JP2606760B2 - 記録装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な記録装置に関し、
詳しくは、表面が特定性状を示す記録体のその表面に、
選択的に又は選択的かつ可逆的に、加熱温度に応じた後
退接触角を示す領域が形成されるようにし、この領域
(潜像)に顕色材を含有する記録剤溶液又は分散液を供給
して顕像化せしめ、必要により、これを普通紙等に良好
な状態で転写せしめるようにした記録方式に有用な装置
に関する。
詳しくは、表面が特定性状を示す記録体のその表面に、
選択的に又は選択的かつ可逆的に、加熱温度に応じた後
退接触角を示す領域が形成されるようにし、この領域
(潜像)に顕色材を含有する記録剤溶液又は分散液を供給
して顕像化せしめ、必要により、これを普通紙等に良好
な状態で転写せしめるようにした記録方式に有用な装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】表面を液体付着性領域と非液体付着性領
域とに区分けして画像形成に供するようにした手段の代
表的なものとしては平版印刷版を用いたオフセット印刷
方式があげられる。だが、このオフセット印刷方式は原
版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの印刷工程を一
つの装置内に組込むことが困難であり、製版印刷の装置
の小型化は勢い困難なものとなっている。例えば、比較
的小型化されている事務用オフセット製版印刷機におい
ても、製版装置と印刷装置とは別個になっているのが普
通である。
域とに区分けして画像形成に供するようにした手段の代
表的なものとしては平版印刷版を用いたオフセット印刷
方式があげられる。だが、このオフセット印刷方式は原
版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの印刷工程を一
つの装置内に組込むことが困難であり、製版印刷の装置
の小型化は勢い困難なものとなっている。例えば、比較
的小型化されている事務用オフセット製版印刷機におい
ても、製版装置と印刷装置とは別個になっているのが普
通である。
【0003】このようなオフセット印刷方式の欠陥を解
消することを意図して、画像情報に応じた液体付着性領
域及び非液体付着性領域が形成でき、しかも、繰返し使
用が可能な(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案
されるようになってきている。その幾つかをあげれば次
のとおりである。 (1) 水性現像方式疎水性の光導電体層に外部より電荷を
与えた後、露光して光導電体層表面に疎水性部及び親水
性部を有するパターンを形成し、親水性部のみに水性現
像剤を付着させて紙などに転写する(特公昭40-18992
号、特公昭40-18993号、特公昭44-9512号、特開昭63-26
4392号などの公報)。 (2) フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方式
スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫外
線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミッ
ク化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37巻4
号、287頁(1980)〕。 (3) 内部偏倚力の作用を利用した方式不定形状態と結晶
性状態とを物理的変化により形成し、液体インクの付着
・非付着領域を構成する(特公昭54-41902号公報)。
消することを意図して、画像情報に応じた液体付着性領
域及び非液体付着性領域が形成でき、しかも、繰返し使
用が可能な(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案
されるようになってきている。その幾つかをあげれば次
のとおりである。 (1) 水性現像方式疎水性の光導電体層に外部より電荷を
与えた後、露光して光導電体層表面に疎水性部及び親水
性部を有するパターンを形成し、親水性部のみに水性現
像剤を付着させて紙などに転写する(特公昭40-18992
号、特公昭40-18993号、特公昭44-9512号、特開昭63-26
4392号などの公報)。 (2) フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方式
スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫外
線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミッ
ク化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37巻4
号、287頁(1980)〕。 (3) 内部偏倚力の作用を利用した方式不定形状態と結晶
性状態とを物理的変化により形成し、液体インクの付着
・非付着領域を構成する(特公昭54-41902号公報)。
【0004】前記(1)の方式によれば、水性インクを紙
などに転写した後、除電により親水性部は消去され、別
の画像情報の記録が可能となる。即ち、一つの原版(光
導電体)で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式
は電子写真プロセスを基本としているため帯電→露光→
現像→転写→除電という長いプロセスを必要とし、装置
の小型化やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難
であるといった欠点をもっている。前記(2)の方式によ
れば、紫外線と可視光との照射を選択的にかえることに
よって親水性、疎水性を自由かつ可逆的に制御できるも
のの、量子効率が悪いため反応時間が非常に長くて記録
速度が遅く、また安定性に欠けるといった欠点をもって
おり、いまだ実用レベルには達していないのが実情であ
る。更に、前記(3)の方式によれば、そこで使用され
る情報記録部材は、記録後のものでは安定性があるが、
記録前のものでは温度変化により物理的構造変化が生じ
るおそれがあることから保存性に問題が残されている。
これに加えて、記録された情報パターンの消去には熱パ
ルスを与え、次いで急冷する手段が採用されることか
ら、繰り返しの画像形成は繁雑さをまねがれ得ないとい
った不都合がある。
などに転写した後、除電により親水性部は消去され、別
の画像情報の記録が可能となる。即ち、一つの原版(光
導電体)で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式
は電子写真プロセスを基本としているため帯電→露光→
現像→転写→除電という長いプロセスを必要とし、装置
の小型化やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難
であるといった欠点をもっている。前記(2)の方式によ
れば、紫外線と可視光との照射を選択的にかえることに
よって親水性、疎水性を自由かつ可逆的に制御できるも
のの、量子効率が悪いため反応時間が非常に長くて記録
速度が遅く、また安定性に欠けるといった欠点をもって
おり、いまだ実用レベルには達していないのが実情であ
る。更に、前記(3)の方式によれば、そこで使用され
る情報記録部材は、記録後のものでは安定性があるが、
記録前のものでは温度変化により物理的構造変化が生じ
るおそれがあることから保存性に問題が残されている。
これに加えて、記録された情報パターンの消去には熱パ
ルスを与え、次いで急冷する手段が採用されることか
ら、繰り返しの画像形成は繁雑さをまねがれ得ないとい
った不都合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加熱
状態でかつ接触材料(B)と接触させた場合に後退接触角
が低くなる表面を有する部材(記録体(A))のその表面
に、容易な手段で選択的に又は選択的かつ可逆的に、所
望パターン領域(潜像)を形成させ、これを顕像化せしめ
普通紙等へ転写させる記録装置を提供するものである。
本発明の他の目的は、可視画像をそのまま記録体(A)
表面に固定させてもよく、また、固定させることなく可
視画像を普通紙などに転写し固定して、階調性のある鮮
明な画像が得られるようにした装置を提供するものであ
る。本発明の更に他の目的は、所望パターン領域の形
成、消去、顕像化、転写等すべての工程において、保存
性並びに安定性にすぐれた記録体(A)が使用されるこ
とによって、可逆的に複数回の前記工程が行ないうる記
録装置を提供するものである。本発明の更にまた他の目
的は、小型化、低コスト化、メンテナンスフリー化が可
能で、しかも短時間で多数枚の鮮明な画像が得られる新
規な記録装置を提供するものである。
状態でかつ接触材料(B)と接触させた場合に後退接触角
が低くなる表面を有する部材(記録体(A))のその表面
に、容易な手段で選択的に又は選択的かつ可逆的に、所
望パターン領域(潜像)を形成させ、これを顕像化せしめ
普通紙等へ転写させる記録装置を提供するものである。
本発明の他の目的は、可視画像をそのまま記録体(A)
表面に固定させてもよく、また、固定させることなく可
視画像を普通紙などに転写し固定して、階調性のある鮮
明な画像が得られるようにした装置を提供するものであ
る。本発明の更に他の目的は、所望パターン領域の形
成、消去、顕像化、転写等すべての工程において、保存
性並びに安定性にすぐれた記録体(A)が使用されるこ
とによって、可逆的に複数回の前記工程が行ないうる記
録装置を提供するものである。本発明の更にまた他の目
的は、小型化、低コスト化、メンテナンスフリー化が可
能で、しかも短時間で多数枚の鮮明な画像が得られる新
規な記録装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の記録装置は、下
記記録体(A)を下記接触材料(B)と接触させた状態で選択
的に加熱することにより又は記録体(A)の表面を選択的
に加熱した状態で接触材料(B)と接触させることにより
記録体(A)の表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す
潜像領域を形成せしめる接触材料(B)を記録体(A)表面に
供給する手段と、記録体(A)の表面を加熱する手段と、
該潜像領域を顕像化させる記録剤の供給を毛管作用によ
り行なう記録剤付与手段とを設けてなることを特徴とし
ている。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触角
が低下する表面を有する記録体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の低下開
始温度以下で液体となるか、液体もしくは蒸気を発生す
る固体。
記記録体(A)を下記接触材料(B)と接触させた状態で選択
的に加熱することにより又は記録体(A)の表面を選択的
に加熱した状態で接触材料(B)と接触させることにより
記録体(A)の表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す
潜像領域を形成せしめる接触材料(B)を記録体(A)表面に
供給する手段と、記録体(A)の表面を加熱する手段と、
該潜像領域を顕像化させる記録剤の供給を毛管作用によ
り行なう記録剤付与手段とを設けてなることを特徴とし
ている。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触角
が低下する表面を有する記録体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の低下開
始温度以下で液体となるか、液体もしくは蒸気を発生す
る固体。
【0007】かかる本発明装置では、記録剤として例え
ば液状インクのごときものを用いるようにすれば、接触
材料(B)の供給手段を省略することができ、また、接触
材料(B)として液状インクのごときものを用いるように
すれば潜像形成と同時に顕像化されるため記録剤付与手
段を省略することができる。前記の記録剤は分散液又は
溶解液のかたちで使用される。なお、本発明装置におい
ては、前記潜像が形成された記録体(A)の表面を、接触
材料(B)の不存在下で加熱することによって潜像の消去
が行なえ、可逆的に画像形成がなし得るものである。
ば液状インクのごときものを用いるようにすれば、接触
材料(B)の供給手段を省略することができ、また、接触
材料(B)として液状インクのごときものを用いるように
すれば潜像形成と同時に顕像化されるため記録剤付与手
段を省略することができる。前記の記録剤は分散液又は
溶解液のかたちで使用される。なお、本発明装置におい
ては、前記潜像が形成された記録体(A)の表面を、接触
材料(B)の不存在下で加熱することによって潜像の消去
が行なえ、可逆的に画像形成がなし得るものである。
【0008】本発明者らは、前記従来の技術に記述した
ごとき欠陥を解消し、新規な記録方式について多くの研
究・検討を行なった。その結果、液体に接した状態で加
熱されると冷却後においてもその後退接触角が低くな
り、かつ、液体不存在下の加熱により後退接触角が高く
なるという機能を表面に有する部材が記録体として有用
