JP2999704B2 - 浸透印版の製法 - Google Patents

浸透印版の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は浸透印版の製法に関
する。さらに詳しくは、あらかじめスタンプ材にスタン
プインキを含浸させておくことにより長時間スタンプイ
ンキを補給することなく、捺印を繰り返すことができる
連続気泡を有するスポンジ材からなる浸透印版の製法の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】印判、スタンプを捺印する際にスタンプ
インキを印面にその都度付着する手間を省くため連続気
泡を有するスポンジゴムを印材として、これにあらかじ
めスタンプインキを吸蔵させたスタンプが知られてい
る。そのスタンプの製法として特開昭60−19368
6号公報には、スポンジの表面の印影を形成する部分を
除いた全面箇所を加熱型押加工により凹状に陥没させ押
し固め、凸部をスタンプインキ吸蔵部として印影形成部
とするスタンプの製法が開示され、特開昭50−155
323号にも同様の加熱板上に多孔質体を圧着する方法
が開示されている。しかし、これらの方法は、加熱板と
する金型とそれに文字、記号、図形などを彫刻もしくは
蝕刻する手間が必要である。
【0003】また、特開昭57−136652号公報、
特開昭49−7003号公報には、スタンプ材の表面に
光重合性液状樹脂を塗布し、この上面にポジフィルムを
置き上方より紫外線を照射して光重合反応をおこさせ、
未反応の樹脂を洗浄して除去し、除去した部分よりスタ
ンプ材の表面に露出させる印版の製法が開示され、また
実開昭52−71710号には、ネガフィルムを用いて
同様の方法による平版印判が開示されている。しかし、
これらの方法は、ネガまたはポジフィルムの作成、樹脂
の塗布、光重合、水洗など工程が複雑であり、所望のス
タンプを迅速に提供できる製法が望まれている。すなわ
ち、小さな閃光照射エネルギーで簡単に製版可能とする
ことである。また、特開平3−96383には、次のよ
うな開示がある。「製版済みの孔版原紙を多孔材の表面
に重合密着させ、孔版原紙の表面にスタンプインキ通過
の阻止手段としての目詰まり用樹脂をのせスキージによ
って印刷する。この目詰まり用樹脂は孔版原紙の画像開
口部を通り、画像開口部に対応した形状で多孔材の表面
に含浸しその部分の気孔が目詰りする。この目詰まり用
樹脂が硬化した後、多孔材全体にスタンプインキを含浸
させてスタンプとして使用することが可能である。」 以上のように、従来の連続気泡を有する浸透印版の製作
に手数がかかったり、鮮明な印影が得られず、印影の鮮
明な所望のスタンプを迅速に提供できる製法が望まれて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決することにあり、作製工程、装置が簡便
で連続気泡を有する浸透印版の製法と、さらに鮮明な印
影が得られ、使い勝手のよい浸透印版を提供することに
ある。すなわち、小さな閃光照射エネルギーで簡単に製
版を可能とすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、鋭意研究を重ねた結果、赤外線の照射
で発熱し転写可能な熱転写物質が塗布された熱転写シー
トを使用すること、スタンプ材を加圧しながら赤外線を
照射すること、印影原稿に水を含む液状物質を塗布する
などの方法を見出し、本発明の浸透印版の製法を完成す
るに至った。
【0006】すなわち、本発明の浸透印版の製法は、ス
タンプインキ含浸可能な連続気泡を有する弾性樹脂製の
スタンプ材の表面に、赤外線透過可能なフィルムに熱転
写物質の塗布された熱転写シートを、該熱転写物質がス
タンプ材表面と接するように重ね、その上に所望の印影
原稿を鏡像となるように重ね、該原稿の上方より赤外線
を含む閃光を照射することにより、印影原稿の原稿像不
