JP2015051562A - 熱変色性筆記具セット - Google Patents

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Abstract

【課題】筆記・描画の面積が大きく、消去又は変色を行いたいときでも、広い面積の消去を即座に、かつ、難なく行うことができ、摩擦体を紛失し難い熱変色性筆記具と幅広の摩擦体との熱変色性筆記具セットを提供する。
【解決手段】内部に熱変色性インクを収容し且つ前端に前記熱変色性インクが吐出可能な線幅2mm以上の描線幅が得られるペン先を設けた熱変色性筆記具複数本10、10……と、前記熱変色性インクの2mm以上の線幅の筆跡を被覆可能であり、その擦過の際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インクの筆跡を熱変色可能な摩擦体20と、それらを収納ケース30に収納しセットとすることを特徴とする熱変色性筆記具セットA。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱でインク色が変化する熱変色性筆記具セットに関する。
従来における熱変色性筆記具では、インク色を変化させるための摩擦体が、筆記具自身に取り付けられており、その取り付け箇所はキャップ先端や後端、キャップ開口端、ペン先部、クリップ部、グリップ部とされている(例えば、特許文献1〜6参照)。
また、摩擦体が軸体に没入可能とすることでチリや埃の付着防止、損傷防止の試みがされている(例えば、特許文献7〜9参照)。更に、熱変色筆記具と別体となっている摩擦体との熱変色筆記具セット(例えば、特許文献10参照)や、熱変色筆記具と別体となっている摩擦体とのセットを収納するケースを付属させた描画用絵本セット(例えば、特許文献11参照)が知られている。
上記特許文献1〜9では、摩擦体が筆記具自身に取り付けられていたために、摩擦時に筆記具を持ち返す必要があるなど煩わしい使い勝手であった。また、摩擦体の大小に関わらず、別体で提供される上記特許文献10の場合は、摩擦体を紛失してしまう恐れがあった。特に、小さな摩擦体では、大きな面積の擦過に時間がかかり不便であった。
更に、上記特許文献11の描画用絵本セットの場合は、収納ケースが着脱可能であってもよい旨が記載されているが、冊子形態の絵本に付属の筆記具セットであるので、冊子自体の厚みが少なくとも筆記具の厚みとなってしまい、ハードカバーの本か、それ以上の体積を占有してしまい冊子の収納に不便を来すものである。そこで、例えば、特許文献11の図4の収納ケースを取り外して使用しようとすると、今度は収納ケースの筆記具を収容している箇所以外が無駄なスペースとなってしまい、収納する筆記具の割りに、大きい不便なセットとなってしまうなどの課題がある。
一方、マイクロカプセル顔料、顔料又は隠ぺい性粒子を含むインクを収容する筆記具は、これら粒子のハードケーキが筆記具内で出来ないように、まず、インク自体を高粘性にして対策を行うか(例えば、特許文献12参照)、または、インク溶媒の比重を調整して粒子の沈降が起こらないようにしている(例えば、特許文献13参照)。
このような場合、隠ぺい性粒子の沈降は、起こりにくいもののインクが高粘性となる等、筆記具の機構や流出量に制限が加わるものとなってしまう。
ところで、広い面積に筆記・描画を行うためにインクを多量に吐出させなければならない場合、即ち、インクを低粘度としたい場合には、低粘度のインクを貯蔵するために中綿に含浸させるか(例えば、特許文献14参照)、または、密閉性の高い容器に直接収容させる必要がある(例えば、特許文献15参照)。これらの場合には、使用前に筆記具本体を震とうさせることによって、インク収容部内に収容した撹拌子を暴れさせて、沈降してしまった隠ぺい性粒子を撹拌させて、筆記・描画時には隠ぺい性粒子が均一に分散されたインクを吐出させるものである。
このような場合には、筆記・描画の面積が大きく、消去を行いたいときには、広い面積の消去を行わなければならない。また、筆記具自体は、インク収容部を大きくしなければならず、更に、上記の広い面積に筆記・描画を行う目的のためであれば幅広の先端筆記部とせねばならず、筆記具自体の大きさが大きくなってしまうことがある。
特開2003−206432号公報(特許請求の範囲、図12、図13等) 特開2009−107237号公報(特許請求の範囲、図2、図3等) 特開2011−230439号公報(特許請求の範囲、図1、図2等) 特開2011−230448号公報(特許請求の範囲、図1、図2等) 特開2009−208313号公報(特許請求の範囲、図1、図4等) 特開2012−35599号公報(特許請求の範囲、図1等) 特開2011−93164号公報(特許請求の範囲、図1、図2) 特開2010−260217号公報(特許請求の範囲、図1、図3等) 特開2009−126102号公報(特許請求の範囲、図1、図3等) 特開2011−230440号公報(特許請求の範囲、図1、図4等) 特開2012−183779号公報(特許請求の範囲、図4,図6等) 