JP6871888B2 - リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池に関する。
リチウム含有複合金属酸化物は、リチウム二次電池用正極活物質として用いられている。リチウム二次電池は、既に携帯電話用途やノートパソコン用途などの小型電源として実用化されており、更に自動車用途や電力貯蔵用途などの中・大型電源においても、適用が試みられてきた。例えば、特許文献1〜6には、サイクル特性や充放電容量を向上させることを目的とした、リチウムニッケル複合酸化物が記載されている。
特開2016−33854号公報 国際公開第2014/133063号 特開2015−26455号公報 特開2015−56368号公報 特開2013−80603号公報 特開2013−152909号公報
しかしながら、上記のような従来のリチウム含有複合金属酸化物をリチウム二次電池用正極活物質として用いて得られるリチウム二次電池は、さらなる電池特性の向上が求められる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、高電圧(例えば金属リチウム基準で上限電圧を4.4V以上)でのサイクル特性が高いリチウム二次電池用正極活物質、及びこれを用いたリチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[11]の発明を包含する。
[1]リチウムイオンをドープ及び脱ドープ可能な一次粒子が凝集してなる二次粒子からなるリチウム複合金属化合物を含むリチウム二次電池用正極活物質であって、下記要件(1)〜(4)をすべて満たすことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。
(1)前記リチウム複合金属化合物が、下記組成式(A)で表されるα−NaFeO型の結晶構造を有する。
Li[Li(NiCoMn1−x]O・・・(A)(ここで、−0.1≦x≦0.2、0.7≦a<1、0<b≦0.3、0≦c≦0.2、0≦d≦0.1、a+b+c+d=1であり、MはMg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、Ti、Zr、Ge、Fe、Cu、Cr、V、W、Mo、Sc、Y、La、Nb、Ta、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、及びSnからなる群より選ばれる1種以上の元素である。)
(2)リチウム二次電池用正極活物質を、CuKα線を使用した粉末X線回折測定したとき、2θ=18.7±1°の範囲内のピークにおける積分強度Aと、2θ=44.4±1°の範囲内のピークにおける積分強度Bとの比(A/B)が1.2以上である。
(3)リチウム二次電池用正極活物質に含まれる炭酸リチウムが0.7質量%以下であり、水酸化リチウムが0.7質量%以下である。
(4)リチウム二次電池用正極活物質の水分含有量が1000ppm以下である。
[2]前記組成式(A)中のxが、0<x<0.1である[1]に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
[3]BET比表面積が0.1m/g以上2m/g以下である[1]または[2]に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
[4]粒度分布測定値から求めた10%累積径(D10)、50%累積径(D50)および90%累積径(D90)において、50%累積径(D50)が5μm以上20μm以下であり、さらに、下記式(B)の関係を満たす[1]〜[3]のいずれか1つに記載のリチウム二次電池用正極活物質。
0.8≦(D90−D10)/D50≦1.5・・・(B)[5]タップ密度が1.5cc/g以上3.5cc/g以下である[1]〜[4]のいずれか1つに記載のリチウム二次電池用正極活物質。
[6]前記リチウム複合金属化合物の一次粒子または二次粒子の表面に、LiとX(XはB、Al、Ti、Zr、La及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。)とのリチウム含有金属複合酸化物からなる被覆粒子または被覆層を備えることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1つに記載のリチウム二次電池用正極活物質。
[7]前記リチウム二次電池用正極活物質中の、NiとCoとMnとMの原子比の和に対する、前記被覆粒子または被覆層におけるXの原子比の割合(X/(Ni+Co+Mn+M))が、0.05モル%以上5モル%以下である[6]に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
[8]前記被覆粒子または被覆層がLiAlOを含む[6]または[7]に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
[9]前記被覆粒子または被覆層がLiWO、LiWOのいずれか1種以上を含む[6]〜[8]のいずれか1つに記載のリチウム二次電池用正極活物質。
[10][1]〜[9]のいずれか1つに記載のリチウム二次電池用正極活物質を有するリチウム二次電池用正極。
[11][10]に記載のリチウム二次電池用正極を有するリチウム二次電池。
本発明によれば、高電圧サイクル特性が高いリチウム二次電池用正極活物質、及びこれを用いたリチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池を提供することができる。
リチウムイオン二次電池の一例を示す概略構成図である。
<リチウム二次電池用正極活物質>
本発明のリチウム二次電池用正極活物質は、リチウムイオンをドープ及び脱ドープ可能な一次粒子が凝集してなる二次粒子からなるリチウム複合金属化合物を含み、特定の要件(1)〜(4)すべてを満たす。
以下、要件(1)〜(4)についてそれぞれ説明する。
・要件(1)
本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質が含むリチウム複合金属化合物は、下記組成式(A)で表されるα−NaFeO型の結晶構造を有する。
Li[Li(NiCoMn1−x]O・・・(A)
(ここで、−0.1≦x≦0.2、0.7≦a<1、0<b≦0.3、0≦c≦0.2、0≦d≦0.1、a+b+c+d=1であり、MはMg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、Ti、Zr、Ge、Fe、Cu、Cr、V、W、Mo、Sc、Y、Nb、La、Ta、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、及びSnからなる群より選ばれる1種以上の元素である。)
本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質において、高電圧サイクル特性が高いリチウム二次電池を得る観点から、前記組成式(A)におけるxは0を超えることが好ましく、0.01以上であることがより好ましく、0.02以上であることがさらに好ましい。
また、初回クーロン効率がより高いリチウム二次電池を得る観点から、前記組成式(A)におけるxは0.18以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましく、0.1以下であることがさらに好ましい。
xの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。該上限値と下限値の組み合わせとしては、0<x<0.1であることが好ましい。
本明細書において、「サイクル特性が高い」とは、放電容量維持率が高いことを意味する。
また、容量が高いリチウム二次電池を得る観点から、前記組成式(A)におけるaは0.70を超えることが好ましく、0.72以上であることがより好ましく、0.75以上であることがさらに好ましい。また、高い電流レートにおける放電容量が高いリチウム二次電池を得る観点から、前記組成式(A)におけるaは0.92以下であることが好ましく、0.91以下であることがより好ましく、0.9以下であることがさらに好ましい。
aの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
また、高電圧サイクル特性が高いリチウム二次電池を得る観点から、前記組成式(A)におけるbは0.07以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、0.13以上であることがさらに好ましい。また、熱的安定性が高いリチウム二次電池を得る観点から、前記組成式(A)におけるbは0.25以下であることが好ましく、0.23以下であることがより好ましく、0.20以下であることがさらに好ましい。
bの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
また、高電圧サイクル特性が高いリチウム二次電池を得る観点から、前記組成式(A)におけるcは0.01以上であることが好ましく、0.02以上であることがより好ましく、0.03以上であることがさらに好ましい。また、高温(例えば60℃環境下)での保存特性が高いリチウム二次電池を得る観点から、前記組成式(A)におけるcは0.18以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましく、0.10以下であることがさらに好ましい。
cの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
前記組成式(A)におけるMは、MはMg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、Ti、Zr、Ge、Fe、Cu、Cr、V、W、Mo、Sc、Y、Nb、La、Ta、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、及びSnのうちいずれか1種以上の金属である。
リチウム二次電池用正極活物質のハンドリング性を高める観点から、前記組成式(A)におけるdは0を超えることが好ましく、0.001以上であることがより好ましく、0.003以上であることがさらに好ましい。また、高い電流レートでの放電容量が高いリチウム二次電池を得る観点から、前記組成式(A)におけるdは0.08以下であることが好ましく、0.07以下であることがより好ましく、0.06以下であることがさらに好ましい。
dの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
また、高電圧サイクル特性が高いリチウム二次電池を得る観点から、組成式(A)におけるMは、Al、Zr、W、Mo、Nbのうちいずれか1種であることが好ましく、熱的安定性が高いリチウム二次電池を得る観点から、Mg、Al、Zr、Wのうちいずれか1種であることが好ましい。
・要件(2)
本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質を、CuKα線を使用した粉末X線回折測定したとき、2θ=18.7±1°の範囲内のピークにおける積分強度Aと、2θ=44.4±1°の範囲内のピークにおける積分強度Bとの比(A/B)が1.2以上である。
本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質の積分強度Aと積分強度Bは、以下のようにして確認することが出来る。
まず、リチウム二次電池用正極活物質について、CuKα線を使用した粉末X線回折測定において、2θ=18.7±1°の範囲内の回折ピーク(以下、ピークA’と呼ぶこともある)を決定する。2θ=44.4±1°の範囲内の回折ピーク(以下、ピークB’と呼ぶこともある)を決定する。
さらに、決定したピークA’の積分強度A及びピークB’の積分強度Bを算出し、積分強度Aと積分強度Bの比(A/B)を算出する。
本実施形態において、A/Bは、1.21以上であることが好ましく、1.22以上であることがより好ましい。
また、A/Bは、1.5以下であることが好ましく、1.45以下であることがより好ましく、1.4以下であることが特に好ましい。
上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
A/Bが上記の範囲のリチウム二次電池用正極活物質は、強固な結晶構造を有し、高電圧サイクル特性に優れるリチウム二次電池用正極活物質とすることができる。
・要件(3)
本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質は、リチウム二次電池用正極活物質に含まれる炭酸リチウムが0.7質量%以下であり、リチウム二次電池用正極活物質に含まれる水酸化リチウムが0.7質量%以下である。
リチウム二次電池用正極活物質のハンドリング性を高める観点から、リチウム二次電池用正極活物質に含まれる炭酸リチウムは0.65質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.4質量%以下であることが特に好ましい。
また、リチウム二次電池用正極活物質のハンドリング性を高める観点から、リチウム二次電池用正極活物質に含まれる水酸化リチウムは0.65質量%以下であることが好ましく、0.6質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが特に好ましい。
炭酸リチウム及び水酸化リチウムの含有量がともに上記の範囲であると、電池内部における充放電中のガス発生を抑制でき、高電圧サイクル特性が高いリチウム二次電池を得ることができる。
・要件(4)
本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質は、リチウム二次電池用正極活物質に含まれる水分含有量が1000ppm以下であり800ppm以下が好ましく、600ppm以下がより好ましく、550ppm以下が特に好ましい。
水分含有量が上記の範囲であると、電池内部における充放電中のガス発生を抑制でき、高電圧サイクル特性が高いリチウム二次電池を得ることができる。
(BET比表面積)
本実施形態において、高い電流レートでの放電容量が高いリチウム二次電池用正極活物質を得る観点から、リチウム二次電池用正極活物質のBET比表面積(m/g)は、0.1m/g以上であることが好ましく、0.15m/g以上であることがより好ましく、0.20m/g以上であることがさらに好ましい。また、リチウム二次電池用正極活物質の吸湿性を低くする観点から、正極活物質のBET比表面積(m/g)は、2.0m/g以下であることが好ましく、1.8m/g以下であることがより好ましく、1.5m/g以下であることがさらに好ましい。
リチウム二次電池用正極活物質のBET比表面積(m/g)の上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
(層状構造)
リチウム二次電池用正極活物質の結晶構造は、層状構造であり、六方晶型の結晶構造又は単斜晶型の結晶構造であることがより好ましい。
六方晶型の結晶構造は、P3、P3、P3、R3、P−3、R−3、P312、P321、P312、P321、P312、P321、R32、P3m1、P31m、P3c1、P31c、R3m、R3c、P−31m、P−31c、P−3m1、P−3c1、R−3m、R−3c、P6、P6、P6、P6、P6、P6、P−6、P6/m、P6/m、P622、P622、P622、P622、P622、P622、P6mm、P6cc、P6cm、P6mc、P−6m2、P−6c2、P−62m、P−62c、P6/mmm、P6/mcc、P6/mcm、P6/mmcからなる群から選ばれるいずれか一つの空間群に帰属される。
また、単斜晶型の結晶構造は、P2、P2、C2、Pm、Pc、Cm、Cc、P2/m、P2/m、C2/m、P2/c、P2/c、C2/cからなる群から選ばれるいずれか一つの空間群に帰属される。
これらのうち、放電容量が高いリチウム二次電池用正極活物質を得る観点から、結晶構造は、空間群R−3mに帰属される六方晶型の結晶構造、又はC2/mに帰属される単斜晶型の結晶構造であることが特に好ましい。
(粒度分布)
本実施形態において、高い電流レートでの放電容量が高いリチウム二次電池用正極活物質を得る観点から、リチウム二次電池用正極活物質の、10%累積径D10(μm)、50%累積径D50(μm)、及び90%累積径D90(μm)において、50%累積径D50(μm)が5μm以上20μm以下であることが好ましい。さらに、D10、D50、D90が下記式(B)の関係を満たすことが好ましい。
0.8≦(D90−D10)/D50≦1.5・・・(B)
熱的安定性が高いリチウム二次電池用正極活物質を得る観点から、リチウム二次電池用正極活物質の50%累積径D50(μm)は、6μm以上がより好ましく、7μm以上が特に好ましい。また、高い電流レートでの放電容量が高いリチウム二次電池用正極活物質を得る観点から、リチウム二次電池用正極活物質の50%累積径D50(μm)は、18μm以下がより好ましく、16μm以下が特に好ましい。
上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
10%累積径D10(μm)、50%累積径D50(μm)、及び90%累積径D90(μm)は、レーザー回折散乱粒度分布測定装置を用いて測定できる。
(タップ密度)
