JP3030652B2 - 画像記録剤 - Google Patents
画像記録剤Info
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- JP3030652B2 JP3030652B2 JP2285200A JP28520090A JP3030652B2 JP 3030652 B2 JP3030652 B2 JP 3030652B2 JP 2285200 A JP2285200 A JP 2285200A JP 28520090 A JP28520090 A JP 28520090A JP 3030652 B2 JP3030652 B2 JP 3030652B2
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- recording medium
- liquid
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、表面が特定性状を示す記録体のその表面
に、選択的に又は選択的かつ可逆的に、加熱温度に応じ
た後退接触角を示す領域を形成させる記録方法に用いる
画像記録剤に関する。
に、選択的に又は選択的かつ可逆的に、加熱温度に応じ
た後退接触角を示す領域を形成させる記録方法に用いる
画像記録剤に関する。
表面を液体付着性領域と非液体付着性領域とに区分け
して画像形成に供するようにした手段の代表的なものと
しては水(湿し水)なし平版印刷版を用いたオフセット
印刷方式が挙げられる。だが、このオフセット印刷方式
は原版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの印刷工
程を一つの装置内に組込むことが困難であり、製版印刷
の装置の小型化は勢い困難なものとなっている。
して画像形成に供するようにした手段の代表的なものと
しては水(湿し水)なし平版印刷版を用いたオフセット
印刷方式が挙げられる。だが、このオフセット印刷方式
は原版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの印刷工
程を一つの装置内に組込むことが困難であり、製版印刷
の装置の小型化は勢い困難なものとなっている。
例えば、比較的小型化されている事務用オフセット製
版印刷機においても、製版装置と印刷装置とは別個にな
っているのが普通である。
版印刷機においても、製版装置と印刷装置とは別個にな
っているのが普通である。
このようなオフセット印刷方式の欠陥を解消すること
を意図して、画像情報に応じた液体付着性領域及び非液
体付着性領域が形成でき、しかも、繰り返し使用が可能
な(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案される
ようになってきている。その幾つかを挙げれば次のとお
りである。
を意図して、画像情報に応じた液体付着性領域及び非液
体付着性領域が形成でき、しかも、繰り返し使用が可能
な(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案される
ようになってきている。その幾つかを挙げれば次のとお
りである。
(1)水性現像方式 疎水性の光導電体層に外部より電荷を与えた後、露光
して光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパ
ターンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させ
て紙などに転写する(特公昭40−18992号、特公昭40−1
8993号、特公昭44−9512号、特開昭63−264392号などの
公報)。
して光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパ
ターンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させ
て紙などに転写する(特公昭40−18992号、特公昭40−1
8993号、特公昭44−9512号、特開昭63−264392号などの
公報)。
(2)フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方
式 スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫
外線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミ
ック化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37
巻4号、287頁(1980)〕。
式 スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫
外線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミ
ック化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37
巻4号、287頁(1980)〕。
(3)内部偏倚力の作用を利用した方式 不定形状態と結晶性状態とを物理的変化により形成
し、液体インクの付着・非付着領域を構成する(特公昭
54−41902号公報)。
し、液体インクの付着・非付着領域を構成する(特公昭
54−41902号公報)。
前記(1)の方式によれば、水性インクを紙などに転
写した後、除電により親水性部は消去され、別の画像情
報の記録が可能となる。すなわち、一つの原版(光導電
体)で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式は電
子写真プロセスを基本としているため帯電→露光→現像
→転写→除電という長いプロセスを必要とし、装置の小
型化やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難であ
るといった欠点をもっている。
写した後、除電により親水性部は消去され、別の画像情
報の記録が可能となる。すなわち、一つの原版(光導電
体)で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式は電
子写真プロセスを基本としているため帯電→露光→現像
→転写→除電という長いプロセスを必要とし、装置の小
型化やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難であ
るといった欠点をもっている。
前記(2)の方式によれば、紫外線と可視光との照射
を選択的に変えることによって、親水性、疎水性を自由
かつ可逆的に制御できるものの、量子効率が悪いため反
応時間が非常に長くて記録速度が遅く、また安定性に欠
けるといった欠点をもっており、いまだ実用レベルには
達していないのが実情である。
を選択的に変えることによって、親水性、疎水性を自由
かつ可逆的に制御できるものの、量子効率が悪いため反
応時間が非常に長くて記録速度が遅く、また安定性に欠
けるといった欠点をもっており、いまだ実用レベルには
達していないのが実情である。
更に、前記(3)の方式によれば、そこで使用される
情報記録部材は、記録後のものでは安定性があるが、記
録前のものでは温度変化により物理的構造変化が生じる
おそれがあることから保存性に問題が残されている。こ
れに加えて、記録された情報パターンの消去には熱パル
スを与え、次いで急冷する手段が採用されることから、
繰り返しの画像形成は繁雑さをまねがれ得ないといった
不都合がある。
情報記録部材は、記録後のものでは安定性があるが、記
録前のものでは温度変化により物理的構造変化が生じる
おそれがあることから保存性に問題が残されている。こ
れに加えて、記録された情報パターンの消去には熱パル
スを与え、次いで急冷する手段が採用されることから、
繰り返しの画像形成は繁雑さをまねがれ得ないといった
不都合がある。
そこで、上記従来の方式の欠点を解決する一手段とし
て、本発明者らの一人は、先に加熱状態でかつ液体と接
触させたときに後退接触角が低下する表面を有する記録
体(A)の表面と、液体、蒸気及び前記記録体(A)に
おける後退接触角の低下開始温度以下で液体となるか又
は液体若しくは蒸気を発生する固体から選ばれる接触材
料(B)とを接触させた状態で、前記記録体表面の後退
接触角の低下開始温度以上に選択的に加熱することによ
り、又は該記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態
で該接触材料(B)と接触させることにより、該記録体
(A)表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す領域
(所望パターン領域であり、便宜上以降「潜像」又は
「潜像領域」と記すことがある)を形成し、該領域に記
録剤を付着させ、これを被転写体に転写する新しい記録
方法を提案した(特願平2−43599号)。なお、本方法
においては、前記潜像が形成された記録体(A)の表面
を、接触材料(B)の不存在下で加熱することによって
潜像の消去が行なえ、可逆的に画像形成が行なえる。
て、本発明者らの一人は、先に加熱状態でかつ液体と接
触させたときに後退接触角が低下する表面を有する記録
体(A)の表面と、液体、蒸気及び前記記録体(A)に
おける後退接触角の低下開始温度以下で液体となるか又
は液体若しくは蒸気を発生する固体から選ばれる接触材
料(B)とを接触させた状態で、前記記録体表面の後退
接触角の低下開始温度以上に選択的に加熱することによ
り、又は該記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態
で該接触材料(B)と接触させることにより、該記録体
(A)表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す領域
(所望パターン領域であり、便宜上以降「潜像」又は
「潜像領域」と記すことがある)を形成し、該領域に記
録剤を付着させ、これを被転写体に転写する新しい記録
方法を提案した(特願平2−43599号)。なお、本方法
においては、前記潜像が形成された記録体(A)の表面
を、接触材料(B)の不存在下で加熱することによって
潜像の消去が行なえ、可逆的に画像形成が行なえる。
上記方法によれば、容易な手段で選択的に又は選択的
かつ可逆的に所望のパターンとなる液体付着性領域が形
成でき、該液体付着性領域に記録剤を供給し、これを紙
等の被記録媒体に転写することで、階調性のある鮮明な
画像が得られる。また、記録の前後にかかわらず、保存
性、安定性に優れた材料が使用されることによって、可
逆的な液体付着性領域の形成が一層可能になる。
かつ可逆的に所望のパターンとなる液体付着性領域が形
成でき、該液体付着性領域に記録剤を供給し、これを紙
等の被記録媒体に転写することで、階調性のある鮮明な
画像が得られる。また、記録の前後にかかわらず、保存
性、安定性に優れた材料が使用されることによって、可
逆的な液体付着性領域の形成が一層可能になる。
ただ、前記のような表面が特定性状を示す記録体を用
いる記録方法においては、記録剤によっては、記録体表
面の潜像部への記録剤付着量が不充分になりやすかった
り、あるいは非潜像部への記録剤の反撥性が不充分で地
汚れを起しやすかったりする場合がある。
いる記録方法においては、記録剤によっては、記録体表
面の潜像部への記録剤付着量が不充分になりやすかった
り、あるいは非潜像部への記録剤の反撥性が不充分で地
汚れを起しやすかったりする場合がある。
従って、本発明の目的は、前記の記録方法において、
記録体の潜像部に対する付着性が高く、かつ同非潜像部
に対しては反撥性が高く、地汚れしにくい画像記録剤を
提供することにある。
記録体の潜像部に対する付着性が高く、かつ同非潜像部
に対しては反撥性が高く、地汚れしにくい画像記録剤を
提供することにある。
本発明の更に別の目的は、被転写体上への記録体から
の転移特性が良好でかつ良好な印字品質、画像品質が得
られる画像記録剤を提供することにある。
の転移特性が良好でかつ良好な印字品質、画像品質が得
られる画像記録剤を提供することにある。
本発明者らは、前記の新しい記録方法において、画像
形成が良好に行なえる画像記録剤、特に水性記録剤につ
