以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。重複する説明については、適宜に簡略化または省略する。なお、本発明を構成する装置、器具および部品等の、個数、配置、向き、形状および大きさは、原則として、以下の実施の形態に示すものに限定されない。本発明は、以下の各実施の形態で開示する構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含み得るものである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の洗浄装置1の構成の概略を示す図である。洗浄装置1は、対象物を洗浄するための泡沫を生成する装置である。洗浄装置1は、生成した泡沫を対象物に向けて吐出することで、該対象物を洗浄する。洗浄装置1が洗浄する対象物は、例えば、食器および調理具等である。
本開示における泡沫とは、多数の気泡の集合によって形成されたクリーム状のものである。クリーム状の泡沫は、例えば、フォーム(foam)とも称される。泡沫は、水と洗剤との混合物から生成される。洗剤には、例えば、界面活性剤が含まれる。
図1に示すように、洗浄装置1は、例えば、洗剤水貯留部2、給水部3、洗剤供給部4、気泡供給部5、吐出部6および排水部7を備える。
洗剤水貯留部2は、洗剤水を貯留するための部材である。洗剤水貯留部2は、水、洗剤水および当該洗剤水の液面の上に生成される泡沫を貯留可能に形成される。洗剤水貯留部2は、例えば、筒状の容器である。筒状の洗剤水貯留部2は、当該洗剤水貯留部2の長手方向が鉛直方向になるように設けられる。洗剤水貯留部2の横断面の形状は、例えば、円形、正方形、長方形または五角形以上の多角形等である。
洗剤水貯留部2の内部には、洗剤水貯留空間2aおよび泡沫貯留空間2bが形成される。洗剤水貯留空間2aは、洗剤水が貯留される空間である。泡沫貯留空間2bは、洗剤水貯留空間2a内の洗剤水の液面の上に生成された泡沫が貯留される空間である。泡沫貯留空間2bは、洗剤水貯留空間2aの上方に並ぶ。
給水部3は、洗剤水貯留部2に水を供給するためのものである。給水部3は、給水管3aおよび第1電磁弁3bを有する。給水管3aの内部には、洗剤水貯留部2に水を供給するための流路が形成される。本実施の形態において、洗剤水貯留部2の底部には、出入口2cが形成される。給水管3aの一端は、この出入口2cに接続される。給水管3aの内部の流路は、出入口2cを介し、洗剤水貯留空間2aに連通する。給水管3aの他端は、例えば、水道等の水源に接続される。
第1電磁弁3bは、給水管3aに取り付けられる。第1電磁弁3bは、給水管3aの内部の流路を開閉するための装置である。第1電磁弁3bが開くと、水源から洗剤水貯留空間2aへ水が供給される。第1電磁弁3bが閉じると、水源から洗剤水貯留空間2aへの水の供給が停止する。
洗剤供給部4は、洗剤水貯留部2に洗剤を供給するためのものである。洗剤供給部4は、例えば、タンク4a、洗剤供給管4bおよび第2電磁弁4cを有する。タンク4aは、洗剤を貯留する容器状の部材である。洗剤供給管4bは、タンク4aと洗剤水貯留部2とを繋ぐ部材である。洗剤供給管4bの内部には、タンク4aに貯留された洗剤を洗剤水貯留部2に供給するための流路が形成される。第2電磁弁4cは、洗剤供給管4bに取り付けられる。
本実施の形態において、洗剤水貯留部2の上部には、洗剤供給口2dが形成される。一例として、タンク4aは、洗剤水貯留部2よりも上方に配置される。洗剤供給管4bの一端は、洗剤供給口2dに接続される。洗剤供給管4bの他端は、タンク4aに接続される。洗剤供給管4bの内部の流路は、タンク4aの内部に連通する。また、洗剤供給管4bの内部の流路は、洗剤供給口2dを介して、泡沫貯留空間2bに連通する。
第2電磁弁4cが開くと、タンク4a内に貯留された洗剤が泡沫貯留空間2bへ供給される。泡沫貯留空間2bへ供給された洗剤は、自重によって、洗剤水貯留空間2aへ導かれる。第2電磁弁4cが閉じると、タンク4aから泡沫貯留空間2bへの洗剤の供給が停止する。
洗剤水貯留空間2aには、このようにして水と洗剤とが供給される。洗剤水貯留空間2aに供給された水と洗剤とは、混ざり合って洗剤水となる。本実施の形態において、洗剤水は、第1電磁弁3bおよび第2電磁弁4cが制御されることによって洗剤水貯留空間2aへ供給される。本実施の形態における給水部3および洗剤供給部4は、洗剤水貯留部2に洗剤水を供給する洗剤水供給手段の一例である。
なお、洗剤水を供給する洗剤水供給手段の構成は、上述した例に限られない。例えば、洗剤供給口2dは、洗剤水貯留部2の下部等に形成されてもよい。また、洗剤供給管4bの内部の流路は、洗剤水貯留空間2aに連通してもよい。洗浄装置1は、洗剤供給部4を備えていなくてもよい。例えば、洗剤水貯留部2は、手動で開閉自在に形成されてもよい。洗剤水貯留部2の内部には、使用者によって手動で洗剤が供給されてもよい。同様に、洗剤水貯留部2の内部には、使用者によって手動で水または洗剤水が供給されてもよい。
また、気泡供給部5は、泡沫を生成するための気泡を供給する気泡供給手段の一例である。気泡供給部5は、例えば、気泡発生器5a、ポンプ5bおよび循環部5cを有する。気泡発生器5aは、液中に気泡を発生させる装置である。ポンプ5bは、液体を流す装置である。循環部5cは、管状の部材である。循環部5cの内部には流路が形成される。
本実施の形態において、洗剤水貯留部2の下部には、第1開口2eおよび第2開口2fが形成される。第1開口2eおよび第2開口2fは、洗剤水貯留空間2aに通じる開口である。一例として、第1開口2eおよび第2開口2fの一方は、他方よりも上方にある。本実施の形態において、第1開口2eは、図1に示すように、第2開口2fよりも上方に形成される。例えば、第1開口2eの中心は、第2開口2fの中心よりも上方にある。例えば、第1開口2eの下端は、第2開口2fの上端よりも上方にある。
なお、第1開口2eおよび第2開口2fの配置は、上記の例に限定されない。第1開口2eは、第2開口2fよりも下方に形成されてもよい。また、第1開口2eの上下方向位置と第2開口2fの上下方向位置とは、同じであってもよい。
循環部5cの一端は、第1開口2eに接続される。循環部5cの内部は、第1開口2eを介して、洗剤水貯留空間2aに連通する。循環部5cの他端は、第2開口2fに接続される。循環部5cの内部は、第2開口2fを介して洗剤水貯留空間2aに連通する。
すなわち、本実施の形態において、洗剤水貯留部2の内部と循環部5cの内部とは、第1開口2eおよび第2開口2fを介して通じている。洗剤水貯留部2の内部に洗剤水が溜められると、当該洗剤水貯留部2と通じる循環部5cにも洗剤水が溜められる。このように、循環部5cは、洗剤水を内部に貯留可能に形成される。本実施の形態の洗剤水貯留部2および循環部5cは、水と洗剤との混合物である洗剤水を内部に貯留可能な貯留部の一例である。
気泡発生器5aおよびポンプ5bは、循環部5cの途中に設けられる。気泡発生器5aは、例えば、第2開口2fとポンプ5bとの間に配置される。ポンプ5bは、第1開口2eと気泡発生器5aとの間に配置される。本実施の形態において、ポンプ5bは、第1開口2eから第2開口2fへ向かう水流を、循環部5cの内部に発生させる。
洗剤水貯留空間2aに貯められた洗剤水は、ポンプ5bが動作すると、第1開口2eから循環部5cの内部へと流れ込む。第1開口2eから循環部5cの内部の流路へと流れ込んだ洗剤水は、ポンプ5bおよび気泡発生器5aを通過する。気泡発生器5aを通過した洗剤水は、第2開口2fから洗剤水貯留空間2aへ戻される。このようにして、洗剤水貯留空間2aに貯留された洗剤水は、ポンプ5bが動作することによって、循環部5cを循環する。
気泡発生器5aは、循環部5cの内部の流路を流れる洗剤水に気体を導入することで、この洗剤水の中に気泡を発生させる装置である。気泡発生器5aは、例えば、洗浄装置1の外部から空気を取り込む。気泡発生器5aは、取り込んだ空気を、循環部5cの内部の流路を流れる洗剤水に導入する。これにより、洗剤水の中に気泡が発生する。気泡を含む洗剤水は、第2開口2fから洗剤水貯留空間2aへ戻される。
このようにして、気泡供給部5は、泡沫を生成するための気泡を、洗剤水貯留部2の内部へ供給する。本実施の形態における第2開口2fは、泡沫を生成するための気泡を洗剤水貯留部2の内部へ供給するための気泡供給口の一例である。上述したように、循環部5cの内部は、気泡供給口の一例である第2開口2fを介し、洗剤水貯留空間2aに通じている。本実施の形態において、ポンプ5bおよび気泡発生器5aは、第2開口2fから洗剤水貯留空間2aに向かう気泡を含む水流を発生させる。
気泡発生器5aは、気泡を発生させる構造として、以下のようなエジェクタを有している。気泡発生器5aのエジェクタは、流路が徐々に縮径する縮径部を有する。縮径部には、外部に通じる吸気口が形成される。縮径部に液体が流れると、当該縮径部内の圧力が負圧になる。縮径部内の圧力が負圧になると、給気口を介して縮径部に気体が自然吸気される。縮径部には、例えば、当該縮径部を流れる液体の流れに対して鉛直な方向から気体が吸気される。エジェクタを有する気泡発生器5aは、外部から吸気した気体を液体に対して供給することで、当該液体の中に気泡を発生させる。
気泡発生器5aがエジェクタを有する場合、当該エジェクタよりも上流となる位置に固定翼が設けられていることが好ましい。固定翼は、エジェクタ内を流れる液体を旋回させるものである。エジェクタの上流に固定翼が設けられることで、より微細かつより多数の気泡が発生可能となる。
なお、気泡発生器5aは、気泡を発生させる構造として、上記のエジェクタ以外のものを有していてもよい。例えば、気泡発生器5aは、循環部5cの内部の流路を流れる洗剤水に気体を強制的に供給するエアポンプを有しても良い。また、気泡発生器5aは、液体に気体を放出する多孔質体を有してもよい。気泡発生器5aは、液体に超音波を照射することで気泡を発生させる装置であってもよい。気泡発生器5aは、液体をモータ等によって撹拌することで気泡を発生させる装置であってもよい。
図2は、泡沫が生成される様子を模式的に示す図である。ポンプ5bおよび気泡発生器5aによって第2開口2fから洗剤水貯留空間2aへ供給された気泡は、図2に示すように、当該洗剤水貯留空間2aに貯留された洗剤水の液面100上へ浮上する。また、浮上する気泡と共に、当該気泡の周囲の洗剤水も上昇する。このように、ポンプ5bおよび気泡発生器5aによって洗剤水貯留空間2aに気泡が供給されると、当該洗剤水貯留空間2aには、上向きの流れが発生する。
洗剤水と共に浮上した多数の気泡は、気液界面である液面100の上に集まる。多数の気泡が集まることによって、泡沫が生成される。生成され始めた泡沫は、液面100の上に隆起する。泡沫は、洗剤水の液面100の上に溜まっていく。生成された泡沫は、洗剤水貯留空間2aの上方の泡沫貯留空間2bに溜まっていく。
このようにして、気泡発生器5aおよびポンプ5bは、洗剤水貯留空間2aに貯留された洗剤水の液面の上に泡沫を生成する。本実施の形態の気泡発生器5aおよびポンプ5bは、泡沫生成手段の一例である。気泡発生器5aおよびポンプ5bは、第2開口2fから洗剤水貯留空間2aに向かう気泡を含む水流を発生させることで、洗剤水貯留部2の内部に泡沫を生成する。
泡沫を生成する動作を、以下では、「泡沫生成動作」と称する。泡沫生成動作が継続されることで、液面100の上で泡沫が成長を続ける。泡沫生成動作が継続されることで、やがて、泡沫貯留空間2bに泡沫が充満する。
洗浄装置1に備えられた吐出部6は、泡沫貯留空間2bに貯留された泡沫を外部に吐出するものである。吐出部6は、例えばノズル状に形成される。吐出部6には、泡沫を吐出するための開口である吐出口6aが形成される。吐出部6の内部には、泡沫を吐出口6aへ搬送するための流路である搬送路6bが形成される。搬送路6bは、吐出口6aに通じている。
本実施の形態において、洗剤水貯留部2の上部には、泡沫排出口2gが形成される。泡沫排出口2gは、泡沫貯留空間2bに通じる開口である。一例として、泡沫排出口2gは、第1開口2eおよび第2開口2fよりも上方に形成される。
吐出口6aは、吐出部6の一側端部に形成される。一例として、吐出口6aは、洗剤水貯留部2の下端から、例えば、50mm以上上方に配置される。吐出部6の他側端部は、泡沫排出口2gに接続される。泡沫貯留空間2bと吐出口6aとは、泡沫排出口2gおよび搬送路6bを介して連通している。
泡沫貯留空間2bに泡沫が充満した状態で、上述した泡沫生成動作が継続されると、泡沫貯留空間2bから泡沫排出口2gを介して搬送路6bに泡沫が送られる。泡沫生成動作が引き続き行われると、泡沫が搬送路6bを通って吐出口6aへ搬送される。吐出口6aへ搬送された泡沫は、当該吐出口6aから洗浄装置1の外部へ吐出される。
使用者によって対象物が吐出口6aの下に配置されることで、吐出口6aから吐出された泡沫が当該対象物へ当たる。対象物に付着した汚れは、泡沫によって除去される。また、対象物の上部に付着した泡沫は、重力により、当該対象物の下部へ移動する。泡沫が対象物の表面を移動することで、当該表面に付着した汚れに対してずり応力、すなわちせん断応力が作用する。このため、洗浄装置1は、少量の泡沫によって、対象物に付着した汚れを効率良く落とすことが可能である。
洗浄装置1の使い勝手を良好とするためには、泡沫生成動作が開始してから泡沫が吐出されるまでの時間がなるべく短いことが望ましい。例えば、気泡供給部5による時間当たりの気泡の供給量を増やすことで、当該時間を短縮することができる。
吐出口6aは、泡沫を形成する気泡が潰れることなく、且つ泡沫が円滑に出られるような大きさの孔によって構成される。この孔の直径は、例えば、直径10mm以上である。また、吐出部6には、複数の吐出口6aが形成されてもよい。
搬送路6bの断面積は、泡沫を形成する気泡が潰れることなく、且つ泡沫が円滑に移動できる限りにおいて、なるべく小さいことが望ましい。搬送路6bの断面積が小さくなることで、搬送路6b全体の容積が小さくなる。搬送路6bの容積が小さくなることにより、泡沫生成動作が開始してから泡沫が吐出されるまでの時間が短縮される。
泡沫排出口2gは、一例として図1に示すように、泡沫貯留空間2bを上方から囲う壁面に形成される。泡沫排出口2gは、泡沫貯留空間2bを側方から囲う壁面に形成されてもよい。また、一例として、吐出部6および搬送路6bは、図1に示すように、アーチ状に形成される。吐出部6および搬送路6bは、例えば、鉛直方向または水平方向に沿って形成されていてもよい。吐出部6の吐出口6aは、洗剤水貯留部2の上端よりも上方にあってもよい。また、吐出部6および搬送路6bは、水平方向および鉛直方向に対して傾斜した方向に沿って形成されていてもよい。
また、吐出部6は、洗剤水貯留部2に対して移動可能に設けられてもよい。例えば、吐出部6は、洗剤水貯留部2に対して回転移動可能であってもよい。吐出部6は、硬質の材料で形成されてもよい。また、吐出部6は、ホースまたは蛇腹管のように、曲げることのできる部材であってもよい。吐出部6は、伸縮可能に形成されてもよい。吐出部6を曲げることができるようにしたり、吐出部6を伸縮可能にしたりすることで、使用者は、吐出口6aを対象物の近くに動かすことができる。吐出部6が洗剤水貯留部2に対して移動可能に設けられることにより、これにより、洗浄装置1の使い勝手がよりよくなる。
また、洗浄装置1に備えられた排水部7は、洗剤水貯留部2の内部に貯留された水、洗剤水および泡沫を排出するためのものである。排水部7は、例えば、排水管7aおよび第3電磁弁7bを有する。排水管7aの内部には、流路が形成される。第3電磁弁7bは、排水管7aに取り付けられる。第3電磁弁7bは、排水管7a内の流路を開閉するための装置である。
排水管7aの一端は、洗浄装置1の外部へ通じている。排水管7aの他端は、例えば、出入口2cと第1電磁弁3bとの間で、給水管3aの途中に接続される。すなわち、排水部7は、給水管3aを介し、洗剤水貯留部2に接続される。排水管7a内の流路は、給水管3a内の流路および出入口2cを介し、洗剤水貯留空間2aに連通する。
洗剤水貯留部2の内部に貯留された水、洗剤水および泡沫は、第3電磁弁7bが開くと、出入口2cおよび給水管3a内の流路を介して排水管7a内の流路へ送られる。排水管7a内の流路へ送られた水、洗剤水および泡沫は、洗浄装置1の外部へ排出される。水、洗剤水および泡沫の排出は、第3電磁弁7bが閉じることで停止する。
本実施の形態では、図1に示すように、合流した給水管3aと排水管7aとが洗剤水貯留部2の底部に接続されている。洗浄装置1の構成は、上記のような構成に代えて、給水管3aと排水管7aとが別々に洗剤水貯留部2に接続される構成であってもよい。
また、洗浄装置1は、電解水生成手段の一例として、電解水生成部20を備える。電解水生成部20は、液体を電気分解することによって電解水を生成する。電解水生成部20によって電気分解される液体には、水および洗剤水の少なくとも一方が含まれる。なお、本開示において単に「洗剤水」と称する液体は、電気分解される前の水と洗剤との混合物、電気分解された後の水と洗剤との混合物および水と洗剤との混合物が電気分解されたもの全てを含み得る。
電解水生成部20は、電気分解を行うための電極の一例として、電極21およびイオン吸着電極22を有する。また、電解水生成部20は、電極21およびイオン吸着電極22に電気を流すための電源23を有する。
電極21およびイオン吸着電極22は、洗剤水貯留部2の内部に配置される。電極21およびイオン吸着電極22は、洗剤水貯留部2の内部に液体が貯留された際に当該液体に浸かるように配置される。本実施の形態において、電極21およびイオン吸着電極22は、洗剤水貯留空間2aに配置される。なお、電極21およびイオン吸着電極22は、本実施の形態以外の例として、循環部5cの内部に配置されてもよい。
電極21は、洗剤水貯留部2の内部に配置された第1電極の一例である。また、イオン吸着電極22は、洗剤水貯留部2の内部に配置された第2電極の一例である。電極21およびイオン吸着電極22は、互いに向かい合う。また、一例として、電源23は、洗剤水貯留部2の外に設けられる。
電極21およびイオン吸着電極22は、例えば、平板状である。電極21およびイオン吸着電極22の長さは、例えば、10[cm]から30[cm]程度である。電極21およびイオン吸着電極22の厚みは、例えば、5[mm]程度である。また、電極21およびイオン吸着電極22の幅は、例えば、5[cm]程度である。平板状の電極21およびイオン吸着電極22は、それぞれの厚さ方向に沿って並ぶ。電極21とイオン吸着電極22との間隔は、例えば、5[mm]程度である。
電極21の表面のうち、イオン吸着電極22に向く面は、第1表面の一例である。また、イオン吸着電極22の表面のうち、電極21に向く面は、第2表面の一例である。すなわち、第1表面と第2表面とは、互いに向かい合う。上記した電極21とイオン吸着電極22との間隔とは、この第1表面と第2表面との間隔を意味する。
電極21およびイオン吸着電極22は、それぞれ、電源23に電気的に接続される。電極21は、電源23によって当該電極21に電気が流れることで、液体を電気分解する。また、イオン吸着電極22は、電源23によって当該イオン吸着電極22に電気が流れることで、液体中のイオンを吸着する。イオン吸着電極22は、電気分解に不要なイオンを吸着する。
イオン吸着電極22は、金属材料によって形成される。イオン吸着電極22は、液体中の陽イオンを当該イオン吸着電極22中の電子に引き寄せる。また、イオン吸着電極22は、液体中の陰イオンを当該イオン吸着電極22中の陽子に引き寄せる。例えば、イオン吸着電極22は、液体に含まれるカルシウムイオンを吸着する。イオン吸着電極22にカルシウムイオンが吸着されることにより、カルシウムイオンを主成分とするスケールが電極21の表面に堆積することが防止される。
上述したように、電極21およびイオン吸着電極22は、洗剤水貯留空間2aに配置される。すなわち、本実施の形態において、電気分解を行うための2つ電極は、同一の空間内に配置される。本実施の形態の電解水生成部20は、電極21とイオン吸着電極22とを隔てる隔膜を必要とせずに電気分解を行う。電解水生成部20は、電解水を生成する単槽式の装置である。
電源23は、電極21に対して交流電圧を印加することができる。電源23によって印加される電圧の正負が切り替わることで、当該電源23によって電圧が印加された電極21の極性が切り替わる。陽極になった電極21は、酸性の電解水を生成する。また、陰極になった電極21は、アルカリ性の電解水を生成する。このように、単槽式の電解水生成部20は、電源23によって印加される電圧の正負の切り替えにより、酸性の電解水およびアルカリ性の電解水の任意の一方を生成することができる。
また、洗浄装置1は、例えば、制御装置8および操作部9を備える。制御装置8は、洗浄装置1の動作を制御するための制御手段の一例である。操作部9は、使用者が洗浄装置1を操作するためのものである。操作部9は、例えば、使用者によって操作されるボタンおよびスイッチ等によって構成される。
操作部9を構成するボタンには、例えば、スタートボタン、選択ボタンおよび停止ボタンが含まれる。スタートボタンは、洗浄装置1の動作を開始させるための開始手段の一例である。選択ボタンは、極性を選択するための選択手段の一例である。停止ボタンは、洗浄装置1の動作を停止させるための停止手段の一例である。
図3は、実施の形態1の洗浄装置1の制御系統を示すブロック図である。制御装置8と操作部9とは、電気的に接続される。また、制御装置8は、第1電磁弁3b、第2電磁弁4c、第3電磁弁7b、ポンプ5bおよび電源23に電気的に接続される。制御装置8は、第1電磁弁3b、第2電磁弁4c、第3電磁弁7b、ポンプ5bおよび電源23を制御する。制御装置8は、使用者によって操作部9が操作されると、この操作に応じて動作する。
また、洗浄装置1は、洗剤水貯留部2内の液体の水位を検知する検知手段の一例として、水位センサ10を備えていてもよい。水位センサ10は、制御装置8に電気的に接続される。一例として、制御装置8は、水位センサ10の検知結果に基づいて、液面100が予め設定された規定水位に達するように給水部3および洗剤供給部4を制御してもよい。
制御装置8は、水位センサ10によって検知される水位が予め設定された規定水位で維持されるように給水部3および洗剤供給部4を制御してもよい。例えば、制御装置8は、泡沫生成動作が行われている間も、給水部3および洗剤供給部4に、洗剤水を洗剤水貯留部2へ供給させ続けてもよい。このように、洗浄装置1は、泡沫生成動作が行われている間、水位センサ10によって検知される水位が予め設定された規定水位に維持され続けるように構成されてもよい。規定水位は、例えば、電極21全体が液体に浸かるように設定される。これにより、電極21による電気分解が可能な状態が保たれる。
図4は、実施の形態1の制御装置8の構成の例を示す図である。制御手段の一例である制御装置8の機能は、図4に示すように、処理回路により実現される。処理回路は、専用ハードウェア8aであってもよい。処理回路は、プロセッサ8bおよびメモリ8cを備えていてもよい。また、処理回路の一部が専用ハードウェア8aとして形成され、更に当該処理回路がプロセッサ8bおよびメモリ8cを備えていてもよい。図4は、処理回路の一部が専用ハードウェア8aとして形成され、更に当該処理回路がプロセッサ8bおよびメモリ8cを備えている例を示している。
一部が少なくとも1つの専用ハードウェア8aである処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ8bおよび少なくとも1つのメモリ8cを備える場合、制御装置8の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ8cに格納される。プロセッサ8bは、メモリ8cに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。
プロセッサ8bは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ8cには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROMおよびEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクおよびDVD等が該当する。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、制御装置8の機能を実現することができる。
一例として、洗浄装置1の動作は、単一の制御装置8により制御される。洗浄装置1の動作は、複数の連携した装置によって制御されてもよい。すなわち、洗浄装置1は、制御手段として複数の装置を備えていてもよい。また、洗浄装置1は、制御手段の機能を実現するための複数の処理回路を備えていてもよい。
次に、図5を更に参照し、洗浄装置1の動作について説明する。図5は、実施の形態1の洗浄装置1の動作を示すフローチャートである。なお、洗浄装置1が動作を開始する前の時点では洗剤水貯留部2の内部は空であるとする。また、この時点において、第1電磁弁3b、第2電磁弁4cおよび第3電磁弁7bは閉じているものとする。
洗浄装置1は、例えば、使用者によって操作部9のスタートボタンが押されることによって、動作を開始する。使用者によってスタートボタンが押されると、制御手段の一例である制御装置8によって、第1電磁弁3bが開かれる。第1電磁弁3bが開くことにより、水源から洗剤水貯留部2への給水が行われる(ステップS101)。
一例として、制御装置8は、水位センサ10によって検知される水位が予め設定された水位になると、第1電磁弁3bを閉じる。第1電磁弁3bが閉じることにより、水源から洗剤水貯留部2への給水が停止する。なお、水源から洗剤水貯留部2への給水が停止する時点は、上記の例に限られない。例えば、制御装置8は、第1電磁弁3bが開いてから予め設定された一定時間が経過すると、第1電磁弁3bを閉じてもよい。
ステップS101の給水が停止した後、制御装置8は、電源23に、電極21とイオン吸着電極22とへ電圧を印加させる。電極21とイオン吸着電極22とへ電圧が印加されることで、洗剤水貯留部2内の水が電気分解される。これにより、電解水が生成される。(ステップS102)。
本実施の形態において、使用者は、操作部9のスタートボタンを押す前または後に、選択ボタンを操作して任意の極性を選択する。ステップS102において、制御装置8は、電極21の極性が使用者によって選択された極性になるように電源23を制御する。上述したように、陽極になった電極21は、酸性の電解水を生成する。陰極になった電極21は、アルカリ性の電解水を生成する。
ステップS102で電気分解が開始した後、制御装置8は、第2電磁弁4cを開く。第2電磁弁4cが開くことにより、洗剤水貯留部2に洗剤が供給される。一例として、制御装置8は、第2電磁弁4cを開いてから一定時間経過後に、当該第2電磁弁4cを閉じる。この一定時間は、規定量の洗剤が供給されるように、予め設定される。このようにして、洗剤水貯留部2には、規定量の洗剤が供給される(ステップS103)。
洗剤水貯留部2に供給された洗剤は、当該洗剤水貯留部2内の電解水と混合して洗剤水になる。電源23から電圧が印加されている電極21は、この洗剤水の電気分解を引き続き行う。このようにして、洗剤水貯留部2内の洗剤水は電気分解される。制御装置8は、洗剤水貯留部2内の洗剤水のpHが、使用者に選択された極性に応じた規定値となるように電源23を制御する。一例として、制御装置8は、予め設定されたプログラムに基づき、電源23に電圧の印加を開始させてから一定時間経過後、当該電源23に電圧の印加を停止させる。電源23が電圧の印加を停止することにより、洗剤水貯留部2内での電気分解が停止する。
このように、上記のステップS101からステップS103によって、洗剤水貯留部2内に、使用者に選択された極性に応じたpH値の電解水が生成される。この電解水は、洗剤の成分を含むものである。言い換えると、上記のステップS101からステップS103によって、洗剤水貯留部2内に、洗剤の成分を含む電解水が生成される。
なお、電源23が電圧の印加を停止する時点は、上記の例に限られない。例えば、洗剤水貯留部2内には、当該洗剤水貯留部2内の液体のpHを検知するセンサが設けられてもよい。制御装置8は、このセンサが検知したpHが規定値になった時点で、電源23に電圧の印加を停止させてもよい。
また、洗剤水貯留部2への洗剤の供給は、例えば、洗剤水貯留部2への給水が行われる前に行われてもよい。すなわち、ステップS101が実施される前にステップS103が実施されてもよい。また、ステップS101とステップS103とは、同時に実施されてもよい。また、ステップS102での電極21による電気分解は、ステップS101とステップS103とが実施された後に行われてもよい。洗浄装置1は、洗剤の成分を含まない水を電気分解するように構成されてもよいし、洗剤の成分を含む洗剤水を電気分解するように構成されてもよい。
ステップS101からステップS103によって洗剤の成分を含む電解水が生成された後、制御装置8は、ポンプ5bの運転を開始させる(ステップS104)。ポンプ5bが運転することで、上述した泡沫生成動作が行われる。泡沫生成動作が継続されると、吐出口6aから泡沫が吐出される。使用者は、吐出口6aから吐出された泡沫によって、対象物の洗浄を行う。
対象物の洗浄を行っている使用者は、操作部9の選択ボタンを操作することで、電極21の極性を切り替えてもよい。すなわち、使用者は、操作部9の選択ボタンを操作することで、吐出口6aから吐出される泡沫の性質を、酸性およびアルカリ性の一方から他方へ切り替えてもよい。一例として、制御装置8は、ステップS104でポンプ5bを運転させた後、泡沫の性質を酸性およびアルカリ性の一方から他方へ切り替えるための信号を選択ボタンから受信したか判定する(ステップS105)。
泡沫の性質を酸性およびアルカリ性の一方から他方へ切り替える操作が使用者によってされていない場合には、制御装置8は、ポンプ5bの運転を継続させる。使用者は、対象物の洗浄が完了した時点で、操作部9の停止ボタンを操作する。この操作が行われると、制御装置8は、ポンプ5bの運転を停止させる(ステップS106)。これにより、泡沫生成動作が終了する。なお、ステップS106が実施される時点、すなわちポンプ5bの運転が停止する時点は、停止ボタンが押された時点に限られない。例えば、ポンプ5bの運転は、開始してから一定時間後に自動で停止してもよい。
制御装置8は、ポンプ5bを停止させた後、第3電磁弁7bを開く。第3電磁弁7bが開くことにより、洗剤水貯留部2および吐出部6内に残った洗剤水および泡沫が排出される(ステップS107)。
また、本実施の形態において操作部9を構成するボタンには、一例として、すすぎ水生成ボタンが含まれる。使用者は、泡沫によって洗浄された対象物をすすぎ水によって対象物をすすぎたい場合には、このすすぎ水生成ボタンを操作する。すすぎ水とは、洗剤の成分を含まない水を電気分解することによって生成された酸性またはアルカリ性の電解水である。すなわち、すすぎ水は、洗剤の成分を含まない電解水である。
ステップS107の後、すすぎ水生成ボタンが操作されたか否かの判定が行われる(ステップS108)。例えば、すすぎ水生成ボタンが操作された場合には、操作部から制御装置8へ規定の信号が送信される。ステップS108において、制御装置は、上記の規定の信号を受信したか否か判定する。すすぎ水生成ボタンが操作されていない場合には、図5に示すように、洗浄装置1の一連の動作が終了する。
制御装置8は、ステップS105において、泡沫の性質を酸性およびアルカリ性の一方から他方へ切り替えるための信号を選択ボタンから受信した場合、ポンプ5bの運転を停止する(ステップS110)。制御装置8は、ステップS110でポンプ5bの運転を停止させた後、第3電磁弁7bを開く。第3電磁弁7bが開くことにより、洗剤水貯留部2および吐出部6内に残った洗剤水および泡沫が排出される(ステップS111)。
ステップS111で洗剤水および泡沫が排出された後、制御装置8は、第3電磁弁7bを閉じて第1電磁弁3bを開く。第1電磁弁3bが開くことにより、水源から洗剤水貯留部2への給水が再び行われる(ステップS112)。ステップS112の給水は、例えば、ステップS101と同様、水位センサ10によって検知される水位が予め設定された水位になると停止する。
ステップS112の給水が停止した後、制御装置8は、電源23に、電極21とイオン吸着電極22とへ電圧を印加させる。これにより、洗剤水貯留部2内の水が電気分解され、電解水が生成される。(ステップS113)。ステップS113において、制御装置8は、電極21の極性が、使用者によって切り替えられた後の極性になるように電源23を制御する。電極21は、上記の他方の性質、すなわち使用者によって切り替えられた後の性質を有する電解水を、電気分解によって生成する。
ステップS113で電気分解が開始した後、制御装置8は、第2電磁弁4cを開く。第2電磁弁4cが開くことにより、洗剤水貯留部2に洗剤が供給される。洗剤水貯留部2には、ステップS103と同様、規定量の洗剤が供給される(ステップS114)。
洗剤水貯留部2に供給された洗剤は、当該洗剤水貯留部2内の電解水と混合して洗剤水になる。電源23から電圧が印加されている電極21は、この洗剤水の電気分解を引き続き行う。このようにして、洗剤水貯留部2内の洗剤水は電気分解される。制御装置8は、上記のステップS102およびステップS103と同様、洗剤水貯留部2内の洗剤水のpHが規定値となるように電源23を制御する。
このように、上記のステップS112からステップS114によって、洗剤水貯留部2内に、洗剤の成分を含む電解水が生成される。なお、電源23が電圧の印加を停止する時点は、例えば、洗剤水貯留部2内の液体のpHを検知するセンサによって検知されたpHが規定値になった時点でもよい。
また、ステップS114は、ステップS112が実施される前に実施されてもよい。ステップS112とステップS114とは、同時に実施されてもよい。ステップS113での電極21による電気分解は、ステップS112とステップS114とが実施された後に行われてもよい。
ステップS112からステップS114によって洗剤の成分を含む電解水が生成された後、制御装置8は、ポンプ5bの運転を再び開始させる(ステップS115)。ポンプ5bが運転することで、泡沫生成動作が行われる。泡沫生成動作が継続されると、吐出口6aから泡沫が吐出される。使用者は、吐出口6aから吐出された泡沫によって、対象物の洗浄を行う。このように、本実施の形態の洗浄装置1の使用者は、酸性およびアルカリ性の一方の泡沫で対象物を洗浄した後に、他方の泡沫で対象物を洗浄することができる。
上述したように、使用者は、対象物の洗浄が完了した時点で、操作部9の停止ボタンを操作する。ステップS115の後にこの操作が行われると、上記のステップS106が実施され、泡沫生成動作が終了する。
また、上記のステップS108において、すすぎ水生成ボタンが操作されたと判定された場合、制御装置8は、第3電磁弁7bを閉じて第1電磁弁3bを開く。第1電磁弁3bが開くことにより、水源から洗剤水貯留部2への給水が再び行われる(ステップS120)。
ステップS120の給水が開始した後、制御装置8は、電源23に、電極21とイオン吸着電極22とへ電圧を印加させる。電極21とイオン吸着電極22とへ電圧が印加されることで、洗剤水貯留部2内の水が電気分解され、すすぎ水が生成される。(ステップS121)。
本実施の形態において、使用者は、操作部9のすすぎ水生成ボタンを押す前または後に、選択ボタンを操作して任意の極性を選択する。ステップS121において、制御装置8は、電極21の極性が使用者によって選択された極性になるように電源23を制御する。ステップS121において陽極になった電極21は、酸性のすすぎ水を生成する。ステップS121において陰極になった電極21は、アルカリ性のすすぎ水を生成する。
水源から洗剤水貯留部2への給水が継続されることで、吐出口6aからすすぎ水が吐出される(ステップS122)。使用者は、吐出口6aから吐出されたすすぎ水によって、泡沫で洗浄した対象物をすすぐ。
例えば、使用者は、アルカリ性の泡沫で洗浄した対象物を、酸性のすすぎ水ですすぐ。アルカリ性の泡沫は、対象物に付着したタンパク質を含む汚れを洗浄する能力が高い。また、酸性のすすぎ水は、対象物に付着したアルカリ性の泡沫を中和することができる。本実施の形態であれば、対象物を洗浄した後の泡沫を、中性の状態にしてから排出することができる。本実施の形態によれば、環境に優しい洗浄装置1を実現することができる。
また、使用者は、酸性の泡沫で対象物を洗浄した後、アルカリ性のすすぎ水で当該対象物をすすいでもよい。本実施の形態の洗浄装置1の使用者は、例えば、酸性の泡沫によってキッチンシンクの水垢を洗浄した後、当該泡沫をアルカリ性のすすぎ水で中和してから排出することができる。
使用者は、すすぎ水によって対象物をすすぎ終えた時点で、操作部9の停止ボタンを操作する。ステップS122の後にこの操作が行われると、制御装置8は、電源23に電圧の印加を停止させ、第1電磁弁3bを閉じて第3電磁弁7bを開く。第3電磁弁7bが開くことにより、洗剤水貯留部2および吐出部6内に残ったすすぎ水が排出される(ステップS123)。このステップS123が実施されると、図5に示すように、洗浄装置1の一連の動作が終了する。
なお、図5のフローチャートによって示される洗浄装置1の動作はあくまで一例である。洗浄装置1の動作は、図5によって示されるものに限定されない。例えば、洗浄装置1は、ステップS107の後に洗剤水貯留部2および吐出部6の内部を洗浄するように構成されても良い。洗剤水貯留部2および吐出部6の内部を洗浄する動作を、以下では洗浄動作と称する。洗剤水貯留部2および吐出部6の内部の洗浄は、例えば、給水部3が洗剤水貯留部2および吐出部6の内部に水を供給し続けることで行われる。
給水部3が洗剤水貯留部2および吐出部6の内部に水を供給し続けると、やがて洗剤水貯留部2および吐出部6の内部に水が充満する。洗剤水貯留部2および吐出部6の内部に水が充満した後、吐出口6aから水が排出される。このようにして、洗剤水貯留部2および吐出部6の内部が洗浄される。また、洗剤水貯留部2および吐出部6の内部を洗浄した後に残った水は、排水部7によって排水される。
洗浄動作は、一例として上記のように実行される。洗剤水貯留部2および吐出部6の内部を洗浄するこの洗浄動作は、例えば、上記のステップS111とステップS112と間において実行されてもよい。
また、ステップS120の給水は、ステップS101およびステップS112と同様、水位センサ10によって検知される水位が予め設定された水位になると停止してもよい。ステップS121において、制御装置8は、洗剤水貯留部2内のすすぎ水のpHが使用者に選択された極性に応じた規定値となるように電源23を制御してもよい。洗浄装置1は、洗剤水貯留部2内に貯められたすすぎ水を吐出口6aから吐出させる装置をさらに備えていてもよい。
また、上記のステップS111およびステップS112は省略されてもよい。例えば、電極21は、ステップS113において、酸性およびアルカリ性の一方の電解水を電気分解して、当該電解水を中和した後、当該電解水を酸性およびアルカリ性の他方へ変化させてもよい。
また、洗浄装置1は、洗剤水貯留部2内の泡沫の量が予め設定された適正量になるように、ポンプ5bの運転を自動的に調整する機能を有してもよい。洗浄装置1は、例えば、洗剤水貯留部2内の泡沫の量を検知する泡沫検知手段の一例として、泡沫センサを備えていてもよい。この泡沫センサは、泡沫から受ける圧力に基づいて当該泡沫の量を検知する。制御装置8は、泡沫センサの検知結果に基づき、洗剤水貯留部2内の泡沫の量が予め設定された適正量になるように、ポンプ5bを制御してもよい。
上述した動作例において、洗浄装置1は、操作部9が操作されることで動作を開始および停止する。洗浄装置1が動作を開始する時点および停止する時点は、上述した動作例に限られない。洗浄装置1は、例えば、使用者の手を検知するセンサを備えてもよい。洗浄装置1は、使用者が当該洗浄装置1に向けて手をかざした時点で動作を開始および停止するように構成されてもよい。
本実施の形態の洗浄装置1は、水と洗剤との混合物である洗剤水を内部に貯留可能な貯留部の一例として、洗剤水貯留部2および循環部5cを備える。洗浄装置1は、洗剤水貯留部2および循環部5cの内部に貯留された水および洗剤水の少なくとも一方を電気分解する電解水生成手段の一例として、電解水生成部20を備える。このため、洗浄装置1は、より優れた洗浄性能を有するアルカリ性の泡沫および除菌性能を有する酸性の泡沫によって対象物を洗浄することができる。
また、電解水生成手段の一例である電解水生成部20は、洗剤水を内部に貯留可能な洗剤水貯留部2および循環部5cの内部に配置された電極21およびイオン吸着電極22を有する。本実施の形態の洗浄装置1であれば、電解水を生成する装置を当該洗浄装置1と別に設ける必要がない。このため、本実施の形態によれば、洗浄装置1の小型化が実現される。さらに、洗浄装置1は、酸性の泡沫、アルカリ性の泡沫、酸性のすすぎ水およびアルカリ性のすすぎ水を、単一の吐出口6aから外部へ吐出することができる。
なお、泡沫を生成するための気泡を供給する気泡供給手段は、上記の実施の形態に示した気泡供給部5に限定されない。気泡供給手段の一例であるエジェクタ、気体を液体に放出する多孔質体、液体に超音波を照射する装置および液体を撹拌する装置等が、洗剤水貯留部2内に設けられていてもよい。
気泡供給手段によって供給される気泡の径、すなわち、泡沫生成手段が発生させる水流に含まれる気泡の径は、例えば、0.1μm以上で3mm以下であることが好ましい。泡沫を生成するための気泡の径が0.1μm以上で3mm以下である場合、当該気泡によって生成された泡沫の洗浄能力はより優れたものになる。
また、図6は、実施の形態1の変形例の洗浄装置1aを示す図である。図6は、図1と対応関係にある図である。洗浄装置1aは、上記の実施の形態の洗浄装置1の電解水生成部20に代えて、電解水生成部20aを備える。電解水生成部20aは、電解水生成部20の電極21に代えて、電極21aを有する。
電極21aは、L字型に形成される。L字型の電極21aの少なくとも一部は、洗剤水貯留部2の側面に沿っており、イオン吸着電極22に対向する。電極21aの表面のうち、イオン吸着電極22に向く面は、第1表面の一例である。また、イオン吸着電極22の表面のうち、電極21aに向く面は、第2表面の一例である。また、L字型の電極21aの少なくとも一部は、洗剤水貯留部2の底面に沿っており、当該一部は、第2開口2fの中心を通る軸線2Xよりも下方にある。イオン吸着電極22は、軸線2Xよりも上方にある。
L字型の電極21aとイオン吸着電極22とが上記のように配置されることによって、第2開口2fから洗剤水貯留部2内へ向かう水流は、電極21aとイオン吸着電極22との間を流れる。この水流には、気泡が含まれる。本変形例において、電極21aの表面のうちのイオン吸着電極22に向く面は、水流に含まれる気泡によって洗浄される。同様に、イオン吸着電極22の表面のうちの電極21aに向く面が洗浄される。
本変形例であれば、電極21aの表面とイオン吸着電極22の表面とが、例えば洗剤の成分およびスケールによって汚れることが防止される。これにより、電解水生成部20aが電解水を生成する効率の低下が防止される。なお、図6に示す変形例に限らず、電気分解を行う2つの電極を、当該電極間に気泡を含む水流が流れるように配置することで、同様の効果が得られる。また、電気分解を行う2つの電極を、当該電極の少なくとも一方に気泡を含む水流が当たるように配置することでも、同様の効果が得らえる。
例えば、図1に示す例において、平板状の電極21および平板状のイオン吸着電極22の、それぞれの下端をずらしてもよい。平板状の電極21の長さと平板状のイオン吸着電極22の長さとが異なっていてもよい。平板状の電極21および平板状のイオン吸着電極22の一方が、洗剤水貯留部2の壁面のうちの第2開口2fが対向する部分に沿って配置されてもよい。また、洗浄装置1は、図1に示す構成に加えて、電極21とイオン吸着電極22との間に水流を導く部材を備えていてもよい。
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2については、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明する。実施の形態1と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、また、説明を簡略化および省略する。
図7は、実施の形態2の洗浄装置1bの構成の概略を示す図である。図8は、図7のA−A断面を示す図である。なお、図7においては、気泡供給部5の図示を省略している。
本実施の形態の洗浄装置1bの基本的な構成は、実施の形態1の洗浄装置1と同様である。洗浄装置1bは、実施の形態1における電解水生成部20の代わりに、電解水生成部20bを備える。電解水生成部20bは、電極21b、イオン吸着電極22bおよび電源23bを有する。電極21bは、実施の形態1の電極21と同様の部材である。イオン吸着電極22bは、実施の形態1のイオン吸着電極22と同様の部材である。電源23bは、実施の形態1の電源23と同様の部材である。洗浄装置1bの動作は、一例として、実施の形態1と同様、図5のフローチャートによって示される。
図8に示すように、本実施の形態の電極21bおよびイオン吸着電極22bは、第2開口2fの中心を通る軸線2Xを挟んで互いに向かい合う。電極21bおよびイオン吸着電極22bがこのように配置されることで、第2開口2fから洗剤水貯留部2内へ向かう水流は、電極21bとイオン吸着電極22bとの間を流れる。本実施の形態の洗浄装置1bであれば、上述した実施の形態1の変形例と同様に、電解水生成部20bが電解水を生成する効率の低下が防止される。
電極21bの表面のうち、イオン吸着電極22bに向く面は、第1表面の一例である。また、イオン吸着電極22bの表面のうち、電極21bに向く面は、第2表面の一例である。電極21bの表面のうちのイオン吸着電極22bに向く面は、軸線2Xに沿っていてもよい。電極21bがこのように配置されることで、第2開口2fから洗剤水貯留部2内へ向かう水流は、当該電極21bの表面のうちのイオン吸着電極22bに向く面をなぞるように流れる。この水流は、電気分解によって電極21bの表面に発生した気体を当該表面から離す。これにより、電解水生成部20bが電解水を生成する効率の低下がさらに防止される。
なお、イオン吸着電極22bの表面のうちの電極21bに向く面も、同様に、軸線2Xに沿っていてもよい。また、電極21bの表面のうちのイオン吸着電極22bに向く面は、軸線2Xに平行であってもよい。平板状の電極21bと平板状のイオン吸着電極22bとは、軸線2Xに平行になるように配置されてもよい。
また、図9は、実施の形態2の変形例を示す図である。図9に示すように、電極21bは、当該電極21bの表面のうちのイオン吸着電極22bに向く面が軸線2Xに沿うように、当該軸線2X上に配置されてもよい。また、電極21bは、軸線2Xに垂直な投影面において第2開口2fに重なるように配置されてもよい。本変形例においても、電解水生成部20bが電解水を生成する効率の低下が防止される。
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3については、上述した各実施の形態との相違点を中心に説明する。上記の各実施の形態と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、また、説明を簡略化および省略する。
図10は、実施の形態3の洗浄装置1cの構成の概略を示す図である。図11は、図10のB−B断面を示す図である。なお、図10においては、給水部3、洗剤供給部4、気泡供給部5、排水部7、制御装置8および操作部9の図示を省略している。
本実施の形態の洗浄装置1cの基本的な構成は、実施の形態2の洗浄装置1bと同様である。また、洗浄装置1cの動作は、一例として、実施の形態1および実施の形態2と同様、図5のフローチャートによって示される。洗浄装置1cの動作についての詳細な説明は、省略する。以下、本実施の形態の洗浄装置1cの構成について説明する。
洗浄装置1cは、実施の形態2における洗剤水貯留部2の代わりに、洗剤水貯留部30を備える。また、洗浄装置1cは、実施の形態2における電解水生成部20bの代わりに、電解水生成部20cを備える。電解水生成部20cは、電極21cおよび電極22cを有する。電極21cは、電極21bと同様の部材である。電極22cは、電極21cに対向する。電極22cは、電極21cとともに電気分解を行う。電極21cおよび電極22cは、電源23cに接続される。電源23cは、電極21cおよび電極22cに電圧を印加する。なお、電源23cは、交流電源でなく直流電源であってもよい。
電解水生成手段の一例である電解水生成部20cは、隔膜31を有する。隔膜31は、電極21cと電極22cとの間に設けられる。隔膜31は、洗剤水貯留部30の内部の空間を、第1空間30aと第2空間30bとに仕切る。第1空間30aは、電極21cが配置される空間である。第2空間30bは、電極22cが配置される空間である。
隔膜31は、液体中のイオンが通過可能なイオン交換膜である。本実施の形態の電解水生成部20cは、2つの電極とイオン交換膜によって電解水を生成する2槽式の装置である。
洗剤水貯留部30には、第1開口30eおよび第2開口30fが形成される。第1開口30eおよび第2開口30fは、それぞれ、実施の形態1および実施の形態2における第1開口2eおよび第2開口2fに対応する。本実施の形態の第1開口30eおよび第2開口30fは、第1空間30aに通じる開口である。第1開口30eおよび第2開口30fと第2空間30bとは、隔膜31によって隔てられている。
また、本実施の形態において循環部5cの内部は、第2開口30fを介して第1空間30aに通じている。循環部5cの内部と第2空間30bとは、隔膜31によって隔てられている。すなわち、循環部5cは、第1空間30aおよび第2空間30bのうち、第1空間30aのみに通じている。
なお、循環部5cは、第1空間30aおよび第2空間30bの一方のみに通じていればよい。例えば、循環部5cは、第1空間30aおよび第2空間30bのうち、第2空間30bのみに通じていてもよい。
また、電極21cおよび電極22cは、実施の形態2と同様、第2開口30fの中心を通る軸線30Xを挟んで対向している。一例として、軸線30Xは、電極21cと隔膜31との間を通る。
本実施の形態において、循環部5cが通じる第1空間30aには洗剤が供給される。第2空間30bには、洗剤が供給されない。すなわち、第1空間30aには洗剤水が貯められ、第2空間30bには水が溜められる。
電極21cと電極22cとが電気分解を行うことにより、第1空間30aおよび第2空間30b内に電解水が生成される。第1空間30aには、洗剤の成分を含む電解水が生成される。第2空間30bには、洗剤の成分を含まない電解水が生成される。第2空間30b内に生成された電解水は、すすぎ水として用いることができる。また、ポンプ5bが運転することで、第1空間30aには、洗剤の成分を含む電解水から泡沫が生成される。2槽式の電解水生成部20cは、泡沫とすすぎ水とを同時に生成することが可能である。
本実施の形態の洗浄装置1cは、例えば、アルカリ性の泡沫と酸性のすすぎ水とを同時に生成することが可能である。また、洗浄装置1cは、酸性の泡沫とアルカリ性のすすぎ水とを同時に生成することが可能である。本実施の形態の洗浄装置1cであれば、泡沫が吐出されてからすすぎ水が吐出されるまでのタイムラグをなくすことができる。本実施の形態の洗浄装置1cは、使用者にとっての使い勝手がよりよい。なお、電解水生成部20cは、上記した2槽式ではなく、例えば、中間室を有する3槽式であってもよい。
また、本実施の形態であれば、循環部5cが第1空間30aおよび第2空間30bの一方のみに通じているという構成により、無駄な装置を追加することなく、泡沫とすすぎ水とを同時に生成することが可能な洗浄装置1cが得られる。
洗剤水貯留部30の内部には、仕切弁32が設けられてもよい。仕切弁32は、第1空間30aまたは第2空間30bを選択的に吐出部6の内部へ通じさせる。仕切弁32は、第1空間30aおよび吐出部6の内部に残った泡沫が第2空間30bに流入することを防ぐ。仕切弁32は、例えば、支点33によって支持される。仕切弁32は、この支点33を軸として回転する。一例として、仕切弁32は、泡沫の上昇圧によって開閉する。泡沫の上昇圧を利用することにより、仕切弁32を動作させるための装置を別途設ける必要がなくなる。
なお、仕切弁32の構造は上記のものに限らず、例えば、使用者による操作部9の操作に応じて自動で開閉するものでもよい。仕切弁32は、制御装置8によって電気的に制御されてもよい。また、洗浄装置1cは、吐出部6に代えて、第1空間30aに通じる部材と第2空間30bに通じる部材とをそれぞれ備えても良い。洗浄装置1cには、泡沫を吐出するための開口とすすぎ水を吐出するための開口とが別々に形成されていてもよい。
図12は、実施の形態3の第1の変形例の洗浄装置1dを示す図である。洗浄装置1dは、気泡供給部5の代わりに、気泡供給部50を備える。また、洗浄装置1dが備える洗剤水貯留部30には、第1開口30eおよび第2開口30fの代わりに、開口30g、開口30h、開口30iおよび開口30jが形成される。開口30gおよび開口30hは、気泡供給口の一例である。開口30gおよび開口30iは、第1空間30aに通じる。開口30hおよび開口30jは、第2空間30bに通じる。
気泡供給部50は、気泡発生器50aおよびポンプ50bを有する。気泡発生器50aは、気泡発生器5aと同様の装置である。ポンプ50bは、ポンプ5bと同様の装置である。また、気泡供給部50は、気泡供給部5における循環部5cに対応する部材として、循環部50c、循環部50dおよび循環部50eを有する。さらに、気泡供給部50は、電磁弁50fおよび電磁弁50gを有する。
循環部50cの一端は、開口30iに接続される。循環部50dの一端は、開口30jに接続される。循環部50cの他端と循環部50dの他端とは、電磁弁50gを介して接続される。また、循環部50cの他端と循環部50dの他端とには、電磁弁50gを介して、循環部50eの一端が接続される。
循環部50eの途中には、電磁弁50fが設けられる。循環部50eの他端側は、電磁弁50fが設けられている部位で2つに分岐する。循環部50eの他端側の一方は、開口30gに接続される。循環部50eの他端側の他方は、開口30hに接続される。気泡発生器50aおよびポンプ50bは、電磁弁50fと電磁弁50gとの間で循環部50eの途中に設けられる。
洗浄装置1dは、上記のように構成される。循環部50c、循環部50dおよび循環部50eは、洗剤水が循環する循環部の一例である。循環部50c、循環部50dおよび循環部50eの内部は、第1空間30aおよび第2空間30bの両方に通じている。泡沫生成手段の一例である気泡発生器50aおよびポンプ50bは、電磁弁50fおよび電磁弁50gが制御されることにより、気泡を含む水流を第1空間30aまたは第2空間30bに選択的に発生させることが可能である。
洗浄装置1dは、例えば、第1空間30aおよび第2空間30bの両方に洗剤を供給できるように形成される。洗浄装置1dであれば、第1空間30aおよび第2空間30bのそれぞれに、性質の異なる泡沫を貯留することができる。洗浄装置1dは、2種類の泡沫を連続して吐出することが可能である。
また、図13は、実施の形態3の第2の変形例の洗浄装置1eを示す図である。洗浄装置1eは、気泡供給部5の代わりに、気泡供給部51を備える。洗浄装置1eが備える洗剤水貯留部30には、第1開口30eおよび第2開口30fの代わりに、開口30k、開口30l、開口30mおよび開口30nが形成される。開口30kおよび開口30lは、気泡供給口の一例である。開口30kおよび開口30mは、第1空間30aに通じる。開口30lおよび開口30nは、第2空間30bに通じる。
気泡供給部51は、第1気泡発生器51a、第2気泡発生器51bおよびポンプ51cを有する。第1気泡発生器51aおよび第2気泡発生器51bは、気泡発生器5aと同様の装置である。ポンプ51cは、ポンプ5bと同様の装置である。また、気泡供給部51、気泡供給部5における循環部5cに対応する部材として、循環部51d、循環部51eおよび循環部51fを有する。さらに、気泡供給部51は、電磁弁51gおよび電磁弁51hを有する。
循環部51dの一端は、開口30lに接続される。循環部51dの他端は、開口30nに接続される。循環部51dには、開口30lから開口30nに向けて順に、第2気泡発生器51b、電磁弁51g、ポンプ51cおよび電磁弁51hが設けられる。
循環部51eの一端は、開口30kに接続される。循環部51eの他端は、電磁弁51gを介して循環部51dの途中に接続される。第1気泡発生器51aは、循環部51eに設けられる。また、循環部51fの一端は、開口30mに接続される。循環部51fの他端は、電磁弁51hを介して循環部51dの途中に接続される。
洗浄装置1eは、上記のように構成される。循環部51eは、気泡供給口の一例である開口30kを介して第1空間30aに通じる。循環部51eは第1部分の一例である。第1気泡発生器51aは、第1部分の一例である循環部51eに設けられる。また、循環部51dの一部は、気泡供給口の一例である開口30lを介して第2空間30bに通じる。当該一部は、第2部分の一例であり、当該一部には第2気泡発生器51bが設けられる。上記のように構成された洗浄装置1eは、洗浄装置1dと同様に、2種類の泡沫を連続して吐出することが可能である。また、第1気泡発生器51aと第2気泡発生器51bとを備える洗浄装置1eであれば、第1空間30aとに貯留される泡沫を形成する気泡の径と第2空間30bに貯留される泡沫の気泡の径とをそれぞれ異なる大きさにすることもできる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4については、上述した各実施の形態との相違点を中心に説明する。上記の各実施の形態と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、また、説明を簡略化および省略する。
図14は、実施の形態4の洗浄装置1fの構成の概略を示す図である。洗浄装置1fの基本的な構成は、実施の形態3の洗浄装置1cと同様である。なお、図14においては、給水部3、洗剤供給部4、排水部7、制御装置8、操作部9および電源23cの図示を省略している。
本実施の形態の洗浄装置1fは、実施の形態3の洗浄装置1cにおける気泡供給部5の代わりに、気泡供給部52を備える。気泡供給部52は、気泡発生器5aに対応する部材として、2つの気泡発生器52aを有する。また、気泡供給部52は、空気を供給するエアポンプ52bおよび継手52cを有する。
気泡発生器52aは多孔質材料によって形成される部材である。気泡発生器52aは、エアポンプ52bから当該気泡発生器52aに空気が供給されることで、気泡を発生させる。気泡発生器52aは、第1空間30aと第2空間30bとに、それぞれ配置される。気泡発生器52aは、継手52cを介して、エアポンプ52bに接続される。
継手52cは、3つに分岐した構造を有する部材である。また、継手52cは、当該継手52c内を開閉する機構を備えている。例えば、2つの気泡発生器52aの一方が継手52cを介してエアポンプ52bに通じている場合、他方とエアポンプ52bとは当該継手52cによって隔てられる。この状態でエアポンプ52bが駆動することで、第1空間30aまたは第2空間30bの一方の内部に泡沫が生成される。
上記のように構成された洗浄装置1fは、実施の形態3の洗浄装置1cと同様、泡沫が吐出されてからすすぎ水が吐出されるまでのタイムラグをなくすことができる。また、洗浄装置1fは、実施の形態3の変形例と同様に、2種類の泡沫を連続して吐出することが可能である。また、本実施の形態においては洗剤水を循環させる機構が不要である。本実施の形態であれば、より小型な洗浄装置1fを得ることができる。
なお、継手52cは、2つの気泡発生器52aの両方をエアポンプ52bに通じさせることが可能であってもよい。2つの気泡発生器52aの両方がエアポンプ52bに通じることで、2種類の泡沫を同時に生成することが可能となる。また、気泡発生器52aは、図14に示すように、ぞれぞれ、電極21cと電極22cとの下方に配置されることが好ましい。多孔質体によって形成された気泡発生器52aによって液中に気泡が発生すると、当該気泡は上昇流を当該液中に発生させる。換言すると、気泡発生器52aは、気泡を含む上昇流を発生させる。気泡発生器52aが電極21cと電極22cとの下方にそれぞれ配置されることで、当該電極21cの表面と当該電極22cとが気泡を含む上昇流によって洗浄される。これにより、電解水を生成する効率の低下が防止される。