であることを見いだした。そして、このような機能を有
する記録体(A)はその表面が(1)疎水基の表面自己配向機
能をもつ有機化合物を含む部材、又は(2)疎水基をもつ
有機化合物であって疎水基を表面に配向した部材である
ことも併せて確めた(特願平2−43599号)。
ごとき欠陥を解消し、新規な記録方式について多くの研
究・検討を行なった。その結果、液体に接した状態で加
熱されると冷却後においてもその後退接触角が低くな
り、かつ、液体不存在下の加熱により後退接触角が高く
なるという機能を表面に有する部材が記録体として有用
であることを見いだした。そして、このような機能を有
する記録体(A)はその表面が(1)疎水基の表面自己配向機
能をもつ有機化合物を含む部材、又は(2)疎水基をもつ
有機化合物であって疎水基を表面に配向した部材である
ことも併せて確めた(特願平2−43599号)。
【0009】(1)にいう“表面自己配向機能"とは、ある
化合物を支持体上に形成した固体又は或る化合物自体に
よる固体を空気中で加熱すると、表面において疎水基が
空気側(自由表面側)に向いて配向する性質があることを
意味する。このことは、(2)においても同様にいえるこ
とである。一般に、有機化合物では疎水基は疎水性雰囲
気側へ向きやすい性質をもっている。これは、固-気界
面の界面エネルギーが低くなる方に向うために生じる現
象である。また、この現象は疎水基の分子長が長くなる
ほどその傾向がみられるが、これは分子長が長くなるほ
ど加熱における分子の運動性が上がるためである。
化合物を支持体上に形成した固体又は或る化合物自体に
よる固体を空気中で加熱すると、表面において疎水基が
空気側(自由表面側)に向いて配向する性質があることを
意味する。このことは、(2)においても同様にいえるこ
とである。一般に、有機化合物では疎水基は疎水性雰囲
気側へ向きやすい性質をもっている。これは、固-気界
面の界面エネルギーが低くなる方に向うために生じる現
象である。また、この現象は疎水基の分子長が長くなる
ほどその傾向がみられるが、これは分子長が長くなるほ
ど加熱における分子の運動性が上がるためである。
【0010】更に具体的には、末端に疎水基を有する
(即ち表面エネルギーを低くする)分子であると、空気側
(自由表面側)を向いて表面配向しやすい。同様に(−CH2
−)nを含む直鎖状分子では(−CH2CH2−)の部分が平
面構造をしており、分子鎖どうしが配向しやすい。ま
た、(−Ph−)nを含む分子も−Ph−の部分が平面構
造をしており、分子鎖どうしが配向しやすい。なお、−
Ph−はp-フェニレン基である(以下同じ)。殊に、弗素
などの電気陰性度の高い元素を含む直鎖状分子は自己凝
集性が高く、分子鎖どうしが配向しやすい。
(即ち表面エネルギーを低くする)分子であると、空気側
(自由表面側)を向いて表面配向しやすい。同様に(−CH2
−)nを含む直鎖状分子では(−CH2CH2−)の部分が平
面構造をしており、分子鎖どうしが配向しやすい。ま
た、(−Ph−)nを含む分子も−Ph−の部分が平面構
造をしており、分子鎖どうしが配向しやすい。なお、−
Ph−はp-フェニレン基である(以下同じ)。殊に、弗素
などの電気陰性度の高い元素を含む直鎖状分子は自己凝
集性が高く、分子鎖どうしが配向しやすい。
【0011】これらの検討結果をまとめると、より好ま
しくは、自己凝集性の高い分子を含んだり平面構造をも
つ分子を含み、かつ、末端に疎水基を有する直鎖状分
子、或いは、そうした直鎖状分子を含む化合物は表面自
己配向機能が高い化合物といえる。
しくは、自己凝集性の高い分子を含んだり平面構造をも
つ分子を含み、かつ、末端に疎水基を有する直鎖状分
子、或いは、そうした直鎖状分子を含む化合物は表面自
己配向機能が高い化合物といえる。
【0012】これまでの記述から明らかなように、表面
自己配向状態と後退接触角とは関連があり、また、後退
接触角と液体付着性との間にも関係がある。即ち、固体
表面での液体の付着は、液体の固体表面での主にタッキ
ングによって生じる。このタッキングはいわば液体が固
体表面を滑べる時の一種の摩擦力とみなすことができ
る。従って、本発明でいう“後退接触角"θrには、cos
θr=γ(γs-γse-πe+γf)/γev (但し、 γ :真空中の固体の表面張力 γse:固-液界面張力 γev液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張力 πe :平衡表面張力 γf :摩擦張力 γs :吸着層のない固体の表面張力である) といった関係式が成立つ(斉藤、北崎ら「日本接着協会
誌」Vol.22、No.12,1986)。
自己配向状態と後退接触角とは関連があり、また、後退
接触角と液体付着性との間にも関係がある。即ち、固体
表面での液体の付着は、液体の固体表面での主にタッキ
ングによって生じる。このタッキングはいわば液体が固
体表面を滑べる時の一種の摩擦力とみなすことができ
る。従って、本発明でいう“後退接触角"θrには、cos
θr=γ(γs-γse-πe+γf)/γev (但し、 γ :真空中の固体の表面張力 γse:固-液界面張力 γev液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張力 πe :平衡表面張力 γf :摩擦張力 γs :吸着層のない固体の表面張力である) といった関係式が成立つ(斉藤、北崎ら「日本接着協会
誌」Vol.22、No.12,1986)。
【0013】従って、θrの値が低くなるときγf値は大
きくなる。即ち、液体は固体面を滑べりにくくなり、そ
の結果、液体は固体面に付着するようになる。これら相
互の関連から推察しうるように、液体付着性は後退接触
角θrがどの程度であるかに左右され、その後退接触角
θrは表面自己配向機能を表面に有する部材の何如によ
り定められる。それ故、本発明装置においては、記録体
(A)はその表面に所望パターン領域の形成及び/又は記録
剤による顕像化の必要から、必然的に、表面自己配向機
能を表面に有する部材が選択されねばならない。
きくなる。即ち、液体は固体面を滑べりにくくなり、そ
の結果、液体は固体面に付着するようになる。これら相
互の関連から推察しうるように、液体付着性は後退接触
角θrがどの程度であるかに左右され、その後退接触角
θrは表面自己配向機能を表面に有する部材の何如によ
り定められる。それ故、本発明装置においては、記録体
(A)はその表面に所望パターン領域の形成及び/又は記録
剤による顕像化の必要から、必然的に、表面自己配向機
能を表面に有する部材が選択されねばならない。
【0014】本発明装置で用いられる記録体(A)は、既
述のとおり、「加熱状態でかつ液体と接触した場合に後
退接触角θrが低下する表面」を有するものである。記録
体(A)はその表面が上記のような性状を有してさえいれ
ば、形状等は任意である。従って、記録体(A)はベルト
状(エンドレスベルト状を含む)であっても、適当な円筒
状支持体や成形体上に表面が上記のような性状を有する
別の塗工膜などが設けられていてもかまわない。成形体
自体であってもかまわないが、その表面は、全体又は一
部を除いて、上記のような性状を有していることが必要
である。
述のとおり、「加熱状態でかつ液体と接触した場合に後
退接触角θrが低下する表面」を有するものである。記録
体(A)はその表面が上記のような性状を有してさえいれ
ば、形状等は任意である。従って、記録体(A)はベルト
状(エンドレスベルト状を含む)であっても、適当な円筒
状支持体や成形体上に表面が上記のような性状を有する
別の塗工膜などが設けられていてもかまわない。成形体
自体であってもかまわないが、その表面は、全体又は一
部を除いて、上記のような性状を有していることが必要
である。
【0015】この記録体(A)は、接触材料(B)の種類によ
っては潜像領域における液体付着性部分が親油性又は親
水性のいずれかになり、従って、複写物を得る際には油
性インク、水性インク、電子写真用液体現像剤などのい
ずれもが必要に応じて使いわけられる。
っては潜像領域における液体付着性部分が親油性又は親
水性のいずれかになり、従って、複写物を得る際には油
性インク、水性インク、電子写真用液体現像剤などのい
ずれもが必要に応じて使いわけられる。
【0016】ここで、“加熱状態でかつ液体と接触させ
た場合に後退接触角θrが低下する表面を形成する"部材
ないし材料を幾つかに分類した例を図1に示す。
た場合に後退接触角θrが低下する表面を形成する"部材
ないし材料を幾つかに分類した例を図1に示す。
【0017】図1(a)は自己配向機能を有する化合物の
例で、高分子重合体の側鎖に疎水基を有する化合物であ
り、主鎖Lと疎水基Rとは結合基Jにて結合している。
例で、高分子重合体の側鎖に疎水基を有する化合物であ
り、主鎖Lと疎水基Rとは結合基Jにて結合している。
【0018】図1(b)は、疎水基を有する有機化合物に
おいてその疎水基を表面に配向した部材の例で、有機又
は無機材料Mの表面に、物理的又は化学的結合により、
前記疎水基を有する化合物Oを形成した部材である。
おいてその疎水基を表面に配向した部材の例で、有機又
は無機材料Mの表面に、物理的又は化学的結合により、
前記疎水基を有する化合物Oを形成した部材である。
【0019】図1(c)は、図1(b)であげた疎水基を有す
る有機化合物Oのみからなる部材の例である。
る有機化合物Oのみからなる部材の例である。
【0020】図1(d)は、直鎖状分子が高分子の側鎖に
ある例で、主鎖Lと前記分子を結合基Jによりつなぎ、末
端に疎水基Rをもつ自己凝集性又は平面構造を有する分
子鎖Nが中間にある化合物である。
ある例で、主鎖Lと前記分子を結合基Jによりつなぎ、末
端に疎水基Rをもつ自己凝集性又は平面構造を有する分
子鎖Nが中間にある化合物である。
【0021】なお、図1(a)及び(d)の例においては、高
分子化合物の主鎖Lは直線状でも網かけ構造でもよい。
図1(b)の例においては、累積LB膜のように、疎水基含
有化合物Oの上にさらに疎水基含有化合物Oが積層されて
いてもよい。図1(c)の例においては、主鎖(L)をもつこ
となく又は有機・無機材料(M)などに結合することなく、
疎水基含有化合物Oのみによる構造である。
分子化合物の主鎖Lは直線状でも網かけ構造でもよい。
図1(b)の例においては、累積LB膜のように、疎水基含
有化合物Oの上にさらに疎水基含有化合物Oが積層されて
いてもよい。図1(c)の例においては、主鎖(L)をもつこ
となく又は有機・無機材料(M)などに結合することなく、
疎水基含有化合物Oのみによる構造である。
【0022】前記の疎水基としては、分子の末端が好ま
しくは-CH3や-CF3、-CF2H、-CFH2、-C(CF3)3、-C(CH3)3
などによっており、より好ましくは、分子運動性が高い
点で分子長の長いものが有利である。中でも、前記疎水
基としては、-F及び/又は-Clが1つ以上ある置換アルキ
ル基(-CF2CF2C(Cl)FCF2CF2のようなものでもよい)或い
は無置換のアルキル基であって、炭素数4以上のものが
望ましい。弗素置換、塩素置換のいずれのものも用いれ
るが、弗素置換のものの方が効果的である。これらの材
料においては、アルキル基炭素数と機能との関係では、
炭素数が3以下であると、本発明の記録装置に適する機
能が低くなってしまう。
しくは-CH3や-CF3、-CF2H、-CFH2、-C(CF3)3、-C(CH3)3
などによっており、より好ましくは、分子運動性が高い
点で分子長の長いものが有利である。中でも、前記疎水
基としては、-F及び/又は-Clが1つ以上ある置換アルキ
ル基(-CF2CF2C(Cl)FCF2CF2のようなものでもよい)或い
は無置換のアルキル基であって、炭素数4以上のものが
望ましい。弗素置換、塩素置換のいずれのものも用いれ
るが、弗素置換のものの方が効果的である。これらの材
料においては、アルキル基炭素数と機能との関係では、
炭素数が3以下であると、本発明の記録装置に適する機
能が低くなってしまう。
【0023】この機能発現の原理はいまだ完全に明らか
にされた訳ではなく、従って、不明な点が多いが、以下
のことが推定される。
にされた訳ではなく、従って、不明な点が多いが、以下
のことが推定される。
【0024】まず、上記化合物により形成された記録体
(A)の表面は、前記疎水基がかなり配向した表面となっ
ていることが考えられる。従って、この表面は液体反撥
性を有する(疎水基は表面エネルギーが小さいため)。こ
の状態で、記録体(A)の表面が接触材料(B)に接して加熱
を受けると、加熱による疎水基の分子運動が活発とな
り、かつ、接触材料(B)との相互作用を受けて、記録体
(A)の表面の少なくとも一部の配向(整列)状態が別の状
態(即ち、別の配向状態又は配向が乱れた状態)にかわ
り、冷却後もその別の状態を維持するためと思われる。
なお、記録体(A)の表面に接触材料(B)が接した状態のも
とで加熱することは、接触材料(B)の形態いかんによ
り、記録体(A)の表面が加熱された状態のもとに液体を
接触させることになる。この加熱前は、疎水基が表面に
整列(配向)しているため、記録体(A)の表面の表面エネ
ルギーは極めて少ない。
(A)の表面は、前記疎水基がかなり配向した表面となっ
ていることが考えられる。従って、この表面は液体反撥
性を有する(疎水基は表面エネルギーが小さいため)。こ
の状態で、記録体(A)の表面が接触材料(B)に接して加熱
