JPH07285258A - 多色スタンプ - Google Patents

多色スタンプ

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Publication number
JPH07285258A
JPH07285258A JP8192994A JP8192994A JPH07285258A JP H07285258 A JPH07285258 A JP H07285258A JP 8192994 A JP8192994 A JP 8192994A JP 8192994 A JP8192994 A JP 8192994A JP H07285258 A JPH07285258 A JP H07285258A
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JP
Japan
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ink
stamp
imprint
original
sheet
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JP8192994A
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English (en)
Inventor
Yoichi Ando
陽一 安藤
Hajime Toda
肇 戸田
Koichi Hirano
功一 平野
Sumi Tamano
寿美 玉野
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 連続気泡を有してスタンプインキ含浸可能な
素材の表面に所望の印影原稿の鏡像を示すインキ滲出部
と連続気泡を閉塞したインキ非滲出部とからなる印面を
形成してなる印版のインキ滲出部に直接複数色のインキ
を吸入させた印版を有する多色スタンプ。 【効果】 本発明はインキ充填が容易で、複数のスタン
プ用印面を必要とせずにカラー化された印影がインキの
補充なしに多数回連続して捺印できる多色スタンプを提
供できるものである。特に、本発明で印材に立体網目構
造の微細連続気孔を有し気孔率40〜70%のポリオレ
フィン系フォームを使用することでインキの充填性、吐
き出し性に良好な結果を得られる。またインキ充填を印
面より直接行い印材全体にインキを充填する必要がない
ためインキの重ね塗が可能であり満足のいく印影が得ら
れやすい。さらに、難揮発性インキでその粘度が500
〜1,000mPa.sであると保持性、保存性が向上
し長時間鮮明なカラー印影が捺印できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多色スタンプに関する。
さらに詳しくは、インキを含浸させることにより長時間
インキを補給することなく、くり返して捺印することが
できる連続気泡を有するスポンジ材からなる多色スタン
プに関する。
【0002】
【従来の技術】インキを含浸させることにより長時間イ
ンキを補給することなく、くり返して捺印することがで
きる連続気泡を有するスポンジ材からなるスタンプへの
インキ充填はインキタンク内へスタンプを浸けて印材全
体にインキを充填するとか、印材より気孔率の高いスポ
ンジシート上に該印材を置き、気孔率の高いスポンジシ
ートを通してインキを充填する方法がとられていた。こ
のため、インキ量が多量に充填されているため軽い捺印
でも充分なインキ量が転写されるために濃い印影が長期
間得られるという利点はあるが、製版してすぐに捺印す
ることができないとか、印面に不良があった場合にはイ
ンキばかりでなく時間的にもロスが多いという欠点があ
った。特に、印材の表面の連続気泡を閉塞して、インキ
非滲出部として印面を製版する場合、気泡の閉塞が不充
分であるとインキ粘度や捺印力にもよるがインキ非滲出
部の僅かな気泡の閉塞不足の箇所からインキの流出が起
こり印面不良となり、これを解決するために製版条件を
狭めたり、装置の高性能化を必要としスタンプのコスト
を上げる原因となっている。
【0003】一方、多色スタンプはゴム凸印をペンで塗
り分けるとか、多色が配置されたスタンプ台でインキを
