JP2018141059A - 熱変色性スタンプ用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】スタンプ面となる紙などがスタンプ基材に貼り付くような挙動(タック性)もなく、熱変色機能を有し、印影の経時的な退色もない熱変色性スタンプ用インク組成物を提供する。【解決手段】少なくとも、熱変色性マイクロカプセル顔料と、(ポリ)グリセリン60〜90質量%とを含有し、インク粘度が1000mPa・s未満であることを特徴とする熱変色性スタンプ用インク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム印版などのスタンプ台に使用する熱変色性スタンプ用インク組成物に関し、より詳しくは、スタンプ面となる紙などがスタンプ基材に貼り付くような挙動(タック性)もなく、熱変色機能を有し、印影の経時的な退色もない熱変色性スタンプ用インク組成物に関する。
従来より、スタンプ用インク組成物の着色剤としては、染料又は顔料が使用されており、また、近年では、熱変色性を示す色材を用いたスタンプ用インク組成物が提案されている。
この熱変色性スタンプ用インク組成物としては、例えば、少なくとも、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料、水溶性有機溶剤、水を含んでなる可逆熱変色性スタンプ用インク組成物であって、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を含む可逆熱変色性組成物を内包させた、平均粒子径〔(長径+短径)/2〕が0.1〜15μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=7/1〜1/1(重量比)の範囲にある顔料であり、且つ、インク粘度が1000〜10000mPa・sを示す可逆熱変色性スタンプ用インク組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載のインク粘度が1000〜10000mPa・sとするスタンプ用インク組成物では、スタンプ面となる紙などがスタンプ基材に貼り付くような挙動(タック性)を生じるなどの課題があり、また、経時的に印影が薄くなることがあり、更なる改善が求められている。
特開平8−127746号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題などに鑑み、これを解消しようとするものであり、スタンプ面となる紙などがスタンプ基材に貼り付くような挙動(タック性)もなく、熱変色機能を有し、印影の経時的な退色もない熱変色性スタンプ用インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、少なくとも熱変色性マイクロカプセル顔料と、特定成分を特定量で含有せしめ、インク粘度を特定の範囲にすることなどにより、上記目的の熱変色性スタンプ用インク組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物は、少なくとも熱変色性マイクロカプセル顔料と、(ポリ)グリセリン60〜90質量%とを含有し、インク粘度が1000mPa・s未満であることを特徴とする。
水の含有量を10質量%以下とすることが好ましい。
本発明によれば、スタンプ面となる紙などがスタンプ基材に貼り付くような挙動(タック性)もなく、熱変色機能を有し、印影の経時的な退色もない熱変色性スタンプ用インク組成物が提供される。
本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物を用いたスタンプ台の一例を示す図面であり、(a)はその斜視図、(b)はスタンプ台に内蔵される表面布帛、インク吸蔵体を有するインクパッドの断面図である。 本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物を用いた浸透印の一例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物は、少なくとも熱変色性マイクロカプセル顔料と、(ポリ)グリセリン60〜90質量%とを含有し、インク粘度が1000mPa・s未満であることを特徴とするものである。
<熱変色性マイクロカプセル顔料>
本発明に用いる熱変色性マイクロカプセル顔料としては、摩擦熱等の熱により変色するもの、例えば、有色から無色、有色から有色、無色から有色などとなる機能を有するものであれば、特に限定されず、種々のものを用いることができ、少なくともロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を含む熱変色性組成物を、マイクロカプセル化したものが挙げられる。
用いることができるロイコ色素としては、電子供与性染料で、発色剤としての機能するものであれば、特に限定されものではない。具体的には、発色特性に優れるインクを得る点から、トリフェニルメタン系、スピロピラン系、フルオラン系、ジフェニルメタン系、ローダミンラクタム系、インドリルフタリド系、ロイコオーラミン系等従来公知のものが、単独(1種)で又は2種以上を混合して(以下、単に「少なくとも1種」という)用いることができる。
これらのロイコ染料は、ラクトン骨格、ピリジン骨格、キナゾリン骨格、ビスキナゾリン骨格等を有するものであり、これらの骨格(環)が開環することで発色を発現するものである。好ましくは、熱により有色から無色となるロイコ色素の使用が望ましい。
用いることができる顕色剤は、上記ロイコ色素を発色させる能力を有する成分となるものであり、例えば、フェノール樹脂系化合物、サリチル酸系金属塩化物、サリチル酸樹脂系金属塩化合物、固体酸系化合物等が挙げられる。
