JP3134893B2 - 記録装置 - Google Patents
記録装置Info
- Publication number
- JP3134893B2 JP3134893B2 JP04024601A JP2460192A JP3134893B2 JP 3134893 B2 JP3134893 B2 JP 3134893B2 JP 04024601 A JP04024601 A JP 04024601A JP 2460192 A JP2460192 A JP 2460192A JP 3134893 B2 JP3134893 B2 JP 3134893B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording
- recording medium
- liquid
- contact
- latent image
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
- Printing Methods (AREA)
- Duplication Or Marking (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な記録装置に関し、
詳しくは、表面が特定性状を示す記録体の表面に、選択
的かつ可逆的に、加熱温度に応じた後退接触角を示す領
域が形成されるようにし、この領域(潜像)に着色材を含
有する記録剤(溶液又は分散液の形態で用いられる)を
供給して顕像化せしめ、これを普通紙等に転写せしめる
ようにした記録方式に有用な装置に関する。
詳しくは、表面が特定性状を示す記録体の表面に、選択
的かつ可逆的に、加熱温度に応じた後退接触角を示す領
域が形成されるようにし、この領域(潜像)に着色材を含
有する記録剤(溶液又は分散液の形態で用いられる)を
供給して顕像化せしめ、これを普通紙等に転写せしめる
ようにした記録方式に有用な装置に関する。
【0002】
【従来の技術】表面を液体付着性領域と非液体付着性領
域とに区分けして画像形成に供するようにした手段の代
表的なものとしては平版印刷版を用いたオフセット印刷
方式があげられる。だが、このオフセット印刷方式にお
いて原版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの印刷工
程を一つの装置内に組込むことは装置の大型化が避けら
れない。例えば、比較的小型化されている事務用オフセ
ット製版印刷機においても、多くの場合、製版装置と印
刷装置とは別個になっているのが実情である。
域とに区分けして画像形成に供するようにした手段の代
表的なものとしては平版印刷版を用いたオフセット印刷
方式があげられる。だが、このオフセット印刷方式にお
いて原版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの印刷工
程を一つの装置内に組込むことは装置の大型化が避けら
れない。例えば、比較的小型化されている事務用オフセ
ット製版印刷機においても、多くの場合、製版装置と印
刷装置とは別個になっているのが実情である。
【0003】このようなオフセット印刷方式の欠陥を解
消することを意図して、画像情報に応じた液体付着性領
域及び非液体付着性領域が形成でき、しかも、繰返し使
用が可能な(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案
されるようになってきている。その幾つかをあげれば次
のとおりである。 (1) 水性現像方式 疎水性の光導電体層に外部より電荷を与えた後、露光し
て光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパタ
ーンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させて
紙などに転写する(特公昭40-18992号、特公昭40-18993
号、特公昭44-9512号、特開昭63-264392号などの公
報)。 (2) フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方式 スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫外
線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミッ
ク化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37巻4
号、287頁(1980)〕。 (3) 内部偏倚力の作用を利用した方式 不定形状態と結晶性状態とを物理的変化により形成し、
液体インクの付着・非付着領域を構成する(特公昭54-41
902号公報)。
消することを意図して、画像情報に応じた液体付着性領
域及び非液体付着性領域が形成でき、しかも、繰返し使
用が可能な(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案
されるようになってきている。その幾つかをあげれば次
のとおりである。 (1) 水性現像方式 疎水性の光導電体層に外部より電荷を与えた後、露光し
て光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパタ
ーンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させて
紙などに転写する(特公昭40-18992号、特公昭40-18993
号、特公昭44-9512号、特開昭63-264392号などの公
報)。 (2) フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方式 スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫外
線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミッ
ク化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37巻4
号、287頁(1980)〕。 (3) 内部偏倚力の作用を利用した方式 不定形状態と結晶性状態とを物理的変化により形成し、
液体インクの付着・非付着領域を構成する(特公昭54-41
902号公報)。
【0004】前記(1)の方式によれば、水性インクを紙
などに転写した後、除電により親水性部は消去され、別
の画像情報の記録が可能となる。即ち、一つの原版(光
導電体)で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式
は電子写真プロセスを基本としているため帯電→露光→
現像→転写→除電という長いプロセスを必要とし、装置
の小型化やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難
であるといった欠点をもっている。前記(2)の方式によ
れば、紫外線と可視光との照射を選択的にかえることに
よって親水性、疎水性を自由かつ可逆的に制御できるも
のの、量子効率が悪いため反応時間が非常に長くて記録
速度が遅く、また安定性に欠けるといった欠点をもって
おり、いまだ実用レベルには達していないのが実情であ
る。更に、前記(3)の方式によれば、そこで使用され
る情報記録部材は、記録後のものでは安定性があるが、
記録前のものでは温度変化により物理的構造変化が生じ
るおそれがあることから保存性に問題が残されている。
これに加えて、記録された情報パターンの消去には熱パ
ルスを与え、次いで急冷する手段が採用されることか
ら、繰り返しの画像形成は繁雑さをまねがれ得ないとい
った不都合がある。
などに転写した後、除電により親水性部は消去され、別
の画像情報の記録が可能となる。即ち、一つの原版(光
導電体)で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式
は電子写真プロセスを基本としているため帯電→露光→
現像→転写→除電という長いプロセスを必要とし、装置
の小型化やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難
であるといった欠点をもっている。前記(2)の方式によ
れば、紫外線と可視光との照射を選択的にかえることに
よって親水性、疎水性を自由かつ可逆的に制御できるも
のの、量子効率が悪いため反応時間が非常に長くて記録
速度が遅く、また安定性に欠けるといった欠点をもって
おり、いまだ実用レベルには達していないのが実情であ
る。更に、前記(3)の方式によれば、そこで使用され
る情報記録部材は、記録後のものでは安定性があるが、
記録前のものでは温度変化により物理的構造変化が生じ
るおそれがあることから保存性に問題が残されている。
これに加えて、記録された情報パターンの消去には熱パ
ルスを与え、次いで急冷する手段が採用されることか
ら、繰り返しの画像形成は繁雑さをまねがれ得ないとい
った不都合がある。
【0005】本発明者らは従来のかかる欠点・不都合を
解消するための研究、検討を行ってきた。その結果、特
定の記録体(加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後
退接触角が低下する表面を有する記録体で、便宜上、単
に「記録体」又は「記録体(A)」という)及び接触材料
(液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の低下開始
温度以下で液体となるか液体もしくは蒸気を発生する固
体)を用い、記録体(A)の表面を接触材料(B)と接触させ
た状態で選択的に加熱する(この加熱は記録体(A)の表
面側、裏面側からのいずれでもかまわない)ことにより
又は記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態で接触材
料(B)と接触させることにより記録体(A)の表面に加熱温
度に応じた後退接触角を示す潜像を形成せしめ、この潜
像に着色材を含む記録剤で顕像化した後、続いて、この
可視像を記録紙に転写する方法を並びにこれに関連した
装置を提案した(西独公開特許第4010275号公
報)。ここに提案した方法等によれば、記録体上への潜
像並びに可視像の形成、可視像の普通紙等(被転写体)へ
の転写、及び潜像の消去が極めて簡単にかつ可逆的に行
えるため、多数枚複写が容易に行えることは勿論、異な
った複写画像でも連続的に得ることができる。
解消するための研究、検討を行ってきた。その結果、特
定の記録体(加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後
退接触角が低下する表面を有する記録体で、便宜上、単
に「記録体」又は「記録体(A)」という)及び接触材料
(液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の低下開始
温度以下で液体となるか液体もしくは蒸気を発生する固
体)を用い、記録体(A)の表面を接触材料(B)と接触させ
た状態で選択的に加熱する(この加熱は記録体(A)の表
面側、裏面側からのいずれでもかまわない)ことにより
又は記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態で接触材
料(B)と接触させることにより記録体(A)の表面に加熱温
度に応じた後退接触角を示す潜像を形成せしめ、この潜
像に着色材を含む記録剤で顕像化した後、続いて、この
可視像を記録紙に転写する方法を並びにこれに関連した
装置を提案した(西独公開特許第4010275号公
報)。ここに提案した方法等によれば、記録体上への潜
像並びに可視像の形成、可視像の普通紙等(被転写体)へ
の転写、及び潜像の消去が極めて簡単にかつ可逆的に行
えるため、多数枚複写が容易に行えることは勿論、異な
った複写画像でも連続的に得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記提案した装置等の
概略は図1に示したとおりである。ここで、記録体1表
面への加熱手段(加熱源)としてサーマルヘッド2が用
いられ、液体3の存在下に、サーマルヘッド2で記録体
1の表面側からこれを直接加熱する方法が採用されたと
きは、低エネルギー駆動であり、装置構成も簡単である
といった利点がある。図中、4は記録剤、5は現像ロー
ラ、6は転写ローラを表わしており、Pは記録紙を表わ
している。だがその一方で、この構成で画像信号に応じ
てサーマルヘッド2を駆動させると液体3が同時に加熱
されるため、時として、液体3が発泡して気泡7を生じ
せしめ、サーマルヘッド2が液体3を介在させることな
く記録体1表面に接し、その結果、記録体1表面に良質
な潜像形成が行なえない、といった不都合が認められて
いた(図5)。本発明の目的は、かかる不都合が未然に
防止され、記録体(A)に良好な潜像が形成でき、ひいて
は良質の転写画像が記録紙に得られるようにした記録装
置を提供するものである。
概略は図1に示したとおりである。ここで、記録体1表
面への加熱手段(加熱源)としてサーマルヘッド2が用
いられ、液体3の存在下に、サーマルヘッド2で記録体
1の表面側からこれを直接加熱する方法が採用されたと
きは、低エネルギー駆動であり、装置構成も簡単である
といった利点がある。図中、4は記録剤、5は現像ロー
ラ、6は転写ローラを表わしており、Pは記録紙を表わ
している。だがその一方で、この構成で画像信号に応じ
てサーマルヘッド2を駆動させると液体3が同時に加熱
されるため、時として、液体3が発泡して気泡7を生じ
せしめ、サーマルヘッド2が液体3を介在させることな
く記録体1表面に接し、その結果、記録体1表面に良質
な潜像形成が行なえない、といった不都合が認められて
いた(図5)。本発明の目的は、かかる不都合が未然に
防止され、記録体(A)に良好な潜像が形成でき、ひいて
は良質の転写画像が記録紙に得られるようにした記録装
置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、下記記
録体(A)の表面を下記接触材料(B)と接触させた状
態で選択的に加熱することにより又は記録体(A)の表
面を選択的に加熱した状態で接触材料(B)と接触させ
ることにより記録体(A)の表面に加熱温度の高さに応
じて後退接触角を減少させた潜像を形成せしめる接触材
料(B)を記録体(A)表面に供給する手段と、記録体
(A)表面を画像信号に応じ選択的に加熱し潜像を形成
する手段と、該潜像を顕像化させる記録剤の付与手段
と、記録体(A)上に付着した記録剤を記録紙へ転写せ
しめる手段と、記録体(A)上の残留記録剤を除去する
手段と、該記録体(A)上の潜像を消去する手段とを設
けた記録装置において、前記の接触材料(B)の沸点が
潜像形成のための加熱温度よりも高いものであることを
特徴としている。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
角が低下する性質を有する表面層が設けられてなる記録
体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
低下開始温度以下で液体となるか、液体もしくは蒸気を
発生する固体。
録体(A)の表面を下記接触材料(B)と接触させた状
態で選択的に加熱することにより又は記録体(A)の表
面を選択的に加熱した状態で接触材料(B)と接触させ
ることにより記録体(A)の表面に加熱温度の高さに応
じて後退接触角を減少させた潜像を形成せしめる接触材
料(B)を記録体(A)表面に供給する手段と、記録体
(A)表面を画像信号に応じ選択的に加熱し潜像を形成
する手段と、該潜像を顕像化させる記録剤の付与手段
と、記録体(A)上に付着した記録剤を記録紙へ転写せ
しめる手段と、記録体(A)上の残留記録剤を除去する
手段と、該記録体(A)上の潜像を消去する手段とを設
けた記録装置において、前記の接触材料(B)の沸点が
潜像形成のための加熱温度よりも高いものであることを
特徴としている。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
角が低下する性質を有する表面層が設けられてなる記録
体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
低下開始温度以下で液体となるか、液体もしくは蒸気を
発生する固体。
【0008】本発明の第2は、下記記録体(A)の表面
を下記接触材料(B)と接触させた状態で選択的に加熱
することにより又は記録体(A)の表面を選択的に加熱
した状態で接触材料(B)と接触させることにより記録
体(A)の表面に加熱温度の高さに応じて後退接触角を
減少させた潜像を形成せしめる接触材料(B)を記録体
(A)表面に供給する手段と、記録体(A)表面を画像
信号に応じ選択的に加熱し潜像を形成する手段と、該潜
像を顕像化させる記録剤の付与手段と、記録体(A)上
に付着した記録剤を記録紙へ転写せしめる手段と、記録
体(A)上の残留記録剤を除去する手段と、該記録体
(A)上の潜像を消去する手段とを設けた記録装置にお
いて、前記潜像形成のための加熱源が接触材料(B)側
に設けられ、かつ、その加熱源の記録体(A)表面に接
する面が一様に平坦で鏡面となっていることを特徴とし
ている。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
角が低下する性質を有する表面層が設けられてなる記録
体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
低下開始温度以下で液体となるか、液体もしくは蒸気を
発生する固体。
を下記接触材料(B)と接触させた状態で選択的に加熱
することにより又は記録体(A)の表面を選択的に加熱
した状態で接触材料(B)と接触させることにより記録
体(A)の表面に加熱温度の高さに応じて後退接触角を
減少させた潜像を形成せしめる接触材料(B)を記録体
(A)表面に供給する手段と、記録体(A)表面を画像
