JP2523350B2 - 熱可逆変色性組成物及び熱可逆変色性粒状物 - Google Patents

熱可逆変色性組成物及び熱可逆変色性粒状物

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JP2523350B2 JP63081091A JP8109188A JP2523350B2 JP 2523350 B2 JP2523350 B2 JP 2523350B2 JP 63081091 A JP63081091 A JP 63081091A JP 8109188 A JP8109188 A JP 8109188A JP 2523350 B2 JP2523350 B2 JP 2523350B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、熱可逆変色性組成物及び熱可逆変色性粒状
物に関する。更に詳しくは、電子供与性呈色色素類、電
子受容性顕色剤及び減感剤を含む熱可逆変色性組成物及
び熱可逆変色性粒状物に関する。
従来技術とその課題 従来より、サーモクロミズム現象を呈する物質を用い
て感温表示することが行なわれている。サーモクロミズ
ム現象とは、例えば、ある温度では無色であるが、適当
な温度を与えることによって発色したり、常温では着色
しているが、温度の上昇とともに消色又は変色する現象
を云う。従来このような物質としては、例えば、加熱時
に水分を放出して変色し、冷却すると再び吸湿して復色
する物質が使用されている。その具体例としては、コバ
ルト、ニッケル、マンガン等の遷移金属塩とヘキサメチ
レンテトラミン等のアミン性アマイド類との複塩類、沃
化水銀、沃化水銀と他の沃化金属塩との複錯塩、クロム
酸鉛、メタバナジン酸アンモニウム等の重金属化合物、
ジキサンチレン、ビアンスロン等の有機化合物、或る種
の有機染顔料等を例示できる。しかしながら、前記化合
物群は、下記1)〜4)の欠点のうちのいずれかを有
し、実用的とは言い難い。
1)高毒性である。
2)湿分の存在のみで作用する。
3)変色温度と色彩を適当に選択できない。
4)類似色相への変色であり、変化が不明瞭である。
更に、サーモクロミズム現象を呈する物質として、コ
レステリック液晶、コレステリック液晶とネマチック液
晶との混合物等が知られているが、上記3)の欠点があ
り、しかも甚だ高価であるため好ましくない。
近年、通常無色で、電子を放出することによって呈色
反応を起こす電子供与性物質に、電子受容性物質(顕色
剤)を配合した感熱変色剤が開発され、盛んに使用され
ている。電子受容性顕色剤としては,フェノール類、フ
ェノール樹脂オリゴマー、オキシ芳香族カルボン酸類等
の有機酸、塩化亜鉛、塩化錫等の酸性物質、アタパルガ
イト、モンモリナイト等の吸着剤等が知られている。
また、上記感熱変色剤に、電子供与性物質又は電子受
容性顕色剤と結合するか或いはこれらを溶解してその反
応性を低下させることによって、熱変色剤の発色能を一
時的或いは永続的に妨害する物質、いわゆる減感剤を配
合することも知られている。例えば、電子供与性物質及
び電子受容性顕色剤に対して、揮発性に乏しい溶媒を減
感剤として配合した場合には、該溶媒の溶解力が温度に
よって変化するので、可逆的な発色或いは消色が可能に
なる。従来減感剤として、アルコール類、エステル類、
エーテル類、アミン類、アマイド類、ケトン類、ニトリ
ル類、脂肪酸類、酸アマイド類、炭化水素類等が使用さ
れている。
上記したような減感剤は、多量に用いた場合、すなわ
ち、通常感熱変色剤中90重量%以上用いた場合に初めて
所望の減感作用を発揮するのであり、その量が少ないと
不都合な残色等が起る。ところが、上記のように多量に
用いると、色彩濃度が低くなって(色が薄くなって)温
度変化が判別し難く、しかも配合ベヒクルの物性を低下
させるといった問題点が生じ好ましくない。
発明が解決しようとする課題 本発明は、濃厚な色彩(濃い色)と完全な無色とを可
逆的に確実に繰り返し、しかも配合ベヒクルの物性が低
下することのない熱可逆変色性組成物を提供することを
課題とする。
課題を解決するための手段 本発明者は、鋭意研究の結果、減感剤として或る特定
の化合物を用いることにより、減感剤の使用量を減じ、
上記本発明の課題を解決できることを見い出し、本発明
を完成した。
即ち、本発明は、 電子供与性呈色色素類、電子受容性顕色剤及び一般
式 CH3(CH2)nCH2OCH2CH2CN (1) 〔式中、nは0〜18の整数を示す。〕 で表わされるアルコール・アクリロニトリル付加物を含
む熱可逆変色性組成物、及び上記の組成物を含む熱可逆
変色性粒状物に係る。
本発明によれば、温度変化に応じて、濃厚な色彩(濃
い色)と完全な無色とを可逆的に確実に繰り返すことが
でき、しかも配合ベヒクルの物性が低下することのない
上記熱可逆変色性組成物を提供できる。また、上記組成
物に、従来の減感剤を添加することによって、上記組成
物の特性を維持したまま、変色の鋭敏性が一層向上し、
加えて変色温度を広い範囲から自由に設定できる熱可逆
変色性組成物を提供できる。更に本発明によれば、上記
組成物を含み、耐熱性、耐圧力性、耐溶媒性、保存安定
性等に優れた熱可逆変色性粒状物を提供できる。
本発明において使用する電子供与性呈色色素類として
は特に制限されず、公知のものをいずれも使用できる。
その具体例としては、例えば、3,3′−ジメトキシフル
オラン(黄)、3,3′−ジブトキシフルオラン(黄)、
3−クロル−6−フェニルアミノフルオラン(黄橙)、
3−ジエチルアミノ−6−メチルクロロフルオラン(赤
橙)、3−ジエチル7,8−ベンゾフルオラン(桃)、3,
3′,3″−トリス(p−ジメチルアミノフェニル)フタ
リド(青紫)、3,3′−ビス(p−ジメチルアミノフェ
ニル)フタリド(緑)、3−ジエチルアミノ−7−ジベ
ンジルアミノフルオラン(暗緑)、3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン(黒)等
の置換フェニルメタン及びフルオラン誘導体、各種のイ
ンドリルフタリド系色素(青〜緑)、スピロピラン類
(黄褐〜赤緑)等を挙げることができ、これらの1種又
は2種以上を使用できる。電子供与性呈色色素類の配合
量は広い範囲に亘り得るが、本発明組成物中通常2〜20
重量%程度とするのがよい。特に好ましくは4〜15重量
%程度の範囲である。
電子受容性顕色剤としても特に制限されず、公知のも
のをいずれも使用できる。その具体例としては、例え
ば、フェノール類、オキシ芳香族カルボン酸、カルボン
酸、アゾール類及びアゾール類のエステル類若しくはア
マイド類、並びにこれらのリチウム、ナトリウム、カル
シウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、錫、チタ
ン、ニッケル等の金属塩を例示でき、これらの1種又は
2種以上を使用できる。
フェノール類の具体例としては、例えば、フェノー
ル、m−クレゾール、p−クレゾール、p−ノニルフェ
ノール、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノ
ール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、β−ナフ
トール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、レゾルシン、
カテコール、ピロガロール、フェノール樹脂オリゴマ
ー、p−クロルフェノールホルムアルデヒド縮合物の三
量体等を例示できる。オキシ芳香族カルボン酸の具体例
としては、例えば、サリチル酸、p−オキシ安息香酸、
p−オキス安息香酸エチル、サリチル酸メチル、レゾル
シン酸、没食子酸、没食子酸ブチル、メチレンビスサリ
チル酸、β−オキシナフトエ酸、タンニン酸、β−オキ
シナフトエ酸アミド、β−オキシナフトエ酸メチル等を
例示できる。カルボン酸の具体例としては、例えば、フ
タル酸、安息香酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、ト
リメリット酸、トルイル酸、1,2−オキシステアリン
酸、酸、ラウリン酸、ステアリン酸、酒石酸、クエン
酸、アンスラニル酸等を例示できる。アゾール類の具体
例としては、例えば、5−クロルベンゾトリアゾール、
5−ブチルベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリアゾリ
ル−5−メタン、4−ベンゾトリアゾールスルフォン
酸、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、5−オキシ
ベンゾトリアゾール、1−ベンジル−5−オキシベンゾ
トリアゾール、トリアゾールジカルボン酸、テトラゾー
ル、オキシベンズイミダゾール等を例示できる。電子受
容性顕色剤の配合量は広い範囲に亘り得るが、本発明組
成物中通常4〜40重量%程度とするのがよい。特に好ま
しくは10〜30重量%程度の範囲である。
本発明では、減感剤として、上記一般式(1)のアル
コール・アクリロニトリル付加物(第1減感剤という)
を使用する。該化合物は、配合量を従来の減感剤より少
くしても、所望の減感作用を発揮できる。該化合物の具
体例としては、例えば、ブチルアルコール・アクリロニ
トリル付加物(融点−65℃、以下括弧内は融点とす
る)、ヘキシルアルコール・アクリロニトリル付加物
(−48℃)ヘプチルアルコール・アクリロニトリル付加
物(−31℃)、オクチルアルコール・アクリロニトリル
付加物(−12℃)、ノニルアルコール・アクリロニトリ
ル付加物(−3℃)、デシルアルコール・アクリロニト
リル付加物(8℃)、ラウリルアルコール・アクリロニ
トリル付加物(24℃)、ミリスチルアルコール・アクリ
ロニトリル付加物(38℃)、セチルアルコール・アクリ
ロニトリル付加物(46℃)、ステアリルアルコール・ア
クリロニトリル付加物(54℃)、エイコシルアルコール
・アクリロニトリル付加物(59℃)等を挙げることがで
き、これらの1種又は2種以上を使用できる。上記アル
コール・アクリロニトリル付加物は公知化合物であり、
例えば、既存化学物質ハンドブック第3版(化学工業日
報社刊)に、既存化学物質番号2−1543、2−1544等と
して記載されている。アルコール・アクリロニトリル付
加物の配合量は広い範囲に亘り得るが、本発明組成物中
通常45〜95重量%程度とすればよい。特に好ましくは55
〜85重量%程度の範囲である。
本発明組成物には、必要に応じ、従来の減感剤(第2
減感剤という)を添加してもよい。これにより、本発明
組成物の特性を維持したまま、変色の鋭敏性が一層向上
し、加えて変色温度を広い範囲から自由に設定できる熱
可逆変色性組成物を得ることができる。該減感剤として
は従来より公知のものが何れも使用でき、例えば、アル
コール類、エステル類、エーテル類、アミン類、アマイ
ド類、ケトン類、ニトリル類、脂肪酸類、酸アマイド
類、炭化水素類等を例示できる。その中でも、アルコー
ル類、アマイド類、脂肪酸類及びエステル類を特に好ま
しく使用できる。アルコール類の具体例としては、例え
ば、オクチルアルコール(−16.7℃)、ノニルアルコー
ル、デシルアルコール(7℃)ラウリルアルコール(26
℃)、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(49
℃)、ステアリルアルコール(59.8℃)、ベヘニルアル
コール等の脂肪族飽和アルコール等を例示できる。アマ
イド類の具体例としては、例えば、アセトアマイド、オ
レイルアマイド(75℃)、2−メトキシアセトアニリド
(85℃)、アセトアセトアニリド(86℃)、カプリル酸
アマイド、ラウリン酸アマイド、ミリスチン酸アマイ
ド、パルミチン酸アマイド(106℃)、ステアリン酸ア
マイド(109℃)、アセトアセチルアマイド、サリチル
酸アマイド等を例示できる。エステル類の具体例として
は、例えば、メチルミリステート(18℃)、ブチルステ
アレート(27.5℃)、デシルパルミテート(30℃)、ミ
リスチルラウレート(38℃)、ステアリルパルミテート
(59℃)、ステアリルステアレート(59℃)、カプリン
酸デシル、カプロン酸アミル、安息香酸ブチル、酸ジ
エチル、フタル酸ジブチル等を例示できる。脂肪酸類の
具体例としては、例えば、カプロン酸(3℃)、カプリ
ル酸(16.5℃)、カプリン酸(31.3℃)、ラウリン酸
(43.6℃)、ミリスチン酸(58.0℃)、パルミチン酸
(62.9℃)、ステアリン酸(69.9℃)、ベヘニン酸(8
0.2℃)、クロトン酸、オレイン酸等を例示できる。こ
れら第2減感剤の1種又は2種以上を使用できる。第2
減感剤の配合量は広い範囲に亘り得るが、本発明組成物
中通常85重量%を越えない範囲賭するのがよい。特に好
ましくは65重量%を越えない範囲である。
本発明組成物には、上記必須成分及び第2減感剤の他
に、必要に応じて、例えば、界面活性剤、消泡剤、染
料、顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐
剤、香料、撥水剤等の常用の添加剤を加えてもよい。
本発明組成物は、上記各成分の所定量を、常法に従っ
て混合することにより製造できる。
本発明の熱可逆変色性粒状物は、上記組成物を用い
て、例えば以下のようにして製造できる。
まず、本発明組成物及び熱硬化性樹脂を、加熱して均
一に混合する。熱硬化性樹脂としては公知のものが何れ
も使用でき、例えば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、エポキシフタレート樹脂等の通常
の熱硬化性樹脂或いは架橋分子を有するポリアクリル酸
系樹脂等を例示できる。本発明組成物と熱硬化性樹脂の
配合割合は特に制限されず広い範囲から適宜選択できる
が、本発明組成物100重量部に対して、熱硬化性樹脂を
通常10〜40重量部程度、好ましくは15〜25重量部程度配
合すればよい。
次いで、上記混合物を粒状物とする。粒状物とするた
めには、該混合物が硬化した後に粉砕、分級してもよ
い。或いは、硬化前に造粒化処理を施してもよい。例え
ば、上記混合物を、乳化剤を含む熱水中で攪拌乳化し、
必要に応じて触媒を添加し、加熱を続けることにより造
粒化が行なわれる。乳化剤としてはこの分野に使用され
る公知のものがいずれも使用でき、例えば、アルキルス
ルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、ア
ルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエー
テルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤、脂肪族第4級ア
ンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤等を例示
できる。また触媒としても公知のものが使用でき、例え
ば、過酸化物、有機アミン若しくはその塩、有機酸若し
くはその金属塩、無機酸若しくはその金属塩、イソシア
ネート類、エチレンイミン類等を例示できる。
上記で得られた粒状物の表面に、更に親水性高分子化
合物を被覆することにより、本発明の熱可逆変色性粒状
物を得ることができる。本発明における親水性高分子化
合物とは、酸、アルカリ電解質、重金属、アルデヒド及
び相対イオン性物質によって凝固するものであればよ
い。その具体例としては、例えば、アルギン酸塩、カラ
ゲナン、ペクチン等の天然高分子化合物、カオチン化ス
ターチ、カルボキシメチル繊維素、カルボキシメチル化
スターチ、カルボキシメチル化グアガム等の半合成高分
子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸アマイド、ポリマレイン酸共重合物
等を例示でき、これらの1種又は2種以上を使用でき
る。親水性高分子化合物の配合量は特に制限されず広い
範囲から適宜選択できるが、上記粒状物100重量部に対
して通常5〜30重量部程度、好ましくは10〜20重量部程
度とすればよい。親水性高分子化合物を粒状物に被覆す
るに当っては、例えば、粒状物を親水性高分子化合物の
水溶液に加え、これに攪拌下ゲル化剤を加えればよい。
ゲル化剤としては、酸、アルカリ電解質、重金属、アル
デヒド及び相対イオン性物質を使用できる。このように
して、粒状物表面に、親水性高分子化合物の凝固被膜が
形成される。該被膜は、耐溶媒性、耐ガス透過性等に優
れ、粒状物を効果的に保護する。
かくして得られる本発明組成物及び粒状物は、衣料、
玩具、文具、日用雑貨品、家具等における重要な要素で
ある色彩面での機能、即ち色相、彩度、明度等を温度に
よって変化させることがでる。また、色変化によって温
度表示ができれば便利な用途、例えば、冷凍食品の包装
物、家電品、風呂関連品等に使用できる。
本発明組成物及び粒状物は、その用途に応じ、通常適
当な材料、例えば、合成樹脂、ワックス類、水性イン
キ、油性インキ、塗料、PVCペーストレジン等に混合し
て用いてもよいが、これらに限定されるものではない。