用いる顕色剤の使用量は、所望される色彩濃度に応じて任意に選択すればよく、特に限定されるものではないが、通常、前記したロイコ色素1質量部に対して、0.1〜100質量部程度の範囲内で選択するのが好適である。
用いることができる変色温度調整剤は、前記ロイコ色素と顕色剤の呈色において変色温度をコントロールする物質である。
用いることができる変色温度調整剤は、従来公知のものが使用可能である。具体的には、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類などが挙げられる。
この変色温度調整剤の使用量は、所望されるヒステリシス幅及び発色時の色彩濃度等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、通常、ロイコ色素1質量部に対して、1〜100質量部程度の範囲内で使用するのが好ましい。
本発明の熱変色性マイクロカプセル顔料は、少なくとも上記ロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を含む熱変色性組成物を、所定の平均粒子径となるように、マイクロカプセル化することにより製造することができる。
マイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができ、用途に応じて適宜選択することができる。
好ましくは、安定性、より充実した機能を発揮せしめる点から、コアシェル型のマイクロカプセル化したものが望ましい。
例えば、水溶液からの相分離法では、ロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を加熱溶融後、乳化剤溶液に投入し、加熱攪拌して油滴状に分散させ、次いで、カプセル膜剤として、樹脂原料などを使用、例えば、アミノ樹脂溶液、具体的には、メチロールメラミン水溶液、尿素溶液、ベンゾグアナミン溶液などの各液を徐々に投入し、引き続き反応させて調製後、この分散液を濾過することにより目的の熱変色性のマイクロカプセル顔料を製造することができる。
これらのロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤の含有量は、用いるロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤の種類、マイクロカプセル化法などにより変動するが、当該色素1に対して、質量比で顕色剤0.1〜100、変色温度調整剤1〜100である。また、カプセル膜剤は、カプセル内容物に対して、質量比で0.1〜1である。
本発明に用いる熱変色性マイクロカプセル顔料は、上記ロイコ色素、顕色剤及び変色温度調整剤の種類、量などを好適に組み合わせることにより、各色の発色温度(例えば、0℃以上で発色)、消色温度(例えば、50℃以上で消色)を好適な温度に設定することができ、好ましくは、摩擦熱等の熱により有色から無色となる熱変色性マイクロカプセル顔料の使用が望ましい。
本発明に用いる熱変色性マイクロカプセル顔料では、スタンプ濃度、保存安定性、スタンプ性の更なる向上の点から、壁膜がウレタン樹脂、エポキシ樹脂、あるいはアミノ樹脂で形成されることが好ましい。ウレタン樹脂としては、例えば、イソシアネートとポリオールとの化合物が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂とアミンの化合物が挙げられる。アミノ樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などで形成されること、更に好ましくは、製造性、保存安定性、筆記性の点から、メラミン樹脂、ウレタン樹脂で形成されることが望ましい。
マイクロカプセル色材の壁膜の厚さは、必要とする壁膜の強度や描線濃度に応じて適宜決められる。
なお、壁膜がアミノ樹脂、ウレタン樹脂で形成するためには、各マイクロカプセル化法を用いる際に、好適なアミノ樹脂原料(メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ウレタン樹脂等)、並びに、分散剤、保護コロイドなどを選択する。
本発明に用いる熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径は、着色性、発色性、易消色性、安定性の点、並びに、スタンプ性の更なる向上などの点から、好ましくは、0.1〜20μm、更に好ましくは、0.5〜10μmであるものが望ましい。なお、本発明(実施例等含む)で規定する「平均粒子径」は、粒度分析計〔マイクロトラックHRA9320−X100(日機装社製)〕にて、測定した体積基準によるメディアン値である。
なお、上記平均粒子径の範囲(0.1〜20μm)となるマイクロカプセル顔料は、マイクロカプセル化法により変動するが、水溶液からの相分離法などでは、マイクロカプセル顔料を製造する際の攪拌条件を好適に組み合わせることにより調製することができる。
本発明において、用いる熱変色性マイクロカプセル顔料の含有量は、熱変色性マイクロカプセル顔料の機能、スタンプ基材(ゴム印判、連続気泡を有する印材を備えたスタンプ等)の種類などにより変動するが、その含有量はスタンプ用インク組成物全量に対して、
5〜30質量%(以下、「質量%」を単に「%」と略す。)に調整されることが好ましく、より好ましくは、10〜25%が望ましい。
本発明に用いる(ポリ)グリセリンは、スタンプ印面の乾燥を抑制する成分として用いるものであり、スタンプ用インクとして用いられる(ポリ)グリセリンであれば、特に限定されず、各種の(ポリ)グリセリンを用いることができる。
