JP3770817B2 - 無機質粉末水性分散液 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機質粉末の水性分散液に関し、さらに詳しくは周期表2〜4族元素の水酸化物からなる群から選ばれる1種以上の水酸化物を含有する無機質粉末の水性分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、周期表2〜4族元素の水酸化物、例えば水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムなどを含む無機質粉末の水性分散液は、排煙脱硫における亞硫酸ガスや酸化窒素ガスの吸収剤として、水性分散液の状態で使用されている。使用される水性分散液は比較的低濃度(通常30重量%以下)で使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の水性分散液は出来るだけ高濃度の方が輸送性および作業性などの面から好ましいが、高濃度にすると粘度が高くなったり、安定性が悪くなったりするなどの問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決するため鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち本発明は、分散剤および周期表2〜4族元素の水酸化物を含有する無機質粉末(B)を含む水性分散液であって、該分散剤がカルボキシル基含有重合体(A1)またはこれと他の酸基含有(共)重合体(A2)からなり、該重合体(A1)がα,β−不飽和カルボン酸(a)30〜80モル%と他の単量体(b)20〜70モル%との共重合体(A0)の部分中和物であり、(b)が芳香族炭化水素系単量体、炭素数2〜20の脂肪族炭化水素系単量体および炭素数1〜36のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上の単量体であり、(A1)と(A2)の酸基の全体としての中和度が30〜96モル%であり、該分散剤の添加量が無機質粉末(B)の重量に対して0.01〜8重量%(固形分)であることを特徴とする水性分散液、並びに、該水性分散液からなる排煙脱硫用の吸収剤である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において、共重合体(A0)の構成単量体であるα,β−不飽和カルボン酸(a)としては以下のものが挙げられる。
(a1)α,β−不飽和モノカルボン酸:
(メタ)アクリル酸、クロトン酸など;
(a2)α,β−不飽和ジカルボン酸:
(無水)マレイン酸[(無水)は無水カルボン酸を使用することも含まれることを表す:以下同じ]、フマル酸、イタコン酸、(無水)イタコン酸、シトラコン酸、(無水)シトラコン酸、など;
(a3)上記α,β−不飽和ジカルボン酸の半エステル:
炭素数1〜12のアルカノールまたは(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜4、重合度1〜100)アルキル(炭素数1〜18)エーテルなどとの半エステル、例えばマレイン酸半エステル(マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノエチルカルビトールエステル等)、フマル酸半エステル(フマル酸モノブチルエステル、フマル酸モノエチルカルビトールエステル等)など。これらのうち好ましいものは、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、マレイン酸半エステルおよびフマル酸半エステルであり、特に好ましいものは(無水)マレイン酸である。
【0006】
共重合体(A0)を構成する他の単量体(b)としては、(a)と共重合可能な単量体、例えば以下のエチレン性不飽和単量体が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0007】
(b1)芳香族炭化水素系単量体:スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレンなど、
(b5)炭素数2〜20の脂肪族炭化水素系単量体:エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、ブタジエン、イソプレンなど、
(b7)炭素数1〜36のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレートなど。
【0014】
共重合体(A0)の構成単位として、α,β−不飽和カルボン酸の含有量は、通常30〜80モル%、好ましくは40〜60モル%であり、他の単量体の含有量は、通常20〜70モル%、好ましくは40〜60モル%である。α,β−不飽和カルボン酸の含有量が30モル%未満の場合は分散効果が不十分であり、また80モル%を超えた場合も分散効果が不十分である。
【0015】
共重合体(A0)は、上記単量体(a)および(b)をラジカル重合触媒および必要により連鎖移動剤を使用して20〜200℃でラジカル重合することにより得ることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)などのアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、過コハク酸などの有機過酸化物;過硫酸塩、過ホウ酸塩、過酸化水素等の無機過酸化物などが使用できる。また還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤等を使用することができる。
レドックス系開始剤に用いられる還元剤としては、アスコルビン酸(塩)、ロンガリット、次亜リン酸(塩)、亜硫酸(塩)、重亜硫酸(塩)、第1鉄塩などが挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の量は単量体に対して、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
【0016】
連鎖移動剤としては、例えばラウリルメルカプタン、チオグリコール酸、メルカプトエタノール、トリエチレングリコールジメルカプタン、トリス(ポリオキシプロピレン−2−ヒドロキシ−3−チオールプロパン)アルキルエーテル等が挙げられる。
連鎖移動剤の量は単量体に対して、通常0.01モル%〜10モル%、好ましくは0.05〜3モル%である。
【0017】
重合方法は、溶液重合、乳化重合、懸濁および塊状重合のいずれでもよいが、溶液重合、乳化重合及び懸濁重合が好ましく、溶液重合が特に好ましい。溶液重合の場合の溶剤としては、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン系溶剤(1,2−ジクロロエタン等)およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0018】
重合温度は、通常20〜200℃、好ましくは60〜150℃である。例えば、常圧下での重合溶液の沸点以下の温度、常圧下での重合溶液の沸点、および加圧下での重合溶液の沸点以上の温度等があげられる。好ましいのは常圧下での重合溶液の沸点、加圧下での重合溶液の沸点以上で重合する方法である。
また乳化重合の場合に乳化剤として界面活性剤を使用する場合は特に制限がなく公知のものが使用できる。
【0019】
共重合体(A0)をナトリウム塩(100%中和)にした場合のGPCで測定した重量平均分子量(以下Mwと略記する)は、通常1,000〜100,000である。好ましくは、5,000〜40,000であり、分子量分布(以下Mw/Mnと略する)は、通常1.10〜6.00であり、好ましくは1.1〜4.0である。Mwが1,000〜100,000であれば分散効果が十分発揮できる。
【0020】
本発明において共重合体(A0)中の酸基の中和度は30〜96モル%、好ましくは50〜94モル%である。中和度が30モル%未満の場合は分散効果が不十分であり、また、96モル%を超えた場合も分散効果が不十分である
【0021】
本発明の共重合体(A0)の部分中和物(A)を得る方法としては、共重合体(A0)中の酸基を所定の中和度になるように、共重合体(A0)をアルカリ金属の水酸化物もしくは(重)炭酸塩(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物もしくは酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等)、アミン類、アンモニアまたはこれらの水溶液で中和することにより得ることが出来る。または、前述の重合の前に、酸基を有する単量体を予め所定の中和度になるように中和し、中和された単量体を調整し、これを前述と同様の方法で重合して部分中和物(A)を得ることもできる。
【0022】
中和により形成される塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機アミン塩またはアンモニウム塩からなる群から選ばれる1種以上の塩が含まれる。
【0023】
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属としてはカルシウムおよびマグネシウムなどが挙げられ、これらの併用でもよい。
【0024】
有機アミンとしては、一級、二級および三級の脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミン、これらの一級もしくは二級アミンのアルキレンオキシド付加物および(ポリ)アルキレンポリアミン等が挙げられる。
【0025】
(ア)脂肪族アミンとしては、炭素数1〜20のアルキル基およびこれらのアルキル基とヒドロキシル基を有するアミンが挙げられ、アルキル基を有する一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等、アルキル基を有する二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジオレイルアミン等、アルキル基を有する三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジエチル−1−プロピルアミン、オクチルジメチルアミン、デシルジメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、テトラデシルジメチルアミン、ヘキサデシルジメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン等が挙げられる。
また、アルキル基とヒドロキシル基を有するアミンとしては、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノブタノールアミンなどのモノアルカノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミンなどのジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミンなどのトリアルカノールアミン等)が挙げられる。
【0026】
(イ)脂環族アミンとしては、シクロアルキル基を有するシクロアルキルアミンが挙げられ、具体例としてシクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン等が挙げられる。
(ウ)複素環アミンとしては、ピロリジン、プリン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−エチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリン、N−ブチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等が挙げられる。
【0027】
(エ)芳香族アミンとしては、アニリン、ベンジルアミン、トルイジン、ベンジジン、ピリミジン、N,Nジメチルアニリン、フェニレンジアミン(o、m、p)、ピリジン、4−メチルベンズイミダゾール、キノリン、4,4′−ジピリジル等が挙げられる。
【0028】
(オ)前記一級もしくは二級アミンのアルキレンオキシド付加物のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドが挙げられる。これらの付加モル数は、通常、活性水素1個当り1〜5モルであり、好ましくは1〜2モルである。具体例としてシクロヘキシルアミンのプロピレンオキシド2モル付加物、ジオクチルアミンのプロピレンオキシド1モル付加物、モルホリンのエチレンオキサイド1モル付加物、アニリンのエチレンオキサイド1モル付加物等が挙げられる。
【0029】
(カ)(ポリ)アルキレンポリアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンおよびこれらのアルキル化物等が挙げられる。
【0030】
有機アミンのうち好ましくは、脂肪族もしくは脂環族アミンまたはそれらのアルキレンオキシド付加物である。
【0031】
アンモニウム塩を構成するアンモニウムとしては、アンモニア、及び第四級アンモニウム、例えばテトラアルキルアンモニウムなどが挙げられる。テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基としては、炭素数1〜12の脂肪族アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシルなど)および脂環族アルキル基(シクロヘキシルなど)が挙げられ、4つの(シクロ)アルキル基は、同一でも異なっていてもよい。
【0032】
塩のうち好ましいものはアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩であり、さらに好ましくはナトリウム塩、カリウム塩である。
【0033】
また、第四級アンモニウム塩は通常の方法、例えば第三級アミンとアルキルハライド(例えば、メチルクロリド、エチルブロミドなど)とを反応させ、四級アンモニウムハライドとし、次いでこれを水酸化アルカリ(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)と反応させて四級アンモニウム塩ヒドロキシドを得た後、これで該共重合体(A0)を中和する方法;第三級アミンをジアルキル(炭素数1〜6)カーボネート(例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート)と反応させ、第四級アンモニウムカーボネートを得たのち、これを該共重合体(A0 )でアニオン交換する方法等で得ることができる。また、(A0 )をあらかじめアミン類でアミン塩にしておき、さらにそれにアルキレンオキサイドを付加してヒドロキシアルキル基を有する四級アンモニウム塩とすることもできる。