特開2005−314603号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2008−62420号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2003−80887号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2011−173300号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記した従来技術の課題等に鑑み、これらを解消しようとするものであり、隠ぺい性粒子の有無に関わらず低粘度の熱変色性インクを収容する筆記具と擦過面積の大きな摩擦体を別体で使用可能なセットとし使い勝手を向上させること、かつ摩擦体の紛失を防止することができる熱変色性筆記具セットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、鋭意検討した結果、内部に熱変色性インクを収容し且つ前端に前記熱変色性インクが吐出可能な特定線幅となる描線幅が得られるペン先を設けた熱変色性筆記具複数本と、前記熱変色性インクの上記特定線幅の筆跡を被覆可能であり、その擦過の際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インキの筆跡を熱変色可能な摩擦体と、それらを特定の組み合わせなどとすることにより、上記目的の熱変色性筆記具セットが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(11)に存する。
(1) 内部に熱変色性インクを収容し且つ前端に前記熱変色性インクが吐出可能な線幅2mm以上の描線幅が得られるペン先を設けた熱変色性筆記具複数本と、前記熱変色性インクの2mm以上の線幅の筆跡を被覆可能であり、その擦過の際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インキの筆跡を熱変色可能な摩擦体と、それらを収納ケースに収納しセットとすることを特徴とする熱変色性筆記具セット。
(2) 複数本の熱変色性筆記具がそれぞれインク色違いであってもよいことを特徴とする上記(1)に記載の熱変色性筆記具セット。
(3) 前記熱変色性インクがマイクロカプセルに収容されていることを特徴とする上記(1)に記載の熱変色性筆記具セット。
(4) 前記熱変色性インクが多孔質体に含浸され前記筆記具に収容されることを特徴とする上記(1)に記載の熱変色性筆記具セット。
(5) 前記熱変色性インクには、隠ぺい性粒子を含むことを特徴とする上記(1)に記載の熱変色性筆記具セット。
(6) 前記摩擦体の厚みが前記筆記具の厚み以上の厚みであることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の熱変色性筆記具セット。
(7) 前記摩擦体の幅が前記筆記具の幅以上の幅であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の熱変色性筆記具セット。
(8) 前記摩擦体が前記筆記具の長さ以上の長さであることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の熱変色性筆記具セット。
(9) 前記摩擦体の厚み、幅、あるいは、長さが、それぞれ、筆記具の厚み、幅、あるいは、長さの整数倍であることを特徴とする上記(6)〜(8)の何れか一つに記載の熱変色性筆記具セット。
(10) 前記摩擦体が前記筆記具と同じ形状であることを特徴とする上記(6)〜(8)の何れか一つに記載の熱変色性筆記具セット。
(11) 前記摩擦体と前記収納ケースが一体となっていることを特徴とする上記(1)〜(10)の何れか一つに記載の熱変色性筆記具セット。
本発明によれば、筆記・描画の面積が大きく、消去又は変色を行いたいときでも、広い面積の消去を即座に、かつ、難なく行うことができ、摩擦体を紛失し難い熱変色性筆記具と幅広の摩擦体との熱変色性筆記具セットが提供される。
本発明の熱変色性筆記具セットの実施形態の一例を示すものであり、収納ケースから蓋体を外した状態を示す平面図である。 本発明の熱変色性筆記具セットに用いる熱変色性筆記具の一例を示す部分縦断面図である。 図2の熱変色性筆記具の斜視図である。 (a)〜(c)は、本発明の熱変色性筆記具セットに用いる摩擦体の一例を示す平面図、正面図、左側面図である。 (a)及び(b)は、本発明の熱変色性筆記具セットに用いる収納ケースの一例を示す斜視図と平面図である。 (a)及び(b)は、本発明の熱変色性筆記具セットに用いる収納ケースに蓋体を取り付けた一例を示す斜視図と平面図である。 図1の熱変色性筆記具セットの蓋体を取り付けた状態を示す平面図である。 (a)及び(b)は、本発明の熱変色性筆記具セットに用いる収納ケースの蓋体の他例を示す斜視図と平面図である。 (a)及び(b)は、本発明の熱変色性筆記具セットに用いる収納ケースの蓋体の他例を示す斜視図と平面図である。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して詳しく説明する。
図1〜図7は、本発明の熱変色性筆記具セットの実施形態の一例を示す各図面である。
本発明となる実施形態の熱変色筆記具セットAは、図1に示すように、内部に熱変色性インクを収容し且つ前端に前記熱変色性インクが吐出可能な線幅2mm以上の描線幅が得られるペン先を設けた熱変色性筆記具10の複数本、本実施形態では8本と、前記熱変色性インクの2mm以上の線幅の筆跡を被覆可能であり、その擦過の際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インクの筆跡を熱変色可能な摩擦体20と、それらを収納ケース30に収納しセットとすることを特徴とするものである。
