JP2004306022A - 軽質炭酸カルシウム用分散剤 - Google Patents

軽質炭酸カルシウム用分散剤 Download PDF

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Abstract

【課題】軽質炭酸カルシウム濃度が高い場合でも、スラリーの初期流動性及び流動性安定性に優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを製造し得る分散剤を提供すること。
【解決手段】必須構成単位としてビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)を含む(共)重合体(X)からなる軽質炭酸カルシウム用分散剤において、
1)(X)の重量平均分子量(Mw)が4,000〜40,000、
2)(X)の数平均分子量(Mn)に対する(Mw)の比(Mw/Mn)が1.2〜2.0、
3)(X)が、分子量1,000以上4,000未満の(共)重合体(X1)、分子量4,000以上40,000未満の(共)重合体(X2)及び分子量40,000以上200,000以下の(共)重合体(X3)からなり、(X)の重量に基づいて、(X1)が10〜30重量%、(X2)が60〜80重量%、(X3)が1〜10重量%であることを特徴とする軽質炭酸カルシウム用分散剤を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、軽質炭酸カルシウム用分散剤に関する。さらに詳しくは特定の軽質炭酸カルシウム用として好適な軽質炭酸カルシウム用分散剤に関する。
カルボキシル基の10〜99.99モル%がアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、0.01〜5モル%が有機アミン塩、0〜89.99モル%がカルボキシル基であるα、β−不飽和カルボン酸共重合体塩からなる顔料分散剤が提案されている(特許文献1)。
アクリル酸とマレイン酸をモノマーのモル比(アクリル酸/マレイン酸)100/30〜100/80で共重合させた共重合体の塩からなる炭酸カルシウム用分散剤が提案されている(特許文献2)。
特許第2984926号公報 特公昭56−47131号公報
しかし、従来の分散剤では、軽質炭酸カルシウム濃度が高い(60重量%を超えた場合等)場合等に、スラリーの初期流動性及び流動性安定性が十分でないという問題がある。すなわち、本発明の目的は、軽質炭酸カルシウムの濃度が高い場合でも、スラリーの初期流動性及び流動性安定性に優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを製造し得る分散剤を提供することである。
本発明者はこのような課題を解決すべく鋭意検討を重ね、特定の(共)重合体が上記目的を達成することを見いだし本発明に到達した。すなわち、本発明の軽質炭酸カルシウム用分散剤の特徴は、必須構成単位としてビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)を含む(共)重合体(X)からなる軽質炭酸カルシウム用分散剤において、
(1)(X)の重量平均分子量(Mw)が4,000〜40,000、
(2)(X)の数平均分子量(Mn)に対する(Mw)の比(Mw/Mn)が1.2〜2.0、
(3)(X)が、分子量1,000以上4,000未満の(共)重合体(X1)、分子量4,000以上40,000未満の(共)重合体(X2)及び分子量40,000以上200,000以下の(共)重合体(X3)からなり、(X)の重量に基づいて、(X1)が10〜30重量%、(X2)が60〜80重量%、(X3)が1〜10重量%である点を要旨とする。
本発明の軽質炭酸カルシウム用分散剤は、軽質炭酸カルシウム濃度が高い場合でも、スラリーの初期流動性及び流動性安定性に優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを製造し得る。また、本発明の分散剤は軽質炭酸カルシウムに対して適しており、さらに、BET比表面積9〜18m2/g、平均短径0.1〜0.4μm、平均長径0.5〜0.9μm、体積平均粒子径0.3〜0.9μmの紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム、及びBET比表面積9〜20m2/g、平均短径0.1〜0.5μm、平均長径1.0〜2.0μm、体積平均粒子径0.3〜2.0μmの針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウムに好適である。
ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)は、ビニル基含有モノカルボン酸(A1)及び/又はビニル基含有モノカルボン酸塩(A2)を意味する。
ビニル基含有モノカルボン酸(A1)としては、脂肪族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸及び芳香族モノカルボン酸が含まれる。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数3〜10の脂肪族モノカルボン酸等が使用でき、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ブテン酸、イソブテン酸、ペンテン酸、イソペンテン酸、2−エチルブテン酸、ヘキセン酸、イソヘキセン酸、2−エチルペンテン酸、ヘプテン酸、イソヘプテン酸、2−エチルヘキセン酸、オクテン酸、イソオクテン酸、2−エチルヘプテン酸、ノネン酸、イソノネン酸、2−エチルノネン酸、デケン酸、イソデケン酸及び2−エチルオクテン酸等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリルは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
脂環式モノカルボン酸としては、炭素数6〜10の脂環式モノカルボン酸等が使用でき、1−シクロペンテンカルボン酸、3−シクロペンテンカルボン酸、4−シクロペンテンカルボン酸、2−メチル−1−シクロペンテンカルボン酸、1−シクロヘキセンカルボン酸、3−シクロヘキセンカルボン酸、4−シクロヘキセンカルボン酸、2−メチル−1−シクロヘキセンカルボン酸、1−シクロヘプテンカルボン酸、3−シクロヘプテンカルボン酸、4−シクロヘプテンカルボン酸、5−シクロヘプテンカルボン酸、3−メチル−1−シクロペンテンカルボン酸、1−シクロオクテンカルボン酸、3−シクロオクテンカルボン酸、4−シクロオクテンカルボン酸、5−シクロオクテンカルボン酸、3−メチル1−シクロオクテンカルボン酸、1−シクロノネンカルボン酸、3−シクロノネンカルボン酸、4−シクロノネンカルボン酸、5−シクロノネンカルボン酸、3−メチル−1−シクロペンテンカルボン酸、1−シクロデケンカルボン酸、3−シクロデケンカルボン酸、4−シクロデケンカルボン酸及び5−シクロデケンカルボン酸等が挙げられる。
芳香族モノカルボン酸としては、炭素数9〜17の芳香族モノカルボン酸等が使用でき、オルトカルボキシスチレン、パラカルボキシスチレン、ケイヒ酸、アトロパ酸、(メタ)アクリル酸ベンジル、5−ビニル−1−ナフタレンカルボン酸、4−ビニル−1−ナフタレンカルボン酸、4−ビニル−1−アントラキノンカルボン酸等が挙げられる。
これらのうち、脂肪族モノカルボン酸が好ましく、さらに好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ブテン酸及びイソブテン酸、特に好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸、最も好ましくはアクリル酸である。
ビニル基含有モノカルボン酸塩(A2)としては、ビニル基含有モノカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩及び/又はアンモニウム塩等が含まれる。
なお、ビニル基含有モノカルボン酸は、ビニル基含有モノカルボン酸(A1)で説明した脂肪族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸及び芳香族モノカルボン酸等が含まれ、好ましい範囲は上記と同じである。
アルカリ金属塩としては、リチウム、カリウム又はナトリウム等の塩が挙げられる。
アルカリ土類金属塩としては、カルシウム又はマグネシウム等の塩が挙げられる。
アミン塩としては、炭素数2〜6の脂肪族アミン、炭素数3〜6の脂環式アミン又は炭素数6〜8の芳香族アミン等の塩が使用できる。
脂肪族アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、ジメチルエタノールアミン及びジエチルエタノールアミン等が挙げられる。
脂環式アミンとしては、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン及びシクロへキシルアミン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、アニリン、ピリジン、ピペリジン、ベンジルアミン及びフェニレンジアミン等が挙げられる。
これらのうち、アルカリ金属塩、アミン塩及びアンモニウム塩が好ましく、さらに好ましくはアルカリ金属塩であり、特に好ましくはナトリウム塩及びカリウム塩である。またこれらについてはいずれか1種類のみを用いてもよく、また2種類以上を併用してもよい。
(共)重合体(X)は、必須構成単位として、ビニル基含有モノカルボン酸(A1)及び/又はビニル基含有モノカルボン酸塩(A2)を含んでいればよいが、(A1)及び(A2)を含むことが好ましい。
ビニル基含有モノカルボン酸(A1)及びビニル基含有モノカルボン酸塩(A2)を含む場合、(A1)及び(A2)の含有重量比(A1/A2)は、スラリーの初期流動性等の観点から、0.02〜4が好ましく、さらに好ましくは0.05〜1.5、特に好ましくは0.25〜1である。すなわち、この場合、含有重量比(A1/A2)の下限は、0.02が好ましく、さらに好ましくは0.05、特に好ましくは0.25であり、また同様に上限は4が好ましく、さらに好ましくは1.5、特に好ましくは1である。