【0034】
本発明における分散剤は、通常、水溶液または固体(粉末など)の形で使用することが出来る。水溶液の場合濃度は通常1〜90重量%、好ましくは10〜60重量%である。
【0035】
本発明における分散剤の添加量は、無機質粉末(B)の重量に対して、通常0.01〜8重量%(固形分)、好ましくは0.05〜3重量%(固形分)である
【0036】
本発明における無機質粉末(B)は、周期表2〜4族元素の水酸化物からなる群から選ばれる1種以上の水酸化物(B1)を含有する無機質粉末である。2族の元素としては、2族Aの元素(アルカリ土類金属)、例えばマグネシウム、カルシウム、バリウムおよび2族Bの元素、例えば亜鉛など;3族の元素としてはアルミニウムなど;4族の元素としてはチタン、鉛などが挙げられる。(B1)のうち、好ましいのは水酸化カルシウム(酸化カルシウムの水和反応で得られる水酸化カルシウムも含まれる)および水酸化マグネシウム(酸化マグネシウムの水和反応で得られる水酸化マグネシウムも含まれる)である。
【0037】
本発明において、(B)は(B1)の他にその他の無機質粉末(B2)を含有していてもよい。(B2)としては、周期表2族元素の炭酸塩[炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウムなど]、2族元素の酸化物[酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化バリウムなど]、3族元素の酸化物[酸化アルミニウムなど]、4族元素の酸化物[酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉛など]およびこれらの元素の複数の種類からなる酸化物[ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウムカルシウムなど]、クレー、並びにベントナイトなどが挙げられ、さらに特開平2−298331号公報に記載の無機粉体が挙げられる。
(B2)のうち好ましいのは、2族元素の炭酸塩、2〜4族元素の酸化物、特に炭酸カルシウムである。
【0038】
(B)中における(B1)の比率は、通常10〜100重量%であり、好ましくは30〜100重量%である。
【0039】
(B)の平均粒径は、通常0.005〜100μであり、好ましくは0.01から50μである。ここでの平均粒径はレーザー回折法による粒度分布測定装置((株)堀場製作所製「LA−700」)で測定されるメジアン径である。
【0040】
本発明の分散剤と(B)を含む水性分散液において、分散媒としては水または水および水溶性有機溶媒を用いることができる。好ましいのは水である。該水溶性有機溶媒としては、低級1価アルコール[エタノール、n−およびiso−プロピルアルコール、n−、iso−、sec−およびt−ブチルアルコールなど]、炭素数2〜9のグリコール[エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、およびジプロピレングリコールなど]および炭素数3〜9のトリオール[グリセリンなど]などが挙げられる。
水と水溶性有機溶媒を併用する場合の水/水溶性有機溶媒の重量比は50/50〜99.5/0.5、特に70/30〜98/2が好ましい。
【0041】
本発明の水性分散液中の(B)の含有量(濃度)は通常5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは30〜78重量%である。
また、水性分散液中の分散剤の含有量(固形分濃度)は通常0.0005〜7.2重量%、好ましくは0.005〜2.4重量%である。
【0042】
本発明の水性分散液の粘度は、(B)の含有量により異なるが、通常25℃において20〜6,000mPa・sであり、例えば(B)が50重量%の水性分散液の場合は、通常50〜2,000mPa・sである。
【0043】
本発明における分散剤は、(A1)以外の他の酸基含有(共)重合体(A2)を含有してもよい。(A2)としては、α,β−不飽和カルボン酸が30モル%未満もしくは80モル%を超えるα,β−不飽和カルボン酸系(共)重合体およびその他の酸基を含有する(共)重合体(A2)が挙げられ、具体的にはポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム(Mw=1,000〜100,000)、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(Mw=1,000〜100,000)、ポリビニルスルホン酸ナトリウム(Mw=1,000〜100,000)、(メタ)アクリル酸ナトリウム(10モル%)/スチレンスルホン酸ナトリウム(90モル%)共重合体(Mw=1,000〜100,000)、(メタ)アクリル酸ナトリウム(90モル%)/アクリルアミド(10モル%)共重合体(Mw=1,000〜100,000)などが含まれる。