補給し捺印するため捺印の度にインキの補給の手間が掛
かったり、所望の配色ができなかったりと利便性に欠
け、色彩的にも満足すべきものでなかった。またインキ
補給の必要でない浸透印では印材全体にインキを充填し
た複数の単色のスタンプをお互いに接触しないよう台木
に配置してあるのみであり、配色や色数に制約があり、
異なる色が隣接して配色するとか、多数の色を同一印面
に用いるなどのことができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決することにあり、インキの補給無しに、
多数回の多色捺印が可能な多色スタンプを提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、特定連続気
泡を有してスタンプインキ含浸可能な素材の表面のイン
キ非滲出部とインキ滲出部とで形成される印面のインキ
滲出部へ印影に対応する色のインキをペン体などで印面
より直接吸入させることで所望のカラー印影をインキの
補給なしに連続して得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0006】本発明の多色スタンプは、連続気泡を有し
てスタンプインキ含浸可能な素材の表面に所望の印影原
稿の鏡像を示すインキ滲出部と連続気泡を閉塞したイン
キ非滲出部とからなる印面を形成してなる印版のインキ
滲出部に直接複数色のインキを吸蔵させたことを特徴と
する。好ましくは素材が立体網目構造の微細連続気孔を
有し気孔率40〜70%のポリオレフィン系フォームで
0.5〜10mm厚のシートであり、インキが難揮発性
で粘度が100mPa.s〜1500mPa.sであ
る。
【0007】本発明のスタンプに用いる連続気泡を有し
てスタンプインキ含浸可能な素材とは、インキ自己保持
能力の優れた連続気孔体であれば如何なる材質でもよい
が、例えば、天然ゴム、合成ゴム系のスポンジゴム、合
成樹脂発泡体などが示されるが好ましくは、立体網目構
造の微細連続気孔を有し気孔率40〜70%のポリオレ
フィン系フォームで0.5〜10mm厚のシートで良好
な印影が得られている。
【0008】本発明のスタンプに吸入するインキは常温
での揮発性がなく粘度が100〜1,500mPa.s
のものが好ましい捺印性能を示す。特に、500〜1,
000mPa.s程度の粘度をもつインキは印材での保
持性能、インキの非混合性で良好な結果を示す。これよ
り低い場合にはインキ充填時間は速いが、時間の経過と
共にインキが拡散し印影が薄くなりやすい。また、これ
より高い場合には、充填がしにくくなるが一層滲みにく
く、印材中に拡散しにくいインキとなる。
【0009】本発明のスタンプに用いるインキは、例え
ばトリプロピレングリコールブチルエチレン(BTG)
に色材として各色染料または顔料を配合し粘度調整のた
めに樹脂を添加し粘度を1,000mPa.sとしたイ
ンキが示される。トリプロピレングリコールブチルエチ
レンは常温でほとんど揮発しないので常温の保存におい
ては印面が乾燥して捺印不能となることもなく、印材の
素材が立体網目構造の微細連続気孔を有し気孔率40〜
70%のポリオレフィン系フォームに対し劣化させるこ
ともない。また、印材のポリオレフィン系フォームが立
体網目構造の微細連続気孔を有し気孔率40〜70%で
ある場合、該インキの粘度を500〜1,000mP
a.sとすると、印面の表層に塗布のみでも経時により
インキが色材に浸透拡散してしまい捺印不能となりにく
い。このため、インキ塗布した箇所に同色のインキを追
加充填可能なことはもちろん、別な色のインキを重ねて
塗布した場合には、後に塗布されたインキが印影となっ
て捺印される。後に塗布されたインキが捺印により消費
されると前に塗布されたインキが印影となり、捺印回数
により配色が変化するカラースタンプとして使用するこ
ともできるものである。また、満足のいく配色が得られ
なければ再度塗布することで再生でき経済的である。さ
らに、ほぼ同程度の粘度で各色のインキを配合すること
で隣接するインキも短期間では全くではないが混ざり合
うことがないので、特別なことを必要とせずカラースタ
ンプを捺印することができる。もちろん、インキが捺印
