JPH1036725A - 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料 - Google Patents

感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料

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JPH1036725A
JPH1036725A JP21191696A JP21191696A JPH1036725A JP H1036725 A JPH1036725 A JP H1036725A JP 21191696 A JP21191696 A JP 21191696A JP 21191696 A JP21191696 A JP 21191696A JP H1036725 A JPH1036725 A JP H1036725A
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JP
Japan
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color
temperature
microcapsule pigment
pigment
range
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JP21191696A
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Akio Nakajima
明雄 中島
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Pilot Ink Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感温変色性色彩記憶性材料の多種、多様化を
図る。 【解決手段】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物、
(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の
生起温度を決める反応媒体の、必須三成分の均質相溶体
を内包させたマイクロカプセル顔料において、0.2〜
2μmの範囲の粒子径の顔料から選ばれる、ヒステリシ
ス幅(ΔH)が8〜80℃の範囲にある感温変色性色彩
記憶性マイクロカプセル顔料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感温変色性色彩記憶
性マイクロカプセル顔料に関する。さらに詳細には、温
度変化により大きなヒステリシス特性を示して発色と消
色、或いは有色(1)と有色(2)の可逆的変色を呈
し、変色に要した熱又は冷熱の適用を取り去った後にあ
っても、変化させた各様相を互変的に記憶保持させる機
能を備えた感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の可逆熱変色性材料は、大別すると
二つのタイプに分けることができる。第1のタイプは、
変色温度を境として、その前後で変色し、変色前後の両
状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえな
い。すなわち、もう一方の状態はその状態が発現するの
に要する熱または冷熱が適用されている間は維持される
が、前記熱または冷熱の適用がなくなれば常温域で呈す
る元状態に戻る、所謂、温度−色濃度曲線に関して小さ
いヒステリシス幅(ΔH)を示して変色する図3に示す
可逆性タイプである(例えば、特公昭51−44706
号公報、特公平1−29398号公報等)。第2のタイ
プは、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく
場合と、逆に変色温度域より高温側から下降させていく
場合とで大きく異なる経路を辿って変色する、所謂、大
きなヒステリシス幅(ΔH)を示して変色し、変色に要
した熱又は冷熱の適用を取り去った後にあっても、低温
側トリガーと高温側トリガーとの間の温度域で前記低温
側トリガー以下又は高温側トリガー以上で変色させた色
彩を互変的に記憶保持可能な図1に示す準可逆性タイプ
である。本発明は、前記した第2のタイプの熱変色性材
料、即ち、準可逆的挙動を示す感温変色性色彩記憶性材
料に関するものであり、この種の感温変色性色彩記憶性
材料に関しては、本出願人らによる幾つかの提案が既に
開示されている(特公平4−17154号公報、特開平
7−33997号公報、特開平7−179777号公
報、特開平8−39936号公報等)。ところで、前記
した感温変色性色彩記憶性材料に関する提案は、電子の
授受反応における呈色反応の生起温度を決める反応媒体
として、特定のエステル類や特定のケトン類等から選ば
れる化合物を適用することにより、大きなヒステリシス
特性(ΔHが8℃以上)を発現させて色彩記憶機能を有
する組成物を要件とするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した提案は、反応
媒体として色彩記憶性効果を発現させる特定の化合物を
配合した系のみにおいて色彩記憶機能が発現できるもの
であるから、前記特定の反応媒体の選択に依存し、自由
度が制約されている。こういった状況下にあって、本発
明者は、可逆熱変色性材料を内包させたマイクロカプセ
ル顔料の熱変色特性のチェック過程において、マイクロ
カプセルの粒子径に依存して温度−色濃度曲線が影響を
受け、殊に微細粒子径領域においては、従来の色彩記憶
機能を発現させない反応媒体を配合した系にあっても、
ヒステリシス幅(ΔH)を大幅に拡幅させて色彩記憶機
能を発現させ、更には、従来の色彩記憶機能を発現させ
る反応媒体を配合した系にあっても、ヒステリシス幅
(ΔH)をいっそう拡幅させ、色彩記憶機能を増幅させ
ることを見出し、本発明を完成させた。かくして、感温
変色性色彩記憶性材料の多種、多様化に寄与しようとす
るものであり、更には、微細マイクロカプセル顔料の提
供により、多様な色材への応用展開を図ろうとするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)電子供
与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、
(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応の生起温度を決め
る反応媒体の、三成分を必須成分とする均質相溶体を内
包させた感温変色性マイクロカプセル顔料において、前
記マイクロカプセル顔料は粒子径が0.2〜2μmの範
囲から選ばれてなり、温度−色濃度曲線に関して8℃〜
80℃のヒステリシス幅(ΔH)を示して変色し、低温
側トリガー以下及び高温側トリガー以上の各温度域で呈
する色彩を前記低温側トリガーと高温側トリガーとの間
の温度域で互変的に記憶保持させる機能を備えた感温変
色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を要件とする。更
には、前記マイクロカプセル顔料の粒子径が0.4〜1
μmの範囲にあるマイクロカプセル顔料を要件とする。
【0005】従来、可逆熱変色性材料〔(イ)、(ロ)
及び、(ハ)成分の均質相溶体〕を内包させたマイクロ
カプセル顔料にあっては、5〜30μmの粒子径のもの
が汎用されており、4μm以下、殊に2μm以下の微細
粒子径領域に関して、熱変色性挙動が追求されていなか
った。本発明者は、微細粒子径領域に関して鋭意追求し
たところ、従来汎用の粒子径領域(5〜30μm)にお
いて、ヒステリシス幅(ΔH)の小さい可逆熱変色性材
料が、粒子径2μm以下の領域にあっては、着色開始温
度を低温側にシフトさせて大幅にΔHを拡大させ(図1
〜図2参照)、色彩記憶性機能を発現させることを見出
した。
【0006】殊に、実用的には、粒子径が0.4〜1μ
mの範囲において、コントラストの高い色彩記憶性機能
を効果的に発現させる(図1参照)。粒子径が1〜2μ
mの領域にあっては、図2に例示する如き、低温側トリ
ガー以下の温度域での発色が中間的発色状態を経て段階
的に進み、ヒステリシス幅ΔH1 とΔH2 を有し、少な
くともΔH2 値が色彩記憶に有効な8℃以上の値を有し
ていることが判明した。従来の可逆熱変色性材料につい
ては、図3に例示する如き、ΔH値が8℃未満の系で
は、色彩記憶温度幅が狭く、従って、変色前後の両色彩
を鮮明且つ確実に保持し難く、実用的な色彩記憶機能を
果たさない。ここで、高温側トリガーとは、消色挙動を
生起させる温度をいい、TB 〜TEの領域が相当し、低
温側トリガーとは、発色挙動を生起させる温度をいい、
C〜TF の領域が相当する。
【0007】以下にマイクロカプセル顔料の温度−色濃
度曲線におけるヒステリシス特性を図1〜図3のグラフ
について説明する。各グラフにおいて、縦軸に色濃度、
横軸に温度が表されており、温度変化による色濃度の変
化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態
に達する温度における濃度を示す点であり、Bは完全呈
色状態を保持できる温度における濃度を示す点であり、
Cは完全消色状態を保持できる温度における濃度を示す
点であり、Dは完全着色状態に達する温度における濃度
を示す点である。尚、線分EFの長さがヒステリシスの
程度を示すヒステリシス幅(ΔH)を示し、このΔH値
が大きい程、変色前後の各状態の保持が容易である。本
発明者の実験では実用上の変色前後の各状態の保持でき
るΔH値は8℃以上であり、80℃以下において実用性
のマイクロカプセル顔料が得られている。尚、完全消色
温度TA と消色開始温度TB 、或いは着色開始温度TC
と完全着色温度TD 差Δtが変色の鋭敏性を示す尺度で
あり、1℃乃至10℃の範囲が実用上、有効である。
又、前記において、呈色状態と消色状態の二相が実質的
に保持され、実用性を満たす温度域は、TB とTC の間
の温度域である。
【0008】本発明における(イ)、(ロ)、(ハ)3
成分の割合は、濃度、変色 温度、変色形態や各成分の
種類に左右されるが、一般的に所望の特性が得られる成
分比は、従来より公知の割合、即ち、(イ)成分1に対
して、(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜2
0、(ハ)成分1〜800、好ましくは5〜200の範
囲である(前記割合はいずれも重量部である)。又、各
成分は各々2種以上の混合であってもよく、機能に支障
のない範囲で酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収
剤、溶解助剤等を添加することができる。又、一般染顔
料(非熱変色性)を配合することにより、有色〔1〕か
ら有色〔2〕への色変化を付与することもできる。
【0009】以下に(イ)、(ロ)、(ハ)の各成分に
ついて具体的に化合物を例示する。本発明の(イ)成
分、即ち電子供与性呈色性有機化合物としては、従来よ
り公知のジフェニルメタンフタリド類、フルオラン類、
ジフェニルメタンアザフタリド類、インドリルフタリド
類、フェニルインドリルフタリド類、フェニルインドリ
ルアザフタリド類、スチリノキノリン類等がある。以下
にこれらの化合物を例示する。3,3−ビス(p−ジメ
チルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4
−アザフタリド、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミ
ノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジメチル
アミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−キシリジノフルオラン、2−(2−ク
ロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、3,
6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシ
フルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフル
オラン、1,2−ベンツ−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、1,2−ベンツ−6−エチルイソアミルアミノフル
オラン、2−メチル−6−(N−p−トリル−N−エチ
ルアミノ)フルオラン、2−(N−フェニル−N−メチ
ルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチルアミ
ノ)フルオラン、2−(3’−トリフルオロメチルアニ
リノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、3−クロロ−
6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6
−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−メトキシ−4
−ドデコキシスチリノキノリン等を挙げることができ
る。更には、蛍光性の黄色〜赤色の発色を発現させるの
に有効な、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン
系化合物等を挙げることができる。
【0010】前記(ロ)成分の電子受容性化合物として
は、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群
〔酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分
(イ)を発色させる化合物群〕、電子空孔を有する化合
物群等がある。活性プロトンを有する化合物を例示する
と、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノ
フェノール類からポリフェノール類があり、さらにその
置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アル
コキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又
はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、
トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹
脂等が挙げられる。又、前記フェノール性水酸基を有す
る化合物の金属塩であってもよい。
【0011】以下に具体例を挙げる。フェノール、o−
クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフ
ェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェ
ノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノ
ール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノー
ル、4−(4−(1−メチルエトキシフェニル)スルホ
ニルフェノール、4−(4−ブチルオキシフェニル)ス
ルホニルフェノール、4−(4−ペンチルオキシフェニ
ル)スルホニルフェノール、4−(4−ヘキシルオキシ
フェニル)スルホニルフェノール、4−(4−ヘプチル
オキシフェニル)スルホニルフェノール、4−(4−オ
クチルオキシフェニル)スルホニルフェノール、p−ヒ
ドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸
n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2
−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェ
ニル−1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−3−
メチルブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1
−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,
1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチルプロ
ピオネート、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビ
ス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2
−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、等が
ある。前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有
効な熱変色特性を発現させることができるが、それらの
金属塩や、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族
カルボン酸及びそれらの金属塩、カルボン酸金属塩、酸
性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−ト
リアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であっ
てもよい。
【0012】(ハ)成分としては、アルコール類、エス
テル類、ケトン類、エーテル類等の従来より汎用の反応
媒体が総て有効である。前記各化合物を用いてマイクロ
カプセル化及び二次加工に応用する場合は低分子量のも
のは高熱処理を施すとカプセル系外に蒸散するので、安
定的にカプセル内に保持させるために、炭素数10以上
の化合物が有効である。アルコール類としては、炭素数
10以上の脂肪族一価の飽和アルコールが有効であり、
具体的にはデシルアルコール、ウンデシルアルコール、
ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデ
シルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシ
ルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシル
アルコール、エイコシルアルコール、ドコシルアルコー
ル等を例示できる。
【0013】エステル類としては、炭素数10以上のエ
ステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を
有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環
を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られ
るエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多
価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する
一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステ
ル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボ
ン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アル
コールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙
げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オク
チル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、
カプリン酸セチル、カプリン酸ステアリル、カプリン酸
ドコシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸
n−デシル、ラウリン酸ステアリル、ミリスチン酸3−
メチルブチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソ
プロピル、パルミチン酸ネオペンチル、パルミチン酸ノ
ニル、パルミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸2−
メチルブチル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘ
キシル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸ペ
ンタデシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸シ
クロヘキシルメチル、ベヘン酸イソプロピル、ベヘン酸
ヘキシル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸ベヘニル、安息
香酸セチル、p−tert−ブチル安息香酸ステアリ
ル、フタル酸ジミリスチル、フタル酸ジステアリル、シ
ュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジセチル、マロン酸ジセ
チル、コハク酸ジラウリル、グルタル酸ジラウリル、ア
ジピン酸ジウンデシル、アゼライン酸ジラウリル、セバ
シン酸ジ−(n−ノニル)、1,18−オクタデシルメ
チレンジカルボン酸ジネオペンチル、エチレングリコー
ルジミリステート、プロピレングリコールジラウレー
ト、プロピレングリコールジステアレート、ヘキシレン
グリコールジパルミテート、1,5−ペンタンジオール
ジステアレート、1,2,6−ヘキサントリオールトリ
ミリステート、1,4−シクロヘキサンジオールジデシ
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジミリステー
ト、キシレングリコールジカプリネート、キシレングリ
コールジステアレート等が例示できる。
【0014】又、従来より、色彩記憶保持機能を発現さ
せる(ハ)成分として挙げられている、先に本出願人が
提案した、特公平4−17154号公報に開示した、5
℃以上50℃未満のΔT値(融点−曇点)を示すカルボ
ン酸エステル化合物、例えば、分子中に置換芳香族環を
含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含むカルボ
ン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコールのエステル、
分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、
炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アルコール又はフ
ェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪酸と分岐脂肪
族アルコール又はエステル、ジカルボン酸と芳香族アル
コール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸
ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシ
ル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、
アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラ
ウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチ
ン、ジステアリン等、更には特開平7−33997号公
報に開示されている、炭素数9以上の奇数の脂肪族一価
アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得ら
れる脂肪酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又
はn−ヘプチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数
の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23
の脂肪酸エステル化合物、例えば、酢酸n−ペンタデシ
ル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプ
ロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カ
プロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カ
プリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、
カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチ
ル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシ
ル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタ
デシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプ
チル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシ
ル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタ
デシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−
ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−
ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリスチン
酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パル
ミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パル
ミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシ
ル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−
ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n
−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイコ
サン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデルシ、エイ
コサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデシ
ル、ベヘニン酸n−ノニル、ベヘニン酸n−ウンデシ
ル、ベヘニン酸n−トリデシル、ベヘニン酸n−ペンタ
デシル等、更には、特開平7−179777号公報に開
示されている、総炭素数が10以上の脂肪族ケトン類、
例えば、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、
2−ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノ
ン、5−ウンデカノン、2−ドデカノン、3−ドデカノ
ン、4−ドデカノン、5−ドデカノン、2−トリデカノ
ン、3−トリデカノン、2−テトラデカノン、2−ペン
タデカノン、8−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノ
ン、3−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノン、2−ペ
ンタデカノン、2−オクタデカノン、2−ノナデカノ
ン、10−ノナダカノン、2−エイコサノン、11−エ
イコサノン、2−ヘンエイコサノン、2-ドコサノン、ラ
ウロン、ステアロン等、更には、特開平8−39936
号公報に開示されている、総炭素数が12乃至24のフ
ェニルアルキルケトン類等のアリールアルキルケトン類
を挙げることができる。前記した如き反応媒体自体の配
合により、粒子径が5μm以上の汎用の粒子径領域で色
彩記憶性機能を呈する組成物を、本発明の2μm以下の
粒子径のマイクロカプセルに内包させた系にあっては、
ヒステリシス幅(ΔH)を更に拡幅させ、色彩記憶機能
が増幅する。
【0015】エーテル類としては、総炭素数10以上の
脂肪族エーテル類が有効であり、ジペンチルエーテル、
ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチル
エーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウ
ンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシル
エーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエ
ーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエー
テル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジ
オールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエ
ーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカン
ジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチ
ルエーテル等が例示できる。
【0016】又、(イ)、(ロ)、(ハ)成分からなる
可逆熱変色性組成物の光劣化を防止するために光安定剤
を0.3〜24重量%、好ましくは0.8〜16重量%
の割合で含有される。光安定剤としては、(イ)成分の
光反応による励起状態によって生ずる光劣化を防止する
紫外線吸収剤、酸化防止剤や、カロチン類、色素類、ア
ミン類、フェノール類、ニッケル錯体類、スルフィド類
等の一重項酸素消光剤、オキシドジスムスターゼとコバ
ルト、及びニッケルの錯体等のスーパーオキシドアニオ
ン消光剤、オゾン消光剤等の酸化反応を抑制する化合物
を添加することができる。
【0017】前記した(イ)、(ロ)、(ハ)の三成分
を必須成分とする均質相溶体は、公知の微小カプセル化
技術により微小カプセルに内包され、カプセル膜壁で保
護されていることにより、酸性物質、塩基性物質、過酸
化物等の化学的に活性な物質又は他の溶剤成分と接触し
ても、その機能を低下させることがないことは勿論、耐
熱安定性が保持できる。利用できる微小カプセル化技術
としては、界面重合法、in Situ 重合法、液中
硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相
分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレード
ライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。
尚、微小カプセルの表面は、目的に応じて更に二次的な
樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改
質させて実用に供することもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明感温変色性色彩記憶性マイ
クロカプセル顔料は、従来より公知の微小カプセル化法
を適用し、粒子径を特定範囲にコントロールすることに
より得られる。以下に実施例と共に熱変色特性を記載す
る。
【0019】実施例1 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の調製 以下の配合例中における部は重量部を示す。6−(エチ
ルイソブチルアミノ)ベンゾフルオラン3部、ビスフェ
ノールA6部、及びパルミチン酸n−ヘプチル50部か
らなる可逆熱変色性材料とエポキシ樹脂10部を加温溶
解した溶液を水性保護コロイド媒体中にホモミキサーを
用いて平均粒子径が0.4〜1.0μmになるよう、乳
化分散し、アミン系の硬化剤を用いて界面重合法により
80℃で12時間攪拌して、マイクロカプセル化を行っ
た。得られたマイクロカプセル顔料縣濁液を635メッ
シュステンレススチール網を用いて濾過し、遠心分離法
にてマイクロカプセル顔料を単離し、含水率35%の感
温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料Aを得た。 粒子径分布の測定 前記顔料Aを遠心沈降式自動粒度分布測定装置〔堀場製
作所(株)製、CAPA−300〕にて粒度分布の状態
を測定し、以下の如き粒子径とそれら粒子の占有体積%
の関係を得た。 〔粒子径(μm)〕 〔占有体積%〕 2.00< 0.0 2.00−1.80 0.0 1.80−1.60 0.3 1.60−1.40 1.3 1.40−1.20 1.9 1.20−1.00 6.2 1.00−0.80 17.5 0.80−0.60 35.8 0.60−0.40 17.9 0.40−0.20 11.7 0.20−0.00 7.4 ────────────────────── 上記測定値より1μm以下の粒子径の顔料Aの占有体積
の累計は90.3 %、0.4〜1.0μmの占有体積
の累計は71.2%であり、殆どの粒子径が1μm以下
であることを確認した。
【0020】実施例2 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の調製 実施例1の可逆熱変色性材料と、膜剤を水性保護コロイ
ド媒体中にてホモミキサーによる攪拌により粒子径1〜
2μmになるよう乳化分散し、同様にして硬化剤を添加
して界面重合法により80℃で12時間攪拌して、マイ
クロカプセル化を行ない、得られたマイクロカプセル顔
料懸濁液を635メッシュステンレススチール製網を用
いて濾過し、遠心分離法により、該懸濁液中より層別し
て前記粒子径範囲にあるマイクロカプセル顔料を単離
し、含水率35%の感温変色性色彩記憶性マイクロカプ
セル顔料Bを得た。 粒子径分布の測定 実施例1と同様にして粒度分布を測定し、下記の関係を
得た。 〔粒子径(μm)〕 〔占有体積%〕 2.00< 2.3 2.00−1.80 9.7 1.80−1.60 17.4 1.60−1.40 35.6 1.40−1.20 22.9 1.20−1.00 9.2 1.00−0.80 2.0 0.80−0.60 0.6 0.60−0.40 0.3 0.40−0.20 0.0 0.20−0.00 0.0 ──────────────────── 上記測定値より1〜2μmの粒子径の顔料Bの占有体積
の累計は94.8 %であり、殆どの粒子径が1〜2μ
mの範囲内にあることを確認した。
【0021】比較例1 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製 実施例1の可逆熱変色性材料と、膜剤を水性保護コロイ
ド媒体中にてホモミキサーによる攪拌により粒子径6〜
10μmになるよう乳化分散し、硬化剤を添加して界面
重合法により80℃で12時間攪拌して、マイクロカプ
セル化を行ない、得られたマイクロカプセル顔料懸濁液
を400メッシュステンレススチール製網を用いて濾過
し、遠心分離法により、該懸濁液中よりマイクロカプセ
ル顔料を単離し、含水率35%の可逆熱変色性マイクロ
カプセル顔料Cを得た。 粒子径分布の測定 実施例1と同様にして粒度分布を測定し、下記の関係を
得た。 〔粒子径(μm)〕 〔占有体積%〕 16.0< 0.0 16.0−14.0 1.7 14.0−12.0 5.3 12.0−10.0 11.5 10.0− 8.0 33.9 8.0− 6.0 27.6 6.0− 4.0 13.9 4.0− 2.0 5.8 2.0− 0.0 0.3 ──────────────────── 上記測定値より2μm以上の粒子径のマイクロカプセル
顔料Cの占有体積の累計は99.7 %であり、殆どの
粒子径が2μm以上にあることを確認した。
【0022】実施例3 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の調製 実施例1のパルミチン酸n−ヘプチルに替えて、ラウリ
ン酸ステアリルを用いた以外は、実施例1と同様にして
粒子径1μm以下の感温変色性色彩記憶性マイクロカプ
セル顔料Dを得た。 粒子径分布の測定 実施例1と同様にして粒度分布を測定し、下記の関係を
得た。 〔粒子径(μm)〕 〔占有体積%〕 2.00< 0.0 2.00−1.80 0.0 1.80−1.60 0.0 1.60−1.40 0.9 1.40−1.20 2.5 1.20−1.00 5.2 1.00−0.80 18.6 0.80−0.60 39.8 0.60−0.40 23.2 0.40−0.20 9.4 0.20−0.00 2.9 ─────────────────────── 上記測定値より、0.4〜1.0μmのマイクロカプセ
ル顔料Dの占有体積の累計は81.6%であり、1μm
以下の粒子径の顔料の占有体積の累計は91.4%で、
殆どの粒子径が1μm以下にあることを確認した。
【0023】実施例4 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の調製 実施例1のパルミチン酸n−ヘプチルに替えて、ラウリ
ン酸ステアリルを用いた以外は、実施例2と同様にして
粒子径1〜2μm以下の感温変色性色彩記憶性マイクロ
カプセル顔料Eを得た。 粒子径分布の測定 実施例1と同様にして粒度分布を測定し、下記の関係を
得た。 〔粒子径(μm)〕 〔占有体積%〕 2.00< 4.6 2.00−1.80 11.3 1.80−1.60 23.5 1.60−1.40 25.7 1.40−1.20 18.9 1.20−1.00 10.5 1.00−0.80 3.4 0.80−0.60 1.5 0.60−0.40 0.3 0.40−0.20 0.3 0.20−0.00 0.0 ──────────────────── 上記測定値より1〜2μmの範囲の粒子径の顔料Eの占
有体積の累計は89.9%であり、殆どの粒子径が1〜
2μmの範囲内にあることを確認した。
【0024】比較例2 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製 実施例1のパルミチン酸n−ヘプチルに替えて、ラウリ
ン酸ステアリルを用いた以外は、実施例3と同様にして
粒子径4〜10μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔
料Fを得た。 粒子径分布の測定 実施例1と同様にして粒度分布を測定し、下記の関係を
得た。 〔粒子径(μm)〕 〔占有体積%〕 16.0< 0.3 16.0−14.0 0.9 14.0−12.0 6.5 12.0−10.0 10.4 10.0− 8.0 28.6 8.0− 6.0 23.9 6.0− 4.0 19.5 4.0− 2.0 9.3 2.0− 0.0 0.6 ─────────────────── 上記測定値より2μm以上の粒子径の顔料Fの占有体積
の累計は99.4 %であり、殆どの粒子径が2μm以
上にあることを確認した。
【0025】実施例5 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の調製 実施例1のパルミチン酸n−ヘプチルに替えて、カプリ
ン酸ステアリルを用いた以外は、実施例1と同様にして
粒子径1μm以下の感温変色性色彩記憶性マイクロカプ
セル顔料Gを得た。以下実施例1と同様にして粒度分布
を測定し、殆どの粒子径が1μm以下0.4μm以上の
範囲にあることを確認した。
【0026】実施例6 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の調製 実施例1のパルミチン酸n−ヘプチルに替えて、カプリ
ン酸ステアリルを用いた以外は、実施例2と同様にして
粒子径1〜2μmの感温変色性色彩記憶性マイクロカプ
セル顔料Hを得た。以下実施例1と同様にして粒度分布
を測定し、殆どの粒子径が1〜2μmの範囲にあること
を確認した。
【0027】比較例3 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製 実施例1のパルミチン酸n−ヘプチルに替えて、カプリ
ン酸ステアリルを用いた以外は、実施例3と同様にして
粒子径4〜10μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔
料Iを得た。
【0028】実施例7 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の調製 実施例1のパルミチン酸n−ヘプチルに替えて、n−ラ
ウロフェノンを用いた以外は、実施例1と同様にして粒
子径1μm以下の感温変色性色彩記憶性マイクロカプセ
ル顔料Jを得た。以下実施例1と同様にして粒度分布を
測定し、殆どの粒子径が1μm以下0.4μm以上の範
囲にあることを確認した。
【0029】実施例8 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の調製 実施例1のパルミチン酸n−ヘプチルに替えて、n−ラ
ウロフェノンを用いた以外は、実施例2と同様にして粒
子径1〜2μmの感温変色性色彩記憶性マイクロカプセ
ル顔料Kを得た。以下実施例1と同様にして粒度分布を
測定し、殆どの粒子径が1〜2μmの範囲にあることを
確認した。
【0030】比較例4 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製 実施例1のパルミチン酸n−ヘプチルに替えて、n−ラ
ウロフェノンを用いた以外は、実施例3と同様にして粒
子径6〜10μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
Lを得た。以下実施例1と同様にして粒度分布を測定
し、殆どの粒子径が4μm以上の範囲にあることを確認
した。
【0031】〔温度−色濃度曲線の作成〕得られたマイ
クロカプセル顔料A〜Lについて、顔料40部をアクリ
ルエマルジョン54部、増粘剤5部、消泡剤0.5部、
レベリング剤0.5部からなる水性バインダー中に均一
分散させて、ピンク色から無色の可逆熱変色性を示す各
熱変色性インキを得た。前記熱変色性インキを180メ
ッシュのシルクスクリーン版を用いてスクリーン印刷に
より、白色上質紙上に印刷した後、前記印刷物を色差計
〔TC−3600型色差計、(株)東京電色製〕の所定
箇所に貼り付け、その部分を−20℃から60℃まで1
0℃/minの速度にて測定した。各温度にて、色差計
に表示された明度値をグラフ上にプロットして、図1〜
3に例示の温度−色濃度曲線を作成し、TA 、TB 、T
C 、TD 、TE 、TF 、ΔH(TE −TF )の各値を表
に示す。
【表1】
【0032】適用例1 実施例1で得た色彩記憶性マイクロカプセル顔料A30
部、アクリルエマルジョン樹脂を主成分とした、グラビ
ア印刷用メジューム69部、シリコーン系消泡剤0.5
部を均一混合して得られたグラビアインキを、版深35
μm−175線のグラビア版を用いて、「XYZ」の文
字を、白色のコート紙上に印刷形成した。前記印刷像
は、24℃の室温下では、鮮やか且つ濃度も十分なピン
ク色の像を視覚させており、この印刷物を35℃まで加
温するとピンク色より無色に変化し、前記印刷像は不可
視状態になり、この状態は室温下で保持されていた。次
に、冷凍庫内に前記印刷物を入れ、0℃以下に冷却する
と、再びピンク色の印刷像「XYZ」を視覚させ、この
状態を室温下で保持させることができた。
【0033】適用例2 実施例1のマイクロカプセル顔料Aの30部を下記組成
のビヒクル70部中に均一に分散させて筆記具用熱変色
性インキ(粘度:33mPa・S)を得た。前記水性ビ
ヒクルはカルボキシ変性ポリオレフィン系自己乳化エマ
ルション(固形分24〜25%、)30部、ポリグリセ
リンメタクリレート系湿潤剤4部、トリエタノールアミ
ン1部、メチルセルロース0.5部、防黴剤0.2部及
び消泡剤0.4を水34部に均質に混合してなる。前記
インキを毛細管ペン体を備えた筆記具の軸胴に収容して
筆記具を構成した。この筆記具により筆記した筆跡は、
0℃以下に冷却すると、ピンク色を呈し、35℃以上で
は無色となり、8℃〜28℃の温度域では前記ピンク色
の筆跡及び無色の筆跡、即ち、不可視状態の筆跡を互変
的に記憶保持させることができた。前記の様相は繰り返
し、再現させることがきた。
【0034】
【発明の効果】電子供与性呈色性有機化合物、電子受容
性化合物、及び前記両者の反応媒体の三成分を必須とす
る熱変色成分を内包させるマイクロカプセル顔料におい
て、粒子径を2μm以下、より望ましくは0.4〜1μ
mの範囲に調整することにより、色彩記憶機能を発現さ
せるのに有効な8℃以上のヒステリシス幅(ΔH)を発
現させる。前記した色彩記憶性機能は、反応媒体の如何
を問わず発現され、従来の色彩記憶性機能を与える反応
媒体を配合した系にあっては、ヒステリシス幅を一層増
大させ、色彩記憶に有効な色彩記憶保持温度幅を増幅さ
せる。
【0035】本発明感温変色性色彩記憶性マイクロカプ
セル顔料は、前記した如く、反応媒体に依存せず、粒子
径に依存して色彩記憶機能を発現させるので、感温変色
性色彩記憶性材料の多様化に寄与でき、更には多様なビ
ヒクルに対して均質な分散性を示すと共に微細粒子径で
あることにより、毛細間隙をもつペン体からのインキ流
出性が良好であり、この種の筆記具用インキへの適用
や、微細口径のスプレー用インキ、高メッシュ分解によ
るプロセス印刷インキ、グラビヤインキ等、多様な分野
に好適に応用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル
顔料の温度−色濃度曲線を示す説明図である。
【図2】本発明感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル
顔料の温度−色濃度曲線を示す、他の例の説明図であ
る。
【図3】従来のヒステリシス幅(ΔH)の小さい、非色
彩記憶性熱変色材の温度−色濃度曲線を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
A 完全消色温度 TB 消色開始温度 TC 着色開始温度 TD 完全着色温度 TE 消色過程における色濃度の中点の温度 TE1F1からの平行線が消色過程における温度−色濃
度曲線と交わる温度 TE2F2からの平行線が消色過程における温度−色濃
度曲線と交わる温度 TF 着色過程における色濃度の中点の温度 TF1 一次着色過程における色濃度の中点の温度 TF2 完全着色過程における色濃度の中点の温度 TG 一次着色に達する温度 TH 一次着色から完全着色に開始する温度 ΔH ヒステリシス幅(TE −TF ) ΔH1 ヒステリシス幅(TE1−TF1) ΔH2 ヒステリシス幅(TE2−TF2

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物、
    (ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)の
    呈色反応の生起温度を決める反応媒体の、三成分を必須
    成分とする均質相溶体を内包させた感温変色性マイクロ
    カプセル顔料において、前記マイクロカプセル顔料は粒
    子径が0.2〜2μmの範囲から選ばれてなり、温度−
    色濃度曲線に関して8℃〜80℃のヒステリシス幅(Δ
    H)を示して変色し、低温側トリガー以下及び高温側ト
    リガー以上の各温度域で呈する色彩を前記低温側トリガ
    ーと高温側トリガーとの間の温度域で互変的に記憶保持
    させる機能を備えた感温変色性色彩記憶性マイクロカプ
    セル顔料。
  2. 【請求項2】 前記マイクロカプセル顔料の粒子径が
    0.4〜1μmの範囲にある、請求項1記載の感温変色
    性色彩記憶性マイクロカプセル顔料。
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