JP2005002249A - 新規な色相を持つ微細透明なジケトピロロピロール顔料 - Google Patents
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Abstract
【課題】高透明でありながら分光透過スペクトルの最低透過率の位置が560nm〜570nmである青味の色相をもつジクロロジケトピロロピロール(C.I.Pigment RED 254)顔料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】CuKα線により測定した粉末X線回折によるブラッブ各(2θ)、25.6゜と24.5゜の回折強度比、24.5゜/25.7゜を1以下にしつつ粒子径を小さくすることにより、分光透過スペクトルの最低透過率の位置が560nm〜570nmの青味の色相でありながら分光透過率650nmの透過率が80%以上である透明な微細ジクロロジケトピロロピロール顔料が得られた。
【解決手段】CuKα線により測定した粉末X線回折によるブラッブ各(2θ)、25.6゜と24.5゜の回折強度比、24.5゜/25.7゜を1以下にしつつ粒子径を小さくすることにより、分光透過スペクトルの最低透過率の位置が560nm〜570nmの青味の色相でありながら分光透過率650nmの透過率が80%以上である透明な微細ジクロロジケトピロロピロール顔料が得られた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のX線回折ピークと色相を有し高い透明度を示す新規な微細ジクロロジケトピロロピロール顔料およびそのその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジクロロジケトピロロピロール顔料(C.I.Pigment RED 254)はプラスティックや塗料の着色用顔料として広く使用されている。近年、特に塗料やカラーフィルターのための高透明顔料に対する需要が増してきている。これらの要求に応えるべく特許文献1や特許文献2では合成時のプロトリシスを低温で行い透明顔料を得る方法や、特許文献3では合成時にシアノ置換ジケトピロロピロールを少量添加することにより結晶成長を抑制し、透明顔料を得る方法が提案されている。また微細な一次粒子の高透明な顔料も市販されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−115960号公報
【0004】
【特許文献2】特開平7−90189号公報
【0005】
【特許文献3】特開平9−25428号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した従来の方法で得られた顔料や、市販されている高透明顔料は、通常の顔料に比べ分光透過スペクトル曲線が短波長にシフトしてしまう。通常顔料の分光透過スペクトルの透過率が最低となる波長(λmin)が560〜570nmに対し高透明顔料の最低透過波長は550〜555nmになってしまう。これにより高透明顔料は透明性の点では十分な透過率を有しながらも塗料やプラスティック用途においては色相が黄味になり、カラーフィルター用途においては色純度が低下するという欠点がある。本発明はこの欠点を解決するためになされたもので、400〜700nmにおける分光透過スペクトルが最低となる波長が560〜570nmであながら十分な透明性、透過率を有する微細なジクロロジケトピロロピロール顔料を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を続けた結果、ジクロロジケトピロロピロール顔料を粉末X線回折により測定したときの特徴的な回折ピークのうちブラッグ角(2θ)が25.6±0.2゜と24.5±0.2゜の強度比が分光透過スペクトルと密接な関係があり、回折ピークの強度比、24.5/25.6を1以下にすることにより透過率が最低となる波長が560〜570nmとなることを見出し、更にジクロロジケトピロロピロール顔料を、ソルトミリングすることによりブラッグ角(2θ)の回折ピーク強度比、24.5/25.6が1以下でありながら一次粒子が微細で透明性の高い顔料が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、CuKα線により測定した粉末X線回折によるブラッグ角(2θ)における25.6±0.2゜と24.5±0.2゜の回折ピークの強度比24.5゜/25.7゜が1以下であり、かつ透明樹脂に分散したフィルムの400〜700nmにおける分光透過スペクトルの最小透過率を1%としたときの650nmの透過率が80%以上である微細ジクロロジケトピロロピロール顔料である。
更に本発明は400〜700nmにおける分光透過スペクトルの透過率が最低となる波長(λmin)が560〜570nmである微細ジクロロジケトピロロピロール顔料である。
更に本発明は透過型電子顕微鏡観察での平均粒子径サイズが0.01μm〜0.10μmである微細ジクロロジケトピロロピロール顔料である。
更に本発明はジクロロジケトピロロピロール顔料(A)、水溶性無機塩(B)、および水溶性無機塩(B)を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤(C)を含む混合物を混練した後、水溶性無機塩(B)と水溶性有機溶剤(C)を除去してなることを特徴とする微細ジクロロジケトピロロピロール顔料の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による微細ジクロロジケトピロロピロール顔料はCuKα線により測定した粉末X線回折におけるジクロロジケトピロロピロール顔料に特徴的な回折ピークのうちブラッグ角(2θ)が25.6±0.2゜と24.5±0.2゜の強度比、24.5゜/25.7゜が1以下であることを特徴とする。本発明において粉末X線の測定は日本工業規格JIS K0131(X線回折分析通則)に準じて行う。またこの顔料の透過型電子顕微鏡観察での平均一次粒子径サイズが0.01μm〜0.10μmであることが重要である。本発明における一次粒子径の測定は透過型電子顕微鏡JEM−1200EXII(日本電子株式会社製)で粒子を撮影し、顔料の一次粒子を20個測り、その平均値によって求めることができる。