により消費された場合には重ねて同色を充填すればよ
く、別な色を充填して別なスタンプとして使用すること
ができ経済的である。もちろん、インキの配合、粘度な
どについては、速乾性や印材の連続気泡を閉塞してしま
うものでなければ、捺印回数や保存性が劣るのみであ
り、同様に多色スタンプのインキとして印面より塗布し
て用いることができ、必要な捺印回数が少いとか、同一
原稿で何種類もの配色を必要とする場合には有効であ
る。これはインキ粘度が100mPa.s程度であれば
塗布するためのペン体の構造も通常のサインペンと同様
に最低限インキ吸蔵体とペン先があれば印材にインキを
塗布することができる。しかしながら、1,000mP
a.sのように粘度が高まると、サインペンと同様なイ
ンキ吸蔵体とペン先の組合せでの毛細管力だけではイン
キを引き出すことができず、バルブ機構や加圧機構が必
要となるが、筆ペンや修正液などの容器と同様な構造で
良く、充填時間も多少必要となるが長期間安定した捺印
が可能となり、印材内でのインキの混色もしにくくなり
良好な印影を得られる。
【0010】本発明のスタンプのインキの吸入もしくは
吸蔵は、どんな形態でもかまわないが、ペン体であるほ
うが取扱いが便利となる。特に、ペン先は筆状であると
細い部分から広い部分まで一本のペン体でインキ充填が
できる。ペン体としてはサインペンに代表される繊維束
でできた通称スライバー芯を有するもの、毛状の一端を
束ねたいわゆる筆、連続気泡体でできた塗布体(通常紡
錘形に成型されている)、筆ペンなど、また、マニキュ
アボトルに使用するキャップと、塗布体が一体となった
構造のものがあげられる。
【0011】本発明のスタンプに用いる印版としてはつ
ぎのようなものをあげることができる。 (1) 連続気泡を有してスタンプインキ含浸可能な素
材の表面に熱転写用シートを重ね、その上に所望の印影
原稿シートを鏡像となるように重ね、該素材を圧縮した
状態で該原稿シートの上方より赤外線を照射することに
より該素材の表面に熱転写性インキの転写部と非転写部
を形成し、該転写部がスタンプインキ非溶出部、該非転
写部がスタンプインキ滲出部となる印面を有するもの。
【0012】(2) 連続気泡を有してスタンプインキ
含浸可能な素材の表面に所望の印影の白黒反転・鏡像が
描かれた熱転写原稿シートを重ね、該素材を圧縮した状
態でその上方より赤外線を照射することにより該素材の
表面に熱転写性インキの転写部と非転写部を形成し、該
転写部がスタンプインキ非溶出部、該非転写部がスタン
プインキ滲出部となる印面を有するもの。
【0013】(3) 連続気泡を有してスタンプインキ
含浸可能な素材の表面に、カーボンおよび高分子物質か
らなる群から選ばれた少くとも一種からなる加熱板を重
ね、さらに吸液性不透明シートからなる所望の印影原稿
に難揮発性物質を浸透させ印影原稿像が鏡像となるよう
に重ね、つぎに該原稿シート側より赤外線を含む閃光を
照射することにより、印影原稿像以外の部分に対応する
加熱板が発熱して素材表面を溶融してスタンプインキ非
滲出部となり、一方印影原稿像に対応する素材表面は溶
融しないでスタンプインキ滲出部となる印版。
【0014】(4) 連続気泡を有してスタンプインキ
含浸可能な素材の表面に熱転写シートを重ね、さらに吸
液性不透明シートからなる印影原稿に難揮発性物質を塗
布して後印影原稿像が鏡像となるように重ね、つぎに該
原稿シート側より赤外線を含む閃光を照射することによ
り、印影原稿像以外の部分に対応する熱転写シートの熱
転写インキが素材表面に転写し、該表面を溶融してスタ
ンプインキ非滲出部となり、一方印影原稿像に対応する
素材表面は熱転写インキが転写せずスタンプインキ滲出
部となる印版。
【0015】その他の印版としてスポンジ印材の表面を
直接サーマルヘッドで選択的にインキ非滲出部を溶融し
気泡を閉塞したもの、スポンジの表面の印影を形成する
部分を除いた全面箇所を加熱型押し加工により凹状に陥
没させ押し固め、凸部をインキ吸蔵部としてインキ滲出
部としたものなどがある。どのような印版であってもイ
ンキ吸蔵可能なスポンジ素材の表面のインキ非滲出部の
連続気泡を閉塞するものであればよい。これらの印版の
印面のインキ滲出部と非滲出部の段差は0.01〜0.
