JP2796575B2 - 記録方法 - Google Patents

記録方法

Info

Publication number
JP2796575B2
JP2796575B2 JP2043599A JP4359990A JP2796575B2 JP 2796575 B2 JP2796575 B2 JP 2796575B2 JP 2043599 A JP2043599 A JP 2043599A JP 4359990 A JP4359990 A JP 4359990A JP 2796575 B2 JP2796575 B2 JP 2796575B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
recording medium
contact
liquid
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2043599A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03178478A (ja
Inventor
泰男 片野
浩幸 堀口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to DE19904010275 priority Critical patent/DE4010275A1/de
Priority to US07/620,579 priority patent/US5278126A/en
Publication of JPH03178478A publication Critical patent/JPH03178478A/ja
Priority to US08/074,405 priority patent/US5471234A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2796575B2 publication Critical patent/JP2796575B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Duplication Or Marking (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は新規な記録方法に関し、詳しくは、表面が特
定性状を示す記録体のその表面に、選択的に又は選択的
かつ可逆的に、加熱温度に応じた後退接触角を示す領域
が形成されるようにした方法であり、必要により、この
領域に色材を含有する記録剤を供給して顕像化するよう
にした記録方法に関する。
〔従来の技術〕
表面を液体付着性領域と非液体付着性領域とに区分け
して記録形成に供するようにした手段の代表的なものと
しては水(湿し水)なし平版印刷版を用いたオフセット
印刷方式があげられる。たが、このオフセット印刷方式
は原版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの印刷工
程を一つの装置内に組込むことが困難であり、製版印刷
の装置の小型化は勢い困難なものとなっている。
例えば、比較的小型化されている事務用オフセット製
版印刷機においても、製版装置と印刷装置とは別個にな
っているのが普通である。
このようなオフセット印刷方式の欠陥を解消すること
を意図して、記録情報に応じた液体付着性領域及び非液
体付着性領域が形成でき、しかも、繰返し使用が可能な
(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案されるよ
うになってきている。その幾つかをあげれば次のとおり
である。
(1)水性現像方式 疎水性の光導電体層に外部より電荷を与えた後、露光
して光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパ
ターンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させ
て紙などに転写する(特公昭40−18992号、特公昭40−1
8993号、特公昭44−9512号、特開昭63−264392号などの
公報)。
(2)フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方
式 スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫
外線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミ
ック化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37
巻4号、287頁(1980)〕。
(3)内部偏倚力の作用を利用した方式 不定形状態と結晶性状態とを物理的変化により形成
し、液体インクの付着・非付着領域を構成する(特公昭
54−41902号公報)。
前記(1)の方式によれば、水性インクを紙などに転
写した後、除電により親水性部は消去され、別の画像情
報の記録が可能となる。即ち、一つの原版(光導電体)
で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式は電子写
真プロセスを基本としているため帯電→露光→現像→転
写→除電という長いプロセスを必要とし、装置の小型化
やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難であると
いった欠点をもっている。
前記(2)の方式によれば、紫外線と可視光との照射
を選択的にかえることによって親水性、疎水性を自由か
つ可逆的に制御できるものの、量子効率が悪いため反応
時間が非常に長くて記録速度が遅く、また安定性に欠け
るといった欠点をもっており、いまだ実用レベルには達
していないのが実情である。
更に、前記(3)の方式によれば、そこで使用される
情報記録部材は、記録後のものでは安定性があるが、記
録前のものでは温度変化により物理的構造変化が生じる
おそれがあることから保存性に問題が残されている。こ
れに加えて、記録された情報パターンの消去には熱パル
スを与え、次いで急冷する手段が採用されることから、
繰り返しの画像形成は繁雑さをまぬがれ得ないといった
不都合がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、加熱状態でかつ液体と接触させた場
合に後退接触角が低くなる表面を有する部材(記録体
(A))のその表面に、容易な手段で選択的に又は選択
的かつ可逆的に、所望パターン領域が形成できる方法を
提供するものである。
本発明の他の目的は、前記パターン領域に色材を含有
した記録剤(例えば液体インク)を供給すれば当初から
良好な可視画像(記録)が得られ、そのままこの可視画
像を記録体表面に固定させてもよく、また、固定させる
ことなく可視画像を普通紙などに転写し固定して、階調
性のある鮮明な記録が得られるようにした方法を提供す
るものである。
本発明の更に他の目的は、所望パターン領域の形成・
消去、顕像化、転写等すべての工程において、保存性並
びに安定性にすぐれた記録体(A)が使用されることに
よって、可逆的に複数回の前記工程が行ないうる新規な
記録方法を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の記録方法の第1は、下記の記録体(A)の表
面と接触材料(B)とを接触させた状態で選択的に加熱
し、又は、記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態
で接触材料(B)と接触させることにより、記録体
(A)の表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す領域
(所望パターン領域であり、便宜上以降「潜像」又は
「潜像領域」と称することがある)を形成せしめること
を特徴としている。
(A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
角が低下する表面を有する記録体。
(B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
低下開始温度以下で液体となるか、液体もしくは蒸気を
発生する固体。
本発明の記録方法の第2は、記録体(A)の表面と接
触材料(B)とを接触させた状態で選択的に加熱し、又
は記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態で接触材
料(B)と接触させることにより、記録体(A)表面に
潜像領域を形成せしめ、これに記録剤を付着させて可視
画像を得ることを特徴としている。
本発明の記録方法の第3は、記録体(A)の表面と記
録剤とを接触させた状態で選択的に加熱し、又は記録体
(A)の表面を選択的に加熱した状態で記録剤と接触さ
せることにより、記録体(A)表面に加熱温度に応じた
可視画像を形成することを特徴としている。
本発明の記録方法の第4は、前記第2又は第3の方法
において潜像領域に記録剤を付着させた後、さらに普通
紙等に転写することを特徴としている。
本発明の記録方法の第5は、前記第2又は第3の方法
において潜像領域に記録剤を付着させた後、さらに普通
紙等に転写し、再び該潜像領域に該記録剤を付着させた
ことを普通紙等に転写する操作を繰返し行なうことを特
徴としている。
本発明の記録方法の第6は、前記第1、第2又は第3
の方法において潜像領域の形成後又はその潜像領域に記
録剤を付着させた後、さらに記録体(A)接触材料
(B)の不存在下で加熱して、該潜像領域を消去せしめ
ることを特徴としている。
本発明の記録方法の第7は、前記第4又は第5の方法
において潜像領域に付着した記録剤を普通紙等に転写さ
せた後、さらに記録体(A)を接触材料(B)の不存在
下で加熱して該潜像領域を消去せしめることを特徴とし
ている。
なお、これら本発明方法においては、記述のとおり、
前記潜像が形成された記録体(A)の表面を、接触材料
(B)の不存在下で加熱することによって潜像の消去が
行なえ、可逆的に画像形成がなし得るものである。
本発明者らは、従来技術に記述したごとき欠陥を解消
し、新規な記録方法について多くの研究・検討を行なっ
た。その結果、液体に接した状態で加熱され冷却後後退
接触角が低くなり、かつ、液体不存在下の加熱により後
退接触角が高くなるという機能を表面に有する部材が記