本発明で用いられるジクロロジケトピロロピロール顔料は上記ブラッグ角の強度比が1以下であれば、いずれの製造方法で製造されたものでも良いが、その製造方法は特開昭58−210084号公報、特開昭61−115960号公報等に記載されている。これらの特許明細書に記載されている製造方法は不活性有機溶剤中で、アルカリ金属又はアルカリ金属アルコキシドの存在下、高温度で琥珀酸エステル類とp−クロロベンゾニトリルと反応させ、ついで生成した反応物を無機酸又は有機酸、水と有機溶剤との混合物によってプロトリシスし製造する方法である。
これらの方法で製造したジクロロジケトピロロピロール顔料や、既に市販されている顔料のうち、上記ブラッグ角の強度比が1以下の製品を微細化により一次粒子径を0.01μm〜0.10μmにする。微細化の方法はブラッグ角の強度比を変えない方法であれば、どのような製造方法で製造されたものでも良いが、特に有効な方法としてソルトミリングによる微細化があげられる。すなわちジクロロジケトピロロピロール顔料(A)、水溶性無機塩(B)、および水溶性無機塩(B)を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤(C)を含む混合物をニーダー等で機械的に混練(以下、ソルトミリングという)する。このときに色素誘導体(D)を添加することも出来る。混練後、水中に投入しハイスピードミキサー等で攪拌してスラリー状とし、次いでこのスラリーを濾過、水洗することにより水溶性無機塩(B)と水溶性有機溶剤(C)を除去して製造することが出来る。
色素誘導体(D)は、有機色素の分子に置換基を導入した化合物であり、ソルトミリング時のジクロロジケトピロロピロール顔料の結晶成長を制御するとともに、微細化を促進させる働きをするものである。色素誘導体の母体となる有機色素の構造としてはDPP系、キナクリドン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、イソインドリン系、キノフタロン系、金属錯体系などがある。有機色素は、一般に色素とは呼ばれていないナウタレン系、アントラキノン系等の淡黄色系の芳香族多環化合物でも良い。なかでもDPP系またはキナクリドン系色素を母体骨格とする色素誘導体は、特にジクロロジケトピロロピロール顔料の結晶成長を抑制する効果が高いため好ましい。また、色素誘導体としては、ジクロロジケトピロロピロール顔料の色相に対する影響の少ない、黄色、橙色、赤色の色相を有するものが好適に用いられる。
有機色素に導入する置換基としては、水酸基、カルボキシル基、スルフォン基、カルバモイル基、スルフォンアミド基、あるいは下記一般式で示される塩基性置換基が挙げられる。
【0009】
【化1】
【0010】
X:直接結合、−CH2 NHCOCH2 −、−SO2 NH−、−CONHOCH2NH−、または−(CH2)q NH−を表す。R1、R2:それぞれ独立に、置換されてもよい飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはR1、R2 で窒素、酸素もしくは硫黄原子を含む置換されてもよい複素環を示す。
【0011】
【化2】
【0012】
Z:直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−(CH2)q−、−SO2NH−、−CONH−、−CH2NHCOCH2NH−、または−(CH2)qNH−を表す。ただしqは1〜10の整数を表す。R3、R4、R5、R6:それぞれ独立に、水素原子、置換されてもよい飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはアリール基を表す。R7
:置換されてもよい飽和もしは不飽和のアルキル基またはアリール基を表す。この色素誘導体(D)の添加量は特に限定されないが、ジクロロジケトピロロピロール顔料に対して0.5〜20重量%、特に2〜15重量%が好ましい。
ソルトミリングに用いる水溶性無機塩(B)は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用してジクロロジケトピロロピロール顔料が破砕され、ジクロロジケトピロロピロール顔料の一次粒子が微細化される。無機塩(B)は、水に溶解すれば特に限定されるものではなく、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。ソルトミリングする際に用いる無機塩(B)の量は、処理効率と生産効率の両面から、ジクロロジケトピロロピロール顔料の1〜20重量倍、特に3〜10重量倍であることが好ましい。ジクロロジケトピロロピロール顔料に対する無機塩の量比が大きいほど微細化効率が高いが、1回の顔料の処理量が少なくなるためである。
ソルトミリングの処理温度は顔料を微細化する効率から60℃以下、特に40℃〜20℃が好ましい。また処理時間は同様に微細化するために8時間以上、特に10時間以上が好ましい。
ソルトミリングに用いる水溶性有機溶剤(C)は、ジクロロジケトピロロピロール顔料(A)、色素誘導体(D)および水溶性無機塩(B)を潤滑する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩(B)を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。水溶性有機溶剤(C)としては、例えば2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。
ソルトミリング時には、微細化されたジクロロジケトピロロピロール顔料を乾燥する際の強い凝集を防止し、容易に透明樹脂に分散できるようにするため、樹脂を併用することが出来る。ソルトミリング時に樹脂を併用することにより、柔らかい粉体顔料を得ることができる。ソルトミリングに用いる樹脂としては、室温で固体で、水不溶性で、かつ上記有機溶剤に少なくとも一部可溶であるものが好ましく、天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が用いられる。天然樹脂としてはロジン誘導体、繊維素誘導体、ゴム誘導体、タンパク誘導体およびそれらのオリゴマーが用いられる。合成樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアマイド樹脂等が挙げられる。天然樹脂で変性された合成樹脂としてはロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。樹脂の使用量は、ジクロロジケトピロロピロール顔料に対して5〜100重量%の範囲であることが好ましい。