(共)重合体(X)は、必須構成単位として、ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)を含んでいればよいが、さらにアルキル基の炭素数が1〜20である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)を共重合構成単位として含むことが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)のアルキル基の炭素数は、スラリーの初期流動性等の観点から、1〜20が好ましく、さらに好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜4、最も好ましくは1〜3である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル及び(メタ)アクリル酸エイコシル等が使用できる。これらのうち、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸t−ブチル、特に好ましくは(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル及び(メタ)アクリル酸イソプロピルである。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)を含む場合、ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)及び(B)の含有重量比(A/B)は、スラリーの初期流動性等の観点から、32〜99{A:B=(97〜99):(1〜3)}が好ましく、さらに好ましくは49〜99、特に好ましくは65〜99である。
(共)重合体(X)は、ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)の他に、共重合構成単位として、共重合可能なその他のビニルモノマー(C)を含有してもよい。
その他の共重合可能なビニルモノマーとしては、ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)と共重合可能なビニルモノマーであれば制限なく含むことができ、アミノ基含有ビニルモノマー(C1)、アンモニオ基含有ビニルモノマー(C2)及びビニル基含有モノカルボン酸アルコキシポリオキシアルキレングリコールエステル(C3)等が使用できる。
アミノ基含有ビニルモノマー(C1)としては、アリルアミン、アミノアルキル(メタ)アクリル酸エステル及びアミノアルキル(メタ)アクリルアミド等が用いられる。
アリルアミンとしては、炭素数3〜8のアリルアミン等が用いられ、モノアリルアミン、アリルメチルアミン、アリルエチルアミン、アリルプロピルアミン、アリルブチルアミン、アリルペンチルアミン、アリルヘキシルアミン、アリル(ジメチルヘキシル)アミン及びアリルフェニルアミン等が挙げられる。
アミノアルキル(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数7〜11のアミノアルキル(メタ)アクリル酸エステル等が用いられ、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸エステル、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリル酸エステル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸エステル、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリル酸エステル、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル酸エステル及びN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
アミノアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、炭素数5〜11のアミノアルキル(メタ)アクリルアミド等が用いられ、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アンモニオ基含有ビニルモノマー(C2)としては、アリルアンモニウム、アンモニオアルキル(メタ)アクリル酸エステル及びアンモニオアルキル(メタ)アクリルアミド等が用いられる。なお、これらの対イオンとしては、ハロゲン(塩素、臭素及びヨウ素等)イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、メトサルフェートイオン及び水酸イオン等の他、全部又は一部がビニル基含有モノカルボン酸(A1)と塩を形成していてもよい。
アリルアンモニウムとしては、炭素数3〜8のアリルアンモニウム等が用いられ、モノアリルアンモニウム、アリルメチルアンモニウム、アリルエチルアンモニウム、アリルプロピルアンモニウム、アリルブチルアンモニウム、アリルペンチルアンモニウム、アリルヘキシルアンモニウム、アリル(ジメチルヘキシル)アンモニウム及びアリルフェニルアンモニウム等が挙げられる。
アンモニオアルキル(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数5〜15のアンモニオアルキル(メタ)アクリル酸エステル等が用いられ、アンモニオエチル(メタ)アクリル酸エステル、N−メチルアンモニオエチル(メタ)アクリル酸エステル、N−エチルアンモニオエチル(メタ)アクリル酸エステル、N−プロピルアンモニオエチル(メタ)アクリル酸エステル、N,N−ジメチルアンモニオエチル(メタ)アクリル酸エステル、N,N−ジエチルアンモニオエチル(メタ)アクリル酸エステル、N,N−ジプロピルアンモニオエチル(メタ)アクリル酸エステル、N,N,N−トリメチルアンモニオエチル(メタ)アクリル酸エステル、N,N,N−トリエチルアンモニオエチル(メタ)アクリル酸エステル及びN,N,N−トリプロピルアンモニオエチル(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
アンモニオアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、炭素数5〜10のアンモニオアルキル(メタ)アクリルアミド等が用いられ、アンモニオエチル(メタ)アクリルアミド、、N−メチルアンモニオエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアンモニオエチル(メタ)アクリルアミド及びN,N,N−トリメチルアンモニオプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ビニル基含有モノカルボン酸アルコキシポリオキシアルキレングリコールエステル(C3)としては、アルコキシの炭素数が1〜10、アルキレンの炭素数が2〜4、オキシアルキレンの数が1〜100であるビニル基含有モノカルボン酸アルコキシポリオキシアルキレングリコールエステル等が用いられ、メトキシポリオキシエチレン(平均重合度10)グリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシポリオキシプロピレン(平均重合度5)グリコールモノβ−メチル(メタ)アクリル酸エステル、プロポキシポリオキシブチレン(平均重合度3)グリコールモノβ,β−ジメチル(メタ)アクリル酸エステル、オクトキシポリオキシエチレン(平均重合度100)グリコールモノクロトン酸エステル及びデコキシポリオキシエチレン(平均重合度20)グリコールモノα,β−ジメチルクロトン酸エステル等が挙げられる。
その他のビニルモノマー(C)として、以上の他に、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリロイルポリオキシエチレン(重合度2〜30)エタンカルボン酸等も使用できる。なお、(メタ)アクリロイルは、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味する。
これらのその他のビニルモノマー(C)のうち、アミノ基含有ビニルモノマー、アンモニオ基含有ビニルモノマー及びビニル基含有モノカルボン酸アルコキシポリオキシアルキレングリコールエステルが好ましく、さらに好ましくはアミノ基含有ビニルモノマー及びアンモニオ基含有ビニルモノマー、特に好ましくはアミノ基含有ビニルモノマーである。
共重合可能なその他のビニルモノマー(C)を含む場合、その他のビニルモノマー(C)の含有量(重量%)は、ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)の重量に基づいて、0.1〜1が好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.8、特に好ましくは0.3〜0.7である。すなわち、この場合、(C)の含有量(重量%)の下限は、(A)の重量に基づいて、0.1が好ましく、さらに好ましくは0.2、特に好ましくは0.3であり、また同様に上限は1が好ましく、さらに好ましくは0.8、特に好ましくは0.7である。
(共)重合体(X)の重量平均分子量(Mw)は、4,000〜40,000が好ましく、さらに好ましくは5,000〜30,000、特に好ましくは7,000〜25,000である。この範囲であると、初期流動性及び流動安定性(長期分散安定性)が更に優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを調製しやすい。
(共)重合体(X)の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比Mw/Mnは、1.2〜2.0が好ましく、さらに好ましくは1.3〜1.9、特に好ましくは1.4〜1.8である。この範囲であると、初期流動性及び流動安定性(長期分散安定性)が更に優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを調製しやすい。
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、分子量既知のポリエチレングリコールを標準物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される(カラム温度40℃、溶離液:0.1−MPBのリン酸水素二ナトリウム水溶液およびリン酸二水素ナトリウム水溶液、流速0.6ml、試料濃度:0.4重量%溶離液溶液)。
