JP2019014117A - 塗布具用ペン先 - Google Patents
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1) 繊維を集束して、バインダー樹脂で接着硬化させて得られる繊維束からなる筆記具用ペン先において、上記繊維束の少なくとも筆記面となる表面に熱可塑性樹脂粉体からなる焼結体を被覆してなることを特徴とする筆記具用ペン先(例えば、特許文献1参照)、
2) 繊維加工体または合成樹脂多孔質体よりなる中芯と、該中芯の外周面を保持する合成樹脂またはゴム弾性材料よりなるホルダーとからなり、前記ホルダーの先端部に中芯の先端近傍を覆う周状被覆部を一体に形成し、前記周状被覆部の先端から前記中芯の先端部を前方に突出させ、筆記時に、筆記圧により中芯の先端部を弾性変形させ、中芯の先端及び周状被覆部の先端を同時に被筆記面に接触させてなることを特徴とする顔料インク用ペン先(例えば、特許文献2参照)、
3) 繊維束の樹脂加工体からなる棒状のペン先を備えた筆記具であって、前記ペン先が砲弾状の先端部を備え、前記ペン先の最大外径をDとし、前記ペン先の先端部の軸方向の長さをLとするとき、前記最大外径Dに対する前記長さLの比(L/D)が、0.4〜0.85であることを特徴とする筆記具(例えば、特許文献3参照)、
4) 筆記部を形成したペン先を軸筒の先端部に突出するように配した塗布具のペン先であって、このペン先が繊維を集束して、バインダー樹脂で接着硬化させて得られた繊維加工体からなり、且つ、先端形状が先細り形状を有するペン先において、前記ペン先を60度の角度で平面に対して垂直に2mm〜4mm押し当てた際の各変位(mm)をxとし、2mm〜4mm押し付ける間の弾性荷重y(g)がy=9x+30からy=125x+100の範囲に入るように構成したことを特徴とするペン先(例えば、特許文献4参照)
などが知られている。
また、上記特許文献3及び4では、ペン先単体で塗布角度依存性等に優れるペン先を提供しようとするものであるが、耐潰れ性についての言及はなく、本発明とは技術思想が相違するものである。
前記塗布具用ペン先の内部と外周層の断面硬度差が、芯径×20%の位置で2倍以上であることが好ましい。
また、本発明の塗布具は、上記塗布具用ペン先を用い、インク粘度が25℃における回転粘度計にて10rpmでの測定値が1〜100mPa・sであると共に、表面張力が4〜45mN/mとなる塗布液が収容されていることを特徴とする。
図1は、本発明の塗布具用ペン先の実施形態の一例を示す、端面図と縦断面図であり、図2は本発明の塗布具用ペン先の一例を示す電子顕微鏡写真図(SEM画像)であり、(a)は横断面写真図、(b)は縦断面写真図である。
本実施形態の塗布具用ペン先Aは、図1に示すように、繊維加工体又は合成樹脂多孔質体より構成されるペン先10の外周部11を硬めに、内部12を柔らかめに形成し、先端形状を曲面形状、例えば、砲弾形状に研磨形成することで、内部の柔らかい部分12を露出させ塗布部13とし、塗布時に塗布圧によりペン先10の先端部を柔らかい層を弾性変形させ、先端及び硬めの外周層11aの先端を同時に被筆記面に接触させてなることを特徴とするものである。
用いることができる繊維としては、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系繊維、アクリル系繊維、アクリロニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニル系繊維、ポリカーボネート系繊維、ポリエーテル系繊維、ポリフェニレン系繊維などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維が挙げられ、繊維糸の形態としては、フィラメント、スライバーなどを用いることができる。バインダー樹脂としては、接着硬化に用いられるものが挙げられ、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フラン樹脂、等を挙げることができる。
図2は、得られた繊維加工体から構成される塗布具用ペン先の一例を示す電子顕微鏡写真図(SEM画像)であり、(a)は横断面写真図、(b)は縦断面写真図であり、図面から明らかなように、内部は疎状態であり、外周層は密状態であり、ペン先の外周部が硬めに、内部が柔らかめに形成されていることが判る。
また、硬めの外周層11aと内部の柔らかい層12は、内部と外周層の断面硬度差で、本発明の効果を高度に発揮せしめる点から、芯径(直径)×(外周側から20%の位置)で2倍以上であることが好ましく、更に好ましくは、5倍以上10倍以下であることが望ましい。
また、好ましくは、芯径はφ7mm以上とし、筆記荷重300g、筆記角度70°における描線幅を4〜6mmとすることが望ましい。
具体的には、図3(a)に示すように、荷重試験機Bの6点保持片を有する治具20に測定する塗布具用ペン先Aを保持せしめ、上方側から先端に端子21を備えた荷重変位器22を下方側に移動させて、所定位置での内部と所定位置(芯径×20%の位置)での外周層の断面硬度を計測することができる。本実施形態の計測では、内部と外周層の断面硬度の誤差を極力なくすために、図3(b)に示すように、外周側11(芯径×20%の位置から外側)を所定間隔で4カ所、内部側12を所定位置で5ヶ所の計測をし、平均値を算出したものである。
図3(c)は、塗布具用ペン先の断面硬度の計測結果の一例を示す変位(mm)と荷重(N)を示す特性図であり、内部と外周層の断面硬度差に約6倍の荷重差(硬度差)があることが判る。
なお、図4及び図5において、本発明の塗布具用ペン先を図示符号「A」で表示し、従来の通常の塗布具用ペン先を図示符号「Z」で表示する。また、図示符号「Y」は塗布(筆記)面を示し、矢印符号は描線幅を示す。
更に、本発明の塗布具用ペン先Aでは、図5に示すように、先端部は柔らかく変形しやすいため、筆記角度依存性があまりなく、ほぼ同じ描線幅を実現できるものとなる。一方、通常の塗布具用ペン先Zでは、先端部が硬い場合、先端R形状にもよるが、筆記角が寝るほど、描線幅が太くなる傾向となる。本発明の塗布具用ペン先Aによれば、塗布角度による描線幅変化(塗布角度依存性)も少なくすることができる。
これらの塗布具用ペン先Aを用いた塗布具としては、各機構の塗布具、例えば、直液式塗布具、中綿式塗布具、バルブ機構を備えた塗布具、ノック式塗布具などに用いることができ、用途では、筆記具用ではマーキングペン、サインペン、筆ペン、筆記板用ペンなど、塗布具用では、化粧液塗布具、修正液塗布具、薬液塗布具、塗料液塗布具などが挙げられる。
この塗布具30は、図6に示すように、撹拌ボールとなる硬球40を内蔵したバルブ弁式塗布具であり、塗布液を中綿等に吸蔵させないで直接貯溜する軸体となる塗布液タンク部31を有し、該タンク部31に螺合により固着される先軸32を備え、先軸32内には、本発明の塗布具用ペン先Aを保持すると共に、塗布液吸蔵体33を有し、タンク部31の塗布液はバルブ弁機構34を介在して上述の本発明の塗布具用ペン先Aへ塗布液が供給される構成となっている。なお、バルブ弁機構34のセット荷重を、塗布具用ペン先Aが筆記による十分な変形を与えた後に圧縮し、その荷重を本実施形態では3.5N以上とすることが好ましい。セット荷重とは、塗布具用ペン先Aの後端面が筆圧等の加圧により軸体(塗布液タンク部31及び先軸32)に対して相対的に後方に移動を開始する際における塗布具用ペン先Aに加わる荷重を意味する。
用いる塗布液としては、好ましくは、粘度が25℃における回転粘度計にて10rpmでの測定値が1〜100mPa・sである塗布液が収容されていることが好ましい。なお、粘度は、塗布液の流出やインク流出の点から、塗布液の粘度が25℃における回転粘度計にて10rpmでの測定値で、4.0〜40.0mPa・sであることが望ましい。
このインク粘度が1.0mPa・s未満のものは、調合が非常に困難であるうえに、仮に調合出来たとしても、インク流量が多く、描線乾燥性が悪くなり、好ましくなく、一方、100mPa・sを超えて大きいと、インク流量が少なく、隠ぺい性を確保できなくなり、好ましくない。
また、塗布液の表面張力は、好ましくは、4〜45mN/m(測定温度:25℃、測定器:協和界面科学社製 表面張力測定器)、より好ましくは、15〜45mN/mの範囲が望ましい。上記特性の塗布液とすることでペン芯が変形しても安定した塗布幅(筆記幅)を確保することができる。この表面張力が4mN/m未満では、直流現象を起こしやすく、また顔料の沈降や凝集を起こしやすくなってしまう。一方、45mN/mを越えると、保存環境や筆記状態によってインク流出量が不安定になり、描線の濃度や幅にバラツキを生じやすくなってしまうので、好ましくない。
また、用いる塗布液は、少なくとも、着色剤と、分散剤と、固着樹脂と、濡れ剤と、水とを組み合わせることが好ましい。
更に、筆記具のインク流量が、100gの荷重で、筆記角度70°、10m/minの筆記速度で100〜400mg/2.5mとすることが好ましい。
ここで挙げるインク組成物の詳細を述べると、着色剤は、隠蔽効果のある酸化チタン粒子、硫化亜鉛粒子、酸化亜鉛粒子、硫酸バリウム粒子、アルミニウム粉、パール顔料および、これらの粒子が複合した粒子から選ばれる粒子、あるいは、これらの粒子の分散体であって、粒子径が40nm〜100μmとなるものを用いることが好ましい。なお、上記各着色剤における「粒子径」は、一次粒子径を意味する。また、含有量は、インク組成物全量に対して、固形分合計で1〜50質量%、好ましくは、2〜35質量%とすることが望ましい。この隠蔽剤の合計含有量が1質量%未満では、十分な隠蔽力を発揮することができず、また、均一な濃度描線が得られにくく、一方、50質量%を超えると、インク粘度が上昇してしまうか、粒子の沈降体積が多くなり、好ましくない。
