JP6955226B2 - 重合体微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は重合体微粒子の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、粒子径分布が狭い重合体微粒子を効率的に製造するための方法に関する。
重合体微粒子は、例えば、液晶表示用途におけるスペーサ、光拡散フィルム及び拡散板等の光拡散剤、AGフィルム等のAG剤として有効に利用されている。その他にも、各種フィルム用のアンチブロッキング剤、導電性微粒子、カラム用充填剤、診断薬用の担体、写真用トナー及び化粧品等の各種分野において広く使用されている。また、多くの用途では、その性能向上を目的として粒子径分布の狭い重合体微粒子を要求される場合がある。
重合体微粒子の製造方法としては、懸濁重合法、シード重合法、分散重合法等がよく知られている。これらの中でも分散重合法は、粒子サイズをある程度任意に設定することができるとともに、シャープな粒子径分布を有する重合体微粒子を得ることができる。また、複雑な工程を必要としないため、単分散性の重合体微粒子を得るためには工業的にも有利な重合方法である。
従来から、分散重合法を利用した単分散重合体微粒子の製造方法が提案されている。
特許文献1には、アルコール性媒体中、特定構造のモノマーを重合して得られる重合体の存在下で、ビニル系モノマー類の分散重合を行う単分散ポリマー微粒子の製造方法が開示されている。特許文献2及び3には、水と水混和性溶媒の混合溶媒中、重量平均分子量1万以上のポリビニルピロリドン若しくはポリビニルピロリドン共重合体、又は、ポリアクリル酸若しくはポリアクリル酸共重合体の存在下にアクリルアミド等を重合する、単分散性ポリアクリルアミド微粒子の製造方法が記載されている。
また、特許文献4には、2個以上の不飽和二重結合を有する単量体を含む原料モノマーを分散重合する架橋球状ポリマー微粒子の製造方法が開示されている。特許文献5には、架橋性エチレン性不飽和単量体及びエチレン性不飽和カルボン酸等を含む単量体の分散重合による親水性ゲル微粒子の製造方法が記載されている。
特開平9−316106号公報 特開平4−279604号公報 特開平4−279605号公報 特開2006−282772号公報 特開平1−315408号公報
特許文献1〜3に記載の発明では、重合工程において比較的多量の分散安定剤またはこれに準ずる化合物が使用される。このため、得られた重合体微粒子中にも分散安定剤成分が残存することとなり、性能面の低下及び当該重合体微粒子を使用する製品の純度低下等の点で懸念される。また、上記分散安定剤を別途合成する必要があるため、製造工程が増加し、手間が掛かるという課題がある。
特許文献4に記載の発明は、実質的に多量の多官能性モノマーを必要とするものである。発明の詳細な説明には、多官能性モノマーの含有量が原料モノマー全体の35質量%未満であると、粒子同士の固着や凝集により単分散の球状ポリマー微粒子を得ることが困難となる場合がある旨が記載されている。また、特許文献5に記載の発明では、エチレン性不飽和カルボン酸は粒子径分布の単分散性を維持するのに必須の成分であるが、全単量体の30重量%を超えると得られる粒子径分布が広くなる旨が記載されている。このように、特許文献4及び5に記載の発明は、単分散性の重合体微粒子を得るためには、用いる単量体の種類及び使用量に制限があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。すなわち、粒子径分布の狭い重合体微粒子の製造方法であって、特別な分散安定剤等を必要とせず、多官能性モノマーを含む原料単量体の種類又は使用量の制限がない方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、撹拌翼としていわゆる大型翼を用いた分散重合において、当該撹拌翼の先端速度(周速度)を調節することにより、使用する原料単量体に特別な制限を設けることなく単分散性の重合体微粒子を得ることができることを知得した。また、重合反応液中の水分量が得られる重合体微粒子の単分散性に影響を及ぼすことを知得した。本発明は係る知見に基づいて完成されたものである。
本明細書では以下の手段を提供する。
〔1〕重合体微粒子の製造方法であって、
分散重合法によりビニル系単量体を重合する重合工程を有し、
前記重合工程における反応液中の水分量が30,000ppm以下であり、
前記重合工程を行う反応器として撹拌槽型反応器を用い、
前記撹拌槽型反応器の撹拌回転軸に装着される撹拌翼が、大型広幅翼及び大型格子翼から選ばれる1種であり、
前記撹拌翼の先端速度が1.0m/秒以下である、方法。
〔2〕前記大型広幅翼がフルゾーン型撹拌翼である前記〔1〕に記載の重合体微粒子の製造方法。
〔3〕前記大型格子翼が、マックスブレンド型撹拌翼である前記〔1〕に記載の重合体微粒子の製造方法。
〔4〕前記ビニル系単量体は、当該ビニル系単量体の総量に対し(メタ)アクリル酸を50質量%以上含む前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の重合体微粒子の製造方法。
〔5〕前記重合工程において使用する重合溶媒のSP値が8.0〜13.0の範囲である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の重合体微粒子の製造方法。
本発明の重合体微粒子の製造方法によれば、粒子径分布が狭く、且つ粒子サイズの均一性に優れる重合体微粒子を簡便な方法により製造することができる。また、製造に際して特別な分散安定剤等を別途準備する必要がなく、生産性の点においても良好である。