ソルトミリング時には、上記樹脂の他に、顔料分散助剤、可塑剤等の添加剤あるいは一般に体質顔料として用いられている炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ等の無機顔料を併用してもよい。また、色相を調整する為に他の顔料と混合してもよい。
本発明により400〜700nmにおける分光透過スペクトルが最低となる波長が560〜570nmでありながら充分な透明性、透過率を有する微細なジクロロジケトピロロピロール顔料を得ることができる。
【0013】
【実施例】次に 本発明を、実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。表1に実施例で用いた色素誘導体を示す。
【0014】
【表1】
【0015】
[実施例1]
ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガジンRED2030」)100部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、20℃で20時間混練した。つぎにこの混練物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の顔料を得た。
得られた顔料について粉末X線回折測定装置RINT2100(株式会社リガク製)にてX線測定を行った。図1は得られた顔料の粉末X線回折による回折パターンである。X軸はブラッグ角(2θ)、Y軸は回折ピークの強度(counts)であり、Aは測定値をそのままグラフに表した回折パターンであり、図2のBはバックグラウンドを除去した回折パターンである。バックグラウンドの除去は通常通り行うが、特に注意すべき点は強度比計算に用いる23゜付近から27゜付近のバックグラウンドの取り方で、24.5゜のピークの低角度側のすそのと25.6゜のピークの高角度側のすそのの接線をバックグラウンドとして除去する(C)。バックグラウンドを除去したときの回折ピークの強度が最大となるブラッグ角(2θ)は28.1゜で、この強度を100としたときの2θが24.5゜のピーク強度は24.1、25.6゜のピーク強度は44.9となる。よって25.6゜と24.5゜の回折ピークの強度比24.5゜/25.6゜は0.537となる。
次に透過型電子顕微鏡JEM−1200EXII(日本電子株式会社製)によって平均粒子径サイズの測定を行った。透過型電子顕微鏡による測定は一万倍で撮影を行い、5倍に引き延ばした写真の一次粒子の大きさを20個測りその平均値を求めたところ0.045μmであった。表2にその結果を示す。
【0016】
【表2】
【0017】
更に得られた顔料について下記組成で分散し、顔料組成物を作成した。
【0018】
顔料 6.0部
フタルキッド133−6(日立化成株式会社製) 56.0部
メラン20(日立化成株式会社製) 28.0部
キシレン 10.0部
3mmスチールビーズ 250.0部
以上を250mlマヨネーズビンに入れペイントコンディショナーで60分間分散し塗料組成物を得た。
得られた塗料組成物を自動バーコーターで最低分光透過率が1%になるように膜圧を調整してポリエステルフィルムに塗工した後、乾燥機で140℃で焼き付けし、得られたフィルムを分光光度計(日立製作所社製「自記分光光度計U−3500」)で透過スペクトルを測定したところ、570nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は88.5%であった。図3に分光透過スペクトルを示す。[実施例2]
ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガジンRED2030」)95部、色素誘導体(a)5部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、40℃で15時間混練した。つぎにこの混練物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の顔料を得た。
【0019】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は0.630であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.032μmであった。
【0020】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、560nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は94.9%であった。
[実施例3]
色素誘導体(a)を色素誘導体(b)に代えた以外は、実施例2と同様にソルトミリングの操作を行い、95部の顔料を得た。
【0021】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は0.796であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.037μmであった。
【0022】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、560nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は92.3%であった。
[実施例4]
ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガジンDPP RED BO」)95部、色素誘導体(c)5部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、20℃で15時間混練した。つぎにこの混練物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の顔料を得た。
【0023】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は0.585であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.029μmであった。
【0024】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、560nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は98.7%であった。
[比較例1]
