JP6976534B2 - ポリビニルアミンの油中水型エマルジョンの製造方法 - Google Patents

ポリビニルアミンの油中水型エマルジョンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリビニルアミンの油中水型エマルジョンの製造方法に関するものであり、詳しくはN−ビニルカルボン酸アミドの油中水型エマルジョンを加水分解して得られるポリビニルアミンの安定で効率的な油中水型エマルジョンの製造方法に関するものである。
ポリビニルアミンは、構造が最も単純な一級アミノ基含有ビニルポリマーであり、N−ビニルカルボン酸アミドの重合物を酸または塩基にて加水分解する方法、N−ビニル−O−t−ブチルカルバメートの重合物を加水分解する方法、あるいはポリアクリルアミドを次亜ハロゲン酸およびアルカリ金属水酸化物の存在下ホフマン反応を行う方法が知られている。
N−ビニルカルボン酸アミド単量体の重合物を酸または塩基にて加水分解する方法は、原料となる単量体の合成が容易であり、N−ビニルカルボン酸アミドのラジカル重合反応物の加水分解で比較的容易に高分子量の重合物が得られ、安全性も高いことから工業的製造法として有用である。
一方で、分子量の高いポリビニルアミン水溶液は粘度が高く取り扱いが困難であり、高濃度のポリビニルアミンを利用するためには油中水型エマルジョンの形態が好ましい。そこで、高濃度で高分子量のポリビニルアミンの油中水型エマルジョンの製造方法についてこれまで、様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1には、N−ビニルカルボン酸アミド重合物の油中水型エマルジョンを酸または塩基で加水分解しポリビニルアミンを製造する方法について開示している。しかしながらこの製造法において得られるポリビニルアミンは水溶液であり、安定な油中水型エマルジョンを得ることは不可能である。
特許文献2は、N−ビニルホルムアミド−アクリロニトリル共重合物の油中水型エマルジョンを酸により加水分解する方法を開示している。この方法はモノマーとしてアクリロニトリルが必須であり、さらには酸による加水分解が必須である。また、酸加水分解の際使用している乳化剤のエステル結合は酸で容易に切断されるため、塩基により中和することのできないこの方法ではエマルジョンの安定性に欠ける。
特許文献3では、N−ビニルカルボン酸アミドを特定の乳化剤混合物の存在下酸または塩基で加水分解したポリマーの安定な油中水型エマルジョンの製造方法が開示されている。この製造方法においても、乳化剤としてエステル結合を有するものが用いられており、酸または塩基で容易に切断されるためエマルジョンの安定性に欠ける。
このように従来の技術において、N−ビニルカルボン酸アミド重合物の油中水型エマルジョンを酸または塩基で加水分解し得られる、ポリビニルアミンの安定な油中水型エマルジョンの製造方法は存在しなかった。
そこで、本出願人は、特許文献4の様にN−ビニルカルボン酸アミド重合物の油中水型エマルジョンを酸または塩基で加水分解し得られる高分子量のポリビニルアミンの安定な油中水型エマルジョンの製造方法を見出した。しかし、この方法においては、高分子量のポリビニルアミンの安定な油中水型エマルジョンを製造することができるが、油中水型エマルジョン中に未溶解物が多く発生し、その分、製造効率が低下することや製造コストが高くなるという問題が生じた。そこで、更なる効率的なポリビニルアミンの安定な油中水型エマルジョンの製造方法が要望されている。
特開平05−117313号公報 特開平05−309208号公報 特表平10−500714号公報 特開2012−153747号公報
本発明の課題は、N−ビニルカルボン酸アミド重合物の油中水型エマルジョンを酸または塩基で加水分解し得られる、ポリビニルアミンの安定で効率的な油中水型エマルジョンの製造方法を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討することにより、N−ビニルカルボン酸アミド重合物水溶液の油中分散液を酸又は塩基の存在下、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの共存下で加水分解する方法において、適正な反応条件を採用することで前記課題を解決できることを発見し本発明に至った。
即ち、乳化重合法により得られたN−ビニルカルボン酸アミド重合物水溶液の油中分散液を酸又は塩基の存在下、HLBが2.0〜8.0未満の範囲のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの共存下で加水分解を行うポリビニルアミンの油中水型エマルジョンの製造方法である。
