JP6987613B2 - 固形状組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、乳脂肪球皮膜成分及びヘスペリジン類を含有する固形状組成物に関する。
乳脂肪球皮膜成分(Milk−fat Globule Membrane:MFGM)は、乳腺より分泌される乳脂肪球を被覆している膜成分で、バターミルクやバターセーラム等の乳複合脂質高含有画分に多く含まれることが知られている(非特許文献1)。乳脂肪球皮膜には、リン脂質として、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が含まれるが、卵黄や大豆に含まれるリン脂質と比べてスフィンゴミエリンの割合が高く、スフィンゴミエリンは乳脂肪球皮膜成分の特徴的な構成成分となっている。
乳脂肪球皮膜成分は、脂肪を乳汁中に分散させる機能を有するのみならず、マウスにおける筋量増加や運動機能向上、内臓脂肪蓄積抑制等の生理作用を有することが報告されている(特許文献1)。
一方、ヘスペリジンは、柑橘類に多く含まれるフラボノイドの一種であり、毛細血管の強化、出血予防、血圧調整等の生理作用を有する成分として、食品、医薬品等に利用されている。例えば、モノグルコシルヘスペリジン等のヘスペリジン類を高含有した飲料が提案されている(特許文献2)。
特開2010−59155号公報 特開2011−126849号公報
三浦晋、FOOD STYLE21、2009年
乳脂肪球皮膜成分やヘスペリジン類の多様な生理機能を効果的に得るには、1回当たり少量で手軽に摂取可能な固形状組成物形態とするのが望ましい。
しかしながら、乳脂肪球皮膜成分を固形状組成物中に配合すると、硬度、崩壊性といった物性に問題があった。また、ヘスペリジン類は打錠性が悪く、ヘスペリジン類を固形状組成物中に配合すると、原料粉体等が杵へ付着して錠剤表面に傷がつく打錠障害の一つであるスティッキングが生じる場合があることが判明した。
したがって、本発明は、製造性が良好で、物性に優れる固形状組成物を提供することに関する。
本発明者は、乳脂肪球皮膜成分とヘスペリジン類の両成分を含む固形状組成物の調製を試みたところ、乳脂肪球皮膜成分とヘスペリジン類をそれぞれ所定量ずつ含有させることで、製造時のスティッキングが改善し、また、十分な硬度を有し、崩壊性に優れた固形状組成物とすることができることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)乳脂肪球皮膜成分 10〜50質量%、
(B)ヘスペリジン類 5〜40質量%
を含有する固形状組成物を提供するものである。
本発明によれば、乳脂肪球皮膜成分とヘスペリジン類を含み、製造性が良好で、物性に優れる固形状組成物を提供することができる。
本発明で用いられる(A)乳脂肪球皮膜成分は、乳脂肪球を被覆している膜、及び膜を構成する成分の混合物と定義される。乳脂肪球皮膜は、一般的に、乾燥重量の約半分が脂質で構成され、当該脂質としては、トリグリセライドやリン脂質、スフィンゴ糖脂質が含まれることが知られている(三浦晋、FOOD STYLE21、2009及びKeenan TW、Applied Science Publishers、1983、pp89−pp130)。リン脂質としては、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が含まれることが知られている。
また、脂質以外の成分としては、ミルクムチンと呼ばれる糖タンパク質が含まれることが知られている(Mather、Biochim Biophys Acta、1978)。
本発明で用いられる(A)乳脂肪球皮膜成分は、生理効果の点、製造性の点から、乳脂肪球皮膜成分中の脂質の含有量が、10質量%(以下、単に「%」とする)以上、更に20%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、100%以下、更に90%以下、更に60%以下であるのが好ましい。
また、(A)乳脂肪球皮膜成分は、生理効果の点、製造性の点から、乳脂肪球皮膜成分中のリン脂質の含有量が5%以上、更に8%以上、更に10%以上、更に15%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、100%以下、更に85%以下、更に70%以下、更に60%以下であるのが好ましい。
また、(A)乳脂肪球皮膜成分は、生理効果の点、製造性の点から、リン脂質としてスフィンゴミエリンを含むのが好ましい。乳脂肪球皮膜成分中のスフィンゴミエリン(SM)の含有量は、1%以上、更に2%以上、更に3%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、50%以下、更に30%以下、更に25%以下、更に20%以下であるのが好ましい。