用いることができる(ポリ)グリセリンとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン及びデカグリセリンから選ばれるものであるが、中でもグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン及びヘキサグリセリンから選ばれるものが好ましく、より好ましくは、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリンが望ましい。
これらのグリセリンの含有量としては、スタンプ印面の乾燥を好適に抑制する点等から、スタンプ用インク組成物全量に対して、好ましくは、60〜90%とすることが望ましい。
このグリセリンの含有量が、60質量%未満であると、スタンプ印面の乾燥を好適に抑制することができず、一方、90%超過であっても効果は変わらない。他の成分とのバランス等から90%以下が好ましい。
本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物において、印像の固着性の点、後述する粘度範囲に調整等のために、バインダー樹脂を含有することが好ましい。
用いることができるバインダー樹脂としては、ポリビニルアルコール及びその変性物、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
好ましいバインダー樹脂としては、ポリビニルアルコールであり、特にスルホン酸変性ポリビニルアルコールが望ましい。
用いることができるスルホン酸変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略する)『一般式、−〔CH−CH(OH)〕m−〔CH−CH(OCOCH〕n−』の水酸基、酢酸基、末端基の少なくとも一部をスルホン酸基で変性したものであり、スルホン酸基を所定量含有するビニルアルコール系重合体であれば特に限定されずに用いることができる。1
スルホン酸変性ポリビニルアルコールの合成法としては、例えば、スルホン酸基を有する単量体を酢酸ビニルと共に重合した後、酢酸ビニルの一部又は全てをケン化してビニルアルコールとする方法により合成することができ、また、ポリビニルアルコールのヒドロキシル基にスルホン酸基を有する化合物を結合させて合成することも可能である。
スルホン酸基を有する単量体としては、例えば、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
スルホン酸変性ポリビニルアルコールとしては、適宜合成したものであっても良く、市販品であっても良い。
用いるスルホン酸変性ポリビニルアルコールは、本発明では、上述の熱変色性マイクロカプセル顔料を用いたスタンプ用インク組成物中において、熱変色性マイクロカプセル顔料の分散安定性を低下することなく、スタンプ印面の耐乾燥性、スタンプ性能に優れ、経時的な粘度上昇もない機能を発揮するものとなる。中でも、スタンプ用インクの経時安定性、粘度付与性の点から、そのケン化度{〔m/(m+n)〕×100}は、好ましくは、70mol%以上とすることが望ましく、更に好ましくは、85mol%以上であることが望ましい。
また、上記ケン化度のスルホン酸変性ポリビニルアルコールにおいて、スタンプ感、着色性を損なうことなく、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、その重合度(m+n)は、好ましくは、1000以下、更に好ましくは、500以下、特に好ましくは、100〜300が望ましい。
具体的に用いることができるスルホン酸変性ポリビニルアルコールとしては、市販の日本合成化学工業社製のゴーセネックスL−3266、CKS−50等が挙げられる。
これらのスルホン酸変性ポリビニルアルコールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いるバインダー樹脂の含有量は、スタンプ用インク組成物全量に対して、0.1〜5%、好ましくは、0.5〜3%含有される。
この含有量が0.1%未満では、本発明の効果の更なる効果が得られず、一方、5%超過ではスタンプ用インクの粘度が高くなるため、好ましくない。
本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物において、上記各成分の他、粘度を低く調整するために、水(水道水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等)を10質量%以下の範囲で配合しても良い。
本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物では、更に、インクの浸透性向上、熱変色性マイクロカプセル顔料の分散性向上の点から、界面活性剤を含有することが好ましく、更に、スタンプ用インク組成物に通常用いられる各成分、例えば、防腐剤もしくは防菌剤、pH調整剤などを本発明の効果を損なわない範囲で、適宜量含有することができる。
用いることができる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤などを含有することができる。
用いることができるアニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルが挙げられる。これらの中でも芳香環を有するものが好ましく、特に、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩が好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
