JP6959608B2 - 化粧シート - Google Patents
化粧シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP6959608B2 JP6959608B2 JP2017122165A JP2017122165A JP6959608B2 JP 6959608 B2 JP6959608 B2 JP 6959608B2 JP 2017122165 A JP2017122165 A JP 2017122165A JP 2017122165 A JP2017122165 A JP 2017122165A JP 6959608 B2 JP6959608 B2 JP 6959608B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- decorative sheet
- polyolefin
- resin layer
- transparent resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J5/00—Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
- C08J5/18—Manufacture of films or sheets
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L23/00—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L23/02—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
- C08L23/10—Homopolymers or copolymers of propene
- C08L23/12—Polypropene
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L23/00—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L23/02—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
- C08L23/10—Homopolymers or copolymers of propene
- C08L23/14—Copolymers of propene
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
また、特許文献6に記載の技術では、曲げ初期弾性率が1000MPa以上である高結晶性ポリプロピレン樹脂について検討し、高結晶性ポリプロピレンが優れた耐擦傷性を備えていることを見出した。しかしながら、製膜性を改良するために、表面保護層に用いる高結晶性ポリプロピレンにポリエチレンを5質量%以上添加した場合、ポリエチレンとポリプロピレンとの相溶性が悪いため、V溝曲げ加工を行ったときに白化が生じてしまう。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状および構造等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1に示すように、実施形態に係る化粧シート1は、透明樹脂層2の一方の面に、絵柄層3及び原反層4がこの順に積層され、透明樹脂層2の他方の面に、トップコート層5が積層されている。
透明樹脂層2は、下層の絵柄層3を保護する保護層としての働きと、上層のトップコート層5の基材としての働きを有する。
本実施形態の透明樹脂層2は、樹脂材料として結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする層である。本明細書で主成分とは、透明樹脂層の樹脂材料100質量部に対し、結晶性ポリプロピレン樹脂の含有量が80質量部以上100質量部以下であり、より好ましくは90質量部以上97質量部以下である。さらに、透明樹脂層2は、製膜時の冷却条件を調整することで、ヘイズ値を15%以下、より好ましくは10%以下とすることが好ましく、また、引張弾性率が800MPa以上2000MPa以下、引張破断伸度が200%以上であることが好ましい。
ナノサイズの造核剤は、平均粒径が可視光の波長領域の1/2以下であることが好ましい。具体的には、可視光の波長領域が400nm以上750nm以下であるので、ナノサイズの造核剤は平均粒径が375nm以下であることが好ましい。また、透明樹脂層2に含まれる造核剤の含有量(透明樹脂層2の全質量100質量部基準)は、好ましくは0.0001質量部以上0.1質量部以下とし、より好ましくは0.0002質量部以上0.05質量部以下とする。
また、透明樹脂層2の形成方法は、透明樹脂層2を製膜できるものであればよく、特に限定されるものでは無いが、押出機を用いる方法が最も一般的である。押出機を用いる方法では、ナノサイズの造核剤、ポリオレフィン系エラストマーを混合した結晶性ポリプロピレン樹脂が加熱され、溶融する。その後、溶融した透明樹脂が押出機により膜状に成形され、冷却される。造核剤による結晶性ポリプロピレン樹脂の結晶成長は、上記冷却工程において起こる。