500mlの四つ口フラスコにt−アミノアルコール260部、ナトリウム1.5部、p−クロロベンゾニトリル41.2部を加え90℃で加熱しながら6時間攪拌する。温度を105℃に昇温し、コハク酸ジイソプロピル30.3部を1時間かけて滴下する。滴下終了後、2時間攪拌を行う。反応終了後50℃まで冷却する。3リットルビーカーにメタノール250部、氷250部、硫酸25部を入れ、攪拌しながら反応溶液を注ぎ、室温で終夜攪拌する。こうして得られた顔料スラリーを濾過し、メタノールと水で洗浄した後、80℃で一昼夜乾燥し、80部の顔料を得た。
【0025】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は1.500であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.035μmであった。
【0026】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、550nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は97.2%であった。
[比較例2]
市販の透明ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガフォア DPP RED B−CF」)を用い比較例とした。
【0027】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は1.249であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.040μmであった。
【0028】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、555nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は96.5%であった。
[比較例3]
市販の透明ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガジン DPP RED BTR」)を用い比較例とした。
【0029】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は1.096であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.042μmであった。
【0030】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、555nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は97.0%であった。
[比較例4]
市販の不透明ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガジン RED 2030」)を用い比較例とした。
【0031】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は0.693であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.185μmであった。
【0032】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、560nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は32.8%であった。
[比較例5]
市販の不透明ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガジン DPP RED BO」)を用い比較例とした。
【0033】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は0.412であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.422μmであった。
【0034】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、565nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は4.7%であった。
[比較例6]
ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティーケミカルズ製「イルガジンRED2030」)100部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所)に仕込み、60℃で6時間混練した。つぎにこの混練物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の顔料を得た。
【0035】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は0.525であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.142μmであった。
【0036】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、560nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は68.5%であった。
【0037】
上記実施例および比較例の測定結果を表3に、図3に実施例と比較例の分光透過スペクトルを示す。
【0038】
【表3】
【0039】
表3、図3に示すようにCuKα線により測定した粉末X線回折によるブラッブ各(2θ)、25.6゜と24.5゜の回折強度比、24.5゜/25.7゜を1以下にしつつ粒子径を小さくすることにより、分光透過スペクトルの最低透過率の位置が560nm〜570nmの青味の色相でありながら分光透過率650nmの透過率が80%以上である透明な微細ジクロロジケトピロロピロール顔料が得られた。
【0040】
【発明の効果】
本発明により分光透過スペクトルの最低透過率の位置が560nm〜570nmの青味の色相で高い透明性を有する微細ジクロロジケトピロロピロール顔料が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた顔料のX線回折チャート
【図2】バックグラウンドを除去した実施例1で得られた顔料のX線回折チャート
