図1は、本発明の実施形態に係る飲食注文システムの構成を示す図である。この図は、ある飲食店の店内の様子を模式的に示した図である。飲食店は大きく分けて顧客に飲食物を提供する場となるフロアと、飲食物を調理する場となるキッチン(厨房)に分けられている。
フロアには、飲食注文システムを統括して管理する管理コンピュータ1、各テーブルにおいて顧客が操作する注文端末3a〜3d、従業員が携帯することで、受注処理、あるいは、注文状況などの各種情報を確認するためのハンディターミナル9a、9b、食事を終えた客が料金を支払う自動精算機6a、6bが設置されている。
注文端末3a〜3dは、充電台4で充電され、各テーブルa〜dに配置される。充電台4は従業員が管理するエリアに設けられ、注文端末3a〜3dは、充電台4で充電された状態でテーブルa〜dに配置される。テーブルa〜dに充電台4を設け、注文端末3a〜3dに充電を行いつつ使用することも可能であるが、来店した客が充電台4に設置する必要があるため、注文端末3a〜3dが利用しづらくなる、あるいは、充電台4に適切に設置されない場合、バッテリ切れで利用できなくなることが考えられる。本実施形態のように、適切に充電された注文端末3a〜3dを各テーブルa〜dに配置することで、上述する不自由、不便を解消することが可能となっている。
図2は、注文端末3、充電台4の外観を示す斜視図である。この図は、充電台4に載置された注文端末3であって、充電中の注文端末3を示している。注文端末3は、前面にユーザインタフェイスとしてのタッチパネルモニタ32を有している。また、本実施形態では、各種注文端末3の状態を表示するためのLED36aが設けられている。なお、本実施形態の充電台4は、1の注文端末3を載置して充電する構成としているが、充電台4は、複数の注文端末3を載置して充電できる構成としてもよい。また、注文端末3に対する充電は、このように充電台4に載置して充電する形態のみならず、注文端末3にACアダプタのケーブルを接続して充電する等、各種形態を採用することが可能である。
キッチン(厨房)には、料理人に対して注文状況などを知らせるキッチン端末装置5、キッチンプリンタ51が設置されている。注文端末3にて受けた注文情報は、このキッチン端末装置5に出力され、キッチンプリンタ51で印字される。料理人は、キッチン端末装置5に表示される注文情報、あるいは、キッチンプリンタ51で印字される注文情報に基づき、受注した商品を確認することが可能となっている。
これら店内に設置された各種端末、装置は、LAN2、あるいは、アクセスポイント22にて有線、無線を使用してネットワーク接続されている。この例では、管理コンピュータ1、キッチン端末装置5、キッチンプリンタ51、自動精算機6a、6bは、有線でネットワークに接続されている。また、注文端末3、ハンディターミナル9は、アクセスポイント22を介して無線でネットワークに接続されている。
さらに店舗内のネットワークはルータ21を介してインターネットに接続されており、インターネット上の各種サーバ装置と通信を行うことを可能としている。店舗内に設置された各種装置、端末は、このルータ21を介してインターネット上の各種サーバ装置と通信し、各種情報の送受信を行うことが可能となっている。
図2は、本発明の実施形態に係る注文端末3、充電台4の構成を示すブロック図である。注文端末3は、制御部として機能するCPU34a、ROM34b、RAM34c、画像処理部34d、音声処理部34eを有している。CPU34aは、ROM34bあるはSSD35(Solid State Drive)などの記憶手段に記憶されたプログラムに基づいて、注文端末3の処理全体を統括制御する。その際、一時的に生成されたデータなどはRAM34cに記憶される。
画像処理部34dは、CPU34aで生成されたデータを画像に変換し、表示部32aに表示出力する。音声処理部34eは、CPU34aで生成されたデータを音声に変換し、スピーカに音声出力する。
本実施形態では、表示部32aとタッチパネル32bとでタッチパネルモニタ32が構成されている。このタッチパネル32bは、表示部32aに表示されるアイコンやスイッチなどの各種オブジェクトに対応して、ユーザからの入力を受け付ける入力手段として機能する。注文端末3には、このタッチパネル32b以外にも機械的なスイッチなどの入力手段を設けることとしてもよい。タッチパネル32bからの入力情報は、インターフェイス37bを介してCPU34aに伝達される。
SSD35は、注文端末3の記憶手段として機能する。SSD35には、注文端末3を動作させるために必要な各種プログラム情報、あるいは、画像(静止画、動画)、音声などの各種コンテンツなどを記憶する。記憶手段としては、SSD(Solid State Drive)以外に、ハードディスク等を使用することも可能である。
本実施形態の注文端末3は、さらに無線通信部38を有している。この無線通信部38はアンテナ38aを備え、無線LAN規格による無線通信を可能としている。注文端末3は、図1に示されるアクセスポイント22と無線接続することで、LAN2にて構成されたネットワークに参加可能し、管理コンピュータ1、キッチン端末装置5などの各種装置、端末との接続、あるいは、ルータ21を介したインターネット接続を可能としている。
この注文端末3は、バッテリ39を備え、外部電源に接続することなく単独での使用が可能となっている。このバッテリ39は、充電端子33と電源線Lpで接続されており、外部から供給される電源にて充電することが可能である。CPU34aは、バッテリ39の残量や、充電状況などを監視することが可能となっている。充電端子33は、充電台4(クレードル)側の給電端子42と電気的に接続することで、バッテリ19に対する充電が可能となっている。
注文端末3を充電する充電台4は、DC変換部41を有している。このDC変換部41は、電源ライン43から供給される交流電源を、設定された電圧の直流電源に変換し、電源線Lpを介して充電端子33に供給する。
図3は本発明の実施形態に係る管理コンピュータ1の構成を示すブロック図である。管理コンピュータ1は、飲食店内に設置され、管理者によって使用される装置である。本実施形態では、飲食注文システムを統括して管理する他、販売実績を集計するPOS端末、そして、伝票を印字するための端末としても機能する。この管理コンピュータ1は、通常のパーソナルコンピュータにて構成することが可能である。管理コンピュータ1は、制御部として、CPU11a、ROM11b、RAM11c、画像処理部11d、音声処理部11eを有する。画像処理部11dは、CPU11aで処理したデータを表示部17aに表示出力する。また、音声処理部51eは、CPU11aで処理したデータをスピーカに音声出力する。
また、管理コンピュータ1は、記憶手段としてHDD12(ハードディスク)を有している。記憶手段としてはHDD12以外に、SSD(Solid State Drive)など各種形態を採用することが可能である。HDD12には管理コンピュータ1の各種処理を実行するために必要なプログラムやデータを記憶する。
通信部13は、管理コンピュータ1をLAN2に有線接続することで、管理コンピュータ1をネットワークに参加可能としている。管理コンピュータ1は、通信部13を介して、システム内の注文端末3、キッチン端末装置5、キッチンプリンタ51、ハンディターミナル9、自動精算機6a、6bと通信可能としている。また、ルータ21を介してインターネットと各種通信を行うことも可能となっている。
インターフェイス14には、キーボードやマウスなどの入力手段が接続可能となっている。管理者はこの入力手段を介して、管理コンピュータ1の操作を行う。また、本実施形態のインターフェイス14には、入力手段としてタッチパネル17bが接続されており、表示部17aとともにタッチパネルモニタ17を構成している。管理者はこのタッチパネルモニタ17によって、注文端末3と同様、タッチ入力を行うことが可能である。
さらにインターフェイス14には、レシートプリンタ16が接続されており、管理コンピュータ1にて処理した情報(例えば、伝票)を印字出力することが可能となっている。
図4は、本発明の実施形態に係る自動精算機6の外観を示す図である。自動精算機6は、それに対面して操作を行うユーザに対し、飲食後の料金の支払いを行うための精算処理を実行可能とする装置である。本実施形態の自動精算機6は、タッチパネルモニタ61、カード出入口62a、レシート取出口62b、テンキー72、スキャナ73、近距離無線通信部74、硬貨入口62c、紙幣出入口62d、硬貨出口62eが設けられている。
図5は、本実施形態に係る自動精算機6の構成を示すブロック図である。自動精算機6は、各種処理を実行する制御部67の他、制御部67に接続された各種周辺構成を有して構成される。本実施形態では、本実施形態では、制御部67には、カードリーダ71、テンキー72、スキャナ73、近距離無線通信部74、タッチパネルモニタ61、レシートプリンタ63、紙幣処理部64、硬貨処理部65が接続されている。
カードリーダ71は、図4に示されるカード出入口62aの背面に位置し、挿入されたクレジットカードカードから各種情報を読み取ることが可能である。テンキー72は、クレジットカードのPIN(Personal Identification Number:暗証番号)を入力するための手段である。
スキャナ73は、光学的手段により、顧客が提示する2次元バーコード(コード情報)を読み取る手段である。本実施形態では、伝票に記載された2次元バーコードの他、電子マネーの支払時、顧客の携帯端末に表示される2次元バーコードを読み取ることが可能である。なお、本実施形態では、2次元バーコードとしてQRコード(登録商標)を使用している。また、使用するコード情報としては、2次元バーコードの他、1次元バーコードとする等、各種形態を採用することが可能である。
近距離無線通信部74は、図4に示されるようにスキャナ73と同じ位置に設けられている。近距離無線通信部74は、ユーザが所持するスマートフォン等の携帯端末と近距離無線通信を行うことが可能である。本実施形態では、ユーザによる電子マネーの支払時、携帯端末と通信を行うこととしている。なお、近距離無線通信部74は、電子マネーの支払いの他、クーポン(割引券)の使用、あるいは、電子会員証の提示等において、ユーザの携帯端末と近距離無線通信を行うこととしてもよい。
タッチパネルモニタ61は、表示部61aとタッチパネル61bを有して構成されている。タッチパネルモニタ61は、図4に示されるように、ユーザに対面して位置し、表示部61aにより各種視覚的情報を提供することが可能である。また、タッチパネル61bにより、ユーザのタッチ操作による各種入力を受け付けることが可能となっている。
レシートプリンタ63は、レシートとして使用される感熱紙に印字する簡易なプリンタであって、図4のレシート取出口62bの背面に配置されている。レシートプリンタ63は、支払明細、領収書等、各種レシートの印字に使用される。なお、印字部としてのレシートプリンタ63は、本実施形態のように感熱式の他、レーザ方式、インクジェット方式等、各種形態を採用することができる。紙幣処理部64は、図4の紙幣出入口62dの背面に配置されており、現金払い時における紙幣の挿入、返却に使用される。硬貨処理部65は、図4に示される硬貨入口62cに投入された硬貨のカウント、並びに、硬貨出口62eからのつり銭の返却を管理する手段である。
制御部67は、通信部68に接続されており、制御部67は、通信部68を介して外部と通信を行うことが可能となっている。本実施形態の通信部68は、LAN2に接続されており、LAN2に通信接続された管理コンピュータ1、あるいは、インターネット等の外部ネットワークを介して接続された各種サーバ(決済サーバ81、電子マネー管理サーバ82)等と通信を行うことが可能となっている。
では、このような飲食注文システムにおいて実行される各種処理について説明する。図6は、飲食注文システムにて実行されるメイン処理を示したフロー図である。このメイン処理は一人の顧客、あるいは、1つの顧客グループ(テーブル)に対して行われる一連の処理を示したものである。まず、空席のテーブルに対して顧客、あるいは、顧客グループが案内されると、従業員はハンディターミナル9a、9b、あるいは、管理コンピュータ1に対して顧客に関する各種情報を入力する。本実施形態では、顧客に関する情報として、顧客が着席したテーブルを識別するためのテーブルID、顧客の人数を示す顧客人数が入力される。この他、入店日時、テーブルを担当する担当従業員を示す担当IDが合わせて記録される。
図7は、テーブル毎の顧客を管理するための精算情報のデータ構成である。精算情報には、精算情報を識別するための伝票No.に対応付けて各種情報が記録されている。本実施形態では、顧客がテーブルに着席したときに記録される各種情報(上述するテーブルID、顧客人数、入店日時、担当ID)が記録されている。この他、顧客の注文に関する注文情報が記録されている。注文情報には、注文した商品を示す商品IDと、当該商品の精算が完了しているか否かを示す精算フラグが含まれている。
図6に示すS101の着席判定は、この顧客に関する情報入力に基づいて実行され、飲食注文システムは、S102以降の処理を開始する。本実施形態では、入店した顧客の着席が判定された後(S101:Yes)、顧客から注文端末3において商品の注文を受け付けるオーダ処理(S102)が開始される。着座したユーザ(顧客)は、オーダ処理(S102)で注文端末3に表示される商品のメニューを参照して、飲食したい商品を注文することが可能である。顧客による注文が完了する(あるいは、商品の配膳が完了する)と、精算情報には、注文した商品に対応する注文情報が記録される。
本実施形態では、オーダ処理(S102)の開始後、自動精算機6a、6bにおいて精算処理(S200)を実行することが可能となる。本実施形態では、注文した複数の商品中、一部商品の料金を支払う(個別精算)を行うことが可能となっている。そのため、オーダ処理(S102)が継続中であっても、適宜タイミングで精算処理(S200)を行うことが可能となっている。したがって、例えば、複数人のグループで来店した顧客中、食事を早く終えた1人の客が自分の料金を自動精算機6で支払って退店することが可能となっている。
図8は、本発明の実施形態に係る自動精算機6における精算処理を示すフロー図である。精算処理(S200)は、従業員によってテーブルに運ばれる伝票を使用して開始される。図10は、本実施形態で使用される伝票の一例である。伝票には、テーブル関連情報181、注文関連情報182、消費税金額183、合計金額184、2次元バーコード185が印字されている。
テーブル関連情報181には、伝票No.、顧客人数、入店日時、担当者名が記載されている。注文関連情報182には、注文した商品の商品名、商品の数量、金額が表示されている。テーブル関連情報181、注文関連情報182は、精算情報に基づいて印字される。また、支払金額に関する情報として、消費税金額183と、合計金額184が印字されている。2次元バーコード185には、少なくとも顧客が使用したテーブルを識別するためのテーブルIDが含まれていている。2次元バーコード185を自動精算機6のスキャナ73で読み取らせることで、顧客に対応する精算情報を読み出すことが可能となる。
図11は、本発明の実施形態に係る自動精算機6の初期画面を示す図である。精算処理(S200)の開始前、自動精算機6は初期画面を表示した状態で待機している。初期画面には、伝票の2次元バーコードをスキャナ73にかざす(読み取らせる)指示が表示されている。また、初期画面を含む、その他の各種画面には、表示する言語(日本語、あるいは、英語)を切り替えるための言語切り替えボタン611aが表示されている。また、初期画面には、従業員を呼び出すための呼び出しボタン611bが表示されている。呼び出しボタン611bが操作された場合、管理コンピュータ1、あるいは、ハンディターミナル9等に対して、顧客の呼び出しが行われている旨が適宜出力される。
自動精算機6のスキャナ73で伝票18に印字された2次元バーコード185が読み取られる(S201:Yes)と、2次元バーコード185に含まれているテーブルIDが参照され、管理コンピュータ1に対し、テーブルIDに対応する精算情報の問い合わせ(精算情報の指定)が行われる(S202)。自動精算機6は、精算情報に含まれている注文情報を参照し、精算情報中の注文情報に基づいて全精算画面を表示する(S203)。
本実施形態では、テーブルIDを含む2次元バーコード185(コード情報)をスキャナで読み取らせることで、精算対象となる精算情報を指定しているが、精算情報の指定は、このような形態のみならず、各種携帯を採用することが可能である。例えば、ユーザ自身が、自動精算機6のタッチパネルモニタ61、あるいは、テンキー72等の入力部にテーブルIDを入力することが考えられる。あるいは、テーブルに配置されたテーブルIDを記憶したカード、あるいは、タグを自動精算機6に持参し、近距離無線通信部74で読み取らせることで、テーブルIDを自動精算機6に読み取らせ、精算情報を指定する形態も考えられる。
図12は、本発明の実施形態に係る自動精算機6の全精算画面を示す図である。全精算画面には、支払金額表示欄612a、明細表示欄612b、支払方法選択ボタン612c〜612e、個別会計選択ボタン612f、取り消しボタン612gが設けられている。支払金額表示欄612aには、支払うべき会計金額が表示されている。この会計金額は、精算情報中、精算が終わっていない商品の全金額である。明細表示欄612bには、注文した商品の商品名、個数、金額(商品単価×個数)、及び、消費税が記載されている。支払金額表示欄612aに表示される会計金額は、明細表示欄612bに表示される金額の合計となる。
全精算画面の右側には、支払方法選択ボタン612c〜612eが表示されている。支払方法選択ボタン612c〜612eは、現金、電子マネー、クレジットカードによる支払方法を選択するボタンである。全精算画面の初期状態では、現金による支払方法が選択された状態となっている。他の支払方法(電子マネー、あるいは、クレジットカード)を行う場合、ユーザは、支払方法選択ボタン612d、612eを操作することで支払方法を切り替えることが可能である。
なお、本実施形態の自動精算機6は、現金、電子マネー、クレジットカードによる支払方法を使用することが可能であるが、支払方法としては、このような形態に限られる者では無く、例えば、デビットカード、後払い決済等、各種の支払方法を使用することが可能である。
全精算画面の右下には、個別会計選択ボタン612fが表示されている。個別会計選択ボタン612fは、注文した商品中、ユーザが選択した商品の支払いを行う個別会計に移行するためのボタンである。複数人で飲食店を訪れたユーザが、各自、注文した商品について支払いを行う場合、この個別会計選択ボタン612fが操作される。個別会計選択ボタン612fが操作された場合(S204:Yes)、図13に示される精算商品選択画面に移行し、個別会計を行うことが可能となる。
全精算画面の右下、個別会計ボタンの下方には、取り消しボタン612gが表示されている。この取り消しボタン612gが操作された場合、精算処理を終了し、図11の初期画面へと戻る。なお、取り消しボタン612gは、全精算画面以外の他の画面にも表示されており、例えば、一部商品の精算を終えた状態であっても、この取り消しボタン612gを操作することで、精算処理を終えることが可能となっている。
図13の精算商品選択画面には、支払い金額表示欄613a、商品選択欄613b、確定ボタン613e、取り消しボタン612gが表示されている。図13に示される精算商品選択画面は、注文したすべての商品の精算が終わっていない状態であって、図12の全精算画面において、個別会計選択ボタン612fが操作されたときの状態である。
商品選択欄613bには、全商品選択ボタン613c、商品選択ボタン613dが表示されている。商品選択ボタン613dには、注文した商品に関する各種情報(商品名、単価)が表示されている。前述したように、図13の精算商品選択画面は、図12の精算商品選択画面から遷移した画面であるが、商品選択欄613bには、図12の明細表示欄612bに表示された商品が、商品選択ボタン613dとして表示されている。
その際、図12の明細表示欄612bでは、商品名に対応して個数が表示されているのに対し、図13の商品選択ボタン613dは、1つの商品に対応して表示されている。すなわち、同じ商品であっても、複数個数ある場合は、異なる商品選択ボタン613dとして表示されている。例えば、メニューAについては、異なる2つの商品選択ボタン613dが表示され、Hコーヒーについては、異なる3つの商品選択ボタン613dが表示されている。このように、商品選択ボタン613dを表示することで、ユーザは、商品選択を容易に行うことが可能となっている。また、商品選択欄613bには、全商品選択ボタン613cが設けられている。この全商品選択ボタン613cが操作された場合、まだ精算を終えていないすべての商品が選択された状態となる。
図13の精算商品選択画面において、ユーザは、商品選択ボタン613d、もしくは、全商品選択ボタン613cを操作することで、支払い対象となる商品を選択することが可能である。図14には、商品選択時における精算商品選択画面が示されている。図13の精算商品選択画面において、支払い対象となる商品の商品選択ボタン613dが操作されると、商品選択ボタン613dの左のチェック欄にチェック印が表示される。図14の例では、上から1番目に表示された商品選択ボタン613d(メニューA)と、4番目に表示された商品選択ボタン613d(Hコーヒー)が選択された状態となっている。商品選択ボタン613dの選択に伴い、支払い金額表示欄の合計金額、及び、残り金額が変更される。
精算商品選択画面において、商品の選択を終えたユーザは、画面右下に表示されている確定ボタン613eを操作することで、精算商品の選択が完了(S208:Yes)し、個別精算画面が表示される。図15は、本発明の実施形態に係る自動精算機6の個別精算画面を示す図である。個別精算画面には、図12で説明した全精算画面と同様、支払金額表示欄612a、明細表示欄612b、支払方法選択ボタン612c〜612e、取り消しボタン612gが設けられている。
このように、図15の個別精算画面は、図12の全精算画面と同様であるが、図14の精算商品選択画面で選択された商品を清算する点において異なっている。また、明細表示欄612bには、商品再選択ボタン614aが設けられている点、そして、全精算画面にあった個別会計選択ボタン612fが設けられていない点において異なっている。個別精算画面では、現金による支払いが可能な状態となっており、紙幣または硬貨を投入することで、各種支払処理(S300)が開始される。
図9は、自動精算機6における各種支払処理(S300)のフロー図である。この各種支払処理は、個別精算のみならず、図8の精算処理のフロー図中、個別精算の指定がない場合(S204:No)、すなわち、全精算においても行われる処理である。
各種支払処理(S300)が開始されると、支払方法が確認される。本実施形態では、現金による支払いがデフォルトとなっており、現金(紙幣または硬貨)を紙幣出入口62d、もしくは、硬貨入口62cに投入することで、現金による支払いが開始される(S301:Yes)。現金による支払いの場合、投入された現金が、支払い金額を超えた時点で、現金の投入完了(S302:Yes)と判断される。つり銭がある場合(S303:Yes)には、紙幣出入口62d、もしくは、硬貨出口62eからつり銭が返却される(S304)。そして、レシートプリンタ63により、支払いに関するレシートが印刷され、レシート取出口62bから排出される(S318)。
一方、支払方法として、クレジットカードが選択された場合(S306:クレジットカード)、自動精算機6のタッチパネルモニタ61には、カード出入口62aにクレジットカードの挿入を促すカード挿入画面(図示せず)が表示される(S307)。ユーザによりクレジットカードが挿入される(S308:Yes)と、タッチパネルモニタ61には、テンキー72に暗証番号の入力を促す暗証番号入力画面(図示せず)が表示される(S309)。ユーザにより暗証番号が入力された場合(S310:Yes)、自動精算機6は、決済サーバ81に対して、暗証番号の適否、及び、支払いの可否について、問い合わせを行う。その後、カード出入口62aからクレジットカードが排出される(S312)。
決済サーバ81からの返信により、支払いが完了したことが通知された場合(S313:Yes)、精算情報中、支払いを終えた注文情報の精算フラグが支払い済みに変更(S318)され、支払いに関するレシートが印刷される(S319)。一方、支払いが完了しなかった場合(S313:No)、クレジットカードの排出、並びに、カード挿入画面の表示(S307)等のエラー処理が実行される。
また、支払方法として、電子マネーが選択された場合(S306:電子マネー)、自動精算機6のタッチパネルモニタ61には、近距離無線通信部74の位置にユーザが所持する携帯端末をかざす旨等を指示するコード受信画面が表示される(S314)。ユーザの携帯端末から、電子マネーによる支払いに関するコード情報が受信された場合(S315:Yes)、自動精算機6は、電子マネー管理サーバ82に対して、支払いの可否について、問い合わせを行う。電子マネーによる支払いが完了した場合(S317:Yes)、精算情報中、支払いを終えた注文情報の精算フラグが支払い済みに変更(S318)され、支払いに関するレシートが印刷される(S319)。一方、支払いが完了しなかった場合(S317:No)、コード受信画面の表示(S314)等のエラー処理が実行される。なお、電子マネーによる支払方法としては、ユーザの携帯端末と近距離無線通信を行う形態のみならず、ユーザの携帯端末に表示されたコード情報(例えば、2次元バーコードとしてのQRコード(登録商標))を読み取ることが考えられる。また、携帯端末に代え、ICカードを使用する形態を採用してもよい。
図8に示される精算処理のフロー図に戻り、個別精算時における各種支払処理(S300)が完了すると、精算情報中、未精算の商品が残っているか否かが判定される(S209)。未精算の商品が残っていない、すなわち、全ての商品の支払いが完了している場合(S209:No)、精算処理の先頭に戻り、自動精算機6は、図11の初期画面を表示して、次の精算に備える。一方、未精算の商品が残っている場合(S206:Yes)、精算商品選択画面が表示される(S206)。この精算商品選択画面では、未精算の商品のみが選択できる画面となっている。
図16に示される精算商品選択画面は、図14の精算商品選択画面で商品を選択し、図15の個別精算画面で支払いを終えた場合の画面である。支払いを終えた商品に該当する商品選択ボタン613dは、グレイアウトされるとともに、「会計済み」の表記が施されて、選択できない状態となっている。図16中、上から2番目に表示された商品選択ボタン613d(メニューA)と、5番目に表示された商品選択ボタン613d(Hコーヒー)がグレイアウトされた状態となっている。
ユーザは、グレイアウトしていない商品選択ボタン613dから支払い対象となる商品を選択し、確定ボタン613eを操作することで、個別精算を行うことが可能となっている。また、精算商品選択画面の右下に表示されている取り消しボタン612gが操作された場合(S207:Yes)、精算処理を終了し、自動精算機6は、図11の初期画面を表示して、次の精算に備える。このように、本実施形態の自動精算機6は、未精算の商品が残っている場合であっても精算処理を終了することが可能である。例えば、複数人で来店した場合、食事を早く終えた1人の客が精算を終えて退店したい場合がある。このように残る客が食事途中であっても、食事を早く終えた客は、自分の料金を自動精算機6で支払って退店することが可能である。そして、残る客は、後から自動精算機6での支払いを行うことが可能である。その場合、精算情報中、精算フラグが支払い済みとなっていない商品が支払い対象となる。
このように本実施形態の自動精算機6は、伝票18に関する支払い、すなわち、1つの精算情報に関する支払いについて、複数回にわたる個別精算が可能となっており、例えば、飲食を行ったユーザが各自支払うことが可能となっている。また、個別精算は、一度の精算処理のみならず、複数回での精算処理で行うことが可能となっているため、途中退席するユーザのみが支払いを終えて退店することが可能となっている。
このように、本実施形態の自動精算機6は、個別精算を可能とすることで、ユーザの支払いの利便性向上が図られている。ところで、このような個別精算を可能とする自動精算機6では、一部商品が未払いのまま退店されても店舗の従業者が、それに気付かないことが考えられる。そのため、本実施形態の自動精算機6を含む自動精算システムは、精算が完了している、あるいは、完了していないことを従業者に認識させる構成を備えている。
図6のメイン処理に戻り、オーダ処理(S102)と精算処理(S200)が継続して実行される中、精算処理(S200)により、注文した商品の支払いが全て完了(S103:Yes)ことを条件としてバッシング期間(S104)となる。ここで、バッシングとは、従業者に対して、顧客であるユーザが使用したテーブルの片付け、清掃を行い、次のユーザの来店に備えることであり、バッシング期間とは、対象となるテーブルの片付け、清掃が可能となってから、バッシングが終了するまでの期間のことをいう。
バッシング期間においては、例えば、注文端末3において、注文の受付(オーダ処理(S102))を停止し、タッチパネルモニタ32の表示を「ありがとうございました」等、ユーザに対するメッセージを表示する。あるいは、タッチパネルモニタ32には、従業者を対象として「清掃を行って下さい」というメッセージを表示することとしてもよい。タッチパネルモニタ32の表示が、バッシング期間であることを確認した従業者は、テーブルの片付け、清掃を行い、次のユーザの来店に備える。バッシングを終えた従業者は、注文端末3に対して所定の操作を行うことで、バッシング終了を入力する。バッシング終了が入力された場合(S105:Yes)、テーブルは次のユーザ(顧客)の着席可能な状態となる。
このように、本実施形態では、自動精算機6において、注文した商品の支払いが全て完了することを条件として、従業者に対し、テーブルがバッシング期間となっていることが通知される。したがって、例えば、商品の支払いが全て完了せずに顧客が退店した場合、当該顧客が使用したテーブルは、バッシング期間の状態となっていないため、従業者は顧客の未払いにいち早く気付くことが可能となる。
なお、本実施形態では、バッシング期間の通知を、注文端末3に対する表示で行うこととしているが、バッシング期間の通知は、注文端末3のみならず、従業者が所持するハンディターミナル9、あるいは、管理コンピュータ1に表示することとしてもよい。ハンディターミナル9、あるいは、管理コンピュータ1に表示する場合、テーブル番号等のテーブル識別情報、あるいは、テーブルのレイアウトと共に、バッシング期間か否か通知されることになる。また、バッシング終了の入力についても、注文端末3で行う形態に代え、ハンディターミナル9、あるいは、管理コンピュータ1で入力する形態とすることも可能である。
以上、本実施形態の自動精算機6、もしくは、自動精算機6を含んで構成される自動精算システムによれば、食事を終えた後、飲食した商品の支払いを行うことが可能である。更に、飲食した商品の一部を指定した支払が可能となっており、複数人で来店した顧客が個別精算を行うことも可能である。特に、精算処理は、個別精算が行われ、一部、未払いの商品が残っている場合でも中止することが可能となっている。したがって、グループ中の一部顧客が途中退席する際、自己の支払を終えて退店することも容易となっている。
本実施形態の自動精算機6、もしくは、自動精算機6を含んで構成される自動精算システムは、上述する形態の他、各種変形例を採用することが可能である。以下に変形例について説明する。
(変形例1)
飲食店においては、紙のクーポン、もしくは、スマートフォン等の携帯端末に表示されるクーポンを提示することで、商品の代金の減額、あるいは、商品の提供を受けるサービスが行われている。本実施形態の自動精算システムにおいても、このようなクーポンを使用できるようにしてもよい。
前述の実施形態では、図11の初期画面に「クーポン情報をお持ちの方は、先に呼び出しボタンを押してください。」と表示されており、従業員を呼び出すことでクーポンを使用することが可能となっている。ユーザ(顧客)は、精算処理を行う前に、呼び出しボタン611bを操作することで、従業者を呼び出し、クーポンの提示を行う。クーポンを確認した従業者は、クーポン情報を管理コンピュータ1、あるいは、ハンディターミナル9a、9bに入力する。本実施形態では、店舗内に2台の自動精算機6a、6bが設けられているため、クーポン情報の適用対象となる自動精算機6a、6bも併せて指定入力される。
なお、クーポン情報の利用は、管理コンピュータ1、あるいは、ハンディターミナル9a、9bの入力に代え、クーポンの利用対象となる自動精算機6a、6bを直接、操作することとしてもよい。例えば、従業員側で、クーポンに対応し、クーポン情報を含んだコード情報(例えば、2次元バーコード)を所持しておく。顧客からクーポンが提示された場合、クーポンに対応するコード情報を自動精算機6a、6bのスキャナ73で読み取らせることで、クーポン情報による減額等を反映させることが可能となる。
クーポン情報の使用が指定された自動精算機6a、6bで実行される精算処理においては、クーポン情報に対応する商品の代金が減額される、あるいは、商品を無償提供(0円への減額)される。なお、前述の実施形態では、個別精算を行うことが可能となっており、1つの精算情報について、複数回の個別精算を行うことが可能となっている。そのため、クーポン情報については、(1)クーポン情報が提示された場合、それ以降の個別精算にクーポン情報を適用する、(2)クーポン情報が提示された場合、その回のみの個別精算にクーポン情報を適用する、ことが考えられる。(1)、(2)のどちらとするかは、予め設定されている、あるいは、クーポン情報の種別に応じて変更されることが考えられる。
また、本実施形態では、従業者がクーポン情報を入力することとしているが、精算処理時、支払を行う前に、ユーザが自動精算機6にクーポン情報を入力してもよい。その場合、スキャナ73を使用して、紙に記載、もしくは携帯端末に表示されたクーポン情報を入力させる、あるいは、近距離無線通信部74を使用して、ユーザの携帯端末からクーポン情報が入力されることが考えられる。あるいは、テンキー72を使用してクーポン情報(複数桁の数字)が入力されることとしてもよい。このように自動精算機6にクーポン情報が入力される形態においても、上述する(1)、(2)の形態の何れかに設定されている、あるいは、クーポン情報の種別に応じて変更されることが考えられる。
(変形例2)
複数人のグループで来店した場合、支払を割り勘で行うことがある。前述した自動精算機6においては、全精算、個別精算の何れかを選択することとしているが、割り勘機能を選択可能としてもよい。割り勘機能を使用する場合、ユーザは、タッチパネルモニタ61を使用して、割り勘機能の使用を選択した後、割り勘を行う人数を指定入力する。そして、指定した人数の回数にわたって、図9の各種支払処理が実行され、各人の支払が行われる。この割り勘機能においても、各人は、現金、クレジットカード、電子カード等、各種支払方法を選択して支払うことが可能である。
また、割り勘機能が設けられた自動精算機6では、個別精算と同様、1回の各種支払処理を終了する毎に、精算処理を終了することが可能である。そのため、以下のような事例において有効である。居酒屋形態の飲食店において、3人のグループで19時に来店し、20時に1人が退店する場合を考えてみる。20時までの合計支払額が3,000円である場合、退店する1人は、割り勘機能を使用して、自己の負担分3,000円/3=1,000円を自動精算機で支払って退店する。一方、残る2人は、21時の退店までに追加で2,000円の注文を行ったとする。その場合、残る合計支払額は、4,000円となる。退店する際、2人は各自の負担分4,000円/2=2,000円を、自動精算機6を使用して支払い、退店する。
このように、本実施実施形態の自動精算機6では、個別精算と同様、1回の各種支払処理を終了する毎に、精算処理を終了することが可能であるため、居酒屋などで途中退席する場合、それまでの合計支払額を割り勘することが可能となり、後日、自己の負担分を支払う必要ない。また、飲み会に参加した分のみを割り勘できるため、公平に支払うことも可能となる。
なお、上述した割り勘機能では、ユーザが割り勘を行う人数を指定入力しているが、精算情報に含まれる顧客人数を使用してもよい。その場合、途中退席した場合には、途中退席した人数を減算して割り勘が行われることになる。また、ユーザが割り勘を行う人数を入力する場合についても、精算情報に含まれる顧客人数を上限として入力可能としてもよい。例えば、3人で来店した場合、割り勘を行う人数を10人と入力する等、不正な割り勘を行うことを抑制することが可能となる。
なお、前述した個別精算を行うことができる実施形態に対し、変形例2で説明した割り勘機能を追加しても良いし、個別精算機能を有していない自動精算機6に、この変形例2で説明した割り勘機能を設ける形態も考えられる。
(変形例3)
自動精算機6で行われる個別精算では、1の個別精算が行われ、未払いの商品が残っていた場合であっても、ユーザにより取消ボタン612g(例えば、図16に記載のもの)を操作することが可能であった。その場合、個別精算を行ったユーザは伝票18を持参することとなり、再度、テーブルに戻すことは考えにくい。したがって、テーブルには伝票18が残されていないことになる。したがって、従業者に対して伝票18を再度、持ってくるように依頼することになる。このような状況を考慮し、一部の個別精算が行われ、未精算の商品が残った状態で精算処理が終了した場合、管理コンピュータ1でレシートプリンタ16に対し、当該テーブルの伝票18を印字させることとしてもよい。従業者は、印字された伝票18をテーブルに持って行くことで、残るユーザは、伝票18の再度発行依頼を行う必要が無い。
以上、本発明に係る発明について、各種実施形態について説明を行ったが、本発明はこれら各種実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの各種実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した形態も本発明の範疇となるものである。