JP6963800B2 - C.i.ピグメントブルー16を含有する青色顔料組成物及びその製造方法、並びに緑色着色組成物 - Google Patents
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Description
CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=7.3°の回析強度(A)と、
CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=6.9±0.2°のピークの回析強度(B)との間に0.05≦A/B≦0.35という関係を有し、
粒子の最大幅が20nm以上80nm以下であるC.I.ピグメントブルー16を含有する、青色顔料組成物に関する。
CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=7.3°の回析強度(A)と、
CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=6.9±0.2°のピークの回析強度(B)との間に0.05≦A/B≦0.35という関係を有し、
粒子の最大幅が20nm以上80nm以下であるC.I.ピグメントブルー16を含有する青色顔料組成物の製造方法であって、
C.I.ピグメントブルー16を水溶性無機塩及びグリコール系水溶性溶剤と共に80℃以上100℃以下に加熱しながら1.5時間以上3時間以下混練する混練工程と、
前記混練工程後の混練物に水溶性無機塩及びグリコール系水溶性溶剤をさらに添加し、30℃以上60℃以下で6時間以上10時間以下混練する微細化工程と、
前記混練微細化工程後の混練物を水洗及び乾燥させ、微粒子化されたC.I.ピグメントブルー16を得る後処理工程と、
前記後処理工程後のC.I.ピグメントブルー16に、顔料誘導体、分散剤、樹脂及び/又は溶剤を添加して混練する分散工程と、
前記分散工程後の青色顔料組成物をフィルター濾過する濾過工程と、
を有する製造方法に関する。
青色顔料組成物と黄色顔料組成物とを含有する緑色着色組成物であって、
前記青色顔料組成物は、
CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=7.3°の回析強度(A)と、
CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=6.9±0.2°のピークの回析強度(B)との間に0.05≦A/B≦0.35という関係を有し、
粒子の最大幅が20nm以上80nm以下であるC.I.ピグメントブルー16を含有する青色顔料組成物である、
緑色着色組成物に関する。
反応容器にクロロスルホン酸234重量部及び銅フタロシアニン顔料 70重量部を投入し、反応容器を90℃に加熱した後、塩化チオニル32.5重量部を添加し、90℃で3時間反応させた。その後、反応液を3600重量部の氷水中に投入し、濾紙を用いて濾過し、精製水を用いて固形分を水洗し、クロロスルホン化銅フタロシアニン顔料のペーストを得た。得られたペーストを精製水1200重量部に再分散させ、ジメチルアミノプロピルアミン42.5重量部を添加し、80℃で1時間撹拌した。その後、反応液を濾過、水洗、乾燥及び粉砕し、化学式1に示される顔料誘導体(a) 88重量部を得た。なお、化学式1において、n=1〜4である。
濃硫酸(98質量%)700重量部中に銅フタロシアニン顔料70重量部とパラホルムアルデヒド13重量部とフタルイミド37重量部とを添加して撹拌し、85℃で5時間反応させた。次に、反応液を4500重量部の氷水中に投入し、濾過及び水洗を行い、化学式2に示される顔料誘導体(b) 86重量部を得た。なお、化学式2において、n=1〜4である。
(混練工程)
C.I.ピグメントブルー16として、BASF社製、Heliogen (登録商標) Blue D7490(以下、D7490と略す)を使用した。この顔料の粒子形状は短冊形であり、粒子の最大幅:91nm、最小幅:44nmであった。双腕型ニーダー(混練機)に、モリヤマ製5LニーダーΣ型)にD7490 300重量部、無水硫酸ナトリウム(三田尻化学工業株式会社製、中性無水芒硝、平均粒径20μm)1000重量部、ポリエチレングリコール(東邦化学株式会社製、PEG-200、平均分子量:200)340重量部を投入し、ニーダー内の温度が80〜90℃となるように温度調整しながら、2時間混練した。
混練物に顔料誘導体(a)18重量部、無水硫酸ナトリウム2500重量部、ポリエチレングリコール680重量部を添加し、ニーダー内の温度が40℃となるように温度調整しながら、さらに8時間混練した。
微細化工程後の混練物を、イオン交換水20Lを貯水した温度調節可能なタンク内に移し、60℃で150rpm、2時間撹拌して混練物を分散させた。その後、分散液をヌッチェに移して濾過し、洗浄排水の電気伝導度が3μS/cm以下になるまでイオン交換水を用いて水洗した。水洗後の残渣を乾燥器に移し、80℃で15時間乾燥させた。乾燥ブロックを粉砕機(協立理工株式会社製、小型粉砕機サンプルミルSK-M2)によって粉砕し、微細化C.I.ピグメントブルー16(青色顔料1/粒子の最大幅:42nm、最小幅:21nm)を得た。
青色顔料1 33.48重量部、顔料誘導体(c) 2.52重量部、樹脂型分散剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製、BYK LPN 21116、固形分40.0%)36重量部、分散樹脂(昭和高分子株式会社製、リポキシSPC-2000、固形分35.0%)30.86重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM) 36重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA) 61.14重量部を内容量500mLの混合槽に投入し、ディスパーを用いて2000rpmで10分間撹拌し、予備分散を行った。得られた予備分散物に直径0.5mmのジルコニアビーズ 800重量部を添加し、2000rpmで2時間撹拌して本分散を行った。その後、PMA 100重量部を添加して、さらに1500rpmで10分間撹拌して希釈分散を行い、青色顔料分散体1(青色顔料組成物)を得た。
分散工程で得られた青色分散体を2.5μmメッシュのフィルター(PALL社製、PALL HDC II Membrene Filter)を用いて濾過し、実施例1の青色顔料分散体を得た。
微細化工程において、顔料誘導体(a) 18重量部の代わりに、顔料誘導体(a) 9重量部及び顔料誘導体(b) 9重量部を使用すること以外、すべて実施例1と同様にして微細化C.I.ピグメントブルー16(青色顔料2)を得た。その後、青色顔料2を実施例1と同様に処理し、実施例2の青色顔料分散体を得た。
微細化工程において顔料誘導体を添加せずに混練し、後処理工程後に微細化C.I.ピグメントブルー16(青色顔料3)を得た。また、分散工程において、青色顔料1 33.48重量部の代わりに青色顔料2 31.58重量部を使用し、顔料誘導体(a)を1.9重量部添加した。それ以外は、すべて実施例1と同様にして実施例3の青色顔料分散体を得た。
微細化工程の温度を50℃とすること以外、すべて実施例3と同様にして微細化C.I.ピグメントブルー16(青色顔料4)を得た。その後、青色顔料4を実施例3と同様に処理し、実施例4の青色顔料分散体を得た。
(微細化工程)
双腕型ニーダーにD7490 283重量部、顔料誘導体(a) 17重量部、無水硫酸ナトリウム3000重量部、及びポリエチレングリコール 1035重量部を投入し、ニーダー内の温度が50℃となるように温度調整しながら、7時間混練した。
その後、混練物を実施例1の後処理工程と同様に処理し、微細化C.I.ピグメントブルー16(青色顔料5)を得た。
微細化工程において、顔料誘導体(a) 17重量部の代わりに、顔料誘導体(a) 8.5重量部及び顔料誘導体(b) 8.5重量部を使用すること以外、すべて比較例1と同様にして微細化C.I.ピグメントブルー16(青色顔料6)を得た。その後、青色顔料6を比較例1と同様に処理し、比較例2の青色顔料分散体を得た。
微細化工程において、D7490を291重量部、顔料誘導体(a) 17重量部の代わりに顔料誘導体(c) 9重量部とすること以外、比較例1と同様にして微細化C.I.ピグメントブルー16(青色顔料7/粒子の最大幅:51nm、最小幅:26nm)を得た。その後、分散工程において青色顔料6を32.53重量部、顔料誘導体(a) 1.9重量部、顔料誘導体(c) 1.57重量部を使用すること以外、すべて比較例1と同様に処理し、比較例3の青色顔料分散体を得た。
微細化工程において、D7490 283重量部の代わりにBASF社製、Heliogen (登録商標) Blue L7460(以下、L7460と略す) 283重量部使用すること以外、比較例1と同様にして微細化C.I.ピグメントブルー16(青色顔料8)を得た。その後、青色顔料8を比較例1と同様に処理し、比較例4の青色顔料分散体を得た。
微細化工程において、L7460を291重量部とし、顔料誘導体(a)を9重量部とすること以外、比較例4と同様にして微細化C.I.ピグメントブルー16(青色顔料9)を得た。その後、分散工程において、青色顔料8を33.48重量部使用する代わりに、青色顔料9を32.53重量部、顔料誘導体(a)を0.95重量部使用すること以外、すべて比較例4と同様に処理し、比較例5の青色顔料分散体を得た。
青色顔料1〜9について、CuKα線を用いた粉末X線回析を行った。X線回析は、JIS K0131(X線回析分析通則)に準じて、ブラッグ角(2θ)=0°〜35°の範囲で行った。
調光用の黄色顔料分散体1として、C.I.ピグメントイエロー138を含有する分散体を製造した。C.I.ピグメントブルー138は、BASF社製、Paliotol (登録商標) Yellow L0960 HDを使用した。双腕型ニーダーにL0960 HD 330重量部、無水硫酸ナトリウム 3000重量部、エチレングリコール(株式会社日本触媒製、モノエチレングリコール)800重量部を投入し、ニーダー内の温度が40℃となるように温度調整しながら、10時間混練した。その後、混練物を実施例1の後処理工程と同様に処理して、微細化された黄色顔料1を得た。
調光用の黄色顔料分散体2として、C.I.ピグメントイエロー185を含有する分散体を製造した。C.I.ピグメントイエロー185は、BASF社製、Paliotol (登録商標) Yellow D1155を使用した。これを黄色顔料1の場合と同様に処理して、微細化された黄色顔料2を得た。
調光用の黄色顔料分散体3として、C.I.ピグメントイエロー139を含有する分散体を製造した。C.I.ピグメントイエロー139は、BASF社製、Irgaphor (登録商標) Yellow S2150 CFを使用した。これを黄色顔料1の場合と同様に処理して、微細化された黄色顔料3を得た。
(メタ)アクリル系の重合体として、株式会社日本触媒製アクリキュアー(登録商標)BX-Y-10を12.0質量%;光重合性成分である多官能アクリレート単量体として、ジペンタエリスリトール(ヘキサ/ペンタ)アクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA)を26.0質量%;光重合開始剤として、BASF社製、Irgacure369を4.0質量%、溶剤としてPMAを58.0質量%含有するレジスト組成物を調製した。
青色顔料分散体1〜9、黄色顔料分散体1〜3、及びレジスト組成物を組み合わせて混合することにより、緑色着色組成物を製造した。青色顔料分散体と黄色顔料分散体とをそれぞれ適切な割合で混合し、得られた顔料分散体混合物6.0gに対してレジスト組成物4.0gを添加し、ディスパーを用いて撹拌し、緑色着色組成物を得た。
ランプ(電通産業株式会社製、HF-SL-100WLCG)の上に偏光板(株式会社ルケオ製、 POLAX-38S)で挟んで上記の操作によって得られた着色ガラス板を設置し、偏光板がクロスニコルの位置にあるときの輝度と、偏光板がパラレルの位置にある場合の輝度とを、色彩輝度計(コニカミノルタ株式会社製、LS-100)を用いて測定した。測定された2枚の着色ガラス板の輝度について、xとともにプロットし、x=0.1390のときの輝度を直線近似式より算出した値を補正輝度とした。
上記の操作によって得られた着色ガラス板について、緑色着色組成物の被膜の厚みは、触針式プロファイリングシステム Dectak 6M STYLUS PROFILER を用いて測定した。
本発明者等は、作製した青色顔料について測定したX線回析結果を精査したところ、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=7.3°の回析強度(A)と、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=6.9±0.2°のピークの回析強度(B)とに着目した。
Claims (4)
- CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=7.3°の回析強度(A)と、
CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=6.9±0.2°のピークの回析強度(B)との間に0.05≦A/B≦0.35という関係を有し、
粒子の最大幅が20nm以上80nm以下であるC.I.ピグメントブルー16を含有する、青色顔料組成物。 - 青色顔料組成物と黄色顔料組成物とを含有する緑色着色組成物であって、
前記青色顔料組成物は、
CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=7.3°の回析強度(A)と、
CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=6.9±0.2°のピークの回析強度(B)との間に0.05≦A/B≦0.35という関係を有し、
粒子の最大幅が20nm以上80nm以下であるC.I.ピグメントブルー16を含有する青色顔料組成物である、
緑色着色組成物。 - 前記黄色顔料組成物は、
C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー185及びC.I.ピグメントイエロー139からなる群より選択される1種以上である、
請求項2に記載の緑色着色組成物。 - CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=7.3°の回析強度(A)と、
CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ)=6.9±0.2°のピークの回析強度(B)との間に0.05≦A/B≦0.35という関係を有し、
粒子の最大幅が20nm以上80nm以下であるC.I.ピグメントブルー16を含有する青色顔料組成物の製造方法であって、
C.I.ピグメントブルー16を水溶性無機塩及びグリコール系水溶性溶剤と共に80℃以上100℃以下に加熱しながら1.5時間以上3時間以下混練する混練工程と、
前記混練工程後の混練物に水溶性無機塩及びグリコール系水溶性溶剤をさらに添加し、30℃以上60℃以下で6時間以上10時間以下混練する微細化工程と、
前記混練微細化工程後の混練物を水洗及び乾燥させ、微粒子化されたC.I.ピグメントブルー16を得る後処理工程と、
前記後処理工程後のC.I.ピグメントブルー16に、顔料誘導体、分散剤、樹脂及び/又は溶剤を添加して混練する分散工程と、
前記分散工程後の青色顔料組成物をフィルター濾過する濾過工程と、
を有する製造方法。
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