【図3】実施例1で得られた顔料の分光透過スペクトル
【図4】実施例および比較例で得られた顔料の分光透過スペクトル
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のX線回折ピークと色相を有し高い透明度を示す新規な微細ジクロロジケトピロロピロール顔料およびそのその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジクロロジケトピロロピロール顔料(C.I.Pigment RED 254)はプラスティックや塗料の着色用顔料として広く使用されている。近年、特に塗料やカラーフィルターのための高透明顔料に対する需要が増してきている。これらの要求に応えるべく特許文献1や特許文献2では合成時のプロトリシスを低温で行い透明顔料を得る方法や、特許文献3では合成時にシアノ置換ジケトピロロピロールを少量添加することにより結晶成長を抑制し、透明顔料を得る方法が提案されている。また微細な一次粒子の高透明な顔料も市販されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−115960号公報
【0004】
【特許文献2】特開平7−90189号公報
【0005】
【特許文献3】特開平9−25428号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した従来の方法で得られた顔料や、市販されている高透明顔料は、通常の顔料に比べ分光透過スペクトル曲線が短波長にシフトしてしまう。通常顔料の分光透過スペクトルの透過率が最低となる波長(λmin)が560〜570nmに対し高透明顔料の最低透過波長は550〜555nmになってしまう。これにより高透明顔料は透明性の点では十分な透過率を有しながらも塗料やプラスティック用途においては色相が黄味になり、カラーフィルター用途においては色純度が低下するという欠点がある。本発明はこの欠点を解決するためになされたもので、400〜700nmにおける分光透過スペクトルが最低となる波長が560〜570nmであながら十分な透明性、透過率を有する微細なジクロロジケトピロロピロール顔料を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を続けた結果、ジクロロジケトピロロピロール顔料を粉末X線回折により測定したときの特徴的な回折ピークのうちブラッグ角(2θ)が25.6±0.2゜と24.5±0.2゜の強度比が分光透過スペクトルと密接な関係があり、回折ピークの強度比、24.5/25.6を1以下にすることにより透過率が最低となる波長が560〜570nmとなることを見出し、更にジクロロジケトピロロピロール顔料を、ソルトミリングすることによりブラッグ角(2θ)の回折ピーク強度比、24.5/25.6が1以下でありながら一次粒子が微細で透明性の高い顔料が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、CuKα線により測定した粉末X線回折によるブラッグ角(2θ)における25.6±0.2゜と24.5±0.2゜の回折ピークの強度比24.5゜/25.7゜が1以下であり、かつ透明樹脂に分散したフィルムの400〜700nmにおける分光透過スペクトルの最小透過率を1%としたときの650nmの透過率が80%以上である微細ジクロロジケトピロロピロール顔料である。
更に本発明は400〜700nmにおける分光透過スペクトルの透過率が最低となる波長(λmin)が560〜570nmである微細ジクロロジケトピロロピロール顔料である。
更に本発明は透過型電子顕微鏡観察での平均粒子径サイズが0.01μm〜0.10μmである微細ジクロロジケトピロロピロール顔料である。
更に本発明はジクロロジケトピロロピロール顔料(A)、水溶性無機塩(B)、および水溶性無機塩(B)を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤(C)を含む混合物を混練した後、水溶性無機塩(B)と水溶性有機溶剤(C)を除去してなることを特徴とする微細ジクロロジケトピロロピロール顔料の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による微細ジクロロジケトピロロピロール顔料はCuKα線により測定した粉末X線回折におけるジクロロジケトピロロピロール顔料に特徴的な回折ピークのうちブラッグ角(2θ)が25.6±0.2゜と24.5±0.2゜の強度比、24.5゜/25.7゜が1以下であることを特徴とする。本発明において粉末X線の測定は日本工業規格JIS K0131(X線回折分析通則)に準じて行う。またこの顔料の透過型電子顕微鏡観察での平均一次粒子径サイズが0.01μm〜0.10μmであることが重要である。本発明における一次粒子径の測定は透過型電子顕微鏡JEM−1200EXII(日本電子株式会社製)で粒子を撮影し、顔料の一次粒子を20個測り、その平均値によって求めることができる。
本発明で用いられるジクロロジケトピロロピロール顔料は上記ブラッグ角の強度比が1以下であれば、いずれの製造方法で製造されたものでも良いが、その製造方法は特開昭58−210084号公報、特開昭61−115960号公報等に記載されている。これらの特許明細書に記載されている製造方法は不活性有機溶剤中で、アルカリ金属又はアルカリ金属アルコキシドの存在下、高温度で琥珀酸エステル類とp−クロロベンゾニトリルと反応させ、ついで生成した反応物を無機酸又は有機酸、水と有機溶剤との混合物によってプロトリシスし製造する方法である。
これらの方法で製造したジクロロジケトピロロピロール顔料や、既に市販されている顔料のうち、上記ブラッグ角の強度比が1以下の製品を微細化により一次粒子径を0.01μm〜0.10μmにする。微細化の方法はブラッグ角の強度比を変えない方法であれば、どのような製造方法で製造されたものでも良いが、特に有効な方法としてソルトミリングによる微細化があげられる。すなわちジクロロジケトピロロピロール顔料(A)、水溶性無機塩(B)、および水溶性無機塩(B)を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤(C)を含む混合物をニーダー等で機械的に混練(以下、ソルトミリングという)する。このときに色素誘導体(D)を添加することも出来る。混練後、水中に投入しハイスピードミキサー等で攪拌してスラリー状とし、次いでこのスラリーを濾過、水洗することにより水溶性無機塩(B)と水溶性有機溶剤(C)を除去して製造することが出来る。