上記界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの界面活性剤の中で、アニオン性以外の界面活性剤は、印影の経時的な退色を引き起こすことが若干あるため、好ましくは、アニオン性界面活性剤の使用が望ましい。
これらの界面活性剤の含有量は、インクの浸透性向上、熱変色性マイクロカプセル顔料の分散性向上などを高度に両立する点などから、スタンプ用インク組成物全量に対して、
0.1〜5%の範囲で適宜調整される。
また、防腐剤もしくは防菌剤としては、例えば、フェノール、ナトリウムオマジン、安息香酸ナトリウム、ベンゾイソチアゾリン、ベンズイミダゾール系化合物などが挙げられる。
本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物において、スタンプ種(ゴム印判、浸透印)等により変動するものであるが、タック性の抑制の点から、せん断速度38.3/s時のインク粘度(25℃)を1000mPa・s未満の範囲とすることが好ましく、より好ましくは900mPa・s以下、更に好ましくは、800mPa・s以下、特に好ましくは、300mPa・s以上800mPa・s以下の範囲とすることが望ましい。
上記粘度範囲の調整は、用いる熱変色性マイクロカプセル顔料種及びその含有量、(ポリ)グリセリン種及びその含有量、水の含有の有無、バインダー樹脂の含有の有無などを好適に組み合わせことにより、調整することができる。
本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物は、少なくとも熱変色性マイクロカプセル顔料と、(ポリ)グリセリン60〜90質量%とを含有し、インク粘度を1000mPa・s未満となるように上記各成分、その各含有量などを適宜組み合わせて、ホモミキサー、ホモジナイザーもしくはディスパー等の攪拌機により攪拌混合することにより、更に必要に応じて、ろ過や遠心分離によってスタンプ用インク組成物中の粗大粒子を除去すること等によって調製することができる。
本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物は、例えば、スタンプ台や浸透印などの印章具のインクとして用いることができる。
図1は、本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物を用いたスタンプ台の一例を示す図面であり、(a)はその斜視図、(b)はスタンプ台に内蔵される表面布帛、インク吸蔵体を有するインクパッドの断面図である。
この形態のスタンプAは、図1(a)に示すように、本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物を吸蔵するインクパッド10を収容するスタンプケース20と、該スタンプケース20にヒンジ機構により開閉自在となる蓋体21とから構成されている。上記インクパッド10は、図1(b)に示すように、底面プラスチックシート11上に、インク吸蔵用フェルト12、インク量調節用多孔プラスチックシート13及びインク量調節用フェルト14を積層してなるインク吸蔵体15を載置して、その表面を極細繊維から構成される表面布帛16で覆ったものである。
図2は、本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物を用いた浸透印の一例を示す断面図である。この形態の印章具Bは、多孔体、例えば、連続気孔を有する多孔体〔ニトリルゴム(NBR)製等〕よりインキを流出して捺印を可能にする浸透印であり、図2に示すように、多孔体30を内蔵する印面ホルダー40と、該印面ホルダー40を保持するカバー体41と、カバー体41の後端部に取り付けられたカートリッジ体43と、カバー体41の外周には把持部となる本体部44とを備え、本体部44をスプリング部材45に抗して押圧することにより捺印できるようになっている。また、多孔体30は本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物を吸蔵等するインクタンク31と印面32とから構成されている。なお、46は、印面金具であり、47はリング部材、48はスライド金具で
あり、49はキャップである。
なお、上記スタンプ台、浸透印の構造等は、上記図1、図2に示した構造の印章具に限定されるものではない。
このように構成される本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物が、何故、スタンプ面となる紙などがスタンプ基材(ゴム印、印材等)に貼り付くような挙動(タック性)もなく、熱変色機能を有し、印影の経時的な退色もない熱変色性スタンプ用インク組成物となるのか否かは以下のように推測される。
本発明の熱変色性スタンプ用インク組成物では、少なくとも熱変色性マイクロカプセル顔料と、(ポリ)グリセリン60〜90質量%とを含有し、インク粘度が1000mPa・s未満とすることにより、適度なインク流動性を有しつつ、スタンプ基材上での乾燥を抑制することとなるため、スタンプ面となる紙などがスタンプ基材に貼り付くような挙動(タック性)もなく、熱変色機能を有し、印影の経時的な退色もない熱変色性スタンプ用インク組成物が得られるものとなる。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜5及び比較例1〜3〕
下記表1に示す配合組成により各熱変色性スタンプ用インク組成物を調製した。
実施例1〜5及び比較例1〜3の色材として用いる樹脂粒子である熱変色性マイクロカプセル顔料1,2は下記製造法1、2により得たものを用いた。
(製造例1:熱変色性マイクロカプセル顔料1)
ロイコ色素として、ETAC(山田化学工業社製)1質量部(以下、単に「部」という)、顕色剤として、ビスフェノールA2部、及び変色性温度調整剤として、ミリスチン酸ミリスチル24部を100℃に加熱溶融して、均質な組成物27部を得た。
