JP3254490B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な記録装置に関し、
詳しくは、表面が特定性状を示す記録体の表面に、選択
的かつ可逆的に、加熱温度に応じた後退接触角を示す領
域が形成されるようにし、この領域(潜像)に着色材を含
有する記録剤を供給して顕像化させ、これを記録紙に良
好な状態で転写せしめ、更に記録体をクリーニングし、
良好に除像を行なわしめるようにした記録方式に有用な
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】表面を液体付着性領域と非液体付着性領
域とに区分けして画像形成に供するようにした手段の代
表的なものとしては平版印刷版を用いたオフセット印刷
方式があげられる。だが、このオフセット印刷方式にお
いて原版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの印刷工
程を一つの装置内に組込むことは装置の大型化が避けら
れない。例えば、比較的小型化されている事務用オフセ
ット製版印刷機においても、多くの場合、製版装置と印
刷装置とは別個になっているのが実情である。
【0003】このようなオフセット印刷方式の欠陥を解
消することを意図して、画像情報に応じた液体付着性領
域及び非液体付着性領域が形成でき、しかも、繰返し使
用が可能な(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案
されるようになってきている。その幾つかをあげれば次
のとおりである。 (1) 水性現像方式 疎水性の光導電体層に外部より電荷を与えた後、露光し
て光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパタ
ーンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させて
紙などに転写する(特公昭40-18992号、特公昭40-18993
号、特公昭44-9512号、特開昭63-264392号などの公
報)。 (2) フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方式 スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫外
線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミッ
ク化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37巻4
号、287頁(1980)〕。 (3) 内部偏倚力の作用を利用した方式 不定形状態と結晶性状態とを物理的変化により形成し、
液体インクの付着・非付着領域を構成する(特公昭54-41
902号公報)。
【0004】前記(1)の方式によれば、水性インクを紙
などに転写した後、除電により親水性部は消去され、別
の画像情報の記録が可能となる。即ち、一つの原版(光
導電体)で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式
は電子写真プロセスを基本としているため帯電→露光→
現像→転写→除電という長いプロセスを必要とし、装置
の小型化やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難
であるといった欠点をもっている。前記(2)の方式によ
れば、紫外線と可視光との照射を選択的にかえることに
よって親水性、疎水性を自由かつ可逆的に制御できるも
のの、量子効率が悪いため反応時間が非常に長くて記録
速度が遅く、また安定性に欠けるといった欠点をもって
おり、いまだ実用レベルには達していないのが実情であ
る。更に、前記(3)の方式によれば、そこで使用され
る情報記録部材は、記録後のものでは安定性があるが、
記録前のものでは温度変化により物理的構造変化が生じ
るおそれがあることから保存性に問題が残されている。
これに加えて、記録された情報パターンの消去には熱パ
ルスを与え、次いで急冷する手段が採用されることか
ら、繰り返しの画像形成は繁雑さをまねがれ得ないとい
った不都合がある。
【0005】本発明者らは従来のかかる欠点・不都合を
解消するための研究、検討を行ってきた。その結果、特
定の記録体(加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後
退接触角が低下する表面を有する記録体で、便宜上単に
「記録体」又は「記録体(A)」という)及び接触材料(液
体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の低下開始温
度以下で液体となるか液体もしくは蒸気を発生する固
体)を用い、記録体(A)の表面を接触材料(B)と接触させ
た状態で選択的に加熱することにより又は記録体(A)の
表面を選択的に加熱した状態で接触材料(B)と接触させ
ることにより記録体(A)の表面に加熱温度に応じた後退
接触角を示す潜像を形成せしめ、この潜像に着色剤を含
む記録剤(溶液又は分散液からなる)で顕像化(現像)
した後、続いて、この可視像を記録紙に転写する方法を
並びにこれに関連した装置を提案した(西独公開特許第
4010275号公報)。ここに提案した方法等によれ
ば、記録体上への潜像並びに可視像の形成、可視像の普
通紙等への転写、及び潜像の消去が極めて簡単にかつ可
逆的に行えるため、多数枚複写画像が容易に行えること
は勿論、異なった複写画像でも連続的に得ることができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】だがその一方で、前記
提案した記録装置は潜像形成、除像(潜像消去)などに
加熱の手段が採用されており、従って、装置全体の温度
上昇、電力消費量が多いなど改善すべき余地が残されて
いる。即ち、一般に、潜像形成手段での加熱部材にはサ
ーマルヘッドを使用し、除像手段の加熱部材にはセラミ
ックスヒータ、遠赤外線ヒータなどをアルミ板などの加
熱板と組みあわせて使用している。本発明の目的は、か
かる実情を配慮して、装置全体の温度上昇及び全体の消
費電力を極力押えるようにした記録装置を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記記録体
(A)の表面を下記接触材料(B)と接触させた状態で
選択的に加熱することにより又は記録体(A)の表面を
選択的に加熱した状態で接触材料(B)と接触させるこ
とにより記録体(A)の表面に加熱温度の高さに応じて
後退接触角を減少させた潜像を形成せしめる接触材料
(B)を記録体(A)表面に供給する手段と、記録体
(A)表面を画像信号に応じ選択的に加熱して潜像を形
成する手段と、該潜像を顕像化させる記録剤の付与手段
と、記録体(A)上に付着した記録剤を記録紙へ転写せ
しめる手段と、転写後の記録体(A)表面をクリーニン
グする手段と、先に形成された潜像を消去する手段とを
設けた記録装置において、前記潜像消去手段が先に形成
された潜像に対応した部分のみ接触材料(B)の不存在
下で加熱するものであることを特徴としている。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
角が低下する性質をもつ表面層を有する記録体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
低下開始温度以下で液体となるか液体もしくは蒸気を発
生する固体。
【0008】かかる本発明装置では、記録剤として例え
ば液状インクのごときものを用いるようにすれば、接触
材料(B)の供給手段を省略することができ、また、接触
材料(B)として液状インクのごときものを用いるように
すれば潜像形成と同時に顕像化されるため記録剤の付与
手段を省略することができる。なお、本発明装置におい
ては、前記潜像が形成された記録体(A)の表面を接触材
料(B)の不存在下で加熱することによって潜像の消去が
行なえ、可逆的に画像形成がなし得るものである。
【0009】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明装置で用いられる記録体(A)は液体に接した状態で
加熱されると冷却後においてもその後退接触角が低くな
り、かつ、液体不存在下の加熱により後退接触角が高く
なるという機能を有する部材で少なくとも表面が形成さ
れたものである。そして、このような機能を有する記録
体(A)はその表面が(1)疎水基の表面自己配向機能をもつ
有機化合物を含む部材、又は(2)疎水基をもつ有機化合
物であって疎水基を表面に配向した部材である。
【0010】(1)にいう“表面自己配向機能"とは、ある
化合物を支持体上に形成した固体又は或る化合物自体に
よる固体を空気中で加熱すると、表面において疎水基が
空気側(自由表面側)に向いて配向する性質があることを
意味する。このことは、(2)においても同様にいえるこ
とである。一般に、有機化合物では疎水基は疎水性雰囲
気側へ向きやすい性質をもっている。これは、固-気界
面の界面エネルギーが低くなる方に向うために生じる現
象である。また、この現象は疎水基の分子長が長くなる
ほどその傾向がみられるが、これは分子長が長くなるほ
ど加熱における分子の運動性が上がるためである。
【0011】更に具体的には、末端に疎水基を有する
(即ち表面エネルギーを低くする)分子であると、空気側
(自由表面側)を向いて表面配向しやすい。同様に(−CH2
−)nを含む直鎖状分子では(−CH2CH2−)の部分が平
面構造をしており、分子鎖どうしが配向しやすい。ま
た、(−Ph−)nを含む分子も−Ph−の部分が平面構造を
しており、分子鎖どうしが配向しやすい。なお、−Ph−
はp-フェニレン基である(以下同じ)。殊に、弗素など
の電気陰性度の高い元素を含む直鎖状分子は自己凝集性
が高く、分子鎖どうしが配向しやすい。
【0012】これらの検討結果をまとめると、より好ま
しくは、自己凝集性の高い分子を含んだり平面構造をも
つ分子を有し、かつ、末端に疎水基を有する直鎖状分
子、或いは、そうした直鎖状分子を含む化合物は表面自
己配向機能が高い化合物といえる。
【0013】これまでの記述から明らかなように、表面
自己配向状態と後退接触角とは関連があり、また、後退
接触角と液体付着性との間にも関係がある。即ち、固体
表面での液体の付着は、液体の固体表面での主にタッキ
ングによって生じる。このタッキングはいわば液体が固
体表面を滑べる時の一種の摩擦力とみなすことができ
る。従って、本発明でいう“後退接触角"θrには、 cosθr=γ(γs-γse-πe+γf)/γev (但し、 γ :真空中の固体の表面張力 γse:固-液界面張力 γev液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張力 πe :平衡表面張力 γf :摩擦張力 γs :吸着層のない固体の表面張力である) といった関係式が成立つ(斉藤、北崎ら「日本接着協会
誌」Vol.22、No.12,1986)。従って、θrの値が低くな
るときγf値は大きくなる。即ち、液体は固体面を滑べ
りにくくなり、その結果、液体は固体面に付着するよう
になる。
【0014】これら相互の関連から推察しうるように、
液体付着性は後退接触角θrがどの程度であるかに左右
され、その後退接触角θrは表面自己配向機能を表面に
有する部材の何如により定められる。それ故、本発明装
置においては、記録体(A)はその表面に所望パターン領
域の形成及び/又は記録剤による顕像化の必要から、必
然的に、表面自己配向機能を表面に有する部材が選択さ
れねばならない。
【0015】これまで後退接触角と液体付着性との関係
等を縷縷述べてきたが、これらの事項については前記の
西独公開特許第4010275号公報により詳しく記載
されている。
【0016】本発明に係る記録体における絶縁性基板は
好ましくは耐熱性であり、樹脂やガラスやNi,Al,
Cu,Cr,Ptなど金属の酸化物等を円筒状、板状、
ベルト状(エンドレスベルト状を含む)などにしたもの
である。
【0017】記録体上に記録剤からなる可視像を形成さ
せるには、記録体1表面を画像信号に応じて加熱した
状態で接触材料(B)と接触させることにより潜像を形成
した後記録剤で現像するか、又は記録体1表面を接触
材料(B)と接触させた状態で画像信号に応じて加熱した
後記録剤で現像すればよい。もっとも、接触材料(B)と
して記録剤を用いれば潜像形成とその顕像化が一度に行
なわれるため、工程の簡略化がはかれる。
【0018】接触材料(B)は、端的にいえば、当初から
液体あるいは蒸気であるか、又は、記録体(A)にいう後
退接触角θrの低下開始温度以下で結果的に液体を生じ
させる固体である。ここでの蒸気は、記録体(A)の表面
又は表面近傍で、少なくともその一部が凝縮して液体を
生ぜしめ、その液体が記録体(A)の表面を濡らすことが
できるものであれば充分である。一方、ここでの固体
は、前記後退接触角θrの低下開始温度以下で液体とな
るか、液体を発生させるか、又は、蒸気を発生させるも
のである。固体から発生された蒸気は記録体(A)の表面
又はその近傍で凝縮して液体を生じさせることは前記の
場合と同様である。
【0019】これら接触材料(B)をより具体的にいえば
次のとおりである。
【0020】即ち、接触材料(B)の一つである液体とし
ては、水の他に、電解質を含む水溶液、エタノール、n-
ブタノール等のアルコール、グリセリン、エチレングリ
コール等の多価アルコール、メチルエチルケトン等のケ
トン類のごとき有極性液体や、n-ノナン、n-オクタン等
の直鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の環式状炭化水
素、m-キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のごとき
無極性液体があげられる。また、これらの混合体でもよ
いし、各種分散液や液状インクも使用できる。さらに望
ましくは極性液体の方がよりすぐれている。
【0021】接触材料(B)の他の一つである蒸気として
は水蒸気の外に、接触材料(B)の液体の蒸気であれば使
用できるが、特にエタノール蒸気やm-キシレン蒸気など
の有機化合物の蒸気(噴霧状態のものを含む)があげられ
る。この有機化合物蒸気の温度は記録体(A)の表面を形
成する化合物の融点或いは軟化点以下である必要があ
る。
【0022】接触材料(B)の他のもう一つである固体と
しては、高級脂肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲ
ル(ポリアクリルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲ
ル)、シリカゲル、結晶水を含んだ化合物などがあげら
れる。
【0023】これら各種の接触材料(B)の中でも特に好
ましいのは当初から液体のものである。接触材料(B)の
供給手段としては、例えば記録体(A)下部に皿を設け液
体を満たし記録体(A)が皿中の液体に常に接するように
し、加熱源を皿の近傍又は皿の中に配置する構成が最も
簡単な構成となる。皿の替わりに、液体を含ませたスポ
ンジ状多孔質体を用いても良い。
【0024】潜像形成のための加熱手段としてはヒータ
ー、サーマルヘッドなどによる接触加熱の他に、電磁波
(レーザー光源、赤外線ランプなどの発光源からの光線
をレンズで集光する)による非接触加熱がある。
【0025】一つの画像情報の転写が終了すれば、液体
又は蒸気の不存在下で(空気中、真空中又は不活性ガス
中で)記録体(A)表面を加熱する(加熱温度:50〜30
0℃望ましくは100〜180℃、加熱時間:1m秒〜
10秒好ましくは10m秒〜1秒)ことにより潜像を消
去すれば、記録体(A)は繰返し使用可能なものとなる。
【0026】潜像消去のための加熱源としては、ヒータ
ーやサーマルヘッドのごとき接触加熱源が望ましい。そ
して、その加熱は潜像形成時になされたサーマルヘッド
へのパルス群に対応した加熱信号である。
【0027】なお、潜像消去手段は、消去のための加熱
を行ったのち、再び、潜像形成を行うまでの時間の間に
記録体(A)表面が実質的に冷却する位置に設ける。潜像
消去に必要な加熱温度は既述のとおりであるが、記録体
(A)表面の材料により異なるものの、記録体(A)表面の材
料の後退接触角が低くなる開始温度以上で分解点以下の
温度が望ましい。
【0028】記録紙(被転写体)としては、透明又は不透
明樹脂フィルム、普通紙、合成紙、インクジェット記録
用紙、タイプ用紙などを用いることができる。
【0029】記録剤としては筆記用インク、インクジエ
ット記録用インク、印刷インク、電子写真用トナー等の
従来の印字記録方式に用いられてきた記録剤の中から、
本発明装置に適合するものを選択し使用することができ
る。より具体的で好ましいもの例を示せば、例えば水性
インクとしては、水、湿潤剤、染料を主体とする水溶性
インク又は水、顔料、分散用高分子化合物、湿潤剤を主
体とした水性顔料分散インク、顔料又は染料を界面活性
剤を用いて水に分散せしめたエマルジョン・インク等が
用いられる。
【0030】図1は本発明に係る記録装置の全体の概略
を表わしたものである。ここで、1は記録体(ベルト状
記録体)、21は水にぬらしたスポンジ、22はサーマ
ルヘッド、31は記録剤(インク)、32はインク容
器、33は現像ローラ、4は転写ローラ、5はクリーニ
ングローラ、6はセラミックヒータ、71は駆動ロー
ラ、72は従動ローラ、Pは記録紙を示している。な
お、潜像形成手段は水にぬらしたスポンジ21及びサー
マルヘッド22によって構成され、現像手段はインク3
1及び現像ローラによって構成され、更に、転写手段は
転写ローラ4によって、除像手段(潜像消去手段)はセ
ラミックヒータによってそれぞれ構成されている。
【0031】本発明装置において除像を行なう際には、
先に触れたように、潜像形成時でのサーマルヘッド22
の加熱動作に対し同期して加熱動作がなされるように工
夫されている。即ち、サーマルヘッド22によって液中
加熱された記録体ベルト1には潜像が形成されるが、記
録体ベルト1は駆動ローラ71により送られ、現像、転
写、クリーニングに供された後、除像手段(セラミック
ヒータ)に到達する。セラミックヒータ6は、その位置
に潜像形成部が到達するころには、充分高い温度になっ
ているように、ヒータON時間を潜像形成部からの距離
と記録体ベルトの送り速度との関係を考慮して設定され
ている(図2)。
【0032】図2において、aは潜像形成時サーマルヘ
ッド22に与えられた“画像信号に対応したパルス”で
あり、bは前記サーマルヘッド22の“パルス群に対応
した加熱信号”である。これらa,bに時間差が設けら
れていることは前述のとおりである。
【0033】このような除像手段が採用されることによ
り不必要な部分まで除像加熱されることがなく、不要な
温度上昇が妨げると同時に、消費電力も小さくなる。装
置への電源投入時、すぐに除像手段が動作し、記録体ベ
ルトへの除像行為が全域(一周全て)にわたって行なわ
れるようにすることにより、不用意に残した潜像をその
ままにして、さらに潜像を形成するなどの問題を防ぐこ
とができる。すなわち、記録体ベルト一周分の時間とセ
ラミックスヒータの除像温度上昇時間とを合わせた時間
分はプレヒートタイムとし、それが終了してスタンバイ
となるように設定する。
【0034】図3は潜像形成手段として、記録体ベルト
1への水23の供給を補給ローラ24によっている図1
に示した装置と若干異にしている。潜像を実際に記録体
ベルト1に形成するには、水23を記録体ベルト1に付
着させる必要があり、この場合には、補給ローラ24を
好ましくは反時計廻り方向に回転させて、水23を記録
体ベルト1とサーマルヘッド22との接触面医まで盛り
上がらせればよい(図4)。また、補給ローラ24の回
転を止めれば、記録体ベルト1へのみ図23の補給が中
止され、事実上、蒸気中での加熱となり除像手段として
働くようになる(図3)。従って、図3及び図4での画
像形成法によれば、サーマルヘッド22の発熱形状が潜
像と除像出同じである為位置合わせが問題となるが、潜
像消去時のサーマルヘッドへの電圧又はパルス巾を高め
にすることで、潜像形成時の領域より広範囲に加熱が行
なえ解決できる。
【0035】本発明の装置では、セラミックヒータ6を
サーマルヘッドで構成し(即ち、潜像形成手段で用いら
れる加熱部材と潜像消去手段で用いられる加熱部材とを
同一のものとして)、潜像形成ドットに対応して除像操
作を行なうようにすればさらに効果がある。除像用のサ
ーマルヘッドの発熱素子は潜像形成用サーマルヘッド2
2の発熱素子より広い面積がある方が位置合わせ、同期
取りが簡単になる。
【0036】本発明の装置を用いて記録を行なう場合、
まず初めに、潜像形成に先立って記録体(A)の全表面を
接触材料(B)の不存在下で加熱して除像しておくのが望
ましい。そうすることによって、消し忘れた潜像上に新
たな潜像を形成するといったことは未然に防止される。
【0037】
【発明の効果】(1)請求項1の発明によれば、潜像部
のあるところだけ、潜像ヒータを作用させるようにした
ことにより装置内温度上昇、全体の消費電力を極力おさ
えることができる。 (2)請求項2の発明によれば、装置の小型化が図られ
る。 (3)請求項3の発明によれば、潜像ヒータ、除像ヒー
タをともにサーマルヘッドとすることで装置内温度上
昇、消費電力を極力おさえると同時にコストダウンが図
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の一例の概略図である。
【図2】潜像形成時のパルス信号と潜像消去時のパルス
信号との関係を時間差を加味させた図である。
【図3】本発明に係る装置の他の一例の概略図である。
【図4】図3に示した装置で潜像形成を行なうための説
明図である。
【符号の説明】
1 記録体(記録体ベルト) 4 転写ローラ 5 クリーニングローラ 6 除像手段 21 水に濡らしたスポンジ 22 サーマルヘッド 23 水 24 補給用ローラ 31 記録剤(インク) 33 現像ローラ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記記録体(A)の表面を下記接触材料
    (B)と接触させた状態で選択的に加熱することにより
    又は記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態で接触
    材料(B)と接触させることにより記録体(A)の表面
    に加熱温度の高さに応じて後退接触角を減少させた潜像
    を形成せしめる接触材料(B)を記録体(A)表面に供
    給する手段と、記録体(A)表面を画像信号に応じ選択
    的に加熱して潜像を形成する手段と、該潜像を顕像化さ
    せる記録剤の付与手段と、記録体(A)上に付着した記
    録剤を記録紙へ転写せしめる手段と、転写後の記録体
    (A)表面をクリーニングする手段と、先に形成された
    潜像を消去する手段とを設けた記録装置において、前記
    潜像消去手段が先に形成された潜像に対応した部分のみ
    接触材料(B)の不存在下で加熱するものであることを
    特徴とする記録装置。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
    角が低下する性質をもつ表面層を有する記録体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
    低下開始温度以下で液体となるか液体もしくは蒸気を発
    生する固体。
  2. 【請求項2】 前記接触材料(B)として記録剤を用いる
    ことにより接触材料(B)の供給手段と記録剤の付与手
    段とを1つものとした請求項1記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記の潜像形成手段及び潜像消去手段で
    用いられる加熱部材を同一のものとした請求項1又は2
    記載の記録材料。
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