また、(A1)以外の、酸基を含有しない(共)重合体(A3)を含有してもよい。(A3)としては、ポリ(メタ)アクリルアミド(Mw=1,000〜100,000)、ポリビニルアルコール(Mw=1,000〜100,000)などが挙げられる。(A2)および/または(A3)の添加量は、無機質粉末(B)の重量に対して通常0〜8重量%(固形分)である。また、(A2)+(A3)の割合は、分散剤(固形分)全体の重量に基づいて、通常0〜80%、好ましくは0〜50%、さらに好ましくは0.1〜20%である。なお、(A2)を添加する場合は、本発明の(A1)と(A2)の酸基の全体としての中和度が30〜96モル%に入るような添加量である。
【0044】
また、必要によりさらにその他の添加剤を添加することができる。その他の添加剤としては、増粘剤、消泡剤および湿潤剤などが挙げられ、増粘剤としては、ポリエチレンオキサイド(Mw:100,000〜6,000,000)、ポリアクリルアミド(Mw:100,000〜1,000,000)、カルボキシメチルセルロース(塩)(Mw:500,000〜1,500,000)などが挙げられる。増粘剤の添加量は、無機粉末合計量に基づいて0〜10%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.001〜1%である。なお、酸基を含有する増粘剤の場合、本発明の分散剤の中和度の計算には入れない。
消泡剤としては、炭素数1〜36のアルコール類、油脂類、鉱物油類、ポリエーテル類およびシリコーン類などが挙げられる。消泡剤の添加量は、水性分散液の重量に基づいて0〜1%、好ましくは0.001〜0.02%である。
【0045】
上記の(A2)、(A3)および他の添加剤の合計の添加量は、無機質粉末(B)の重量に対して通常8重量%(固形分)を越えない。
【0046】
本発明の分散液を得る方法としては、通常の分散液製造方法でよい。例えば本発明の分散剤を溶解した水性溶媒中に 無機質粉末(B)を添加して撹拌、混合する方法が挙げられる。このときの添加順序はいずれでもよい。この撹拌、混合には高速ディスパー、ホモミキサー、ボールミルなど一般に用いられる撹拌装置を使用することができる。
【0047】
本発明の水性分散液は、排煙脱硫用の吸収剤(亜硫酸ガス、酸化窒素ガス吸収剤など)、排水処理用添加剤、塗料用顔料・充填剤などの水性分散液、および製紙用顔料・充填剤などの水性分散液として有効に使用することができる。これらの用途に使用する場合は、そのままもしくは水で希釈して(無機質粉末の濃度1〜80%)使用できる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。なお、製造例、比較製造例中の%および部は重量%および重量部を表す。
【0049】
GPCによる分子量の測定条件は次の通り。分子量は水酸化ナトリウムで完全中和した時の値である。
Figure 0003770817
【0050】
製造例1
撹拌機、滴下ロート、窒素導入口、温度計および還流冷却機を備えたガラス製の反応容器にメチルエチルケトン250部、無水マレイン酸98部、ジイソブチレン112部、およびラウリルメルカプタン0.7部を仕込み、反応容器の気相部分を窒素置換し、80℃に昇温した。撹拌下にアゾビスイソブチロニトリルの10%メチルエチルケトン溶液36部を、3時間かけて滴下した。滴下終了後、同温で4時間熟成を行って、重合率99.8%の重合体(a0)を得た。得られた重合体(a0)をGPC測定条件で測定したMwは13,000、Mw/Mnは2.65であった。水750部を投入後、30%水酸化ナトリウム水溶液173.3部で中和し、メチルエチルケトンと水の一部を留去して、固形分30%のマレイン酸・ジイソブチレン共重合体塩(中和度65モル%)の水溶液を得た。
【0051】
製造例2、3
重合体(a0)を用いて中和塩、中和度を表1記載のように変えた以外は製造例1と同様にして表1記載の重合体を得た。
【0052】
製造例4
撹拌機、滴下ロート、窒素導入口、温度計および還流冷却機を備えたガラス製の反応容器にメチルエチルケトン250部、無水マレイン酸98部およびラウリルメルカプタン0.8部を仕込み、容器の気相部分を窒素置換し、80℃に昇温した。撹拌下にスチレン75.9部とアクリル酸ブチル40.4部の混合液とアゾビスイソブチロニトリルの10%メチルエチルケトン溶液40部を別々の容器からそれぞれ3時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間保持し重合率99.9%の共重合体(b0)を得た。得られた重合体(b0)をGPC測定条件で測定したMwは10,500、Mw/Mnは2.80であった。水750部を投入後、メチルエチルケトンと水の一部を留去して、30%水酸化ナトリウム240.0部で中和し、固形分30%のマレイン酸・スチレン・アクリル酸ブチル共重合体塩(中和度90モル%)水溶液を得た。
【0053】
製造例5、6
重合体(b0)を用いて中和塩、中和度を表1記載のように変えた以外は製造例4と同様にして表1記載の重合体を得た。
【0054】
比較製造例1、2
重合体(a0)を用いて中和塩、中和度を表1記載のように変えた以外は製造例1と同様にして表1記載の重合体を得た。
【0055】
比較製造例3
重合体(a0)を重合体(b0)に代えた以外は比較製造例1と同様にして表1記載の重合体を得た。
【0056】
比較製造例4
撹拌機、滴下ロート、窒素導入口、温度計および還流冷却機を備えたガラス製の反応容器にメチルエチルケトン250部、無水マレイン酸166.6部およびラウリルメルカプタン0.8部を仕込み、容器の気相部分を窒素置換し、80℃に昇温した。撹拌下にスチレン20.8部とアクリル酸ブチル12.8部の混合液と、アゾビスイソブチロニトリルの10%メチルエチルケトン溶液40部を、別々の容器からそれぞれ3時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間保持し重合率99.9%の共重合体(c0)を得た。重合体(c0)をGPC測定条件で測定したMwは12,000、Mw/Mnは2.75であった。水750部を投入後、メチルエチルケトンと水の一部を留去して、30%水酸化ナトリウム317.3部で中和して、固形分30%のスチレン・アクリル酸ブチル共重合体塩(中和度70モル%)水溶液を得た。
【0057】
【表1】
Figure 0003770817
【0058】
実施例1〜6、および比較例1〜4
230mlの容器にイオン交換水100部、製造例1〜6または比較製造例1〜4のいずれかの分散剤0.5部(固形分)を均一に溶解し、各水溶液に水酸化マグネシウム(平均粒径1.0μ)を100部添加し、コーレス型羽根のTKホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて2000rpm×5分間撹拌分散させ、50重量%水酸化マグネシウム水性分散液を得た。得られた水性分散液の製造直後(1時間後)および25℃で7日間静置後の粘度をBL粘度計を用いて25℃、ローターNo.3または4で60rpmの条件で測定した。表2に試験結果を示す。
【0059】
【表2】
Figure 0003770817
【0060】
【発明の効果】
本発明の水性分散液は、高濃度でありながら、低粘度で経時粘度安定性の良好な水性分散液であり、輸送、運搬および取り扱い性が容易である。これらの水性分散液は、排煙脱硫、排水処理、塗料、製紙などの用途で有効に使用することができる。

Claims (8)

  1. 分散剤および水酸化マグネシウムを含有する無機質粉末(B)を含む水性分散液であって、該分散剤がカルボキシル基含有重合体(A1)またはこれと他の酸基含有(共)重合体(A2)からなり、該重合体(A1)がα,β−不飽和カルボン酸(a)30〜80モル%と他の単量体(b)20〜70モル%との共重合体(A0)の部分中和物であり、(b)が芳香族炭化水素系単量体、炭素数2〜20の脂肪族炭化水素系単量体および炭素数1〜36のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上の単量体であり、(A1)と(A2)の酸基の全体としての中和度が30〜96モル%であり、該分散剤の添加量が無機質粉末(B)の重量に対して0.01〜8重量%(固形分)であることを特徴とする水性分散液。
  2. (a)が(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸半エステルおよびフマル酸半エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の水性分散液。
  3. (a)が(無水)マレイン酸である請求項1または2記載の水性分散液。
  4. 部分中和物がアルカリ金属および/または有機アミンによる中和物である請求項1〜3のいずれか記載の水性分散液。
  5. 共重合体(A0)をナトリウム塩(100%中和)にした場合の重量平均分子量が1,000〜100,000である請求項1〜4のいずれか記載の水性分散液。
  6. 無機質粉末(B)が周期表2〜4族元素の水酸化物の1種以上のみからなる請求項1記載の水性分散液。
  7. 固形分濃度が10〜80重量%である請求項1〜6のいずれか記載の水性分散液。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載の水性分散液からなる排煙脱硫用の吸収剤。
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