を受けると、加熱による疎水基の分子運動が活発とな
り、かつ、接触材料(B)との相互作用を受けて、記録体
(A)の表面の少なくとも一部の配向(整列)状態が別の状
態(即ち、別の配向状態又は配向が乱れた状態)にかわ
り、冷却後もその別の状態を維持するためと思われる。
なお、記録体(A)の表面に接触材料(B)が接した状態のも
とで加熱することは、接触材料(B)の形態いかんによ
り、記録体(A)の表面が加熱された状態のもとに液体を
接触させることになる。この加熱前は、疎水基が表面に
整列(配向)しているため、記録体(A)の表面の表面エネ
ルギーは極めて少ない。
【0025】ところが、前記の接触材料(B)が接した状
態のものでの加熱により、配向状態は乱れて表面エネル
ギーが高まる。後退接触角θrは、液体の種類にかから
わず、固体と液体との表面エネルギーのバランスで決定
される。このため、固体の表面エネルギーが高まれば、
液体の種類にかかわらず、後退接触角θrは低くなる。
従って、液体に対する付着性は増大することになる。更
に、記録体(A)の表面が別の状態(元の配向状態とは異な
る「別の配向状態」又は「配向が乱れた状態」)で接触材料
(B)の不存在下に加熱を受けると、接触材料(B)との相互
作用が生じないため、元の整列(配向)状態にもどると思
われる。従って、接触材料(B)の存在は単なる記録体(A)
の表面を加熱後の急冷を行なうためのものではなく、記
録体(A)の表面の化合物との何等かの相互作用をおこす
ものであり、この相互作用があって、はじめて別の状態
(別の配向状態又は配向が乱れた状態)への変化がおこる
と思われる。
態のものでの加熱により、配向状態は乱れて表面エネル
ギーが高まる。後退接触角θrは、液体の種類にかから
わず、固体と液体との表面エネルギーのバランスで決定
される。このため、固体の表面エネルギーが高まれば、
液体の種類にかかわらず、後退接触角θrは低くなる。
従って、液体に対する付着性は増大することになる。更
に、記録体(A)の表面が別の状態(元の配向状態とは異な
る「別の配向状態」又は「配向が乱れた状態」)で接触材料
(B)の不存在下に加熱を受けると、接触材料(B)との相互
作用が生じないため、元の整列(配向)状態にもどると思
われる。従って、接触材料(B)の存在は単なる記録体(A)
の表面を加熱後の急冷を行なうためのものではなく、記
録体(A)の表面の化合物との何等かの相互作用をおこす
ものであり、この相互作用があって、はじめて別の状態
(別の配向状態又は配向が乱れた状態)への変化がおこる
と思われる。
【0026】前記のとおり、記録体(A)の表面を形成す
る部材(化合物)の疎水基として、アルキル基又は弗素置
換あるいは塩素置換のアルキル基が採用された場合に
は、アルキル基の炭素数が4以上であるのが望ましいの
は、記録体(A)の表面にアルキル基がある程度整列(配
向)し、しかも加熱時に活溌な分子運動をするのに必要
な数によるものと思われる。また、接触材料(B)が記録
体(A)の表面とともに加熱を受けた時、記録体(A)表面の
分子中に接触材料(B)の分子がとりこまれることも考え
られる。さらに、アルキル基中に電気陰性度の高いフッ
素や塩素があると、液体特に極性液体との相互作用が大
きくなるため、水素のみのアルキル基を含有する化合物
よりも大きな付着性変化が得られる。また、フッ素を含
有するアルキル基は、自己凝集性が強いため、表面自己
配向機能が高く、更に、表面エネルギーが低いため、地
肌よごれ防止の点ですぐれている。
る部材(化合物)の疎水基として、アルキル基又は弗素置
換あるいは塩素置換のアルキル基が採用された場合に
は、アルキル基の炭素数が4以上であるのが望ましいの
は、記録体(A)の表面にアルキル基がある程度整列(配
向)し、しかも加熱時に活溌な分子運動をするのに必要
な数によるものと思われる。また、接触材料(B)が記録
体(A)の表面とともに加熱を受けた時、記録体(A)表面の
分子中に接触材料(B)の分子がとりこまれることも考え
られる。さらに、アルキル基中に電気陰性度の高いフッ
素や塩素があると、液体特に極性液体との相互作用が大
きくなるため、水素のみのアルキル基を含有する化合物
よりも大きな付着性変化が得られる。また、フッ素を含
有するアルキル基は、自己凝集性が強いため、表面自己
配向機能が高く、更に、表面エネルギーが低いため、地
肌よごれ防止の点ですぐれている。
【0027】更にまた、記録体(A)の表面は液体反撥性
を有するが、これを固体の表面エネルギーで記述する
と、本発明者らの検討では、50dyn/cm以下であること
が本発明装置による記録方式として望ましいことをも確
めている。これ以上の高い値では記録剤に対して記録体
(A)の表面が、時として、ぬれてしまい、地肌よごれを
おこすおそれがある。
を有するが、これを固体の表面エネルギーで記述する
と、本発明者らの検討では、50dyn/cm以下であること
が本発明装置による記録方式として望ましいことをも確
めている。これ以上の高い値では記録剤に対して記録体
(A)の表面が、時として、ぬれてしまい、地肌よごれを
おこすおそれがある。
【0028】ここで、記録体(A)の表面を形成する化合
物(記録体(A)表面を選択的に加熱した状態で接触材料
(B)と接触させた時、記録体(A)の表面に加熱温度に応じ
た後退接触角を示す潜像領域を形成せしめる化合物)の
詳細を述べる。まず、図1(a)及び(d)のタイプについて
ビニル系高分子側鎖にアルキル基(フッ素置換及び/又は
塩素置換のものも含む)を有する化合物などが考えられ
る。具体的には、式(I)(II)(III)(IV)(V)(VI)及び(VI
I) CH2=CR | ・・・(I) COORf CH2=CR | ・・・(II) OCORf CH2=CR | ・・・(III) O=C−Rf CH2=CR | ・・・(IV) O−Rf CH2=CR | ・・・(V) CONHRf R | CH2 | CH2=C ・・・(VI) | COORf CH2=CR ・・・(VII) | (CH2)m−Rf R:-H、-CH3,-C2H5,-CF3又は-C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又はフッ素置換若しくは塩素置
換アルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中に(−C
F2−)p、(−CH2−)p又は―Ph―をもつ疎水基(P≧4)m:1
以上の整数 をモノマーとした重合体があげられる。
物(記録体(A)表面を選択的に加熱した状態で接触材料
(B)と接触させた時、記録体(A)の表面に加熱温度に応じ
た後退接触角を示す潜像領域を形成せしめる化合物)の
詳細を述べる。まず、図1(a)及び(d)のタイプについて
ビニル系高分子側鎖にアルキル基(フッ素置換及び/又は
塩素置換のものも含む)を有する化合物などが考えられ
る。具体的には、式(I)(II)(III)(IV)(V)(VI)及び(VI
I) CH2=CR | ・・・(I) COORf CH2=CR | ・・・(II) OCORf CH2=CR | ・・・(III) O=C−Rf CH2=CR | ・・・(IV) O−Rf CH2=CR | ・・・(V) CONHRf R | CH2 | CH2=C ・・・(VI) | COORf CH2=CR ・・・(VII) | (CH2)m−Rf R:-H、-CH3,-C2H5,-CF3又は-C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又はフッ素置換若しくは塩素置
換アルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中に(−C
F2−)p、(−CH2−)p又は―Ph―をもつ疎水基(P≧4)m:1
以上の整数 をモノマーとした重合体があげられる。
【0029】その他のポリマーとしては、式(VIII)(IX)
及び(X)に示したごときものがあげられる。 CH3 CH3 | | (−Si―O―Si―)n ・・・(VIII) | | CH2 CH2 | | Rf Rf R | (−CH2―C―)n ・・・(IX) | NH | O=C-Rf R | (−CH2―C―)n ・・・(X) | CH2 | NH | O=C-Rf R:-H、-CH3、-C2H5、-CF3又は-C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又はフッ素置換もしくは塩素置
換アルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中に(-CF
2-)p、(-CH2-)p又は―Ph―を含む疎水基(P≧4)n:10以上
の整数
及び(X)に示したごときものがあげられる。 CH3 CH3 | | (−Si―O―Si―)n ・・・(VIII) | | CH2 CH2 | | Rf Rf R | (−CH2―C―)n ・・・(IX) | NH | O=C-Rf R | (−CH2―C―)n ・・・(X) | CH2 | NH | O=C-Rf R:-H、-CH3、-C2H5、-CF3又は-C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又はフッ素置換もしくは塩素置
換アルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中に(-CF
2-)p、(-CH2-)p又は―Ph―を含む疎水基(P≧4)n:10以上
の整数
【0030】これら具体例でRfをより詳しくいえば下記
(1)から(20)までのものを例示することができる。 (1) −CH2CF2CHFCF3 OH O F3C CF(CF3)2 | ‖ | | (2) −CH2CHCH2−C−O―Ph―O−C=C−CF(CF3)2 (3) −CH2CH2OC−C7F15 ‖ O O ‖ (4) −CH2CH2N−C−(CF2)7CF(CF3)2 | C(CH3)3 (5) −CH2CHCH2(CF2)4CF3 | OH (6) −CH2(CF2)10H (7) −(CF2)6−O−CF2CF3 (8) −(CH2)4−NH−CF2CF3 (9) −(CF2)6−CF3 (10) −(CH2)10C8F17 (11) −CH2N−SO2C8F17 | C2H5 (12) −(CH2)10NSO2C8F17 | CH3 (13) −CH2NHSO2C8F17 (14) −(CF2)8−Ph―F (15) c・s−CH2CH2−(CF3)6CF(CF3)2 (16) −CH2CF2CF2CF3 (17) −CH2CH2CH2CH2F (18) −CH2(CF2)6CF3 (19) −CH2(CF2)5CF3 (20) −(CH2)3CF3
(1)から(20)までのものを例示することができる。 (1) −CH2CF2CHFCF3 OH O F3C CF(CF3)2 | ‖ | | (2) −CH2CHCH2−C−O―Ph―O−C=C−CF(CF3)2 (3) −CH2CH2OC−C7F15 ‖ O O ‖ (4) −CH2CH2N−C−(CF2)7CF(CF3)2 | C(CH3)3 (5) −CH2CHCH2(CF2)4CF3 | OH (6) −CH2(CF2)10H (7) −(CF2)6−O−CF2CF3 (8) −(CH2)4−NH−CF2CF3 (9) −(CF2)6−CF3 (10) −(CH2)10C8F17 (11) −CH2N−SO2C8F17 | C2H5 (12) −(CH2)10NSO2C8F17 | CH3 (13) −CH2NHSO2C8F17 (14) −(CF2)8−Ph―F (15) c・s−CH2CH2−(CF3)6CF(CF3)2 (16) −CH2CF2CF2CF3 (17) −CH2CH2CH2CH2F (18) −CH2(CF2)6CF3 (19) −CH2(CF2)5CF3 (20) −(CH2)3CF3
【0031】これらの化合物のうちでも、特に、下記(X
I)の材料の使用が望ましい。 H R1 | | C=C ・・・(XI) | | H C−O−R2−(CF2)m−CF3 ‖ O 〔但し、R1:水素、-CxHy又は-CxFy(x=1又は2以上の整
数、y=2x+1である。)R2:(-CH2-)p(p≧1整数)又は(-CH
2-)q-N(R3)SO2-(R3は-CH3又は-C2H5、 q≧1の整数) m:6以上の整数 である。〕
I)の材料の使用が望ましい。 H R1 | | C=C ・・・(XI) | | H C−O−R2−(CF2)m−CF3 ‖ O 〔但し、R1:水素、-CxHy又は-CxFy(x=1又は2以上の整
数、y=2x+1である。)R2:(-CH2-)p(p≧1整数)又は(-CH
2-)q-N(R3)SO2-(R3は-CH3又は-C2H5、 q≧1の整数) m:6以上の整数 である。〕
【0032】従って、本発明における記録体(A)表面の
部材の最も好ましい具体的化合物としては CH2=C(CH3) | COO−(CH2)4−H CH2=C(CH3) | COO−(CH2)5−H CH2=CH | COO−(CH2)2−(CF2)6−Cl CH2=CH | COO−(CH2)2−(CF2)8−F CH2=CH | COO−(CH2)2−(CF2)6−F CH2=C(CH3) | COO−(CH2)2−(CF2)8−F CH2=C(CH3) | COO−(CH2)2−(CF2)6−F CH2=CH | COO−(CH2)2−N−SO2−(CF2)8−F | C2H5 CH2=CH | COO−(CH2)2−(CF2)9−F などが挙げられる。