同様の点から、(A)乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、3%以上、更に5%以上、更に10%以上、更に15%以上であるのが好ましく、また、50%以下、更に40%以下、更に35%以下、更に30%以下であるのが好ましい。
(A)乳脂肪球皮膜成分は、風味・製造性の点から、乳脂肪球皮膜成分中のホスファチジルセリン(PS)の含有量が0.5%以上25%以下であるのが好ましく、1%以上10%以下であるのがより好ましい。
(A)乳脂肪球皮膜成分は、風味・製造性の点から、乳脂肪球皮膜成分中のホスファチジルコリン(PC)の含有量が0.01%以上であるのが好ましい。
尚、本明細書において、乳脂肪球皮膜成分中の脂質、リン脂質、及びスフィンゴミエリンの含有量、並びに乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリンの含有量は、乳脂肪球皮膜成分の乾燥物に対する質量割合とする。
(A)乳脂肪球皮膜成分は、原料乳から遠心分離法や有機溶剤抽出法等の公知の方法により得ることができる。例えば、特開平3−47192号公報に記載の乳脂肪球皮膜成分の調製方法を用いることができる。また、特許第3103218号公報、特開2007−89535号公報に記載の方法等を用いることができる。さらに、透析、硫安分画、ゲルろ過、等電点沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画等の手法により精製することにより純度を高めたものを用いてもよい。
(A)乳脂肪球皮膜成分の形態は、特に限定されず、室温(15〜25℃)で液状、半固体状(ペースト等)、固体状(粉末、固形、顆粒等)等のいずれでもよく、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよいが、好ましくは固体状(粉末)である。
(A)乳脂肪球皮膜成分の原料乳としては、牛乳やヤギ乳等が挙げられる。なかでも、食経験が豊富であり、安価な点から、牛乳が好ましい。また、原料乳には、生乳、全粉乳や加工乳等の乳の他、乳製品も含まれ、乳製品としては、バターミルク、バターオイル、バターセーラム、ホエータンパク質濃縮物(WPC)等が挙げられる。
バターミルクは、牛乳等を遠心分離して得られるクリームからバター粒を製造する際に得られ、当該バターミルク中に乳脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、乳脂肪球皮膜成分としてバターミルクをそのまま使用してもよい。同様に、バターオイルを製造する際に生じるバターセーラム中にも乳脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、乳脂肪球皮膜
成分としてバターセーラムをそのまま使用してもよい。
(A)乳脂肪球皮膜成分は、市販品を用いることもできる。斯かる市販品としては、メグレジャパン(株)「BSCP」、雪印乳業(株)「ミルクセラミドMC−5」、(株)ニュージーランドミルクプロダクツ「Phospholipid Concentrate シリーズ(500,700)」等が挙げられる。
本発明の固形状組成物中、(A)乳脂肪球皮膜成分の含有量は10〜50%である。所定量の乳脂肪球皮膜成分を含有することにより、製造時のスティッキングの発生を防ぎ、ヘスペリジン類を含む固形状組成物の製造を容易とすることができる。
固形状組成物中、(A)乳脂肪球皮膜成分の含有量は、風味・製造性の点から、15%以上がより好ましく、更に20%以上、更に30%以上が好ましい。また、硬度・崩壊性向上の点から、45%以下がより好ましい。
また、本発明の固形状組成物中、リン脂質の含有量は、製造性の点から、1%以上、更に3%以上であるのが好ましく、また、製造性の点で、30%以下、更に10%以下が好ましい。
本発明の固形状組成物中、スフィンゴミエリンの含有量は、製造性の点から、0.3%以上、更に0.5%以上であるのが好ましく、また、5%以下、更に4%以下が好ましい。
乳脂肪球皮膜成分中又は固形状組成物中の脂質、リン脂質、及びスフィンゴミエリンの含有量は、酸分解法、比色法、薄層クロマトグラフ法、31P−NMR法又はHPLC法により測定することができる。
本発明で用いられる(B)ヘスペリジン類は、ヘスペリジン、これを酵素又は化学処理することにより水溶性を高めた糖付加物及びメチル化物を含む。
ヘスペリジンは、ヘスペレチン(5,7,3'−トリヒドロキシ−4'−メトキシフラバノン)の7位の水酸基にルチノース(L−ラムノシル−(α1→6)−D−グルコース)がβ結合した配糖体であり、ヘスペリジンの糖付加物は、ヘスペリジンの糖部分(ルチノース部分)に別の糖、例えばグルコース、マルトース、フルクトース、ラムノース、ラクトース等を結合させた化合物である。なかでも、溶解性の点から、ヘスペリジンに1個〜10個のグルコースが結合したグルコシルヘスペリジンが好ましく、更にグルコース1個が結合したモノグルコシルヘスペリジンが好ましい。グルコースの付加数は分布を持っていてもよく、ヘスペリジン1モルに対するグルコースの平均付加モル数は1〜10が好ましい。