本発明の製造方法は、多官能性モノマーを含む原料単量体の種類又は使用量について特段の制限はなく、幅広い単量体組成に対して適用することができる。具体的には、多官能性モノマーの含有量が原料モノマー全体の35質量%未満である場合や、エチレン性不飽和カルボン酸の含有量が全単量体の30重量%を超える場合であっても単分散性の良好な重合体微粒子を得ることが可能となる。
フルゾーン型撹拌翼を備えた反応器の一例を示す。(A)は概略側面断面模式図、(B)は概略平面断面模式図である。 マックスブレンド型撹拌翼を備えた反応器の一例を示す。(A)は概略側面断面模式図、(B)は概略平面断面模式図である。
以下、本発明を詳しく説明する。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。また、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味する。
本発明は、分散重合法を利用した重合工程を備える重合体微粒子の製造方法に関するものである。前記重合工程では、撹拌翼としていわゆる大型翼を備えた反応器を用いて、ビニル系単量体を、当該ビニル系単量体を溶解するが、生成する重合体を溶解しない溶媒中で重合する、重合反応が行われる。本発明においては、上記重合工程の後、必要に応じて、加水分解工程、分離工程、洗浄工程(精製工程)、乾燥工程、他の重合工程等を行ってもよい。
分散重合では、析出した重合体は重合の進行とともに凝集及び成長により大きくなり、ミクロンサイズの極めて微小な粒子径の重合体微粒子が得られる。本発明の製造方法で得られる重合体微粒子は、粒子径分布が狭く均一なサイズを有し、単分散性で粒子間の凝集がほとんど見られない。
分散重合の場合、重合溶媒は、使用する単量体の種類等を考慮して各種有機溶剤等から選択される溶媒を使用することができる。
具体的な重合溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、アセトン、アセトニトリル及びテトラヒドロフラン等の水溶性溶剤の他、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジクロロエタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン及びn−ヘプタン等が挙げられ、これらの内の1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明において水溶性溶剤とは、20℃における水への溶解度が10g/100mlより大きいものを指す。
上記の重合溶媒の中でも、単量体および生成する重合体の溶解性の観点から、溶解パラメータ(SP値)が8.0以上13.0以下の範囲にあるものが好ましい。具体的には、シクロヘキサン(SP値:8.2)、トルエン(SP値:8.9)、酢酸エチル(SP値:9.0)、テトラヒドロフラン(SP値:9.0)、ベンゼン(SP値:9.2)、メチルエチルケトン(SP値:9.3)、アセトン(SP値:10.0)、イソプロピルアルコール(SP値:11.5)、アセトニトリル(SP値:11.9)、エタノール(SP値:12.7)等が挙げられる。
上記のSP値については、R.F.Fedorsにより著された「Polymer Engineering and Science」14(2),147(1974)に記載の計算方法によって、算出することができる。具体的には、式(1)に示す計算方法による。
Figure 0006955226
δ :SP値((cal/cm31/2
ΔEvap :各原子団のモル蒸発熱(cal/mol)
V :各原子団のモル体積(cm3/mol)
カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基等の極性基を有する単量体を主体とする単量体成分の重合を行う場合、上記重合溶媒のSP値の範囲は9.0以上13.0以下が好ましく、より好ましくは9.0以上12.5以下であり、さらに好ましくは10.0以上12.0以下である。尚、上記極性基を有する単量体を主体とするとは、極性基を有する単量体の割合が50質量%以上であることを示し、当該割合は60質量%以上でってもよく、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
さらに、粗大粒子の生成や反応器への付着が小さく重合安定性が良好であること、析出した重合体微粒子が二次凝集しにくいこと、及び連鎖移動定数が小さく重合度(一次鎖長)の大きい重合体が得られること等の点で、アセトニトリルが好ましい。
極性基を主体とする単量体以外の単量体成分についての重合を行う場合、上記重合溶媒のSP値の範囲は8.0以上12.0以下が好ましく、より好ましくは8.5以上12.0以下である。
本発明の製造方法では、重合工程に用いるビニル系単量体の種類に特段の制約はなく、用途等に応じて適宜使用するビニル系単量体の種類を選択することができる。具体的には、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、並びに、スチレン及びα−メチルスチレン等のスチレン系単量体等を例示することができる。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸;(メタ)アクリルアミドヘキサン酸及び(メタ)アクリルアミドドデカン酸等の(メタ)アクリルアミドアルキルカルボン酸;コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体またはそれらの(部分)アルカリ中和物が挙げられ、これらの内の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。上記の中でも、アクリロイル基を有する化合物は重合速度が大きいために高分子量の重合体が得られる傾向にあり、アクリル酸は特にその傾向が強い。