本発明のポリビニルアミンの油中水型エマルジョンの製造方法は、高濃度かつ液状のポリビニルアミンとその塩を提供することが可能であり、輸送コストの削減、運送時の二酸化炭素排出量の削減、また様々な工業分野で利用される際の溶解作業工程の簡略化、作業環境の改善効果が達成できる。又、塩基での加水分解が可能であるため、対イオンの無い第一級アミノ基を有し、かつ加水分解時に発生する腐食性物質であるギ酸の存在しないビニルポリマーの提供できるため、産業上の利用分野の拡大、製造装置および貯蔵設備の簡略化といった効果が期待できる。更には、製造時の未溶解物発生量が極端に少なく製造効率が大幅に向上し、製造コストも削減することができる。
本発明のN−ビニルカルボン酸アミド重合物の油中水型エマルジョンは、N−ビニルカルボン酸アミド単量体を水、水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させた後、重合することにより合成する方法である。
N−ビニルカルボン酸アミド単量体の例としては、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミドが挙げられるが、N−ビニルホルムアミドを使用することが好ましい。
水と非混和性の炭化水素からなる油状物質の例としては、パラフィン類あるいは灯油、軽油、中油等の鉱油、あるいはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度等の特性を有する炭化水素系合成油、あるいはこれらの混合物が挙げられる。含有量としては、油中水型エマルジョン全量に対して20〜50質量%であり、好ましくは20〜35質量%である。
油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する界面活性剤の例としては、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンアルコールエーテル系、ポリオキシエチレンアルキルエステル系、あるいは分子量が1000以上のブロックおよび/またはグラフト型の高分子界面活性剤等である。具体的には、2〜10好ましくは3〜7のHLB値を有する分子量1000未満の界面活性剤、例えばグリセロールモノ−、ジ−、およびトリ−、オレエート、ステアレートあるいはパルミテートといったグリセロール脂肪酸エステル、ソルビタンモノ−、ジ−、およびポリ−、オレエート、ステアレートあるいはパルミテートといったソルビタン脂肪酸エステル、さらにこれらのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドの付加物が例示できる。分子量1000以上のブロックおよび/またはグラフト型の高分子界面活性剤としては、12−ヒドロキシステアリン酸とポリ(エチレンオキサイド)の反応物であるポリエステル・ブロック−ポリ(エチレンオキシド)・ブロック−ポリエステル・ブロックコポリマーが例示できる。またこれらの中から二つ以上の界面活性剤を併用することも可能である。特に分子量1000未満の界面活性剤と分子量1000以上のブロックおよび/またはグラフト型の高分子界面活性剤を併用することが好ましく、添加量としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜5質量%の範囲である。
重合はラジカル重合開始剤を使用し行う。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系何れでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2、2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2、2’−アゾビス−2−メチルプロピオネート、2、2’−アゾビス−(4−メトキシ−2、4−ジメチル)バレロニトリル等が挙げられる。
水溶性アゾ開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス[2−(5−メチル−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等が挙げられる。またレドックス系の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等との組み合わせが挙げられる。更に過酸化物の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウム或いはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等を挙げることができる。