その際の本発明組成物及び粒状物の使用量は適宜選択す
ればよい。
発明の効果 本発明によれば、減感剤の配合量を減ずることができ
るため、従来の感熱変色性組成物の欠点を解消すること
ができ、(1)温度変化に応じて、濃厚な色彩(濃い
色)と完全な無色とを可逆的に確実に繰り返すことがで
き、しかも配合ベヒクルの物性が低下することのない熱
可逆変色性組成物、(2)上記組成物に、従来の減感剤
を添加することによって、上記組成物の特性を維持した
まま、変色の鋭敏性が一層向上し、加えて変色温度を広
い範囲から自由に設定できる熱可逆変色性組成物、及び
(3)上記組成物を含み、耐熱性、耐圧力性、耐溶媒
性、保存安定性等に優れた熱可逆変色性粒状物を提供で
きる。
実施例 以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより一層明
瞭なものとする。以下実施例において、単に「%」又は
「部」とあるのは、「重量%」又は「重量部」を意味す
る。
実施例1 第1表に示す組成で各成分を混合し、本発明組成物を
得た。尚、第1表中、括弧内の数字は、成分の配合量
(%)を示す。また使用した電子供与性呈色物質は以下
の通りである。
CVL…クリスタルバイオレットラクトン(青紫色) NCR…(株)保土谷化学工業製、ロイコ色素(桃色) PSD−O…(株)新日槽化工製、ロイコ色素(橙色) PSD−G… 〃 (緑色) PSD−v… 〃 (朱色) Y−1…(株)山本化成製、ロイコ色素(黄色) B−63…(株)保土谷化学工業製、ロイコ色素(青色) 比較例1〜3 減感剤として、オクチルアルコール・アクリロニトリ
ル付加物に代えて従来の減感剤であるデジルアルコール
(比較品1)、オレイルアマイド(比較品2)又はメチ
ルミリステート(比較品3)を使用する以外は、実施例
1のNo.1と同様にして、従来の熱可逆変色性組成物を製
造した。
上記で得られた、実施例1のNo.1(本発明品)及び比
較例1〜3の組成物につき、温度変化による色の濃度及
び残色を評価した。結果を下記第2表に示す。
〔色の濃度〕
目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
◎…濃青紫色を呈する。
○…青色を呈する。
〔残色〕
目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
◎…完全に無色となる。
○…極く僅かに青味を呈する。
△…淡青色を呈する。
×…青色を呈する。
実施例2 パラフィンワックス100部に対し、NCR(ロイコ色素、
桃色、保土谷化学工業製)0.1部、ベンゾトリアゾール
0.2部、セチルアルコール・アクリロニトリル付加物10
部及びOil Yellow 3G(油溶性染料、オリエント化学
製)0.02部を加え、加熱溶解した。得られた溶融物を、
芯を設けたロウソク型に流し込み、冷却して固化した
後、型から取出し、変色ロウソクを得た。
得られたロウソクは室温では青色を呈し、点火する
と、溶融部及び流出部は黄色に変化した。ロウソクを消
すと、再び冷却されて赤色に復色した。このような色の
変化は可逆的に繰返された。
実施例3 乳化剤(デモールN、界面活性剤、花王製)2部を含
む90℃に加熱した水200部に、クリスタルバイオレット
ラクトン3部、ビスフェノールA6部、セチルアルコール
・アクリロニトリル付加物30部、セチルアルコール11部
及びチヌビンP(紫外線吸収剤、チバガイギー製)2部
を加えて溶融した。得られた加熱溶融物を攪拌し、析出
する乳化物の平均粒径が約5μmとなるように攪拌速度
を調節した。乳化状態が安定した時点で、攪拌下に50%
メチロールメラミン水溶液20部を加え、次いで酸触媒
(10%塩化アンモン)2部を加え、90℃で1時間攪拌
し、油滴状物の固化物を得た。これを取出し、電気熱風
式乾燥機にて120℃で2時間熱処理して完全に固化させ
た。得られた粒状物を3%ポリビニルアルコール水溶液
200部中に分散し、これに、10%カルボキシメチルセル
ロース水溶液120部を加え、強攪拌下10%塩化カルシウ
ム水溶液13部を徐々に滴下した。30分攪拌後、粒状物を
取出して乾燥し、外層をカルボキシメチルセルロースで
被覆された本発明感温変色性粒状物62部を得た。
