JP3846658B2 - 車両用フューエルタンクの構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用フューエルタンクの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、四輪車のフューエルタンクは、主として、周辺フランジ部が互いに接合されて外殻を形成するアッパパネルおよびロアパネルと、内部に配置されるサブタンクと、燃料をタンクからエンジンに送るフューエルポンプとにより構成されている。このうち、サブタンクは、燃料の液面が車両加速度により傾いても、常に所定高さの液面を保持して燃料の吸い上げ不良を防止し、燃料が少なくなった時のフューエルポンプ吸入口の燃料確保を行うために設けられるカップ状の容器である。
このようなサブタンクの固定方法には、例えば、図22に示す如く、フューエルタンクを構成するロアパネル51の内部にサブタンク52を配置し、該サブタンク52の底面をロアパネル51の底面にスポット溶接Wで結合させることにより固定するタイプがある。
【0003】
ところで、上記フューエルタンクのロアパネル51およびサブタンク52は、図23〜図26の矢印で示す如く、実車走行時において燃料により上下、前後、左右の全ての方向から力を受けることになる。このうち、特にロアパネル51とサブタンク52の結合部には、ラフロード走行時に発生する上下荷重と、加速・減速時に発生する前後荷重が著しく作用する。このような方向の荷重を受けると、ロアパネル51とサブタンク52は、図中の鎖線で示すように変形することになる。このため、従来では、フューエルタンクに上下荷重や前後荷重に耐え得る強度も持たせる必要から、ロアパネル51およびサブタンク52の板厚を増大させたり、サブタンク52の左右両側部にステー53や横波防止板(図示せず)を追加したり、あるいはロアパネル51に設けた前後方向へ延びるリブ(ビード)54の上にサブタンク52をスポット溶接Wで固定したりしている。
【0004】
一方、上記ロアパネル51の変形モードは、サブタンク52が当該ロアパネル51の中央に配置されるタイプと、その片側に寄せて配置されるタイプとでは異なっている。すなわち、中央配置タイプでは、図24に示す如く、上下荷重時にロアパネル51が均等に沈み込むが、片側寄り配置タイプでは、サブタンク52を配置していない側のみのロアパネル51が極端に沈み込む場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両用フューエルタンクの構造では、上下および前後方向の荷重に対して剛性を高めるべく、ロアパネル51およびサブタンク52の板厚増大や、ステー53および横波防止板(図示せず)の追加を行っているので、部品点数および作業工数が増加し、これによって重量増大とコスト高を招来するという不具合を有していた。また、従来のフューエルタンクの構造では、サブタンク52をロアパネル51の片側に寄せて配置した場合、ロアパネル51のサブタンク52側はこのサブタンク自身の剛性があることから、サブタンク52が配置されない側と比べて剛性が高く、ロアパネル51全体の剛性バランスが悪くなる。このため、サブタンク52は、ロアパネル51の当該サブタンク52が配置されていない側の沈み込みにより下方へ引っ張られてしまい、その機能が果たせなくなるおそれがあった(図25参照)。
【0006】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、サブタンクをロアパネルの片側に寄せて配置した場合でも、ロアパネル全体の剛性を均一化し、ロアパネルおよびサブタンクに作用する応力を分散できる上、ロアパネルおよびサブタンク全体の板厚を増大させなくとも必要な剛性を確保することが可能な車両用フューエルタンクの構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明においては、フューエルタンクの内部であって、該フューエルタンクを構成するロアパネルの中央部から長手方向へずれた片側位置にサブタンクが配置され、前記ロアパネルの幅方向に沿って複数の第1リブが前記ロアパネルの底面部に