JP2946456B2 - 浸透印版の作製法 - Google Patents
浸透印版の作製法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は浸透印版の作製法に
関する。さらに詳しくは、あらかじめスタンプ材にスタ
ンプインキを含浸させておくことにより長時間スタプイ
ンキを補給することなく、捺印を繰り返すことができる
連続気泡を有するスポンジ材からなる浸透印版の作製法
の改良に関する。
関する。さらに詳しくは、あらかじめスタンプ材にスタ
ンプインキを含浸させておくことにより長時間スタプイ
ンキを補給することなく、捺印を繰り返すことができる
連続気泡を有するスポンジ材からなる浸透印版の作製法
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】印判、スタンプを捺印する際にスタンプ
インキを印面にその都度付着する手間を省くため連続気
泡を有するスポンジゴムを印材として、これにあらかじ
めスタプインキを吸蔵させたスタンプが知られている。
そのスタンプの作製法として特開昭60−193686
号公報には、スポンジの表面の印影を形成する部分を除
いた全面箇所を加熱型押加工により凹状に陥没させ押し
固め、凸部をスタプインキ吸蔵部として印影形成部とす
るスタンプの作製法が開示され、特開昭50−1553
23号にも同様の加熱板上に多孔質体を圧着する方法が
開示されている。しかし、これらの方法は、加熱板とす
る金型とそれに文字、記号、図形などを彫刻もしくは蝕
刻する手間が必要である。
インキを印面にその都度付着する手間を省くため連続気
泡を有するスポンジゴムを印材として、これにあらかじ
めスタプインキを吸蔵させたスタンプが知られている。
そのスタンプの作製法として特開昭60−193686
号公報には、スポンジの表面の印影を形成する部分を除
いた全面箇所を加熱型押加工により凹状に陥没させ押し
固め、凸部をスタプインキ吸蔵部として印影形成部とす
るスタンプの作製法が開示され、特開昭50−1553
23号にも同様の加熱板上に多孔質体を圧着する方法が
開示されている。しかし、これらの方法は、加熱板とす
る金型とそれに文字、記号、図形などを彫刻もしくは蝕
刻する手間が必要である。
【0003】また、特開昭57−136652号公報、
特開昭49−7003号公報には、スタンプ材の表面に
光重合性液状樹脂を塗布し、この上面にポジフィルムを
置き上方より紫外線を照射して光重合反応をおこさせ、
未反応の樹脂を洗浄して除去し、除去した部分よりスタ
ンプ材の表面に露出させる印版の作製法が開示され、ま
た実開昭52−71710号には、ネガフィルムを用い
て同様の方法による平版印判が開示されている。しか
し、これらの方法は、ネガまたはポジフィルムの作成、
樹脂の塗布、光重合、水洗など工程が複雑であり、所望
のスタンプを迅速に提供できる作製法が望まれている。
すなわち、小さな閃光照射エネルギーで製版可能で簡単
な工程の印版作製法が望まれる。また、特開平3−96
383には、つぎのようなことが開示されている。「製
版済みの孔版原紙を多孔材の表面に重合密着させ、この
孔版原紙の表面にスタンプインキ通過の阻止手段として
の目詰まり用樹脂をのせスキージによって印刷する。こ
の目詰まり用樹脂は孔版原紙の画像開口部を通り、画像
開口部に対応した形状で多孔材の表面に含浸しその部分
の気孔が目詰りする。この目詰まり用樹脂が硬化した
後、多孔材全体にスタンプインキを含浸させてスタンプ
として使用することが可能である。」以上のように、従
来の連続気泡を有する浸透印版の作製法は手数がかかっ
たり、鮮明な印影が得られず、印影の鮮明な所望のスタ
ンプを迅速に提供できる作製法が望まれている。
特開昭49−7003号公報には、スタンプ材の表面に
光重合性液状樹脂を塗布し、この上面にポジフィルムを
置き上方より紫外線を照射して光重合反応をおこさせ、
未反応の樹脂を洗浄して除去し、除去した部分よりスタ
ンプ材の表面に露出させる印版の作製法が開示され、ま
た実開昭52−71710号には、ネガフィルムを用い
て同様の方法による平版印判が開示されている。しか
し、これらの方法は、ネガまたはポジフィルムの作成、
樹脂の塗布、光重合、水洗など工程が複雑であり、所望
のスタンプを迅速に提供できる作製法が望まれている。
すなわち、小さな閃光照射エネルギーで製版可能で簡単
な工程の印版作製法が望まれる。また、特開平3−96
383には、つぎのようなことが開示されている。「製
版済みの孔版原紙を多孔材の表面に重合密着させ、この
孔版原紙の表面にスタンプインキ通過の阻止手段として
の目詰まり用樹脂をのせスキージによって印刷する。こ
の目詰まり用樹脂は孔版原紙の画像開口部を通り、画像
開口部に対応した形状で多孔材の表面に含浸しその部分
の気孔が目詰りする。この目詰まり用樹脂が硬化した
後、多孔材全体にスタンプインキを含浸させてスタンプ
として使用することが可能である。」以上のように、従
来の連続気泡を有する浸透印版の作製法は手数がかかっ
たり、鮮明な印影が得られず、印影の鮮明な所望のスタ
ンプを迅速に提供できる作製法が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決することにあり、作製工程、装置が簡便
で連続気泡を有する浸透印版の作製法と、さらに鮮明な
印影が得られ、使い勝手のよい浸透印版を提供すること
にある。
の問題点を解決することにあり、作製工程、装置が簡便
で連続気泡を有する浸透印版の作製法と、さらに鮮明な
印影が得られ、使い勝手のよい浸透印版を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、鋭意研究を重ねた結果、赤外線の照射
で発熱しスタンプ材に浸透可能な熱溶融性物質の塗布さ
れた発熱溶融シートを使用すること、スタンプ材を加圧
しながら赤外線を照射すること、印影原稿に水を含む液
状物質を塗布するなどの方法を見出し、本発明の浸透印
版の作製法を完成するに至った。
達成するために、鋭意研究を重ねた結果、赤外線の照射
で発熱しスタンプ材に浸透可能な熱溶融性物質の塗布さ
れた発熱溶融シートを使用すること、スタンプ材を加圧
しながら赤外線を照射すること、印影原稿に水を含む液
状物質を塗布するなどの方法を見出し、本発明の浸透印
版の作製法を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の浸透印版の作製法は、
スタンプインキ含浸可能な連続気泡を有する弾性樹脂製
のスタンプ材の表面に、赤外線の照射により発熱して該
スタンプ材の溶融温度以上で溶融する熱溶融性物質が赤
外線透過可能なフィルムに0.5〜10μの厚みに塗布
された発熱溶融シートを、該熱溶融性物質がスタンプ材
表面と接するように重ね、その上に所望の印影原稿を鏡
像となるように重ね、該スタンプ材を5〜70%圧縮し
た状態で該原稿の上方より赤外線を含む閃光を照射する
ことにより、印影原稿の原稿像不在部分は赤外線を透過
して発熱溶融シートに到達した赤外線が前記原稿像不在
部分に対応する部分の熱溶融性物質を発熱溶融させ、こ
の発熱した熱溶融性物質がスタンプ材に浸透するととも
にスタンプ材表層を溶融して連続気泡の閉塞された浸透
溶融部(スタンプインキ非滲出部)を形成し、一方印影
原稿の原稿像部分は赤外線を遮断もしくは吸収して、こ
れと対応する発熱溶融シートの部分の熱溶融性物質は発
熱溶融せずに対応するスタンプ材の表面の気泡閉塞に至
らず非溶融部(スタンプインキ滲出部)を形成し、スタ
ンプ材の非溶融部に対し浸透溶融部を0.01mm以上
の凹部とすることを特徴とする。用いるスタンプ材とし
ては、溶融温度が50〜150℃であり立体網目構造の
平均気孔径2〜10μの微細連続気孔を有し気孔率30
〜80%のポリオレフィン系フォームの0.5〜30mm
厚のシートが好ましく、発熱溶融シートは少なくともカ
ーボンまたは高分子物質を含み溶融温度が50〜200
℃であり溶融粘度が50〜2000mPa・sである熱
溶融性物質を赤外線透過可能なシートに塗布したものが
好ましい。さらに印影原稿に液状物質を塗布するのが好
ましい。
スタンプインキ含浸可能な連続気泡を有する弾性樹脂製
のスタンプ材の表面に、赤外線の照射により発熱して該
スタンプ材の溶融温度以上で溶融する熱溶融性物質が赤
外線透過可能なフィルムに0.5〜10μの厚みに塗布
された発熱溶融シートを、該熱溶融性物質がスタンプ材
表面と接するように重ね、その上に所望の印影原稿を鏡
像となるように重ね、該スタンプ材を5〜70%圧縮し
た状態で該原稿の上方より赤外線を含む閃光を照射する
ことにより、印影原稿の原稿像不在部分は赤外線を透過
して発熱溶融シートに到達した赤外線が前記原稿像不在
部分に対応する部分の熱溶融性物質を発熱溶融させ、こ
の発熱した熱溶融性物質がスタンプ材に浸透するととも
にスタンプ材表層を溶融して連続気泡の閉塞された浸透
溶融部(スタンプインキ非滲出部)を形成し、一方印影
原稿の原稿像部分は赤外線を遮断もしくは吸収して、こ
れと対応する発熱溶融シートの部分の熱溶融性物質は発
熱溶融せずに対応するスタンプ材の表面の気泡閉塞に至
らず非溶融部(スタンプインキ滲出部)を形成し、スタ
ンプ材の非溶融部に対し浸透溶融部を0.01mm以上
の凹部とすることを特徴とする。用いるスタンプ材とし
ては、溶融温度が50〜150℃であり立体網目構造の
平均気孔径2〜10μの微細連続気孔を有し気孔率30
〜80%のポリオレフィン系フォームの0.5〜30mm
厚のシートが好ましく、発熱溶融シートは少なくともカ
ーボンまたは高分子物質を含み溶融温度が50〜200
℃であり溶融粘度が50〜2000mPa・sである熱
溶融性物質を赤外線透過可能なシートに塗布したものが
好ましい。さらに印影原稿に液状物質を塗布するのが好
ましい。
【0007】本発明の浸透印版は、スタンプインキ含浸
可能な連続気泡を有する弾性樹脂製のスタンプ材からな
るスタンプインキ含浸部、および該スタンプ材表面で形
成されるスタンプインキ滲出部と該インキ滲出部より
0.01mm以上の凹部を形成してなるスタンプインキ
非滲出部とからなる印面を有し、該スタンプインキ非滲
出部が熱溶融性物質浸透部とスタンプ材溶融部との混在
する浸透溶融混合部およびスタンプ材溶融部からなるこ
とを特徴とする。好ましくは、スタンプ材が、溶融温度
が50〜150℃、平均気孔径2〜10μ、気孔率30
〜80%、厚み0.5〜30mmのポリオレフィン系フォ
ームシートからなる。またスタンプ材は、長さ5〜50
0mm、幅5〜200mmであるのが好ましい。
可能な連続気泡を有する弾性樹脂製のスタンプ材からな
るスタンプインキ含浸部、および該スタンプ材表面で形
成されるスタンプインキ滲出部と該インキ滲出部より
0.01mm以上の凹部を形成してなるスタンプインキ
非滲出部とからなる印面を有し、該スタンプインキ非滲
出部が熱溶融性物質浸透部とスタンプ材溶融部との混在
する浸透溶融混合部およびスタンプ材溶融部からなるこ
とを特徴とする。好ましくは、スタンプ材が、溶融温度
が50〜150℃、平均気孔径2〜10μ、気孔率30
〜80%、厚み0.5〜30mmのポリオレフィン系フォ
ームシートからなる。またスタンプ材は、長さ5〜50
0mm、幅5〜200mmであるのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の印版の作製法に用いるス
タンプインキ含浸可能な連続気泡を有するスタンプ材と
は、スタプインキ自己保持能力の優れた連続気孔体であ
れば如何なる材質でもよいが、例えば、天然ゴム、合成
ゴム系のスポンジゴム、合成樹脂発泡体などが示される
が、好ましくは溶融温度が50〜150℃をもつ平均気
孔径2〜10μの微細連続気孔を有し気孔率30〜80
%のポリオレフィン系フォームの0.5〜30mm厚(よ
り好ましくは0.5〜10mm厚)のシートが用いられ
る。
タンプインキ含浸可能な連続気泡を有するスタンプ材と
は、スタプインキ自己保持能力の優れた連続気孔体であ
れば如何なる材質でもよいが、例えば、天然ゴム、合成
ゴム系のスポンジゴム、合成樹脂発泡体などが示される
が、好ましくは溶融温度が50〜150℃をもつ平均気
孔径2〜10μの微細連続気孔を有し気孔率30〜80
%のポリオレフィン系フォームの0.5〜30mm厚(よ
り好ましくは0.5〜10mm厚)のシートが用いられ
る。
【0009】本発明の作製法における赤外線を含む閃光
の照射は、クセノン閃光器、フォトストロボフラッシュ
やフラッシュバルブなどを光源とする閃光を用いる。
の照射は、クセノン閃光器、フォトストロボフラッシュ
やフラッシュバルブなどを光源とする閃光を用いる。
【0010】本発明の作製法における発熱溶融シート
は、赤外線の透過可能なフィルムに赤外線の照射により
少くとも発熱するカーボンまたは高分子物質を含む熱溶
融性樹脂液などを塗布したもの、赤外線により発熱する
物質をホットメルトまたは有機溶剤で溶解した熱溶融性
物質溶液をフィルムに塗工したものなどである。具体的
には、ワックス、樹脂、カーボンブラックからなる熱溶
融性物質をアセテートフイルムに0.5〜10μの厚さ
にホットメルト塗工したものである。熱溶融性物質はス
タンプ材の溶融温度より高い融点50〜160℃をも
ち、その溶融粘度が50〜2000mPa・sとなるよ
うに配合される。
は、赤外線の透過可能なフィルムに赤外線の照射により
少くとも発熱するカーボンまたは高分子物質を含む熱溶
融性樹脂液などを塗布したもの、赤外線により発熱する
物質をホットメルトまたは有機溶剤で溶解した熱溶融性
物質溶液をフィルムに塗工したものなどである。具体的
には、ワックス、樹脂、カーボンブラックからなる熱溶
融性物質をアセテートフイルムに0.5〜10μの厚さ
にホットメルト塗工したものである。熱溶融性物質はス
タンプ材の溶融温度より高い融点50〜160℃をも
ち、その溶融粘度が50〜2000mPa・sとなるよ
うに配合される。
【0011】本発明で用いる発熱溶融シートの熱溶融性
物質の厚みは0.5〜10μ、好ましくは2〜5μ、よ
り好ましくは4〜5μである。発熱溶融シートの熱溶融
性物質の厚さは赤外線照射条件の重要な要素であり、薄
すぎると該熱溶融性物質の浸透によるスタンプ材の気泡
閉塞の効果が期待できない。厚すぎると過大な閃光照射
エネルギーが必要であるばかりでなく、溶融した熱溶融
性物質がスタンプ材の気泡中に浸透しきれず、スタンプ
材の表面が凹凸となってしまったり、気泡が閉塞しない
非溶融部との断差が逆転し捺印できない印版となる。ま
た、厚すぎると塗工が困難で、熱溶融性物質がフイルム
から剥離し易く取り扱いが悪いなどの欠点がある。赤外
線を透過可能なフィルムとしては赤外線の透過率の高い
アセテートフィルムが良好であり、この厚さが薄いほど
閃光照射エネルギーの効率がよいが閃光照射後にフィル
ムとスタンプ材が熱溶融性物質を介して接着されている
ので剥がす必要があり、このときフィルムが破損しない
ために10μ以上の厚さが好ましい。
物質の厚みは0.5〜10μ、好ましくは2〜5μ、よ
り好ましくは4〜5μである。発熱溶融シートの熱溶融
性物質の厚さは赤外線照射条件の重要な要素であり、薄
すぎると該熱溶融性物質の浸透によるスタンプ材の気泡
閉塞の効果が期待できない。厚すぎると過大な閃光照射
エネルギーが必要であるばかりでなく、溶融した熱溶融
性物質がスタンプ材の気泡中に浸透しきれず、スタンプ
材の表面が凹凸となってしまったり、気泡が閉塞しない
非溶融部との断差が逆転し捺印できない印版となる。ま
た、厚すぎると塗工が困難で、熱溶融性物質がフイルム
から剥離し易く取り扱いが悪いなどの欠点がある。赤外
線を透過可能なフィルムとしては赤外線の透過率の高い
アセテートフィルムが良好であり、この厚さが薄いほど
閃光照射エネルギーの効率がよいが閃光照射後にフィル
ムとスタンプ材が熱溶融性物質を介して接着されている
ので剥がす必要があり、このときフィルムが破損しない
ために10μ以上の厚さが好ましい。
【0012】本発明の作製法に用いる印影原稿は赤外線
を遮断して発熱しないシートを印影原稿像に切り抜いた
ものが最良であり、次善として、赤外線により発熱せず
透過効率の良い透明なフィルムなどに赤外線を透過せず
発熱しないインキ、トナーなどの記録材で画像を形成し
たものである。すなわち、紙、フィルムなどに記録材で
文字、記号、図形などを表したものであるが、紙、フィ
ルムは赤外線の透過率の高いこと、また、文字、記号、
図形などの描線は赤外線を反射する記録材で描かれてい
ることが原理的に好ましい。本発明の作製法において、
最良の印影原稿を制作するためには、PPC複写機で制
作した印影原稿を標準に使用するのが好ましい。現在、
企業、学校、コンビニエンスストアーなどでPPC複写
機を自由に利用可能な状態であるので、制約が多い一般
ユーザーでも簡便に印影原稿が失敗なしに製作できる。
を遮断して発熱しないシートを印影原稿像に切り抜いた
ものが最良であり、次善として、赤外線により発熱せず
透過効率の良い透明なフィルムなどに赤外線を透過せず
発熱しないインキ、トナーなどの記録材で画像を形成し
たものである。すなわち、紙、フィルムなどに記録材で
文字、記号、図形などを表したものであるが、紙、フィ
ルムは赤外線の透過率の高いこと、また、文字、記号、
図形などの描線は赤外線を反射する記録材で描かれてい
ることが原理的に好ましい。本発明の作製法において、
最良の印影原稿を制作するためには、PPC複写機で制
作した印影原稿を標準に使用するのが好ましい。現在、
企業、学校、コンビニエンスストアーなどでPPC複写
機を自由に利用可能な状態であるので、制約が多い一般
ユーザーでも簡便に印影原稿が失敗なしに製作できる。
【0013】このPPC複写機を用いた印影原稿とは、
所望の元の原稿をPPC複写機で複写してトナーにより
文字、記号、図形などが描かれたものである。赤外線の
吸収率による問題となる性能差は、市販の各種のトナー
にはないが、複写機によって厚みのばらつきのある用紙
にはある。そのため、PPC複写機でPPC複写用紙に
複写して制作した印影原稿に液状物質を塗布することに
よってPPC複写用紙の赤外線の透過率を高めると共に
用紙の厚さのばらつきを吸収してほぼ均一な赤外線の透
過率とすることができる。この方法は、複写原稿に限る
ものでなく、同様な用紙に鉛筆、サインペンなどの筆記
具で書かれた原稿やプリンタで出力した原稿にでも同様
に行うことができるものである。液状物質としては、水
にアルコール類20〜50%を添加した液体が示され
る。ここでアルコール類は水が紙に浸透し易くする助剤
であり、アルコール類に限るものではなく、水のみでも
浸透に時間がかかるのみで効果は変わらない。ここで印
影原稿に塗布する液体は水に限るものでなく紙に浸透し
水と同等の熱伝導率を持つものであれば同様の性能を示
すものであり、そうでない場合には細線の再現性が劣る
ということもありうるが閃光照射エネルギーの大幅な節
約になることは変わりない(液体が水であれば原稿像に
発熱があった場合でもその熱が発熱溶融シートへ伝わり
にくく、鮮明な印影が得られる)。液状物質は、PPC
複写用紙、原稿用紙などに用いて用紙自体を赤外線透過
性(透明性)を増すと共に記録材の発熱を抑制するもの
である。
所望の元の原稿をPPC複写機で複写してトナーにより
文字、記号、図形などが描かれたものである。赤外線の
吸収率による問題となる性能差は、市販の各種のトナー
にはないが、複写機によって厚みのばらつきのある用紙
にはある。そのため、PPC複写機でPPC複写用紙に
複写して制作した印影原稿に液状物質を塗布することに
よってPPC複写用紙の赤外線の透過率を高めると共に
用紙の厚さのばらつきを吸収してほぼ均一な赤外線の透
過率とすることができる。この方法は、複写原稿に限る
ものでなく、同様な用紙に鉛筆、サインペンなどの筆記
具で書かれた原稿やプリンタで出力した原稿にでも同様
に行うことができるものである。液状物質としては、水
にアルコール類20〜50%を添加した液体が示され
る。ここでアルコール類は水が紙に浸透し易くする助剤
であり、アルコール類に限るものではなく、水のみでも
浸透に時間がかかるのみで効果は変わらない。ここで印
影原稿に塗布する液体は水に限るものでなく紙に浸透し
水と同等の熱伝導率を持つものであれば同様の性能を示
すものであり、そうでない場合には細線の再現性が劣る
ということもありうるが閃光照射エネルギーの大幅な節
約になることは変わりない(液体が水であれば原稿像に
発熱があった場合でもその熱が発熱溶融シートへ伝わり
にくく、鮮明な印影が得られる)。液状物質は、PPC
複写用紙、原稿用紙などに用いて用紙自体を赤外線透過
性(透明性)を増すと共に記録材の発熱を抑制するもの
である。
【0014】本発明の浸透印版は、たとえばスタンプ材
の表面に熱溶融性物質の厚み0.5〜10μの発熱溶融
シートを熱溶融性物質面が接触するように重ね合わせ、
その上に少なくとも水を含む液状物質を塗布した印影原
稿を鏡像となるように重ね、該スタンプ材を5〜70%
圧縮した状態(すなわち、スタンプ材の95〜30%の
厚みにした状態)で該原稿の上方から赤外線を含む閃光
を照射すると、浸透溶融部(スタンプインキ非滲出部)
と非溶融部(スタンプインキ滲出部)を形成して作製さ
れる。該印影原稿の印影原稿像以外の部分は赤外線が印
影原稿を透過して発熱溶融シートまで到達し熱溶融性物
質を発熱し溶融する。該熱溶融性物質の溶融温度はスタ
ンプ材の溶融温度以上なので、熱溶融性物質がスタンプ
材の表層に浸透するとともに該熱溶融性物質の熱でスタ
ンプ材の表層を溶融することができ、スタンプ材を圧縮
することによって気泡が圧縮されてスタンプ材表層の溶
融とともに気泡の閉塞が強化される。この圧縮によつて
閃光の照射エネルギーを少なくすることができる。
の表面に熱溶融性物質の厚み0.5〜10μの発熱溶融
シートを熱溶融性物質面が接触するように重ね合わせ、
その上に少なくとも水を含む液状物質を塗布した印影原
稿を鏡像となるように重ね、該スタンプ材を5〜70%
圧縮した状態(すなわち、スタンプ材の95〜30%の
厚みにした状態)で該原稿の上方から赤外線を含む閃光
を照射すると、浸透溶融部(スタンプインキ非滲出部)
と非溶融部(スタンプインキ滲出部)を形成して作製さ
れる。該印影原稿の印影原稿像以外の部分は赤外線が印
影原稿を透過して発熱溶融シートまで到達し熱溶融性物
質を発熱し溶融する。該熱溶融性物質の溶融温度はスタ
ンプ材の溶融温度以上なので、熱溶融性物質がスタンプ
材の表層に浸透するとともに該熱溶融性物質の熱でスタ
ンプ材の表層を溶融することができ、スタンプ材を圧縮
することによって気泡が圧縮されてスタンプ材表層の溶
融とともに気泡の閉塞が強化される。この圧縮によつて
閃光の照射エネルギーを少なくすることができる。
【0015】本発明の浸透溶融部(スタンプインキ非滲
出部)は、熱溶融性物質浸透部とスタンプ材溶融部とが
混在する浸透溶融混在部があるのが特徴である。熱溶融
性物質部のみで熱溶融性物質浸透部、スタンプ材溶融部
がない場合は、熱溶融性物質部の膜厚を厚くする必要が
あるので本発明の方法に比べて閃光照射エネルギー必要
となり不経済である。すなわち、本発明は少ない閃光照
射エネルギーでスタンプインキ非滲出部を形成するため
経済的であるばかりでなく、一方のスタンプインキ滲出
部への熱的影響も少なくなるので細かい印影原稿像の再
現も可能となり、鮮明な印影が得られる。熱溶融性物質
の溶融温度がスタンプ材の溶融温度より高いので、スタ
ンプ材を圧縮して閃光を照射することでスタンプ材自体
が気泡のない密着状態になり溶融するので複数層の気泡
を閉塞して浸透溶融混合部を形成する。そのため、熱溶
融性物質部のみでスタンプインキ非滲出部を形成する場
合は発熱溶融シートの熱溶融性物質の膜厚を厚くする必
要があるが、本願発明の方法は発熱溶融シートの膜厚が
薄くてもスタンプインキ非滲出部としての性能を得るこ
とができるので閃光照射エネルギーを小さくできる。
出部)は、熱溶融性物質浸透部とスタンプ材溶融部とが
混在する浸透溶融混在部があるのが特徴である。熱溶融
性物質部のみで熱溶融性物質浸透部、スタンプ材溶融部
がない場合は、熱溶融性物質部の膜厚を厚くする必要が
あるので本発明の方法に比べて閃光照射エネルギー必要
となり不経済である。すなわち、本発明は少ない閃光照
射エネルギーでスタンプインキ非滲出部を形成するため
経済的であるばかりでなく、一方のスタンプインキ滲出
部への熱的影響も少なくなるので細かい印影原稿像の再
現も可能となり、鮮明な印影が得られる。熱溶融性物質
の溶融温度がスタンプ材の溶融温度より高いので、スタ
ンプ材を圧縮して閃光を照射することでスタンプ材自体
が気泡のない密着状態になり溶融するので複数層の気泡
を閉塞して浸透溶融混合部を形成する。そのため、熱溶
融性物質部のみでスタンプインキ非滲出部を形成する場
合は発熱溶融シートの熱溶融性物質の膜厚を厚くする必
要があるが、本願発明の方法は発熱溶融シートの膜厚が
薄くてもスタンプインキ非滲出部としての性能を得るこ
とができるので閃光照射エネルギーを小さくできる。
【0016】スタンプ材表面は平滑度が高いと、上記圧
縮は軽減でき、閃光照射エネルギーを小さくできて、優
れた印影を得ることができる。本発明に用いられるスタ
ンプ材の気孔径は2〜10μであり、3〜5μが好まし
い。気孔径が大きいと気孔を閉塞するために大きい閃光
照射エネルギーが必要となり、そのため不必要な部分の
気孔が閉塞する弊害がある。一方、気孔径が小さいとわ
ずかの閃光照射エネルギーの増加でも不必要な部分の気
孔が閉塞するので照射エネルギーの調整が困難である。
上記のスタンプ材を前記方法で5〜70%程度圧縮して
得られる印版の浸透溶融部と非熔融部との段差は0.0
1mm以上好ましくは0.05mm〜0.1mmである。本
発明において、例えば、気孔径3μ程度のスタンプ材
(30mm×50mm×1.6mm)で、浸透溶融部と非熔融
部との段差が0.01mm程度となるようにを製版した場
合、粘度が1000mPa・s程度のスタンプインキが
2グラム程度充填できて、捺印時に非滲出部での紙面の
汚れの発生がなく、寿命が長いスタンプが得られる。し
かし、この熱熔融性物質がない状態で上記と同エネルギ
ーで0.01mm程度以下となるように製版した場合、ス
タンプインキが0.2グラム程度しか維持することがで
きない。
縮は軽減でき、閃光照射エネルギーを小さくできて、優
れた印影を得ることができる。本発明に用いられるスタ
ンプ材の気孔径は2〜10μであり、3〜5μが好まし
い。気孔径が大きいと気孔を閉塞するために大きい閃光
照射エネルギーが必要となり、そのため不必要な部分の
気孔が閉塞する弊害がある。一方、気孔径が小さいとわ
ずかの閃光照射エネルギーの増加でも不必要な部分の気
孔が閉塞するので照射エネルギーの調整が困難である。
上記のスタンプ材を前記方法で5〜70%程度圧縮して
得られる印版の浸透溶融部と非熔融部との段差は0.0
1mm以上好ましくは0.05mm〜0.1mmである。本
発明において、例えば、気孔径3μ程度のスタンプ材
(30mm×50mm×1.6mm)で、浸透溶融部と非熔融
部との段差が0.01mm程度となるようにを製版した場
合、粘度が1000mPa・s程度のスタンプインキが
2グラム程度充填できて、捺印時に非滲出部での紙面の
汚れの発生がなく、寿命が長いスタンプが得られる。し
かし、この熱熔融性物質がない状態で上記と同エネルギ
ーで0.01mm程度以下となるように製版した場合、ス
タンプインキが0.2グラム程度しか維持することがで
きない。
【0017】本発明の作製法で得られる浸透印版は、他
の部材と組みつけなくてもスタンプとして機能する利点
があるが、印版を台木に装着することにより通常のスタ
ンプとすることができる。その使用は、印版にあらかじ
めスタンプインキを含浸もしくは吸蔵させておくことに
より、長時間スタンプインキを補充することなく、繰り
返し鮮明な印影を捺印することができる。スタンプが吸
蔵するスタンプインキは常温での揮発性がなく粘度が1
00〜3,500mPa・sのものが好ましい捺印性能を示
す。特に500〜1,500mPa・sスタンプインキは印
材への充填の容易さ、捺印時のスタプインキ滲出量から
好ましいものである。
の部材と組みつけなくてもスタンプとして機能する利点
があるが、印版を台木に装着することにより通常のスタ
ンプとすることができる。その使用は、印版にあらかじ
めスタンプインキを含浸もしくは吸蔵させておくことに
より、長時間スタンプインキを補充することなく、繰り
返し鮮明な印影を捺印することができる。スタンプが吸
蔵するスタンプインキは常温での揮発性がなく粘度が1
00〜3,500mPa・sのものが好ましい捺印性能を示
す。特に500〜1,500mPa・sスタンプインキは印
材への充填の容易さ、捺印時のスタプインキ滲出量から
好ましいものである。
【0018】また、印版と台木の間に印版のスタンプ材
より高発泡度のスタンプインキ吸蔵体を設けることで捺
印寿命を延ばしたり、スタンプインキの補給を容易にす
ることができる。また、本発明の浸透印版は、ロール表
面に装着してロールを回転することにより連続印刷も可
能である。
より高発泡度のスタンプインキ吸蔵体を設けることで捺
印寿命を延ばしたり、スタンプインキの補給を容易にす
ることができる。また、本発明の浸透印版は、ロール表
面に装着してロールを回転することにより連続印刷も可
能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。 印影原稿の作製:印刷物をPPC複写機で複写して印影
原稿像Lを有する印影原稿M3を作成した。 印版の作製:50ジュールの発光エネルギーをもつクセ
ノン閃光発光器1の透明ガラス板2上に印影原稿M3の
印影原稿像Lが正像となるように重ね、この印影原稿M
3に液状物質(エチアルコール50容量%水溶液)を塗
布した後、さらに熱溶融性物質面5を上向きとして発熱
溶融シート4を重ね、この上に立体網目構造の3μの微
細連続気泡をもち、気孔率60%、溶融温度が約70℃
である厚さ1.6mmのスタンプ材(発泡ポリエチレンシ
ート)S7を重ねて置く〔図1(a)参照〕。ここで用
いた発熱溶融シート4は、ワックス、樹脂、カーボンブ
ラックからなる熱溶融性物質5(溶融温度80℃、溶融
粘度100mPa・Sを有する)をアセテートフィルム6
(厚さ20μm)に3μmの厚さに塗布したものを用い
た。 熱溶融性物質の粘度は、低いほど浸透しやすく、
好ましいが、アセテートフィルムに塗工が難しく100
mPa・S程度が塗工、浸透でバランスの良い結果が得られ
た。つぎにスタンプ材S7に厚さ方向で弾性変形を50
%程度与えるように圧力をかけた状態で閃光を照射し
た。図1(b)に示すように、熱溶融性物質をもつ発熱
溶融シート4を用いた場合には、印影原稿M3の印影原
稿像Lの対応する該スタンプ材S7の表面は非溶融部I
となり鏡像として残り、その他の表面は浸透溶融部Hと
して熱溶融性物質の発熱により該スタンプ材シートS7
の表面で溶融するとともに、熱溶融性物質がスタンプ材
を溶融し、気泡が閉塞されるが、熱溶融性物質の浸透に
よって気泡の閉塞がより強固になる。(図2参照) スタンプ材が圧縮されているために気泡が圧縮されて該
スタンプ材自体が密着した状態で熱溶融物質がスタンプ
材シート表面に浸透し、同時に該発熱により複数層の連
続気泡を溶融閉塞する。前記発熱溶融シート4の熱溶融
性物質5の厚みが、2〜5μの時に閃光照射のエネルギ
ー効率が高く、捺印の印影も鮮明であった。しかし、
0.5μ程度の厚みであっても発熱溶融シート4に塗布
される熱溶融性物質5が熱溶融性物質5でない場合に比
べ閃光照射エネルギーの省力効果が認められる。 一方
その厚さが10μ程度となっても製版は可能であるが、
大きな閃光照射エネルギーが必要であり、さらに印面の
段差を設けるためにはさらに一層のスタンプ材の圧縮が
必要となる。
る。 印影原稿の作製:印刷物をPPC複写機で複写して印影
原稿像Lを有する印影原稿M3を作成した。 印版の作製:50ジュールの発光エネルギーをもつクセ
ノン閃光発光器1の透明ガラス板2上に印影原稿M3の
印影原稿像Lが正像となるように重ね、この印影原稿M
3に液状物質(エチアルコール50容量%水溶液)を塗
布した後、さらに熱溶融性物質面5を上向きとして発熱
溶融シート4を重ね、この上に立体網目構造の3μの微
細連続気泡をもち、気孔率60%、溶融温度が約70℃
である厚さ1.6mmのスタンプ材(発泡ポリエチレンシ
ート)S7を重ねて置く〔図1(a)参照〕。ここで用
いた発熱溶融シート4は、ワックス、樹脂、カーボンブ
ラックからなる熱溶融性物質5(溶融温度80℃、溶融
粘度100mPa・Sを有する)をアセテートフィルム6
(厚さ20μm)に3μmの厚さに塗布したものを用い
た。 熱溶融性物質の粘度は、低いほど浸透しやすく、
好ましいが、アセテートフィルムに塗工が難しく100
mPa・S程度が塗工、浸透でバランスの良い結果が得られ
た。つぎにスタンプ材S7に厚さ方向で弾性変形を50
%程度与えるように圧力をかけた状態で閃光を照射し
た。図1(b)に示すように、熱溶融性物質をもつ発熱
溶融シート4を用いた場合には、印影原稿M3の印影原
稿像Lの対応する該スタンプ材S7の表面は非溶融部I
となり鏡像として残り、その他の表面は浸透溶融部Hと
して熱溶融性物質の発熱により該スタンプ材シートS7
の表面で溶融するとともに、熱溶融性物質がスタンプ材
を溶融し、気泡が閉塞されるが、熱溶融性物質の浸透に
よって気泡の閉塞がより強固になる。(図2参照) スタンプ材が圧縮されているために気泡が圧縮されて該
スタンプ材自体が密着した状態で熱溶融物質がスタンプ
材シート表面に浸透し、同時に該発熱により複数層の連
続気泡を溶融閉塞する。前記発熱溶融シート4の熱溶融
性物質5の厚みが、2〜5μの時に閃光照射のエネルギ
ー効率が高く、捺印の印影も鮮明であった。しかし、
0.5μ程度の厚みであっても発熱溶融シート4に塗布
される熱溶融性物質5が熱溶融性物質5でない場合に比
べ閃光照射エネルギーの省力効果が認められる。 一方
その厚さが10μ程度となっても製版は可能であるが、
大きな閃光照射エネルギーが必要であり、さらに印面の
段差を設けるためにはさらに一層のスタンプ材の圧縮が
必要となる。
【0020】
【発明の効果】本発明の浸透印版の作製法は工程が簡単
であり、金型などを必要としないため、目的にあった高
品位のスタンプが迅速に提供できるものである。印影原
稿に水を含む液体を塗布することにより赤外線の透過効
率が向上し、印影原稿の厚みにばらつきがあっても安定
した浸透印版を得ることができる。また、閃光照射の際
にスタンプ材を圧縮することにより、熱溶融性物質の浸
透だけでなくスタンプ材をその気泡を圧縮して溶融する
ので完全に気泡が閉塞されて明確な浸透溶融部(すなわ
ちスタンプインキ非滲出部)が形成されるので、鮮明な
印影を得ることができる。
であり、金型などを必要としないため、目的にあった高
品位のスタンプが迅速に提供できるものである。印影原
稿に水を含む液体を塗布することにより赤外線の透過効
率が向上し、印影原稿の厚みにばらつきがあっても安定
した浸透印版を得ることができる。また、閃光照射の際
にスタンプ材を圧縮することにより、熱溶融性物質の浸
透だけでなくスタンプ材をその気泡を圧縮して溶融する
ので完全に気泡が閉塞されて明確な浸透溶融部(すなわ
ちスタンプインキ非滲出部)が形成されるので、鮮明な
印影を得ることができる。
【図1】スタンプ印版の作製模式図であり、(a)は閃
光を照射前、(b)は照射後の発熱溶融シートとスタン
プ材の状況を模式的に示した図である。
光を照射前、(b)は照射後の発熱溶融シートとスタン
プ材の状況を模式的に示した図である。
【図2】スタンプインキ非滲出部(浸透溶融部)[浸透
溶融混合部(熱溶融性物質浸透部およびスタンプ材溶融
部との混在する部分)とスタンプ材溶融部とからなる]
とスタンプインキ滲出部(非溶融部)の拡大断面図であ
る。
溶融混合部(熱溶融性物質浸透部およびスタンプ材溶融
部との混在する部分)とスタンプ材溶融部とからなる]
とスタンプインキ滲出部(非溶融部)の拡大断面図であ
る。
1 閃光発光部 2 ガラス板 M3 印影原稿 4 発熱溶融シート 5 熱溶融性物質 6 アセテートフィルム S7 スタンプ材(発泡ポリエチレンシート) L 印影原稿像 B 印影原稿像不在部分 11 浸透溶融混合部(熱溶融性物質浸透部とスタンプ
材溶融部との混在) 12 スタンプ材溶融部 H 浸透溶融部(スタンプインキ非滲出部) I 非溶融部(スタンプインキ滲出部)
材溶融部との混在) 12 スタンプ材溶融部 H 浸透溶融部(スタンプインキ非滲出部) I 非溶融部(スタンプインキ滲出部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41K 1/50 B41C 1/055
Claims (6)
- 【請求項1】 スタンプインキ含浸可能な連続気泡を有
する弾性樹脂製のスタンプ材の表面に、赤外線の照射に
より発熱して該スタンプ材以上の温度で溶融する熱溶融
性物質が赤外線透過可能なフィルムに0.5〜10μの
厚みに塗布された発熱溶融シートを、該熱溶融性物質が
スタンプ材表面と接するように重ね、その上に所望の印
影原稿を鏡像となるように重ね、該スタンプ材を5〜7
0%圧縮した状態で該原稿の上方より赤外線を含む閃光
を照射することにより、印影原稿の原稿像不在部分は赤
外線を透過して発熱溶融シートに到達した赤外線が前記
原稿像不在部分に対応する部分の熱溶融性物質を発熱溶
融させ、この熱溶融性物質がスタンプ材に浸透するとと
もにスタンプ材表層を溶融して連続気泡の閉塞された浸
透溶融部(スタンプインキ非滲出部)を形成し、一方印
影原稿の原稿像部分は赤外線を遮断又は吸収して、これ
と対応する発熱溶融シートの部分の熱溶融性物質は発熱
溶融せずに対応するスタンプ材の表面の気泡閉塞に至ら
ず非溶融部(スタンプインキ滲出部)を形成し、スタン
プ材の非溶融部に対し浸透溶融部を0.01mm以上の
凹部とすることを特徴とする浸透印版の作製法。 - 【請求項2】 スタンプ材は、溶融温度が50〜150
℃であり立体網目構造の平均気孔径2〜10μの微細連
続気孔を有し気孔率30〜80%のポリオレフィン系フ
ォームの0.5〜30mm厚のシートであり、発熱溶融シ
ートは少なくともカーボンまたは高分子物質を含み溶融
温度が50〜200℃であり溶融粘度が50〜2000
mPa・sである熱溶融性物質を赤外線透過可能なシー
トに塗布したものである請求項1記載の浸透印版の作製
法。 - 【請求項3】 印影原稿に液状物質を塗布することから
なる請求項1記載の浸透印版の作製法。 - 【請求項4】スタンプインキ含浸可能な連続気泡を有す
る弾性樹脂製のスタンプ材からなるスタンプインキ含浸
部、および該スタンプ材表面で形成されるスタンプイン
キ滲出部と該インキ滲出部より0.01mm以上の凹部
を形成してなるスタンプインキ非滲出部とからなる印面
を有し、該スタンプインキ非滲出部が熱溶融性物質浸透
部とスタンプ材溶融部との混在する浸透溶融混合部およ
びスタンプ材溶融部からなる浸透印版。 - 【請求項5】スタンプ材が、溶融温度が50〜150
℃、平均気孔径2〜10μ、気孔率30〜80%、厚み
0.5〜30mmのポリオレフィン系フォームシートから
なる請求項4記載の浸透印版。 - 【請求項6】スタンプ材が長さ5〜500mm、幅5〜
200mmであることからなる請求項5記載の浸透印
版。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP972596A JP2946456B2 (ja) | 1995-02-03 | 1996-01-24 | 浸透印版の作製法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1735795 | 1995-02-03 | ||
JP7-17357 | 1995-02-03 | ||
JP972596A JP2946456B2 (ja) | 1995-02-03 | 1996-01-24 | 浸透印版の作製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08267887A JPH08267887A (ja) | 1996-10-15 |
JP2946456B2 true JP2946456B2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=26344493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP972596A Expired - Fee Related JP2946456B2 (ja) | 1995-02-03 | 1996-01-24 | 浸透印版の作製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2946456B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4589538B2 (ja) * | 2001-01-16 | 2010-12-01 | シヤチハタ株式会社 | 熱可塑製樹脂の印面作成方法 |
-
1996
- 1996-01-24 JP JP972596A patent/JP2946456B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08267887A (ja) | 1996-10-15 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990511 |
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