JP6954881B2 - ダンパマウント - Google Patents

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Description

本発明は、車両のサスペンションダンパを構成するダンパマウントに関する。
例えば、特許文献1には、ボディタイヤハウスの上壁に対し、ダンパのアッパブラケット(ダンパマウント)を、ボルト及びナットを介して取り付ける構造が開示されている。
特開2002−19440号公報
ところで、雨天時の車両走行や結露によってエンジンルーム内に水(水分)が進入する場合がある。この場合、エンジンルーム内に進入した水(水分)がダンパマウント上に溜まり、腐蝕するおそれがある。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、水が溜まらないように排水性を向上させることが可能なダンパマウントを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、車両のサスペンションダンパを構成するダンパマウントであって、外周部を有する基体と、前記基体の外周部から突出して設けられ、車体に対して取り付けられる取付部と、前記基体の外周部から半径外方向に向かって膨出すると共に、前記基体の外周部の上部から前記取付部まで延在する複数のリブと、を備え、前記基体と前記取付部との境界部位には、流路形成凹部が設けられ、前記流路形成凹部は、前記複数のリブのうち、中央に位置するリブから隣接する左右のリブに至るように連続して設けられていることを特徴とする。
本発明では、水が溜まらないように排水性を向上させることが可能なダンパマウントを得ることができる。
本発明の実施形態に係るダンパマウントが組み込まれたサスペンションダンパの分解斜視図である。 図1に示すダンパマウントの斜視図である。 図2に示すダンパマウントの平面図である。 図3の矢印Y方向からみた矢視側面図である。 図3のV−V線に沿った拡大縦断面図である。 第1窪み部から流路形成凹部の終端部に至る仮想線X2、X3と、基体の中心Oを通る水平軸Hとの関係を示す説明図である。 流路形成凹部に沿って水が流通する状態を斜め上方からみた説明図である。 流路形成凹部に沿って水が流通する状態を上方からみた説明図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るダンパマウントが組み込まれたサスペンションダンパの分解斜視図、図2は、図1に示すダンパマウントの斜視図、図3は、図2に示すダンパマウントの平面図、図4は、図3の矢印Y方向からみた矢視側面図、図5は、図3のV−V線に沿った拡大縦断面図、図6は、第1窪み部から流路形成凹部の終端部に至る仮想線X2、X3と、基体の中心Oを通る水平軸Hとの関係を示す説明図である。
なお、各図中に矢印で示される、「前後」及び「上下」は、車両の前後方向及び上下方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向(車幅方向)をそれぞれ示している。
図1に示されるように、サスペンションダンパ10は、コイルスプリングからなるダンパスプリング12によって囲繞されたダンパ本体14と、ダンパ本体14の上部に配置されたダンパマウント16とを備えて構成されている。
ダンパ本体14は、ダンパチューブ18と、ダンパチューブ18内に収装されたピストンロッド20と、ダンパスプリング12の上端部が圧接する上スプリングシート22、ダンパスプリング12の下端部が圧接する下スプリングシート24等を有する。
なお、本実施形態では、ダンパチューブ18とダンパスプリング12とが略同軸に配置されたサスペンションダンパ10をその一例として説明しているが、これに限定されるものではない。ダンパマウント16を、例えば、ダンパチューブ18とダンパスプリング12とが異軸に並設された図示しないサスペンションダンパにも適用することが可能である。
図2〜図4に示されるように、ダンパマウント16は、基体26と、取付部28と、第1〜第3リブ30a〜30cと、流路形成凹部32とを有する。
基体26は、外周部34を有する有底円筒状を呈し、ダンパ本体14(ピストンロッド20)の上端部に連結されている(図1参照)。基体26の上面部36は、平面視して円形状に形成されている(図3、図4参照)。
図2に示されるように、基体26の外周部34には、基体26から互いに反対方向に向かって突出する一対の取付部28が設けられている。各取付部28は、平面視して略三角形状を呈する平板体からなり、基体26の外周部34から外部に向かって突出して設けられている。各取付部28には、貫通するボルト挿通孔38が形成され、このボルト挿通孔38に挿通されるボルト40及びナット41を介してストラットタワー(車体)42(図1参照)に対して取り付けられている。なお、各取付部28は、平面視して略三角形状に限定されるものではなく、例えば、平面視して四角形状であってもよい。
図4に示されるように、各取付部28の上面29を通る仮想線X1は、側面視して、基体26の軸線A(後記する中心軸Aと同じ)に対して所定角度θだけ傾斜するように設けられている。すなわち、各取付部28の上面29を通る仮想線X1は、第1リブ30aを有する側から第1リブ30aの反対側の外周部34aに向かって立ち下がるように傾斜している(図4参照)。これにより、取付部28の上面29は、第1リブ30aを有する側から第1リブ30aの反対側の外周部34aに向かって傾斜する傾斜面で形成されている(図4参照)。
図2に示されるように、複数のリブは、基体26の外周部34から半径外方向に向かって膨出すると共に、基体26の外周部34の上部から取付部28まで延在している。複数のリブは、中央に位置する第1リブ30aと、第1リブ30aを間にした周方向の左右両側にそれぞれ配置される第2リブ30b及び第3リブ30cとを有する。なお、本実施形態では、複数のリブとして第1〜第3リブ30a〜30cを例示しているが、これに限定されるものではない。
図2に示されるように、第1リブ30aは、平面視して略半円状を呈し(図3参照)、基体26の上面部36のやや下方の外周部34から膨出する頂部44と、頂部44から取付部28側に向かって下降する第1稜線部46と、頂部44から徐々に幅広となる裾部48とを有している。なお、第1リブ30aは、平面視して略半円状に限定されるものではなく、例えば、平面視して略三角形状であってもよい。
図2に示されるように、第2リブ30bは、平面視して略二等辺三角形状を呈し(図3参照)、基体26の上面部36のやや下方の外周部34から膨出する頂部50と、頂部50から取付部28側に向かって下降する第2稜線部52と、第1リブ30aの裾部48よりも外周部34の周方向に沿って拡幅された幅広裾部54とを有する。
第3リブ30cは、例えば、その一例として、第2リブ30bと互いに対称となるように形成されている。図2に示されるように、第3リブ30cは、平面視して略二等辺三角形状を呈し(図3参照)、基体26の上面部36のやや下方の外周部34から膨出する頂部56と、頂部56から取付部28側に向かって下降する第3稜線部58と、第1リブ30aの裾部48よりも周方向に沿って拡幅された幅広裾部60とを有する。なお、第2リブ30b、第3リブ30cは、平面視して略二等辺三角形状に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。
流路形成凹部32は、基体26と、取付部28の上面29側との境界部位に設けられている。この流路形成凹部32は、中央に位置する第1リブ30aから隣接する左右の第2リブ30b及び第3リブ30cに至るように連続して設けられている。
第1〜第3リブ30a〜30cと各取付部28との間の交差部位には、一般部62と比較して取付部28の下面31側に向かって窪む複数の窪み部が設けられている。複数の窪み部は、第1〜第3リブ30a〜30cにそれぞれ近接配置された第1〜第3窪み部64a〜64cで構成されている。流路形成凹部32は、第1〜第3窪み部64a〜64cをそれぞれ繋いで設けられている。
図6に示されるように、中央に位置する第1リブ30aに近接する第1窪み部64aから流路形成凹部32の終端部66に至る仮想線X2は、基体26の中心Oを通る水平軸Hに対して傾斜(交差)している。すなわち、第1窪み部64a、第2窪み部64b、及び、流路形成凹部32の一方の終端部66を結ぶ仮想線X2は、基体26の中心を通る水平軸Hに対して傾斜(交差)している。また、第1窪み部64a、第3窪み部64c、及び、流路形成凹部32の他方の終端部66を結ぶ仮想線X3は、基体26の中心を通る水平軸Hに対して傾斜(交差)している。
なお、図5に示されるように、流路形成凹部32の底面部68は、基体26の軸線Aに対し所定角度θだけ傾斜する各取付部28の上面29と略平行に形成され、基体26の外周部34に向かって立ち下がる傾斜面で形成されている。
また、本実施形態では、図1に示されるように、第1〜第3リブ30a〜30cを、車幅方向外側に向けて配置した場合をその一例として示しているがこれに限定されるものではない。第1〜第3リブ30a〜30cを、車幅方向内側に向けて配置する場合や、車両前方又は車両後方に向けて配置する等、基体26の外周部34の全周に沿って任意の位置に配置することが可能である。
本実施形態に係るダンパマウント16が組み込まれたサスペンションダンパ10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
図7及び図8は、流路形成凹部に沿って水が流通する状態を示す説明図である。なお、図7及び図8において、太線矢印は、水の流通方向(排水方向)を示している。
本実施形態では、基体26と各取付部28との境界部位に、流路形成凹部32を設けている。この流路形成凹部32は、中央に位置する第1リブ30aから隣接する左右の第2リブ30b及び第3リブ30cに至るように連続して設けられている。
これにより、本実施形態では、例えば、雨天時の車両走行や結露によってエンジンルーム内に水(水分)が進入した場合や、車下底面側(足廻り側)から水(水分)が進入した場合であっても、水(水分)を流路形成凹部32に沿って流通させ(図7、図8参照)、ダンパマウント16から外部に排出することができ、排水性を向上させることができる。この結果、本実施形態では、エンジンルーム内に進入した水(水分)が各取付部28の上面29に溜まることを回避して腐蝕することを好適に防止することができる。
本実施形態では、基体26の外周部34に第1〜第3リブ30a〜30cを設けた場合であっても、リブを設けることにより発生する窪みや、隣接するリブ間の空間に水(水分)が溜まることを回避して腐蝕することを好適に防止することができる。
また、本実施形態では、各第1〜第3リブ30a〜30cと取付部28との間の交差部位に、第1〜第3窪み部64a〜64cがそれぞれ設けられ、流路形成凹部32は、第1〜第3窪み部64a〜64cをそれぞれ繋いで設けられている。
これにより、本実施形態では、第1〜第3窪み部64a〜64cを繋いで設けられた流路形成凹部32に沿って水(水分)を外部に向かって円滑に排出することができる。
さらに、本実施形態では、各取付部28の上面29を通る仮想線(X1)が、基体26の軸線(A)に対して角度θだけ傾斜するように設けられている(図4参照)。中央に位置する第1リブ30aに近接する第1窪み部64aから流路形成凹部32の終端部66に至る仮想線(X2、X3)は、基体26の中心を通る水平軸(H)に対して傾斜している(図6参照)。
本実施形態では、基体26の軸線(A)に対し、各取付部28の上面29を通る仮想線(X1)を所定角度だけ傾斜させることで、流路形成凹部32に沿って流通する水(水分)を取付部28の上面29の傾斜下方に流すことができる。これにより、取付部28の上面29に溜まった水(水分)の排水性をより一層向上させることができる。
本実施形態では、第1窪み部64aから流路形成凹部32の終端部66に至る仮想線(X2、X3)を、基体26の中心を通る水平軸(H)に対して傾斜させることで、流路形成凹部32に沿って流通する水(水分)の流れを促進することができる。
10 サスペンションダンパ
16 ダンパマウント
26 基体
28 取付部
29 (取付部の)上面
30a 第1リブ(中央に位置するリブ)
30b 第2リブ(右のリブ)
30c 第3リブ(左のリブ)
32 流路形成凹部
42 ストラットタワー(車体)
64a 第1窪み部
64b 第2窪み部
64c 第3窪み部
66 (流路形成凹部の)終端部
X1〜X3 仮想線
H 水平軸

Claims (3)

  1. 車両のサスペンションダンパを構成するダンパマウントであって、
    外周部を有する基体と、
    前記基体の外周部から突出して設けられ、車体に対して取り付けられる取付部と、
    前記基体の外周部から半径外方向に向かって膨出すると共に、前記基体の外周部の上部から前記取付部まで延在する複数のリブと、
    を備え、
    前記基体と前記取付部との境界部位には、流路形成凹部が設けられ、
    前記流路形成凹部は、前記複数のリブのうち、中央に位置するリブから隣接する左右のリブに至るように連続して設けられていることを特徴とするダンパマウント。
  2. 請求項1記載のダンパマウントにおいて、
    前記各リブと前記取付部との間の交差部位には、窪み部が複数設けられ、
    前記流路形成凹部は、前記複数の窪み部を繋いで設けられていることを特徴とするダンパマウント。
  3. 請求項2記載のダンパマウントにおいて、
    前記取付部の上面を通る仮想線(X1)は、前記基体の軸線(A)に対して角度θだけ傾斜するように設けられ、
    前記中央に位置するリブに近接する前記窪み部から前記流路形成凹部の終端部に至る仮想線(X2、X3)は、前記基体の中心を通る水平軸(H)に対して傾斜していることを特徴とするダンパマウント。
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