JPH1030255A - 油圧ショベルの作動油タンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧ショベルのマシンキャブ内に配設した作
動油タンクを、全高が低く、配管が短く、かつエンジン
の整備性を損なわないものにする。 【解決手段】 作動油タンク２０をマシンキャブ４内の
油圧ポンプの真上に配設すると共に、前後方向の略中央
に凹部あるいは円弧部２２の底部を有する構成としたも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベル等の
建設機械の車体に配設される作動油タンクに係り、特
に、油圧ショベル等の建設機械のマシンキャブ内の作動
油タンクの配置および形状に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の油圧ショベル等の建設機械の作動
油タンクは、一般的には上部旋回体の後部に設けられた
マシンキャブの外側に配置されている。ところで、小型
の建設機械においてはマシンキャブの外側に作動油タン
クを配置すると運転席回りが狭くなるという問題がある
ため、最近はマシンキャブ内に配設するものも多い。こ
の作動油タンクをマシンキャブ内に配設した先行技術と
して、例えば、特公平４−６４８８６号、特開平６−１
０８４９４号および特開平６−２１２６６５号が出願さ
れている。

【０００３】前記特公平４−６４８８６号は、エンジン
をオペレータシートの真下に配置するとともに、箱形形
状の作動油タンクをマシンキャブ内の油圧ポンプの上方
に配置した技術が記載されている。また、特開平６−１
０８４９４号は、エンジンを旋回台の後部側に配設する
とともに、作動油タンクおよび燃料タンクを後部周壁の
内側のエンジンとの隙間を埋めるように配置した技術が
記載されている。さらに、特開平６−２１２６６５号
は、エンジンを旋回台の後部に横置きに配設し、ラジエ
ータ側の前方に作動油タンクと燃料タンクを隣接して配
置し、上部にメインテナンスカバーを設けた技術が記載
されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公平４−６４８８６号、特開平６−１０８４９４号およ
び特開平６−２１２６６５号ではそれぞれ以下のような
問題点がある。 (1) 特公平４−６４８８６号においては、作動油タンク
上面の高さが高くなり、車両の全高が高くなるという問
題がある。 (2) 特開平６−１０８４９４号においては、エンジンと
後部周壁との隙間にタンク類を配置したため、エンジン
後部の整備性が悪いという問題がある。 (3) 特開平６−２１２６６５号においては、作動油タン
クと油圧ポンプとの距離が遠くなり、配管が長くなり、
構造複雑でコスト高となる問題がある。

【０００５】本発明は上記従来の問題点に着目してなさ
れたもので、油圧ショベル等の建設機械のマシンキャブ
内の作動油タンクの配置および形状を改良して、油圧シ
ョベルの全高が低く、油圧配管も短く、しかも、エンジ
ンの整備性を損なうことのない油圧ショベルの作動油タ
ンクを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段および作用効果】上記目的
を達成するために、本発明に係る油圧ショベルの作動油
タンクの第１発明は、車体に横置きに配設されるエンジ
ンと、エンジンのフライホイール側に直結されて駆動さ
れる油圧ポンプとを収納するマシンキャブと、油圧ポン
プと油圧配管を介して接続される作動油タンクとを備え
た油圧ショベルにおいて、前記マシンキャブ４内の前記
油圧ポンプ１２の真上に配設されると共に、車体の前後
方向で、かつ、略中央に凹部あるいは円弧部２２の底部
を有する作動油タンク２０を備えたことを特徴とする油
圧ショベルの作動油タンク。上記構成によれば、マシン
キャブ内のスペースを有効に利用して、作動油タンクを
収納することができると共に、油圧ポンプの真上に作動
油タンクが配設されるのでサクション配管は短くて良
い。したがって、従来使われていなかったマシンキャブ
内の空いたスペースを有効に利用できる。また、油圧ポ
ンプの真上に作動油タンクが配設され、サクション配管
が短くて良いので作動油の吸込み性能が向上する。さら
に、エンジンの整備性を損なうこともなく、コスト低減
が可能となる。

【０００７】第２発明は、第１発明の構成において、前
記作動油タンク２０は前後方向の幅をエンジンの横方向
の幅に略等しく形成すると共に、底部の凹部あるいは円
弧部２２に対して前方突出部２３を後方突出部２４より
下方に突出させた構成としたものである。上記構成によ
れば、エンジンの幅と作動油タンクの幅を略等しくした
ことにより、マシンキャブの車体前後方向の寸法を小さ
くして運転席周辺のスペースを広くすることができる。
また、油圧ポンプの上方および前方を作動油タンクでカ
バーした状態となるため、油圧ポンプから運転席側への
騒音を遮ることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下に本発明に係る油圧ショベル
の作動油タンクの一実施例をついて、図１乃至図４によ
り説明する。先ず、図１に示す、油圧ショベル３０の下
部走行体１に旋回サークル２ａを介して上部旋回体２
（以下、車体２と言う。）が配設されている。この車体
２の前部には作業機３が装着され、後部にはマシンキャ
ブ４が設けられ、後端部にはカウンタウエイト５が取着
されている。そして中央部には運転席６が配設され、そ
の右側には燃料タンク７が配置されていて、後述する作
動油タンクはマシンキャブ４内に配設されている。これ
により、運転席６周辺のスペースは広くなっている。

【０００９】図２，図３に示すように、マシンキャブ４
内にはエンジン１０が横置きに配設されている。このエ
ンジン１０の前方にはラジエータ１１が配設されてい
る。このエンジン１０で駆動される油圧ポンプ１２が取
着されている。油圧ポンプ１２の真上には作動油タンク
２０が配設されている。図２に示す、作動油タンク２０
の前後方向の幅Ａはエンジン１０の幅Ｂにほぼ等しい。
この作動油タンク２０の底部のほぼ中央部には凹部ある
いは円弧部２２が設けられている。この作動油タンク２
０の底部の凹部あるいは円弧部２２に油圧ポンプ１２の
上部が入り込むように配設されている。作動油タンク２
０の左右方向の外側面２１は図３に示すように油圧ポン
プ１２の後端面とほぼ同一にしてある。

【００１０】図４は作動油タンク２０の側面図であり、
底部のほぼ中央部には凹部あるいは円弧部２２が形成さ
れ、前方突出部２３は後方突出部２４より下方に突出し
ている。作動油タンク２０の底部は凹部あるいは円弧部
としてあるので、前方突出部２３および後方突出部２４
のハッチング部の容量は大きくなり、凹部あるいは円弧
部２２の底部から作動油タンク２０の上面２５までの高
さｈを低くすることができる。このため、上端部２６ま
での高さＨも低くすることができる。これにより、図２
に示すように作動油タンク２０の上端部２６の高さはエ
ンジン１０の高さにほぼ等しくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】油圧ショベルの側面図である。

【図２】本発明に係る作動油タンクを収納したマシンキ
ャブの側面断面図である。

【図３】同、平面配置図である。

【図４】同、作動油タンクの側面図である。

【符号の説明】

４ マシンキャブ １０ エンジン １２ 油圧ポンプ ２０ 作動油タンク ２２ 凹部あるいは円弧部（作動油タンクの底部） ２３ 前方突出部 ２４ 後方突出部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体に横置きに配設されるエンジンと、
   エンジンのフライホイール側に直結されて駆動される油
   圧ポンプとを収納するマシンキャブと、油圧ポンプと油
   圧配管を介して接続される作動油タンクとを備えた油圧
   ショベルにおいて、前記マシンキャブ(4) 内の前記油圧
   ポンプ(12)の真上に配設されると共に、車体の前後方向
   で、かつ、略中央に凹部あるいは円弧部(22)の底部を有
   する作動油タンク(20)を備えたことを特徴とする油圧シ
   ョベルの作動油タンク。
2. 【請求項２】 請求項１記載の油圧ショベルの作動油タ
   ンクにおいて、前記作動油タンク(20)は前後方向の幅を
   エンジンの横方向の幅に略等しく形成すると共に、底部
   の凹部あるいは円弧部(22)に対して前方突出部(23)を後
   方突出部(24)より下方に突出させたことを特徴とする油
   圧ショベルの作動油タンク。