録体として有用であることを見いだした。そして、この
ような機能を有する記録体(A)はその表面が(1)疎
水基の表面自己配向機能をもつ有機化合物を含む部材、
又は(2)疎水基をもつ有機化合物であって疎水基を表
面に配向した部材であることも併せて確めた。
(1)にいう“表面自己配向機能”とは、ある化合物
を支持体上に形成した固体又は或る化合物自体による固
体を空気中で加熱すると、表面において疎水基が空気側
(自由表面側)に向いて配合する性質があることを意味
する。このことは、(2)においても同様にいえること
である。一般に、有機化合物では疎水基は疎水性雰囲気
側へ向きやすい現象をもっている。これは、固−気界面
の界面エネルギーが低くなる方に向うために生じる現象
である。また、この現象は疎水基の分子長が長くなるほ
どその傾向がみられるが、これは分子長が長くなるほど
加熱における分子の運動性が上がるためである。
更に具体的には、末端に疎水基を有する(即ち表面エ
ネルギーを低くする)分子であると、空気側(自由表面
側)を向いて表面配向しやすい。同様にCH2 を含
む直鎖状分子ではCH2CH2の部分が平面構造をしてお
り、分子鎖どうしが配向しやすい。また、 の部分が平面構造をしており、分子鎖どうしが配向しや
すい。殊に、弗素などの電気陰性度の高い元素を含む直
鎖状分子は自己凝集性が高く、分子鎖どうしが配向しや
すい。
これらの検討結果をまとめると、より好ましくは、自
己凝集性の高い分子を含んだり平面構造をもつ分子を含
み、かつ、末端に疎水基を有する直鎖状分子、或いは、
そうした直鎖状分子を含む化合物は表面自己配向機能が
高い化合物といえる。
これまでの記述から明らかなように、表面自己配向状
態と後退接触角とは関連があり、また、後退接触角と液
体付着性との間にも関係がある。即ち、固体表面での液
体の付着は、液体の固体表面での主にタッキングによっ
て生じる。このタッキングはいわば液体が固体表面を滑
べる時の一種の摩擦力とみなすことができる。従って、
本発明でいう“後退接触角”θrは、前記摩擦力をγ
とすると、 (但し、γ :真空中の固体の表面張力 γsl:固−液界面張力 γlv:液体がその飽和蒸気と接しているときの
表面張力 πe :平衡表面張力 γf :摩擦張力 γs :吸着層のない固体の表面張力、である) との関係式が成立つ(斎藤、北崎ら「日本接着協会誌」
Vol.22、No.12,No.1986号)。
従って、θrの値が低くなるときγ値は大きくな
る。即ち、液体は固体面を滑べりにくくなり、その結
果、液体は固体面に付着するようになる。
これら相互の関連から推察しうるように、液体付着性
は後退接触角θrがどの程度であるかに左右され、その
後退接触角θrは表面自己配向機能を表面に有する部材
の如何により定められる。それ故、本発明方法において
は、記録体(A)はその表面に所望パターン領域の形成
及び/又は記録剤による顕像化の必要から、必然的に、
表面自己配向機能を表面に有する部材が選択されねばな
らない。
本発明方法で用いられる記録体(A)は、既述のとお
り、「加熱状態でかつ液体と接触された場合に後退接触
角θrが低下する表面」を有するものである。
記録体(A)はその表面が上記のような性状を有して
さえいれば、形状等は任意である。従って、記録体
(A)はフィルム状であっても、適当な支持体や成形体
上に表面が上記のような性状を有する別の塗工膜などが
設けられていてもかまわない。成形体自体であってもか
まわないが、その表面は上記のような性状を有している
ことが必要である。
この記録体(A)は、接触材料(B)の種類によって
は潜像領域における液体付着性部分が親油性又は親水性
のいずれかになり、従って、複写物を得る際には油性イ
ンク、水性インクのいずれも必要に応じて使いわけられ
る。
ここで、“加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後
退接触角θrが低下する表面を形成する”部材ないし材
料を幾つかに分類した例を第1図に示す。第1図(a)
は自己配向機能を有する化合物の例で、高分子重合体の
側鎖に疎水基を有する化合物であり、主鎖Lと疎水基R
とは結合基Jにて結合している。
第1図(b)は、疎水基を有する有機化合物において
その疎水基を表面に配向した部材の例で、有機又は無機
材料Mの表面に、物理的又は化学的結合により、前記疎
水基を有する化合物Oを形成した部材である。第1図
(c)は、第1図(b)であげた疎水基を有する有機化
合物Oのみからなる部材の例である。
第1図(d)は、直鎖状分子が高分子の側鎖にある例
で、主鎖Lと前記分子を結合基Jによりつなぎ、末端に
疎水基Rをもつ自己凝集性又は平面構造を有する分子鎖
Nが中間にある化合物である。
なお、第1図(a)(d)の例においては、高分子化
合物の主鎖Lは直鎖状でも網かけ構造でもよい。第1図
(b)の例においては、累積LB膜のように、疎水基含有
化合物Oの上にさらに疎水基含有化合物Oが積層されて
いてもよい。第1図(c)の例においては、主鎖(L)
をもつことなく又は有機・無機材料(M)などに結合す
ることなく、疎水基含有化合物Oのみによる構造であ
る。
前記の疎水基としては、分子の末端が好ましくは−CH
3や−CF3、−CF2H、−CFH2、−C(CF3、−C(C
H3などによっており、より好ましくは、分子運動性
が高い点で分子長の長いものが有利である。中でも、前
記疎水基としては、−F及び/又は−Clが1つ以上ある
置換アルキル基 或いは無置換のアルキル基であって、炭素数4以上のも
のが望ましい。弗素置換、塩素置換のいずれのものも用
いれるが、弗素置換のものの方が効果的である。これら
の材料においては、アルキル基炭素数と機能との関係で
は、炭素数が3以下であると、記録方法に適する機能が
低くなってしまう。
この機能発現の原理はいまだ完全に明らかにされた訳
ではなく、従って、不明な点が多いが、以下のことが推
定される。
まず、上記化合物により形成された記録体(A)の表
面は、前記疎水基がかなり配向した表面となっているこ
とが考えられる。従って、この表面は液体反撥性を有す
る(疎水基は表面エネルギーが小さいため)。この状態
で、記録体(A)の表面が接触材料(B)に接して加熱
を受けると、加熱による疎水基の分子運動が活発とな
り、かつ、接触材料(B)との相互作用を受けて、記録
体(A)の表面の少なくとも一部の配向(整列)状態が
別の状態(即ち、別の配向状態又は配向が乱れた状態)
にかわり、冷却後もその別の状態を維持するためと思わ
れる。なお、記録体(A)の表面に接触材料(B)が接
した状態のもとで加熱することは、接触材料(B)の形
態いかんにり、記録体(A)の表面が加熱された状態の
もとに液体を接触させることになる。
この加熱前は、疎水基が表面に整列(配向)している
ため、記録体(A)の表面の表面エネルギーは極めて少
ない。
ところが、前記の接触材料(B)が接した状態のもの
での加熱により、配向状態は乱れて表面エネルギーが高
まる。後退接触角θrは、液体の種類にかからわず、固
体と液体との表面エネルギーのバランスで決定される。
このため、固体の表面エネルギーが高まれば、液体の種
類にかかわらず、後退接触角θrは低くなる。従って、
液体に対する付着性は増大することになる。
更に、記録体(A)の表面が別の状態(元の配向状態
とは異なる「別の配向状態」又は「配向が乱れた状
態」)で接触材料(B)の不存在下に加熱を受けると、
接触材料(B)との相互作用が生じないため、元の整列
(配向)状態にもどると思われる。
従って、接触材料(B)の存在は単なる記録体(A)
の表面を加熱後の急冷を行なうためのものではなく、記
録体(A)の表面の化合物との何らかの相互作用をおこ
すものであり、この相互作用があって、はじめて別の状
態(別の配向状態又は配向が乱れた状態)への変化がお
こると思われる。
前記のとおり、記録体(A)の表面を形成する部材
(化合物)の疎水基として、アルキル基又は弗素あるい
は塩素置換のアルキル基が採用された場合には、アルキ
ル基の炭素数が4以上であるのが望ましいのは、元素、
記録体(A)の表面にアルキル基がある程度整列(配
向)し、しかも加熱時に活発な分子運動をするのに必要
な数のためと思われる。また、接触材料(B)が記録体
(A)の表面とともに加熱を受けた時、記録体(A)表
面の分子中に接触材料(B)の分子がとりこまれること
も考えられる。さらに、アルキル基中に電気陰性度の高
いフッ素や塩素があると、液体、特に極性液体との相互
作用が大きくなるため、水素のみのアルキル基を含有す
る化合物よりも大きな付着性変化が得られる。また、フ
ッ素を含有するアルキル基は、自己凝集性が強いため、
表面自己配向機能が高く、更に、表面エネルギーが低い
ため、地肌よごれ防止の点ですぐれている。
更にまた、記録体(A)の表面は液体反撥性を有する
が、これを固体の表面エネルギーで記述すると、本発明
者らの検討では、50dyn/cm以下であることが記録方法と
して望ましいことがわかった。これ以上の高い値では記
録剤に対して記録体(A)の表面が、時として、ぬれて
しまい、地肌よごれをおこすおそれがある。
ここで、記録体(A)の表面を形成する化合物の詳細
を述べる。まず、第1図(a)及び(d)のタイプにつ
いてビニル系高分子側鎖にアルキル基(フッ素及び/又
は塩素のものも含む)を有する化合物などが考えられ
る。具体的には、式(I)(II)(III)(IV)(V)
(VI)及び(VII) R :−H、−CH3,−C2H5,−CF3又は−C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又はフッ素若しくは塩素置換ア
ルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中にCF2
をもつ疎水基(l≧4) n′:1以上の整数 をモノマーとした重合体があげられる。
その他のポリマーとしては、式(VIII)(IX)及び
(X)に示したごときものがあげられる。
R :−H、−CH3,−C2H5,−CF3又は−C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又はフッ素もしくは塩素置換ア
ルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中にCF2
を含む疎水基(l≧4) n :10以上の整数 これら具体例でRfをより詳しくいえば下記(1)から
(20)までのものを例示することができる。
これらの化合物のうちでも、特に、下記(XI)の材料 〔但し、R1:水素、−CnH2n+1又は−CnF2n+1(n=1又
は2以上の整数) R2:CH2p(p≧1の整数) 又はCH2qN(R3)SO2− (R3は−CH3又は−C2H5、q≧1の整数) m :6以上の整数 である。〕 従って、本発明における記録体(A)表面の部材の最
も好ましい具体的化合物としては などが挙げられる。
さらに、これら式(I)(II)(III)(IV)(V)
(VI)(VII)及び(XI)のモノマーどうし(2種以上
のモノマーの共重合体)の他に、他のモノマー例えばエ
チレン、塩化ビニル、スチレン、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン、ビニルアルキルエーテル、酢酸ビニ
ル、ビニルアルコールなどとの共重合体も上記化合物と
して適する。
また、式(XI)のモノマーと官能基を有する重合性モ
ノマー例えば CH2=C(CH3)COO(CH22OH CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH3 CH2=CHCOOCH2CH(OH)C8F17 などの1種以上とで共重合物をつくり重合物中に官能基
を多数導入するか、式(XI)のモノマーと官能基を有す
る重合性モノマーとの共重合物をつくり、続いて、官能
基を多数含んだ共重合物どうしを架橋試薬をもちいて架
橋することにより製造した架橋性重合体の材料としてす
ぐれている。架橋試薬としては、ホルムアルデヒド、ジ
アルデヒド、N−メチロール化合物、ジカルボン酸、ジ
カルボン酸クロライド、ビスハロゲン化合物、ビスエポ
キシド、ビスアジリジン、ジイソシアネートなどがあげ
られる。このようにして得られた架橋重合物の一例を下
記に示す。
上記の式において、Aブロックは前記の熱的性質の変
化をもたらすアルキル基であり、一方、Bブロックは鎖
状ポリマーどうしを架橋している(架橋試薬としてジイ
ソシアネートを用いて架橋したもの)部位である。
架橋体による膜を得るには、前記の共重合物と架橋試
薬とを混合した溶液をコート液として基板上に塗布し、
加熱又は電子線照射や光照射により架橋重合膜を得るよ
うにすればよい。
なお、上記モノマーから重合体を得るには、溶液重
合、電解重合、乳化重合、光重合、放射線重合、プラズ
マ重合、グラフト重合、プラズマ開始重合、蒸着重合な
ど、材料により適当な方法が選択される。
次に、第1図(b)に示した化合物について述べる。
ここでは、式(XII)、(XIII)及び(XIV)に示す材料 R−COOH …(XII) R−OH …(XIII) RCH2 nSiX …(XIV) (R:炭素数4以上のアルキル基又はフッ素又は塩素置換
のアルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中にCF
2 を含む疎水基(l≧4) n:1以上の整数 X:塩素、メトキシ基又はエトキシ基) 等をガラス、金、銅などの無機材料やポリイミド、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレートなどの有機材料
表面に物理吸着又は化学結合した材料(表面エネルギー
が約50dyn/cm以下であるのが好ましい)であることが望
ましい。
式(XII)(XIII)及び(XIV)の具体例として CF3CF2 5COOH, CF3CF2 7COOH, CF3CF2 CH2 2OH, HCF2 10COOH, HCF2 10CH2OH, FCF2−CH2CH2−Si(CH32Cl, CF2Cl(CF3)CF(CF25COOH, CF3(CF2(CH22SiCl3 などがあげられる。
第1図(c)に示す化合物としては式(XII)、式(X
III)や式(XIV)の材料のみの構造体があげられる。
続いて、上記化合物を用いた記録体(A)について述
べる。
記録体(A)の構成としては、前記の表面部材その
もので形成したもの、支持体(好ましくは耐熱性支持
体)上に前記の表面部材を形成したものとに大別され
る。の態様は上記化合物(表面部材)そのものをフィ
ルム状あるいは板状、あるいは、円柱状に成形したもの
である。この際、フィルム状の場合は、フィルムの厚さ
は1μm〜5mmが望ましい。
の態様においては、上記化合物がある程度支持体内
部へ侵入していてもかまわない。記録体(A)自体の膜
厚は30Å〜1mmが望ましい。ただし、熱伝導性の点では1
00Å〜10μm、耐摩耗性の点では10μm〜1mmがすぐれ
ている。支持体の耐熱温度としては、50℃〜300℃が望
ましい。
支持体の形状は、ベルト状、板状、ドラム状いずれで
もよく、装置の使用用途に応じて選定する。特に、ドラ
ム状は装置における寸法精度を出せる点ですぐれてい
る。板状のものは、記録紙サイズに応じてその大きさを
決めればよい。
さらに、上記化合物(記録体(A)の表面形成材料)
と他の部材、例えば疎水性ポリマー、疎水性無機材料と
の混合物を支持体上に形成すると、印字における地肌よ
ごれ防止の点ですぐれている。また、熱伝導性を上げる
ためには、金属粉を上記化合物に混入するとよい。更
に、支持体と上記化合物との密着性を向上するためにプ
ライマー層を支持体と化合物間にもうけることもでき
る。耐熱性支持体としては、ポリイミド、ポリエステル
などの樹脂フィルムやガラスやNi、Al、Cu、Cr、Ptなど
の金属や金属酸化物等が好ましい。これら支持体は平滑
でも粗面や多孔質であってもよい。
次に、接触材料(B)について説明する。
接触材料(B)は、先に記載したとおりであるが、端
的にいえば、当初から液体あるいは蒸気であるか、又
は、記録体(A)にいう後退接触角θrの低下開始温度
以下で結果的に液体を生じさせる固体である。ここでの
蒸気は、記録体(A)の表面又は表面近傍で、少なくと
もその一部が凝縮して液体を生ぜしめ、その液体が記録
体(A)の表面を濡らすことができるものであれば充分
である。一方、ここでの固体は、前記後退接触角θrの
低下開始温度以下で液体となるか、液体を発生させる
か、又は、蒸気を発生させるものである。固体から発生
された蒸気は記録体(A)の表面又はその近傍で凝縮し
て液体を生じさせることは前記の場合と同様である。
これら接触材料(B)をより具体的にいえば次のとお
りである。
即ち、接触材料(B)の一つである液体としては、水
の他に、電解質を含む水溶液、エタノール、n−ブタノ
ール等のアルコール、グリセリン、エチレングリコール
等の多価アルコール、メチルエチルケトン等のケトン類
のごとき有極性液体や、n−ノナン、n−オクタン等の
直鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の環式状炭化水素、
m−キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のごとき無
極性液体があげられる。また、これらの混合体でもよい
し、各種分散液や液状インクも使用できる。さらに望ま
しくは極性液体の方がよりすぐれている。
接触材料(B)の他の一つである蒸気としては水蒸気
の外に、接触材料(B)の液体の蒸気であれば使用でき
るが、特にエタノール蒸気やm−キシレン蒸気などの有
機化合物の蒸気(噴霧状態のものを含む)があげられ
る。この有機化合物蒸気の温度は記録体(A)の表面を
形成する化合物の融点或いは軟化点以下である必要があ
る。
接触材料(B)の他のもう一つである固体としては、
高級脂肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲル(ポリ
アクリルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲル)、シ
リカゲル、結晶水を含んだ化合物などがあげられる。
なお、後述するところからより明らかになるが、接触
材料(B)として、前記液状インクのごとき“色剤を含
有した”記録剤を用いた場合には、潜像形成と同時に顕
像化が行なわれることになる。
続いて、加熱手段について説明する。
加熱手段としてはヒーター、サーマルヘッドなどによ
る接触加熱の他に、電磁波(レーザー光源、赤外線ラン
プなどの発光源からの光線をレンズで集光する)による
非接触加熱がある。また、電子線照射及び光(UV光)照
射によった場合にも実質的に加熱がなされていれば本発
明の方法を達成するすることができる。
第2図(a)は基板1上に記録体(A)の表面を構成
する前記化合物の膜2が形成され、この膜面に接触材料
(B)のうちの例えば液体3が存在している状態を示し
ている。この状態において、膜2を加熱すると、膜2表
面は後退接触角θrが低下して著しい濡れを示し、液体
付着性を有してしまうのが認められる。更に、この液体
付着性を有する膜2を空気中、真空中又は不活性ガス雰
囲気中で再び加熱する(第2図(b))と膜2表面は後
退接触角θrが高まってゆき再び液体反撥性を示すのが
認められる。
このような現象と幾分類似した現象を示すものとし
て、先にあげた特公昭54−41902号公報に記載された方
法がある。だが、ここに開示されている方法では記録材
料に実質的にデイスオーダーでかつ一般的に不定形のメ
モリ物質の層を得るようにしている点でメカニズム上大
きく相違したものとなっている。すなわち、本発明で
は、接触材料(B)の存在なしでは、記録体(A)表面
には状態変化がおこりえない。また、特公昭54−41902
号公報に記載された方法では、簡単な操作で可逆性を得
ることはできない。
第3図(a)のごとく、記録情報に応じて液体3の接
触下で膜2に熱を加える(第3図(b−1)のように、
液体不存在のものに膜2に記録情報に応じて熱を加えた
状態のもとで液体と接触させても同様である)と、加熱
部分の膜2の表面が液体付着性化される。図中、4はヒ
ーター、31は液体供給口、41は赤外線ランプ、5はレン
ズ、6はシャッターを表わしている。
第3図(a)は膜2の加熱は基板1を通して行なって
いる例であるが、第3図(b−2)に示した例は、液体
3を通して加熱がなされている例である。
この膜2の水溶液接触下での加熱前後の水溶液の接触
角の変動、及び、このものを更に空気中で加熱した場合
の水溶液の接触角の変動の一例を第4図に示した。第4
図において、Oは前進接触角、△は後退接触角を表わし
ている。
一般に、後退接触角が90゜以上の高い値の場合、その
表面は液体反撥性を示し、90゜以下の低い値の場合、そ
の表面は液体付着性を示す。
接触材料(B)に接した状態での記録体(A)表面の
加熱温度としては、50℃〜250℃の範囲が望ましく、さ
らに望ましくは80℃〜150℃である。加熱時間は、0.1m
秒〜1秒程度で望ましくは、0.5m秒〜2m秒である。加熱
のタイミングとしては、潜像形成であれば、記録体
(A)表面を加熱した後、冷めないうちに接触材料
(B)に接触させる。記録体(A)表面に接触材料
(B)を接触させた状態のもとに記録体(A)表面を加
熱させる、のいずれかでもよい。一方、潜像消去であれ
ば、接触材料(B)の不存在下で記録体(A)表面を50
〜300℃、望ましくは100〜180℃に加熱すればよい。加
熱時間はいずれの場合も1m秒〜10秒程度で好ましくは10
m秒〜1秒である。
続いて、記録体(A)表面に実際に画像情報の記録を
行なう手段についてより詳細に説明する。
一つは液体又は蒸気雰囲気下で記録信号に応じて記録
層(A)表面を加熱し、記録層(A)の表面に液体付着
領域を形成(潜像形成)し、その後、この潜像部に記録
剤を接触させる手段により潜像部に記録剤を付着させ
(現像)、この後、この記録をそのまま記録体(A)の
表面上に定着させる方法である(直接記録方法)。もう
一つは、液体又は蒸気雰囲気下で記録信号に応じて記録
体(A)の表面を加熱し、記録体(A)の表面に液体付
着領域を形成(潜像形成)し、その後、この潜像部に記
録剤を接触させる手段により潜像部に記録剤を付着させ
(現像)、この後、記録紙に記録体(A)表面の記録剤
を転写する方法である(間接記録方法)。さらに、上記
の方法において、記録剤を転写後、再び潜像部に記録剤
を接触させる手段を行えば、記録体(A)を印刷版とし
て用いた印刷方法となる。また、上記の方法において、
記録剤を転写後、液体又は蒸気の不存在下で潜像を形成
した記録体(A)の表面を加熱し潜像を消去することに
より、記録体(A)が再生可能な記録方法となる。第5
図(a),(b),(c)に直接記録方法、間接記録方
法(印刷法)、記録体の可逆的な記録方法(繰り返し記
録方法)の代表的なプロセスを示す。
次に、記録体(A)をはじめ、記録方法における装置
構成について述べる。
記録体(A)は、加熱状態でかつ液体と接触させた場
合に後退接触角が低下する表面(便宜上「膜2」又は
「記録体(A)表面」を記すことがある)を有している
ものであれば、その形態にとらわれない。従って、記録
体(A)は、剛性を有する円筒形状であっても、柔軟性
を有するフィルム形状であってもかまわない。剛性を有
する円筒形状記録体(円筒状剛体の表面に膜2が形成さ
れたもの)は、記録体(A)を稼働する際位置ずれ等が
生じにくため制御性に優れているので、望ましくは剛性
を有する円筒形状の記録体が良い。このような記録体
(A)の作製は膜2を基板上に成膜する方法や、成形体
そのもので作成する方法がよい。特に、前記成形体は一
般に機械強度が弱いため基板上に成膜する方法が望まし
い。なお、成形体そのもので記録体(A)をつくる場合
においても、その表面には膜2が形成されていなければ
ならないことはいうまでもない。
記録体基板に樹脂を用いた場合、このものは熱の良導
体とはいいがたく、記録体(A)表面が加熱され液体付
着性を有するまでにはある程度の時間を要する。そこ
で、熱の良導体を基板の全体に又は基板1上の部分に用
いることが考えられてよい。
第6図(a)は例えば金属のような熱の良導体を基板
(金属基板11)としてその上に有機薄膜12を蒸着し、更
にその上に、膜2を形成するようにすれば、垂直方向の
熱伝導速度が向上する。ここでの有機薄膜12としてはポ
リイミド、ポリエステル、フタロシアニンなどが例示で
きる。印字ドットが比較的大きくてよい場合にはこの構
成で十分であるが、両方向への熱拡散により液体付着性
を有する部分が拡大するため一層の高密度印字を目的と
する場合には適さない。第6図(b)は、そのため、基
板1上に熱の良導部分を区切って設けることにより面方
向への熱拡散を防ぎ液体付着性を有する部分2aの微小化
を図ったものである。第6図(b)において、11aは微
小された金属膜を表わしている。
続いて、加熱による潜像形成手段について述べる。上
記したごとく、加熱源としては、ヒーターやサーマルヘ
ッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線ランプのご
とき電磁波による非接触加熱源が望ましい。
これらの具体例として、液体と接した状態で記録体
(A)表面を加熱する手段を述べる。なお、便宜上、基
体1上に膜2が形成されているタイプの記録体(A)を
例にとって説明を進めることにする。まず、あらかじめ
記録体(A)表面に液体3を接しておき、その接した状
態で基体1側又は液体3側から加熱を行う手段(第7図
(a)及び(b))や、初めに記録体(A)表面側から
加熱を行い直ちに液体3を記録体加熱部(記録体(A)
表面)に接触させる手段(第7図(c)及び(d))の
採られるのが望ましい。
液体3の供給手段としては、記録体(A)下部に皿を
設け液体を満たし記録体(A)が皿中の液体3に常に接
するようにし、加熱源を皿の近傍又は皿の中に配置する
構成が最も簡単な構成となる。皿の替わりに、液体を充
填したスポンジ状多孔質体34を用いても良い。光や電子
線による線像形成手段も上記構成と基本的に同様であ
る。
第7図において、42はレーザー光源、43はサーマルヘ
ッドである。このようにして、記録体(A)表面には潜
像が形成される。
上記手段により記録信号に応じて選択的に付与された
液体付着性領域に記録剤(インク)を付着させる手段と
しては、記録剤3aを充填した皿を潜像形成手段配置位置
に対して記録体(A)の進行方向に配置し常に記録体
(A)に接しておく構成が最も簡単である(第8図及び
第9図)。なお、第8図及び第9図に示すごとく、潜像
形成に用いる液体を記録剤と兼用すると一つの皿で構成
でき、潜像形成と顕像化とを一体化できるため、装置を
小型化できる。
また、直接記録の場合、記録体基板として柔軟性を有
するフィルム又は剛性を有するフィルムを用い、基板1
上に膜2を成膜し記録体(A)とする。この記録体
(A)に上記の手段により潜像形成及び顕像化を施す。
こののち、自然乾燥又は加熱乾燥を行い、記録体(A)
上に付着した記録剤3aを定着させる。直接記録方法の実
施に望ましい装置の例を第10図に示す。第10図の例で
は、潜像形成手段及び顕像化手段を固定し記録体(A)
を移動している。
さらに、直接記録後、記録剤を定着した記録体基板が
透明フィルムの場合は、透過光を照射することで、スラ
イド投影機のごとき装置の原版として使える(第11
図)。また、ビーム状の反射光や透過光を照射し記録剤
の有無による光の強度変化を検知することで情報記憶用
媒体としても利用できる(第12図)。第12図で、52はス
クリーン、53は光源、54は検知器、55はモーターであ
る。
間接記録の場合、前記のとおり、例えば剛性を有する
円筒管が記録体基板として用いられるのが有利である。
潜像形成及び現像(顕像化)後、例えば記録体(A)上
の記録剤3aは記録紙61と直接接する手段を設けることで
記録紙(普通紙など)の毛管作用により、記録紙61へ記
録剤3aは転写される(転写手段)。転写を行う位置は、
現像後であれば、記録体(A)のどの位置でもかまわな
いが、現像後、直ちに転写が行われる位置が望ましい。
転写後、潜像消去を行わず現像を繰り返えせば、この装
置は印刷装置となる。第13図に上記印刷装置の例を示
す。一つの記録情報の印刷が終了すれば、記録体(A)
を交換することで又は潜像消去を行なうことで、別の記
録情報の記録・印刷が可能となる。
また、上記転写手段の後、液体又は蒸気の不存在下
で、即ち、空気中、真空中、又は、不活性ガス中で潜像
部付近を加熱することにより、潜像を消去すれば記録体
(A)は繰返し使用可能な記録装置となる(第14図)。
なお、潜像消去のための加熱源としては、ヒーターやサ
ーマルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線ラ
ンプのごとき電磁波による非接触加熱源が望ましい。加
熱は記録体全面に行っても良く、潜像部のみ行っても良
い。ただし、全面加熱の方が装置構成を簡単にできるた
め、より望ましい。なお、潜像消去手段は、消去のため
の加熱を行ったのち、再び、潜像を行うまでの時間の間
に記録体(A)表面が実質的に冷却する位置に設ける。
消去に必要な加熱温度は、当該記録体(A)表面の材料
により異なるが、記録体(A)表面の材料の後退接触角
が低くなる開始温度以上で分解点以下の温度が望まし
い。
記録紙(被転写体)としては、透明樹脂フィルム、普
通紙、インクジェット用紙、タイプ紙などが適当であ
る。
次に記録剤について述べる。
本発明の記録方法において記録体(A)表面上に可視
画像を得るには、記録剤として筆記用インク、インクジ
エット用インク、印刷インク、電子写真用トナー等の従
来の印字記録方法に用いられてきた記録剤の中から、本
プロセスに適合するものを選択し使用することができ
る。
より具体的な例を挙げると、例えば水性インクとして
は、水、湿潤剤、染料を主体とする水溶性インク又は
水、顔料、分散用高分子化合物、湿潤剤を主体とした水
性顔料分散インク、顔料又は染料を界面活性剤を用いて
水に分散せしめたエマルジョン・インク等が用いられ
る。水性インクに用いられる湿潤剤としては、次のよう
な水溶性の有機液体化合物が挙げられる。
エタノール、メタノール、プロパノール等の一価アル
コール類;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコー
ル類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多
価アルコールのエーテル類;N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラク
タム等の複素環式化合物;モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類
等。
水溶性染料としては、カラー・インデックスにおいて
酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料、食用染
料に分類される染料が用いられる。代表的な染料の例と
しては、 C.I.アシッド・イエロー17,23,42,44,79,142 C.I.アシッド・レッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,
52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,
289 C.I.アシッド・プルー9,29,45,92,249,890 C.I.アシッド・ブラック1,2,7,24,26,94 C.I.フード・イエロー3,4 C.I.フード・レッド7,9,14 C.I.フード・ブラック2 C.I.ダイレクト・イエロー1,12,24,26,33,44,50,142,
144,865 C.I.ダイレクト・レッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,8
0,81,83,89,225,227 C.I.ダイレクト・オレンジ26,29,62,102 C.I.ダイレクト・ブルー1,2,6,15,22,25,71,76,9,86,
87,90,98,163,165,202 C.I.ダイレクト・ブラック19,22,32,38,51,56,71,74,
75,77,154,168 C.I.ベーシック・イエロー1,2,11,13,14,15,19,21,2
3,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,65,67,70,
73,77,87,91 C.I.ベーシック・レッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,
27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,7
8,82,102,104,109,112 C.I.ベーシック・ブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,4
5,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,1
20,122,124,129,137,141,147,155 ベーシック・ブラック2,8 等を挙げることができる。
顔料としては、有機顔料としてアゾ系、フタロシアニ
ン系、アンスラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジ
ン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリ
レン系、イソインドレノン系、アニリン・ブラック、ア
ゾメチンアゾ系、カーボン・ブラック等が挙げられ、無
機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、
紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙
げられる。
顔料分散用化合物として、ポリアクリルアミド、ポリ
アクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンア
クリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイ
ン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶
性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウ
ムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を含む高分子化
合物、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、カゼイン等
の蛋白質、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム
類、サポニン等のグルコキシド類、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース、等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸及び
その塩、セラミック等の天然高分子化合物、等が挙げら
れる。
油性の記録剤としては、水性インクと同様に、油溶性
染料を有機液体化合物に溶解したものや、顔料を有機液
体化合物に分散せしめたもの、顔料又は染料を油性ベー
スに乳化させたもの、等が用いられる。
油性染料の代表的な例としては、 C.I.ソルベント・イエロー1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,
12,14,16,17,26,27,29,30,39,40,46,49,50,51,56,61,8
0,86,87,89,96 C.I.ソルベント・オレンジ12,23,31,43,51,61 C.I.ソルベント・レッド1,2,3,16,17,18,19,20,22,2
4,25,26,40,52,59,60,63,67,68,121 C.I.ソルベント・バイオレット7,16,17 C.I.ソルベント・ブルー2,6,11,15,20,30,31,32,35,3
6,55,58,71,72 C.I.ソルベント・ブラウン2,10,15,21,22 C.I.ソルベント・ブラック3,10,11,12,13 等が挙げられる。
また、染料を溶解したり、顔料を分散するための油性
ベースとしては、n−オクタン、n−デカン、ミネラネ
スピリット、リグロイン、ナフサ、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素類;ジブチルエーテル、ジヘ
キシルエーテル、アニソール、フェネトール、ジベンジ
ルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の
アルコール類等を例示することができる。
油性インクにおいても先に例示した顔料を用いること
ができる。油性の顔料分散剤の例としては、ポリメタク
リル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビ
ニル、塩ビ−酢ビ共重合体、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルブチラール等のビニル系共重合体、エチルセル
ロース、メチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリ
エステル、ポリアミド、フェノール樹脂等の縮重合樹
脂、ロジン、セラミック、ゼラチン、カゼイン、等の天
然樹脂等がある。
〔実施例〕
実施例1 膜材料(記録体(A)の表面材料)として含フッ素ア
クリレート材料であるダイキン工業社製撥水撥油剤「TG
−702」又は「TG−602」を用いた。この材料原液をフレ
オンTF(三井フロロケミカル社製)で2倍に希釈した
後、ポリイミドフィルム1(東レデュポン社製カプトン
200V)上にコート後、90℃にて2時間乾燥して約1μm
厚の膜を製膜した。この後、第3図(a)のごとく、膜
2表面に液体(純水)3を接触させた状態でポリイミド
フィルム1側からセラミックヒーター4で加熱を行った
(加熱温度120℃、時間約1秒)。この加熱前後におけ
る(表面エネルギー:約10dyn/cm)材料の膜2表面での
純水による後退接触角の著しい低下が認められ表面が液
体付着性化されたことがわかった。さらに、このまま放
置しておいても液体付着性は維持されており記憶が認め
られた。
なお、液体3としてn−ブタノールのような有極性液
体やn−ノナン、m−キシレンのような無極性液体を用
いても純水の場合とほぼ一致する結果が得られた。な
お、n−ブタノール、m−キシレンを用いた場合の接触
角は第15図、第16図のように測定された。
実施例2 含フッ素アクリレート材料として住友3M社製撥水撥油
剤「フロラードFC−720」を用いたポリイミドフィルム
(東レデュポン社製500H)上にコートした後、90℃にて
2時間乾燥して約3μm厚の膜(表面エネルギー:約10
dyn/cm)を製膜した。第13図に示したように、このフィ
ルムを丸めて、φ100、長さ100mmのアルミ製円筒にまき
つけて記録体(A)を作製し、熱転写プリンター用サー
マルヘッドの加熱部をフィルム面に接して設置した。さ
らにこのサーマルヘッドを液体インクが接するようにイ
ンク容器(皿)内に置いた。液体インクとしてはフタロ
シアニン系のシアンインク(染料濃度1重量%、溶媒:
濃度0.05モルのNaOH水溶液)を用いた。
サーマルヘッドに適当な信号を送り加熱したところ、
加熱部のみインクが付着した。さらに、第13図に示すご
とく記録紙(三菱製紙社製 NMコート紙)61を円筒状記
録体(A)に接して搬送したところ、インクが紙に転写
された。このインク付着部は、そのまま放置しておいて
もインクの付着性を示し、印刷機として機能した。
実施例3 ポリイミド基板上への膜2の作製は実施例1と同条件
とした。さらに、実施例1と同様に液体と接した状態で
加熱し、膜2表面を液体付着性化させた。この液体付着
性化した膜に対し、第14図に示したごとく空気中にて、
赤外線ランプにて130℃で約1秒間記録体(A)表面の
加熱を行った。この時の液体付着性化及び液体反撥性回
復の結果は、第4図に示したように、液中加熱により減
少した後退接触角は、空気中加熱により元の値にもどっ
ているのが認められた。すなわち、液体反撥性が回復し
ていることがわかる。この一連の操作結果より画像情報
の記憶及び消去が確認できた。
実施例4 実施例2と同様の操作を行なった後、セラミックヒー
ターによる均一加熱によりインク付着部のパターンは消
去された。このようにして、A4版の記録紙にさまざまな
パターンの文字情報を印字することができた。
実施例5 基板としてポリカーボネートフィルム(2cm×2cm×10
0μm)を用いた。膜2の材料としてダイキン工業社製
「ダイフリーMS−443」又は「ダイフリーMS−743」(と
もに撥水撥油剤)を用い、この原液にカーボンブラック
(ASTM名:N330)を0.5重量%混合し、ポリカーボネート
フィルム上にこの混合液をキャスティングして約10μm
厚の膜2を製膜した。この膜2の表面エネルギーは約20
〜30dyn/cmと測定された。電磁波の発生源として半導体
レーザ(松下電器社製LN9850、50mW)を用いた。液体イ
ンクとしてフタロアニン系のシアンインク(溶媒:濃度
0.05モルのNaOH水溶液)を用い、前記膜2上全面にイン
クを塗布し、レンズで集光したレーザー光をポリカーボ
ネートフィルム側から照射した。そののち、インクを除
去したところ、レーザー光を照射した部分のみインクの
付着が認められた。
実施例6 実施例5の操作を行なった後、付着インクを水洗によ
り除去し、膜2表面を乾燥してから空気中にて照射部分
に再び半導体レーザーを照射した。数秒後、膜2上一面
に再びインクを塗布し、これを除去したところ、照射部
分のインク付着はおこらなかった。すなわち、記憶情報
の消去が確認できた。
実施例7 記録体(A)表面材料として、大阪有機製モノマー
「ビスコース17F」を1−1−1トリクロロエタノール
液体にて溶液重合を行った後、精製した重合体を用い
た。また、基板としては0.2mmのアルミ箔を用い、アル
ミ箔上にポリイミド層をスピンコートした。このポリイ
ミド層の上に2倍に希釈した記録体(A)の表面材料の
溶液を塗布後90℃で2時間乾燥して約1μm厚の膜2
(表面エネルギー:約10dyn/cm)を製膜した。この膜2
上に純水を載せ、基板側から熱転写用サーマルプリンタ
ーで加熱した。この加熱前後における膜2表面での接触
角変化を測定した結果、実施例2に比べ一桁短い加熱時
間で後退接触角の著しい低下が認められ、膜2の表面が
液体付着性化されていることが明らかとなった。
実施例8 約50μm厚のポリイミド膜の片面に約50、約75、約10
0、約150μm角であって、高さ約50μmのアルミパター
ンを走査方向にそれぞれ200dpiのピッチで形成した。そ
の後、パターンと反対側の面に実施例1と同様にし記録
体(A)の膜2を成膜した。この膜2上にインク液を載
せアルミ面に熱素子約100μm×約200μm、200dpiの熱
転写プリンタ用サーマルヘッド接触させ加熱した。加熱
後、前記膜2へのインクの付着状態を顕微鏡観察した結
果、約150μm角のパターンの場合には、パターン間に
約100μmの非加熱部分があるにもかかわらず殆んど連
続状態のインクの乗りが実現できた。これは、加熱され
たアルミパターンから更にポリイミド膜、記録体(A)
表面へ熱が拡散する過程に於て、主走査方向への熱拡散
が大きいためと解釈できる。一方、約75μm角のパター
ンの場合は、液体付着性部の大きさが熱素子程度であっ
た。
実施例9 実施例1に従い製膜した膜2をコートしたフィルムを
用い、第17図に示すごとく、膜2上にインク供給部35を
設け、その真下のフィルム下部にサーマルヘッド43をフ
ィルムに接して配置した。液体インク3aとしては、顔料
をカーボンブラック、溶剤としてn−オクタンを用いた
インクを使用した。
記録情報に応じて、サーマルヘッド43を駆動しながら
このフィルムを矢印の方向へ動かしたところ、膜2上に
記録情報に応じてインク3bが付着し、記録体(A)とし
て機能した。
さらに、この付着インク3bを記録紙61へ転写後も、膜
2のインク付着性は維持されていた。さらに空気中で膜
2を加熱したところ、インク付着性は除去された。
なお、インクとして顔料をカーボンブラックを用い、
溶剤としてベンゼンを用いたインクや、溶剤にメチルイ
ソブチルケトンを用いたインクでも上記と同程度の結果
が得られた。
実施例10 水酸基を多数有したパーフルオロアルキル基を有する
アクリル酸エステルの共重合体として、市販品(三菱レ
ーヨン社製AR−989)を用いた。この原液をキシレンに
して2倍に希釈し、希釈液3gに対し、架橋試薬としてト
リレンジイソシアネートを90mg添加し並板ガラス上にキ
ャストし、乾燥した。その後、110℃で1時間加熱を行
った。製膜されたもの(膜2)の表面エネルギーは30〜
40dyn/cmと測定された。
この膜(約10μm厚)の液体接触下での加熱(100
℃、1秒)前後の純水の接触角の変動、及び、このもの
を更に空気中で加熱(120℃、1秒)した場合の純水の
接触角の変動を第18図に示した。第18図に示すごとく液
中及び空気中加熱により、膜2表面の液体反撥性、液体
付着性が可逆に変化していることが認められる。次に、
普通紙複写機用紙を用いて20gfの加圧力にて、膜2面を
こすったところ、表面に傷は認められなかった。
実施例11 実施例10と同条件にて作成した記録体(A)を用い
て、第19図に示すごとく印字を行った。加熱源としてサ
ーマルヘッド43を用いた。サーマルヘッド4上に水性イ
ンク3aを適下しさらに、その上に記録体(A)の膜2面
を接した。サーマルヘッド43に記録信号を印加したとこ
ろ、水性インク3aを通じて記録体(A)表面が加熱さ
れ、信号に応じたところの膜2面にインクが付着した。
実施例12 膜2材料として、パーフルオロメチルメタクリレート
モノマー(ビスコート17FM、大阪有機化学社製)を1,1,
1−トリクロロエタン中で溶液重合にて製造した重合体
を用い、これをフレオン113にて溶解し、7重量%のコ
ート液を調製した。このコート液を厚み1mmのポリカー
ボネート板上にキャストし、乾燥を行い記録体(A)と
した。記録体(A)の膜2の表面エネルギーは約10dyn/
cmと測定された。この記録体(A)を第10図に示す装置
を用いサーマルヘッドにより記録信号に応じて加熱を行
った後、赤外線ランプにてインクを乾燥した所、記録体
(A)表面上に記録信号に応じた記録が形成された。イ
ンクは黒色酸性染料を用いた水性インクを使用した。
実施例13 パーフルオロアルキルメタクリレートモノマー(ビス
コート17FM、大阪有機合成社製)とメチルメタクリレー
トモノマーとを1:1のモル比で混合した材料を溶液重合
して共重合体を得た。この材料(表面エネルギー:約10
〜20dyn/cm)を実施例1と同じく成形体化し評価したと
ころ、良好な機能を示した。
実施例14 n−ブチルメタクリレートモノマーを用い溶液重合し
て重合体を得た。この材料(表面エネルギー:約30〜40
dyn/cm)を実施例1と同様に純水に接して加熱したとこ
ろ180℃以上の加熱にて液体付着性が発現した。
実施例15 記録体基板としてポリッシュした白金板を用いた。こ
の白金板をあらかじめ60℃に加熱しておき、CF3(CF2
6COOH(25℃にて固体)の固体を白金上に置いた。10分
後、溶融したCF3(CF25COOHを白金ワイヤーにてふき
とり、白金上に上記化合物の単分子膜(膜2)を形成し
これを記録体(A)として用いた。成膜後のn−オクタ
ンにおける記録体(A)表面の後退接触角は約60℃であ
った。この記録体(A)をn−ブタンに接して80℃にて
加熱したところ、上記角度は約40℃となり、n−オクタ
ンに対し付着を示した。
さらに、n−オクタンを除去後、上記記録体(A)を
80℃にて1秒間空気中で加熱したところ、冷却後のn−
オクタンに対する後退接触角は約60℃であった。
実施例16 自己表面配向性をもつ化合物としてポリ(メタクリル
パーフルオロオクタノイルハイドロキサメート)を用い
た。
モノマーとして、メタクリルパーフルオロオクタノイ
ルハイドロキサート を用い、酢酸エチル中にて80℃、15時間撹拌し、上記ポ
リマーを調製し、メタノール再沈法で精製した。
このポリマーをベンゾトリフルオライド:ヘキサフル
オロキシレン:酢酸エチル=1:1:1の混合液中に溶か
し、2重量%液を作った。この液(膜2形成液)をポリ
イミドフィルム上にキャストし、100℃で90分乾燥し、
記録体(A)とした。これを用いて実施例1と同じく13
0℃の純水加熱を行ったところ、水性インクにて加熱部
にインクが付着した。
さらに、インク除去後130℃で10秒間上記記録体
(A)表面加熱したところ、インクに対して記録体
(A)は反撥性を示した。
実施例17 モノマーとしてビニルn−ヘプタフルオロブチレート を用い、これの2gとアセチルパーオキサイド(25%液)
0.08gとをジメチルフタレート中で45℃15時間撹拌し、
ポリマーを調製した。これを分子方向へ一軸延伸し、フ
ィルムを作りこれ自身を記録体(A)とした。この記録
体(A)を用い実施例1と同じく、水性インクを用いて
液中加熱を記録信号に応じて行ったところ、インクが若
干付着した。
比較例1 炭素数が2であるパーフルオロメチルメタクリレート
モノマー(ビスコート3FM、大阪有機合成社製)を用
い、実施例12と同様のことを実施したが記録層として機
能を示さなかった。
比較例2 メチルメタクリレートモノマーを用いて重合体を製造
し、実施例1と同じくして比較の記録体(A)を作っ
た。200℃までの液体に接した加熱前後で表面の純水に
対する接触角はまったく変化しなかった。
比較例3 アルキル基を有しない材料であるポリスチレン、ポリ
カーボネートをそれぞれ用い実施例1と同じくして比較
の記録体(A)をつくり、これを評価したが、接触角は
加熱前後で変化しなかった。
比較例4 パーフルオロアルメイルアクリレートモノマー(17
F、大阪有機社製)とビニルアルコールとの共重合体を
支持部材上に形成し比較の記録体(A)を作った。この
膜2の表面エネルギーは55dyn/cmであった。この膜2面
に水性インク(γ=45dyn/cm)を接したところ、表面全
体がインクにぬれを示した。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、簡単な操作でしかも可逆的に
所望の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は表面自己配向機能を有する形態の模式的な四例
の図である。 第2図及び第3図は本発明方法を基本的に説明するため
の図である。 第4図、第15図、第16図及び第18図は本発明の実施で用
いらる記録体(A)表面に液体を接触させた状態で記録
体(A)表面を加熱した場合、その記録体(A)表面に
みられる後退接触角θrの変化を表わした図である。 第5図は本発明方法の三つの態様を示したものである。 第6図、第7図、第8図、第9図、第10図、第13図、第
14図、第17図及び第19図は本発明方法の実施の様子を表
わした図である。 第11図及び第12図は本発明方法でつくられた記録物の応
用例を示したものである。 1……基板 2……膜 3……液体 4……ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−74889(JP,A) 特開 昭62−288086(JP,A) 特開 昭58−78783(JP,A) 特開 平2−503659(JP,A) 特公 昭40−2210(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/26 B41M 5/36 B41C 1/055 G03F 7/004

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱状態でかつ液体と接触させたときに後
    退接触角が低下する表面を有する記録体(A)の表面
    と、液体、蒸気及び該記録体(A)における後退接触角
    の低下開始温度以下で液体となるか液体もしくは蒸気を
    発生する固体から選ばれる接触材料(B)とを接触させ
    た状態で選択的に加熱し、又は、該記録体(A)の表面
    を選択的に加熱した状態で該接触材料(B)と接触させ
    ることにより、該記録体(A)表面に加熱温度に応じた
    後退接触角を示す領域を形成せしめることを特徴とする
    記録方法。
  2. 【請求項2】加熱状態でかつ液体と接触させたときに後
    退接触角が低下する表面を有する記録体(A)の表面
    と、液体、蒸気及び該記録体(A)における後退接触角
    の低下する開始温度以下で液体となるか液体もしくは蒸
    気を発生する固体から選ばれる接触材料(B)とを接触
    させた状態で選択的に加熱し、又は、該記録体(A)の
    表面を選択的に加熱した状態で該接触材料(B)と接触
    させることにより、該記録体(A)表面に加熱温度に応
    じた後退接触角を示す領域を形成せしめ、これに色材を
    含有する記録剤を付着させて可視画像を得ることを特徴
    とする記録方法。
  3. 【請求項3】加熱状態でかつ液体と接触したときに後退
    接触角が低下する表面を有する記録体(A)の表面と、
    色材を含有し接触材料(B)の性質を有する記録剤とを
    接触させた状態で選択的に加熱し、又は、該記録体
    (A)の表面を選択的に加熱した状態で該記録剤と接触
    させることにより、該記録体(A)表面に加熱温度に応
    じた可視画像を形成することを特徴とする記録方法。
  4. 【請求項4】請求項2又は3において、後退接触角の低
    下を示す領域に記録剤を付着させた後、さらに普通紙等
    に転写することを特徴とする記録方法。
  5. 【請求項5】請求項2又は3において、後退接触角の低
    下を示す領域に記録剤を付着させた後、さらに普通紙等
    に転写し、再び該領域に該記録剤を付着させこれを普通
    紙等に転写する操作を繰返し行なうことを特徴とする記
    録方法。
  6. 【請求項6】請求項1、2又は3において、後退接触角
    の低下を示す領域の形成後又はこれに記録剤を付着させ
    た後、さらに記録体(A)を接触材料(B)の不存在下
    で加熱して、該後退接触角の低下を示す領域を消去せし
    めることを特徴とする記録方法。
  7. 【請求項7】請求項4又は5において、記録剤を普通紙
    等に転写する操作を行なった後、さらに記録体(A)を
    接触材料(B)の不存在下で加熱して後退接触角の低下
    を示す領域を消去せしめることを特徴とする記録方法。
JP2043599A 1989-03-31 1990-02-23 記録方法 Expired - Lifetime JP2796575B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19904010275 DE4010275A1 (de) 1989-03-31 1990-03-30 Aufzeichnungsverfahren
US07/620,579 US5278126A (en) 1989-03-31 1990-12-03 Recording process and apparatus and recording medium in the same
US08/074,405 US5471234A (en) 1989-03-31 1993-06-10 Recording apparatus

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8118189 1989-03-31
JP1-232019 1989-09-06
JP23201989 1989-09-06
JP1-81181 1989-09-06

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03178478A JPH03178478A (ja) 1991-08-02
JP2796575B2 true JP2796575B2 (ja) 1998-09-10

Family

ID=26422219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2043599A Expired - Lifetime JP2796575B2 (ja) 1989-03-31 1990-02-23 記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2796575B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006053451A (ja) * 2004-08-16 2006-02-23 Ricoh Co Ltd 配線の修正方法、配線方法および電子素子
US7508078B2 (en) 2005-01-06 2009-03-24 Ricoh Company, Ltd. Electronic device, method for manufacturing electronic device, contact hole of electronic device, method for forming contact hole of electronic device
WO2013133019A1 (ja) 2012-03-05 2013-09-12 富士フイルム株式会社 パターン形成方法
WO2013132979A1 (ja) 2012-03-05 2013-09-12 富士フイルム株式会社 パターン形成方法
WO2014050252A1 (ja) 2012-09-26 2014-04-03 富士フイルム株式会社 パターン形成方法、電子配線基板、光学デバイスおよびパターン形成装置

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3468614B2 (ja) * 1995-02-09 2003-11-17 株式会社リコー 画像形成方法及び装置並びに画像記録方法及び表示装置及び記録体
EP0805050B1 (en) * 1996-05-02 2003-04-16 Ricoh Company, Ltd Image forming method and apparatus for rapidly fixing ink on a recording medium
JP3877460B2 (ja) 1999-03-02 2007-02-07 株式会社リコー 画像記録体
US6387588B1 (en) 1999-04-09 2002-05-14 Ricoh Company, Ltd. Plate material for printing method based on wettability change
JP4117720B2 (ja) 2001-03-22 2008-07-16 株式会社リコー 記録体
JP2008066567A (ja) 2006-09-08 2008-03-21 Ricoh Co Ltd 配線パターンとこれを用いた電子素子、有機半導体素子、積層配線パターンおよび積層配線基板
JP5217317B2 (ja) * 2007-09-12 2013-06-19 ソニー株式会社 有機トランジスタに用いる有機絶縁膜、および有機トランジスタとその製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6174889A (ja) * 1984-09-21 1986-04-17 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 感熱記録方法
JPS62288086A (ja) * 1986-06-06 1987-12-14 Mitsubishi Paper Mills Ltd 感熱画像形成方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006053451A (ja) * 2004-08-16 2006-02-23 Ricoh Co Ltd 配線の修正方法、配線方法および電子素子
US7508078B2 (en) 2005-01-06 2009-03-24 Ricoh Company, Ltd. Electronic device, method for manufacturing electronic device, contact hole of electronic device, method for forming contact hole of electronic device
WO2013133019A1 (ja) 2012-03-05 2013-09-12 富士フイルム株式会社 パターン形成方法
WO2013132979A1 (ja) 2012-03-05 2013-09-12 富士フイルム株式会社 パターン形成方法
WO2014050252A1 (ja) 2012-09-26 2014-04-03 富士フイルム株式会社 パターン形成方法、電子配線基板、光学デバイスおよびパターン形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03178478A (ja) 1991-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2796575B2 (ja) 記録方法
JP2740820B2 (ja) 記録方法
US5335001A (en) Process and apparatus for forming dot image capable of controlling dot size
JP3066603B2 (ja) 記録装置
JP3041636B2 (ja) 記録装置
JP3058472B2 (ja) 記録装置
JP3030655B2 (ja) 記録装置
JP3115018B2 (ja) 記録装置
JP3058471B2 (ja) 記録方法
JP3030654B2 (ja) 記録装置
JP3066598B2 (ja) 記録装置
JP3058473B2 (ja) 記録装置
JP3063772B2 (ja) 記録装置
JP3030656B2 (ja) 記録装置
JP3030653B2 (ja) 記録装置
JP3030650B2 (ja) 記録装置
JP3063774B2 (ja) 記録体
JP3063775B2 (ja) 記録体
JP2606760B2 (ja) 記録装置
JP3132859B2 (ja) 記録装置
JP3041638B2 (ja) 記録体
JP3030652B2 (ja) 画像記録剤
JP3030445B2 (ja) 記録装置
JP3063771B2 (ja) 記録方法
JP3063773B2 (ja) 記録体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070703

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080703

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090703

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090703

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100703

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100703

Year of fee payment: 12