2mm程度でよく、0.1〜0.2mmの線幅の再現が
可能であり網点で中間階調を表現できるものでありスタ
ンプのカラー化にも適している。
【0016】上記印版における各要件を説明する。赤外
線照射は、クセノン閃光器、フォトストロボフラッシュ
やフラッシュバルブなどを用いることができ、この照射
エネルギーは印版サイズによるが印影原稿の用紙厚さに
大きく影響を受け薄く透明度の高いもの程小さくするこ
とができるので、原稿用紙は透明フィルムが好ましい。
さらに素材表面の連続気泡を完全に閉塞するために大き
なエネルギーで照射した場合、装置が高価になるばかり
でなく素材の非溶融部まで影響を与え鮮明なスタンプを
得ることができない。そこで素材を圧縮状態として照射
することで素材表面ばかりでなく隣接する気泡が密着し
て表層の一定深さまで溶融することができ、少ないエネ
ルギーで必要箇所の気泡の閉塞が可能になる。
【0017】加熱板は、PETフィルムなどに少なくと
もカーボンまたは高分子物質を含むインキ、トナーを塗
布したものである。熱転写シートは、熱転写性インキを
ホットメルトあるいは有機溶剤に溶融した状態でフィル
ムに塗工されたシートである。具体的には、ワードプロ
ッセサーのサーマルプリンタに使用される熱転写リボン
を用いることができ、その溶融温度は70〜100℃で
ある。
【0018】印影原稿は、赤外線が透過可能な紙、フィ
ルムなどに赤外線を吸収または遮蔽するインキ、トナー
などで文字、記号、図形などを表したものであるが、
紙、フィルムは赤外線の透過率が高く、また、文字、記
号、図形などの描線は赤外線を吸収または遮蔽の効率が
高い程製版効率が良いので好ましい。しかしながら、一
般ユーザーが製版セットに適応した印影原稿を制作する
ことはかなり困難であり、製版の前提条件にした場合に
は利便性が相当低下することになりこれらの問題を解決
するには、印影原稿の制作を含めた装置とする必要があ
り安価な装置の提供が困難となる欠点があるので、でき
るだけ失敗の少ない装置とするために印影原稿はPPC
複写機で制作したものを標準に設定することが好まし
い。現在のコンビニエンスストアーではほとんど利用可
能な状態であり、さらに企業、学校などではほとんどに
普及しているためである。しかしながら、トナーの赤外
線の吸収率には問題になるような性能差は見られないが
用紙の厚みについては各社で大きなばらつきがあり安定
した製版が不可能であった。これを解決するためには、
最適な用紙を供給してこれを用いて印影原稿を制作する
方法があるが特にコンビニエンスストアーなどでは用紙
詰まりトラブル回避のためほとんど不可能であるので上
記の問題を解決するために本発明では、PPC複写機で
PPC複写用紙に複写し制作した印影原稿に液体を塗布
しPPC複写用紙の赤外線の透過率を高めると共に用紙
の厚さのばらつきを吸収してほぼ均一な赤外線の透過率
とすることができることを見出した。このことは、複写
原稿に限るものでなく、同様な用紙に鉛筆、サインペン
などの筆記具で書かれた原稿やプリンタで出力した原稿
でも同様に扱うことができるものである。
【0019】たとえば上記(4)の印版の素材表面の印
面の形成は、スポンジ素材の表面にインキ面が接触する
ように加熱板または熱転写シートを重ね合わせ、その上
にシリコンなどの液体を塗布し赤外線の透過効率を改善
した印影原稿を鏡像となるように重ね、この上から赤外
線を含む閃光を照射すると、該印影原稿の印影原稿像以
外の部分は赤外線が印影原稿を透過して加熱板または熱
転写シートまで到達し加熱板または熱転写シートのイン
キやトナーに含まれるカーボンや高分子物質を加熱し、
該スポンジ素材の表面を溶融しまたは溶融と転写で気泡
が閉塞されて、スポンジ素材に吸蔵しているスタンプイ
ンキが流通しない部分となる。一方、該印影原稿の印影
原稿像部分は赤外線が加熱板または熱転写シートまで到
達しないために加熱板トナーの発熱または熱転写シート
のインキ溶融に至らず、スポンジ素材表面は変化がなく
スポンジ素材に吸蔵されたインキが滲出する部分とな
る。これらのスポンジ素材表面の溶融または転写部と非
溶融部または非転写部とで印面が形成され、捺印時にこ
の部分から所望の印影が得られる。この赤外線照射の際
にスポンジ素材を5〜50%程度圧縮し、スポンジ素材
の気泡を弾性変形させ隣接する構造を密着させ、加熱時
の熱で一定深さまでスポンジ素材表面が溶融し凹状とな