(共)重合体(X)は、分子量1,000以上4,000未満の(共)重合体(X1)、分子量4,000以上40,000未満の(共)重合体(X2)及び分子量40,000以上200,000以下の(共)重合体(X3)からなることが好ましい。そして、(共)重合体(X1)の含有量(重量%)は、(共)重合体(X)の重量に基づいて、10〜30が好ましく、さらに好ましくは12〜28、特に好ましくは13〜27である。すなわち、(X1)の含有量(重量%)の下限は、(X)の重量に基づいて、10が好ましく、さらに好ましくは12、特に好ましくは13であり、また同様に上限は30が好ましく、さらに好ましくは28、特に好ましくは27である。この範囲であると流動安定性(長期分散安定性)が更に優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを調製しやすい。(共)重合体(X2)の含有量(重量%)は、(共)重合体(X)の重量に基づいて、60〜80が好ましく、更に好ましくは62〜78、特に好ましくは65〜75である。すなわち、(X2)の含有量(重量%)の下限は、(X)の重量に基づいて、60が好ましく、さらに好ましくは62、特に好ましくは65であり、また同様に上限は80が好ましく、さらに好ましくは78、特に好ましくは75である。この範囲であると、初期流動性が更に優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを調製しやすい。(共)重合体(X3)の含有量(重量%)は、(共)重合体(X)の重量に基づいて、1〜10が好ましく、さらに好ましくは2〜9、特に好ましくは3〜8である。すなわち、(共)重合体(X3)の含有量(重量%)の下限は、(共)重合体(X)の重量に基づいて、1が好ましく、さらに好ましくは2、特に好ましくは3であり、また同様に上限は10が好ましく、さらに好ましくは9、特に好ましくは8である。この範囲であると、初期流動性に優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを調製しやすい。
なお(X1)、(X2)及び(X3)の含有比は、GPC法により対応する分子量範囲を分取し、各分画の重量を計測することにより算出される。
(共)重合体は、溶液重合法、パール重合法及び逆相懸濁重合法等の公知の重合法を用いて得ることができるが、特に限定されるものではない。例えば、溶液重合法では、ビニル基含有カルボン酸(塩)(A)、並びに必要により(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)及び/又はその他のビニルモノマー(C)を重合開始剤、連鎖移動剤の存在下、水及び/又は溶剤中で40〜130℃にて1〜12時間重合させることにより得られる。なお、ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)、並びに必要により(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)及び/又はその他のビニルモノマーの全量を重合槽に仕込んで重合してもよく、また適宜滴下重合法を用いてもよい。更に一部の単量体を重合槽に仕込み残りの単量体を滴下していく方法などを用いてもよい。重合開始剤を重合に先立ってあらかじめ重合槽中に存在させてもよく、また重合中に連続的に投入していく方法を用いてもよい。また、ビニル基含有モノカルボン酸(A1)は、重合前に中和してビニル基含有モノカルボン酸塩(A2)として重合してもよく、重合後に塩の形にしてもよく、これらの両方を併用してもよい。
パール重合では、ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)、並びに必要により(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)及び/又はその他のビニルモノマー(C)を重合開始剤、重合遅延剤の存在下、疎水性溶剤に強攪拌下で分散させ、攪拌下40〜130℃にて1〜20時間反応混合物を加熱することにより得られる。
逆相懸濁乳化重合では、ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)、並びに必要により(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)及び/並びにその他のビニルモノマーを重合開始剤、乳化剤の存在下、疎水性溶剤に分散させ、攪拌下40〜130℃にて1〜20時間反応混合物を加熱することにより得られる。
これらの重合方法のうち、溶液重合法が好ましい。溶液重合法としては、ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)、並びに必要により(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)及び/又はその他のビニルモノマー(C)の全量を重合槽に仕込んで重合してもよく、また適宜滴下重合法を用いてもよい。更に一部の単量体を重合槽に仕込み残りの単量体を滴下していく方法などを用いてもよい。重合開始剤を重合に先立ってあらかじめ重合槽中に存在させてもよく、また重合中に連続的に投入していく方法を用いてもよい。また必要により、特定分子量の成分を、分液抽出法、限外ろ過膜法などによって分取してもよい。また重合終了後に中和してもよい。
重合開始剤としては、ビニル重合開始剤であれば制限なく使用でき、過硫酸塩、アゾ化合物、過酸化物及びレドックス開始剤等が用いられる。
過硫酸塩としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
アゾ化合物としては、2、2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4−シアノバレリン酸)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル及び2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
過酸化物としては、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、過コハク酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド及びクメンヒドロパーオキサイド等が挙げられる。
レドックス開始剤としては、アスコルビン酸−過酸化水素等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、一種類のみを用いてもよく、また二種類以上を併用してもよい。これらのうち、過硫酸塩及びアゾ化合物が好ましく、さらに好ましくは過硫酸塩、2、2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4−シアノバレリン酸)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル及び2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、特に好ましくは過硫酸塩及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、最も好ましくは過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムである。
重合開始剤を使用する場合、重合開始剤の使用量(重量%)は、ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)の重量に基づいて、5〜105が好ましく、さらに好ましくは10〜85、特に好ましくは20〜62である。すなわち、この場合、重合開始剤の使用量(重量%)の下限は、(A)の重量に基づいて、5が好ましく、さらに好ましくは10、特に好ましくは20であり、また同様に上限は105が好ましく、さらに好ましくは85、特に好ましくは62である。
連鎖移動剤としては、公知の連鎖移動剤が使用でき、硫黄化合物、ハロゲン化合物、アルコール及びケトン等が含まれる。
硫黄化合物としては、チオール及びチオカルボン酸等が使用でき、チオールとしては、ラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、トリエチレングリコールジメルカプタン及びトリス(ポリオキシプロピレン−2−ヒドロキシ−3−チオールプロパン)メチルーテル等が挙げられ、チオカルボン酸としては、チオグリコール酸、チオリンゴ酸及び3−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、クロロホルム、四塩化炭素及び塩化メチレン等が挙げられる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール及びブチルアルコール等が挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等が挙げられる。
これらのうち、硫黄化合物、アルコール及びケトンが好ましく、さらに好ましくは硫黄化合物、特に好ましくはドデシルメルカプタン及び3−メルカプトプロピオン酸である。これらの連鎖移動剤は、一種類のみを用いてもよく、また二種類以上を併用してもよい。
硫黄化合物を用いる場合、この使用量(重量%)は、ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)の重量に基づいて、0.1〜10.5が好ましく、さらに好ましくは0.2〜8.2、特に好ましくは0.5〜5.2である。すなわち、この場合、硫黄化合物の使用量(重量%)の下限は、(A)の重量に基づいて、0.1が好ましく、さらに好ましくは0.2、特に好ましくは0.5であり、また同様に上限は10.5が好ましく、さらに好ましくは8.2、特に好ましくは5.2である。なお、ハロゲン化合物、アルコール及びケトンは、反応溶媒(溶剤)としても使用でき、硫黄化合物と同じ使用量の他、反応溶媒(溶剤)としての使用量で用いてもよい。
重合時に使用される溶剤としては、水、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素等が使用できる。
アルコールとしては、溶液重合には炭素数1〜4の親水性アルコール等が用いられ、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール及びt−ブチルアルコール等が挙げられ、パール重合及び逆相懸濁重合では炭素数5〜8の疎水性アルコール等が用いられ、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール及び2−エチルヘキシルアルコール等が挙げられる。
ケトンとしては、溶液重合には炭素数3〜4の親水性ケトン等が用いられ、アセトン及びメチルエチルケトン等が挙げられ、パール重合及び逆相懸濁重合では炭素数4〜6の疎水性ケトン等が用いられ、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びエチルイソブチルケトン等が挙げられる。
エステルとしては、炭素数3〜8のカルボン酸エステル等が用いられ、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル及び酢酸ヘキシル等が挙げられ、これらはパール重合及び逆相懸濁重合に使用できる。
