JP6970671B2 - リチウムニッケル複合酸化物の製造方法 - Google Patents

リチウムニッケル複合酸化物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムニッケル複合酸化物の製造方法に関する。
本願は、2016年7月28日に、日本に出願された特願2016−148429号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
リチウム複合酸化物は、リチウム二次電池用正極活物質として用いられている。リチウム二次電池は、既に携帯電話用途やノートパソコン用途などの小型電源だけでなく、自動車用途や電力貯蔵用途などの中型又は大型電源においても、実用化が進んでいる。
サイクル特性等のリチウム二次電池の性能を向上させるために、リチウム二次電池用正極活物質の組成を均一化する試みや、正極材料の複合酸化物を得る反応における未反応物の残存量を低下させる試みがされている。
例えば特許文献1には、特定の粒径のリチウム遷移金属複合酸化物製造用水酸化リチウム無水物を用いたことにより、組成が均一となり、充放電のサイクルを繰り返しても抵抗増加を抑制できたことが記載されている。
特許文献2には、最大粒径が特定の範囲であるリチウム化合物を原料として製造した正極材料は、焼成時間が短い場合でも正極材料の複合酸化物を得る反応における未反応物が残ることなく反応することが記載されている。
特開2006−151707号公報 特開2011−44347号公報
リチウム二次電池の応用分野の拡大が進む中、リチウム二次電池の正極活物質にはより高い充放電サイクル特性が求められる。
しかしながら、前記特許文献1〜2に記載のようなリチウム複合酸化物においては、充放電サイクル特性を向上させる観点から改良の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、充放電サイクル特性に優れるリチウムニッケル複合酸化物の製造方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[11]の発明を包含する。
[1]リチウム化合物と、ニッケル含有金属複合化合物とを混合し、混合物を得る混合工程と、前記混合物を焼成する焼成工程と、を含むリチウムニッケル複合酸化物の製造方法であって、前記リチウム化合物の90%累積体積粒度D90(μm)、50%累積体積粒度D50(μm)、及び10%累積体積粒度D10(μm)が、下記式(1)を満たし、かつ、前記ニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’ (μm)に対する前記リチウム化合物の前記D50の比(D50/D50’)が、0.1以上3.2未満である、リチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
(D90−D10)/D50<1.7 …(1)
[2]前記リチウムニッケル複合酸化物が、以下の一般式(I)で表される、[1]に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
Li[Li(Ni(1−y−z−w)CoMn1−x]O ・・・(I)
(一般式(I)中、−0.1≦x≦0.2、0<y≦0.5、0<z≦0.8、0≦w≦0.1、y+z+w<1、MはFe、Cu、Ti、Mg、Al、W、B、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga及びVからなる群より選択される1種以上の金属を表す。)
[3]前記リチウム化合物が、水酸化リチウム及び炭酸リチウムのいずれか一方又は両方である、[1]又は[2]に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
[4]前記リチウム化合物の炭酸リチウム含有量がリチウム化合物の質量に対し5質量%以下である、[3]に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
[5]前記リチウム化合物の50%累積体積粒度D50(μm)が、1μm以上30μm以下である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
[6]前記ニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’が、1μm以上30μm以下である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
[7]前記リチウム化合物の軽装密度(BD)が、0.1g/cc以上1.0g/cc以下であり、重装密度(TD)が、0.3g/cc以上2.0g/cc以下である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
[8]前記ニッケル含有金属複合化合物の軽装密度(BD)が、0.2g/cc以上2.5g/cc以下であり、重装密度(TD)が、0.5g/cc以上3.0g/cc以下である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
[9]前記焼成工程において、焼成温度が600℃以上1000℃以下である、[1]〜[8]のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
[10]前記焼成工程において、昇温開始から達温して温度保持が終了するまでの合計時間を1時間以上30時間以下とする、[1]〜[9]のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
[11]前記混合工程において、前記ニッケル含有金属複合化合物中に含まれる遷移金属の合計モル数(Me)に対する、前記リチウム化合物中に含まれるリチウムのモル数(Li)の比(Li/Me)を、0.90以上1.2以下となるように、前記ニッケル含有金属複合化合物と前記リチウム化合物とを混合する、[1]〜[10]のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
本発明によれば、充放電サイクル特性に優れるリチウムニッケル複合酸化物の製造方法を提供することができる。
リチウムイオン二次電池の一例を示す概略構成図である。 リチウムイオン二次電池の一例を示す概略構成図である。 本発明の一態様における効果を説明するための模式図であり、リチウム化合物とニッケル含有金属複合化合物とを混合した状態を示す模式図である。 本発明を適用しない場合におけるリチウム化合物とニッケル含有金属複合化合物とを混合した状態を示す模式図である。
<リチウムニッケル複合酸化物の製造方法>
本発明の一実施形態におけるリチウムニッケル複合酸化物の製造方法は、リチウム化合物と、ニッケル含有金属複合化合物(以下、「前駆体」と記載することがある。)とを混合し、混合物を得る混合工程と、前記混合物を焼成する焼成工程と、を有する。さらに、前記リチウム化合物の90%累積体積粒度D90(μm)、50%累積体積粒度D50(μm)、及び10%累積体積粒度D10(μm)が、下記式(1)を満たし、かつ、前記ニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’(μm)に対する前記リチウム化合物の前記D50の比(D50/D50’)が、0.1以上3.2未満である。
(D90−D10)/D50<1.7 …(1)
前記式(1)は、リチウム化合物の粒度分布のばらつきを示す。本実施形態における、リチウム化合物の90%累積体積粒度D90、50%累積体積粒度D50(μm)、10%累積体積粒度D10(μm)、及びニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’の測定方法については後述する。
本発明者らが鋭意検討した結果、上記特定の粒度分布をもつリチウム化合物を用い、かつ、このリチウム化合物と前駆体との平均粒径比(D50/D50’)を制御することにより、サイクル特性を向上できることを見出した。
以下、本発明の一態様におけるリチウムニッケル複合酸化物の製造方法の各工程について説明する。
本発明の一態様におけるリチウムニッケル複合酸化物の製造方法の製造方法は、以下の(2)及び(3)の工程を必須工程とし、以下の(1)、(2)及び(3)をこの順で含む製造方法であることが好ましい。
(1)ニッケル含有金属複合化合物の製造工程。
(2)前記ニッケル含有金属複合化合物とリチウム化合物とを混合し、混合物を得る混合工程。
(3)前記混合物を焼成する焼成工程。
[ニッケル含有金属複合化合物の製造工程]
本発明の一態様におけるリチウムニッケル複合酸化物の製造方法において、まず、リチウム以外の金属、すなわち、必須金属であるニッケルと、コバルト、マンガン、又はアルミニウムといった任意金属とを含むニッケル含有金属複合化合物を調製し、当該ニッケル含有金属複合化合物を適当なリチウム化合物と焼成することが好ましい。ニッケル含有金属複合化合物は、ニッケル含有金属複合水酸化物又はニッケル含有金属複合酸化物が好ましい。
ニッケル含有金属複合化合物は、通常公知のバッチ式共沈殿法又は連続式共沈殿法により製造することが可能である。以下、金属として、ニッケル、コバルト、マンガン及びアルミニウムを含むニッケル含有金属複合水酸化物(以下、「金属複合水酸化物」と記載することがある。)を例に、その製造方法を詳述する。
まず、特開2002−201028号公報に記載された連続式共沈殿法により、ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、マンガン塩溶液、アルミニウム塩溶液及び錯化剤を反応させ、NiCoMnAl(OH)(式中、s+t+u+v=1)で表される金属複合水酸化物を製造する。
上記ニッケル塩溶液の溶質であるニッケル塩としては、特に限定されないが、例えば硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル及び酢酸ニッケルのうちの何れかを使用することができる。
上記コバルト塩溶液の溶質であるコバルト塩としては、例えば硫酸コバルト、硝酸コバルト、及び塩化コバルトのうちの何れかを使用することができる。
上記マンガン塩溶液の溶質であるマンガン塩としては、例えば硫酸マンガン、硝酸マンガン、及び塩化マンガンのうちの何れかを使用することができる。
上記アルミニウム塩溶液の溶質であるアルミニウム塩としては、例えば硫酸アルミニウムが使用できる。
以上の金属塩は、上記NiCoMnAl(OH)の組成比に対応する割合で用いられる。すなわち、上記金属塩を含む混合溶液中におけるニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウムのモル比がs:t:u:vとなるよう各金属塩の量を規定する。また、溶媒として水が使用される。
錯化剤としては、水溶液中で、ニッケル、コバルト、及びマンガンのイオンと錯体を形成可能なものであり、例えばアンモニウムイオン供給体(硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、弗化アンモニウム等)、ヒドラジン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ウラシル二酢酸、及びグリシンが挙げられる。
錯化剤は含まれていなくてもよく、錯化剤が含まれる場合、ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、マンガン塩溶液、アルミニウム塩溶液及び錯化剤を含む混合液に含まれる錯化剤の量は、例えば金属塩のモル数の合計に対するモル比が0より大きく2.0以下である。
沈殿に際しては、水溶液のpH値を調整するため、必要ならばアルカリ水溶液(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)を添加する。
反応槽内は不活性雰囲気であってもよい。不活性雰囲気であると、ニッケルよりも酸化されやすい元素が凝集してしまうことを抑制し、均一な金属複合水酸化物を得ることができる。
また、反応槽内は、不活性雰囲気を保ちつつも、適度な酸素含有雰囲気又は酸化剤存在下であってもよい。これは遷移金属を適度に酸化させることで、金属複合水酸化物の形態を制御しやすくなるためである。酸素含有ガス中の酸素や酸化剤は、遷移金属を酸化させるために十分な酸素原子があればよい。反応槽内に適度な酸素原子を導入することにより、反応槽内の不活性雰囲気を保つことができる。
以上の反応後、得られた反応沈殿物を洗浄した後、乾燥することで、ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合化合物としてのニッケルコバルトマンガンアルミニウム水酸化物を単離する。
前記単離においては、まず反応沈殿物を含むスラリー(共沈物スラリー)を遠心分離や吸引ろ過などで脱水することが好ましい。
前記脱水により得た反応沈殿物である共沈物は、上述のように洗浄されるが、水又はアルカリが含まれる洗浄液で洗浄することが好ましい。本実施形態においては、アルカリが含まれる洗浄液で洗浄することが好ましく、水酸化ナトリウム溶液で洗浄することがより好ましい。また、硫酸ナトリウム水溶液、硫酸水素ナトリウム水溶液などの硫黄元素を含有する洗浄液を用いて洗浄してもよい。
なお、上記の例では、ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物を製造しているが、ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合酸化物を調製してもよい。ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合酸化物を調製する場合は、例えば、前記共沈物スラリーと酸化剤を接触させる工程や、ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物を熱処理する工程を行えばよい。
以上のように本実施形態におけるニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物を製造について説明したが、反応槽に供給する金属塩の濃度、錯化剤添加量、攪拌速度、反応温度、反応pH、酸素含有ガスの導入量、酸化剤添加量等の反応条件については、使用する反応槽のサイズ等にも依存することから、最終的に得られるリチウムニッケル複合酸化物の各種物性をモニタリングしつつ、反応条件を最適化すればよい。
ニッケル含有金属複合化合物のハンドリング性を高める意味で、本工程により製造されるニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’は1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることがさらに好ましい。また、焼成工程での反応性を高める意味で、本工程により製造されるニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’は30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることがさらに好ましい。
50’の上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、本工程により製造されるニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’は1μm以上30μm以下であることが好ましく、2μm以上20μm以下であることがより好ましく、3μm以上15μm以下であることがさらに好ましい。
ここで、ニッケル含有金属複合化合物の累積体積粒度は、レーザー回折散乱法によって測定される。まず、ニッケル含有金属複合化合物の粉末0.1gを、0.2質量%ヘキサメタりん酸ナトリウム水溶液50mlに投入し、この粉末を分散させた分散液を得る。次に、得られた分散液についてマイクロトラック・ベル株式会社製マイクロトラックMT3300EXII(レーザー回折散乱粒度分布測定装置)を用いて、粒度分布を測定し、体積基準の累積粒度分布曲線を得る。
そして、得られた累積粒度分布曲線において、50%累積時の微小粒子側から見た粒子径の値が、50%累積体積粒度D50’(μm)である。
エネルギー密度の高いリチウム二次電池用正極活物質を得る意味で、本工程により製造されるニッケル含有金属複合化合物の軽装密度(BD)は、0.2g/cc以上であることが好ましく、0.3g/cc以上であることがより好ましく、0.4g/cc以上であることがさらに好ましい。また、焼成工程でのガス抜けを良くする意味で、本工程により製造されるニッケル含有金属複合化合物の軽装密度(BD)は、2.5g/cc以下であることが好ましく、2.4g/cc以下であることがより好ましく、2.3g/cc以下であることがさらに好ましい。
ニッケル含有金属複合化合物の軽装密度(BD)の上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、ニッケル含有金属複合化合物の軽装密度(BD)は、0.2g/cc以上2.5g/cc以下であることが好ましく、0.3g/cc以上2.4g/cc以下であることがより好ましく、0.4g/cc以上、2.3g/cc以下であることがさらに好ましい。
また、エネルギー密度の高いリチウム二次電池用正極活物質を得る意味で、本工程により製造されるニッケル含有金属複合化合物の重装密度(TD)は、0.5g/cc以上であることが好ましく、0.6g/cc以上であることがより好ましく、0.7g/cc以上であることがさらに好ましい。また、焼成工程でのガス抜けを良くする意味で、本工程により製造されるニッケル含有金属複合化合物の重装密度(TD)は、3.0g/cc以下であることが好ましく、2.9g/cc以下であることがより好ましく、2.8g/cc以下であることがさらに好ましい。
ニッケル含有金属複合化合物の重装密度(TD)の上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、ニッケル含有金属複合化合物の重装密度(TD)は、0.5g/cc以上3.0g/cc以下であることが好ましく、0.6g/cc以上2.9g/cc以下であることがより好ましく、0.7g/cc以上、2.8g/cc以下であることがさらに好ましい。
上述のような軽装密度(BD)及び重装密度(TD)を有するニッケル含有金属複合化合物を得るには、例えば、粉砕や分級などの操作により、ニッケル含有金属複合化合物の粒度分布を調整すればよい。
ここで、重装密度は、JIS R 1628−1997におけるタップかさ密度に該当し、軽装密度は、JIS R 1628−1997における初期かさ密度に該当する。
具体的には、軽装密度は、20cmの測定用容器に、測定試料をふるいに通しながら落下充填させ、前記容器が測定試料で満たされた状態とし、そのときのサンプル重量を測定して算出される。
また、重装密度は、上記のように測定用容器を測定試料で満たした状態で容器に蓋をし、ストローク長50mmで200回タッピングを繰り返した後の試料容積を読み取り算出される。
なお、所定の粒度分布を有するニッケル含有金属複合化合物は、例えば、前記共沈法によるニッケル含有金属複合化合物の製造工程において、反応槽に供給する金属塩の濃度、錯化剤添加量、攪拌速度、反応温度、反応pH、酸素含有ガスの導入量、酸化剤添加量を調整することにより得ることができる。また、所定の粒度分布を有するニッケル含有金属複合化合物を得る方法として、ニッケル含有金属複合化合物の粉砕や、分級を挙げることができる。粉砕装置としては、ジェットミル、ピンミル、ロールミル、ボールミル等の装置を挙げることができる。ニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’(μm)を調整しやすい観点からジェットミルを用いることが好ましい。分級装置としては振動篩、超音波振動篩、ターボスクリーナー等を挙げることができる。ニッケル含有金属複合化合物と、粉砕もしくは分級によって得たニッケル含有金属複合化合物とを混合してもよい。
[混合工程]
本工程は、リチウム化合物と、ニッケル含有金属複合化合物とを混合し、混合物を得る工程である。
・リチウム化合物
本実施形態に用いるリチウム化合物について説明する。本実施形態において、90%累積体積粒度D90(μm)、50%累積体積粒度D50(μm)、及び10%累積体積粒度D10(μm)が、下記式(1)を満たすリチウム化合物を用いる。
(D90−D10)/D50<1.7 …(1)
ここで、リチウム化合物の累積体積粒度は、レーザー回折散乱法によって測定される。
まず、リチウム化合物の粉末0.1gを、イソプロピルアルコール50mlに投入し、この粉末が分散された分散液を得る。
次に、得られた分散液についてマイクロトラック・ベル株式会社製マイクロトラックMT3300EXII(レーザー回折散乱粒度分布測定装置)を用いて、粒度分布を測定し、体積基準の累積粒度分布曲線を得る。
そして、得られた累積粒度分布曲線において、50%累積時の微小粒子側から見た粒子径の値が、50%累積体積粒度D50(μm)であり、10%累積時の微小粒子側から見た粒子径の値が10%累積体積粒度D10(μm)、90%累積時の微小粒子側から見た粒子径の値が90%累積体積粒度D90(μm)である。
前記式(1)は、リチウム化合物の粒度分布のばらつきを示す。前記式(1)において、「(D90−D10)/D50」の値が低い値であると、粒度分布の幅が狭いことを示し、高い値であると、粒度分布の幅が広いことを示す。本実施形態においては、用いるリチウム化合物の、前記式(1)を満たす値が1.7未満である。つまり、リチウム化合物の粒度分布幅が小さく、換言すれば粒度分布のばらつきが小さい。このため、ニッケル含有金属複合化合物と混合する際に、均一に混合することができる。
本実施形態において、「(D90−D10)/D50」は1.65以下が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.5以下が特に好ましい。「(D90−D10)/D50」は小さいほど好ましいが、現実的には0.2以上である。
「(D90−D10)/D50」が上記特定の数値範囲であるリチウム化合物は、粒度分布のばらつきが小さく、ニッケル含有金属複合化合物と均一に混合することができる。
本実施形態に用いるリチウム化合物は、前記(1)式を満たすものであれば特に限定されず、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウムのうち何れか一つ、又は、二つ以上を混合して使用することができる。これらの中では、水酸化リチウム及び炭酸リチウムのいずれか一方又は両方が好ましい。
また、リチウム化合物が主に水酸化リチウムを含み、不純物として炭酸リチウムを含む場合には、リチウム化合物全体の質量に対する炭酸リチウムが5質量%以下であることが好ましい。もちろんリチウム化合物全体の質量に対する炭酸リチウムの含有量は、0質量%でもよい。
リチウム化合物のハンドリング性を高める意味で、前記リチウム化合物の50%累積体積粒度D50(μm)は、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることがさらに好ましい。また、焼成工程での粗大粒子の発生を抑制する意味で、前記リチウム化合物の50%累積体積粒度D50(μm)は、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることがさらに好ましい。
50の上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
焼成工程での生産性を高める意味で、前記リチウム化合物の軽装密度(BD)は、0.1g/cc以上であることが好ましく、0.2g/cc以上であることがより好ましく、0.3g/cc以上であることがさらに好ましい。また、焼成工程での反応性を高める意味で、前記リチウム化合物の軽装密度(BD)は、1.0g/cc以下であることが好ましく、0.6g/cc以下であることがより好ましく、0.5g/cc以下であることがさらに好ましい。
リチウム化合物の軽装密度(BD)の上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
焼成工程での生産性を高める意味で、前記リチウム化合物の重装密度(TD)は、0.3g/cc以上であることが好ましく、0.4g/cc以上であることがより好ましく、0.5g/cc以上であることがさらに好ましい。また、焼成工程での反応性を高める意味で、前記リチウム化合物の重装密度(TD)は、2.0g/cc以下であることが好ましく、1.5g/cc以下であることがより好ましく、1.0g/cc以下であることがさらに好ましい。
リチウム化合物の重装密度(TD)の上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
なお、所定の粒度分布を有するリチウム化合物は、リチウム化合物の粉砕や、分級により得ることができる。粉砕装置としては、ジェットミル、ピンミル、ロールミル、ボールミル等の装置を挙げることができる。50%累積体積粒度D50(μm)を調整しやすい観点からジェットミルを用いることが好ましい。分級装置としては振動篩、超音波振動篩、ターボスクリーナー等を挙げることができる。リチウム化合物と、粉砕もしくは分級によって得たリチウム化合物とを混合してもよい。
前記ニッケル含有金属複合化合物と、前記リチウム化合物との混合方法について説明する。
本実施形態においては、前記ニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’(μm)に対する前記リチウム化合物の前記D50の比(D50/D50’)が、0.1以上3.2未満となるように、混合工程を制御する。
これにより、製造されるリチウムニッケル複合酸化物のサイクル特性を向上させることができる。
焼成工程でのガス抜けを良くする意味で、(D50/D50’)は0.1以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましく、0.5以上であることがさらに好ましく、0.7以上であることが特に好ましい。また、混合時の均一性を高める意味で、(D50/D50’)は3.2未満であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましく、2.5以下であることがさらに好ましく、2.0以下であることが特に好ましい。
(D50/D50’)の上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
「D50/D50’」が上記特定の範囲であることにより、前記ニッケル含有金属複合化合物の周辺に、前記リチウム化合物を均一に存在させることができ、製造されるリチウムニッケル複合酸化物のサイクル特性を向上させることができる。
以上のリチウム化合物とニッケル含有金属複合化合物とを、最終目的物の組成比を勘案して混合する。例えば、ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物を用いる場合、リチウム化合物と当該複合金属水酸化物は、Li[Li(NiCoMnAl1−r]O(式中、s+t+u+v=1)の組成比に対応する割合で混合する。なお、混合装置としては、攪拌混合、V型混合機、W型混合機、リボン混合機、ドラムミキサー、ボールミル等を挙げることができる。均一に混合を行うためには、混合を行う時間を長くすることが好ましい。具体的には、混合時間は、0.1〜1時間であることが好ましい。ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合金属水酸化物及びリチウム化合物の混合物を後の焼成工程において焼成することによって、リチウム−ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合酸化物が得られる。