色素誘導体(D)は、有機色素の分子に置換基を導入した化合物であり、ソルトミリング時のジクロロジケトピロロピロール顔料の結晶成長を制御するとともに、微細化を促進させる働きをするものである。色素誘導体の母体となる有機色素の構造としてはDPP系、キナクリドン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、イソインドリン系、キノフタロン系、金属錯体系などがある。有機色素は、一般に色素とは呼ばれていないナウタレン系、アントラキノン系等の淡黄色系の芳香族多環化合物でも良い。なかでもDPP系またはキナクリドン系色素を母体骨格とする色素誘導体は、特にジクロロジケトピロロピロール顔料の結晶成長を抑制する効果が高いため好ましい。また、色素誘導体としては、ジクロロジケトピロロピロール顔料の色相に対する影響の少ない、黄色、橙色、赤色の色相を有するものが好適に用いられる。
有機色素に導入する置換基としては、水酸基、カルボキシル基、スルフォン基、カルバモイル基、スルフォンアミド基、あるいは下記一般式で示される塩基性置換基が挙げられる。
【0009】
【化1】
【0010】
X:直接結合、−CH2 NHCOCH2 −、−SO2 NH−、−CONHOCH2NH−、または−(CH2)q NH−を表す。R1、R2:それぞれ独立に、置換されてもよい飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはR1、R2 で窒素、酸素もしくは硫黄原子を含む置換されてもよい複素環を示す。
【0011】
【化2】
【0012】
Z:直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−(CH2)q−、−SO2NH−、−CONH−、−CH2NHCOCH2NH−、または−(CH2)qNH−を表す。ただしqは1〜10の整数を表す。R3、R4、R5、R6:それぞれ独立に、水素原子、置換されてもよい飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはアリール基を表す。R7
:置換されてもよい飽和もしは不飽和のアルキル基またはアリール基を表す。この色素誘導体(D)の添加量は特に限定されないが、ジクロロジケトピロロピロール顔料に対して0.5〜20重量%、特に2〜15重量%が好ましい。
ソルトミリングに用いる水溶性無機塩(B)は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用してジクロロジケトピロロピロール顔料が破砕され、ジクロロジケトピロロピロール顔料の一次粒子が微細化される。無機塩(B)は、水に溶解すれば特に限定されるものではなく、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。ソルトミリングする際に用いる無機塩(B)の量は、処理効率と生産効率の両面から、ジクロロジケトピロロピロール顔料の1〜20重量倍、特に3〜10重量倍であることが好ましい。ジクロロジケトピロロピロール顔料に対する無機塩の量比が大きいほど微細化効率が高いが、1回の顔料の処理量が少なくなるためである。
ソルトミリングの処理温度は顔料を微細化する効率から60℃以下、特に40℃〜20℃が好ましい。また処理時間は同様に微細化するために8時間以上、特に10時間以上が好ましい。
ソルトミリングに用いる水溶性有機溶剤(C)は、ジクロロジケトピロロピロール顔料(A)、色素誘導体(D)および水溶性無機塩(B)を潤滑する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩(B)を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。水溶性有機溶剤(C)としては、例えば2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。
ソルトミリング時には、微細化されたジクロロジケトピロロピロール顔料を乾燥する際の強い凝集を防止し、容易に透明樹脂に分散できるようにするため、樹脂を併用することが出来る。ソルトミリング時に樹脂を併用することにより、柔らかい粉体顔料を得ることができる。ソルトミリングに用いる樹脂としては、室温で固体で、水不溶性で、かつ上記有機溶剤に少なくとも一部可溶であるものが好ましく、天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が用いられる。天然樹脂としてはロジン誘導体、繊維素誘導体、ゴム誘導体、タンパク誘導体およびそれらのオリゴマーが用いられる。合成樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアマイド樹脂等が挙げられる。天然樹脂で変性された合成樹脂としてはロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。樹脂の使用量は、ジクロロジケトピロロピロール顔料に対して5〜100重量%の範囲であることが好ましい。
ソルトミリング時には、上記樹脂の他に、顔料分散助剤、可塑剤等の添加剤あるいは一般に体質顔料として用いられている炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ等の無機顔料を併用してもよい。また、色相を調整する為に他の顔料と混合してもよい。
本発明により400〜700nmにおける分光透過スペクトルが最低となる波長が560〜570nmでありながら充分な透明性、透過率を有する微細なジクロロジケトピロロピロール顔料を得ることができる。
【0013】
【実施例】次に 本発明を、実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。表1に実施例で用いた色素誘導体を示す。
【0014】
【表1】
【0015】
[実施例1]
ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガジンRED2030」)100部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、20℃で20時間混練した。つぎにこの混練物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の顔料を得た。