部材の最も好ましい具体的化合物としては CH2=C(CH3) | COO−(CH2)4−H CH2=C(CH3) | COO−(CH2)5−H CH2=CH | COO−(CH2)2−(CF2)6−Cl CH2=CH | COO−(CH2)2−(CF2)8−F CH2=CH | COO−(CH2)2−(CF2)6−F CH2=C(CH3) | COO−(CH2)2−(CF2)8−F CH2=C(CH3) | COO−(CH2)2−(CF2)6−F CH2=CH | COO−(CH2)2−N−SO2−(CF2)8−F | C2H5 CH2=CH | COO−(CH2)2−(CF2)9−F などが挙げられる。
【0033】さらに、これら式(I)(II)(III(IV)(V)(V
I)(VII)及び(XI)のモノマーどうし(2種以上のモノマー
の共重合体)の他に、他のモノマー例えばエチレン、塩
化ビニル、スチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン、ビニルアルキルエーテル、酢酸ビニル、ビニル
アルコールなどとの共重合体も上記化合物として適す
る。
I)(VII)及び(XI)のモノマーどうし(2種以上のモノマー
の共重合体)の他に、他のモノマー例えばエチレン、塩
化ビニル、スチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン、ビニルアルキルエーテル、酢酸ビニル、ビニル
アルコールなどとの共重合体も上記化合物として適す
る。
【0034】また、式(XI)のモノマーと官能基を有する
重合性モノマー例えばCH2=C(CH3)COO(CH2)2OHCH2=C(C
H3)COOCH2CH(OH)CH3 CH2=CHCOOCH2CH(OH)C8F17な
どの1種以上とで共重合物をつくり重合物中に官能基を
多数導入するか、式(XIのモノマーと官能基を有する重
合性モノマーとの共重合物をつくり、続いて、官能基を
多数含んだ共重合物どうしを架橋試薬をもちいて架橋す
ることにより製造した架橋性重合体も材料としてすぐれ
ている。
重合性モノマー例えばCH2=C(CH3)COO(CH2)2OHCH2=C(C
H3)COOCH2CH(OH)CH3 CH2=CHCOOCH2CH(OH)C8F17な
どの1種以上とで共重合物をつくり重合物中に官能基を
多数導入するか、式(XIのモノマーと官能基を有する重
合性モノマーとの共重合物をつくり、続いて、官能基を
多数含んだ共重合物どうしを架橋試薬をもちいて架橋す
ることにより製造した架橋性重合体も材料としてすぐれ
ている。
【0035】架橋試薬としては、ホルムアルデヒド、ジ
アルデヒド、N-メチロール化合物、ジカルボン酸、ジカ
ルボン酸クロライド、ビスハロゲン化合物、ビスエポキ
シド、ビスアジリジン、ジイソシアネートなどがあげら
れる。
アルデヒド、N-メチロール化合物、ジカルボン酸、ジカ
ルボン酸クロライド、ビスハロゲン化合物、ビスエポキ
シド、ビスアジリジン、ジイソシアネートなどがあげら
れる。
【0036】このようにして得られた架橋重合物の一例
を下記に示す。
を下記に示す。
【化1】
【0037】化1で表わされる架橋重合物において、A
ブロックは前記の熱的性質の変化をもたらすアルキル基
であり、一方、Bブロックは鎖状ポリマーどうしを架橋
している(架橋試薬としてジイソシアネートを用いて架
橋したもの)部位である。架橋体による膜を得るには、
前記の共重合物と架橋試薬とを混合した溶液をコート液
として基板上に塗布し、加熱又は電子線照射や光照射に
より架橋重合膜を得るようにすればよい。
ブロックは前記の熱的性質の変化をもたらすアルキル基
であり、一方、Bブロックは鎖状ポリマーどうしを架橋
している(架橋試薬としてジイソシアネートを用いて架
橋したもの)部位である。架橋体による膜を得るには、
前記の共重合物と架橋試薬とを混合した溶液をコート液
として基板上に塗布し、加熱又は電子線照射や光照射に
より架橋重合膜を得るようにすればよい。
【0038】なお、上記モノマーから重合体を得るに
は、溶液重合、電解重合、乳化重合、光重合、放射線重
合、プラズマ重合、グラフト重合、プラズマ開始重合、
蒸着重合など、材料により適当な方法が選択される。
は、溶液重合、電解重合、乳化重合、光重合、放射線重
合、プラズマ重合、グラフト重合、プラズマ開始重合、
蒸着重合など、材料により適当な方法が選択される。
【0039】次に、図1(b)に示した化合物について述
べる。ここでは、式(XII)、(XII)及び(XIV)に示す材料 Rf−COOH ・・・(XII) Rf−OH ・・・(XIII) Rf−(CH2)n−SiX ・・・(XIV) (Rf:炭素数4以上のアルキル基又はフッ素置換又は塩素
置換のアルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中に
(-CF2-)p、(-CH2-)p又は―Ph―を含む疎水基(P≧4)) n:1以上の整数 X:塩素、メトキシ基又はエトキシ基) 等をガラス、金、銅などの無機材料やポリイミド、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレートなどの有機材料
表面に物理吸着又は化学結合した材料(表面エネルギー
が約50dyn/cm以下であるのが好ましい)であることが望
ましい。
べる。ここでは、式(XII)、(XII)及び(XIV)に示す材料 Rf−COOH ・・・(XII) Rf−OH ・・・(XIII) Rf−(CH2)n−SiX ・・・(XIV) (Rf:炭素数4以上のアルキル基又はフッ素置換又は塩素
置換のアルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中に
(-CF2-)p、(-CH2-)p又は―Ph―を含む疎水基(P≧4)) n:1以上の整数 X:塩素、メトキシ基又はエトキシ基) 等をガラス、金、銅などの無機材料やポリイミド、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレートなどの有機材料
表面に物理吸着又は化学結合した材料(表面エネルギー
が約50dyn/cm以下であるのが好ましい)であることが望
ましい。
【0040】式(XII)(XIII)及び(XIV)の具体例としては
CF3−(CF2)5−COOH, CF3−(CF2)7−COOH, CF3−(CF2)7−(CH2)2OH, H−(CF2)10−COOH, H−(CF2)10−CH2OH, F−(CF2■)6−CH2CH2−Si(CH3■)2Cl, CF2Cl(CF3)CF(CF2)5COOH, CF3(CF2)7(CH2)2SiCl3 などがあげられる。
CF3−(CF2)5−COOH, CF3−(CF2)7−COOH, CF3−(CF2)7−(CH2)2OH, H−(CF2)10−COOH, H−(CF2)10−CH2OH, F−(CF2■)6−CH2CH2−Si(CH3■)2Cl, CF2Cl(CF3)CF(CF2)5COOH, CF3(CF2)7(CH2)2SiCl3 などがあげられる。
【0041】図1(c)に示す化合物としては式(XII)、式
(XIII)や式(XIV)の材料のみの構造体があげられる。
(XIII)や式(XIV)の材料のみの構造体があげられる。
【0042】続いて、上記化合物を用いた記録体(A)に
ついて述べる。記録体(A)の構成としては、先に触れた
とおり、前記の表面部材そのもので形成したもの、
支持体(好ましくは耐熱性支持体)上に前記の表面部材を
形成したもの、とに大別される。の態様は上記化合物
(表面部材)そのものをフィルム状あるいは板状、あるい
は、円柱状に成形したものである。この際、フィルム状
の場合は、フィルムの厚さは1μm〜5mmが望ましい。
の態様においては、上記化合物がある程度支持体内部へ
侵入していてもかまわない。記録体(A)自体の膜厚は30
Å〜1mmが望ましい。ただし、熱伝導性の点では100Å〜
10μm、耐摩耗性の点では10μm〜1mmがすぐれてい
る。支持体の耐熱温度としては、50℃〜300℃が望まし
い。
ついて述べる。記録体(A)の構成としては、先に触れた
とおり、前記の表面部材そのもので形成したもの、
支持体(好ましくは耐熱性支持体)上に前記の表面部材を
形成したもの、とに大別される。の態様は上記化合物
(表面部材)そのものをフィルム状あるいは板状、あるい
は、円柱状に成形したものである。この際、フィルム状
の場合は、フィルムの厚さは1μm〜5mmが望ましい。
の態様においては、上記化合物がある程度支持体内部へ
侵入していてもかまわない。記録体(A)自体の膜厚は30
Å〜1mmが望ましい。ただし、熱伝導性の点では100Å〜
10μm、耐摩耗性の点では10μm〜1mmがすぐれてい
る。支持体の耐熱温度としては、50℃〜300℃が望まし
い。
【0043】支持体の形状は、ベルト状(エンドレスベ
ルト状を含む)、板状、ドラム状いずれでもよく、装置
の使用用途に応じて選定する。特に、ドラム状のものは
装置における寸法精度を出せる点ですぐれている。エン
ドレスベルト状のものは装置の小型化に有利である。板
状のものは、記録紙サイズに応じてその大きさを決めれ
ばよい。
ルト状を含む)、板状、ドラム状いずれでもよく、装置
の使用用途に応じて選定する。特に、ドラム状のものは
装置における寸法精度を出せる点ですぐれている。エン
ドレスベルト状のものは装置の小型化に有利である。板
状のものは、記録紙サイズに応じてその大きさを決めれ
ばよい。
【0044】さらに、上記化合物(記録体(A)の表面形成
材料)と他の部材、例えば疎水性ポリマー、疎水性無機
材料との混合物を支持体上に形成すると、印字における
地肌よごれ防止の点ですぐれている。また、熱伝導性を
上げるためには、金属粉を上記化合物に混入するとよ
い。更に、支持体と上記化合物との密着性を向上するた
めにプライマー層を支持体と化合物間にもうけることも
できる。耐熱性支持体としては、ポリイミド、ポリエス
テルなどの樹脂フィルムやガラスやNi、Al、Cu、Cr、P
tなどの金属や金属酸化物等が好ましい。これら支持体
は平滑でも粗面や多孔質であってもよい。なお、上記化
合物(記録体(A)の表面形成材料)による塗工膜は0.0
1〜100μm、好ましくは1〜10μmである。
材料)と他の部材、例えば疎水性ポリマー、疎水性無機
材料との混合物を支持体上に形成すると、印字における
地肌よごれ防止の点ですぐれている。また、熱伝導性を
上げるためには、金属粉を上記化合物に混入するとよ
い。更に、支持体と上記化合物との密着性を向上するた
めにプライマー層を支持体と化合物間にもうけることも
できる。耐熱性支持体としては、ポリイミド、ポリエス
テルなどの樹脂フィルムやガラスやNi、Al、Cu、Cr、P
tなどの金属や金属酸化物等が好ましい。これら支持体
は平滑でも粗面や多孔質であってもよい。なお、上記化
合物(記録体(A)の表面形成材料)による塗工膜は0.0
1〜100μm、好ましくは1〜10μmである。
【0045】次に、接触材料(B)について説明する。接
触材料(B)は、先に記載したとおりであるが、端的にい
えば、当初から液体あるいは蒸気であるか、又は、記録
体(A)にいう後退接触角θrの低下開始温度以下で結果的
に液体を生じさせる固体である。ここでの蒸気は、記録
体(A)の表面又は表面近傍で、少なくともその一部が凝
縮して液体を生ぜしめ、その液体が記録体(A)の表面を
濡らすことができるものであれば充分である。一方、こ
こでの固体は、前記後退接触角θrの低下開始温度以下
で液体となるか、液体を発生させるか、又は、蒸気を発
生させるものである。固体から発生された蒸気は記録体
(A)の表面又はその近傍で凝縮して液体を生じさせるこ
とは前記の場合と同様である。
触材料(B)は、先に記載したとおりであるが、端的にい
えば、当初から液体あるいは蒸気であるか、又は、記録
体(A)にいう後退接触角θrの低下開始温度以下で結果的
に液体を生じさせる固体である。ここでの蒸気は、記録
体(A)の表面又は表面近傍で、少なくともその一部が凝
縮して液体を生ぜしめ、その液体が記録体(A)の表面を
濡らすことができるものであれば充分である。一方、こ
こでの固体は、前記後退接触角θrの低下開始温度以下
で液体となるか、液体を発生させるか、又は、蒸気を発
生させるものである。固体から発生された蒸気は記録体
(A)の表面又はその近傍で凝縮して液体を生じさせるこ
とは前記の場合と同様である。
【0046】これら接触材料(B)をより具体的にいえば
次のとおりである。
次のとおりである。
【0047】即ち、接触材料(B)の一つである液体とし
ては、水の他に、電解質を含む水溶液、エタノール、n-
ブタノール等のアルコール、グリセリン、エチレングリ
コール等の多価アルコール、メチルエチルケトン等のケ
トン類のごとき有極性液体や、n-ノナン、n-オクタン等
の直鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の環式状炭化水
素、m-キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のごとき