また、塩の種類としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム塩及びバリウム塩等のアルカリ土類金属塩;マグネシウム塩、アルミニウム塩等のその他の金属塩;アンモニウム塩及び有機アミン塩等が挙げられる。
本発明の製造方法では、良好な重合性を示し、種々の用途に適用できることから、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を50〜100質量%含む単量体成分を用いてもよい。この場合、得られる重合体微粒子には、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位が50〜100質量%導入される。エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、60〜100質量%であってもよく、70〜100質量%であってもよく、80〜100質量%であってもよい。
上記エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、未中和の状態であってもよいし、中和された塩の状態であってもよい。また、使用するエチレン性不飽和カルボン酸単量体の一部を中和した部分中和塩の状態であってもよい。エチレン性不飽和カルボン酸単量体の中和度が10モル%以下の場合は重合速度が大きく、分子量の高い重合体が得られる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の(メタ)アクリル酸の脂環基含有エステル;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の(メタ)アクリル酸の複素環基含有エステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸のアルコキシアルキルエステル等が挙げられ、これらの内の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(メタ)アクリルアミド誘導体としては、例えば、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド化合物;ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド化合物が挙げられ、これらの内の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記のビニル系単量体以外にも、2個以上の重合性不飽和基を有する多官能重合性単量体、及び加水分解性シリル基等の自己架橋可能な架橋性官能基を有する単量体等の架橋性単量体を使用してもよい。
上記多官能重合性単量体は、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基等の重合性官能基を分子内に2つ以上有する化合物であり、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能アルケニル化合物、(メタ)アクリロイル基及びアルケニル基の両方を有する化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの内でも、均一な架橋構造を得やすい点で多官能アルケニル化合物を用いた場合には均一な架橋構造を得やすい傾向があり、中でも、分子内に複数のアリルエーテル基を有する多官能アリルエーテル化合物はその傾向が強い。
多官能(メタ)アクリレート化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性体のトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の3価以上の多価アルコールのトリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリレート;メチレンビスアクリルアミド、ヒドロキシエチレンビスアクリルアミド等のビスアミド類等を挙げることができる。
多官能アルケニル化合物としては、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、ポリアリルサッカロース等の多官能アリルエーテル化合物;ジアリルフタレート等の多官能アリル化合物;ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物等を挙げることができる。
(メタ)アクリロイル基及びアルケニル基の両方を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸イソプロペニル、(メタ)アクリル酸ブテニル、(メタ)アクリル酸ペンテニル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等を挙げることができる。
上記自己架橋可能な架橋性官能基を有する単量体の具体的な例としては、加水分解性シリル基含有ビニル単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
加水分解性シリル基含有ビニル単量体としては、加水分解性シリル基を少なくとも1個有するビニル単量体であれば、特に限定されない。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランン等のビニルシラン類;アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、アクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル等のシリル基含有アクリル酸エステル類;メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル、メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル、メタクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル、メタクリル酸ジメチルメトキシシリルプロピル等のシリル基含有メタクリル酸エステル類;トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル等のシリル基含有ビニルエーテル類;トリメトキシシリルウンデカン酸ビニル等のシリル基含有ビニルエステル類等を挙げることができる。
また、上記架橋性単量体の使用量は、特に制限されるものではない。重合体微粒子の全構成単量体中、0.05質量%以上であってもよく、0.1質量%以上であってもよく、0.3質量%以上であってもよく、0.5質量%以上であってもよい。また、1.0質量%以上であってもよく、3.0質量%以上であってもよく、5.0質量%以上であってもよく、10質量%以上であってもよい。上限は100質量%であってもよく、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよく、50質量%以下であってもよく、30質量%以下であってもよく、20質量%以下であってもよく、10質量%以下であってもよい。
重合開始剤は、アゾ系化合物、有機過酸化物、無機過酸化物等の公知の重合開始剤を用いることができるが、特に限定されるものではない。熱開始、還元剤を併用したレドックス開始、UV開始等、公知の方法で適切なラジカル発生量となるように使用条件を調整することができる。
上記アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2−(tert−ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられ、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。
上記有機過酸化物としては、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(日油社製、商品名「パーテトラA」)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(同「パーヘキサHC」)、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(同「パーヘキサC」)、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート(同「パーヘキサV」)、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン(同「パーヘキサ22」)、t−ブチルハイドロパーオキサイド(同「パーブチルH」)、クメンハイドロパーオキサイド(日油社製、商品名「パークミルH」)、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド(同「パーオクタH」)、t−ブチルクミルパーオキサイド(同「パーブチルC」)、ジ−t−ブチルパーオキサイド(同「パーブチルD」)、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド(同「パーヘキシルD」)、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(同「パーロイル355」)、ジラウロイルパーオキサイド(同「パーロイルL」)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(同「パーロイルTCP」)、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート(同「パーロイルOPP」)、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート(同「パーロイルSBP」)、クミルパーオキシネオデカノエート(同「パークミルND」)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(同「パーオクタND」)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(同「パーヘキシルND」)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(同「パーブチルND」)、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(同「パーブチルNHP」)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(同「パーヘキシルPV」)、t−ブチルパーオキシピバレート(同「パーブチルPV」)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイル)ヘキサン(同「パーヘキサ250」)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(同「パーオクタO」)、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(同「パーヘキシルO」)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(同「パーブチルO」)、t−ブチルパーオキシラウレート(同「パーブチルL」)、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(同「パーブチル355」)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(同「パーヘキシルI」)、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(同「パーブチルI」)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(同「パーブチルE」)、t−ブチルパーオキシアセテート(同「パーブチルA」)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(同「パーヘキシルZ」)及びt−ブチルパーオキシベンゾエート(同「パーブチルZ」)等が挙げられ、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。
上記無機過酸化物としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
また、レドックス開始の場合、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、アスコルビン酸、亜硫酸ガス(SO2)、硫酸第一鉄等を還元剤として用いることができる。
重合開始剤の好ましい使用量は、用いる単量体成分の総量を100質量部としたときに、0.001〜2質量部であり、より好ましくは0.005〜1質量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.1質量部である。重合開始剤の使用量が0.001質量部以上であれば重合反応を安定的に行うことができ、2質量部以下であれば一次鎖長の長い重合体を得やすい。
重合時の単量体成分の濃度については、生産性の観点から高い方が好ましく、分子量の高い重合体を得易くなる。ただし、単量体成分の濃度が高すぎると、重合体粒子の凝集が進行し易い他、重合熱の制御が困難となり重合反応が暴走する虞がある。このため、重合開始時の単量体濃度は、2〜30質量%程度の範囲が一般的であり、好ましくは5〜30質量%の範囲である。
重合温度は、使用する単量体の種類及び濃度等の条件にもよるが、0〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。重合温度は一定であってもよいし、重合反応の期間において変化するものであってもよい。また、重合時間は1分間〜20時間が好ましく、1時間〜10時間がより好ましい。
重合工程を経て得られた重合体微粒子分散液は、乾燥工程において減圧及び/又は加熱処理等を行い溶媒留去することにより、当該重合体微粒子を粉末状態で得ることができる。この際、上記乾燥工程の前に、未反応単量体(及びその塩)を除去する目的で、重合工程に引き続き、遠心分離及び濾過等の固液分離工程、水及びメタノール等を用いた洗浄工程を備えることが好ましい。
上記洗浄工程を備えた場合、重合体微粒子が二次凝集した場合であっても再分散し易く、さらに残存する未反応単量体が除去されることにより当該未反応単量体に起因する性能低下を回避することができる。
本発明の製造方法では、重合工程における重合溶媒及び原料等を含む反応液中の水分量を質量基準で30,000ppm以下とすることが好ましい。より好ましい水分量は20,000ppm以下であり、さらに好ましくは15,000ppmであり、一層好ましくは10,000ppmであり、より一層この好ましくは6,000ppmである。水分量が30,000ppm以下であれば、粒子径分布の狭い重合体微粒子を製造することができる。反応液中の水分量は0ppmでもよい。尚、水分量はカールフィッシャー水分計を用いて測定することができる。
重合反応は、原料の全量を予め反応器へ仕込む初期一括重合法により行ってもよい。この場合、全原料を仕込んだ後の反応液中の水分量を30,000ppm以下とすることが好ましい。一方、初期原料を反応器へ仕込んだ後、残余の原料を連続的に又は間欠的に反応器へ供給しながら重合反応を行ってもよい。この場合、初期原料を仕込んだ後の反応液中の水分量を30,000ppm以下とすることが好ましい。これに加えて、残余の原料を投入し重合反応を継続している期間の全てに渡り、反応液中の水分量を30,000ppm以下とすることがより好ましい。
上記重合工程は撹拌槽型反応器を用いて行われる。本発明において使用する反応装置は、一つの反応器からなるバッチ式反応器、又は一つ若しくは複数個の反応器よりなる連続反応装置の何れも使用することができる。連続反応装置の場合は、少なくとも重合工程が行われる反応器に撹拌槽型反応器を用いる。
上記撹拌槽型反応器の撹拌回転軸には、いわゆる大型翼に分類される撹拌翼が装着される。大型翼としては、大型広幅翼(ワイドパネル型撹拌翼)及び大型格子翼から選ばれる1種の撹拌翼を用いることができる。大型翼を備えた撹拌槽型反応器を用いて分散重合を行うことにより、通常のパドル翼や後退翼等の撹拌翼の場合と比較して粒子径分布の狭い均一サイズの重合体微粒子を製造することが可能となる。
上記大型広幅翼(ワイドパネル型撹拌翼)としては、フルゾーン型撹拌翼が挙げられる。フルゾーン型撹拌翼は、2枚の垂直に保持された羽根板からなる2段のパドル翼であり、各パドル翼は上下方向に配置されている。各パドル翼の羽根板は軸対称に装着されていてもよい。羽根板の高さは翼径の50%以上の大きさであってもよく、60%以上でもよく、70%以上でもよい。また、下段パドル翼の翼径は反応器内径の50%以上の大きさであってもよく、60%以上でもよく、70%以上でもよい。各パドル翼の外端側は0〜60度又は5〜60度の後退角を有する後退羽根とすることができる。下段パドル翼は反応器の底面に近接して配置されるのが好ましく、上段パドル翼及び下段パドル翼と反応器内面との間にはバッフル又は邪魔板を設置できる空間を有することが好ましい。また、上段パドル翼と下段パドル翼の翼間距離は反応器内径の20%以下とするのが好ましい。上段パドル翼の先端部には下方に延出した板状のフィンが形成され、上段パドル翼と下段パドル翼が外端側において互いに上下方向に部分的にオーバーラップする構造としてもよい。さらに、上段パドル翼は下段パドル翼に対して30〜90度又は45〜75度の交差角を有し、回転方向に先行してなるよう配置されるのが好ましい。フルゾーン型撹拌翼としては、具体的には、神鋼環境ソリューション社製撹拌翼「フルゾーン」(商品名)が挙げられる。
その他の大型広幅翼(ワイドパネル型撹拌翼)としては、佐竹化学機械工業社製「Super−Mix MR203」及び「Super−Mix MR205」、綜研テクニックス社製「Hi−Fミキサー」(いずれも商品名)等が挙げられる。
上記大型格子翼としては、マックスブレンド型撹拌翼が挙げられる。マックスブレンド型撹拌翼は、撹拌回転軸に装着されるパドル翼であり、当該パドル翼は反応器の底面に近接して配置されるのが好ましく、撹拌翼のボトム下端と槽底のクリアランスは槽内径の1〜10%の範囲であることが好ましい。パドル翼より上位部分には、槽径方向に延びる板棒状のアーム部分及び当該アーム部分と直角方向に延びる板棒状のストリップから構成される格子翼が装着される。格子翼は、ストリップの間隔を撹拌回転軸から遠ざかるに従って狭く配置されるのが好ましい。ボトム部分の翼径は反応器内径の50%以上の大きさであってもよく、60%以上でもよく、70%以上でもよい。翼高は翼径の50%以上の大きさであってもよく、70%以上でもよく、100%以上でもよく、120%以上でもよく、150%以上でもよい。マックスブレンド型撹拌翼としては、具体的には、住友重機械プロセス機器社製「MAXBLEND」(商品名)が挙げられる。
重合工程における撹拌回転数は反応液のスケールに応じて適宜調整すればよいが、析出した重合体の合一を抑制し粒子径分布の狭い重合体粒子を得る観点から、撹拌翼の先端速度(周速度)が1.0m/秒以下であることが好ましい。先端速度はより好ましくは0.8m/秒以下であり、さらに好ましくは0.6m/秒以下である。先端速度の下限値は反応液の撹拌状態に応じて適宜設定すれば良いが、通常は0.01m/秒以上である。
重合工程を経て得られた重合体微粒子分散液の粘度は、1〜100,000mPa・sの範囲であってもよく、10〜50,000mPa・sの範囲であってもよく、50〜20,000mPa・sの範囲であってもよく、100〜10,000mPa・sの範囲であってもよい。重合体微粒子分散液の粘度は、25℃の条件下、B型粘度計を用いて60rpmにおける粘度を測定することにより得られる。
本発明の製造方法によれば、生成する重合体微粒子の二次凝集が抑制されるために粒子径分布の狭い重合体微粒子が得られる。重合体微粒子の粒子径は体積基準メジアン径で例えば10nm〜7.0μmであってよく、粒子径分布は2.0未満であるのが好ましい。粒子径分布はより好ましくは1.8未満であり、さらに好ましくは1.5未満であり、一層好ましくは1.3未満であり、より一層好ましくは1.2未満である。粒子径分布の下限値は通常1.0である。尚、粒子径及び粒子径分布は実施例に記載の方法により測定することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。尚、以下において「部」及び「%」は、特に断らない限り質量部及び質量%を意味する。
(実施例1:重合体微粒子R−1の製造)
重合には、フルゾーン翼(神鋼環境ソリューション社製)、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた容量3リットルの反応器を用いた。
反応器内にアセトニトリル3.52kg(880部)、アクリル酸(以下「AA」という)0.40kg(100部)、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー社製、商品名「ネオアリルP−30」)2.0g(0.5部)を仕込んだ。その際、反応液の水分量をカールフィッシャー水分計(平沼産業社製、「AQ−2200A」)を用いて測定したところ、650ppmであった。
反応器内を十分に窒素置換した後、加温して内温を50℃まで昇温した。撹拌速度は先端速度で0.5m/秒とし、内温が50℃で安定したことを確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、商品名「V−65」)0.125部を添加したところ、反応液に白濁が認められたため、この点を重合開始点とした。内温が50℃となるように外温(水バス温度)を調整しながら重合反応を継続し、重合開始点から7時間経過した時点で反応液を冷却することにより重合体微粒子R−1の粒子が媒体に分散したスラリー状の重合反応液R−1を得た。
(単分散性の評価:粒子径分布測定)
上記で得られた重合反応液R−1を、アセトニトリルを分散媒とするレーザー回折/散乱式粒度分布計(マイクロトラックベル社製、マイクロトラックMT−3300EX■)
にて粒子径分布測定を行った。以下の基準に従い単分散性を評価した結果、(体積基準メジアン径/個数基準メジアン径)で表される粒子径分布は1.11であり、単分散性は「1」と判断された。
評価基準;
1:体積基準メジアン径/個数基準メジアン径が1.20未満
2:体積基準メジアン径/個数基準メジアン径が1.20以上、1.50未満
3:体積基準メジアン径/個数基準メジアン径が1.50以上、10未満
4:体積基準メジアン径/個数基準メジアン径が10以上
(実施例2〜6、13:重合体微粒子R−2〜R−6、R−13の製造)
表1に示す仕込み組成に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、重合反応液R−2〜R−6、R−13を得た。実施例1と同様の操作により単分散性の評価を行い、結果を表1に示した。
(実施例7〜9および比較例1:重合体微粒子R−7〜R−9およびH−1の製造)
各原料の仕込み後、蒸留水を添加することによって、水分量を調整することのみ変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、重合反応液R−7〜R−9およびH−1を得た。実施例1と同様の操作により単分散性の評価を行い、結果を表1に示した。
(実施例10〜11および比較例2:重合体微粒子R−10〜R−11およびH−2の製造)
重合時の撹拌速度(先端速度)を表1に示す通り変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、重合反応液R−10〜R−11およびH−2を得た。実施例1と同様の操作により単分散性の評価を行い、結果を表1に示した。
(実施例12:重合体微粒子R−12の製造)
重合を400リットル反応器にスケールアップし、仕込み量を表1に示す通り変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、重合反応液R−12を得た。実施例1と同様の操作により単分散性の評価を行い、結果を表1に示した。
(実施例14および比較例3、4:重合体微粒子R−14およびH−3、4の製造)
撹拌翼をマックスブレンド翼(住友重機社製、実施例14)および3枚後退翼(比較例3)、4枚パドル翼(比較例4)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、重合反応液R−14およびH−3、4を得た。実施例1と同様の操作により単分散性の評価を行い、結果を表1に示した。なお、比較例4で用いたパドル翼の翼高は翼径の15%であり、翼径は反応器内径の60%であった。
Figure 0006955226
実施例1〜14は、本発明の製造方法により重合体微粒子を製造したものである。得られた重合体微粒子は、いずれも単分散性に優れるものであった。
一方、大型広幅翼又は大型格子翼を用いずに製造した比較例3及び4で得られた重合体微粒子は、粒子径分布が広く、単分散性に劣るものであった。また、大型広幅翼を用いた場合であっても、反応液中の水分量が多い比較例1、及び撹拌翼の先端速度が速い比較例2では単分散重合体微粒子は得られなかった。
本発明の重合体微粒子の製造方法によれば、粒子径分布が狭く均一性の高い粒子サイズを有する重合体微粒子を簡便な方法により製造することができる。また、製造に際して特別な分散安定剤等を別途準備する必要がなく、生産性の点でも優れる。
本発明の製造方法により得られた重合体微粒子は、例えば、液晶表示用途におけるスペーサ、光拡散フィルム及び拡散板等の光拡散剤、AGフィルム等のAG剤、各種フィルム用のアンチブロッキング剤、導電性微粒子、カラム用充填剤、診断薬用の担体、写真用トナー、非水電解質二次電池電極用組成物の結着剤及び分散剤、化粧品等の各種分野において広く使用することができる。
2 反応槽
4 上部蓋
6 底部
8 ジャケット
10 撹拌回転軸
12 上段パドル翼
12a、12b 羽根板
12c、12d フィン
14a、14b 羽根板
14c、14d 後退翼
16 邪魔板
L、N 高さ
M、Q 翼径
R 折曲げ部までの長さ
S 翼間距離
T 交差角度
U 槽径
20 反応槽
22 撹拌回転軸
24 パドル翼
26 下端
32 アーム部分
34 ストリップ
36 格子翼

Claims (4)

  1. 重合体微粒子の製造方法であって、
    分散重合法によりビニル単量体を重合する重合工程を有し、
    前記ビニル単量体は、当該ビニル単量体の総量に対し(メタ)アクリル酸を50質量%以上含み、
    前記重合工程における反応液中の水分量が30,000ppm以下であり、
    前記重合工程を行う反応器として撹拌槽型反応器を用い、
    前記撹拌槽型反応器の撹拌回転軸に装着される撹拌翼は、大型翼であり、
    前記撹拌翼の先端速度が1.0m/秒以下である、方法。
  2. 前記大型翼は、2段のパドル翼を有し、各パドル翼は上下方向に配置される、
    請求項1に記載の重合体微粒子の製造方法。
  3. 前記大型翼は、前記撹拌回転軸に装着される、槽径方向に延びるアーム部分と当該アーム部分から垂直下方に延びるストリップから構成される格子翼、を有する、
    請求項1に記載の重合体微粒子の製造方法。
  4. 前記重合工程において使用する重合溶媒のSP値が8.0〜13.0の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合体微粒子の製造方法。
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