し、溶融部と非溶融部の段差が0.01mm以上となる
のが好ましい。また、印影原稿の印影原稿像部分は赤外
線が加熱板または熱転写シートまで到達しないとあるが
これは全く透過してはいけないということではなく、ス
ポンジ素材表面に影響がなければ良いものである。
【0020】上記のようにPPC複写機の複写原稿があ
ればスタンプ用印を得ることができるので、写真やイラ
ストなどの特定の書体でない対象をスタンプ化すること
が容易であり、このようなスタンプではカラー化するこ
とで一層その価値が増すものである。写真の場合には網
点スクリーンを重ねて複写することで網点分解ができる
が、網分解した原稿で製版することでスタンプも網点ス
タンプとなり中間階調も表現できるものであり、該印面
に印面より直接各色のインキを吸蔵させることで所望の
配色のなされたスタンプが容易に得られる。また、イラ
ストの場合も単なる線画よりもベタ部分が存在したり濃
淡を有する原稿の場合にカラー化で従来と全く違った印
影を得ることができる。該印版を台木に装着することに
より通常のスタンプと同様に捺印することができ、多数
回インキを補充することなく、繰り返しカラフルな印影
を捺印することができる。また、ロール表面に装着して
スタンプとしてロールを回転することにより連続印刷も
可能である。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。 印影原稿の作製:写真に網点スクリーンを重ねPPC複
写機で複写して印影原稿像8を有する印影原稿3を作成
し、片面または両面に液状シリコンを塗布し赤外線の透
過効率を改善した。 印版の作製:50ジュールの発光エネルギーをもつクセ
ノン閃光発光器1の透明ガラス板2上に印影原稿3の印
影原稿像8が正像となるよう重ね、さらにインキまたは
トナー面5を上向きとして熱転写シートまたは加熱板
4′を重ね、この上に立体網目構造の微細連続気泡をも
つ気孔率50%(見掛け密度0.3g/cm3)の発泡
ポリエチレンシート7を重ねて置く{図1(a)参
照}。これらのシートに厚さ方向の弾性変形を5〜50
%程度与えるように圧力をかけた状態で閃光を照射し
た。図1(b)に示すように、熱転写シート4を用いた
場合には、該ポリエチレンシート7の表面は印影原稿3
の印影原稿像8が非転写部となり鏡像として残り、その
他の表面は転写部9として熱転写インキが転写されると
共にポリエチレンシート7の表面が溶融し連続気泡が閉
塞される。また加熱板を用いた場合には図1(b)に示
すように、該ポリエチレンシート7の表面は印影原稿3
の印影原稿像8が非溶融部となり鏡像として残り、その
他の表面は溶融部9としてポリエチレンシート7の表面
が溶融し連続気泡が閉塞される。 インキの吸入:上記の過程を経て製版された印面にトリ
プロピレングリコールブチルエチレン(BTG)に色材
として各色染料または顔料を配合し粘度調整のために樹
脂を添加し粘度を1,000mPa.sとしたインキを
ペン体に充填し、その穂先で非溶融部を塗布することで
インキを印材に吸蔵させる。
【0022】
【発明の効果】本発明はインキ充填が容易で、複数のス
タンプ用印面を必要とせずにカラー化された印影がイン
キの補充なしに多数回連続して捺印できる多色スタンプ
を提供できるものである。特に、本発明で印材に立体網
目構造の微細連続気孔を有し気孔率40〜70%のポリ
オレフィン系フォームを使用することでインキの充填
性、吐き出し性に良好な結果を得られる。またインキ充
填を印面より直接行い印材全体にインキを充填する必要
がないためインキの重ね塗が可能であり満足のいく印影
が得られやすい。さらに、難揮発性インキでその粘度が
500〜1,000mPa.sであると保持性、保存性
が向上し長時間鮮明なカラー印影が捺印できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタンプ印版の作製模式図であり、(a)は閃
光を照射前、(b)は加熱板を用いた場合の照射後のス
ポンジ素材の状況を模式的に示した図であり、(c)は
熱転写シートを用いた場合の照射後の熱転写シートとス
ポンジ素材の状況を模式的に示した図である。
【図2】(a)は、加熱板を用いた場合の溶融部と非溶
融部の拡大図、(b)は、熱転写シートを用いた場合の
転写部と非転写部の拡大図。
【図3】(a)は、製版された印面にインキを充填、
(b)は、その印影。
【図4】印版の断面図。
【図5】印版の断面図(ウレタンフォーム素材を用い
て、異なる色のインキ滲出部が接している場合)
【符号の説明】
1 閃光発光部 2 ガラス板 3 印影原稿 4 熱転写シート 4′ 加熱板 5 カーボンまたは熱転写インキ 6 ポリエステルフィルム 7 発泡ポリエチレンシート 8 印影原稿像 9 溶融部または転写溶融部(インキ非滲出部) 10 非溶融部または非転写溶融部(インキ滲出部) 11 熱転写インキ転写部 12 溶融部 13 ペン体 14 インキ 15 赤インク 16 青インク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉野 寿美 神奈川県横浜市神奈川区入江二丁目5番12 号 三菱鉛筆株式会社研究開発センター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続気泡を有してスタンプインキ含浸可
    能な素材の表面に所望の印影原稿の鏡像を示すインキ滲
    出部と連続気泡を閉塞したインキ非滲出部とからなる印
    面を形成してなる印版のインキ滲出部に直接複数色のイ
    ンキを吸入させてなる多色スタンプ。
  2. 【請求項2】 素材が立体網目構造の微細連続気孔を有
    し気孔率40〜70%のポリオレフィン系フォームで
    0.5〜10mm厚のシートである請求項1記載の多色
    スタンプ。
  3. 【請求項3】 インキが難揮発性で粘度が100mP
    a.s〜1500mPa.sである請求項1記載の多色
    スタンプ。
  4. 【請求項4】 連続気泡を有してスタンプインキ含浸可
    能な素材の表面に熱転写用シートを重ね、その上に所望
    の印影原稿シートを鏡像となるように重ね、該素材を圧
    縮した状態で該原稿シートの上方より赤外線を照射する
    ことにより該素材の表面に熱転写性インキの転写部と非
    転写部を形成し、該転写部がスタンプインキ非溶出部、
    該非転写部がスタンプインキ滲出部となる印面を有する
    請求項1記載の多色スタンプ。
  5. 【請求項5】 連続気泡を有してスタンプインキ含浸可
    能な素材の表面に所望の印影の白黒反転・鏡像が描かれ
    た熱転写原稿シートを重ね、該素材を圧縮した状態でそ
    の上方より赤外線を照射することにより該素材の表面に
    熱転写性インキの転写部と非転写部を形成し、該転写部
    がスタンプインキ非溶出部、該非転写部がスタンプイン
    キ滲出部となる印面を有する請求項1記載の多色スタン
    プ。
  6. 【請求項6】 連続気泡を有してスタンプインキ含浸可
    能な素材の表面に、カーボンおよび高分子物質からなる
    群から選ばれた少くとも一種からなる加熱板を重ね、さ
    らに吸液性不透明シートからなる所望の印影原稿に難揮
    発性物質を浸透させ印影原稿像が鏡像となるように重
    ね、つぎに該原稿シート側より赤外線を含む閃光を照射
    することにより、印影原稿像以外の部分に対応する加熱
    板が発熱して素材表面を溶融してスタンプインキ非滲出
    部となり、一方印影原稿像に対応する素材表面は溶融し
    ないでスタンプインキ滲出部となる印面を有する請求項
    1記載の多色スタンプ。
  7. 【請求項7】 連続気泡を有してスタンプインキ含浸可
    能な素材の表面に熱転写シートを重ね、さらに吸液性不
    透明シートからなる印影原稿に難揮発性物質を塗布して
    後印影原稿像が鏡像となるように重ね、つぎに該原稿シ
    ート側より赤外線を含む閃光を照射することにより、印
    影原稿像以外の部分に対応する熱転写シートの熱転写イ
    ンキが素材表面に転写し、該表面を溶融してスタンプイ
    ンキ非滲出部となり、一方印影原稿像に対応する素材表
    面は熱転写インキが転写せずスタンプインキ滲出部とな
    る印面を有する請求項1記載の多色スタンプ。
  8. 【請求項8】 印面のインキ滲出部へ印影に対応する色
    のインキをペン体で吸入することからなる請求項1ない
    し7記載の多色スタンプ。
JP8192994A 1994-04-20 1994-04-20 多色スタンプ Pending JPH07285258A (ja)

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