脂肪族炭化水素としては、炭素数5〜8のアルカン等が用いられ、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及び2−エチルヘキサン等が挙げられ、これらはパール重合及び逆相懸濁重合に使用できる。
芳香族炭化水素としては、炭素数6〜7の芳香族炭化水素等が用いられ、ベンゼン、トルエン及びキシレン等が挙げられ、これらはパール重合及び逆相懸濁重合に使用できる。
これらのうち、水及びアルコールが好ましく、さらに好ましくは水、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール及びt−ブチルアルコール、さらに好ましくは水、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール及びイソプロピルアルコール、特に好ましくは水及びイソプロピルアルコールである。これらの溶剤は一種類のみを用いてもよく、また二種類以上を併用してもよい。
(1)(共)重合体(X)の重量平均分子量(Mw)を4,000〜40,000とするには、i)溶液重合法により、ビニル基含有カルボン酸(塩)(A)、並びに必要により(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)及び/又はその他のビニルモノマー(C){以下、モノマー}の滴下終了時の重合濃度を重合溶液の重量に基づいて10〜40重量%に調整し、重合開始剤をモノマーの重量に基づいて5〜100重量%使用する方法、ii)溶液重合法により、モノマーの滴下終了時の重合濃度を重合溶液の重量に基づいて10〜40重量%に調整し、モノマーの滴下時間を60〜180分に調整する方法、及びiii)溶液重合法により、モノマーの滴下終了時の重合濃度を重合溶液の重量に基づいて、10〜40重量%に調整し重合開始剤の滴下時間を60〜180分に調整する方法等が適用できる。
(2)(共)重合体(X)の数平均分子量(Mn)に対する(Mw)の比(Mw/Mn)を1.2〜2.0とするには、iv)溶液重合法により、モノマーの滴下終了時の重合濃度を重合溶液の重量に基づいて10〜30重量%に調整し、連鎖移動剤をモノマーの重量に基づいて0.1〜10重量%使用する方法等が適用できる。
(3)(共)重合体(X)が、分子量1,000以上4,000未満の(共)重合体(X1)、分子量4,000以上40,000未満の(共)重合体(X2)及び分子量40,000以上200,000以下の(共)重合体(X3)からなり、(X)の重量に基づいて、(X1)が10〜30重量%、(X2)が60〜80重量%、(X3)が1〜10重量%とするには、v)溶液重合法により、モノマーの滴下終了時の重合濃度を重合溶液の重量に基づいて10〜30重量%に調整し、連鎖移動剤をモノマーの重量に基づいて0.1〜10重量%使用する方法、vi)溶液重合法により、モノマーの滴下終了時の重合濃度を重合溶液の重量に基づいて10〜30重量%に調整し、モノマーの滴下時間を120〜180分に調整する方法、vii)溶液重合法により、モノマーの滴下終了時の重合濃度を重合溶液の重量に基づいて10〜30重量%に調整し、重合開始剤をモノマー滴下前に一括で重合槽に投入する方法、viii)(X1)、(X2)及び(X3)をそれぞれ個別に製造し、(X1)が10〜30重量%、(X2)が60〜80重量%、(X3)が1〜10重量%になるように混合する方法、等が適用できる。
すなわち、(1)〜(3)を全て満足させる方法としては、方法i)、iv)及びv)を組み合わせる方法、方法ii)、iv)及びv)を組み合わせる方法、方法iii)、iv)及びv)を組み合わせる方法、方法i)、iv)及びvi)を組み合わせる方法、方法ii)、iv)及びvi)を組み合わせる方法、方法iii)、iv)及びvi)を組み合わせる方法、方法i)、iv)及びvii)を組み合わせる方法、方法ii)、iv)及びvii)を組み合わせる方法、並びに方法iii)、iv)及びvii)を組み合わせる方法等が適用できる。
本発明の軽質炭酸カルシウム用分散剤は、(共)重合物(X)及び必要によりその他の成分のみからなる固形状態であっても、水等の溶剤(例えば反応溶剤のうち親水性のもの)に溶解させた溶液状態又は溶剤(例えば反応溶剤のうち疎水性のもの)に乳化分散させた乳化分散状態のいずれでもよい。
固形状態としては、粉末状、顆粒状及び塊状等のいずれでもよいが、使用し易さの観点から、粉末状及び顆粒状が好ましい。また、粉末状及び顆粒状のものについては、水への溶解性及び粉塵等の作業環境性を考慮して、粒子径は1〜10μmが好ましい。
溶液状態及び乳化分散状態の場合、(共)重合体(X)の含有量(重量%)は、軽質炭酸カルシウムスラリーの濃度調整のし易さの観点等から、分散剤の重量に基づいて、10〜70が好ましく、さらに好ましくは20〜60、特に好ましくは30〜50である。すなわち、この場合、(X)の含有量(重量%)の下限は、分散剤の重量に基づいて、10が好ましく、さらに好ましくは20、特に好ましくは30であり、また同様に上限は70が好ましく、さらに好ましくは60、特に好ましくは50である。
なお、溶液状態にするには、重合後乾燥して固形状態とし、これを溶剤に溶解してもよいが、溶液重合及び逆相懸濁重合法を採用し、必要により重合後に濃度調整することが好ましく、さらに好ましくは溶液重合法を採用し、必要により重合後に濃度調整することである。
また、乳化分散状態にするには、重合後乾燥して固形状態とし、これを溶剤に乳化分散してもよいが、パール重合又は逆相懸濁重合法を採用し、必要により重合後に濃度調整することが好ましい。これらのうち、取り扱い性の観点から、溶液状態及び乳化分散状態が好ましい。
本発明の分散剤は、軽質炭酸カルシウムに対して好適であり、さらに軽質炭酸カルシウムの中でも、BET比表面積が9〜18m2 /g、SEM写真から計測される平均短径が0.1〜0.4μm、SEM写真から計測される平均長径が0.5〜0.9μm、レーザー光回折散乱法で測定される体積平均粒子径が0.3〜0.9μmである紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム、及びBET比表面積が9〜20m2 /g、SEM写真から計測される平均短径が0.1〜0.5μm、SEM写真から計測される平均長径が1.0〜2.0μm、レーザー光回折散乱法で測定される体積平均粒子径が0.3〜2.0μmである針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウムに対して最適である。また、本発明の分散剤は、その他の無機質顔料(重質炭酸カルシウム、クレイ、酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、サチンホワイト、ベンガラ、亜鉛華、フェライト、アルミナ及びその他セラミックス顔料)等の水及び/又は親水性の溶剤中への分散に有効であり、これら無機質顔料用分散剤としても利用できる。
なお、紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム及び針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウムは、粗砕した石灰石を焼成し生石灰と二酸化炭素にし、生石灰を水和槽中で水と混合して消石灰とし、消石灰に炭酸ガスを吹き込むことにより軽質炭酸カルシウムになるが、消石灰と炭酸ガスとの反応条件により紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム又は針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウムとなる。このような紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム及び針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウムは、軽質炭酸カルシウムメーカーから入手できる。
また、BET比表面積は、JIS R1626−1996「ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法」(多点法、定容法、窒素ガス、試料前処理:0.1Pa以下の減圧下で2時間300℃加熱処理)に準じて測定される。
SEM写真から計測される平均短径及び平均長径は、10個の軽質炭酸カルシウムの短径及び長径を測定し、これらの算術平均値を算出することにより求められる。
レーザー光回折散乱法で測定される体積平均粒子径は、レーザー光回折散乱粒度分布測定装置{例えば、商品名:マイクロトラック(MICROTRAC UPA、Leeds and Northrup製)、レーザー光波長;780nm、測定温度;25℃、分散媒;水)}により測定される。
本発明の分散剤を用いて軽質炭酸カルシウムを水及び/又は親水性の溶剤に分散する方法としては、i)分散剤と軽質炭酸カルシウムとを混合した後、これを徐々に水及び/又は親水性の溶剤に投入しながら分散させる方法、ii)分散剤と軽質炭酸カルシウムとを混合した後、これを一度に水及び/又は親水性の溶剤に投入してから分散させる方法、iii)分散剤と水及び/又は親水性の溶剤とを混合した後、これに軽質炭酸カルシウムを徐々に投入しながら分散させる方法、iv)分散剤と水及び/又は親水性の溶剤とを混合した後、これに軽質炭酸カルシウムを一度に投入してから分散させる方法、v)分散剤、水及び/又は親水性の溶剤、並びに軽質炭酸カルシウムを一度に混合して分散させる方法等を採用することがができる。
分散剤の使用量(重量%)は、軽質炭酸カルシウムの重量に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3、特に好ましくは0.1〜2である。すなわち、この場合、分散剤の使用量(重量%)の下限は、軽質炭酸カルシウムの重量に基づいて、0.01が好ましく、さらに好ましくは0.05、特に好ましくは0.1であり、また同様に上限は5が好ましく、さらに好ましくは3、特に好ましくは2である。この範囲であると、初期流動性及び流動安定性(長期分散安定性)のさらに優れた軽質炭酸カルシウムスラリーが得られる。
軽質炭酸カルシウムの使用量(重量%)は、軽質炭酸カルシウムスラリーの重量に基づいて、60〜80が好ましく、さらに好ましくは65〜75、特に好ましくは68〜75である。すなわち、軽質炭酸カルシウムの使用量(重量%)の下限は、軽質炭酸カルシウムスラリーの重量に基づいて、60が好ましく、さらに好ましくは65、特に好ましくは68であり、また同様に上限は80が好ましく、さらに好ましくは75、特に好ましくは72である。この範囲であると初期流動性及び流動安定性(長期分散安定性)がさらに優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを調製しやすい。
