JP3141296B2 - 記録方法 - Google Patents

記録方法

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JP3141296B2
JP3141296B2 JP19890091A JP19890091A JP3141296B2 JP 3141296 B2 JP3141296 B2 JP 3141296B2 JP 19890091 A JP19890091 A JP 19890091A JP 19890091 A JP19890091 A JP 19890091A JP 3141296 B2 JP3141296 B2 JP 3141296B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な記録方法に関し、
詳しくは、表面が特定性状を示す記録体の表面に、選択
的且つ可逆的に、加熱温度に応じた後退接触角を示す領
域が形成されるようにし、この領域(潜像)に着色剤を
含有する記録剤を供給して顕像化せしめ、これを普通紙
等の被転写体に良好な状態で転写せしめるようにした記
録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表面を液体付着性領域と非液体付着性領
域とに区分けして画像形成に供するようにした手段の代
表的なものとしては、平版印刷版を用いたオフセット印
刷方式が挙げられる。だが、このオフセット印刷方式に
おいて、原版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの
印刷工程を一つの装置内に組込むことは、装置の大型化
が避けられない。例えば、比較的小型化されている事務
用オフセット製版印刷機においても、多くの場合、製版
装置と印刷装置とは別個になっているのが普通である。
【0003】このようなオフセット印刷方式の欠陥を解
消することを意図して、画像情報に応じた液体付着性領
域及び非液体付着性領域が形成でき、しかも繰返し使用
が可能な(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案
されるようになってきている。その幾つかを挙げれば次
の通りである。 (1)水性現像方式 疎水性の光導電体層に外部より電荷を与えた後、露光し
て光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパタ
ーンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させて
紙などに転写する(特公昭40−18992号、特公昭
40−18993号、特公昭44−9512号、特開昭
63−264392などの公報)。 (2)フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方
式 スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫外
線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミッ
ク化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37
巻4号、287頁(1980)〕。 (3)内部偏倚力の作用を利用した方式 不定形状態と結晶性状態とを物理的変化により形成し、
液体インクの付着・非付着領域を構成する(特公昭54
−41902号公報)。
【0004】前記(1)の方式によれば、水性インクを
紙などに転写した後、除電により親水性部は消去され、
別の画像情報の記録が可能となる。即ち、一つの原版
(光導電体)で繰り返し使用が可能となる。だが、この
方式は電子写真プロセスを基本としているため、帯電→
露光→現像→転写→除電という長いプロセスを必要と
し、装置の小型化やコストの低減、メンテナンスフリー
化が困難であるといった欠点をもっている。前記(2)
の方式によれば、紫外線と可視光との照射を選択的に変
えることによって、親水性、疎水性を自由且つ可逆的に
制御できるものの、量子効率が悪いため反応時間が非常
に長くて記録速度が遅く、また安定性に欠けるといった
欠点をもっており、未だ実用レベルには達していないの
が実情である。更に、前記(3)の方式によれば、そこ
で使用される情報記録部材は、記録後のものでは安定性
