JP2005029519A - 混合グルコサミン塩含有組成物及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】グルコサミン塩、特にグルコサミン塩酸塩は近年特に補助食品として使用することが多く、食品に対して添加する傾向が増加しているため、グルコサミン塩酸塩の渋み、えぐみがの解決が大きな問題となっている。有機酸、果汁を配合してそれらをマスキングする方法がとられているが充分ではなく、根本的な味覚の改善が求められている。
【解決手段】グルコサミン強酸塩の、強酸塩を部分的に、好ましくは3割以上を有機酸塩に置換することにより得られる混合グルコサミン塩とすることにより、グルコサミン強酸塩の独特の渋み、えぐみを減少若しくはなくすことができるので、飲食品等の味覚を害することなく、該混合グルコサミン塩を広く、飲食品等に添加配合して、該混合グルコサミン塩を含有する組成物とすることができる。
【解決手段】グルコサミン強酸塩の、強酸塩を部分的に、好ましくは3割以上を有機酸塩に置換することにより得られる混合グルコサミン塩とすることにより、グルコサミン強酸塩の独特の渋み、えぐみを減少若しくはなくすことができるので、飲食品等の味覚を害することなく、該混合グルコサミン塩を広く、飲食品等に添加配合して、該混合グルコサミン塩を含有する組成物とすることができる。
Description
本発明は、グルコサミン強酸塩の、強酸塩を部分的に有機酸塩に置換した混合グルコサミン塩を含有することを特徴とする混合グルコサミン塩含有組成物に関するものである。
グルコサミンは甲殻類の外骨格などに含まれるキチンを塩酸等により加水分解して得られるものであり、変形性関節炎等の鎮痛作用及び症状の改善、美肌効果、血流改善効果等が認められており、グルコサミンの塩酸塩や硫酸塩が広く食品として、近年、特にその需要が急増している。しかし、これらグルコサミンの塩酸塩や硫酸塩は、独特の渋み及び/又はえぐみ(苦み)があり、味覚が重要視される食品の分野では、その使用が制限される傾向にある。
この解決策として過去に、有機酸、果汁を配合することによる方法(特許文献1)、コーヒー、紅茶等に含有させる方法(特許文献3)が提案されている。 また、特許文献2にはグルコサミン塩類含有する調味料が記載され、グルコサミンの塩酸塩、グルコサミンの塩酸塩と有機酸の併用、グルコサミンクエン酸塩等のグルコサミン有機酸塩が調味料として使用できること、及びそれを使用した食品などが記載されている。
グルコサミン塩、特にグルコサミン塩酸塩は近年特に補助食品として使用することが多く、食品に対して添加する傾向が増加しており、グルコサミン塩の味覚が重要な問題となっている。上記の有機酸、果汁を配合する方法やコーヒー、紅茶等に含有させる方法等はグルコサミン塩酸塩等の渋みをマスキングしたにすぎず、根本的な味覚の改善になっていない為、より改善が求められている。
また、上記の調味料としての使用が記載されている特開昭53ー44664号公報には塩酸塩については、甘味が次第に広くつながり、コク味が増幅され、持続した後、すみやかに消失したと記載され、クエン酸塩についてはまろやかな酸味があり、風味、甘味と共に独特の呈味を有したと何れも調味料に適している旨記載されている。しかしながら、塩酸塩については上記のように実際には独特の渋み、えぐみがあり、その改善が望まれている。また、該公報にはグルコサミン塩酸塩と有機酸との併用も記載されているがやはり塩酸塩の渋みをマスキングするに過ぎず、塩酸塩の渋みを取り除くことはできない。また、グルコサミンのクエン酸塩等の有機酸塩については、該公開公報によれば遊離のグルコサミンをそれぞれの酸で中和した後結晶化することにより容易に得ることができる旨記載されているが、製造例は記載されておらず、実際に遊離のグルコサミンをどのように製造するか、またグルコサミンの有機酸塩をどのように結晶化するか等については記載がない。本発明者らの実験ではグルコサミン有機酸塩は結晶化しにくく、また、遊離のグルコサミンは不安定であることから、該方法は工業的な生産には適していない。また、グルコサミン塩酸塩のようなグルコサミン強酸塩を水酸化ナトリウムなどで中和しても、フリーのグルコサミンは結晶化が難しく単離出来ず、中和液中に有機酸等を加えてもグルコサミン有機酸の単離は難しく、渋み又はえぐみを除くことは出来ない。そのため、工業的な生産が可能な呈味性の改善されたグルコサミン塩の開発が望まれてる。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、グルコサミン強酸塩の渋み、えぐみは強酸陰イオン含量によるもので、該強酸陰イオンを部分的に有機酸イオンに置換し、該強酸陰イオン含量を、グルコサミンの当モル以下、好ましくは0.7モル以下にしたグルコサミン塩、即ち、グルコサミン強酸塩とグルコサミン有機酸塩との混合グルコサミン塩にすると、グルコサミン塩酸塩のような渋み、えぐみは塩酸塩の減少と共に少なくなり、呈味性が著しく改善されること、また、該混合グルコサミン塩はグルコサミン強酸塩の強酸イオンを、イオン交換樹脂による樹脂上でのイオン交換で、有機酸と置換しても、また、グルコサミン強酸塩、有機酸及び強塩基を含有する水溶液を、イオン交換膜を使用する電気透析により脱塩し、強酸塩を有機酸塩へ置換しても、工業的に効率よく製造しうることを見いだし本発明を完成した。
即ち本発明は下記に関するものである。
(1)グルコサミン強酸塩の、強酸塩を部分的に有機酸塩に置換した混合グルコサミン塩を含有することを特徴とする混合グルコサミン塩含有組成物、
(2)グルコサミン強酸塩及びグルコサミン有機酸塩の両者を含み、かつ、水溶液としたとき、水溶液中の強酸陰イオン含量がグルコサミン1モルに対して、0.05モルないし0.7モルの範囲となる混合グルコサミン塩を含むことを特徴とする混合グルコサミン塩含有組成物、
(3)混合グルコサミン塩含有組成物が液状である上記(1)又は上記(2)に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(4)混合グルコサミン塩含有組成物が固形である上記(1)又は上記(2)に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(5)非毒性の糖類を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(6)2種以上のグルコサミン有機酸塩を含む上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(7)グルコサミン有機酸塩が炭素数1〜8で、カルボキシル基が1〜3個である有機酸との塩である上記(1)〜(6)に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(8)有機酸が炭素数4〜6のヒドロキシ酸である上記(7)に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(9)有機酸がクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸及びアスコルビン酸からなる群から選ばれる上記(7項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(10)グルコサミン有機酸塩として、少なくともグルコサミンクエン酸塩またはグルコサミングルコン酸塩のいずれか一方を含有することを特徴とする上記(7項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(11)グルコサミン強酸塩がグルコサミン塩酸塩であり、強酸の陰イオンがクロルイオンである上記(1)ないし(10)に記載の混合グルコサミン塩組成物、
(12)グルコサミン強酸塩がグルコサミン塩酸塩であり、グルコサミン有機酸塩がグルコサミンクエン酸塩及びグルコサミングルコン酸塩の両者である上記(1)に記載の混合グルコサミン塩組成物、
(13)水溶液である上記(3)、(5)〜(12)のいずれか1項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(14)混合グルコサミン塩の含有量が組成物全体に対して、0.1%〜90%(質量)である上記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(15)水溶液においてグルコサミン陽イオン1モルに対して、強酸の陰イオン含量が0.05モル〜0.7モルであり、有機酸の陰イオン含量が0.3モル以上である混合グルコサミン塩(但しイオンのモル数は水溶液中のグルコサミン塩が100%解離したとして計算する)と非毒性の糖類とを含有することを特徴とする混合グルコサミン塩組成物、
(16) グルコサミン強酸塩、有機酸及び強塩基を含有し、かつpHを7〜2に調整した水溶液を、電気透析により脱塩することにより、水溶液中のグルコサミン(塩)1モルに対して、強酸陰イオン含量を0.7モル以下に減じた混合グルコサミン塩水溶液の製造法に関するものである。
(1)グルコサミン強酸塩の、強酸塩を部分的に有機酸塩に置換した混合グルコサミン塩を含有することを特徴とする混合グルコサミン塩含有組成物、
(2)グルコサミン強酸塩及びグルコサミン有機酸塩の両者を含み、かつ、水溶液としたとき、水溶液中の強酸陰イオン含量がグルコサミン1モルに対して、0.05モルないし0.7モルの範囲となる混合グルコサミン塩を含むことを特徴とする混合グルコサミン塩含有組成物、
(3)混合グルコサミン塩含有組成物が液状である上記(1)又は上記(2)に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(4)混合グルコサミン塩含有組成物が固形である上記(1)又は上記(2)に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(5)非毒性の糖類を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(6)2種以上のグルコサミン有機酸塩を含む上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(7)グルコサミン有機酸塩が炭素数1〜8で、カルボキシル基が1〜3個である有機酸との塩である上記(1)〜(6)に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(8)有機酸が炭素数4〜6のヒドロキシ酸である上記(7)に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(9)有機酸がクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸及びアスコルビン酸からなる群から選ばれる上記(7項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(10)グルコサミン有機酸塩として、少なくともグルコサミンクエン酸塩またはグルコサミングルコン酸塩のいずれか一方を含有することを特徴とする上記(7項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(11)グルコサミン強酸塩がグルコサミン塩酸塩であり、強酸の陰イオンがクロルイオンである上記(1)ないし(10)に記載の混合グルコサミン塩組成物、
(12)グルコサミン強酸塩がグルコサミン塩酸塩であり、グルコサミン有機酸塩がグルコサミンクエン酸塩及びグルコサミングルコン酸塩の両者である上記(1)に記載の混合グルコサミン塩組成物、
(13)水溶液である上記(3)、(5)〜(12)のいずれか1項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(14)混合グルコサミン塩の含有量が組成物全体に対して、0.1%〜90%(質量)である上記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物、
(15)水溶液においてグルコサミン陽イオン1モルに対して、強酸の陰イオン含量が0.05モル〜0.7モルであり、有機酸の陰イオン含量が0.3モル以上である混合グルコサミン塩(但しイオンのモル数は水溶液中のグルコサミン塩が100%解離したとして計算する)と非毒性の糖類とを含有することを特徴とする混合グルコサミン塩組成物、
(16) グルコサミン強酸塩、有機酸及び強塩基を含有し、かつpHを7〜2に調整した水溶液を、電気透析により脱塩することにより、水溶液中のグルコサミン(塩)1モルに対して、強酸陰イオン含量を0.7モル以下に減じた混合グルコサミン塩水溶液の製造法に関するものである。
本発明の混合グルコサミン塩含有組成物は、従来のグルコサミン塩酸塩のような渋み、えぐみははなく、呈味性が著しく改善され、かつ該混合グルコサミン塩はグルコサミン強酸塩の強酸塩をイオン交換樹脂上で有機酸塩にイオン交換するか若しくは該強酸塩、有機酸及び強塩基を含有する水溶液の電気透析により脱塩し、強酸塩を有機酸塩に置換することにより、容易に工業的に製造することが出来る。また、呈味性が改善されることにより、飲食品等に広く使用できると共に、高濃度で添加しても、飲食品の味等を害することもない。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
本発明でいうグルコサミン有機酸塩は、グルコサミンが、有機酸と塩を形成したものを意味し、水溶液中においては、グルコサミン有機酸塩若しくはそれらが解離したグルコサミン陽イオンと有機酸陰イオンの形で存在しているものである。本発明において、グルコサミンと塩を形成する有機酸としては、クエン酸、グルコン酸、グルタミン酸,酢酸、フマル酸、アスパラギン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、イノシン酸、グアニル酸、アスコルビン酸、アラニン、ロイシン、バリンなどの炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜6程度の脂肪族モノカルボン酸、ジ若しくはトリ等のポリカルボン酸、ヒドロキシ酸、アミノ酸等の食品上許容される酸をいう。この中で好ましいものとしては炭素数4〜6のヒドロキシ酸等が挙げられ、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等がより好ましい。最も好ましいのはクエン酸または/及びグルコン酸である。グルコサミン有機酸塩がクエン酸とグルコン酸の両者の混合物のとき、呈味性において、クエン酸塩単独の場合に比してよりまろやかな味となり、より用途が広くなる。両者の混合割合は特に制限がないが、クエン酸塩とグルコン酸塩の割合がモル割合で1:0.1〜1:10が好ましい。
本発明でいうグルコサミン有機酸塩は、グルコサミンが、有機酸と塩を形成したものを意味し、水溶液中においては、グルコサミン有機酸塩若しくはそれらが解離したグルコサミン陽イオンと有機酸陰イオンの形で存在しているものである。本発明において、グルコサミンと塩を形成する有機酸としては、クエン酸、グルコン酸、グルタミン酸,酢酸、フマル酸、アスパラギン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、イノシン酸、グアニル酸、アスコルビン酸、アラニン、ロイシン、バリンなどの炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜6程度の脂肪族モノカルボン酸、ジ若しくはトリ等のポリカルボン酸、ヒドロキシ酸、アミノ酸等の食品上許容される酸をいう。この中で好ましいものとしては炭素数4〜6のヒドロキシ酸等が挙げられ、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等がより好ましい。最も好ましいのはクエン酸または/及びグルコン酸である。グルコサミン有機酸塩がクエン酸とグルコン酸の両者の混合物のとき、呈味性において、クエン酸塩単独の場合に比してよりまろやかな味となり、より用途が広くなる。両者の混合割合は特に制限がないが、クエン酸塩とグルコン酸塩の割合がモル割合で1:0.1〜1:10が好ましい。
本発明で原料に使用するグルコサミン塩酸塩等の強酸塩は、甲殻類の外骨格等に含まれるアミノ多糖類であるキチンを、高濃度の塩酸等の強酸処理で加水分解し、脱アセチル化を行いながら単糖にし、活性炭による脱色、濃縮、再結晶等の精製工程を経て製造されている。また、グルコサミン塩酸塩以外の強酸塩としては硫酸塩等が挙げられる。
本発明者らの研究によれば、グルコサミン塩水溶液は、該水溶液中に含まれる強酸イオン含量(グルコサミン塩中の強酸塩が100%解離したと仮定して)を脱塩等でグルコサミン1モルに対して1モルより少なくし、その分を有機酸で置換し、混合グルコサミン塩としたとき、グルコサミン塩酸塩の渋み、えぐみが改善され、特に水溶液中に含まれるグルコサミン1モルに対して、クロルイオン等の強酸陰イオン含量が、0.7モル程度になるまで有機酸塩で置換したとき、強酸塩による渋み、えぐみが明らかに減じ、強酸陰イオン含量が0.5〜0.4モルに減ずると、渋み、えぐみがわずかに感じられる程度になり、強酸陰イオン含量が0.3モル以下に減じた時点では殆ど感じられなくなることが判明した。本発明における強酸陰イオン含量を減じた混合グルコサミン塩は、好ましくは電気透析により製造され、水溶液で得ることができる。従来公知のグルコサミン塩酸塩と有機酸を配合しただけのグルコサミン塩酸塩組成物と異なり、塩酸塩の渋みがなく、これを用途に応じて、そのまま若しくは種々の形に製剤化して飲食した場合、抵抗なく飲食できると共に、他の食品等にそのまま若しくは種々の形に製剤化して配合しても配合された食品の味を害することもない。
従って、本発明の混合グルコサミン塩含有組成物は、液状(通常は水溶液状)、固形状いずれでも良い。混合グルコサミン塩における強酸塩含量は、混合グルコサミン塩若しくは混合グルコサミン塩含有組成物を水溶液にしたときの強酸陰イオン含量(強酸塩が100%解離したとしたとき:以下同じ)が、グルコサミン分子1モルに対して、0.5モル以下が好ましく、より好ましくは0.4モル以下であり、更に好ましくは0.3モル以下となる量である。下限は0.2モル以下では殆ど味に差がなくなることからそれ以上の減じることには、味覚上大きなメリットは認められないが、技術的には、0.05モル以下に減ずることも可能である。しかし、工業的な生産を考慮すると、生産コスト等の関係からは、混合グルコサミン塩を水溶液にしたとき、グルコサミン分子1モルに対して、強酸陰イオン含量が0.1モル以上にするのが好ましい。従って混合グルコサミン塩中における好ましい強酸塩含量は、水溶液にしたときの強酸陰イオンの含量で、グルコサミン分子1モルに対して0.1〜0.5モル程度であり、より好ましい範囲は0.1〜0.4モル、更に好ましい範囲は0.2〜0.4モルである。
本発明における混合グルコサミン塩中のグルコサミン有機酸塩含量は、混合グルコサミン塩中の全グルコサミン分子のモル数から、強酸陰イオンのモル数を差し引いた残部であり、例えば混合グルコサミン塩が1モルのとき、通常有機酸塩含量は0.3モル以上、好ましくは0.4モル以上、より好ましくは0.5モル以上であり、更に好ましくは0.6モル以上、特に好ましくは0.7モル以上の割合である。グルコサミン有機酸塩としての含量の上限は、工業的生産を考えれば、コストなどの面から、0.95モル程度であり、好ましくは0.9モル程度であり、通常は0.8モル以下で充分である。従って、本発明における混合グルコサミン塩中の好ましいグルコサミン有機酸塩含量は混合グルコサミン塩中のグルコサミン分子1モルに対して0.3〜0.9モル程度であり、好ましくは0.5〜0.9モル程度であり、より好ましくは0.6〜0.8モル、最も好ましい範囲は0.7〜0.8の範囲である。本発明における混合グルコサミン塩は場合により過剰の有機酸若しくは有機酸塩を含んでいても良く、その場合には、該混合グルコサミン塩を水溶液とした場合、強酸陰イオンと有機酸イオンの合計がグルコサミンのイオン当量を上回ることになる。
本発明における混合グルコサミン塩は水溶液の形で、イオン交換樹脂上でのイオン交換又はイオン交換膜を使用する電気透析法等により容易に製造できる。
本発明における混合グルコサミン塩含有組成物は、上記のようにイオン交換樹脂上でのイオン交換又はイオン交換膜を使用する電気透析法によって得られた混合グルコサミン塩水溶液であってもよいし、これを用途に応じて、種々の添加剤と共に、製剤化して本発明の混合グルコサミン塩含有組成物としてもよい。また、本発明における混合グルコサミン塩含有組成物は、上記の混合グルコサミン塩水溶液又は上記製剤化したものを、他の飲食品等に配合した混合グルコサミン塩含有飲食品であってもよい。
本発明における混合グルコサミン塩含有組成物は、上記のようにイオン交換樹脂上でのイオン交換又はイオン交換膜を使用する電気透析法によって得られた混合グルコサミン塩水溶液であってもよいし、これを用途に応じて、種々の添加剤と共に、製剤化して本発明の混合グルコサミン塩含有組成物としてもよい。また、本発明における混合グルコサミン塩含有組成物は、上記の混合グルコサミン塩水溶液又は上記製剤化したものを、他の飲食品等に配合した混合グルコサミン塩含有飲食品であってもよい。
上記イオン交換樹脂上でのイオン交換又はイオン交換膜を使用する電気透析法によって得られた混合グルコサミン塩水溶液の場合、混合グルコサミン塩濃度は特に限定はないが通常水溶液全体に対して、1%以上、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、更に好ましくは15%以上であり、上限は原料グルコサミン強酸塩の電気透析が可能な濃度範囲で電気透析して得られる濃度あればよく、通常60%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下である。該水溶液はグルコサミン強酸塩、グルコサミン有機酸塩と共に、場合により更に有機酸を含有していてもよく、有機酸の含量は必要に応じて、溶液のpHを7以下、好ましくは5以下に調整する量であればよく、より好ましくはpH4.5以下、更に好ましくはpH4.0以下に調整する量であればよい。下限は通常pH2以上であればよく、好ましくは3以上である。最も好ましくは約pH3.9程度である。
上記イオン交換樹脂上でのイオン交換又はイオン交換膜を使用する電気透析法によって得られた呈味性の改善された混合グルコサミン塩水溶液はそのままでも飲食用若しくは飲食物への添加用等として使用することができる。また、所望により、それを希釈又は濃縮してグルコサミン塩濃度を1〜90%(質量)、好ましくは20ないし80%、より好ましくは40〜80%(質量)程度の高濃度の混合グルコサミン塩水溶液とすることもできる。
ドリンク剤の原体等として使用する場合は10〜60%(質量/容量)程度の水溶液が好ましい。本発明の混合グルコサミン塩を含む各種ドリンク剤とするにはドリンク剤中に、該混合グルコサミン塩がドリンク剤全体に対して0.2%以上、好ましくは0.5%以上、更に好ましくは1%以上含有されるようにするのが好ましい。本発明の混合グルコサミン塩は従来のグルコサミン塩酸塩のような渋み、えぐみがないことから、上限は場合により、70〜80%の高濃度のドリンク剤も可能である。通常は60%以下、好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下である。最も一般的なドリンク剤においては20%以下である。ドリンク剤の場合、混合グルコサミン塩以外に、更に糖類や有機酸若しくはその塩を含有してもよい。糖類は2〜40%、有機酸若しくはその塩は0〜5%程度、好ましくは0〜2%程度である。
また、一般的にドリンク剤として使用されている他の成分、各種ビタミン類、カルシウム、果汁類、ヒアルロンサン、コラーゲン等々と併用してもよく、これらの成分は従来のドリンク剤として使用されている量において使用されればよい。
また、一般的にドリンク剤として使用されている他の成分、各種ビタミン類、カルシウム、果汁類、ヒアルロンサン、コラーゲン等々と併用してもよく、これらの成分は従来のドリンク剤として使用されている量において使用されればよい。
また、本発明の混合グルコサミン塩含有組成物を、乾燥した状態で取得したい場合には、本発明の混合グルコサミン塩水溶液に、必要に応じて結合剤又は増量剤等の添加剤を加えて、スプレードライあるいは凍結乾燥等により乾燥した混合グルコサミン塩組成物とすることもできる。乾燥する際に添加する添加剤としては食品上許容され、バインダー又は増量剤としての機能を果たすものであれば特に制限はなく、例えばデキストリン、シクロデキストリン、馬鈴薯澱粉、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の多糖類、ゼラチン等のタンパク質等が挙げられ、通常多糖類が好ましい。添加量は通常水溶液中に含まれる混合グルコサミン塩(グルコサミンの強酸塩及び有機酸塩の合計)1に対して、0.1〜20倍量(質量)、好ましくは0.2〜10倍量程度の割合(質量)、より好ましくは0.2〜5倍量である。また、使用目的により、0.5〜2倍量程度である。このようにして得られた乾燥混合グルコサミン塩含有組成物はそのまま、若しくは必要に応じて糖類その他の添加剤や、グルコサミン以外の薬効成分などと共に、錠剤(錠菓等も含む)、顆粒剤、粉末製剤、ゼリーその他の形に製剤化して、経口用等の混合グルコサミン塩含有製剤若しくは混合グルコサミン塩含有食品とすることができる。このように製剤化したものも、本発明の混合グルコサミン塩含有組成物の一形態である。これらの製剤中の混合グルコサミン塩の含量は特に制限が無く、製剤全体に対して、1%〜99%の割合、好ましくは5%ないし60%程度の割合で含有することができる。
本発明にかかる混合グルコサミン塩若しくはそれを含有する製剤等を食品に添加して混合グルコサミン塩含有食品とするときにはその添加量は食品により異なり一概には言えないが、その食品により、1日の摂取量がグルコサミン換算で1〜2g程度になるように添加するのが好ましい。添加する食品としては特に限定されない。例えば種々の健康食品、菓子類、魚肉若しくは畜肉練り製品(かまぼこ、ソーセージ、ハムなど)、小麦粉製品(パン、麺類など)、おむすびなどの米加工品、ジュースなどの飲料等々に、食品全体に対して該混合グルコサミン塩を1%〜70%程度の範囲で適宜選択して添加するのが好ましい。
本発明にかかる混合グルコサミン塩と非毒性の糖類を含有する混合グルコサミン塩含有組成物は前記した混合グルコサミン塩水溶液に、糖類を加えて、そのまま又は乾燥することにより得ることができる。また、それらを食品等に配合しても得ることができる。また、糖類を含む食品等に混合グルコサミン塩を添加しも得ることがでる。該組成物中における糖類の含有量は特に制限はないが、混合グルコサミン塩と非毒性の糖類の総量に対して、1〜90%の範囲が好ましい。
なお、本発明における糖または糖類の用語は糖アルコールをも含む意味で使用する。本発明で使用される糖類としては単糖類、少糖類、多糖類いずれでもよい。単糖類としてはグルコース、ソルビトール、エリスリトール、アラビノース等の糖が挙げられ、少糖類としては蔗糖、サイクロデキストリン等が挙げられる。また多糖類としては水溶性のでんぷんの他、前記したデキストリン等を挙げることができる。糖アルコールとしては例えば単糖類のところで挙げた、ソルビトール、エリスリトール等が挙げられる。
本発明における混合グルコサミン塩水溶液は、グルコサミン強酸塩、有機酸及び強塩基を含有する水溶液を、イオン交換樹脂上でのイオン交換又はイオン交換膜を使用する電気透析法により脱塩し、部分的にグルコサミン強酸塩を有機酸塩に置換することにより得ることができる。原料として使用するグルコサミン強酸塩、有機酸及び強塩基を含有する水溶液はグルコサミン強酸塩、強アルカリ及び有機酸を任意の順序で水に溶解しても、また、グルコサミン強酸塩の水溶液を強アルカリで中和後、有機酸を加えても、また、グルコサミン強酸塩の水溶液に有機酸の強アルカリ塩を添加しもよく、いずれにしてもグルコサミン強酸塩、有機酸及び強塩基を含有する水溶液ができればよい。
原料水溶液中における各成分の濃度は電気透析により脱塩できる濃度であれば特に制限はない。例えば該水溶液中にける有機酸及び強塩基の量は、脱塩効率等を考えると、それぞれグルコサミン強酸塩の0.5当量以上、好ましくは1当量以上である。該水溶液中におけるグルコサミン強酸塩の濃度は特に制限はなく、水溶液全体に対して、1%〜グルコサミン強酸塩の飽和濃度まで可能であるが、効率等を考えると、通常5%以上であり、好ましくは10%以上であり、より好ましくは15%以上である。上限はグルコサミン強酸塩の飽和濃度まで可能であるが、通常は40%以下、好ましくは30%以下程度である。
原料水溶液中における各成分の濃度は電気透析により脱塩できる濃度であれば特に制限はない。例えば該水溶液中にける有機酸及び強塩基の量は、脱塩効率等を考えると、それぞれグルコサミン強酸塩の0.5当量以上、好ましくは1当量以上である。該水溶液中におけるグルコサミン強酸塩の濃度は特に制限はなく、水溶液全体に対して、1%〜グルコサミン強酸塩の飽和濃度まで可能であるが、効率等を考えると、通常5%以上であり、好ましくは10%以上であり、より好ましくは15%以上である。上限はグルコサミン強酸塩の飽和濃度まで可能であるが、通常は40%以下、好ましくは30%以下程度である。
グルコサミン強酸塩水溶液から、イオン交換樹脂上でのイオン交換により上記の本発明の呈味性の改善された混合グルコサミン塩水溶液を得る方法につて記載する。酸性イオン交換樹脂を用いる方法、塩基性イオン交換樹脂を用いる方法の何れも使用可能である。
酸性イオン交換樹脂としては、樹脂上にスルホン酸基の導入された強酸性型や、カルボン酸基の導入された弱酸性型がある。本発明においては強酸性型がより好ましい。
本発明で使用される塩基性イオン交換樹脂としては、樹脂上に強塩基の基としてトリメチルアンモニウム基等が導入されたI型の強塩基性イオン交換樹脂や、ジメチルエタノールアンモニウム基が導入されたII型の強塩基性イオン交換樹脂等の強塩基性イオン交換樹脂及びジメチルアンモニウム基等の弱塩基の基が導入された弱塩基性のイオン交換樹脂の何れも使用できる。好ましいものとしては強塩基型のイオン交換樹脂が挙げられ、中でも強塩基のII型が好ましい。
イオン交換樹脂に使用される樹脂としては特に制限がなく、通常イオン交換樹脂に使用されるポリマーは何れも使用できる。例えばスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン‐アクリル共重合体、スチレン‐メタアクリル共重合体等が挙げられる。