ヘスペリジンのメチル化物のメチル化の位置、個数は特に限定されない。メチルヘスペリジンとしては、主に、カルコン型化合物(1)及びフラバノン型化合物(2)が含まれることが知られており、その構成成分として、例えば以下に示す構造のものが挙げられる。
Figure 0006987613
(式中、Rは、水素原子もしくはメチル基を表す。)
ここで、医薬品添加物および食品添加物としてのメチルヘスペリジンは、主に、化合物(3)及び(4)の混合物として取り扱われている。
Figure 0006987613
(式中、Glは、グルコース残基、Rhは、ラムノース残基を表す。また、Gl−2は、グルコース残基の2位((3−1)の場合、3位も含む)、Rh−2は、ラムノース残基の2位を表す。)
なお、化粧品原料としてのヘスペリジンメチルカルコンは、(5)で示される化合物として取り扱われている。カルコン型化合物を多く含む組成の場合、ヘスペリジンメチルカルコンとも呼ばれる。
Figure 0006987613
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
本発明においてメチルヘスペリジンは、上記で示したカルコン型化合物(1)とフラバノン型化合物(2)の両方を含むものでもよいし、また、それぞれの片方のみを含むものでもよい。
本発明において、より好適なメチルヘスペリジンとしては、化合物(3)と化合物(4)の混合物が挙げられる。
ヘスペリジン類は、公知の方法により得ることができる。ヘスペリジンについては、これを含有する天然物、好ましくは植物から抽出することによって得ることもできる。ヘスペリジン糖付加物は、例えば、特許第3060227号明細書等の記載を参照することができる。メチルヘスペリジンは、ヘスペリジンを水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、そのアルカリ溶液に対応量のジメチル硫酸を作用させ、反応液を硫酸で中和し、n−ブチルアルコールで抽出し、溶媒を留去したのち、イソプロピルアルコールで再結晶する方法(崎浴、日本化學雑誌、79、733−6(1958))等を参照することができる。
成分(B)としては商業的に入手したものを使用してもよい。例えば、市販のヘスペリジン類含有製剤として、ヘスペリジン((株)中原製)、ヘスペリジンS((株)林原製)、αGヘスペリジンH、αGヘスペリジンPA−T(以上、東洋精糖(株)製)、メチルヘスペリジン(東京化成工業(株)製)、ヘスペリジンメチルカルコン(Sigma社製)が挙げられる。
(B)ヘスペリジン類は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の固形状組成物中、(B)ヘスペリジン類の含有量は5〜40%である。所定量のヘスペリジン類を含有することにより、固形状組成物に製造時や運搬時に割れや欠けが発生しないような十分な硬度を付与でき、また、崩壊性が向上する。
本明細書において、(B)ヘスペリジン類の含有量はヘスペリジン換算値とする。固形状組成物中のヘスペリジン類の含有量は、後掲の実施例に記載の方法により測定することができ、必要に応じてヘスペリジン量に換算すればよい。
固形状組成物中の(B)ヘスペリジン類の含有量は、生理効果の点、硬度・崩壊性向上の点から、6%以上、更に10%以上、更に12%以上が好ましい。また、製造性の点から、40%以下、更に30%以下、更に20%以下がより好ましい。
本発明の固形状組成物において、固形状組成物中の成分(B)の含有量に対する、固形状組成物中の成分(A)の含有量の比(含有質量比)[(A)/(B)]は、0.25〜6の範囲であることが好ましい。かかる質量比の範囲とすることで、固形状組成物の崩壊時間が短くなり、崩壊性が向上する。当該成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]は、崩壊性向上の点から、0.25〜5が好ましく、更に0.25〜4がより好ましい。
本発明の固形状組成物には、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲において、ミネラル(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、クロム、セレン、マンガン、モリブデン、銅、ヨウ素、リン、カリウム、ナトリウム)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸及びそれらの塩、又はそれらのエステル)、甘味料(例えば、フルクトース、グルコース、ガラクトース、キシロース等の単糖;ショ糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルツロース、カップリングシュガー等の少糖;糖アルコール、サッカリン、スクラロース、ステビア、アセスルファムカリウム等の合成甘味料)、界面活性剤、酸味料、香料、着色料、保存料等が適宜配合されていてもよい。