上記で得た組成物27部の均一な熱溶液にカプセル膜剤として、イソシアネート10部及びポリオール10部を加えて攪拌混合した。次いで、保護コロイドとして12%ポリビニルアルコール水溶液60部を用いて、25℃で乳化して分散液を調製した。次いで、5%の多価アミン5部を用いて、80℃で60分間処理してコアシェル型の熱変色性マイクロカプセル顔料1(発色時:黒色、消色時:無色)を得た。
(製造例2:熱変色性マイクロカプセル顔料2)
ロイコ色素として、RED520(山田化学工業社製)色素1部、顕色剤として、4,4′−(2−エチルヘキシリデン)ビスフェノール2部、及び変色性温度調整剤として、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジミリステート24部を100℃に加熱溶融して、均質な組成物27部を得た。
上記で得た組成物27部の均一な熱溶液を、保護コロイド剤として、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合樹脂〔ガンツレッツAN−179:ISP(株)社製〕40部をNaOHにてpH4に溶解させた90℃の水溶液100部中に徐々に添加しながら、加熱攪拌して直径約0.5〜1.0μmの油滴状に分散させ、次いでカプセル膜剤として、メラミン樹脂(スミテックスレジンM−3、(株)住友化学製)20部を徐々に添加し、90℃で30分間処理してコアシェル型の熱変色性マイクロカプセル顔料2(発色時:赤色、消色時:無色)を得た。
上記で得られた各熱変色性スタンプ用インク組成物を用いて、下記各方法でインク粘度、熱変色性、タック性、印面の耐乾燥性、印影の経時的変化を評価した。スタンプ台は以下の構成のものを用いた。
これらの評価結果などを下記表1に示す。
(スタンプ台の構成)
スタンプ台として、図1に示す、スタンプ台を使用した。スタンプ台のインクパッドにおける表面布帛は、ポリエステルとポリアミドからなる分割型複合繊維(75de/20fil:18分割/fil)の生糸と75de/36filのポリエステル仮撚加工糸とを編成、分割処理したものからなるものであり、重量1.3g、6.5×10.0cmのものを使用し、また、インク吸蔵体は、フェルトからなるものであり、重量5.7g、5.0×9.0cmのものを使用した。上記インク吸蔵体等に各熱変色性スタンプ用インク組成物を吸蔵させた。
(インク粘度の測定方法)
得られた各熱変色性スタンプ用インク組成物について、E型粘度計(東機産業社製)を用いて、せん断速度38.3/s時のインク粘度(25℃)を測定した。
(熱変色性の評価方法)
得られた各熱変色性スタンプ用インク組成物をスタンプ台に充填し、ゴム印を用いてPPC用紙に捺印した。得られた印に75℃に加熱したヒーターを接触させて、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:完全に消色する
△:発色が僅かに認められる
×:明確に発色が認められる
〔タック性の評価方法〕
得られた各熱変色性スタンプ用インク組成物をスタンプ台に充填し、ゴム印を用いて、PPC用紙に約10kgfの荷重で捺印し、紙と印面の貼り付き性(タック性)を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:タックなし
△:やや粘着性が感じられる
×:紙の貼り付きが認められる
〔印面の耐乾燥性の評価方法〕
得られた各熱変色スタンプ用インク組成物をスタンプ台に充填し、温度25℃、湿度65%の条件下にてスタンプ台の蓋を開けた状態で10時間放置する。その後、PPC用紙に捺印し、その印影の状態を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:初期状態と同等である
△:やや濃度の低下が認められる
×:かすれが認められる
〔印影の経時的変化の評価方法〕
上記タック性で評価に用いたスタンプした用紙を50℃、DRY(湿度65%)の環境下で3か月間保管して、初期(スタンプ直後)と比較をし、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:初期と変化なし。
△:僅かに印影の退色が認められる。
×:著しい印影の退色が認められる。
Figure 2018141059
上記表1の結果から明らかなように、本発明となる実施例1〜5の熱変色性スタンプ用インク組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜3に較べ、熱変色機能に優れ、タック性、紙がスタンプに付くような挙動(タック性)もなく、経時的な退色もなく、優れた機能を有する熱変色性スタンプ用インク組成物であることが確認された。
比較例1〜3を見ると、実施例1〜3と同じ熱変色性マイクロカプセル顔料を含有したものであって、比較例1及び2はインク粘度が本発明の範囲外となるものであり、比較例3は、(ポリ)グリセリンの含有量が本発明の範囲外となるものであり、これらの場合、本発明の効果を発揮できないことが確認された。
スタンプ台のインクとして好適な熱変色性スタンプ用インク組成物が得られる。
A スタンプ台
10 インクパッド
20 スタンプケース

Claims (2)

  1. 少なくとも熱変色性マイクロカプセル顔料と、(ポリ)グリセリン60〜90質量%とを含有し、インク粘度が1000mPa・s未満であることを特徴とする熱変色性スタンプ用インク組成物。
  2. 水を10質量%以下含有することを特徴とする請求項1記載の熱変色性スタンプ用インク組成物。
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