原反層4としては、薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙等の紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル等の合成樹脂、またはこれら合成樹脂の発泡体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタン等のゴム、有機もしくは無機系の不織布、合成紙、アルミニウム、鉄、金、銀等の金属箔等から適宜選定可能である。また、原反層4は、透明樹脂層2と同一の樹脂組成物からなるシートでもよい。この場合、原反層4は、樹脂材料や樹脂組成物を膜状に成形することにより得られる。成形方法としては、例えば、カレンダー成形、押出成形等が挙げられる。
絵柄層3の形成方法としては、透明樹脂層2に、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インキジェット印刷等を行う方法がある。後述のトップコート層5を設ける方法も絵柄層3を設ける方法と同様で何ら限定されるものではない。
また、押出ラミネート法でさらなるラミネート強度を求める場合、透明樹脂層2と接着剤層7との間に接着性樹脂層2bを設けてもよい。接着性樹脂層2bを設ける場合、透明樹脂層2と接着性樹脂層2bとの共押出法でラミネートを行う。接着性樹脂層2bは、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル系等の樹脂に酸変性を施したものとする。接着性樹脂層2bの厚さは、接着力向上の目的から2μm以上であることが望ましい。また、接着性樹脂層2bが厚すぎると、透明樹脂層2で表面硬度を向上させたにも関わらず、接着性樹脂層2b自体の柔らかさの影響を受けるため20μm以下であることが望ましい。
トップコート層5は、分散剤と無機微粒子とを含むことが好ましい。トップコート層5の分散剤の含有量は、トップコート層5に含まれる樹脂材料100質量部に対して、0.01質量部以上3質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上2質量部以下である。
また、熱硬化型樹脂としては、作業性、価格、樹脂自体の凝集力等を考慮すると、2液硬化型のウレタン系の熱硬化型樹脂を用いることが好ましい。ウレタン系の熱硬化型樹脂としては、アクリルポリオールとイソシアネートとを反応させて得られる樹脂を用いてもよい。イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添トリレンジイソシアネート(HTDI)、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、これらの誘導体(アダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体)、及び各種プレポリマー等の硬化剤を適宜選択して用いることができる。また、耐候性を考慮すると、直鎖状の分子構造を有するヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)もしくはイソホロンジイソシアネート(IPDI)をベースとする硬化剤を使用することが好ましい。
プライマー層6の材料としては、基本的に絵柄層3と同じ材料を用いることができるが、化粧シート1の裏面に施され、ウエブ状で巻取りを行うことを考慮すると、ブロッキングを避け、接着剤との密着を高めるために、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機充填剤を添加させてもよい。プライマー層6の塗布厚さは、基材Bとの密着を確保することが目的であるので、0.1μm以上3.0μm以下が好ましい。なお、プライマー層6は、原反層4がオレフィン系材料のように表面が不活性なものである場合には必要であるが、表面が活性なものである場合には特に必要なものではない。
(1)以上のように、本実施形態の化粧シート1では、結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする透明樹脂層2を有し、透明樹脂層2が、ナノサイズの造核剤を含有し、且つ、結晶性ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、ポリオレフィン系エラストマーを3質量部以上20質量部未満含むようにした。
また、造核剤の大きさがナノサイズであるため、球晶サイズを小さくして1μm以下とすることができ、後加工性を向上できる。さらに、透明樹脂層2が、結晶性ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、ポリオレフィン系エラストマーを3質量部以上20質量部未満含んでいるため、耐擦傷性と後加工性とを向上できる。
これにより、高い耐擦傷性と透明性とを保ちつつ、後加工性に優れた透明樹脂層2を具備した化粧シート1を提供することができる。
エチレンは、添加量に応じて非晶部領域が拡大するため柔軟性を付与できる。エチレンの添加量が少量であれば、結晶性ポリプロピレンの硬度を維持しつつ柔軟性を付与でき、後加工性を向上できるが、エチレンの添加量が過剰になると、結晶性ポリプロピレン樹脂の硬度が低下し、耐擦傷性が悪化する。
そして、結晶性ポリプロピレン樹脂の硬度を維持しつつ柔軟性を付与でき、後加工性を向上するためには、上述のようにエチレンの比率は8質量%以上16質量%以下とすることが望ましい。
結晶性ポリプロピレン樹脂とポリオレフィン系エラストマーとの相溶性が悪いと海島構造となってしまい、後加工時(折り曲げ加工時)に、樹脂成分の界面でクラックが発生して白化する。結晶性ポリプロピレンとの相溶性をよくするためには、プロピレン・αオレフィン共重合体をポリオレフィン系エラストマーとして用いることが好ましい。また、ポリオレフィン系エラストマーのMFRと結晶性ポリプロピレンのMFRとが近しいMFRであることが望ましい。
この構成によれば、化粧シートは、結晶化度を高くして良好な耐擦傷性を得ることができる。
この構成によれば、化粧シートは、透明樹脂層2の製膜性を向上することができる。
(超臨界逆相蒸発法を用いた造核剤のナノ化処理例)
まず、以下に説明する各実施例及び各比較例で用いた造核剤のナノ化処理の方法について説明する。
まず、60℃に保たれた高圧ステンレス容器に、メタノール100質量部、リン酸エステル金属塩系造核剤(アデカスタブNA−11、ADEKA製)82質量部、ホスファチジルコリン5質量部からなる混合物を入れて密閉する。続いて、高圧ステンレス容器内の圧力が20MPaとなるように二酸化炭素を注入して超臨界状態とする。続いて、激しく攪拌混合しながら高圧ステンレス容器内にイオン交換水を100質量部注入する。
まず実施例1〜6及び比較例1〜6の化粧シートの構成を、表1及び表2を参照して説明する。
まず、隠蔽性のある厚さ70μmの原反層4の一方の面に、2液硬化型ウレタンインキ(東洋インキ製造株式会社製「V180」)によって柄印刷を施して絵柄層3を形成した。続いて、原反層4の他方の面に、2液硬化型ウレタンインキ(大日精化工業株式会社製PET−E、「レジウサー」)をプライマーコートとして塗布量1g/m2で塗布して、プライマー層6を形成した。
実施例2では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_1)の割合を10.0質量部とした。それ以外は実施例1と同様の構成とし、実施例2の化粧シート2を得た。
(実施例3)
実施例3では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマーとして、E_2を用いた。E_2は、表2に示すように、プロピレン91質量%、エチレン9質量%の割合で共重合したエラストマーで、MFRが8g/10minである。また、エラストマーを構成するポリプロピレンはアイソタクチックポリプロピレンである。それ以外は実施例1と同様の構成とし、実施例3の化粧シート3を得た。
実施例4では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_2)の割合を10.0質量部とした。それ以外は実施例3と同様の構成とし、実施例4の化粧シート4を得た。
(実施例5)
実施例5では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマーとして、E_3を用いた。E_3は、表2に示すように、プロピレン84質量%、エチレン16質量%の割合で共重合したエラストマーで、MFRが3g/10minである。また、エラストマーを構成するポリプロピレンはアイソタクチックポリプロピレンである。それ以外は実施例1と同様の構成とし、実施例5の化粧シート5を得た。
実施例6では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_3)の割合を10.0質量部とした。それ以外は実施例5と同様の構成とし、実施例6の化粧シート6を得た。
比較例1では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_1)の割合を1.0質量部とした。それ以外は実施例1と同様の構成とし、比較例1の化粧シート7を得た。
(比較例2)
比較例2では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_1)の割合を20.0質量部とした。それ以外は実施例1と同様の構成とし、比較例2の化粧シート8を得た。
比較例3では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_2)の割合を1.0質量部とした。それ以外は実施例3と同様の構成とし、比較例3の化粧シート9を得た。
(比較例4)
比較例4では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_2)の割合を20.0質量部とした。それ以外は実施例3と同様の構成とし、比較例4の化粧シート10を得た。
比較例5では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_3)の割合を1.0質量部とした。それ以外は実施例5と同様の構成とし、比較例5の化粧シート11を得た。
(比較例6)
比較例6では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_3)の割合を20.0質量部とした。それ以外は実施例5と同様の構成とし、比較例6の化粧シート12を得た。
実施例7では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマーとして、E_4を用いた。E_4は、プロピレンとαオレフィンが共重合したエラストマーで、MFRが10g/10minである。また、エラストマーを構成するポリプロピレンはアタクチックポリプロピレンで、非晶性である。それ以外は実施例1と同様の構成とし、実施例7の化粧シート13を得た。
実施例8では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_4)の割合を10.0質量部とした。それ以外は実施例7と同様の構成とし、実施例8の化粧シート14を得た。
(実施例9)
実施例9では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマーとして、E_5を用いた。E_5は、プロピレンとαオレフィンが共重合したエラストマーで、MFRが3g/10minである。また、エラストマーを構成するポリプロピレンはアタクチックポリプロピレンで、非晶性である。それ以外は実施例1と同様の構成とし、実施例9の化粧シート15を得た。
実施例10では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_5)の割合を10.0質量部とした。それ以外は実施例9と同様の構成とし、実施例10の化粧シート16を得た。
比較例7では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_4)の割合を1.0質量部とした。それ以外は実施例7と同様の構成とし、比較例7の化粧シート17を得た。
(比較例8)
比較例8では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_4)の割合を20.0質量部とした。それ以外は実施例7と同様の構成とし、比較例8の化粧シート18を得た。
比較例9では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_5)の割合を1.0質量部とした。それ以外は実施例9と同様の構成とし、比較例9の化粧シート19を得た。
(比較例10)
比較例10では、透明樹脂層2を構成する混合物のポリオレフィン系エラストマー(E_5)の割合を20.0質量部とした。それ以外は実施例9と同様の構成とし、比較例10の化粧シート20を得た。
次に、比較例11〜15の化粧シートの構成を、表4を参照して説明する。
比較例11では、表4に示すようにポリオレフィン系エラストマーの代わりにスチレン系エラストマー(E_6)を透明樹脂層2に用いた。E_6は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS樹脂)でMFRが3.5g/10minである。E_6は、スチレン13質量部、エチレン26質量部、ブチレン61質量部の割合で含有している。それ以外は実施例1と同様の構成とし、比較例11の化粧シート21を得た。
(比較例12)
比較例12では、透明樹脂層2を構成する混合物のスチレン系エラストマー(E_6)の割合を10.0質量部とした。それ以外は比較例11と同様の構成とし、比較例12の化粧シート22を得た。
比較例13では、透明樹脂層2を構成する混合物のスチレン系エラストマーとして、E_7を透明樹脂層2に用いた。E_7は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS樹脂)でMFRが30g/10minである。E_7は、スチレン15質量部、エチレン38質量部、ブチレン47質量部の割合で含有している。それ以外は実施例1と同様の構成とし、比較例13の化粧シート23を得た。
(比較例14)
比較例14では、透明樹脂層2を構成する混合物のスチレン系エラストマー(E_7)の割合を10.0質量部とした。それ以外は比較例13と同様の構成とし、比較例14の化粧シート24を得た。
比較例15では、透明樹脂層2にエラストマーを添加しない以外は実施例1と同様の構成とし、比較例15の化粧シート25を得た。
以上の実施例1〜10、比較例1〜15の化粧シートについて、押出時の製膜性、結晶性、透明性、耐擦傷性、後加工性の評価を行った。
(押出時の製膜性)
透明樹脂層2と接着性樹脂層2bとの押出時に、Tダイ出口の幅よりも小さくなる、所謂ネックインと呼ばれる製膜不良が発生したか否かを目視観察によって評価した。
評価は、次の通りである。
「×」:ネックインが発生した場合
(結晶性)
X線回折装置によって得られたX線回折プロファイルから算出して結晶性を評価した。具体的には、フィルム表面に対してX線源を0.5°に固定し、検出器を3°から35°まで走査速度4°/分で走査し、X線回折プロファイルを得た。続いて、得たX線回折プロファイルからプロファイルフィッティングを行い、単斜晶に由来するピークIcと非晶部に由来するピークIaを抽出し、そのピークの面積比Ic/Iaを判定した。
評価は、次の通りである。
「○」:Ic/Ia×100が30以上である場合
「△」:Ic/Ia×100が15以上〜30未満である場合
「×」:Ic/Ia×100が15未満である場合
化粧シートの外観から透明樹脂層2の透明性を目視観察によって評価した。
評価は、次の通りである。
「○」:透明樹脂層2の透明性が十分に高い場合
「×」:透明性が低い場合
(耐擦傷性)
化粧シートをウレタン系の接着剤を用いて木質の基材Bに貼り合せた後、鉛筆硬度試験によって耐擦傷性を評価した。鉛筆硬度試験では、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3Hの鉛筆を用い、化粧シート1に対して鉛筆の角度を45±1°に固定して、鉛筆に1kgの荷重を負荷した状態でスライドさせて化粧シート1に傷が形成されるか否かを判定した(旧JIS規格 JISK5400に準拠)。そして、鉛筆硬度試験では、硬度が低い鉛筆から順に行い、引っ掻き傷を形成した鉛筆の硬度を化粧シート1の硬度とした。
化粧シートをウレタン系の接着剤を用いて木質の基材Bに貼り合せた後、V溝加工試験によって後加工性を評価した。V溝加工試験では、木質の基材B側から反対側の化粧シート1に傷が付かないようにV型の溝を木質の基材Bと化粧シート1とを貼り合わせた境界まで入れた。続いて、化粧シートの面が山折りとなるように木質の基材BをV型の溝に沿って90度まで曲げ、化粧シートの表面の折れ曲がった部分に白化や亀裂等が生じていないかを光学顕微鏡によって観察した。
