JP6964941B2 - 車両用の空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用の空調装置に関する。
特許文献1には、空調用の空気の流路上に吸湿器を配置した車両用の空調装置が開示されている。
特開平08−067136号公報
この空調装置の吸湿器は、吸湿材(デシカント材)と再生用ヒータとを組み合わせて構成されている。この吸湿器では、流路内を通流する空気に含まれる水分を吸湿材に吸着して、空気を除湿する。さらに、吸湿材が飽和した際に、再生用ヒータで吸湿材を過熱して吸湿材に含まれる水分を放出させることで、吸湿材を再生する。
しかし、特許文献1の空調装置では、吸湿材を再生しているときには、空気の除湿を行えないため、空気を連続して除湿できない仕様となっている。
ここで、空気の除湿を連続して行えるようにするために、以下のようにすることが考えられる。
(a)ひとつの吸湿材(デシカント材)に、水分を吸着する吸着領域と、吸着した水分を脱着させる脱着領域とを設定する。
(b)例えば、デシカント材の吸着領域を、除湿対象の空気が通流する流路(除湿側流路)内に設置し、脱着領域を、デシカント材から水分を脱着させて回収するための回収用の空気の流路(回収側流路)内に設置する。
この場合、空気に含まれる水分をデシカント材の吸着領域に吸着させて、空気を除湿する一方で、デシカント材の脱着領域から水分を脱着させて回収用の空気に取り込ませることで、水分の吸着と脱着を連続的に行うことができる。
ここで、除湿対象の空気の除湿を連続して行うためには、デシカント材の脱着領域から回収用の空気に取り込まれる水分量が、除湿対象の空気からデシカント材の吸着領域に吸着される水分量と同等以上であることが好ましい。
しかしながら、車両用の空調装置は、車両内の限られた空間に設置される。そのため、デシカント材を、車両内の空いた空間の形状に合わせた形状で形成する場合がある。
例えば、空調装置のデシカント材を配置できる空間が、長方体形状の空間である場合、回収用の空気が通過する流路断面積が、除湿対象の空気が通過する流路断面積よりも小さくなることがある。この場合、除湿対象の空気の除湿が不十分になる可能性がある。
そこで、空調装置の設置場所に関係なく、除湿対象の空気を適切に除湿できるようにすることが求められている。
除湿対象の空気に含まれる水分の吸着と、吸着した水分の回収用の空気への放出が可能なデシカント材と、
前記除湿対象の空気が通流する第1流路と、
前記回収用の空気が通流する第2流路と、を有し、
前記デシカント材が、前記第1流路と前記第2流路との交差領域に設けられていると共に、
前記交差領域における前記第1流路の流路断面積、前記交差領域における前記第2流路の流路断面積よりも大きく、前記第2流路を通流する前記回収用の空気の風量が、前記第1流路を通流する前記除湿対象の空気よりも少ない車両用の空調装置であって、
前記デシカント材は、
間隔をあけて並んだ複数の板状基材と、
前記板状基材の並び方向で隣接する板状基材の間に設けられた波状基材と、を有すると共に、前記並び方向で隣接する板状基材の間に、前記除湿対象の空気が通流する第1通流路、または前記回収用の空気が通流する第2通流路が形成されており、
前記波状基材は、当該波状基材を挟んで一方側に位置する板状基材と、他方側に位置する板状基材とに交互に接して設けられて、前記波状基材と前記板状基材とで囲まれた空間が、前記第1通流路または前記第2通流路となっており、
前記第1通流路が間に形成された板状基材の間隔と、前記第2通流路が間に形成された板状基材の間隔のうちの一方の間隔を、他方の間隔よりも広くして、前記間隔を広くした板状基材の間の通流路の開口面積が、前記間隔を広くしていない板状基材の間の通流路の開口面積よりも大きくされており、
前記間隔を広くした板状基材の間の通流路は、前記第2流路を通流する空気の通流路であり、
であり、
前記間隔が広いほうの板状基材の間の前記波状基材と、前記間隔が狭いほうの板状基材の間の前記波状基材は、
前記板状基材との接触点における前記波状基材と前記板状基材との交差角が同じで、
前記板状基材との接触点の間隔が異なっており、
前記板状基材との接触点の間隔は、前記間隔が広いほうの板状基材の間の前記波状基材のほうが、前記間隔が狭いほうの板状基材の間の前記波状基材よりも大きいことを特徴とする車両用の空調装置。
本発明によれば、空調装置の設置場所に関係なく、除湿対象の空気を適切に除湿できる。
第1実施形態にかかる車両用の空調装置の概略構成図である。 交差領域に設けられたデシカント材を説明する図である。 デシカント材の構成を説明する図である。 デシカント材の波状基材を説明する図である。 デシカント材の構成を説明する図である。 変形例にかかるデシカント材の波状基材を説明する図である。 第2実施形態にかかる車両用の空調装置の概略構成図である。 交差領域に設けられたデシカント材を説明する図である。 第3実施形態にかかる車両用の空調装置の概略構成図である。 交差領域に設けられたデシカント材を説明する図である。 デシカント材の構成を説明する図である。 デシカント材の波状基材を説明する図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を、除湿対象の空気が、温度調節部10に供給される空気(外気、内気)である場合を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態にかかる車両用の空調装置1の概略構成図である。
以下の説明においては、車室90内から取り込んだ空気を「内気」または「室内空気」とも標記する。車室90外から取り込んだ空気を「外気」または「室外空気」とも標記する。
図1に示すように、車両用の空調装置1は、車室90内に供給する空調空気(温度が調整された空気)を調整する温度調節部10を有している。
温度調節部10は、エバポレータ12と、ヒータコア13と、ミックスドア14と、混合部15とを有している。
エバポレータ12は、シロッコファン6A側から送風された空気を冷却する。
エバポレータ12の下流側には、ヒータコア13とミックスドア14とが設けられている。ミックスドア14は、エバポレータ12で冷却された空気のヒータコア13側への流入量を調整し、ヒータコア13は、エバポレータ12側から流入した空気を暖める。
この空調装置1では、エバポレータ12により冷却された空気と、ヒータコア13を経由して暖められた空気と、を混合部15内で混合して、所定温度の空調空気を調整する。
空調空気の温度の調節は、ヒータコア13側に流入する空気の量を、ミックスドア14により調整することで行われる。
混合部15には、ダクト(デフダクト16、ベントダクト17、フットダクト18)への供給口(デフ側供給口16a、ベント側供給口17a、フット側供給口18a)が開口している。
各供給口(デフ側供給口16a、ベント側供給口17a、フット側供給口18a)には、開閉弁16v、17v、18vが設けられている。各開閉弁16v、17v、18vの開閉は、制御装置(図示せず)により行われる。
そのため、混合部15で温度が調整された空調空気は、ダクト(デフダクト16、ベントダクト17、フットダクト18)のうちの少なくとも1つのダクトを通って、最終的に、車室90内に供給される。
デフダクト16は、ウインドシールドガラスWの下部の近傍に開口する吹出口16bと、デフ側供給口16aとを接続している。
吹出口16bは、この吹出口16bから吹き出す空調空気が、ウインドシールドガラスWの車幅方向の略全面に当たるようにするために、車幅方向に所定長さを有している。
ベントダクト17は、車室90内のインストルメントパネル91で開口する吹出口17b、17cと、ベント側供給口17aと、を接続している。
フットダクト18は、車室90内の床の近傍に開口する吹出口18bと、フット側供給口18aと、を接続している。
空調装置1は、車室90内(車内)の空気の取込口21aと、車室90外(車外)の空気の取込口23aから取り込んだ空気の少なくとも一方が通流する第1流路2を有している。
第1流路2は、通流路21と、送風路22と、を有している。通流路21は、長手方向の一端に、車室90内の空気の取込口21aを有している。送風路22は、長手方向の一端に、温度調節部10との接続口22aを有している。
送風路22の内部には、シロッコファン6Aのロータ61が設けられている。ロータ61は、モータM1の回転駆動力で軸線X回りに一体に回転する。モータM1の駆動は、制御装置(図示せず)により制御される。
シロッコファン6Aでは、ロータ61が軸線X回りに回転すると、ロータ61の回転軸(軸線X)方向から空気が吸引されると共に、吸引された空気が、軸線Xの径方向に送出される。
そのため、第1流路2では、送風路22におけるロータ61が設けられた領域に、通流路21が軸線X方向から接続されている。
通流路21の長手方向の途中位置には、車外の空気の取込口23aを有する外気導入部23が接続されている。外気導入部23と通流路21との接続部には、外気導入部23の開口23bを開閉する切替弁41が設けられている。
切替弁41の仕切壁411は、内気導入位置(図1:実線参照)と、外気導入位置(図1:仮想線参照)との間を変位する。この仕切壁411の変位と、仕切壁411の配置は、制御装置(図示せず)が制御する。
仕切壁411が内気導入位置に配置されると、外気導入部23の開口23bが仕切壁411により閉じられて、通流路21と外気導入部23との連通が遮断される。
これにより、取込口21aを介して通流路21内に取り込んだ車室90内の空気(内気)が、通流路21を通って、送風路22内に供給される。
仕切壁411が外気導入位置(図1:仮想線参照)に配置されると、取込口21aから通流路21への空気(内気)の流入が阻止されると共に、取込口23aから通流路21への空気(外気)の流入が許容される。
これにより、取込口23aから外気導入部23の内部空間231に取り込まれた車外の空気(外気)が、通流路21を通って送風路22内に供給される。
なお、仕切壁411は、内気導入位置と外気導入位置の間に配置される場合もある。この場合には、車室90内の空気(内気)と車外の空気(外気)の両方が、送風路22内に供給される。