設けられた車両用フューエルタンクの構造において、前記フューエルタンクの長手方向で、前記サブタンクが配置されていない側のロアパネルの底面部に、上下いずれかの方向へ突出する凹形状の第2リブを長手方向に沿って設けるとともに、該第2リブの高さを前記サブタンクへ向かうに従って徐々に大きく形成し、前記フューエルタンクの長手方向で、前記サブタンクが配置されていない側のロアパネルには、一端が前記サブタンクの側壁面に取付けられ、他端が前記ロアパネルの側壁面付近まで延び、かつ下端を長手方向に沿って直角に折曲げた下部フランジが前記ロアパネルの底面に取付けられ、断面略コ字状の長手方向に沿った閉断面部を備えた第1補強部材が設けられ、前記フューエルタンクの長手方向で、前記サブタンクが配置されている側のロアパネルには、垂直片部が前記サブタンクの側壁面に取付けられ、かつ水平片部が前記ロアパネルの底面に取付けられ、前記サブタンクと前記ロアパネルとを連結する断面L字状の第2補強部材が設けられている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1〜図4は本発明に係る車両用フューエルタンクの構造の第1実施形態を示している。図における四輪自動車1の車体前部にはエンジン2が配設され、車体後部には燃料を貯蔵するフューエルタンク3が配設されており、このフューエルタンク3内の燃料は、フューエルポンプ4による作用でフューエルパイプ5およびフューエルフィルタ6を介してエンジン2に送給されるようになっている。
しかして、フューエルタンク3は、重ね合わせた周辺フランジ部7a,8aが互いに接合されて外殻を形成する断面キャップ状のアッパパネル7およびロアパネル8と、内部に配置されるキャップ状容器のサブタンク9とをそれぞれ備えており、寸法の大きい長手方向が車体左右方向に沿って配置され、寸法の小さい幅方向が車体前後方向に沿って配置されている。
【0010】
上記サブタンク9は、図2および図3に示す如く、フューエルポンプ4の吸入口の設置関係等でロアパネル8の中央部からずれた片側位置に寄せて配置されており、燃料が少なくなった時のフューエルポンプ4の吸入口における燃料を確保すべく設けられている。このため、サブタンク9が配置される箇所のロアパネル8の底面部8bには、これを補強する複数本(図中では3本)の第1リブ(ビード)10が前後壁側面部8c,8dに至る幅方向に沿って設けられており、サブタンク9は、底面部9aを第1リブ10の上部にスポット溶接Wにて接合することにより固定されている。
しかも、これら第1リブ10は、フューエルタンク3の長手方向へ間隔を置いて配設され、ロアパネル8の底面部8bよりも上方へ突出するようにそれぞれ設けられている。
【0011】
また、上記フューエルタンク3の長手方向のうち、図中左側に位置するサブタンク9が配置されていない側はそれが配置されている右側と比べてスペースが広くなっている。そして、サブタンク9が配置されていない側のロアパネル8の底面部8bには、凹形状に形成された複数本(図中では2本)の第2リブ(ビード)11が設けられている。これら第2リブ11は、ロアパネル8の左側側壁面部8eからサブタンク9へわたって設けられ、フューエルタンク3の幅方向へ間隔を置いて配設されており、ロアパネル8の底面部8bよりも下方へ突出するようにそれぞれ設けられている。
【0012】
また、上記第2リブ11は、高さ(深さ)Hがサブタンク9へ向かうに従って(図3の矢印B方向)徐々に大きく形成されている。すなわち、第2リブ11がないときのロアパネル8の剛性は、壁面部に近い方が平面部より高いことから、左側側壁面部8e側が大きくて、サブタンク9側が小さくなっている。一方、上記第2リブ11によりリブ高さが高い平面部はより剛性が大きくなるので、結果として左側側壁面部8e側からサブタンク9側にかけてのロアパネル8の剛性が均一化されることになる。
【0013】
本発明の実施の形態に係るフューエルタンク3の構造においては、サブタンク9が配置されていない側のロアパネル8の底面部8bに2本の第2リブ11を設けるとともに、該第2リブ11をその高さHがロアパネル8の左側側壁面部8eからサブタンク9へ向かうに従って徐々に大きくなるように形成し、第2リブ11によってロアパネル8の剛性が小さい箇所に対して剛性を補強するようにしているため、ロアパネル8の剛性をサブタンク9が配置されている側と同等とし、図4の鎖線で示す如く、上下荷重によるロアパネル8の沈み込みを均等にすることができる。
【0014】
図5および図6は本発明に係る車両用フューエルタンクの構造の第2実施形態を示しており、上記した第1実施形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
ロアパネル8の底面部8bに設けられた第1リブ10の上部とサブタンク9の底面部9aとのスポット溶接Wによる溶接打点のうち、サブタンク9が配置されない側の溶接打点W1 は、ロアパネル8の幅方向で外側に位置する4点が台形を形成し、その内側がトラスト構造を構成するとともに、正逆向きの正三角形となるように配列されている。
【0015】
本発明の実施の形態に係るフューエルタンク3の構造においては、前後方向荷重にてサブタンク9が変形し、それに伴ってサブタンク9により引っ張られる側の溶接打点に荷重が交互に著しく作用しても、サブタンク9が配置されない側の溶接打点W1 を特殊な形状に配列しているため、この部分に作用する荷重を線による分担ではなく、面による分担で行うことが可能となり、当該溶接打点W1 に発生する応力を分散させることができる。
【0016】
図7〜図9は本発明に係る車両用フューエルタンクの構造の第3実施形態を示しており、上記した第1実施形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。なお、図8において破線はサブタンク9の設計領域、Dは各楕円弧の中心を示しており、図9においてhはロアパネル8の底面部8bからサブタンク9の上端までの高さを示している。
燃料Gがフューエルタンク3に全部(Full)または半分(Half)程度入っていても、サブタンク9が受ける力は、サブタンク9の高さhまでの燃料Gの動きで決定される。したがって、このフューエルタンク3を構成するロアパネル8を上方から見ると、図7中+X,−X,+Y,−Yの領域の燃料Gの動きに注目すれば良い。
そこで、この異なる領域に対して、サブタンク9の各辺の平面部▲1▼〜▲4▼は、サブタンク9の各辺とこれら各辺と対向するロアパネル8の辺とによって形成される四角形の面積がほぼ同一となるように設定されている。また、隣合う各辺の平面部▲1▼〜▲4▼は、中心Dの楕円弧状の曲面▲5▼〜▲8▼でそれぞれ接続され、各平面部▲1▼〜▲4▼の接続部分に力が加わらないように構成されている。
【0017】
このため、サブタンク9の各方向(X,Y)に対する各辺の平面部▲1▼〜▲4▼の長さはそれぞれ5L,2.5L,5/3L,1Lに、また各面積は1A,2A,3A,5Aに設定されている。したがって、各辺の平面部▲1▼〜▲4▼に掛かる力は以下のとおり同一となる。
平面部▲1▼に掛かる力F1 =1A×5L=5A・L
平面部▲2▼に掛かる力F2 =2A×2.5L=5A・L
平面部▲3▼に掛かる力F3 =3A×5/3L=5A・L
平面部▲4▼に掛かる力F4 =5A×1L=5A・L
【0018】
本発明の実施の形態に係るフューエルタンク3の構造においては、サブタンク9の各辺とこれら各辺と対向するロアパネル8の辺とによって形成される四角形の面積がほぼ同一となるようにサブタンク9の各辺の平面部▲1▼〜▲4▼を設定し、隣合う各辺の平面部▲1▼〜▲4▼を中心Dの楕円弧状の曲面▲5▼〜▲8▼でそれぞれ接続しているため、各接続部分に力が加わらない状態で、各平面部▲1▼〜▲4▼で受ける力を均一にすることができる。
【0019】
図10および図11は本発明に係る車両用フューエルタンクの構造の第4実施形態を示しており、上記した第1実施形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
ロアパネル8の底面部8bの上には、剛性バランスの良好な底上げプレート12が底面部8bを覆うべく固着されており、サブタンク9は当該底上げプレート12の上面に固定されて支持されている。このため、サブタンク9の底面部9aと底上げプレート12とは、スポット溶接Wによって互いに接合されている。また、底上げプレート12の周端部は、ロアパネル8の底面部8bにスポット溶接Wによって固定されている。
【0020】
本発明の実施の形態に係るフューエルタンク3の構造においては、サブタンク9を底上げプレート12の上面に固定しているため、ロアパネル8に掛かっていた荷重を底上げプレート12に負担させ、均等に底上げプレート12を沈み込ませて荷重をスポット溶接Wの溶接打点に分散させることができ、ロアパネル8の剛性に左右されずにサブタンク9を設置できる。
【0021】
図12は本発明に係る車両用フューエルタンクの構造の第5実施形態を示しており、上記した第1実施形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。ロアパネル8とサブタンク9との結合部には、ロアパネル8の沈み込みによって、せん断方向へ引きちぎろうとする力が掛かる。このため、ロアパネル8の底面部8bとサブタンク9の底面部9aとのスポット溶接Wの結合面Kは、互いに対応する下り傾斜面であって、引きちぎる方向に傾斜させた斜面形状に形成されている。
本発明の第5実施形態によれば、ロアパネル8とサブタンク9との結合面Kが傾斜面形状となっているため、スポット溶接Wの結合部が受けるせん断力を少なくすることができる上、結合面Kがサブタンク9の組付時のガイドとなり、組付作業性の向上を図ることができる。
【0022】
図13は本発明に係る車両用フューエルタンクの構造の第6実施形態を示しており、上記した第1実施形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。一般に、サブタンク9は、フューエルポンプ4等のレイアウトの関係からタンク中心線J上ではなく、図13(a)中の右上方に配置されることが多い。この場合、ロアパネル8の底面部8bが均一な平坦面であったとすると、サブタンク9自身の持つ剛性によって、サブタンク9が配置されている側とそれが配置されていない側とでロアパネル8の剛性のアンバランスが生じ(図中、右上方が高く、左下方が低い)、図中のスポット溶接Wの打点1,2に応力が集中することになる。
そこで、サブタンク9が配置されていない側のロアパネル8の底面部8bには、剛性のバランスをとるために、フューエルタンク3の長手方向(図中、左右方向)へ沿って横長に延びる平面X形状の第2リブ(ビード)21が設けられている。
【0023】
上記平面X形状の第2リブ21は、Xの長手方向の交点P,P’がサブタンク9の中心線Nをほぼ通り、2本の斜線で仕切られて長手方向に形成される三角形部C,C’の底部の長さL1 がサブタンク9の幅方向長さL1 ’とほぼ同一寸法に形成されている。また、この第2リブ21の端部とロアパネル8の底面部8bの基本面との接続部のうち、長手方向の端辺αは横辺に設けられ、幅方向の端辺βは縦辺に設けられており、これによって2本の斜線で仕切られて幅方向に形成される三角形部A,Bは、図13(a)に示す如く、上方部の三角形部Aが小さく、下方部の三角形部Bが大きくなっている。しかも、三角形部A,Bを通る断面形状は、図13(b)に示す如く、ロアパネル8の底面部8bの基本面と比べて高く、ロアパネル8の内部へ向かって段階的に凸形状となるよう形成されている。なお、三角形部C,C’も三角形部A,Bの断面形状と同様、基本面に対し段差が設けられている。
【0024】
本発明の実施の形態に係るフューエルタンク3の構造においては、サブタンク9が配置されていない側のロアパネル8の底面部8bに横長に延びる平面X形状の第2リブ21を設けているため、三角形部A,Bによる剛性のアンバランス領域が生じ(三角形部B側の方が三角形部Aよりも高剛性)、サブタンク9を配置した分の剛性増加を第2リブ21により生じる三角形部Bの剛性アップで中和して剛性バランスをとり、応力集中を分散させることができる。
【0025】
図14および図15は本発明に係る車両用フューエルタンクの構造の第7実施形態を示しており、上記した第1実施形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
通常、フューエルタンク3の板厚はサブタンク9の板厚よりも厚くし、フューエルタンク3に穴が明かないようにしている。
そこで、サブタンク9の上部側面には、図14に示す如く、各辺の直線部分Sと対応する長さで、幅の短い補強板13が固着されている。あるいは、サブタンク9の上部各辺の直線部分Sには、図15に示す如く、幅広に形成された部分を下方へ向かって折曲げることにより延出された曲げフランジ14が設けられている。
【0026】
本発明の実施の形態に係るフューエルタンク3の構造においては、サブタンク9の上部各辺の直線部分Sに補強板13や曲げフランジ14を設けているため、フューエルタンク3とサブタンク9の板厚バランスを確保しつつ、サブタンク9の横波に対する剛性を確保することが可能となり、従来の横波防止板やステーを廃止できるとともに、フューエルタンク3およびサブタンク9の板厚を薄くでき、コストダウンを図ることができる。
【0027】
図16〜図18は本発明に係る車両用フューエルタンクの構造の第8実施形態を示しており、上記した第1実施形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
フューエルタンク3の幅方向に面するサブタンク9の前後側壁面部9b,9cには、フューエルタンク3の長手方向に位置するロアパネル8の左右側壁面部8e,8fの上辺とサブタンク9のポンプ吸入口15とを結んだ部分よりも上方に位置する切欠き16が設けられている。これは、サブタンク9の機能が自動車1の旋回等により燃料が片寄りした場合におけるポンプ吸入口15の燃料確保にあることから、ロアパネル8の左右側壁面部8e,8fとポンプ吸入口15とを結んだ部分よりも上方に位置するサブタンク9の前後側壁面部9b,9cの部分は、必要でないからである。また、サブタンク9の前後側壁面部9b,9cの剛性が高いと、ロアパネル8の変形になじんで追従できないため、前後側壁面部9b,9cの剛性を下げ、ロアパネル8の曲面的な変形になじませて追従させる必要があるからである。
【0028】
本発明の実施の形態に係るフューエルタンク3の構造においては、サブタンク9の前後側壁面部9b,9cにのみ切欠き16を設けているため、図18の鎖線で示す如く、フューエルタンク3の長手方向に位置する車体左右方向の横波に対して剛性を確保しつつ、フューエルタンク3の幅方向に位置する車体前後方向の横波の影響を減少させて、ロアパネル8の底面部8bの下方への突っ張りを小さくすることが可能となり、これによってロアパネル8およびサブタンク9の板厚を薄くすることができる。
【0029】
図19および図20は本発明に係る車両用フューエルタンクの構造の第9実施形態を示しており、上記した第1実施形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
フューエルタンク3の長手方向に位置するロアパネル8の左右側壁面部8e,8fとサブタンク9との間のスペースのうち、大容量の側には、一端が溶接でサブタンク9の左側側壁面部9dに取付けられ、他端がロアパネル8の左側側壁面部8e付近まで延び、かつ下端が溶接でロアパネル8の底面部8bに取付けられる断面略コ字状の閉断面部17を備えた第1補強部材18が設けられている。このため、第1補強部材18の閉断面部17の一端にはこれを直角に折曲げることによって上方および前後方向へ張り出した側部フランジ17aが形成され、その下端にはこれを直角に折曲げることによって前後方向へ張り出した下部フランジ17bが形成されている。
また、小容量の側には、上下端が溶接でサブタンク9の右側側壁面部9eおよびロアパネル8の底面部8bに取付けられ、サブタンク9とロアパネル8とを連結する断面L字状の第2補強部材19が設けられている。
【0030】
本発明の実施の形態に係るフューエルタンク3の構造においては、サブタンク9の左右側壁面部9d,9eにロアパネル8の底面部8bを覆う第1および第2補強部材18,19を追加して設けているため、横波に対するサブタンク9の補強を行うことができるとともに、ロアパネル8の底面部8bの剛性を高めることができ、これによりロアパネル8の板厚を低減できる。しかも、横波は第1補強部材18の閉断面部17に導かれ、前後側壁面に沿って流れながらサブタンク9の左側側壁面部9dの前後角部の曲面を経て案内されるため、サブタンク9の左側側壁面部9dへの影響をより少なくすることができる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、第1実施形態では、第2リブ11をロアパネル8の底面部8bから下方へ突出する凹形状に形成しているが、燃料貯蔵量を考慮しなくてもよい場合には第2リブ11をロアパネル8の底面部8bから上方へ突出する凸形状に形成してもよい。また、図21に示す如く、サブタンク9’として四角形ではなく、底部が平面であるボール形状(半球形状)に形成したものを用いてもよい。このような形状によれば、サブタンク9’の周面に平面部が設けられていないため、サブタンク9’が受ける力を分散させることができる。
【0032】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係る車両用フューエルタンクの構造は、フューエルタンクの内部であって、該フューエルタンクを構成するロアパネルの中央部から長手方向へずれた片側位置にサブタンクが配置され、前記ロアパネルの幅方向に沿って複数の第1リブが前記ロアパネルの底面部に設けられたものであり、前記フューエルタンクの長手方向で、前記サブタンクが配置されていない側のロアパネルの底面部に、上下いずれかの方向へ突出する凹形状の第2リブを長手方向に沿って設けるとともに、該第2リブの高さを前記サブタンクへ向かうに従って徐々に大きく形成し、前記フューエルタンクの長手方向で、前記サブタンクが配置されていない側のロアパネルには、一端が前記サブタンクの側壁面に取付けられ、他端が前記ロアパネルの側壁面付近まで延び、かつ下端を長手方向に沿って直角に折曲げた下部フランジが前記ロアパネルの底面に取付けられ、断面略コ字状の長手方向に沿った閉断面部を備えた第1補強部材が設けられ、前記フューエルタンクの長手方向で、前記サブタンクが配置されている側のロアパネルには、垂直片部が前記サブタンクの側壁面に取付けられ、かつ水平片部が前記ロアパネルの底面に取付けられ、前記サブタンクと前記ロアパネルとを連結する断面L字状の第2補強部材が設けられているので、サブタンクをロアパネルの片側に寄せて配置した場合でも、ロアパネル全体の剛性を均一に上げることが可能となり、ロアパネルおよびサブタンクに作用する応力を分散できるとともに、ロアパネルおよびサブタンク全体の板厚を増大させなくとも必要な剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る構造のフューエルタンクが搭載された四輪自動車を概念的に示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るフューエルタンクの構造が適用されたロアパネルおよびサブタンクを示す斜視図である。
【図3】図2における矢視A方向から見たロアパネルおよびサブタンクを示す概念図である。
【図4】図2における矢視A方向から見たロアパネルおよびサブタンクであって、ロアパネルの変形前後状態を示す概念図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るフューエルタンクの構造が適用されたロアパネルおよびサブタンクを示す斜視図である。
【図6】図5におけるロアパネルに設けられた第1リブとサブタンクとの溶接打点の位置を示す概念図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るフューエルタンクの構造が適用されたロアパネルおよびサブタンクを示す平面図である。
【図8】図7におけるサブタンクの平面形状を示す概念図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係るフューエルタンクを示す概念断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係るフューエルタンクの構造が適用されたロアパネルおよびサブタンクを示す斜視図である。
【図11】図10におけるロアパネルおよびサブタンクを示す概念正面図である。