本発明に用いる熱変色筆記具10に収容する熱変色性インクIとしては、例えば、ロイコ染料、顕色剤、変色温度調整剤を少なくとも含むマイクロカプセル顔料と、分散剤と、水とを含むインク組成物から構成することができる。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、該熱変色性インクには、更に、POE脂肪族アミン、水溶性溶剤、増粘剤、防錆剤、防腐剤もしくは防菌剤などを含有することができる。
この熱変色性インクに含有せしめるマイクロカプセル顔料は、平均粒子径が0.1〜1.0μmである壁膜が、樹脂、本実施形態ではアミノ樹脂で形成されたものであり、少なくともロイコ染料、顕色剤、変色温度調整剤から構成される熱変色性組成物を内包させたものである。
用いることができるロイコ染料としては、電子供与性染料で、発色剤としての機能するものであれば、特に限定されものではない。具体的には、発色特性に優れるインキを得る点から、トリフェニルメタン系、スピロピラン系、フルオラン系、ジフェニルメタン系、ローダミンラクタム系、インドリルフタリド系、ロイコオーラミン系等従来公知のものが、単独(1種)で又は2種以上を混合して(以下、単に「少なくとも1種」という)用いることができる。
具体的に用いることができるロイコ染料としては、6−(ジメチルアミノ)−3,3−ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1(3H)−イソベンゾフラノン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−エチルイソアミルアミノフルオラン、2−メチル−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(N−フェニル−N-−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(3’−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−メトキシ−4−ドデコキシスチリノキノリンなどが挙げられ、これらは、少なくとも1種用いることができる。
更に、黄色〜赤色の発色を発現させるピリジン系化合物、キナゾリン系化合物、ビスキナゾリン系化合物等も用いることができる。
これらのロイコ染料は、ラクトン骨格、ピリジン骨格、キナゾリン骨格、ビスキナゾリン骨格等を有するものであり、これらの骨格(環)が開環することで発色を発現するものである。
用いることができる顕色剤は、ロイコ染料を発色させるものであり、例えば、無機酸、芳香族カルボン酸及びその無水物又は金属塩類、有機スルホン酸、その他の有機酸及びフェノール性化合物等が挙げられる。特に好ましいものとしてビスフェノールA等のフェノール性水酸基を有する化合物である。
具体的には、ビスフェノールA、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、ヘキサフルオロビスフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナンなどが挙げられ、これらは、少なくとも1種用いることができる。
用いることができる変色温度調整剤は、ロイコ染料と顕色剤との反応を特定温度域において可逆的に発揮させるものであり、この機能を有するものであれば、特に限定されず、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類などが挙げられる。
具体的には、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、ウンデシルアルコール、デシルアルコール、ノニルアルコール、オクチルアルコール、ヘキシルアルコール、ネオペンチルアルコール、ブチルアルコール、メチルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、セロソルブ、グリセリン、ペンタエリスリトール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルアルコール、カプリン酸オクチル、カプリン酸デシル、ラウリン酸ラウリル、ラウリン酸ミリスチル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ラウリル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸ラウリル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ラウリル、p−t−ブチル安息香酸セチル、4−メトキシ安息香酸ステアリル、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジラウレート、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、ステアリルベンゾエート、ベンジルステアレート、チオジプロピオン酸ジベンジル、チオジプロピオン酸時ステアリル、安息香酸ベンジル、トリラウレート、トリエチルシトレート、フタル酸ジステアリル、アジピン酸ジデシル、ジデシルエーテル、ジステアリルエーテル、ジステアリルケトン、アセトン、アセトフェノン、ステアリン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、ラウリルアルコール・アクリロニトリル付加物、ステアリルアルコール・アクリロニトリル付加物、ベンジリデン・p−トルイジン、ベンジリデン・ブチルアミン、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ラウリン酸、シクロパラフィンなどが挙げられ、これらは、少なくとも1種用いることができる。