本発明の固形状組成物は、室温(15〜25℃)で固形状態のものを意味し、粉末、固形、顆粒等の形態が挙げられる。更に、具体的な製剤(剤型)としては、例えば、カプセル剤、顆粒剤、散剤、錠剤、丸剤、トローチ剤等が挙げられる。なかでも、本発明の効果が有効に発揮される点、摂取が簡便な点、食品として摂取する点から、(A)乳脂肪球皮膜成分、(B)ヘスペリジン類及び必要に応じて添加される製剤添加物を一定の形状に圧縮成型して製される製剤が好ましく、錠剤がより好ましい。
固形状の組成物を調製する際に、必要に応じて用いられる製剤添加物としては、例えば、賦形剤(例えば、乳糖、デンプン類、結晶セルロース、粉末セルロース、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、メチルセルロース、硬化油等)、崩壊剤(例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)、滑沢剤(例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク等)、増量剤、分散剤、緩衝剤、希釈剤等の担体が挙げられる。
本発明の固形状組成物は、特に制限はなく常法に従い製造される。
例えば、錠剤を製造する場合は、(A)乳脂肪球皮膜成分、(B)ヘスペリジン類及び必要に応じて添加される製剤添加物を混合して原料粉末を調製し、これを直接圧縮して成型(直接粉末圧縮法)しても、乾式造粒法、湿式造粒法等を用いて造粒してから、造粒物を打錠成型機で圧縮して成型(顆粒圧縮法)しても良い。造粒法としては、円筒造粒機、球形整粒機、ペレッター等を使用する押し出し造粒法、スピードミル、パワーミル等を使用する破砕造粒法、転動造粒法、撹拌造粒法、流動層造粒法等が挙げられる。造粒物の平均粒子径は、45μm〜850μmとするのが好ましく、100μm〜500μmとするのが更に好ましい。
直接又は造粒物を圧縮して成型して錠剤を製造する場合、打錠成型機としてはロータリー式打錠機や単発式打錠機等通常使用されるものを用いることができる。
打錠時の圧縮成型圧は、成型物の硬度維持、崩壊性、製造性等の点から、3〜20MPa程度が好ましい。
錠剤硬度は、製造時の包装工程や輸送中の衝撃に耐え得るには少なくとも30N以上必要であるとされている(Chem.Pharm.Bull.56(10):1384−1388(2008))。そのため、硬度は、30N以上であることが好ましく、更に35N以上、更に45N以上、更に55N以上が好ましい。上限は140N以下、更に90N以下が好ましい。
〔原料〕
次の原料を用いた。
ヘスペリジン:ヘスペリジン、(株)中原、ヘスペリジン含有量98.9%
モノグルコシルヘスペリジン:(株)林原、ヘスペリジン含有量75.2%(モノグルコシルヘスペリジン含有量77.5%)
メチルヘスペリジン:メチルヘスペリジン、東京化成工業(株)、ヘスペリジン含有量97%(メチルヘスペリジン含有量99%)
馬鈴薯でんぷん:馬鈴薯でんぷんER、松谷化学工業(株)
マルチトール:アマルティMR−50、三菱商事フードテック(株)
粉末セルロース:KCフロックW−400G、日本製紙ケミカル(株)
ショ糖脂肪酸エステル:リョートーシュガーエステルB−370F、三菱化学フーズ(株)
乳脂肪球皮膜成分は牛乳から調製したものを使用した。
乳脂肪球皮膜成分の含水量は4.1%であった。乳脂肪球皮膜成分の組成は、乾燥物換算で、炭水化物:9.4%、脂質:27.0%、タンパク質:54.5%であった。また、乳脂肪球皮膜成分中、リン脂質の含有量は乾燥物換算で17.5%であり、スフィンゴミエリンの含有量は3.9%であった。
上記の乳脂肪球皮膜成分の分析は次のとおり行った。
(1)タンパク質の分析
タンパク質量はケルダール法を用いて、窒素・タンパク質換算係数6.38として求めた。
(2)脂質の分析
脂質量は酸分解法で求めた。試料を1g量りとり、塩酸を加え分解した後、ジエチルエーテル及び石油エーテルを加え、攪拌混和した。エーテル混合液層を取り出し、水洗した。溶媒を留去させ、乾燥させた後、重量を秤量することで脂質量を求めた、
(3)炭水化物の分析
炭水化物量は試料の質量から試料中のタンパク質量、脂質質量、灰分量、及び水分量を除くことにより求めた。なお、灰分量は直接灰化法 (550℃で試料を灰化させ重量測定)、水分量は常圧加熱乾燥法 (105℃4時間乾燥させ重量測定)により求めた。