評価は、次の通りである。
「◎」:白化や亀裂等が認められなかった場合
「○」:軽微な白化や亀裂が認められたが化粧シートとして容認できる程度のものである場合
「△」:白化や亀裂が認められたが化粧シートとして容認できる程度のものである場合
「×」:化粧シートとして容認できない白化や亀裂が認められた場合
(ポリオレフィン系エラストマーの効果)
実施例1〜6、比較例1〜6の評価結果を表5に示す。
(エラストマーを構成するポリプロピレンの立体規則性の違い)
実施例1〜2、7〜10、比較例7〜10の評価結果を表6に示す。
(スチレン系エラストマー、エラストマー未添加品との違い)
比較例11〜15の評価結果を表7に示す。
Claims (10)
- 結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする透明樹脂層を備え、
前記透明樹脂層は、平均粒径が可視光の波長領域の1/2以下であるナノサイズの造核剤を含有し、且つ、前記結晶性ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、ポリオレフィン系エラストマーを3質量部以上20質量部未満含んでおり、
前記ポリオレフィン系エラストマーは、プロピレン・αオレフィン共重合体であり、
前記ポリオレフィン系エラストマーを構成するポリプロピレンは、アタクチックポリプ ロピレンで、非晶性であることを特徴とする化粧シート。 - 結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする透明樹脂層を備え、
前記透明樹脂層は、平均粒径が可視光の波長領域の1/2以下であるナノサイズの造核剤を含有し、且つ、前記結晶性ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、ポリオレフィン系エラストマーを3質量部以上20質量部未満含んでおり、
前記ポリオレフィン系エラストマーは、エチレンを含み、
前記ポリオレフィン系エラストマーに含まれるエチレンの比率は、8質量%以上16質 量%以下であることを特徴とする化粧シート。 - 前記ポリオレフィン系エラストマーは、プロピレン・エチレン共重合体であることを特 徴とする請求項2に記載の化粧シート。
- 前記ポリオレフィン系エラストマーに含まれるエチレンの比率は、13質量%以上16 質量%以下であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の化粧シート。
- 前記ポリオレフィン系エラストマーを構成するポリプロピレンは、アイソタクチックポ リプロピレンであることを特徴とする請求項3に記載の化粧シート。
- 前記ポリオレフィン系エラストマーは、230℃におけるメルトフローレートが10g/10min以上30g/10min以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5の いずれか1項に記載の化粧シート。
- 前記結晶性ポリプロピレン樹脂は、ペンタッド分率が95%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化粧シート。
- 前記結晶性ポリプロピレン樹脂は、分子量分布MWD(=Mw/Mn、ここで、Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が4未満であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の化粧シート。
- 前記造核剤の平均粒径は、200nm以上375nm以下であることを特徴とする請求 項1〜請求項8のいずれか1項に記載の化粧シート。
- プライマー層と、原反層と、絵柄層と、接着性樹脂層と、前記透明樹脂層と、トップコ ート層と、をこの順に備え、
前記透明樹脂層の前記トップコート層側の面には、エンボス模様が設けられていること を特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の化粧シート。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017122165A JP6959608B2 (ja) | 2017-06-22 | 2017-06-22 | 化粧シート |
PCT/JP2018/023163 WO2018235782A1 (ja) | 2017-06-22 | 2018-06-18 | 化粧シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017122165A JP6959608B2 (ja) | 2017-06-22 | 2017-06-22 | 化粧シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019006870A JP2019006870A (ja) | 2019-01-17 |
JP6959608B2 true JP6959608B2 (ja) | 2021-11-02 |
Family
ID=64737118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017122165A Active JP6959608B2 (ja) | 2017-06-22 | 2017-06-22 | 化粧シート |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6959608B2 (ja) |
WO (1) | WO2018235782A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7025657B2 (ja) * | 2019-01-18 | 2022-02-25 | サミー株式会社 | ぱちんこ遊技機 |
JP7025658B2 (ja) * | 2019-01-18 | 2022-02-25 | サミー株式会社 | ぱちんこ遊技機 |
JP7025655B2 (ja) * | 2019-01-18 | 2022-02-25 | サミー株式会社 | ぱちんこ遊技機 |
JP7331626B2 (ja) | 2019-10-28 | 2023-08-23 | 凸版印刷株式会社 | 化粧シート及びその製造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001323076A (ja) * | 2000-05-19 | 2001-11-20 | Mitsubishi Chem Mkv Co | ポリプロピレン系樹脂製フィルム |
JP5439714B2 (ja) * | 2007-08-29 | 2014-03-12 | 凸版印刷株式会社 | 化粧シート |
JP6636776B2 (ja) * | 2014-11-11 | 2020-01-29 | 凸版印刷株式会社 | 化粧シートおよび化粧シートの製造方法 |
JP6622561B2 (ja) * | 2015-10-29 | 2019-12-18 | 凸版印刷株式会社 | 化粧シートおよび化粧シートの製造方法 |
-
2017
- 2017-06-22 JP JP2017122165A patent/JP6959608B2/ja active Active
-
2018
- 2018-06-18 WO PCT/JP2018/023163 patent/WO2018235782A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2018235782A1 (ja) | 2018-12-27 |
JP2019006870A (ja) | 2019-01-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6950690B2 (ja) | 化粧シート用基材及び化粧シート | |
JP6959608B2 (ja) | 化粧シート | |
WO2017038843A1 (ja) | 化粧シート及び化粧シートの製造方法 | |
JP7052731B2 (ja) | 積層延伸フィルム、化粧シート用基材、化粧シート及び化粧板 | |
JP4066623B2 (ja) | 化粧シート | |
JP3772634B2 (ja) | 化粧シート | |
JP7036004B2 (ja) | 化粧シート及び化粧シートの製造方法 | |
JP4379591B2 (ja) | 化粧シート | |
JP2023161006A (ja) | 積層延伸フィルム、化粧シート用基材、化粧シート及び化粧板 | |
JP7006164B2 (ja) | 化粧シート及び化粧シートの製造方法 | |
JP2021169157A (ja) | 化粧シート及び化粧材 | |
JP6963273B2 (ja) | 化粧シート及び化粧シートの製造方法 | |
JP7047391B2 (ja) | 化粧シート及び不燃化粧板 | |
JP6959606B2 (ja) | 化粧シート及び化粧シートの製造方法 | |
JP7007546B2 (ja) | 化粧シート及び透明樹脂シート、並びにそれらの製造方法 | |
JP4325050B2 (ja) | 化粧シートの製造方法 | |
JP6965752B2 (ja) | 化粧シート及び化粧部材 | |
JP6965753B2 (ja) | 化粧シート及び化粧部材 | |
JP3908502B2 (ja) | 化粧シート | |
JP7255186B2 (ja) | 化粧シート及び化粧板 | |
JP2023158003A (ja) | 積層延伸フィルム、化粧シート用基材、化粧シート及び化粧板 | |
JP2020116772A (ja) | 化粧シート | |
JP2021030446A (ja) | 化粧シート | |
JP2021003876A (ja) | 化粧シート | |
JP2020093448A (ja) | 積層延伸フィルム、化粧シート用基材、化粧シート及び化粧板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200409 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210202 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210331 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210331 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210907 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210930 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6959608 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |