JPH05169793A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JPH05169793A
JPH05169793A JP3356290A JP35629091A JPH05169793A JP H05169793 A JPH05169793 A JP H05169793A JP 3356290 A JP3356290 A JP 3356290A JP 35629091 A JP35629091 A JP 35629091A JP H05169793 A JPH05169793 A JP H05169793A
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liquid
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Application number
JP3356290A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Okada
康之 岡田
Takeshi Takemoto
武 竹本
Tomoki Kato
知己 加藤
Yasuo Katano
泰男 片野
Akira Oyamaguchi
章 大山口
Hidenori Tomono
英紀 友野
Hiroyuki Horiguchi
浩幸 堀口
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱状態で液体と接触したときに後退接触角
が低下する(潜像が形成される)表面を有する記録体を
用いて、その記録体上に少なくとも2色からなるインク
画像を形成させ、これを一度の転写で記録紙にカラー画
像を得るものである。 【構成】 記録体1上に例えばシアンインク31の画
像、マゼンタの画像32、イエローの画像33を形成し
た後、これを一度に記録紙Pに転写させる。これによ
り、ドットずれのない鮮明画像が得られる。但し、各イ
ンク31、32及び33はその融点をt1,t2,t3
した場合、 t1>t2>t3 の関係を充さねばならず、更に、潜像形成を生じさせる
ほど高い温度であってはならない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な記録装置に関し、
詳しくは、表面が特定性状を示す記録体の表面に、選択
的且つ可逆的に、加熱温度に応じた後退接触角を示す領
域が形成されるようにし、この領域(潜像)に着色材を含
有する記録剤の二種以上を供給して顕像化せしめ、これ
を普通紙等の被転写体(記録紙)に転写させ一度の転写
により多色複写物が得られるようにした記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】表面を液体付着性領域と非液体付着性領
域とに区分けして画像形成に供するようにした手段の代
表的なものとしては、平版印刷版を用いたオフセット印
刷方式が挙げられる。だが、このオフセット印刷方式に
おいて、原版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの印
刷工程を一つの装置内に組込むことは、装置の大型化が
避けられない。例えば、比較的小型化されている事務用
オフセット製版印刷機においても、多くの場合、製版装
置と印刷装置とは別個になっているのが普通である。
【0003】このようなオフセット印刷方式の欠陥を解
消することを意図して、画像情報に応じた液体付着性領
域及び非液体付着性領域が形成でき、しかも繰返し使用
が可能な(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案さ
れるようになってきている。その幾つかを挙げれば次の
通りである。 (1) 水性現像方式 疎水性の光導電体層に外部より電荷を与えた後、露光し
て光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパタ
ーンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させて
紙などに転写する(特公昭40−18992号、特公昭
40−18993号、特公昭44−9512号、特開昭
63−264392号などの公報)。 (2) フォトクロミック材料の光化学反応を利用した
方式 スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫外
線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミッ
ク化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37
巻4号、287頁(1980)〕。 (3) 内部偏倚力の作用を利用した方式 不定形状態と結晶性状態とを物理的変化により形成し、
液体インクの付着・非付着領域を構成する(特公昭54
−41902号公報)。
【0004】前記(1)の方式によれば、水性インクを
紙などに転写した後、除電により親水性部は消去され、
別の画像情報の記録が可能となる。即ち、一つの原版
(光導電体)で繰り返し使用が可能となる。だが、この
方式は電子写真プロセスを基本としているため、帯電→
露光→現像→転写→除電という長いプロセスを必要と
し、装置の小型化やコストの低減、メンテナンスフリー
化が困難であるといった欠点をもっている。前記(2)
の方式によれば、紫外線と可視光との照射を選択的に変
えることによって、親水性、疎水性を自由且つ可逆的に
制御できるものの、量子効率が悪いため反応時間が非常
に長くて記録速度が遅く、また安定性に欠けるといった
欠点をもっており、未だ実用レベルには達していないの
が実情である。更に、前記(3)の方式によれば、そこ
で使用される情報記録部材は、記録後のものでは安定性
があるが、記録前のものでは温度変化により物理的構造
変化が生じるおそれがあることから、保存性に問題が残
されている。これに加えて、記録された情報パターンの
消去には熱パルスを与え、次いで急冷する手段が採用さ
れることから、繰り返しの画像形成は繁雑さを免れ得な
いといった不都合がある。
【0005】本発明者らは従来のかかる欠点・不都合を
解消するための研究、検討を行なってきた。その結果、
特定の記録体(A)[加熱状態で且つ液体と接触させた
場合に後退接触角が低下する表面を有する記録体]及び
接触材料(B)〔液体、蒸気又は記録体(A)にいう後
退接触角の低下開始温度以下で液体となるか液体若しく
は蒸気を発生する固体〕を用い、記録体(A)の表面を
接触材料(B)と接触させた状態で選択的に加熱するこ
とにより、又は記録体(A)の表面を選択的に加熱した
状態で接触材料(B)と接触させることにより、記録体
(A)の表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す潜像
を形成せしめ、この潜像を記録剤で顕像化した後、続い
て、得られた可視像を記録紙に転写する方法並びにこれ
に関連した装置を提案した(西独公開特許第40102
75号明細書)。
【0006】ここに提案した方法等によれば、記録体
(A)上への潜像並びに可視像の形成、可視像の普通紙
等の被転写体への転写、及び潜像の消去が極めて簡単に
且つ可逆的に行なえるため、多数枚複写画像が容易に得
られることは勿論、異なった複写画像でも連続的に得る
ことができる。
【0007】このような特定の表面機能を有する記録体
(A)を用いる記録プロセスの実施の様子は、記録装置
の構成例を含めて、例えば図7に示される。図7は潜像
形成液と記録剤とを兼用した例であり、記録剤は着色材
を溶媒に溶解した又は分散させた液体である。
【0008】図7において、記録層及び基板からなる記
録体1は、矢印方向に回転している。まず、画像信号に
応じて、サーマルヘッド4からの熱が、皿の中に保持さ
れた記録剤(インク)3を経て、記録層に伝えられ、そ
こで潜像(S)が形成される。この潜像形成と同時にイ
ンク3が潜像(S)に付着して顕像化(現像)が行なわ
れる。続いて、転写部において、記録層上の付着インク
3aは、転写ローラ6により被転写体(記録紙)P上に
転写される。転写後、記録層上の潜像(S)は、一つの
画像情報の転写が終了した場合には、例えば赤外線ラン
プ7の照射により消去される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】だが、このような記録
装置を用いて2色複写画像更にはフルカラー複写画像を
得ようとする場合には、2色またはシアン、マゼンタ、
イエローの各色に応じた記録装置を2または3以上配設
し、一つの記録装置ごとに潜像形成し、現像(顕像化)
し、記録紙へ転写しなければない。このことは当然転写
部を二又は三カ所必要とすることを意味している。もっ
とも、例えば現像部を上下させれば転写部を一つで済ま
すことが可能となるが、その場合においても複数回の転
写操作は免れ得ないので、各インクドットの位置ずれは
避けがたいのが実情である。そして結果的には、印字の
ドットずれに起因する不鮮明画像を生じさせる。
【0010】複数回の転写で各色のドットの位置を正確
なものとするためには、記録紙の位置の検出センサが必
要であるうえ、記録体の回転むら、特に累積ピッチ誤差
が小さくなくてはならない。しかし、前記したごとき手
段を採用したのでは、記録装置はその機構上勢い複雑か
つコスト高になり勝ちであり、加えて、前記ドットのず
れの問題は期待する程には効果のあがらないのが実情で
ある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は複数回の転写
工程を行なうことなく、従って、ドットの位置ずれ等を
生じさせないので2色以上の多色画像が被転写体上に得
られる記録装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は下記記録体
(A)の表面を下記接触材料(B)と接触させた状態で
選択的に加熱することによりまたは記録体(A)の表面
を選択的に加熱した状態で接触材料(B)と接触させる
ことにより記録体(A)の表面に加熱温度に応じた後退
接触角を示す潜像を形成せしめる接触材料(B)を記録
体(A)表面に供給する手段と、記録体(A)表面を画
像信号に応じて選択的に加熱する手段と、形成された潜
像を顕像化する記録剤の付与手段と、記録体(A)上の
可視像を記録紙に転写する手段とを設けた記録装置にお
いて、前記記録剤の付与手段は、潜像が形成される温度
よりは低い融点又は軟化点であって、しかも、その融点
または軟化点が次第に低くなりかつ色の異なる少なくと
も2種の記録剤の配列よりなり、記録体(A)上に少な
くとも2色からなる可視像を形成せしめるようにしてな
ることを特徴としている。 (A)が加熱状態でかつ液体と接触したときに後退接触
角が低下する表面を有する記録体。 (B)液体、蒸気または記録体(A)にいう後退接触角
の低下開始温度以下で液体となるが液体もしくは蒸気を
発生する固体。
【0013】即ち、本発明装置は、転写操作がなされる
以前に一つの記録体(A)表面に2色またはそれ以上の
多色からなる可視像を形成し、これを一度の転写操作に
よって記録紙(被転写体)に転写でき、位置ずれのない
複写画像を得ようとするのもである。
【0014】以下に、本発明装置を添付の図面に従いな
がら更に詳細に説明する。
【0015】本発明で用いられる記録体(A)は、液体
に接した状態で加熱されると冷却後においてもその後退
接触角が低くなり且つ液体不存在下の加熱により後退接
触角が高くなるという機能を有する部材で、少なくとも
表面が形成されたものである。そして、このような機能
を有する記録体は、その表面が(1)疎水基の表面自己
配向機能をもつ有機化合物を含む部材、又は(2)疎水
基をもつ有機化合物であって疎水基を表面に配向した部
材である。
【0016】(1)にいう“表面自己配向機能”とは、
ある化合物を支持体上に形成した固体又はある化合物自
体による固体を空気中で加熱すると、表面において疎水
基が空気側(自由表面側)に向いて配向する性質がある
ことを意味する。このことは(2)においても同様に言
えることである。一般に、有機化合物では、疎水基は疎
水性雰囲気側へ向きやすい性質をもっている。これは、
固−気界面の界面エネルギーが低くなる方に向うために
生じる現象である。また、この現象は疎水基の分子長が
長くなるほどその傾向がみられるが、これは分子長が長
くなるほど、加熱における分子の運動性が上がるためで
ある。
【0017】更に具体的には、末端に疎水基を有する
(即ち表面エネルギーを低くする)分子であると、空気
側(自由表面側)を向いて表面配向しやすい。同様に
(−CH2−)nを含む直鎖状分子では(−CH2CH2
−)の部分が平面構造をしており、分子鎖同士が配向し
やすい。また、(−Ph−)nを含む分子も−Ph−の
部分が平面構造をしており、分子鎖同士が配向しやす
い。なお、−Ph−はp−フェニレン基である(以下同
じ)。殊に、弗素などの電気陰性度の高い元素を含む直
鎖状分子は自己凝集性が高く、分子鎖同士が配向しやす
い。
【0018】これらの検討結果をまとめると、より好ま
しくは、自己凝集性の高い分子や平面構造をもつ分子を
有し、且つ末端に疎水基を有する直鎖状分子、あるいは
そうした直鎖状分子を含む化合物は、表面自己配向機能
が高い化合物と言える。
【0019】これまでの記述から明らかなように、表面
自己配向状態と後退接触角とは関連があり、また後退接
触角と液体付着性との間にも関係がある。即ち、固体表
面での液体の付着は、液体の固体表面での主にタッキン
グによって生じる。このタッキングは、いわば液体が固
体表面を滑べる時の一種の摩擦力とみなすことができ
る。従って、本発明でいう“後退接触角”θrには、 cosθr=γ(γs−γse−πe+γf)/γev (但し、 γ :真空中の固体の表面張力 γse:固−液界面張力 γev:液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張
力 πe :平衡表面張力 γf :摩擦張力 γs :吸着層のない固体の表面張力である) といった関係式が成立つ(斉藤、北崎ら「日本接着協会
誌」Vol.22、No.12,1986)。従って、
θrの値が低くなるときγf値は大きくなる。即ち、液
体は固体面を滑べりにくくなり、その結果、液体は固体
面に付着するようになる。
【0020】これら相互の関連から推察しうるように、
液体付着性は後退接触角θrがどの程度であるかに左右
され、その後退接触角θrは表面自己配向機能を表面に
有する部材の何如により定められる。それ故、本発明で
使用される装置においては、記録体はその表面に所望パ
ターン領域の形成及び/又は記録剤による顕像化の必要
から、必然的に、表面自己配向機能を表面に有する部材
が選択されねばならない。
【0021】これまで後退接触角と液体付着性との関係
等を縷縷述べてきたが、これらの事項については、前記
の西独公開特許第4010275号明細書により詳しく
記載されている。
【0022】記録体(A)の構成は、本発明装置との関
連から、支持体(好ましくは耐熱性支持体)上に前記の
表面部材を形成したエンドレスベルト状のものが望まし
い。耐熱性支持体としては、テトラフルオロエチレン、
シリコーン、ポリイミド、ポリカーボネート、エポキ
シ、メラミン、フェノール、ポリエステル、ポリアセタ
ール、ユリア、ポリエチレンテレフタレートなどの樹
脂、更にはNi、Al、Cu、Cr、Ptなどの金属及
び金属酸化物等が好ましい。これら支持体は平滑でも粗
面や多孔質であってもよい。
【0023】接触材料(B)は、端的に言えば、当初か
ら液体あるいは蒸気であるか、又は記録体(A)にいう
後退接触角θrの低下開始温度以下で結果的に液体を生
じさせる固体である。ここでの蒸気は、記録体の表面又
は表面近傍で、少なくともその一部が凝縮して液体を生
ぜしめ、その液体が記録体の表面を濡らすことができる
ものであれば充分である。一方、ここでの固体は、前記
後退接触角θrの低下開始温度以下で液体となるか、液
体を発生させるか、又は蒸気を発生させるものである。
固体から発生された蒸気は、記録体の表面又はその近傍
で凝縮して液体を生じさせることは、前記の場合と同様
である。
【0024】これら接触材料(B)をより具体的に言え
ば次の通りである。即ち、接触材料(B)の一つである
液体としては、水の他に、電解質を含む水溶液、エタノ
ール、n−ブタノール等のアルコール、グリセリン、エ
チレングリコール等の多価アルコール、メチルエチルケ
トン等のケトン類のごとき有極性液体や、n−ノナン、
n−オクタン等の直鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の
環式状炭化水素、m−キシレン、ベンゼン等の芳香族炭
化水素のごとき無極性液体が挙げられる。また、これら
の混合体でもよいし、各種分散液や液状インクも使用で
きる。更に望ましくは、極性液体の方がよりすぐれてい
る。
【0025】接触材料(B)の他の一つである蒸気とし
ては、水蒸気の外に、接触材料(B)の液体の蒸気であ
れば使用できるが、特にエタノール蒸気やm−キシレン
蒸気などの有機化合物の蒸気(噴霧状態のものを含む)
が挙げられる。この有機化合物蒸気の温度は、記録体
(A)の表面を形成する化合物の融点あるいは軟化点以
下である必要がある。
【0026】接触材料(B)の他のもう一つである固体
としては、高級脂肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子
ゲル(ポリアクリルアミドゲル、ポリビニルアルコール
ゲル)、シリカゲル、結晶水を含んだ化合物などが挙げ
られる。
【0027】接触材料(B)を記録体(A)表面に接触
させるための供給手段としては、例えば記録体(A)下
部に皿を設け液体を満たし記録体(A)が皿中の液体に
常に接するようにし、加熱源を皿の近傍又は皿の中に配
置する構成が最も簡単な構成となる。皿の替わりに、液
体を含ませたスポンジ状多孔質体を用いても良い。光や
電子線による潜像形成手段も上記構成と基本的に同様で
ある。
【0028】なお、接触材料(B)として、前記液体イ
ンクのごとき記録剤を用い、接触材料(B)を記録剤と
兼用すると一つの皿で構成でき、潜像形成と顕像化とを
一体化できるため、装置を小型化できる。
【0029】潜像形成のための加熱手段としてはヒータ
ー、サーマルヘッドなどによる接触加熱の他に、電磁波
(レーザー光源、赤外線ランプなどの発光源からの光線
をレンズで集光する)による非接触加熱があるが、本発
明装置においては、支持体側からのサーマルヘッドでの
加熱が望ましい。
【0030】潜像形成後、潜像に記録剤が供給付着され
顕像化(以降「現像」ということがある)が行なわれる
が、この記録剤を供給、付着させる手段としては、記録
剤を充填した皿を記録体の進行方向に配置し、記録剤を
記録体(A)に接しておく構成が簡単である。
【0031】記録剤としては、着色材を含み原則として
常温で固体のものが用いられるが、これは具体的には次
の(イ)及び(ロ)2つに大別しうる。なお、着色剤は
染料、顔料のいずれでもよい。 (イ) 溶媒を三原色とも共通とし、水性では例えば
水、多価アルコール(グリセリン、エチレングリコール
など)、ホルムアルデヒド等を使用し、油性では高級脂
肪族(カプロン酸、エナント酸、カプリル酸など)、脂
肪族エステル(ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、
カプリン酸メチル、カプリン酸エチルなど)、n−アル
カン(デカン、ウンデカン、トリデカン、テトラデカン
など)等が用いられる。その他、常温より低い温度で液
体のものを使用しうる。添加物としては有機高分子が用
いられ、これには各色ごとに分子量をかえる方法と、各
色ごとに添加濃度をかえる方法とがある。どちらの方法
も記録剤(インク)の融点を変えることができる。ここ
での添加物は、水性の溶媒に対しては水溶性高分子(ポ
リエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミドなど)であり、油性の溶媒に対しては低分
子量ポリエチレン、パラフィン、ポリスチレン等であ
る。着色材として染料が用いられる場合には、水性溶媒
に対しては酸性染料、直接染料、塩基性染料のいずれで
もよく、油性溶媒に対しては油溶性染料が有用である。 (ロ) 一つは溶媒を各色ごとにその分子量を変える方
法であり、もう一つは各色ごとに溶媒の種類を変える方
法である。いずれの方法においても、溶媒には高分子材
料(ポリエチレングリコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸
エステル、パラフィンなど)が用いられる。
【0032】その他、記録剤としては、常温より低い温
度に融点又は軟化点をもつものを使用しうる。但し、こ
の場合には、その記録剤を適当な温度に下げて用いるこ
とが必要である。
【0033】図1は本発明に係る記録装置の基本構成を
説明するための概略を示しており、そこに付された符号
で、1はベルト状記録体(A)〔以降単に「記録体」と
称することがある。〕、21,22及び23は現像ロー
ラ、31はシアンインク、32はマゼンタインク、33
はイエローインク、41,42及び43はサーマルヘッ
ド、51及び52は記録体1の駆動ローラ及び従動ロー
ラ、6は転写ローラ、7は赤外線ランプ、8はクリーニ
ングローラ、91,92及び93はインク加熱手段、P
は記録紙(被転写体)を表わしている。ここではフルカ
ラー画像を得ることを意図して、シアン、マゼンク、イ
エローの3種のインクが用いられているが、これらのイ
ンクはどのような色の順であってもよく、更には、任意
の色のインクであってもよい。フルカラー画像を得ない
場合には、インクの種類は少なくても2種あればよい。
但し、記録体1の移動方向の手前側に位置するインクの
融点又は軟化点はその後方側に位置するインクの融点又
は軟化点より必ず高い(図1についていえば、インク3
1の融点又は軟化点はインク32及び33のそれより高
く、インク32の融点又は軟化点はインク33のそれよ
り高くなっている)という条件、及び、いずれのインク
31、32、33の融点又は軟化点の温度で記録体1に
潜像を形成させるものであってはならないという条件は
充していなければならない。
【0034】これを更に判りやすく説明すれば、いま シアンインク31の融点又は軟化点をt31 マゼンタインク32の融点又は軟化点をt32 イエローインク33の融点又は軟化点をt33 とすると、t31>t32>t33の関係が成立つ必要があ
る。換言すれば、各インクの融点又は軟化点は記録体1
上の潜像の顕像化(現像)を進めてゆくのに従って低く
なっている。
【0035】従って、本発明装置で用いられるインクは
常温で固体であるのが望ましい。但し、最終の顕像化に
供されるインクは常温で液体であってもかまわないこと
は前記のとおりである。いま、記録体1表面にシアンイ
ンク31を液体状態で接触させ、その状態でサーマルヘ
ッド41を記録体1の表面に当てて記録体1を加熱する
(より正確にいえば、記録体1の記録層表面を加熱す
る)。ここでのシアンインク31は加熱手段91で加熱
され現像ユニット内で融点又は軟化点以上の温度に維持
されているが、この温度は記録体1に潜像を形成させる
温度よりは低いものである。記録体1上に1番目の潜像
が形成されるのと同時にシアンインク31により現像が
行なわれる。潜像に付着したシアンインク31は、続い
てマゼンタインク32を用いる潜像形成及び現像がなさ
れるまでに記録体1が移動する間に自然冷却され、固体
になっている。
【0036】シアンインク31で現像された記録体1は
移動し、前記と同様に、溶融されたマゼンタインク32
存在下での加熱により潜像形成され、同じに現像が行な
われる。記録体1の表面には既に固体状となっているイ
ンク像が付着しており、これがマゼンタインク32像形
成時に溶融するようなことがあってはならず、従って、
マゼンタ現像ユニット内ではマゼンタインク32の溶融
温度のより高い温度に維持されているがシアンインク3
1の溶融温度より低い温度に保たれている。このため、
マゼンタ現像ユニット内では、マゼンタインク32によ
る現像は行なわれるが、シアンインク31は記録体1に
固体状態として付着したままである。続いて、記録体1
上には上記と同様にしてイエローインク33像が形成さ
れる。このイエローインク33によって画像形成が行な
われる際には、マゼンタインク像は記録体1に固体状態
として付着している。
【0037】記録体1上にシアン、マゼンタ、イエロー
の各インクで形成されたフルカラー画像は記録紙Pに転
写される。この転写がなされる時までにはイエローイン
ク画像も固体状になっている。画像転写後の記録体1に
はいまだシアン用、マゼンダ用、イエロー用の3種の潜
像(S1)(S2)(S3)が残っており、このため、記
録体1に新たに別の画像形成を行なう場合には、赤外線
ランプ7からの光を記録体1表面に照射し加熱(加熱温
度:50〜300℃、望ましくは100〜108℃、加
熱時間:1ms〜10s、好ましくは10ms〜1s)
して潜像消去が行なわれ、望ましくは、クリーニングロ
ーラ8で記録体1表面に付着しているかも知れない残留
インクが除去される。その後、前記と同様な操作が繰り
返されて新たなフルカラー画像が記録紙P上に形成され
る。なお、同一画像の複数コピーを得る場合にも、同様
な操作が繰返しなされる。
【0038】潜像消去のための加熱源としては、ヒータ
ーやサーマルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや前
記の赤外線ランプのごとき電磁波による非接触加熱源が
望ましい。加熱は潜像部のみ行なっても良いが、記録体
全面に行なっても良い。むしろ、全面加熱の方が装置構
成を簡単にできるため、より望ましい。なお、潜像消去
手段は、消去のための加熱を行なったのち、再び潜像形
成を行なうまでの時間の間に、記録体表面が実質的に冷
却する位置に設ける。潜像消去に必要な加熱温度は前述
の通りであるが、主として、記録体1の表面層(記録
層)の材料により異なる。ただ、いずれの場合も、記録
体表面の材料の後退接触角が低くなる開始温度以上で且
つ分解点以下の温度が望ましい。
【0039】本発明装置を稼働させ良質の画像を得るた
めには、各インク31,32及び33の溶融温度を正確
に制御しておかなければならない。そのため、各インク
は温度センサ311,322及び333によって温度が
検知され、それによってヒータ91,92及び93が働
くようにしておくのが望ましい(図2)。また、イエロ
ーインク33はその現像ユニットの内部でイエローイン
ク33の融点又は軟化点以上でマゼンタインク32の融
点又は軟化点以下の温度になるようにヒータ93で加熱
することにより維持されているが、但し、イエローイン
ク33の融点又は軟化点が室温より低い場合には例えば
ペルチェ素子933′などにより冷却しておいた方がよ
い場合も生じる(図3)。図3で、933は冷却装置を
示している。
【0040】これまでは、潜像形成と同時に顕像化を行
なう方式が採用された例である。先に触れたとおり、潜
像形成後にこれを現像する方式が採用しうることは何等
差し支えない(図4)。ただし、その場合、装置が幾分
複雑となることは否めない。図4はその代表的な一例で
あり、記録体1表面は水のごとき液体16の存在下で加
熱されて潜像が形成され、次いで、その潜像が現像され
るという方式が採用されている。
【0041】図1から図4までの例では、各色の潜像形
成ごとにサーマルヘッド41、42、43が使用されて
いる。図5は1つのサーマルヘッド4で各色ごとの潜像
形成を行なうことの例を示している。即ち、シアンイン
ク31で現像するための潜像を記録体1上に形成した際
には、シアンインク31は記録体表面に接触させるが、
マゼンタインク32及びイエローインク33は記録体1
表面に接触させないようにしておく。記録体1が一回転
して、マゼンタインク32で現像するための潜像を記録
体1に形成した際には、マゼンタインク32は記録体表
面に接触させるが、シアンインク31及びイエローイン
ク33は記録体1表面に接触させないようにしておく。
同様に、更に記録体1が一回転して、イエローインク3
3で現像するための潜像を記録体1に形成した際には、
シアンインク31及びマゼンタインク32は記録体1表
面に接触させないようにしておく。これらの操作(3色
の現像)が完了した後、記録体1表面に記録紙Pが押圧
されて転写が行なわれ、更に、除像及びクリーニング操
作がなされる。この方法によれば、一回の転写で済むの
でドットの位置すれが小さい。
【0042】また、本発明装置では各色の現像が終るご
とに記録体1を冷却することも効果的である(図6)。
これは、インクが液状から固体になる時間が短縮され、
ひいては、記録体1の移動速度を速くすることにもな
る。図6中、931′及び932′はともにペルチェ素
子、931及び932はともに冷却装置である。
【0043】被転写体(記録紙)としては、透明又は不
透明樹脂フィルム、普通紙、合成紙、インクジェット記
録用紙、タイプ用紙などを用いることができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】実施例1 イエローインクの溶媒はラウリン酸エチル(融点−20
℃)を用い、染料はAIZEN SOT YELLOW−
3(保土谷化学社製)を使用した。マゼンタインクの溶
媒はパルミチン酸エチル(融点25℃)を用い、染料は
AIZEN SOT Pink−1(保土谷化学社製)を
使用した。シアンインクの溶媒はトリコサン酸メチル
(融点55℃)を用い、染料はAIZEN SOT Bl
ue−4(保土谷化学社製)を使用した。現像ユニット
の温度については、イエローインクは5℃(ペルチェ素
子にて冷却)、マゼンタインクは30℃(ヒータで加
熱)、シアンインクは60℃(ヒータで加熱)に維持し
た。室温は22℃であった。記録体については、支持基
板はシームレスポリイミドフィルムφ100mm(厚さ
約20μm、日東電工社製)を使用し、記録層材料は含
フッ素アクリレート共重合体(TG702、ダイキン工
業社製)を使用した。ローラ径はφ30mmとした。サ
ーマルヘッドは、熱素子密度8dot/mmを使用し
た。潜像形成液には、インク自身を用いて潜像を形成
し、同時に現像を行なった。各色の現像ユニットのユニ
ット間隔は50mmで、記録体ベルトの送り速度は5m
m/secとした。装置は図3に示すものを用いた。そ
の結果、良好なカラー印刷が実現できた。
【0046】実施例2 イエローインクの溶媒はヘプタン酸(融点−10℃)、
染料はAIZEN SOT YELLOW−3(保土谷化
学社製)を使用した。マゼンタインクの溶媒はノナン酸
(融点13℃)、染料はAIZEN SOTPink−
1(保土谷化学社製)を使用した。シアンインクの溶媒
はミリスチン酸(融点55℃)、染料はAIZEN S
OT Blue−4(保土谷化学社製)を使用した。現
像ユニット温度については、イエローインクは0℃(ペ
ルチェ素子にて冷却)、マゼンタインクは30℃(ヒー
タで加熱)、シアンインクは60℃(ヒータで加熱)に
維持した。室温は22℃であった。記録体については、
支持基板は支持基板はシームレスポリイミドフィルムφ
100mm(厚さ約20μm、日東電工社製)を使用
し、記録層材料は含フッ素アクリレート共重合体(TG
702、ダイキン工業社製)を使用した。ローラ径はφ
30mmとした。サーマルヘッドは、熱素子密度8do
t/mmを使用し、潜像液は水を使用し、潜像形成と現
像を独立させた。現像ユニットのユニット間隔は50m
mとし、記録体ベルトの送り速度は、5mm/secと
した。装置は図4に示すものを用いた。図中、15は、
スポンジローラ、16は水である。その結果、良好なカ
ラー印刷が実現できた。
【0047】
【発明の効果】請求項1及び3の発明によれば、少なく
とも二つ以上の融点の異なるインクを使用し、しかも、
それらインクが各色に対応しているので、現像時に各色
が混合することがないので、現像を重ねてすることが可
能となり、紙への転写は一回で済む。しかも、従来のカ
ラー印刷は、シアンインク、マゼンタインク、イエロー
インクを使用する場合、3回の紙への転写が必要であっ
た。3回の転写が1回の転写ですむことにより、機構の
単純化による小型化、コストの低減、3色のドット位
置、誤差の低減による画質の向上、1枚当たりの印刷時
間の短縮による性能アップが可能となる。請求項2の発
明によれば、潜像形成と同時に顕像化がなされるので装
置の小型化及び記録のスピード化が図られる。請求項4
及び5の発明によれば、記録がより順調に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の一例の概略図である。
【図2】本発明に係る装置の一例の概略図である。
【図3】本発明に係る装置の一例の概略図である。
【図4】本発明に係る装置の一例の概略図である。
【図5】本発明に係る装置の一例の概略図である。
【図6】本発明に係る装置の一例の概略図である。
【図7】本発明装置で用いる記録体によって画像が得ら
れることの説明図である。
【符号の説明】
1 記録体 4 サーマルヘッド 6 転写ローラ 7 赤外線ランプ 8 クリーニングローラ 12 加熱装置 13 冷却装置 15 スポンジローラ 16 水 31,32,33 インク 311,322,333 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片野 泰男 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 大山口 章 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 友野 英紀 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 堀口 浩幸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記記録体(A)の表面を下記接触材料
    (B)と接触させた状態で選択的に加熱することにより
    または記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態で接
    触材料(B)と接触させることにより記録体(A)の表
    面に加熱温度に応じた後退接触角を示す潜像を形成せし
    める接触材料(B)を記録体(A)表面に供給する手段
    と、記録体(A)表面を画像信号に応じて選択的に加熱
    する手段と、形成された潜像を顕像化する記録剤の付与
    手段と、記録体(A)上の可視像を記録紙に転写する手
    段とを設けた記録装置において、前記記録剤の付与手段
    は潜像が形成される温度よりは低い融点又は軟化点であ
    って、しかも、その融点または軟化点が次第に低くなり
    かつ色の異なる少なくとも2種の記録剤の配列よりな
    り、記録体(A)上に少なくとも2色からなる可視像を
    形成せしめるようにしたことを特徴とする記録装置。 (A)加熱状態でかつ液体と接触したときに後退接触角
    が低下する表面を有する記録体。 (B)液体、蒸気または記録体(A)にいう後退接触角
    の低下開始温度以下で液体となるか液体もしくは蒸気を
    発生する固体。
  2. 【請求項2】 前記接触材料(B)として溶融または軟
    化状態の記録剤を用いることにより接触材料(B)の供
    給手段と記録剤付与手段とを一つものにした請求項1記
    載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記2種以上の記録剤は、すべて常温で
    固体であるか、又は最終の顕像化に用いられるものは常
    温で液体であり、その他は、常温で固体であって顕像化
    の際溶融または軟化せしめられて用いられるものである
    請求項1又は2記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記顕像化時の各々の記録剤の温度を検
    知し、その検知結果に基づいて、これら記録剤の加熱ま
    たは冷却をフィードバック制御するせしめるようにした
    請求項1又は2記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録剤付与手段の後方にその記録剤
    の冷却手段を配した請求項1又は2記載の記録装置。
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