送風路22内に供給された空気(内気および/または外気)は、温度調節部10で温度が調整されたのち、デフダクト16と、ベントダクト17と、フットダクト18とのうちの少なくとも1つのダクトを通って、空調空気として車室90内に供給される。
デフダクト16では、デフ側供給口16aと吹出口16bとの間の領域に、第2流路3との交差領域25が設けられている。
交差領域25では、デフダクト16と第2流路3とが略直交している。第2流路3の長手方向の一端と他端は、それぞれ、外気の取込口3aと外気の排出口3bになっている。
第2流路3では、デフダクト16との交差領域25よりも下流側に、シロッコファン6Bのロータ61が設けられている。ロータ61は、モータM2の回転駆動力で軸線X回りに回転する。モータM2の駆動は、制御装置(図示せず)により制御される。
シロッコファン6Bでは、ロータ61が軸線X回りに回転すると、ロータ61の回転軸(軸線X)方向から空気が吸引されると共に、吸引された空気が、軸線Xの径方向に送出される。
そのため、ロータ61が軸線X回りに回転すると、車外の空気(外気)が、取込口3aから第2流路3内に取り込まれる。
そして、第2流路3内に取り込まれた空気(外気)は、デフダクト16との交差領域25を通過した後、排出口3bから車外に排出される。
デフダクト16と第2流路3との交差領域25には、デシカント材5が設けられている。
デシカント材5は、デフダクト16を通流する空調空気を除湿するために設けられている。
図2は、交差領域25に設けられたデシカント材5を説明する図である。
図3は、デシカント材5の構成を説明する図であって、デシカント材5の一部を分解して示した斜視図である。
図4は、デシカント材5の波状基材52、53を説明する図である。図4の(a)は、波状基材52の長辺部520を側方から見た図である。図4の(b)は、波状基材53の短辺部531を側方から見た図である。なお、図4では、波状基材52、53の形状を説明するために、波状基材52、53の厚みを省略して線状に記載している。
図5は、デシカント材5の構成を説明する図である。図5の(a)は、波状基材52と板状基材51、51との間に形成される通流路Saを主として説明する図であり、図5の(b)は、波状基材53と板状基材51、51との間に形成される通流路Sbを主として説明する図である。なお、図5では、説明の便宜上、板状基材51の並び方向で隣接する2つの通流路Sa、Sbのみを示している。
図2に示すように、デフダクト16と第2流路3との交差領域25では、デフダクト16を通流する空調空気の移動方向と、第2流路3を通流する空気(再生用流体)の移動方向とが直交している。
本実施形態では、デフダクト16と第2流路3との交差領域25が、長方体形状を成しており(図2参照)、交差領域25における第2流路3側の流路断面積のほうが、デフダクト16側の流路断面積よりも狭くなっている。
そのため、交差領域25には、長方体形状のデシカント材5が設けられている。
デシカント材5は、当該デシカント材5内の空気の通流路Sa(空間)を、デフダクト16における空調空気の通流方向に沿わせた向きで配置されている。さらに、デシカント材5は、当該デシカント材5内の空気の通流路Sb(空間)を、第2流路3における再生用流体の通流方向に沿わせた向きで配置されている。
図3に示すように、デシカント材5は、間隔を開けて互いに略平行に配置された複数の板状基材51と、板状基材51、51の間に配置された波状基材52、53とを有している。
波状基材52、53は、板状基材51の並び方向で隣接する一対の板状基材51、51の間に設けられている。一対の板状基材51、51の間には、波状基材52と波状基材53の何れか一方が設けられている。
板状基材51は、正面視において長方形形状を成す板状部材である。この板状基材51の四辺のうちの対向する二辺(長辺部510、510)と、残りの対向する二辺(短辺部511、511)は、側面視においてそれぞれ直線状を成している。長辺部510、510と、短辺部511、511は、正面視において互いに直交している。
波状基材52は、正面視において長方形形状を成す板状部材である。この波状基材52の四辺のうちの対向する二辺(長辺部520、520)は、側面視において波状を成しており、残りの二辺(短辺部521、521)は、側面視において直線状を成している。長辺部520、520と短辺部521、521は、正面視において互いに直交している。
波状基材52の長辺部520の長さL1は、前記した板状基材51の長辺部510の長さL1と同じである。波状基材52の短辺部521の長さL2は、前記した板状基材51の短辺部511の長さL2と同じである。
図4の(a)に示すように、波状を成す長辺部520を側方から見ると、長辺部520は、波状基材52の厚み方向(図4の(a)における左右方向)における一方側と他方側に、複数の湾曲点P1、P2を有している。湾曲点P1と湾曲点P2は、長辺部520に沿う方向(図4の(a)における上下方向)で交互に位置している。
長辺部520に沿う方向における湾曲点P1の間隔と、長辺部520に沿う方向における湾曲点P2の間隔は、略同じ間隔Pxである。
また、湾曲点P1と湾曲点P2とを結ぶ線分Laと、湾曲点P1同士を繋いだ仮想線Lmとは、所定角度θで交差している。湾曲点P2と湾曲点P1とを結ぶ線分Lbと、湾曲点P2同士を繋いだ仮想線Lnもまた、所定角度θで交差している。
波状基材52は、長辺部520側から見た側面視において、長辺部520に沿う方向で山と谷が周期的に繰り返す波形状を有している。
そして、波状基材52は、厚み方向における一方側の湾曲点P1と、他方側の湾曲点P2を、それぞれ互いに平行な仮想線Lm、Ln上に位置させた形状を保持している。
そのため、波状基材52は、当該波状基材52の厚み方向(図4における左右方向)に、湾曲点P1と湾曲点P2の間隔W1に相当する幅の範囲を持っている。
図5の(a)に示すように波状基材52は、当該波状基材52を挟んで一方側に位置する板状基材51と、他方側に位置する板状基材51とに交互に接して設けられている。
そのため、図4の(a)における仮想線Lm、Lnは、板状基材51、51における波状基材52との対向面の位置を示している。
また、波状基材52の湾曲点P1と湾曲点P2を結ぶ線分La、Lbと、板状基材51に沿う仮想線Lm、Lnとの交差角θを、波状基材52と板状基材51との接触点P1、P2における交差角であるとして、便宜的に取り扱っている。
図5の(a)に示すように、デシカント材5では、波状基材52における板状基材51との接触点となる湾曲点P1、P2が、板状基材51に接着剤55で接続されている。
なお、以下の説明においては、波状基材52の湾曲点P1、P2を、波状基材52と板状基材51との接触点とも標記する。
この状態において波状基材52は、当該波状基材52の両側に位置する板状基材51、51との間に、波状基材52と板状基材51、51とで囲まれた複数の空間Saを形成している。
複数の空間Saは、同一の開口面積で形成されている。
なお、波状基材52に沿う方向(図5の(a)における上方方向)の一端と他端には、デシカント材5の構成素材(板状基材51、波状基材52)で完全に囲まれていない不完全な形状の空間Sa’が形成される。
本実施形態では、デシカント材5における空間Saが、空調空気の通流路として用いられている。以下の説明においては、デシカント材5における空間Saを、空調空気の通流路Saとも標記する。
板状基材51を挟んで波状基材52の反対側には、デシカント材5が備えるもう一つの波状基材53が設けられている。
図3に示すように、この波状基材53の四辺のうちの対向する二辺(長辺部530、530)は、側面視において直線状を成しており、残りの二辺(短辺部531、531)は、側面視において波状を成している。長辺部530、530と短辺部531、531は、正面視において互いに直交している。
波状基材53の長辺部530の長さL1は、前記した板状基材51の長辺部510の長さL1と同じである。波状基材53の短辺部531の長さL2は、前記した板状基材51の短辺部511の長さL2と同じである。
図4の(b)に示すように、波状を成す短辺部531を側方から見ると、短辺部531は、波状基材53の厚み方向(図4の(b)における左右方向)における一方側と他方側に、複数の湾曲点P3、P4を有している。湾曲点P3と湾曲点P4は、短辺部531に沿う方向(図4の(b)における上下方向)で交互に位置している。
短辺部531に沿う方向における湾曲点P3の間隔と、短辺部531に沿う方向における湾曲点P4の間隔は、略同じ間隔Pyである。この間隔Pyは、前記した波状基材52の湾曲点P1や湾曲点P2の間隔Pxよりも大きくなっている。
また、湾曲点P3と湾曲点P4とを結ぶ線分Lcと、湾曲点P3同士を繋いだ仮想線Loとは、所定角度θで交差している。
湾曲点P4と湾曲点P3とを結ぶ線分Ldと、湾曲点P4同士を繋いだ仮想線Lpもまた、所定角度θで交差している。この交差角θは、前記した波状基材52での交差角θと同じである。
波状基材53は、短辺部531側から見た側面視において、短辺部531に沿う方向で山と谷が周期的に繰り返す波形状を有している。
そして、波状基材53は、厚み方向における一方側の湾曲点P3と、他方側の湾曲点P4を、それぞれ互いに平行な仮想線Lo、Lp上に位置させた形状を保持している。
そのため、波状基材53は、当該波状基材53の厚み方向(図4における左右方向)に、湾曲点P3と湾曲点P4の間隔W2に相当する幅の範囲を持っている。この間隔W2は、前記した波状基材52の場合の間隔W1よりも広い幅である。
図5の(b)に示すように波状基材53は、当該波状基材53を挟んで一方側に位置する板状基材51と、他方側に位置する板状基材51とに交互に接して設けられている。
そのため、図4の(b)における仮想線Lo、Lpは、板状基材51、51における波状基材53との対向面の位置を示している。
また、波状基材53の湾曲点P3と湾曲点P4を結ぶ線分Lc、Ldと、板状基材51に沿う仮想線Lo、Lpとの交差角θを、波状基材53と板状基材51との接触点P3、P4における交差角として、便宜的に取り扱っている。