軽質炭酸カルシウムとして、紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウムを用いる場合、紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウムの使用量(重量%)は、軽質炭酸カルシウムスラリーの重量に基づいて、60〜80が好ましく、さらに好ましくは65〜75、特に好ましくは72〜75である。すなわち、この場合、紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウムの使用量(重量%)の下限は、軽質炭酸カルシウムスラリーの重量に基づいて、60が好ましく、さらに好ましくは65、特に好ましくは72であり、また同様に上限は80が好ましく、さらに好ましくは75である。この範囲であると初期流動性及び流動安定性(長期分散安定性)がさらに優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを調製しやすい。
また、軽質炭酸カルシウムとして、 針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウムを用いる場合、針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウムの使用量(重量%)は、軽質炭酸カルシウムスラリーの重量に基づいて、60〜80が好ましく、さらに好ましくは65〜75、特に好ましくは70〜75である。すなわち、この場合、針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウムの使用量(重量%)の下限は、軽質炭酸カルシウムスラリーの重量に基づいて、60が好ましく、さらに好ましくは65、特に好ましくは70であり、また同様に上限は80が好ましく、さらに好ましくは75である。この範囲であると初期流動性及び流動安定性(長期分散安定性)がさらに優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを調製しやすい。
水及び水溶性の溶剤の使用量(重量%)は、軽質炭酸カルシウムスラリーの重量に基づいて、20〜40が好ましく、さらに好ましくは25〜35、特に好ましくは25〜32である。すなわち、水及び水溶性の溶剤の使用量(重量%)の上限は、軽質炭酸カルシウムスラリーの重量に基づいて、40が好ましく、さらに好ましくは35、特に好ましくは32であり、また同様に下限は20が好ましく、さらに好ましくは25である。この範囲であると初期流動性及び流動安定性(長期分散安定性)がさらに優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを調製しやすい。
軽質炭酸カルシウムとして、紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウムを用いる場合、水及び水溶性の溶剤の使用量(重量%)は、軽質炭酸カルシウムスラリーの重量に基づいて、20〜40が好ましく、さらに好ましくは25〜35、特に好ましくは25〜28である。すなわち、この場合、水及び水溶性の溶剤の使用量(重量%)の上限は、軽質炭酸カルシウムスラリーの重量に基づいて、40が好ましく、さらに好ましくは35、特に好ましくは28であり、また同様に下限は20が好ましく、さらに好ましくは25である。この範囲であると初期流動性及び流動安定性(長期分散安定性)がさらに優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを調製しやすい。
軽質炭酸カルシウムとして、針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウムを用いる場合、水及び水溶性の溶剤の使用量(重量%)は、軽質炭酸カルシウムスラリーの重量に基づいて、20〜40が好ましく、さらに好ましくは25〜35、特に好ましくは25〜30である。すなわち、この場合、水及び水溶性の溶剤の使用量(重量%)の下限は、軽質炭酸カルシウムスラリーの重量に基づいて、20が好ましく、さらに好ましくは25であり、また同様に上限は40が好ましく、さらに好ましくは35、特に好ましくは30である。この範囲であると初期流動性及び流動安定性(長期分散安定性)がさらに優れた軽質炭酸カルシウムスラリーを調製しやすい。
軽質炭酸カルシウムスラリーは、通常の無機質顔料分散用分散機等を用いて製造することができる。分散機としては、一般流体用攪拌機(プロペラミキサー、タービンミキサー及びデソルバー等)、高速回転高せん断型攪拌分散機(ホモミキサー、アトライター、サンドミル、ビーズミル、コーレスミキサー、ディスクキャビテーションミキサー及びステイターローラー等)、コロイドミル(TKマイコロイダー、TKホモミックラインミル、TKハイラインミル、シャーロットコロイドミル及びシャーロットコロイドミル等)、加圧ノズル(ジェット流)式分散機(ガウリン及びホモジナイザー等)、超音波式乳化機(ディスパーソニック及びウルトラジェッター等)、機械的振動攪拌機及び静電場を利用した攪拌機等が含まれる。これらのうち、一般流体用攪拌機及び高速回転高せん断型攪拌分散機が好ましく、さらに好ましくはプロペラミキサー、ホモミキサー、アトライター、サンドミル、ビーズミル及びコーレスミキサーである。またこれらの分散機は、1種類のみを用いてもよく、また2種類以上を併用してもよい。
本発明の分散剤を用いた軽質炭酸カルシウムスラリーは、顔料塗被紙用の塗被液、抄紙用フィラー、ペイント塗料用顔料、ゴム用補強剤、樹脂用可塑剤及び歯磨き粉等の用途に適用でき、特に顔料塗被紙用塗被液に好適である。
顔料塗被紙用塗被液は、無機質顔料(重質炭酸カルシウム及びクレイ等)スラリーに軽質炭酸カルシウムスラリー及び接着剤成分を配合し、必要に応じて耐水化剤、増粘剤、消泡剤、潤滑剤、湿潤剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、着色剤及び/又は防腐剤等の添加剤を添加することができる。
顔料としては、クレイ、焼成クレイ、サチンホワイト、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ及びフェライト等が使用できる。
接着剤成分としては、合成高分子、半合成高分子及び天然高分子が使用できる。合成高分子タイプとしては、SBRラテックス、NBRラテックス及びNRラテックス等が用いられ、半合成高分子タイプとしては、酸化でんぷん、カルボキシメチルでんぷん、カルボキシメチルセルロース及びメチルセルロース等が用いられ、天然高分子タイプとしては、カゼイン及びでんぷん等が用いられる。
増粘剤としては、合成高分子、半合成高分子及び天然高分子が使用でき、合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド及びアルカリ増粘型ポリマー等が用いられ、半合成高分子としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及び酸化でんぷん等が用いられ、天然高分子タイプとしては、でんぷん、ゼラチン、カゼイン及びアルギン酸ナトリウム等が用いられる。
消泡剤としては、アルコール系消泡剤、脂肪酸化合物系消泡剤、鉱物油系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤及びシリコーン系消泡剤等が使用できる。
潤滑剤としては、高級脂肪酸塩、脂肪酸エステル及びワックスエマルジョン等が使用でき、高級脂肪酸塩としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム及びオレイン酸マグネシウム等が用いられ、脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸ステアリルエステル、オレイン酸ステアリルエステル及びラウリン酸ステアリルエステル等が用いられ、ワックスエマルジョンとしては、ポリエチレンエマルジョン、パラフィンワックスエマルジョン及びマイクロクリスタリンワックスエマルジョン等が用いられる。
湿潤剤としては、各種界面活性剤が使用でき、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、スルホコハク酸エステル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩等が用いられる。
耐水化剤としては、アルデヒド、メチロール樹脂及び多価金属化合物等が使用でき、アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、グリオキザール及びジアルデヒドでんぷん等が用いられ、メチロール樹脂としては、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド尿素ホルムアルデヒド樹脂及びケトン樹脂等が用いられ、多価金属化合物としては、炭酸アンモニウムジルコニウム及び硫酸亜鉛等が用いられる。
防腐剤としては、有機硫黄化合物、有機ハロゲン化合物、フェノール化合物及びヘテロ環状窒素化合物等が使用でき、有機硫黄化合物としては、イソチアゾリン及びチアジアジン等が用いられ、有機ハロゲン化合物としては、ブロモニトロアルコール等が用いられ、ヘテロ環状窒素化合物としては、ベンズイミダゾール、ベンジジン、イミダゾロン及びトリアジン等が用いられる。
酸化防止剤としては、α−トコフェロール、ジブチルオキシトルエン、ブチルオキシアニソール、プロトカテチュ酸エチル、ヒドロキノン及びフェニル−β−ナフチルアミン等が使用できる。
紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が使用できる。
蛍光増白剤としては、アミノスチルベン等が使用できる。
着色剤としては、アントラキノン、トリフェニルメタン、アジン、キサンテン、ニトロン、ジフェニルメタン、トリアリールメタン、チアゾール、アクリジン及びオキサジン等が使用できる。
これらの添加剤については、1種類だけを用いてもよく、また2種類以上を併用してもよい。
顔料塗被紙用塗被液は、顔料塗被紙を製造する際に、パルプ繊維を主体とする原紙上に、両面または片面に単層または二層以上塗被される。