無極性液体があげられる。また、これらの混合体でもよ
いし、各種分散液や液状インクも使用できる。さらに望
ましくは極性液体の方がよりすぐれている。
ては、水の他に、電解質を含む水溶液、エタノール、n-
ブタノール等のアルコール、グリセリン、エチレングリ
コール等の多価アルコール、メチルエチルケトン等のケ
トン類のごとき有極性液体や、n-ノナン、n-オクタン等
の直鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の環式状炭化水
素、m-キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のごとき
無極性液体があげられる。また、これらの混合体でもよ
いし、各種分散液や液状インクも使用できる。さらに望
ましくは極性液体の方がよりすぐれている。
【0048】接触材料(B)の他の一つである蒸気とし
ては水蒸気の外に、接触材料(B)の液体の蒸気であれ
ば使用できるが、特にエタノール蒸気やm-キシレン蒸気
などの有機化合物の蒸気(噴霧状態のものを含む)があげ
られる。この有機化合物蒸気の温度は記録体(A)の表
面を形成する化合物の融点或いは軟化点以下である必要
がある。
ては水蒸気の外に、接触材料(B)の液体の蒸気であれ
ば使用できるが、特にエタノール蒸気やm-キシレン蒸気
などの有機化合物の蒸気(噴霧状態のものを含む)があげ
られる。この有機化合物蒸気の温度は記録体(A)の表
面を形成する化合物の融点或いは軟化点以下である必要
がある。
【0049】接触材料(B)の他のもう一つである固体と
しては、高級脂肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲ
ル(ポリアクリルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲ
ル)、シリカゲル、結晶水を含んだ化合物などがあげら
れる。
しては、高級脂肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲ
ル(ポリアクリルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲ
ル)、シリカゲル、結晶水を含んだ化合物などがあげら
れる。
【0050】なお、後述するところからより明らかにな
るが、接触材料(B)として、前記液状インクのごとき
“顕色剤を含有した"記録剤(溶液又は分散液)を用いた
場合には、潜像形成と同時に顕像化が行なわれることに
なり、実用上極めて有利である。
るが、接触材料(B)として、前記液状インクのごとき
“顕色剤を含有した"記録剤(溶液又は分散液)を用いた
場合には、潜像形成と同時に顕像化が行なわれることに
なり、実用上極めて有利である。
【0051】続いて、加熱手段について説明する。
【0052】潜像形成のための加熱手段としてはヒータ
ー、サーマルヘッドなどによる接触加熱の他に、電磁波
(レーザー光源、赤外線ランプなどの発光源からの光線
をレンズで集光する)による非接触加熱がある。但し、
最も確実な加熱手段は発熱素子を有したサーマルヘッド
である。
ー、サーマルヘッドなどによる接触加熱の他に、電磁波
(レーザー光源、赤外線ランプなどの発光源からの光線
をレンズで集光する)による非接触加熱がある。但し、
最も確実な加熱手段は発熱素子を有したサーマルヘッド
である。
【0053】図2(a)は基板1上に記録体(A)の表面を構
成する前記化合物の膜2が形成され、この膜面に接触材
料(B)のうちの例えば液体3が存在している状態を示して
いる。この状態において、膜2を加熱すると、膜2表面は
後退接触角θrが低下して著しい濡れを示し、液体付着
性を有してしまうのが認められる。更に、この液体付着
性を有する膜2を空気中、真空中又は不活性ガス雰囲気
中で再び加熱する(図2(b))と膜2表面は後退接触角θr
が高まってゆき再び液体反撥性を示すのが認められる。
成する前記化合物の膜2が形成され、この膜面に接触材
料(B)のうちの例えば液体3が存在している状態を示して
いる。この状態において、膜2を加熱すると、膜2表面は
後退接触角θrが低下して著しい濡れを示し、液体付着
性を有してしまうのが認められる。更に、この液体付着
性を有する膜2を空気中、真空中又は不活性ガス雰囲気
中で再び加熱する(図2(b))と膜2表面は後退接触角θr
が高まってゆき再び液体反撥性を示すのが認められる。
【0054】このような現象と幾分類似した現象を示す
ものとして、先にあげた特公昭54-41902号公報に記載さ
れた方法がある。だが、ここに開示されている方法では
記録材料は実質的にデイスオーダーでかつ一般的に不定
形のメモリ物質の層を得るようにしている点でメカニズ
ム上大きく相違したものとなっている。すなわち、本発
明では、接触材料(B)の存在なしでは、記録体(A)表面に
は状態変化がおこりえない。また、特公昭54-41902号公
報に記載された方法では、簡単な操作で可逆性を得るこ
とはできない。
ものとして、先にあげた特公昭54-41902号公報に記載さ
れた方法がある。だが、ここに開示されている方法では
記録材料は実質的にデイスオーダーでかつ一般的に不定
形のメモリ物質の層を得るようにしている点でメカニズ
ム上大きく相違したものとなっている。すなわち、本発
明では、接触材料(B)の存在なしでは、記録体(A)表面に
は状態変化がおこりえない。また、特公昭54-41902号公
報に記載された方法では、簡単な操作で可逆性を得るこ
とはできない。
【0055】図3(a)のごとく、画像情報に応じて液体3
の接触下で膜2に熱を加える(図3の(b-1)及び(b-2)のよ
うに、液体不存在のものに膜2に画像情報に応じて熱を
加えた状態のもとで液体3と接触させても同様である)
と、加熱部分の膜2の表面が液体付着性化される。図
中、4はヒーター、31は液体供給口、41は赤外線ラン
プ、5はレンズ、6はシャッターを表わしている。図3
(a)は膜2の加熱は基板1を通して行なっている例である
が、図3(b-1)(b-2)に示した例は、直接膜2に加熱がな
されている例である。
の接触下で膜2に熱を加える(図3の(b-1)及び(b-2)のよ
うに、液体不存在のものに膜2に画像情報に応じて熱を
加えた状態のもとで液体3と接触させても同様である)
と、加熱部分の膜2の表面が液体付着性化される。図
中、4はヒーター、31は液体供給口、41は赤外線ラン
プ、5はレンズ、6はシャッターを表わしている。図3
(a)は膜2の加熱は基板1を通して行なっている例である
が、図3(b-1)(b-2)に示した例は、直接膜2に加熱がな
されている例である。
【0056】この膜2の水溶液接触下での加熱前後の水
溶液の接触角の変動、及び、このものを更に空気中で加
熱した場合の水溶液の接触角の変動の一例を図4に示し
た。図4において、○は前進接触角、△は後退接触角を
表わしている。一般に、後退接触角が90°以上の高い値
の場合、その表面は液体反撥性を示し、90°以下の低い
値の場合、その表面は液体付着性を示す。
溶液の接触角の変動、及び、このものを更に空気中で加
熱した場合の水溶液の接触角の変動の一例を図4に示し
た。図4において、○は前進接触角、△は後退接触角を
表わしている。一般に、後退接触角が90°以上の高い値
の場合、その表面は液体反撥性を示し、90°以下の低い
値の場合、その表面は液体付着性を示す。
【0057】接触材料(B)に接した状態での記録体(A)表
面の加熱温度としては、50℃〜250℃の範囲が望まし
く、さらに望ましくは80℃〜150℃である。加熱時間は
0.1m秒〜1秒程度で望ましくは0.5m秒〜2m秒である。加
熱のタイミングとしては、記録体(A)表面を加熱した
後、冷めないうちに接触材料(B)に接触させる、記録
体(A)表面に接触材料(B)を接触させた状態のもとに記録
体(A)表面を加熱させる、のいずれかでもよい。
面の加熱温度としては、50℃〜250℃の範囲が望まし
く、さらに望ましくは80℃〜150℃である。加熱時間は
0.1m秒〜1秒程度で望ましくは0.5m秒〜2m秒である。加
熱のタイミングとしては、記録体(A)表面を加熱した
後、冷めないうちに接触材料(B)に接触させる、記録
体(A)表面に接触材料(B)を接触させた状態のもとに記録
体(A)表面を加熱させる、のいずれかでもよい。
【0058】一方、潜像消去の場合には、接触材料(B)
の不存在下で記録体(A)表面を50〜300℃、望ましくは10
0〜180℃に加熱すればよい。加熱時間は1m秒〜10秒程度
で好ましくは10m秒〜1秒である。
の不存在下で記録体(A)表面を50〜300℃、望ましくは10
0〜180℃に加熱すればよい。加熱時間は1m秒〜10秒程度
で好ましくは10m秒〜1秒である。
【0059】続いて、記録体(A)表面に実際に画像情報
の記録を行なう手段についてより詳細に説明する。
の記録を行なう手段についてより詳細に説明する。
【0060】一つは、液体又は蒸気雰囲気下で画像信号
に応じて記録体(A)の表面を加熱して記録体(A)の表面に
液体付着領域を形成(潜像形成)し、その後、この潜像部
に記録剤を接触させる手段により潜像部に記録剤を付着
させ(現像)、この記録をそのまま記録体(A)の表面上
に定着させる方法である(直接記録法)。もう一つは、
液体又は蒸気雰囲気下で画像信号に応じて記録体(A)
の表面を加熱し、記録体(A)の表面に液体付着領域を
形成し潜像形成し、その後、この潜像部に記録剤を接触
させる手段により潜像部に記録剤を付着させ(現像)、そ
の後、記録紙等に記録体(A)表面の記録剤を転写する方
法である(間接記録方法)。さらに、上記の方法におい
て、記録の転写後、再び潜像部に記録剤を接触させ手段
を行えば、記録体(A)を印刷版として用いた印刷方法と
なる。
に応じて記録体(A)の表面を加熱して記録体(A)の表面に
液体付着領域を形成(潜像形成)し、その後、この潜像部
に記録剤を接触させる手段により潜像部に記録剤を付着
させ(現像)、この記録をそのまま記録体(A)の表面上
に定着させる方法である(直接記録法)。もう一つは、
液体又は蒸気雰囲気下で画像信号に応じて記録体(A)
の表面を加熱し、記録体(A)の表面に液体付着領域を
形成し潜像形成し、その後、この潜像部に記録剤を接触
させる手段により潜像部に記録剤を付着させ(現像)、そ
の後、記録紙等に記録体(A)表面の記録剤を転写する方
法である(間接記録方法)。さらに、上記の方法におい
て、記録の転写後、再び潜像部に記録剤を接触させ手段
を行えば、記録体(A)を印刷版として用いた印刷方法と
なる。
【0061】上記の方法において、記録剤を転写後、液
体又は蒸気の不存在下で潜像を形成した記録体(A)の表
面を加熱し潜像を消去することにより、記録体(A)が再
生可能な記録方法(繰り返し記録法)となる。図5(a),
(b)、(c)に直接記録方法、間接記録方法(印刷法)、記録
体の可逆的な記録方法(繰り返し記録方法)の代表的なプ
ロセスを示す。
体又は蒸気の不存在下で潜像を形成した記録体(A)の表
面を加熱し潜像を消去することにより、記録体(A)が再
生可能な記録方法(繰り返し記録法)となる。図5(a),
(b)、(c)に直接記録方法、間接記録方法(印刷法)、記録
体の可逆的な記録方法(繰り返し記録方法)の代表的なプ
ロセスを示す。
【0062】次に、記録体(A)をはじめ、記録装置の
構成について述べる。
構成について述べる。
【0063】記録体(A)は、既述のとおり、加熱状態で
かつ液体と接触させた場合に後退接触角が低下する表面
(前記と同様便宜上「膜2」又は「記録体(A)表面」を記すこ
とがある)を有しているものであれば、その形態にとら
われない。従って、記録体(A)の支持基板は、剛体円筒
形状であっても、柔軟性を有するフィルム形状であって
もかまわない。剛体円筒形状記録体(円筒状剛体の表面
に膜2が形成されたもの)は、記録体(A)を稼働する際位
置ずれ等が生じにくいため制御性に優れているので、望
ましくは剛体円筒形状の記録体(A)が良い。このような
記録体(A)の作製は膜2を基板上に成膜する方法や、成形
体そのもので作成する方法がよい。特に、前記成形体そ
のものによる記録体(A)は一般に機械強度が弱いため基
板上に成膜する方法が望ましい。なお、成形体そのもの
で記録体(A)をつくる場合においても、その表面には膜2
が形成されていなければならないことはいうまでもな
い。
かつ液体と接触させた場合に後退接触角が低下する表面
(前記と同様便宜上「膜2」又は「記録体(A)表面」を記すこ
とがある)を有しているものであれば、その形態にとら
われない。従って、記録体(A)の支持基板は、剛体円筒
形状であっても、柔軟性を有するフィルム形状であって
もかまわない。剛体円筒形状記録体(円筒状剛体の表面
に膜2が形成されたもの)は、記録体(A)を稼働する際位
置ずれ等が生じにくいため制御性に優れているので、望
ましくは剛体円筒形状の記録体(A)が良い。このような
記録体(A)の作製は膜2を基板上に成膜する方法や、成形
体そのもので作成する方法がよい。特に、前記成形体そ
のものによる記録体(A)は一般に機械強度が弱いため基
板上に成膜する方法が望ましい。なお、成形体そのもの
で記録体(A)をつくる場合においても、その表面には膜2
が形成されていなければならないことはいうまでもな
い。
【0064】記録体(A)の支持基板に樹脂を用いた場
合、このものは熱の良導体とはいいがたく、基板側から
加熱を施すようなタイプのものでは、記録体(A)表面が
加熱され液体付着性を有するまでにはある程度の時間を
要する。そこで、熱の良導体を基板の全体に又は基板1
上の部分に用いることが考えられてよい。
合、このものは熱の良導体とはいいがたく、基板側から
加熱を施すようなタイプのものでは、記録体(A)表面が
加熱され液体付着性を有するまでにはある程度の時間を
要する。そこで、熱の良導体を基板の全体に又は基板1
上の部分に用いることが考えられてよい。
【0065】図6(a)は例えば金属のような熱の良導体
を基板(金属基板11)としてその上に有機薄膜12を蒸着
し、更にその上に、膜2を形成するようにすれば、垂直
方向の熱伝導速度が向上する。ここでの有機薄膜12とし
てはポリイミド、ポリエステル、フタロシアニンなどが
例示できる。印字ドットが比較的大きくてよい場合には
この構成で十分であるが、面方向への熱拡散により液体
付着性を有する部分が拡大するため一層の高密度印字を
目的とする場合には適さない。
を基板(金属基板11)としてその上に有機薄膜12を蒸着
し、更にその上に、膜2を形成するようにすれば、垂直
方向の熱伝導速度が向上する。ここでの有機薄膜12とし
てはポリイミド、ポリエステル、フタロシアニンなどが
例示できる。印字ドットが比較的大きくてよい場合には
この構成で十分であるが、面方向への熱拡散により液体
付着性を有する部分が拡大するため一層の高密度印字を
目的とする場合には適さない。
【0066】図6(b)は、そのため、基板1上に熱の良導
体部分を区切って設けることにより面方向への熱拡散を
防ぎ液体付着性を有する部分2aの微小化を図ったもので
ある。図6(b)において、11aは微小された金属膜を表わ
している。
体部分を区切って設けることにより面方向への熱拡散を
防ぎ液体付着性を有する部分2aの微小化を図ったもので
ある。図6(b)において、11aは微小された金属膜を表わ
している。
【0067】続いて、加熱による潜像形成手段について
述べる。上記したごとく、加熱源としては、ヒーターや
サーマルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線
ランプのごとき電磁波による非接触加熱源が望ましい。
これらの具体例として、液体と接した状態で記録体(A)
表面を加熱する手段を述べる。なお、便宜上、基体1上
に膜2が形成されているタイプの記録体(A)を例にとって
説明を進めることにする。まず、あらかじめ記録体7表
面に液体3を接しておき、その接した状態で基体1側又
は液体3側から加熱を行う手段(図7の(a)及び(b))や、初
めに記録体(A)表面側から加熱を行い直ちに液体3を記録
体加熱部(記録体(A)表面)に接触させる手段(図7の(c)及
び(d))の採られるのが望ましい。
述べる。上記したごとく、加熱源としては、ヒーターや
サーマルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線
ランプのごとき電磁波による非接触加熱源が望ましい。
これらの具体例として、液体と接した状態で記録体(A)
表面を加熱する手段を述べる。なお、便宜上、基体1上
に膜2が形成されているタイプの記録体(A)を例にとって
説明を進めることにする。まず、あらかじめ記録体7表
面に液体3を接しておき、その接した状態で基体1側又
は液体3側から加熱を行う手段(図7の(a)及び(b))や、初
めに記録体(A)表面側から加熱を行い直ちに液体3を記録
体加熱部(記録体(A)表面)に接触させる手段(図7の(c)及
び(d))の採られるのが望ましい。
【0068】液体3の供給手段としては、記録体(A)下部
に皿を設け液体3を満たし記録体7が皿中の液体3に常に
接するようにし、加熱源を皿の近傍又は皿の中に配置す
る構成が最も簡単な構成となる。皿の替わりに、液体を
含ませたスポンジ状多孔質体34を用いても良い。光や電
子線による潜像形成手段も上記構成と基本的に同様であ
る。図7において、42はレーザー光源、43はサーマルヘ
ッドである。このようにして、記録体(A)表面には潜像
(S)が形成される。
に皿を設け液体3を満たし記録体7が皿中の液体3に常に
接するようにし、加熱源を皿の近傍又は皿の中に配置す
る構成が最も簡単な構成となる。皿の替わりに、液体を
含ませたスポンジ状多孔質体34を用いても良い。光や電
子線による潜像形成手段も上記構成と基本的に同様であ
る。図7において、42はレーザー光源、43はサーマルヘ
ッドである。このようにして、記録体(A)表面には潜像
(S)が形成される。
【0069】上記手段により画像信号に応じて選択的に
付与された液体付着性領域に記録剤(例えばインク液)を
付着させる手段としては、記録剤3aを充填した皿を潜像
形成手段配置位置に対して記録体(A)の進行方向に配置
し常に記録体(A)表面に接しておく構成が最も簡単であ
る(図8及び図9)。なお、図9に示すごとく、潜像形成
に用いる液体をインク液のごとき記録剤3aと兼用すれ
ば、一つの皿で潜像形成とその顕像化とを一体化できる
ため、装置を小型化できる。
付与された液体付着性領域に記録剤(例えばインク液)を
付着させる手段としては、記録剤3aを充填した皿を潜像
形成手段配置位置に対して記録体(A)の進行方向に配置
し常に記録体(A)表面に接しておく構成が最も簡単であ
る(図8及び図9)。なお、図9に示すごとく、潜像形成
に用いる液体をインク液のごとき記録剤3aと兼用すれ
ば、一つの皿で潜像形成とその顕像化とを一体化できる
ため、装置を小型化できる。
【0070】また、直接記録の場合、記録体基板として
柔軟性を有する不ィルム又は剛体のフィルムを用い、基
板1上に膜2を成膜し記録体(A)とする。この記録体
(A)に上記の手段により潜像形成及び顕像化を施す。
こののち、自然断槽又は加熱乾燥を行い、記録体(A)
上に付着した記録剤3a′を定着させる。
柔軟性を有する不ィルム又は剛体のフィルムを用い、基
板1上に膜2を成膜し記録体(A)とする。この記録体
(A)に上記の手段により潜像形成及び顕像化を施す。
こののち、自然断槽又は加熱乾燥を行い、記録体(A)
上に付着した記録剤3a′を定着させる。
【0071】さらに、直接記録後、記録剤を定着した記
録体基板が透明フィルムの場合は、透過光を照射するこ
とで、スライド投影機のごとき装置の原版として使える
(10図)。また、ビーム状の反射光や透過光を照射し
記録剤の有無による光の強度変化を検知することで情報
記憶用媒体としても利用できる(11図)。図10及び
図11で、52はスクリーン、53は光源、54は検知
器、55はモーターである。
録体基板が透明フィルムの場合は、透過光を照射するこ
とで、スライド投影機のごとき装置の原版として使える
(10図)。また、ビーム状の反射光や透過光を照射し
記録剤の有無による光の強度変化を検知することで情報
記憶用媒体としても利用できる(11図)。図10及び
図11で、52はスクリーン、53は光源、54は検知
器、55はモーターである。
【0072】間接記録の場合、前記のとおり、例えば剛
体円筒管が記録体基板として用いられるのが有利であ
る。潜像形成及び現像(顕像化)後、例えば記録体
(A)上の記録剤3a′は記録紙61と直接接する手段
を設けることで記録紙61へ記録剤3a′は転写される
(転写手段)。転写を行う位置は、現像後であれば、記
録体(A)のどの位置でもかまわないが、現像後、直ち
に転写が行われる位置が望ましい。転写後、潜像消去を
行わず現像を繰り返えせば、この装置は印刷装置とな
る。図12に上記印刷装置の例を示す。図中、3a′は
潜像(S)に付着したインク滴、3a″は転写画像を表
わしている。一つの画像情報の印刷が終了すれば、記録
体(A)を交換することで又は潜像消去を行なうこと
で、別の画像情報の記録・印刷が可能となる。
体円筒管が記録体基板として用いられるのが有利であ
る。潜像形成及び現像(顕像化)後、例えば記録体
(A)上の記録剤3a′は記録紙61と直接接する手段
を設けることで記録紙61へ記録剤3a′は転写される
(転写手段)。転写を行う位置は、現像後であれば、記
録体(A)のどの位置でもかまわないが、現像後、直ち
に転写が行われる位置が望ましい。転写後、潜像消去を
行わず現像を繰り返えせば、この装置は印刷装置とな
る。図12に上記印刷装置の例を示す。図中、3a′は
潜像(S)に付着したインク滴、3a″は転写画像を表
わしている。一つの画像情報の印刷が終了すれば、記録
体(A)を交換することで又は潜像消去を行なうこと
で、別の画像情報の記録・印刷が可能となる。
【0073】また、上記転写手段の後、液体又は蒸気の
不存在下で、即ち、空気中、真空中又は不活性ガス中で
潜像部(S)付近を加熱することにより、潜像を消去す
れば記録体(A)は繰返し使用可能な記録装置となる
(13図)。
不存在下で、即ち、空気中、真空中又は不活性ガス中で
潜像部(S)付近を加熱することにより、潜像を消去す
れば記録体(A)は繰返し使用可能な記録装置となる
(13図)。
【0074】潜像消去のための加熱源としては、ヒータ
ーやサーマルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤
外線ランプのごとき電磁波による非接触加熱源が望まし
い。加熱は潜像部のみ行っても良いが、記録体(A)全面
に行っても良い。むしろ、全面加熱の方が装置構成を簡
単にできるため、より望ましい。
ーやサーマルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤
外線ランプのごとき電磁波による非接触加熱源が望まし
い。加熱は潜像部のみ行っても良いが、記録体(A)全面
に行っても良い。むしろ、全面加熱の方が装置構成を簡
単にできるため、より望ましい。
【0075】なお、潜像消去手段は、消去のための加熱
を行ったのち、再び、潜像形成を行うまでの時間の間に
記録体(A)表面が実質的に冷却する位置に設ける。潜像
消去に必要な加熱温度は既述のとおりであるが、当該記
録体(A)表面の材料により異なるものの、記録体(A)表面
の材料の後退接触角が低くなる開始温度以上で分解点以
下の温度が望ましい。
を行ったのち、再び、潜像形成を行うまでの時間の間に
記録体(A)表面が実質的に冷却する位置に設ける。潜像
消去に必要な加熱温度は既述のとおりであるが、当該記
録体(A)表面の材料により異なるものの、記録体(A)表面
の材料の後退接触角が低くなる開始温度以上で分解点以
下の温度が望ましい。
【0076】記録紙等(被転写体)61としては、透明又
は不透明樹脂フィルム、普通紙、合成紙、インクジェッ
ト記録用紙、タイプ用紙などを用いることができる。
は不透明樹脂フィルム、普通紙、合成紙、インクジェッ
ト記録用紙、タイプ用紙などを用いることができる。
【0077】次に記録剤について述べる。記録体(A)表
面上に可視画像を得るには、記録剤として筆記用イン
ク、インクジエット記録用インク、印刷インク、電子写
真用トナー等の従来の印字記録方式に用いられてきた記
録剤(分散液又は溶解液の状態のもの)の中から、本発
明装置に適合するものを選択し使用することができる。
面上に可視画像を得るには、記録剤として筆記用イン
ク、インクジエット記録用インク、印刷インク、電子写
真用トナー等の従来の印字記録方式に用いられてきた記
録剤(分散液又は溶解液の状態のもの)の中から、本発
明装置に適合するものを選択し使用することができる。
【0078】より具体的で好ましいもの例を示せば、例
えば水性インクとしては、水、湿潤剤、染料を主体とす
る水溶性インク又は水、顔料、分散用高分子化合物、湿
潤剤を主体とした水性顔料分散インク、顔料又は染料を
界面活性剤を用いて水に分散せしめたエマルジョン・イ
ンク等が用いられる。水性インクに用いられる湿潤剤と
しては、次のような水溶性の有機液体化合物が挙げられ
る。
えば水性インクとしては、水、湿潤剤、染料を主体とす
る水溶性インク又は水、顔料、分散用高分子化合物、湿
潤剤を主体とした水性顔料分散インク、顔料又は染料を
界面活性剤を用いて水に分散せしめたエマルジョン・イ
ンク等が用いられる。水性インクに用いられる湿潤剤と
しては、次のような水溶性の有機液体化合物が挙げられ
る。
【0079】エタノール、メタノール、プロパノール等
の一価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価
アルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル等の多価アルコールのエーテル類;N-メチル-2-ピロ
リドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、ε-カプロラ
クタム等の複素環式化合物;モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチル
アミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン
類等。
の一価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価
アルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル等の多価アルコールのエーテル類;N-メチル-2-ピロ
リドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、ε-カプロラ
クタム等の複素環式化合物;モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチル
アミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン
類等。
【0080】水溶性染料としては、カラー・インデック
スにおいて酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染
料などに分類される染料が用いられる。代表的な染料の
例としては、 C.I.アシッド・イエロー17,23,42,44,79,142 C.I.アシッド・レッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106, 111,114,115,134,186,249,254,289 C.I.アシッド・ブルー9,29,45,92,249,890 C.I.アシッド・ブラック1,2,7,24,26,94 C.I.フード・イエロー3,4 C.I.フード・レッド7,9,14 C.I.フード・ブラック2 C.I.ダイレクト・イエロー1,12,24,26,33,44,50,142,144,865 C.I.ダイレクト・レッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227 C.I.ダイレクト・オレンジ26,29,62,102 C.I.ダイレクト・ブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,202 C.I.ダイレクト・ブラック19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168 C.I.ベーシック・イエロー1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40, 41,45,49,51,53,63,65,67,70,73,77,87,91 C.I.ベーシック・レッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46, 49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112 C.I.ベーシック・ブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67, 69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,13 7,141,147,155 ベーシック・ブラック2,8 等を挙げることができる。
スにおいて酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染
料などに分類される染料が用いられる。代表的な染料の
例としては、 C.I.アシッド・イエロー17,23,42,44,79,142 C.I.アシッド・レッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106, 111,114,115,134,186,249,254,289 C.I.アシッド・ブルー9,29,45,92,249,890 C.I.アシッド・ブラック1,2,7,24,26,94 C.I.フード・イエロー3,4 C.I.フード・レッド7,9,14 C.I.フード・ブラック2 C.I.ダイレクト・イエロー1,12,24,26,33,44,50,142,144,865 C.I.ダイレクト・レッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227 C.I.ダイレクト・オレンジ26,29,62,102 C.I.ダイレクト・ブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,202 C.I.ダイレクト・ブラック19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168 C.I.ベーシック・イエロー1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40, 41,45,49,51,53,63,65,67,70,73,77,87,91 C.I.ベーシック・レッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46, 49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112 C.I.ベーシック・ブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67, 69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,13 7,141,147,155 ベーシック・ブラック2,8 等を挙げることができる。
【0081】顔料としては、有機顔料としてアゾ系、フ
タロシアニン系、アンスラキノン系、キナクリドン系、
ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノ
ン系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリン・ブ
ラック、アゾメチンアゾ系、カーボン・ブラック等が挙
げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウム
イエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、
金属粉が挙げられる。
タロシアニン系、アンスラキノン系、キナクリドン系、
ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノ
ン系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリン・ブ
ラック、アゾメチンアゾ系、カーボン・ブラック等が挙
げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウム
イエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、
金属粉が挙げられる。
【0082】顔料分散用化合物として、ポリアクリルア
ミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性
スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチ
レンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル
樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β-ナフタレ
ンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級
アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を含
む高分子化合物、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、
カゼイン等の蛋白質、アラビアゴム、トラガントゴム等
の天然ゴム類、サポニン等のグルコキシド類、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メ
チルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホ
ン酸及びその塩、セラミック等の天然高分子化合物、等
が挙げられる。
ミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性
スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチ
レンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル
樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β-ナフタレ
ンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級
アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を含
む高分子化合物、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、
カゼイン等の蛋白質、アラビアゴム、トラガントゴム等
の天然ゴム類、サポニン等のグルコキシド類、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メ
チルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホ
ン酸及びその塩、セラミック等の天然高分子化合物、等
が挙げられる。
【0083】油性の記録剤としては、水性インクと同様
に、油溶性染料を有機液体化合物に溶解したものや、顔
料を有機液体化合物に分散せしめたもの、顔料又は染料
を油性ベースに乳化させたもの、等が用いられる。
に、油溶性染料を有機液体化合物に溶解したものや、顔
料を有機液体化合物に分散せしめたもの、顔料又は染料
を油性ベースに乳化させたもの、等が用いられる。
【0084】油性染料の代表的な例としては、 C.I.ソルベント・イエロー1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,14,16,17,26,27,29, 30,39,40,46,49,50,51,56,61,80,86,87,89,96 C.I.ソルベント・オレンジ12,23,31,43,51,61 C.I.ソルベント・レッド1,2,3,16,17,18,19,20,22,24,25,26,40,52,59,60,63, 67,68,121 C.I.ソルベント・バイオレット7,16,17 C.I.ソルベント・ブルー2,6,11,15,20,30,31,32,35,36,55,58,71,72 C.I.ソルベント・ブラウン2,10,15,21,22 C.I.ソルベント・ブラック3,10,11,12,13 等が挙げられる。
【0085】また、染料を溶解したり、顔料を分散する
ための油性ベースとしては、n−オクタン、n−デカン、
ミネラネスピリット、リグロイン、ナフサ、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の炭化水素類;ジブチルエーテ
ル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、
ジベンジルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリ
セリン等のアルコール類等を例示することができる。
ための油性ベースとしては、n−オクタン、n−デカン、
ミネラネスピリット、リグロイン、ナフサ、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の炭化水素類;ジブチルエーテ
ル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、
ジベンジルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリ
セリン等のアルコール類等を例示することができる。
【0086】油性インクにおいても先に例示した顔料を
用いることができる。油性の顔料分散剤の例としては、
ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体、
ポリ酢酸ビニル、塩ビ-酢ビ共重合体、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルブチラール等のビニル系共重合体、
エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース系
樹脂、ポリエステル、ポリアミド、フェノール樹脂等の
縮重合樹脂、ロジン、セラミック、ゼラチン、カゼイ
ン、等の天然樹脂等がある。
用いることができる。油性の顔料分散剤の例としては、
ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体、
ポリ酢酸ビニル、塩ビ-酢ビ共重合体、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルブチラール等のビニル系共重合体、
エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース系
樹脂、ポリエステル、ポリアミド、フェノール樹脂等の
縮重合樹脂、ロジン、セラミック、ゼラチン、カゼイ
ン、等の天然樹脂等がある。
【0087】ところで、顕像化手段(一部転写手段を含
む)の大概は、図8、図9、図12及び図13をもとに
して説明したとおりであるが、この操作は一般に皿(容
