JP6954050B2 - 刺激応答性可逆変形構造体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、水分の吸着及び脱離に伴って可逆的に体積変形する刺激応答性可逆変形構造体及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、印刷によって刺激応答性可逆変形構造体のマトリックスに形成された印刷パターンが、水分の吸着及び脱離によるマトリックスの体積変化に伴って、目視で可逆的に変化する刺激応答性可逆変形構造体及びその製造方法に関するものである。
印刷は、一般的に文字や絵、写真などを再現するために、紙やフィルムなどにインクを塗布することでその対象を表現する、古くから用いられている技術である。現在、印刷技術は出版分野だけでなく、電気、電子デバイス分野や包装、パッケージ分野といった様々な分野で活用されている。
印刷技術は対象物を忠実に再現することが求められることから、印刷対象物や印刷する基材に合わせてさまざまな印刷技術が開発されてきた。印刷技術には新聞や写真、雑誌、ポスターなど様々な紙の印刷物によく利用されるオフセット印刷や、包装材料の印刷や写真グラビアなどの高品位が求められる印刷物に用いられるグラビア印刷、プラスチックやPEチューブ、ダンボールなどへの印刷に用いられるフレキソ印刷など、その他様々な印刷方法があり、高精細化や高再現性だけでなく、耐久性や環境適性などの向上に向け、技術革新が進められている。
国際公開第2017/077825号 国際公開第2017/098660号 国際公開第2016/204167号
しかしながら、印刷物の多くは、表現する対象を忠実に再現することが常に求められ、要求特性も常により高いレベルを求められることから、より微細な印刷パターンをより正確に転写するために、インクの転写位置やサイズ、量といった様々な印刷条件をシビアにコントロールする技術革新が求められており、印刷技術には、以下のような課題が常に内在していた。
すなわち、印刷パターンを転写する基材が、実使用環境下(湿度や温度)や取り扱い条件(湿潤や加熱)によって、初期の形状や強度を維持することができず、印刷パターンが変化することで、表現する対象を忠実に再現することができなくなるという問題があった。例えば、紙を基材とした印刷物では、水にぬれることで紙がふやけてしまい、インキが基材から剥離したり、印刷パターン形状にゆがみが生じたりし、印刷物として機能しなくなることがあった。また、基材の微量な吸湿による変形により、転写位置精度に狂いが生じ、忠実な印刷パターンの再現ができなくなることがあった。
そのため、このような使用条件下にあっても印刷物としての機能を維持できるように、使用する印刷基材やインクを低吸水性の材料としたり、ラミネート加工のように印刷物全体をフィルムで保護したりするといった工夫がなされてきた。
これに対し、本発明は、上記と異なる発想によるものであって、使用条件下における印刷物の変形を機能として捉え、印刷基材が水分を吸着及び脱離することによる体積変化によって、印刷パターンを意図的に変形させ、使用条件によって任意の印刷表現が可能な新規な構造体及びその製造方法を提供することを目的としている。
上述の課題を解決するために、本発明に係る刺激応答性可逆変形構造体は、マトリックスと、マトリックスの表面あるいは内部にインキにより形成された印刷部とを有し、マトリックスは、水分を吸着及び脱離する特性を有する樹脂により構成され、マトリックスの水分の吸着及び脱離に伴う体積変化によって印刷部が形状変化し、マトリックスの体積変化が、等方的に変化することを特徴とする。
樹脂が、硬化性樹脂材料の重合体あるいは共重合体であることが好ましい。
硬化性樹脂材料が、電離放射線硬化性あるいは熱硬化性を有することが好ましい。
印刷部が、1色以上の有色のインキの組み合わせで構成されていてもよい。
マトリックスの水分の吸着及び脱離に伴う体積変化により、印刷部の色の濃淡表現が変化してもよい。
印刷部が、複数の線あるいはドットの組み合わせで構成され、印刷部の色の濃淡表現の変化が、単位面積に配置する複数の線の線幅、ドットサイズ、ピッチのいずれかを調整することにより制御されていてもよい。
また、本発明は、上記刺激応答性可逆変形構造体の製造方法において、硬化性樹脂材料を含む塗液を調製する塗液調製工程と、塗液を支持体上に塗布する塗布工程と、支持体上に塗布した塗液を熱処理して塗膜を形成する熱処理工程と、塗膜に電離放射線を照射して硬化させて、支持体に支持された硬化膜からなるマトリックスを形成する電離放射線照射工程と、マトリックスを支持体から剥離する剥離工程と、マトリックスの表面あるいは内部に印刷パターンを形成する工程とを備え、マトリックスが、水分を吸着及び脱離する特性を有する樹脂により構成されることを特徴とする。
また、本発明に係る刺激応答性可逆変形構造体は、マトリックスと、マトリックスの表面あるいは内部にインキにより形成された印刷部とを有し、マトリックスは、水分を吸着及び脱離する特性を有する樹脂により構成され、マトリックスの水分の吸着及び脱離に伴う体積変化によって印刷部が形状変化し、マトリックスの体積変化が、異方的に変化することを特徴とする。
樹脂が、硬化性樹脂材料の重合体あるいは共重合体であることが好ましい。
硬化性樹脂材料が、電離放射線硬化性あるいは熱硬化性を有することが好ましい。
印刷部が、1色以上の有色のインキの組み合わせで構成されていてもよい。
マトリックスの水分の吸着及び脱離に伴う体積変化により、印刷部の色の濃淡表現が変化してもよい。
印刷部が、複数の線あるいはドットの組み合わせで構成され、印刷部の色の濃淡表現の変化が、単位面積に配置する複数の線の線幅、ドットサイズ、ピッチのいずれかを調整することにより制御されていてもよい。
マトリックスの最表面の少なくとも一部が、水分を吸着及び脱離する特性を有さない材料と密着していてもよい。
マトリックスの内部の水分の吸着及び脱離に伴う体積変化が、マトリックスの組成、硬化度、架橋密度、重合度のいずれかによって制御されていてもよい。
また、本発明は、上記刺激応答性可逆変形構造体の製造方法において、硬化性樹脂材料を含む塗液を調製する塗液調製工程と、塗液を支持体上に塗布する塗布工程と、支持体上に塗布した塗液を熱処理して塗膜を形成する熱処理工程と、塗膜に電離放射線を照射して硬化させて、支持体に支持された硬化膜からなるマトリックスを形成する電離放射線照射工程と、マトリックスの表面あるいは内部に印刷パターンを形成する工程とを備え、マトリックスが、水分を吸着及び脱離する特性を有する樹脂により構成されることを特徴とする。
本発明は、印刷基材の水分の吸着及び脱離に伴う可逆的な体積変化を利用して、印刷物に新たな表現の可能性を付与する効果がある。また、使用するインキの種類によっては様々な機能の発現が期待され、例えば導電性インキを用いて回路パターンを作製することで、印刷物の体積変化に伴う電気的特性の変化を利用したセンサーデバイスとしての機能を付与することができる。
本発明の実施の形態1に係る刺激応答性可逆変形構造体の一例を説明する模式図である。 本発明の実施の形態1に係る刺激応答性可逆変形構造体の一例を説明する模式図である。 本発明の実施の形態1に係る刺激応答性可逆変形構造体の一例を説明する模式図である。 本発明の実施の形態1に係る刺激応答性可逆変形構造体の乾燥状態及び湿潤状態における断面模式図である。 マトリックスの膨潤率及び硬化条件の関係の一例を示したグラフである。 本発明の実施の形態1に係る刺激応答性可逆変形構造体の印刷パターンを表した模式図である。 本発明の実施の形態2に係る刺激応答性可逆変形構造体の一例を説明する模式図である。 本発明の実施の形態2に係る刺激応答性可逆変形構造体の一例を説明する模式図である。 本発明の実施の形態2に係る刺激応答性可逆変形構造体の一例を説明する模式図である。 本発明の実施の形態2に係る刺激応答性可逆変形構造体の乾燥状態及び湿潤状態における断面模式図である。 実施例8に係る刺激応答性可逆変形構造体の印刷パターンを表した実写図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
(刺激応答性可逆変形構造体1)
本実施の形態ではマトリックスの体積変化が等方的に発現する刺激応答性可逆変形構造体について説明する。図1〜図3は、本実施の形態に係るフィルム状構造の刺激応答性可逆変形構造体の一例を示した模式図である。図1は、印刷パターンがマトリックスの表面に形成された刺激応答性可逆変形構造体の模式図である。図1(a)は平面模式図であり、図1(b)は図1(a)に示す切断線A−Aに沿う断面模式図である。図2は、印刷パターンがマトリックスの内部に形成された刺激応答性可逆変形構造体の模式図である。図2(a)は平面模式図であり、図2(b)は図2(a)に示す切断線B−Bに沿う断面模式図である。図3は、印刷パターンがマトリックスの両面に形成された刺激応答性可逆変形構造体の模式図である。図3(a)は平面模式図であり、図3(b)は図3(a)に示す切断線C−Cに沿う断面模式図である。図1〜図3に示すように、刺激応答性可逆変形構造体1は、水分の吸着及び脱離により体積が変化する材料からなるマトリックス11と、マトリックス11の表面あるいは内部にインキ12により形成された印刷パターン(「印刷部」とも言う)13とを有する。
尚、本明細書において、水分とは、気体、液体、固体(気相、液相、固相)のいずれであってもよく、例えば水であれば、水蒸気、液滴、氷のいずれであってもよい。水分は、マトリックス11に対して吸着及び脱離可能であればよい。水分は、単独でなく、他の物質と混合していても良い。例えば、水蒸気に他の成分(例えば香料成分)が混合していても良い。また、水分は、分子内に水酸基(OH基)を有している物質、例えばアルコール類でもよい。
本実施の形態に係る刺激応答性可逆変形構造体1は、フィルム状構造に限られたものではなく、球状や板状、ロッド状、三次元の構造体でもよい。
マトリックス11は、高湿度状態あるいは湿潤状態とすることで水分を吸着し、体積を増大させる。マトリックス11の表面あるいは内部に形成された印刷パターン13は、インキ12が接する部分あるいはその周囲の部分の体積変化率に伴って、印刷パターン13のサイズや間隔が変化し、その結果、印刷パターン13の視覚的変化が起こる。この視覚的変化は、マトリックス11を乾燥状態とすることで、マトリックス11からの水分の脱離による体積減少に伴って、元の印刷パターン13へと戻る。マトリックス11の水分の吸着及び脱離に伴う体積変化率は、マトリックス11を構成する材料によって異なる。
マトリックス11を構成する材料としては、水分の吸収、脱離に伴って体積変化を発現する材料であれば特に限定されないが、親水基であるカルボキシル基、アルデヒド基、水酸基、アミノ基、アミド基、スルホン基などを有する親水性高分子系材料、その混合系材料、あるいはそれらに粒子やフィラーなどを含む複合材料であることが好ましい。
親水性高分子系材料としては、例えば、ポリアクリル酸系、ポリマレイン酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリビニルピリジン系、ポリアクリルアミド系、ポリエチレンオキシド系、ポリビニルスルホン系などを挙げることができる。また、これらの材料系において2種類以上が主鎖あるいは側鎖に組み込まれて構成される混合物であってもよい。具体的には、ポリアクリル酸とポリビニルアルコール系の共重合体やポリアクリル酸とポリマレイン酸の共重合体などが挙げられる。
また、水分の吸着及び脱離により体積変化する混合材料系としては、ゲル材料なども好適に用いられる。具体的には、二種類の親水性高分子鎖が相互進入高分子網目を形成することで高強度化されたダブルネットワークゲルや粘土化合物であるクレイが物理架橋点として作用するナノコンポジットゲルなどが挙げられる。
上記の親水性高分子材料やゲル材料は、電離放射線硬化性あるいは熱硬化性を有する有機モノマー、オリゴマー、ポリマーにより形成される硬化性樹脂材料が含まれることが好ましい。
電離放射線硬化性有機モノマー、オリゴマーおよびポリマーとは、紫外線や電子線といった活性エネルギー線の照射により架橋反応を経て硬化する物質のことをいう。硬化性の材料を用いることで、フィルム状だけでなく凹凸構造や球構造など様々な3次元の構造体としても成形することが可能となる。また、硬化条件を変更することで架橋密度を制御することができるため、水分の吸収、脱離に伴う体積変化率をコントロールすることも可能となる。
親水性高分子材料やゲル材料に用いられる電離放射線硬化性モノマー、オリゴマーとしては、具体的には、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド各種四級塩、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート各種四級塩、アクリル酸、各種アルキルアクリレート、メタクリル酸、各種アルキルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、スチレン、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリプロポキシ)フェニル〕プロパン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
本実施の形態に係る熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂を主成分とし、より具体的には、不飽和ポリエステル樹脂が、不飽和ポリエステル樹脂と、水酸基及び炭素−炭素二重結合を有する反応性希釈剤と、重合開始剤とを必須成分とする樹脂組成物、又は、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂と、水酸基及び炭素−炭素二重結合を有するフェノール樹脂硬化剤と、硬化促進剤とを必須成分とする樹脂組成物が好ましい。
本実施の形態に係る親水性高分子材料やゲル材料には、適宜、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、重合性官能基を2つ以上有する化合物を用いることができ、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−メチレン−ビス−N−ビニルアセトアミド、N,N−ブチレン−ビス−N−ビニルアセトアミド、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、アリル化デンプン、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリストールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。
また、本実施の形態に係る親水性高分子材料やゲル材料には、適宜、フィラーを添加してもよい。フィラーの形状としては、球状、粒子状、針状、繊維状、板状、燐片形状、ロッド状、不定形等が挙げられ、親水性表面を持つものがモノマーや樹脂との相溶性の観点から好ましい。例えば、粒子状であれば、親水化処理された金属酸化物微粒子や金属微粒子、ゼオライト、ポリマー微粒子などが挙げられる。また、板状であれば、サポナイトやスティブンナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、ルーセンタイト、ソマシフなど水膨潤性の層状粘土化合物などが挙げられる。また、繊維状であればセルロースナノファイバーや親水化処理されたカーボンナノチューブ、ガラスフィラーなどが挙げられる。
本実施の形態に係る親水性高分子材料やゲル材料には、その重合様式によって、重合開始剤を適宜選択することができる。重合開始剤としては、具体的には、過酸化水素、過硫酸塩、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等、アゾ系開始剤、例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1,−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕2塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル)、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスホンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等の紫外光によってラジカルを発生する化合物、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゼンや3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のパーオキシエステルに、チオピリリウム塩、メロシアニン、キノリン、スチルキノリン系色素を混合した物質等の360nm以上の波長の光によってラジカルを発生する化合物等が挙げられる。また、過酸化水素あるいは過硫酸塩は、例えば、亜硫酸塩、L−アスコルビン酸等の還元性物質やアミン塩等を組み合わせてレドックス系の開始剤としても使用することができる。
(刺激応答性可逆変形構造体1の形成方法)
次に、本実施の形態に係る刺激応答性可逆変形構造体の製造方法について説明する。
マトリックス11の成形方法としては、溶液流延法や積層成形、注型、射出成形、3Dプリンタなどを用いることができる。特にフィルム状に成形する場合には、溶液流延法が適しており、具体的には、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等を利用することができる。
ロール・ツー・ロール方式で製造する場合、マトリックス11の厚みは、10μm以上200μm以下程度であることが好ましく、50μm以上150μm以下程度であることがより好ましい。ただし、マトリックス11の厚みは上記範囲に限定されるものではない。
また、マトリックス11の表面には、様々な3次元形状を腑型することができる。腑型方法としては、ナノインプリントや微細な金型を用いた熱プレスなどを利用することができる。
まず、上述したマトリックス11を形成するための材料及び必要に応じて溶媒を混合し、マトリックス形成用塗液を調製する。
次に、調整したマトリックス形成用塗液を基材上に塗布する。基材としては、ロール状の金属体やポリエチレンテレフタレート(PETフィルム)などを使用することができる。基材としては、塗液を塗布した後に行われる、熱処理工程、電離放射線照射工程等の工程において変形しなければ、特に限定されるものではない。また、基材は、マトリックス11を単独で使用する場合には、電離放射線照射工程後に基材上に形成されたマトリックス11を基材から容易に剥離することができるものであれば、特に限定されるものではない。
次に、基材上に塗布された塗液を熱処理により乾燥させて塗液内の溶媒を除去し、塗膜を形成する。熱処理は、適宜公知の乾燥手段を採用できる。例えば、乾燥手段として、加熱、送風、熱風などを利用することができる。
マトリックス11の作製に電離放射線硬化性モノマーあるいは電離放射線硬化性樹脂を使用する場合、3次元架橋構造を有する硬化膜を得るために、熱処理工程の後に電離放射線照射工程を設ける。電離放射線照射工程は、塗膜に電離放射線を照射することにより、塗膜を硬化させる工程である。電離放射線を照射し、塗膜を硬化させた後に、塗膜の硬化膜を基材から剥離することで、マトリックス11を得ることができる。
電離放射線としては、紫外線、電子線などを採用できる。紫外線硬化の場合、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアークなどの光源を利用することができる。紫外線の照射条件としては、照射強度は100〜500mW/cmが適しており、照射量は200mJ/cm以上が望まれる。200mJ/cm未満では、硬化不十分となり、十分な強度を得ることが出来ない場合がある。
電子線硬化の場合、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型、などの各種電子線加速器から放出される電子線を利用することができる。電子線としては、50KeV以上1000KeV以下程度のエネルギーを有するのが好ましく、100KeV以上300KeV以下程度のエネルギーを有する電子線がより好ましい。
尚、マトリックス11の変形に影響を及ぼさない範囲でマトリックス11を着色することができる。例えば、マトリックス11の作製において、マトリックス形成用塗液に色材(染料、顔料等)を混合することでマトリックス11を着色することが可能である。また、作製した例えば乳白色のマトリックス11に印刷パターン13を形成する際に、マトリックス11の表面を着色することも可能である。その他に、マトリックス11にナノインプリントなどで微細な表面加工を施すことで、光の回折などを利用して発色させることも可能である。着色したマトリックス11と印刷パターン13とを組合せることで、パターンだけでなく、文字、図柄などを表現することもできるため、意匠性の高い刺激応答性可逆変形構造体1を作製することが可能である。
次に、刺激応答性可逆変形構造体1に形成される印刷パターン13について説明する。刺激応答性可逆変形構造体1に形成される印刷パターン13は、構造体の最表面あるいは内部のいずれの場所に形成されてもよい。印刷パターン13の形成方法は、印刷法だけに限られたものではなく、レーザー描画法やフォトリソグラフィ、インプリントなど印刷パターン13やマトリックス11の材質に合わせて適宜選択することができる。印刷法としては、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、活版印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。
また、印刷パターン13は、マトリックス11の表面に凸部又は凹部を形成した後に、形成した凸部又は凹部の全面又は一部にインキ12を印刷することで形成してもよい。
印刷に使用されるインキ12は、印刷方法及び用途によって適宜選択されるが、刺激応答性可逆変形構造体1に印刷パターン13を形成可能であればよい。インキ12の種類としては、例えば伸縮性を有するインキや伸縮性を有さない固いインキ、導電性を有するインキや様々な色を再現できるカラーインキ、磁性材料を含有する磁性インキ、紫外線発色インキ、蓄光インキなどを挙げることができる。カラーインキを用いる場合、複数のカラーインキを組み合わせてもよい。そして選択するインキによって、構造体1の体積変化に伴い発現する機能も様々なものとすることが出来る。本実施の形態では白や黒のインキも有色インキとして扱う。インキ12は、マトリックス11の変形の際に割れない程度の柔軟性(追随性)があればよい。また、インキ12は、1種類のインキだけでなく、複数のインキを混合してもよい。例えば、同じ色で物性の異なるインキを複数種混合して柔軟性を実現してもよいし、色の異なる複数のインキを混合する場合も、物性の異なるインキを複数種混合して柔軟性を実現しても良い。
図4は、印刷パターンがマトリックスの表面に形成された刺激応答性可逆変形構造体の乾燥状態及び湿潤状態における断面模式図である。図4(a)は乾燥状態における刺激応答性可逆変形構造体を示し、図4(b)は湿潤状態における刺激応答性可逆変形構造体を示す。例えば、伸縮性インキを用いて印刷パターンをマトリックスの表面に形成した場合、マトリックス11の体積変化に追随して印刷パターン13のインキ12も体積変化を起こすことで、図4(a)に示す乾燥時の印刷パターン13は、図4(b)に示すように湿潤によって膨潤してパターンが等方的に拡大するため、より太く、立体的にパターンが見えるといった視覚的変化を起こすことができる。伸縮性を有さないインクを用いた場合、マトリックス11における印刷パターン13を形成したエリアは固定されるため、マトリックス11の体積変形を異方的に制御することができる。導電性インキを用いた場合には、マトリックス11に導電性インキでくし型電極などを形成することで、湿度変化による水分の吸着及び脱離で発生するマトリックス11の体積変化を静電容量の変化で検出する、湿度センサー機能を発現させることが出来る。カラーインキを用いた場合には、印刷パターンと接する部分と印刷パターンと接していない部分の体積変化率の違いにより、パターンのピッチや大きさが変化し、視覚的な色の濃淡や模様が変化する。この場合、印刷パターンの色の濃淡表現の変化を、単位面積に配置する複数の線の線幅、ドットサイズ、ピッチのいずれかを調整することにより制御することができる。磁性材料を含有する磁性インキを用いた場合には、水分の吸着及び脱離に伴う体積変化に加えて、磁場による印刷パターンの変形を誘起することができ、二種類の刺激応答性を付与した構造体とすることができる。紫外線発色インキや蓄光インキを用いた場合には、水分の吸着及び脱離に伴う体積変化による印刷パターン13の変化にインキ12の持つ発色機能を組合せることができ、より効果的な視覚変化を発現させることができる。
図2に示す刺激応答性可逆変形構造体1は、印刷パターン13がマトリックス11の内部に形成されたものである。印刷パターン13をマトリックス11の内部に形成することで、パターン変形によるインキ12とマトリックス11との界面における剥離抑制や耐擦傷性の向上が可能となり、使用可能なインキ種類や用途を拡大することができる。
印刷パターン13を内部に形成する方法としては、マトリックス11表面に印刷パターン13を印刷後、印刷パターンエリアを覆うように新たにマトリックス11を構成する材料で覆い、硬化させればよい。
マトリックス11の水分の吸収、脱離に伴う体積変化率は、マトリックス11の形状や構成する材料種や構成比、硬化条件、さらに水分の吸収、脱離量により異なるものであり、一概に決定はできないが、使用する用途や発現させる機能によって適宜調整することができる。
ここで、硬化条件に対する体積変化率の関係の一例を示す。図5は、マトリックスの膨潤率及び硬化条件の関係の一例を示したグラフである。刺激応答性可逆変形構造体1に係るマトリックス11として、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミドをUV硬化によってフィルム形態に成形したものについて、UV照射条件に対する体積変化率の関係を膨潤率で示したものである。膨潤率は、温度23度、相対湿度50%におけるマトリックス11の体積をV0、十分に湿潤させたマトリックス11の体積をV1として、次式によって求めた。
膨潤率(%)=V1/V0×100
UV照度が高くなるほど膨潤率が低くなることがわかる。UV照度が高くなるほどマトリックス11の樹脂間の架橋密度が高くなることから、膨潤率が低下する。
また、マトリックス11の材料構成比による体積変化率の制御では、架橋剤の添加率を上げると、マトリックス11の架橋密度が増加するため、体積変化率を低下させることができる。また、親水性の高い樹脂あるいはモノマー成分を多くすることにより、マトリックス11の吸水率が増加することから、体積変化率を向上させることができる。
マトリックス11の水分の吸着及び脱離に伴う体積変化は、湿潤状態と乾燥状態の違いだけでなく、空気中に含有される水分量、つまり湿度によっても変化する。湿度が高い状態では、空気中に含まれる水分の量が多く、マトリックス11にも多くの水分が吸着し、マトリックス11の体積が大きくなる。一方、湿度が低い状態では、空気中に含まれる水分量が小さくなることから、マトリックス11に吸着される水分が少なくなり、マトリックス11の体積が小さくなる。
印刷パターン13の形状やサイズは、特に限定されるものではなく、使用する用途や機能、印刷方式、マトリックス11の体積変化率などによって、適宜選択することができる。
図6は、本実施の形態に係る刺激応答性可逆変形構造体の印刷パターンを表した模式図である。図6(a)は乾燥状態における印刷パターンを示し、図6(b)は湿潤下状態における印刷パターンを示す。図6に示すように、図6(a)に示す印刷パターン13は、黒インキによる数十ミクロンスケールのライン&スペースで構成されており、印刷パターン13を目視で観察すると少し透ける黒いベタ塗りパターンに見える。マトリックス11の体積変化率が数百%程度ある場合、マトリックス11を膨潤させることで、図6(b)に示すように、ライン幅とスペース(ピッチ)が拡大され、黒いラインの縞模様へと変化する。また、印刷パターンが、目視レベルでは読むことができない微細な文字で構成されていた場合、膨潤させることで、文字が等方的に拡大され、目視で確認可能となる。これらの変化はいずれも可逆的であり、乾燥させることで元の印刷パターンへと戻すことができる。
本実施の形態に係る刺激応答性可逆変形構造体1は、他の物体に取付けて使用することが可能である。刺激応答性可逆変形構造体1を取り付ける対象物は、例えば、包装材や壁、床などの構造物、什器、衣類、自動車などの交通手段が挙げられる。刺激応答性可逆変形構造体1の取付け方は、取り付ける対象物と刺激応答性可逆変形構造体1を勘案して適宜選択することができ、例えば、接着、埋め込み、釘などでの固定が挙げられる。
(実施の形態2)
(刺激応答性可逆変形構造体2)
次に、本実施の形態では、マトリックスの体積変化が異方的に発現する刺激応答性可逆変形構造体について説明する。
図7〜図9は、本実施の形態に係る刺激応答性可逆変形構造体の一例を示した模式図である。図7は、マトリックスの一方面に印刷パターンが形成され、マトリックスの他方面に水分の吸着及び脱離で体積変化しない基材が密着した刺激応答性可逆変形構造体の模式図である。図7(a)は平面模式図であり、図7(b)は図7(a)に示す切断線D−Dに沿う断面模式図である。図8は、マトリックスの内部に印刷パターンが形成され、マトリックスの表面に水分の吸着及び脱離で体積変化しない基材が密着した刺激応答性可逆変形構造体の模式図である。図8(a)は平面模式図であり、図8(b)は図8(a)に示す切断線E−Eに沿う断面模式図である。図9は、マトリックスの一方面に水分の吸着及び脱離で体積変化しない基材が密着し、マトリックスと基材との間に印刷パターンが形成された刺激応答性可逆変形構造体の模式図である。図9(a)は平面模式図であり、図9(b)は図9(a)に示す切断線F−Fに沿う断面模式図である。図7〜図9に示すように、刺激応答性可逆変形構造体2は、マトリックス11と、マトリックス11の表面あるいは内部にインキ12により形成された印刷パターン13と、マトリックス11の一方の面に積層された基材21とを有する。詳細は後述するが、基材21がマトリックス11の一方の面と密着することで、マトリックス11が部分的に変形抑制された構造とすることができる。マトリックス11を部分的に変形抑制することで、膨潤収縮による変形が異方的になり、印刷パターン13の変形にも変化を与えることができる。変形抑制とは、完全に変形させないこと、あるいは、変形率を減少させることを意味する。
本実施の形態に係る刺激応答性可逆変形構造体2は、フィルム状構造に限られたものではなく、球状や板状、ロッド状、三次元の構造体でもよい。刺激応答性可逆変形構造体2がこれらの形状である場合、基材21は、マトリックス11の最表面の少なくとも一部と密着していればよい。
マトリックス11を部分的に変形抑制する方法としては、マトリックス11の表面あるいは内部の体積変化を部分的に抑制すればよい。マトリックス11の表面を変形抑制する方法としては、図7〜図9に示すように、水分の吸着及び脱離により体積が変化する材料からなるマトリックス11の一方面が、水分をほとんど吸収しない材料からなる基材21と密着し固定されていればよい。また、マトリックス11の内部を変形抑制する方法としては、マトリックス11の架橋密度や硬化度、重合度を変更すればよい。
マトリックス11表面を変形抑制する場合、水分をほとんど吸収しない基材21の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)などの樹脂材料や、ステンレスやニッケル版や銅板などの金属体等を用いることができる。また、基材21は、水分をほとんど吸収しないように表面処理を施すことで、木材、紙、セラミック(陶器、磁器など)なども用いることができる。マトリックス11表面を変形抑制するには、水分の吸着及び脱離により体積変化する材料からなるマトリックス11と水分をほとんど吸収しない材料からなる基材21との密着性が強いほどよいことから、密着性を向上させるためにマトリックス11または基材21に表面処理を施してもよい。
表面処理方法としては、オゾン処理やコロナ処理、プラズマ処理などの親水化処理や、シランカップリング剤などを用いた自己組織化単分子膜による表面改質などを利用することができる。
マトリックス11内部を変形抑制するために、マトリックス11の架橋密度や硬化度、重合度を変更する方法としては、マトリックス形成用塗液の塗膜の硬化時の開始剤活性化率を変更する方法が挙げられる。開始剤の活性化率が減少すると、重合反応及び架橋反応の発生点が減少することから、架橋密度や硬化度、重合度が低下する。その結果、マトリックス11内部で体積変形率が高いところと、低いところの分布が発生し、異方的な体積変化を誘起することができる。開始剤活性化率を変更する方法としては、例えば、紫外線硬化性樹脂を用いた場合、紫外線遮蔽マスクを利用して、紫外線照射量や照度について塗膜内で分布を持たせる方法や、紫外線照射時における塗膜内部での紫外線強度の減衰を利用して、開始剤の活性化率に分布を持たせる方法が挙げられる。
マトリックス11を構成する材料としては、水分の吸収、脱離に伴って体積変化を発現する材料であれば特に限定されず、上述した実施の形態1に記載の材料と同じ材料を用いることができる。
また、マトリックス11の形成方法及び着色方法、並びに印刷パターン13の形成方法についても、上述した実施の形態1に記載の方法を適宜利用することができる。また、インキ12についても、上述した実施の形態1に記載のインキと同様に、マトリックス11及び基材21の変形の際に割れない程度の柔軟性(追随性)があればよく、1種類のインキだけでなく、複数のインキを混合してもよい。また、基材21についても、マトリックス11と同様に上述した実施の形態1に記載の方法を用いて、着色や表面加工を行うことができる。尚、実施の形態1に係る刺激応答性可逆変形構造体1の製造方法においては、マトリックス形成用塗液の塗膜を硬化させた後に塗膜の硬化膜を基材から剥離することでマトリックス11を得たが、本実施の形態においては、基材を水分をほとんど吸収しない基材21とすることで、硬化膜を基材21から剥離せずに、本実施の形態に係るマトリックス11を得ることができる。
刺激応答性可逆変形構造体2の体積変化を異方的にすると、印刷パターン13の視覚的変化も等方的体積変化とは大きく異なるものとなる。例えば、図7に示すマトリックス11の一方面がPETフィルムと密着することで変形抑制された刺激応答性可逆変形構造体2の場合、PETフィルムとの密着面と反対の面に形成された数十ミクロンスケールのライン&スペースの印刷パターン13は、マトリックス11が膨潤することでライン幅が減少し、ピッチは変化しない現象が観察される。図10は、マトリックスの一方の面に印刷パターンが形成され、マトリックスの他方面に水分の吸着及び脱離で体積変化しない基材が密着した刺激応答性可逆変形構造体の乾燥状態及び湿潤状態における断面模式図である。図10(a)は乾燥状態における刺激応答性可逆変形構造体を示し、図10(b)は湿潤状態における刺激応答性可逆変形構造体を示す。図10(b)に示すように、一方面が変形抑制された状態でマトリックス11が膨潤すると、刺激応答性可逆変形構造体2はPETと密着する面の膨潤が抑制され、PETと密着していない印刷面側においてPET面と垂直方向であってPET面と離れる方向にのみ膨潤するようになる。そこで印刷パターン13に変形し難い固いインキ12を使用した場合、マトリックス11における印刷パターン13のないスペース部分の膨潤率が高くなり、インキ12を圧縮するように変形する。その結果、印刷パターン13のライン幅は細くなる。一方、印刷パターン13のピッチは、PETによる変形抑制の影響により変化しない。つまり、ピッチは変化せずにライン幅だけが収縮することになり、視覚的には印刷パターンが薄く、見えづらくなるようになる。このような変化は、実施の形態1に係る等方的に体積変化させた場合とは大きく異なる視覚的変化となり、新たな視覚効果の発現といえる。
本実施の形態に係る刺激応答性可逆変形構造体2についても、上述した実施の形態1に係る刺激応答性可逆変形構造体1と同様に、他の物体に取付けて使用することが可能である。
以下、本発明の具体的な実施例を挙げて説明する。
(刺激応答性可逆変形構造体1)
(実施例1)
まず、マトリックス形成用塗液を調製した。親水性UV硬化性モノマーとして、N−メチルアクリルアミド(30重量部)、N−イソプロピルアクリルアミド(30重量部)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(10重量部)、光重合開始剤としてIrgacure2959(BASF社製、0.1重量部、外添)、溶媒として純水(30重量部)を用い、混合した塗液を調製した。
次に、調製した塗液を基材上に塗布した。基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)(ルミラーT60、厚さ75μm、東レ社製)とした。また、塗工はダイコーターの連続塗工機を使用して、塗工幅450mm、塗工長さが100mとなるように連続塗工した。塗液の塗布量は、乾燥膜厚が45μmとなるように設定した。
次に、基材に塗布された塗液を熱処理により乾燥させ、基材上に塗膜を形成した。熱処理条件は、100℃で3分間とした。
次に、基材上に形成した塗膜に電離放射線を照射し、塗膜を硬化させた。このとき、電離放射線として紫外線を照射した。また、紫外線の照射は、コンベア式紫外線硬化装置を用いて露光量420mJ/cmとした。
その後、硬化した塗膜を基材から剥離しながらロールに巻取り、マトリックスを得た。
得られたマトリックスの表面にオフセット印刷を用いて、ライン幅が50μm、ピッチが100μmのライン&スペースのパターンを黒インキにて印刷することで、印刷パターンを形成し、刺激応答性可逆変形構造体1を作製した。尚、本発明の実施例では、ラインが黒インキ、スペースが黒インキが印刷されていない部分として説明している。ピッチは、任意の定義が可能であるが、例えば隣り合ったラインの中心同士の距離とすることができる。
(実施例2)
実施例1と同様の材料及び組成、成膜方法、印刷方法を利用し、紫外線露光量を320mJ/cmに変更して刺激応答性可逆変形構造体1を作製した。
(実施例3)
実施例1と同様の材料及び組成、成膜方法、印刷方法を利用し、紫外線露光量を220mJ/cmに変更して刺激応答性可逆変形構造体1を作製した。
(実施例4)
マトリックス形成用塗液の親水性UV硬化性モノマーとして、N−メチルアクリルアミド(30重量部)、N−イソプロピルアクリルアミド(20重量部)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(20重量部)、光重合開始剤としてIrgacure2959(BASF社製、0.1重量部、外添)、溶媒として純水(30重量部)を混合した塗液を調製した。
上記の塗液を利用し、実施例1と同様の成膜方法、印刷方法を利用し、刺激応答性可逆変形構造体1を作製した。
(実施例5)
マトリックス形成用塗液の親水性UV硬化性モノマーとして、N−メチルアクリルアミド(30重量部)、N−イソプロピルアクリルアミド(10重量部)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(30重量部)、光重合開始剤としてIrgacure2959(BASF社製、0.1重量部、外添)、溶媒として純水(30重量部)を混合した塗液を調製した。
上記の塗液を利用し、実施例1と同様の成膜方法、印刷方法を利用し、刺激応答性可逆変形構造体1を作製した。
(実施例6)
親水性電離放射線硬化性樹脂、親水性電離放射線硬化性モノマーおよびフィラーを添加したマトリックス形成用塗液を調製した。親水性UV硬化性樹脂UA−W2A(新中村化学工業社製、5重量部)、親水性UV硬化性モノマーHEAA(KJケミカルズ社製、40重量部)、水膨潤性層状粘土鉱物LAPONITE RDS(BYK社製、3重量部)、光重合開始剤Irgacure2959(BASF社製、0.02重量部、外添)、溶媒として純水(50重量部)を混合した塗液を調製した。この塗液を利用し、実施例1と同様の成膜方法、印刷方法を利用し、刺激応答性可逆変形構造体1を作製した。
(実施例7)
親水性の熱硬化性樹脂を用いたマトリックス形成用塗液を調製した。ビスフェノールA型エポキシ樹脂jER828(三菱化学株式会社製、40重量部)、硬化剤としてポリアミドポリアミン樹脂ポリマイドL−4051(三洋化成工業株式会社製、10重量部)、反応性希釈剤としてメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(三菱ガス化学株式会社製、49重量部)、重合開始剤として過酸化物パーヘキサC(日本油脂株式会社製、1重両部)を混合した塗液を調製した。
次に、得られた塗液を基材上に塗布した。基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)(ルミラーT60、厚さ75μm、東レ社製)とした。また、塗工は枚葉塗工して、塗工幅450mm、塗工長さが1mとなるように成形した。塗液の塗布量は、乾燥膜厚が45μmとなるように設定した。
次に、基材に塗布された塗液を100℃で1時間熱処理し、塗膜を硬化させた。次に、硬化した塗膜を基材から剥離し、マトリックスを得た。このマトリックスを用いて、実施例1と同様の印刷方法を利用し、刺激応答性可逆変形構造体1を作製した。
実施例1〜5で作製した刺激応答性可逆変形構造体1の湿潤時における膨潤率並びに印刷パターンのライン幅及びピッチの変化率を表1に示す。いずれの変化率も気温23度、相対湿度50%で平衡状態となった刺激応答性可逆変形構造体1を基準とし、刺激応答性可逆変形構造体1から約150mm角を切取り純水に浸漬後、水分量が平衡となった状態にて測定、算出した。実施例1〜3では、紫外線硬化時の露光量が増加するに従って、膨潤率は低下し、印刷パターン13のライン幅やピッチも減少した。また、実施例1、4、5を比較すると、2官能モノマーの添加率が増加するに従って、膨潤率は低下し、印刷パターン13のライン幅やピッチも減少した。
Figure 0006954050
実施例6で作製した、マトリックスが水膨潤性層状化合物を含むナノコンポジットフィルムからなる刺激応答性可逆変形構造体1の湿潤時における変化率を測定したところ、膨潤率が650%となり、ライン幅は225%、ピッチは230%の変化率を示した。
実施例7で作製した熱硬化性樹脂を用いた刺激応答性可逆変形構造体1の湿潤時における変化率を測定したところ、膨潤率が254%となり、ライン幅は123%、ピッチは112%の変化率を示した。
実施例1〜7のいずれの刺激応答性可逆変形構造体1も、湿潤させることで印刷パターン13が拡大され、パターンサイズの変化や印刷部濃淡の変化など視覚的に大きな変化が観察された。また、刺激応答性可逆変形構造体1の膨潤率の違いによっても、視覚的変化に違いが見られた。
(刺激応答性可逆変形構造体2)
(実施例8)
親水性電離放射線硬化性樹脂、親水性電離放射線硬化性モノマーおよびフィラーを添加したマトリックス形成用塗液を調製した。親水性UV硬化性樹脂UA−W2A(新中村化学工業社製、5重量部)、親水性UV硬化性モノマーHEAA(KJケミカルズ社製、40重量部)、水膨潤性層状粘土鉱物LAPONITE RDS(BYK社製、3重量部)、光重合開始剤Irgacure2959(BASF社製、0.02重量部、外添)、溶媒として純水(50重量部)を混合した塗液を調製した。
次に、調製した塗液を基材21上に塗布した。基材21は、ポリエチレンテレフタレート(PET)(ルミラーT60、厚さ75μm、東レ社製)とした。また、塗工はダイコーターの連続塗工機を使用して、塗工幅450mm、塗工長さが100mとなるように連続塗工した。塗液の塗布量は、乾燥膜厚が45μmとなるように設定した。
次に、基材21に塗布された塗液を熱処理により乾燥させ、基材21上に塗膜を形成した。熱処理条件は、100℃で3分間とした。
次に、基材21上に形成した塗膜に電離放射線を照射し、塗膜を硬化させ、基材21上にマトリックスを形成した。このとき、電離放射線として紫外線を照射した。また、紫外線の照射は、コンベア式紫外線硬化装置を用いて露光量420mJ/cmとした。
得られたフィルムの表面にオフセット印刷を用いて、ライン幅が56μm、ピッチが102μmのライン&スペースのパターンを黒インキにて印刷することで、印刷パターンを形成し、刺激応答性可逆変形構造体2を作製した。
作製した刺激応答性可逆変形構造体2を湿潤させたところ、ライン幅は19μmと細くなり、ピッチは98μmとほとんど変化しなかった。図11に湿潤前後における印刷パターンの光学顕微鏡観察結果を示す。図11(a)は乾燥状態における印刷パターンを示し、図11(b)は湿潤下状態における印刷パターンを示す。湿潤によるフィルムの目視変化としては、図11(a)に示すように乾燥時には黒いベタ塗りパターンであったが、図11(b)に示すように湿潤することで略透明となり、大きな視覚変化が観察された。略透明化した印刷パターンは、刺激応答性可逆変形構造体2を乾燥させることで黒いベタ塗りパターンへと完全に戻る可逆性を示した。
本発明の刺激応答性可逆変形構造体は、印刷物の可逆的な変化を伴う多彩な表現に利用できる。また、使用するインキを導電性インキとして回路パターンを作製することで、体積変化に伴う電気的特性の変化を利用したセンサーデバイスの分野に好適に利用が期待される。
1 等方的な体積変化を示す刺激応答性可逆変形構造体
2 異方的な体積変化を示す刺激応答性可逆変形構造体
11 マトリックス
12 インキ
13 印刷パターン
21 基材

Claims (16)

  1. 刺激応答性可逆変形構造体であって、
    マトリックスと、前記マトリックスの表面あるいは内部にインキにより形成された印刷部とを有し、
    前記マトリックスは、水分を吸着及び脱離する特性を有する樹脂により構成され、
    前記マトリックスの水分の吸着及び脱離に伴う体積変化によって前記印刷部が形状変化し、
    前記マトリックスの体積変化が、等方的に変化することを特徴とする、刺激応答性可逆変形構造体。
  2. 前記樹脂が、硬化性樹脂材料の重合体あるいは共重合体であることを特徴とする、請求項1に記載の刺激応答性可逆変形構造体。
  3. 前記硬化性樹脂材料が、電離放射線硬化性あるいは熱硬化性を有することを特徴とする、請求項2に記載の刺激応答性可逆変形構造体。
  4. 前記印刷部が、1色以上の有色のインキの組み合わせで構成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の刺激応答性可逆変形構造体。
  5. 前記マトリックスの水分の吸着及び脱離に伴う体積変化により、前記印刷部の色の濃淡表現が変化することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の刺激応答性可逆変形構造体。
  6. 前記印刷部が、複数の線あるいはドットの組み合わせで構成され、
    前記印刷部の色の濃淡表現の変化が、単位面積に配置する複数の線の線幅、ドットサイズ、ピッチのいずれかを調整することにより制御されていることを特徴とする、請求項5に記載の刺激応答性可逆変形構造体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の刺激応答性可逆変形構造体の製造方法において、
    硬化性樹脂材料を含む塗液を調製する塗液調製工程と、
    前記塗液を支持体上に塗布する塗布工程と、
    前記支持体上に塗布した前記塗液を熱処理して塗膜を形成する熱処理工程と、
    前記塗膜に電離放射線を照射して硬化させて、前記支持体に支持された硬化膜からなるマトリックスを形成する電離放射線照射工程と、
    前記マトリックスを前記支持体から剥離する剥離工程と、
    前記マトリックスの表面あるいは内部に印刷パターンを形成する工程とを備え、
    前記マトリックスが、水分を吸着及び脱離する特性を有する樹脂により構成されることを特徴とする、刺激応答性可逆変形構造体の製造方法。
  8. 刺激応答性可逆変形構造体であって、
    マトリックスと、前記マトリックスの表面あるいは内部にインキにより形成された印刷部とを有し、
    前記マトリックスは、水分を吸着及び脱離する特性を有する樹脂により構成され、
    前記マトリックスの水分の吸着及び脱離に伴う体積変化によって前記印刷部が形状変化し、
    前記マトリックスの体積変化が、異方的に変化することを特徴とする、刺激応答性可逆変形構造体。
  9. 前記樹脂が、硬化性樹脂材料の重合体あるいは共重合体であることを特徴とする、請求項8に記載の刺激応答性可逆変形構造体。
  10. 前記硬化性樹脂材料が、電離放射線硬化性あるいは熱硬化性を有することを特徴とする、請求項9に記載の刺激応答性可逆変形構造体。
  11. 前記印刷部が、1色以上の有色のインキの組み合わせで構成されることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の刺激応答性可逆変形構造体。
  12. 前記マトリックスの水分の吸着及び脱離に伴う体積変化により、前記印刷部の色の濃淡表現が変化することを特徴とする、請求項8〜11のいずれか1項に記載の刺激応答性可逆変形構造体。
  13. 前記印刷部が、複数の線あるいはドットの組み合わせで構成され、
    前記印刷部の色の濃淡表現の変化が、単位面積に配置する複数の線の線幅、ドットサイズ、ピッチのいずれかを調整することにより制御されていることを特徴とする、請求項12に記載の刺激応答性可逆変形構造体。
  14. 前記マトリックスの最表面の少なくとも一部が、水分を吸着及び脱離する特性を有さない材料と密着していることを特徴とする、請求項8〜13のいずれか1項に記載の刺激応答性可逆変形構造体。
  15. 前記マトリックスの内部の水分の吸着及び脱離に伴う体積変化が、前記マトリックスの組成、硬化度、架橋密度、重合度のいずれかによって制御されていることを特徴とする、請求項8に記載の刺激応答性可逆変形構造体。
  16. 請求項8に記載の刺激応答性可逆変形構造体の製造方法において、
    硬化性樹脂材料を含む塗液を調製する塗液調製工程と、
    前記塗液を支持体上に塗布する塗布工程と、
    前記支持体上に塗布した前記塗液を熱処理して塗膜を形成する熱処理工程と、
    前記塗膜に電離放射線を照射して硬化させて、前記支持体に支持された硬化膜からなるマトリックスを形成する電離放射線照射工程と、
    前記マトリックスの表面あるいは内部に印刷パターンを形成する工程とを備え、
    前記マトリックスが、水分を吸着及び脱離する特性を有する樹脂により構成されることを特徴とする、刺激応答性可逆変形構造体の製造方法。
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