エネルギー密度が高いリチウム二次電池用正極活物質を得る観点から、本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質のタップ密度は、1.5cc/g以上であることが好ましく、1.6cc/g以上であることがより好ましく、1.7cc/g以上であることが特に好ましい。また、高い電流レートでの放電容量が高いリチウム二次電池用正極活物質を得る観点から、リチウム二次電池用正極活物質のタップ密度は3.5cc/g以下であることが好ましく、3.4cc/g以下であることがより好ましく、3.3cc/g以下であることが特に好ましい。
上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
ここで、タップ密度は、JIS R 1628−1997におけるタップかさ密度に該当する。
熱的安定性が高いリチウム二次電池用正極活物質を得る観点から、本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質は、リチウム複合金属化合物の一次粒子または二次粒子の表面に、LiとX(XはB、Al、Ti、Zr、La及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。)とのリチウム含有金属複合酸化物からなる被覆粒子または被覆層を備えることが好ましい。
(被覆粒子又は被覆層)
被覆粒子又は被覆層は、LiとXとのリチウム含有金属複合酸化物を含む。XはB、Al、Ti、Zr、La及びWから選ばれる1種以上であり、Al又はWであることが好ましい。
被覆粒子又は被覆層は、XとしてAlを選択した場合には、LiAlOであることが好ましい。
被覆粒子又は被覆層は、XとしてWを選択した場合には、LiWO、LiWOのいずれか1種以上であることが好ましい。
本発明の効果を高める観点から、前記リチウム二次電池用正極活物質中の、NiとCoとMnとMの原子比の和に対する、前記被覆粒子または被覆層におけるXの原子比の割合(X/(Ni+Co+Mn+M))が、0.05モル%以上5モル%以下が好ましい。(X/Ni+Co+Mn+M)の上限値は、4モル%がより好ましく、3モル%が特に好ましい。(X/Ni+Co+Mn+M)の下限値は、0.1モル%がより好ましく、1モル%が特に好ましい。上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
本実施形態において、被覆層の組成の確認は、二次粒子断面のSTEM-EDX元素ライン分析、誘導結合プラズマ発光分析、電子線マイクロアナライザ分析などを用いることで行うことができる。被覆層の結晶構造の確認は、粉末X線回折や、電子線回折を用いて行うことができる。
[リチウム二次電池用正極活物質の製造方法]
本発明のリチウム二次電池用正極活物質を製造するにあたって、まず、リチウム以外の金属、すなわち、Ni、Co及びMnから構成される必須金属、並びに、MはMg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、Ti、Zr、Ge、Fe、Cu、Cr、V、W、Mo、Sc、Y、Nb、La、Ta、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、及びSnのうちいずれか1種以上の任意金属を含む金属複合化合物を調製し、当該金属複合化合物を適当なリチウム塩と焼成することが好ましい。金属複合化合物としては、金属複合水酸化物又は金属複合酸化物が好ましい。以下に、正極活物質の製造方法の一例を、金属複合化合物の製造工程と、リチウム金属複合酸化物の製造工程とに分けて説明する。
(金属複合化合物の製造工程)
金属複合化合物は、通常公知のバッチ共沈殿法又は連続共沈殿法により製造することが可能である。以下、金属として、ニッケル、コバルト及びマンガンを含む金属複合水酸化物を例に、その製造方法を詳述する。
まず共沈殿法、特に特開2002−201028号公報に記載された連続法により、ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、マンガン塩溶液、及び錯化剤を反応させ、NiCoMn(OH)(式中、x+y+z=1)で表される金属複合水酸化物を製造する。
上記ニッケル塩溶液の溶質であるニッケル塩としては、特に限定されないが、例えば硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル及び酢酸ニッケルのうちの何れかを使用することができる。上記コバルト塩溶液の溶質であるコバルト塩としては、例えば硫酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルト、及び酢酸コバルトのうちの何れかを使用することができる。上記マンガン塩溶液の溶質であるマンガン塩としては、例えば硫酸マンガン、硝酸マンガン、塩化マンガン、及び酢酸マンガンのうちの何れかを使用することができる。以上の金属塩は、上記NiCoMn(OH)の組成比に対応する割合で用いられる。
また、溶媒として水が使用される。
錯化剤としては、水溶液中で、ニッケル、コバルト、及びマンガンのイオンと錯体を形成可能なものであり、例えばアンモニウムイオン供給体(水酸化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、弗化アンモニウム等)、ヒドラジン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ウラシル二酢酸、及びグリシンが挙げられる。
沈殿に際しては、水溶液のpH値を調整するため、必要ならばアルカリ金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)を添加する。
上記ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、及びマンガン塩溶液のほか、錯化剤を反応槽に連続して供給させると、ニッケル、コバルト、及びマンガンが反応し、NiCoMn(OH)が製造される。反応に際しては、反応槽の温度が例えば20℃以上80℃以下、好ましくは30〜70℃の範囲内で制御され、反応槽内のpH値は例えばpH9以上pH13以下、好ましくはpH11〜13の範囲内で制御され、反応槽内の物質が適宜撹拌される。反応槽は、形成された反応沈殿物を分離のためオーバーフローさせるタイプのものである。
反応槽に供給する金属塩の濃度、攪拌速度、反応温度、反応pH、及び後述する焼成条件等を適宜制御することにより、下記工程で最終的に得られるリチウム二次電池用正極活物質の上記要件(1)〜(4)、BET比表面積、等の各種物性を制御することができる。
反応条件については、使用する反応槽のサイズ等にも依存することから、最終的に得られるリチウム複合酸化物の各種物性をモニタリングしつつ、反応条件を最適化すれば良い。
以上の反応後、得られた反応沈殿物を水で洗浄した後、乾燥し、ニッケルコバルトマンガン複合化合物としてのニッケルコバルトマンガン水酸化物を単離する。また、必要に応じて弱酸水や水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを含むアルカリ溶液で洗浄しても良い。
なお、上記の例では、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を製造しているが、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物を調製してもよい。
(リチウム金属複合酸化物の製造工程)
上記金属複合酸化物又は水酸化物を乾燥した後、リチウム塩と混合する。乾燥条件は、特に制限されないが、例えば、金属複合酸化物又は水酸化物が酸化・還元されない条件(酸化物が酸化物のまま維持される、水酸化物が水酸化物のまま維持される)、金属複合水酸化物が酸化される条件(水酸化物が酸化物に酸化される)、金属複合酸化物が還元される条件(酸化物が水酸化物に還元される)のいずれの条件でもよい。酸化・還元がされない条件のためには、窒素、ヘリウム及びアルゴン等の不活性ガスを使用すれば良く、水酸化物が酸化される条件では、酸素又は空気を使用すれば良い。また、金属複合酸化物が還元される条件としては、不活性ガス雰囲気下、ヒドラジン、亜硫酸ナトリウム等の還元剤を使用すれば良い。リチウム塩としては、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム水和物、酸化リチウムのうち何れか一つ、または、二つ以上を混合して使用することができる。