いて鋭意検討した結果、通常の水性インクに更に水溶性
高分子を配合してなる画像記録剤が上記目的に適合する
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
形成が良好に行なえる画像記録剤、特に水性記録剤につ
いて鋭意検討した結果、通常の水性インクに更に水溶性
高分子を配合してなる画像記録剤が上記目的に適合する
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、加熱状態でかつ液体と接
触させたときに後退接触角が低下する表面を有する記録
体の表面と、液体、蒸気及び前記記録体における後退接
触角の低下開始温度以下で液体となるか又は液体若しく
は蒸気を発生する固体から選ばれる接触材料とを接触さ
せた状態で、前記記録体表面の後退接触角の低下開始温
度以上に選択的に加熱することにより、又は前記記録体
の表面を選択的に加熱し、前記記録体の表面の加熱部が
前記記録体表面の後退接触角の低下開始温度以上に保持
された状態で前記接触材料と接触させることにより、前
記記録体表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す領域
を形成させた後、該領域に画像記録剤を接触付着させ、
これを被転写体に転写する記録方法に用いる画像記録剤
であって、着色剤、水、水溶性有機溶媒及び水溶性高分
子からなることを特徴とする画像記録剤が提供される。
触させたときに後退接触角が低下する表面を有する記録
体の表面と、液体、蒸気及び前記記録体における後退接
触角の低下開始温度以下で液体となるか又は液体若しく
は蒸気を発生する固体から選ばれる接触材料とを接触さ
せた状態で、前記記録体表面の後退接触角の低下開始温
度以上に選択的に加熱することにより、又は前記記録体
の表面を選択的に加熱し、前記記録体の表面の加熱部が
前記記録体表面の後退接触角の低下開始温度以上に保持
された状態で前記接触材料と接触させることにより、前
記記録体表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す領域
を形成させた後、該領域に画像記録剤を接触付着させ、
これを被転写体に転写する記録方法に用いる画像記録剤
であって、着色剤、水、水溶性有機溶媒及び水溶性高分
子からなることを特徴とする画像記録剤が提供される。
また、本発明によれば、加熱状態でかつ液体と接触さ
せたときに後退接触角が低下する表面を有する記録体の
表面と、液体、蒸気及び前記記録体における後退接触角
の低下開始温度以下で液体となるか又は液体若しくは蒸
気を発生する固体から選ばれる接触材料とを接触させた
状態で、前記記録体表面の後退接触角の低下開始温度以
上に選択的に加熱することにより、又は前記記録体の表
面を選択的に加熱し、前記記録体の表面の加熱部が前記
記録体表面の後退接触角の低下開始温度以上に保持され
た状態で前記接触材料と接触させることにより、前記記
録体表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す領域を形
成させ、しかも前記接触材料として画像記録剤を兼ねる
ものを使用し、前記記録体の表面に付着した画像記録剤
を被転写体に転写する記録方法に用いる画像記録剤であ
って、着色剤、水、水溶性有機溶媒及び水溶性高分子か
らなることを特徴とする画像記録剤が提供される。
せたときに後退接触角が低下する表面を有する記録体の
表面と、液体、蒸気及び前記記録体における後退接触角
の低下開始温度以下で液体となるか又は液体若しくは蒸
気を発生する固体から選ばれる接触材料とを接触させた
状態で、前記記録体表面の後退接触角の低下開始温度以
上に選択的に加熱することにより、又は前記記録体の表
面を選択的に加熱し、前記記録体の表面の加熱部が前記
記録体表面の後退接触角の低下開始温度以上に保持され
た状態で前記接触材料と接触させることにより、前記記
録体表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す領域を形
成させ、しかも前記接触材料として画像記録剤を兼ねる
ものを使用し、前記記録体の表面に付着した画像記録剤
を被転写体に転写する記録方法に用いる画像記録剤であ
って、着色剤、水、水溶性有機溶媒及び水溶性高分子か
らなることを特徴とする画像記録剤が提供される。
本発明の画像記録剤は、着色剤に水及び水溶性有機溶
媒を加え、更にこれに水溶性高分子を配合したものであ
るが、このような構成としたことから、潜像部への付着
性が向上し、かつ地肌を汚さず、更に普通紙への転写特
性が向上したものとなる。
媒を加え、更にこれに水溶性高分子を配合したものであ
るが、このような構成としたことから、潜像部への付着
性が向上し、かつ地肌を汚さず、更に普通紙への転写特
性が向上したものとなる。
例えば水性インクとしては、展開剤である水、湿潤剤
である水溶性有機溶媒及び染料からなる水溶性インク;
展開剤である水、湿潤剤である水溶性有機溶媒、顔料及
び分散用高分子化合物からなる水性顔料分散インクある
いは顔料又は染料を界面活性剤を用いて展開剤である水
に分散させたエマジョンインク等が挙げられるが、これ
らの水性インクに水溶性高分子を添加することにより、
本発明の画像記録剤を得ることができる。
である水溶性有機溶媒及び染料からなる水溶性インク;
展開剤である水、湿潤剤である水溶性有機溶媒、顔料及
び分散用高分子化合物からなる水性顔料分散インクある
いは顔料又は染料を界面活性剤を用いて展開剤である水
に分散させたエマジョンインク等が挙げられるが、これ
らの水性インクに水溶性高分子を添加することにより、
本発明の画像記録剤を得ることができる。
本発明の画像記録剤において使用される水溶性高分子
の具体例としては、例えば天然系では、アラビアガム、
トラガンガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビ
ーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシ
ードデンプン等の植物性高分子;アルギン酸、カラギー
ナン、寒天等の海藻系高分子;ゼラチン、カゼイン、ア
ルブミン、コラーゲン等の動物系高分子;キサンテンガ
ム、デキストラン等の微生物系高分子;半合成系では、
メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等の繊維素系高分子;デンプング
リコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリ
ウム等のデンプン系高分子;アルギン酸ナトリウム、ア
ルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分
子;純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高
分子;ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポ
リマー、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子;そ
の他、ポリエチレンオキシド、メトキシエチレンマレイ
ン酸無水物コポリマー等が挙げられる。
の具体例としては、例えば天然系では、アラビアガム、
トラガンガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビ
ーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシ
ードデンプン等の植物性高分子;アルギン酸、カラギー
ナン、寒天等の海藻系高分子;ゼラチン、カゼイン、ア
ルブミン、コラーゲン等の動物系高分子;キサンテンガ
ム、デキストラン等の微生物系高分子;半合成系では、
メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等の繊維素系高分子;デンプング
リコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリ
ウム等のデンプン系高分子;アルギン酸ナトリウム、ア
ルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分
子;純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高
分子;ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポ
リマー、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子;そ
の他、ポリエチレンオキシド、メトキシエチレンマレイ
ン酸無水物コポリマー等が挙げられる。
これらの水溶性高分子は、画像記録剤中に単独、ある
いは2種以上混合して添加される。その画像記録剤中の
含有量としては、それぞれの高分子によって異なるが、
一般的には0.1重量%から5重量%の間で使用される。
これらの化合物の小量の添加により、本発明の画像記録
剤は、未添加のものに比べ大きく流動特性が異なるが、
表面張力が比較的高いという特色を有しており、これに
より潜像領域への付着量が増加し、かつ地肌が汚れにく
いという記録剤が形成される。
いは2種以上混合して添加される。その画像記録剤中の
含有量としては、それぞれの高分子によって異なるが、
一般的には0.1重量%から5重量%の間で使用される。
これらの化合物の小量の添加により、本発明の画像記録
剤は、未添加のものに比べ大きく流動特性が異なるが、
表面張力が比較的高いという特色を有しており、これに
より潜像領域への付着量が増加し、かつ地肌が汚れにく
いという記録剤が形成される。
また、水溶性有機溶媒としては、次のような水溶性の
有機化合物が挙げられる。
有機化合物が挙げられる。
エタノール、メタノール、プロパノール等の一価アル
コール類;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、グリセリン、低分子量のポリ
エチレングリコール、ヘキシレングリコール等の多価ア
ルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テト
ラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアル
キルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエー
テル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多
価アルコールアリールエーテル類;N−メチル−2−ピロ
リドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロ
ラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合
物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ
エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等の
アミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫
黄化合物類;プロピレンカーボネート、炭酸エチレン
等。
コール類;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、グリセリン、低分子量のポリ
エチレングリコール、ヘキシレングリコール等の多価ア
ルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テト
ラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアル
キルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエー
テル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多
価アルコールアリールエーテル類;N−メチル−2−ピロ
リドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロ
ラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合
物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ
エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等の
アミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫
黄化合物類;プロピレンカーボネート、炭酸エチレン
等。
これらのなかで、特に本発明に適した溶媒としては、
ホルムアミド、プロピレンカーボネート等が挙げられ
る。これら溶媒は、単独若しくは複数混合して用いられ
る。
ホルムアミド、プロピレンカーボネート等が挙げられ
る。これら溶媒は、単独若しくは複数混合して用いられ
る。
着色材として用いられる水溶性染料としては、カラー
・インデックスにおいて、酸性染料、直接染料、塩基性
染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で、耐
水、耐光性の優れたものが用いられる。これら染料の具
体例としては、例えば次のものが挙げられる。
・インデックスにおいて、酸性染料、直接染料、塩基性
染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で、耐
水、耐光性の優れたものが用いられる。これら染料の具
体例としては、例えば次のものが挙げられる。
C.I.アシッド・イエロー17,23,42,44,79,142 C.I.アシツド・レッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,5
2,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,2
89 C.I.アシッド・ブルー9,29,45,92,249 C.I.アシッド・ブラック1,2,7,24,26,94 C.I.フード・イエロー3,4 C.I.フード・レッド7,9,14 C.I.フード・ブラック2 C.I.ダイレクト・イエロー1,12,24,26,33,44,50,142,14
4,865 C.I.ダイレクト・レッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,8
1,83,89,225,227 C.I.ダイレクト・オレンジ26,29,62,102 C.I.ダイレクト・ブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,8
7,90,98,163,165,199,202 C.I.ダイレクト・ブラック19,22,32,38,51,56,71,74,7
5,77,154,168 C.I.ベーシック・イエロー1,2,11,13,14,15,19,21,23,2
4,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,65,67,70,73,
77,87,91 C.I.ベーシック・レッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,2
7,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,
82,102,104,109,112 C.I.ベーシック・ブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,
47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,12
0,122,124,129,137,141,147,155 ベーシック・ブラック2,8 等。
2,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,2
89 C.I.アシッド・ブルー9,29,45,92,249 C.I.アシッド・ブラック1,2,7,24,26,94 C.I.フード・イエロー3,4 C.I.フード・レッド7,9,14 C.I.フード・ブラック2 C.I.ダイレクト・イエロー1,12,24,26,33,44,50,142,14
4,865 C.I.ダイレクト・レッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,8
1,83,89,225,227 C.I.ダイレクト・オレンジ26,29,62,102 C.I.ダイレクト・ブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,8
7,90,98,163,165,199,202 C.I.ダイレクト・ブラック19,22,32,38,51,56,71,74,7
5,77,154,168 C.I.ベーシック・イエロー1,2,11,13,14,15,19,21,23,2
4,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,65,67,70,73,
77,87,91 C.I.ベーシック・レッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,2
7,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,
82,102,104,109,112 C.I.ベーシック・ブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,
47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,12
0,122,124,129,137,141,147,155 ベーシック・ブラック2,8 等。
顔料としては、有機顔料としてアゾ系、フタロシアニ
ン系、アンスラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジ
ン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリ
レン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾ
メチン系、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料と
して酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カ
ドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられ
る。
ン系、アンスラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジ
ン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリ
レン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾ
メチン系、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料と
して酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カ
ドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられ
る。
顔料分散用化合物としては、前述の水溶性高分子にも
その機能があり使用することができるが、より具体的に
は、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアル
カリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル
系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニル
ナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレ
イン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のア
ルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオ
ン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、ポリエチ
レンオキサイド、ゼラチン、カゼイン等の蛋白質、アラ
ビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類、サポニン等
のグルコキシド類、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、メチルセルロース、等のセル
ロース誘導体、リグニンスルホン酸及びその塩、セラッ
ク等の天然高分子化合物、等が挙げられる。
その機能があり使用することができるが、より具体的に
は、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアル
カリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル
系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニル
ナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレ
イン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のア
ルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオ
ン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、ポリエチ
レンオキサイド、ゼラチン、カゼイン等の蛋白質、アラ
ビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類、サポニン等
のグルコキシド類、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、メチルセルロース、等のセル
ロース誘導体、リグニンスルホン酸及びその塩、セラッ
ク等の天然高分子化合物、等が挙げられる。
なお、本発明の画像記録剤には、表面張力を調整する
目的で、界面活性剤を添加することもできる。界面活性
剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系又は
両性系の各界面活性剤が用いられる。これらは、単独で
も2種類以上が併用されても良い。界面活性剤の具体例
としては、例えばアニオン系界面活性剤としてはアルキ
ルベンゼンスルホン酸等、ノニオン系界面活性剤として
はポリオキシエチレン誘導体、糖の高級脂肪酸エステル
等、両性系界面活性剤としてはスルホベタイン系、アミ
ノ酸系等が挙げられる。また、pH調整剤、防腐防かび剤
等の添加も、必要に応じて行なうことができる。
目的で、界面活性剤を添加することもできる。界面活性
剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系又は
両性系の各界面活性剤が用いられる。これらは、単独で
も2種類以上が併用されても良い。界面活性剤の具体例
としては、例えばアニオン系界面活性剤としてはアルキ
ルベンゼンスルホン酸等、ノニオン系界面活性剤として
はポリオキシエチレン誘導体、糖の高級脂肪酸エステル
等、両性系界面活性剤としてはスルホベタイン系、アミ
ノ酸系等が挙げられる。また、pH調整剤、防腐防かび剤
等の添加も、必要に応じて行なうことができる。
本発明の画像記録剤を使用する記録プロセスで用いら
れる記録体は、前記のように、液体に接した状態で加熱
すると冷却後、後退接触角が低くなり、かつ液体不存在
下で加熱すると後退接触角が高くなる機能を示す表面を
有する。更に詳しくは、該記録体の表面が、(i)疎水
基の表面自己配向機能をもつ有機化合物を含む部材、又
は(ii)疎水基をもつ有機化合物であって疎水基を表面
に配向した部材からなる。(i)にいう“表面自己配向
機能”とは、ある化合物を支持体上に形成した固体又は
ある化合物自体による固体を空気中で加熱すると、表面
において疎水基が空気側(自由表面側)に向いて配向す
る性質があることを意味する。このことは、(ii)にお
いても同様にいえることである。
れる記録体は、前記のように、液体に接した状態で加熱
すると冷却後、後退接触角が低くなり、かつ液体不存在
下で加熱すると後退接触角が高くなる機能を示す表面を
有する。更に詳しくは、該記録体の表面が、(i)疎水
基の表面自己配向機能をもつ有機化合物を含む部材、又
は(ii)疎水基をもつ有機化合物であって疎水基を表面
に配向した部材からなる。(i)にいう“表面自己配向
機能”とは、ある化合物を支持体上に形成した固体又は
ある化合物自体による固体を空気中で加熱すると、表面
において疎水基が空気側(自由表面側)に向いて配向す
る性質があることを意味する。このことは、(ii)にお
いても同様にいえることである。
一般に、有機化合物では、疎水基は疎水性雰囲気側へ
向きやすい傾向をもっている。これは、固−気界面の界
面エネルギーが低くなる方に向うために生じる。また、
この傾向は、疎水基の分子長が長くなるほど認められる
が、これは分子長が長くなるほど、加熱における分子の
運動性が上がるためである。
向きやすい傾向をもっている。これは、固−気界面の界
面エネルギーが低くなる方に向うために生じる。また、
この傾向は、疎水基の分子長が長くなるほど認められる
が、これは分子長が長くなるほど、加熱における分子の
運動性が上がるためである。
更に具体的には、末端に疎水基を有する(すなわち表
面エネルギーを低くする)分子であると、空気側(自由
表面側)を向いて表面配向しやすい。同様にCH2 n
を含む直鎖状分子ではCH2CH2の部分が平面構造をし
ており、分子鎖同士が配向しやすい。また、 を含む分子も の部分が平面構造をしており、分子鎖同士が配向しやす
い。殊に、弗素などの電気陰性度の高い元素を含む直鎖
状分子は自己凝集性が高く、分子鎖同士が配向しやす
い。
面エネルギーを低くする)分子であると、空気側(自由
表面側)を向いて表面配向しやすい。同様にCH2 n
を含む直鎖状分子ではCH2CH2の部分が平面構造をし
ており、分子鎖同士が配向しやすい。また、 を含む分子も の部分が平面構造をしており、分子鎖同士が配向しやす
い。殊に、弗素などの電気陰性度の高い元素を含む直鎖
状分子は自己凝集性が高く、分子鎖同士が配向しやす
い。
この配向性の状態と後退接触角とは関係があり、また
後退接触角と液体付着性との間にも関係がある。すなわ
ち、固体表面での液体の付着は、液体の固体表面での主
にタッキングによって生じる。このタッキングは、いわ
ば液体が固体表面を滑べる時の一種の摩擦力とみなすこ
とができる。従って、本発明でいう“後退接触角”θr
は、前記摩擦力をγfとすると、 (但し、γ:真空中の固体の表面張力 γsl:固−液界面張力 γlv:液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張力 πe:平衡表面張力 γf:摩擦張力 γs:吸着層のない固体の表面張力である) という関係式が成立つ〔斉藤、北崎ら「日本接着協会
誌」22、12,(1986)〕。
後退接触角と液体付着性との間にも関係がある。すなわ
ち、固体表面での液体の付着は、液体の固体表面での主
にタッキングによって生じる。このタッキングは、いわ
ば液体が固体表面を滑べる時の一種の摩擦力とみなすこ
とができる。従って、本発明でいう“後退接触角”θr
は、前記摩擦力をγfとすると、 (但し、γ:真空中の固体の表面張力 γsl:固−液界面張力 γlv:液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張力 πe:平衡表面張力 γf:摩擦張力 γs:吸着層のない固体の表面張力である) という関係式が成立つ〔斉藤、北崎ら「日本接着協会
誌」22、12,(1986)〕。
従って、θrの値が低くなるときγf値は大きくな
る。すなわち、液体は固体面を滑べりにくくなり、その
結果、液体は固体面に付着するようになる。
る。すなわち、液体は固体面を滑べりにくくなり、その
結果、液体は固体面に付着するようになる。
これら相互の関連から推察しうるように、液体付着性
は後退接触角θrがどの程度であるかに左右され、その
後退接触角θrは表面自己配向機能を表面に有する部材
の如何により定められる。従って、画像形成のために
は、記録体表面が表面自己配向機能を有するものである
必要がある。
は後退接触角θrがどの程度であるかに左右され、その
後退接触角θrは表面自己配向機能を表面に有する部材
の如何により定められる。従って、画像形成のために
は、記録体表面が表面自己配向機能を有するものである
必要がある。
本方法で用いられる記録体は、その表面が上記のよう
な性状を有してさえいれば、形状等は任意である。従っ
て、記録体はフィルム状であっても、適当な支持体や成
形体上に表面が上記のような性状を有する別の塗工膜な
どが設けられていてもかまわない。成形体自体であって
もかまわないが、その表面は上記のような性状を有して
いることが必要である。
な性状を有してさえいれば、形状等は任意である。従っ
て、記録体はフィルム状であっても、適当な支持体や成
形体上に表面が上記のような性状を有する別の塗工膜な
どが設けられていてもかまわない。成形体自体であって
もかまわないが、その表面は上記のような性状を有して
いることが必要である。
ここで、“加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後
退接触角θrが低下する表面を形成する”部材ないし材
料を幾つかに分類した例を第1図に示す。第1図(a)
は自己配向機能を有する化合物の例で、高分子重合体の
側鎖に疎水基を有する化合物であり、主鎖Lと疎水基R
とは結合基Jにて結合している。
退接触角θrが低下する表面を形成する”部材ないし材
料を幾つかに分類した例を第1図に示す。第1図(a)
は自己配向機能を有する化合物の例で、高分子重合体の
側鎖に疎水基を有する化合物であり、主鎖Lと疎水基R
とは結合基Jにて結合している。
第1図(b)は、疎水基を有する有機化合物において
その疎水基を表面に配向した部材の例で、有機又は無機
材料Mの表面に、物理的又は化学的結合により、前記疎
水基を有する化合物0を形成した部材である。第1図
(c)は、第1図(b)であげた疎水基を有する有機化
合物0のみからなる部材の例である。
その疎水基を表面に配向した部材の例で、有機又は無機
材料Mの表面に、物理的又は化学的結合により、前記疎
水基を有する化合物0を形成した部材である。第1図
(c)は、第1図(b)であげた疎水基を有する有機化
合物0のみからなる部材の例である。
第1図(d)は、直鎖状分子が高分子の側鎖にある例
で、主鎖Lと前記分子を結合基Jによりつなぎ、末端に
疎水基Rをもつ自己凝集性又は平面構造を有する分子鎖
Nが中間にある化合物である。
で、主鎖Lと前記分子を結合基Jによりつなぎ、末端に
疎水基Rをもつ自己凝集性又は平面構造を有する分子鎖
Nが中間にある化合物である。
なお、第1図(a)(d)の例においては、高分子化
合物の主鎖線Lは直鎖状でも網掛け構造でもよい。第1
図(b)の例においては、累積LB膜のように、疎水基含
有化合物0の上に更に疎水基含有化合物0が積層されて
いてもよい。第1図(c)の例においては、主鎖(L)
をもつことなく又は有機・無機材料(M)などに結合す
ることなく、疎水基含有化合物0のみによる構造であ
る。
合物の主鎖線Lは直鎖状でも網掛け構造でもよい。第1
図(b)の例においては、累積LB膜のように、疎水基含
有化合物0の上に更に疎水基含有化合物0が積層されて
いてもよい。第1図(c)の例においては、主鎖(L)
をもつことなく又は有機・無機材料(M)などに結合す
ることなく、疎水基含有化合物0のみによる構造であ
る。
前記の疎水基としては、分子の末端が好ましくは-CH3
や-CF3、-CF2H、-CFH2、-C(CF3)3、-C(CH3)3などになっ
ており、より好ましくは、分子運動性が高い点で分子長
の長いものが有利である。中でも、前記疎水基として
は、−F及び/又は−Clが1つ以上ある置換アルキル基
( のようなものでもよい)あるいは無置換のアルキル基で
あって、炭素数4以上のものが望ましい。弗素置換、塩
素置換のいずれのものも用いられるが、弗素置換のもの
の方が効果的である。これらの材料においては、アルキ
ル基炭素数と機能との関係では、炭素数が3以下である
と、記録方法に適する機能が低くなってしまう。
や-CF3、-CF2H、-CFH2、-C(CF3)3、-C(CH3)3などになっ
ており、より好ましくは、分子運動性が高い点で分子長
の長いものが有利である。中でも、前記疎水基として
は、−F及び/又は−Clが1つ以上ある置換アルキル基
( のようなものでもよい)あるいは無置換のアルキル基で
あって、炭素数4以上のものが望ましい。弗素置換、塩
素置換のいずれのものも用いられるが、弗素置換のもの
の方が効果的である。これらの材料においては、アルキ
ル基炭素数と機能との関係では、炭素数が3以下である
と、記録方法に適する機能が低くなってしまう。
この機能発現の原理はいまだ完全に明らかにされた訳
ではなく、従って、不明な点が多いが、以下のことが推
定される。
ではなく、従って、不明な点が多いが、以下のことが推
定される。
まず、上記化合物により形成された記録体の表面は、
前記疎水基がかなり配向した表面となっていることが考
えられる。従って、この表面は液体反撥性を有する(疎
水基は表面エネルギーが小さいため)。この状態で、記
録体の表面が接触材料に接して加熱を受けると、加熱に
よる疎水基の分子運動が活発となり、かつ接触材料との
相互作用を受けて、記録体の表面の少なくとも一部の配
向(整列)状態が別の状態(すなわち、別の配向状態又
は配向が乱れた状態)に変わり、冷却後もその別の状態
を維持するためと思われる。なお、記録体の表面に接触
材料が接した状態のもとで加熱することは、接触材料の
形態如何により、記録体の表面が加熱された状態のもと
に液体を接触させることになる。
前記疎水基がかなり配向した表面となっていることが考
えられる。従って、この表面は液体反撥性を有する(疎
水基は表面エネルギーが小さいため)。この状態で、記
録体の表面が接触材料に接して加熱を受けると、加熱に
よる疎水基の分子運動が活発となり、かつ接触材料との
相互作用を受けて、記録体の表面の少なくとも一部の配
向(整列)状態が別の状態(すなわち、別の配向状態又
は配向が乱れた状態)に変わり、冷却後もその別の状態
を維持するためと思われる。なお、記録体の表面に接触
材料が接した状態のもとで加熱することは、接触材料の
形態如何により、記録体の表面が加熱された状態のもと
に液体を接触させることになる。
この加熱前は、疎水基が表面に整列(配向)している
ため、記録体の表面の表面エネルギーは極めて少ない。
ため、記録体の表面の表面エネルギーは極めて少ない。
ところが、前記の接触材料が接した状態のもとでの加
熱により、配向状態は乱れて表面エネルギーが高まる。
後退接触角θrは、液体の種類にかかわらず、固体と液
体との表面エネルギーのバランスで決定される。このた
め、固体の表面エネルギーが高まれば、液体の種類にか
かわらず、後退接触角θrは低くなる。従って、液体に
対する付着性は増大することになる。
熱により、配向状態は乱れて表面エネルギーが高まる。
後退接触角θrは、液体の種類にかかわらず、固体と液
体との表面エネルギーのバランスで決定される。このた
め、固体の表面エネルギーが高まれば、液体の種類にか
かわらず、後退接触角θrは低くなる。従って、液体に
対する付着性は増大することになる。
更に、記録体の表面が別の状態(元の配向状態とは異
なる「別の配向状態」又は「配向が乱れた状態」)で接
触材料の不存在下に加熱を受けると、接触材料との相互
作用が生じないため、元の整列(配向)状態にもどると
思われる。
なる「別の配向状態」又は「配向が乱れた状態」)で接
触材料の不存在下に加熱を受けると、接触材料との相互
作用が生じないため、元の整列(配向)状態にもどると
思われる。
従って、接触材料の存在は、単に記録体の表面を加熱
後急冷するためのものではなく、記録体の表面の化合物
との何らかの相互作用を起こすものであり、この相互作
用があって、はじめて別の状態(別の配向状態又は配向
が乱れた状態)への変化が起こると思われる。
後急冷するためのものではなく、記録体の表面の化合物
との何らかの相互作用を起こすものであり、この相互作
用があって、はじめて別の状態(別の配向状態又は配向
が乱れた状態)への変化が起こると思われる。
前記のとおり、記録体の表面を形成する部材(化合
物)の疎水基として、アルキル基又は弗素若しくは塩素
置換のアルキル基が採用された場合には、アルキル基の
炭素数が4以上であるのが望ましいのは、記録体の表面
にアルキル基がある程度整列(配向)し、しかも加熱時
に活発な分子運動をするのに必要な数なのだと思われ
る。また、接触材料が記録体の表面と共に加熱を受けた
時、記録体表面の分子中に接触材料の分子がとりこまれ
ることも考えられる。更に、アルキル基中に電気陰性度
の高い弗素や塩素があると、液体、特に極性液体との相
互作用が大きくなるため、水素のみのアルキル基を含有
する化合物よりも大きな付着性変化が得られる。また、
弗素を含有するアルキル基は、自己凝集性が強いため、
表面自己配向機能が高く、更に、表面エネルギーが低い
ため、地肌よごれ防止の点ですぐれている。
物)の疎水基として、アルキル基又は弗素若しくは塩素
置換のアルキル基が採用された場合には、アルキル基の
炭素数が4以上であるのが望ましいのは、記録体の表面
にアルキル基がある程度整列(配向)し、しかも加熱時
に活発な分子運動をするのに必要な数なのだと思われ
る。また、接触材料が記録体の表面と共に加熱を受けた
時、記録体表面の分子中に接触材料の分子がとりこまれ
ることも考えられる。更に、アルキル基中に電気陰性度
の高い弗素や塩素があると、液体、特に極性液体との相
互作用が大きくなるため、水素のみのアルキル基を含有
する化合物よりも大きな付着性変化が得られる。また、
弗素を含有するアルキル基は、自己凝集性が強いため、
表面自己配向機能が高く、更に、表面エネルギーが低い
ため、地肌よごれ防止の点ですぐれている。
更にまた、記録体の表面は液体反撥性を有するが、こ
れを固体の表面エネルギーで記述すると、50dyn/cm以下
であることが記録方法として望ましい。これ以上の高い
値では記録剤に対して記録体の表面が、時として、濡れ
てしまい、地肌よごれを起こすおそれがある。
れを固体の表面エネルギーで記述すると、50dyn/cm以下
であることが記録方法として望ましい。これ以上の高い
値では記録剤に対して記録体の表面が、時として、濡れ
てしまい、地肌よごれを起こすおそれがある。
ここで、記録体の表面を形成する化合物の詳細を述べ
る。まず、第1図(a)及び(d)のタイプについて
は、ビニル系高分子側鎖にアルキル基(弗素及び/又は
塩素置換のものも含む)を有する化合物などが考えられ
る。具体的には、式(I)(II)(III)(IV)(V)
(VI)及び(VII)で示されるモノマーからの重合体が
挙げられる。
る。まず、第1図(a)及び(d)のタイプについて
は、ビニル系高分子側鎖にアルキル基(弗素及び/又は
塩素置換のものも含む)を有する化合物などが考えられ
る。具体的には、式(I)(II)(III)(IV)(V)
(VI)及び(VII)で示されるモノマーからの重合体が
挙げられる。
〔R:−H、-CH3,-C2H5,-CF3又は-C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又は弗素若しくは塩素置換アル
キル基を含有した基、又は分子鎖中にCF2 l、CH2
l若しくは をもつ疎水基(l≧4) n′:1以上の整数〕 その他のポリマーとしては、式(VIII)(IX)及び
(X)に示されるものが挙げられる。
キル基を含有した基、又は分子鎖中にCF2 l、CH2
l若しくは をもつ疎水基(l≧4) n′:1以上の整数〕 その他のポリマーとしては、式(VIII)(IX)及び
(X)に示されるものが挙げられる。
〔R:−H、-CH3、-C2H5、-CF3又は-C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又は弗素若しくは塩素置換アル
キル基を含有した基、又は分子鎖中にCF2 l、CH2
l若しくは を含む疎水基(l≧4) n:10以上の整数〕 これら具体例でRfをより詳しくいえば、下記(1)か
ら(20)までのものを例示することができる。
キル基を含有した基、又は分子鎖中にCF2 l、CH2
l若しくは を含む疎水基(l≧4) n:10以上の整数〕 これら具体例でRfをより詳しくいえば、下記(1)か
ら(20)までのものを例示することができる。
(1)-CH2CF2CHFCF3 (6)-CH2(CF2)10H (7)CF2 6O-CF2CF3 (8)CH2 4NH-CF2CF3 (9)CF2 6CF3 (10)CH2)10C8F17 (13)-CH2NHSO2C8F17 (16)-CH2CF2CF2CF3 (17)-CH2CH2CH2CH2F (18)-CH2(CF2)6CF3 (19)-CH2(CF2)5CF3 (20)CH2)3CF3 これらの化合物のうちでも、特に、下記(XI)のモノ
マーを原料とする重合体がより望ましい。
マーを原料とする重合体がより望ましい。
〔R1:水素、-CnH2n+1又は-CnF2n+1(n=1又は2以上
の整数) R2:CH2 p (p≧1の整数) 又はCH2 qN(R3)SO2- (R3は-CH3又は-C2H5、q≧1の整数) m:6以上の整数〕 従って、本発明における記録体表面の部材の好ましい
具体例としては、下記のモノマーからの重合体が挙げら
れる。
の整数) R2:CH2 p (p≧1の整数) 又はCH2 qN(R3)SO2- (R3は-CH3又は-C2H5、q≧1の整数) m:6以上の整数〕 従って、本発明における記録体表面の部材の好ましい
具体例としては、下記のモノマーからの重合体が挙げら
れる。
更に、これら式(I)(II)(III)(IV)(V)(V
I)(VII)及び(XI)のモノマー同士(2種以上のモノ
マー)の共重合体の他に、これらモノマーと他のモノマ
ー、例えばエチレン、塩化ビニル、スチレン、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン、ビニルアルキルエーテ
ル、酢酸ビニルなどとの共重合体も上記化合物として適
する。
I)(VII)及び(XI)のモノマー同士(2種以上のモノ
マー)の共重合体の他に、これらモノマーと他のモノマ
ー、例えばエチレン、塩化ビニル、スチレン、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン、ビニルアルキルエーテ
ル、酢酸ビニルなどとの共重合体も上記化合物として適
する。
また、式(XI)のモノマーと官能基を有する重合性モ
ノマー、例えば CH2=C(CH3)COO(CH2)2OH CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH3 CH2=CHCOOCH2CH(OH)C8F17 などの1種以上とで共重合物をつくり重合物中に官能基
を多数導入するか、式(XI)のモノマーと官能基を有す
る重合性モノマーとの共重合物をつくり、続いて、官能
基を多数含んだ共重合物同士を架橋試薬を用いて架橋す
ることにより製造した架橋性重合体も、上記材料として
すぐれている。架橋試薬としては、ホルムアルデヒド、
ジアルデヒド、N−メチロール化合物、ジカルボン酸、
ジカルボン酸クロライド、ビスハロゲン化合物、ビスエ
ポキシド、ビスアジリジン、ジイソシアネートなどが挙
げられる。このようにして得られた架橋重合物の一例を
下記に示す。
ノマー、例えば CH2=C(CH3)COO(CH2)2OH CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH3 CH2=CHCOOCH2CH(OH)C8F17 などの1種以上とで共重合物をつくり重合物中に官能基
を多数導入するか、式(XI)のモノマーと官能基を有す
る重合性モノマーとの共重合物をつくり、続いて、官能
基を多数含んだ共重合物同士を架橋試薬を用いて架橋す
ることにより製造した架橋性重合体も、上記材料として
すぐれている。架橋試薬としては、ホルムアルデヒド、
ジアルデヒド、N−メチロール化合物、ジカルボン酸、
ジカルボン酸クロライド、ビスハロゲン化合物、ビスエ
ポキシド、ビスアジリジン、ジイソシアネートなどが挙
げられる。このようにして得られた架橋重合物の一例を
下記に示す。
上記の式において、Aブロックは前記の熱的性質の変
化をもたらすアルキル基であり、一方、Bブロックは鎖
状ポリマー同士を架橋している(架橋試薬としてジイソ
シアネートを用いて架橋したもの)部位である。
化をもたらすアルキル基であり、一方、Bブロックは鎖
状ポリマー同士を架橋している(架橋試薬としてジイソ
シアネートを用いて架橋したもの)部位である。
架橋体による膜を得るには、前記の共重合物と架橋試
薬とを混合した溶液をコート液として基板上に塗布し、
加熱又は電子線照射や光照射により架橋重合膜を得るよ
うにすればよい。
薬とを混合した溶液をコート液として基板上に塗布し、
加熱又は電子線照射や光照射により架橋重合膜を得るよ
うにすればよい。
なお、上記モノマーから重合体を得るには、溶液重
合、電解重合、乳化重合、光重合、放射線重合、プラズ
マ重合、グラフト重合、プラズマ開始重合、蒸着重合な
ど、材料により適当な方法が選択される。
合、電解重合、乳化重合、光重合、放射線重合、プラズ
マ重合、グラフト重合、プラズマ開始重合、蒸着重合な
ど、材料により適当な方法が選択される。
次に、第1図(b)に示した化合物について述べる。
ここでは、式(XII)、(XIII)及び(XIV)に示す材料 Rf−COOH …(XII) Rf−OH …(XIII) RfCH2)nSiX …(XIV) 〔Rf:炭素数4以上のアルキル基又は弗素若しくは塩素
置換のアルキル基を含有した基、又は分子鎖中にCF2
l、CH2 l若しくは を含む疎水基(l≧4) n:1以上の整数 X:塩素、メトキシ基又はエトキシ基〕 等をガラス、金、銅などの無機材料やポリイミド、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレートなどの有機材料
表面に物理吸着又は化学結合した材料(表面エネルギー
が約50dyn/cm以下であるのが好ましい)であることが望
ましい。
ここでは、式(XII)、(XIII)及び(XIV)に示す材料 Rf−COOH …(XII) Rf−OH …(XIII) RfCH2)nSiX …(XIV) 〔Rf:炭素数4以上のアルキル基又は弗素若しくは塩素
置換のアルキル基を含有した基、又は分子鎖中にCF2
l、CH2 l若しくは を含む疎水基(l≧4) n:1以上の整数 X:塩素、メトキシ基又はエトキシ基〕 等をガラス、金、銅などの無機材料やポリイミド、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレートなどの有機材料
表面に物理吸着又は化学結合した材料(表面エネルギー
が約50dyn/cm以下であるのが好ましい)であることが望
ましい。
式(XII)(XIII)及び(XIV)の具体例としては、 CF3CF2 5COOH CF3CF2 7COOH CF3CF2 7(CH2 2OH HCF2 10COOH HCF2 10CH2OH FCF2 6CH2CH2-Si(CH3)2Cl CF2Cl(CF3)CF(CF2)5COOH CF3(CF2)7(CH2)2SiCl3 などが挙げられる。
第1図(c)に示す化合物としては式(XII)、式(X
III)や式(XIV)の材料のみの構造体が挙げられる。
III)や式(XIV)の材料のみの構造体が挙げられる。
続いて、上記化合物を用いた記録体について述べる。
記録体の構成としては、前記の表面部材そのもので
形成したもの、支持体(好ましくは耐熱性支持体)上
に前記の表面部材を形成したもの、とに大別される。
の態様は上記化合物(表面部材)そのものをフィルム
状、板状、あるいは円柱状に成形したものである。この
際、フィルム状の場合は、フィルムの厚さは1μm〜5m
mが望ましい。
形成したもの、支持体(好ましくは耐熱性支持体)上
に前記の表面部材を形成したもの、とに大別される。
の態様は上記化合物(表面部材)そのものをフィルム