【図12】本発明の第5実施形態に係るフューエルタンクの構造において、スポット溶接によるロアパネルとサブタンクとの結合面が傾斜形状となっているものを示す断面図である。
【図13】本発明の第6実施形態に係るフューエルタンクの構造が適用されたロアパネルおよびサブタンクを示すものであり、(a)はその平面図、(b)は(a)におけるM−M線断面図である。
【図14】本発明の第7実施形態に係るフューエルタンクの構造におけるサブタンクを示す斜視図である。
【図15】本発明の第7実施形態の他の例に係るフューエルタンクの構造におけるサブタンクを示す斜視図である。
【図16】本発明の第8実施形態に係るフューエルタンクの構造が適用されたロアパネルおよびサブタンクを示す斜視図である。
【図17】図16におけるサブタンクを示す斜視図である。
【図18】図16におけるロアパネルおよびサブタンクの変形前後状態を示す概念図である。
【図19】本発明の第9実施形態に係るフューエルタンクの構造におけるサブタンクを示す斜視図である。
【図20】本発明の第9実施形態に係るフューエルタンクの構造におけるロアパネルおよびサブタンクの変形前後状態を示す概念図である。
【図21】本発明の実施の形態に係るフューエルタンクの構造に用いられるサブタンクの変形例を示す斜視図である。
【図22】従来のフューエルタンクの構造が適用されたロアパネルおよびサブタンクを示す斜視図である。
【図23】図22におけるロアパネルおよびサブタンクが実車走行時に燃料により矢印方向の力を受ける状態を示す斜視図である。
【図24】従来のフューエルタンクの構造において、サブタンクがロアパネルの中央に配置された場合の上下荷重によるロアパネルの変形前後状態を示す概念図である。
【図25】従来のフューエルタンクの構造において、サブタンクがロアパネルの片側に寄せて配置された場合の上下荷重によるロアパネルの変形前後状態を示す概念図である。
【図26】従来のフューエルタンクの構造において、加速・減速時に発生する前後荷重によるサブタンクの変形前後状態を示す概念図である。
【符号の説明】
1 四輪自動車
3 フューエルタンク
8 ロアパネル
8b 底面部
8c,8d 前後側壁面部
8e,8f 左右側壁面部
9 サブタンク
9a 底面部
10 第1リブ
11,21 第2リブ
12 底上げプレート
13 補強板
14 曲げフランジ
15 ポンプ吸入口
16 切欠き
17 閉断面部
18 第1補強部材
19 第2補強部材
W スポット溶接
Claims (2)
- フューエルタンクの内部であって、該フューエルタンクを構成するロアパネルの中央部から長手方向へずれた片側位置にサブタンクが配置され、前記ロアパネルの幅方向に沿って複数の第1リブが前記ロアパネルの底面部に設けられた車両用フューエルタンクの構造において、
前記フューエルタンクの長手方向で、前記サブタンクが配置されていない側のロアパネルの底面部に、上下いずれかの方向へ突出する凹形状の第2リブを長手方向に沿って設けるとともに、該第2リブの高さを前記サブタンクへ向かうに従って徐々に大きく形成し、前記フューエルタンクの長手方向で、前記サブタンクが配置されていない側のロアパネルには、一端が前記サブタンクの側壁面に取付けられ、他端が前記ロアパネルの側壁面付近まで延び、かつ下端を長手方向に沿って直角に折曲げた下部フランジが前記ロアパネルの底面に取付けられ、断面略コ字状の長手方向に沿った閉断面部を備えた第1補強部材が設けられ、前記フューエルタンクの長手方向で、前記サブタンクが配置されている側のロアパネルには、垂直片部が前記サブタンクの側壁面に取付けられ、かつ水平片部が前記ロアパネルの底面に取付けられ、前記サブタンクと前記ロアパネルとを連結する断面L字状の第2補強部材が設けられていることを特徴とする車両用フューエルタンクの構造。 - 前記フューエルタンクの長手方向に沿うサブタンクの側壁面上部には、切欠きが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用フューエルタンクの構造。
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