JP6622073B2 - 筆記具用インク組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、消し具を用いて摩擦熱等により筆記描線等を消色できる熱変色性マイクロカプセル顔料を含有する筆記具用インク組成物において、擦る回数を減らし、かつ手に過度の負担をかけること無く確実に消色できる筆記具用水性インク組成物に関する。
従来より、筆記描線を摩擦熱などの熱で消色させることができる筆記具のインクには、ロイコ色素の顕色、消色機構を利用した熱変色性の色材をマイクロカプセル化した顔料が利用されている。
例えば、(イ)電子供与性呈色性有機化合物として特定のラクトン誘導体、(ロ)顕色剤である電子受容性化合物、(ハ)前記両成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(例えば、特許文献1参照)が知られており、これによって筆記描線の発色、消色を可能にしている。
しかしながら、上記特許文献1の熱変色性マイクロカプセル顔料では、摩擦熱による消色には、消し具で筆記描線を、強く、また何度も擦る必要があり、消色面積が大きい場合等には手の疲労感を伴うものである。特に、子供や年配者には擦る回数を減らし、かつ確実に消色できる筆記具用インク組成物が切望されている。
特開2006−103212号公報(特許請求の範囲、段落0016等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状に鑑み、これを解消しようとするものであり、消し具を用いて摩擦熱等により筆記描線等を消色できる熱変色性マイクロカプセル顔料を含有する筆記具用インク組成物において、擦る回数を減らし、かつ手に過度の負担をかけること無く確実に消色できる筆記具用インク組成物及びそれを用いた筆記具を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、熱変色性色材として熱変色性マイクロカプセル顔料を用いると共に、特定の平均粒子径範囲にあるアルミナ粒子とを含有せしめることにより、上記目的の筆記具用インク組成物及びそれを用いた筆記具が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(3)に存する。
(1) ロイコ色素、顕色剤及び変色温度調整剤を少なくとも含む熱変色性マイクロカプセル顔料と、平均粒子径が0.05〜0.9μmの範囲にあるアルミナ粒子とを含有することを特徴とする筆記具用インク組成物。
(2) 前記アルミナ粒子の含有量がインク組成物全量に対して0.1〜10質量%の範囲であることを特徴とする上記(1)記載の筆記具用インク組成物。
(3) 上記(1)又は(2)記載の筆記具用インク組成物を搭載したことを特徴とする筆記具。
本発明によれば、消し具等を用いて摩擦熱等により筆記描線を消色できる熱変色性のマイクロカプセル顔料を含有する筆記具用インク組成物において、擦る回数を減らし、かつ手に過度の負担をかけること無く確実に消色できるボールペン用、マーキングペン用などに好適な筆記具用インク組成物及びそれを用いた筆記具が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の筆記具用インク組成物は、ロイコ色素、顕色剤及び変色温度調整剤を少なくとも含む熱変色性マイクロカプセル顔料と、平均粒子径が0.05〜0.9μmの範囲にあるアルミナ粒子とを含有することを特徴とするものである。
〈熱変色性マイクロカプセル顔料〉
本発明に用いる熱変色性色材となる熱変色性マイクロカプセル顔料としては、摩擦熱等の熱により変色するもの、例えば、有色から無色、有色から有色、無色から有色などとなる機能を有するものであれば、特に限定されず、種々のものを用いることができ、少なくともロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を含む熱変色性組成物を、マイクロカプセル化したものが挙げられる。
用いることができるロイコ色素としては、電子供与性染料で、発色剤としての機能するものであれば、特に限定されものではない。具体的には、発色特性に優れるインクを得る点から、トリフェニルメタン系、スピロピラン系、フルオラン系、ジフェニルメタン系、ローダミンラクタム系、インドリルフタリド系、ロイコオーラミン系等従来公知のものが、単独(1種)で又は2種以上を混合して(以下、単に「少なくとも1種」という)用いることができる。
具体的には、6−(ジメチルアミノ)−3,3−ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1(3H)−イソベンゾフラノン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−エチルイソアミルアミノフルオラン、2−メチル−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(N−フェニル−N-−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(3’−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メトキシ−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン、メチル−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、クロロ−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、3−メトキシ−4−ドデコキシスチリノキノリン、などが挙げられ、これらは、少なくとも1種用いることができる。
これらのロイコ染料は、ラクトン骨格、ピリジン骨格、キナゾリン骨格、ビスキナゾリン骨格等を有するものであり、これらの骨格(環)が開環することで発色を発現するものである。好ましくは、熱により有色から無色となるロイコ色素の使用が望ましい。
用いることができる顕色剤は、上記ロイコ色素を発色させる能力を有する成分となるものであり、例えば、フェノール樹脂系化合物、サリチル酸系金属塩化物、サリチル酸樹脂系金属塩化合物、固体酸系化合物等が挙げられる。
用いることができる顕色剤としては、具体的には、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、ヘキサフルオロビスフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス( 4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナンなどの少なくとも1種が挙げられる。
用いる顕色剤の使用量は、所望される色彩濃度に応じて任意に選択すればよく、特に限定されるものではないが、通常、前記したロイコ色素1質量部に対して、0.1〜100質量部程度の範囲内で選択するのが好適である。
用いることができる変色温度調整剤は、前記ロイコ色素と顕色剤の呈色において変色温度をコントロールする物質である。
用いることができる変色温度調整剤は、従来公知のものが使用可能である。具体的には、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類などが挙げられる。
例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジカプリレート(C15)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジラウレート(C1123)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジミリステート(C1327)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタンジミリステート(C1327)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジパルミテート(C1530)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジベヘネート(C2143)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエチルヘキシリデンジミリステート(C1327)等の少なくとも1種が挙げられる。
この変色温度調整剤の使用量は、所望されるヒステリシス幅及び発色時の色彩濃度等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、通常、ロイコ色素1質量部に対して、1〜1000質量部程度の範囲内で使用するのが好ましい。
本発明の熱変色性マイクロカプセル顔料は、少なくとも上記ロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を含む熱変色性組成物を、平均粒子径が0.2〜5μmとなるように、マイクロカプセル化することにより製造することができる。
マイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができ、用途に応じて適宜選択することができる。
例えば、水溶液からの相分離法では、ロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を加熱溶融後、乳化剤溶液に投入し、加熱攪拌して油滴状に分散させ、次いで、カプセル膜剤として、樹脂原料などを使用、例えば、アミノ樹脂溶液、具体的には、メチロールメラミン水溶液、尿素溶液、ベンゾグアナミン溶液などの各液を徐々に投入し、引き続き反応させて調製後、この分散液を濾過することにより目的の熱変色性のマイクロカプセル顔料を製造することができる。
これらのロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤の含有量は、用いるロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤の種類、マイクロカプセル化法などにより変動するが、当該色素1に対して、質量比で顕色剤0.1〜100、変色温度調整剤1〜100である。また、カプセル膜剤は、カプセル内容物に対して、質量比で0.1〜1である。
本発明に用いる熱変色性マイクロカプセル顔料は、上記ロイコ色素、顕色剤及び変色温度調整剤の種類、量などを好適に組み合わせることにより、各色の発色温度(例えば、0℃以上で発色)、消色温度(例えば、50℃以上で消色)を好適な温度に設定することができ、好ましくは、摩擦熱等の熱により有色から無色となる熱変色性マイクロカプセル顔料の使用が望ましい。
本発明に用いる熱変色性マイクロカプセル顔料では、描線濃度、保存安定性、筆記性の更なる向上の点から、壁膜がウレタン樹脂、ウレア樹脂、ウレタン/ウレア樹脂、エポキシ樹脂、あるいはアミノ樹脂で形成されることが好ましい。ウレタン樹脂としては、例えば、イソシアネートとポリオールとの化合物が挙げられる。ウレア樹脂としては、イソシアネートとアミンとの化合物が挙げられる。ウレタン/ウレア樹脂としては、イソシアネートとポリオール/アミンとの化合物が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂とアミンの化合物が挙げられる。アミノ樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などが挙げられる。
マイクロカプセル色材の壁膜の厚さは、必要とする壁膜の強度や描線濃度に応じて適宜決められる。
本発明に用いる熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径は、着色性、発色性、易消色性、安定性、インク中での流動性の点、並びに、筆記性への悪影響を抑制、後述する光変色性マイクロカプセル顔料との相用性などの点から、好ましくは、0.2〜5μm、更に好ましくは、0.2〜3μmであるものが望ましい。なお、本発明(実施例等含む)で規定する熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径とは、粒度分布計〔マイクロトラックHRA9320−X100(日機装社製)〕にて測定した、体積基準におけるメジアン径を意味する。
この平均粒子径が0.2μm未満であると、十分な描線濃度が得られず、一方、5μmを越えると、筆記性の劣化や熱変色性マイクロカプセル顔料の分散安定性の低下が発生し、好ましくない。
なお、上記平均粒子径の範囲(0.2〜5μm)となるマイクロカプセル顔料は、マイクロカプセル化法により変動するが、水溶液からの相分離法などでは、マイクロカプセル顔料を製造する際の攪拌条件を好適に組み合わせることにより調製することができる。
〈アルミナ粒子〉
本発明に用いるアルミナ粒子としては、従来公知の粒子が使用可能である。そのメカニズムの詳細は不明であるが、本発明のインク組成物によって紙面などに描画した筆記描線等を消し具などにより擦ると、当該粒子により熱変色性のマイクロカプセル顔料に熱が伝わりやすくなり、従来よりも、軽い力で、より少ない摩擦回数で更に簡単に消色させる機能を発揮せしめるものであると推察される。
用いることができるアルミナ粒子としては、粒子の分散安定性および描線の色相を損なわない点から、これらの粒子の平均粒子径は、好ましくは、0.05〜1μm、更に好ましくは、0.05〜0.5μm、特に好ましくは、0.05〜0.3μmである。なお、本発明(実施例等含む)で規定するアルミナ粒子の平均粒子径とは、粒度分布測定機〔N4Plus(COULTER社製)〕〕にて測定した、散乱光強度基準による調和平均粒子径(直径)を意味する。
この平均粒子径が0.05μm未満であると、十分な消去性効果が得られない場合があり、一方、0.9μmを超えると、アルミナ粒子由来の白さが描線に表れるため好ましくない。
用いることができるアルミナ粒子としては、具体的には、日本アエロジル社製の酸化アルミニウムC、シーアイ化成製のナノテックAl2O3、住友化学製の高純度アルミナAKP−3000、アドマテックス製のアドマファインAO−802、大明化学製のタイミクロンTM−DAなどが挙げられる。
<筆記具用インク組成物>
本発明の筆記具用水性インク組成物は、上記構成の熱変色性マイクロカプセル顔料と、平均粒子径が0.05〜0.9μmの範囲にあるアルミナ粒子とを含有することを特徴とするものであり、ボールペン、マーキングペン等の筆記具用インク組成物として用いることをできる。
本発明の熱変色性のマイクロカプセル顔料の含有量は、好ましくは、インク組成物全量に対して、5〜30質量%(以下、単に「%」という)であり、さらに好ましくは、10〜20%とすることが望ましい。
この熱変色性マイクロカプセル顔料の含有量が5%未満であると、着色力、発色性が不十分となる場合があり、一方、30%を超えると、カスレが生じる場合があり、好ましくない。
本発明のアルミナ粒子の含有量は、好ましくは、インク組成物全量に対して、0.1〜10質量%(以下、単に「%」という)であり、さらに好ましくは、1〜5%とすることが望ましい。
このアルミナ粒子の含有量が0.1%未満であると、消去性の効果が十分でない場合があり、一方、10%を超えても発明の効果は変わらず、またアルミナ粒子由来の白さが描線に表れる場合があり好ましくない。
本発明の筆記具用インク組成物において、上記熱変色マイクロカプセル顔料、上記アルミナ粒子の他、水性インク組成物の場合は、残部として溶媒である水(水道水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等)、油性インク組成物の場合は、残部として有機溶媒の他、各筆記具用(ボールペン用、マーキングペン用等)の用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、水溶性有機溶剤、増粘剤、潤滑剤、防錆剤、防腐剤もしくは防菌剤などを適宜含有することができる。
用いることができる有機溶媒としては、公知の筆記具用油性インクに使用できる有機溶媒が挙げられる。例えば、エタノール、(イソ)プロパノールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ3−メチル1−ブタノールなどのグリコールエーテル類、ベンジルアルコール、フェノキシエタノールなどの芳香族アルコール類、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのグリコール類、グリコールのアルキレンオキサイド付加物を単独或いは混合して使用することができる。
用いることができる水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどを単独或いは混合して使用することができる。
用いることができる増粘剤としては、水性インク組成物の場合は、例えば、合成高分子、セルロースおよび多糖類からなる群から選ばれた少なくとも一種が望ましい。具体的には、アラビアガム、トラガカントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、ダイユータンガム、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸及びその塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸及びその塩、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレシオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、架橋型アクリル酸重合体及びその塩、非架橋型アクリル酸重合体及びその塩、スチレンアクリル酸共重合体及びその塩などが挙げられる。
油性インク組成物の場合は、例えば、ケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂が挙げられる。なお、これらの樹脂は上記増粘剤として使用される他、顔料分散剤や体質剤などの各種用途としても使用することができる。
前記溶媒への溶解性に応じて、潤滑剤としては、多価アルコールの脂肪酸エステル、糖の高級脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、アルキル燐酸エステルなどのノニオン系や、高級脂肪酸アミドのアルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩などのアニオン系、ポリアルキレングリコールの誘導体やフッ素系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。また、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロへキシルアンモニウムナイトライト、サポニン類など、防腐剤もしくは防菌剤としては、フェノール、ナトリウムオマジン、安息香酸ナトリウム、ベンズイミダゾール系化合物などが挙げられる。
この筆記具用インク組成物を製造するには、従来から知られている方法が採用可能であり、例えば、上記熱変色性マイクロカプセル顔料の他、上記水性における各成分を所定量配合し、ホモミキサー、もしくはディスパー等の攪拌機により攪拌混合することによって得られる。更に必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子を除去してもよい。
このように構成される本発明の筆記具用インク組成物では、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップを筆記先端部に備えたマーキングペン体や、ボールペンチップを筆記先端部に備えたボールペン体に搭載して使用に供される。
本発明の筆記具用インク組成物及び筆記具では、熱変色性マイクロカプセル顔料と、平均粒子径が0.05〜1μmの範囲にあるアルミナ粒子を含むインクを処方し、このインクを搭載したボールペン体、マーキングペン体などの筆記具にて紙面、書類等に筆記、描画等した後、紙面等に固着した筆記描線等を消し具などにより擦ると、筆記描線中に含まれるアルミナ粒子により従来よりも軽い力で、より少ない摩擦回数で簡単にかつ確実に消色することができるものとなる。