状、板状、あるいは円柱状に成形したものである。この
際、フィルム状の場合は、フィルムの厚さは1μm〜5m
mが望ましい。
の態様においては、上記化合物がある程度支持体内
部へ侵入していてもかまわない。記録体自体の膜厚は30
Å〜1mmが望ましい。但し、熱伝導性の点では100Å〜10
μm、耐摩耗性の点では10μm〜1mmがすぐれている。
支持体の耐熱温度としては、50℃〜300℃が望ましい。
部へ侵入していてもかまわない。記録体自体の膜厚は30
Å〜1mmが望ましい。但し、熱伝導性の点では100Å〜10
μm、耐摩耗性の点では10μm〜1mmがすぐれている。
支持体の耐熱温度としては、50℃〜300℃が望ましい。
支持体の形状は、ベルト状、板状、ドラム状いずれで
もよく、装置の使用用途に応じて選定する。特に、ドラ
ム状は装置における寸法精度を出せる点ですぐれてい
る。板状のものは、記録紙サイズに応じてその大きさを
決めればよい。
もよく、装置の使用用途に応じて選定する。特に、ドラ
ム状は装置における寸法精度を出せる点ですぐれてい
る。板状のものは、記録紙サイズに応じてその大きさを
決めればよい。
更に、上記化合物(記録体の表面形成材料)と他の部
材、例えば疎水性ポリマー、疎水性無機材料との混合物
を支持体上に形成すると、印字における地肌よごれ防止
の点ですぐれている。また、熱伝導性ほ上げるために
は、金属粉を上記化合物に混入するとよい。更に、支持
体と上記化合物との密着性を向上するためにプライマー
層を支持体と化合物間に設けることもできる。耐熱性支
持体としては、ポリイミド、ポリエステルなどの樹脂フ
ィルムやガラスやNi、Al、Cu、Cr、Ptなどの金属や金属
酸化物等が好ましい。これら支持体は平滑でも粗面や多
孔質であってもよい。
材、例えば疎水性ポリマー、疎水性無機材料との混合物
を支持体上に形成すると、印字における地肌よごれ防止
の点ですぐれている。また、熱伝導性ほ上げるために
は、金属粉を上記化合物に混入するとよい。更に、支持
体と上記化合物との密着性を向上するためにプライマー
層を支持体と化合物間に設けることもできる。耐熱性支
持体としては、ポリイミド、ポリエステルなどの樹脂フ
ィルムやガラスやNi、Al、Cu、Cr、Ptなどの金属や金属
酸化物等が好ましい。これら支持体は平滑でも粗面や多
孔質であってもよい。
次に、接触材料について説明する。
接触材料は、先に記載したとおりであるが、端的に言
えば、当初から液体あるいは蒸気であるか、又は記録体
表面における後退接触角θrの低下開始温度以下で結果
的に液体を生じさせる固体である。ここでの蒸気は、記
録体の表面又は表面近傍で、少なくともその一部が凝縮
して液体を生ぜしめ、その液体が記録体の表面を濡らす
ことができるものであれば充分である。一方、ここでの
固体は、前記後退接触角θrの低下開始温度以下で液体
となるか、液体を発生させるか、又は蒸気を発生させる
ものである。固体から発生された蒸気は記録体の表面又
はその近傍で凝縮して液体を生じさせることは前記の場
合と同様である。
えば、当初から液体あるいは蒸気であるか、又は記録体
表面における後退接触角θrの低下開始温度以下で結果
的に液体を生じさせる固体である。ここでの蒸気は、記
録体の表面又は表面近傍で、少なくともその一部が凝縮
して液体を生ぜしめ、その液体が記録体の表面を濡らす
ことができるものであれば充分である。一方、ここでの
固体は、前記後退接触角θrの低下開始温度以下で液体
となるか、液体を発生させるか、又は蒸気を発生させる
ものである。固体から発生された蒸気は記録体の表面又
はその近傍で凝縮して液体を生じさせることは前記の場
合と同様である。
これら接触材料をより具体的にいえば次のとおりであ
る。すなわち、接触材料の一つである液体としては、水
の他に、電解質を含む水溶液、エタノール、n−ブタノ
ール等のアルコール、グリセリン、エチレングリコール
等の多価アルコール、メチルエチルケトン等のケトン類
のごとき有極性液体や、n−ノナン、n−オクタン等の
直鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の環式状炭化水素、
m−キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のごとき無
極性液体が挙げられる。また、これらの混合体でもよい
し、各種分散液や本発明の画像記録剤も使用できる。更
に望ましくは、極性液体の方がよりすぐれている。
る。すなわち、接触材料の一つである液体としては、水
の他に、電解質を含む水溶液、エタノール、n−ブタノ
ール等のアルコール、グリセリン、エチレングリコール
等の多価アルコール、メチルエチルケトン等のケトン類
のごとき有極性液体や、n−ノナン、n−オクタン等の
直鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の環式状炭化水素、
m−キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のごとき無
極性液体が挙げられる。また、これらの混合体でもよい
し、各種分散液や本発明の画像記録剤も使用できる。更
に望ましくは、極性液体の方がよりすぐれている。
接触材料の他の一つである蒸気としては、水蒸気の外
に接触材料の液体の蒸気であれば使用できるが、特にエ
タノール蒸気やm−キシレン蒸気などの有機化合物の蒸
気(噴霧状態のものを含む)が挙げられる。この有機化
合物蒸気の温度は、記録体の表面を形成する化合物の融
点あるいは軟化点以下である必要がある。
に接触材料の液体の蒸気であれば使用できるが、特にエ
タノール蒸気やm−キシレン蒸気などの有機化合物の蒸
気(噴霧状態のものを含む)が挙げられる。この有機化
合物蒸気の温度は、記録体の表面を形成する化合物の融
点あるいは軟化点以下である必要がある。
接触材料の他のもう一つである固体としては、高級脂
肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲル(ポリアクリ
ルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲル)、シリカゲ
ル、結晶水を含んだ化合物などが挙げられる。
肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲル(ポリアクリ
ルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲル)、シリカゲ
ル、結晶水を含んだ化合物などが挙げられる。
なお、接触材料として、前記した本発明の画像記録剤
を用いた場合には、潜像形成と同時に顕像化が行なわれ
ることになる。
を用いた場合には、潜像形成と同時に顕像化が行なわれ
ることになる。
続いて、加熱手段について説明する。
加熱手段としてはヒーター、サーマルヘッドなどによ
る接触加熱の他に、電磁波(レーザー光源、赤外線ラン
プなどの発光源からの光線をレンズで集光する)による
非接触加熱がある。
る接触加熱の他に、電磁波(レーザー光源、赤外線ラン
プなどの発光源からの光線をレンズで集光する)による
非接触加熱がある。
第2図(a)は基板1上に記録体の表面を構成する前
記化合物の膜2が形成され、この膜面に接触材料のうち
の例えば液体3が存在している状態を示している。この
状態において、第3図(a)に示されるように膜2を加
熱すると、膜2表面は後退接触角θrが低下して著しい
濡れを示し、液体付着性を有してしまうのが認められ
る。更に、この液体付着性を有する膜2を空気中、真空
中又は不活性ガス雰囲気中で再び加熱する〔第2図
(b)〕と、膜2表面は後退接触角θrが高まってゆき
再び液体反撥性を示すのが認められる。
記化合物の膜2が形成され、この膜面に接触材料のうち
の例えば液体3が存在している状態を示している。この
状態において、第3図(a)に示されるように膜2を加
熱すると、膜2表面は後退接触角θrが低下して著しい
濡れを示し、液体付着性を有してしまうのが認められ
る。更に、この液体付着性を有する膜2を空気中、真空
中又は不活性ガス雰囲気中で再び加熱する〔第2図
(b)〕と、膜2表面は後退接触角θrが高まってゆき
再び液体反撥性を示すのが認められる。
このような現象と幾分類似した現象を示すものとし
て、先に挙げた特公昭54−41902号公報に記載された方
法がある。だが、ここに開示されている方法では、記録
材料に実質的にデイスオーダーでかつ一般的に不定形の
メモリ物質の層を得るようにしている点で、メカニズム
上大きく相違したものとなっている。すなわち、本発明
では、接触材料の存在なしでは、記録体表面には状態変
化が起こり得ない。又、特公昭54−41902号公報に記載
された方法では、簡単な操作で可逆性を得ることはでき
ない。
て、先に挙げた特公昭54−41902号公報に記載された方
法がある。だが、ここに開示されている方法では、記録
材料に実質的にデイスオーダーでかつ一般的に不定形の
メモリ物質の層を得るようにしている点で、メカニズム
上大きく相違したものとなっている。すなわち、本発明
では、接触材料の存在なしでは、記録体表面には状態変
化が起こり得ない。又、特公昭54−41902号公報に記載
された方法では、簡単な操作で可逆性を得ることはでき
ない。
第3図(a)のごとく、画像情報に応じて液体3の接
触下で膜2に熱を加える〔第3図(b−1)のように、
液体不存在のものに膜2に画像情報に応じて熱を加えた
状態のもとで液体と接触させても同様である〕と、加熱
部分の膜2の表面が液体付着性化される。図中、4はヒ
ーター、31は液体供給口、41は赤外線ランプ、5はレン
ズ、6はシャッターを表わしている。
触下で膜2に熱を加える〔第3図(b−1)のように、
液体不存在のものに膜2に画像情報に応じて熱を加えた
状態のもとで液体と接触させても同様である〕と、加熱
部分の膜2の表面が液体付着性化される。図中、4はヒ
ーター、31は液体供給口、41は赤外線ランプ、5はレン
ズ、6はシャッターを表わしている。
第3図(a)は膜2の加熱を基板1を通して行なつて
いる例であるが、第3図(b−2)に示した例は、液体
3を通して加熱がなされている例である。
いる例であるが、第3図(b−2)に示した例は、液体
3を通して加熱がなされている例である。
この膜2の水溶液接触下での加熱前後の水溶液の接触
角の変動、及び、このものを更に空気中で加熱した場合
の水溶液の接触角の変動の一例を第4図に示した。第4
図において、○は前進接触角、△は後退接触角を表わし
ている。
角の変動、及び、このものを更に空気中で加熱した場合
の水溶液の接触角の変動の一例を第4図に示した。第4
図において、○は前進接触角、△は後退接触角を表わし
ている。
一般に、後退接触角が90°以上の高い値の場合、その
表面は液体反撥性を示し、90°以下の低い値の場合、そ
の表面は液体付着性を示す。
表面は液体反撥性を示し、90°以下の低い値の場合、そ
の表面は液体付着性を示す。
接触材料に接した状態での記録体表面の加熱温度とし
ては、50℃〜250℃の範囲が望ましく、更に望ましくは8
0℃〜150℃である。加熱時間は0.1ミリ秒1〜秒程度
で、望ましくは0.5ミリ秒〜2ミリ秒である。加熱のタ
イミングとしては、潜像形成であれば、記録体表面を
加熱した後、冷めないうちに接触材料に接触させる、
記録体表面に接触材料を接触させた状態のもとに記録体
表面を加熱させる、のいずれかでよい。一方、潜像消去
であれば、接触材料の不存在下で記録体表面を50〜300
℃、望ましくは100〜180℃に加熱すればよい。加熱時間
はいずれの場合も1ミリ秒〜10秒程度で、好ましくは10
ミリ秒〜1秒である。
ては、50℃〜250℃の範囲が望ましく、更に望ましくは8
0℃〜150℃である。加熱時間は0.1ミリ秒1〜秒程度
で、望ましくは0.5ミリ秒〜2ミリ秒である。加熱のタ
イミングとしては、潜像形成であれば、記録体表面を
加熱した後、冷めないうちに接触材料に接触させる、
記録体表面に接触材料を接触させた状態のもとに記録体
表面を加熱させる、のいずれかでよい。一方、潜像消去
であれば、接触材料の不存在下で記録体表面を50〜300
℃、望ましくは100〜180℃に加熱すればよい。加熱時間
はいずれの場合も1ミリ秒〜10秒程度で、好ましくは10
ミリ秒〜1秒である。
続いて、記録体表面に実際に画像情報の記録を行なう
手段について、より詳細に説明する。
手段について、より詳細に説明する。
本発明においては、液体又は蒸気雰囲気下で画像信号
に応じて記録体の表面を加熱し、記録体の表面に液体付
着領域を形成(潜像形成)し、その後、この潜像部に記
録剤を接触させる手段により潜像部に記録剤を付着させ
(現像)、この後、記録紙に記録体表面の記録剤を転写
する方法(間接記録方法)が基本となる。また、該方法
において、接触材料として記録剤を兼ねるものを使用す
ると、潜像形成と現像が同時に行なわれる。更に、これ
らの方法において、記録剤を転写後、再び潜像部に記録
剤を接触させる手段を行なえば、記録体を印刷版として
用いた印刷方法となる。また、これらの方法において、
記録剤を転写後、液体又は蒸気の不存在下で潜像を形成
した記録体の表面を加熱し潜像を消去することにより、
記録体が再生可能な記録方法となる。第5図(a)及び
(b)に間接記録方法(印刷法)、記録体の可逆的な間
接記録方法(繰り返し記録方法)の代表的なプロセスを
示す。
に応じて記録体の表面を加熱し、記録体の表面に液体付
着領域を形成(潜像形成)し、その後、この潜像部に記
録剤を接触させる手段により潜像部に記録剤を付着させ
(現像)、この後、記録紙に記録体表面の記録剤を転写
する方法(間接記録方法)が基本となる。また、該方法
において、接触材料として記録剤を兼ねるものを使用す
ると、潜像形成と現像が同時に行なわれる。更に、これ
らの方法において、記録剤を転写後、再び潜像部に記録
剤を接触させる手段を行なえば、記録体を印刷版として
用いた印刷方法となる。また、これらの方法において、
記録剤を転写後、液体又は蒸気の不存在下で潜像を形成
した記録体の表面を加熱し潜像を消去することにより、
記録体が再生可能な記録方法となる。第5図(a)及び
(b)に間接記録方法(印刷法)、記録体の可逆的な間
接記録方法(繰り返し記録方法)の代表的なプロセスを
示す。
次に、記録体をはじめ、記録方法における装置構成に
ついて述べる。
ついて述べる。
記録体は、加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後
退接触角が低下する表面(便宜上「膜2」又は「記録体
表面」と記すことがある)を有しているものであれば、
その形態にとらわれない。従って、記録体は、剛体円筒
形状であっても、柔軟性を有するフィルム形状であって
もかまわない。ただ、剛体円筒形状記録体(円筒状剛体
の表面に膜2が形成されたもの)は、記録体を稼働する
際位置ずれ等が生じにくく制御性に優れているので、剛
体円筒形状の記録体が好ましい。このような記録体の作
製は膜2を基板上に成膜する方法や、成形体そのもので
作成する方法が採用される。特に、前記成形体は一般に
機械強度が弱いため基板上に成膜する方法が望ましい。
なお、成形体そのもので記録体をつくる場合において
も、その表面には膜2が形成されていなければならない
ことはいうまでもない。
退接触角が低下する表面(便宜上「膜2」又は「記録体
表面」と記すことがある)を有しているものであれば、
その形態にとらわれない。従って、記録体は、剛体円筒
形状であっても、柔軟性を有するフィルム形状であって
もかまわない。ただ、剛体円筒形状記録体(円筒状剛体
の表面に膜2が形成されたもの)は、記録体を稼働する
際位置ずれ等が生じにくく制御性に優れているので、剛
体円筒形状の記録体が好ましい。このような記録体の作
製は膜2を基板上に成膜する方法や、成形体そのもので
作成する方法が採用される。特に、前記成形体は一般に
機械強度が弱いため基板上に成膜する方法が望ましい。
なお、成形体そのもので記録体をつくる場合において
も、その表面には膜2が形成されていなければならない
ことはいうまでもない。
記録体基板に樹脂を用いた場合、このものは熱の良導
体とは言いがたく、記録体表面が加熱され液体付着性を
有するまでにはある程度の時間を要する。そこで、熱の
良導体を基板の全体に又は基板1上の部分に用いること
が考えられてよい。
体とは言いがたく、記録体表面が加熱され液体付着性を
有するまでにはある程度の時間を要する。そこで、熱の
良導体を基板の全体に又は基板1上の部分に用いること
が考えられてよい。
第6図(a)は、例えば金属のような熱の良導体を基
板(金属基板11)とし、その上に有機薄膜12を蒸着し、
更にその上に、膜2を形成したものであるが、このよう
にすると垂直方向の熱伝導速度が向上する。ここでの有
機薄膜12としては、ポリイミド、ポリエステル、フタロ
シアニンなどが例示される。印字ドットが比較的大きく
てよい場合にはこの構成で充分であるが、両方向への熱
拡散により液体付着性を有する部分が拡大するため、一
層の高密度印字を目的とする場合には適さない。第6図
(b)は、そのため、基板1上に熱の良導体部分を区切
って設けることにより面方向への熱拡散を防ぎ、液体付
着性を有する部分2aの微小化を図ったものである。第6
図(b)において、11aは微小化された金属膜を表わし
ている。
板(金属基板11)とし、その上に有機薄膜12を蒸着し、
更にその上に、膜2を形成したものであるが、このよう
にすると垂直方向の熱伝導速度が向上する。ここでの有
機薄膜12としては、ポリイミド、ポリエステル、フタロ
シアニンなどが例示される。印字ドットが比較的大きく
てよい場合にはこの構成で充分であるが、両方向への熱
拡散により液体付着性を有する部分が拡大するため、一
層の高密度印字を目的とする場合には適さない。第6図
(b)は、そのため、基板1上に熱の良導体部分を区切
って設けることにより面方向への熱拡散を防ぎ、液体付
着性を有する部分2aの微小化を図ったものである。第6
図(b)において、11aは微小化された金属膜を表わし
ている。
続いて、加熱による潜像形成手段について述べる。上
記したごとく、加熱源としては、ヒーターやサーマルヘ
ッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線ランプのご
とき電磁波による非接触加熱源が望ましい。
記したごとく、加熱源としては、ヒーターやサーマルヘ
ッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線ランプのご
とき電磁波による非接触加熱源が望ましい。
これらの具体例として、液体と接した状態で記録体表
面を加熱する手段を述べる。なお、便宣上、基体1上に
膜2が形成されているタイプの記録体を例にとって説明
を進めることにする。まず、あらかじめ記録体表面に液
体3を接しておき、その接した状態で基体1側又は液体
3側から加熱を行なう手段〔第7図(a)及び(b)〕
や、初めに記録体表面側から加熱を行ない直ちに液体3
を記録体加熱部(記録体表面)に接触させる手段〔第7
図(c)及び(d)〕を採用することが望ましい。
面を加熱する手段を述べる。なお、便宣上、基体1上に
膜2が形成されているタイプの記録体を例にとって説明
を進めることにする。まず、あらかじめ記録体表面に液
体3を接しておき、その接した状態で基体1側又は液体
3側から加熱を行なう手段〔第7図(a)及び(b)〕
や、初めに記録体表面側から加熱を行ない直ちに液体3
を記録体加熱部(記録体表面)に接触させる手段〔第7
図(c)及び(d)〕を採用することが望ましい。
液体3の供給手段としては、記録体下部に皿を設け液
体を満たし記録体が皿中の液体3に常に接するように
し、加熱源を皿の近傍又は皿の中に配置する構成が最も
簡単な構成となる。皿の替わりに、液体を充填したスポ
ンジ状多孔質体34を用いても良い。電磁波による潜像形
成手段も上記構成と基本的に同様である。
体を満たし記録体が皿中の液体3に常に接するように
し、加熱源を皿の近傍又は皿の中に配置する構成が最も
簡単な構成となる。皿の替わりに、液体を充填したスポ
ンジ状多孔質体34を用いても良い。電磁波による潜像形
成手段も上記構成と基本的に同様である。
第7図において、42はレーザー光源、43はサーマルヘ
ッドである。このようにして、記録体表面には潜像が形
成される。
ッドである。このようにして、記録体表面には潜像が形
成される。
上記手段により画像信号に応じて選択的に付与された
液体付着性領域に記録剤(インク)を付着させる手段と
しては、記録剤3aを充填した皿を潜像形成手段配置位置
に対して記録体の進行方向に配置し常に記録体に接して
おく構成が最も簡単である(第8図及び第9図)。な
お、第9図に示すごとく、潜像形成に用いる液体を記録
剤と兼用すると一つの皿で構成でき、潜像形成と顕像化
とを一体化できるため、装置を小型化できる。
液体付着性領域に記録剤(インク)を付着させる手段と
しては、記録剤3aを充填した皿を潜像形成手段配置位置
に対して記録体の進行方向に配置し常に記録体に接して
おく構成が最も簡単である(第8図及び第9図)。な
お、第9図に示すごとく、潜像形成に用いる液体を記録
剤と兼用すると一つの皿で構成でき、潜像形成と顕像化
とを一体化できるため、装置を小型化できる。
間接記録においては、前記のとおり、例えば剛体円筒
管が記録体基板として用いられるのが有利である。潜像
形成及び現像(顕像化)後、例えば記録体上の付着記録
剤3bは記録紙61と直接接する手段を設けることで記録紙
の毛管作用により、記録紙61へ付着記録剤3bは転写され
る(転写手段)。転写を行なう位置は、現像後であれ
ば、記録体のどの位置でもかまわないが、現像後、直ち
に転写が行なわれる位置が望ましい。転写後、潜像消去
を行なわず現像を繰り返せば、この装置は印刷装置とな
る。第10図に上記印刷装置の例を示す。一つの画像情報
の印刷が終了すれば、記録体を交換することで又は潜像
消去を行なうことで、別の画像情報の記録・印刷が可能
となる。
管が記録体基板として用いられるのが有利である。潜像
形成及び現像(顕像化)後、例えば記録体上の付着記録
剤3bは記録紙61と直接接する手段を設けることで記録紙
の毛管作用により、記録紙61へ付着記録剤3bは転写され
る(転写手段)。転写を行なう位置は、現像後であれ
ば、記録体のどの位置でもかまわないが、現像後、直ち
に転写が行なわれる位置が望ましい。転写後、潜像消去
を行なわず現像を繰り返せば、この装置は印刷装置とな
る。第10図に上記印刷装置の例を示す。一つの画像情報
の印刷が終了すれば、記録体を交換することで又は潜像
消去を行なうことで、別の画像情報の記録・印刷が可能
となる。
また、上記転写手段の後、液体又は蒸気の不存在下
で、すなわち、空気中、真空中、又は不活性ガス中で潜
像部付近を加熱することにより潜像を消去すれば、記録
体は繰り返し使用可能な記録装置となる(第11図)。な
お、潜像消去のための加熱源としては、ヒーターやサー
マルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線ラン
プのごとき電磁波による非接触加熱源が望ましい。加熱
は記録体全面に行なっても良く、潜像部のみ行なっても
良い。但し、全面加熱の方が装置構成を簡単にできるた
め、より望ましい。なお、潜像消去手段は、消去のため
の加熱を行なったのち、再び潜像形成を行なうまでの時
間の間に記録体表面が実質的に冷却する位置に設ける。
消去に必要な加熱温度は、当該記録体表面の材料により
異なるが、記録体表面の材料の後退接触角低下開始温度
以上でかつ分解点以下の温度が望ましい。
で、すなわち、空気中、真空中、又は不活性ガス中で潜
像部付近を加熱することにより潜像を消去すれば、記録
体は繰り返し使用可能な記録装置となる(第11図)。な
お、潜像消去のための加熱源としては、ヒーターやサー
マルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線ラン
プのごとき電磁波による非接触加熱源が望ましい。加熱
は記録体全面に行なっても良く、潜像部のみ行なっても
良い。但し、全面加熱の方が装置構成を簡単にできるた
め、より望ましい。なお、潜像消去手段は、消去のため
の加熱を行なったのち、再び潜像形成を行なうまでの時
間の間に記録体表面が実質的に冷却する位置に設ける。
消去に必要な加熱温度は、当該記録体表面の材料により
異なるが、記録体表面の材料の後退接触角低下開始温度
以上でかつ分解点以下の温度が望ましい。
記録紙(被転写体)としては、透明樹脂フィルム、普
通紙、インクジェット用紙、タイプ紙などが適当であ
る。
通紙、インクジェット用紙、タイプ紙などが適当であ
る。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。な
お、以下において示す%はいずれも重量基準である。
お、以下において示す%はいずれも重量基準である。
実施例1 インクの調製 下記組成の混合物を50℃で撹拌溶解し、インク1を調
製した。
製した。
(インク1) C.I.ダイレクトブラック19 3% グリセリン 20% アルギン酸ナトリウム 0.5% 水酸化ナトリウム(pH調整剤) 0.1% 純水 残量 印字評価 膜材料(記録体の表面材料)として含弗素アクリレー
ト材料であるダイキン工業社製撥水撥油剤「TG−702」
を用い、これをフレオンTF(三井フロロケミカル社製)
で2倍に希釈し、ポリイミドフィルム1(東レデュポン
社製カプトン2000V)上にコートし、90℃で2時間乾燥
して約1μm厚に製膜したフィルムを作製した。
ト材料であるダイキン工業社製撥水撥油剤「TG−702」
を用い、これをフレオンTF(三井フロロケミカル社製)
で2倍に希釈し、ポリイミドフィルム1(東レデュポン
社製カプトン2000V)上にコートし、90℃で2時間乾燥
して約1μm厚に製膜したフィルムを作製した。
次に、第12図に示すごとく、膜2上にインク供給部35
を設け、その真下のフィルム下部にサーマルヘッド43を
フィルムに接して配置した。インク1をインク供給部に
充填し、画像情報に応じて、サーマルヘッド43を駆動
し、このフィルムを矢印の方向へ動かしたところ、膜2
上に画像情報に応じてインク1が付着し、これを市販の
上質紙である記録紙へ転写した。転写画像は、地肌汚れ
もなく鮮明であった。転写後も膜2のインク付着性は保
持され、繰り返し同一パターンの印刷が可能であった。
更に、空気中で膜を加熱したところ、インク付着性は除
去された。
を設け、その真下のフィルム下部にサーマルヘッド43を
フィルムに接して配置した。インク1をインク供給部に
充填し、画像情報に応じて、サーマルヘッド43を駆動
し、このフィルムを矢印の方向へ動かしたところ、膜2
上に画像情報に応じてインク1が付着し、これを市販の
上質紙である記録紙へ転写した。転写画像は、地肌汚れ
もなく鮮明であった。転写後も膜2のインク付着性は保
持され、繰り返し同一パターンの印刷が可能であった。
更に、空気中で膜を加熱したところ、インク付着性は除
去された。
実施例2 インクの調製 下記組成の混合物を50℃で撹拌溶解し、インク2を調
製した。
製した。
(インク2) C.I.ダイレクトブラック154 4% エチレングリコール 30% ホルムアミド 10% テトラメチルアンモニウム ハイドロオキサイド(15%水溶液) 0.5% グアーガム 0.2% 純水 残量 上記インク2を用い、実施例1と同様にして印字評価
したところ、鮮明な画像が得られた。
したところ、鮮明な画像が得られた。
実施例3 インクの調製 下記組成の混合物を50℃で撹拌溶解し、インク3を調
製した。
製した。
(インク3) C.I.フードブラック2 4% グリセリン 35% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5% カルボキシメチルセルロース 2% 水酸化ナトリウム 0.2% 純水 残量 上記インク3を用い、実施例1と同様にして印字評価
したところ、鮮明な画像が得られた。
したところ、鮮明な画像が得られた。
実施例4 インクの調製 下記組成の混合物をボールミルにて12時間分散後、等
量の純水を加えて、インク4を調製した。
量の純水を加えて、インク4を調製した。
(インク4) 1,3−ジメチルキナクリドン 10% ポリビニルアルコール(平均重合度500) 5% エチレングリコール 40% 純水 残量 上記インク4を用い、実施例1と同様にして印字評価
したところ、鮮明な画像が得られた。
したところ、鮮明な画像が得られた。
比較例1 インク1の組成において、アルギン酸ナトリウムを除
き純水の量を調整したものを、インク5とした。
き純水の量を調整したものを、インク5とした。
上記インク5を用い、実施例1と同様にして印字評価
したところ、特に繰り返し印字を行なうと地肌汚れの発
生が起こりやすく、画質が悪かった。
したところ、特に繰り返し印字を行なうと地肌汚れの発
生が起こりやすく、画質が悪かった。
比較例2 インク2の組成において、グアーガムを除き純水の量
を調整したものを、インク6とした。
を調整したものを、インク6とした。
上記インク6を用い、実施例1と同様にして印字評価
したところ、特に繰り返し印字を行なうと地肌汚れの発
生が起こりやすく、画質が悪かった。
したところ、特に繰り返し印字を行なうと地肌汚れの発
生が起こりやすく、画質が悪かった。
比較例3 インク3の組成において、カルボキシメチルセルロー
スを除き純水の量を調整したものを、インク7とした。
スを除き純水の量を調整したものを、インク7とした。
上記インク7を用い、実施例1と同様にして印字評価
したところ、特に繰り返し印字を行うと地肌汚れの発生
がおこりやすく、画質が悪かった。
したところ、特に繰り返し印字を行うと地肌汚れの発生
がおこりやすく、画質が悪かった。
以上の結果から、本発明の画像記録剤によると、鮮明
で地肌汚れのない画像が得られることが分かる。
で地肌汚れのない画像が得られることが分かる。
本発明の画像記録剤は、前記したように着色剤、水、
水溶性有機溶媒及び水溶性高分子からなるという構成に
したことから、記録体の表面に加熱温度に応じた後退接
触角を示す領域を形成させる記録方法に、該画像記録材
を用いると、潜像領域への付着性が向上し、かつ転写特
性が向上するため、鮮明で地肌汚れのない、しかも高解
像度で階調性の高い画像が得られる。
水溶性有機溶媒及び水溶性高分子からなるという構成に
したことから、記録体の表面に加熱温度に応じた後退接
触角を示す領域を形成させる記録方法に、該画像記録材
を用いると、潜像領域への付着性が向上し、かつ転写特
性が向上するため、鮮明で地肌汚れのない、しかも高解
像度で階調性の高い画像が得られる。
第1図は表面自己配向機能を有する形態の模式的な四例
の図である。 第2図及び第3図は本発明方法を基本的に説明するため
の図である。 第4図は本発明の実施で用いらる記録体表面に液体を接
触させた状態で記録体表面を加熱した場合、その記録体
表面にみられる後退接触角θrの変化を表わした図であ
る。 第5図は本発明方法の二つの態様を示したものである。 第6図、第7図、第8図、第9図、第10図、第11図、及
び第12図は本発明方法の実施の様子を表わした図であ
る。 1…基板、2…記録層、2a…微小化された記録層、3…
液体、3a…記録剤、3b…付着した記録剤、4…ヒータ
ー、5…レンズ、6…シャッター、7…記録体、11…金
属基板、11a…微小化された金属膜、12…有機薄膜、31
…液体供給口、34…スポンジ状多孔質体、35…インク供
給部、41…赤外線ランプ、42…レーザー光源、43…サー
マルヘッド、61…記録紙、62…転写ローラー。
の図である。 第2図及び第3図は本発明方法を基本的に説明するため
の図である。 第4図は本発明の実施で用いらる記録体表面に液体を接
触させた状態で記録体表面を加熱した場合、その記録体
表面にみられる後退接触角θrの変化を表わした図であ
る。 第5図は本発明方法の二つの態様を示したものである。 第6図、第7図、第8図、第9図、第10図、第11図、及
び第12図は本発明方法の実施の様子を表わした図であ
る。 1…基板、2…記録層、2a…微小化された記録層、3…
液体、3a…記録剤、3b…付着した記録剤、4…ヒータ
ー、5…レンズ、6…シャッター、7…記録体、11…金
属基板、11a…微小化された金属膜、12…有機薄膜、31
…液体供給口、34…スポンジ状多孔質体、35…インク供
給部、41…赤外線ランプ、42…レーザー光源、43…サー
マルヘッド、61…記録紙、62…転写ローラー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−255482(JP,A) 特開 平3−55283(JP,A) 特公 昭54−41902(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 B41M 5/26 B41C 1/10
Claims (2)
- 【請求項1】加熱状態でかつ液体と接触させたときに後
退接触角が低下する表面を有する記録体の表面と、液
体、蒸気及び前記記録体における後退接触角の低下開始
温度以下で液体となるか又は液体若しくは蒸気を発生す
る固体から選ばれる接触材料とを接触させた状態で、前
記記録体表面の後退接触角の低下開始温度以上に選択的
に加熱することにより、又は前記記録体の表面を選択的
に加熱し、前記記録体の表面の加熱部が前記記録体表面
の後退接触角の低下開始温度以上に保持された状態で前
記接触材料と接触させることにより、前記記録体表面に
加熱温度に応じた後退接触角を示す領域を形成させた
後、該領域に画像記録剤を接触付着させ、これを被転写
体に転写する記録方法に用いる画像記録剤であって、着
色剤、水、水溶性有機溶媒及び水溶性高分子からなるこ
とを特徴とする画像記録剤。 - 【請求項2】加熱状態でかつ液体と接触させたときに後
退接触角が低下する表面を有する記録体の表面と、液
体、蒸気及び前記記録体における後退接触角の低下開始
温度以下で液体となるか又は液体若しくは蒸気を発生す
る固体から選ばれる接触材料とを接触させた状態で、前
記記録体表面の後退接触角の低下開始温度以上に選択的
に加熱することにより、又は前記記録体の表面を選択的
に加熱し、前記記録体の表面の加熱部が前記記録体表面
の後退接触角の低下開始温度以上に保持された状態で前
記接触材料と接触させることにより、前記記録体表面に
加熱温度に応じた後退接触角を示す領域を形成させ、し
かも前記接触材料として画像記録剤を兼ねるものを使用
し、前記記録体の表面に付着した画像記録剤を被転写体
に転写する記録方法に用いる画像記録剤であって、着色
剤、水、水溶性有機溶媒及び水溶性高分子からなること
を特徴とする画像記録剤。。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2285200A JP3030652B2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | 画像記録剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2285200A JP3030652B2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | 画像記録剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04158081A JPH04158081A (ja) | 1992-06-01 |
JP3030652B2 true JP3030652B2 (ja) | 2000-04-10 |
Family
ID=17688405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2285200A Expired - Fee Related JP3030652B2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | 画像記録剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3030652B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6155876B2 (ja) * | 2012-12-28 | 2017-07-05 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 導電性樹脂組成物 |
-
1990
- 1990-10-22 JP JP2285200A patent/JP3030652B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04158081A (ja) | 1992-06-01 |
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