図5の(b)に示すように、デシカント材5では、波状基材53における板状基材51との接触点となる湾曲点P3、P4が、板状基材51に接着剤55で接続されている。
なお、以下の説明においては、波状基材53の湾曲点P3、P4を、波状基材53と板状基材51との接触点とも標記する。
この状態において波状基材53は、当該波状基材53の両側に位置する板状基材51、51との間に、波状基材53と板状基材51、51とで囲まれた複数の空間Sbを形成している。
複数の空間Sbは、同一の開口面積で形成されていると共に、前記した波状基材52が板状基材51、51との間に形成する空間Saよりも広い開口面積を持っている。
なお、波状基材53に沿う方向(図5の(b)における上方方向)の一端と他端には、完全に囲まれていない不完全な形状の空間Sb’が形成される。
本実施形態では、デシカント材5における空間Sbが、再生用流体の通流路として用いられている。以下の説明においては、デシカント材5における空間Sbを、再生用流体の通流路Sbとも標記する。
デシカント材5では、波状基材52が間に配置された板状基材51、51が、間隔が狭い方の板状基材51、51であり、波状基材53が間に配置された板状基材51、51が、間隔が広い方の板状基材51、51である。
波状基材52が板状基材51、51の間に形成する通流路Saと、波状基材53が板状基材51、51の間に形成する通流路Sbは、板状基材51を間に挟んで隣接している。通流路Saと通流路Sbの間の板状基材51は、これら通流路Saと通流路Sbの境界壁としての機能を有している。
本実施形態では、間隔が広いほうの板状基材51、51の間に形成される通流路Sbの開口面積の総和と、間隔が狭いほうの板状基材51、51の間に形成される通流路Saの開口面積の総和との比率が、1:1〜1:2に設定されている。
なお、この比率は、板状基材51、51の間隔が広いほうの通流路Sbを通流する再生用流体の流路(第2流路3)の流路断面積が、板状基材51、51の間隔が狭いほうの通流路Saを通流する空調空気の流路(デフダクト16)の流路断面積がよりも狭い場合である。
そして、デフダクト16の流路断面積が、第2流路3の流路断面積の最大で7倍の場合である。
ここで、通流路Sbの開口面積の総和は、デシカント材5における再生用流体の通流路の流路断面積に相当し、通流路Saの開口面積の総和は、デシカント材5における空調空気の通流路の流路断面積に相当する。
本実施形態では、デシカント材5を構成する板状基材51と波状基材52、53が、水分の吸着と脱着が可能な不織布や、紙などで構成されている。
ここで、吸着と脱着の効率の向上を期待して、板状基材51と波状基材52、53に、高分子系の吸着材Sx(図5の(a)参照)や、無機系の吸着材のような、水分の吸着と脱着が可能な材料を担持させていることが好ましい。
ここで、本明細書における用語「吸着材」は、水分を保持(吸着)する特性を有する有機系の高分子材料や無機材料であって、この材料の表面に、水分を吸着させるもの(一般的な吸着材)だけではなく、材料の内部に水分を収容するものの両方を意味している。
また、吸着材において水分は、基材に保持された吸着材の間での移動と、吸着材と基材との間での移動が可能な状態で保持されている。
かかる構成を有する空調装置1の動作を説明する。
車両V(図1参照)において、外気を取り込まずに車室90内を空調している場合には、空調装置1は、車室90内から取り込んだ空気(内気)を、温度調整の後に、車室90内に循環させている。
そのため、循環させる空気(空調空気)の湿度が、車室90内の状況などに応じて経時的に上昇することになる。
ここで、湿度が高い空調空気を車室90内に循環させると、ウインドシールドガラスWなどに曇りが生じることがある。
そのため、空調装置1は、車室90内に供給する空調空気を除湿するデシカントモードを、動作モードの1つとして有している。
以下、空調装置1の動作モードが、デシカントモードである場合について説明する。
ここで、デシカントモードでは、空調空気に含まれる水分をデシカント材5に吸着させて、空調空気を除湿する一方で、車外から取り込んだ空気(再生用流体)により、デシカント材5から水分を脱着させる。これにより、デシカント材5における水分の吸着が連続して行えるようになっている。
<デシカントモード>
デシカントモードでは、制御装置(図示せず)が切替弁41を操作して、仕切壁411を、内気導入位置(図1:実線参照)に配置させる。
これにより、第1流路2の通流路21と、外気導入部23との連通が遮断されて、通流路21内を、取込口21aから取り込んだ空気(内気)のみが通流できる状態となる。
この状態で、制御装置(図示せず)がモータM1を駆動して、シロッコファン6Aのロータ61を軸線X回りに回転させる。これにより、ロータ61の上流側に位置する通流路21内に、車室90内の空気(内気)が取込口21aから流入する。
通流路21内に流入した車室90内の空気(内気)は、送風路22を通って温度調節部10に供給される。そして、温度調節部10に供給された内気は、温度が調整された空調空気とされたのち、デフダクト16を通って車室90内に供給される。
さらに、制御装置(図示せず)がモータM2を駆動して、シロッコファン6Bのロータ61を軸線X回りに回転させる。これにより、車外の空気(再生用流体)が第2流路3内に流入し、第2流路3内に、長手方向の一端の取込口3aから他端の排出口3bに向かう空気(再生用流体)の流れが形成される。
第2流路3内に取込口3aから流入した車外の空気(再生用流体)は、デフダクト16との交差領域25を通過した後、排出口3bから排出される。
交差領域25では、第2流路3とデフダクト16とが略直交する向きで交差している。交差領域25内では、第2流路3を通流する空気(再生用流体)の流路と、デフダクト16を通流する空調空気の流路とに跨がって、デシカント材5が設けられている。
前記したようにデシカント材5では、波状基材52と板状基材51、51との間に形成された通流路Sa内を、温度調節部10で温度が調節された空調空気が通過する。
板状基材51と波状基材52は、水分の吸着と脱着が可能な紙や不織布で形成されている。さらに、板状基材51と波状基材52の表面には、水分の吸着と脱着が可能な吸着材Sxが少なくとも担持されている。
そのため、空調空気がデシカント材5を通過する際に、通流路Saを囲む板状基材51、51と波状基材52と吸着材Sxとに、空調空気に含まれる水分が吸着される。
これにより、温度調節部10で温度が調節された空調空気が、デシカント材5で除湿される。
さらに、デシカント材5では、波状基材53と板状基材51、51との間に形成された通流路Sb内を、車室90外(車外)から取り込んだ再生用流体が通過する。
デシカントモードでは、車外から取り込んだ空気(再生用流体)は、少なくとも絶対湿度の低い空気である。そして、本実施形態では、デシカントモードにおいて、第2流路3を通流する車外の空気(外気)を、デシカント材5から水分を脱着させる再生用流体として用いている。
そのため、再生用流体が波状基材53と板状基材51との間に形成された通流路Sbを通過する際に、通流路Sbを囲む板状基材51と波状基材53と吸着材Sxとに吸着されている水分が、再生用流体に取り込まれる。
これにより、デシカント材5における再生用流体が通流する通流路Sbを囲む板状基材51と波状基材53と吸着材Sxとから、水分が脱着されて、デシカント材5が賦活される。
よって、デシカント材5では、車室90外(車外)から取り込んだ再生用流体が通流する通流路Sbを囲む領域の方が、空調空気が通流する通流路Saを囲む領域よりも水分の吸着量が少なくなる。
そのため、デシカント材5全体での水分の分布を均一化させようとする作用が発揮される。その結果、空調空気が通流する通流路Saを囲む領域(吸着領域)から、車室90外(車外)から取り込んだ再生用流体が通流する通流路Sbを囲む領域(脱着領域)に向けて水分が移動する(図2参照)。
ここで、吸着材Sxに吸着されている水分は、吸着材Sxの表面や内部を移動できるようになっている。そのため、吸着材Sxに吸着されている水分もまた、空調空気が通流する通流路Saを囲む領域(吸着領域)から、車室90外(車外)から取り込んだ再生用流体が通流する通流路Sbを囲む領域(脱着領域)に向けて移動する。
さらに、図5の(a)、(b)に示すように、デシカント材5では、空調空気の通流路Saと、再生用流体の通流路Sbとが、板状基材51を間に挟んで隣接している。
そのため、空調空気と再生用流体との間での板状基材51を介した水分の移動が生じやすくなっている。
さらに、デシカント材5では、空調空気の通流路Saを画成する波状基材52が、この波状基材52を挟んで一方側に位置する板状基材51と、他方側に位置する板状基材51とに交互に接している。
そのため、空調空気から波状基材52に吸着された水分は、再生用流体の通流路Sbに接する板状基材51まで移動した後、この板状基材51における通流路Sb側の表面から脱着されて、再生用流体に取り込まれることになる(図2の拡大図参照)。
さらに、デシカント材5では、再生用流体の通流路Sbを画成する波状基材53が、この波状基材53を挟んで一方側に位置する板状基材51と、他方側に位置する板状基材51とに交互に接している。
そのため、空調空気から取り込まれて板状基材51、51に移動した水分は、波状基材53との接触点を介して、波状基材53に移動する。そして、波状基材53に移動した水分は、波状基材53の表面から脱着されて、再生用流体に取り込まれることになる。
このように、(1)空調空気から取り除かれてデシカント材5における通流路Saを囲む領域(吸着領域)に吸着された水分が、水分の吸着量が少ない通流路Sbを囲む領域(脱着領域)側に移動する。
そして、(2)通流路Sbを囲む領域(脱着領域)に移動した水分が、通流路Sbを通流する車外の空気(再生用流体)に取り込まれる。
これにより、デフダクト16と第2流路3を、それぞれ空調空気と再生用流体とが連続して通流している状態では、デシカント材5における脱着領域が、デシカント材5における吸着領域よりも少ない水分の吸着量で常に保持される。
その結果、デシカント材5における通流路Saを囲む領域(吸着領域)に吸着された水分が、デシカント材5における通流路Sbを囲む領域(脱着領域)側に常に移動することになるので、デシカント材5での水分の吸着量が飽和しないことになる。