本発明に用いるマイクロカプセル顔料は、少なくとも上記ロイコ染料、顕色剤、変色温度調整剤からなる熱変色性組成物を平均粒子径が0.1〜1.0μmとなるように、かつ、壁膜がアミノ樹脂等の樹脂で形成されるように原料を選択して、マイクロカプセル化することにより製造することができる。
マイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができ、用途に応じて適宜選択することができる。
例えば、水溶液からの相分離法では、ロイコ染料、顕色剤、変色温度調整剤を加熱溶融後、乳化剤溶液に投入し、加熱攪拌して油滴状に分散させ、次いで、カプセル膜剤として、壁膜がアミノ樹脂などで形成できる樹脂原料などを使用、例えば、アミノ樹脂溶液、具体的には、メチロールメラミン水溶液、尿素溶液、ベンゾグアナミン溶液などの各液を徐々に投入し、引き続き反応させて調製後、この分散液を濾過することにより目的の熱変色性のマイクロカプセル顔料を製造することができる。
これらのロイコ染料、顕色剤、変色温度調整剤の含有量は、用いるロイコ染料、顕色剤、変色温度調整剤の種類、マイクロカプセル化法などにより変動するが、ロイコ染料1に対して、質量比で顕色剤0.1〜100、変色温度調整剤1〜100である。また、カプセル膜剤は、カプセル内容物に対して、質量比で0.1〜1である。
本発明におけるマイクロカプセル顔料では、上記ロイコ染料、顕色剤及び変色温度調整剤の種類、量などを好適に組み合わせることにより、各顔料の色、任意の発色温度、消色温度とすることができる。
また、本発明における、マイクロカプセル顔料では、壁膜が樹脂、特にアミノ樹脂で形成されることが好ましく、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などで形成されることが更に好ましく、特に好ましくは、製造性、保存安定性、筆記性の更なる向上の点から、メラミン樹脂で形成されることが望ましい。なお、壁膜がアミノ樹脂以外の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などで形成された場合は、描線濃度、保存安定性、筆記性の少なくとも1つ以上がアミノ樹脂よりも劣ることとなる。
マイクロカプセル顔料の壁膜の厚さは、必要とする壁膜の強度や描線濃度に応じて適宜決められる。
このマイクロカプセル顔料の壁膜をアミノ樹脂で形成するためには、各マイクロカプセル化法を用いる際に、好適なアミノ樹脂原料(メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアンアミン樹脂等)、並びに、分散剤、保護コロイドなどを選択する。
得られるマイクロカプセル顔料の平均粒子径は、着色性、発色性、易消色性、安定性の点、並びに、筆記性への悪影響を抑制する点から、0.1〜1.0μm、更に好ましくは、0.2〜0.9μmであるものが望ましい。なお、本発明(実施例等含む)で規定する「平均粒子径」は、粒度分布測定装置〔粒子径測定器N4Plus(COULTER社製)〕にて、平均粒子径を測定した値である。
この平均粒子径が0.1μm未満であると、十分な描線濃度が得られず、一方、1.0μmを越えると、筆記性の劣化やマイクロカプセル顔料の分散安定性の低下が発生し、好ましくない。
なお、上記範囲(0.1〜1.0μm)となる平均粒子径のマイクロカプセル顔料は、マイクロカプセル化法により変動するが、水溶液からの相分離法などでは、マイクロカプセル顔料を製造する際の攪拌条件を好適に組み合わせることにより調製することができる。
このマイクロカプセル顔料の含有量は、熱変色性インク組成物全量に対して、好ましくは、5〜30質量%(以下、単に「%」という)、更に好ましくは、10〜25%とすることが望ましい。
この着色剤(顕色粒子)の含有量が5%未満であると、着色力、発色性が不十分となり、一方、30%を超えると、カスレが生じやすくなり、好ましくない。
この熱変色性インクに用いる分散剤は、ケトンを主鎖とするポリマーであって、化学構造内に酸性官能基を持ち、かつ酸価3〜40(mgKOH/g)であるものであり、インク中のマイクロカプセル顔料との相互作用により描線濃度の向上などの機能を発揮するものである。
用いることができる分散剤は、ケトンを主鎖とするポリマーであって、化学構造内の酸性官能基としては、カルボン酸基、リン酸基などが挙げられる。
この酸価が3mgKOH/g未満であると、筆記性においてカスレが生じやすくなり、一方、40mgKOH/gを超えると、インクの安定性が低下して析出物が発生しやすくなり、好ましくない。より好ましい酸価は5〜15mgKOH/gである。
用いることができる分散剤としては、具体的には、ソルスパース44000(主鎖:ケトン、酸性官能基:カルボン酸、酸価約12mgKOH/g、日本ルーブリゾール社製)、ソルスパース46000(主鎖:ケトン、酸性官能基:カルボン酸、酸価約12mgKOH/g、日本ルーブリゾール社製)などが挙げられ、これらは、少なくとも1種用いることができる。
この分散剤の含有量は、好ましくは、インキ組成物全量に対して、0.1〜10%、更に好ましくは、0.3〜5%とすることが望ましい。
この含有量が0.1%未満であると、満足する描線濃度が得られず、またマイクロカプセル顔料の安定性が低下する。一方、10%を超えると、筆記時にカスレが生じやすくなり好ましくない。
本発明に用いる熱変色性インクには、ポリオキシエチレン脂肪族アミン(以下、「POE脂肪族アミン」という)を更に用いることができ、脂肪族の炭素数が10〜20のものであり、マイクロカプセル顔料の分散安定化などの機能を発揮するものである。
この脂肪族の炭素数が10未満であると、顔料への吸着性が悪くなり、顔料分散効果が不十分となり、一方、炭素数が20を超えると、水への溶解性が不十分となり、好ましくない。
好ましいPOE脂肪族アミンは、水への溶解性、筆記性の点から、POE脂肪族アミンにおけるPOEの付加モル数は10〜50であるものが望ましく、さらに望ましくは10〜20モルである。
用いることができるPOE脂肪族アミンとしては、例えば、POE(15)オレイルアミン、POE(15)ステアリルアミンを挙げることができ、これらは、少なくとも1種用いることができる。
これらのPOE脂肪族アミンの含有量は、好ましくは、インク組成物全量に対して0.1〜10%、更に好ましくは、0.3〜5%とすることが望ましい。
この含有量が0.1%未満であると、顔料分散効果が不十分となり、一方、10%を超えると、筆記時にカスレが生じやすくなり、好ましくない。
本発明に用いる熱変色性インクには、水溶性溶剤を用いることができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、単独或いは混合して使用することができる。
また、熱変色性インクには、増粘剤を用いることができ、例えば、合成高分子、天然ゴム、セルロースおよび多糖類からなる群から選ばれた少なくとも一種が望ましい。具体的には、アラビアガム、トラガカントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キサンタンガム、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸及びその塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸及びその塩、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレシオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、架橋型アクリル酸重合体及びその塩、非架橋型アクリル酸重合体及びその塩、スチレンアクリル酸共重合体及びその塩などが挙げられる。
本発明に用いる熱変色性インクおいて、隠蔽性を向上させる点から、更に、隠蔽性顔料を含有せしめることが望ましい。
用いることができる隠蔽性顔料としては、隠蔽性及び白色性を発揮せしめる粒子であれば特に限定されるものでないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛の中から選ばれる少なくとも1種または2種が挙げられる。これらの粒子は、粒子表面が親油性表面処理されている隠蔽性顔料であってよいものである。
また、用いる隠蔽性顔料は、平均粒径が0.05〜20μmの使用が好ましく、特に好ましくは、平均粒径が0.1〜10μmの使用が望ましい。
具体的に用いることができる隠蔽性顔料として、酸化チタンとしてはルチル型、アナターゼ型等の酸化チタンが使用でき、例えば、KR−380(チタン工業社製、平均粒径0.5μm、親油性処理TiO)、ITT−2 CR−50(日光ケミカルズ社製、平均粒径0.3μm、有機チタネート処理TiO)、ITT−7 TTO−S−3(日光ケミカルズ社製、平均粒径0.05μm、有機チタネート処理)などが挙げられる。
酸化亜鉛としては、例えば、NANOFINE P−2(堺化学工業社製、平均粒径0.05μm)が挙げられる。
これらの隠蔽性顔料の形状は、特に限定されず、例えば、球状、楕円状、針状などが挙げられる。
これらの隠蔽性顔料の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは、1〜50%、更に好ましくは、2〜40%とすることが望ましい。
また、本発明の熱変色性インクにおいて、インク組成物中には、更に、上記マイクロカプセル顔料の他、染料、顔料の着色性を有する色材を含有せしめてもよいものである。用いることができる顔料としては、例えば、アゾ系顔料、縮合ポリアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、金属錯塩顔料、チオインジゴ顔料、染料レーキ顔料、蛍光顔料等の有機顔料及びカーボンブラック、酸化チタン等の無機顔料が挙げられ、更に、表面を樹脂コーティングで加工した加工顔料、例えば、マイクロリスAタイプ各種、ASブラック、ASブルー、IKレッド等の少なくとも1種が挙げられ、また、染料としては、例えば、油溶性染料、スピリットソルブル染料等のソルベント染料、ロイコ染料などの少なくとも1種を挙げることができる。
これらの色材の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは、0〜30%、更に好ましくは、0〜20%とすることが望ましい。
これらの色材を含有せしめた隠蔽性複合粒子を熱変色性インクに用いると、更に、被筆記体の色相を隠蔽し良好に発色するマーキング性能を有した熱変色性インクとすることができるものとなる。
本発明となる熱変色性筆記具は、上記構成の熱変色性インクを軸本体(軸筒)に収容し、且つ前端に前記熱変色性インクが吐出可能な線幅2mm以上の描線幅が得られるペン先を設けたものであれば、特に限定されず、例えば、上記構成のインク組成物に対しては、攪拌子を内蔵するような筆記具構造が挙げられ、その他の筆記具構造、攪拌子の形状等は種々変更することができる。筆記具に内蔵される攪拌子が攪拌時に内壁に当たる構造とすれば、攪拌時に筆記具内で音が鳴るので、攪拌確認が容易となる構造とすることができる。
本発明となる熱変色性筆記具10としては、例えば、図2及び図3に示すように、先端が開口した有底筒状の本体容器11と、該容器本体11に嵌合により取り付けられた先端が開口する先軸部12と、該先軸部12の先端開口部から突出するように挿入された線幅2mm以上の描線幅が得られるペン先となる筆記用尖端13がインク吸蔵体となるホルダー部材14により保持され、前記先軸部12内部には、前記本体容器10に収容された本発明に用いる熱変色性インクの流出を規制するバルブ体15が収容され、前記本体容器10内には、さらに前記インクを撹拌する上述の物性を有するボール状の撹拌子16が収容される構成の熱変色性筆記具により達成することができる。17はキャップである。
上記バルブ体15は、上記筆記用尖端13の後退に連動して後退可能な弁棒15aと、該弁棒15aを上記筆記用尖端13の方向に付勢するスプリング部材15bと、軸筒11から筆記用尖端13へのインク流路を閉鎖・開放する弁座体15cとを備え、上記筆記用尖端13を押圧することにより弁棒15aが後退して弁棒15aに形成した弁体15dが弁座体15cの弁座15eから離れ、軸筒11内の熱変色性インクIを筆記用尖端13に供給せしめるものとなる。
キャップ17は、先軸12の外周面に嵌合等により着脱自在に取り付けられるものであり、筆記用尖端13を保護する内キャップ部17aと、筒状型の外キャップ部17bと、天冠17cとから構成され、該天冠部17cが係止部17dにより装着されている。
この実施形態において、攪拌子16を含む前記容器本体10、前記先軸部12、筆記用尖端13及びバルブ体15を図の通り構成すれば、比重の大きい隠ぺい性粒子を含む熱変色性インクであっても問題なく撹拌することができ、音が鳴ることによって攪拌確認が可能となる。
また、本実施形態では、図1に示すように、この構造の熱変色性筆記具10を8本備えたものであり、例えば、8本の各容器本体10に収容する熱変色性インクをそれぞれインク色違いとなる各色(黒色、赤色、青色、緑色、黄色、橙色、桃色、空色)としたものである。
本発明の熱変色性筆記具セットAでは、上記のような各熱変色性筆記具10により形成された筆跡を変色させるためには、筆跡を摩擦する別体の摩擦部材から構成される摩擦体を用いるものである。
上記のような筆記具に摩擦部材から構成される摩擦体を設けることにより、携帯性に優れた筆記具が得られるが、このような熱変色インク組成物を収容する筆記具の場合には、筆記または描画した直後では、描線は乾燥しておらず摩擦部材による消色または変色は事実上不可能である。即ち、消色または変色のための摩擦体を上記のような筆記具に設けて、筆記または描画の後すぐに摩擦体を使用できるように構成する意義は少ないといえる。
また、このような筆記具は、文字の筆記もさることながら、描画に用いられることも多々あるため、描画後に消色または変色をさせようとする場合、摩擦体は大きな面積を擦過しなければならないため、その大きさは大きいほど良いといえる。このため、摩擦体は少なくとも上記筆記具の描線よりも幅広であることが好ましく、更には筆記具の軸筒の幅よりも大きいことがより好ましい。その大きい方が良い摩擦体を筆記具に設ける形態とすると、意匠上の工夫をしない限りは見苦しいものとなり、また、収納に際して不都合を来すものとなってしまう。
即ち、本発明における摩擦部材から構成される摩擦体は、上記の筆記具に設けることもできるが、独立した摩擦具として構成し、筆記具10と組み合わせて筆記具セットとするものである。例えば、図4に示すような摩擦部材からなる摩擦体20、本実施形態では、摩擦体20の幅が筆記具10の幅以上の幅に設定されている摩擦体20を、図1、図5に示すとおり、仕切り部材25a、25bにより、複数の熱変色筆記具10、10、10…と共に、凹状の収納ケース30へ収納し、熱変色筆記具セットとすることができる。なお、この熱変色筆記具セットAには、図6及び図7に示すように、収納される熱変色筆記具10の収納ケース外部から視認できるように透明体などからなる視認性を有する窓部35を有する蓋体36が取り付けられる構造となっている。
この摩擦体20は、弾性感に富み、摩擦時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるエラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体により構成されるものが好適であるが、プラスチック成形体や金属であってもよい。
なお、消しゴムを使用して筆跡を摩擦することもできるが、摩擦時に消しカスが発生するため、好ましくは前述のような摩擦部材が用いられる。
前記摩擦体の材質としては、特に、シリコーン樹脂やSEBS樹脂(スチレンエチレンブタジエンスチレンブロック共重合体)が好適に用いられる。
この摩擦体20の大きさ、形状などは特に限定されないが、上述の如く、前記摩擦体20の厚みが筆記具の厚み以上の厚みであることが好ましく、また、前記摩擦体の幅が前記筆記具の幅以上の幅であることが好ましく、更に、前記摩擦体が前記筆記具の長さ以上の長さ、または、前記摩擦体が前記筆記具と同じ形状としてもよいものである。そして、前記摩擦体の厚み、幅、あるいは、長さを、それぞれ、筆記具の厚み、幅、あるいは、長さの整数倍であるように成形することによって、筆記具と摩擦体のセットを構成する際に比較的隙間なくセットを構成することができ、セット内でのガタツキ等が無く安定した筆記具セットとすることができる。
このように構成される本発明となる熱変色性筆記具セットAでは、内部に熱変色性インクを収容し且つ前端に前記熱変色性インクが吐出可能な線幅2mm以上の描線幅が得られるペン先を設けた熱変色性筆記具10の複数本、本実施形態では8本と、前記熱変色性インクの2mm以上の線幅の筆跡を被覆可能であり、その擦過の際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インクの筆跡を熱変色可能な摩擦体20と、それらを収納ケース30に収納しセットとすることより、筆記・描画の面積が大きく、消去又は変色を行いたいときでも、広い面積の消去を即座に、かつ、難なく行うことができので、摩擦体を紛失し難い熱変色性筆記具と幅広の摩擦体との熱変色性筆記具セットが得られるものとなる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の形態に変更することができる。
上記熱変色性筆記具セットの実施形態では、前記摩擦体20と前記収納ケース30を別体としたが、摩擦体20と収納ケース30が一体となっている構成、具体的には、ケースの角部又は周縁部が摩擦体となっていれば摩擦しやすく便利であるが、ケース全体が摩擦体から成形される構成となっていてもよい。例えば、図8に示すように、収納ケース35の蓋体36の四つの角部に形状の相異なる凸型の摩擦体20a,20b,20c,20dを設ける構造であってもよいものである。この各4つの摩擦体の凸型形状を相違せしめることにより、接地面の幅を、異なる複数の接地面の幅を持つものとすることができ、一度に擦れる幅が狭いものから広い摩擦体まで、更に、摩擦体の接地面の幅を複合的に形成することで様々な描線幅に適した擦る幅の選択が可能となる摩擦体と収納ケースが一体となった熱変色性筆記具セットが得られるものとなる。
上記熱変色性筆記具セットの実施形態では、8本(8色)の熱変色性筆記具10を用いたが、その他の実施形態として、例えば、2本(2色)〜7本、9〜15本(15色)程度の熱変色性筆記具10を用いても良く、また、この熱変色性筆記具の本数に応じて、例えば、熱変色性筆記具10を12本用いるセットでは、摩擦体20を2個、または3個、収納ケース30に収納するセットとしてもよいものである。図9は、図8の収納ケース35の蓋体36の四つの角部に形状の相異なる凸型の摩擦体20a,20b,20c,20dを設ける構造であって、熱変色性筆記具10が3本からなる熱変色性筆記具セットである。
また、上記実施形態の熱変色性筆記具セットにおいて、熱変色性インクを直接本体容器10に収容する構成としたが、多孔質体に含浸され容器本体に収容される構成としてもよく、この場合、バルブ体を設けることなく、中継芯等を介してペン先となる筆記用尖端に供給せしめる構造としても良いものである。
更に、上記実施形態の熱変色性筆記具セットでは、単色筆記具の組み合わせのセットとしたが、インクカートリッジを補充する、あるいは、使用前にインクを調合できる等、いわゆる筆記具の組み立てセットとしてもよいものである。
次に、実施例により、本発明を更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(熱変色性筆記具セットの構成:図1〜図7準拠)
〔マイクロカプセル顔料:A−1の処方〕
ロイコ色素:6−(ジメチルアミノ)−3,3−ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1(3H)−イソベンゾフラノン1部、顕色性物質:ビスフェノールA2部、及び変色温度調整剤:4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジラウレート24部を加熱溶融後、95℃、pH4に調整したメチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重樹脂(GANTREZAN−179:GAF CHEMICALS社製)水溶液400部に投入し、過熱攪拌して油滴状に分散させ、次いでカプセル膜剤として、50%メチロールメラミン水溶液20部を徐々に投入し、引き続き1時間反応させて調製した。この分散液を濾過することによりマイクロカプセル顔料を得た。なお、出来上がったマイクロカプセル顔料の平均粒子径は0.3μmであった。
〔熱変色インク組成物の処方〕
(摩擦体による擦過前青色のインク)
顔料A−1 15質量%
二酸化チタン 15質量%
ソルスパース44000 1質量%
グリセリン 10質量%
POE(15)オレイルアミン 1質量%
ベンゾイソチアゾリン 0.2質量%
イオン交換水 57.8質量%
上記顔料A−1及びベンゾイソチアゾリン以外の各成分を高速ディスパーによる撹拌混合後、ボールミルによって二酸化チタンの分散を行い、この分散液に顔料A−1及びベンゾイソチアゾリンを加え、撹拌混合を行い、擦過前の色相が青色のインク組成物とした。
他の熱変色インク組成物として、上記ロイコ色素(青色)を各色(黒色、赤色、緑色、黄色、橙色、桃色、空色)に代えて、上記と同様組成として各色のインク組成物を調製した。
〔筆記具への充填〕
上記のとおり調製した各熱変色インク組成物をバルブ式筆記具PC−5M及びPC−8K(商品名:ポスカ、筆記幅はそれぞれ2mmと8mm、三菱鉛筆株式会社製)に充填し、筆記具を構成した。
〔摩擦体〕
SEBS樹脂を厚み5mm、幅30mm、長さ50mmの直方体に成形し、摩擦部材とした。
(熱変色筆記具セットの作製)
上記のPC−5M及びPC−8K、並びに、上記摩擦部材を図1、図5〜図7に準拠する収容可能な最小限のケースを作成し、セットを構成した。
〔実施例2、収納ケースのみ図8準拠〕
熱変色インク組成物は、上記実施例1と同様に8色を調整し、これらを上記のバルブ式筆記具PC−8Kに充填し、筆記具を構成した。摩擦体20も上記実施例1と同様に作製し、収納した。
〔収納ケース〕
上記のPC−8Kを収容可能な図8に準拠する収納ケースの蓋体をSEBS樹脂により成形して作成し、セットを構成した。
この実施例2の場合、収納ケースの蓋体全体が摩擦体として使用可能であり、特に各角部に形状の異なる凸型の摩擦体を備えるので、例えば、ケース角部又は周縁部で摩擦することにより収納する摩擦体で摩擦可能な幅よりも広い幅を摩擦することができる。また、仮に収納した摩擦体を紛失した場合でも、ケースの角で摩擦することにより、狭い範囲の摩擦にも対応することができる。
上記実施例1及び2の熱変色筆記具セットは、筆記・描画の面積が大きく、消去又は変色を行いたいときでも、広い面積の消去を即座に、かつ、難なく行うことができ、摩擦体を紛失し難い熱変色性筆記具と幅広の摩擦体との熱変色性筆記具セットとなることが判った。
マーキングペン、サインペンなどに好適に使用できる熱変色性筆記具セットとなる。
A 熱変色性筆記具セット
10 筆記具
11 容器本体
12 先軸部
13 筆記用尖端
14 ホルダー部材
15 バルブ体
16 撹拌子
17 キャップ
20 摩擦体
30 収納ケース

Claims (11)

  1. 内部に熱変色性インクを収容し且つ前端に前記熱変色性インクが吐出可能な線幅2mm以上の描線幅が得られるペン先を設けた熱変色性筆記具複数本と、前記熱変色性インクの2mm以上の線幅の筆跡を被覆可能であり、その擦過の際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インキの筆跡を熱変色可能な摩擦体と、それらを収納ケースに収納しセットとすることを特徴とする熱変色性筆記具セット。
  2. 複数本の熱変色性筆記具がそれぞれインク色違いであってもよいことを特徴とする請求項1記載の熱変色性筆記具セット。
  3. 前記熱変色性インクがマイクロカプセルに収容されていることを特徴とする請求項1に記載の熱変色性筆記具セット。
  4. 前記熱変色性インクが多孔質体に含浸され前記筆記具に収容されることを特徴とする請求項1記載の熱変色性筆記具セット。
  5. 前記熱変色性インクには、隠ぺい性粒子を含むことを特徴とする請求項1記載の熱変色性筆記具セット。
  6. 前記摩擦体の厚みが前記筆記具の厚み以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の熱変色性筆記具セット。
  7. 前記摩擦体の幅が前記筆記具の幅以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の熱変色性筆記具セット。
  8. 前記摩擦体が前記筆記具の長さ以上の長さであることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の熱変色性筆記具セット。
  9. 前記摩擦体の厚み、幅、あるいは、長さが、それぞれ、筆記具の厚み、幅、あるいは、長さの整数倍であることを特徴とする請求項6〜8の何れか一つに記載の熱変色性筆記具セット。
  10. 前記摩擦体が前記筆記具と同じ形状であることを特徴とする請求項6〜8の何れか一つに記載の熱変色性筆記具セット。
  11. 前記摩擦体と前記収納ケースが一体となっていることを特徴とする請求項1〜10の何れか一つに記載の熱変色性筆記具セット。
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