信号に応じ選択的に加熱し潜像を形成する手段と、該潜
像を顕像化させる記録剤の付与手段と、記録体(A)上
に付着した記録剤を記録紙へ転写せしめる手段と、記録
体(A)上の残留記録剤を除去する手段と、該記録体
(A)上の潜像を消去する手段とを設けた記録装置にお
いて、前記潜像形成のための加熱源が接触材料(B)側
に設けられ、かつ、その加熱源の記録体(A)表面に接
する面が一様に平坦で鏡面となっていることを特徴とし
ている。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
角が低下する性質を有する表面層が設けられてなる記録
体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
低下開始温度以下で液体となるか、液体もしくは蒸気を
発生する固体。
【0009】かかる本発明装置では、記録剤(溶液又は
分散液の形態で用いられる)として例えば液状インクの
ごときものを用いるようにすれば、接触材料(B)の供給
手段を省略することができ、また、接触材料(B)として
液状インクのごときものを用いるようにすれば潜像形成
と同時に顕像化されるため記録剤の付与手段を省略する
ことができる。勿論、こうした手法が採られるために
は、潜像形成時に接触液体或いは、記録剤が発泡し気泡
を生じさせないように配慮される。なお、本発明装置に
おいては、前記潜像が形成された記録体(A)の表面を接
触材料(B)の不存在下で加熱することによって潜像の消
去が行なえ、可逆的に画像形成がなし得るものである。
分散液の形態で用いられる)として例えば液状インクの
ごときものを用いるようにすれば、接触材料(B)の供給
手段を省略することができ、また、接触材料(B)として
液状インクのごときものを用いるようにすれば潜像形成
と同時に顕像化されるため記録剤の付与手段を省略する
ことができる。勿論、こうした手法が採られるために
は、潜像形成時に接触液体或いは、記録剤が発泡し気泡
を生じさせないように配慮される。なお、本発明装置に
おいては、前記潜像が形成された記録体(A)の表面を接
触材料(B)の不存在下で加熱することによって潜像の消
去が行なえ、可逆的に画像形成がなし得るものである。
【0010】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明装置で用いられる記録体(A)は液体に接した状態で
加熱されると冷却後においてもその後退接触角が低くな
り、かつ、液体不存在下の加熱により後退接触角が高く
なるという機能を有する部材で少なくとも表面が形成さ
れたものである。そして、このような機能を有する記録
体(A)はその表面が(1)疎水基の表面自己配向機能をもつ
有機化合物を含む部材、又は(2)疎水基をもつ有機化合
物であって疎水基を表面に配向した部材である。
発明装置で用いられる記録体(A)は液体に接した状態で
加熱されると冷却後においてもその後退接触角が低くな
り、かつ、液体不存在下の加熱により後退接触角が高く
なるという機能を有する部材で少なくとも表面が形成さ
れたものである。そして、このような機能を有する記録
体(A)はその表面が(1)疎水基の表面自己配向機能をもつ
有機化合物を含む部材、又は(2)疎水基をもつ有機化合
物であって疎水基を表面に配向した部材である。
【0011】(1)にいう“表面自己配向機能"とは、ある
化合物を支持体上に形成した固体又は或る化合物自体に
よる固体を空気中で加熱すると、表面において疎水基が
空気側(自由表面側)に向いて配向する性質があることを
意味する。このことは、(2)においても同様にいえるこ
とである。一般に、有機化合物では疎水基は疎水性雰囲
気側へ向きやすい性質をもっている。これは、固-気界
面の界面エネルギーが低くなる方に向うために生じる現
象である。また、この現象は疎水基の分子長が長くなる
ほどその傾向がみられるが、これは分子長が長くなるほ
ど加熱における分子の運動性が上がるためである。
化合物を支持体上に形成した固体又は或る化合物自体に
よる固体を空気中で加熱すると、表面において疎水基が
空気側(自由表面側)に向いて配向する性質があることを
意味する。このことは、(2)においても同様にいえるこ
とである。一般に、有機化合物では疎水基は疎水性雰囲
気側へ向きやすい性質をもっている。これは、固-気界
面の界面エネルギーが低くなる方に向うために生じる現
象である。また、この現象は疎水基の分子長が長くなる
ほどその傾向がみられるが、これは分子長が長くなるほ
ど加熱における分子の運動性が上がるためである。
【0012】更に具体的には、末端に疎水基を有する
(即ち表面エネルギーを低くする)分子であると、空気側
(自由表面側)を向いて表面配向しやすい。同様に(−CH2
−)nを含む直鎖状分子では(−CH2CH2−)の部分が平
面構造をしており、分子鎖どうしが配向しやすい。ま
た、(−Ph−)nを含む分子も−Ph−の部分が平面構造を
しており、分子鎖どうしが配向しやすい。なお、−Ph−
はp-フェニレン基である(以下同じ)。殊に、弗素など
の電気陰性度の高い元素を含む直鎖状分子は自己凝集性
が高く、分子鎖どうしが配向しやすい。
(即ち表面エネルギーを低くする)分子であると、空気側
(自由表面側)を向いて表面配向しやすい。同様に(−CH2
−)nを含む直鎖状分子では(−CH2CH2−)の部分が平
面構造をしており、分子鎖どうしが配向しやすい。ま
た、(−Ph−)nを含む分子も−Ph−の部分が平面構造を
しており、分子鎖どうしが配向しやすい。なお、−Ph−
はp-フェニレン基である(以下同じ)。殊に、弗素など
の電気陰性度の高い元素を含む直鎖状分子は自己凝集性
が高く、分子鎖どうしが配向しやすい。
【0013】これらの検討結果をまとめると、より好ま
しくは、自己凝集性の高い分子を含んだり平面構造をも
つ分子を有し、かつ、末端に疎水基を有する直鎖状分
子、或いは、そうした直鎖状分子を含む化合物は表面自
己配向機能が高い化合物といえる。
しくは、自己凝集性の高い分子を含んだり平面構造をも
つ分子を有し、かつ、末端に疎水基を有する直鎖状分
子、或いは、そうした直鎖状分子を含む化合物は表面自
己配向機能が高い化合物といえる。
【0014】これまでの記述から明らかなように、表面
自己配向状態と後退接触角とは関連があり、また、後退
接触角と液体付着性との間にも関係がある。即ち、固体
表面での液体の付着は、液体の固体表面での主にタッキ
ングによって生じる。このタッキングはいわば液体が固
体表面を滑べる時の一種の摩擦力とみなすことができ
る。従って、本発明でいう“後退接触角"θrには、 cosθr=γ(γs-γse-πe+γf)/γev (但し、 γ :真空中の固体の表面張力 γse:固-液界面張力 γev液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張力 πe :平衡表面張力 γf :摩擦張力 γs :吸着層のない固体の表面張力である) といった関係式が成立つ(斉藤、北崎ら「日本接着協会
誌」Vol.22、No.12,1986)。従って、θrの値が低くな
るときγf値は大きくなる。即ち、液体は固体面を滑べ
りにくくなり、その結果、液体は固体面に付着するよう
になる。
自己配向状態と後退接触角とは関連があり、また、後退
接触角と液体付着性との間にも関係がある。即ち、固体
表面での液体の付着は、液体の固体表面での主にタッキ
ングによって生じる。このタッキングはいわば液体が固
体表面を滑べる時の一種の摩擦力とみなすことができ
る。従って、本発明でいう“後退接触角"θrには、 cosθr=γ(γs-γse-πe+γf)/γev (但し、 γ :真空中の固体の表面張力 γse:固-液界面張力 γev液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張力 πe :平衡表面張力 γf :摩擦張力 γs :吸着層のない固体の表面張力である) といった関係式が成立つ(斉藤、北崎ら「日本接着協会
誌」Vol.22、No.12,1986)。従って、θrの値が低くな
るときγf値は大きくなる。即ち、液体は固体面を滑べ
りにくくなり、その結果、液体は固体面に付着するよう
になる。
【0015】これら相互の関連から推察しうるように、
液体付着性は後退接触角θrがどの程度であるかに左右
され、その後退接触角θrは表面自己配向機能を表面に
有する部材の何如により定められる。それ故、本発明装
置においては、記録体(A)はその表面に所望パターン領
域の形成及び/又は記録剤による顕像化の必要から、必
然的に、表面自己配向機能を表面に有する部材が選択さ
れねばならない。
液体付着性は後退接触角θrがどの程度であるかに左右
され、その後退接触角θrは表面自己配向機能を表面に
有する部材の何如により定められる。それ故、本発明装
置においては、記録体(A)はその表面に所望パターン領
域の形成及び/又は記録剤による顕像化の必要から、必
然的に、表面自己配向機能を表面に有する部材が選択さ
れねばならない。
【0016】これまで後退接触角と液体付着性との関係
等を縷縷述べてきたが、これらの事項については前記の
西独公開特許第4010275号公報により詳しく記載
されている。
等を縷縷述べてきたが、これらの事項については前記の
西独公開特許第4010275号公報により詳しく記載
されている。
【0017】本発明装置では記録体(A)上に可視像とし
て形成された記録剤液滴(以降「インク液滴」と称するこ
とがある)を記録紙へ転写するという手段がとられる。
て形成された記録剤液滴(以降「インク液滴」と称するこ
とがある)を記録紙へ転写するという手段がとられる。
【0018】以下に本発明をさらに詳細に説明する。先
に触れたように、本発明の意図するとことは、潜像形成
特に接触液体(潜像形成と顕像化が同時に行なわれると
きは記録剤)ができるかぎり発泡せず気泡を生じないよ
うにすることである。そのための手段としては次の3つ
が考えられる。
に触れたように、本発明の意図するとことは、潜像形成
特に接触液体(潜像形成と顕像化が同時に行なわれると
きは記録剤)ができるかぎり発泡せず気泡を生じないよ
うにすることである。そのための手段としては次の3つ
が考えられる。
【0019】潜像形成時の接触加熱時の液体の沸点を加
熱温度よりも高くすること。 ここでの液体は記録体への接触加熱時に液体であれば
良く、加熱前は蒸気でも固体でも良い。このような液体
は、水性系では水にグリセリン、エチレングリコール、
ジエチレングリコール等の多価アルコールを混合した液
体がよい。混合比は水/多価アルコール=1/9〜6/
4くらいが適当である。また、液体に染料や顔料などの
色材を含有して記録剤と兼用しても良い。また、液体は
予め脱気しておき装置内に組み込むのが望ましい。脱気
方法は真空脱気や加熱脱気で行なう。こうするとその液
体の沸点よりも低い温度での溶存ガスによる発泡を有効
に防止できる。
熱温度よりも高くすること。 ここでの液体は記録体への接触加熱時に液体であれば
良く、加熱前は蒸気でも固体でも良い。このような液体
は、水性系では水にグリセリン、エチレングリコール、
ジエチレングリコール等の多価アルコールを混合した液
体がよい。混合比は水/多価アルコール=1/9〜6/
4くらいが適当である。また、液体に染料や顔料などの
色材を含有して記録剤と兼用しても良い。また、液体は
予め脱気しておき装置内に組み込むのが望ましい。脱気
方法は真空脱気や加熱脱気で行なう。こうするとその液
体の沸点よりも低い温度での溶存ガスによる発泡を有効
に防止できる。
【0020】潜像形成の加熱源(サーマルヘッド)2
が液体3側にあり記録体1表面に接している(図1)場
合、加熱源2の表面を鏡面にすること。鏡面の表面粗さ
は液体の沸騰の核の大きさよりも緩やかであれば良い。
通常のサーマルヘッドは基板と熱素子で段差があり表面
に凹凸がある。この凸部のエッジは沸騰の核になりやす
い。そこで凹部をコーチングにより埋めて表面を平坦化
する。図3に示したごとく、加熱源15が記録体1の裏
側から接触する場合は記録体表面の粗さが上記のごとく
鏡面であることが望ましい。
が液体3側にあり記録体1表面に接している(図1)場
合、加熱源2の表面を鏡面にすること。鏡面の表面粗さ
は液体の沸騰の核の大きさよりも緩やかであれば良い。
通常のサーマルヘッドは基板と熱素子で段差があり表面
に凹凸がある。この凸部のエッジは沸騰の核になりやす
い。そこで凹部をコーチングにより埋めて表面を平坦化
する。図3に示したごとく、加熱源15が記録体1の裏
側から接触する場合は記録体表面の粗さが上記のごとく
鏡面であることが望ましい。
【0021】加熱源の最高温度を接触液体の沸点より
も低くすること。例えば加熱源としてサーマルヘッドを
用いるとき、駆動時に各熱素子の中心付近が最も高温と
なるが、この温度を液体の沸点以下になるように駆動す
る。そうした方法としては図4に示したごとく、パルス
幅の短い駆動パルス(a)を一つのドット(b)に対し
て多数回印加する。また、図4のごとく、熱素子(発熱
抵抗体)8の中心部を抜けることで温度を上昇させない
ようにする。図4で、9はリード電極を表わしている。
も低くすること。例えば加熱源としてサーマルヘッドを
用いるとき、駆動時に各熱素子の中心付近が最も高温と
なるが、この温度を液体の沸点以下になるように駆動す
る。そうした方法としては図4に示したごとく、パルス
幅の短い駆動パルス(a)を一つのドット(b)に対し
て多数回印加する。また、図4のごとく、熱素子(発熱
抵抗体)8の中心部を抜けることで温度を上昇させない
ようにする。図4で、9はリード電極を表わしている。
【0022】接触材料(B)のうちの液体については既述
のとおりであるが、接触材料(B)は、端的にいえば、当
初から液体あるいは蒸気であるか、又は、記録体(A)に
いう後退接触角θrの低下開始温度以下で結果的に液体
を生じさせる固体である。ここでの蒸気は、記録体(A)
の表面又は表面近傍で、少なくともその一部が凝縮して
液体を生ぜしめ、その液体が記録体(A)の表面を濡らす
ことができるものであれば充分である。一方、ここでの
固体は、前記後退接触角θrの低下開始温度以下で液体
となるか、液体を発生させるか、又は、蒸気を発生させ
るものである。固体から発生された蒸気は記録体(A)の
表面又はその近傍で凝縮して液体を生じさせることは前
記の場合と同様である。接触材料(B)の他の一つである
蒸気としては水蒸気の外に、接触材料(B)の液体の蒸気
であれば使用できるが、特にエタノール蒸気やm-キシレ
ン蒸気などの有機化合物の蒸気(噴霧状態のものを含む)
があげられる。この有機化合物蒸気の温度は記録体(A)
の表面を形成する化合物の融点或いは軟化点以下である
必要がある。接触材料(B)の他のもう一つである固体と
しては、高級脂肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲ
ル(ポリアクリルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲ
ル)、シリカゲル、結晶水を含んだ化合物などがあげら
れる。
のとおりであるが、接触材料(B)は、端的にいえば、当
初から液体あるいは蒸気であるか、又は、記録体(A)に
いう後退接触角θrの低下開始温度以下で結果的に液体
を生じさせる固体である。ここでの蒸気は、記録体(A)
の表面又は表面近傍で、少なくともその一部が凝縮して
液体を生ぜしめ、その液体が記録体(A)の表面を濡らす
ことができるものであれば充分である。一方、ここでの
固体は、前記後退接触角θrの低下開始温度以下で液体
となるか、液体を発生させるか、又は、蒸気を発生させ
るものである。固体から発生された蒸気は記録体(A)の
表面又はその近傍で凝縮して液体を生じさせることは前
記の場合と同様である。接触材料(B)の他の一つである
蒸気としては水蒸気の外に、接触材料(B)の液体の蒸気
であれば使用できるが、特にエタノール蒸気やm-キシレ
ン蒸気などの有機化合物の蒸気(噴霧状態のものを含む)
があげられる。この有機化合物蒸気の温度は記録体(A)
の表面を形成する化合物の融点或いは軟化点以下である
必要がある。接触材料(B)の他のもう一つである固体と
しては、高級脂肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲ
ル(ポリアクリルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲ
ル)、シリカゲル、結晶水を含んだ化合物などがあげら
れる。
【0023】接触材料(B)の供給手段としては、例えば
記録体(A)下部に皿を設け液体を満たし記録体(A)が皿中
の液体に常に接するようにし、加熱源を皿の近傍又は皿
の中に配置する構成が最も簡単な構成となる。皿の替わ
りに、液体を含ませたスポンジ状多孔質体を用いても良
い。光や電子線による潜像形成手段も上記構成と基本的
に同様である。
記録体(A)下部に皿を設け液体を満たし記録体(A)が皿中
の液体に常に接するようにし、加熱源を皿の近傍又は皿
の中に配置する構成が最も簡単な構成となる。皿の替わ
りに、液体を含ませたスポンジ状多孔質体を用いても良
い。光や電子線による潜像形成手段も上記構成と基本的
に同様である。
【0024】本発明における潜像形成のための加熱手段
としてはヒーター、サーマルヘッドなどによる接触加熱
が用いられる。
としてはヒーター、サーマルヘッドなどによる接触加熱
が用いられる。
【0025】一つの画像情報の転写が終了すれば、液体
又は蒸気の不存在下で(空気中、真空中又は不活性ガス
中で)記録体(A)表面を加熱する(加熱温度:50〜30
0℃望ましくは100〜180℃、加熱時間:1m秒〜
10秒好ましくは10m秒〜1秒)ことにより潜像を消
去すれば、記録体(A)は繰返し使用可能なものとなる。
又は蒸気の不存在下で(空気中、真空中又は不活性ガス
中で)記録体(A)表面を加熱する(加熱温度:50〜30
0℃望ましくは100〜180℃、加熱時間:1m秒〜
10秒好ましくは10m秒〜1秒)ことにより潜像を消
去すれば、記録体(A)は繰返し使用可能なものとなる。
【0026】潜像消去のための加熱源としては、ヒータ
ーやサーマルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤
外線ランプのごとき電磁波による非接触加熱源が望まし
い。加熱は潜像部のみ行っても良いが、記録体(A)全面
に行っても良い。むしろ、全面加熱の方が装置構成を簡
単にできるためより望ましい。
ーやサーマルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤
外線ランプのごとき電磁波による非接触加熱源が望まし
い。加熱は潜像部のみ行っても良いが、記録体(A)全面
に行っても良い。むしろ、全面加熱の方が装置構成を簡
単にできるためより望ましい。
【0027】なお、潜像消去手段は、消去のための加熱
を行ったのち、再び、潜像形成を行うまでの時間の間に
記録体(A)表面が実質的に冷却する位置に設ける。潜像
消去に必要な加熱温度は既述のとおりであるが、当該記
録体(A)表面の材料により異なるものの、記録体(A)表面
の材料の後退接触角が低くなる開始温度以上で分解点以
下の温度が望ましい。
を行ったのち、再び、潜像形成を行うまでの時間の間に
記録体(A)表面が実質的に冷却する位置に設ける。潜像
消去に必要な加熱温度は既述のとおりであるが、当該記
録体(A)表面の材料により異なるものの、記録体(A)表面
の材料の後退接触角が低くなる開始温度以上で分解点以
下の温度が望ましい。
【0028】記録紙(被転写体)としては、透明又は不透
明樹脂フィルム、普通紙、合成紙、インクジェット記録
用紙、タイプ用紙などを用いることができる。
明樹脂フィルム、普通紙、合成紙、インクジェット記録
用紙、タイプ用紙などを用いることができる。
【0029】記録剤としては筆記用インク、インクジエ
ット記録用インク、印刷インク、電子写真用トナー等の
従来の印字記録方式に用いられてきた記録剤の中から本
発明装置に適合するものを選択し使用することができ
る。より具体的で好ましいもの例を示せば、例えば水性
インクとしては、水、湿潤剤、染料を主体とする水溶性
インク又は水、顔料、分散用高分子化合物、湿潤剤を主
体とした水性顔料分散インク、顔料又は染料を界面活性
剤を用いて水に分散せしめたエマルジョン・インク等が
用いられる。
ット記録用インク、印刷インク、電子写真用トナー等の
従来の印字記録方式に用いられてきた記録剤の中から本
発明装置に適合するものを選択し使用することができ
る。より具体的で好ましいもの例を示せば、例えば水性
インクとしては、水、湿潤剤、染料を主体とする水溶性
インク又は水、顔料、分散用高分子化合物、湿潤剤を主
体とした水性顔料分散インク、顔料又は染料を界面活性
剤を用いて水に分散せしめたエマルジョン・インク等が
用いられる。
【0030】
【実施例】ついに実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
説明する。
【0031】(記録体の作成) 記録層材料:含フッ素アクリレート材料ビスコート17
F(大阪有機化学工業社製) (合成法:溶液重合−溶液:1,1,1−トリクロロエ
タン) 記録体基板:ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社
製:カプトン) コート方法:含フッ素アクリレート材料をフレオン11
3で希釈しポリイミドフィルム上にスピンコートし、そ
の後130℃で1時間かけて乾燥して記録体フィルムと
する。 記録体支持体:直径100mmのアルミニウム製の円
筒。(この円筒に記録体フィルムを巻きつけて記録体と
する。) (使用インク)黒色直接染料を色材とした水性インク (潜像形成液)純水/グリセリン=1/1の混合液 (加熱源)サーマルヘッド(潜像用)、赤外線ランプ
(除像用) (装置構成)前記(1)の方式 実施の結果、潜像形成液が純水の場合ではサーマルヘッ
ドの駆動時に、そのサーマルヘッド近傍から液の発泡に
伴う破裂音が聞こえたが、本発明例では全く聞こえず良
質で全く良好な印字が行なえた。
F(大阪有機化学工業社製) (合成法:溶液重合−溶液:1,1,1−トリクロロエ
タン) 記録体基板:ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社
製:カプトン) コート方法:含フッ素アクリレート材料をフレオン11
3で希釈しポリイミドフィルム上にスピンコートし、そ
の後130℃で1時間かけて乾燥して記録体フィルムと
する。 記録体支持体:直径100mmのアルミニウム製の円
筒。(この円筒に記録体フィルムを巻きつけて記録体と
する。) (使用インク)黒色直接染料を色材とした水性インク (潜像形成液)純水/グリセリン=1/1の混合液 (加熱源)サーマルヘッド(潜像用)、赤外線ランプ
(除像用) (装置構成)前記(1)の方式 実施の結果、潜像形成液が純水の場合ではサーマルヘッ
ドの駆動時に、そのサーマルヘッド近傍から液の発泡に
伴う破裂音が聞こえたが、本発明例では全く聞こえず良
質で全く良好な印字が行なえた。
【0032】実施例2 記録体:実施例1と同じ。 (潜像形成液体)純水 (加熱源)保護層表面を平坦かつ鏡面に処理したサーマ
ルヘッド (装置構成)前記(2)の方式 実施の結果、通常のサーマルヘッドにくらべ発泡しにく
かった。
ルヘッド (装置構成)前記(2)の方式 実施の結果、通常のサーマルヘッドにくらべ発泡しにく
かった。
【0033】実施例3 記録体:加熱源は実施例1と同じ。 (潜像形成液体)純水 (サーマルヘッド)の駆動方法:一つの画像ドットに対
応して抵抗値400Ωの熱素子に対し、パルス高15V
でパルス間隔0.3msにて印加した。 (装置構成)前記(3)の方式 実施の結果、通常の駆動(1パルス駆動:パルス幅1.
0ms、パルス高12V)に比べ発泡しにくかった。
応して抵抗値400Ωの熱素子に対し、パルス高15V
でパルス間隔0.3msにて印加した。 (装置構成)前記(3)の方式 実施の結果、通常の駆動(1パルス駆動:パルス幅1.
0ms、パルス高12V)に比べ発泡しにくかった。
【0034】
【発明の効果】(1)請求項1及び2の発明によれば、
潜像形成時に液体(記録剤をも含めて)の発泡による気
泡が生じないので、画像信号に忠実な潜像が記録体上に
形成され、その結果、良質の画像が得られるようにな
る。 (2)請求項3の発明によれば、潜像形成とその顕像化
が一度に行なわれるため装置の簡素化がはかられる。
潜像形成時に液体(記録剤をも含めて)の発泡による気
泡が生じないので、画像信号に忠実な潜像が記録体上に
形成され、その結果、良質の画像が得られるようにな
る。 (2)請求項3の発明によれば、潜像形成とその顕像化
が一度に行なわれるため装置の簡素化がはかられる。
【図1】本発明装置の概略を説明するための図である。
【図2】記録体表面の加熱をそよ裏面例からサーマルへ
っぢ(加熱源)により行なうことを示した図である。
っぢ(加熱源)により行なうことを示した図である。
【図3】加熱源の最高温度を接触液体の沸点より低くす
るために、サーマルヘッドへパルス幅の短い駆動パルス
を1つのドットに対して多数回印加する様子を表わした
図である。
るために、サーマルヘッドへパルス幅の短い駆動パルス
を1つのドットに対して多数回印加する様子を表わした
図である。
【図4】加熱源の最高温度を接触液体の沸点より低くす
るために、熱素子の中心部に空孔を設けた図である。
るために、熱素子の中心部に空孔を設けた図である。
【図5】画像信号に応じてサーマルヘッドを記録体表面
で駆動させた時に、液体が同じに加熱されて発泡し気泡
が生じて、記録体表面に液体が接しないで潜像形成がで
きにくくなることの説明図である。
で駆動させた時に、液体が同じに加熱されて発泡し気泡
が生じて、記録体表面に液体が接しないで潜像形成がで
きにくくなることの説明図である。
1 記録体 2 サーマルヘッド 3 液体 4 記録剤(溶液又は分散液) 5 現像ローラ 6 転写ローラ 7 発泡した気泡 8 発熱抵抗体 9 リード電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−178479(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41L 19/00 - 19/16 B41C 1/00 - 1/16 B41M 1/00 - 5/26
Claims (3)
- 【請求項1】 下記記録体(A)の表面を下記接触材料
(B)と接触させた状態で選択的に加熱することにより
又は記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態で接触
材料(B)と接触させることにより記録体(A)の表面
に加熱温度の高さに応じて後退接触角を減少させた潜像
を形成せしめる接触材料(B)を記録体(A)表面に供
給する手段と、記録体(A)表面を画像信号に応じ選択
的に加熱し潜像を形成する手段と、該潜像を顕像化させ
る記録剤の付与手段と、記録体(A)上に付着した記録
剤を記録紙へ転写せしめる手段と、記録体(A)上の残
留記録剤を除去する手段と、該記録体(A)上の潜像を
消去する手段とを設けた記録装置において、前記の接触
材料(B)の沸点が潜像形成のための加熱温度よりも高
いものであることを特徴とする記録装置。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
角が低下する性質を有する表面層が設けられてなる記録
体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
低下開始温度以下で液体となるか液体もしくは蒸気を発
生する固体。 - 【請求項2】 下記記録体(A)の表面を下記接触材料
(B)と接触させた状態で選択的に加熱することにより
又は記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態で接触
材料(B)と接触させることにより記録体(A)の表面
に加熱温度の高さに応じて後退接触角を減少させた潜像
を形成せしめる接触材料(B)を記録体(A)表面に供
給する手段と、記録体(A)表面を画像信号に応じ選択
的に加熱し潜像を形成する手段と、該潜像を顕像化させ
る記録剤の付与手段と、記録体(A)上に付着した記録
剤を記録紙へ転写せしめる手段と、記録体(A)上の残
留記録剤を除去する手段と、該記録体(A)上の潜像を
消去する手段とを設けた記録装置において、前記潜像形
成のための加熱源が接触材料(B)側に設けられ、か
つ、その加熱源の記録体(A)表面に接する面が一様に
平坦で鏡面となっていることを特徴とする記録装置。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
角が低下する性質を有する表面層が設けられてなる記録
体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
低下開始温度以下で液体となるか液体もしくは蒸気を発
生する固体。 - 【請求項3】 前記接触材料(B)として記録剤を用い
ることにより接触材料(B)の供給手段と記録剤の付与
手段とを1つものとした請求項1又は2記載の記録装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04024601A JP3134893B2 (ja) | 1992-01-13 | 1992-01-13 | 記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04024601A JP3134893B2 (ja) | 1992-01-13 | 1992-01-13 | 記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05185711A JPH05185711A (ja) | 1993-07-27 |
JP3134893B2 true JP3134893B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=12142675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04024601A Expired - Fee Related JP3134893B2 (ja) | 1992-01-13 | 1992-01-13 | 記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3134893B2 (ja) |
-
1992
- 1992-01-13 JP JP04024601A patent/JP3134893B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05185711A (ja) | 1993-07-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4920361A (en) | Image recording method and apparatus therefor | |
JP3134897B2 (ja) | 記録方法 | |
JP3134893B2 (ja) | 記録装置 | |
JP3141296B2 (ja) | 記録方法 | |
JP3093347B2 (ja) | 記録方法 | |
JP3254490B2 (ja) | 記録装置 | |
JP3066603B2 (ja) | 記録装置 | |
JP3134892B2 (ja) | 記録装置 | |
JP3057303B2 (ja) | 記録方法 | |
JP3057199B2 (ja) | 記録方法 | |
JP3134891B2 (ja) | 記録装置 | |
JP3030655B2 (ja) | 記録装置 | |
JPH05201122A (ja) | 記録装置 | |
JPH06286298A (ja) | 記録装置 | |
JP3132864B2 (ja) | 記録装置 | |
JPH05185712A (ja) | 記録装置 | |
JPH05169795A (ja) | 記録装置 | |
JP3058472B2 (ja) | 記録装置 | |
JP3063776B2 (ja) | 記録方法 | |
JPH0596845A (ja) | 記録方法 | |
JP3134895B2 (ja) | 記録装置 | |
JPH05169791A (ja) | 記録装置 | |
JPH05212955A (ja) | 記録装置 | |
JPH05221119A (ja) | 記録装置 | |
JPH0524337A (ja) | 記録方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071201 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081201 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |