JPH11208091A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH11208091A
JPH11208091A JP10015851A JP1585198A JPH11208091A JP H11208091 A JPH11208091 A JP H11208091A JP 10015851 A JP10015851 A JP 10015851A JP 1585198 A JP1585198 A JP 1585198A JP H11208091 A JPH11208091 A JP H11208091A
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JP
Japan
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image
image forming
ink
forming method
substance
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JP10015851A
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English (en)
Inventor
Akimasa Komura
晃雅 小村
Kazushirou Akashi
量磁郎 明石
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる画像情報に対応した高画質なイン
ク像およびその転写画像を、連続に安定して形成するこ
とができるような新規な画像形成方法を提供する。 【解決手段】 複数の微細孔9を形成した表面を有する
多孔質基体の微細孔内に、外部エネルギーの付与により
体積変化を起こす刺激応答性物質10を充填して画像形
成基体1を形成する工程と、画像形成基体1に画像情報
に対応したエネルギーを付与して微細孔内に充填された
刺激応答性物質10の体積を変化させて、画像形成基体
上に画像情報に対応した凸状領域11を形成する工程
と、形成された凸状領域先11端部にインクを接触させ
ることにより、画像情報に対応したインク画像を形成す
る工程と、を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリンター、複写
機、ファクシミリあるいは印刷機などに利用できる新規
な画像形成方法に関し、さらに詳しくは刺激応答性物質
の外部エネルギーに応じた可逆的な体積変化を利用し、
微細孔を有する画像形成基体上で、画像情報に応じてイ
ンクを付着させ、インク画像および印刷物を作成するこ
とを特徴とする画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表面に画像状の凹凸を形成し、凸状領域
にインクを付着させて印刷物を得る代表的なものとして
は、グラビア印刷のような凸版印刷方式が古くから知ら
れている。また、凹凸を用いずに印刷版表面を液体付着
性領域と非液体付着性領域とに区分けして画像形成に使
用するようにした手段の代表的なものとしては、平版印
刷版を用いたオフセット印刷方式があげられる。これら
の一般的な印刷版は、原版からの製版工程および刷版
(印刷版)からの印刷工程を一つの装置内に組み込むこ
とが困難であり、製版印刷装置の小型化は非常に困難な
ものとなっている。これら従来の印刷方法には、可逆性
を有するプロセスにより印刷版原版を繰り返し使用可能
とするような記録方法あるいは装置は実用上ほとんどな
いのが現状であった。
【0003】画像情報に応じて印刷版に液体付着性領域
および非液体付着性領域を形成し、かつ、可逆性を有す
るプロセスにより繰り返しの使用が可能な記録方法ある
いは装置が提案されている。その具体的な例としては、
次にあげるものが知られている。
【0004】[A] 疎水性の光導電体層に外部より電荷を
与えた後、露光して光導電体層表面に疎水性領域および
親水性領域を有するパターンを形成し、親水性領域のみ
に水性現像剤を付着させて被記録体に転写する(特公昭
39-4299 号、特公昭39-29135号、特公昭40-18993号、特
公昭47-40818号、特公昭44-9512 号、特公昭41-6394
号、特公昭40-18992号などの公報)水性現像方式。
【0005】[B] アゾベンゼン、アゾ色素などの材料を
含有した層に紫外線を照射して、シス- トランス光異性
化反応を起こしたり、ロイコ体を含有した層に紫外線を
照射して、光イオン化反応を起こしたりして、これらの
材料の親水性と疎水性を変化させることで、画像記録に
利用する( 特開平2-286285号、特開平2-303885号、特開
平4-45961 号、特開平4-45965 号、特開平4-45977 号、
特開平4-234689号、特開平4-45982 号、特開平4-43070
号などの公報) フォトクロミック材料の光化学反応を利
用した方式。
【0006】[C] 不定形状態と結晶状態とを物理的変化
により形成し、液体インクの付着、非付着領域を構成す
る( 特公昭48-43290号、特公昭54-6923 号、特公昭54-4
1902号などの公報) 内部偏倚力の作用を利用した方式。
【0007】[D] 加熱状態でかつ液体と接触させた時
に、後退接触角が低下する性質を示す自己配向性化合物
を含有する表面を有する記録体に画像を形成する方式で
ある。該記録体表面に、液体を接触させた状態で選択的
に加熱することで、加熱温度に応じた後退接触角を示す
領域を形成し、この後退接触角を変化させた領域に顕色
剤を含有する記録剤で顕像化し被記録体に転写する( 特
開平3-278984号、特開平4-1080号、特開平4-29882 号、
特開平4-185379号、特開平4-219268号などの公報) 自己
配向性化合物の加熱による後退接触角変化を利用した方
式。
【0008】前記[A] の方式によれば、水性インクを被
記録体に転写した後、除電により親水性部は消去され、
別の新たな画像情報の記録が可能となり、一つの原版で
異なる画像形成のための繰り返し使用が可能となる。し
かし、この方式は電子写真プロセスを基本としているた
め、帯電→露光→現像→転写→除電という長いプロセス
を必要とし、装置の小型化やコストの低減、メンテナン
スフリー化が困難であるといった欠点をもっている。
【0009】前記[B] の方式によれば、紫外線と可視光
との照射を選択的に変えることによって、親水性、疎水
性を自由かつ可逆的に制御できるものの、材料表面の親
水性、疎水性という表面エネルギー変化を制御している
ために、環境( 温度、湿度等) の依存性が大きく汚れな
どに対しても敏感で、安定性に欠けるといった欠点をも
っている。
【0010】前記[C] の方式によれば、使用される情報
記録部材は、記録後の安定性はあるものの、記録前にお
いて温度変化に依存して構造変化が生じることが懸念さ
れ、保存安定性に問題がある。また、記録された情報パ
ターンの消去には、熱パルスを与えた後急冷する必要が
あることから、繰り返しの画像形成において、繁雑さを
まぬがれないという欠点がある。
【0011】前記[D] の方式によれば、良質な画像を得
るための自己配向性化合物は、その分子構造上、立体障
害などにより反応速度が遅く、また、繰り返しの画像形
成における性能が不安定であるという欠点がある。
【0012】このように、印刷版のような記録媒体に、
画像情報に応じた領域を形成、消去して、連続的に異な
る画像情報に対応することができる画像形成方式は未だ
得られていないのが現状であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、異な
る画像情報に対応した高画質なインク像およびその転写
画像を、連続に安定して形成することができるような新
規な画像形成方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成方法
は、外部エネルギーの付与により体積変化を起こす刺激
応答性物質を充填した複数の微細孔を表面に有する画像
形成基体に画像情報に対応したエネルギーを付与して微
細孔内に充填された刺激応答性物質の体積を変化させ
て、画像形成基体上に画像情報に対応した凸状領域を形
成する工程と、形成された凸状領域先端部にインクを接
触させることにより、画像情報に対応したインク画像を
形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0015】さらに、本発明の画像形成方法は、このイ
ンク画像を形成した後、被転写体に接触あるいは加圧接
触させることにより、該被転写体上に転写インク画像を
形成することを特徴としている。そして本発明の画像形
成方法は、インク画像を転写した後に、外部エネルギー
の付与により刺激応答性物質を初期状態に戻して、上記
工程を繰り返し行い画像を形成することを特徴としてい
る。
【0016】本発明の上記の構成によれば、外部エネル
ギーの付与により画像形成基体表面の微細孔に充填材と
して埋めこまれた刺激応答性物質が、体積変化(増加)
を起こして画像状に凸状領域を形成する。ここにインク
を付着させて鮮明なインク画像を形成しうるとともに、
これを紙等の別の記録媒体に転写する、即ち、凸版印刷
版として使用することができるとともに、外部エネルギ
ーの制御により、体積変化を初期状態に戻すことによ
り、容易に画像の消去と画像形成基体の初期化を行うこ
とができるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の画像形成方法につ
いて、詳細に説明する。
【0018】本発明の画像形成方法に用いる画像形成基
体は、微細孔が多数形成された基体の開口孔内に外部エ
ネルギーの付与によって体積変化を生じる刺激応答性物
質が充填されている。ここで用いる多孔質基体は、好適
な孔径の微細孔を表面に有し、画像形成基体として成形
可能であり、温度の変化に対して安定なものであればど
のようなものでも使用できるが、例えば、アルミニウム
製ドラムの表面に陽極酸化処理を施して微細孔を形成し
たものやセラミクス(アルミナ、ジルコニア、その他の
金属酸化物やこれらの複合体)などの各種金属酸化物等
の多孔質体、メンブランフィルター等の無機多孔質体、
ミクロポーラススポンジ等の多孔性有機材料等を好まし
く挙げることができる。
【0019】アルミニウムに陽極酸化処理を行う場合、
具体的には、硫酸浴、燐酸浴、あるいはしゅう酸浴等を
用いて、酸化アルミニウム(アルマイト)層を形成す
る。この時、アルマイト層厚はおよそ10〜100 μm であ
り、即ち、10〜100 μm 程度の深さの微細孔が形成され
る。なお、より好ましい微細孔の深さは20〜40μm 程度
であり、微細孔の面積率は、40〜90%程度であるこ
とが好ましい。また、解像度の観点から、画像形成基体
表面の微細孔の孔径は直径10nm〜40μm、より好ましく
は10nm〜10μm程度であるが、前記アルミニウムに陽極
酸化処理を施した場合には、およそ10nm〜30nmの孔径を
有する微細孔が形成される。
【0020】その他の画像形成基体用の多孔質体として
は、内部まで貫通した直径1〜100μm 程度の微細孔を
空孔率70〜90% で有するポリウレタンミクロポーラスス
ポンジロールを適用することもできる。このようなスポ
ンジ体の場合には、内部に刺激応答性物質の膨潤用液体
を保持した構成とすることができる。
【0021】本発明に用いる微細孔充填材としての刺激
応答性物質は、光、熱等の外部エネルギーの付与によっ
て、体積が変化し、その変化がエネルギーにより制御可
能であれば、どのようなものでも使用することができる
が、代表的なものとして、光異性化物質を高分子化合物
に重合、吸着、混合、化学結合した物質、感熱性高分子
化合物、形状記憶樹脂等が挙げられる。
【0022】光異性化物質としては、アゾベンゼン類、
スピロピラン類、スチルベン類、トリフェニルメタン類
のロイコ体などが挙げられ、これらのうちの少なくとも
1 種を高分子化合物に重合、吸着、混合、化学結合した
物質が好ましい。感熱性高分子化合物としては、メチル
セルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレン
オキシド、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、ポリ(N- 置
換アクリルアミド誘導体) などの少なくとも1 種から構
成されている物質が挙げられ、形状記憶樹脂としては、
ポリノルボルネン、架橋トランスポリイソプレン、加硫
ゴム、ポリスチレン−ポリブタジエン複合体などが挙げ
られる。
【0023】また、本発明に用いる微細孔充填材の可逆
的な体積変化の制御を行うための外部エネルギー付与方
法としては、加熱と冷却、紫外光照射と可視光照射、お
よび加熱と加熱圧縮などの方法を適用することができ
る。
【0024】刺激応答性物質の体積変化は、例えば刺激
応答性物質が光異性化物質の場合、主に紫外領域の吸収
波長に対応する光を照射して、シス- トランス光異性化
による分子のエントロピー変化、イオン解離によるイオ
ン同士の電荷反発、官能基の極性変化による分子内溶媒
和の変化、疎水性相互作用の変化などを起こすことによ
り、高分子鎖の分子形態が変化して体積変化を起こし所
望の凸状領域を形成する。得られた凸状領域にインクを
付着し被転写体に転写画像を形成した後は、高分子鎖の
分子形態が変化した後に生じた主に可視領域の吸収波長
に対応する光を照射して初期状態に戻す事ができる。
【0025】また、刺激応答性物質が感熱性高分子化合
物の場合、例えば相転移温度などの熱応答性物質固有の
温度まで加熱することで、相転移、高分子集合体の形
成、立体異性化反応などに起因する体積変化を起こし所
望の凸状領域を形成する。得られた凸状領域にインクを
付着し被転写体に転写画像を形成した後は、冷却装置を
用いて室温付近まで冷却することで初期状態に戻す事が
できる。
【0026】また、刺激応答性物質が形状記憶樹脂の場
合、樹脂の流動性を防止した形状固定の働きをもつ固定
相と、温度により固化と軟化を可逆的に繰り返す可逆相
から構成されており、固定相と可逆相の両相を溶融する
高温において成形されたのち室温まで冷却されて、画像
形成基盤の形状記憶状態すなわち凸状形態記憶状態とな
る。画像形成基盤の初期化工程として、固定相は溶融さ
せず可逆相のみが溶融する温度(前述の固定相と可逆相
の両相を溶融して成形する温度よりも低い温度)まで加
熱することで、外力を加えることで容易に変形できる状
態にし、加圧することで圧縮し室温付近まで冷却して固
定化し、画像形成基盤を平坦化(初期化)する。このよ
うに初期化された形状記憶樹脂を有する画像形成基盤
を、適当な加熱手段を用いて画像状に前述の初期化温度
付近まで加熱すると、加熱された領域のみ可逆相が溶融
状態となり高温成形の際に記憶した形状に変化すること
で、初期化の際に圧縮された画像形成基盤上に画像様凸
状領域を形成する。得られた凸状領域にインクを付着し
被転写体に転写画像を形成した後は、再び加熱圧縮とい
う初期化工程を経て次の画像形成に使用することができ
る初期状態に戻す事ができる。
【0027】微細孔内に充填された刺激応答性物質の体
積変化により形成される画像様凸状領域は、少なくとも
10μm 、好ましくは30μm 以上の高さを有することが好
ましく、この高さは、微細孔の直径、深さ、内部に充填
した刺激応答性物質の種類や充填量を調整することで制
御可能である。
【0028】この刺激応答性物質の体積変化は、可逆的
変化が可能であれば、増加、減少のいずれでもよく、エ
ネルギー付与により体積増加を起こす物質の場合、エネ
ルギー付与部分が凸状領域となり、体積減少を起こす物
質の場合にはエネルギー付与部分が収縮して、エネルギ
ーが付与されない部分が凸状領域となる。
【0029】この画像様凸状領域に、例えば多孔質ロー
ルなどの適当なインク保持部材に保持したインクを接触
させることにより、選択的に凸部のみにインクを付着さ
せたインク画像を得ることができる。
【0030】また、さらにこのインク画像に、紙等の被
転写体を接触あるいは加圧接触させることにより、該被
転写体上に転写インク画像として転写して、記録するこ
ともできる。
【0031】また上述したように、インク画像を転写し
た後の画像形成基体は、熱、光、圧力などのエネルギー
を、画像形成時とは逆の体積変化を起こすような性質を
もって付与することで初期状態に戻される。
【0032】以上のように行われる一連の画像形成プロ
セスのうち、転写工程までを繰り返すことで、同一画像
を連続して複数枚得ることができる。一方、画像形成基
体の初期化工程を含めて繰り返し行うことで、異なる画
像を連続して形成することもでき、初期化工程をどのタ
イミングで挿入するかを調整すれば、所望の画像を所望
の枚数、連続して複数枚得たり、一枚ずつの異なる画像
を連続して形成することもできる。
【0033】外部エネルギーの付与手段としては、公知
のものを選択することができ、具体的には、加熱手段と
しては、サーマルヘッド、レーザー光照射装置、赤外線
照射装置、ヒートロールなど各種装置が適用できる。ま
た、冷却手段としては、送風器を備えた熱交換器、ペル
チェ素子を用いた冷却器などの各種冷却方法が適用でき
る。紫外光照射手段としては、汎用の紫外線ランプを適
用することができる。また、可視光照射手段としては、
LED ランプ、レーザー光照射装置、ハロゲンランプなど
を適用することができる。これらを用いてエネルギーを
画像様に付与するには、レーザーやサーマルヘッドの場
合には、画像のデジタル情報に応じて走査させるなど、
直接画像様にエネルギーを付与刷る方法や、画像に対応
したネガ、或いはポジ型のフィルターを作成し、そのフ
ィルターを介して、全面加熱、或いは全面露光を行う方
法等が挙げられる。
【0034】以下に、本発明の具体的な構成及び工程に
ついて図を用いて詳しく説明する。図1には本発明に使
用する画像形成装置全体を模式的に示した。本発明に用
いる画像形成基体1は多孔質性のロールであり、例えば
図2に示すように画像形成基盤2上に微細孔含有層3を
形成した、直径約100mm 、厚さ約20mmのアルミニウム製
ドラム(以下、アルミドラムと称する)を適用すること
が出来る。該アルミドラムは、表面を硫酸浴、燐酸浴、
あるいはしゅう酸浴などを用いて陽極酸化処理すること
により、微細孔含有層3として厚さ10〜100 μm 程度の
酸化アルミニウム(アルマイト)層が形成されている。
該微細孔含有層3には直径10〜30nm程度の微細孔9が面
積率約50% で存在しており、該微細孔9には、各種の刺
激応答性物質10が充填されている。
【0035】またその他、画像形成基体用の多孔質性の
ロールとしては、内部まで貫通した直径1 〜100 μm 程
度の微細孔を空孔率70〜90% で有し、内部に刺激応答性
物質の膨潤用液体を保持した構成のポリウレタンミクロ
ポーラススポンジロールを適用することもできる。該微
細孔には主に熱応答性高分子化合物(高分子ゲル)を充
填して用い、膨潤用液体としては塩化ナトリウム、塩化
カリウム、塩化アンモニウム、酢酸ナトリウム、塩酸、
水酸化ナトリウム、塩化ドデシルピリジンなどの1 価の
イオンを形成する電解質の水溶液、あるいはアセトン、
エタノール、メタノールなどの水と相溶性のある有機溶
媒と前記電解質溶液との混合物のうち、少なくとも1 種
類を主成分とする液体を適用することが好ましい。この
膨潤用液体は高分子ゲルの体積変化を改良する機能を有
する。膨潤用液体として電解質の水溶液を用いる場合、
電解質濃度が0 〜0.1mol/リットル の範囲であることが好ま
しい。これは、電解質濃度が0.1mol/リットル 以上である
と、加熱による高分子ゲルの十分な体積変化が起こらな
いという問題があるためである。一方、膨潤用液体とし
て有機溶媒と電解質溶液の混合物を用いる場合、電解質
溶液1重量部に対して有機溶媒4重量部以下であること
が好ましい。これは、重量比で電解質溶液の4倍以上の
有機溶媒を含む混合溶液では、加熱による高分子ゲルの
十分な体積変化が起こらないという問題があるためであ
る。この膨潤用液体は刺激応答性物質1重量部に対して
1〜1000重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0036】図1に示すような外部エネルギー付与装置
4を用いて、画像情報に応じて画像形成基体1表面の微
細孔含有層3にエネルギーを付与することにより、エネ
ルギーを付与された画像様領域において充填材10であ
る刺激応答性物質が膨張して凸部を形成する。図3は、
画像形成基体1上の微細孔9に充填された刺激応答性物
質が画像様に体積増加して画像様凸状領域11を形成し
た状態を模式に示す斜視図である。
【0037】この画像様凸状領域11先端にインクを付
与する工程を経ることにより、インク画像が形成され
る。インクは、図4の概略断面図に示すように、インク
付与ロール5を画像様凸状領域11先端に接触させて付
与する。インク付与ロール5は、油性インク、染料水溶
液、顔料分散液などをしみ込ませたゴムスポンジ、ウレ
タンフォーム、発泡PVA 、ポリエチレン焼結体などの多
孔質ロールを使用し、画像様凸状領域11のみに選択的
にインクを付着させインク画像12を得る。こうして、
外部エネルギーの付与に応じたインク画像12が画像形
成基体1上に形成される。
【0038】このインク画像12はさらに、紙などの別
の被転写に転写することができる。図5は、転写工程の
概要を示す概略断面図である。示すように、インク画像
12が形成された画像形成基体1の表面に被転写体8で
ある普通紙を接触させ、画像形成基体1とは反対の面に
金属製あるいはゴム製の転写ロール6を配置し、該普通
紙8を画像形成基体1の表面に十分に密着させながら画
像形成基体1および転写ロール6を回転させて普通紙8
を搬送しつつインク画像12を該普通紙8に転写して、
例えば図6に示すような転写インク画像13を得る。
【0039】インク画像を被転写体に転写した後は、図
1に示す画像形成装置における初期化装置7を用いて、
画像形成基体1の表面に初期化の為の適切なエネルギー
を付与して、充填材である刺激応答性物質の画像様凸状
領域11形成とは逆の体積変化を生起させ、再び図2に
示すような初期状態に戻すことができる。この初期化さ
れた画像形成基体1は、連続的に異なる画像形成に使用
しうる。
【0040】本発明の上記の構成により、容易に繰り返
し安定して高画質な転写画像形成することができる新規
な画像形成方法が達成された。また、印刷版原版として
も用いうる画像形成基体は可逆的に画像形成、消去がで
き、画像形成後に簡単に初期状態に戻すことが可能であ
るため、画像形成装置の小型化も達成できるという利点
を有する。
【0041】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】(実施例1)本実施例に使用する画像形成
基体には、直径約100mm 、厚さ約20mmのアルミドラムを
用いた。該アルミドラムの表面は、しゅう酸浴を用いて
陽極酸化処理することにより、微細孔含有層として厚さ
10〜100 μm 程度の酸化アルミニウム(アルマイト)層
を形成した。該微細孔は、充填材として光異性化物質で
あるトリフェニルメタンのロイコ体のビニル誘導体を共
重合した高分子化合物を用いて封孔(微細孔に充填す
る)処理を行った。
【0043】画像様凸状領域の形成には、光エネルギー
付与装置として紫外線ランプを使用し、画像情報に応じ
て画像形成基体表面の微細孔含有層に可視光照射した。
可視光照射部において充填材である光応答性物質が膨張
して表面の微細孔から突出し、図3に斜視図で示した如
く、画像様に凸状領域が形成された。
【0044】次に図4に示すように、マラカイトグリー
ンの3%水溶液をしみ込ませたゴムスポンジロールをイ
ンク付与ロールとして使用し、画像様凸状領域先端に選
択的にインクを付着させインク画像を得た。
【0045】その後、被転写体として普通紙を用いて、
インク画像が形成された画像形成基体の表面に普通紙を
接触させ、画像形成基体とは反対の面にシリコーンゴム
製転写ロールを配置し、該普通紙を画像形成基体の表面
に十分に密着させながら画像形成基体および該転写ロー
ルを回転させて普通紙を搬送しつつインク画像を該普通
紙に転写して転写インク画像を得た。このようにして得
られた転写インク画像は、背景部に汚れがなく途切れや
潰れの無い鮮明な画像であった。
【0046】インク画像を被転写体に転写した後、初期
化装置としてハロゲンランプを用い、画像形成基体の表
面に可視光を照射して凸状領域を形成している充填材を
収縮させて再び初期状態に戻した。
【0047】その後、再度、同様な方法を用いて異なる
画像の形成を試みたところ、1 回目と同様に背景部に汚
れがなく途切れや潰れの無い鮮明な画像が得られた。
【0048】(実施例2)本実施例に使用する画像形成
基体には、ポリウレタンミクロポーラススポンジ(商品
名:ルビセル、東洋ポリマー社製)製のロールを用い
た。該スポンジロールは、平均約20μm の気孔径を有す
る微細孔が空孔率約70% で存在している、直径約80mm、
厚さ約20mmの中空多孔質ロールである。充填材である刺
激応答性物質として、熱応答性高分子化合物であるポリ
(N- イソプロピルメタクリルアミド)を用いて微細孔の
封孔処理を行った。その後多孔質ロール内部に、充填材
の膨潤用液体として0.02mol/リットルの塩化ナトリウム水溶
液を充填した。
【0049】次に、画像様凸状領域の形成には、熱エネ
ルギー付与装置としてサーマルヘッドを使用し、画像情
報に応じて画像形成基体表面の微細孔含有層を約60℃に
加熱することで、充填材である熱応答性高分子化合物が
相転移を起こして体積変化を生じさせた。なお、本実施
例に使用した熱応答性高分子化合物は、43℃付近に相
転移温度を有しており、高温で収縮が起こるために画像
形成基体の初期状態を充填材が膨張した状態とし、画像
の背景部を相転移温度(43℃)以上に加熱することで
多孔質ロール内部の液体を放出させ、体積収縮を生起さ
せることにより、画像部のみが収縮せずに保持され、画
像様凸状領域が形成された。
【0050】その後、該画像様凸状領域先端に実施例1
と同様な手法でインク画像を形成し、該インク画像を普
通紙に転写して転写インク画像を得た。このようにして
得られた転写インク画像は、実施例1と同様に、背景部
に汚れがなく途切れや潰れの無い鮮明な画像であった。
【0051】インク画像を被転写体に転写した後、初期
化装置として送風器を備えた熱交換器を利用した冷却装
置を用い、画像形成基体の表面を相転移温度(43℃)
以下に冷却することにより、収縮していた充填材を膨張
させて再び初期状態に戻した。
【0052】その後、再度同様な方法を用いて異なる画
像の形成を試みたところ、1 回目と同様に背景部に汚れ
がなく途切れや潰れの無い鮮明な画像が得られた。
【0053】(実施例3)本実施例に使用する画像形成
基体には、実施例1と同様の直径約100mm 、厚さ約20mm
のアルミドラムを用いた。該アルミドラムの表面は、し
ゅう酸浴を用いて陽極酸化処理することにより、微細孔
含有層として厚さ10〜100 μm 程度の酸化アルミニウム
(アルマイト)層を形成した。
【0054】本実施例においては、該微細孔には、刺激
応答性物質として形状記憶樹脂であるポリスチレン- ポ
リブタジエン複合体(商品名:アスマー、旭化成工業社
製)を充填して封孔処理を行った。該形状記憶樹脂は、
予め約120℃にて固定相と可逆相の両相を溶融して成
形、冷却することで形状記憶させたものを用い、約90
℃に加熱した状態(可逆相のみ溶融した状態)で加圧し
ながら封孔処理を行った。
【0055】次に、画像様凸状領域の形成には、熱エネ
ルギー付与装置としてサーマルヘッドを使用し、画像情
報に応じて画像形成基体表面の微細孔含有層を約60℃
に加熱することで、充填材である圧縮された形状記憶樹
脂が、記憶された形状を復元(伸長)して画像様凸状領
域を形成した。
【0056】その後、該画像様凸状領域先端に実施例1
と同様な手法でインク画像を形成し、該インク画像を普
通紙に転写して転写インク画像を得た。このようにして
得られた転写インク画像は、実施例1と同様に、背景部
に汚れがなく途切れや潰れの無い鮮明な画像であった。
【0057】インク画像を被転写体に転写した後、初期
化装置としてヒートロールを用いて、約90℃に加熱し
ながら圧縮することにより、画像様に凸状領域を形成し
ている充填材を収縮させて再び初期状態に戻した。
【0058】その後、再度、同様な方法を用いて異なる
画像の形成を試みたところ、1 回目と同様に背景部に汚
れがなく途切れや潰れの無い鮮明な画像が得られた。
【0059】以上述べたように本発明によれば、画像情
報に応じた各種エネルギーの付与により、画像形成基体
表面の微細孔に充填された刺激応答性物質が体積変化を
起こし、画像情報に応じて形成された凸状領域にインク
を選択的に付着させることで鮮明な画像を得ることがで
きる。また、インク画像は被転写体を接触させることで
転写され鮮明な転写インク画像を得ることができる。そ
して、エネルギーの制御によって体積変化を初期の状態
に戻し、これらの可逆的な工程を繰り返し行うことによ
り、所望の画像を連続して良好に形成することができ
る。
【0060】
【発明の効果】本発明の画像形成方法によれば、異なる
画像情報に対応した高画質なインク像およびその転写画
像を、連続に安定して形成することができるという優れ
た効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法にもちいる画像形成装置
の一態様を示す概略断面図である。
【図2】本発明の画像形成に用いる画像形成基体の1例
の表面付近を、模式的に示した拡大断面図である。
【図3】刺激応答性物質の体積変化により形成された画
像様凸状領域の1例を示す模式図である。
【図4】インク画像の形成工程の1例を示した概略断面
図である。
【図5】インク画像の転写工程の1例を示した概略断面
図である。
【図6】被転写体に転写されたインク画像の1例を示し
た平面図である。
【符号の説明】
1 ・・・画像形成基体 2 ・・・画像形成基盤 3 ・・・微細孔含有層 4 ・・・外部エネルギー付与装置 5 ・・・インク付与ロール 6 ・・・転写ロール 7 ・・・初期化装置 8 ・・・被転写体 9 ・・・微細孔 10・・・充填材 11・・・画像様凸状領域 12・・・インク画像 13・・・転写インク画像

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部エネルギーの付与により体積変化
    を起こす刺激応答性物質を充填した複数の微細孔を表面
    に有する画像形成基体に画像情報に対応したエネルギー
    を付与して微細孔内に充填された刺激応答性物質の体積
    を変化させて、画像形成基体上に画像情報に対応した凸
    状領域を形成する工程と、 形成された凸状領域先端部にインクを接触させることに
    より、画像情報に対応したインク画像を形成する工程
    と、を有することを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 形成されたインク画像をさらに被転写体
    に転写する工程を有することを特徴とする請求項1に記
    載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 形成されたインク画像を被転写体に転写
    した後に、外部エネルギーの付与により刺激応答性物質
    の体積を初期の状態に回復する工程を有し、前記画像形
    成基体により可逆的に画像形成を行うことを特徴とする
    請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記刺激応答性物質が、光異性化物質を
    高分子化合物に重合、吸着、混合、化学結合した物質、
    感熱性高分子化合物、形状記憶樹脂から選択される少な
    くとも1種により構成されることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記光異性化物質が、アゾベンゼン類、
    スピロピラン類、スチルベン類、トリフェニルメタン類
    のロイコ体から選択されることを特徴とする請求項4に
    記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記感熱性高分子化合物が、メチルセル
    ロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキ
    シド、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、ポリ(N−置換
    アクリルアミド誘導体)から選択されることを特徴とす
    る請求項4に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記形状記憶樹脂が、ポリノルボルネ
    ン、架橋トランスポリイソプレン、加硫ゴム、ポリスチ
    レン−ポリブタジエン複合体から選択されることを特徴
    とする請求項4に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記刺激応答性物質の体積変化を、加熱
    と冷却により可逆的に制御することを特徴とする請求項
    5に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記刺激応答性物質の体積変化を、可視
    光照射と紫外光照射により可逆的に制御することを特徴
    とする請求項6に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記刺激応答性物質の体積変化を、加
    熱と加熱圧縮により可逆的に制御することを特徴とする
    請求項7に記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記画像形成基体として、内部に刺激
    応答性物質の膨潤用液体を保持した構成の多孔質性のス
    ポンジロールを用い、該膨潤用液体が、1価のイオンを
    形成する電解質の水溶液、及び水と相溶性のある有機溶
    媒と電解質溶液との混合物のうち、少なくとも1種類を
    主成分とする液体であることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007098952A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Xerox Corp 画像を再形成できる印刷材
JP2010058185A (ja) * 2008-09-01 2010-03-18 Toyota Central R&D Labs Inc 自律応答性ゲルの配列体及びその製造方法、並びに自律応答体及びその製造方法
JP2019093650A (ja) * 2017-11-24 2019-06-20 凸版印刷株式会社 刺激応答性可逆変形構造体及びその製造方法

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