在部分は赤外線を透過して熱転写シートに到達した閃光
の赤外線が前記原稿像不在部分に対応する熱転写物質を
発熱させ、該熱転写物質がスタンプ材表面に転写すると
ともにスタンプ材表層を溶融して連続気泡の閉塞された
熱転写物質の転写部とスタンプ材溶融部(スタンプイン
キ非滲出部)を形成し、一方印影原稿の原稿像部分は赤
外線を遮断または吸収して、これと対応する熱転写シー
トの部分の熱転写物質は発熱転写せずに対応するスタン
プ材の表面の気泡閉塞に至らず非転写部(スタンプイン
キ滲出部)を形成することを特徴とする。スタンプ材と
しては、溶融温度が50〜150℃であり立体網目構造
の平均気孔径2〜10μの微細連続気孔を有し気孔率3
0〜80%のポリオレフィン系フォームの0.5〜30
mm厚のシートが好ましく、熱転写シートは少なくとも
カーボンまたは高分子物質を含み転写温度が50〜20
0℃である熱転写物質を0.5〜10μの厚みに赤外線
透過可能なシートに塗布したものが好ましい。また、ス
タンプ材の厚みを5〜70%圧縮した状態で閃光を照射
し、スタンプ材のスタンプインキ滲出部に対しスタンプ
インキ非滲出部を同一平面以下の凹部とすること、印影
原稿に液状物質を塗布することが好ましい。
【0007】本発明の浸透印版は、スタンプインキ含浸
可能な連続気泡を有する弾性樹脂製のスタンプ材からな
るスタンプインキ含浸部、および該スタンプ材表面にお
いて形成されるスタンプインキ滲出部とスタンプインキ
非滲出部とからなる印面を有してなり、該スタンプイン
キ非滲出部が発熱により転写された熱転写物質転写部と
該熱転写物質の発熱によりスタンプ材が溶融されたスタ
ンプ材溶融部で形成されることからなる。本発明の他の
浸透印版は、溶融温度が50〜150℃、平均気孔径2
〜10μ、気孔率30〜80%、厚み0.5〜30mm、
好ましくは、0.5〜30mmのポリオレフィン系フォ
ームシートで形成されるスタンプ材からなるスタンプイ
ンキ含浸部、および該スタンプインキ含浸部の表面で形
成されるスタンプインキ滲出部と該スタンプインキ滲出
部より少なくとも凹部を形成してなるスタンプインキ非
滲出部からなる印面を有してなり、該スタンプインキ非
滲出部が発熱により転写された0.5〜10μの厚みを
有する熱転写物質転写部と該熱転写物質転写部の発熱に
よりスタンプ材が溶融されたスタンプ材溶融部で形成さ
れることからなる。好ましいスタンプ材は、長さ5〜5
00mm、幅5〜300mm、厚み0.5〜30mmで
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のスタンプ印版の製法に用
いるスタンプインキ含浸可能な連続気泡を有するスタン
プ材とは、スタンプインキ自己保持能力の優れた連続気
孔体であれば如何なる材質でもよいが、例えば、天然ゴ
ム、合成ゴム系のスポンジゴム、合成樹脂発泡体などが
示される、好ましくは、溶融温度が50〜150℃をも
つ平均気孔径2〜10μの微細連続気孔を有し気孔率3
0〜80%のポリオレフィン系フォームの0.5〜30
mm厚(さらに好ましくは0.5〜10mm厚)のシー
トが用いられる。
【0009】本発明の製法における赤外線を含む閃光の
照射は、クセノン閃光器、フォトストロボフラッシュや
フラッシュバルブなどを光源とする閃光を用いる。
【0010】本発明の製法における熱転写シートは、赤
外線の照射により発熱する熱転写物質を赤外線の透過可
能なフィルムに塗布したものである。熱転写シートは、
赤外線の照射により発熱するカーボンまたは高分子物質
を含む熱転写インキ、熱転写物質などをフィルムに塗工
したり、該熱転写物質をフィルムに蒸着して製作され
る。熱転写物質はスタンプ材の溶融温度より高い転写温
度50〜160℃を有する。本発明で用いる熱転写シー
トの熱転写物質の厚みは0.5〜10μ、好ましくは2
〜5μ、最も好ましくは4〜5μである。
【0011】熱転写シートの熱転写物質の厚さは赤外線
照射条件の重要な要素であり、その最適の厚さは閃光照
射エネルギーやスタンプ材の気孔径の影響を受ける。本
発明は該熱転写物質の転写のみでスタンプ材の気孔を塞
ぐというものでない。熱転写シートは、薄すぎると該熱
転写物質の転写による気泡閉塞の効果が期待できず、ま
た厚すぎると過大な閃光照射エネルギーが必要であるば
かりでなく、スタンプ材表面に転写した熱転写物質が印
面で凸状となって気泡が閉塞しない非転写部との断差が
逆転し捺印できない印版となる。また、装置が高価にな
るばかりでなく、特に細線や小さいドットを含む印影原
稿の場合は素材の非転写部まで影響を与え鮮明なスタン
プを得ることができない。赤外線を透過可能なフィルム
としては赤外線の透過率の高いアセテートフィルムが良
好であり、この厚さが薄いほど閃光照射エネルギーの効
率がよいが閃光照射後にフィルムとスタンプ材が熱転写
物質を介して接着されているので剥がす必要があり、こ
のときフィルムが破損しないために10μ以上の厚さが
好ましい。
【0012】本発明の製法に用いる印影原稿は赤外線を
遮断して発熱しないシートを印影原稿像に切り抜いたも
のが最良であり、次善として、赤外線により発熱せず透
過効率の良い透明なフィルムなどに赤外線を透過せず発
熱しないインキ、トナーなどの記録材で画像を形成した
ものである。すなわち、紙、フィルムなどに記録材で文
字、記号、図形などを表したものであるが、紙、フィル
ムは赤外線の透過率の高いこと、また、文字、記号、図
形などの描線は赤外線を反射する記録材で描かれている
ことが原理的に好ましい。本発明の製法において、最良
の印影原稿を制作するためには、PPC複写機で制作し
た印影原稿を標準に使用するのが好ましい。現在、企
業、学校、コンビニエンスストアーなどでPPC複写機
を自由に利用可能な状態であるので、制約が多い一般ユ
ーザーでも簡便に印影原稿が失敗なしに製作できる。
【0013】このPPC複写機を用いた印影原稿とは、
所望の元の原稿をPPC複写機で複写してトナーにより
文字、記号、図形などが描かれたものである。赤外線の
吸収率による問題となる性能差は、市販の各種のトナー
には見られないが、複写機によって厚みのばらつきのあ
る用紙には見られる。そのため、PPC複写機でPPC
複写用紙に複写し制作した印影原稿に液状物質を塗布す
ることによってPPC複写用紙の赤外線の透過率を高め
ると共に用紙の厚さのばらつきを吸収してほぼ均一な赤
外線の透過率とすることができる。この方法は、複写原
稿に限るものでなく、同様な用紙に鉛筆、サインペンな
どの筆記具で書かれた原稿やプリンタで出力した原稿に
でも同様に行うことができるものである。液状物質とし
ては、水にアルコール類20〜50%を添加した液体が
示される。ここでアルコール類は水が紙に浸透し易くす
る助剤であり、アルコール類に限るものではなく、水の
みでも浸透に時間がかかるのみで効果は変わらない。こ
こで印影原稿に塗布する液体は水に限るものでなく紙に
浸透し水と同等の熱伝導率を持つものであれば同様の性
能を示すものであり、そうでない場合には細線の再現性
が劣るということもありうるが閃光照射エネルギーの大
幅な節約になることは変わりない(液体が水であれば原
稿像に発熱があった場合でもその熱が発熱溶融シートへ
伝わりにくく、鮮明な印影が得られる)。液状物質は、
PPC複写用紙、原稿用紙などに用いて用紙自体を赤外
線透過性(透明性)を増すと共に記録材の発熱を抑制す
るものである。
【0014】本発明の浸透印版の製法は、前記スタンプ
材の表面に該スタンプ材の溶融温度よりも高い転写温度
の前記熱転写物質を0.5〜10μ塗布した熱転写シー
トを熱転写物質が該スタンプ材の表面と接するように重
ね、その上に少なくとも水を含む液状物質を塗布した印
影原稿を鏡像となるように重ね、該スタンプ材の厚みを
5〜70%圧縮した状態(すなわち元のスタンプ材の厚
みの95〜30%の厚みの状態)で該原稿の上方より赤
外線を含む閃光を照射することにより、該印影原稿の印
影原稿像以外の部分は赤外線が透過して熱転写シートま
で到達して、熱転写物質が発熱転写し、スタンプ材表面
に転写溶融部(スタンプインキ非滲出部)を形成し、一
方、該印影原稿の印影原稿像部分は赤外線を遮断もしく
は吸収して、これと対応する熱転写シートの部分は発熱
転写しないので対応するスタンプ材の表面の気泡を閉塞
しないで非転写部(スタンプインキ滲出部)を形成して
作製される。
【0015】この転写溶融部(スタンプインキ非滲出
部)は、熱転写物質転写部とスタンプ材が溶融したスタ
ンプ材溶融部とからなるのが本発明の特徴である。この
場合、スタンプ材のスタンプインキ滲出部に対しスタン
プインキ非滲出部が熱転写物質の膜厚以上に凹部とな
り、比較的薄い膜厚でスタンプインキ非滲出部を形成で
きる。熱転写物質転写部のみでスタンプ材溶融部がない
場合は、熱転写物質の膜厚を厚くする必要があるので本
発明の方法に比べて閃光照射エネルギー必要となって不
経済である。すなわち、本発明は少ない閃光照射エネル
ギーでスタンプインキ非滲出部を形成するため経済的で
あるばかりでなく、一方のスタンプインキ滲出部への熱
的影響も少なくなるので細かい印影原稿像の再現も可能
となり、鮮明な印影が得られる。熱転写物質の転写温度
がスタンプ材の溶融温度より高いので、スタンプ材を圧
縮して閃光を照射することでスタンプ材自体が気泡のな
い密着状態になり溶融するので複数層の気泡を閉塞して
スタンプ材溶融部を形成する。そのため、熱転写物質転
写部のみでスタンプインキ非滲出部を形成する場合は熱
転写シートの熱転写物質の膜厚は厚くする必要がある
が、本願発明の方法は熱転写シートの熱転写物質の膜厚
が薄くてもスタンプインキ非滲出部としての性能を得る
ことができるので閃光照射エネルギーを小さくできる。
【0016】スタンプ材表面は平滑度が高いと、上記圧
縮は軽減でき、閃光照射エネルギーを小さくできて、優
れた印影を得ることができる。本発明に用いられるスタ
ンプ材の気孔径は2〜10μであり、3〜5μが好まし
い。気孔径が大きいと気孔を閉塞するために大きい閃光
照射エネルギーが必要となり、そのため不必要な部分の
気孔が閉塞する弊害がある。一方、気孔径が小さいとわ
ずかの閃光照射エネルギーの増加でも不必要な部分の気
孔が閉塞するので照射エネルギーの調整が困難である。
上記のスタンプ材を前記方法で厚みを5〜70%程度圧
縮して得られる印版の転写溶融部は少なくとも同一平面
以下の凹部となるが、転写溶融部と非転写部との段差は
0.01mm以上、好ましくは0.05mm〜0.1mmで
ある。本発明において、例えば、気孔径3μ程度のスタ
ンプ材(30mm×50mm×1.6mm)で、5μの膜厚で
熱転写物質を転写させ転写溶融部と非転写部との段差が
0.01mm程度となるようにを製版した場合、粘度が1
000mPa・s程度のスタンプインキが2グラム程度
充填できて、捺印時に非滲出部での紙面の汚れの発生が
なく、寿命が長いスタンプが得られる。しかし、この熱
転写物質の転写がない状態で上記と同エネルギーで製版
した場合、スタンプインキが0.2グラム程度しか維持
することができない。
【0017】本発明の製法で得られる浸透印版は、他の
部材と組みつけなくてもスタンプとして機能する利点が
あるが、浸透印版を台木に装着することにより通常のス
タンプとすることができる。その使用は、浸透印版にあ
らかじめスタンプインキを含浸もしくは吸蔵させておく
ことにより、長時間スタンプインキを補充することな
く、繰り返し鮮明な印影を捺印することができる。スタ
ンプが吸蔵するスタンプインキは常温での揮発性がなく
粘度が100〜3,500mPa・sのものが好ましい捺印
性能を示す。特に500〜1,500mPa・sのスタンプ
インキはスタンプ材への充填の容易さ、捺印時のスタン
プインキ滲出量から好ましいものである。
【0018】また、印版と台木の間に印版のスタンプ材
より高発泡度のスタンプインキ吸蔵体を設けることで捺
印寿命を延ばしたり、スタンプインキの補給を容易にす
ることができる。また、本発明の浸透印版は、ロール表
面に装着してロールを回転することにより連続印刷も可
能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。 印影原稿の作製:印刷物をPPC複写機で複写して印影
原稿像Lを有する印影原稿3を作成した。 印版の作製:50ジュールの発光エネルギーをもつクセ
ノン閃光発光器1の透明ガラス板2上に印影原稿M3の
印影原稿像Lが正像となるよう重ね、この印影原稿M3
に液状物質(エタノール50容量%水溶液)を塗布し、
さらに熱転写物質面5を上向きとして熱転写シート4を
重ね、この上に立体網目構造の3μの微細連続気泡をも
ち、気孔率60%、溶融温度が約70℃である厚さ1.
6mmのスタンプ材(発泡ポリエチレンシート)S7を重
ねて置く〔図1(a)参照〕。ここで用いた熱転写シー
ト4は、ワックス、樹脂、カーボンブラックからなる熱
転写物質5(転写温度は80℃で、発泡ポリエチレンシ
ートより高い)をアセテートフィルム6(厚さ20μ
m)に3μmの厚さに塗布したものを用いた。つぎに該
スタンプ材S7が厚み0.8mm程度になるように圧力
をかけた状態で閃光を照射した。図1(b)に示すよう
に、熱転写物質5をもつ熱転写シート4を用いた場合に
は、該スタンプ材S7の表面は印影原稿M3の印影原稿
像Lに対応するスタンプ材表面が非転写部Iとなり鏡像
として残り、その他のスタンプ材表面は熱転写物質の発
熱により該スタンプ材S7の表面に転写するとともに該
スタンプ材の表層を溶融して、熱転写溶融部H(スタン
プインキ非滲出部)を形成する。(図2参照) スタンプ材が圧縮されるために気泡が圧縮されて該スタ
ンプ材シート自体が密着した状態で熱転写物質がスタン
プ材シート表面に転写され同時に該発熱により複数層の
連続気泡を溶融閉塞する。前記熱転写シートの熱転写物
質の厚みが、2〜5μの時に閃光照射のエネルギー効率
が高く、捺印の印影も鮮明であった。しかし、0.5μ
程度の厚みであっても熱転写シートに塗布される熱転写
物質が熱転写物質でない場合に比べ閃光照射エネルギー
の省力効果が認められる。一方その厚さが10μ程度と
なっても製版は可能であるが、大きな閃光照射エネルギ
ーが必要であり、さらに印面の段差を設けるためにはさ
らに一層のスタンプ材の圧縮が必要となる。
【0020】
【発明の効果】本発明の浸透印版の製法は工程が簡単で
あり、金型などを必要としないため、目的にあった高品
位のスタンプが迅速に提供できるものである。印影原稿
に水を含む液体を塗布することにより赤外線の透過効率
が向上し、印影原稿の厚みにばらつきがあっても安定し
た印版を得ることができる。また、閃光照射の際にスタ
ンプ材を圧縮することにより、熱転写物質の転写だけで
なくスタンプ材が完全密着して溶融するので完全に気泡
が閉塞されて明確な転写溶融部(すなわちスタンプイン
キ非滲出部)が形成されるので、捺印時の非転写部(す
なわちスタンプインキ滲出部)からスタンプインキの滲
出がスムースで鮮明な印影を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる印版の作製模式図であり、
(a)は閃光を照射前、(b)は照射後の熱転写シート
とスタンプ材の状況を模式的に示した図である。
【図2】転写溶融部(スタンプインキ非滲出部)と非転
写部(スタンプインキ滲出部)の断面拡大図である。
【符号の説明】
1 閃光発光部 2 ガラス板 M3 印影原稿 4 熱転写シート 5 熱転写物質 6 アセテートフィルム S7 スタンプ材(発泡ポリエチレンシート)(スタン
プインキ含浸部) L 印影原稿像 B 印影原稿像不在部分 H 転写溶融部(スタンプインキ非滲出部) I 非転写部 (スタンプインキ滲出部) 11 熱転写物質転写部 12 スタンプ材溶融部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41K 1/50 B41C 1/055

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタンプインキ含浸可能な連続気泡を有
    する弾性樹脂製のスタンプ材の表面に、熱転写物質が赤
    外線透過可能なフィルムに塗布された熱転写シートを、
    該熱転写物質がスタンプ材表面と接するように重ね、そ
    の上に所望の印影原稿を鏡像となるように重ね、該原稿
    の上方より赤外線を含む閃光を照射することにより、印
    影原稿の原稿像不在部分は赤外線を透過して熱転写シー
    トに到達した閃光の赤外線が前記原稿像不在部分に対応
    する熱転写物質を発熱させ、該熱転写物質がスタンプ材
    表面に転写するとともにスタンプ材表層を溶融して連続
    気泡の閉塞された転写溶融部(スタンプインキ非滲出
    部)を形成し、一方印影原稿の原稿像部分は赤外線を遮
    断または吸収して、これと対応する熱転写シートの部分
    の熱転写物質は発熱転写せずに対応するスタンプ材の表
    面の気泡閉塞に至らず非転写部(スタンプインキ滲出
    部)を形成することを特徴とする浸透印版の製法。
  2. 【請求項2】 スタンプ材は、溶融温度が50〜150
    ℃であり立体網目構造の平均気孔径2〜10μの微細連
    続気孔を有し気孔率30〜80%のポリオレフィン系フ
    ォームの0.5〜30mm厚のシートであり、熱転写シー
    トは少なくともカーボンまたは高分子物質を含み転写温
    度が50〜200℃である熱転写物質を赤外線透過可能
    なシートに0.5〜10μの厚みに塗布したものである
    請求項1記載の浸透印版の製法。
  3. 【請求項3】 スタンプ材の厚みを5〜70%圧縮した
    状態で閃光を照射し、スタンプ材のスタンプインキ滲出
    部に対しスタンプインキ非滲出部を少なくとも同一面以
    下の凹部とする請求項1記載の浸透印版の製法。
  4. 【請求項4】 印影原稿に液状物質を塗布することから
    なる請求項1記載の浸透印版の製法。
  5. 【請求項5】スタンプインキ含浸可能な連続気泡を有す
    る弾性樹脂製のスタンプ材からなるスタンプインキ含浸
    部、および該スタンプ材表面において形成されるスタン
    プインキ滲出部とスタンプインキ非滲出部とからなる印
    面を有してなり、該スタンプインキ非滲出部が発熱によ
    り転写された熱転写物質転写部と該熱転写物質の発熱に
    よりスタンプ材が溶融されたスタンプ材溶融部で形成さ
    れることからなる浸透印版。
  6. 【請求項6】溶融温度が50〜150℃、平均気孔径2
    〜10μ、気孔率30〜80%、厚み0.5〜30mmの
    ポリオレフィン系フォームシートで形成されるスタンプ
    材からなるスタンプインキ含浸部、および該スタンプイ
    ンキ含浸部の表面で形成されるスタンプインキ滲出部と
    該スタンプインキ滲出部より少なくとも凹部を形成して
    なるスタンプインキ非滲出部からなる印面を有してな
    り、該スタンプインキ非滲出部が発熱により転写された
    0.5〜10μの厚みを有する熱転写物質転写部と該熱
    転写物質転写部の発熱によりスタンプ材が溶融されたス
    タンプ材溶融部で形成されることからなる浸透印版。
  7. 【請求項7】スタンプ材が長さ5〜500mm、幅5〜
    300mmであることからなる請求項6記載の浸透印
    版。
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