均一なリチウム−ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合酸化物が得られる意味で、rは0を超えることが好ましく、0.01以上であることがより好ましく、0.02以上であることがさらに好ましい。また、純度の高いリチウム−ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合酸化物が得られる意味で、rは0.1以下であることが好ましく、0.08以下であることがより好ましく、0.06以下であることがさらに好ましい。
上記のrの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、rは0を超えかつ0.1以下であることが好ましく、0.01以上0.08以下であることがより好ましく、0.02以上0.06以下であることがさらに好ましい。
混合工程において、前記ニッケル含有金属複合化合物中に含まれる遷移金属の合計モル数(Me)に対する、前記リチウム化合物中に含まれるリチウムのモル数(Li)の比(Li/Me)を、0.90以上1.2以下となるように、前記ニッケル含有金属複合化合物と前記リチウム化合物とを混合することが好ましい。
Li/Meが、上記特定の範囲であることにより、局所的に、リチウム粒子とニッケル含有金属複合化合物とが不均一に存在することが防止できる。
本実施形態においては、前記式(1)を満たす特定の粒度分布を示すリチウム化合物を用い、かつ、前記ニッケル含有金属複合化合物との平均粒径比(D50/D50’)を前記特定の範囲としたことにより、製造されるリチウムニッケル複合酸化物のサイクル維持率を向上させることができる。
その理由を、図2A及び図2Bに示す模式図を使用して説明する。図2Aは、本発明の一態様における効果を説明するための模式図であり、リチウム化合物とニッケル含有金属複合化合物とを混合した状態を示す模式図である。図2Aの符号50はニッケル含有金属複合化合物を、符号51はリチウム粒子を意味する。リチウム化合物の粒度分布が特定の範囲((D90−D10)/D50の値が1.7未満)の場合には、リチウム粒子51の大きさにばらつきが少ない。このため、ニッケル含有金属複合化合物50と混合した場合に、図2Aに示すように均一に混合できると推察される。さらに、ニッケル含有金属複合化合物とリチウム化合物との粒径比が特定の範囲の場合には、図2Aに示すようニッケル含有金属複合化合物50の周辺にリチウム粒子51を均一に存在させることができ、局所的にリチウム粒子とニッケル含有金属複合化合物とが不均一に存在することが防止できると考えられる。
図2Bは、本実施形態を適用しない場合であり、この場合のリチウム化合物とニッケル含有金属複合化合物とを混合した状態を示す模式図である。図2Bの符号50’はニッケル含有金属複合化合物を、符号51’はリチウム粒子を意味する。リチウム粒子51’の粒度分布のばらつきが大きいと、図2Bに示すように、ニッケル含有金属複合化合物50’とリチウム粒子51’とが局所的に不均一に混合してしまうと考えられる。
なお、上記混合工程は、前記ニッケル含有金属複合化合物を乾燥した後に行ってもよい。乾燥条件は、特に制限されないが、例えば、ニッケル含有金属複合化合物が酸化又は還元されない条件(具体的には、酸化物同士、又は水酸化物同士で乾燥する条件)、ニッケル含有金属複合化合物が酸化される条件(具体的には、水酸化物から酸化物へ酸化する乾燥条件)、ニッケル含有金属複合化合物が還元される条件(具体的には、酸化物から水酸化物へ還元する乾燥条件)のいずれの条件でもよい。
酸化又は還元がされない条件のためには、窒素、ヘリウム及びアルゴン等の希ガス等の不活性ガスを使用すればよく、水酸化物が酸化される条件では、酸素又は空気を雰囲気下として行えばよい。また、ニッケル含有金属複合化合物が還元される条件としては、不活性ガス雰囲気下、ヒドラジン、亜硫酸ナトリウム等の還元剤を使用すればよい。
また、上記混合工程の前にニッケル含有金属複合化合物の分級を適宜行ってもよい。上記混合工程の前にニッケル含有金属複合化合物を乾燥させる場合は、乾燥後に分級を行えばよい。
[焼成工程]
本実施形態においては、上記特定の混合条件としたことにより、リチウム化合物とニッケル含有金属複合化合物とが均一に混合している。このため、焼成工程において結晶の発達が良好に進行し、電池性能を向上させることができる。
上記リチウム化合物と、ニッケル含有金属複合化合物との混合物の焼成温度としては、特に制限はないが、充電容量を高める観点から、600℃以上であることが好ましく、650℃以上であることがより好ましい。また、焼成温度としては、特に制限はないが、Liの揮発を防止でき、目標とする組成のリチウムニッケル複合酸化物を得る意味で、1000℃以下であることが好ましく、950℃以下であることがより好ましい。
焼成温度の上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、リチウム化合物と、ニッケル含有金属複合化合物との混合物の焼成温度は、600℃以上1000℃以下であることが好ましく、650℃以上950℃以下であることがより好ましい。
焼成温度を650℃以上950℃以下の範囲とすることによって、特に高いクーロン効率を示し、サイクル特性に優れたリチウムニッケル複合酸化物を作製できる。焼成時間は、昇温開始から達温して温度保持が終了するまでの合計時間を1時間以上30時間以下とすることが好ましい。合計時間が30時間以下であると、Liの揮発を防止でき、電池性能の劣化を防止できる。
合計時間が1時間以上であると、結晶の発達が良好に進行し、電池性能を向上させることができる。
昇温開始から焼成温度に達するまでの時間は、0.5時間以上20時間以下であることが好ましい。昇温開始から焼成温度に達するまでの時間がこの範囲であると、より均一なリチウムニッケル複合化合物を得ることができる。また、焼成温度に達してから温度保持が終了するまでの時間は、0.5時間以上20時間以下であることが好ましい。焼成温度に達してから温度保持が終了するまでの時間がこの範囲であると、結晶の発達がより良好に進行し、電池性能をより向上させることができる。
なお、上記の焼成の前に、仮焼成を行うことも有効である。この様な仮焼成の温度は、300℃〜900℃の範囲で、0.5時間〜10時間行うことが好ましい。仮焼成を行うことにより、焼成時間を短縮することができることもある。
また、焼成には、所望の組成に応じて大気、乾燥空気、酸素雰囲気、不活性雰囲気等が用いられ、必要ならば複数の加熱工程が実施される。
本発明において、「昇温開始」とは、仮焼成をする場合には仮焼成の昇温開始時点を、複数の加熱工程を含む場合には、最初の加熱工程の昇温開始時点を意味する。
焼成によって得たリチウムニッケル複合酸化物は、粉砕後に適宜分級され、リチウム二次電池に適用可能なリチウム二次電池用正極活物質とされる。
<リチウムニッケル複合酸化物>
本発明の一態様におけるリチウムニッケル複合酸化物の製造方法により製造される、リチウムニッケル複合酸化物について説明する。
リチウム二次電池のエネルギー密度を高める意味で、リチウムニッケル複合酸化物は、以下組成式(I)で表されることが好ましい。
Li[Li(Ni(1−y−z−w)CoMn1−x]O ・・・(I)
(式(I)中、−0.1≦x≦0.2、0<y≦0.5、0<z≦0.8、0≦w≦0.1、y+z+w<1、MはFe、Cu、Ti、Mg、Al、W、B、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga及びVからなる群より選択される1種以上の金属を表す。)
サイクル特性が高いリチウム二次電池を得る意味で、前記組成式(I)におけるxは0を超えることが好ましく、0.01以上であることがより好ましく、0.02以上であることがさらに好ましい。また、初回クーロン効率がより高いリチウム二次電池を得る意味で、前記組成式(I)におけるxは0.1以下であることが好ましく、0.08以下であることがより好ましく、0.06以下であることがさらに好ましい。
xの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、xは0を超えかつ0.1以下であることが好ましく、0.01以上0.08以下であることがより好ましく、0.02以上0.06以下であることがさらに好ましい。
本明細書において、「サイクル特性が高い」とは、放電容量維持率が高いことを意味する。