重合温度は、使用する重合開始剤によって適宜決めていき、通常0〜100℃の範囲で行ない、特に10〜60℃の範囲が好ましい。
また分子量の調整のため連鎖移動性を持つ化合物を併用することができ、例えば、2−メルカプトエタノール、2−プロパノール、亜硫酸水素ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等が使用できる。
N−ビニルカルボン酸アミドの濃度は適宜設定するが、通常は油中水型エマルジョン全量に対して10〜50質量%の範囲であり、特に15〜40質量%の範囲であることが好ましい。
本発明におけるポリビニルアミンの油中水型エマルジョンは、前記N−ビニルカルボン酸アミド重合物の油中水型エマルジョンを酸または塩基で加水分解し得ることができる。目的に応じて適宜選択することが可能であり、酸の存在下で使用する必要がある場合は、酸により加水分解することが好適である。酸による加水分解では、副生成物としてギ酸が生成し製造槽や貯槽を腐食するため、塩基により加水分解することが好適である。
加水分解のために適当な酸としては、加水分解の際にpHを0〜5の範囲とすることができれば制限はなく、ハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸といった無機酸、炭素数1〜5の範囲のモノおよびジカルボン酸、スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸といった有機酸が例示でき、特にハロゲン化水素酸およびハロゲン化水素のガスを用いることが好ましく、ハロゲン化水素酸を用いることが最も好ましい。添加量は、ポリマーのホルミル基に対し0.05〜2、さらに好ましくは0.4〜1.2当量の範囲で加えることが好ましい。
加水分解のために適当な塩基としては、加水分解の際にpHを8〜14の範囲とすることができれば制限はなく、周期律表第一および二a族の金属水酸化物、アンモニアおよびアンモニアのアルキル誘導体が例示でき、周期律表第一および二a族の金属水酸化物およびアンモニアを用いることが好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアの水溶液を用いることが最も好ましい。添加量は、ポリマーのホルミル基に対し0.05〜2、更に好ましくは0.4〜1.2当量の範囲で加えることが好ましい。
加水分解は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの存在下で行う。このようなポリオキシエチレンアルキルエーテルの例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLBの範囲は2.0〜8.0未満であり、好ましくは2.0〜7.5である。HLB2.0より低いものは現実的に製造することが困難なためである。HLBが2.0〜8.0未満のものを使用し、製造条件を適正に調整することで、より未溶解物が少ないポリビニルアミンの油中水型エマルジョンが製造することができる。従来、油中水型エマルジョンの転相剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルが使用される場合は、そのHLBは親水性が高い8.0以上のものの適用が一般的である。そのため油中水型エマルジョンの製造工程中で使用する場合にも、HLB8.0以上の適用が主に考慮されてきた。しかし、本発明においては、HLBが8.0より低いものを使用することで加水分解後のポリビニルアミンの油中水型エマルジョンの未溶解物量が低下することを見出したものである。この理由は明らかではないが、本発明における一連のポリビニルアミンの油中水型エマルジョンを製造する工程において、HLBが2.0〜8.0未満のポリオキシエチレンアルキルエーテルを加水分解時に適用することで未溶解物量を削減する作用が適正となることが推測される。未溶解物量の発生を抑制できるのであれば、HLB8.0以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルを併用しても差し支えない。
これらのポリオキシエチレンアルキルエーテルは、N−ビニルカルボン酸アミドの重合時に添加することも、重合後加水分解の前に添加することも可能であるが、重合後、加水分解工程の前に添加する方法が好ましい。