があるが、記録前のものでは温度変化により物理的構造
変化が生じるおそれがあることから、保存性に問題が残
されている。これに加えて、記録された情報パターンの
消去には熱パルスを与え、次いで急冷する手段が採用さ
れることから、繰り返しの画像形成は繁雑さを免れ得な
いといった不都合がある。
【0005】本発明者らは従来のかかる欠点・不都合を
解消するための研究、検討を行なってきた。その結果、
特定の記録体(A)(加熱状態で且つ液体と接触させた
場合に後退接触角が低下する表面を有する記録体)及び
接触材料(B)〔液体、蒸気又は記録体(A)にいう後
退接触角の低下開始温度以下で液体となるか、液体若し
くは蒸気を発生する固体〕を用い、記録体(A)の表面
を接触材料(B)と接触させた状態で選択的に加熱する
ことにより、又は記録体(A)の表面を選択的に加熱し
た状態で接触材料(B)と接触させることにより、記録
体(A)の表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す潜
像を形成せしめ、この潜像を記録剤で顕像化した後、続
いて、得られた可視像を被転写体に転写する方法並びに
これに関連した装置を提案した(西独公開特許第401
0275号明細書)。
【0006】ここに提案した方法等によれば、記録体上
への潜像並びに可視像の形成、可視像の普通紙等の被転
写体への転写、及び潜像の消去が極めて簡単に且つ可逆
的に行なえるため、多数枚複写画像が容易に得られるこ
とは勿論、異なった複写画像でも連続的に得ることがで
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ただ、この記録方法に
おいては、接触材料を記録体表面に接触させて潜像を形
成するための接触材料供給手段及び潜像に液状の記録剤
を供給付着させて顕像化するための記録剤供給手段とし
ては、従来、記録体下部に皿を設け、それに液体(接触
材料又は記録剤)を満して、記録体が皿中に液体に常に
接するような構成にするとか、あるいは液体を含浸した
スポンジ状多孔質体を有するロールを記録体下部に配置
して、記録体が液体に常に接するような構成にするとか
いうことが行なわれてきた。
【0008】しかし、皿を設けた構成の場合には、装置
を傾けると液体が皿からこぼれてしまうという欠点があ
る。また、多孔質体に液体を保持させた構成の場合に
は、多孔質体の液体含有量が多いと、記録体表面への供
給量は充分だが、液体が垂れてしまうし、逆に、液体の
含有量が少ないと、液体は垂れなくなるものの、記録体
表面への供給量が不充分になるという問題がある。更
に、垂れた液体を受ける皿を設けると装置が大型化する
し、その上、皿に液体がたまってくると、やはり傾けた
ときに液体がこぼれるという問題が発生する。
【0009】従って、本発明の目的は、上記記録方法に
おいて、潜像形成領域や顕像化領域において、接触材料
や記録剤が多孔質体から垂れることなく、しかも記録体
表面へ充分な量の接触材料や記録剤を供給することがで
きる記録方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、加熱状
態で且つ液体と接触させたときに後退接触角が低下する
表面を有する記録体の表面と、液体、蒸気及び前記記録
体における後退接触角の低下開始温度以下で液体となる
か又は液体若しくは蒸気を発生する固体から選ばれる接
触材料とを接触させた状態で、画像信号に応じて前記記
録体表面の後退接触角の低下開始温度以上に選択的に加
熱することにより、又は画像信号に応じて前記記録体の
表面を選択的に加熱し、前記記録体表面の加熱部が前記
記録体表面の後退接触角の低下開始温度以上に保持され
た状態で前記接触材料と接触させることにより、前記記
録体表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す潜像を形
成させ、次いで該潜像に液状の記録剤を供給付着させて
顕像化した後、得られた可視像を被転写体に転写する記
録方法において、潜像形成のための前記記録体表面への
前記接触材料の供給又は/及び顕像化のための前記記録
体表面への前記記録剤の供給に際して、前記接触材料又
は前記記録剤を保持した弾性を有する多孔質体を、前記
記録体表面又は液体供給用部材表面に押し当てて該多孔
質体を変形させ、前記接触材料又は前記記録剤を滲み出
させることにより、前記供給を行なうことを特徴とする
記録方法が提供される。
【0011】即ち、本発明の方法は、記録体表面への接
触材料又は/及び記録剤の供給の際に、接触材料又は記
録剤を保持した弾性を有する多孔質体を、記録体表面又
は液体供給用部材表面に押し当てて該多孔質体を変形さ
、接触材料又は記録剤を滲み出させることにより、前
記供給を行なうという構成にしたことから、潜像形成領
域や顕像化領域において、接触材料や記録剤が多孔質体
から垂れることなく、しかも記録体表面へ充分な量の接
触材料や記録剤を供給できるものとなる。
【0012】以下に本発明を更に詳細に説明する。本発
明で用いられる記録体は、液体に接した状態で加熱され
ると冷却後においてもその後退接触角が低くなり、且つ
液体不存在下の加熱により後退接触角が高くなるという
機能を有する部材で、少なくとも表面が形成されたもの
である。そして、このような機能を有する記録体は、そ
の表面が(1)疎水基の表面自己配向機能をもつ有機化
合物を含む部材、又は(2)疎水基をもつ有機化合物で
あって疎水基を表面に配向した部材である。
【0013】(1)にいう“表面自己配向機能”とは、
ある化合物を支持体上に形成した固体又はある化合物自
体による固体を空気中で加熱すると、表面において疎水
基が空気側(自由表面側)に向いて配向する性質がある
ことを意味する。このことは、(2)においても同様に
言えることである。一般に、有機化合物では、疎水基は
疎水性雰囲気側へ向きやすい性質をもっている。これ
は、固-気界面の界面エネルギーが低くなる方に向うた
めに生じる現象である。また、この現象は疎水基の分子
長が長くなるほどその傾向がみられるが、これは分子長
が長くなるほど、加熱における分子の運動性が上がるた
めである。
【0014】更に具体的には、末端に疎水基を有する
(即ち表面エネルギーを低くする)分子であると、空気側
(自由表面側)を向いて表面配向しやすい。同様に(−
CH2−)nを含む直鎖状分子では(−CH2CH2−)
の部分が平面構造をしており、分子鎖同士が配向しやす
い。また、(−Ph−)nを含む分子も−Ph−の部分が
平面構造をしており、分子鎖同士が配向しやすい。な
お、−Ph−はp−フェニレン基である(以下同じ)。
殊に、弗素などの電気陰性度の高い元素を含む直鎖状分
子は自己凝集性が高く、分子鎖同士が配向しやすい。
【0015】これらの検討結果をまとめると、より好ま
しくは、自己凝集性の高い分子や平面構造をもつ分子を
有し、且つ末端に疎水基を有する直鎖状分子、あるいは
そうした直鎖状分子を含む化合物は、表面自己配向機能
が高い化合物と言える。
【0016】これまでの記述から明らかなように、表面
自己配向状態と後退接触角とは関連があり、また後退接
触角と液体付着性との間にも関係がある。即ち、固体表
面での液体の付着は、液体の固体表面での主にタッキン
グによって生じる。このタッキングは、いわば液体が固
体表面を滑べる時の一種の摩擦力とみなすことができ
る。従って、本発明でいう“後退接触角”θrには、 cosθr=γ(γs−γse−πe+γf)/γev (但し、γ:真空中の固体の表面張力 γse:固−液界面張力 γev:液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張
力 πe:平衡表面張力 γf:摩擦張力 γs:吸着層のない固体の表面張力である) といった関係式が成立つ(斉藤、北崎ら「日本接着協会
誌」Vol.22、No.12,1986)。
【0017】従って、θrの値が低くなるときγf値は
大きくなる。即ち、液体は固体面を滑べりにくくなり、
その結果、液体は固体面に付着するようになる。これら
相互の関連から推察しうるように、液体付着性は後退接
触角θrがどの程度であるかに左右され、その後退接触
角θrは表面自己配向機能を表面に有する部材の何如に
より定められる。それ故、本発明で使用される装置にお
いては、記録体はその表面に所望パターン領域の形成及
び/又は記録剤による顕像化の必要から、必然的に、表
面自己配向機能を表面に有する部材が選択されねばなら
ない。
【0018】これまで後退接触角と液体付着性との関係
等を縷縷述べてきたが、これらの事項については、前記
の西独公開特許第4010275号明細書により詳しく
記載されている。
【0019】記録体の構成としては、前記の表面部材
そのもので形成したもの、支持体(好ましくは耐熱性
支持体)上に前記の表面部材を形成したもの、とに大別
される。の態様は前記の表面部材そのものをフィルム
状、板状、あるいは円柱状に成形したものである。の
態様においては、支持体の形状は、ベルト状、板状、ド
ラム状いずれでもよく、装置の使用用途に応じて選定さ
れる。特に、ドラム状は装置における寸法精度を出せる
点ですぐれている。なお、耐熱性支持体としては、テト
ラフルオロエチレン、シリコーン、ポリイミド、ポリカ
ーボネート、エポキシ、メラミン、フェノール、ポリエ
ステル、ポリアセタール、ユリア、ポリエチレンテレフ
タレートなどの樹脂、更にはNi、Al、Cu、Cr、
Ptなどの金属及び金属酸化物等が好ましい。これら支
持体は平滑でも粗面や多孔質であってもよい。
【0020】接触材料は、端的に言えば、当初から液体
あるいは蒸気であるか、又は記録体にいう後退接触角θ
rの低下開始温度以下で結果的に液体を生じさせる固体
である。ここでの蒸気は、記録体の表面又は表面近傍
で、少なくともその一部が凝縮して液体を生ぜしめ、そ
の液体が記録体の表面を濡らすことができるものであれ
ば充分である。一方、ここでの固体は、前記後退接触角
θrの低下開始温度以下で液体となるか、液体を発生さ
せるか、又は蒸気を発生させるものである。固体から発
生された蒸気は、記録体の表面又はその近傍で凝縮して
液体を生じさせることは、前記の場合と同様である。
【0021】これら接触材料をより具体的に言えば次の
通りである。即ち、接触材料の一つである液体として
は、水の他に、電解質を含む水溶液、エタノール、n−
ブタノール等のアルコール、グリセリン、エチレングリ
コール等の多価アルコール、メチルエチルケトン等のケ
トン類のごとき有極性液体や、n−ノナン、n−オクタ
ン等の直鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の環式状炭化
水素、m−キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のご
とき無極性液体が挙げられる。また、これらの混合体で
もよいし、各種分散液や液状インクも使用できる。更に
望ましくは、極性液体の方がよりすぐれている。
【0022】接触材料の他の一つである蒸気としては、
水蒸気の外に、接触材料の液体の蒸気であれば使用でき
るが、特にエタノール蒸気やm−キシレン蒸気などの有
機化合物の蒸気(噴霧状態のものを含む)が挙げられ
る。この有機化合物蒸気の温度は、記録体の表面を形成
する化合物の融点あるいは軟化点以下である必要があ
る。
【0023】接触材料の他のもう一つである固体として
は、高級脂肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲル
(ポリアクリルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲ
ル)、シリカゲル、結晶水を含んだ化合物などが挙げら
れる。
【0024】なお、接触材料として、前記液体インクの
ごとき記録剤を用い、接触材料を記録剤と兼用すると、
潜像形成と顕像化とを一体化できるため、装置を小型化
できる。
【0025】潜像形成のための加熱手段としてはヒータ
ー、サーマルヘッドなどによる接触加熱の他に、電磁波
(レーザー光源、赤外線ランプなどの発光源からの光線
をレンズで集光する)による非接触加熱がある。
【0026】潜像形成後、潜像に記録剤が供給付着され
顕像化(以下現像と記す)が行なわれるが、記録剤とし
ては、着色剤を含む溶液又は分散液が用いられ、例えば
筆記用インク、インクジェット記録用インク、印刷イン
ク、電子写真用トナー等の従来の印字記録方式に用いら
れてきた記録剤の中から、本発明方法に適合するものを
選択し使用することができる。
【0027】より具体的に好ましいものの例を示すと、
例えば水性インクとしては、水、湿潤剤、染料を主体と
する水溶性インクや水、顔料、分散用高分子化合物、湿
潤剤を主体とした水性顔料分散インクや顔料又は染料を
界面活性剤を用いて水に分散せしめたエマルジョン・イ
ンク等が挙げられるし、また油性インクとしては、油溶
性染料を有機溶媒に分散させたものや顔料又は染料を油
性ベースに乳化させたもの等が挙げられる。
【0028】潜像形成及び現像後、例えば記録体上の付
着記録剤(可視像)は、被転写体(記録紙)と直接接す
る手段を設けることで、被転写体の毛管作用により、被
転写体へ転写される。転写を行なう位置は、現像後であ
れば、記録体のどの位置でもかまわないが、現像後、直
ちに転写が行なわれる位置が望ましい。
【0029】被転写体(記録紙)としては、透明又は不
透明樹脂フィルム、普通紙、合成紙、インクジェット記
録用紙、タイプ用紙などを用いることができる。
【0030】転写後、同一画像情報を多数枚複写する場
合は、転写後の潜像に、更に前記記録剤を供給付着させ
る現像処理と得られた可視像を被転写体へ転写する処理
を繰り返すことによって達成される。
【0031】また、一つの画像情報の転写が終了すれ
ば、液体又は蒸気の不存在下で(空気中、真空中又は不
活性ガス中で)記録体表面を加熱する(加熱温度:50〜
300℃、望ましくは100〜180℃、加熱時間:1
ミリ秒〜10秒、好ましくは10ミリ秒〜1秒)ことに
より潜像を消去すると、記録体は繰返し使用可能なもの
となる。
【0032】潜像消去のための加熱源としては、ヒータ
ーやサーマルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤
外線ランプのごとき電磁波による非接触加熱源が望まし
い。加熱は潜像部のみ行なっても良いが、記録体全面に
行なっても良い。むしろ、全面加熱の方が装置構成を簡
単にできるため、より望ましい。
【0033】なお、潜像消去手段は、消去のための加熱
を行なったのち、再び潜像形成を行なうまでの時間の間
に、記録体表面が実質的に冷却する位置に設ける。潜像
消去に必要な加熱温度は前述の通りであるが、当該記録
体表面の材料により異なる。ただ、いずれの場合も、記
録体表面の材料の後退接触角が低くなる開始温度以上で
且つ分解点以下の温度が望ましい。
【0034】本発明においては、前記したように、記録
体表面への接触材料又は/及び記録剤の供給の際に、接
触材料又は記録剤を保持した弾性を有する多孔質体を、
記録体表面又は液体供給用部材表面に押し当てて該多孔
質体を変形させ、接触材料又は記録剤を滲み出させるこ
とにより、前記供給を行なうということを特徴とする。
【0035】この点に関する代表的な供給方法につい
て、図面を参照しながら説明する。図1に示される供給
方法は、ローラ6a上に担持された多孔質体7aに、接
触材料5又は記録剤5a(以下これらを単に液体と記す
ことがある)を含ませ、このローラ担持多孔質体7aを
記録層1及び基板2からなる記録体3の記録層1表面に
押し当て、液体5又は5aを滲み出させることにより、
液体5又は5aを記録層1表面に供給するものである
(供給方法1)。なお、図中、4は潜像を示す。
【0036】また、図2に示される供給方法は、液体5
又は5aを含浸した多孔質体7bを、記録体3の下方に
設置されたローラ6bに押し当て、液体5又は5aを滲
み出させて、ローラ6bを介して、液体5又は5aを記
録層1表面に供給するものである(供給方法2)。図2
においては、ローラ6bに対し多孔質体7bは1ケ所に
しか設けられていないが、もつろん多孔質体7bを2ケ
所以上に設置してもかまわない。供給方法1及び2と
も、潜像形成及び現像を別々に行なうプロセスにおいて
も、また潜像形成と現像を同時に行なうプロセスにおい
ても、適用される。
【0037】また、図3に示される供給方法は、記録体
3の記録層1側からサーマルヘッド8で加熱する構成の
ときに有効な方法であって、液体5を含浸した多孔質体
7cを記録層1表面に押し当て、液体5を滲み出させ、
記録層1表面に供給する方法である(供給方法3)。図
3では、多孔質体7cは潜像形成前に設置されている
が、当然反対の現像領域側に設置してもかなわないし、
また両方に設置することもできる。なお、図中、9はヒ
ータを示す。
【0038】記録体表面への接触材料や記録剤の供給原
理は、来法においては、これら液体を保持する多孔質
体と記録体や供給用部材(例えばローラ等)とは非接触
で、両者の毛管力で液体が両者間に保持されていた。し
かし、本発明における供給原理の特徴は、弾性を有する
多孔質体を記録体や供給用部材などに押し当てて該多孔
質体を変形させ、強制的に液体を滲み出させる点にあ
る。本発明では多孔質体を記録体等に押し当ててはいる
が、これは画像記録時の状態であり、しかもこの状態に
おいて液体が多孔質体から垂れることは殆どない。もち
ろん、それ以外の状態では、多孔質体を記録体等に押し
当てないので、垂れは完全に防止される。
【0039】本発明方法を実施するための装置の構成に
ついては、例えば図4及び図5で示される。図4は潜像
書き込みと現像が独立している例である。図5は潜像書
き込みと現像が一体となっている例である。
【0040】図4において、まず潜像形成部で、ローラ
6a−1上に担持された多孔質体7a−1に接触材料5
を含ませ、このローラ担持多孔質体7a−1を記録体3
の表面に押し当て、接触材料5を滲み出させることによ
り、記録体3表面に接触材料5を供給する。画像信号に
応じてサーマルヘッド8からの熱が、接触材料5を経て
記録体3表面に伝えられ、そこで潜像4が形成される。
【0041】また、現像部において、ローラ6a−2上
に担持された多孔質体7a−2に記録剤5aを含ませ、
このローラ担持多孔質体7a−2を記録体3の表面に押
し当て、記録剤5aを滲み出させることにより、記録体
3表面に記録剤5aを供給する。
【0042】潜像4が表面に形成された後、記録体3は
矢印方向に回転し、現像部において潜像4上に記録剤5
aが付着する。続いて、転写部において、付着記録剤が
被転写体(記録紙)10上に転写される。なお、図中、
11は転写ローラを示す。
【0043】同一画像情報を多数枚複写する場合は、転
写後の潜像4は消去せずに、繰り返し現像−転写を行な
う。一つの画像情報の複写が終了したところで、転写後
の潜像4に赤外線ランプ12で赤外線照射を行ない、潜
像4を消去する。その後、必要に応じて、別の画像情報
に基づいて、潜像形成−現像−転写を実施する。
【0044】図5においては、潜像形成と現像が一体化
され、同時に行なわれるので、接触材料5の記録体3表
面への供給が省略される。その他の点については、図4
の場合と同じである。
【0045】なお、図4及び図5においては、供給方法
1が採用されているが、もちろん供給方法2、同3を用
いることもできる。また、図4においては、下記表1の
どの組み合わせの供給方法を採用することもできる。な
お、記録体がベルト状になった構成等、他の構成を採用
することもできる。
【0046】
【0047】本発明で用いる多孔質体としては、接触材
料や記録剤を保持するもので、保持している状態で記録
体を痛めない程度に軟質なものが好ましい。材質として
は、ゴム、ポリウレタン、スポンジ、フェルト等であ
り、そのうち、1種類以上含んでいれば良い。孔径は1
mm以下が好ましく、小さい方がより好ましい。なお本
発明で言う多孔質体とは、多数の細孔を有し、且つ弾性
体であるものを言い、複合材料でもかまわない。ここで
複合材料とは、材質的に複合しているものと、部材が複
数あって、それらが合わさっているものを意味する。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】実施例1 下記材料の記録体を用いて記録装置を組み立て、記録を
行なった。 (i)記録層材料:含弗素ポリマーTG702(ダイキ
ン工業社製) (ii)潜像形成液兼記録剤:水性黒色インク (iii)多孔質体:エバーライトSF QR40(ブ
リヂストン社製) (iv)装置構成:図5に示される構成
【0050】(実施結果)水性黒色インクを充分量、記
録体に供給でき、且つ多数枚の画像記録が良好に行なわ
れた。このとき、インクが多孔質体から垂れることはな
く、もちろん画像記録時以外でもインクは垂れなかっ
た。
【0051】実施例2 下記材料の記録体を用いて記録装置を組み立て、記録を
行なった。 (i)記録層材料:含弗素ポリマーTG702(ダイキ
ン工業社製) (ii)潜像形成液:純水 (iii)記録剤:水性黒色インク (iv)潜像形成液を保持する多孔質体:PVAスポン
ジ ベルイーターKE(D)(鐘紡社製) (v)記録剤を保持する多孔質体:エバーライトSF
QR−40(ブリヂストン社製) (vi)装置構成:図4に示される構成(但し、潜像消
去ランプ12は不使用)
【0052】(実施結果)水性黒色インクを充分量、記
録体に供給でき、且つ多数枚の同一画像記録が良好に行
なわれた。このとき、インクが多孔質体から垂れること
はなく、もちろん画像記録時以外でもインクは垂れなか
った。
【0053】比較例 実施例1において、潜像形成液兼記録剤の供給方法とし
て、記録剤に接した回転ローラを用いた以外は、実施例
1と同様にして記録を行なったところ、画像記録は良好
に行なわれたが、装置を持ち運ぶ時、回転ローラ及びそ
の近傍から周囲にインクがこぼれ易く、装置内部を汚し
てしまった。
【0054】
【発明の効果】請求項1及び2の記録方法は、前記した
ように、記録体表面に加熱温度に応じた後退接触角を示
す潜像を形成させるという記録方において、記録体表
面への接触材料又は/及び記録剤の供給の際に、接触材
料又は記録剤を保持した弾性を有する多孔質体を、記録
体表面又は液体供給用部材表面に押し当てて該多孔質体
を変形させ、接触材料又は記録剤を滲み出させることに
より、前記供給を行なうという構成にしたことから、本
方法によると、潜像形成領域や顕像化領域において、接
触材料や記録剤が多孔質体から垂れることなく、しかも
記録体表面へ充分な量の接触材料や記録剤を供給するこ
とができる。
【0055】また、請求項3の記録方法は、接触材料と
して前記の記録剤を兼ねるものを使用するという構成と
したことから、潜像形成と顕像化とを一体化することが
できるので、記録装置を小型化できるという効果が加わ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法における液体供給方法を示す模式断
面図である。
【図2】本発明方法における別の液体供給方法を示す模
式断面図である。
【図3】本発明方法における別の液体供給方法を示す模
式断面図である。
【図4】本発明方法の実施の様子を示す装置構成例を含
む概略図である。
【図5】本発明方法の実施の様子を示す別の装置構成例
を含む概略図である。
【符号の説明】
1 記録層 2 基板 3 記録体 4 潜像 5 接触材料 5a 記録剤 6a,6a−1,6a−2,6b ローラ 7a,7a−1,7a−2,7b,7c 多孔質体 8 サーマルヘッド 9 ヒータ 10 被転写体(記録紙) 11 転写ローラ 12 潜像消去用赤外線ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−96681(JP,A) 特開 昭57−187255(JP,A) 特開 昭55−28884(JP,A) 西独国特許出願公開4010275(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 31/00 - 31/26 B41L 19/00 B41M 1/06 - 1/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱状態で且つ液体と接触させたときに
    後退接触角が低下する表面を有する記録体の表面と、液
    体、蒸気及び前記記録体における後退接触角の低下開始
    温度以下で液体となるか又は液体若しくは蒸気を発生す
    る固体から選ばれる接触材料とを接触させた状態で、画
    像信号に応じて前記記録体表面の後退接触角の低下開始
    温度以上に選択的に加熱することにより、又は画像信号
    に応じて前記記録体の表面を選択的に加熱し、前記記録
    体表面の加熱部が前記記録体表面の後退接触角の低下開
    始温度以上に保持された状態で前記接触材料と接触させ
    ることにより、前記記録体表面に加熱温度に応じた後退
    接触角を示す潜像を形成させ、次いで該潜像に液状の記
    録剤を供給付着させて顕像化した後、得られた可視像を
    被転写体に転写する記録方法において、潜像形成のため
    の前記記録体表面への前記接触材料の供給又は/及び顕
    像化のための前記記録体表面への前記記録剤の供給に際
    して、前記接触材料又は前記記録剤を保持した弾性を有
    する多孔質体を、前記記録体表面又は液体供給用部材表
    面に押し当てて該多孔質体を変形させ、前記接触材料又
    は前記記録剤を滲み出させることにより、前記供給を行
    なうことを特徴とする記録方法。
  2. 【請求項2】 得られた可視像を被転写体に転写後、更
    に潜像を前記接触材料の不存在下で加熱することにより
    消去する請求項1に記載の記録方法。
  3. 【請求項3】 前記接触材料として前記記録剤を用いる
    ことにより、前記記録体表面への前記接触材料の接触と
    前記潜像への記録剤の供給付着とを同時に行なう請求項
    1又は2に記載の記録方法。
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