そのため、従来のデシカント材の場合のように、デシカント材で水分吸着量が飽和した場合に、例えばヒータを駆動して、デシカント材の再生処理を行う必要が生じない。すなわち、再生用流体を連続して通流させるだけで、空調空気(除湿対象の空気)の除湿を連続して行えることになる。これにより、車室90内に供給される空調空気の湿度を低減させることができる。
なお、デシカントモードの際に温度調節部10に供給する空気は、その総てが、取込口21aから取り込んだ車室90内の空気(内気)である必要は無い。
温度調節部10に供給する空気(内気)は、外気導入部23から取り込んだ車外の空気(外気)を含んでいても良い。
このように、空調空気(除湿対象の空気)の除湿を行う際には、空調空気からデシカント材5に吸着させた水分を、デシカント材5から再生用流体(回収用の空気)に放出させることで、デシカント材5での水分の吸着量が飽和することを防いでいる。
本実施形態では、デフダクト16と第2流路3との交差領域25が、長方体形状を成しており(図2参照)、交差領域における第2流路3側の流路断面積のほうが、デフダクト16側の流路断面積よりも狭くなっている。
ここで、デシカント材5における各空間Sa、Sb(通流路Sa、Sb)の開口面積が同じである場合について説明する。この場合には、開口面積の総和である流路断面積は、第2流路3側のほうが、デフダクト16側よりも小さくなる。
そうすると、第2流路3を通流する空気(再生用流体)が交差領域25のデシカント材5を通過する際の圧力損失の方が、デフダクト16を通流する空気(空調空気)が交差領域25のデシカント材5を通過する際の圧力損失よりも大きくなる。
空調空気を除湿するデシカントモードでは、シロッコファン6A、6Bを駆動して、デシカント材5の通流路Saに流入する空調空気の風量と、デシカント材の通流路Sbに流入する空気(再生用流体)の風量とが同じになるのが望ましい。
しかしながら、実施形態では交差領域25における第2流路3側の流路断面積のほうが、デフダクト16側の流路断面積よりも狭くなっている。
そのため、デシカント材5における通流路Sbを通過する再生用流体の風量が、通流路Saを通過する空調空気の風量よりも少なくなる。
かかる場合、デシカント材5に吸着された水分の脱着量が、吸着量よりも少なくなり、デシカント材5が飽和して、デシカント材5への水分の吸着量が少なくなる可能性がある。
そうすると、空調空気を適切に除湿できなくなってしまう。
これに対して本実施形態では、再生用流体の通流路Sbを形成する波状基材53が、空調空気の通流路Saを形成する波状基材52とは異なる形状で形成されている。
具体的には、以下のようにすることで、波状基材53が形成する通流路Sbの開口面積を、波状基材52が形成する通流路Saの開口面積よりも広くしている。
(a)波状基材53と板状基材51、51との交差角θを、波状基材52と板状基材51、51との交差角θと同じにする。
(b)波状基材53における板状基材51、51との接触点P3、P3の間隔Pyと、接触点P4、P4の間隔Pyを、波状基材52における板状基材51、51との接触点P1、P1の間隔Pxと、接触点P2、P2の間隔Pxよりも広くする。
(c)波状基材53の厚み方向における湾曲点P3、P3の間隔W2を、波状基材52の厚み方向における湾曲点P1、P2の間隔W1よりも広くする。
これにより、交差領域25では、波状基材53が形成する通流路Sbの開口面積の総和である再生用流体側の流路断面積が、波状基材52が形成する通流路Saの開口面積の総和である空調空気側の流路断面積に近づくことになる。
さらに、第2流路3を通流する空気(再生用流体)が交差領域25のデシカント材5を通過する際の圧力損失を抑えられる。
これにより、第2流路3を通流する空気(再生用流体)が交差領域25のデシカント材5を通過する際の圧力損失と、デフダクト16を通流する空気(空調空気)が交差領域25のデシカント材5を通過する際の圧力損失との差が減少する。
特に、本実施形態では、板状基材51、51の間に形成される通流路Sbの開口面積の総和と、間隔が狭いほうの板状基材51、51の間に形成される通流路Saの開口面積の総和との比率が、1:1〜1:2に設定されている。
そして、交差領域25では、通流路Sbを通過する再生用流体の流路(第2流路3)の流路断面積のほうが、通流路Saを通過する空調空気の流路(デフダクト16)の流路断面積よりも小さくなっている。
そのため、通流路Sbの開口面積の総和と通流路Saの開口面積の総和との比率が1:2である場合、デシカント材5を通過する再生用流体の風量が、デシカント材5を通過する空調空気の風量よりも少なくなる。
そして、通流路Sbの開口面積の総和と通流路Saの開口面積の総和との比率が1:2から1:1に向かうにつれて、デシカント材5を通過する再生用流体の風量が増えることになる。
これにより、デシカント材5を通過する空調空気の風量と、デシカント材5を通過する再生用流体の風量との差が小さくなる。
デシカント材5の通流路Saを通流する空調空気の風量と、通流路Sbを通流する再生用流体の風量との差が小さくなると、デシカント材5に対する水分の吸着量と、デシカント材5からの水分の脱着量とが均衡する。これにより、デシカント材5が吸着した水分で飽和しないようになる。
ここで、通流路Sbの開口面積の総和と、通流路Saの開口面積の総和との比率は、以下の点を考慮して最適な比率に設定される。
(a)通流路Sbを通過する再生用流体の流路(第2流路3)の流路断面積と、通流路Saを通過する空調空気の流路(デフダクト16)の流路断面積との大小関係であって、交差領域25における大小関係。
(b)交差領域25が持つ空間内に収容可能な形状および大きさでデシカント材5を用意した場合において、通流路Sbを通過する再生用流体の風量と、通流路Saを通過する空調空気の風量との差。
なお、空調装置1の動作モードには、デシカントモードの他に、外気/内気混合モード、外気モード、内気モードがある。
これら外気/内気混合モード、外気モード、内気モードの何れのモードにおいても、制御装置(図示せず)は、第2流路3に付設されたシロッコファン6Bを駆動させない。
そのため、再生用流体として機能する車外の空気(外気)が第2流路3内を通流しないので、デフダクト16を通流する空調空気は、除湿されることなくそのまま車室90内に供給される。
以下、実施形態にかかる車両用の空調装置1の特徴を、効果と共に列挙する
(1)車両用の空調装置1は、
空調空気(除湿対象の空気)に含まれる水分の吸着と、吸着した水分の再生用流体(回収用の空気)への放出が可能なデシカント材5と、
空調空気が通流するデフダクト16(第1流路)と、
再生用流体が通流する第2流路3と、を有する。
デシカント材5は、デフダクト16と第2流路3との交差領域25に設けられている。
交差領域25におけるデフダクト16の流路断面積と、交差領域における第2流路3の流路断面積が異なっている。
デシカント材5は、
間隔をあけて並んだ複数の板状基材51、51と、
空調空気が通流する通流路Sa(第1通流路)と、
再生用流体が通流する通流路Sb(第2通流路)と、を有する。
デシカント材5では、板状基材51の並び方向で隣接する板状基材51、51の間が、通流路Saまたは通流路Sbとなっている。
通流路Sbが間に形成された板状基材51、51の間隔W2が、通流路Saが間に形成された板状基材51、51の間隔W1よりも広くされている。
間隔を広くした板状基材51、51の間の通流路Sbは、デフダクト16と第2流路3との交差領域25における流路断面積が小さい方の流路(第2流路3)を通流する空気の通流路である。
このように構成すると、デシカント材5では、再生用流体の通流路Sb各々の開口面積が、空調空気の通流路Sa各々の開口面積よりも広くなる。
ここで、通流路Sbの開口面積の総和が、交差領域25における再生用流体の通流路の流路断面積である。通流路Saの開口面積の総和が、交差領域25における空調空気の通流路の流路断面積である。
よって、交差領域25に設けられたデシカント材5では、交差領域25での流路断面積が大きい方の流路(デフダクト16)を通流する空気(空調空気)が通流路Saを通流する。そして、交差領域25での流路断面積が小さい方の流路(第2流路3)を通流する空気(再生用流体)が、通流路Saよりも流路断面積が大きい通流路Sbを通流する。
これにより、交差領域25に設けられたデシカント材5を通過する際の再生用流体の圧力損失が低下して、デシカント材5を通過する際の再生用流体の圧力損失と、デシカント材5を通過する際の空調空気の圧力損失との差が小さくなる。
そうすると、交差領域25における流路断面積が狭い方の流路(第2流路3)を通ってデシカント材5の通流路Sbを通過する再生用流体の風量が増える。
これにより、デシカント材5の通流路Sbを通過する再生用流体の風量と、デシカント材5の通流路Saを通過する空調空気の風量との差が小さくなる。
再生用流体の風量と、空調空気の風量との差が小さくなると、デシカント材5における水分の吸着量が飽和することを好適に防止できる。
よって、デシカント材5が直方体形状で形成された場合であっても、デシカント材5を通過する除湿対象の空気(空調空気)の風量と、回収用の空気(再生用流体)の風量との差を小さくできる。
これにより、デシカント材5の設置場所に関係なく、空調用の空気(空調空気)を適切に除湿できる。
(2)板状基材51の並び方向で隣接する板状基材51、51の間には、波状基材52または波状基材53が設けられている。
波状基材52、53は、当該波状基材52、53を挟んで一方側に位置する板状基材51と、他方側に位置する板状基材51とに交互に接して設けられている。
波状基材52と板状基材51、51とで囲まれた空間が、空調空気の通流路Sa(第1通流路)となっている。
波状基材53と板状基材51、51とで囲まれた空間が、再生用流体の通流路Sb(第2通流路)となっている。
このように構成すると、通流路Sa(第1通流路)を通流する空調空気(除湿対象の空気)と、通流路Sb(第2通流路)を通流する再生用流体(回収用の空気)のデシカント材5との接触機会を増やすことができる。
これにより、空調空気(除湿対象の空気)の除湿量を確保しつつ、空調空気(除湿対象の空気)を連続して適切に除湿できる。
(3)間隔が広いほうの板状基材51、51の間の波状基材53と、間隔が狭いほうの板状基材51、51の間の波状基材52は、板状基材51、51との接触点における波状基材52、53と板状基材51との交差角θが同じである。板状基材51、51との接触点の間隔Px、Pyが異なる(図4参照)。
板状基材51、51との接触点の間隔は、間隔が広いほうの板状基材51、51の間の波状基材53のほうが、間隔が狭いほうの板状基材51、51の間の波状基材52よりも大きい。
この場合、接触点周りの形状が同じ(板状基材51との交差角θが同じ)で接触点の間隔が異なる波状基材を2種類用意しておく。
そうすると、板状基材51、51の間に2種類の波状基材の何れか一方を配置するだけで、除湿対象の空気が通流する通流路Sa(第1通流路)と、回収用の空気が通流する通流路Sb(第2通流路)を形成できる。
この際に、波状基材52、53と一方側の板状基材51との接触点と、他方側の板状基材51との接触点との、板状基材51の並び方向の間隔(振幅)が、波状基材52を挟んで一方側に位置する板状基材51と、他方側に位置する板状基材51との間隔W1、W2になる。
よって、一方側に位置する板状基材51と他方側に位置する板状基材51とを、予め所定の間隔で配置したうえで、これら一方側と他方側の板状基材51、51の間に波状基材52、53を設ける必要がない。
これにより、通流路Sa(第1通流路)と通流路Sb(第2通流路)とが混在するデシカント材5の作成を容易に行うことができる。
さらに、波状基材52、53と板状基材51との交差角θには適正値がある。
板状基材51と波状基材52、53との間に形成される通流路Sa、Sbの断面形状が、交差角θに応じて変化し、通流路Sa、Sbの等価直径と、通流路Sa、Sbを通流する空気の通気抵抗が変わるからである。
すなわち、交差角θは、大きすぎても、小さすぎても、空気の通気抵抗が大きくなる。
そして、等価直径には、空気の通気抵抗を最小にできる最適値があり、この等価直径の最適値から、波状基材52、53と板状基材51との交差角θの適切値が判る。
本実施形態では、実験などにより交差角θの適正値を求め、求めた適切値の交差角θで、波状基材52、53を形成している。
そのため、適正値の交差角θを採用することで、通流路Sa、Sbは、通気抵抗をより小さくした断面形状で形成されている。
そのため、空調空気(除湿対象の空気)と再生用流体(回収用の空気)がデシカント材5を通過する際の圧力損失が抑えられる。
(4)間隔が広いほうの板状基材51、51の間に形成される通流路Sbの開口面積の総和と、間隔が狭いほうの板状基材51、51の間に形成される通流路Saの開口面積の総和との比率が、1:1〜1:2に設定されている。
交差領域25では、通流路Sbを通過する再生用流体の流路(第2流路3)の流路断面積のほうが、通流路Saを通過する空調空気の流路(デフダクト16)の流路断面積よりも小さい。
このように構成すると、除湿対象の空気から吸着した水分でデシカント材が飽和することを少なくとも防止しつつ、除湿対象の空気を連続して除湿できる。
[変形例]
図6は、デシカント材5の波状基材52、54を説明する図である。図6の(a)は、波状基材52の長辺部520を側方から見た図である。図6の(b)は、波状基材54の短辺部541を側方から見た図である。なお、図6では、波状基材52、54の形状を説明するために、波状基材52、54の厚みを省略して線状に記載している。
前記した第1実施形態では、間隔が広いほうの板状基材51、51の間の波状基材53が、以下のような特徴を持つことで、波状基材53を間に挟んだ一対の板状基材51、51の間隔W2を、波状基材52を間に挟んだ一対の板状基材51、51の間隔W1よりも広くした。
(a)板状基材51、51との接触点における波状基材53と板状基材51との交差角θが、板状基材51、51との接触点における波状基材52と板状基材51との交差角θと同じ。
(b)板状基材51、51との接触点における波状基材53と板状基材51との接触点の間隔Pyが、板状基材51、51との接触点における波状基材52と板状基材51との接触点の間隔Pxよりも広い。
以下のような特徴を持つ波状基材54を用いることで、波状基材54を間に挟んだ一対の板状基材51、51の間隔W3を、波状基材52を間に挟んだ一対の板状基材51、51の間隔W1よりも広くしても良い。
すなわち、図6の(b)に示すように、波状基材54は、以下のような特徴を有している。
(c)板状基材51、51との接触点における波状基材54と板状基材51との交差角θaが、板状基材51、51との接触点における波状基材52と板状基材51との交差角θよりも大きい。
(d)板状基材51、51との接触点における波状基材54と板状基材51との接触点の間隔Pxが、板状基材51、51との接触点における波状基材52と板状基材51との接触点の間隔Pxと同じである。
なお、波状基材54は、側面視における短辺部541の形状のみが、前記した波状基材53と相違している。よって、ここでは、相違する点についてのみ説明する。
波状を成す短辺部541を側方から見ると、短辺部541は、波状基材54の厚み方向(図6の(b)における左右方向)における一方側と他方側に、複数の湾曲点P5、P6を有している。湾曲点P5と湾曲点P6は、短辺部541に沿う方向(図6の(b)における上下方向)で交互に位置している。
短辺部541に沿う方向における湾曲点P5の間隔と、短辺部541に沿う方向における湾曲点P6の間隔は、略同じ間隔Pxである。この間隔Pxは、前記した波状基材52の湾曲点P1や湾曲点P2の間隔Pxと略同じである。
また、湾曲点P5と湾曲点P6とを結ぶ線分Leと、湾曲点P5同士を繋いだ仮想線Lqとは、所定角度θaで交差している。
湾曲点P6と湾曲点P5とを結ぶ線分Lfと、湾曲点P6同士を繋いだ仮想線Lrもまた、所定角度θaで交差している。この交差角θaは、前記した波状基材52での交差角θよりも大きい。
波状基材54は、短辺部541側から見た側面視において、短辺部541に沿う方向で山と谷が周期的に繰り返す波形状を有している。
そして、波状基材54は、厚み方向における一方側の湾曲点P5と、他方側の湾曲点P6を、それぞれ互いに平行な仮想線Lq、Lr上に位置させた形状を保持している。
そのため、波状基材54は、当該波状基材54の厚み方向(図6の(b)における左右方向)に、湾曲点P5と湾曲点P6の間隔W3に相当する幅の範囲を持っている。この間隔W3は、前記した波状基材52の場合の間隔W1よりも広い幅である。
波状基材54は、当該波状基材54を挟んで一方側に位置する板状基材51と、他方側に位置する板状基材51とに交互に接して設けられる。
そのため、図6の(b)における仮想線Lq、Lrは、板状基材51、51における波状基材54との対向面の位置を示している。
なお、波状基材54の湾曲点P5と湾曲点P6を結ぶ線分Le、Lfと、板状基材51に沿う仮想線Lq、Lrとの交差角θaを、波状基材54と板状基材51との接触点P5、P5における交差角であるとして、便宜的に取り扱っている。
このように、変形例では、
(5)間隔が広いほうの板状基材51、51の間の波状基材54と、間隔が狭いほうの板状基材51、51の間の波状基材52は、板状基材51、51との接触点の間隔Pxが同じである。板状基材51との接触点における波状基材52、54と板状基材51との交差角θ、θaが異なっている。
板状基材51との接触点における波状基材52、54と板状基材51との交差角θ、θaは、間隔が広いほうの板状基材51の間の波状基材54のほうが、間隔が狭いほうの板状基材の51間の波状基材52よりも大きい(θa>θ)。
このように構成すると、波状基材54と板状基材51との接触点の数を減らすことなく、板状基材51、51の間隔を広げることができる。
よって、通流路Sa(第1通流路)を構成する板状基材51の間隔W1よりも、通流路Sb(第2通流路)を構成する板状基材51の間隔W2のほうを広くした際に、デシカント材5の剛性が低下することを好適に防止できる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を、除湿対象の空気が、温度調節部10に供給される空気(外気および/または内気)である場合を例に挙げて説明する。
図7は、第2実施形態にかかる車両用の空調装置1Aの概略構成図である。
図8は、第2実施形態にかかる車両用の空調装置1Aにおける交差領域25を説明する図である。
図7に示すように、空調装置1Aの通流路21では、外気導入部23と送風路22との間の領域に、第2流路3との交差領域25が設けられている。この交差領域25は、空調装置1Aの駆動時に常時空気が通流する領域である。
この交差領域25では、通流路21と第2流路3とに跨がってデシカント材5Aが設けられている。
図8に示すように、通流路21と第2流路3との交差領域25では、通流路21を通流する空気(外気および/または内気)の移動方向と、第2流路3を通流する空気(再生用流体)の移動方向とが直交している。
本実施形態でも、通流路21と第2流路3との交差領域25が、長方体形状を成しており、交差領域25における第2流路3側の流路断面積のほうが、通流路21側の流路断面積よりも狭くなっている。
そのため、交差領域25には、長方体形状のデシカント材5Aが設けられている。
デシカント材5Aもまた、前記したデシカント材5と同一の構成を有している。デシカント材5Aは、間隔を開けて互いに略平行に配置された複数の板状基材51と、板状基材51、51の間に配置された波状基材52、53とを有している。
波状基材52は、当該波状基材52の両側に位置する板状基材51、51との間に、空気の通流路Saとなる空間を形成している。
波状基材53は、当該波状基材53の両側に位置する板状基材51、51との間に、空気の通流路Sbとなる空間を形成している。
デシカント材5Aは、当該デシカント材5A内の空気の通流路Saを、通流路21における空気の通流方向に沿わせた向きで配置されている。さらに、デシカント材5Aは、当該デシカント材5A内の空気の通流路Sbを、第2流路3における再生用流体の通流方向に沿わせた向きで配置されている。
(6)車両用の空調装置1Aは、
除湿対象の空気に含まれる水分の吸着と、吸着した水分の再生用流体(回収用の空気)への放出が可能なデシカント材5Aと、
除湿対象の空気が通流する通流路21(第1流路)と、
再生用流体が通流する第2流路3と、を有する。
デシカント材5Aは、通流路21と第2流路3との交差領域25に設けられている。
交差領域25における通流路21の流路断面積と、交差領域における第2流路3の流路断面積が異なっている。
デシカント材5は、
間隔をあけて並んだ複数の板状基材51、51と、
除湿対象の空気が通流する通流路Sa(第1通流路)と、
再生用流体が通流する通流路Sb(第2通流路)と、を有する。
デシカント材5では、板状基材51の並び方向で隣接する板状基材51、51の間が、通流路Saまたは通流路Sbとなっている。
通流路Sbが間に形成された板状基材51、51の間隔W2が、通流路Saが間に形成された板状基材51、51の間隔W1よりも広くされている。
間隔を広くした板状基材51、51の間の通流路Sbは、通流路21と第2流路3との交差領域25における流路断面積が小さい方の流路(第2流路3)を通流する空気の通流路である。
交差領域25は、空調装置1Aの稼働時に常時空気が通流する領域である。
このように構成することによっても、デシカント材5Aが直方体形状で形成された場合に、デシカント材5Aを通過する除湿対象の空気の風量と、回収用の空気(再生用流体)の風量との差を小さくできる。
これにより、デシカント材5Aの設置場所に関係なく、除湿対象の空気を適切に除湿できる。
前記した実施形態では、除湿対象の空気が通流する第1流路(除湿側流路)と、回収用の空気が通流する第2流路(回収側流路)のうち、回収側流路の方が、交差領域における流路断面積が小さい場合を例示した。
除湿側流路の方が回収側流路よりも交差領域における流路断面積が小さくても良い。この場合には、通流路Saを回収側流路における空気の通流方向に沿わせると共に、通流路Sbを除湿側流路における空気の通流方向に沿わせることで、デシカント材5における水分の吸着量を飽和させることなく、除湿対象の空気を適切に除湿できる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態を、除湿対象の空気が、温度調節部10に供給される空気(外気および/または内気)である場合を例に挙げて説明する。
図9は、第3実施形態にかかる車両用の空調装置1Bの概略構成図である。
図10は、第3実施形態にかかる車両用の空調装置1Bの交差領域25に設けられたデシカント材5Bを説明する図である。
図11は、デシカント材5Bの構成を説明する図であって、デシカント材5Bの一部を分解して示した斜視図である。
図12は、デシカント材5Bの波状基材52B、53Bを説明する図である。図12の(a)は、波状基材52Bを側縁部521B側から見た図である。図12の(b)は、波状基材53Bを側縁部531B側から見た図である。
図9に示すように、空調装置1Bの通流路21では、外気導入部23と送風路22との間の領域に、第2流路3との交差領域25が設けられている。この交差領域25は、空調装置1Bの駆動時に常時空気が通流する領域である。
この交差領域25では、第1流路2側の通流路21と、第2流路3側の通流路31とに跨がってデシカント材5Bが設けられている。
図10に示すように、通流路21と通流路31との交差領域25では、通流路21を通流する空気(外気および/または内気)の移動方向と、通流路31を通流する空気(再生用流体)の移動方向とが直交している。
本実施形態では、通流路21と通流路31との交差領域25が、立方体形状を成している。交差領域25での通流路21の流路断面積と、交差領域25での通流路31の流路断面積は、略同じであり、交差領域25には、立方体形状のデシカント材5Bが設けられている。
図9に示すように、本実施形態にかかる第2流路3は、交差領域25を有する通流路31と、排出路32とを有している。排出路32の内部には、シロッコファン6Bのロータ61Bが設けられている。ロータ61Bは、モータM3の回転駆動力で軸線X回りに一体に回転する。モータM3の駆動は、制御装置(図示せず)により制御される。
シロッコファン6Bでは、ロータ61Bが軸線X回りに回転すると、ロータ61Bの回転軸(軸線X)方向から空気が吸引されると共に、吸引された空気が、軸線Xの径方向に送出される。
そのため、第2流路3では、排出路32におけるロータ61Bが設けられた領域に、通流路31が軸線X方向から接続されている。
本実施形態では、第1流路2のシロッコファン6Aよりも小型のものを、シロッコファン6Bとして採用している。
そのため、シロッコファン6Bの最大送風量(最大静圧)は、シロッコファン6Aの最大送風量(最大静圧)よりも少なくなっている。そして、通流路31の流路断面積が、前記した通流路21の流路断面積と同じである一方で、排出路32の流路断面積が、通流路31の流路断面積よりも狭くなっている。
空調装置1Bの動作モードがデシカントモードである場合、シロッコファン6Aとシロッコファン6Bとが、制御装置(図示せず)により駆動される。
そうすると、第1流路2の通流路21には、交差領域25を通流する空気(外気および/または内気:除湿対象の空気)の流れが発生すると共に、第2流路3の通流路31内に、交差領域25を通流する空気(再生用流体:外気)の空気の流れが発生する。
前記したように、シロッコファン6Bの最大送風量(最大静圧)は、シロッコファン6Aの最大送風量(最大静圧)よりも少なくなっている。そのため、交差領域25を通流する再生用流体の流量が、交差領域25を通流する除湿対象の空気の流量よりも少なくなる。
本実施形態では、交差領域25に設けられたデシカント材5Bは、通流路21側の空気(外気および/または内気)の流量と、通流路31側の空気(再生用流体)との流量の差を考慮して設計されている。
以下、デシカント材5Bの構成を説明する。
図10に示すように、デシカント材5Bは、立方体形状であるという点を除いて、前記した長方体形状のデシカント材5、5Aと同一の基本構成を有している。
図11に示すようにデシカント材5Bは、間隔を開けて互いに略平行に配置された複数の板状基材51Bと、板状基材51B、51Bの間に配置された波状基材52B、53Bとを有している。
なお、板状基材51Bと、波状基材52B、53Bの表面が、当該表面に担持された吸着材Sxの層で覆われていることが好ましい。
波状基材52Bは、当該波状基材52Bの両側に位置する板状基材51B、51Bとの間に、空気の通流路Sbとなる空間を形成している。
波状基材53Bは、当該波状基材53Bの両側に位置する板状基材51B、51Bとの間に、空気の通流路Saとなる空間を形成している。
デシカント材5Bは、当該デシカント材5B内の空気の通流路Sbを、通流路21における空気の通流方向に沿わせた向きで配置されている。さらに、デシカント材5Bは、当該デシカント材5B内の空気の通流路Saを、第2流路3(通流路31)における空気(再生用流体)の通流方向に沿わせた向きで配置されている。
板状基材51Bは、正面視において矩形形状(略正方形形状)を成す板状部材である。この板状基材51Bの四辺のうちの対向する二辺である側縁部510B、510Bと、残りの対向する二辺である側縁部511B、511Bは、側面視においてそれぞれ直線状を成している。側縁部510B、510Bと、側縁部511B、511Bは、正面視において互いに直交している。
波状基材52Bは、正面視において矩形形状を成す板状部材である。この波状基材52Bの四辺のうちの対向する二辺である側縁部520B、520Bは、側面視において直線状を成しており、残りの二辺である側縁部521B、521Bは、側面視において波状を成している
波状基材53Bもまた、正面視において矩形形状を成す板状部材である。この波状基材53Bの四辺のうちの対向する二辺である側縁部530B、530Bは、側面視において直線状を成しており、残りの二辺である側縁部531B、531Bは、側面視において波状を成している。
板状基材51Bの重ね合わせ方向から見て、これら波状基材52B、53Bは、板状基材51Bと重なる大きさで形成されている。
図12の(a)に示すように、波状基材52Bを側縁部521B側の側方から見ると、側縁部521Bは、波状基材52Bの厚み方向(図12の(a)における左右方向)における一方側と他方側に、複数の湾曲点P1、P2を有している。湾曲点P1と湾曲点P2は、側縁部521Bに沿う方向(図12の(a)における上下方向)で交互に位置している。
側縁部521Bに沿う方向における湾曲点P1の間隔と、側縁部521Bに沿う方向における湾曲点P2の間隔は、略同じ間隔Pxである。
また、湾曲点P1と湾曲点P2とを結ぶ線分Laと、湾曲点P1同士を繋いだ仮想線Lmとは、所定角度θで交差している。湾曲点P2と湾曲点P1とを結ぶ線分Lbと、湾曲点P2同士を繋いだ仮想線Lnもまた、所定角度θで交差している。
波状基材52Bは、側縁部521B側から見た側面視において、側縁部521Bに沿う方向で山と谷が周期的に繰り返す波形状を有している。
そして、波状基材52Bは、厚み方向における一方側の湾曲点P1と、他方側の湾曲点P2を、それぞれ互いに平行な仮想線Lm、Ln上に位置させた形状を保持している。
そのため、波状基材52Bは、当該波状基材52Bの厚み方向(図12の(a)における左右方向)に、湾曲点P1と湾曲点P2の間隔W1に相当する幅の範囲を持っている。
図12の(b)に示すように、波状基材53Bを側縁部531B側の側方から見ると、側縁部531Bは、波状基材53Bの厚み方向(図12の(b)における左右方向)における一方側と他方側に、複数の湾曲点P3、P4を有している。湾曲点P3と湾曲点P4は、側縁部531Bに沿う方向(図12の(b)における上下方向)で交互に位置している。
側縁部531Bに沿う方向における湾曲点P3の間隔と、側縁部531Bに沿う方向における湾曲点P4の間隔は、略同じ間隔Pyである。この間隔Pyは、前記した波状基材52Bの湾曲点P1や湾曲点P2の間隔Pxよりも大きくなっている。
また、湾曲点P3と湾曲点P4とを結ぶ線分Lcと、湾曲点P3同士を繋いだ仮想線Loとは、所定角度θで交差している。
湾曲点P4と湾曲点P3とを結ぶ線分Ldと、湾曲点P4同士を繋いだ仮想線Lpもまた、所定角度θで交差している。この交差角θは、前記した波状基材52Bでの交差角θと同じである。
波状基材53Bは、側縁部531B側から見た側面視において、側縁部531Bに沿う方向で山と谷が周期的に繰り返す波形状を有している。
そして、波状基材53Bは、厚み方向における一方側の湾曲点P3と、他方側の湾曲点P4を、それぞれ互いに平行な仮想線Lo、Lp上に位置させた形状を保持している。
そのため、波状基材53Bは、当該波状基材53Bの厚み方向(図12における左右方向)に、湾曲点P3と湾曲点P4の間隔W2に相当する幅の範囲を持っている。この間隔W2は、前記した波状基材52の場合の間隔W1よりも広い幅である。
図11、図12に示すように、デシカント材5Bでは、波状基材52B、53Bにおける板状基材51Bとの接触点となる湾曲点P1、P2、P3、P4が、接着剤で、板状基材51Bに接続されている。
これにより、板状基材51Bと、波状基材52B、53Bとの間に空気の通流路Sb、Saが形成される。
この状態において波状基材53Bが形成する通流路Saは、波状基材52Bが形成する通流路Sbよりも、広い開口面積で形成されている。
本実施形態では、開口断面積が広い通流路Saを、第2流路3を通流する空気(再生用流体)が通流する(図9参照)。
ここで、本実施形態では、第2流路3に設けられたシロッコファン6Bは、第1流路2に設けられたシロッコファンと6Aよりも最大送風量(最大静圧)が少なくなっている。そのため、通流路Saを通流する空気(再生用流体)の流量の方が、通流路Sbを通流する空気の流量よりも少なくなる。そうすると、デシカント材5Bからの水分の脱着効率のほうが、デシカント材5Bへの水分の吸着効率よりも低くなる。
そのため、デシカント材5Bでは、空気の流量が少ないほうの通流路Saの開口面積を広くすることで、デシカント材5Bからの水分の脱着効率を高めている。これにより、デシカント材5Bからの水分の脱着効率と、デシカント材5Bへの水分の吸着効率とが、略同じになるようにしている。
例えば、空調装置1Bを設置するための空間が狭く、同じ最大送風量のシロッコファンを、第2流路3と第3流路に設置できない場合がある。このような場合であっても、風量が少なくなるほうの流路に沿わせた向きで形成される通流路の開口面積を広く取ることで、デシカント材5Bからの水分の脱着効率と、デシカント材5Bへの水分の吸着効率と乖離することを好適に防止できる。
これにより、空調装置1Bを設定する空間の制約を受けて、デシカント材5Bからの水分の吸着を連続的に行えなくなる事態の発生を好適に防止できる。
(7)車両用の空調装置1Bは、
除湿対象の空気に含まれる水分の吸着と、吸着した水分の再生用流体(回収用の空気)への放出が可能なデシカント材5Bと、
除湿対象の空気が通流する第1流路2(通流路21、送風路22)と、
再生用流体が通流する第2流路3(通流路31、排出路32)と、を有する。
デシカント材5Bは、通流路21と通流路31との交差領域25に設けられている。
交差領域25における通流路21の流路断面積と、交差領域における通流路31の流路断面積が略同じである。
デシカント材5Bは、
間隔をあけて並んだ複数の板状基材51B、51Bと、
除湿対象の空気が通流する通流路Sb(第1通流路)と、
再生用流体が通流する通流路Sa(第2通流路)と、を有する。
デシカント材5Bでは、板状基材51Bの並び方向で隣接する板状基材51B、51Bの間が、通流路Saまたは通流路Sbとなっている。
通流路Saが間に形成された板状基材51B、51Bの間隔W2と、通流路Sbが間に形成された板状基材51B、51Bの間隔W1とのうちの一方を他方よりも広くして、
交差領域25における通流路Sbを通流する除湿対象の空気の流量と、通流路Saを通流する再生用流体(空気)の流量との差を小さくした。
交差領域25は、空調装置1Bの稼働時に常時空気が通流する領域である。
交差領域25における通流路21の流路断面積と、通流路31の流路断面積が略同じであっても、一方の通流路(通流路21または通流路31)での空気の流量が、他方の通流路(通流路31または通流路21)での空気の流量よりも少ない場合がある。
例えば、通流路31での空気の流量が、通流路21での空気の流量よりも少ない場合、通流路Sa、Sbの開口面積(流路断面積)が同じであると、通流路Saを通流する空気の流量が、通流路Sbを通流する空気の流量よりも少なくなる。
そうすると、空気の流量の差に起因して、デシカント材5Bからの水分の脱着量が、デシカント材5Bへの水分の吸着量よりも少なくなって、デシカント材5Bが吸着した水分で飽和する可能性がある。かかる場合には、除湿対象空気の除湿を連続的に行えなくなることが起こり得る。
上記のように構成して、通流路Sbを通流する除湿対象の空気の風量と、通流路Saを通流する再生用流体(空気)の風量との差を小さくすると、デシカント材5Bからの水分の脱着効率と、デシカント材5Bへの水分の吸着効率とを略同じにすることができる。
これにより、デシカント材5Bからの水分の脱着量と、デシカント材5Bへの水分の吸着量を略同じにすることができ、デシカント材5Bが吸着した水分で飽和することを抑制できる。
よって、デシカント材5Bからの水分の吸着を連続的に行えなくなることを好適に防止できる。
例えば、空調装置1Bを設置するための空間が狭く、同じ性能(最大送風量、最大静圧)のシロッコファンを第1流路2と第2流路3に設置できない場合がある。
このような場合に、流量が少なくなるほうの流路に沿わせた向きで形成される通流路(通流路Saまたは通流路Sb)の開口面積を広く取ることで、交差領域25における通流路Sbを通流する除湿対象の空気の流量と、通流路Saを通流する再生用流体(空気)の流量との差を小さくできる。
流路Sbを通流する除湿対象の空気の風量と、通流路Saを通流する再生用流体(空気)の風量との差が小さくなると、デシカント材5Bからの水分の脱着効率と、デシカント材5Bへの水分の吸着効率との乖離幅が小さくなる。
これにより、デシカント材5Bが吸着した水分で飽和する事態の発生を抑制できる。
すなわち、空調装置1Bを設定する空間の制約を受けて、通流路31を通流する再生用流体の流量と、通流路21を通流する除湿対象の空気の流量とが異なる場合であっても、デシカント材5Bからの水分の吸着を連続的に行えなくなる事態の発生を好適に防止できる。
交差領域25における通流路Sbを通流する除湿対象の空気の流量と、通流路Saを通流する再生用流体(空気)の流量との差を抑えることができるからである。
(8)間隔を広くした板状基材51Bの間の通流路は、通流路21と通流路31のうち、空気の流量が少ない方の通流路31を通流する再生用流体(空気)の通流路Saである。
このように構成すると、通流路Saの開口面積が広くなって、通流路Saを通流する再生用流体の通気抵抗が低くなる。そうすると、通流路Saを通流する再生用流体の流量が増えて、通流路Sbを通流する除湿対象の空気の流量との差が小さくなる。
これにより、デシカント材5Bが吸着した水分で飽和する事態の発生を抑制できる。
(9)除湿対象の空気が通流する第1流路2(通流路21、送風路22)と、再生用流体が通流する第2流路3(通流路31、排出路32)の各々には、シロッコファン6A、6B(送風機)が設けられている。
シロッコファン6Aと、シロッコファン6Bは、最大送風量と最大静圧が異なる送風機であり、
間隔を広くした板状基材51B、51Bの間の通流路は、最大風量と最大静圧が低い方のシロッコファン6Bが設けられた第2流路3(通流路31、排出路32)を通流する再生用流体(空気)の通流路Saである。
交差領域25における通流路21と通流路31の流路断面積が同じであっても、シロッコファン6A、6Bの最大風量と最大静圧が異なる場合には、通流路Sa、Sbを通流する空気の流量が異なるものとなる。
例えば、シロッコファン6Bの方がシロッコファン6Aよりも最大送風量(最大静圧)が小さい場合、通流路Saを通流する空気の流量が、通流路Sbを通流する空気の流量よりも少なくなる。
そのため、通流路Saを間に形成する板状基材51B、51Bの間隔を広くすることで、通流路Saの通気抵抗を低くすることができるので、通流路Saを通流する空気(再生用流体)の流量を増やすことができる。
これにより、通流路Sbを通流する除湿対象の空気の流量と、通流路Saを通流する再生用流体(空気)の流量との差を小さくできる。
(10)板状基材51Bの並び方向で隣接する板状基材51B、51Bの間には、波状基材52Bまたは波状基材53Bが設けられている。
波状基材52B、53Bは、当該波状基材52B、53Bを挟んで一方側に位置する板状基材51Bと、他方側に位置する板状基材51Bとに交互に接して設けられている。
波状基材52Bと板状基材51B、51Bとで囲まれた空間が、空調空気の通流路Sbとなっている。
波状基材53Bと板状基材51B、51Bとで囲まれた空間が、再生用流体の通流路Saとなっている。
波状基材52Bと、波状基材53Bは、板状基材51B、51Bとの接触点における波状基材52B、53Bと板状基材51との交差角θが同じである。板状基材51B、51Bとの接触点の間隔Px、Pyが異なる(図12参照)。
板状基材51B、51Bとの接触点の間隔Px、Pyは、波状基材53Bのほうが波状基材52Bよりも大きい。
このように構成すると、通流路Sbを通流する空調空気(除湿対象の空気)と、通流路Saを通流する再生用流体(回収用の空気)のデシカント材5Bとの接触機会を増やすことができる。これにより、空調空気(除湿対象の空気)の除湿量を確保しつつ、空調空気(除湿対象の空気)を連続して適切に除湿できる。
さらに、波状基材52B、53Bと板状基材51Bとの交差角θには適正値がある。
本実施形態では、実験などにより交差角θの適正値を求め、求めた適切値の交差角θで、波状基材52B、53Bを形成している。
そのため、適正値の交差角θを採用することで、通流路Sa、Sbは、通気抵抗をより小さくした断面形状で形成されている。よって、空調空気(除湿対象の空気)と再生用流体(回収用の空気)がデシカント材5Bを通過する際の圧力損失が抑えられる。
さらに、板状基材51Bとの交差角θが同じで、板状基材51Bとの各接触点P1、P2、P3、P4の間隔が異なる波状基材52B、53Bを2種類用意しておく。
これにより、板状基材51B、51Bの間に2種類の波状基材52B、53Bの何れか一方を配置するだけで、除湿対象の空気が通流する通流路Sbと、回収用の空気が通流する通流路Saを有するデシカント材5Bを簡単に作成できる。
第3実施形態では、デシカント材5Bが、空調装置1Bの駆動時に常時空気が通流する領域に設けられている場合を例示したが、第1実施形態のように、除湿対象の空気が断続的に通流する領域に設けた構成としても良い。
前記した実施形態では、空調装置1、1A、1Bが採用する送風機として、シロッコファン6A、6Bを採用した場合を例示した。空調装置1、1A、1Bに採用する送風機は、空気の流路内に空気の流れを形成できるものであれば良く、シロッコファンに限定されるものではない。
本願発明は、前記した実施の形態および変形例に示した態様にのみ限定されるものではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
1、1A、1B 空調装置
2 第1流路
21 通流路
22 送風路
23 外気導入部
25 交差領域
3 第2流路
5、5A、5B デシカント材
51 板状基材
52、53、54 波状基材
55 接着剤
510、520、530、540 長辺部
510B、520B、530B、540B 側縁部
511、521、531、541 短辺部
511B、521B、531B、541B 側縁部
6A、6B シロッコファン
10 温度調節部
12 エバポレータ
13 ヒータコア
14 ミックスドア
15 混合部
16 デフダクト
17 ベントダクト
18 フットダクト
90 車室
La、Lb 線分
Lm、Ln、Lo、Lp、Lq、Lr 仮想線
P1〜P6 湾曲点(接触点)
Px 間隔
Py 間隔
Sa 空間(通流路)
Sb 空間(通流路)
Sx 吸着材
V 車両
W ウインドシールドガラス
W1、W2 間隔

Claims (7)

  1. 除湿対象の空気に含まれる水分の吸着と、吸着した水分の回収用の空気への放出が可能なデシカント材と、
    前記除湿対象の空気が通流する第1流路と、
    前記回収用の空気が通流する第2流路と、を有し、
    前記デシカント材が、前記第1流路と前記第2流路との交差領域に設けられていると共に、
    前記交差領域における前記第1流路の流路断面積、前記交差領域における前記第2流路の流路断面積よりも大きく、前記第2流路を通流する前記回収用の空気の風量が、前記第1流路を通流する前記除湿対象の空気よりも少ない車両用の空調装置であって、
    前記デシカント材は、
    間隔をあけて並んだ複数の板状基材と、
    前記板状基材の並び方向で隣接する板状基材の間に設けられた波状基材と、を有すると共に、前記並び方向で隣接する板状基材の間に、前記除湿対象の空気が通流する第1通流路、または前記回収用の空気が通流する第2通流路が形成されており、
    前記波状基材は、当該波状基材を挟んで一方側に位置する板状基材と、他方側に位置する板状基材とに交互に接して設けられて、前記波状基材と前記板状基材とで囲まれた空間が、前記第1通流路または前記第2通流路となっており、
    前記第1通流路が間に形成された板状基材の間隔と、前記第2通流路が間に形成された板状基材の間隔のうちの一方の間隔を、他方の間隔よりも広くして、前記間隔を広くした板状基材の間の通流路の開口面積が、前記間隔を広くしていない板状基材の間の通流路の開口面積よりも大きくされており、
    前記間隔を広くした板状基材の間の通流路は、前記第2流路を通流する空気の通流路であり、
    前記間隔が広いほうの板状基材の間の前記波状基材と、前記間隔が狭いほうの板状基材の間の前記波状基材は、
    前記板状基材との接触点における前記波状基材と前記板状基材との交差角が同じで、
    前記板状基材との接触点の間隔が異なっており、
    前記板状基材との接触点の間隔は、前記間隔が広いほうの板状基材の間の前記波状基材のほうが、前記間隔が狭いほうの板状基材の間の前記波状基材よりも大きいことを特徴とする車両用の空調装置。
  2. 除湿対象の空気に含まれる水分の吸着と、吸着した水分の回収用の空気への放出が可能なデシカント材と、
    前記除湿対象の空気が通流する第1流路と、
    前記回収用の空気が通流する第2流路と、を有し、
    前記デシカント材が、前記第1流路と前記第2流路との交差領域に設けられていると共に、
    前記交差領域における前記第1流路の流路断面積、前記交差領域における前記第2流路の流路断面積よりも大きく、前記第2流路を通流する前記回収用の空気の風量が、前記第1流路を通流する前記除湿対象の空気よりも少ない車両用の空調装置であって、
    前記デシカント材は、
    間隔をあけて並んだ複数の板状基材と、
    前記板状基材の並び方向で隣接する板状基材の間に設けられた波状基材と、を有すると共に、前記並び方向で隣接する板状基材の間に、前記除湿対象の空気が通流する第1通流路、または前記回収用の空気が通流する第2通流路が形成されており、
    前記波状基材は、当該波状基材を挟んで一方側に位置する板状基材と、他方側に位置する板状基材とに交互に接して設けられて、前記波状基材と前記板状基材とで囲まれた空間が、前記第1通流路または前記第2通流路となっており、
    前記第1通流路が間に形成された板状基材の間隔と、前記第2通流路が間に形成された板状基材の間隔のうちの一方の間隔を、他方の間隔よりも広くして、前記間隔を広くした板状基材の間の通流路の開口面積が、前記間隔を広くしていない板状基材の間の通流路の開口面積よりも大きくされており、
    前記間隔を広くした板状基材の間の通流路は、前記第2流路を通流する空気の通流路であり、
    前記間隔が広いほうの板状基材の間の前記波状基材と、前記間隔が狭いほうの板状基材の間の前記波状基材は、
    前記板状基材との接触点の間隔が同じで、
    前記板状基材との接触点における前記波状基材と前記板状基材との交差角が異なっており、
    前記板状基材との接触点における前記波状基材と前記板状基材との交差角は、前記間隔が広いほうの板状基材の間の前記波状基材のほうが、前記間隔が狭いほうの板状基材の間の前記波状基材よりも大きいことを特徴とする車両用の空調装置。
  3. 除湿対象の空気に含まれる水分の吸着と、吸着した水分の回収用の空気への放出が可能なデシカント材と、
    前記除湿対象の空気が通流する第1流路と、
    前記回収用の空気が通流する第2流路と、を有し、
    前記デシカント材が、前記第1流路と前記第2流路との交差領域に設けられていると共に、前記交差領域における前記第1流路を通流する空気の流量、前記第2流路を通流する空気の流量よりも多い車両用の空調装置であって、
    前記デシカント材は、
    間隔をあけて並んだ複数の板状基材と、
    前記板状基材の並び方向で隣接する板状基材の間に設けられた波状基材と、を有すると共に、前記並び方向で隣接する板状基材の間に、前記除湿対象の空気が通流する第1通流路、または前記回収用の空気が通流する第2通流路が形成されており、
    前記波状基材は、当該波状基材を挟んで一方側に位置する板状基材と、他方側に位置する板状基材とに交互に接して設けられて、前記波状基材と前記板状基材とで囲まれた空間が、前記第1通流路または前記第2通流路となっており、
    前記第1通流路が間に形成された板状基材の間隔と、前記第2通流路が間に形成された板状基材の間隔のうちの一方の間隔を、他方の間隔よりも広くして、前記間隔を広くした板状基材の間の通流路の開口面積を、前記間隔を広くしていない板状基材の間の通流路の開口面積よりも大きくすることで、前記交差領域における前記第1通流路を通流する空気の流量と前記第2通流路を通流する空気の流量との差を小さくし、
    前記間隔を広くした板状基材の間の通流路は、前記第2流路であることを特徴とする車両用の空調装置。
  4. 前記第1流路と前記第2流路の各々には送風機が設けられており、
    前記第1流路に設けられた送風機と、前記第2流路に設けられた送風機は、最大静圧が異なる送風機であり、
    前記間隔を広くした板状基材の間の通流路は、
    最大静圧が低い方の送風機が設けられた流路を通流する空気の通流路であることを特徴とする請求項3に記載の車両用の空調装置。
  5. 前記間隔が広いほうの板状基材の間の前記波状基材と、前記間隔が狭いほうの板状基材の間の前記波状基材は、
    前記板状基材との接触点における前記波状基材と前記板状基材との交差角が同じで、
    前記板状基材との接触点の間隔が異なっており、
    前記板状基材との接触点の間隔は、前記間隔が広いほうの板状基材の間の前記波状基材のほうが、前記間隔が狭いほうの板状基材の間の前記波状基材よりも大きいことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の車両用の空調装置。
  6. 前記間隔が広いほうの板状基材の間の前記波状基材と、前記間隔が狭いほうの板状基材の間の前記波状基材は、
    前記板状基材との接触点の間隔が同じで、
    前記板状基材との接触点における前記波状基材と前記板状基材との交差角が異なっており、
    前記板状基材との接触点における前記波状基材と前記板状基材との交差角は、前記間隔が広いほうの板状基材の間の前記波状基材のほうが、前記間隔が狭いほうの板状基材の間の前記波状基材よりも大きいことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の車両用の空調装置。
  7. 前記間隔が広いほうの板状基材の間に形成される通流路の開口面積の総和と、前記間隔が狭いほうの板状基材の間に形成される通流路の開口面積の総和との比率が、1:1〜1:2に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用の空調装置。
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