該粒状物は、40℃以上では無色であり、それ以下では
青紫色を呈した。この色の変化は可逆的に繰返された。
実施例4 還流下85℃に加熱しつつ且つ攪拌下に、ゼラチンの15
%水溶液200部に、クリスタルバイオレットラクトン3
部、ビスフェノールA6部、ミリスチルアルコール・アク
リロニトリル付加物16部、ミリスチルアルコール25部、
エピコート828(エポキシ樹脂、油化シェル製)12部及
びエピキュアU(エポキシ樹脂硬化剤、油化シェル製)
4.5部からなる溶融混合物を投入し、析出する油滴状物
の平均粒径が約20μmとなるように攪拌速度を調節し、
30分攪拌を行ない、該油滴状物を固化させて粒状物とし
た。得られた粒状物を、スクリーン紗にて取し、水洗
し、風乾し、青紫色粒状物63部を得た。これを、ポリビ
ニルアルコールの8%水溶液100部、ステアリン酸アル
ミニウム微粉末10部及びデモールss(界面活性剤、花王
製)12部とともに均一に混合し、更にカルボキシメチル
セルロースの10%水溶液250部を加えて約30分間攪拌す
ると、海島組織状の二層分離が起った。次いで50%タン
ニン酸水溶液25部を一挙に投入して5分間攪拌すると、
海島組織状の分離は一層明瞭となり、斑点状油滴分散物
に変化した。これに、食塩50部、次いで硼砂5部を加え
ることにより、該油滴分散物は脱水して微細固化物とな
り且つ硼酸架橋体を形成して極めて硬い粒状物となっ
た。一夜放置した後、これに飽和食塩水を加え、スクリ
ーン紗にて別及び乾燥し、ポリビニルアルコールで被
覆された本発明感温変色性粒状物約75部を得た。
該粒状物は、20℃以上では無色であり、それ以下では
青紫色を呈した。この色の変化は可逆的に繰返された。
実施例5 ショーレックスM113(ポリエチレン樹脂、昭和電工
製)100部を二本熱ロールにて加熱しつつ溶融した後、
実施例2で得られた感温変色性粒状物5部を加えて良く
混練した後、セルマイクCAP(発泡剤、三協化成製)10
部、カヤレンF(架橋剤、日本化薬製)2部及びステア
リン酸1部を加えて金型に流し込み、加圧及び加熱(15
0℃×1時間)した後、金型から取出して冷却したポリ
エチレン発泡体は40℃以上の温水中では無色、それ以下
の温度では青紫色を呈した。この色の変化は可逆的に繰
返された。
実施例6 実施例3で得られた感温変色性粒状物15部、グローピ
ンクMF2G(蛍光顔料、松井色素化学工業所製)2部及び
アクリル酸エステル乳化共重合物(固形分量33%)18部
を、メチル繊維素1%を含む水中油滴エマルジョン65部
に混合し、捺染ペーストを得た。得られた捺染ペースト
を用いて綿末子上に花柄模様のスクリーン型(100メッ
シュ)にて印捺し、乾燥後140℃で3分間乾熱処理を行
ない、綿末子上に桃色の花柄模様を施した。得られた桃
色の花柄模様は室内温度が15℃以下になると紫色を呈し
た。この色の変化は可逆的に繰返された。
上記捺染布の一般染色堅牢度は概ね4級以上であり、
充分な耐久性を有していた。
実施例7 TK−2500(塩化ビニル樹脂、信越化学製)100部、DOP
85部、ホワイトンSB(重質炭酸カルシウム、白石カルシ
ウム製)10部、ジブチル錫ラウレート0.1部及び実施例
2で得られた感温変色性粒状物5部をヘンシェルミキサ
ーで均一に混合した後、この混合物を押出成形機にて90
〜100℃でペレット化した。次いで、得られたペレット
を押出成形機にて120〜130℃で、断面が縦10mm、横4mm
の角棒に成形し、30mm長にカットして、感温変色性消し
ゴムを得た。得られた消しゴムは、40℃以上で無色、そ
れ以下の温度では青紫色を呈した。この変化は可逆的に
繰返された。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子供与性呈色色素類、電子受容性顕色剤
    及び一般式 CH3(CH2)nCH2OCH2CH2CN 〔式中、nは0〜18の整数を示す。〕 で表わされるアルコール・アクリロニトリル付加物を含
    む熱可逆変色性組成物。
  2. 【請求項2】請求項の熱可逆変色性組成物を熱硬化性
    樹脂にて被覆し、更に親水性高分子化合物にて表面被覆
    してなる熱可逆変色性粒状物。
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