得られた顔料について粉末X線回折測定装置RINT2100(株式会社リガク製)にてX線測定を行った。図1は得られた顔料の粉末X線回折による回折パターンである。X軸はブラッグ角(2θ)、Y軸は回折ピークの強度(counts)であり、Aは測定値をそのままグラフに表した回折パターンであり、図2のBはバックグラウンドを除去した回折パターンである。バックグラウンドの除去は通常通り行うが、特に注意すべき点は強度比計算に用いる23゜付近から27゜付近のバックグラウンドの取り方で、24.5゜のピークの低角度側のすそのと25.6゜のピークの高角度側のすそのの接線をバックグラウンドとして除去する(C)。バックグラウンドを除去したときの回折ピークの強度が最大となるブラッグ角(2θ)は28.1゜で、この強度を100としたときの2θが24.5゜のピーク強度は24.1、25.6゜のピーク強度は44.9となる。よって25.6゜と24.5゜の回折ピークの強度比24.5゜/25.6゜は0.537となる。
次に透過型電子顕微鏡JEM−1200EXII(日本電子株式会社製)によって平均粒子径サイズの測定を行った。透過型電子顕微鏡による測定は一万倍で撮影を行い、5倍に引き延ばした写真の一次粒子の大きさを20個測りその平均値を求めたところ0.045μmであった。表2にその結果を示す。
【0016】
【表2】
【0017】
更に得られた顔料について下記組成で分散し、顔料組成物を作成した。
【0018】
顔料 6.0部
フタルキッド133−6(日立化成株式会社製) 56.0部
メラン20(日立化成株式会社製) 28.0部
キシレン 10.0部
3mmスチールビーズ 250.0部
以上を250mlマヨネーズビンに入れペイントコンディショナーで60分間分散し塗料組成物を得た。
得られた塗料組成物を自動バーコーターで最低分光透過率が1%になるように膜圧を調整してポリエステルフィルムに塗工した後、乾燥機で140℃で焼き付けし、得られたフィルムを分光光度計(日立製作所社製「自記分光光度計U−3500」)で透過スペクトルを測定したところ、570nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は88.5%であった。図3に分光透過スペクトルを示す。[実施例2]
ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガジンRED2030」)95部、色素誘導体(a)5部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、40℃で15時間混練した。つぎにこの混練物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の顔料を得た。
【0019】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は0.630であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.032μmであった。
【0020】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、560nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は94.9%であった。
[実施例3]
色素誘導体(a)を色素誘導体(b)に代えた以外は、実施例2と同様にソルトミリングの操作を行い、95部の顔料を得た。
【0021】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は0.796であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.037μmであった。
【0022】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、560nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は92.3%であった。
[実施例4]
ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガジンDPP RED BO」)95部、色素誘導体(c)5部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、20℃で15時間混練した。つぎにこの混練物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の顔料を得た。
【0023】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は0.585であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.029μmであった。
【0024】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、560nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は98.7%であった。
[比較例1]
500mlの四つ口フラスコにt−アミノアルコール260部、ナトリウム1.5部、p−クロロベンゾニトリル41.2部を加え90℃で加熱しながら6時間攪拌する。温度を105℃に昇温し、コハク酸ジイソプロピル30.3部を1時間かけて滴下する。滴下終了後、2時間攪拌を行う。反応終了後50℃まで冷却する。3リットルビーカーにメタノール250部、氷250部、硫酸25部を入れ、攪拌しながら反応溶液を注ぎ、室温で終夜攪拌する。こうして得られた顔料スラリーを濾過し、メタノールと水で洗浄した後、80℃で一昼夜乾燥し、80部の顔料を得た。
【0025】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は1.500であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.035μmであった。
【0026】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、550nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は97.2%であった。
[比較例2]
市販の透明ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガフォア DPP RED B−CF」)を用い比較例とした。
【0027】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は1.249であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.040μmであった。
【0028】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、555nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は96.5%であった。
[比較例3]
市販の透明ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガジン DPP RED BTR」)を用い比較例とした。
【0029】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は1.096であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.042μmであった。
【0030】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、555nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は97.0%であった。
[比較例4]
市販の不透明ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガジン RED 2030」)を用い比較例とした。
【0031】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は0.693であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.185μmであった。
【0032】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、560nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は32.8%であった。
[比較例5]
市販の不透明ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガジン DPP RED BO」)を用い比較例とした。
【0033】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は0.412であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.422μmであった。
【0034】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、565nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は4.7%であった。
[比較例6]
ジクロロジケトピロロピロール顔料(チバスペシャリティーケミカルズ製「イルガジンRED2030」)100部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所)に仕込み、60℃で6時間混練した。つぎにこの混練物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の顔料を得た。
【0035】
得られた顔料について実施例1と同様にして粉末X線測定したところ24.5゜と25.6゜の回折ピークの強度比は0.525であった。また透過型電子顕微鏡による粒度の測定を行ったところ0.142μmであった。
【0036】
実施例1と同様に分散して得られた塗工フィルムの透過スペクトルを測定したところ、560nmで最低透過率を示し、650nmの透過率は68.5%であった。
【0037】
上記実施例および比較例の測定結果を表3に、図3に実施例と比較例の分光透過スペクトルを示す。
【0038】
【表3】
【0039】
表3、図3に示すようにCuKα線により測定した粉末X線回折によるブラッブ各(2θ)、25.6゜と24.5゜の回折強度比、24.5゜/25.7゜を1以下にしつつ粒子径を小さくすることにより、分光透過スペクトルの最低透過率の位置が560nm〜570nmの青味の色相でありながら分光透過率650nmの透過率が80%以上である透明な微細ジクロロジケトピロロピロール顔料が得られた。
【0040】
【発明の効果】
本発明により分光透過スペクトルの最低透過率の位置が560nm〜570nmの青味の色相で高い透明性を有する微細ジクロロジケトピロロピロール顔料が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた顔料のX線回折チャート
【図2】バックグラウンドを除去した実施例1で得られた顔料のX線回折チャート
【図3】実施例1で得られた顔料の分光透過スペクトル
【図4】実施例および比較例で得られた顔料の分光透過スペクトル
Claims (4)
- CuKα線により測定した粉末X線回折によるブラッグ角(2θ)における25.6±0.2゜と24.5±0.2゜の回折ピークの強度比24.5゜/25.7゜が1以下であり、かつ透明樹脂に分散したフィルムの400〜700nmにおける分光透過スペクトルの最小透過率を1%としたときの650nmの透過率が80%以上である微細ジクロロジケトピロロピロール顔料。
- 400〜700nmにおける分光透過スペクトルの透過率が最低となる波長
(λmin)が560〜570nmである請求項1記載の微細ジクロロジケトピロロピロール顔料。 - 透過型電子顕微鏡観察での平均粒子径サイズが0.01μm〜0.10μmである請求項1または2記載の微細ジクロロジケトピロロピロール顔料。
- ジクロロジケトピロロピロール顔料(A)、水溶性無機塩(B)、および水溶性無機塩(B)を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤(C)を含む混合物を混練した後、水溶性無機塩(B)と水溶性有機溶剤(C)を除去してなることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の微細ジクロロジケトピロロピロール顔料の製造方法。
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