JP6570410B2 - 空調システム - Google Patents

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本発明は、室外空間から取り込んだ室外空気を室内空間へ供給する給気通路と、室内空間から取り出した室内空気を室外空間へ排気する排気通路と、通過する調湿用空気の水分を吸着又は通過する再生用空気に水分を脱着する調湿部及び通過する冷却用空気にて前記調湿部の水分の吸着に伴う吸着熱を吸収する冷却部を夫々有する一対の調湿素子と、一対の前記調湿素子のうちの何れか一方を、前記給気通路を通流する室外空気が前記調湿用空気として前記調湿部を通過し、かつ、前記冷却用空気が前記冷却部を通過する給気側素子とし、他方の前記調湿素子を、前記再生用空気が前記調湿部を通過する再生側素子とする状態で、一対の前記調湿素子の夫々を、前記給気側素子と前記再生側素子とに切り換える切換機構と、動作を制御する制御部とを備えた空調システムに関する。
かかる空調システムは、一方の調湿素子を給気側素子として、調湿部において調湿用空気に含まれる水分を吸着しつつ、冷却部において冷却用空気を通過させて調湿部の吸着に伴って発生する吸着熱を吸収する状態とし、他方の調湿素子を再生側素子として、調湿部に吸着した水分を再生用空気中に脱着する状態として、給気側素子の調湿部において水分が除去された調湿用空気を室内空間に供給するものである。つまり、給気側素子で除湿を行いながら、再生側素子の再生を行っている。
そして、一方の調湿素子を給気側素子とし、他方の調湿素子を再生側素子とした状態で所定時間が経過すると、一方の調湿素子及び他方の調湿素子を、給気側素子と再生側素子とに交互に切り換える切換処理を実施して、一方の調湿素子を再生側素子とし、他方の調湿素子を給気側素子として、給気側素子の調湿部を通過して水分が除去された室外空気を室内空間に供給する。このような切換処理を繰り返し実施することによって、連続的に室外空気を除湿して室内空間に供給することが可能となる。
かかる空調システムの従来例として、1つの調湿素子を、給気側素子から再生側素子に切り換えてから、再び給気側素子に切り換えるまでの期間において、常に、ヒートポンプに設けられた熱交換器により加熱された再生用空気をその調湿素子(再生側素子)の調湿部に供給するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−318127号公報
特許文献1に記載の空調システムでは、1つの調湿素子を、給気側素子から再生側素子に切り換えてから、再び給気側素子に切り換えるまでの期間において、常に、再生側素子の調湿部には加熱された再生用空気が供給される。つまり、再生側素子の調湿部で吸着されている水分が充分に脱着された場合にも、切換処理が実施されるまではヒートポンプにより加熱された再生用空気の供給が継続されて、必要以上に再生側素子の再生が行われることとなる。そのため、再生側素子の再生が適切な時期に停止されず、再生側素子の再生のために使用するエネルギーが増加するという問題がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、再生側素子の再生のために使用するエネルギーの低減化を図ることができる空調システムを提供する。
本発明に係る空調システムは、
室外空間から取り込んだ室外空気を室内空間へ供給する給気通路と、
室内空間から取り出した室内空気を室外空間へ排気する排気通路と、
通過する調湿用空気の水分を吸着又は通過する再生用空気に水分を脱着する調湿部及び通過する冷却用空気にて前記調湿部の水分の吸着に伴う吸着熱を吸収する冷却部を夫々有する一対の調湿素子と、
一対の前記調湿素子のうちの何れか一方の前記調湿素子を、前記給気通路を通流する室外空気が前記調湿用空気として前記調湿部を通過し、かつ、前記冷却用空気が前記冷却部を通過する給気側素子とし、他方の前記調湿素子を、前記再生用空気が前記調湿部を通過する再生側素子とする第1空調状態と、前記他方の調湿素子を前記給気側素子とし、前記一方の調湿素子を前記再生側素子とする第2空調状態とを切り換えるように、一対の前記調湿素子の夫々を、前記給気側素子と前記再生側素子とに切り換える切換機構と
動作を制御する制御部とを備えた空調システムであって、
室外空間から取り込んだ室外空気を前記再生用空気として前記再生側素子の前記調湿部を通過させて室外空間へ排出する室外空気循環通路と
前記室外空気循環通路に設けられた加熱部と
前記第2空調状態において、前記再生側素子たる前記一方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記再生用空気の湿度を検出し、前記第1空調状態において、前記給気側素子たる前記一方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記調湿用空気の湿度を検出する第1湿度検出部と、
前記第1空調状態において、前記再生側素子たる前記他方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記再生用空気の湿度を検出し、前記第2空調状態において、前記給気側素子たる前記他方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記調湿用空気の湿度を検出する第2湿度検出部とを備え、
前記制御部は、
前記調湿用空気を前記給気側素子の前記調湿部に通過させるとともに、前記冷却用空気を前記給気側素子の前記冷却部に通過させる除湿冷却処理と、
前記第1又は第2湿度検出部により検出した前記調湿用空気の湿度に基づいて、前記切換機構により、一対の前記調湿素子の夫々を、前記給気側素子と前記再生側素子とに切り換える切換処理と
前記加熱部により加熱された前記再生用空気を前記再生側素子の前記調湿部に通過させる再生処理と
前記再生処理の実施中に、前記第1又は第2湿度検出部により検出した前記再生用空気の湿度が設定湿度未満となった場合に、前記再生処理を停止する停止処理とを実施し、
前記停止処理を実施した後、前記切換処理を実施して前記第1空調状態と前記第2空調状態とが切り換わるまで、前記再生処理を停止する状態を継続し、前記切換処理を実施して前記第1空調状態と前記第2空調状態とが切り換わってから、切り換え後の前記再生側素子に対して前記再生処理を実施し、且つ、切り換え後の前記給気側素子に対して前記除湿冷却処理を実施するように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、第1及び第2湿度検出部は、再生側素子の調湿部を通過した後の再生用空気の湿度を検出するので、第1又は第2湿度検出部が検出した湿度が高い場合は、再生側素子の調湿部に残留する水分量が多く、第1又は第2湿度検出部により検出した湿度が低い場合は、再生側素子の調湿部に残留する水分量が少なくなっていることがわかる。
また、第1又は第2湿度検出部により検出した湿度が設定湿度未満となった場合に再生処理を停止する停止処理を実施する。従って、この設定湿度を、再生側素子の調湿部に残留する水分量が、次に給気側素子として用いられたとき、調湿用空気に含まれる水分を充分に吸着できる状態となっているときに湿度検出部により検出される湿度に対応させておくことで、適切な時期に停止処理が実施されることになる。
これにより、必要以上に再生処理が行われることを防止することができ、再生のために必要となる空気を加熱するための加熱部に供給するエネルギーや、加熱した空気を再生側素子の加熱部に流入させるための送風機等の動力源に供給するエネルギーの低減化を図ることができる。
また、再生側素子への再生処理を停止すると、加熱された再生用空気をその再生側素子に通過させることが停止されるので、その後、切換処理によりその再生側素子が給気側素子として用いられたとき、調湿部の温度が低くなっていることを期待できる。よって、温度が低くなった調湿部により調湿用空気の除湿を良好に行うことができる。
本発明に係る空調システムは、
室外空間から取り込んだ室外空気を室内空間へ供給する給気通路と、
室内空間から取り出した室内空気を室外空間へ排気する排気通路と、
通過する調湿用空気の水分を吸着又は通過する再生用空気に水分を脱着する調湿部及び通過する冷却用空気にて前記調湿部の水分の吸着に伴う吸着熱を吸収する冷却部を夫々有する一対の調湿素子と、
一対の前記調湿素子のうちの何れか一方の前記調湿素子を、前記給気通路を通流する室外空気が前記調湿用空気として前記調湿部を通過し、かつ、前記冷却用空気が前記冷却部を通過する給気側素子とし、他方の前記調湿素子を、前記再生用空気が前記調湿部を通過する再生側素子とする第1空調状態と、前記他方の調湿素子を前記給気側素子とし、前記一方の調湿素子を前記再生側素子とする第2空調状態とを切り換えるように、一対の前記調湿素子の夫々を、前記給気側素子と前記再生側素子とに切り換える切換機構と
動作を制御する制御部とを備えた空調システムであって、
室外空間から取り込んだ室外空気を前記再生用空気として前記再生側素子の前記調湿部を通過させて室外空間へ排出する室外空気循環通路と
前記室外空気循環通路に設けられた加熱部と
前記第2空調状態において、前記再生側素子たる前記一方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記再生用空気の湿度を検出し、前記第1空調状態において、前記給気側素子たる前記一方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記調湿用空気の湿度を検出する第1湿度検出部と、
前記第1空調状態において、前記再生側素子たる前記他方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記再生用空気の湿度を検出し、前記第2空調状態において、前記給気側素子たる前記他方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記調湿用空気の湿度を検出する第2湿度検出部と
前記第2空調状態において、前記再生側素子たる前記一方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記再生用空気の温度を検出し、前記第1空調状態において、前記給気側素子たる前記一方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記調湿用空気の温度を検出する第1温度検出部と、
前記第1空調状態において、前記再生側素子たる前記他方の調湿素子前記調湿部を通過した前記再生用空気の温度を検出し、前記第2空調状態において、前記給気側素子たる前記他方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記調湿用空気の温度を検出する第2温度検出部とを備え、
前記制御部は、
前記調湿用空気を前記給気側素子の前記調湿部に通過させるとともに、前記冷却用空気を前記給気側素子の前記冷却部に通過させる除湿冷却処理と、
前記第1又は第2温度検出部によって検出された前記調湿用空気の温度、或いは、前記第1又は第2湿度検出部によって検出された前記調湿用空気の湿度に基づいて、前記切換機構により、一対の前記調湿素子の夫々を、前記給気側素子と前記再生側素子とに切り換える切換処理と
前記加熱部により加熱された前記再生用空気を前記再生側素子の前記調湿部に通過させる再生処理と
前記再生処理の実施中に、前記第1又は第2温度検出部によって検出された前記再生用空気の温度が設定温度以上となった場合、或いは、前記第1又は第2湿度検出部によって検出された前記再生用空気の湿度が設定湿度未満となった場合に、前記再生処理を停止する停止処理と、を実施し、
前記停止処理を実施した後、前記切換処理を実施して前記第1空調状態と前記第2空調状態とが切り換わるまで、前記再生処理を停止する状態を継続し、前記切換処理を実施して前記第1空調状態と前記第2空調状態とが切り換わってから、切り換え後の前記再生側素子に対して前記再生処理を実施し、且つ、切り換え後の前記給気側素子に対して前記除湿冷却処理を実施するように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、第1及び第2湿度検出部は、再生側素子の調湿部を通過した後の再生用空気の湿度を検出するので、第1又は第2湿度検出部が検出した湿度が高い場合は、再生側素子の調湿部に残留する水分量が多く、第1又は第2湿度検出部により検出した湿度が低い場合は、再生側素子の調湿部に残留する水分量が少なくなっていることがわかる。
また、第1又は第2湿度検出部により検出した湿度が設定湿度未満となった場合に再生処理を停止する停止処理を実施する。従って、この設定湿度を、再生側素子の調湿部に残留する水分量が、次に給気側素子として用いられたとき、調湿用空気に含まれる水分を充分に吸着できる状態となっているときに湿度検出部により検出される湿度に対応させておくことで、適切な時期に停止処理が実施されることになる。
これにより、必要以上に再生処理が行われることを防止することができ、再生のために必要となる空気を加熱するための加熱部に供給するエネルギーや、加熱した空気を再生側素子の加熱部に流入させるための送風機等の動力源に供給するエネルギーの低減化を図ることができる。
また、再生側素子への再生処理を停止すると、加熱された再生用空気をその再生側素子に通過させることが停止されるので、その後、切換処理によりその再生側素子が給気側素子として用いられたとき、調湿部の温度が低くなっていることを期待できる。よって、温度が低くなった調湿部により調湿用空気の除湿を良好に行える。
また、温度について説明すると、再生側素子の調湿部に吸着されていた水分が、再生用空気に水蒸気として脱着されると、その際、水蒸気の潜熱の増加分と同程度の熱量が再生用空気から奪われることとなる。つまり、等エンタルピーにより再生側素子の調湿部の水分が再生用空気に脱着され、再生用空気の温度が低下することとなるので、再生側素子の調湿部を通過した再生用空気の温度を検出することにより、再生側素子に残留する水分量を推定することができる。
本特徴構成では、第1及び第2温度検出部は、再生側素子の調湿部を通過した後の再生用空気の温度を検出する。このため、第1又は第2温度検出部が検出した温度が低い場合は、再生用素子の調湿部に吸着された水分が再生用空気中に蒸発するための熱量が再生用空気から多く奪われているので、調湿部から脱着する水分が多い状態であり、再生側素子に残留する水分量が多い状態であることがわかり、第1又は第2温度検出部が検出した温度が高い場合は、再生用空気から調湿部に吸着された水分が再生用空気中に蒸発するための熱量が再生用空気から奪われていないので、調湿部から脱着する水分が少ない状態であり、再生側素子に残留する水分量が少なくなっていることがわかる。
また、第1又は第2温度検出部により検出した温度が設定温度以上となった場合に停止処理を実施する。従って、この設定温度を、再生側素子の調湿部に残留する水分量が、次に給気側素子として用いられたときに、調湿用空気に含まれる水分を充分に吸着できる状態となっているときに、温度検出部により検出される温度に対応させておくことで、適切な時期に停止処理が実施されることになる。
そして、本特徴構成では、第1又は第2温度検出部によって検出された再生用空気の温度が設定温度以上となった場合、又は、第1又は第2湿度検出部によって検出された再生用空気の湿度が設定湿度未満となった場合に、停止処理を実施するので、温度と湿度の両方を指標として、適切な時期に停止処理を実施することができる。
これにより、必要以上に再生処理が行われることを防止することができ、再生のために必要となる空気を加熱するための加熱部に供給するエネルギーや、加熱した空気を再生側素子の加熱部に流入させるための送風機等の動力源に供給するエネルギーの低減化を図ることができる。
本発明に係る空調システムの更なる特徴構成は、
前記排気通路を通流する室内空気が、前記冷却用空気として前記給気側素子の冷却部を通過するように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、排気通路を通流する室内空気が給気側素子の冷却部を通過するので、外部に排気する室内空気を冷却用空気として有効に使用しつつ、調湿用空気の除湿を良好に行うことができる。つまり、外気温度が高い時には、通常、室内空気の温度は空調等により外気温度よりも低い温度に保たれているので、低温の室内空気を冷却用空気として給気側素子の冷却部を通過させることにより、給気側素子の調湿部が冷却される。これにより、給気側素子の調湿部において効率よく水分が吸着されるので、低温の室内空気を冷却用空気として有効に利用しつつ、調湿用空気の除湿を良好に行うことができる。
第1実施形態に係る空調システムの第1状態を示す概略構成図 第1実施形態に係る空調システムの第2状態を示す概略構成図 調湿素子の斜視図 調湿素子の分解斜視図 調湿素子の拡大断面図 第1実施形態に係る切換処理の時期を示す図 第1実施形態に係る停止処理の時期を示す図 第2実施形態に係る停止処理の時期を示す図
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る空調システム100を、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、当該空調システム100は、主要な機器構成として、一対の調湿素子E(E1、E2)と、当該一対の調湿素子Eを、給気側素子Eaと再生側素子Ebとに交互に切り換える切換機構VとしてのダンパV1〜V10と、通過する空気を加熱する加熱部21とを備えるものである。
図1に示した空調システム100の状態(第1空調状態)は、一対の調湿素子Eのうちの第1調湿素子E1を、室内空間に供給する室外空気OAを除湿する給気側素子Eaとし、第2調湿素子E2を、室外空気OAの除湿により吸着した水分を脱着する再生側素子Ebとするように切り換えられた状態である。図2に示した空調システム100の状態(第2空調状態)は、一対の調湿素子Eのうちの第1調湿素子E1を、室外空気OAの除湿により吸着した水分を脱着する再生側素子Ebとし、第2調湿素子E2を、室内空間に供給する室外空気OAを除湿する給気側素子Eaとするように切り換えられた状態である。
第1空調状態及び第2空調状態において、調湿素子Eが、給気側素子Eaに切り換えられた場合には、調湿部Wに室内空間に供給する室外空気OAとしての調湿用空気WAを通過させて調湿用空気WAに含まれる水分を吸着しつつ、冷却部Cに冷却用空気CAを通過させて調湿部Wにおいて調湿用空気WAの水分の吸着に伴って発生する吸着熱を吸収する状態で、給気側素子Eaの調湿部Wを通過して水分が除去された調湿用空気WAを室内空間に供給する。一方、再生側素子Ebに切り換えられた場合には、調湿部Wに再生用空気Rを通過させて、再生用空気R中に調湿部Wから水分を脱着して室外空間に排出する。
図3に調湿素子Eの斜視図を示し、図4に調湿素子Eの分解斜視図を示す。
図3及び図4に示すように、一対の調湿素子Eの夫々は、略六角形状に形成された複数の平板部材1が、当該平板部材1同士の間の夫々に冷却部C又は調湿部Wを形成する状態で積層され、平板部材1の積層方向において、冷却部Cと調湿部Wとが交互に配設されて構成されている。複数の平板部材1の外周縁部には、平板部材1の外周縁部同士を接続する側壁板2が設けられている。なお、本実施形態では、6枚の平板部材1によって、3層の冷却部Cと2層の調湿部Wが形成された場合について説明するが、実用レベルでは、100枚以上の平板部材1を積層して、50層以上の冷却部Cと調湿部Wとを夫々形成することが想定される。
図3〜図5に基づいて、調湿素子Eについて具体的に説明する。図5は調湿素子の拡大断面図である。
図3及び図4に示すように、調湿部Wには、調湿素子Eの上面視で、六角形状の平板部材1の長手方向の両端部に、流入口側の流入領域8と、流出口側の流出領域10とが設けられ、流入領域8と流出領域10との間に誘導部分9が設けられている。また、冷却部Cには、調湿素子Eの上面視で、六角形状の平板部材1の長手方向の両端部に、流入口側の流入領域11と、流出口側の流出領域13とが設けられ、流入領域11と流出領域13との間に誘導部分12が設けられている。
調湿部Wの誘導部分9には、調湿用空気WAを誘導する第1誘導部材3が設けられ、冷却部Cの誘導部分12には、冷却用空気CAを誘導する第2誘導部材4が設けられている。第1誘導部材3及び第2誘導部材4は、上面視で誘導部分9、12と同等の寸法に形成された波板部材によって構成され、調湿部W及び冷却部Cの流入領域8、11から流出領域10、13に向かう方向に直交する方向における断面視が波形状となるように誘導部分9、12に配置されている。
また、調湿部Wの流入領域8側の側面部分に空気が流入する調湿部入口Winが設けられ、調湿部Wの流出領域10側の側面部分に空気が流出する調湿部出口Woutが設けられている。一方、冷却部Cの流入領域11側の側面部分に空気が流入する冷却部入口Cinが設けられ、冷却部Cの流出領域13側の側面部分に空気が流出する冷却部出口Coutが設けられている。
第1誘導部材3及び第2誘導部材4は、調湿部Wにおける調湿用空気WAと冷却部Cにおける冷却用空気CAとの流れ方向とが、互いに向かい合う方向となるように誘導部分9及び誘導部分12に夫々配置されて、調湿用空気WAと冷却用空気CAとが平板部材1を介して対向流を成す状態で、調湿部Wと冷却部Cとの間で熱交換することができる。
また、図5に示すように、調湿部Wに設けられた第1誘導部材3は、第1波板部材5aと後述する吸湿剤6とにより構成され、冷却部Cに設けられた第2誘導部材4は、第2波板部材5bと後述する吸湿剤6とにより構成されている。
平板部材1、側壁板2、第1波板部材5a及び第2波板部材5bは、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、又は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂を材質として、50ミクロン程度の厚さの薄板により構成されている。その他、平板部材1及び側壁板2については、例えば、紙(空気に含まれる水分が透過しない処理がなされたもの)、金属(例えばアルミニウム等)、ガラス、セラミックなどの材料を用いて作製することができる。また、第1波板部材5a及び第2波板部材5bについては、例えば、紙、金属(例えばアルミニウム等)、ガラス、セラミックなどの材料を用いて作製することができる。本実施形態では、平板部材1及び波板部材5及び側壁板2としてポリエチレンテレフタレートを用いる。
また、図5に示すように、平板部材1の調湿部Wに面する第1面1aには、調湿部Wを通過する調湿用空気WAに含まれる水分を吸脱着する吸湿剤6が保持されている。さらに、第1波板部材5aの表面、つまり、第1波板部材5aの上面側及び下面側にも吸湿剤6が保持されている。このように、平板部材1及び表面積の大きな波板部材5の両面に多くの吸湿剤6を保持させることができるので、調湿部Wにおける水分の吸着性能を高くすることができる。
吸湿剤6としては様々な種類のものを用いることができるが、例えば、ポリアクリル酸系の樹脂(架橋構造を有するポリアクリル酸ナトリウム等)を主成分とする材料を用いることができる。また、平板部材1と吸湿剤6とのバインダーとして、吸湿剤6を構成する材料と極性が近く、吸湿剤6の体積変化やヒートサイクルに耐えることのできる(即ち、バインダーとしての機能を維持できる)柔軟性を有する材料を用いることができる。例えば、吸湿剤6として上述のようなポリアクリル酸系の材料を用いる場合、バインダーとしては水性ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの材料を利用できる。或いは、上述した材料を混合したものをバインダーとして利用することもできる。本実施形態では、吸湿剤6としてポリアクリル酸ナトリウムを用い、バインダーとして水性ウレタン樹脂を用いる。
尚、吸湿剤6を平板部材1及び波板部材5(第1波板部材5a)に対してバインダーを用いて保持させる場合、それら三者の接着性を良好にするためには、平板部材1及び波板部材5(第1波板部材5a)は、極性が上記バインダー又は吸湿剤6に近く、耐熱性を有する樹脂材料であることが好ましい。よって、本実施形態では、上述の如く、平板部材1及び波板部材5及び側壁板2としてポリエチレンテレフタレートを用いている。
そして、ポリアクリル酸ナトリウムと水性ウレタン樹脂等の材料で構成されたバインダーとを含む混合液を、第1面1a及び第1波板部材5aの表面に塗布することにより、アクリル酸ナトリウムを第1面1a及び第1波板部材5aの表面に保持させることができる。
一方、複数の平板部材1の冷却部Cに面する第2面1bには金属膜7が形成されている。金属膜7は、アルミニウム等の材質により、数ミクロン程度の厚さで構成され、蒸着により第1面1aに形成されている。これにより、第1面1aに形成された金属膜7の良好な熱伝導性により、冷却用空気CAと平板部材1との間における伝熱面積が金属膜7により拡大するので、冷却用空気CAと平板部材1との間の伝熱を促進することができる。これにより、冷却部Cと調湿部Wとの間における熱交換効率が向上する。ここで、本実施形態のように平板部材1が樹脂、紙(空気に含まれる水分が透過しない処理がなされたもの)、ガラス、セラミックで構成される場合には、上述の如く、その第1面1aにアルミニウム等の金属膜7を形成することにより冷却部Cと調湿部Wとの間における熱交換効率を向上させることができる。また、平板部材1が金属(例えばアルミニウム等)で構成される場合には、その第1面1aに、平板部材1を構成する金属よりも熱伝導性に優れた金属を材料として金属膜7を形成することにより冷却部Cと調湿部Wとの間における熱交換効率を向上させることができる。
次に、本実施形態に係る空調システム100の通路構成について説明する。
図1に示した空調システム100の状態は、一対の調湿素子Eのうちの第1調湿素子E1が室内空間に供給する室外空気OAを除湿する給気側素子Eaに、第2調湿素子E2が室外空気OAの除湿により吸着した水分を脱着する再生側素子Ebに切り換えられた第1空調状態である。
図1に基づいて、第1給気通路L1a、第1排気通路L2a及び第1室外空気循環通路L3aについて説明する。図1では、第1給気通路L1aを2点鎖線で示し、第1排気通路L2aを1点鎖線で示し、第1室外空気循環通路L3aを破線で示す。
第1給気通路L1a(給気通路の一例)は、第1調湿素子E1が給気側素子Eaに切り換えられているときに、室外空間から取り込んだ室外空気OAを、第1調湿素子E1の調湿部Wを通過させて室内空間へ供給する通路である。
第1給気通路L1aを通流する室外空気OAとしての調湿用空気WAは、上流側となる室外給気口30から流入して、第1調湿素子E1の調湿部Wを通過して、下流側となる室内給気口33から流出して室内空間に供給される。具体的には、室外給気口30から流入した室外空気OAが、上流側から下流側に向かって、第1分岐部P1、第2分岐部P2、第1合流部R1、第1調湿素子E1の調湿部W、第3分岐部P3及び第2合流部R2を順次通過して室内給気口33から流出して室内空間に供給されるように構成されている。
第1給気通路L1aには、室外給気口30から第1分岐部P1までの通路部に室外空気OAを吸入する給気ファンF1が設けられ、第2分岐部P2の下流側であって第1合流部R1の上流側に第1給気通路L1aを開閉するダンパV1が設けられ、第3分岐部P3の下流側であって第2合流部R2の上流側に第1給気通路L1aを開閉するダンパV2が設けられている。
さらに、第1給気通路L1aには、第1調湿素子E1の調湿部出口Woutの下流側であって第3分岐部P3の上流側に、第1調湿素子E1の調湿部Wを通過した空気の温度を検出する第1温度検出部35Aと、第1調湿素子E1の調湿部Wを通過した空気の湿度を検出する第1湿度検出部35Bとが設けられている。この第1湿度検出部35Bは、絶対湿度を検出するものである。
また、第1排気通路L2a(排気通路の一例)は、第1調湿素子E1が給気側素子Eaに切り換えられているときに、室内空間から取り出した室内空気RAを冷却用空気CAとして、第1調湿素子E1の冷却部Cを通過させて室外空間へ排気する通路である。
第1排気通路L2aを通流する冷却用空気CAは室内空気RAとされ、上流側となる室内排気口31から流入し、第1調湿素子E1の冷却部Cを通過して、下流側である室外排気口32から室外空間に排出される。具体的には、室内排気口31から流入した室内空気RAが、上流側から下流側に向かって、第4分岐部P4、第1調湿素子E1の冷却部C及び第3合流部R3を順次通過して室外排気口32から室外空間に排出されるように構成されている。
第1排気通路L2aには、第4分岐部P4の下流側であって第1調湿素子E1の冷却部入口Cinの上流側に第1排気通路L2aを開閉するダンパV3が設けられ、第3合流部R3の下流側であって室外排気口32の上流側に空気を室外空間に排出する排気ファンF2が設けられている。
また、第1室外空気循環通路L3a(室外空気循環通路の一例)は、第2調湿素子E2が再生側素子Ebに切り換えられているときに、室外空間から取り込んだ室外空気OAを再生用空気Rとして、第2調湿素子E2の調湿部Wを通過させて室外空間へ排出する通路である。
第1室外空気循環通路L3aを通流する再生用空気Rは室外空気OAとされ、上流側となる室外給気口30から流入し、加熱部21を通過した後に、第2調湿素子E2の調湿部Wを通過して、下流側となる室外排気口32から室外空間に排出される。具体的には、室外給気口30から流入した室外空気OAが、上流側から下流側に向かって、第1分岐部P1、加熱部21、第6分岐部P6、第4合流部R4、第2調湿素子E2の調湿部W、第5分岐部P5、第5合流部R5、及び、第3合流部R3を順次通過して、室外排気口32から室外空間に排出されるように構成されている。
第1室外空気循環通路L3aには、第1分岐部P1の下流側であって第6分岐部P6の上流側に加熱部21が設けられ、第6分岐部P6の下流側であって第4合流部R4の上流側に第1室外空気循環通路L3aを開閉するダンパV4が設けられている。また、第5分岐部P5の下流側であって第5合流部R5の上流側に第1室外空気循環通路L3aを開閉するダンパV5が設けられている。さらに、上述した給気ファンF1及び排気ファンF2が設けられている。
また、第1室外空気循環通路L3aには、第2調湿素子E2の調湿部出口Woutの下流側であって第5分岐部P5の上流側に、第2調湿素子E2の調湿部Wを通過した空気の温度を検出する第2温度検出部34Aと、第2調湿素子E2の調湿部Wを通過した空気の湿度を検出する第2湿度検出部34Bとが設けられている。この第2湿度検出部34Bは、絶対湿度を検出するものである。
また、加熱部21は、室外空間から取り込んだ再生用空気Rを、熱媒流通路20を通流する熱媒との熱交換により加熱するものであり、加熱部21を通過する再生用空気Rの温度が予め設定された設定温度となるように、制御部Sにより熱媒流通路20を通流する熱媒の流量を変化させるように構成されている。
具体的には、熱媒流通路20には、図示しないボイラーから供給される湯水や、図示しないコジェネレーションシステムから排出された湯水等が、熱媒として通流するものであり、熱媒流通路20に設けられた図示しない熱媒流量調整弁が制御部Sにより制御されて熱媒流通路20の流量を調整可能とされている。また、ダンパV1〜V10、給気ファンF1及び排気ファンF2の動作が制御部Sによって制御されるように構成されている。
図2に示した空調システム100の状態は、一対の調湿素子Eのうちの第1調湿素子E1が、室外空気OAの除湿により吸着した水分を脱着する再生側素子Ebに、第2調湿素子E2が、室内空間に供給する室外空気OAを除湿する給気側素子Eaに切り換えられた第2空調状態である。
図2に基づいて、第2給気通路L1b、第2排気通路L2b及び第2室外空気循環通路L3bについて説明する。図2では、第2給気通路L1bを2点鎖線で示し、第2排気通路L2bを1点鎖線で示し、第2室外空気循環通路L3bを破線で示す。
第2給気通路L1b(給気通路の一例)は、第2調湿素子E2が給気側素子Eaに切り換えられているときに、室外空間から取り込んだ室外空気OAを、第2調湿素子E2の調湿部Wを通過させて室内空間へ供給する通路である。
第2給気通路L1bを通流する室外空気OAとしての調湿用空気WAは、上流側となる室外給気口30から流入して、第2調湿素子E2の調湿部Wを通過して、下流側となる室内給気口33から流出して室内空間に供給される。具体的には、室外給気口30から流入した室外空気OAが、上流側から下流側に向かって、第1分岐部P1、第2分岐部P2、第4合流部R4、第2調湿素子E2の調湿部W、第5分岐部P5及び第2合流部R2を順次通過して、室内給気口33から流出して室内空間に供給されるように構成されている。
第2給気通路L1bには、給気ファンF1が設けられ、第2分岐部P2の下流側であって第4合流部R4の上流側にダンパV6が設けられ、第5分岐部P5の下流側であって第2合流部R2の上流側にダンパV7が設けられている。さらに、上述した第2温度検出部34A及び第2湿度検出部34Bが設けられている。
また、第2排気通路L2b(排気通路の一例)は、第2調湿素子E2が給気側素子Eaに切り換えられているときに、室内空間から取り出した室内空気RAを冷却用空気CAとして、第2調湿素子E2の冷却部Cを通過させて室外空間へ排気する通路である。
第2排気通路L2bを通流する冷却用空気CAは室内空気RAとされ、上流側となる室内排気口31から流入し、第2調湿素子E2の冷却部Cを通過して、下流側である室外排気口32から室外空間に排出される。具体的には、室内空気RAが室内排気口31から流入し、上流側から下流側に向かって、第4分岐部P4、第2調湿素子E2の冷却部C、第5合流部R5及び第3合流部R3を順次通過して、室外排気口32から室外空間に排出するように構成されている。
第2排気通路L2bには、排気ファンF2が設けられ、第4分岐部P4の下流側であって第2調湿素子E2の冷却部入口Cinの上流側に第2排気通路L2bを開閉するダンパV8が設けられている。
さらに、第2室外空気循環通路L3b(室外空気循環通路の一例)は、第1調湿素子E1が再生側素子Ebに切り換えられているときに、室外空間から取り込んだ室外空気OAを再生用空気Rとして、第1調湿素子E1の調湿部Wを通過させて室外空間へ排出する通路である。
第2室外空気循環通路L3bを通流する再生用空気Rは室外空気OAとされ、上流側となる室外給気口30から流入し、加熱部21を通過した後に、第1調湿素子E1の調湿部Wを通過して、下流側となる室外排気口32から室外空間に排出される。具体的には、室外給気口30から流入した室外空気OAが、上流側から下流側に向かって、第1分岐部P1、加熱部21、第6分岐部P6、第1合流部R1、第1調湿素子E1の調湿部W、第3分岐部P3、第3合流部R3を順次通過して、室外排気口32から室外空間に排出するように構成されている。
第2室外空気循環通路L3bには、上述した給気ファンF1及び排気ファンF2が設けられ、第1分岐部P1の下流側であって第6分岐部P6の上流側に加熱部21が設けられ、第6分岐部P6の下流側であって第1合流部R1の上流側にダンパV9が設けられている。第3分岐部P3の下流側であって第3合流部R3の上流側にダンパV10が設けられている。さらに、第2室外空気循環通路L3bには、上述した第1温度検出部35A及び第1湿度検出部35Bが設けられている。
次に、本実施形態に係る空調システム100において、一対の調湿素子Eの夫々を、給気側素子Eaと再生側素子Ebとに切り換える切換処理について説明する。
本実施形態に係る空調システム100では、一対の調湿素子Eのうちの一方の調湿素子Eを、室外空気OAが調湿用空気WAとして調湿部Wを通過し、かつ、冷却用空気CAが冷却部Cを通過する給気側素子Eaとし、他方の調湿素子Eを、再生用空気Rが調湿部Wを通過する再生側素子Ebとする状態で、一対の調湿素子Eの夫々を、給気側素子Eaと再生側素子Ebとに切り換える切換処理を、制御部Sにより切換機構VとしてのダンパV1〜V10を開閉制御することにより実施されるように構成されている。
つまり、空調システム100では、図1に示すように、第1調湿素子E1を、第1給気通路L1aを通流する室外空気OAが調湿用空気WAとして第1調湿素子E1の調湿部Wを通過し、かつ、第1排気通路L2aを通流する室内空気RAが冷却用空気CAとして第1調湿素子E1の冷却部Cを通過する給気側素子Eaとし、第2調湿素子E2を、第1室外空気循環通路L3aを通流する室外空気OAが再生用空気Rとして第2調湿素子E2の調湿部Wを通過する再生側素子Ebとする第1空調状態と、図2に示すように、第2調湿素子E2を、第2給気通路L1bを通流する室外空気OAが調湿用空気WAとして第2調湿素子E2の調湿部Wを通過し、かつ、第2排気通路L2bを通流する室内空気RAが冷却用空気CAがとして第2調湿素子E2の冷却部Cを通過する給気側素子Eaとし、第1調湿素子E1を、第2室外空気循環通路L3bを通流する室外空気OAが再生用空気Rとして第1調湿素子E1の調湿部Wを通過する再生側素子Ebとする第2空調状態とに切り換えられる。
そして、制御部Sが、一対の調湿素子Eを上述のように第1空調状態と第2空調状態とに切り換える切換処理を、ダンパV1〜V10の開閉状態を制御することにより実施するように構成されている。なお、図1及び図2においては、空気が通流している通路部分を太線で示し、空気が通流していない通路部分を細線で示す。
制御部SによるダンパV1〜V10の開閉状態の制御について、図1に示した第1空調状態について説明すると、太線で示した空気が通流する通流状態となっている通路に設けられたダンパ、つまり、第1給気通路L1aに設けられたダンパV1、V2、第1排気通路L2aに設けられたダンパV3、第1室外空気循環通路L3aに設けられたダンパV4、V5が開状態に制御され、細線で示した空気が通流していない非通流状態となっている通路に設けられたダンパV6〜V10が閉状態に制御されている。なお、図1及び図2においては、閉状態となっているダンパに黒丸を付して示し、開状態となっているダンパに白抜きの丸を付して示している。
また、制御部SによるダンパV1〜V10の開閉状態の制御について、図2に示した第2空調状態について説明すると、太線で示した空気が通流する通流状態となっている通路に設けられたダンパ、つまり、第2給気通路L1bに設けられたダンパV6、V7、第2排気通路L2bに設けられたダンパV8、第2室外空気循環通路L3bに設けられたダンパV9、V10が開状態に制御され、細線で示した空気が通流していない非通流状態となっている通路に設けられたダンパV1〜V5が閉状態に制御されている。
次に、各通路を通流する空気の流量調整について説明する。
各通路を通流する空気の流量調整は、各通路に通流させる空気の目標流量(単位時間あたりの流量)を決定し、その決定した目標流量となるように給気ファンF1、排気ファンF2の送風能力及びダンパV1〜V10の開度を調節することによって行う。
例えば、第1空調状態においては、第1給気通路L1aにより室内空間へ供給する室外空気OAの目標流量、第1排気通路L2aにより室内空間から取り出す室内空気RAの目標流量、及び、第1室外空気循環通路L3aにより再生側素子Ebの調湿部Wを通過させる室外空気OAの目標流量を決定する。
そして、各通路に通流する空気の流量が目標流量となるように、空気を通流させない通路に設けられたダンパ、つまり、第2給気通路L1bに設けられたダンパV6、V7、第2排気通路L2bに設けられたダンパV8、第2室外空気循環通路L3bに設けられたダンパV9、V10を閉状態として、給気ファンF1、排気ファンF2のファン回転数を調節しつつ、空気が通流する通流状態となっている通路に設けられたダンパ、つまり、第1給気通路L1aに設けられたダンパV1、V2、第1排気通路L2aに設けられたダンパV3、第1室外空気循環通路L3aに設けられたダンパV4、V5の開度を調節する。
なお、第1給気通路L1a及び第1排気通路L2aの目標流量については、例えば、使用者によって設定された室内の換気量に基づいて決定される。また、第1室外空気循環通路L3aの目標流量については、再生用空気Rとして再生側素子Ebの調湿部Wの水分を脱着させるために必要となる予め定められた所定の流量とされている。
また、本実施形態においては、室内の圧力を一定に維持した状態で換気するために、第1給気通路L1aにより室内空間へ供給する室外空気OAの流量と、第1排気通路L2aにより室内空間から取り出す室内空気RAの流量とが同等となるように、第1給気通路L1aと第1排気通路L2aとの目標流量を決定される。
そして、上述の如く、例えば、第1空調状態においては、第1給気通路L1a、第1排気通路L2a、及び、第1室外空気循環通路L3aの夫々の通路の流量が、決定された目標流量となるように、制御部Sが、給気ファンF1、排気ファンF2の送風能力及び第1給気通路L1aに設けられたダンパV1、V2、第1排気通路L2aに設けられたダンパV2、第1室外空気循環通路L3aに設けられたダンパV4、V5の開度を調節することにより調整される。
次に、制御部Sが、一対の調湿素子Eの夫々を、給気側素子Eaと再生側素子Ebとに切り換える切換処理を実施する時期について、第1空調状態から第2空調状態への切換を例に挙げて説明する。
第1空調状態において、制御部Sは、給気側素子Eaとして機能する第1調湿素子E1の調湿部Wを通過して除湿され、室内空間に供給される調湿用空気WA(供給空気SA)の温度及び湿度を、第1給気通路L1aに設けられた第1温度検出部35A及び第1湿度検出部35Bにより検出し、その検出結果に基づいて、第1空調状態から第2空調状態への切換処理を実施するように構成されている。なお、第1湿度検出部35Bにて検出される湿度は絶対湿度である。
切換処理は、第1空調状態において給気側素子Eaとして機能する第1調湿素子E1が、調湿用空気WAの水分を吸着した結果、水分が適切に吸着できなくなると、次の第2空調状態では、給気側素子Eaとして機能する素子を第2調湿素子E2に切換えるとともに、再生側素子Ebとして機能する素子を第1調湿素子E1に切換えるものである。これにより、第2調湿素子E2により調湿用空気WAの水分を適切に吸着することができ、また、第1調湿素子E1に吸着された水分を第1調湿素子E1から脱着させることができる。
また、第1空調状態において、第1調湿素子E1の調湿部Wによって、調湿用空気WAの水分を吸着することにより、吸着熱が発生して室内に供給される調湿用空気WAの温度が上昇するが、第1調湿素子E1の調湿部Wを通過した調湿用空気WAの温度を検出して、その検出結果に基づいて切換処理が実施されるように構成されているので、調湿用空気WAの温度が上昇すると切替処理を実施することで、高温の調湿用空気WAが室内に供給されることを防止することができる。
図6は、第1空調状態において、第1温度検出部35Aにおいて検出された調湿用空気WA(供給空気SA)の温度検出結果、及び、第1湿度検出部35Bにおいて検出された調湿用空気WA(供給空気SA)の湿度検出結果を示すものである。図6においては、切換処理の実施時を切換処理の開始時T0として、切換処理からの経過時間である切換後吸着時間Taを横軸に示し、調湿用空気WAの温度、及び、調湿用空気WAの湿度(絶対湿度)を縦軸に示す。また、図6において、室外湿度HOAは、室外空間における室外空気OAの絶対湿度を示し、室外温度TEOAは、室外空間における室外空気OAの温度を示している。
図6に示す調湿用空気WAの湿度については、切換処理の実施直後においては、給気側素子Eaの調湿部Wの水分の吸着性能が高いため、第1湿度検出部35Bによって検出された調湿用空気WAの湿度が低くなる。その後、切換後吸着時間Taの経過に伴って、給気側素子Eaの調湿部Wの水分の吸着性能が低下するので、第1湿度検出部35Bによって検出された調湿用空気WAの湿度が上昇することとなる。
また、図6に示す調湿用空気WAの温度について説明する。給気側素子Eaの調湿部Wは、調湿部Wへの水分吸着による吸着熱により加熱され、冷却部Cにより常に冷却されているので、この冷却と加熱により調湿部Wを通過する調湿用空気WAの温度が変化することとなる。
つまり、切換処理の開始時T0においては、冷却部Cにより冷却されているので、室外空気OAの温度である室外温度TEOAよりも低い温度となっている。そして、切換処理の開始後においては、給気側素子Eaの調湿部Wの水分の吸着性能が高いため、給気側素子Eaの調湿部Wへの水分の吸着量が多くなるので、水分の吸着により調湿部Wから発生する吸着熱の発生量が増加して、調湿用空気WAの温度が上昇する。その後、切換後吸着時間Taが経過することにより、調湿部Wに吸着した水分が増加すると、調湿部Wの吸着性能が低下して、調湿部Wに新たに吸着する水分が少なくなるため、吸着熱の発生量が減少する。そして、上述の如く、給気側素子Eaの調湿部Wは、常に冷却用空気CAが通流する冷却部Cにより冷却されているので、調湿用空気WAの温度は、室外空気OAよりも低い温度に低下する。
そして、図6に示すように、制御部Sは、切換処理を実施した後、第1温度検出部35Aによって検出された調湿用空気WA(供給空気SA)の温度が設定温度としての除湿用設定温度TEa以上となる場合、又は、第1湿度検出部35Bによって検出された調湿用空気WAの湿度が上昇して設定湿度としての除湿用設定絶対湿度Ha以上となる場合に、切換処理を実施するように構成されている。つまり、以下に詳細について説明するが、調湿用空気WAの温度が上昇して除湿用設定温度TEa以上となる時期、又は、湿度が上昇して除湿用設定絶対湿度Ha以上となる時期のいずれか早い方の時期に切換処理が実施される。なお、除湿用設定温度TEa以上となる時期、及び、除湿用設定絶対湿度Ha以上となる時期における調湿部Wの状態は、例えば、充分な水分の吸着性能を発揮できない状態であり、調湿部Wが吸着した水分量が上限に達したと見なせる状態である。
そして、本実施形態では、制御部Sは、第1温度検出部35Aによって検出された調湿用空気WAの温度が、除湿用設定温度TEa以上となる切換後吸着時間T1、又は、第1湿度検出部35Bによって検出された調湿用空気WAの湿度が除湿用設定絶対湿度Ha以上となる切換後吸着時間T2のいずれか早い方の時期に切換処理が実施されるので、図6に示す例においては、調湿用空気WAの温度が、除湿用設定温度TEa以上となる切換後吸着時間T1において切換処理が実施される。
次に、再生側素子Ebの再生について説明する。
制御部Sは、加熱部21により加熱された再生用空気Rを再生側素子Ebの調湿部Wに通過させる再生処理を実施するように構成されている。つまり、上述した第1空調状態では、制御部Sは、加熱部21に設けられた熱媒流通路20の熱媒の通流を開始して、再生用空気Rの目標流量に基づいて、給気ファンF1、排気ファンF2の送風能力及び第1給気通路L1aに設けられたダンパV1、V2、第1排気通路L2aに設けられたダンパV3、第1室外空気循環通路L3aに設けられたダンパV4、V5の開度を調節し、第1室外空気循環通路L3aを通流する再生用空気Rの流量を調整して、第1室外空気循環通路L3aに接続された再生側素子Ebの調湿部Wに通流させる再生処理を実施する。この再生処理は、設定温度に加熱された室外空気OAである再生用空気Rを再生側素子Ebの調湿部Wに通過させて、再生側素子Ebの調湿部Wに吸着されている水分を再生用空気R中に脱着させる処理である。
なお、再生用空気Rの温度は、制御部Sにより、上述の如く、熱媒流通路20の熱媒の流量を調整することにより設定温度に設定されている。
また、制御部Sは、この再生処理において、第2湿度検出部34Bによって検出された再生側素子Ebの調湿部Wを通過した再生用空気Rの湿度が再生用設定湿度Hs(設定湿度の一例)未満となる場合に、再生処理を停止する停止処理を実施するように構成されている。
図7は、第1空調状態において、第2湿度検出部34Bによって検出された再生側素子Ebの調湿部Wを通過した再生用空気Rの湿度検出結果の例を示すものである。図7においては、切換処理の実施時からの経過時間である切換後再生時間Tbを横軸に示し、再生用空気Rの温度、及び、再生用空気Rの絶対湿度Hを縦軸に示す。また、図7において、室外湿度HOAは、室外空間における室外空気OAの絶対湿度を示し、室外温度TEOAは、室外空間における室外空気OAの温度を示している。
図7に示すように、絶対湿度Hは、切換処理の実施直後においては、再生側素子Ebの調湿部Wから脱着する水分量が多いため、第2湿度検出部34Bによって検出された再生用空気Rの絶対湿度が高くなる。その後、時間経過に伴って、再生側素子Ebの調湿部Wに残留する水分が減少することより、再生用空気Rによって調湿部Wから脱着する水分量が低下するので、第2湿度検出部34Bによって検出された再生用空気Rの湿度が、時間経過に伴って、徐々に加熱される前の室外空気OAの室外湿度HOAに向かって徐々に減少する。
そして、本実施形態では、上述の如く、制御部Sは、第2湿度検出部34Bによって検出された調湿用空気WAの湿度が再生用設定湿度Hs未満となる切換後再生時間Tbにおいて停止処理を実施するので、図7に示した例においては、切換後再生時間T4において切換処理が実施されることとなる。
また、再生用設定湿度Hsは、再生側素子Ebの調湿部Wから水分が脱着された後の再生用空気Rの湿度に対して設定される湿度であり、例えば、第1調湿素子E1が給気側素子Eaとして用いられるときに吸着することが必要であると予測される水分量に基づいて、適切に設定することができる。
なお、再生用設定湿度Hsを、室外空気OAの室外湿度HOAに近い値に設定すると、つまり、調湿部Wに吸着する水分がほぼ残留することのない状態まで脱着させようとすると、再生処理の開始後において、調湿部Wに残留する残留水分量が少なくなるに伴って単位水分量を脱着させるための再生時間が長くなり、再生側素子Ebの再生のために使用するエネルギーが増加することとなる。よって、本実施形態では、例えば、水分吸着が飽和した状態で得られる総吸着水分量の30%程度の残留水分量となったときに、第2湿度検出部34Bにより検出される再生用空気Rの湿度を予め実験等により求めて、その湿度を再生用設定湿度Hsとし、再生用設定湿度Hsが検出されたときに停止処理を実施するように構成されている。
また、第1空調状態において、制御部Sは、再生処理を停止する停止処理を実施した後、切換処理により再生側素子Ebとなっている第2調湿素子E2が給気側素子Eaに切り換えられるまで、再生処理を停止する状態を継続し、切換処理により給気側素子Eaから再生側素子Ebに切り換えられた第1調湿素子E1に対して再生処理を開始するように構成されている。第1空調状態において停止処理を実施した場合には、その第1空調状態において再生処理を開始することなく、切換処理が実施されて第1空調状態から第2空調状態に切替えた時に再生処理を開始する。
つまり、本実施形態においては、制御部Sが実施する停止処理において、例えば、加熱部21に設けられた熱媒流通路20の熱媒の通流を停止することに加えて、第1室外空気循環通路L3aに設けられたダンパV4、V5を閉状態とされるので、停止処理を実施した後、切換処理が実施されるまで、制御部Sによって、加熱部21に設けられた熱媒流通路20の熱媒の通流を停止することに加えて、第1室外空気循環通路L3aに設けられたダンパV4、V5を閉状態とする状態が維持される。
その後、制御部Sによって、第1空調状態から第2空調状態に切替える切替処理が実施されると、再生用空気Rの目標流量に基づいて、上述の如く、給気ファンF1、排気ファンF2の送風能力及びダンパV1〜V10の開閉状態が制御され、第1調湿素子E1の調湿部Wに再生用空気Rが通流する状態となる。さらに、制御部Sは、加熱部21に設けられた熱媒流通路20の熱媒の通流が停止した状態で、第1空調状態から第2空調状態に切替える切換処理を実施する場合には、加熱部21に設けられた熱媒流通路20の熱媒の通流を開始するように構成されている。これにより、給気側素子Eaから再生側素子Ebに切り換えられた第1調湿素子E1に対して再生処理が開始されるように構成されている。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明するが、この第2実施形態は、再生側素子Ebの調湿部Wを通過した再生用空気Rの温度を検出する第1温度検出部35A及び第2温度検出部34Aを備え、制御部Sが、第1温度検出部35A及び第2温度検出部34Aによって検出された再生用空気Rの温度が再生用設定温度TEs以上となった場合、又は、第1湿度検出部35B及び第2湿度検出部34Bによって検出された再生用空気Rの湿度が再生用設定湿度Hs未満となった場合に、停止処理を実施するように構成されている点において第1実施形態と異なるものであって、その他の構成は第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明して、第1実施形態と同様な構成については、詳細な説明を省略する。
この第2実施形態においては、例えば、空調システム100が、図1に示すような第1空調状態となっている時には、第2温度検出部34Aによって検出された再生用空気Rの温度が再生用設定温度TEs(設定温度の一例)以上となった場合、又は、第2湿度検出部34Bによって検出された再生用空気Rの湿度が再生用設定湿度Hs未満となった場合に、制御部Sによって、停止処理を実施するように構成されている。
本実施形態においては、第2温度検出部34A又は第1温度検出部35Aによって検出された温度に基づいて、再生処理を適切な時期に停止することができる。すなわち、再生側素子Ebの調湿部Wに吸着されていた水分が、再生用空気Rに水蒸気として脱着されるが、その際、水蒸気の潜熱の増加分と同じ熱量が再生用空気Rから奪われることとなる。つまり、等エンタルピーにより再生側素子Ebの調湿部Wの水分が再生用空気Rに脱着され、再生用空気Rの温度が低下することとなるので、再生側素子Ebの調湿部Wを通過した再生用空気Rの温度を検出することにより、再生側素子Ebに残留する水分量を推定することができる。よって、再生用設定温度TEsを、適切に設定することで、再生処理を適切な時期に停止することができる。
図8は、第1空調状態において、第2温度検出部34Aによって検出された再生側素子Ebの調湿部Wを通過した再生用空気Rの温度検出結果、及び、第2湿度検出部34Bによって検出された再生側素子Ebの調湿部Wを通過した再生用空気Rの湿度検出結果の例を示すものである。図8においては、切換処理の実施時である再生処理の開始時T0からの経過時間である切換後再生時間Tbを横軸に示し、再生用空気Rの温度、及び、再生用空気Rの絶対湿度Hを縦軸に示す。また、室外湿度HOAは、室外空間における室外空気OAの絶対湿度を示し、室外温度TEOAは、室外空間における室外空気OAの温度を示している。
この再生処理の実施中における再生用空気Rの温度変化について説明すると、加熱部21によって加熱した室外空気OAを再生用空気Rとして再生側素子Ebの調湿部Wを通過させるので、再生処理の実施中において、再生用空気Rの温度は室外空気の温度である室外温度TEOAよりも高い温度となる。なお、再生用空気Rは、加熱部21の出口における温度が、第1実施形態と同様に、出口温度TEhとなるように加熱部21により加熱されている。
具体的には、再生処理の開始直後においては、再生側素子Ebの調湿部Wから脱着する水分量が多いので、再生用空気Rの温度が低い温度となっている。つまり、調湿部Wに吸着している水分が多いので、再生用空気Rに蒸発する水分が多くなる。これにより、再生用空気Rから大きな蒸発潜熱が奪われて再生用空気Rの温度が出口温度TEhよりも大幅に低下する。その後、時間経過に伴って、調湿部Wに残留している水分が少なくなると、調湿部Wから再生用空気Rへ蒸発する水分が減少するので、再生用空気Rから奪われる蒸発潜熱が少なくなる。これにより、再生用空気Rの温度が徐々に出口温度TEhに向かって上昇することとなる。
なお、再生処理の実施中における再生用空気Rの絶対湿度Hの変化については、第1実施形態において説明した通りであり、図7に示した再生用空気Rの絶対湿度Hと同様である。
そして、本実施形態では、上述の如く、制御部Sは、第2温度検出部34Aによって検出された調湿用空気WAの温度が上昇して再生用設定温度TEs以上となる切換後再生時間T3となった場合、又は、第2湿度検出部34Bによって検出された調湿用空気WAの湿度が低下して再生用設定湿度Hs未満となる切換後再生時間T4となった場合に切換処理を実施するので、切換後再生時間T3及び切換後再生時間T4のうち何れか早い方の時間である切換後再生時間T4において停止処理が実施されることとなる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、第1湿度検出部35Bにより絶対湿度が検出されたが、これに限らず、第1湿度検出部35Bにて検出される湿度を相対湿度として、第1湿度検出部35Bにて検出された相対湿度と、第1温度検出部35Aにて検出された温度により絶対湿度を求めてもよい。また、第2湿度検出部34Bにて検出する湿度を相対湿度として、第2湿度検出部34Bにて検出された相対湿度と、第2温度検出部34Aにて検出された温度により絶対湿度を求めてもよい。
(2)上記実施形態では、排気通路としての第1排気通路L2a及び第2排気通路L2bを通流する室内空気RAを冷却用空気CAとして使用して給気側素子Eaの冷却部Cを通過するように構成したが、これに限らず、室外空間から取り入れた室外空気OAを冷却用空気CAとして使用して給気側素子Eaの冷却部Cを通過するように構成してもよい。
(3)上記実施形態では、調湿素子Eにおいて、6枚の平板部材1を積層することによって、冷却部Cと調湿部Wとが形成されたが、これに限らず、調湿素子Eにおいて、5枚以下の平板部材1を積層することで、冷却部Cと調湿部Wとを形成してもよいし、7枚以上の平板部材1を積層することで、冷却部Cと調湿部Wとを形成してもよい。
(4)上記実施形態では、給気通路、排気通路及び室外空気循環通路において、図1及び図2に示した所定の位置に切換機構VとしてのダンパV1〜V10が設けられたが、ダンパの設置数や設置位置は適宜変更することができる。
(5)上記実施形態では、一対の調湿素子Eを給気側素子Eaと再生側素子Ebとに切り換える切換機構VがダンパV1〜V10によって構成されたが、切換機構Vはこれに限るものではない。例えば、給気通路、排気通路及び室外空気循環通路と一対の調湿素子Eとを接続自在に構成して、夫々の調湿素子Eの設置位置を互いに入れ換えるように、一対の調湿素子Eを移動する素子移動装置により切換機構Vを構成してもよい。
(6)上記実施形態では、再生側素子Ebの調湿部Wを通過する再生用空気Rの目標流量を、予め定められた所定の単位時間あたりの流量としたが、これに限らず、再生側素子Ebの調湿部Wを通過する再生用空気Rの目標流量を、調湿部Wにおける調湿用空気WAに対する除湿負荷に応じて調整するように構成してもよい。この場合、調湿用空気WAに対する除湿負荷として、例えば、調湿用空気WAの調湿部Wに実際に吸着した水分量を除湿負荷として利用すること、又は、調湿用空気WAの調湿部Wへの吸着が予測される水分量を除湿負荷として利用することができる。
(7)上記実施形態では、水分吸着が飽和した状態で得られる総吸着水分量の30%程度の残留水分量となったときに検出される再生用空気Rの湿度を予め求めて、その湿度を再生用設定湿度Hsとし、再生用設定湿度Hsが検出されたときに停止処理を実施するように構成されたが、これに限らず、総吸着水分量の10%程度の残留水分量となったときに検出される再生用空気Rの湿度を予め求めて、その湿度を再生用設定湿度Hsとしてもよい。
(8)上記実施形態において、再生側素子Ebの調湿部Wの入口側の再生用空気Rの湿度又は温度を求めて、再生側素子Ebの調湿部Wの入口側の再生用空気Rの湿度又は温度を求めて、その湿度又は温度に応じて、再生用設定温度TEs及び再生用設定湿度Hsが設定されるように構成することができる。また、この場合、所定の時間毎に再生側素子Ebの調湿部Wの入口側の湿度又は温度を求めて、その求められた湿度又は温度に応じて再生用設定温度TEs又は再生用設定湿度Hsを変更するように構成してもよい。
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
以上説明したように、再生側素子の再生のために使用するエネルギーの低減化を図ることができる空調システムを提供することができる。
34A 第2温度検出部(温度検出部)
34B 第2湿度検出部(湿度検出部)
35A 第1温度検出部(温度検出部)
35B 第1湿度検出部(湿度検出部)
20 加熱部
100 空調システム
C 冷却部
CA 冷却用空気
E 調湿素子
Ea 給気側素子
Eb 再生側素子
Hs 再生用設定湿度(設定湿度)
L1a 第1給気通路(給気通路)
L1b 第2給気通路(給気通路)
L2a 第1排気通路(排気通路)
L2b 第2排気通路(排気通路)
L3a 第1室外空気循環通路(室外空気循環通路)
L3b 第2室外空気循環通路(室外空気循環通路)
OA 室外空気
R 再生用空気
RA 室内空気
S 制御部
TEs 再生用設定温度(設定温度)
V 切換機構
W 調湿部
WA 調湿用空気

Claims (3)

  1. 室外空間から取り込んだ室外空気を室内空間へ供給する給気通路と、
    室内空間から取り出した室内空気を室外空間へ排気する排気通路と、
    通過する調湿用空気の水分を吸着又は通過する再生用空気に水分を脱着する調湿部及び通過する冷却用空気にて前記調湿部の水分の吸着に伴う吸着熱を吸収する冷却部を夫々有する一対の調湿素子と、
    一対の前記調湿素子のうちの何れか一方の前記調湿素子を、前記給気通路を通流する室外空気が前記調湿用空気として前記調湿部を通過し、かつ、前記冷却用空気が前記冷却部を通過する給気側素子とし、他方の前記調湿素子を、前記再生用空気が前記調湿部を通過する再生側素子とする第1空調状態と、前記他方の調湿素子を前記給気側素子とし、前記一方の調湿素子を前記再生側素子とする第2空調状態とを切り換えるように、一対の前記調湿素子の夫々を、前記給気側素子と前記再生側素子とに切り換える切換機構と
    動作を制御する制御部とを備えた空調システムであって、
    室外空間から取り込んだ室外空気を前記再生用空気として前記再生側素子の前記調湿部を通過させて室外空間へ排出する室外空気循環通路と
    前記室外空気循環通路に設けられた加熱部と
    前記第2空調状態において、前記再生側素子たる前記一方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記再生用空気の湿度を検出し、前記第1空調状態において、前記給気側素子たる前記一方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記調湿用空気の湿度を検出する第1湿度検出部と、
    前記第1空調状態において、前記再生側素子たる前記他方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記再生用空気の湿度を検出し、前記第2空調状態において、前記給気側素子たる前記他方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記調湿用空気の湿度を検出する第2湿度検出部とを備え、
    前記制御部は、
    前記調湿用空気を前記給気側素子の前記調湿部に通過させるとともに、前記冷却用空気を前記給気側素子の前記冷却部に通過させる除湿冷却処理と、
    前記第1又は第2湿度検出部により検出した前記調湿用空気の湿度に基づいて、前記切換機構により、一対の前記調湿素子の夫々を、前記給気側素子と前記再生側素子とに切り換える切換処理と
    前記加熱部により加熱された前記再生用空気を前記再生側素子の前記調湿部に通過させる再生処理と
    前記再生処理の実施中に、前記第1又は第2湿度検出部により検出した前記再生用空気の湿度が設定湿度未満となった場合に、前記再生処理を停止する停止処理とを実施し、
    前記停止処理を実施した後、前記切換処理を実施して前記第1空調状態と前記第2空調状態とが切り換わるまで、前記再生処理を停止する状態を継続し、前記切換処理を実施して前記第1空調状態と前記第2空調状態とが切り換わってから、切り換え後の前記再生側素子に対して前記再生処理を実施し、且つ、切り換え後の前記給気側素子に対して前記除湿冷却処理を実施するように構成されている空調システム。
  2. 室外空間から取り込んだ室外空気を室内空間へ供給する給気通路と、
    室内空間から取り出した室内空気を室外空間へ排気する排気通路と、
    通過する調湿用空気の水分を吸着又は通過する再生用空気に水分を脱着する調湿部及び通過する冷却用空気にて前記調湿部の水分の吸着に伴う吸着熱を吸収する冷却部を夫々有する一対の調湿素子と、
    一対の前記調湿素子のうちの何れか一方の前記調湿素子を、前記給気通路を通流する室外空気が前記調湿用空気として前記調湿部を通過し、かつ、前記冷却用空気が前記冷却部を通過する給気側素子とし、他方の前記調湿素子を、前記再生用空気が前記調湿部を通過する再生側素子とする第1空調状態と、前記他方の調湿素子を前記給気側素子とし、前記一方の調湿素子を前記再生側素子とする第2空調状態とを切り換えるように、一対の前記調湿素子の夫々を、前記給気側素子と前記再生側素子とに切り換える切換機構と
    動作を制御する制御部とを備えた空調システムであって、
    室外空間から取り込んだ室外空気を前記再生用空気として前記再生側素子の前記調湿部を通過させて室外空間へ排出する室外空気循環通路と
    前記室外空気循環通路に設けられた加熱部と
    前記第2空調状態において、前記再生側素子たる前記一方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記再生用空気の湿度を検出し、前記第1空調状態において、前記給気側素子たる前記一方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記調湿用空気の湿度を検出する第1湿度検出部と、
    前記第1空調状態において、前記再生側素子たる前記他方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記再生用空気の湿度を検出し、前記第2空調状態において、前記給気側素子たる前記他方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記調湿用空気の湿度を検出する第2湿度検出部と
    前記第2空調状態において、前記再生側素子たる前記一方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記再生用空気の温度を検出し、前記第1空調状態において、前記給気側素子たる前記一方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記調湿用空気の温度を検出する第1温度検出部と、
    前記第1空調状態において、前記再生側素子たる前記他方の調湿素子前記調湿部を通過した前記再生用空気の温度を検出し、前記第2空調状態において、前記給気側素子たる前記他方の調湿素子の前記調湿部を通過した前記調湿用空気の温度を検出する第2温度検出部とを備え、
    前記制御部は、
    前記調湿用空気を前記給気側素子の前記調湿部に通過させるとともに、前記冷却用空気を前記給気側素子の前記冷却部に通過させる除湿冷却処理と、
    前記第1又は第2温度検出部によって検出された前記調湿用空気の温度、或いは、前記第1又は第2湿度検出部によって検出された前記調湿用空気の湿度に基づいて、前記切換機構により、一対の前記調湿素子の夫々を、前記給気側素子と前記再生側素子とに切り換える切換処理と
    前記加熱部により加熱された前記再生用空気を前記再生側素子の前記調湿部に通過させる再生処理と
    前記再生処理の実施中に、前記第1又は第2温度検出部によって検出された前記再生用空気の温度が設定温度以上となった場合、或いは、前記第1又は第2湿度検出部によって検出された前記再生用空気の湿度が設定湿度未満となった場合に、前記再生処理を停止する停止処理と、を実施し、
    前記停止処理を実施した後、前記切換処理を実施して前記第1空調状態と前記第2空調状態とが切り換わるまで、前記再生処理を停止する状態を継続し、前記切換処理を実施して前記第1空調状態と前記第2空調状態とが切り換わってから、切り換え後の前記再生側素子に対して前記再生処理を実施し、且つ、切り換え後の前記給気側素子に対して前記除湿冷却処理を実施するように構成されている空調システム。
  3. 前記排気通路を通流する室内空気が、前記冷却用空気として前記給気側素子の冷却部を通過するように構成されている請求項1又は2に記載の空調システム。
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