顔料塗被紙用塗被液を原紙上に塗被するには、一般的な塗被装置が使用でき、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、カーテンフローコーター、スプレイコーター、ロッドコーター、ダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、ツーロールあるいはメータリングブレード法式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター及びゲートロールコーター等の塗被装置を備えたオンマシンあるいはオフマシンコーターを使用できる。
以下に、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を表す。また、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、(X1)〜(X3)の含有量及び体積平均粒子径は以下のようにして測定した。
<Mw、Mn>
使用装置:東ソー(株)製形式HLC−8120GPC
カラム:東ソー(株)製形式G5000PWXLと形式G3000PWXLとを直列に連結したカラム
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
溶離液:リン酸水素二ナトリウム水溶液0.05モル及びリン酸二水素ナトリウム0.05モルを1リットルの脱イオンに溶解させた水溶液
溶離液流速:0.6ml
試料濃度:0.4重量%溶離液溶液
試料溶液注入量:50μl
標準物質:東ソー(株)製TSK標準ポリエチレンオキサイド(SE−150:光散乱法で測定された重量平均分子量(M)885,000、SE−70:(M)510,000、SE−30:(M)340,000、SE−15:(M)170,000、SE−8:(M)95,000、SE−5:(M)46,000、SE−2:(M)26,000)、和光純薬工業(株)製試薬(和光規格1級合格品ポリエチレングリコール6000:(M)7,500、特級エチレングリコール:分子量62)
<(X1)〜(X3)の含有量>
GPC法で(共)重合体(X)を、(X1)、(X2)及び(X3)の各分子量範囲に分画分取し、それぞれの重量を測定することにより算出した。
<体積平均粒子径>
(共)重合体の濃度が2.5%となるように脱イオン水で調製した測定サンプルを、レーザー光回折散乱粒度分布測定装置{商品名:マイクロトラック(MICROTRAC UPA、Leeds and Northrup製)、レーザー光波長;780nm、測定温度;25℃、測定時間;6分、分散媒;水}を用いて測定した。
<実施例1>
温度計、攪拌機、還流コンデンサー、滴下ポンプ(2台)を備えた重合用ステンレス反応容器にイオン交換水222.5部を投入し95℃に加熱した。その後95℃でアクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部(アクリル酸に対する中和度73モル%)及びイオン交換水259.6を予め混合した単量体水溶液を120分間かけて一定速度で滴下ポンプから滴下し、同時にもう一方の滴下ポンプから混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム8.3部、35重量%過酸化水素水33.5部及びイオン交換水7.9部からなる水溶液)を同じく120分間かけて一定速度で滴下し重合させた。滴下終了後、さらに60分間、95℃を維持(熟成)し、重合反応を完結させた。次いで40℃以下に冷却した後、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0部(アクリル酸に対する中和度24モル%)で40℃以下に保ちながら中和して、さらに減圧下(70〜80℃、5300〜8000Pa)で水を除去し、40重量%アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体水溶液1(本発明の分散剤1)を得た。
<実施例2>
混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム8.3部、35重量%過酸化水素水33.5部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)を、混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム5.1部、35重量%過酸化水素水20.8部及びイオン交換水7.9部からなる水溶液)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の分散剤2を得た。
<実施例3>
混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム8.3部、35重量%過酸化水素水33.5部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)を、混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム14.9部、35重量%過酸化水素水60.0部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の分散剤3を得た。
<実施例4>
反応容器に予め投入するイオン交換水222.5部を948.1部に変更し、単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液164.8部(アクリル酸に対する中和度97モル%)及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)に変更し、混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム8.3部、35重量%過酸化水素水33.5部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)を混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム41.5部、35重量%過酸化水素水167.5部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いない(中和しない)以外は、実施例1と同様にして本発明の分散剤4を得た。
<実施例5>
混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム8.3部、35重量%過酸化水素水33.5部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)を混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム47.3部、35重量%過酸化水素水191.0部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の分散剤5を得た。
<実施例6>
単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸144.1部、アクリル酸エチル6.2部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液164.8部(アクリル酸に対する中和度100モル%)及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いない(中和しない)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の分散剤6を得た。
<実施例7>
単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸146.9部、アクリル酸エチル2.1部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液164.8部(アクリル酸に対する中和度98モル%)及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いない(中和しない)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の分散剤7を得た。
<実施例8>
単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸144.1部、アクリル酸オクタデシル20.1部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液164.8部(アクリル酸に対する中和度100モル%)及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いない(中和しない)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の分散剤8を得た。
<実施例9>
単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸146.9部、アクリル酸オクタデシル6.8部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液164.8部(アクリル酸に対する中和度98モル%)及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いない(中和しない)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の分散剤9を得た。
<実施例10>
単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化カリウム水溶液173.6部(アクリル酸に対する中和度73モル%)及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0部を48.5重量%水酸化カリウム水溶液57.5部(中和度24モル%)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の分散剤10を得た。
<実施例11>
単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0部を25重量%アンモニア水135.9部(アクリル酸に対する中和度97モル%)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の分散剤11を得た。
<実施例12>
単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸141.0部、アクリル酸エチル10.3部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部(アクリル酸に対する中和度77モル%)及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の分散剤12を得た。
