JP2002012787A - 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料 - Google Patents

可逆熱変色性マイクロカプセル顔料

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JP2002012787A
JP2002012787A JP2001074066A JP2001074066A JP2002012787A JP 2002012787 A JP2002012787 A JP 2002012787A JP 2001074066 A JP2001074066 A JP 2001074066A JP 2001074066 A JP2001074066 A JP 2001074066A JP 2002012787 A JP2002012787 A JP 2002012787A
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temperature
color
reversible thermochromic
acid
microcapsule pigment
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JP2001074066A
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Katsuyuki Fujita
勝幸 藤田
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Pilot Ink Co Ltd
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/30Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used using chemical colour formers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変色温度の微調整が可能であり、示温、装
飾、玩具、教習要素等、多様な分野に適用性を有する可
逆熱変色性マイクロカプセル顔料を提供する。 【解決手段】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物、
(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の
呈色反応の生起温度を決める反応媒体、及び、(ハ)成
分の融点(X℃)に対してX+30≦Y≦200の関係
を満たす融点(Y℃)のエステル類、アルコール類、ケ
トン類、酸アミド類、炭化水素類脂肪酸類から選ばれる
(ニ)変色温度調整剤をマイクロカプセルに内包させた
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可逆熱変色性マイク
ロカプセル顔料に関する。さらに詳細には、温度変化に
より可逆的に変色する組成物を内包したマイクロカプセ
ル顔料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、発色状態からの昇温過程で消
色を開始し、特定温度以上で完全消色状態を呈し、引き
続く降温過程で発色を開始し、発色状態に復帰する可逆
熱変色性を示す組成物に関して、幾つかの提案が開示さ
れている。前記組成物は大別すると二つのタイプに分け
ることができ、第1のタイプは変色温度を境として、そ
の前後で変色し、変色前後の両状態のうち常温域では特
定の一方の状態しか存在しえない。即ち、もう一方の状
態はその状態が発現するのに要する熱または冷熱が適用
されている間は維持されるが、前記熱または冷熱の適用
がなくなれば常温域で呈する元の状態に戻る、温度−色
濃度曲線に関して比較的小さいヒステリシス幅(ΔH)
を示して変色する可逆熱変色性組成物である(例えば、
特公昭51−44706号公報、特公平1−29398
号公報等)。
【0003】第2のタイプは、温度を変色温度域より低
温側から上昇させていく場合と、逆に変色温度域より高
温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿
って変色する、温度−色濃度曲線に関して大きいヒステ
リシス幅(ΔH)を示して変色し、変色に要した熱又は
冷熱の適用を取り去った後にあっても、低温側トリガー
と高温側トリガーとの間の温度域で前記低温側トリガー
以下又は高温側トリガー以上で変色させた色彩を互変的
に記憶保持可能な感温変色性色彩記憶性組成物である
(特公平4−17154号公報、特開平7−33997
号公報、特開平7−179777号公報、特開平8−3
9936号公報等)。前記した組成物はヒステリシス幅
(ΔH)の大小が異なるものの、図1の温度−色濃度曲
線に示す如き変色挙動を呈する。前記変色挙動は、
(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)電子受容性
化合物との呈色反応の生起温度を決める(ハ)反応媒体
に依存し、特定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した(ハ)反応媒
体として有効な化合物は、種類に制限がある上、有効な
化合物を適用した系にあって、温度−色濃度曲線を高温
側にシフトさせる手段がなく、微妙な変色温度の調整が
でき難く、意図する変色特性を必ずしも満足させていな
かった。本発明者らは、可逆熱変色性組成物に関して鋭
意検討を加え、第四成分として、特定の化合物を配合す
ることにより、前記温度−色濃度曲線を微妙に変位させ
ることを見出し、本発明を完成させた。本発明は、従来
の(イ)、(ロ)、(ハ)三成分系の変色特性をベース
とし、変色温度を調整した可逆熱変色性マイクロカプセ
ル顔料を提供するものであり、意図する変色特性を備え
た、示温、装飾、玩具、教材要素等、多様な分野に適用
性を有する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)電子供
与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、
(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決め
る反応媒体、及び、(ニ)変色温度調整剤を必須四成分
として含み、前記(ニ)変色温度調整剤が、融点をY℃
とするとき、(ハ)成分の融点(X℃)に対してX+3
0≦Y≦200の関係を満たすエステル類、アルコール
類、ケトン類、酸アミド類、炭化水素類、脂肪酸類から
選ばれる一種又は二種以上の化合物であり、前記必須四
成分をマイクロカプセルに内包させた可逆熱変色性マイ
クロカプセル顔料を要件とする。更には、前記(ニ)変
色温度調整剤が、脂肪族エステル類、脂肪族ケトン類、
脂肪族アルコール類、脂肪族酸アミド類から選ばれるこ
と、前記(ニ)変色温度調整剤が、(ハ)反応媒体1重
量部に対して0.01〜0.3重量部含まれること、マ
イクロカプセル顔料の粒子径が0.01乃至6μmの範
囲にあること、温度−色濃度曲線に関して5℃以下のヒ
ステリシス幅(ΔH)を示して変色すること等を要件と
する。
【0006】以下に可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性について
詳しく説明する。図1において、縦軸に色濃度、横軸に
温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢
印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態に達す
る最低温度T4 (以下、完全消色温度と称す)における
濃度を示す点であり、Bは完全呈色状態を保持できる最
高温度T3 (以下、消色開始温度と称す)における濃度
を示す点であり、Cは完全消色状態を保持できる最低温
度T2 (以下、発色開始温度と称す)における濃度を示
す点であり、Dは完全呈色状態に達する最高温度T 1
(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点で
ある。温度TA においては呈色状態E点と消色状態F点
の2相が共存する状態にあり、この温度TA を含む、呈
色状態と消色状態が共存できる温度域が変色の保持可能
な温度域であり、線分EFの長さが変色のコントラスト
を示す尺度であり、線分EFの中点を通る線分HGの長
さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリ
シス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が小さい(5℃
未満)と変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方
の状態しか存在しえない。また、前記ΔH値が大きい
(5℃〜80℃)と変色前後の各状態の保持が容易とな
る。とりわけ、ΔH値が小さい(5℃未満)可逆熱変色
性組成物は、その変色特性からインジケーター等の用途
に使用され、変色温度の調整は重要である。
【0007】本発明は、(ハ)成分の融点(X℃)に対
して、融点(Y℃)が、X+30℃≦Y≦200℃の関
係、好ましくはX+35℃≦Y≦150℃の関係を満た
すエステル類、アルコール類、ケトン類、酸アミド類、
炭化水素類、脂肪酸類から選ばれる高融点化合物を
(ニ)成分として配合することにより、低温側の変色点
を高温側にシフトさせて変色点を微妙に調整できること
にある。この点について説明すれば、(ニ)成分を配合
することにより図2の色濃度−温度曲線の破線で示した
ようにT1 (完全発色温度)及びT2 (発色開始温度)
が高温側にシフトする。前記シフトする温度は、(ニ)
成分、即ち変色温度調整剤の種類、添加量によって任意
に調整できる。なお、(ハ)成分の融点に対する(ニ)
成分の融点が30℃未満では所望の変色温度調整機能を
発現し難く、また、200℃を越える融点の成分を添加
すると変色感度を損なう虞がある。
【0008】更に、前記可逆熱変色性組成物は、化学
的、物理的に安定な可逆熱変色性材料を得るためマイク
ロカプセルに内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔
料として用いられるが、前記可逆熱変色性組成物をマイ
クロカプセルに内包すると、カプセル粒子径の粒度分布
によっては、温度変化による色調変化、特に温度下降時
の発色挙動に不具合を生じる。これは、前記マイクロカ
プセル顔料を製造する場合には、その用途によって異な
るものの、概ね1〜50μm、好ましくは1〜30μm
の粒子径のマイクロカプセル顔料が使用されるが、粒子
径にばらつきを生じており、全てのマイクロカプセル顔
料が前記した範囲の粒子径を示すわけではなく、それ以
上、或いはそれ以下の粒子径を有するマイクロカプセル
顔料も存在する。粒子径が凡そ0.01〜3μmのマイ
クロカプセル顔料は高メッシュ分解によるプロセス印刷
用インキや筆記具用インキ等への応用が可能であるが、
(ハ)成分の過冷却性を有するため、図3の色濃度−温
度曲線の実線で示したように内包されている組成物が全
く同組成であるにもかかわらず、それ以上の粒子径を有
するマイクロカプセル顔料の温度降温時に発色する温度
より2〜30℃低温側にシフトしたり、段階的に発色し
て鋭敏な変色を示さなくなり、本来の変色特性が得られ
難い。しかし、前記粒子径の小さいマイクロカプセル顔
料中に(ニ)成分を配合することにより、可逆熱変色性
組成物の曇点が上昇し、該組成物自体の結晶性を向上さ
せることにより、(ハ)成分の過冷却性を抑制して図3
の色濃度−温度曲線の破線で示したようにT1 (完全発
色温度)及びT2 (発色開始温度)が高温側にシフトす
ると共に鋭敏に発色する良好な発色挙動を示す。
【0009】前記(ニ)成分について説明する。前記
(ニ)成分のエステル類のうち、好適に用いられる脂肪
族エステル類としては、ラウリン酸ステアリル、ラウリ
ン酸エイコシル、ラウリン酸ドコシル、ラウリン酸テト
ラコシル、ラウリン酸ヘキサコシル、ラウリン酸オクタ
コシル、ラウリン酸トリアコンチル、ミリスチン酸セチ
ル、ミリスチン酸ステアリル、ミリスチン酸エイコシ
ル、ミリスチン酸ドコシル、ミリスチン酸テトラコシ
ル、ミリスチン酸ヘキサコシル、ミリスチン酸オクタコ
シル、ミリスチン酸トリアコンチル、パルミチン酸ラウ
リル、パルミチン酸トリデシル、パルミチン酸ミリスチ
ル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ステアリル、パ
ルミチン酸エイコシル、パルミチン酸ドコシル、パルミ
チン酸テトラコシル、パルミチン酸ヘキサコシル、パル
ミチン酸オクタコシル、パルミチン酸トリアコンチル、
ステアリン酸ウンデシル、ステアリン酸ラウリル、ステ
アリン酸トリデシル、ステアリン酸ミリスチル、ステア
リン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸
エイコシル、ステアリン酸ドコシル、ステアリン酸テト
ラコシル、ステアリン酸ヘキサコシル、ステアリン酸オ
クタコシル、ステアリン酸トリアコンチル、エイコ酸オ
クチル、エイコ酸デシル、エイコ酸ウンデシル、エイコ
酸トリデシル、エイコ酸ミリスチル、エイコ酸セチル、
エイコ酸ステアリル、エイコ酸エイコシル、エイコ酸ド
コシル、エイコ酸テトラコシル、エイコ酸ヘキサコシ
ル、エイコ酸オクタコシル、エイコ酸トリアコンチル、
ベヘン酸メチル、ベヘン酸プロピル、ベヘン酸ブチル、
ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸オクチル、ベヘン酸デシ
ル、ベヘン酸ウンデシル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸
トリデシル、ベヘン酸ミリスチル、ベヘン酸セチル、ベ
ヘン酸ステアリル、ベヘン酸エイコシル、ベヘン酸ドコ
シル、ベヘン酸テトラコシル、ベヘン酸ヘキサコシル、
ベヘン酸オクタコシル、ベヘン酸トリアコンチル、シュ
ウ酸ジトリデシル、シュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジ
セチル、シュウ酸ジステアリル、シュウ酸ジエイコシ
ル、マロン酸ジミリスチル、マロン酸ジセチル、マロン
酸ジステアリル、マロン酸ジエイコシル、コハク酸ジト
リデシル、コハク酸ジミリスチル、コハク酸ジセチル、
コハク酸ジステアリル、コハク酸ジエイコシル、グルタ
ル酸ジトリデシル、グルタル酸ジミリスチル、グルタル
酸ジセチル、グルタル酸ジステアリル、グルタル酸ジエ
イコシル、アジピン酸ジトリデシル、アジピン酸ジミリ
スチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリ
ル、アジピン酸ジエイコシル、スベリン酸ジトリデシ
ル、スベリン酸ジミリスチル、スベリン酸ジセチル、ス
ベリン酸ジステアリル、スベリン酸ジエイコシル、セバ
シン酸ジラウリル、セバシン酸ジジトリデシル、セバシ
ン酸ジミリスチル、セバシン酸ジセチル、セバシン酸ジ
ステアリル、セバシン酸ジエイコシル、1,10−ドデ
カンジラウリル、1,10−ドデカンジミリスチル、
1,10−ドデカンジセチル、1,10−ドデカンジス
テアリル、1,10−ドデカンジエイコシル、1,10
−ドデカンジドコシル、1,12−テトラデカンジラウ
リル、1,12−テトラデカンジミリスチル、1,12
−テトランジセチル、1,12−テトラデカンジステア
リル、1,12−テトラデカンジエイコシル、1,12
−テトラデカンジドコシル、1,14−ヘキサデカンジ
ラウリル、1,14−ヘキサデカンジミリスチル、1,
14−ヘキサデカンセチル、1,14−ヘキサデカンジ
ステアリル、1,14−ヘキサデカンジエイコシル、
1,14−ヘキサデカンジドコシル、1,16−オクタ
デカンジラウリル、1,16−オクタデカンジミリスチ
ル、1,16−オクタデカンジセチル、1,16−オク
タデカンジステアリル、1,16−オクタデカンジエイ
コシル、1,16−オクタデカンジドコシル等が挙げら
れる。
【0010】ケトン類のうち、好適に用いられる脂肪族
ケトン類としては、ジオクチルケトン、ジノニルケト
ン、ジウンデシルケトン、ジトリデシルケトン、ジペン
タデシルケトン、ジヘプタデシルケトン、フェニルオク
チルケトン、フェニルウンデシルケトン、フェニルトリ
デシルケトン、フェニルペンタデシルケトン、フェニル
ヘプタデシルケトン等が挙げられる。
【0011】アルコール類のうち、好適に用いられる脂
肪族アルコール類としては、ペンタデシルアルコール、
セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリ
ルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアル
コール、ドコシルアルコール、テトラコシルアルコー
ル、ヘキサコシルアルコール、オクタコシルアルコール
等が挙げられる。
【0012】酸アミド類のうち、好適に用いられる脂肪
族酸アミド類としては、ヘキサン酸アミド、ヘプタン酸
アミド、オクタン酸アミド、ノナン酸アミド、デカン酸
アミド、ウンデカン酸アミド、ラウリル酸アミド、トリ
デカン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸ア
ミド、ステアリン酸アミド、ドコサン酸アミド等が挙げ
られる。
【0013】炭化水素類としては、エイコサン、ヘンエ
イコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペン
タコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサ
ン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタ
ン、ドトリアコンタン、トリトリアコンタン、テトラト
リアコンタン、ペンタトリアコンタン、ヘキサトリアコ
ンタン、ヘプタトリアコンタン、オクタトリアコンタ
ン、ノナトリアコンタン、テトラコンタン、1−ドコセ
ン、1−トリコセン、1−テトラコセン、1−ペンタコ
セン、1−ヘキサコセン、1−ヘプタコセン、1−オク
タコセン、1−ノナコセン、1−トリアコンテン等が挙
げられる。
【0014】脂肪酸としては、テトラデカン酸、ペンタ
デカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデ
カン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン
酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペン
タコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、オクタ
コサン酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸、ヘントリ
アコンタン酸、ドトリアコンタン酸、テトラトリアコン
タン酸、ヘキサトリアコンタン酸、オクタトリアコンタ
ン酸等が挙げられる。
【0015】前記(ニ)変色温度調整剤は、(ハ)成分
1重量部に対して0.01〜0.3重量部、好ましく
は、0.01〜0.2重量部の割合で配合される。0.
01重量部未満では、所望の変色温度調整効果を発現し
難く、また、0.3重量部を超えると変色感度を損ない
易く、鋭敏な変色挙動を示し難くなる。
【0016】前記(イ)電子供与性呈色性有機化合物と
しては、従来より公知のジフェニルメタンフタリド類、
フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド
類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインド
リルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン
類、ジアザローダミンラクトン類等が挙げられ、以下に
これらの化合物を例示する。3,3−ビス(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3
−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル
−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3
−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−
イル)フタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジ
エチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−〔2
−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−アザフタリド、3,6−ジメトキシフルオラン、
3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、2−メチル−6
−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2
−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−
(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフ
ルオラン、2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−メチルアニ
リノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フ
ルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ
−n−ブチルアミノフルオラン、2−キシリジノ−3−
メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベン
ツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−
6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラ
ン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミ
ルアミノ)フルオラン、2−(3−メトキシ−4−ドデ
コキシスチリル)キノリン、スピロ〔5H−(1)ベン
ゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′
H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジエチル
アミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、ス
ピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミ
ジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−
オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−
ブチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)
ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′
(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ
−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−
メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3
−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラ
ン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8
−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル
−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)
ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−
3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ
−n−ブチルアミノ)−4−フェニル等。更には、蛍光
性の黄色〜赤色の発色を発現させるのに有効な、ピリジ
ン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げ
ることができる。
【0017】前記(ロ)成分の電子受容性化合物として
は、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群
〔酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分
(イ)を発色させる化合物群〕、電子空孔を有する化合
物群等がある。活性プロトンを有する化合物を例示する
と、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノ
フェノール類からポリフェノール類があり、さらにその
置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アル
コキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又
はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、
トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹
脂等が挙げられる。又、前記フェノール性水酸基を有す
る化合物の金属塩であってもよい。
【0018】以下に具体例を挙げる。フェノール、o−
クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフ
ェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェ
ノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノ
ール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノー
ル、4−(4−(1−メチルエトキシフェニル)スルホ
ニルフェノール、4−(4−ブチルオキシフェニル)ス
ルホニルフェノール、4−(4−ペンチルオキシフェニ
ル)スルホニルフェノール、4−(4−ヘキシルオキシ
フェニル)スルホニルフェノール、4−(4−ヘプチル
オキシフェニル)スルホニルフェノール、4−(4−オ
クチルオキシフェニル)スルホニルフェノール、p−ヒ
ドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸
n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2
−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス
(4′−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4′−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェ
ニル−1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−3−
メチルブタン、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニ
ル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4′−ヒド
ロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4′−
ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス
(4′−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−
ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1
−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,
1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)エチルプロ
ピオネート、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4′−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビ
ス(4′−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2
−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、等が
ある。前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有
効な熱変色特性を発現させることができるが、それらの
金属塩や、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族
カルボン酸及びそれらの金属塩、カルボン酸金属塩、酸
性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1,2,3−ト
リアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であっ
てもよい。更に、フルオロアルコール化合物を用いるこ
ともでき、以下に例示する。2−ヒドロキシヘキサフル
オロイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロ
キシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,4−
ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベ
ンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシメチル−ヘキサ
フルオロイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(3−
ヒドロキシ−1,1−ビストリフルオロメチルプロピ
ル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシメチル−
ヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス
(3−ヒドロキシ−1,1−ビストリフルオロメチルプ
ロピル)ベンゼン、2−ヒドロキシメチル−ヘキサフル
オロイソプロピルベンゼン、3−ヒドロキシ−1,1−
ビストリフルオロメチルプロピルベンゼン、等がある。
【0019】本発明の可逆熱変色性組成物の(イ)成分
及び(ロ)成分の2成分から成る組成物でも、可逆的な
加熱発色性を得ることができるが、変色温度の調整に制
限が有り、(ハ)成分を使用することによって、変色温
度の調整が実用的に可能となる。(ハ)前記(イ)、
(ロ)による電子授受反応を特定温度域において可逆的
に生起させる反応媒体である化合物としては、炭化水素
類、ハロゲン化炭化水素類、スルフィド類、エーテル
類、ケトン類、エステル類、酸アミド類、アルコール
類、ワックス類等の従来より汎用の反応媒体が総て有効
であり、中分子量ポリマー類の如く、半液状物質であっ
ても良く、これらの化合物の一種又は二種以上を適用で
きる。前記各化合物を用いてマイクロカプセル化及び二
次加工に応用する場合は低分子量のものは高熱処理を施
すとカプセル系外に蒸散するので、安定的にカプセル内
に保持させるために、炭素数10以上の化合物が有効で
ある。
【0020】スルフィド類としては、ジ−n−オクチル
スルフィド、ジ−n−ノニルスルフィド、ジ−n−デシ
ルスルフィド、ジ−n−ドデシルスルフィド、ジ−n−
テトラデシルスルフィド、ジ−n−ヘキサデシルスルフ
ィド、ジ−n−オクタデシルスルフィド、オクチルドデ
シルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジベンジルス
ルフィド、ジトリルスルフィド、ジエチルフェニルスル
フィド、ジナフチルスルフィド、4,4′−ジクロロ−
ジフェニルスルフィド、2,4,5,4′−テトラクロ
ロ−ジフェニルスルフィド等を例示できる。
【0021】エーテル類としては、総炭素数10以上の
脂肪族エーテル類、例えば、ジペンチルエーテル、ジヘ
キシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエー
テル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデ
シルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエー
テル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテ
ル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテ
ル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオ
ールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエー
テル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカンジ
オールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチル
エーテル等。脂環式エーテル類として、s−トリオキサ
ン等。芳香族エーテル類として、フェニルエーテル、ベ
ンジルフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ジ−p
−トリルエーテル、1−メトキシナフタレン、3,4,
5−トリメトキシトルエン等が例示できる。
【0022】ケトン類としては、総炭素数が10以上の
脂肪族ケトン類、例えば、2−デカノン、3−デカノ
ン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノ
ン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、6−ウンデ
カノン、2−ドデカノン、3−ドデカノン、4−ドデカ
ノン、5−ドデカノン、2−トリデカノン、3−トリデ
カノン、2−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、8
−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデ
カノン、9−ヘプタデカノン、2−ペンタデカノン、2
−オクタデカノン、2−ノナデカノン、10−ノナダカ
ノン、2−エイコサノン、11−エイコサノン、2−ヘ
ンエイコサノン、2-ドコサノン、ラウロン、ステアロン
等。総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン
類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプタデ
カノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペンタ
デカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4−n−
ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノン、4−
n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフェノン、
4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカノフェノ
ン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカノフェノ
ン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノナノフェ
ノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−オクタノ
フェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−
シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert−ブチル
プロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−n−ペン
チルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、
ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチルアセトフ
ェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセト
フェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、
シクロペンチルフェニルケトン等。アリールアリールケ
トン類、例えば、ベンゾフェノン、ベンジルフェニルケ
トン、ジベンジルケトン等。脂環式ケトン、例えば、シ
クロオクタノン、シクロドデカノン、シクロペンタデカ
ノン、4−tert−ブチルシクロヘキサノン等が例示
できる。
【0023】エステル類としては、炭素数10以上のエ
ステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を
有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環
を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られ
るエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多
価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する
一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステ
ル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボ
ン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アル
コールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙
げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オク
チル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、
カプリン酸ステアリル、カプリン酸ドコシル、ラウリン
酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸n−デシル、ミリス
チン酸3−メチルブチル、ミリスチン酸セチル、パルミ
チン酸イソプロピル、パルミチン酸ネオペンチル、パル
ミチン酸ノニル、パルミチン酸シクロヘキシル、ステア
リン酸n−ブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ス
テアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリ
ン酸n−ウンデシル、ステアリン酸ペンタデシル、ステ
アリン酸ステアリル、ステアリン酸シクロヘキシルメチ
ル、ベヘン酸イソプロピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン
酸ラウリル、ベヘン酸ベヘニル、安息香酸セチル、p−
tert−ブチル安息香酸ステアリル、フタル酸ジミリ
スチル、フタル酸ジステアリル、シュウ酸ジミリスチ
ル、シュウ酸ジセチル、マロン酸ジセチル、コハク酸ジ
ラウリル、グルタル酸ジラウリル、アジピン酸ジウンデ
シル、アゼライン酸ジラウリル、セバシン酸ジ−(n−
ノニル)、1,18−オクタデシルメチレンジカルボン
酸ジネオペンチル、エチレングリコールジミリステー
ト、プロピレングリコールジラウレート、プロピレング
リコールジステアレート、ヘキシレングリコールジパル
ミテート、1,5−ペンタンジオールジミリステート、
1,2,6−ヘキサントリオールトリミリステート、
1,4−シクロヘキサンジオールジデシル、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールジミリステート、キシレング
リコールジカプリネート、キシレングリコールジステア
レート等が例示できる。
【0024】又、飽和脂肪酸と分枝脂肪族アルコールの
エステル、不飽和脂肪酸又は分枝もしくは置換基を有す
る飽和脂肪酸と分岐状であるか又は炭素数16以上の脂
肪族アルコールのエステル、酪酸セチル、酪酸ステアリ
ル及び酪酸ベヘニルから選ばれるエステル化合物も有効
である。具体的には、酪酸2−エチルヘキシル、ベヘン
酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシ
ル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸3,
5,5−トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5
−トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5−トリ
メチルヘキシル、カプロン酸2−メチルブチル、カプリ
ル酸2−メチルブチル、カプリン酸2−メチルブチル、
パルミチン酸1−エチルプロピル、ステアリン酸1−エ
チルプロピル、ベヘン酸1−エチルプロピル、ラウリン
酸1−エチルヘキシル、ミリスチン酸1−エチルヘキシ
ル、パルミチン酸1−エチルヘキシル、カプロン酸2−
メチルペンチル、カプリル酸2−メチルペンチル、カプ
リン酸2−メチルペンチル、ラウリン酸2−メチルペン
チル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸2
−メチルブチル、ステアリン酸3−メチルブチル、ステ
アリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸2−メチルブチ
ル、ベヘン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチ
ルヘプチル、ベヘン酸1−メチルヘプチル、カプロン酸
1−エチルペンチル、パルミチン酸1−エチルペンチ
ル、ステアリン酸1−メチルプロピル、ステアリン酸1
−メチルオクチル、ステアリン酸1−メチルヘキシル、
ラウリン酸1,1−ジメチルプロピル、カプリン酸1−
メチルペンチル、パルミチン酸2−メチルヘキシル、ス
テアリン酸2−メチルヘキシル、ベヘン酸2−メチルヘ
キシル、ラウリン酸3,7−ジメチルオクチル、ミリス
チン酸3,7−ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7
−ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7−ジメチルオ
クチル、ベヘン酸3,7−ジメチルオクチル、オレイン
酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステア
リル、リノール酸ベヘニル、エルカ酸3,7−ジメチル
オクチル、エルカ酸ステアリル、エルカ酸イソステアリ
ル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸ステア
リル、12−ヒドロキシステアリン酸2−メチルペンチ
ル、18−ブロモステアリン酸2−エチルヘキシル、2
−ケトミリスチン酸イソステアリル、2−フルオロミリ
スチン酸2−エチルヘキシル、酪酸セチル、酪酸ステア
リル、酪酸ベヘニル等が例示できる。
【0025】更には、特公平4−17154号公報に開
示したカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置
換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環
を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコール
のエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン
酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アル
コール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪
酸と分岐脂肪族アルコール又はエステル、ジカルボン酸
と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステ
ル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジ
ピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジ
ミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステア
リル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリ
ン、ジミリスチン、ジステアリン等が挙げられる。
【0026】炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコー
ルと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪
酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘ
プチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族
カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸
エステル化合物も有効である。具体的には、酢酸n−ペ
ンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシ
ル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデ
シル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノ
ニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリ
デシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−
ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウン
デシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペ
ンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−
ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウン
デシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペ
ンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸
n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸
n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリス
チン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、
パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、
パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデ
シル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n
−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸
n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイ
コサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデルシ、エ
イコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデ
シル、ベヘン酸n−ノニル、ベヘン酸n−ウンデシル、
ベヘン酸n−トリデシル、ベヘン酸n−ペンタデシルが
挙げられる。
【0027】アルコール類としては、脂肪族一価の飽和
アルコール、例えば、デシルアルコール、ウンデシルア
ルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコー
ル、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコー
ル、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコー
ル、オクタデシルアルコール、エイコシルアルコール、
ドコシルアルコール等。脂肪族不飽和アルコール、例え
ば、アリルアルコール、オレイルアルコール等。脂環式
アルコール、例えば、シクロペンタノール、シクロヘキ
サノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール、
4−tert−ブチルシクロヘキサノール等。芳香族ア
ルコール、例えば、4−メチルベンジルアルコール、ベ
ンツヒドロール等。多価アルコール、例えば、ポリエチ
レングリコール等を例示できる。
【0028】酸アミド類としては、以下に示す化合物が
例示できる。アセトアミド、プロピオン酸アミド、酪酸
アミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリ
ン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、
パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸ア
ミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベンズアミ
ド、カプロン酸アニリド、カプリル酸アニリド、カプリ
ン酸アニリド、ラウリン酸アニリド、ミリスチン酸アニ
リド、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アニリド、
ベヘニン酸アニリド、オレイン酸アニリド、エルカ酸ア
ニリド、カプロン酸N−メチルアミド、カプリル酸N−
メチルアミド、カプリン酸N−メチルアミド、ラウリン
酸N−メチルアミド、ミリスチン酸N−メチルアミド、
パルミチン酸N−メチルアミド、ステアリン酸N−メチ
ルアミド、ベヘン酸N−メチルアミド、オレイン酸N−
メチルアミド、エルカ酸N−メチルアミド、ラウリン酸
N−エチルアミド、ミリスチン酸N−エチルアミド、パ
ルミチン酸N−エチルアミド、ステアリン酸N−エチル
アミド、オレイン酸N−エチルアミド、ラウリン酸N−
ブチルアミド、ミリスチン酸N−ブチルアミド、パルミ
チン酸N−ブチルアミド、ステアリン酸N−ブチルアミ
ド、オレイン酸N−ブチルアミド、ラウリン酸N−オク
チルアミド、ミリスチン酸N−オクチルアミド、パルミ
チン酸N−オクチルアミド、ステアリン酸N−オクチル
アミド、オレイン酸N−オクチルアミド、ラウリン酸N
−ドデシルアミド、ミリスチン酸N−ドデシルアミド、
パルミチン酸N−ドデシルアミド、ステアリン酸N−ド
デシルアミド、オレイン酸N−ドデシルアミド、ジラウ
リン酸アミド、ジミリスチン酸アミド、ジパルミチン酸
アミド、ジステアリン酸アミド、ジオレイン酸アミド、
トリラウリン酸アミド、トリミリスチン酸アミド、トリ
パルミチン酸アミド、トリステアリン酸アミド、トリオ
レイン酸アミド、コハク酸アミド、アジピン酸アミド、
グルタル酸アミド、マロン酸アミド、アゼライン酸アミ
ド、マレイン酸アミド、コハク酸N−メチルアミド、ア
ジピン酸N−メチルアミド、グルタル酸N−メチルアミ
ド、マロン酸N−メチルアミド、アゼライン酸N−メチ
ルアミド、コハク酸N−エチルアミド、アジピン酸N−
エチルアミド、グルタル酸N−エチルアミド、マロン酸
N−エチルアミド、アゼライン酸N−エチルアミド、コ
ハク酸N−ブチルアミド、アジピン酸N−ブチルアミ
ド、グルタル酸N−ブチルアミド、マロン酸N−ブチル
アミド、アジピン酸N−オクチルアミド、アジピン酸N
−ドデシルアミド等。
【0029】前記した(イ)、(ロ)、(ハ)及び
(ニ)成分からなる必須四成分を含むことにより可逆熱
変色性組成物を得ることができる。尚、前記(イ)、
(ロ)、(ハ)成分の配合割合は、濃度、変色温度、変
色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の
変色特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対して、
(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜20、
(ハ)成分1〜800、好ましくは5〜200の範囲で
ある(前記割合はいずれも重量部である)。
【0030】尚、可逆熱変色性組成物の光劣化を防止す
るために光安定剤を0.3〜24重量部、好ましくは
0.8〜16重量部の割合で含有することができる。前
記光安定剤としては、(イ)成分の光反応による励起状
態によって生ずる光劣化を防止する紫外線吸収剤、酸化
防止剤や、カロチン類、色素類、アミン類、フェノール
類、ニッケル錯体類、スルフィド類等の一重項酸素消光
剤、オキシドジスムスターゼとコバルト、及びニッケル
の錯体等のスーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消
光剤等の酸化反応を抑制する化合物を挙げることができ
る。
【0031】前記した可逆熱変色性組成物はマイクロカ
プセルに内包させて、マイクロカプセル顔料として使用
される。これにより、種々の使用条件において可逆熱変
色性組成物を同一の組成に保ち、化学的、物理的に安定
な顔料を構成でき、同一の作用効果を奏することができ
る。前記マイクロカプセル化は、従来より公知の界面重
合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液
からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷
却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があ
り、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセ
ルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設
けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用
に供することもできる。尚、前記マイクロカプセル中に
可逆熱変色性組成物を内包する際、前記光安定剤は可逆
熱変色性組成物と共にマイクロカプセルに内包してもよ
いし、色材として適用される際に用いられるビヒクル中
に添加することもできる。又、前記光安定剤をマイクロ
カプセルに内包すると共に、ビヒクル中にも添加するこ
とができる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の可逆熱変色性マイクロカ
プセル顔料は、従来より汎用のマイクロカプセル化手段
により得ることができ、各種ビヒクルに分散して、印刷
インキや塗料の形態として印刷物、塗装物を得ることが
できる。又、成形用樹脂にブレンドして汎用の成形手段
により各種の成形体を得ることができる。更には、ワッ
クス状或いはペースト状媒体に分散させて色材の形態と
なすこともできる。尚、非熱変色性の染料、或いは顔料
を適宜、併用して、色変化を多彩化させることができ
る。以下に実施例を示すが、本発明は実施例に限定され
るものではない。
【0033】
【実施例】表1に実施例1〜11の可逆熱変色性マイク
ロカプセル顔料の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)成分
の組成を示す。(ハ)、(ニ)成分については融点を併
記する。尚、表中の( )内の数字は重量部を示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1 可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の
調製 (イ)成分として3−〔2−エトキシ−4−(N−エチ
ルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチ
ル−インドール−3−イル)−4−アザフタリド2.0
重量部、(ロ)成分として1,1−ビス(4’−ヒドロ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパン4.0重量部、
2,2−ビス(4’ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン4.0重量部、(ハ)成分としてステアリン
酸ネオペンチル50.0重量部、(ニ)成分としてベヘ
ン酸ステアリル1.0重量部からなる可逆熱変色性組成
物を均一に溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネー
トプレポリマー30.0重量部、酢酸エチル35.0重
量部を加えて70℃で溶解した溶液を、15%ゼラチン
溶液中で乳化した。乳化時において、粒子径が6.0〜
8.0μmになるようにホモミキサーの攪拌力を調整し
て行い、乳化後、約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪
族変性アミン2.5重量部を加え、更に6時間攪拌を続
けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を遠心分
離によりマイクロカプセル顔料を単離した。尚、前記マ
イクロカプセル顔料は青色から無色の可逆的熱変色性を
示す。
【0036】粒子径測定 前記マイクロカプセル顔料をレーザー式粒度分布測定機
〔LA−300:(株)掘場製作所製〕を用いて粒子径
を測定した結果、平均粒子径は6.0μmであった。
【0037】測定試料の作成 前記マイクロカプセル顔料40重量部をエチレン−酢酸
ビニルエマルジョン中に分散した可逆熱変色性インキを
用いて、スクリーン印刷により上質紙に所定の大きさの
円を印刷した。
【0038】変色温度測定 前記印刷物を色差計[TC−3600型色差形、東京電
色(株)製]の所定箇所にセットし、50℃の温度幅で
10℃/分の速度で加熱及び冷却して各温度における色
濃度を測定した。
【0039】実施例2〜11についても、表に示した各
組成物にて実施例1と同様の方法によってマイクロカプ
セル顔料を調製して粒子径を測定し、更に、測定試料を
作成した後、前記色差計を用いてそれぞれ各温度を測定
した。
【0040】表2に各実施例の可逆熱変色性マイクロカ
プセル顔料の粒子径、T1 (完全発色温度)、T2 (発
色開始温度)、T3 (消色開始温度)、T4 (完全消色
温度)、TH (着色過程における色濃度の中点の温
度)、TG (消色過程における色濃度の中点の温度)及
びΔH(ヒステリシス幅)を示す。
【0041】
【表2】
【0042】尚、実施例2乃至5、9乃至11のマイク
ロカプセル顔料は青色から無色、実施例6及び7のマイ
クロカプセル顔料はピンク色から無色、実施例8のマイ
クロカプセル顔料は青緑色から無色のそれぞれ色変化を
示す。
【0043】表3に比較例1〜10の可逆熱変色性マイ
クロカプセル顔料の(イ)、(ロ)、(ハ)成分の組成
を示す。(ハ)成分の融点も併記する。尚、表中の
( )内の数字は重量部を示す。
【0044】
【表3】
【0045】表4に比較例1、2、9の可逆熱変色性マ
イクロカプセル顔料の粒子径、T1(完全発色温度)、
2 (発色開始温度)、T3 (消色開始温度)、T4
(完全消色温度)、TH (着色過程における色濃度の中
点の温度)、TG (消色過程における色濃度の中点の温
度)及びΔH(ヒステリシス幅)を示す。比較例につい
ては実施例1と同様にマイクロカプセル顔料を調製した
後、粒子径を測定し、更に、測定試料を作成して前記色
差計を用いてそれぞれ各温度を測定した。
【0046】
【表4】
【0047】表5に比較例3乃至8、10の可逆熱変色
性マイクロカプセル顔料の粒子径、T1 (完全発色温
度)、T2 (発色開始温度)、T3 (消色開始温度)、
4 (完全消色温度)を示す。
【0048】
【表5】
【0049】以下に実施例と比較例の各変色温度に関
し、模式図により説明する。実施例1の可逆熱変色性組
成物を内包したマイクロカプセル顔料の変色温度特性
は、比較例1と比較してヒステリシス幅(ΔH)が4.
5℃狭くなり、図2の如き変色温度曲線を示す。同様
に、実施例2と比較例2の系を比較すると、実施例2
は、比較例2と比較してヒステリシス幅(ΔH)が2.
0℃狭くなり、図2の如き変色温度曲線を示す。実施例
3の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔
料の変色温度特性は、比較例3の28℃から徐々に発色
して8℃で完全に発色すると共に段階的に発色する可逆
熱変色性組成物に比べて、32℃から発色して20℃で
完全に発色する、高温側にシフトすると共に鋭敏な変色
を示し、図3の如き変色温度曲線を示す。実施例4の可
逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の変
色温度特性は、比較例4の17℃から徐々に発色して6
℃で完全に発色すると共に段階的に発色する可逆熱変色
性組成物に比べて、22℃から発色して4℃で完全に発
色する、高温側にシフトすると共に鋭敏な変色を示し、
図3の如き変色温度曲線を示す。実施例5の可逆熱変色
性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の変色温度特
性は、比較例5の31℃から徐々に発色して10℃で完
全に発色すると共に段階的に発色する可逆熱変色性組成
物に比べて、37℃から発色して25℃で完全に発色す
る、高温側にシフトすると共に鋭敏な変色を示し、図3
の如き変色温度曲線を示す。実施例6の可逆熱変色性組
成物を内包したマイクロカプセル顔料の変色温度特性
は、比較例6の20℃から徐々に発色して8℃で完全に
発色すると共に段階的に発色する可逆熱変色性組成物に
比べて、27℃から発色して17℃で完全に発色する、
高温側にシフトすると共に鋭敏な変色を示し、図3の如
き変色温度曲線を示す。実施例7の可逆熱変色性組成物
を内包したマイクロカプセル顔料の変色温度特性は、比
較例6の20℃から徐々に発色して8℃で完全に発色す
ると共に段階的に発色する可逆熱変色性組成物に比べ
て、22℃から発色して14℃で完全に発色する、高温
側にシフトすると共に鋭敏な変色を示し、図3の如き変
色温度曲線を示す。実施例8の可逆熱変色性組成物を内
包したマイクロカプセル顔料の変色温度特性は、比較例
7の14℃から徐々に発色して2℃で完全に発色すると
共に段階的に発色する可逆熱変色性組成物に比べて、1
8℃から発色して12℃で完全に発色する、高温側にシ
フトすると共に鋭敏な変色を示し、図3の如き変色温度
曲線を示す。実施例9の可逆熱変色性組成物を内包した
マイクロカプセル顔料の変色温度特性は、比較例8の3
2℃から徐々に発色して22℃で完全に発色すると共に
段階的に発色する可逆熱変色性組成物に比べて、35.
5℃から発色して25℃で完全に発色する、高温側にシ
フトすると共に鋭敏な変色を示し、図3の如き変色温度
曲線を示す。実施例10の可逆熱変色性組成物を内包し
たマイクロカプセル顔料の変色温度特性は、比較例9と
比較してヒステリシス幅(ΔH)が1.5℃狭くなり、
図2の如き変色温度曲線を示す。実施例11の可逆熱変
色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の変色温度
特性は、比較例10の14℃から徐々に発色して、4℃
で完全に発色すると共に段階的に発色する可逆熱変色性
組成物に比べて、18℃から発色して14℃で完全に発
色する、高温側にシフトすると共に鋭敏な変色を示し、
図3の如き変色温度曲線を示す。
【0050】
【発明の効果】本発明は、変色温度の微調整が可能な可
逆熱変色性マイクロカプセル顔料を提供でき、示温、装
飾、玩具、教習要素等、多様な分野に適用性を有する。
また、粒子径の小さいマイクロカプセル顔料について
は、変色温度の微調整と共に、鋭敏に発色する熱変色機
能にも優れるため、筆記具用インキへの適用や、スプレ
ー用インキ、高メッシュ分解によるプロセス印刷イン
キ、グラビヤインキ等、多様な分野に応用することので
きる可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセ
ル顔料の温度−色濃度曲線を示す説明図である。
【図2】従来のマイクロカプセル顔料の低温側変色点を
高温側にシフトさせた本発明の可逆熱変色性マイクロカ
プセル顔料の温度−色濃度曲線を示す説明図である。
【図3】従来の粒子径の小さいマイクロカプセル顔料の
低温側変色点を高温側にシフトさせた本発明の可逆熱変
色性マイクロカプセル顔料の温度−色濃度曲線を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 完全発色温度 T2 発色開始温度 T3 消色開始温度 T4 完全消色温度 TH 発色過程における色濃度の中点の温度 TG 消色過程における色濃度の中点の温度 ΔH ヒステリシス幅(TG −TH

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物、
    (ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の
    呈色反応の生起温度を決める反応媒体、及び、(ニ)変
    色温度調整剤を必須四成分として含み、前記(ニ)変色
    温度調整剤が、融点をY℃とするとき、(ハ)成分の融
    点(X℃)に対してX+30≦Y≦200の関係を満た
    すエステル類、アルコール類、ケトン類、酸アミド類、
    炭化水素類、脂肪酸類から選ばれる一種又は二種以上の
    化合物であり、前記必須四成分をマイクロカプセルに内
    包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料。
  2. 【請求項2】 前記(ニ)変色温度調整剤が、脂肪族エ
    ステル類、脂肪族ケトン類、脂肪族アルコール類、脂肪
    族酸アミド類から選ばれる請求項1記載の可逆熱変色性
    マイクロカプセル顔料。
  3. 【請求項3】 前記(ニ)変色温度調整剤が、(ハ)反
    応媒体1重量部に対して0.01〜0.3重量部含まれ
    る請求項1又は2記載の可逆熱変色性マイクロカプセル
    顔料。
  4. 【請求項4】 粒子径が0.01乃至6μmの範囲にあ
    る請求項1乃至3のいずれか一項に記載の可逆熱変色性
    マイクロカプセル顔料。
  5. 【請求項5】 温度−色濃度曲線に関して5℃以下のヒ
    ステリシス幅(ΔH)を示して変色する請求項1乃至4
    のいずれか1項に記載の可逆熱変色性マイクロカプセル
    顔料。
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