金属複合酸化物又は水酸化物の乾燥後に、適宜分級を行っても良い。以上のリチウム塩と金属複合水酸化物とは、最終目的物の組成比を勘案し、要件(1)を満たしつつ、要件(3)を満たすように用いられる。例えば、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を用いる場合、リチウム塩と当該金属複合水酸化物は、LiNiCoMn(式中、x+y+z=1)の組成比に対応する割合で用いられる。ニッケルコバルトマンガン金属複合水酸化物及びリチウム塩の混合物を焼成することによって、リチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物が得られる。なお、焼成には、所望の組成に応じて乾燥空気、酸素雰囲気、不活性雰囲気等が用いられ、必要ならば複数の加熱工程が実施される。
上記金属複合酸化物又は水酸化物と、水酸化リチウム、炭酸リチウム等のリチウム化合物との焼成温度としては、特に制限はないが、要件(2)を本発明の特定の範囲としつつ、要件(3)および要件(4)を満たすために、600℃以上1000℃以下であることが好ましく、680℃以上950℃以下であることがより好ましく、700℃以上900℃以下がさらに好ましい。
焼成温度が上記下限値以上であると、強固な結晶構造を有するリチウム二次電池用正極活物質を得ることができる。また、焼成温度が上記上限値以下であると、リチウムの揮発を低減できる。
焼成時間は、3時間〜50時間が好ましい。焼成時間が50時間を超えると、電池性能上問題はないが、リチウムの揮発によって実質的に電池性能に劣る傾向となる。焼成時間が3時間より少ないと、結晶の発達が悪く、電池性能が悪くなる傾向となる。なお、上記の焼成の前に、仮焼成を行うことも有効である。仮焼成を行うことで、要件(3)を本発明の特定の範囲としやすくすることができる。この様な仮焼成の温度は、300〜850℃の範囲で、1〜10時間行うことが好ましい。
焼成によって得たリチウム金属複合酸化物は、粉砕後に適宜分級され、リチウム二次電池に適用可能な正極活物質とされる。粉砕および分級工程における雰囲気を水分を除去した雰囲気とすると、要件(4)を本発明の特定の範囲としやすくことができる。なお、リチウム複合金属化合物の粉砕は二次粒子同士の凝集を解しつつ、二次粒子自体を破砕しない強度での粉砕が好ましい。
[被覆粒子又は被覆層を有するリチウム二次電池用正極活物質の製造方法]
被覆粒子又は被覆層を有するリチウム二次電池用正極活物質を製造する場合には、被覆材原料及びリチウム複合金属化合物を混合して、必要に応じて熱処理することによりリチウム複合金属化合物の一次粒子又は二次粒子の表面にリチウム含有金属複合酸化物からなる被覆粒子または被覆層を形成できる。
上記のようにして得られた被覆粒子又は被覆層を有するリチウム二次電池用正極活物質は要件(3)および要件(4)を本発明の特定の範囲としやすくできるため好ましい。
被覆材原料は、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩またはアルコキシドを用いることができ、酸化物であることが好ましい。
リチウム複合金属化合物の表面に被覆材原料をより効率的に被覆するため、被覆材原料はリチウム複合金属化合物の二次粒子に比べて微粒であることが好ましい。具体的には、被覆材原料の平均二次粒子径は、1μm以下であることが好ましく、0.1μm以下であることがより好ましい。
被覆材原料及びリチウム複合金属化合物の混合は、リチウム二次電池用正極活物質製造時における混合と同様にして行えばよい。攪拌翼を内部に備えた粉体混合機を用いて混合する方法など、ボールなどの混合メディアを備えず、強い粉砕を伴わない混合装置を用いて混合する方法が好ましい。また、混合後に水を含有する雰囲気中において、保持させることによって被覆層をリチウム複合金属化合物の表面により強固に付着させることができる。
被覆材原料及びリチウム複合金属化合物の混合後に必要に応じて行う熱処理における熱処理条件(温度、保持時間)は、被覆材原料の種類に応じて、異なる場合がある。熱処理温度は、300〜850℃の範囲に設定することが好ましく、前記リチウム複合金属化合物の焼成温度以下の温度であることが好ましい。リチウム複合金属化合物の焼成温度よりも高い温度であると、被覆材原料がリチウム複合金属化合物と固溶し、被覆層が形成されない場合がある。熱処理における保持時間は、焼成時の保持時間より短く設定することが好ましい。熱処理における雰囲気としては、前記焼成と同様の雰囲気ガスが挙げられる。
スパッタリング、CVD、蒸着などの手法を用いることにより、リチウム複合金属化合物の表面に、被覆層を形成させて、リチウム二次電池用正極活物質を得ることもできる。
また、前記金属複合酸化物又は水酸化物と、リチウム塩と被覆材原料を混合・焼成することによりリチウム二次電池用正極活物質を得られる場合もある。
リチウム複合金属化合物の一次粒子又は二次粒子の表面に、被覆層を備えたリチウム二次電池用正極活物質は、適宜解砕、分級され、リチウム二次電池用正極活物質とされる。
粉砕および分級工程における雰囲気を水分を除去した雰囲気とすると、要件(4)を本発明の特定の範囲としやすくことができる。
<リチウム二次電池>
次いで、リチウム二次電池の構成を説明しながら、本発明のリチウム二次電池用正極活物質を、リチウム二次電池の正極活物質として用いた正極、およびこの正極を有するリチウム二次電池について説明する。
本実施形態のリチウム二次電池の一例は、正極および負極、正極と負極との間に挟持されるセパレータ、正極と負極との間に配置される電解液を有する。
図1は、本実施形態のリチウム二次電池の一例を示す模式図である。本実施形態の円筒型のリチウム二次電池10は、次のようにして製造する。
まず、図1(a)に示すように、帯状を呈する一対のセパレータ1、一端に正極リード21を有する帯状の正極2、および一端に負極リード31を有する帯状の負極3を、セパレータ1、正極2、セパレータ1、負極3の順に積層し、巻回することにより電極群4とする。
次いで、図1(b)に示すように、電池缶5に電極群4および不図示のインシュレーターを収容した後、缶底を封止し、電極群4に電解液6を含浸させ、正極2と負極3との間に電解質を配置する。さらに、電池缶5の上部をトップインシュレーター7および封口体8で封止することで、リチウム二次電池10を製造することができる。
電極群4の形状としては、例えば、電極群4を巻回の軸に対して垂直方向に切断したときの断面形状が、円、楕円、長方形、角を丸めた長方形となるような柱状の形状を挙げることができる。
また、このような電極群4を有するリチウム二次電池の形状としては、国際電気標準会議(IEC)が定めた電池に対する規格であるIEC60086、又はJIS C 8500で定められる形状を採用することができる。例えば、円筒型、角型などの形状を挙げることができる。
さらに、リチウム二次電池は、上記巻回型の構成に限らず、正極、セパレータ、負極、セパレータの積層構造を繰り返し重ねた積層型の構成であってもよい。積層型のリチウム二次電池としては、いわゆるコイン型電池、ボタン型電池、ペーパー型(又はシート型)電池を例示することができる。
以下、各構成について順に説明する。
(正極)
本実施形態の正極は、まず正極活物質、導電材およびバインダーを含む正極合剤を調整し、正極合剤を正極集電体に担持させることで製造することができる。
(導電材)
本実施形態の正極が有する導電材としては、炭素材料を用いることができる。炭素材料として黒鉛粉末、カーボンブラック(例えばアセチレンブラック)、繊維状炭素材料などを挙げることができる。カーボンブラックは、微粒で表面積が大きいため、少量を正極合剤中に添加することにより正極内部の導電性を高め、充放電効率および出力特性を向上させることができるが、多く入れすぎるとバインダーによる正極合剤と正極集電体との結着力、および正極合剤内部の結着力がいずれも低下し、かえって内部抵抗を増加させる原因となる。
正極合剤中の導電材の割合は、正極活物質100質量部に対して5質量部以上20質量部以下であると好ましい。導電材として黒鉛化炭素繊維、カーボンナノチューブなどの繊維状炭素材料を用いる場合には、この割合を下げることも可能である。
(バインダー)
本実施形態の正極が有するバインダーとしては、熱可塑性樹脂を用いることができる。
この熱可塑性樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFということがある。
)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などのフッ素樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;を挙げることができる。
これらの熱可塑性樹脂は、2種以上を混合して用いてもよい。バインダーとしてフッ素樹脂およびポリオレフィン樹脂を用い、正極合剤全体に対するフッ素樹脂の割合を1質量%以上10質量%以下、ポリオレフィン樹脂の割合を0.1質量%以上2質量%以下とすることによって、正極集電体との密着力および正極合剤内部の結合力がいずれも高い正極合剤を得ることができる。
(正極集電体)
本実施形態の正極が有する正極集電体としては、Al、Ni、ステンレスなどの金属材料を形成材料とする帯状の部材を用いることができる。なかでも、加工しやすく、安価であるという点でAlを形成材料とし、薄膜状に加工したものが好ましい。
正極集電体に正極合剤を担持させる方法としては、正極合剤を正極集電体上で加圧成型する方法が挙げられる。また、有機溶媒を用いて正極合剤をペースト化し、得られる正極合剤のペーストを正極集電体の少なくとも一面側に塗布して乾燥させ、プレスし固着することで、正極集電体に正極合剤を担持させてもよい。
正極合剤をペースト化する場合、用いることができる有機溶媒としては、N,N―ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミンなどのアミン系溶媒;テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒;酢酸メチルなどのエステル系溶媒;ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)などのアミド系溶媒;が挙げられる。
正極合剤のペーストを正極集電体へ塗布する方法としては、例えば、スリットダイ塗工法、スクリーン塗工法、カーテン塗工法、ナイフ塗工法、グラビア塗工法および静電スプレー法が挙げられる。
以上に挙げられた方法により、正極を製造することができる。
(負極)
本実施形態のリチウム二次電池が有する負極は、正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープかつ脱ドープが可能であればよく、負極活物質を含む負極合剤が負極集電体に担持されてなる電極、および負極活物質単独からなる電極を挙げることができる。
(負極活物質)
負極が有する負極活物質としては、炭素材料、カルコゲン化合物(酸化物、硫化物など)、窒化物、金属又は合金で、正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープかつ脱ドープが可能な材料が挙げられる。
負極活物質として使用可能な炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維および有機高分子化合物焼成体を挙げることができる。
負極活物質として使用可能な酸化物としては、SiO、SiOなど式SiO(ここで、xは正の実数)で表されるケイ素の酸化物;TiO、TiOなど式TiO(ここで、xは正の実数)で表されるチタンの酸化物;V、VOなど式VO(ここで、xは正の実数)で表されるバナジウムの酸化物;Fe、Fe、FeOなど式FeO(ここで、xは正の実数)で表される鉄の酸化物;SnO、SnOなど式SnO(ここで、xは正の実数)で表されるスズの酸化物;WO、WOなど一般式WO(ここで、xは正の実数)で表されるタングステンの酸化物;LiTi12、LiVOなどのリチウムとチタン又はバナジウムとを含有する複合金属酸化物;を挙げることができる。
負極活物質として使用可能な硫化物としては、Ti、TiS、TiSなど式TiS(ここで、xは正の実数)で表されるチタンの硫化物;V、VS2、VSなど式VS(ここで、xは正の実数)で表されるバナジウムの硫化物;Fe、FeS、FeSなど式FeS(ここで、xは正の実数)で表される鉄の硫化物;Mo、MoSなど式MoS(ここで、xは正の実数)で表されるモリブデンの硫化物;SnS2、SnSなど式SnS(ここで、xは正の実数)で表されるスズの硫化物;WSなど式WS(ここで、xは正の実数)で表されるタングステンの硫化物;Sbなど式SbS(ここで、xは正の実数)で表されるアンチモンの硫化物;Se、SeS、SeSなど式SeS(ここで、xは正の実数)で表されるセレンの硫化物;を挙げることができる。
負極活物質として使用可能な窒化物としては、LiN、Li3−xN(ここで、AはNiおよびCoのいずれか一方又は両方であり、0<x<3である。)などのリチウム含有窒化物を挙げることができる。
これらの炭素材料、酸化物、硫化物、窒化物は、1種のみ用いてもよく2種以上を併用して用いてもよい。また、これらの炭素材料、酸化物、硫化物、窒化物は、結晶質又は非晶質のいずれでもよい。
また、負極活物質として使用可能な金属としては、リチウム金属、シリコン金属およびスズ金属などを挙げることができる。
負極活物質として使用可能な合金としては、Li−Al、Li−Ni、Li−Si、Li−Sn、Li−Sn−Niなどのリチウム合金;Si−Znなどのシリコン合金;Sn−Mn、Sn−Co、Sn−Ni、Sn−Cu、Sn−Laなどのスズ合金;CuSb、LaNiSnなどの合金;を挙げることもできる。
これらの金属や合金は、例えば箔状に加工された後、主に単独で電極として用いられる。
上記負極活物質の中では、充電時に未充電状態から満充電状態にかけて負極の電位がほとんど変化しない(電位平坦性がよい)、平均放電電位が低い、繰り返し充放電させたときの容量維持率が高い(サイクル特性がよい)などの理由から、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛を主成分とする炭素材料が好ましく用いられる。炭素材料の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、又は微粉末の凝集体などのいずれでもよい。
前記の負極合剤は、必要に応じて、バインダーを含有してもよい。バインダーとしては、熱可塑性樹脂を挙げることができ、具体的には、PVdF、熱可塑性ポリイミド、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンおよびポリプロピレンを挙げることができる。
(負極集電体)
負極が有する負極集電体としては、Cu、Ni、ステンレスなどの金属材料を形成材料とする帯状の部材を挙げることができる。なかでも、リチウムと合金を作り難く、加工しやすいという点で、Cuを形成材料とし、薄膜状に加工したものが好ましい。
このような負極集電体に負極合剤を担持させる方法としては、正極の場合と同様に、加圧成型による方法、溶媒などを用いてペースト化し負極集電体上に塗布、乾燥後プレスし圧着する方法が挙げられる。
(セパレータ)
本実施形態のリチウム二次電池が有するセパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体などの材質からなる、多孔質膜、不織布、織布などの形態を有する材料を用いることができる。また、これらの材質を2種以上用いてセパレータを形成してもよいし、これらの材料を積層してセパレータを形成してもよい。
本実施形態において、セパレータは、電池使用時(充放電時)に電解質を良好に透過させるため、JIS P 8117で定められるガーレー法による透気抵抗度が、50秒/100cc以上、300秒/100cc以下であることが好ましく、50秒/100cc以上、200秒/100cc以下であることがより好ましい。
また、セパレータの空孔率は、好ましくは30体積%以上80体積%以下、より好ましくは40体積%以上70体積%以下である。セパレータは空孔率の異なるセパレータを積層したものであってもよい。
(電解液)
本実施形態のリチウム二次電池が有する電解液は、電解質および有機溶媒を含有する。
電解液に含まれる電解質としては、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(COCF)、Li(CSO)、LiC(SOCF、Li10Cl10、LiBOB(ここで、BOBは、bis(oxalato)borateのことである。)、LiFSI(ここで、FSIはbis(fluorosulfonyl)imideのことである)、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlClなどのリチウム塩が挙げられ、これらの2種以上の混合物を使用してもよい。なかでも電解質としては、フッ素を含むLiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(SOCFおよびLiC(SOCFからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。
また前記電解液に含まれる有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物、又はこれらの有機溶媒にさらにフルオロ基を導入したもの(有機溶媒が有する水素原子のうち1以上をフッ素原子で置換したもの)を用いることができる。
有機溶媒としては、これらのうちの2種以上を混合して用いることが好ましい。中でもカーボネート類を含む混合溶媒が好ましく、環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒および環状カーボネートとエーテル類との混合溶媒がさらに好ましい。環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートを含む混合溶媒が好ましい。このような混合溶媒を用いた電解液は、動作温度範囲が広く、高い電流レートにおける充放電を行っても劣化し難く、長時間使用しても劣化し難く、かつ負極の活物質として天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛材料を用いた場合でも難分解性であるという多くの特長を有する。
また、電解液としては、得られるリチウム二次電池の安全性が高まるため、LiPFなどのフッ素を含むリチウム塩およびフッ素置換基を有する有機溶媒を含む電解液を用いることが好ましい。ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテルなどのフッ素置換基を有するエーテル類とジメチルカーボネートとを含む混合溶媒は、高い電流レートにおける充放電を行っても容量維持率が高いため、さらに好ましい。
上記の電解液の代わりに固体電解質を用いてもよい。固体電解質としては、例えばポリエチレンオキサイド系の高分子化合物、ポリオルガノシロキサン鎖又はポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種以上を含む高分子化合物などの有機系高分子電解質を用いることができる。また、高分子化合物に非水電解液を保持させた、いわゆるゲルタイプのものを用いることもできる。またLiS−SiS、LiS−GeS、LiS−P、LiS−B、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiSO、LiS−GeS−Pなどの硫化物を含む無機系固体電解質が挙げられ、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。これら固体電解質を用いることで、リチウム二次電池の安全性をより高めることができることがある。
また、本実施形態のリチウム二次電池において、固体電解質を用いる場合には、固体電解質がセパレータの役割を果たす場合もあり、その場合には、セパレータを必要としないこともある。
以上のような構成の正極活物質は、上述した本実施形態のリチウム含有複合金属酸化物を用いているため、正極活物質を用いたリチウム二次電池の高電圧サイクル特性を延ばすことができる。
また、以上のような構成の正極は、上述した本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質を有するため、リチウム二次電池の高電圧サイクル特性を延ばすことができる。
さらに、以上のような構成のリチウム二次電池は、上述した正極を有するため、従来よりも高電圧サイクル特性に優れたリチウム二次電池となる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下の実施例において、実施例2は参考例とする。
本実施例においては、リチウム二次電池用正極活物質の評価を、次のようにして行った。
[組成分析]
後述の方法で製造されるリチウム複合金属化合物の組成分析は、得られたリチウム複合金属化合物の粉末を塩酸に溶解させた後、誘導結合プラズマ発光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、SPS3000)を用いて行った。
[リチウム二次電池用正極活物質の積分強度比測定]
リチウム二次電池用正極活物質の粉末X線回折測定は、X線回折装置(X‘Prt PRO、PANalytical社)を用いて行った。得られたリチウム二次電池用正極活物質を専用の基板に充填し、Cu−Kα線源を用いて、回折角2θ=10°〜90°の範囲にて測定を行うことで、粉末X線回折図形を得た。粉末X線回折パターン総合解析ソフトウェアJADE5を用い、該粉末X線回折図形からピークA’に対応するピーク積分強度AおよびピークB’に対応するピークの積分強度Bを得て、積分強度Aと積分強度Bの比(A/B)を算出した。
ピークA’: 2θ=18.7±1°
ピークB’: 2θ=44.6±1°
[リチウム二次電池用正極活物質に含まれる残留リチウム定量(中和滴定)]
リチウム二次電池用正極活物質20gと純水100gを100mlビーカーに入れ、5分間撹拌した。撹拌後、リチウム二次電池用正極活物質を濾過し、残った濾液の60gに0.1mol/L塩酸を滴下し、pHメーターにて濾液のpHを測定した。pH=8.3±0.1時の塩酸の滴定量をAml、pH=4.5±0.1時の塩酸の滴定量をBmlとして、下記の計算式より、リチウム二次電池用正極活物質中に残存する炭酸リチウム及び水酸化リチウム濃度を算出した。下記の式中、炭酸リチウム及び水酸化リチウムの分子量は、各原子量を、H;1.000、Li;6.941、C;12、O;16、として算出した。
炭酸リチウム濃度(%)=
0.1×(B−A)/1000×73.882/(20×60/100)×100水酸化リチウム濃度(%)=
0.1×(2A−B)/1000×23.941/(20×60/100)×100
[水分含有量の測定]
測定するリチウム二次電池用正極活物質の粉末1gについて電量法カールフィッシャー水分計(831 Coulometer、Metrohm社製)を用い、正極活物質の水分含有量を測定した。
[BET比表面積測定]
リチウム二次電池用正極活物質粉末1gを窒素雰囲気中、150℃で15分間乾燥させた後、マウンテック社製Macsorb(登録商標)を用いて測定した。
[粒子径の測定]
レーザー回折粒度分布計(株式会社堀場製作所製、LA−950)を用い、リチウム金属複合酸化物粉末0.1gを、0.2質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液50mlに投入し、該粉末を分散させた分散液を得た。得られた分散液について粒度分布を測定し、体積基準の累積粒度分布曲線を得た。得られた累積粒度分布曲線において、50%累積時の微小粒子側から見た粒子径(D50)の値を、平均二次粒子径とした。また、同様にして10%累積時の微小粒子側から見た粒子径(D10)を10%累積径とし90%累積時の微小粒子側から見た粒子径(D90)を90%累積径とした。
[タップ密度の測定]
タップ密度は、JIS R 1628−1997記載の方法で求めた。
〔リチウム二次電池の作製〕
・リチウム二次電池用正極の作製
後述する製造方法で得られるリチウム二次電池用正極活物質と導電材(アセチレンブラック)とバインダー(PVdF)とを、リチウム二次電池用正極活物質:導電材:バインダー=92:5:3(質量比)の組成となるように加えて混練することにより、ペースト状の正極合剤を調製した。正極合剤の調製時には、N−メチル−2−ピロリドンを有機溶媒として用いた。
得られた正極合剤を、集電体となる厚さ40μmのAl箔に塗布して150℃で8時間真空乾燥を行い、リチウム二次電池用正極を得た。このリチウム二次電池用正極の電極面積は1.65cmとした。
・リチウム二次電池(コイン型セル)の作製
以下の操作を、乾燥空気雰囲気のグローブボックス内で行った。
「リチウム二次電池用正極の作製」で作成した正極を、コイン型電池R2032用のコインセル(宝泉株式会社製)の下蓋にアルミ箔面を下に向けて置き、その上に積層フィルムセパレータ(ポリエチレン製多孔質フィルムの上に、耐熱多孔層を積層(厚み16μm))を置いた。ここに電解液を300μL注入した。用いた電解液は、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとの30:35:35(体積比)混合液に、LiPFを1.0mol/Lとなるように溶解して調製した。
次に、負極として金属リチウムを用いて、前記負極を積層フィルムセパレータの上側に置き、ガスケットを介して上蓋をし、かしめ機でかしめてリチウム二次電池(コイン型電池R2032。以下、「コイン型電池」と称することがある。)を作製した。
・充放電試験
[サイクル試験]
「リチウム二次電池(コイン型セル)の作製」で作製したコイン型電池を用いて、以下に示す条件にて、50回のサイクル試験にて寿命評価を実施し、50回後の放電容量維持率を以下の式にて算出した。なお、50回後の放電容量維持率が高いほど、高電圧サイクル特性がよいことを示している。
50回後の放電容量維持率(%)=50回目の放電容量/1回目の放電容量×100
以下、50回後の放電容量維持率を『サイクル維持率』と記載することがある。
