JP6669576B2 - 固形状組成物 - Google Patents

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本発明は、グルコサミン塩酸塩と乳脂肪球皮膜成分を含有する固形状組成物に関する。
グルコサミンは、天然アミノ糖の一種で、主にN−アセチル体として動植物、微生物の複合糖質、特にキチンやプロテオグリカン、糖タンパク質、糖脂質中に存在する。工業的には、主にキチンを加水分解し、塩酸塩や硫酸塩の形で結晶化し製造されている。日本では、グルコサミン塩酸塩が食品に使用される。
グルコサミン塩酸塩の薬理学的な特性としては、変形性関節炎の症状改善や皮膚の保湿効果等が知られ、これまでにグルコサミン塩酸塩を日常的に摂取するための製品が数多く開発されている(例えば、特許文献1)。
一方、乳脂肪球皮膜成分(Milk−fat Globule Membrane)は、乳腺より分泌される乳脂肪球を被覆している膜成分で、バターミルクやバターセーラム等の乳複合脂質高含有画分に多く含まれることが知られている(非特許文献1)。乳脂肪球皮膜には、リン脂質として、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が含まれるが、卵黄や大豆に含まれるリン脂質と比べてスフィンゴミエリンの割合が高く、スフィンゴミエリンは乳脂肪球皮膜成分の特徴的な構成成分となっている。
乳脂肪球皮膜成分は、脂肪を乳汁中に分散させる機能を有するのみならず、運動機能向上作用や筋力向上作用等の生理機能を有することが見出されている(特許文献2)。
グルコサミン塩酸塩と乳脂肪球皮膜成分の生理機能を効果的に得るには、これら成分を合剤として、同時に且つ1回当たり少量で、手軽に摂取可能な固形状組成物形態とするのが望ましい。
特開2008−24623号公報 特開2010−59155号公報
三浦晋、FOOD STYLE21、2009年
しかしながら、本発明者がグルコサミン塩酸塩と乳脂肪球皮膜成分の両成分を同時に多く含む固形状組成物の調製を試みたところ、殊に乳脂肪球皮膜成分を多く含有させる程、成型後の崩壊性が悪く、生体内での利用効率が低くなることが懸念された。すなわち、内用固形製剤は、消化管内で主薬が放出し、更に消化管膜から吸収されて初めて薬理効果が発揮されるため、製剤を内服後速やかに主薬が溶解することが重要である。一般にこの溶解は製剤が崩壊して小粒子に分散し、表面積が大きくなることで増大することが知られ、製剤の崩壊と溶解は、主薬の吸収・薬理効果と密接に結びついている。
したがって、本発明は、グルコサミン塩酸塩と乳脂肪球皮膜成分を含有し、崩壊性が向上した固形状組成物を提供することに関する。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、グルコサミン塩酸塩と乳脂肪球皮膜成分に、特定の有機酸を組み合わせることで、崩壊性が向上した固形状組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)グルコサミン塩酸塩 40質量%超、
(B)乳脂肪球皮膜成分 20質量%以上、
(C)リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸及び酒石酸から選択される少なくとも1種の有機酸
を含有する固形状組成物を提供するものである。
本発明によれば、高濃度のグルコサミン塩酸塩と乳脂肪球皮膜成分を含有しながらも崩壊性が向上した固形状組成物を提供することができる。
本発明で用いられる(A)グルコサミン塩酸塩は、グルコサミン(C613NO5,分子量179.17)の塩酸塩である。グルコサミンは、D体であってもL体であってもよく、両異性体が混在するDL体であってもよいが、D体が好ましい。また、α型とβ型いずれであってもよい。
(A)グルコサミン塩酸塩は、カニやエビ等の甲殻等から得られるキチンの酵素処理、加水分解、微生物発酵、化学合成等の公知の方法により製造してもよいし、市販のものを用いることもできる。
本発明の固形状組成物中、(A)グルコサミン塩酸塩の含有量は40質量%超である。固形状組成物中の(A)グルコサミン塩酸塩の含有量は、生理効果を有効に発現する点、摂取形態として一度に少量の摂取で可能であるという点から、更に43質量%以上、更に45質量%以上、更に48質量%以上、更に50質量%以上が好ましく、また、風味の点から、80質量%未満が好ましく、更に70質量%以下、更に68質量%以下、更に66質量%以下、更に55質量%以下が好ましい。
固形状組成物中のグルコサミン塩酸塩の含有量は、高速液体クロマトグラフ法により測定することができる。
本発明で用いられる(B)乳脂肪球皮膜成分は、乳脂肪球を被覆している膜、及び膜を構成する成分の混合物と定義されている。乳脂肪球皮膜は、一般的に、乾燥重量の約半分が脂質で構成され、当該脂質としては、トリグリセライドやリン脂質、スフィンゴ糖脂質が含まれることが知られている(三浦晋、FOOD STYLE21、2009及びKeenan TW、Applied Science Publishers、1983、pp89−pp130)。リン脂質としては、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が含まれることが知られている。
また、脂質以外の成分としては、ミルクムチンと呼ばれる糖タンパク質が含まれることが知られている(Mather、Biochim Biophys Acta、1978)。
本発明で用いられる(B)乳脂肪球皮膜成分は、生理効果の点から、乳脂肪球皮膜成分中の脂質の含有量が、10質量%以上、更に20質量%以上、更に30質量%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、100質量%以下、更に90質量%以下、更に60質量%以下であるのが好ましい。
また、同様の観点から、(B)乳脂肪球皮膜成分中のリン脂質の含有量は、5質量%以上、更に8質量%以上、更に10質量%以上、更に15質量%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、100質量%以下、更に85質量%以下、更に70質量%以下、更に60質量%以下であるのが好ましい。
更に、(B)乳脂肪球皮膜成分は、生理効果の点、食感の点から、リン脂質としてスフィンゴミエリンを含むのが好ましい。乳脂肪球皮膜成分中のスフィンゴミエリンの含有量は、生理効果の点から、1質量%以上、更に2質量%以上、更に3質量%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、50質量%以下、更に30質量%以下、更に25質量%以下、更に20質量%以下であるのが好ましい。
同様の点から、乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、3質量%以上、更に5質量%以上、更に10質量%以上、更に15質量%以上であるのが好ましく、また、50質量%以下、更に40質量%以下、更に35質量%以下、更に30質量%以下であるのが好ましい。
なお、本明細書において、乳脂肪球皮膜成分中の脂質、リン脂質及びスフィンゴミエリンの含有量、並びに乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、乳脂肪球皮膜成分の乾燥物に対する質量割合とする。
上記の(B)乳脂肪球皮膜成分は、原料乳から遠心分離法や有機溶剤抽出法等の公知の方法により得ることができる。例えば、特開平3−47192号公報に記載の乳脂肪球皮膜成分の調製方法を用いることができる。また、特許第3103218号公報、特開2007−89535号公報に記載の方法等を用いることができる。さらに、透析、硫安分画、ゲルろ過、等電点沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画等の手法により精製することにより純度を高めたものを用いてもよい。
なお、(B)乳脂肪球皮膜成分の形態は、特に限定されず、室温(15〜25℃)で液状、半固体状(ペースト等)、固体状(粉末、固形、顆粒等)等のいずれでもよく、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。取扱い性の点から好ましくは固体状(粉末)である。
(B)乳脂肪球皮膜成分の原料乳としては、牛乳やヤギ乳等が挙げられる。なかでも、食経験が豊富であり、安価な点から、牛乳が好ましい。また、原料乳には、生乳、全粉乳や加工乳等の乳の他、乳製品も含まれ、乳製品としては、バターミルク、バターオイル、バターセーラム、ホエータンパク質濃縮物(WPC)等が挙げられる。
バターミルクは、牛乳等を遠心分離して得られるクリームからバター粒を製造する際に得られ、当該バターミルク中に乳脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、乳脂肪球皮膜成分としてバターミルクをそのまま使用してもよい。同様に、バターオイルを製造する際に生じるバターセーラム中にも乳脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、乳脂肪球皮膜成分としてバターセーラムをそのまま使用してもよい。
(B)乳脂肪球皮膜成分は、市販品を用いることもできる。斯かる市販品としては、メグレジャパン(株)「BSCP」、雪印乳業(株)「ミルクセラミドMC−5」、(株)ニュージーランドミルクプロダクツ「Phospholipid Concentrate シリーズ(500,700)」等が挙げられる。
本発明の固形状組成物中、(B)乳脂肪球皮膜成分の含有量は20質量%以上である。
乳脂肪球皮膜成分の生理機能を得るためには、乳脂肪球皮膜成分(乾燥物換算)として、成人に対して1日あたり1000mg以上とするのが好ましいと考えられている(Ota、Springer Plus(2015)4:120)。従って、固形状組成物中の(B)乳脂肪球皮膜成分の含有量は、生理効果を有効に発現する点、摂取形態として一度に少量の摂取で可能であるという点から、25質量%以上、更に30質量%以上が好ましい。また、固形状組成物中の(B)乳脂肪球皮膜成分の含有量は60質量%未満であるが、固形状組成物の崩壊性と風味を考慮して、また、乳脂肪球皮膜成分の量が増えると摂食中にねとつきが生じ、口内、特に咀嚼して固形状組成物を摂食する場合は歯に付着して摂取し難くなる傾向があるため、摂食時の歯への付着が少ない点から、更に55質量%以下、更に50質量%以下、更に45質量%以下がより好ましい。
また、本発明の固形状組成物中、リン脂質の含有量は、生理効果を有効に発現する点、摂取形態として一度に少量の摂取で可能であるという点から、1質量%以上であるのが好ましく、また、後味が良好である点で、30質量%以下が好ましい。
更に、本発明の固形状組成物中、スフィンゴミエリンの含有量は、同様の点から、0.3質量%以上、更に0.5質量%以上であるのが好ましく、また、6質量%以下、更に5質量%以下、更に4質量%以下が好ましい。
乳脂肪球皮膜成分中又は固形状組成物中の脂質、リン脂質、及びスフィンゴミエリンの含有量は、酸分解法、比色法又は薄層クロマトグラフ法により測定することができる。
本発明の固形状組成物において、固形状組成物中の成分(A)と成分(B)の合計含有質は60質量%超であるが、生理効果を有効に発現する点、摂取形態として一度に少量の摂取で可能であるという点から、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは85質量%以上である。
また、本発明の固形状組成物において、固形状組成物中の成分(A)と成分(B)の含有質量比[(A)/(B)]は、摂食時の歯への付着を少なくするという点から、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上、更に好ましくは1以上である。また、風味の点から、好ましくは4以下、より好ましくは3.5以下、更に好ましくは3以下である。
本発明の固形状組成物は、さらに(C)リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸及び酒石酸から選択される少なくとも1種の有機酸を含有する。(A)グルコサミン塩酸塩と(B)乳脂肪球皮膜成分に、斯かる特定の有機酸を組み合わせることで、固形状組成物の崩壊性が向上する。
(C)有機酸は、崩壊性向上の点、取扱性の点、及び風味の点から、好ましくはリンゴ酸又はクエン酸であり、より好ましくはリンゴ酸である。
本発明の固形状組成物中、(C)有機酸の含有量は、その種類によって異なるが、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは6質量%以下である。
リンゴ酸を用いる場合は、固形状組成物中に1〜5質量%、更に1〜3質量%が好ましい。
クエン酸を用いる場合は、固形状組成物中に3〜5質量%、更に3〜4質量%が好ましい。
アスコルビン酸を用いる場合は、固形状組成物中に4〜6質量%が好ましい。当該アスコルビン酸には、立体異性体であるL−アスコルビン酸及びエリソルビン酸が含まれる。
酒石酸を用いる場合は、固形状組成物中に5〜6質量%が好ましい。
本発明の固形状組成物には、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲において、ミネラル(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、クロム、セレン、マンガン、モリブデン、銅、ヨウ素、リン、カリウム、ナトリウム)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、葉酸及びそれらの塩、又はそれらのエステル)、甘味料(例えば、フルクトース、グルコース、ガラクトース、キシロース等の単糖;ショ糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルツロース、カップリングシュガー等の少糖;糖アルコール、サッカリン、スクラロース、ステビア、アセスルファムカリウム等の合成甘味料)、界面活性剤、酸味料、香料、着色料、保存料等が適宜配合されていてもよい。
本発明の固形状組成物は、室温(15〜25℃)で固形状態のものを意味し、粉末、固形、顆粒等の形態が挙げられる。具体的な製剤(剤型)としては、例えば、カプセル剤、顆粒剤、散剤、錠剤、丸剤、トローチ剤等が挙げられる。なかでも、摂取が簡便な点、食品として摂取する点から、好ましくは(A)グルコサミン塩酸塩、(B)乳脂肪球皮膜成分、(C)特定の有機酸及び必要に応じて添加される製剤添加物を一定の形状に圧縮成型して製される製剤であり、より好ましくは錠剤である。
固形状の組成物を調製するに用いられる製剤添加物としては、例えば、賦形剤(例えば、乳糖、デンプン類、結晶セルロース、粉末セルロース、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、グアガム、メチルセルロース、硬化油等)、(C)成分以外の崩壊剤(例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、二酸化ケイ素等)、増量剤、分散剤、緩衝剤、希釈剤等の担体が挙げられる。
本発明の固形状組成物は、例えば、錠剤を製造する場合は、(A)グルコサミン塩酸塩、(B)乳脂肪球皮膜成分、(C)特定の有機酸及び必要に応じて添加される製剤添加物を混合して原料粉末を調製し、これを直接圧縮して成型(直接粉末圧縮法)しても、乾式造粒法、湿式造粒法等を用いて造粒してから、造粒物を打錠成型機で圧縮して成型(顆粒圧縮法)しても良い。造粒法としては、円筒造粒機、球形整粒機、ペレッター等を使用する押し出し造粒法、スピードミル、パワーミル等を使用する破砕造粒法、転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法等が挙げられる。造粒物の平均粒子径は、45μm〜850μmとするのが好ましく、100μm〜500μmとするのが更に好ましい。
直接又は造粒物を圧縮して成型して錠剤を製造する場合、打錠成型機としてはロータリー式打錠機や単発式打錠機等通常使用されるものを用いることができる。
打錠時の圧縮成型圧は、成型物の硬度維持の点から、7〜30MPa程度が好ましい。また、錠剤硬度は、運搬や保存等に耐え得る硬度であることが好ましく、35〜140N程度、より好ましくは45〜90N程度である。
散剤を製造する場合は、(A)グルコサミン塩酸塩、(B)乳脂肪球皮膜成分、(C)特定の有機酸及び必要に応じて添加される製剤添加物を混合し、その混合物をそのまま用いてもよいし、混合物を粉砕して用いてもよい。散剤は、18号(850μm)ふるいを全量通過することが好ましく、300号(500μm)ふるいに残留するものが全量の5質量%以下であることがより好ましい。
顆粒剤は、(A)グルコサミン塩酸塩、(B)乳脂肪球皮膜成分、(C)特定の有機酸及び必要に応じて添加される製剤添加物を混合し、その混合物を前記乾式造粒法、湿式造粒法等を用いて造粒することにより得ることができる。
本発明の固形状組成物は、グルコサミン塩酸塩と乳脂肪球皮膜成分の両成分を高濃度で含むことから、両者の生理機能を発揮する組成物として好適である。
〔原料〕
次の原料を用いた。
グルコサミン塩酸塩:甲陽ケミカル株式会社
リンゴ酸:DL-リンゴ酸、扶桑化学工業株式会社
クエン酸:無水クエン酸 80MP、扶桑化学工業株式会社
アスコルビン酸:L−アスコルビン酸、扶桑化学工業株式会社
酒石酸:L-酒石酸、扶桑化学工業株式会社
マルチトール:アマルティMR−50、三菱商事フードテック株式会社
グアガム:ネオソフトG、太陽化学株式会社
粉末セルロース:KCフロックW−400G、日本製紙ケミカル株式会社
ショ糖脂肪酸エステル:リョートーシュガーエステルB−370F、三菱化学フーズ株式会社
二酸化ケイ素:カープレックスFPS−500、DSLジャパン株式会社
乳脂肪球皮膜成分は牛乳から調製したものを使用した。
乳脂肪球皮膜成分の含水量は3.6質量%であった。乳脂肪球皮膜成分の組成は、乾燥物換算で、炭水化物:11.3質量%、脂質:25.1質量%、タンパク質:53.6質量%であった。また、乳脂肪球皮膜成分中、リン脂質の含有量は乾燥物換算で16.6質量%であり、スフィンゴミエリンの含有量は3.6質量%であった。
上記の乳脂肪球皮膜成分の分析は次のとおり行った。
(1)タンパク質の分析
タンパク質量はケルダール法を用いて、窒素・タンパク質換算係数6.38として求めた。
(2)脂質の分析
脂質量は酸分解法で求めた。試料を1g量りとり、塩酸を加え分解した後、ジエチルエーテル及び石油エーテルを加え、攪拌混和した。エーテル混合液層を取り出し、水洗した。溶媒を留去させ、乾燥させた後、重量を秤量することで脂質量を求めた、
(3)炭水化物の分析
炭水化物量は試料の質量から試料中のタンパク質量、脂質質量、灰分量、及び水分量を除くことにより求めた。なお、灰分量は直接灰化法 (550℃で試料を灰化させ重量測定)、水分量は常圧加熱乾燥法 (105℃4時間乾燥させ重量測定)により求めた。
(4)リン脂質の分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88質量%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち2mLを分取し、溶媒留去後、550℃16時間加熱処理により灰化した。灰分を6M塩酸水溶液5mLに溶解後、蒸留水を添加し、総量を50mLとした。3mLを分取し、モリブデンブルー発色試薬5mL、5質量%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をリン脂質量とした。
(5)スフィンゴミエリンの分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88質量%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち10mLを分取し、シリカカートリッジカラムに添加した。カラムをクロロホルム20mLで洗浄後、メタノール30mLでリン脂質を溶出し、溶媒留去後クロロホルム1.88mLに溶解した。シリカゲル薄層プレートに20μLを負荷し、1次元展開溶媒としてテトラヒドロフラン:アセトン:メタノール:水=50:20:40:8(V/V)、2次元展開溶媒としてクロロホルム:アセトン:メタノール:酢酸:水=50:20:10:15:5(V/V)を用いて2次元展開を行った。展開後の薄層プレートにディトマー試薬を噴霧し、スフィンゴミエリンのスポットをかきとり、3質量%(V/V)硝酸含有過塩素酸溶液2mL添加後、170℃3時間の加熱処理を行った。蒸留水5mL添加後モリブデンブルー発色試薬5mL、5質量%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をスフィンゴミエリン量とした。
試験例1〜7
〔固形状組成物の調製〕
表1に記載の配合組成で各原料成分を均一に混合し、次いで単発式打錠機(RIKEN製)を用いて、穴径9mmのリング状杵で、錠剤の重量が360mg/1錠、錠剤の硬度が55N程度になるように7.0〜8.0MPaの打錠圧で打錠し、9mmの円形の錠剤を得た。
〔崩壊性の評価〕
上記で得た錠剤について、第十六改正日本薬局方に収載された6.09崩壊試験法に準じて崩壊試験を行い、崩壊時間(分)を測定した。
具体的には、崩壊試験器(NT−20H、富山産業製)にて、試験液に水を使用し、水温37℃±1℃、補助盤有りで試験を行った。試験数は6錠として、その平均値を算出した。
錠剤の崩壊性は、有機酸を含まない試験例1における崩壊時間(分)を基準値(100)として相対値で評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006669576
表1より明らかなように、グルコサミン塩酸塩と乳脂肪球皮膜成分に、さらにリンゴ酸を含む試験例2〜4は、試験例1に比べて崩壊性が大きく向上することが確認された。これに対して、アジピン酸を含む試験例5〜7では試験例1に比べてかえって崩壊時間が長くなり、崩壊性の向上は見られなかった。
試験例8〜13
〔固形状組成物の調製〕
有機酸として、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸又はアスコルビン酸を用いて、表2に記載の配合組成に従い、試験例1と同様にして9mmの円形の錠剤を得た。
〔崩壊性の評価〕
試験例8〜13で得た錠剤について、上記と同様にして崩壊時間(分)を測定した。
錠剤の崩壊性は、有機酸を含まない試験例8における崩壊時間(分)を基準値(100)として相対値で評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006669576
表2より明らかなように、グルコサミン塩酸塩と乳脂肪球皮膜成分に、さらにクエン酸、アスコルビン酸又は酒石酸を含有させても、試験例8と比べて崩壊性が大きく向上することが確認された。
試験例14〜25
〔固形状組成物の調製〕
有機酸として、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸又は酒石酸を用いて、表3に記載の配合組成に従い、打錠圧を19.0〜23.0MPaに調整した以外は試験例1と同様にして9mmの円形の錠剤を得た。
〔崩壊性の評価〕
試験例14〜25で得た錠剤について、上記と同様にして崩壊時間(分)を測定した。
錠剤の崩壊性は、有機酸を含まない試験例14における崩壊時間(分)を基準値(100)として相対値で評価した。結果を表3に示す。
Figure 0006669576
表3より明らかなように、グルコサミン塩酸塩と乳脂肪球皮膜成分に、さらにリンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸又は酒石酸を含む試験例15〜25は、試験例14に比べて崩壊性が向上することが確認された。有機酸のなかでもリンゴ酸とクエン酸は、少ない配合量で崩壊時間が短縮される傾向が認められた。
試験例26〜28
〔固形状組成物の調製〕
有機酸として、リンゴ酸又はクエン酸を用いて、表4に記載の配合組成に従い、試験例1と同様にして9mmの円形の錠剤を得た。
〔崩壊性の評価〕
試験例26〜28で得た錠剤について、上記と同様にして崩壊時間(分)を測定した。
錠剤の崩壊性は、有機酸を含まない試験例26における崩壊時間(分)を基準値(100)として相対値で評価した。結果を表4に示す。
Figure 0006669576
試験例29〜31
〔固形状組成物の調製〕
有機酸として、リンゴ酸又はクエン酸を用いて、表5に記載の配合組成に従い、打錠圧を12.0〜14.0MPaに調整した以外は試験例1と同様にして9mmの円形の錠剤を得た。
〔崩壊性の評価〕
試験例29〜31で得た錠剤について、上記と同様にして崩壊時間(分)を測定した。
錠剤の崩壊性は、有機酸を含まない試験例29における崩壊時間(分)を基準値(100)として相対値で評価した。結果を表5に示す。
Figure 0006669576
表4及び表5より、グルコサミン塩酸塩と乳脂肪球皮膜成分に、さらにリンゴ酸又はクエン酸を含む試験例27、28、30及び31は、試験例26又は29に比べて崩壊性が大きく向上することが確認された。特にリンゴ酸を含む試験例27と30は崩壊性に優れていた。

Claims (8)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)グルコサミン塩酸塩 40質量%超、
    (B)乳脂肪球皮膜成分 20質量%以上、
    (C)リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸及び酒石酸から選択される少なくとも1種の有機酸
    を含有する固形状組成物。
  2. (B)乳脂肪球皮膜成分がスフィンゴミエリンを1質量%以上含有するものである請求項1記載の固形状組成物。
  3. (A)グルコサミン塩酸塩と(B)乳脂肪球皮膜成分の合計含有量が85質量%以上である請求項1又は2記載の固形状組成物。
  4. (A)グルコサミン塩酸塩と(B)乳脂肪球皮膜成分の含有質量比[(A)/(B)]が0.8〜4である請求項1〜3のいずれか1項記載の固形状組成物。
  5. (C)有機酸の含有量が0.5〜6質量%である請求項1〜4のいずれか1項記載の固形状組成物。
  6. 固形状組成物中のリン脂質の含有量が1質量%以上である請求項1〜5のいずれか1項記載の固形状組成物。
  7. 固形状組成物中のスフィンゴミエリンの含有量が0.3質量%以上である請求項1〜6のいずれか1項記載の固形状組成物。
  8. 圧縮成型製剤である請求項1〜7のいずれか1項記載の固形状組成物。
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