酸性イオン交換樹脂としては、樹脂上にスルホン酸基の導入された強酸性型や、カルボン酸基の導入された弱酸性型がある。本発明においては強酸性型がより好ましい。
本発明で使用される塩基性イオン交換樹脂としては、樹脂上に強塩基の基としてトリメチルアンモニウム基等が導入されたI型の強塩基性イオン交換樹脂や、ジメチルエタノールアンモニウム基が導入されたII型の強塩基性イオン交換樹脂等の強塩基性イオン交換樹脂及びジメチルアンモニウム基等の弱塩基の基が導入された弱塩基性のイオン交換樹脂の何れも使用できる。好ましいものとしては強塩基型のイオン交換樹脂が挙げられ、中でも強塩基のII型が好ましい。
イオン交換樹脂に使用される樹脂としては特に制限がなく、通常イオン交換樹脂に使用されるポリマーは何れも使用できる。例えばスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン‐アクリル共重合体、スチレン‐メタアクリル共重合体等が挙げられる。
酸性イオン交換樹脂を用いる方法としては、カラムに充填されたH+形の強酸性イオン交換樹脂に、グルコサミン塩酸塩あるいは硫酸塩等のグルコサミンの強酸塩水溶液を通液し、イオン交換により樹脂上に、グルコサミン陽イオンを結合させる。水で洗浄した後、あらかじめアンモニア水等の強塩基で中和した有機酸水溶液又は有機酸の強塩基塩水溶液を通液し、イオン交換により、アンモニウムイオン等の強塩基イオンを樹脂に結合させ、樹脂から外れたグルコサミン陽イオンと有機酸陰イオンが塩を形成することにより、グルコサミン有機酸塩水溶液が流出する。この流出液中には通常グルコサミン1モルに対して0.1〜0.4モル程度の、原料グルコサミン強酸塩における強酸陰イオン、例えばグルコサミン塩酸塩の時はクロルイオンが含まれる。
強酸性イオン交換樹脂がH+形になっていないときはカラムに充填した該強酸性イオン交換樹脂に塩酸等の酸を通液することによりH+形にした後、過剰な酸を水により洗い流し、H+形の強酸性イオン交換樹脂とした後、上記の操作を行うことにより、本発明のグルコサミン塩水溶液を得ることができる。
樹脂に通液するグルコサミン強酸塩水溶液の濃度は、使用する酸性イオン交換樹脂等によりことなるので一概にには言えないが、通常0.1〜5モル/リッター、好ましくは0.2〜2モル/リッター、より好ましくは0.3〜1.0モル/リッター程度である。
また、溶出に使用する中和有機酸強塩基塩水溶液の濃度は0.05〜3モル/リッター、好ましくは0.1〜1モル/リッター、より好ましくは0.1〜0.5モル/リッター程度である。
また、溶出に使用する中和有機酸強塩基塩水溶液の濃度は0.05〜3モル/リッター、好ましくは0.1〜1モル/リッター、より好ましくは0.1〜0.5モル/リッター程度である。
次に塩基性イオン交換樹脂を用いる方法について説明する。
例えば強塩基性イオン交換樹脂をカラムに充填し、硫酸等を通液することにより強酸イオンのSO4 2−形にした後、過剰な酸を水により洗い流す。次いで水酸化ナトリウム水溶液等の強塩基水溶液を通液することによりOH−形にした後、過剰なアルカリを水により洗い流す。カラムに充填されたOH−形の若しくはOH−形にした強塩基性イオン交換樹脂に有機酸水溶液を通液し、イオン交換により樹脂上に有機酸陰イオンを結合する。水で洗浄した後、グルコサミン強酸塩水溶液、例えばグルコサミン塩酸塩あるいは硫酸塩の水溶液を通液すると、イオン交換により、塩素イオンまたは硫酸イオンが樹脂に固定され、有機酸陰イオンが樹脂から外れ、通液中のグルコサミン陽イオンと塩を形成し、グルコサミン有機酸塩を含む流出液が得られる。該流出液は通液に使用したグルコサミン強酸塩を含むので、通常本発明のグルコサミン塩水溶液を得るため、流出液を適当にフラクションに分けて集め、各フラクションに含まれる強酸陰イオンの量を定量し、それらのフラクションを適当に混合して、最終的に強酸陰イオン濃度が本発明のグルコサミン塩水溶液となるようにすれば良い。
例えば強塩基性イオン交換樹脂をカラムに充填し、硫酸等を通液することにより強酸イオンのSO4 2−形にした後、過剰な酸を水により洗い流す。次いで水酸化ナトリウム水溶液等の強塩基水溶液を通液することによりOH−形にした後、過剰なアルカリを水により洗い流す。カラムに充填されたOH−形の若しくはOH−形にした強塩基性イオン交換樹脂に有機酸水溶液を通液し、イオン交換により樹脂上に有機酸陰イオンを結合する。水で洗浄した後、グルコサミン強酸塩水溶液、例えばグルコサミン塩酸塩あるいは硫酸塩の水溶液を通液すると、イオン交換により、塩素イオンまたは硫酸イオンが樹脂に固定され、有機酸陰イオンが樹脂から外れ、通液中のグルコサミン陽イオンと塩を形成し、グルコサミン有機酸塩を含む流出液が得られる。該流出液は通液に使用したグルコサミン強酸塩を含むので、通常本発明のグルコサミン塩水溶液を得るため、流出液を適当にフラクションに分けて集め、各フラクションに含まれる強酸陰イオンの量を定量し、それらのフラクションを適当に混合して、最終的に強酸陰イオン濃度が本発明のグルコサミン塩水溶液となるようにすれば良い。
樹脂に通液する有機酸水溶液の濃度は、使用する塩基性イオン交換樹脂等により異なるので一概にには言えないが、通常0.1〜5モル/リッター、好ましくは0.2〜3モル/リッター、より好ましくは0.5〜2.0モル/リッター程度である。
また、原料のグルコサミン強酸塩の水溶液中におけるグルコサミン強酸塩の濃度は飽和濃度まで制限はないが、通常2〜30%(質量/容量)、好ましくは5〜20%(質量/容量)、より好ましくは5〜15%(質量/容量)程度である。
また、原料のグルコサミン強酸塩の水溶液中におけるグルコサミン強酸塩の濃度は飽和濃度まで制限はないが、通常2〜30%(質量/容量)、好ましくは5〜20%(質量/容量)、より好ましくは5〜15%(質量/容量)程度である。
次ぎに電気透析による方法をより具体的に述べれば、例えば陽・陰イオン交換膜を交互に何枚も間仕切状に並べ、両端に+−の電極を入れた電気透析槽の脱塩槽に、(1)グルコサミン強酸塩及び、好ましくはそれと当量以上の有機酸と強塩基又は有機酸の強塩基塩を溶解した水溶液、又は(2)グルコサミン強酸塩の塩基、好ましくは強塩基での中和液に有機酸を溶解した水溶液を入れ、pHを好ましくは5以下、より好ましくは4.5以下(好ましい下限は0.2以上、好ましくは0.3以上)に有機酸などで調整し、これに直流電流を流し、電気透析により脱塩することにより、水溶液中のグルコサミン(塩)1モルに対して、強酸陰イオン含量を当量以下、好ましくは0.7モル以下にし、より好ましくは0.5モル以下、更に好ましくは0.4モル以下、最も好ましくは0.3モル以下に減じた混合グルコサミン塩溶液水溶液を得ることができる。電気透析により脱塩槽の反応温度も上がるので脱塩漕の温度を30℃以下、好ましくは25℃以下に冷却しながら行うのが好ましい。下限は0℃以上であればよく、通常エネルギー効率などから10℃以上である。原料水溶液のpHが5以上でもよいが、収率が低下する可能性がある。
グルコサミン強酸塩としては塩酸塩又は硫酸塩等が挙げられ、塩酸塩が好ましい。また有機酸としては前記した有機酸を何れも使用できるがクエン酸又は/及びグルコン酸が好ましい。原料液中に存在させる強塩基としては、原料液中にアルカリ金属イオンなどの強塩基を存在させるものであればよく、水酸化アルカリなどの強塩基が好ましい。有機酸の強塩基塩としては通常有機酸アルカリ金属塩、特に有機酸ナトリウム等が好ましい。
また、グルコサミン強酸塩の塩基での中和は通常強塩基、好ましくはアルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウムでの中和が好ましい。
また、グルコサミン強酸塩の塩基での中和は通常強塩基、好ましくはアルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウムでの中和が好ましい。
例えば、電気透析の好ましい態様として、グルコサミン塩酸塩の場合について具体的に述べれば、グルコサミン塩酸塩及びそれと当量以上のクエン酸又はクエン酸塩、特にクエン酸ナトリウムを適当な濃度、例えば、グルコサミン塩酸塩を2ないし40%(質量)、好ましくは5ないし30%程度、またクエン酸又はクエン酸ナトリウムを5ないし60%(質量)、好ましくは10ないし40%(質量)程度のになるように純水等に溶解する。得られた水溶液を、陽イオン交換膜としてセレミオン(CMV)(商品名:旭硝子(株)製)、陰イオン交換膜として同(AMV)(商品名:旭硝子(株)製)を交互に最低1組以上を間仕切状に並べた電気透析装置の脱塩槽にいれ、これに直流電流を流し、適当な時間、例えば2ないし40時間程度、好ましくは4ないし30時間程度、更に好ましくは5〜25時間程度電気透析し、脱塩することにより、水溶液中のグルコサミン(塩)1モルに対して、クロルイオン含量を0.7モル以下し、好ましくは0.4モル以下、より好ましくは0.3モル以下に減じた呈味性の改善されたグルコサミン塩水溶液を得ることができる。クロルイオン含量が0.3モル以下では呈味の改善効果はそれほど変わらないので、クロルイオン含量は0.1〜0.3程度まで減ずることで通常の使用においては充分である。しかし、必要に応じて0.05モル程度、場合によっては0.01モル程度までクロルイオン含量を減じてもよい。また、原料溶液としてグルコサミン塩酸塩を水酸化ナトリウム等の塩基で、PHを3〜5程度、好ましくはPH4程度になるまで中和し、それにクエン酸を溶解した水溶液を加えてもよい。溶液の濃度等は上記と同様である。この好ましい態様はグルコサミン塩酸塩以外の強酸塩の場合、有機酸塩がクエン酸以外の場合等にも同様である。
本発明の混合グルコサミン塩の有機酸での置換度は、増加するにつれて呈味改善効果が上がってくるので呈味性の面から言えば置換度が高いほどよい。通常有機酸での置換度が0.3以上あれば呈味性改善効果が認められ、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上であり、更に好ましくは0.6以上であり、最も好ましいのは0.7以上である。それ以上は呈味改善効果はそれほど認められないので実用的には有機酸での置換度が0.9程度までで充分である。ただし必要な場合には有機酸での置換度が0.95程度、さらには0.99程度まで置換していてもよい。 なお、有機酸での置換度は有機酸が多塩基酸である時有機酸の定量値からは算出できないので、便宜的に、本発明における混合グルコサミン塩中に含まれる強酸陰イオンの定量値から求められるグルコサミンモル数を、グルコサミンの定量値から求められる混合グルコサミン塩中の全グルコサミンのモル数から引いた残りのモル数をグルコサミン有機酸塩の量とし、そのモル数を、全グルコサミン塩のモル数で割った値を有機酸の置換度とした。
本発明におけるグルコサミン塩水溶液の製造法では、グルコサミン塩酸塩あるいは硫酸塩等のグルコサミン強酸塩を水溶液で用いる為、グルコサミン製造工程の中で、キチンを濃塩酸等により加水分解して得られる再結晶前のグルコサミン塩酸塩水溶液をそのまま原料として使用することもできる。この場合、グルコサミン塩酸塩の再結晶及び乾燥の工程を省略することができ、これにより工程の効率化、コストの削減が行なうことができる。
下記の実施例においてグルコサミン量は、Rondle-Morgan 法で定量し、有機酸量は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:島津Shim-Pak SCR-102H)により定量し、塩素量はモール法で定量した。また、SVとは、Space velocity(空間速度)のことであり、1時間に樹脂容積の何倍の容量を流すかを示している。例えば実施例1においてのSV=2.1の場合、樹脂が100mlのため、1時間に210mlの流量を樹脂に流したことを表している。
樹脂充填部が長さ30cm、直径3cmで、容量が210mlのガラス製のカラム(株式会社 石井理化機器製作所)にガーゼで栓をし、海砂を下から2cm程度入れた。カラムの出口にシリコンチューブ、その先に三方コックを付け、片方にはカラムより上位に設置した分液ロートにつなぎ、カラム内を逆洗浄できるようにした。もう一方はパスツールピペットにつなぎ出口とした。各器具をつないでいるチューブにはピンチコックを付け流量を調節可能にした。強酸性陽イオン交換樹脂(ムロマックXSC-1123,ムロマチテクノス株式会社)100mlをカラムに充填し、2Nの塩酸150mlをSV=2.1で流し、その後超純水500mlをSV=6.0で流した。超純水150mlで逆洗浄した後、0.5モル/Lのグルコサミン塩酸塩溶液400mlをSV=1.08で流し樹脂に固定させた。過剰のグルコサミン塩酸塩を除去する為に、超純水500mlを流した。この時流速をSV=1.08に保持したまま180ml流した後、流速をSV=6.0に上げた。超純水150mlで逆洗浄した後、予めアンモニア水で中和しておいた0.25モ/Lのクエン酸水溶液200mlをSV=0.48で流した。この時流出液を50mlづつ分取した。次に超純水500mlを流した。この時流速をSV=0.48に保持したまま50ml流した後、流速をSV=1.08に上げ、やはり50mlづつ分取した。この分取したNo.1〜No.9を試食し、最も甘みが強かったNo.5を分析した。この結果、グルコサミン含量6.1%(質量/容量:以下特に断らない限り同じ)、塩素含量0.11%、クエン酸含量 4.9%、であった。塩素の置換度(グルコサミン塩酸塩の含量割合)は約0.09であった。この溶液を試食したところ、さわやかな甘みの味であった。
なお上記で使用した樹脂の再生は下記の方法で行った。
上記の処理の終わった樹脂を超純水150mlで逆洗浄した後、2Nの水酸化ナトリウム水溶液150mlをSV=1.7で流し、その後超純水を800ml流し樹脂を再生した。この再生樹脂は上記と同様にして再度使用することが出来る。
なお上記で使用した樹脂の再生は下記の方法で行った。
上記の処理の終わった樹脂を超純水150mlで逆洗浄した後、2Nの水酸化ナトリウム水溶液150mlをSV=1.7で流し、その後超純水を800ml流し樹脂を再生した。この再生樹脂は上記と同様にして再度使用することが出来る。
樹脂充填部が長さ40cm、直径6cm、容量1130mlのガラス製のカラム(VIDREX株式会社)にガーゼで栓をし、強塩基性陰イオン交換樹脂I型(ムロマックXSA-2123,ムロマチテクノス株式会社)1000mlをカラムに充填し、0.5モル/Lの硫酸5LをSV=2.9で流し、その後、超純水10LをSV=6.0で流した。次に1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液10LをSV=2.9で流し、その後、超純水10LをSV=6.0で流すことにより樹脂の再生を行った。次に、1モル/Lのクエン酸10LをSV=3.3で流し樹脂に固定させた。過剰のクエン酸を除去する為に、超純水11Lを流した。10%(g/cc)のグルコサミン塩酸塩5LをSV=1.2で流し、この時流出液を250mlづつ分取し、No.1から順に通し番号を付けた。この250mlづつ分取した流出液の塩素定量し、塩置換されていないグルコサミン塩酸塩の残留が少ない、No.5からNo.10までの流出液を200mlづつ混合することで1200mlの溶液にした。この溶液のグルコサミン定量を行ったところ、グルコサミンが96.8g(8.1%)(g/cc)含まれていた(塩素含量0.41%,クエン酸含量 3.9%)。このものの塩素置換度(塩酸塩含量割合)は0.26であった。この溶液を凍結乾燥する際に、バインダとしてのデキストリンを、グルコサミン対デキストリンの比(質量比)が7対3に相当する量である41.5gを溶解させた。この溶液から保存用サンプルを抜き、残りの1000mlで、凍結乾燥を行い、151.1gの粉体を得た。この粉体を試食したところ、さわやかな甘みの味であった。
強塩基性陰イオン交換樹脂II型(ムロマックXSB-2113、ムロマチテクノス株式会社)にクエン酸を100%置換した樹脂1000mlを、ガーゼで栓をした容量1130mlのガラス製のカラム(VIDREX株式会社)に充填した。次に10%のグルコサミン塩酸塩5LをSV=1.1で流し、この時流出液を250mlづつ分取した。この時流出液を250mlづつ分取し、No.1から順に通し番号を付けた。この250mlづつ分取した流出液の塩素定量し、塩置換されていないグルコサミン塩酸塩の残留が少ない、No.5,6,7,8,10の流出液を200mlづつ混合することで1000mlの溶液にした。この溶液のグルコサミン定量を行ったところ、グルコサミンが80g(8%)(g/cc)含まれていた(塩素含量は0.21%、クエン酸含量は0.58%))。この溶液を500mlづつ分け、凍結乾燥する際に、バインダとしてのデキストリンを、一方にはグルコサミン対デキストリンの比(質量)が8対2に相当する量である10gを溶解させた後、凍結乾燥を行い、75.2gの粉体を得た。またもう一方には、グルコサミン対デキストリンの比が9対1に相当する量である4.4gを溶解させた後、凍結乾燥を行い、71.3gの粉体を得た。両者の粉体を試食したところ、両者ともさわやかな甘みの味であった。
強塩基性陰イオン交換樹脂II(ムロマックXSB-2113,ムロマチテクノス株式会社)にクエン酸を100%置換した樹脂1000mlを、ガーゼで栓をした容量1130mlのガラス製のカラム(VIDREX株式会社)に充填した。次に10%のグルコサミン塩酸塩5LをSV=0.9で流した。この時流出液を250mlづつ分取し、No.1から順に通し番号を付けた。この250mlづつ分取した流出液の塩素定量し、塩置換されていないグルコサミン塩酸塩の残留が少ない、No.3からNo.8までの流出液を200mlづつ混合することで1235gの溶液にした。この液体を、ロータリーエバポレーターを用いて30℃で減圧濃縮することで6.1分の1の202gまで濃縮し、乾物量が75.5%(内訳 : グルコサミン44.8%、クエン酸 30.1%、塩素0.6%)の粘稠なグルコサミン塩水溶液を得た。この液体を試食したところ、さわやかな甘みの味であった。
本発明実施例4のグルコサミン塩 5000mg
(50%濃度への希釈溶液品)
ソルビトール 6000mg
ビタミンB群剤 50mg
香料 50mg
以上の成分を蒸留水に溶解して全体を50mlとして、本発明のドリンク剤とした。
このものは保存安定性も良く、官能試験による味覚テストにおいても味覚は良好であった。
(50%濃度への希釈溶液品)
ソルビトール 6000mg
ビタミンB群剤 50mg
香料 50mg
以上の成分を蒸留水に溶解して全体を50mlとして、本発明のドリンク剤とした。
このものは保存安定性も良く、官能試験による味覚テストにおいても味覚は良好であった。
本発明実施例3のグルコサミン塩(乾物換算) 6500mg
乳糖 2000mg
ブドウ糖 1400mg
ビタミンB群剤 100mg
以上の成分比率で1錠300mgの錠剤を製造した。 このものは保存安定性も良く味覚も良好であった。
乳糖 2000mg
ブドウ糖 1400mg
ビタミンB群剤 100mg
以上の成分比率で1錠300mgの錠剤を製造した。 このものは保存安定性も良く味覚も良好であった。
水酸化ナトリウムでpHを4.0に調整したグルコサミン塩酸塩3.6kg及びクエン酸2.16kgを含む水溶液18kgを調製した。
この水溶液の一部で電気透析装置内の水を置換した後、該水溶液の残部を脱塩タンクに入れ、濃縮液タンクには2%食塩水5kgをいれ、8Vの定電圧運転を18時間行った。得られた脱塩液タンクの溶液をクエン酸でpH3.9に調整し、反応液を回収し、グルコサミン水溶液を得た。この水溶液は、グルコサミン含有量15.4% (質量:以下特に断らない限り同じ)、クエン酸含有量16.4% (グルコサミンイオン1モルに対して、0.99モルの割合、ただし、溶液中のグルコサミン及び塩素は100%イオンに解離していると仮定する)、 塩素量0.6%(グルコサミンイオン1モルに対して、0.20モルの割合、ただし、溶液中のグルコサミン及び塩素は100%イオンに解離していると仮定する)であった。
このグルコサミン水溶液を試食したところ、さわやかな甘みの味であった。
なお、電気透析装置は旭硝子エンジニアリング株式会社製 CH−0型イオン交換膜20対を用いた。また、濃縮液タンクは液温が20℃程度に保たれるように冷却した。
この水溶液の一部で電気透析装置内の水を置換した後、該水溶液の残部を脱塩タンクに入れ、濃縮液タンクには2%食塩水5kgをいれ、8Vの定電圧運転を18時間行った。得られた脱塩液タンクの溶液をクエン酸でpH3.9に調整し、反応液を回収し、グルコサミン水溶液を得た。この水溶液は、グルコサミン含有量15.4% (質量:以下特に断らない限り同じ)、クエン酸含有量16.4% (グルコサミンイオン1モルに対して、0.99モルの割合、ただし、溶液中のグルコサミン及び塩素は100%イオンに解離していると仮定する)、 塩素量0.6%(グルコサミンイオン1モルに対して、0.20モルの割合、ただし、溶液中のグルコサミン及び塩素は100%イオンに解離していると仮定する)であった。
このグルコサミン水溶液を試食したところ、さわやかな甘みの味であった。
なお、電気透析装置は旭硝子エンジニアリング株式会社製 CH−0型イオン交換膜20対を用いた。また、濃縮液タンクは液温が20℃程度に保たれるように冷却した。
上記の実施例で、クエン酸と水酸化ナトリウムを使用する代わりに、クエン酸、クエン酸ナトリウムを用いて、グルコサミン塩酸塩2.6Kgを含むpH4.0の水溶液13Kgを調製した。この水溶液を用いて上記実施例に準じて、電気透析を行い、得られた濃縮液タンクの溶液をクエン酸でpH3.9に調整し、反応液を回収し、グルコサミン水溶液を得た。この水溶液は、グルコサミン含有量19.1%、クエン酸含有量16.3%(グルコサミンイオン1モルに対して、0.80モルの割合、ただし、溶液中のグルコサミン及び塩素は100%イオンに解離していると仮定する)、塩素量0.6%(グルコサミンイオン1モルに対して、0.16モルの割合、ただし、溶液中のグルコサミン及び塩素は100%イオンに解離していると仮定する)であった。このグルコサミン水溶液を試食したところ、さわやかな甘みの味であった。
本発明実施例8のグルコサミンクエン酸溶液0.75kg(乾物で0.27kg)にデキストリン0.225kg(デキストリンと全グルコサミン塩の総量に対して質量で45%の割合)と水0.525kgを加え、攪拌をして完全に溶解させた。これをスプレードライヤーで噴霧を行い、グルコサミンクエン酸塩の粉体を356g得た。この粉体は、グルコサミン含有量30.3%、クエン酸含有量25.2%、塩素量0.9%であった。このグルコサミン塩粉体を試食したところ、口の中で良く溶け、さわやかな甘みの味であった。
グルコサミン塩酸塩2.6kg、クエン酸0.31kg、クエン酸ナトリウム0.66kg、グルコン酸ナトリウム0.96kgを含む水溶液13kg(pH4.0)を調整した。
この水溶液の一部で電気透析装置内の水を置換した後、該水溶液の残部を脱塩タンクに入れ、濃縮液タンクには2%食塩水5kgをいれ、8Vの定電圧運転を21時間行った。得られた脱塩液タンクの溶液をクエン酸でpH3.9に調整し、反応液を回収し、グルコサミン水溶液を得た。この水溶液は、グルコサミン含有量16.6%(質量:以下特に断らない限り同じ)、クエン酸含有量6.9%(グルコサミンイオン1モルに対して、0.39モルの割合)、塩素量0.52%(グルコサミンイオン1モルに対して、0.16モルの割合、ただし、溶液中のグルコサミン及び塩素は100%イオンに解離していると仮定する)、グルコン酸含有量 6.7% (グルコサミンイオン1モルに対して、0.37モルの割合)であった(ただし、塩素量を除いて、原料仕込み割合からの計算値)。
このグルコサミン水溶液を試食したところ、実施例7、8よりも酸味が抑えられたさわやかな甘みの味であった。
なお、電気透析装置は旭硝子エンジニアリング株式会社製 CH−0型イオン交換膜20対を用いた。また、濃縮液タンクは液温が20℃程度に保たれるように冷却した。
この水溶液の一部で電気透析装置内の水を置換した後、該水溶液の残部を脱塩タンクに入れ、濃縮液タンクには2%食塩水5kgをいれ、8Vの定電圧運転を21時間行った。得られた脱塩液タンクの溶液をクエン酸でpH3.9に調整し、反応液を回収し、グルコサミン水溶液を得た。この水溶液は、グルコサミン含有量16.6%(質量:以下特に断らない限り同じ)、クエン酸含有量6.9%(グルコサミンイオン1モルに対して、0.39モルの割合)、塩素量0.52%(グルコサミンイオン1モルに対して、0.16モルの割合、ただし、溶液中のグルコサミン及び塩素は100%イオンに解離していると仮定する)、グルコン酸含有量 6.7% (グルコサミンイオン1モルに対して、0.37モルの割合)であった(ただし、塩素量を除いて、原料仕込み割合からの計算値)。
このグルコサミン水溶液を試食したところ、実施例7、8よりも酸味が抑えられたさわやかな甘みの味であった。
なお、電気透析装置は旭硝子エンジニアリング株式会社製 CH−0型イオン交換膜20対を用いた。また、濃縮液タンクは液温が20℃程度に保たれるように冷却した。
市販の無糖ヨーグルト(明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン, 製造者 明治乳業株式会社)50gに、(A)本発明実施例9のグルコサミン塩粉体4.1gを配合したものと、(B)グルコサミン塩酸塩1.5g とデキストリン1.8g(グルコサミン含有量・デキストリン含有量とも(A)と同じ)を配合したものとの官能試験を行った。官能試験は、パネラー8人に、成分を知らせずに試食させ、好みの味の方を選ばせた。さらに、選んだ理由を書かせた。その結果、7名が(A)の本発明の混合グルコサミン塩を添加したヨーグルトが、(B)のグルコサミン塩酸塩を添加したヨーグルトに比較して、さわやかな甘みで、後味が良いとし、1名が(B)のグルコサミン塩酸塩添加のものの方が、(A)の本発明の混合グルコサミン塩を添加したものより甘い(混合グルコサミン塩添加のものはすっぱい)とした。(A)の本発明の混合グルコサミン塩を添加したヨーグルトを選択した群は、(B)のグルコサミン塩酸塩を添加したヨーグルトを不快な甘みや苦みを感じ、後味が悪いと評価した。
市販のジャム(アオハタ リンゴジャム, 販売者 株式会社 中島董商店BFCA) 20gに、(A)本発明実施例9のグルコサミン塩粉体4.1gを配合したものと、(B)グルコサミン塩酸塩1.5g とデキストリン1.8g(グルコサミン含有量・デキストリン含有量とも(A)と同じ)を配合したものとの官能試験を行った。官能試験は、パネラー8人に、成分を知らせずに試食させ、好みの味の方を選ばせた。さらに、選んだ理由を書かせた。その結果パネラー8人全員が、(A)の本発明の混合グルコサミン塩を添加したジャムが、(B)のグルコサミン塩酸塩を添加したジャムに比較して、さわやかな甘みで、甘みと酸味とのバランスがよく、後味が良いとし、(B)のグルコサミン塩酸塩を添加したジャムは不快な甘みや苦みを感じ、後味が悪いと評価した。
Claims (16)
- グルコサミン強酸塩の、強酸塩を部分的に有機酸塩に置換した混合グルコサミン塩を含有することを特徴とする混合グルコサミン塩含有組成物。
- グルコサミン強酸塩及びグルコサミン有機酸塩の両者を含み、かつ、水溶液としたとき、水溶液中の強酸陰イオン含量がグルコサミン1モルに対して、0.05モルないし0.7モルの範囲(但し強酸陰イオンのモル数は水溶液中のグルコサミン強酸塩が100%解離したとして計算する)となる混合グルコサミン塩を含むことを特徴とする混合グルコサミン塩含有組成物。
- 混合グルコサミン塩含有組成物が液状である請求項第1項又は第2項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物。
- 混合グルコサミン塩含有組成物が固形である請求項第1項又は第2項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物。
- 非毒性の糖類を含有することを特徴とする請求項第1項〜第4項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物。
- 2種以上のグルコサミン有機酸塩を含む請求項第1項〜第5項に記載の混合グルコサミン塩含有組成。
- グルコサミン有機酸塩が炭素数1〜8で、カルボキシル基が1〜3個である有機酸との塩である請求項第1項〜第6項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物。
- 有機酸が炭素数4〜6のヒドロキシ酸である請求項第7項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物。
- 有機酸がクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸及びアスコルビン酸からなる群から選ばれる請求項第7項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物。
- グルコサミン有機酸塩として、少なくともグルコサミンクエン酸塩またはグルコサミングルコン酸塩のいずれか一方を含有することを特徴とする請求項第7項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物。
- グルコサミン強酸塩がグルコサミン塩酸塩であり、強酸の陰イオンがクロルイオンである請求項第1項ないし第10項に記載の混合グルコサミン塩組成物。
- グルコサミン強酸塩がグルコサミン塩酸塩であり、グルコサミン有機酸塩がグルコサミンクエン酸塩及びグルコサミングルコン酸塩の両者である請求項第1項に記載の混合グルコサミン塩組成物。
- 水溶液である請求項第3項、第5項〜第11項のいずれか1項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物。
- 混合グルコサミン塩の含有量が組成物全体に対して、0.1%〜90%(質量)である請求項第1項〜第12項のいずれか一項に記載の混合グルコサミン塩含有組成物。
- 水溶液においてグルコサミン陽イオン1モルに対して、強酸の陰イオン含量が0.05モル〜0.7モルであり、有機酸の陰イオン含量が0.3モル以上である混合グルコサミン塩(但しイオンのモル数は水溶液中のグルコサミン塩が100%解離したとして計算する)と非毒性の多糖類とを含有することを特徴とする混合グルコサミン塩組成物。
- グルコサミン強酸塩、有機酸及び強塩基を含有し、かつpHを7〜2に調整した水溶液を、電気透析により脱塩することにより、水溶液中のグルコサミン(塩)1モルに対して、強酸陰イオン含量を0.7モル以下に減じた混合グルコサミン塩水溶液の製造法。
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