JP2018180897A - 商品販売データ処理システム及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
複数台のPOSレジスタを設置すれば、設置台数に応じた客捌きの効率の向上は図られるものの、1台ごとのPOSレジスタにおいて、顧客ごとに順次商品の登録、精算、袋詰め作業等が行われることに変わりはなく、客捌きの効率の向上には限界がある。
以下、本実施形態のPOSシステム(商品販売データ処理システムの一例)について説明する。本実施形態のPOSシステムが設置される店舗の業態について特に限定されるものではないが、以降においては、本実施形態のPOSシステムがコンビニエンスストアに備えられる場合を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態のPOSシステムにおけるPOSレジスタの設置例を示している。同図では、カウンタCTに対して3台のPOSレジスタ1−1、1−2、1−3が配置された例が示されている。以降の説明において、POSレジスタ1−1、1−2、1−3について特に区別しない場合には、POSレジスタ1と記載する。本実施形態において、POSレジスタ1の設置数は、2台以上であれば特に限定されるものではない。
同図は、カウンタCTに設置された3台のPOSレジスタ1を、顧客側の立ち位置側からみた図である。店員の立ち位置は、同図からみてカウンタの後側となる。店員と顧客とは、ほぼPOSレジスタ1を挟んで対向するような位置関係となる。
なお、以降においては、カウンタCTに設置されたPOSレジスタ1に対する顧客の立ち位置側(顧客側)を前側とし、店員の立ち位置側(店員側)を後側として説明する場合がある。
図2は、図1におけるPOSレジスタ1−2、1−3に該当するPOSレジスタ1の外観を顧客側からみた図である。POSレジスタ1のメイン表示部10は、表示面が顧客側を向いた状態と、店員側を向いた状態との間で向きを変えることができるようになっている。図2は、メイン表示部10の表示面が顧客側を向いた状態である。図3は、メイン表示部10の表示面が店員側を向いた状態のPOSレジスタ1の外観を店員側からみた図である。
紙幣投入排出口41は、預かり金として入金される紙幣の投入を受け付けるとともに、釣銭としての紙幣の排出、入金取り消しに応じた紙幣の排出を行う部位である。
硬貨投入口42は、預かり金として入金される硬貨の投入を受け付ける部位である。
釣銭排出口43は、釣銭のうちの硬貨を排出する部位である。
硬貨返却口44は、入金取り消し等に応じた硬貨の排出を行う部位である。
前述のように、メイン表示部10は、表示面が顧客側を向いた状態と、店員側を向いた状態との間で向きを変更することができる。
本実施形態の運用では、POSレジスタ1は、以下の2つのいずれかの会計処理モードにより使用される。1つは、店員が顧客と対面して商品登録の操作を行い、顧客が釣銭機40を使用して精算を行うようにして使用される対面接客モードである。もう1つは、店員は登録を行わず、顧客が対面接客モードのPOSレジスタ1にて登録を受けた商品に応じた精算を行うようにして使用される顧客精算モードである。顧客精算モードのPOSレジスタ1の場合、操作を担当する店員はいなくともよい。
図1の例では、3台のPOSレジスタ1のうち、POSレジスタ1−1が対面接客モードとされ、メイン表示部10の表示面が店員側に向けられている。そして、残る2台のPOSレジスタ1−2、1−3が顧客精算モードとされ、メイン表示部10の表示面が顧客側に向けられている。
スキャナ30は、上記のように商品に付されたバーコードを読み取る。店員は、商品登録操作として、顧客の買上商品に付されたバーコードをスキャナ30により読み取らせる操作を行うことができる。POSレジスタ1は、スキャナ30が読み取ったバーコードに基づくコードデータを利用して商品登録を実行することができる。即ち、POSレジスタ1は、スキャナ30によって読み取られたバーコードから取得されたコードデータを商品マスタなどのデータと照合して商品名、価格などを特定し、特定した商品名、価格などを利用して商品登録の処理を実行する。
紙幣投入排出口41は、預かり金として入金される紙幣の投入を受け付けるとともに、釣銭としての紙幣の排出、入金取り消しに応じた紙幣の排出を行う部位である。
硬貨投入口42は、預かり金として入金される硬貨の投入を受け付ける部位である。
釣銭排出口43は、釣銭のうちの硬貨を排出する部位である。
硬貨返却口44は、入金取り消し等に応じた硬貨の排出を行う部位である。
なお、紙幣投入排出口41、硬貨投入口42、釣銭排出口43、及び硬貨返却口44の付近においてLED等によるランプを設け、貨幣の投入や貨幣の排出などに際してランプを所定の態様により点灯させることで、顧客の貨幣の投入や受け取り等の操作に関する案内を行ってもよい。
図1、図2に示されるように、プリンタ60は、精算を行う顧客がレシートを受け取りやすいように、釣銭機40の近傍にて、レシート排出口が精算を行う顧客側に向けられた状態で筐体80の上面部に置かれるようにして配置される。同図のプリンタ60は、筐体80の上面部に置かれた状態であって特に固定されていない例を示しているが、筐体80の上面部、あるいは、カウンタCTの上面に対して固定されるように設けられてもよい。
なお、プリンタ60は、例えばクーポン、取引履歴(ジャーナル)など、レシート以外の内容を用紙に印刷して出力してもよい。
なお、本実施形態のPOSレジスタ1としては、例えばクレジットカード、プリペイドカード、品券などの使用による支払いに対応した精算処理が可能なように構成されてよい。ただし、以下においては説明を簡単にすることの便宜上、現金での支払いが行われる場合を例に挙げる。
前述のように、本実施形態においては、POSレジスタ1−1が対面接客モードに設定され、POSレジスタ1−2、1−3、1−4が顧客精算モードに設定される。このようなモードの設定に応じて、店員Sが操作可能なPOSレジスタ1は、POSレジスタ1−1〜1−4のうち、POSレジスタ1−1である。そこで、この場合には、1名の店員Sが、カウンタCTの後ろ側においてPOSレジスタ1−1に対応する位置を基本的な立ち位置として顧客に応対する。
顧客C1は、自分の購入しようとする商品を店員Sに手渡す。店員Sは、商品を受け取ると、POSレジスタ1−1のメイン表示部10やキーボード部20(図1、図2)、スキャナ30などを操作して、商品の登録を行う、店員は、全ての商品を登録する操作を終えると、例えば小計操作を行う。POSレジスタ1−1は、小計操作に応じて今回の取引に応じた商品登録処理を完了し、登録された商品の合計金額(即ち、代金)を確定する。
ボタンエリアAR1は、商品の品目ごとに対応付けられたボタンや、所定の操作モードを指定するボタンなどが配置される領域である。
この場合の登録項目エリアAR2には、精算カードのバーコードの読み取りに応じて登録された商品が反映される。
ステイタスエリアAR11、AR12、AR13は、それぞれ、店舗に設置された他のPOSレジスタ1である、POSレジスタ1−2、1−3、1−4の状態を示す表示が行われる領域である。
同図においては、POSレジスタ1−2、1−3が休止状態であり、POSレジスタ1−4が使用中であることが示されている。ここで、使用中の状態にあるPOSレジスタ1−4のステイタスエリアAR13については、例えばグレーアウトなどの態様によって精算移転先としての選択が不可、あるいは適切でないことを示す表示が行われてよい。あるいは、使用中の状態にあるPOSレジスタ1−4のステイタスエリアAR13については、表示されないようにしてもよい。
ここでは、顧客C1に対応する取引の商品登録処理が開始された段階で先客の取引に対応する精算処理は実行されていなかった。このため、顧客C1は、例えば店員Sに商品を登録してもらっている間に、代金支払いのためにPOSレジスタ1−1の釣銭機40に現金を投入していく入金操作を行うことができる。
そして、顧客C1に対応する商品登録処理が完了すると、POSレジスタ1−1は、精算処理のもと、現時点での入金操作に応じた入金金額が代金以上となっているか否かについて判定する。ここで、現時点での入金金額が代金以上に達していれば、POSレジスタ1−1は、例えば釣銭を算出し、釣銭のある場合には釣銭の排出を行ったうえで、例えばプリンタ60によりレシートを発行させる。
そこで、店員Sは、顧客C1には引き続き精算の操作を行ってもらいながら、次の顧客C2に声を掛けて、矢印Y1に示すように顧客C2にカウンタCTのPOSレジスタ1−1の前からみて左側のスペースにまで来てもらう。そして、店員Sは、顧客C2から商品を受け取り、POSレジスタ1−1に対する商品登録操作を開始する。これにより、POSレジスタ1−1においては、顧客C1の取引に応じた精算処理と、次の顧客C2の取引に応じた商品登録処理とを並行して実行する状態となる。
このように、1つの取引に対応する商品登録処理が完了したタイミングで、他の取引に対応する精算処理が完了していない場合、POSレジスタ1−1は、他の取引に対応する精算処理を、例えば以下のように顧客精算モードのPOSレジスタ1に実行させることができる。以降において、このように顧客精算モードのPOSレジスタ1に精算処理を実行させることについては、精算移転ともいう。
POSレジスタ1−1は、店員Sに向けて、今回完了した商品登録処理に対応する精算処理(即ち、顧客C2に対応の取引の精算処理)の精算移転を行うか否かを確認する精算移転確認ダイアログをメイン表示部10に表示させる。店員Sは、現在の顧客C1、C2を含む店舗内の状況をみて、顧客C2に対応の取引の精算処理について精算移転を行うか否かを判断し、精算移転確認ダイアログに対して、精算移転の実行とキャンセルとのいずれかを指定する操作を行う。
精算移転の実行をキャンセルする操作が行われた場合、POSレジスタ1−1は、実行中の顧客C1の取引に対応する精算処理が完了するのを待機し、精算処理が完了すると、顧客C2の取引に対応する精算処理を開始する。この場合、店員Sは、顧客C2に顧客C1の精算が完了するまでその場で待ってもらい、顧客C1の精算が完了してPOSレジスタ1−1から離れたら、引き続き顧客C2にPOSレジスタ1−1にて精算を行ってもらう。この場合、顧客C1の精算が完了した後は、客用表示部50には、顧客C2の取引に対応した精算の案内画面が表示される。顧客C2は表示された案内を見ながら精算の操作を行っていくことができる。
POSレジスタ1−1は、上記の精算移転先の候補についての選択結果が反映された精算移転先選択画面を、例えば商品登録画面に重畳させるように表示する。
図6は、精算移転先選択画面WD1の一例を示している。同図の精算移転先選択画面WD1は、商品登録画面に重畳するウィンドウ画面として表示されている。同図の精算移転先選択画面WD1は、精算移転先の候補として選択されたPOSレジスタ1−2、1−3のうち、いずれのPOSレジスタ1に精算移転を行うべきかを店員Sが選択する操作が行われる画面である。
ここで、使用中の状態にあるPOSレジスタ1−4に対応の選択ボタンBT23は、例えばグレーアウトなどの表示により、操作が不可であることが示されている。なお、POSレジスタ1−4に対応の選択ボタンBT23については、表示されないようにしてもよい。
精算移転先を選択する操作が行われたことに応じて、POSレジスタ1−1は、選択されたPOSレジスタ1(POSレジスタ1−2またはPOSレジスタ1−3)に対して、精算処理を指示する精算指示情報を送信(出力)する。
顧客精算モードが設定されたPOSレジスタ1は、精算処理を実行せずに精算指示情報の受信を待機している状態では、前述のように休止状態となっている。休止状態は、扱者が未登録の状態である。本実施形態のPOSレジスタ1は、扱者が登録されなければ、会計処理(商品登録処理、精算処理)等の業務に関連する各種処理を実行できないようになっている。つまり、休止モードは、扱者が未登録とされていることで、業務に関連する各種処理が実行不可の状態である。
そこで、POSレジスタ1−2は、POSレジスタ1−1から送信された精算指示情報の受信に応じて、休止状態から復帰し顧客精算モードで起動する。顧客精算モードの起動の際、POSレジスタ1−2は、受信された精算指示情報に含まれる店員識別子を扱者として登録する。つまり、顧客精算モードのPOSレジスタ1が精算処理を実行する際の扱者は、対象の精算処理に対応する商品登録処理が実行されたPOSレジスタ1に登録された扱者と同じとなる。
つまり、この場合には、対面接客モードのPOSレジスタ1は、精算移転を行わず、現時点で自機により処理すべきことが指定されている1以上の取引ごとの精算処理が完了するのを待って、今回の商品登録処理に対応する精算処理を実行させればよい。
あるいは、対面接客モードのPOSレジスタ1は、現在において休止状態の顧客精算モードのPOSレジスタ1がない旨のメッセージをメイン表示部10に表示する。そのうえで、対面接客モードのPOSレジスタ1は、例えば、精算処理を実行させるPOSレジスタ1として自機と全ての顧客精算モードのPOSレジスタ1のうちからいずれかを店員に選択させるPOSレジスタ選択画面を表示させる。店員は、現在の状況をみて、例えば最も早く精算が終わりそうであると予想されるPOSレジスタ1を選択する操作をPOSレジスタ選択画面に対して行う。店員は、当該操作を行うと、対応の顧客に、自分が選択操作を行ったPOSレジスタ1にて精算を行ってもらうことを伝える。顧客は、選択されたPOSレジスタ1にて自分の精算の順番が来るのを待って精算を行う。
また、例えば精算移転先選択画面WD1を表示することなく精算移転が実行されてもよい。例えば、前客の精算処理が完了しておらず、他のPOSレジスタ1のうちで休止状態にあるPOSレジスタ1が1つのみである場合には、候補となるPOSレジスタ1は1つである。そこで、このような場合には、精算移転先選択画面WD1を表示することなく、休止状態にある1つのPOSレジスタ1に精算指示情報を送信してもよい。
また、例えば商品登録画面(図5)におけるステイタスエリアAR11、AR12、AR13をボタンとして配置し、ステイタスエリアAR11、AR12、AR13としてのボタンに対する操作によって、精算移転先を指定できるようにしてもよい。この場合にも、精算移転先選択画面WD1を表示することなく精算移転を実行できる。
CPU71は、記憶部72に記憶されるプログラムを実行することにより、POSレジスタ1としての各種機能を実現するための制御を実行する。
記憶部72は、CPU71に対応する補助記憶装置であり、CPU71が利用する各種の情報を記憶する。
RAM73は、CPU71に対応する主記憶装置であり、CPU71が処理を実行する際の作業領域として利用される。
また、入出力部74がメイン表示部10と接続されることで、CPU71は、メイン表示部10に対して行われた操作に応じた操作信号を入力し、操作に応答した所定の処理を実行し、メイン表示部10に対する表示制御を実行することができる。
また、入出力部74が客用表示部50と接続されることで、CPU71は、客用表示部50に対する表示制御を実行することができる。
また、入出力部74がプリンタ60と接続されることで、CPU71は、プリンタ60に対してレシート発行の制御を実行することができる。また、入出力部74がスキャナ30と接続されることで、CPU71は、スキャナ30により読み取られたバーコードに対応するコードデータを入力することができる。
また、制御部70は、メイン表示部10、キーボード部20、スキャナ30、釣銭機40、客用表示部50、プリンタ60などの各デバイスとケーブルを介して通信可能に接続される。なお、各デバイスとのうちの少なくともいずれか1つと制御部70との通信は、ケーブルに代えて無線によって行われるようにされてもよい。
ステップS101:対面接客モードのPOSレジスタ1は、商品登録処理を開始すると、一取引に対応する商品登録処理が完了するのを待機する。
ステップS102:商品登録処理が完了すると、対面接客モードのPOSレジスタ1は、自機が精算処理を実行中であるか否かについて判定する。
このために、対面接客モードのPOSレジスタ1は、前述のように、メイン表示部10に精算移転確認ダイアログを表示させる。精算移転確認ダイアログに対して精算移転の実行を指定する操作が行われたのであれば、対面接客モードのPOSレジスタ1は、精算移転指示が得られたと判定する。一方、精算移転確認ダイアログに対して精算移転をキャンセルする操作が行われたのであれば、対面接客モードのPOSレジスタ1は、精算移転指示が得られなかったと判定する。
ステップS106:対面接客モードのPOSレジスタ1は、ステップS105により選択された顧客精算モードのPOSレジスタ1に対して精算指示情報を送信する。前述のように、精算指示情報には、精算情報と対面接客モードのPOSレジスタ1の扱者として登録された店員の店員識別子とが含まれる。ステップS106の処理が実行された後は、同図の処理が終了される。
ステップS201:また、顧客精算モードのPOSレジスタ1は、休止状態のもとで、対面接客モードのPOSレジスタ1からステップS106により送信される精算指示情報が受信されるのを待機している。
ステップS202:精算指示情報が受信されると、顧客精算モードのPOSレジスタ1は、受信された精算指示情報に含まれている店員識別子により扱者登録を行う。
ステップS203:また、顧客精算モードのPOSレジスタ1は、これまでの休止状態を解除し、顧客精算モードにより起動する。
ステップS204:顧客精算モードにより起動した顧客精算モードのPOSレジスタ1は、精算処理を開始する。
ステップS205:顧客精算モードのPOSレジスタ1は、精算処理が終了するのを待機する。
ステップS206:顧客精算モードのPOSレジスタ1は、精算処理が終了すると、休止状態を設定し、同図の処理を終了する。
図9(A)は、図4の事例のように顧客C2に対応する取引の会計処理として、対面接客モードのPOSレジスタ1−1により商品登録を行い、精算処理については精算移転により顧客精算モードのPOSレジスタ1−2にて行った場合のレシートの一例を示している。同図のレシートは、精算処理の完了に応じてPOSレジスタ1−2から発行される。
また、図9(B)は、図9(A)との比較として、図9(A)と同じ顧客C2に対応する取引の会計処理として、対面接客モードのPOSレジスタ1−1のみにより、商品登録処理及び精算処理を行ったとした場合のレシートの一例を示している。ここでは、図9(A)の場合と図9(B)の場合とで、対面接客モードのPOSレジスタ1の扱者としての店員は同じである場合を例に挙げる。
図9(A)のレシートにおいては、会計情報エリアAR31、登録レジ番号エリアAR32、精算レジ番号エリアAR33及び扱者エリアAR34が配置されている。会計情報エリアAR31には、会計処理の結果として、商品登録処理によって登録された商品の内訳、点数、小計金額、合計金額、預かり金、釣銭の金額等が印刷されている。
登録レジ番号エリアAR32には、商品登録処理を実行したPOSレジスタに割り当てられたレジ番号が印刷される。この場合には、対面接客モードのPOSレジスタ1−1が商品登録処理を実行している。このため、登録レジ番号エリアAR32には、対面接客モードのPOSレジスタ1−1に割り当てられたレジ番号が印刷されている。具体的に、同図においては、POSレジスタ1−1のレジ番号として「#001」が印刷された例が示されている。
精算レジ番号エリアAR33には、精算処理を実行したPOSレジスタに割り当てられたレジ番号が印刷される。この場合には、精算移転先の顧客精算モードのPOSレジスタ1−2が精算処理を実行している。このため、精算レジ番号エリアAR33には、精算移転先の顧客精算モードのPOSレジスタ1−2に割り当てられたレジ番号が印刷されている。具体的に、同図においては、POSレジスタ1−2のレジ番号として「#002」が印刷された例が示されている。
扱者エリアAR34には、扱者として登録された店員を示すエリアであって、扱者として登録された店員の名称あるいは番号等による店員情報が印刷される。この場合には、図8のステップS202の扱者登録によって登録された店員識別子、即ち、対面接客モードのPOSレジスタ1と同じ扱者としての店員識別子に対応する店員情報が印刷されている。
また、図9(B)のレシートにも、会計情報エリアAR31、登録レジ番号エリアAR32、精算レジ番号エリアAR33及び扱者エリアAR34が配置される。
同図の会計情報エリアAR31において印刷される内容は、図9(A)と同様である。
また、同図の登録レジ番号エリアAR32と同図の精算レジ番号エリアAR33とにおいては、商品登録処理と精算処理とがPOSレジスタ1−1にて行われていることに応じて、いずれも同じ「#001」が印刷される。
また、同図の扱者エリアAR34においては、対面接客モードのPOSレジスタ1の扱者として登録された店員識別子に対応する店員情報が印刷されている。
このように、図9(A)のレシートと図9(B)のレシートとでは、会計情報エリアAR31と登録レジ番号エリアAR32と扱者エリアAR34とにおいては同じ内容が印刷されるが、精算レジ番号エリアAR33においては、異なる内容が印刷されることになる。
続いて、本実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態においては、商品登録処理が完了したタイミングで精算処理が実行中であった場合、まず、精算移転確認ダイアログに対する操作に応じて精算移転の指示の有無が確認され、精算移転の指示が得られると、精算移転先選択画面に対する操作に応じて精算移転先のPOSレジスタ1が指定されていた。つまり、上記実施形態においては、精算移転の実行の要否と、精算移転先のPOSレジスタ1とについて、店員の操作に応じて決定されていた。
しかしながら、商品登録処理が完了したタイミングで精算処理が実行中であった場合には、精算移転の実行の要否を確認する操作によることなく、精算移転を行ってよい。さらに、精算移転先のPOSレジスタ1についても、店員の選択操作によることなく、例えば予め定められた規則(一例として、対面接客モードのPOSレジスタ1から近い顧客精算モードのPOSレジスタ1を優先する)や顧客精算モードのPOSレジスタ1の状態等に応じて、対面接客モードのPOSレジスタ1が決定するようにしてよい。
上記実施形態においては、精算移転にあたり、対面接客モードのPOSレジスタ1において商品登録処理が完了してから、顧客が顧客精算モードのPOSレジスタ1に移動して精算処理を開始するようにされていた。
しかしながら、例えば、精算移転による精算指示情報の送信が行われるよりも前の段階、即ち、対面接客モードのPOSレジスタ1において商品登録処理が行われている間に、顧客精算モードのPOSレジスタ1にて顧客が支払いのための預かり金の投入の操作が行えるようにしてよい。この場合には、例えば顧客が休止状態のPOSレジスタ1にて預かり金の投入に関連する操作を開始したことに応じて、POSレジスタ1が休止状態から起動して顧客精算モードを設定する。顧客は、顧客精算モードが設定された状態で起動したPOSレジスタ1に対して預かり金としての貨幣を投入する操作を行うことができる。このように貨幣を投入する操作を受け付けている顧客精算モードのPOSレジスタ1は、精算移転による精算指示情報の受信を待機する待機モードを設定する。
そして、対面接客モードのPOSレジスタ1にて商品登録操作が完了すると、対面接客モードのPOSレジスタ1から、顧客精算モードのPOSレジスタ1に対して精算指示情報が送信される。顧客精算モードのPOSレジスタ1は、精算指示情報の受信に応じて、投入された貨幣を預かり金として扱って精算処理に移行する。
このような構成であれば、対面接客モードのPOSレジスタ1にて商品登録が完了する前の段階で、商品登録と並行して預かり金の投入が行われることから、客捌きの効率をさらに高めることができる。
ここで、例えば対面接客モードのPOSレジスタ1において精算移転先のPOSレジスタ1を選択する操作が行われる画面においては、例えば他のPOSレジスタ1のうちで、顧客により預かり金としての貨幣の投入を受け付けている顧客精算モードのPOSレジスタ1がいずれであるのかが示される表示が所定の態様により行われてよい。
あるいは、商品登録処理が完了する前の段階において、店員が対面接客モードのPOSレジスタ1に対する操作により、顧客が預かり金としての貨幣を投入している顧客精算モードのPOSレジスタ1を精算移転先として指定する操作を行えるようにしてもよい。この場合には、商品登録処理の完了に応じて、店員が対面接客モードのPOSレジスタ1に対して精算指示情報を精算移転先のPOSレジスタ1に送信させるための操作を行うようにしてよい。また、この場合には、対面接客モードのPOSレジスタ1にて商品登録処理が完了する前の段階で精算移転先としての顧客精算モードのPOSレジスタ1の指定が行われる。そこで、精算移転先として指定された顧客精算モードのPOSレジスタ1の客用表示部50、あるいは客側に向けられたメイン表示部10にて、対面接客モードのPOSレジスタ1にて商品を登録している状況を示す情報が表示されるようにしてよい。
あるいは、対面接客モードのPOSレジスタ1が、商品登録処理の完了に応じて、預かり金としての貨幣の投入を受け付けている状態の顧客精算モードのPOSレジスタ1に対して、自動的に精算指示情報を送信するようにしてもよい。
また、本実施形態のPOSレジスタ1は、店員側と顧客側とで同時並行で同じ取引に対応する商品登録が可能なように構成されてよい。この場合には、顧客側においても、顧客による商品登録の操作が可能なように、例えば客用表示部50にて商品登録に対応する操作画面が表示されてよい。また、例えば、店員側に対応して設けられるスキャナ30とは別に、顧客のためのスキャナが設けられてよい。また、メイン表示部10については例えば店員用としたうえで、メイン表示部10とは別の顧客用のメイン表示部を設け、顧客用のメイン表示部において商品登録に対応する操作画面が表示されるようにしてよい。
本変形例の場合、POSレジスタ1は、店員が行った商品登録操作と顧客が行った商品登録操作とに応じて、同じ1つの取引のもとでの商品登録処理を実行する。この場合、店員側で表示される商品登録画面と顧客側で表示される商品登録画面とにおいては、店員が行った商品登録操作と顧客が行った商品登録操作とに応じた商品登録結果が反映された画面が表示される。これにより、店員と顧客との双方で、自分が登録した商品以外にも他方の商品登録操作に応じて商品が登録されていく過程を把握できる。なお、例えば商品登録画面においては、登録された商品を表示するにあたり、店員側と顧客側とのいずれで登録された商品であるのかが識別できるように所定の態様で表示させてよい。
また、本変形例の場合の商品登録処理の終了を指示する操作(例えば小計操作等)は、店員側と顧客側との双方で行えるようにされてよい。しかしながら、例えば商品登録処理の終了に関しては、店員が最終的に確認を行ったうえで、終了させることのほうが好ましいとの考え方を採ることもできる。この場合には、商品登録処理の終了を指示する操作については、店員側のみで行えるようにしてもよい。
また、コンビニエンスストアでは、おでんの販売が行われている。現状において、おでんの販売形態としては、おでんの具が入れられた保温器から店員または顧客が容器におでんを容れ、店員が容器に容れられたおでんの具を確認して商品登録を行うようにされている。この場合、おでんを容器に容れたうえで、改めて容器の中身を確認しての商品登録操作となることから、或る程度の時間がかかってしまう。
そこで、本変形例としては、例えばPOSレジスタ1についておでんの商品登録開始を宣言する操作(おでん登録宣言操作)が可能なようにする。具体的には、おでん登録宣言操作が行われるキー(おでん登録宣言操作キー)をPOSレジスタ1に配置すればよい。おでん登録宣言操作が行われるキーは、例えば物理的に配置されるメカニカルキーであってもよいし、操作画面において表示により配置されるキーであってもよい。また、おでん登録宣言操作キーは、店員が操作可能なように店員側に設けられてもよいし、顧客が操作可能なように顧客側に設けられてもよい。
そのうえで、本変形例においては、おでんの保温器の近傍にタッチパネルが配置されている。タッチパネルは、顧客の購入対象となるおでんの具についての商品登録操作が行われる。タッチパネルには、おでんの具の種類と個数とを指定する操作が可能である。1つのPOSレジスタ1に対しておでん登録宣言操作を行った後、店員または顧客はおでんの具を容器に容れながら、容器に容れたおでんの具の種類と個数とを登録する操作をタッチパネルに対して行っていく。
上記ようにタッチパネルに対しておでんの具としての商品に関する登録が行われることに応じて、タッチパネルは、登録されたおでんの具の種類と個数とを含む登録情報を、おでん登録宣言操作の行われたPOSレジスタ1に送信する。おでん登録宣言操作の行われたPOSレジスタ1は、タッチパネルから送信された登録情報を利用して、おでんの具としての商品についての商品登録操作を実行する。
このような構成であれば、顧客の購入対象となるおでんの具が全て容器に容れられた段階で、既にこれらのおでんの具についての商品登録が完了していることになる。これにより、本変形例によっては、おでんを含む買い物に対応する商品登録に要する時間を短縮することができる。
なお、ここではおでんが商品である場合を例に挙げたが、本変形例の構成は、例えば1つの容器に複数を詰めるようにして顧客に手渡される商品等に対応して適用が可能である。
タバコや酒類等の年齢制限のある商品の販売にあたっては顧客の年齢確認が行われる。年齢確認は、顧客が、タッチパネルに表示された年齢確認用のボタンもしくはPOSレジスタ1に接続された年齢確認用の端末のボタンに対する操作として行われる。また、現状では、商品登録操作が行われ、商品登録操作により指定された商品が年齢制限の対象商品であった場合に、上記のような年齢確認操作が要求されるようになっている。そして、年齢確認操作が行われると指定された商品についての登録処理が行われる。
しかし、このように商品登録途中において年齢確認操作が要求される場合、年齢確認操作が行われなければ次の商品登録に進むことができないため、商品登録において余分な時間を要していることになる。
そこで、本変形例では、年齢制限の対象商品の登録が行われるより以前のタイミングで顧客による年齢確認操作が可能なように構成される。この場合、例えば年齢制限の対象商品について店員が商品登録を開始する前のタイミングで顧客により年齢確認操作が行われていれば、年齢制限の対象商品についての商品登録操作に応じてそのまま商品登録処理が実行される。これにより、本変形例では、購入対象の商品のなかに年齢制限の対象商品が含まれていても、年齢制限の対象商品の登録に際して処理が中断することがなくなり、商品登録に要する時間を短縮することができる。
そこで、本変形例のもとで、例えば顧客によりタバコの購入に関して年齢確認操作が行われたことに応じて、POSレジスタ1の店員向けの表示部(例えば、店員側に向けられたメイン表示部)に対して、タバコが購入されるので、タバコを用意するようにすることを店員に促す画面(商品準備報知画面)の表示が行われるようにしてよい。
図10に、商品準備報知画面の一例を示す。同図の商品準備報知画面においては、例えば「お客様により年齢確認操作が行われました」との年齢確認操作が行われたことを報知するメッセージと、「タバコの用意をお願いします」との店員にタバコの用意を促すメッセージとが表示されている。
このような表示を見ることで、店員は、年齢確認操作が顧客によって行われたことに加え、顧客がタバコを購入するつもりであることを把握でき、例えば顧客にタバコの銘柄などを先に確認して迅速にタバコを用意することができる。
しかしながら、例えば上記の年齢確認操作に準じて、スキャナによるバーコードの読み取りの操作を顧客が行えるようにしてもよい。この場合には、例えば顧客が使用するスキャナがPOSレジスタ1に設けられるようにしてよい。
また、上記実施形態において、POSレジスタ1は、対面接客モードと顧客精算モードとのいずれかにより動作するものとされていた。この場合、顧客が行えるのはいずれのモードにおいても精算のみであり、商品の登録は店員側にて行われる。しかしながら、現状においては、商品登録から精算までを顧客が行うフルセルフのPOSレジスタも普及してきており、フルセルフのPOSレジスタの扱いに慣れている顧客も多い。
このようなことを考慮して、本変形例においては、対面接客モードと顧客精算モードとに加えて、フルセルフモードによっても動作可能なようにPOSレジスタ1を構成する。この場合には、例えば顧客側でも商品登録操作が可能なように顧客が使用するスキャナが設けられてよい。
具体的に、図4の例を挙げると、本変形例におけるPOSレジスタ1−2〜1−4は、顧客精算モードとフルセルフモードとでモードを切り替えることが可能とされている。例えば、本変形例のもとでは、顧客C1の次に会計待ちをしていた顧客C2は、POSレジスタ1−2、1−3のうちのいずれか一方に赴いて、フルセルフモードのもとで、自ら商品登録から精算の操作までを行うことができる。
具体的に、顧客C2がPOSレジスタ1−2に赴いた場合を例に、顧客C2の操作例を説明する。顧客C2は、POSレジスタ1−2に赴いた際、POSレジスタ1−2について顧客精算モードとフルセルフモードとのいずれが設定されているのかについて確認する。
顧客精算モードが設定されていた場合、顧客C2は、所定の操作によってPOSレジスタ1−2を顧客精算モードからフルセルフモードに切り替える。そのうえで、顧客C2は、POSレジスタ1−2に対して、商品登録操作と精算の操作を行う。このようにして、POSレジスタ1により顧客がフルセルフモードで会計を行うことができるようにすることで、さらに客捌きの効率の向上を計ることが可能になる。
通知を受信した対面接客モードのPOSレジスタ1は、他のPOSレジスタ1にてフルセルフモードによる会計が開始された旨を店員に報知するメッセージを表示させる。
なお、この際には、フルセルフモードによる会計が開始されたPOSレジスタ1がいずれであるのかについても示されるようにするとよい。このような表示が行われることで、店員は、他のPOSレジスタ1の稼働状況を把握できる。
このように客用表示部50における表示の態様を変更することで、例えばフロアにいる店員が、POSレジスタ1ごとの客用表示部50における表示の態様を確認することで、POSレジスタ1ごとに顧客精算モードとフルセルフモードとのいずれが設定されている状態であるのかを、比較的遠くからでも容易に把握できる。
また、客用表示部50における表示の態様の変化に代えて、あるいは客用表示部50における表示の態様の変更との併用で、POSレジスタ1にランプを設け、ランプの点灯の態様を変更させるようにしてもよい。ランプの点灯の態様に関しては、例えば点灯される色、点滅パターンなどを変更することができる。
例えば、フルセルフモードによる会計に慣れていない顧客がフルセルフモードで会計を始めてしまい、商品登録で手間取るといった状況が生じる可能性がある。そこで、上記のように店員が操作を開始したことに応じて対面接客モードに切り替わるようにすることで、即座に店員が商品登録を代わることができる。この場合、POSレジスタ1について、フルセルフモードで行われていた商品登録結果を、対面接客モードに切り替わった際に引き継ぎ可能なようにすれば、別取引として会計し直すことなく、引き続いて同じ取引の会計処理として商品登録を行っていくことが可能になる。
この場合、例えば特定のPOSレジスタ1については特定のモードで固定されるように制御してもよい。一例として、図4の例のもとで、POSレジスタ1−1、1−2、1−3、1−4について、それぞれ、対面接客モード、顧客精算モード、フルセルフモードで固定されるように制御してよい。
モード切り替えを制御する外部装置としては、例えば他のPOSレジスタ1、店舗が備えるパーソナルコンピュータなどの端末、店員が所持する携帯端末などを挙げることができる。
例えば、他のPOSレジスタ1が使用中の状況のもとで、対面接客モードのPOSレジスタ1に対して店員が一取引に対応する商品登録操作を開始した。この後において、商品登録操作が終了しないうちに或るPOSレジスタ1にて会計処理が終了して休止状態となった。
上記の状況のもとで、店員は、商品登録操作を行っている取引に対応する顧客に関して、フルセルフに対応する会計が可能であるか否かについて判断する。例えば、この場合の顧客が、しばしば店舗を利用しておりフルセルフによる会計に慣れていることが分かっているような場合に、店員はフルセルフに対応する会計が可能であると判断できる。
フルセルフによる会計が可能であると判断した場合、店員は、商品登録処理が完了していない(例えば、小計操作を行っていない)段階で、休止状態となったPOSレジスタ1への精算移転を指示する操作を行う。この操作に応じて、対面接客モードのPOSレジスタ1は、これまでの商品登録処理によって登録された商品が反映された精算情報(未完精算情報)を、休止状態となったPOSレジスタ1に送信する。未完精算情報を受信したPOSレジスタ1は、休止状態からフルセルフモードで起動する。
POSレジスタ1への精算移転を指示する操作を行った店員は、登録済みの商品と、登録が済んでいない商品とを分別した状態で顧客に渡したうえで、未完精算情報の送信先のPOSレジスタ1にて、残りの商品の登録及び精算の操作を行ってもらうように伝える。
未完精算情報の送信先のPOSレジスタ1は、顧客が移動してきた段階では上記のようにフルセルフモードで起動した状態にある。そこで、顧客は、未だ商品登録が行われていない商品の登録の操作と、これに続く精算の操作とを行う。この場合には、商品の登録が完了していない段階で精算移転を行うことができることから、客捌きの効率をさらに高めることが可能になる。
また、POSレジスタ1においては、例えば1営業日の実績を集計する締め処理が行われる。本変形例のPOSレジスタ1の締め処理のもとでは、例えば、出金前の各種集計等に関連する処理に関しては、店員側に向けられたメイン表示部10の表示を伴って店員側において操作が行われる。その後、例えば客用表示部50に対する操作(例えば、パスワード入力などが行われてもよい)によって釣銭機30からの出金が行われるようにする。
締め処理などの顧客に直接関係のない操作は、できるだけ顧客側に見せないようにして行われることが好ましい。本変形例の場合であれば、出勤前の段階の締め処理に関する操作については、顧客側に見せることなく行うことが可能になる。
また、例えば本実施形態の対面接客モードのPOSレジスタ1は、取引ごとに応じて順次実行した商品登録処理によって得られた複数の取引ごとの精算情報を蓄積してよい。そのうえで、例えば対面接客モードのPOSレジスタ1に対する精算情報の送信を指示する操作あるいは所定の規則等に従って、蓄積されていた精算情報を、適宜に顧客精算モードのPOSレジスタ1に送信するようにしてよい。この場合には、必ずしも商品登録処理が行われた順に従って精算情報を送信する必要はなく、精算情報を送信する順は適宜決定されてよい。あるいは、蓄積されていた精算情報のそれぞれを、顧客精算モードのPOSレジスタ1のそれぞれに対して一斉に送信してもよい。
また、1つのPOSレジスタ1にて蓄積された複数の取引ごとの精算情報は、全てが他のPOSレジスタ1に対して出力されなくともよく、複数の取引の精算情報の一部は、例えば他のPOSレジスタ1に出力されずに、商品登録処理が行われたPOSレジスタ1にて対応の精算処理が実行されるようにしてよい。即ち、本実施形態においては、1つのPOSレジスタ1において複数の取引に応じた商品登録処理が可能とされたうえで、複数の取引に対応する精算情報のうちの少なくとも1つが他のPOSレジスタ1に対して出力するようにされていればよい。
上記実施形態において、釣銭機40の操作パネル部は顧客側(前方)に表出するように設けられている。このため、釣銭機40に対する現金の出し入れを行うような場合には、店員が顧客のいるフロア側にまわって、釣銭機40を筐体80から手前側に引き出して作業を行うことになる。
しかしながら、このような現金を扱う作業は接客とは関係がないことから、安全面なども考慮して、できるだけ顧客の目の届かないところで行われることが好ましい。
そこで、本変形例のPOSレジスタ1は、釣銭機40について、同図のように操作パネル部が顧客側(前方)を向いた状態から、店員側(後方)を向いた状態に変更可能な機構が備えられてよい。なお、このような機構は、POSレジスタ1単体の構成として設けられてもよいし、例えばカウンタCTの構造と組み合わされてもよい。
このような構成とすれば、店員は、釣銭機40の操作パネル部を店員側(後ろ側)を向くように向きを変えて、顧客の目に届きにくいところで釣銭機40に対して現金の出し入れ作業を行うことができる。
そのうえで、本変形例のPOSレジスタ1について、釣銭機40の操作パネル部の向きが顧客側と店員側とのいずれであるのかを検出できるように構成してよい。そして、POSレジスタ1は、釣銭機40が顧客側の向き(第1の向きの一例)である場合には取引に応じた処理が可能な取引対応モードを設定し、釣銭機40が店員側(第2の向きの一例)である場合には、店員が行う所定の作業に応じた作業対応モードを設定するようにしてよい。
本実施形態のPOSレジスタ1は、例えば商品登録処理を行う筐体部と、精算処理を行う筐体部とがそれぞれ個別に構成されてもよい。商品登録処理を行う筐体部は、例えば、メイン表示部10、キーボード部20、制御部70に対応する部位を備える。また、精算処理を行う筐体部は、釣銭機40、客用表示部50に対応する部位を備える。
このような構成では、例えば、商品登録処理を行う筐体部をカウンタの上に配置して、精算処理を行う筐体部をカウンタCTの天面の下側に位置するように設置してよい。そのうえで、精算処理を行う筐体部については、顧客の動線において商品登録処理を行う筐体部が設置された位置よりも下流側に設置してもよい。これにより、カウンタCTにおいて精算処理を行う筐体部の上側に対応する天面が、商品を置くことのできるスペースとなる。
上記実施形態において、顧客精算モードが設定されたPOSレジスタ1については、精算処理を実行する際の商品登録処理の実行は禁止されるようになっていた。
しかしながら、例えば会計待ちの顧客が相当に多いような場合には、できるだけ多くのPOSレジスタ1により商品登録が行えるようにすることが好ましいという側面がある。このような側面を重視した場合、顧客精算モードのPOSレジスタ1に対しても店員による商品登録操作に応じた商品登録処理が可能なようにされてもよい。
この場合、例えばメイン表示部10は店員側に向けられればよい。顧客精算モードのPOSレジスタ1により一取引の商品登録処理が完了したことに応じて得られた精算情報に応じた精算処理は、例えば、当該顧客精算モードのPOSレジスタ1にて保持させておくことで、他の取引に対応して現在実行されている精算処理の次に実行されるようにしてよい。あるいは、顧客精算モードのPOSレジスタ1により一取引に応じた商品登録処理が完了したことに応じて得られた精算情報を含む精算指示情報を、他のPOSレジスタ1に送信し、精算処理を実行させてもよい。
また、顧客精算モードのPOSレジスタ1は、例えば、精算処理以外の顧客の操作に応じた会計に関連する処理が禁止されるようにしてよい。精算処理以外の顧客の操作に応じた会計に関連する処理とは、例えば商品登録処理、一旦確定された商品登録結果に基づく精算情報についての商品の削除(返品)、追加等に応じた更新などを挙げることができる。
これにより、顧客精算モードのPOSレジスタ1については、顧客が行える操作は精算に応じた操作のみに限定される。例えば、精算以外で顧客が行う会計に関連する操作は、顧客が不慣れな場合も多く、手間取る可能性が高い。そこで、顧客が行える操作を精算のみに限定することで、顧客が顧客精算モードのPOSレジスタ1に対する操作にとまどうことが極力回避されることになり、客捌きの効率をさらに向上させることができる。
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、商品登録処理部と精算処理部とが接続されたPOSレジスタ1(商品販売データ処理装置の一例)を複数備える商品販売データ処理システムであって、商品を登録する商品登録処理を実行し、複数の取引のそれぞれに応じた商品登録処理を並行して実行可能な商品登録手段と、一取引における商品の登録に応じた精算情報に基づく精算処理を実行する精算手段と、1つのPOSレジスタ1の商品登録手段によって得られた、複数の取引の少なくともいずれか1つに対応する精算情報を、他のPOSレジスタ1に出力する出力手段とを備える商品販売データ処理システムである。
Claims (7)
- 商品登録処理部と精算処理部とが接続された商品販売データ処理装置を複数備える商品販売データ処理システムであって、
商品を登録する商品登録処理を実行し、複数の取引のそれぞれに応じた商品登録処理を並行して実行可能な商品登録手段と、
一取引における商品の登録に応じた精算情報に基づく精算処理を実行する精算手段と、
1つの商品販売データ処理装置の商品登録手段によって得られた前記複数の取引の少なくともいずれか1つに対応する精算情報を、他の商品販売データ処理装置に出力する出力手段と
を備える商品販売データ処理システム。 - 前記商品登録手段による商品の登録対象とされた前記複数の取引は、登録済みの取引と登録中の取引であり、前記出力手段は前記登録済みの取引の精算情報を出力可能である
請求項1に記載の商品販売データ処理システム。 - 前記1つの商品販売データ処理装置は、前記商品登録手段による商品登録処理と前記精算手段による精算処理とが並行して実行可能であり、
前記出力手段は、前記1つの商品販売データ処理装置にて商品登録処理が完了した際に前記精算処理の実行中である場合に、前記商品登録処理が完了された精算情報を、前記他の商品販売データ処理装置に出力する
請求項1または2に記載の商品販売データ処理システム。 - 前記出力手段は、前記他の商品販売データ処理装置のうちで、商品登録処理または顧客の操作に応じた精算処理が実行中でない状態の他の商品販売データ処理装置に精算情報を出力する
請求項1から3のいずれか一項記載の商品販売データ処理システム。 - 1つの商品販売データ処理装置から出力された精算情報を入力して精算処理を行う他の商品販売データ処理装置は、前記精算処理以外の顧客の操作に応じた会計に関連する処理を禁止する禁止手段をさらに備える
請求項1から4のいずれか一項に記載の商品販売データ処理システム。 - 前記商品販売データ処理装置は、
少なくとも第1の向きと、前記第1の向きとは異なる第2の向きとで向きの変更が可能なように設置される釣銭機をさらに備え、
前記釣銭機が第1の向きである場合には取引に応じた処理が可能な取引対応モードを設定し、前記釣銭機が第2の向きである場合には、店員が行う所定の作業に応じた作業対応モードを設定するモード設定手段をさらに備える
請求項1から5のいずれか一項に記載の商品販売データ処理システム。 - 商品登録処理部と精算処理部とが接続された商品販売データ処理装置を複数備える商品販売データ処理システムにおける前記商品販売データ処理装置としてのコンピュータを、
商品を登録する商品登録処理を実行し、複数の取引のそれぞれに応じた商品登録処理を並行して実行可能な商品登録手段、
一取引における商品の登録に応じた精算情報に基づく精算処理を実行する精算手段、
1つの商品販売データ処理装置の商品登録手段によって得られた前記複数の取引のうちのいずれか一方に対応する精算情報を、他の商品販売データ処理装置に出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。
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