これらのロイコ染料は、ラクトン骨格、ピリジン骨格、キナゾリン骨格、ビスキナゾリン骨格等を有するものであり、これらの骨格(環)が開環することで発色を発現するものである。好ましくは、熱により有色から無色となるロイコ色素の使用が望ましい。
用いることができる顕色剤としては、具体的には、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、ヘキサフルオロビスフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス( 4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナンなどの少なくとも1種が挙げられる。
用いることができる変色温度調整剤は、従来公知のものが使用可能である。具体的には、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類などが挙げられる。
例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジカプリレート(C7H15)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジラウレート(C11H23)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジミリステート(C13H27)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタンジミリステート(C13H27)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジパルミテート(C15H30)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジベヘネート(C21H43)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエチルヘキシリデンジミリステート(C13H27)等の少なくとも1種が挙げられる。
マイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができ、用途に応じて適宜選択することができる。
用いる熱変色性マイクロカプセル顔料は、上記ロイコ色素、顕色剤及び変色温度調整剤の種類、量などを好適に組み合わせることにより、各色の発色温度(例えば、0℃以上で発色)、消色温度(例えば、50℃以上で消色)を好適な温度に設定することができ、好ましくは、摩擦熱等の熱により有色から無色となる熱変色性マイクロカプセル顔料の使用が望ましい。
マイクロカプセル色材の壁膜の厚さは、必要とする壁膜の強度や描線濃度に応じて適宜決められる。
この平均粒子径が0.2μm未満であると、十分な描線濃度が得られず、一方、5μmを越えると、筆記性の劣化や熱変色性マイクロカプセル顔料の分散安定性の低下が発生し、好ましくない。
なお、上記平均粒子径の範囲(0.2〜5μm)となるマイクロカプセル顔料は、マイクロカプセル化法により変動するが、水溶液からの相分離法などでは、マイクロカプセル顔料を製造する際の攪拌条件を好適に組み合わせることにより調製することができる。
また、塗布液に平均粒子径が0.05〜0.9μmの範囲にあるアルミナ粒子とを含有することを含むことが好適である。本発明に用いるアルミナ粒子としては、従来公知の粒子が使用可能である。そのメカニズムの詳細は不明であるが、本発明のインク組成物によって紙面などに描画した筆記描線等を消し具などにより擦ると、当該粒子により熱変色性のマイクロカプセル顔料に熱が伝わりやすくなり、従来よりも、軽い力で、より少ない摩擦回数で更に簡単に消色させる機能を発揮せしめるものであると推察される。
この平均粒子径が0.05μm未満であると、十分な消去性効果が得られない場合があり、一方、0.9μmを超えると、アルミナ粒子由来の白さが描線に表れるため好ましくない。
この熱変色性マイクロカプセル顔料の含有量が5%未満であると、着色力、発色性が不十分となる場合があり、一方、30%を超えると、カスレが生じる場合があり、好ましくない。
油性インク組成物の場合は、例えば、ケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂が挙げられる。なお、これらの樹脂は上記増粘剤として使用される他、顔料分散剤や体質剤などの各種用途としても使用することができる。
図7では、塗布具20を塗布面Yに対して鉛直にして塗布する場合、図4(a)で示したものと同様に、ペン先内部を柔らかくしており、先端を砲弾状に研磨しているので、柔らかい部分(内部層)が露出しているので、塗布(筆記)時に塗布圧(筆圧)が加われれば、先端が弾性変形するため、太い描線幅が実現するため、限られた外径寸法で、描線幅を太くすることができるものとなっている。
図8では、塗布具20を塗布面Yに対して斜めにして塗布する場合、図4(b)、図5で示したものと同様に、柔らかい内部層の潰れを硬い外周層が保護する(耐潰れ性に優れる)ため、初筆から終筆までの描線幅変化を小さくすることができ、更に、先端部は柔らかく変形しやすいため、筆記角度依存性が少なく、ほぼ同じ描線幅を実現できるものとなっている。
本発明の塗布具用ペン先の技術思想は、繊維加工体又は合成樹脂多孔質体より構成されるペン先の外周部を硬めに、内部を柔らかめに形成し、先端形状を曲面形状、例えば、砲弾形状に研磨形成することで、内部の柔らかい部分を露出させ塗布部とし、塗布時に塗布圧によりペン先の先端部を柔らかい層を弾性変形させ、先端及び硬めの外周層の先端を同時に被筆記面に接触させてなることを特徴とするものであるため、例えば、上記曲面形状として砲弾形状以外に、球形状、ドーム形状などにすることができ、また、上記実施形態では、円柱状の繊維加工体を用いて塗布具用ペン先としたが、シート状の繊維加工体(フエルト)や合成樹脂多孔体(焼結芯)を用いて塗布具用ペン先とすることができる。
下記構成及び図1、図6〜図8に準拠する塗布具用ペン先、塗布具、塗布液を使用した。塗布具用ペン先A等の寸法等は下記に示す大きさのものを使用した。
原料としてポリエステル繊維を用い、内部側の繊維量を外部側より少なくすることで、バインダーが染み込む毛管力バランスを調整して、ペン先10の外周部11を硬めに、内部12を柔らかめに形成した加工前の塗布具用ペン先(直径8mm×長さ27mm、硬めの外周層の長さ25mm)を得、この塗布具用ペン先の先端形状を塗布に好適な形状となる砲弾形状に研磨形成して、図1に示す、内部の柔らかい部分12を露出させた塗布部13とした。柔らかめの内部層12の直径は約6.5mmであった。
得られた塗布具用ペン先の内部と外周層の断面硬度差を図3(a)及び(b)に示す計測装置、計測手順などにより、計測した。図3(c)に、その計測結果を示す。
塗布具は、図6〜図8に準拠するバルブ式塗布具を用いた。
(塗布液組成)
塗布液として、下記組成の筆記具用インク(合計100質量%)を使用した。
着色剤:酸化チタン 30質量%
分散剤及び固着剤:スチレンアクリル樹脂 10質量%
濡れ剤:フッ素系界面活性剤 0.01質量%
水(溶媒):イオン交換水 残 分
粘度(25℃、10rpm、回転粘度計(TV−20、TOKIMEC製):5.8mPa・s
表面張力:24mN/m(測定温度:25℃、測定器:協和界面科学社製 表面張力測定器)
また、塗布液として、上記筆記具用インクを用いたものであったが、優れた描線品位、固着性、耐水性、耐光性、耐擦過性を有するものであった。
原料としてポリアミド繊維を用い、内部側の繊維量を外部側より少なくする事で、バインダーが染み込む毛管力バランスを調整して、ペン先10の外周部11を硬めに、内部12を柔らかめに形成した加工前の塗布具用ペン先(直径8mm×長さ30mm、硬めの外周層の長さ:25mm)を得、この塗布具用ペン先の先端形状を塗布に好適な形状となる砲弾形状に研磨形成して、図1に示す、内部の柔らかい部分12を露出させた塗布部13とした。柔らかめの内部層12の直径は約6.5mmであった。
この実施例2の塗布具用ペン先を取り付けた塗布具によれば、限られた外径寸法(8mm)で、極力、描線幅(5mm)を太くし、塗布角度による描線幅変化(塗布角度依存性)も少なく、耐潰れ性に優れた塗布具用ペン先、これを用いた塗布具が得られることが確認された。また、実施例1と同様に塗布具用ペン先における、内部と外周層の断面硬度差を計測したところ、約3倍の荷重差(硬度差)があることが確認された。
また、塗布液として、上記筆記具用インクを用いたものであったが、実施例1と同様に、優れた描線品位、固着性、耐水性、耐光性、耐擦過性を有するものであった。
B 荷重試験機
11 外周部
12 内部
30 塗布具
Claims (3)
- 繊維加工体又は合成樹脂多孔質体より構成されるペン先の外周部を硬めに、内部を柔らかめに形成し、先端形状を曲面形状に研磨形成することで、内部の柔らかい部分を露出させ塗布部とし、塗布時に塗布圧によりペン先の先端部を柔らかい層を弾性変形させ、先端及び硬めの外周層の先端を同時に被筆記面に接触させてなることを特徴とする塗布具用ペン先。
- 内部と外周層の断面硬度差が、芯径×20%の位置で2倍以上であることを特徴とする請求項1記載の塗布具用ペン先。
- 請求項1又は2に記載の塗布具用ペン先を用い、インク粘度が25℃における回転粘度計にて10rpmでの測定値が1〜100mPa・sであると共に、表面張力が4〜45mN/mとなる塗布液が収容されていることを特徴とする塗布具。
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