<実施例13>
単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸141.0部、アクリル酸オクタデシル33.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部(アクリル酸に対する中和度77モル%)及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の分散剤13を得た。
<比較例1>
反応容器に予め投入するイオン交換水222.5部を170.9部に変更し、単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部及び48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液164.8部(アクリル酸に対する中和度97モル%)からなる水溶液)に変更し、混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム8.3部、35重量%過酸化水素水33.5部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)を混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム4.2部、35重量%過酸化水素水16.8部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いない(中和しない)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較用の分散剤14得た。
<比較例2>
反応容器に予め投入するイオン交換水222.5部を170.9部に変更し、単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部及び48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液164.8部(アクリル酸に対する中和度97モル%)からなる水溶液)に変更し、混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム8.3部、35重量%過酸化水素水33.5部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)を混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム4.2部、35重量%過酸化水素水16.8部及びイオン交換水7.9部からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いない(中和しない)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較用の分散剤15を得た。
<比較例3>
反応容器に予め投入するイオン交換水222.5部を1133.8部に変更し、単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部及び48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液164.8部(アクリル酸に対する中和度97モル%)からなる水溶液)に変更し、混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム8.3部、35重量%過酸化水素水33.5部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)を混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム4.2部、35重量%過酸化水素水201.0部及びイオン交換水7.9部からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0部を用いない(中和しない)以外は、実施例1と同様にして比較用の分散剤16を得た。
<比較例4>
反応容器に予め投入するイオン交換水222.5部を213.7部に変更し、単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸148.4部及び48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液164.8部(アクリル酸に対する中和度97モル%)からなる水溶液)に変更し、混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム8.3部、35重量%過酸化水素水33.5部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)を混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム4.2部、35重量%過酸化水素水201.0部及びイオン交換水7.9部からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0部を用いない(中和しない)以外は、実施例1と同様にして比較用の分散剤17を得た。
<比較例5>
実施例4で製造した分散剤100部に、イオン交換水500部及びアセトン1000部を加えて攪拌し、25℃で12時間静置した。二層に分離したうちの下層に生じた分離層を取り出した後減圧濃縮(70〜80℃、5300〜8000Pa)し比較用の分散剤18を得た。
<比較例6>
反応容器に予め投入するイオン交換水222.5部を170.9部に変更し、単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸148.4部及び48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液164.8部(アクリル酸に対する中和度97モル%)からなる水溶液)に変更し、混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム8.3部、35重量%過酸化水素水33.5部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)を混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム10.6部、35重量%過酸化水素水42.9部及びイオン交換水7.9部からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0部を用いない(中和しない)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較用の分散剤19を得た。
<比較例7>
反応容器に予め投入するイオン交換水222.5部を170.9部に変更し、単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸148.4部及び48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液164.8部(アクリル酸に対する中和度97モル%)からなる水溶液)に変更し、混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム8.3部、35重量%過酸化水素水33.5部及びイオン交換水7.9からなる水溶液)を混合重合開始剤溶液(過硫酸ナトリウム13.4部、35重量%過酸化水素水53.9部及びイオン交換水7.9部からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0部を用いない(中和しない)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較用の分散剤20を得た。
<比較例8>
重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0部を0部(用いない)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較用の分散剤21を得た。
<比較例9>
重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0部を63.1部(アクリル酸に対する中和度37モル%)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較用の分散剤22を得た。
<比較例10>
特許第2984926号公報に準じて、単量体水溶液(アクリル酸148.4部、トリエチレングリコールジメルカプタン2.0部、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液123.8部及びイオン交換水259.6部からなる水溶液)を単量体水溶液(アクリル酸148.4部及び48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液118.8部(アクリル酸に対する中和度70モル%)からなる水溶液)に変更し、重合終了後に投入する48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0部を、デシルアミンポリプロピレンオキシド2モル不可物16.9部に変更した以外は、実施例1と同様にして比較用の分散剤23を得た。
<比較例11>
特公昭56−47131号公報に準じて、温度計、攪拌機、還流コンデンサー、滴下ポンプ(2台)を備えた重合用ステンレス反応容器に、無水マレイン酸196.0部、イオン交換水110.7部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液577.3部を投入し95℃に加熱した。その後95℃で35重量%過酸化水素水75.5部を90分間かけて滴下ポンプから一定速度で滴下し、80重量%アクリル酸水溶液270.4部をもう一方の滴下ポンプから140分間かけて一定速度で滴下し重合させた。滴下終了後、さらに60分間、95℃を維持(熟成)し、重合反応を完結させた。重合終了後、イオン交換水328.8部を投入し、比較用の分散剤24を得た。
<初期流動性及び流動安定性の評価方法1(紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム)>
ステンレス製容器にイオン交換水116.7gを入れ、これを羽根径50mmのかき混ぜ羽根を有するコーレス型ミキサー(TK.HOMO DISPER AM−20特殊機化工業(株)製)でかき混ぜながら、分散剤を45.0g添加し均一に溶解させた。次いで BET比表面積10m2/g、平均短径0.3μm、平均長径0.8μm、体積平均粒子径0.4μmの紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム含水物4.0kg(紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム75重量%及び水25重量%を含む。)を加え、回転速度10000rpmで20分間分散処理(50〜60℃)を行い、72重量%紡錘状カルサイト系軽炭酸カルシウムスラリーを得た。得られたスラリーを25℃に温調し、スラリー粘度を測定した。さらに25℃で7日間静置した後に同温度で粘度を測定した。なお、粘度はB型粘度計(TVB−20L、トキメック(株)製)を用い、回転速度60rpmで測定した。これらの結果を表3に示す。
<初期流動性及び流動安定性の評価方法2(針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウム)>
ステンレス製容器にイオン交換水116.7gを入れ、これを羽根径50mmのかき混ぜ羽根を有するコーレス型ミキサー(TK.HOMO DISPER AM−20特殊機化工業(株)製)でかき混ぜながら分散剤を43.2g添加し均一に溶解させた。次いで BET比表面積11m2/g、平均短径0.2μm、平均長径1.2μm、体積平均粒子径0.4μmの針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウム含水物4.0kg(針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウム72重量%及び水28重量%を含む。)を加え、回転速度10000rpmで20分間分散処理(60〜70℃)を行い、70重量%軽炭酸カルシウムスラリーを得た。得られたスラリーを25℃に温調し、スラリー粘度を測定した。さらに25℃で7日間静置した後に同温度で粘度を測定した。なお、粘度はB型粘度計(TVB−20L、トキメック(株)製)を用い、回転速度60rpmで測定した。これらの結果を表3に示す。
<初期流動性及び流動安定性の評価方法3(紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム)>
ステンレス製容器にイオン交換水127.2gを入れ、これを羽根径50mmのかき混ぜ羽根を有するコーレス型ミキサー(TK.HOMO DISPER AM−20特殊機化工業(株)製)でかき混ぜながら、分散剤を70.2g添加し均一に溶解させた。次いで BET比表面積10m2/g、平均短径0.3μm、平均長径0.8μm、体積平均粒子径0.4μmの紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム含水物4.0kg(紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム78重量%及び水22重量%を含む。)を加え、回転速度10000rpmで20分間分散処理(50〜60℃)を行い、75重量%紡錘状カルサイト系軽炭酸カルシウムスラリーを得た。得られたスラリーを25℃に温調し、スラリー粘度を測定した。さらに25℃で7日間静置した後に同温度で粘度を測定した。なお、粘度はB型粘度計(TVB−20L、トキメック(株)製)を用い、回転速度60rpmで測定した。これらの結果を表4に示す。
<初期流動性及び流動安定性の評価方法4(針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウム)>
ステンレス製容器にイオン交換水127.2gを入れ、これを羽根径50mmのかき混ぜ羽根を有するコーレス型ミキサー(TK.HOMO DISPER AM−20特殊機化工業(株)製)でかき混ぜながら、分散剤を70.2g添加し均一に溶解させた。次いで BET比表面積11m2/g、平均短径0.2μm、平均長径1.2μm、体積平均粒子径0.4μmの針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウム含水物4.0kg(針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウム78重量%及び水22重量%を含む。)を加え、回転速度10000rpmで20分間分散処理(50〜60℃)を行い、75重量%針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウムスラリーを得た。得られたスラリーを25℃に温調し、スラリー粘度を測定した。さらに25℃で7日間静置した後に同温度で粘度を測定した。なお、粘度はB型粘度計(TVB−20L、トキメック(株)製)を用い、回転速度60rpmで測定した。これらの結果を表4に示す。
<初期流動性及び流動安定性の評価方法5(紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム)>
ステンレス製容器にイオン交換水127.2gを入れ、これを羽根径50mmのかき混ぜ羽根を有するコーレス型ミキサー(TK.HOMO DISPER AM−20特殊機化工業(株)製)でかき混ぜながら、分散剤を70.2g添加し均一に溶解させた。次いで BET比表面積7m2/g、平均短径1.0μm、平均長径1.4μm、体積平均粒子径1.1μmの紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム含水物4.0kg(紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウム78重量%及び水22重量%を含む。)を加え、回転速度10000rpmで20分間分散処理(50〜60℃)を行い、75重量%紡錘状カルサイト系軽炭酸カルシウムスラリーを得た。得られたスラリーを25℃に温調し、スラリー粘度を測定した。さらに25℃で7日間静置した後に同温度で粘度を測定した。なお、粘度はB型粘度計(TVB−20L、トキメック(株)製)を用い、回転速度60rpmで測定した。これらの結果を表5に示す。
<初期流動性及び流動安定性の評価方法6(針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウム)>
ステンレス製容器にイオン交換水127.2gを入れ、これを羽根径50mmのかき混ぜ羽根を有するコーレス型ミキサー(TK.HOMO DISPER AM−20特殊機化工業(株)製)でかき混ぜながら、分散剤を70.2g添加し均一に溶解させた。次いで BET比表面積8m2/g、平均短径0.7μm、平均長径2.6μm、体積平均粒子径1.4μmの針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウム含水物4.0kg(針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウム78重量%及び水22重量%を含む。)を加え、回転速度10000rpmで20分間分散処理(50〜60℃)を行い、75重量%針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウムスラリーを得た。得られたスラリーを25℃に温調し、スラリー粘度を測定した。さらに25℃で7日間静置した後に同温度で粘度を測定した。なお、粘度はB型粘度計(TVB−20L、トキメック(株)製)を用い、回転速度60rpmで測定した。これらの結果を表5に示す。
表3〜5に示した通り、本発明の分散剤(実施例1〜13)を用いた場合、紡錘状カルサイト系及び針状アラゴナイト系の軽質炭酸カルシウムのいずれにおいても、初期流動性及び流動安定性に極めて優れたスラリーを得ることができる。なお、本発明の分散剤は、これらを含む軽質炭酸カルシウムスラリー以外のその他の無機質顔料(重質炭酸カルシウム、クレイ、酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、サチンホワイト、ベンガラ、亜鉛華、フェライト、アルミナ及びその他セラミックス顔料)等にも、これらの場合と同様にして初期流動性及び流動安定性に優れた無機質顔料スラリーを得ることができる。

Claims (6)

  1. 必須構成単位としてビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)を含む(共)重合体(X)からなる軽質炭酸カルシウム用分散剤において、
    (1)(X)の重量平均分子量(Mw)が4,000〜40,000、
    (2)(X)の数平均分子量(Mn)に対する(Mw)の比(Mw/Mn)が1.2〜2.0、
    (3)(X)が、分子量1,000以上4,000未満の(共)重合体(X1)、分子量4,000以上40,000未満の(共)重合体(X2)及び分子量40,000以上200,000以下の(共)重合体(X3)からなり、(X)の重量に基づいて、(X1)が10〜30重量%、(X2)が60〜80重量%、(X3)が1〜10重量%であることを特徴とする軽質炭酸カルシウム用分散剤。
  2. (共)重合体(X)が、共重合構成単位としてアルキル基の炭素数が1〜20である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)を含み、ビニル基含有モノカルボン酸(塩)(A)及び(B)の含有重量比率(A:B)が、97〜99:1〜3である請求項1に記載の分散剤。
  3. JIS R1626−1996に準じて測定されるBET比表面積が9〜18m2/g、SEM写真から計測される平均短径が0.1〜0.4μm、SEM写真から計測される平均長径が0.5〜0.9μm、レーザー光回折散乱法で測定される体積平均粒子径が0.3〜0.9μmである紡錘状カルサイト系軽質炭酸カルシウムに用いる請求項1又は2に記載の分散剤。
  4. JIS R1626−1996に準じて測定されるBET比表面積が9〜20m2/g、SEM写真から計測される平均短径が0.1〜0.5μm、SEM写真から計測される平均長径が1.0〜2.0μm、レーザー光回折散乱法で測定される体積平均粒子径が0.3〜2.0μmである針状アラゴナイト系軽質炭酸カルシウムに用いる請求項1又は2に記載の分散剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の分散剤を含有してなり、軽質炭酸カルシウムの濃度がスラリーの重量に基づいて60〜80重量%である軽質炭酸カルシウムスラリー。
  6. 請求項5に記載の軽質炭酸カルシウムスラリーを含んでなる顔料塗被紙用塗被液。
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