[サイクル試験条件]
試験温度:25℃
充電時条件:充電時最大電圧4.45V、充電時間2.0時間、充電電流0.5CA
充電後休止時間:10分
放電時条件:放電時最小電圧2.5V、放電時間1.0時間、放電電流1.0CA
放電後休止時間:10分
本試験において、充電、充電休止、放電、放電休止を順に実施した工程を1回としている。
(実施例1)
1.リチウム二次電池用正極活物質1の製造
攪拌機およびオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を60℃に保持した。
硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液と硫酸マンガン水溶液とを、ニッケル原子とコバルト原子とマンガン原子との原子比が0.875:0.095:0.02となるように混合して、混合原料液を調製した。
次に、反応槽内に、攪拌下、この混合原料溶液と10.8質量%の硫酸アルミニウム水溶液と、硫酸アンモニウム水溶液(錯化剤)とを連続的に添加した。硫酸アルミニウム水溶液はニッケル原子とコバルト原子とマンガン原子とアルミニウム原子との原子比が0.875:0.095:0.02:0.01となるように流量を調整した。反応槽内の溶液のpHが11.8になるよう水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物粒子を得て、水酸化ナトリウム溶液で洗浄した後、遠心分離機で脱水、単離し、105℃で乾燥することにより、ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物1を得た。
以上のようにして得られたニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物1と水酸化リチウムと酸化タングステンとをLi/(Ni+Co+Mn+Al)=1.05、W/(Ni+Co+Mn+Al)=0.004と成るように秤量して混合した後、酸素雰囲気下760℃で5時間焼成し、リチウム複合酸化物1を得た。次いで、リチウム複合酸化物1と酸化アルミニウムとをAl/(Ni+Co+Mn+Al)=0.015となるように秤量し、混合した後、酸素雰囲気下760℃で10時間焼成し、露点温度が−10℃の雰囲気下で粉砕処理を行い、目的のリチウム二次電池用正極活物質1を得た。
2.リチウム二次電池用正極活物質1の評価
要件(1)
得られたリチウム二次電池用正極活物質1粒子の断面STEM−EDX分析により、被覆層を備えることが分かった。また、リチウム二次電池用正極活物質1のICP組成分析および結晶構造分析から、被覆層は、LiAlO、LiWO、LiWOを含有し、リチウム二次電池用正極活物質中の、NiとCoとMnとAlの原子比の和に対する、被覆層におけるXの原子比の割合(X/(Ni+Co+Mn+Al))は0.019であった。
リチウム二次電池用正極活物質1に含まれるリチウム複合金属化合物を組成式(I)に対応させたところ、x=0.01、a=0.875、b=0.095、c=0.02、d=0.01であった。
要件(2)
また、積分強度Aと積分強度Bの比(A/B)は1.23であった。
要件(3)
リチウム二次電池用正極活物質1に含まれる炭酸リチウムの含有量は、0.53質量%であった。
リチウム二次電池用正極活物質1に含まれる水酸化リチウムの含有量は、0.51質量%であった。
要件(4)
リチウム二次電池用正極活物質1の水分含有量は330ppmであった。
リチウム二次電池用正極活物質1のBET比表面積は、0.26m/gであった。
リチウム二次電池用正極活物質1のD50は、12.1μmであり、(D90−D10)/D50は1.05であった。
リチウム二次電池用正極活物質1のタップ密度は2.7g/ccであった。
リチウム二次電池用正極活物質1を用いてコイン型電池を作製しサイクル試験を行ったところ、放電容量維持率は83.9%であった。
(実施例2)
1.リチウム二次電池用正極活物質2の製造
ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物1と水酸化リチウム粉末とをLi/(Ni+Co+Mn+Al)=1.03となるように秤量して混合した後、酸素雰囲気下760℃で5時間焼成し、さらに、酸素雰囲気下760℃で10時間焼成し、露点温度が−10℃の雰囲気下で粉砕処理を行い、目的のリチウム二次電池用正極活物質2を得た。
2.リチウム二次電池用正極活物質2の評価
要件(1)
得られたリチウム二次電池用正極活物質2の組成分析を行い、リチウム二次電池用正極活物質2に含まれるリチウム複合金属化合物を組成式(I)に対応させたところ、x=0.0、a=0.875、b=0.095、c=0.02、d=0.01であった。
要件(2)
また、積分強度Aと積分強度Bの比(A/B)は1.25であった。
要件(3)
リチウム二次電池用正極活物質2に含まれる炭酸リチウムの含有量は、0.18質量%であった。
リチウム二次電池用正極活物質2に含まれる水酸化リチウムの含有量は、0.39質量%であった。
要件(4)
リチウム二次電池用正極活物質2の水分含有量は290ppmであった。
リチウム二次電池用正極活物質2のBET比表面積は、0.26m/gであった。
リチウム二次電池用正極活物質2のD50は、11.3μmであり、(D90−D10)/D50は1.04であった。
リチウム二次電池用正極活物質2のタップ密度は2.6g/ccであった。
リチウム二次電池用正極活物質2を用いてコイン型電池を作製しサイクル試験を行ったところ、放電容量維持率は84.3%であった。
(実施例3)
1.リチウム二次電池用正極活物質3の製造
攪拌機およびオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を45℃に保持した。
硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液と硫酸マンガン水溶液とを、ニッケル原子とコバルト原子とマンガン原子との原子比が0.71:0.19:0.10となるように混合して、混合原料液を調製した。
次に、反応槽内に、攪拌下、この混合原料溶液と硫酸アンモニウム水溶液(錯化剤)とを連続的に添加し、反応槽内の溶液のpHが10.4になるよう水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を得て、水酸化ナトリウム溶液で洗浄した後、遠心分離機で脱水、単離し、105℃で乾燥することにより、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物3を得た。
以上のようにして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物3と水酸化リチウム粉末とをLi/(Ni+Co+Mn)=1.05となるように秤量して混合した後、酸素雰囲気下850℃で10時間焼成し、さらに、酸素雰囲気下700℃で5時間焼成し、露点温度が−10℃の雰囲気下で粉砕処理を行い、目的のリチウム二次電池用正極活物質3を得た。
2.リチウム二次電池用正極活物質3の評価
要件(1)
得られたリチウム二次電池用正極活物質3の組成分析を行い、リチウム二次電池用正極活物質3に含まれるリチウム複合金属化合物を組成式(I)に対応させたところ、x=0.02、a=0.71、b=0.19、c=0.10であった。
要件(2)
また、積分強度Aと積分強度Bの比(A/B)は1.28であった。
要件(3)
リチウム二次電池用正極活物質3に含まれる炭酸リチウムの含有量は、0.38質量%であった。
リチウム二次電池用正極活物質3に含まれる水酸化リチウムの含有量は、0.33質量%であった。
要件(4)
リチウム二次電池用正極活物質3の水分含有量は510ppmであった。
リチウム二次電池用正極活物質3のBET比表面積は、0.55m/gであった。
リチウム二次電池用正極活物質3のD50は、8.7μmであり、(D90−D10)/D50は0.96であった。
リチウム二次電池用正極活物質3のタップ密度は2.1g/ccであった。
リチウム二次電池用正極活物質3を用いてコイン型電池を作製しサイクル試験を行ったところ、放電容量維持率は88.2%であった。
(比較例1)
1.リチウム二次電池用正極活物質4の製造
ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物1と水酸化リチウム粉末とをLi/(Ni+Co+Mn+Al)=1.00となるように秤量して混合した後、酸素雰囲気下760℃で5時間焼成し、リチウム複合酸化物4を得た。次いで、リチウム複合酸化物4と酸化アルミニウムとをAl/(Ni+Co+Mn+Al)=0.015となるように秤量し、混合した後、酸素雰囲気下760℃で10時間焼成し、露点温度が−10℃の雰囲気下で粉砕処理を行い、目的のリチウム二次電池用正極活物質4を得た。
2.リチウム二次電池用正極活物質4の評価
要件(1)
得られたリチウム二次電池用正極活物質4粒子の断面STEM−EDX分析により、被覆層を備えることが分かった。また、リチウム二次電池用正極活物質4のICP組成分析および結晶構造分析から、被覆層は、LiAlOを含有し、リチウム二次電池用正極活物質中の、NiとCoとMnとAlの原子比の和に対する、被覆層におけるXの原子比の割合(X/(Ni+Co+Mn+Al))は0.015であった。
リチウム二次電池用正極活物質4に含まれるリチウム複合金属化合物を組成式(I)に対応させたところ、x=0.00、a=0.875、b=0.095、c=0.02、d=0.01であった。
要件(2)
また、積分強度Aと積分強度Bの比(A/B)は1.18であった。
要件(3)
リチウム二次電池用正極活物質4に含まれる炭酸リチウムの含有量は、0.19質量%であった。
リチウム二次電池用正極活物質4に含まれる水酸化リチウムの含有量は、0.25質量%であった。
要件(4)
リチウム二次電池用正極活物質4の水分含有量は280ppmであった。
リチウム二次電池用正極活物質4のBET比表面積は、0.25m/gであった。
リチウム二次電池用正極活物質4のD50は、11.7μmであり、(D90−D10)/D50は1.04であった。
リチウム二次電池用正極活物質4のタップ密度は2.4g/ccであった。
リチウム二次電池用正極活物質4を用いてコイン型電池を作製しサイクル試験を行ったところ、放電容量維持率は74.9%であった。
(比較例2)
1.リチウム二次電池用正極活物質5の製造
ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物1と水酸化リチウム粉末とをLi/(Ni+Co+Mn+Al)=1.10となるように秤量して混合した後、酸素雰囲気下760℃で5時間焼成し、さらに、酸素雰囲気下760℃で10時間焼成し、露点温度が−10℃の雰囲気下で粉砕処理を行い、目的のリチウム二次電池用正極活物質5を得た。
2.リチウム二次電池用正極活物質5の評価
要件(1)
得られたリチウム二次電池用正極活物質5の組成分析を行い、リチウム二次電池用正極活物質5に含まれるリチウム複合金属化合物を組成式(I)に対応させたところ、x=0.04、a=0.875、b=0.095、c=0.02、d=0.01であった。
要件(2)
また、積分強度Aと積分強度Bの比(A/B)は1.25であった。
要件(3)
リチウム二次電池用正極活物質5に含まれる炭酸リチウムの含有量は、1.11質量%であった。
リチウム二次電池用正極活物質5に含まれる水酸化リチウムの含有量は、0.44質量%であった。
要件(4)
リチウム二次電池用正極活物質5の水分含有量は540ppmであった。
リチウム二次電池用正極活物質5のBET比表面積は、0.38m/gであった。
リチウム二次電池用正極活物質5のD50は、14.4μmであり、(D90−D10)/D50は1.27であった。
リチウム二次電池用正極活物質5のタップ密度は2.2g/ccであった。
リチウム二次電池用正極活物質5を用いてコイン型電池を作製しサイクル試験を行ったところ、放電容量維持率は59.4%であった。
(比較例3)
1.リチウム二次電池用正極活物質6の製造
ニッケルコバルトマンガンアルミニウム複合水酸化物1と水酸化リチウム粉末とをLi/(Ni+Co+Mn+Al)=1.04となるように秤量して混合した後、酸素雰囲気下760℃で5時間焼成し、リチウム複合酸化物6を得た。次いで、リチウム複合酸化物6と酸化アルミニウムとをAl/(Ni+Co+Mn+Al)=0.015となるように秤量し、混合した後、酸素雰囲気下760℃で10時間焼成し、大気雰囲気下で粉砕処理を行い、目的のリチウム二次電池用正極活物質6を得た。
2.リチウム二次電池用正極活物質6の評価
要件(1)
得られたリチウム二次電池用正極活物質6粒子の断面STEM−EDX分析により、被覆層を備えることが分かった。また、リチウム二次電池用正極活物質6のICP組成分析および結晶構造分析から、被覆層は、LiAlOを含有し、リチウム二次電池用正極活物質中の、NiとCoとMnとAlの原子比の和に対する、被覆層におけるXの原子比の割合(X/(Ni+Co+Mn+Al))は0.015であった。
リチウム二次電池用正極活物質6に含まれるリチウム複合金属化合物を組成式(I)に対応させたところ、x=0.02、a=0.875、b=0.095、c=0.02、d=0.01であった。
要件(2)
また、積分強度Aと積分強度Bの比(A/B)は1.21であった。
要件(3)
リチウム二次電池用正極活物質6に含まれる炭酸リチウムの含有量は、0.22質量%であった。
リチウム二次電池用正極活物質6に含まれる水酸化リチウムの含有量は、0.63質量%であった。
要件(4)
リチウム二次電池用正極活物質6の水分含有量は1222ppmであった。
リチウム二次電池用正極活物質6のBET比表面積は、0.22m/gであった。
リチウム二次電池用正極活物質6のD50は、11.2μmであり、(D90−D10)/D50は0.96であった。
リチウム二次電池用正極活物質6のタップ密度は2.4g/ccであった。
リチウム二次電池用正極活物質6を用いてコイン型電池を作製しサイクル試験を行ったところ、放電容量維持率は75.3%であった。
下記表1〜3に、リチウム二次電池用正極活物質の組成等をまとめて記載する。
Figure 0006871888
Figure 0006871888
Figure 0006871888
上記結果に記載のとおり、本発明を適用した実施例1〜3は、高電圧サイクル特性がいずれも80%以上と高かった。これに対し、本発明を適用しない比較例1〜3は、高電圧サイクル特性がいずれも80%を大きく下回った。
1…セパレータ、2…正極、3…負極、4…電極群、5…電池缶、6…電解液、7…トップインシュレーター、8…封口体、10…リチウム二次電池、21…正極リード、31…負極リード

Claims (6)

  1. リチウムイオンをドープ及び脱ドープ可能な一次粒子が凝集してなる二次粒子からなるリチウム複合金属化合物を含むリチウム二次電池用正極活物質であって、下記要件(1)〜(4)をすべて満たすことを特徴とし、金属リチウム基準で上限電圧を4.4V以上とするリチウム二次電池で用いられる、リチウム二次電池用正極活物質。
    (1)前記リチウム複合金属化合物が、下記組成式(A)で表されるα−NaFeO型の結晶構造を有する。
    Li[Li(NiCoMn1−x]O・・・(A)
    (ここで、0<x<0.1、0.7≦a<1、0<b≦0.3、0≦c≦0.2、0≦d≦0.1、a+b+c+d=1であり、MはMg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、Ti、Zr、Ge、Fe、Cu、Cr、V、W、Mo、Sc、Y、Nb、La、Ta、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、及びSnからなる群より選ばれる1種以上の元素である。)
    (2)リチウム二次電池用正極活物質を、CuKα線を使用した粉末X線回折測定したとき、2θ=18.7±1°の範囲内のピークにおける積分強度Aと、2θ=44.4±1°の範囲内のピークにおける積分強度Bとの比(A/B)が1.2以上である。
    (3)リチウム二次電池用正極活物質に含まれる炭酸リチウムが、0.7質量%以下であり、水酸化リチウムが0.7質量%以下である。
    (4)リチウム二次電池用正極活物質の水分含有量が、1000ppm以下である。
  2. BET比表面積が0.1m/g以上2m/g以下である請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
  3. 粒度分布測定値から求めた10%累積径(D10)、50%累積径(D50)および90%累積径(D90)において、50%累積径(D50)が5μm以上20μm以下であり、さらに、下記式(B)の関係を満たす請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
    0.8≦(D90−D10)/D50≦1.5・・・(B)
  4. タップ密度が1.5g/cc以上3.5g/cc以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質を有するリチウム二次電池用正極。
  6. 請求項5に記載のリチウム二次電池用正極を有するリチウム二次電池。
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