本発明では、用いる上記熱変色性マイクロカプセル顔料と、平均粒子径が0.05〜1μmの範囲にあるアルミナ粒子を含有する筆記具用インクとすることにより、初めて、熱変色性マイクロカプセル顔料の発色性を損なうことなく、上記アルミナ粒子の機能を効果的に発揮せしめことができるものとなり、これにより、上述の本発明の作用効果が発揮できるものである。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔熱変色性マイクロカプセル顔料の処方〕
3種の熱変色性マイクロカプセル顔料(黒色、赤色、青色)を下記製法により製造した。
(製造例1:黒色)
ロイコ色素として、ETAC(山田化学工業社製)1質量部(以下、単に「部」という)、顕色剤として、ビスフェノールA2部、及び変色性温度調整剤として、ミリスチン酸ミリスチル24部を100℃に加熱溶融して、均質な組成物27部を得た。
上記で得た組成物27部の均一な熱溶液にカプセル膜剤として、イソシアネート10部及びポリオール10部を加えて攪拌混合した。次いで、保護コロイドとして12%ポリビニルアルコール水溶液60部を用いて、25℃で乳化して分散液を調製した。次いで、5%の多価アミン5部を用いて、80℃で60分間処理してマイクロカプセルを得た。
以上の手順により得たマイクロカプセル化した水分散体をスプレードライすることでパウダー状にして黒色の熱変色性マイクロカプセル顔料を製造した。
この熱変色性マイクロカプセル顔料は、平均粒子径1.5μm、色相(発色状態、25℃)は黒色、50℃以上で消色するものであった。
(製造例2:赤色)
上記製造例1において、ロイコ色素をRED520(山田化学工業社製)に代え、各使用量及び製法は製造例1と同様にして、パウダー状にして赤色の熱変色性マイクロカプセル顔料を製造した。
この熱変色性マイクロカプセル顔料は、平均粒子径1.4μm、色相(発色状態、25℃)は赤色、50℃以上で消色するものであった。
(製造例3:青色)
上記製造例1において、ロイコ色素をCVL(山田化学工業社製)に代え、各使用量及び製法は製造例1と同様にして、パウダー状にして青色の熱変色性マイクロカプセル顔料を製造した。
この熱変色性マイクロカプセル顔料は、平均粒子径1.6μm、色相(発色状態、25℃)は青色、50℃以上で消色するものであった。
(実施例1〜9及び比較例1〜4)
(インクの処方)
上記製造例1〜3で得られた各熱変色性マイクロカプセル顔料(黒色、赤色、青色)、各アルミナ粒子を用いて、下記表1に示す配合処方(全量100質量%)にしたがって、常法により各インク組成物を調製した。
(ボールペンの作製)
上記で得られた各インク組成物を用いてボールペンを作製した。具体的には、ボールペン〔三菱鉛筆株式会社製、商品名:UF−202〕の軸を使用し、内径3.8mm、長さ90mmポリプロピレン製インク収容管とステンレス製チップ(超硬合金ボール、ボール径0.5mm)及び該収容管と該チップを連結する継手からなるリフィールに上記各インクを充填し、インク後端に鉱油を主成分とするインク追従体を装填し、ボールペンを作製した。
得られた実施例1〜9及び比較例1〜4の各ボールペンを用いて、下記評価方法で消去性評価、描線評価の各評価を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
(消去性の評価方法)
上記ペンを用いて5周のらせんをPPC用紙に筆記後、往復動作する機械に、UF−202−05のキャップ(三菱鉛筆株式会社製)からなる消し具と荷重500gを取り付け、筆記描線(塗膜)上を5往復させた。そのときの消去具合(消色状態)を下記評価基準に基づいて評価した。
評価基準:
◎:完全に消色した。
○:完全でないが消えている。
△:消えない箇所が多数ある。
×:消えない。
(描線の評価方法)
上記ペンを用いて5周のらせんをPPC用紙に筆記後、筆記描線の濃度を目視で、下記評価基準に基づいて評価した。また、下記評価基準の括弧書きの「ブランク」は、各実施例のアルミナ粒子を除いた(同量の水を配合して全量100質量%とした)インクをいう。
評価基準:
◎:とても濃い(ブランクと同程度)。
○:濃い。
△:白っぽい。
×:白色に近い。
Figure 0006622073
上記表1の結果から明らかなように、本発明となる実施例1〜9の筆記具用インク組成物は、満足のいく消去性、描線となることが判明した。
消し具等を用いて摩擦熱等により筆記描線を消色できるボールペン、マーキングペンなどの筆記具に好適な筆記具用インク組成物となる。

Claims (3)

  1. ロイコ色素、顕色剤及び変色温度調整剤を少なくとも含む熱変色性マイクロカプセル顔料と、平均粒子径が0.05〜0.9μmの範囲にあるアルミナ粒子とを含有することを特徴とする筆記具用インク組成物。
  2. 前記アルミナ粒子の含有量がインク組成物全量に対して0.1〜10質量%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の筆記具用インク組成物。
  3. 請求項1又は2記載の筆記具用インク組成物を搭載したことを特徴とする筆記具。
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