(4)リン脂質の分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88質量%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち2mLを分取し、溶媒留去後、550℃16時間加熱処理により灰化した。灰分を6M塩酸水溶液5mLに溶解後、蒸留水を添加し、総量を50mLとした。3mLを分取し、モリブデンブルー発色試薬5mL、5質量%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をリン脂質量とした。
(5)スフィンゴミエリンの分析
試料約0.4gを量り取り、内標準溶液(0.25%リン酸トリフェニルの重水素化メタノール溶液)2mLを加え、超音波抽出を行った。これを遠心分離し、得られた上清をメンブレンフィルターに通液した。ろ液を回収し、31P−NMR法で分析した。
ヘスペリジン類の分析は、日立製作所製高速液体クロマトグラフを用い、インタクト社製カラムCadenza CD−C18(4.6mmφ×150mm、3μm)を装着し、カラム温度40℃でグラジエント法により行った。移動相A液は0.05mol/L酢酸水溶液、B液はアセトニトリルとし、1.0mL/分で送液した。グラジエント条件は以下のとおりである。
時間(分) A液(%) B液(%)
0 85 15
20 80 20
35 10 90
50 10 90
50.1 85 15
60 85 15
試料注入量は10μL、検出はメチルヘスペリジンは波長360nm、ヘスペリジンとヘスペリジン糖付加物は波長283nmの吸光度により定量した。
試験例1〜15
〔固形状組成物の調製〕
表1に記載の配合組成で各原料成分を均一に混合し、次いで単発式打錠機(RIKEN製)を用いて、穴径9mmのリング状杵で3MPaの打錠圧で打錠し、錠剤の重量が300mg/1錠、9mmの円形の錠剤を得た。
〔打錠性の評価〕
上記で得た本発明品と比較品の外観を目視により評価した。
スティッキングの発生がない場合は「なし」とし、他方、スティッキングの発生がある場合は「あり」とした。
なお、スティッキングとは、打錠時に錠剤表面と杵の付着力が錠剤の結合力より強い場合に、錠剤表面の一部が杵表面に付着して、錠剤表面に傷が発生する現象である。
〔硬度の測定〕
打錠障害なく錠剤が得られたものについて、Hardness Tester(藤原製作所製)を用いて直径方向の硬度を測定した。試験は6錠で行い、その平均値を錠剤硬度とした。
結果を表1に示す。
Figure 0006987613
表1より明らかなように、本発明品である試験例2〜4及び9〜15は、製造時のスティッキングの発生がなく、また、硬度は30Nを上回ることが確認された。これに対して、比較品である試験例1及び8は錠剤硬度が30Nを下回り、また、試験例5〜7は製造時にスティッキングが発生した。
試験例16〜26
〔固形状組成物の調製〕
表2に記載の配合組成に従い、試験例1と同様にして錠剤を得た。
上記で得た本発明品と比較品について、上記と同様にして〔打錠性の評価〕及び〔硬度の測定〕を行った。
結果を表2に示す。
Figure 0006987613
表2より、本発明品である試験例16〜24は、製造時のスティッキングの発生がなく、また、硬度は30Nを上回った。
さらに、打錠障害なく錠剤が得られたもののうち試験例1、3、4、8〜11、14〜16の本発明品と比較品について、次のとおり崩壊性を評価した。
〔崩壊性の評価〕
第十六改正日本薬局方に収載された6.09崩壊試験法に準じて崩壊試験を行い、崩壊時間(分)を測定した。
具体的には、崩壊試験器(NT−20H、富山産業製)にて、試験液に水を使用し、水温37℃±1℃、補助盤有りで試験を行った。試験数は6錠として、その平均値を算出した。
結果を表3に示す。
Figure 0006987613
表3に示すとおり、本発明品である試験例3、4、9〜11、14〜16は、崩壊時間が短かった。

Claims (4)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)乳脂肪球皮膜成分 10〜50質量%、
    (B)ヘスペリジン、ヘスペリジン糖付加物及びメチルヘスペリジンから選択される1種以上 5〜40質量%
    を含有する錠剤、丸剤又はトローチ剤
  2. 錠剤、丸剤又はトローチ剤中のリン脂質の含有量が1質量%以上である請求項1記載の錠剤、丸剤又はトローチ剤
  3. 錠剤、丸剤又はトローチ剤中のスフィンゴミエリン含有量が0.3質量%以上である請求項1又は2記載の錠剤、丸剤又はトローチ剤
  4. 成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]が0.25〜6である請求項1〜3のいずれか1項記載の錠剤、丸剤又はトローチ剤
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