JP5335214B2 - 単分散樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、単分散樹脂粒子の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、粗大粒子の少ない単分散樹脂粒子を効率よく得るための製造方法に関する。
単分散樹脂粒子を得る方法としては、一般的にシード重合法、分散重合法等が広く知られている。特に、シード重合法は、単分散性の高い樹脂粒子を得られることが、特開2005−272779号公報(特許文献1)及び特開平8−100006号公報(特許文献2)に報告されている。
特許文献1に記載された単分散樹脂粒子の製造方法は、水と乳化させた重合開始剤を含む重合性単量体を、攪拌槽内で攪拌翼を用いて攪拌しながら水性媒体中のシード粒子に吸収させてエマルションを作製した後、加熱して重合反応を行うシード重合法による製造方法であって、重合開始剤を含む重合性単量体をシード粒子に吸収させる際、攪拌翼の翼径(d1)と攪拌槽の内径(d2)の比(d1/d2)が0.5〜0.85である攪拌翼を用い、攪拌翼の周速度を0.1〜1.5m/sにして水性媒体を攪拌するとされている。
そして、特許文献1によれば、攪拌翼の翼径と攪拌の周速度を一定範囲内に制御することで、微小粒子や粗大粒子の発生を抑制し、効率的に単分散粒子を作製することができるとされている。
特許文献2に記載された単分散樹脂粒子の製造方法は、シード重合法において、重合性単量体をシード粒子に吸収させた後に、別に調製した樹脂粒子を系内に加えることにより、吸収されずに残る重合性単量体を吸収・除去するという製造方法である。この際、別に調製した樹脂粒子には、目的とする単分散樹脂粒子よりも大きな粒径を持ち、非架橋の、もしくは架橋していても細孔を持つ粒子が使用されている。
そして、特許文献2によれば、目的とする単分散樹脂粒子を確実かつ効率よく製造することができるとされている。
特開2005−272779号公報 特開平8−100006号公報
シード重合法では、目的とする粒子径が大きくなるほど、シード粒子に吸収させる重合性単量体の量はより多くなる。もしくは、多段のシード重合過程を繰り返して目的粒子径に近づけるという煩雑な工程を余儀なくされる。こういった工程を経ることで、吸収時間の長化、それによる粗大粒子の発生及び未吸収の重合性単量体の発生等により、生産性が著しく落ちるという問題点が発生する。
すなわち、特許文献1の製法によれば、10μm程度の微粒子径の比較的小さい粒子においては、その効果が発現するが、10〜50μm程度の微粒子径の比較的大きい粒子においては、上述の問題から生産性を著しく落としてしまう。
また、特許文献2の方法は、シード粒子に未吸収の重合性単量体の除去方法として有効である。しかしながら、この方法では、製造工程に微粒子除去工程を加える必要があり、それはまた粗大粒子を増加させ、後の篩分級や風力分級工程における生産効率を著しく落としてしまう。
本発明の目的は、上記問題点を解決して、シード粒子への重合性単量体の効率的な吸収が可能な単分散樹脂粒子の製造方法を提供することである。
本発明の発明者は、鋭意研究の結果、攪拌槽内に充填されている反応液(シード粒子、重合性単量体、重合開始剤、水性媒体等の混合液)の液面に対して、攪拌槽内に垂設されている攪拌翼の位置が充分に下部に存在する場合、攪拌時には液面に対して平行な流れと上下に循環する流れとが発生することを突き止め、これらの流れを調節することでシード粒子への重合性単量体の吸収効率を向上できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、シード粒子、重合性単量体、重合開始剤及び水性媒体を含む反応液を攪拌しながら重合性単量体をシード粒子に吸収させ、その後反応液を加熱して重合反応を行うシード重合法による単分散樹脂粒子の製造方法であって、
前記攪拌が、下記条件(1)〜(3):
(1)攪拌槽の中心部分に垂設された回転軸に沿って取り付けられた1枚乃至複数枚の攪拌翼を用いること、
(2)0.5〜0.85の前記攪拌翼の翼径d1と前記攪拌槽の内径d2との比d1/d2、かつ0.55〜0.80m/sの前記攪拌翼の周速度であること、
(3)1.07h1≦h1+h2≦1.5h1の前記攪拌槽の最低部から前記攪拌翼の最上部までの高さh1と、前記攪拌翼を回転させた状態での前記攪拌翼の最上部から鉛直上方の前記反応液の液面までの高さh2の関係を満たすこと
の下で行なわれることを特徴とする単分散樹脂粒子の製造方法が提供される。
本発明の製造方法によれば、重合性単量体を吸収したシード粒子及び未吸収の重合性単量体の液滴破壊を抑制できる。そのため重合性単量体のシード粒子への吸収時の攪拌をより効率的に行うことができるので、吸収を効率化できる。その結果、微小粒子及び粗大粒子を削減することが可能になる。
本発明では、単分散樹脂粒子が、シード粒子、重合性単量体、重合開始剤及び水性媒体を含む反応液を攪拌しながら重合性単量体をシード粒子に吸収させた後、反応液を加熱して重合反応を行うシード重合法により得られる。
シード粒子としては、特に限定されず、重合性単量体を吸収しうる公知の樹脂からなる粒子を使用できる。
シード粒子に使用できる樹脂としては、ポリアクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。
ポリアクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル系単量体由来の樹脂が挙げられる。ポリアクリル系樹脂は、これら単量体と共重合しうる単量体(例えば、以下のスチレン系単量体)との共重合体樹脂であってもよい。なお、(メタ)アクリルはアクリル又はメタクリルを意味する。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体等のポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、n−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、ビニルトルエン等の単量体由来の樹脂が挙げられる。ポリスチレン系樹脂は、これら単量体と共重合しうる単量体(例えば、上記(メタ)アクリル系単量体)との共重合体樹脂であってもよい。
シード粒子は、上記樹脂の複数種の混合体からなっていてもよい。
シード粒子の形状は、特に限定されないが、単分散樹脂粒子の単分散性を向上させる観点から、円筒状ないしは略球状であることが好ましい。特に、シード粒子の平均粒子径は0.1〜20μmであることが好ましい。平均粒子径がこの範囲であることで、単分散樹脂粒子の単分散性をより向上させることが可能となる。より好ましい平均粒子径は、0.4〜15μmである。
シード粒子の製造方法は、特に限定されず、公知の方法をいずれも使用できる。例えば、乳化重合法、懸濁重合法等の重合法や、押出機で溶融混練した樹脂をカットすることで造粒する方法等が挙げられる。この内、単分散樹脂粒子の単分散性を向上させる観点から、重合法が好ましい。重合法では、重合工程を一段としてもよく、所望の粒子径が得られるまで、シード粒子への重合性単量体を吸収及び重合性単量体の重合を繰り返してもよい。また、重合を繰り返す場合、各重合段階の条件(例えば、使用される重合性単量体及び重合開始剤種、攪拌条件、重合条件等)を適宜調製してもよい。
なお、シード粒子の製造に使用される重合開始剤は、特に限定されず、公知の重合開始剤をいずれも使用できる。例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パーオキソ二硫酸カリウム等の過酸化物系重合開始剤、アソビスバレロニトリル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、(2−カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤が挙げられる。
また、オクチルメルカプタンのような重合調整剤を使用してもよい。
次に、シード粒子に吸収させる重合性単量体としては、シード粒子に吸収させることができる限り、特に限定されず、公知の重合性単量体をいずれも使用できる。例えば、(メタ)アクリル系単量体、スチレン系単量体等が挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体としては、当該分野で公知のモノマーをいずれも使用できる。例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル等の単官能アクリルモノマー、1,10−デカンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、デカエチレングリコールジメタクリレート、ペンタデカエチレングリコールジメタクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジメタクリル酸フタル酸ジエチレングリコール等の多官能アクリルモノマーが挙げられる。
スチレン系単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、n−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
上記重合性単量体は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
上記重合性単量体の重合には、重合開始剤が使用できる。重合開始剤としては、上記シード粒子の製造の項にて例示した重合開始剤をいずれも使用できる。
重合開始剤は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜5重量部用いるのが好ましい。重合開始剤が0.1重量部未満では、重合開始の機能を果たし難く、また、5重量部を超えて用いる場合は、コスト的に不経済的である。
単分散樹脂粒子を着色するために、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム等の酸化金属系顔料を使用してもよい。
重合性単量体、任意に重合開始剤、及びその他の成分は、予め公知の方法により均一に混合しておいてもよい。
次に、重合性単量体をシード重合させるための水性媒体としては、水、又は水とアルコール(例えば、メタノール、エタノール)のような水溶性溶媒との混合媒体が挙げられる。水性媒体の使用量は、重合性単量体を吸収したシード粒子(単量体液滴)の安定化を図るために、通常、重合性単量体100重量部に対して、100〜1000重量部である。
また、水系での重合性単量体のみに由来する粒子の発生を抑えるために、亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類、水溶性ビタミンB類、クエン酸、ポリフェノール類等の水溶性の重合禁止剤を水性媒体に加えてもよい。
また、分散安定剤を水性媒体に添加してもよい。例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛等のピロリン酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等難水溶性無機化合物、ポリビニルアルコール等の分散安定剤が挙げられる。
また、上記分散安定剤と、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤とを併用することも可能である。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、コハクスルホン酸塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイドや、リン酸エステル系又は亜リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
これら分散安定剤や界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよいが、得られる単分散樹脂粒子の径と重合時の分散安定性を考慮して、分散安定剤の選択や使用量を適宜調整して使用される。通常、分散安定剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して、0.5〜15重量部であり、界面活性剤の添加量は、水性媒体100重量部に対して0.001〜0.1重量部である。
次に、重合性単量体をシード粒子に吸収させる。吸収時に反応液は攪拌されるが、本発明では、攪拌翼の構成、及び攪拌翼と攪拌層との位置関係を調整している。具体的には、下記条件(1)〜(3)の下で行なわれる。
(1)攪拌槽の中心部分に垂設された回転軸に沿って取り付けられた1枚乃至複数枚の攪拌翼を用いること、
(2)0.5〜0.85の前記攪拌翼の翼径d1と前記攪拌槽の内径d2との比d1/d2、かつ0.55〜0.80m/sの前記攪拌翼の周速度であること、
(3)1.07h1≦h1+h2≦1.5h1の前記攪拌槽の最低部から前記攪拌翼の最上部までの高さh1と、前記攪拌翼を回転させた状態での前記攪拌翼の最上部から鉛直上方の前記反応液の液面までの高さh2の関係を満たすこと
d1、d2、h1及びh2の具体的位置を図1に示す。図1中、1は攪拌装置、2は攪拌槽と、3は回転軸、4は攪拌翼(ここでは、いかり型攪拌翼)を意味する。
条件(1)について、回転軸に沿って攪拌翼が取り付けられていない場合、上下方向又は液面と平行な方向に複数の循環流が発生し、その循環流の交差する点において重合性単量体を吸収したシード粒子及び未吸収の重合性単量体の液滴の衝突確率が上昇する。その結果、シード粒子及び/又は液滴の合一が起こり、粗大粒子が発生することがある。攪拌翼の枚数は、本発明の効果が阻害されない限り特に限定されない。通常、1枚〜10枚程度である。ここで、中心部分とは、攪拌槽中の未攪拌の反応液の表面の中心部分を意味する。
条件(2)について、比d1/d2が上記範囲にあることで、反応液中の乱流の発生を抑制できるので、樹脂粒子の単分散性を高めることができる。より好ましい比d1/d2は、0.52〜0.70である。また、攪拌翼の周速度が上記範囲にあることで、反応液中の乱流の発生を抑制できるので、樹脂粒子の単分散性を高めることができる。より好ましい周速度は、0.6〜0.8m/sである。
条件(3)について、攪拌槽と攪拌翼とが上記関係を満たすことで、反応液中の乱流の発生を抑制できるので、樹脂粒子の単分散性を高めることができる。より好ましい関係は、1.1h1≦h1+h2≦1.3h1である。もし、攪拌翼の最上部が攪拌中に液面付近もしくは液面より上部に位置する場合には、その近傍で乱流が発生し、重合性単量体を吸収したシード粒子及び未吸収の重合性単量体が合一し、粗大粒子が発生することがある。
更に、攪拌は、攪拌槽の最低部から攪拌翼の最下部までの高さh3と、攪拌翼の翼径d1とが、0.1d1<h3<1.0d1の関係を満たす条件下で行うことが好ましい。攪拌槽と攪拌翼とが上記関係を満たすことで、反応液中の乱流の発生を抑制できるので、樹脂粒子の単分散性を高めることができる。より好ましい関係は、0.2d1<h3<0.8d1である。
上記構成及び関係を満たしさえすれば、攪拌翼及び攪拌槽の構成は特に限定されない。
攪拌翼としては、例えば、いかり型、パドル型の攪拌翼を使用できる。例えば、図2及び3に示すいかり型、図4及び5に示すパドル型の攪拌翼が好適に使用できる。攪拌槽の形状としては、例えば円筒状である。
(いかり型)
図2はいかり型攪拌翼の正面図である。図3は、図2の攪拌翼の平面図である。
攪拌翼4は、水平面に対していずれも垂直に、かつ、互いに120度の角度を置いて配設された3枚の羽根4a・4a・4aを有している。攪拌翼4の翼径はd1である。それぞれの羽根4aは正面形状が平行四辺形である。すなわち、それぞれの羽根4aは、水平面に対して30度の角度をなして外方上部へ延びる長辺部4bと、この長辺部4bから鉛直上方へ延びる短辺部4cとからなっている。
それぞれの平行四辺形羽根4aにおける回転軸3から短辺部4cまでの水平距離は(d1)/2とされている。また、短辺部4cの長さ(鉛直高さ)は0.25d1に設定されている。さらに、それぞれの羽根4aの厚さは0.03d1に設定されている。
(パドル型)
図4はパドル型攪拌翼の正面図である。図5は、図4の攪拌翼の平面図である。
攪拌翼14は、水平面に対していずれも垂直に、かつ、互いに45度の角度を置いて上下2段に配設された2枚の羽根14a・14bを有している。攪拌翼14の翼径はd1である。攪拌翼14の上側の羽根14aは、下側の羽根14bとの交差部分が一部切り欠かれた平板状のものであり、その高さは、1.09d1に設定されている。攪拌翼14の下側の羽根14bは、平板状部分と、この平板状部分の両側縁でそれぞれ外方へ後退状に折り曲げられた後退部分とからなっている。この後退部分の角度は135度にされている。下側の羽根14bの高さは、0.81d1に設定されている。
次に、重合性単量体をシード粒子に吸収させた後、反応液を加熱することにより重合性単量体を重合させる。重合反応中は、水性懸濁液を攪拌するのが好ましく、その攪拌は例えば、単量体液滴の浮上や単分散樹脂粒子の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。
重合性単量体の重合温度は30〜100℃程度にするのが好ましく、更に好ましくは、40〜80℃程度である。そしてこの重合温度を保持する時間としては、0.1〜20時間程度が好ましい。
なお、重合性単量体の沸点が重合温度付近又は重合温度以下である場合には、重合性単量体が揮発しないように、オートクレーブ等の耐圧重合設備を使用して、密閉下あるいは加圧下で重合させるのが好ましい。
重合後、粒子を吸引ろ過、遠心脱水、遠心分離、加圧脱水等の方法により固形分として分離し、更に、得られた固形分を乾燥して目的の単分散樹脂粒子を得ることができる。ここで、単分散樹脂粒子の平均粒子径は、重合性単量体と水性媒体との混合条件、分散安定剤や界面活性剤等の添加量及び上記攪拌機の攪拌条件、分散条件により調整できる。
本発明によれば、単分散性が高く、粗大粒子の少ない樹脂粒子が得られる。例えば、変動係数が15%以下、かつ粗大粒子の割合(定義は実施例に記載)を15%以下の単分散樹脂粒子を得ることができる。その結果、分級工程を省略できるので、工業上のメリットは大きい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。なお、実施例中のシード粒子の平均粒子径、単分散樹脂粒子の平均粒子径、変動係数及び粗大粒子の割合は以下の方法によって測定する。
(シード粒子の平均粒子径)
シード粒子の平均粒子径の測定は、レーザー回折散乱粒子径分布測定法にて行う。具体的には、シード粒子0.1gを0.1%ノニオン界面活性剤溶液10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、これをレーザー回折散乱粒子径分布測定装置(ベックマンコールター社製:LS230)に投入して粒子に光を当てて、その回折/散乱光の強度パターンから平均粒子径を測定する。
(単分散樹脂粒子の平均粒子径、変動係数、粗大粒子の割合)
測定方法はCoulter Electronics Limited発行のReference MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、50μmアパチャーを用いてキャリブレーションを行う方法とする。測定には、精密粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製:コールターマルチサイザーII)を用いる。
具体的には、樹脂粒子0.1gを0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、これを本体備え付けのISOTON II(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にマルチサイザーII本体にアパチャーサイズ50μm、Currentを800、Gainを4、Polarityを+と入力してmanualで測定を行う。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、樹脂粒子を10万個測定した点で測定を終了する。体積加重の平均径(体積%モードの算術平均径:体積メヂアン径)を樹脂粒子の平均粒子径(X)として算出する。
変動係数(Cv値)とは標準偏差(σ)及び上記平均粒子径(x)から以下の式により算出された値である。
Cv値(%)=(σ/x)×100
また、粗大粒子の割合は、平均粒子径より5μm以上大きい粒子の割合を意味する。
(シード粒子の製造例)
純水276g中に重合性単量体としてメタクリル酸エチル52gとオクチルメルカプタン10.4gを投入して、55℃まで昇温した。その後、ペルオキソ二硫酸カリウム2.6gを純水100gに溶解したものを添加して窒素パージした。その後、55℃で12時間重合を行い、平均粒子径0.75μmの一次シード粒子をスラリーの状態で得ることができた。
重合性単量体としてメタクリル酸メチル800gを用い、これに重合開始剤として2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.8gを溶解し、得られた単量体混合物を界面活性剤としてコハクスルホン酸ナトリウム4gが含まれたイオン交換水800gと3L容器で混合してT.K.ホモミキサー(特殊機化工業社製)にて8000rpmで10分間処理して乳化液を得た。この乳化液に前記一次シード粒子のスラリー50gを加えて、この混合液を0.9h1<h1+h2で周速度0.65m/sにて6hr攪拌した。光学顕微鏡にて、乳化液中の単量体は完全にシード粒子に吸収されていることを認めた。その後、この分散液と分散安定剤としてポリビニルアルコール(クラレ社製PVA 224E)40gの水溶液2300gとを5Lオートクレーブに入れ、攪拌しながら60℃で8時間重合を行い、平均粒子径3.5μmの二次シード粒子をスラリーの状態で得ることができた。
重合性単量体としてメタクリル酸メチル800gを用い、これに重合開始剤として2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.8gを溶解し、得られた単量体混合物を界面活性剤としてコハクスルホン酸ナトリウム4gが含まれたイオン交換水800gと3L容器で混合してT.K.ホモミキサー(特殊機化工業社製)にて8000rpmで10分間処理して乳化液を得た。この乳化液に前記二次シード粒子のスラリー320gを加えて、この混合液を1.05h1<h1+h2で周速度0.65m/sにて12hr攪拌した。光学顕微鏡にて、乳化液中の単量体は完全にシード粒子に吸収されていることを認めた。その後、この分散液と分散安定剤としてポリビニルアルコール(クラレ社製PVA 224E)40gの水溶液2300gとを5Lオートクレーブに入れ、攪拌しながら60℃で8時間重合を行い、平均粒子径8.1μmの三次シード粒子をスラリーの状態で得ることができた。
(実施例1)
1L容器にイオン交換水152g、コハクスルホン酸ナトリウム0.95gを添加した。これにメタアクリル酸メチル137gとエチレングリコールジメタクリレート15.2gを添加し、重合開始剤としてアゾビスバレロニトリル0.2g及び過酸化ベンゾイル0.2gを加えた。これを高速攪拌機(T.K.ホモミキサー)で8000rpmで10分間攪拌を行いエマルションを得た。これに、前記三次シード粒子のスラリーを4.0g添加してh1+h2=1.11h1で周速度0.65m/sにて48時間室温で攪拌を行った(h3=0.40d1)。この時、攪拌は図2及び3に示すいかり型攪拌翼を使用し、d1/d2=0.65であった。1Lオートクレーブでイオン交換水456gにポリビニルアルコール40gを溶解させ、亜硝酸ナトリウム0.12gを添加した。ここに前記エマルションを添加して、60℃で7時間重合を行った。その後、ろ過により固体を得、水5Lで洗浄を行った後に固形分を取り出し、真空乾燥機で12時間乾燥を行うことで、粒度分布のシャープな真球状の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒度分布を測定したところ、平均粒子径が50.5μmで変動係数(CV値)が9.5%であり、粒径が非常に良く揃っている単分散樹脂粒子であることが分かった。
(実施例2)
h1+h2=1.13h1で周速度0.79m/sにて攪拌すること以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒度分布を測定したところ、平均粒子径が51.2μmで変動係数(CV値)が11.2%であり、粒径が非常に良く揃っている単分散樹脂粒子であることが分かった。
(実施例3)
1L容器にイオン交換水290g、コハクスルホン酸ナトリウム1.71gを添加した。これにメタアクリル酸メチル247gとエチレングリコールジメタクリレート27.4gを添加し、重合開始剤としてアゾビスバレロニトリル0.36g及び過酸化ベンゾイル0.36gを加えた。これを高速攪拌機(T.K.ホモミキサー)で8000rpmで10分間攪拌を行いエマルションを得た。これに、前記三次シード粒子のスラリーを7.2g添加してh1+h2=1.50h1で周速度0.63m/sにて48時間室温で攪拌を行った(h3=1.00d1)。この時、攪拌は図2及び3に示すいかり型攪拌翼を使用し、d1/d2=0.52であった。2Lオートクレーブでイオン交換水820.8gにポリビニルアルコール72gを溶解させ、亜硝酸ナトリウム0.22gを添加した。ここに前記エマルションを添加して、60℃で7時間重合を行った。その後ろ過により固体を得、水5Lで洗浄を行った後に固形分を取り出し、真空乾燥機で12時間乾燥を行うことで、粒度分布のシャープな真球状の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒度分布を測定したところ、平均粒子径が49.8μmで変動係数(CV値)が10.3%であり、粒径が非常に良く揃っている単分散樹脂粒子であることが分かった。
(実施例4)
1L容器にイオン交換水106g、コハクスルホン酸ナトリウム0.67gを添加した。これにメタアクリル酸メチル130gとエチレングリコールジメタクリレート14.4gを添加し、重合開始剤としてアゾビスバレロニトリル0.14g及び過酸化ベンゾイル0.14gを加えた。これを高速攪拌機(T.K.ホモミキサー)で8000rpmで10分間攪拌を行いエマルションを得た。これに、前記三次シード粒子のスラリーを2.8g添加してh1+h2=1.50h1で周速度0.63m/sにて48時間室温で攪拌を行った(h3=0.10d1)。この時、攪拌は図2及び3に示すいかり型攪拌翼を使用し、d1/d2=0.52であった。1Lオートクレーブでイオン交換水320gにポリビニルアルコール28gを溶解させ、亜硝酸ナトリウム0.09gを添加した。ここに前記エマルションを添加して、60℃で7時間重合を行った。その後ろ過により固体を得、水5Lで洗浄を行った後に固形分を取り出し、真空乾燥機で12時間乾燥を行うことで、粒度分布のシャープな真球状の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒度分布を測定したところ、平均粒子径が51.2μmで変動係数(CV値)が8.9%であり、粒径が非常に良く揃っている単分散樹脂粒子であることが分かった。
(実施例5)
1L容器にイオン交換水304g、コハクスルホン酸ナトリウム1.9gを添加した。これにメタアクリル酸メチル274gとエチレングリコールジメタクリレート30.4gを添加し、重合開始剤としてアゾビスバレロニトリル0.4g及び過酸化ベンゾイル0.4gを加えた。これを高速攪拌機(T.K.ホモミキサー)で8000rpmで10分間攪拌を行いエマルションを得た。これに、前記三次シード粒子のスラリーを8.0g添加してh1+h2=1.10h1で周速度0.60m/sにて48時間室温で攪拌を行った(h3=0.10d1)。この時、攪拌は図4及び5に示すパドル型攪拌翼を使用し、d1/d2=0.59であった。1Lオートクレーブでイオン交換水456gにポリビニルアルコール40gを溶解させ、亜硝酸ナトリウム0.12gを添加した。ここに前記エマルションの合計量の1/2を添加して、60℃で7時間重合を行った。その後ろ過により固体を得、水5Lで洗浄を行った後に固形分を取り出し、真空乾燥機で12時間乾燥を行うことで、粒度分布のシャープな真球状の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒度分布を測定したところ、平均粒子径が49.6μmで変動係数(CV値)が8.4%であり、粒径が非常に良く揃っている単分散樹脂粒子であることが分かった。
(比較例1)
h1+h2=1.11h1で周速度0.52m/sにて攪拌を行うこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒度分布を測定したところ、平均粒子径が52.1μmで変動係数(CV値)が11.0%であったが、粗大粒子が多く存在していた。
(比較例2)
1L容器にイオン交換水304g、コハクスルホン酸ナトリウム1.9gを添加した。これにメタアクリル酸メチル274gとエチレングリコールジメタクリレート30.4gを添加し、重合開始剤としてアゾビスバレロニトリル0.4g及び過酸化ベンゾイル0.4gを加えた。これを高速攪拌機(T.K.ホモミキサー)で8000rpmで10分間攪拌を行いエマルションを得た。これに、前記三次シード粒子のスラリーを8.0g添加してh1+h2=1.05h1で周速度0.65m/sにて48時間室温で攪拌を行った(h3=0.40d1)。この時、攪拌は図4及び5に示すパドル型攪拌翼を使用し、d1/d2=0.65であった。1Lオートクレーブでイオン交換水456gにポリビニルアルコール40gを溶解させ、亜硝酸ナトリウム0.12gを添加した。ここに前記エマルションの合計量の1/2を添加して、60℃で7時間重合を行った。その後ろ過により固体を得、水5Lで洗浄を行った後に固形分を取り出し、真空乾燥機で12時間乾燥を行うことで、粒度分布のシャープな真球状の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒度分布を測定したところ、平均粒子径が48.7μmで変動係数(CV値)が10.6%であったが、粗大粒子が多く存在していた。
(比較例3)
d1/d2=0.49、h1+h2=1.10h1、h3=0.52d1、周速度0.50m/sにて攪拌を行うこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒度分布を測定したところ、平均粒子径が52.1μmで変動係数(CV値)が11.0%であったが、粗大粒子が多く存在していた。
(比較例4)
d1/d2=0.86、h1+h2=1.10h1、h3=0.29d1、周速度0.88m/sにて攪拌を行うこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒度分布を測定したところ、平均粒子径が51.6μmで変動係数(CV値)が12.8%であったが、粗大粒子が多く存在していた。
(比較例5)
h1+h2=1.15h1で周速度0.89m/sにて攪拌を行うこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒度分布を測定したところ、平均粒子径が50.7μmで変動係数(CV値)が11.9%であったが、粗大粒子が多く存在していた。
(比較例6)
d1/d2=0.59の図4及び5に示すパドル型の攪拌翼を使用し、h1+h2=1.13h1、h3=0.10d1、周速度0.82m/sにて攪拌を行うこと以外は実施例と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒度分布を測定したところ、平均粒子径が50.7μmで変動係数(CV値)が13.0%であったが、粗大粒子が多く存在していた。
実施例及び比較例で使用した攪拌翼種、h1+h2とh1との関係、d1/d2、周速度、粗大粒子の割合、h3とd1との関係をまとめて表1に示す。
Figure 0005335214
実施例1〜5によれば、0.5〜0.85の範囲の比d1/d2、0.55〜0.80m/sの周速度、1.07h1≦h1+h2≦1.5h1の関係を有することで、粗大粒子の少ない単量体樹脂粒子が得られることが分かる。
比較例3と4によれば、比d1/d2が上記範囲以外であれば、粗大粒子の割合が増加することが分かる。
比較例1と4〜6によれば、周速度が上記範囲以外であれば、粗大粒子の割合が増加することが分かる。
比較例2によれば、h1とh2との関係が上記範囲以外であれば、粗大粒子の割合が増加することが分かる。
攪拌装置の概略図である。 攪拌翼の概略正面図である。 図2の攪拌翼の概略平面図である。 攪拌翼の概略正面図である。 図4の攪拌翼の概略平面図である。
符号の説明
1 攪拌装置
2 攪拌槽
3、13 回転軸
4、14 攪拌翼
4a、14a、14b 羽根
4b 長辺部
4c 短辺部

Claims (2)

  1. シード粒子、重合性単量体、重合開始剤及び水性媒体を含む反応液を攪拌しながら重合性単量体をシード粒子に吸収させ、その後反応液を加熱して重合反応を行うシード重合法による単分散樹脂粒子の製造方法であって、
    前記攪拌が、下記条件(1)〜(3):
    (1)攪拌槽の中心部分に垂設された回転軸に沿って取り付けられた1枚乃至複数枚の攪拌翼を用いること、
    (2)0.5〜0.85の前記攪拌翼の翼径d1と前記攪拌槽の内径d2との比d1/d2、かつ0.55〜0.80m/sの前記攪拌翼の周速度であること、
    (3)1.07h1≦h1+h2≦1.5h1の前記攪拌槽の最低部から前記攪拌翼の最上部までの高さh1と、前記攪拌翼を回転させた状態での前記攪拌翼の最上部から鉛直上方の前記反応液の液面までの高さh2の関係を満たすこと
    の下で行なわれることを特徴とする単分散樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記攪拌は、前記攪拌槽の最低部から前記攪拌翼の最下部までの高さh3と、前記攪拌翼の翼径d1とが、0.1d1<h3<1.0d1の関係を満たす条件下で行われる請求項1に記載の単分散樹脂粒子の製造方法。
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