また、サイクル特性が高いリチウム二次電池を得る意味で、前記組成式(I)におけるyは0.01以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましく、0.05以上であることがさらに好ましい。また、熱的安定性が高いリチウム二次電池を得る意味で、前記組成式(I)におけるyは0.35以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましく、0.25以下であることがさらに好ましい。
yの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、yは0.01以上0.35以下であることが好ましく、0.03以上0.3以下であることがより好ましく、0.05以上0.25以下であることがさらに好ましい。
また、サイクル特性が高いリチウム二次電池を得る意味で、前記組成式(I)におけるzは0.005以上であることが好ましく、0.01以上であることがより好ましく、0.015以上であることがさらに好ましい。また、高温(例えば60℃環境下)での保存特性が高いリチウム二次電池を得る意味で、前記組成式(I)におけるzは0.35以下であることが好ましく、0.30以下であることがより好ましく、0.25以下であることがさらに好ましい。
zの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、zは0.005以上0.35以下であることが好ましく、0.01以上0.30以下であることがより好ましく、0.015以上0.25以下であることがさらに好ましい。
リチウム二次電池用正極活物質のハンドリング性を高める意味で、前記組成式(I)におけるwは0を超えることが好ましく、0.001以上であることがより好ましく、0.005以上であることがさらに好ましい。また、高い電流レートでの放電容量が高いリチウム二次電池を得る意味で、前記組成式(I)におけるwは0.09以下であることが好ましく、0.08以下であることがより好ましく、0.07以下であることがさらに好ましい。
wの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、wは0を超えかつ0.09以下であることが好ましく、0.001以上0.08以下であることがより好ましく、0.005以上0.07以下であることがさらに好ましい。
前記組成式(I)におけるMはFe、Cu、Ti、Mg、Al、W、B、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga及びVからなる群より選択される1種以上の金属を表す。
また、サイクル特性が高いリチウム二次電池を得る意味で、組成式(I)におけるMは、Ti、Mg、Al、W、B、又はZrであることが好ましく、熱的安定性が高いリチウム二次電池を得る意味では、Al、W、B、又はZrであることが好ましい。
(層状構造)
リチウムニッケル複合酸化物の結晶構造は、層状構造であり、六方晶型の結晶構造又は単斜晶型の結晶構造であることがより好ましい。
六方晶型の結晶構造は、P3、P3、P3、R3、P−3、R−3、P312、P321、P312、P321、P312、P321、R32、P3m1、P31m、P3c1、P31c、R3m、R3c、P−31m、P−31c、P−3m1、P−3c1、R−3m、R−3c、P6、P6、P6、P6、P6、P6、P−6、P6/m、P6/m、P622、P622、P622、P622、P622、P622、P6mm、P6cc、P6cm、P6mc、P−6m2、P−6c2、P−62m、P−62c、P6/mmm、P6/mcc、P6/mcm、P6/mmcからなる群から選ばれるいずれか一つの空間群に帰属される。
また、単斜晶型の結晶構造は、P2、P2、C2、Pm、Pc、Cm、Cc、P2/m、P2/m、C2/m、P2/c、P2/c、C2/cからなる群から選ばれるいずれか一つの空間群に帰属される。
これらのうち、放電容量が高いリチウム二次電池を得る意味で、結晶構造は、空間群R−3mに帰属される六方晶型の結晶構造、又はC2/mに帰属される単斜晶型の結晶構造であることが特に好ましい。
(BET比表面積)
リチウムニッケル複合酸化物のBET比表面積(m/g)は、高い電流レートにおける放電容量が高いリチウム二次電池を得る意味で、0.1以上であることが好ましく、0.12以上であることが好ましく、0.15以上がより好ましい。また、ハンドリング性を高める意味で、BET比表面積は4以下であることが好ましく、3.8以下がより好ましく、3.5以下がさらに好ましい。
BET比表面積(m/g)の上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、BET比表面積(m/g)は、0.1以上4以下であることが好ましく、0.12以上3.8以下であることがより好ましく、0.15以上3.5以下であることがさらに好ましい。
本実施形態におけるBET比表面積(m/g)は、リチウムニッケル複合酸化物粉末1gを、窒素雰囲気中150℃で15分間乾燥させた後、マウンテック社製Macsorb(登録商標)を用いて測定された値である。
<リチウム二次電池>
次いで、リチウム二次電池の構成を説明しながら、本実施形態のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法により製造されたリチウムニッケル複合酸化物を、リチウム二次電池の正極活物質として用いた正極、及びこの正極を有するリチウム二次電池について説明する。
本実施形態のリチウム二次電池の一例は、正極及び負極、正極と負極との間に挟持されるセパレータ、正極と負極との間に配置される電解液を有する。
図1A及び1Bは、本実施形態のリチウム二次電池の一例を示す概略構成図である。本実施形態の円筒型のリチウム二次電池10は、次のようにして製造する。
図1Aは、本実施形態に係る電極群の構成を示す斜視図である。
まず、図1Aに示すように、帯状を呈する一対のセパレータ1、一端に正極リード21を有する帯状の正極2、及び一端に負極リード41を有する帯状の負極3を、セパレータ1、正極2、セパレータ1、負極3の順に積層し、巻回することにより電極群4とする。
図1Bは、本実施形態に係るリチウム二次電池の構成を示す分解斜視図である。
図1Bに示すように、電池缶5に電極群4及び不図示のインシュレーターを収容した後、缶底を封止し、電極群4に電解液6を含浸させ、正極2と負極3との間に電解質を配置する。さらに、電池缶5の上部をトップインシュレーター7及び封口体8で封止することで、リチウム二次電池10を製造することができる。
電極群4の形状としては、例えば、電極群4を巻回の軸に対して垂直方向に切断したときの断面形状が、円、楕円、長方形、角を丸めた長方形となるような柱状の形状を挙げることができる。
また、このような電極群4を有するリチウム二次電池の形状としては、国際電気標準会議(IEC)が定めた電池に対する規格であるIEC60086、又はJIS C 8500で定められる形状を採用することができる。例えば、円筒型、角型などの形状を挙げることができる。
さらに、リチウム二次電池は、上記巻回型の構成に限らず、正極、セパレータ、負極、セパレータの積層構造を繰り返し重ねた積層型の構成であってもよい。積層型のリチウム二次電池としては、いわゆるコイン型電池、ボタン型電池、ペーパー型(又はシート型)電池を例示することができる。
以下、各構成について順に説明する。
(正極)
本実施形態の正極は、まず正極活物質、導電材及びバインダーを含む正極合剤を調整し、正極合剤を正極集電体に担持させることで製造することができる。
(導電材)
本実施形態の正極が有する導電材としては、炭素材料を用いることができる。炭素材料として黒鉛粉末、カーボンブラック(例えばアセチレンブラック)、繊維状炭素材料などを挙げることができる。カーボンブラックは、微粒で表面積が大きいため、少量を正極合剤中に添加することにより正極内部の導電性を高め、充放電効率及び出力特性を向上させることができるが、多く入れすぎるとバインダーによる正極合剤と正極集電体との結着力、及び正極合剤内部の結着力がいずれも低下し、かえって内部抵抗を増加させる原因となる。
正極合剤中の導電材の割合は、正極活物質100質量部に対して5質量部以上20質量部以下であると好ましい。導電材として黒鉛化炭素繊維、カーボンナノチューブなどの繊維状炭素材料を用いる場合には、この割合を下げることも可能である。
(バインダー)
本実施形態の正極が有するバインダーとしては、熱可塑性樹脂を用いることができる。
この熱可塑性樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFということがある。
)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などのフッ素樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;を挙げることができる。
これらの熱可塑性樹脂は、2種以上を混合して用いてもよい。バインダーとしてフッ素樹脂及びポリオレフィン樹脂を用い、正極合剤全体の質量に対するフッ素樹脂の割合を1質量%以上10質量%以下、ポリオレフィン樹脂の割合を0.1質量%以上2質量%以下とすることによって、正極集電体との密着力及び正極合剤内部の結合力がいずれも高い正極合剤を得ることができる。
(正極集電体)
本実施形態の正極が有する正極集電体としては、Al、Ni、ステンレスなどの金属材料を形成材料とする帯状の部材を用いることができる。なかでも、加工しやすく、安価であるという点でAlを形成材料とし、薄膜状に加工したものが好ましい。
正極集電体に正極合剤を担持させる方法としては、正極合剤を正極集電体上で加圧成型する方法が挙げられる。また、有機溶媒を用いて正極合剤をペースト化し、得られる正極合剤のペーストを正極集電体の少なくとも一面側に塗布して乾燥させ、プレスし固着することで、正極集電体に正極合剤を担持させてもよい。
正極合剤をペースト化する場合、用いることができる有機溶媒としては、N,N―ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミンなどのアミン系溶媒;テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒;酢酸メチルなどのエステル系溶媒;ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)などのアミド系溶媒;が挙げられる。
正極合剤のペーストを正極集電体へ塗布する方法としては、例えば、スリットダイ塗工法、スクリーン塗工法、カーテン塗工法、ナイフ塗工法、グラビア塗工法及び静電スプレー法が挙げられる。
以上に挙げられた方法により、正極を製造することができる。
(負極)
本実施形態のリチウム二次電池が有する負極は、正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープかつ脱ドープが可能であればよく、負極活物質を含む負極合剤が負極集電体に担持されてなる電極、及び負極活物質単独からなる電極を挙げることができる。
(負極活物質)
負極が有する負極活物質としては、炭素材料、カルコゲン化合物(酸化物、硫化物など)、窒化物、金属又は合金で、正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープかつ脱ドープが可能な材料が挙げられる。
負極活物質として使用可能な炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維及び有機高分子化合物焼成体を挙げることができる。
負極活物質として使用可能な酸化物としては、SiO、SiOなど式SiO(ここで、xは正の実数)で表されるケイ素の酸化物;TiO、TiOなど式TiO(ここで、xは正の実数)で表されるチタンの酸化物;V、VOなど式VO(ここで、xは正の実数)で表されるバナジウムの酸化物;Fe、Fe、FeOなど式FeO(ここで、xは正の実数)で表される鉄の酸化物;SnO、SnOなど式SnO(ここで、xは正の実数)で表されるスズの酸化物;WO、WOなど一般式WO(ここで、xは正の実数)で表されるタングステンの酸化物;LiTi12、LiVOなどのリチウムとチタン又はバナジウムとを含有する複合金属酸化物;を挙げることができる。
負極活物質として使用可能な硫化物としては、Ti、TiS、TiSなど式TiS(ここで、xは正の実数)で表されるチタンの硫化物;V、VS2、VSなど式VS(ここで、xは正の実数)で表されるバナジウムの硫化物;Fe、FeS、FeSなど式FeS(ここで、xは正の実数)で表される鉄の硫化物;Mo、MoSなど式MoS(ここで、xは正の実数)で表されるモリブデンの硫化物;SnS2、SnSなど式SnS(ここで、xは正の実数)で表されるスズの硫化物;WSなど式WS(ここで、xは正の実数)で表されるタングステンの硫化物;Sbなど式SbS(ここで、xは正の実数)で表されるアンチモンの硫化物;Se、SeS、SeSなど式SeS(ここで、xは正の実数)で表されるセレンの硫化物;を挙げることができる。
負極活物質として使用可能な窒化物としては、LiN、Li3−xN(ここで、AはNi及びCoのいずれか一方又は両方であり、0<x<3である。)などのリチウム含有窒化物を挙げることができる。
これらの炭素材料、酸化物、硫化物、窒化物は、1種のみ用いてもよく2種以上を併用して用いてもよい。また、これらの炭素材料、酸化物、硫化物、窒化物は、結晶質又は非晶質のいずれでもよい。
また、負極活物質として使用可能な金属としては、リチウム金属、シリコン金属及びスズ金属などを挙げることができる。
負極活物質として使用可能な合金としては、Li−Al、Li−Ni、Li−Si、Li−Sn、Li−Sn−Niなどのリチウム合金;Si−Znなどのシリコン合金;Sn−Mn、Sn−Co、Sn−Ni、Sn−Cu、Sn−Laなどのスズ合金;CuSb、LaNiSnなどの合金;を挙げることもできる。
これらの金属や合金は、例えば箔状に加工された後、主に単独で電極として用いられる。
上記負極活物質の中では、充電時に未充電状態から満充電状態にかけて負極の電位がほとんど変化しない(電位平坦性がよい)、平均放電電位が低い、繰り返し充放電させたときの容量維持率が高い(サイクル特性がよい)などの理由から、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛を主成分とする炭素材料が好ましく用いられる。炭素材料の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、又は微粉末の凝集体などのいずれでもよい。
前記の負極合剤は、必要に応じて、バインダーを含有してもよい。バインダーとしては、熱可塑性樹脂を挙げることができ、具体的には、PVdF、熱可塑性ポリイミド、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン及びポリプロピレンを挙げることができる。
(負極集電体)
負極が有する負極集電体としては、Cu、Ni、ステンレスなどの金属材料を形成材料とする帯状の部材を挙げることができる。なかでも、リチウムと合金を作り難く、加工しやすいという点で、Cuを形成材料とし、薄膜状に加工したものが好ましい。
このような負極集電体に負極合剤を担持させる方法としては、正極の場合と同様に、加圧成型による方法、溶媒などを用いてペースト化し負極集電体上に塗布、乾燥後プレスし圧着する方法が挙げられる。
(セパレータ)
本実施形態のリチウム二次電池が有するセパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体などの材質からなる、多孔質膜、不織布、織布などの形態を有する材料を用いることができる。また、これらの材質を2種以上用いてセパレータを形成してもよいし、これらの材料を積層してセパレータを形成してもよい。
本実施形態において、セパレータは、電池使用時(充放電時)に電解質を良好に透過させるため、JIS P 8117で定められるガーレー法による透気抵抗度が、50秒/100cc以上、300秒/100cc以下であることが好ましく、50秒/100cc以上、200秒/100cc以下であることがより好ましい。
また、セパレータの空孔率は、好ましくはセパレータの体積に対して30体積%以上80体積%以下、より好ましくは40体積%以上70体積%以下である。セパレータは空孔率の異なるセパレータを積層したものであってもよい。
(電解液)
本実施形態のリチウム二次電池が有する電解液は、電解質及び有機溶媒を含有する。
電解液に含まれる電解質としては、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(COCF)、Li(CSO)、LiC(SOCF、Li10Cl10、LiBOB(ここで、BOBは、bis(oxalato)borateのことである。)、LiFSI(ここで、FSIはbis(fluorosulfonyl)imideのことである)、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlClなどのリチウム塩が挙げられ、これらの2種以上の混合物を使用してもよい。なかでも電解質としては、フッ素を含むLiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(SOCF及びLiC(SOCFからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。
また前記電解液に含まれる有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物、又はこれらの有機溶媒にさらにフルオロ基を導入したもの(有機溶媒が有する水素原子のうち1以上をフッ素原子で置換したもの)を用いることができる。
有機溶媒としては、これらのうちの2種以上を混合して用いることが好ましい。中でもカーボネート類を含む混合溶媒が好ましく、環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒及び環状カーボネートとエーテル類との混合溶媒がさらに好ましい。環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートを含む混合溶媒が好ましい。このような混合溶媒を用いた電解液は、動作温度範囲が広く、高い電流レートにおける充放電を行っても劣化し難く、長時間使用しても劣化し難く、かつ負極の活物質として天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛材料を用いた場合でも難分解性であるという多くの特長を有する。
また、電解液としては、得られるリチウム二次電池の安全性が高まるため、LiPFなどのフッ素を含むリチウム化合物及びフッ素置換基を有する有機溶媒を含む電解液を用いることが好ましい。ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテルなどのフッ素置換基を有するエーテル類とジメチルカーボネートとを含む混合溶媒は、高い電流レートにおける充放電を行っても容量維持率が高いため、さらに好ましい。
上記の電解液の代わりに固体電解質を用いてもよい。固体電解質としては、例えばポリエチレンオキサイド系の高分子化合物、ポリオルガノシロキサン鎖又はポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種以上を含む高分子化合物などの有機系高分子電解質を用いることができる。また、高分子化合物に非水電解液を保持させた、いわゆるゲルタイプのものを用いることもできる。またLiS−SiS、LiS−GeS、LiS−P、LiS−B、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiSO、LiS−GeS−Pなどの硫化物を含む無機系固体電解質が挙げられ、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。これら固体電解質を用いることで、リチウム二次電池の安全性をより高めることができることがある。
また、本実施形態のリチウム二次電池において、固体電解質を用いる場合には、固体電解質がセパレータの役割を果たす場合もあり、その場合には、セパレータを必要としないこともある。
以上のような構成の正極活物質は、上述した本実施形態のリチウム含有複合金属酸化物を用いているため、正極活物質を用いたリチウム二次電池の寿命を延ばすことができる。
また、以上のような構成の正極は、上述した本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質を有するため、リチウム二次電池の寿命を延ばすことができる。
さらに、以上のような構成のリチウム二次電池は、上述した正極を有するため、従来よりも寿命の長いリチウム二次電池となる。
次に、本発明の態様を実施例によりさらに詳細に説明する。
本実施例においては、リチウムニッケル複合酸化物の評価、正極及びリチウム二次電池の作製評価を、次のようにして行った。
(1)リチウムニッケル複合酸化物の評価
1.リチウムニッケル複合酸化物の組成分析
後述の方法で製造されるリチウムニッケル複合酸化物の組成分析は、得られたリチウムニッケル複合酸化物の粉末を塩酸に溶解させた後、誘導結合プラズマ発光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、SPS3000)を用いて行った。
2.リチウム化合物の10%累積体積粒度D10、50%累積体積粒度D50、及び90%累積体積粒度D90、ニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’の測定
測定するリチウム化合物の粉末0.1gを、イソプロピルアルコール50mlに投入し、該粉末が分散された分散液を得た。得られた分散液についてマイクロトラック・ベル株式会社製マイクロトラックMT3300EXII(レーザー回折散乱粒度分布測定装置)を用いて、粒度分布を測定し、体積基準の累積粒度分布曲線を得た。得られた累積粒度分布曲線において、10%累積時の体積粒度をリチウム化合物の10%累積体積粒度D10、50%累積時の体積粒度をリチウム化合物の50%累積体積粒度D50、90%累積時の体積粒度をリチウム化合物の90%累積体積粒度D90とした。
また、ニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’(μm)は、リチウム化合物の粉末0.1gの代わりにニッケル含有金属複合化合物の粉末0.1gを用い、イソプロピルアルコールの代わりに0.2質量%ヘキサメタりん酸ナトリウム水溶液を用いた以外は、上記リチウム化合物の粒度分布の測定と同様の手順で測定し、得られた累積粒度分布曲線において、50%累積時の体積粒度をニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’とした。
(2)正極の作製
後述する製造方法で得られるリチウムニッケル複合酸化物(正極活物質)と導電材(アセチレンブラック)とバインダー(PVdF)とを、正極活物質:導電材:バインダー=92:5:3(質量比)の組成となるように加えて混練することにより、ペースト状の正極合剤を調製した。正極合剤の調製時には、N−メチル−2−ピロリドンを有機溶媒として用いた。
得られた正極合剤を、集電体となる厚さ15μmのAl箔に塗布して60℃で3時間熱風乾燥を行った後、150℃で8時間熱風乾燥を行い、正極を得た。この正極の電極面積は1.65cmとした。
(3)リチウム二次電池(コイン型セル)の作製
以下の操作を、乾燥空気雰囲気のグローブボックス内で行った。
「(2)正極の作製」で作成した正極を、コイン型電池R2032用のコインセル(宝泉株式会社製)の下蓋にアルミ箔面を下に向けて置き、その上に積層フィルムセパレータ(ポリエチレン製多孔質フィルムの上に、耐熱多孔層を積層(厚み16μm))を置いた。ここに電解液を300μL注入した。用いた電解液は、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとの30:35:35(体積比)混合液に、LiPFを1.0mol/Lとなるように溶解して調製した。
次に、負極として金属リチウムを用いて、前記負極を積層フィルムセパレータの上側に置き、ガスケットを介して上蓋をし、かしめ機でかしめてリチウム二次電池(コイン型電池R2032。以下、「コイン型電池」と称することがある。)を作製した。
(4)充放電試験
[サイクル試験]
「(3)リチウム二次電池(コイン型セル)の作製」で作製したコイン型電池を用いて、以下に示す条件にて、50回のサイクル試験にて寿命評価を実施し、50回後の放電容量維持率を以下の式にて算出した。なお、50回後の放電容量維持率が高いほど、寿命特性がよいことを示している。
50回後の放電容量維持率(%)=50回目の放電容量/1回目の放電容量×100
以下、50回後の放電容量維持率を『サイクル維持率』と記載することがある。
[サイクル試験条件]
試験温度:25℃
充電時条件:充電時最大電圧4.45V、充電時間2.0時間、充電電流0.5CA
充電後休止時間:10分
放電時条件:放電時最小電圧2.5V、放電時間1.0時間、放電電流1.0CA
放電後休止時間:10分
本試験において、充電、充電休止、放電、放電休止を順に実施した工程を1回としている。
<実施例1>
(ニッケル含有複合化合物の製造工程)
ニッケル含有金属複合化合物として、微粒子状のニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物(Ni0.855Co0.095Mn0.02Al0.03(OH))を連続式共沈殿法により作製した。
表1に、共沈法により作製したニッケル含有金属複合水酸化物の組成を記載する。
得られたニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物を、電気炉を用いて、乾燥空気雰囲気下、昇温速度100℃/時間で650℃まで昇温し、650℃で5時間保持した。その後、室温まで放冷し、ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合酸化物を得た。
表2に、電気炉を用いた加熱条件を記載する。
(混合工程)
リチウム化合物として水酸化リチウム粉末と、以上のようにして得られたニッケル含有金属複合化合物とをLi/(Ni+Co+Mn+Al)=1.03(モル比)となるように秤量して混合した。
表5に、用いたリチウム化合物の種類、リチウム化合物の90%累積体積粒度D90(μm)、50%累積体積粒度D50(μm)、及び10%累積体積粒度D10(μm)、ニッケル含有金属複合化合物(表5中、「前駆体」と記載)の50%累積体積粒度D50’(μm)、 (D90−D10)/D50、及びD50/D50’を記載する。
表4に、用いたリチウム化合物の軽装密度(BD)及び重装密度(TD)、用いたニッケル含有金属複合化合物の軽装密度(BD)及び重装密度(TD)を記載する。
(焼成工程)
仮焼成として、電気炉を用いて酸素雰囲気下、昇温速度200℃/時間で770℃まで昇温し、770℃で5時間保持した。その後、室温まで放冷した。得られた焼成物については解砕の後に、本焼成として、昇温速度200℃/時間で770℃まで昇温し、770℃で5時間保持した、目的の実施例1のリチウムニッケル複合酸化物を得た。
表3に、焼成条件を記載する。
<実施例2〜7、比較例1〜3>
ニッケル含有金属複合水酸化物の組成を表1に記載したものを使用したこと、電気炉を用いた加熱条件を表2に記載した条件としたこと、リチウム化合物の種類、リチウム化合物の90%累積体積粒度D90(μm)、50%累積体積粒度D50(μm)、及び10%累積体積粒度D10(μm)、ニッケル含有金属複合化合物(表5中、「前駆体」と記載)の50%累積体積粒度D50’(μm)を、表5に記載のものを使用したこと、及び、焼成条件を表3に記載した条件としたこと、以外は上記実施例1と同様の方法により、実施例2〜7、比較例1〜3のリチウムニッケル複合酸化物を製造した。
下記表1に、共沈法により作製したニッケル含有金属複合水酸化物の組成を記載する。
Figure 0006970671

下記表2に、電気炉を用いた加熱条件を記載する。
Figure 0006970671
下記表3に、焼成条件を記載する。
Figure 0006970671
(実施例1のリチウムニッケル複合酸化物の評価)
得られた実施例1のリチウムニッケル複合酸化物の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.01、y=0.095、z=0.02、w=0.03であった。
(実施例2のリチウムニッケル複合酸化物の評価)
得られた実施例2のリチウムニッケル複合酸化物の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.01、y=0.095、z=0.02、w=0.03であった。
(実施例3のリチウムニッケル複合酸化物の評価)
得られた実施例3のリチウムニッケル複合酸化物の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.04、y=0.21、z=0.24、w=0であった。
(実施例4のリチウムニッケル複合酸化物の評価)
得られた実施例4のリチウムニッケル複合酸化物の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.04、y=0.21、z=0.24、w=0であった。
(実施例5のリチウムニッケル複合酸化物の評価)
得られた実施例5のリチウムニッケル複合酸化物の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.06、y=0.33、z=0.355、w=0であった。
(実施例6のリチウムニッケル複合酸化物の評価)
得られた実施例6のリチウムニッケル複合酸化物の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.06、y=0.33、z=0.355、w=0であった。
(実施例7のリチウムニッケル複合酸化物の評価)
得られた実施例7のリチウムニッケル複合酸化物の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.04、y=0.21、z=0.24、w=0であった。
(比較例1のリチウムニッケル複合酸化物の評価)
得られた比較例1のリチウムニッケル複合酸化物の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.01、y=0.095、z=0.02、w=0.03であった。
(比較例2のリチウムニッケル複合酸化物の評価)
得られた比較例2のリチウムニッケル複合酸化物の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.01、y=0.095、z=0.02、w=0.03であった。
(比較例3のリチウムニッケル複合酸化物の評価)
得られた比較例3のリチウムニッケル複合酸化物の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.04、y=0.21、z=0.24、w=0であった。
実施例1〜7、比較例1〜3で用いたリチウム化合物の軽装密度(BD)及び重装密度(TD)、実施例1〜7、比較例1〜3で用いたニッケル含有金属複合化合物の軽装密度(BD)及び重装密度(TD)を下記表4に記載する。
Figure 0006970671
下記表5に、用いたリチウム化合物の種類、リチウム化合物の90%累積体積粒度D90(μm)、50%累積体積粒度D50(μm)、及び10%累積体積粒度D10(μm)、ニッケル含有金属複合化合物(表3中、「前駆体」と記載)の50%累積体積粒度D50’(μm)、 (D90−D10)/D50、及びD50/D50’をまとめて記載
する。さらにサイクル維持率の結果も記載する。
Figure 0006970671
上記表5に示した結果のとおり、本発明を適用した製造方法により製造した実施例1〜7のリチウムニッケル複合酸化物は、サイクル維持率がいずれも80%以上と、高いサイクル維持率を示した。
これに対し、本発明を適用しない製造方法により製造した比較例1〜3のリチウムニッケル複合酸化物は、サイクル維持率が80%に到達せず、充分なサイクル特性を示さなかった。
本発明によれば、充放電サイクル特性に優れるリチウムニッケル複合酸化物の製造方法を提供することができる。
1…セパレータ、2…正極、3…負極、4…電極群、5…電池缶、6…電解液、7…トップインシュレーター、8…封口体、10…リチウム二次電池、21…正極リード、31…負極リード、50,50’…ニッケル含有金属複合化合物、51,51’…リチウム化合物

Claims (10)

  1. リチウム化合物と、ニッケル含有金属複合化合物とを混合し、混合物を得る混合工程と、
    前記混合物を焼成する焼成工程と、
    を含むリチウムニッケル複合酸化物の製造方法であって、
    前記リチウム化合物の90%累積体積粒度D90(μm)、50%累積体積粒度D50(μm)、及び10%累積体積粒度D10(μm)が、下記式(1)を満たし、
    かつ、
    前記ニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’ (μm)に対する前記リチウム化合物の前記D50の比(D50/D50’)が、0.1以上3.2未満であり、
    前記リチウム化合物の軽装密度(BD)が、0.1g/cc以上1.0g/cc以下であり、重装密度(TD)が、0.3g/cc以上2.0g/cc以下である、リチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
    (D90−D10)/D50<1.7 …(1)
  2. 前記リチウムニッケル複合酸化物が、以下の一般式(I)で表される、請求項1に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
    Li[Li(Ni(1−y−z−w)CoMn1−x]O ・・・(I)
    (一般式(I)中、−0.1≦x≦0.2、0<y≦0.5、0<z≦0.8、0≦w≦0.1、y+z+w<1、MはFe、Cu、Ti、Mg、Al、W、B、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga及びVからなる群より選択される1種以上の金属を表す。)
  3. 前記リチウム化合物が、水酸化リチウム及び炭酸リチウムのいずれか一方又は両方である、請求項1又は2に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
  4. 前記リチウム化合物の炭酸リチウム含有量が前記リチウム化合物の質量に対し5質量%以下である、請求項3に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
  5. 前記リチウム化合物の50%累積体積粒度D50(μm)が、1μm以上30μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
  6. 前記ニッケル含有金属複合化合物の50%累積体積粒度D50’が、1μm以上30μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
  7. 前記ニッケル含有金属複合化合物の軽装密度(BD)が、0.2g/cc以上2.5g/cc以下であり、重装密度(TD)が、0.5g/cc以上3.0g/cc以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
  8. 前記焼成工程において、焼成温度が600℃以上1000℃以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
  9. 前記焼成工程において、昇温開始から達温して温度保持が終了するまでの合計時間を1時間以上30時間以下とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
  10. 前記混合工程において、前記ニッケル含有金属複合化合物中に含まれる遷移金属の合計モル数(Me)に対する、前記リチウム化合物中に含まれるリチウムのモル数(Li)の比(Li/Me)を、0.90以上1.2以下となるように、前記ニッケル含有金属複合化合物と前記リチウム化合物とを混合する、請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
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