意図しない架橋反応を防止する目的で、塩酸ヒドロキシルアミンの存在下で加水分解反応を行うことができる。この塩酸ヒドロキシルアミンは、N−ビニルカルボン酸アミドの重合時に添加することも、重合後加水分解の前に添加することも可能であるが、重合後加水分解の前に添加する方法が好ましい。
加水分解を行う温度は、加水分解率と加水分解を行う時間により適宜選択することが可能であるが、通常40〜100℃、好ましくは60〜90℃の範囲で行う。加水分解時間は、好ましくは2〜8時間である。
加水分解したポリビニルアミンの油中水型エマルジョンは、前記酸または塩基で中和する。中和時のpHが6.0〜14.0の範囲に調整することが好ましい。中和時の温度は0〜70℃の範囲で行うことが好ましい。0℃以下で行うと、溶液が凍結し、流動性を失いため好ましくはない。70℃を超えると発生する未溶解物の量が多くなる傾向にある。更に好ましくは5〜70℃の範囲であり、より一層好ましくは5〜60℃の範囲である。
このようにして得られたポリビニルアミンの油中水型エマルジョンの1mol/L濃度のNaCl水溶液中での25℃における固有粘度は、0.5〜10.0dL/gの範囲であることが好ましい。10.0dL/g以上のビニルアミンの製造は実質困難であり、最も好ましくは、0.5〜8.0dL/gの範囲である。
加水分解後は、転相剤と呼ばれる親水性界面活性剤を添加して油の膜で被われたエマルジョン粒子が水になじみ易くし、中の水溶性高分子が溶解しやすくする処理を行なうことが好ましい。親水性界面活性剤の例としては、カチオン性界面活性剤やHLB9〜15のノ二オン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルコールエーテル等が例示できる。
加水分解して得られるポリビニルアミンの油中水型エマルジョン中の未溶解物量は下記の方法で測定することができる。本発明においては当方法が適用される。先ず、ナイロン製の40メッシュの濾布を秤量し、その質量をa(g)とする。次いで、ポリビニルアミンの油中水型エマルジョンが入ったセパラブルフラスコを秤量し、その質量をb(g)とする。その後、ポリビニルアミンの油中水型エマルジョンを40メッシュの濾布に通して空け替え、空になったセパラブルフラスコを秤量し、その質量をc(g)とする。最後に、ポリビニルアミンの油中水型エマルジョン通過後の40メッシュ濾布を秤量し、その質量をd(g)とする。測定した質量を下記式に従い、加水分解して得られるポリビニルアミンの油中水型エマルジョン中の未溶解物量(%)を算出する。
未溶解物量(%)=[( d − a )/( b − c )]×100
前記製造方法によって得られた本発明におけるポリビニルアミンの油中水型エマルジョンは、様々な用途に適用できるが、具体的には歩留及び/又は濾水性向上剤、凝結剤、紙力増強剤、湿潤紙力向上剤、サイズ定着剤、脱墨助剤、汚泥脱水剤、汚泥沈降剤あるいは染色排水処理剤等、特開2013−252476号公報に記載された使用方法が考慮される。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口1000mLセパラブルフラスコに沸点190℃ないし230℃のイソパラフィン355gにノニオン系活性剤HypermerH1084(クローダ社製)25.0gを仕込み溶解させた。別にイオン交換水263.7g、85%リン酸4.3g、48%水酸化ナトリウム溶液3.1g、ギ酸ナトリウム0.3g、N−ビニルホルムアミド(純分91.8質量%)348.6g、を各々採取し添加した。油と水溶液を混合し、ホモミキサーにて7800rpmで4分間攪拌乳化した。得られたエマルジョンを攪拌しつつ単量体溶液の温度を30〜35℃の範囲に保ち、窒素置換を30分行なった後、重合開始剤2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製V−70)0.32g(対単量体0.1質量%)を加え、重合反応を開始させた。30〜35℃の範囲に保ちつつ20時間重合させ反応を完結させた。このものをPNVFとする。
(製造例1)
攪拌機、還流冷却管、温度計および滴下漏斗を備えた4つ口500mLセパラブルフラスコに前記PNVFを250gおよびポリオキシエチレンセチルエーテル(クローダ社製Brij52(HLB4.9)14.5gを採取し50℃で攪拌し十分溶解混合した。溶解を確認後、30質量%塩酸ヒドロキシルアミン水溶液13.3gを添加し、1時間撹拌した。次いで、滴下漏斗にて水酸化ナトリウム水溶液(純分48質量%)53.51gを1分間かけて滴下し、80℃まで加温し、80℃で3時間加水分解反応を行った。加水分解反応終了後、塩酸水溶液(純分35質量%)58.75gを30℃にて滴下添加し中和した。中和後、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル(HLB13.0)を8.8g添加し、ポリビニルアミンの油中水型エマルジョンを得た。このものを製造例1とし、1mol/L濃度のNaCl水溶液中での25℃における固有粘度、未溶解物量を表−1に示す。製造直後および製造後30日後(25℃保管)の性状は液状エマルジョンであり、固化や沈澱は認められなかった。
(製造例2)
ポリオキシエチレンセチルエーテル(クローダ社製Brij52(HLB4.9)をポリオキシエチレンステアリルエーテル(日油株式会社製ノニオンS-202(HLB4.9)としたこと以外は実施例1と同様な方法でポリビニルアミンの油中水型エマルジョンを得た。このものを製造例2とし、1mol/L濃度のNaCl水溶液中での25℃における固有粘度、未溶解物量を表−1に示す。製造直後および製造後30日後(25℃保管)の性状は液状エマルジョンであり、固化や沈澱は認められなかった。
(製造例3)
ポリオキシエチレンセチルエーテル(クローダ社製Brij52(HLB4.9)をポリオキシエチレンオレイルエーテル(青木油脂工業株式会社製ブラウノンEN−1502(HLB5.0)としたこと以外は実施例1と同様な方法でポリビニルアミンの油中水型エマルジョンを得た。このものを製造例3とし、1mol/L濃度のNaCl水溶液中での25℃における固有粘度、未溶解物量を表−1に示す。製造直後および製造後30日後(25℃保管)の性状は液状エマルジョンであり、固化や沈澱は認められなかった。
(製造例4)
ポリオキシエチレンセチルエーテル(クローダ社製Brij52(HLB4.9)をポリオキシエチレンオレイルエーテル(青木油脂工業株式会社製ブラウノンEN-1502(HLB5.0)とし、中和時の温度を40℃としたこと以外は実施例1と同様な方法でポリビニルアミンの油中水型エマルジョンを得た。このものを製造例4とし、1mol/L濃度のNaCl水溶液中での25℃における固有粘度、未溶解物量を表−1に示す。製造直後および製造後30日後(25℃保管)の性状は液状エマルジョンであり、固化や沈澱は認められなかった。
(製造例5)
ポリオキシエチレンセチルエーテル(クローダ社製Brij52(HLB4.9)をポリオキシエチレンオレイルエーテル(青木油脂工業株式会社製ブラウノンEN-1502(HLB5.0)とし、中和時の温度を50℃としたこと以外は実施例1と同様な方法でポリビニルアミンの油中水型エマルジョンを得た。このものを製造例5とし、1mol/L濃度のNaCl水溶液中での25℃における固有粘度、未溶解物量を表−1に示す。製造直後および製造後30日後(25℃保管)の性状は液状エマルジョンであり、固化や沈澱は認められなかった。
(製造例6)
ポリオキシエチレンセチルエーテル(クローダ社製Brij52(HLB4.9)をポリオキシエチレンオレイルエーテル(青木油脂工業株式会社製ブラウノンEN-1502(HLB5.0)とし、中和時の温度を8℃としたこと以外は実施例1と同様な方法でポリビニルアミンの油中水型エマルジョンを得た。このものを製造例6とし、1mol/L濃度のNaCl水溶液中での25℃における固有粘度、未溶解物量を表−1に示す。製造直後および製造後30日後(25℃保管)の性状は液状エマルジョンであり、固化や沈澱は認められなかった。
(比較製造例1)
ポリオキシエチレンセチルエーテル(クローダ社製Brij52(HLB4.9)をポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社製エマルゲン409P(HLB12.0)としたこと以外は実施例1と同様な方法でポリビニルアミンの油中水型エマルジョンを得た。このものを比較製造例1とし、1mol/L濃度のNaCl水溶液中での25℃における固有粘度、未溶解物量を表−1に示す。製造直後および製造後30日後(25℃保管)の性状は液状エマルジョンであり、固化や沈澱は認められなかった。
(比較製造例2)
ポリオキシエチレンセチルエーテル(クローダ社製Brij52(HLB4.9)をポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社製エマルゲン408(HLB10.0)としたこと以外は実施例1と同様な方法でポリビニルアミンの油中水型エマルジョンを得た。このものを比較製造例2とし、1mol/L濃度のNaCl水溶液中での25℃における固有粘度、未溶解物量を表−1に示す。製造直後および製造後30日後(25℃保管)の性状は液状エマルジョンであり、固化や沈澱は認められなかった。
(比較製造例3)
ポリオキシエチレンセチルエーテル(クローダ社製Brij52(HLB4.9)をポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社製エマルゲン404(HLB8.8)とし、中和時の温度を80℃としたこと以外は実施例1と同様な方法でポリビニルアミンの油中水型エマルジョンを得た。このものを比較製造例3とし、1mol/L濃度のNaCl水溶液中での25℃における固有粘度、未溶解物量を表−1に示す。製造直後および製造後30日後(25℃保管)の性状は液状エマルジョンであり、固化や沈澱は認められなかった。
(比較製造例4)
攪拌機、還流冷却管、温度計および滴下漏斗を備えた4つ口500mLセパラブルフラスコに前記PNVFを252.6gおよびポリオキシエチレンステアリルエーテル(花王株式会社製エマルゲン306P(HLB9.4))を採取し50℃で攪拌し十分溶解混合した。溶解を確認後80℃まで加温し、20質量%塩酸ヒドロキシルアミン水溶液12.6gを添加し、滴下漏斗にて水酸化ナトリウム水溶液(純分48質量%)98.7gを1分間かけて滴下し、80℃まで加温し、80℃で3時間加水分解反応を行った。加水分解反応終了後、塩酸水溶液(純分35質量%)123.5gを80℃にて滴下添加し中和した。中和後、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB13.3)を20g添加し、ポリビニルアミンの油中水型エマルジョンを得た。このものを比較製造例4とし、1mol/L濃度のNaCl水溶液中での25℃における固有粘度、未溶解物量を表−1に示す。製造直後および製造後30日後(25℃保管)の性状は液状エマルジョンであり、固化や沈澱は認められなかった。
(表−1)
Figure 0006976534
未溶解物量;40メッシュ濾布通過後の濾布上の残渣の割合(%)。
固有粘度:1mol/L NaCl水溶液中25℃において測定(dL/g)。
何れの製造例、比較製造例においても製造直後および製造後30日後(25℃保管)の性状は液状エマルジョンであり、保存安定性が良好なポリビニルアミンの油中水型エマルジョンが得られた。しかし、HLBが2.0〜8.0未満の範囲のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを添加した製造例1〜6では、未溶解物量が少ないのに対して、HLBが8.0を超えるポリオキシアルキレンアルキルエーテルを添加した比較製造例1〜4では、未溶解物が多く発生し製造効率が低くなることが判明した。
比較製造例4では、固有粘度が比較的高いものが得られるが、未溶解物量が多く、製造効率が極めて低くなった。本発明における、乳化重合法により得られたN−ビニルカルボン酸アミド重合物水溶液を、HLBが2.0〜8.0未満の範囲のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの共存下で加水分解を行うことで、ポリビニルアミンの安定で効率的な油中水型エマルジョンを製造できることが確認できた。



































Claims (3)

  1. 乳化重合法により得られたN−ビニルカルボン酸アミド重合物水溶液の油中分散液を酸又は塩基の存在下、HLBが2.0〜8.0未満の範囲のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの共存下で加水分解を行うことを特徴とする、ポリビニルアミンの油中水型エマルジョンの製造方法。
  2. 前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルをN−ビニルカルボン酸アミドの重合後、加水分解工程の前に添加することを特徴とする、請求項1に記載のポリビニルアミンの油中水型エマルジョンの製造方法。
  3. 前記ポリビニルアミンの1mol/L濃度のNaCl水溶液中での25℃における固有粘度が、0.5〜10.0dL/gの範囲であることを特徴とする、請求項1あるいは2に記載のポリビニルアミンの油中水型エマルジョンの製造方法。
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