50質量%以上100質量%以下含有し、
該トナーのクロロホルム可溶分のエポキシ価が、0.040eq/kg以上0.500eq/kg以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
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