器)3bにみたされた記録剤3a中を記録体7が回動す
ることにより行なわれる。
む)の大概は、図8、図9、図12及び図13をもとに
して説明したとおりであるが、この操作は一般に皿(容
器)3bにみたされた記録剤3a中を記録体7が回動す
ることにより行なわれる。
【0088】この時、記録剤3a面は自由表面になって
おり、それ故、記録体7の回転に伴なって記録剤3aの
液面(自由表面)は不規則に波打つようになる(図14
(a))。この記録剤3aの自由表面はその変動(液面振
動)が大きく又は激しいと、その外部振動の影響によ
り、記録体7の潜像領域Sに付着する記録剤3a′の量
にバラツキが生じ、また、一旦付着した記録剤3a′が
剥離したりして、良質の画像が得られないという結果が
時としてみられる(図14(b))。
おり、それ故、記録体7の回転に伴なって記録剤3aの
液面(自由表面)は不規則に波打つようになる(図14
(a))。この記録剤3aの自由表面はその変動(液面振
動)が大きく又は激しいと、その外部振動の影響によ
り、記録体7の潜像領域Sに付着する記録剤3a′の量
にバラツキが生じ、また、一旦付着した記録剤3a′が
剥離したりして、良質の画像が得られないという結果が
時としてみられる(図14(b))。
【0089】そこで、本発明装置においては、このよう
な外部振動などを生じさせないか、又は、そのような外
部振動があったにしてもその影響による記録剤(a)の
液面の不均一性を是非する手段が採用されている。
な外部振動などを生じさせないか、又は、そのような外
部振動があったにしてもその影響による記録剤(a)の
液面の不均一性を是非する手段が採用されている。
【0090】いは、図15にみられるように、2つの平
面の間に液体が存在する時、平面間の間隔をd、液体の
表面張力をγとすると、この液面に働く力Fは F=πdγ
(1) となる。液体の圧力をPとするとこの内圧と液面と働く
力Fはつの合っており、P0=4γ/d
(2) となる。この式(2)よりdが小さければ小さいほど内
圧Pは大きくなることがわかる。従って、外部振動によ
り液体の内圧に変動(ΔP)があった場合、内圧は P′=P0+ΔP
(3) となるが、P0がきわめて大きければ、P′≒P0とな
り、外部振動による液体圧力変動はほとんどきかなくな
る。P0を大きくするには式(2)に示すごとく、dを
小さくすれば良い。これが毛管作用による圧力変動緩和
の原理である。また、dが小さくなれば流体抵抗が増大
するため、圧力変動による流れを抑制する効果をもつ。
本発明はこれらの原理に基づきなされたものである。
面の間に液体が存在する時、平面間の間隔をd、液体の
表面張力をγとすると、この液面に働く力Fは F=πdγ
(1) となる。液体の圧力をPとするとこの内圧と液面と働く
力Fはつの合っており、P0=4γ/d
(2) となる。この式(2)よりdが小さければ小さいほど内
圧Pは大きくなることがわかる。従って、外部振動によ
り液体の内圧に変動(ΔP)があった場合、内圧は P′=P0+ΔP
(3) となるが、P0がきわめて大きければ、P′≒P0とな
り、外部振動による液体圧力変動はほとんどきかなくな
る。P0を大きくするには式(2)に示すごとく、dを
小さくすれば良い。これが毛管作用による圧力変動緩和
の原理である。また、dが小さくなれば流体抵抗が増大
するため、圧力変動による流れを抑制する効果をもつ。
本発明はこれらの原理に基づきなされたものである。
【0091】かかる原理に基づいて、前記と一部重複す
るが、次の事項が導びかれる。 (i)記録剤(分散剤又は溶液)の粘度は1〜1000
cpが適当である。 (ii) 毛管作用を利用して現像が行なわれることで、
装置回りの外部振動による液面変動が防止され、装置
を傾けても毛管作用によりインク液が漏れにくく、携帯
性にすぐれる。インク液供給にむらがなくなる。 (iii)毛管作用を本発明装置向けに最大限に利用するた
めの毛管又はギャップの大きさの範囲については、液面
における表面張力を外部振動により発生する圧力はおお
よぞ圧力P=2×表面張力係数÷毛管径又はギャップ の関係になる。外部振動による加速度をnG(nは整
数、Gは重力加速度)とすると単位体積当り 圧力P=nG×液体の密度 となる。液体の表面張力はおよそ20〜70dyn/c
mであり、外部振動の加速度をおよそ5Gとすると 毛管径又はギャップ=2×(20〜70)÷5÷980 =0.008〜0.029(cm) つまり、80〜300μmの範囲が望ましいことにあ
る。ただし、前記の加速度が5G以下であればこれより
広い値をとることができる。
るが、次の事項が導びかれる。 (i)記録剤(分散剤又は溶液)の粘度は1〜1000
cpが適当である。 (ii) 毛管作用を利用して現像が行なわれることで、
装置回りの外部振動による液面変動が防止され、装置
を傾けても毛管作用によりインク液が漏れにくく、携帯
性にすぐれる。インク液供給にむらがなくなる。 (iii)毛管作用を本発明装置向けに最大限に利用するた
めの毛管又はギャップの大きさの範囲については、液面
における表面張力を外部振動により発生する圧力はおお
よぞ圧力P=2×表面張力係数÷毛管径又はギャップ の関係になる。外部振動による加速度をnG(nは整
数、Gは重力加速度)とすると単位体積当り 圧力P=nG×液体の密度 となる。液体の表面張力はおよそ20〜70dyn/c
mであり、外部振動の加速度をおよそ5Gとすると 毛管径又はギャップ=2×(20〜70)÷5÷980 =0.008〜0.029(cm) つまり、80〜300μmの範囲が望ましいことにあ
る。ただし、前記の加速度が5G以下であればこれより
広い値をとることができる。
【0092】そこで今、市販の加振機を用いて5Gの外
部振動を矩形波の形で与え、記録剤には表面張力40d
yn/cmで粘度20cpの水性インク液を用いて、図
16に示した装置を用意した。ここで、毛管作用を与え
る部材は記録体7に近接した平板の板材5とした。
部振動を矩形波の形で与え、記録剤には表面張力40d
yn/cmで粘度20cpの水性インク液を用いて、図
16に示した装置を用意した。ここで、毛管作用を与え
る部材は記録体7に近接した平板の板材5とした。
【0093】なお、図16(a)は記録剤3aが記録体
7から離れる部位にブレード5が設けられている様子を
表わしている。また、図16(b)は図16(a)の破
線の丸で表わしたところ拡大したものどある。記録体7
と板材5とのギャップ(d)と印字画質との対応結果は
表1で表わされた。
7から離れる部位にブレード5が設けられている様子を
表わしている。また、図16(b)は図16(a)の破
線の丸で表わしたところ拡大したものどある。記録体7
と板材5とのギャップ(d)と印字画質との対応結果は
表1で表わされた。
【0094】
【表1】
【0095】ブレード5の厚さは記録剤3aの粘度、記
録体7とブレード5との間隔(d)の値等により異なる
が、記録体7の移動により間隔(d)が変化しない程度
の強度を有すればよい。間隔(d)が狭ければ、前記の
原理により毛管作用と流体抵抗力が働くため、外部振動
により発生したインク内圧変動は抑制される。すなわ
ち、ブレード5を設けることにより、液面の波状変動を
制動することができる。間隔(d)はインクの表面張力
及び粘度により異なるが、本発明者らはさまざまなイン
クを用いて検討した結果、dは1.0μm〜1mmの範
囲であれば、すくれた液面制動効果があることを確め
た。
録体7とブレード5との間隔(d)の値等により異なる
が、記録体7の移動により間隔(d)が変化しない程度
の強度を有すればよい。間隔(d)が狭ければ、前記の
原理により毛管作用と流体抵抗力が働くため、外部振動
により発生したインク内圧変動は抑制される。すなわ
ち、ブレード5を設けることにより、液面の波状変動を
制動することができる。間隔(d)はインクの表面張力
及び粘度により異なるが、本発明者らはさまざまなイン
クを用いて検討した結果、dは1.0μm〜1mmの範
囲であれば、すくれた液面制動効果があることを確め
た。
【0096】ブレード5の構造は単なる板状平面体でな
く、図17に示したように、記録体7に面した側に凹凸
形状を施しておけば潜像部への記録剤3aの付着の均一
性が格段に向上する。この凹部のピッチは潜像部のピッ
チにあわせておくことが望ましい。即ち、こうした凹凸
形状が設けられていると、記録体7から記録剤3aが剥
離する部位におけるインク液面はブレード5の凹部が
山、凸部が腹に対応した周期的な波状面となる(図1
8)。この状態で潜像部が記録体の移動にともない液面
を通過すると、潜像部で液面が山となっているため記録
剤3aがスムーズに潜像部に付着しやすくなり、各潜像
部のインク付着の均一性が向上する。記録剤3aに対し
て疎液性を有し、記録体7に向いあった面が親液性を有
していると、ブレードの上面端部のインク保持力が増す
るため、液面制動力がより向上する。
く、図17に示したように、記録体7に面した側に凹凸
形状を施しておけば潜像部への記録剤3aの付着の均一
性が格段に向上する。この凹部のピッチは潜像部のピッ
チにあわせておくことが望ましい。即ち、こうした凹凸
形状が設けられていると、記録体7から記録剤3aが剥
離する部位におけるインク液面はブレード5の凹部が
山、凸部が腹に対応した周期的な波状面となる(図1
8)。この状態で潜像部が記録体の移動にともない液面
を通過すると、潜像部で液面が山となっているため記録
剤3aがスムーズに潜像部に付着しやすくなり、各潜像
部のインク付着の均一性が向上する。記録剤3aに対し
て疎液性を有し、記録体7に向いあった面が親液性を有
していると、ブレードの上面端部のインク保持力が増す
るため、液面制動力がより向上する。
【0097】ブレード5の材質としては金属、ガラス、
樹脂のいずれであってもよい。
樹脂のいずれであってもよい。
【0098】ブレード上の上面5aの疎液性の付与方法
としては、撥水撥油の塗布、プラズマ重合法によるフッ
素樹脂コートなどがよい。親液性の付与としては、コロ
ナ放電処理、酸化処理、親水性材料のコーティング等が
よければよい(図19)。
としては、撥水撥油の塗布、プラズマ重合法によるフッ
素樹脂コートなどがよい。親液性の付与としては、コロ
ナ放電処理、酸化処理、親水性材料のコーティング等が
よければよい(図19)。
【0099】潜像領域を顕像化させるのに記録剤の供給
を毛管作用により行なう手段は、記録体7とブレード5
との間隔(d)に頼るだけでなく、既述のように、図2
0、図21、図22、図23及び図24に示した装置を
用いることもできる。
を毛管作用により行なう手段は、記録体7とブレード5
との間隔(d)に頼るだけでなく、既述のように、図2
0、図21、図22、図23及び図24に示した装置を
用いることもできる。
【0100】図20(a)は本発明に係る装置の一例の
概略を示しており、31bは記録剤の収納タンク、8は
記録剤の供給部、81は収納タンク31bと供給部8と
を結ぶ導管、62は転写ローラである。
概略を示しており、31bは記録剤の収納タンク、8は
記録剤の供給部、81は収納タンク31bと供給部8と
を結ぶ導管、62は転写ローラである。
【0101】記録剤供給部8は図20の(a)(b)に
みられるごとく、その先端が細くなっており、その端部
は記録体7表面に接しているか、又は、接していなくて
も記録剤3aが表面張力で盛りあがることでその記録剤
が記録体7に接するように近接したところに位置してい
る。即ち、いずれにしても、記録剤供給部8の先端は、
記録剤3aが毛管作用によって記録体7表面に供給され
るような手段が採用されており、先端は孔がスリット状
に形成されている。なお、このスリット状孔の長さは記
録体7の軸方向の長さとほぼ等しくなっている。
みられるごとく、その先端が細くなっており、その端部
は記録体7表面に接しているか、又は、接していなくて
も記録剤3aが表面張力で盛りあがることでその記録剤
が記録体7に接するように近接したところに位置してい
る。即ち、いずれにしても、記録剤供給部8の先端は、
記録剤3aが毛管作用によって記録体7表面に供給され
るような手段が採用されており、先端は孔がスリット状
に形成されている。なお、このスリット状孔の長さは記
録体7の軸方向の長さとほぼ等しくなっている。
【0102】さて、記録体7の表面(膜2)に記録剤3
aが供給された直後、画像信号に対応して熱がサーマル
ヘッド43から与えられると、潜像(S)が形成される
とともにその潜像(S)面に記録剤3a′が付着され
る。この記録体7上に付着した記録剤3a′は記録紙6
1に転写され、ここに画像3a″が得られる。
aが供給された直後、画像信号に対応して熱がサーマル
ヘッド43から与えられると、潜像(S)が形成される
とともにその潜像(S)面に記録剤3a′が付着され
る。この記録体7上に付着した記録剤3a′は記録紙6
1に転写され、ここに画像3a″が得られる。
【0103】記録体7の潜像(S)に付着して消費され
不足されるようになる記録剤供給部8の先端の記録剤
は、新たな記録剤3aが導管81を通して瞬時に補給さ
れる。また、図中では、記録体7に記録剤3aが供給さ
れた直後に加熱が行なわれるようになっているが、この
逆、即ち、記録剤3aの供給に先立ってサーマルヘッド
43からの加熱がなされても同様な結果を得ることがで
きる。
不足されるようになる記録剤供給部8の先端の記録剤
は、新たな記録剤3aが導管81を通して瞬時に補給さ
れる。また、図中では、記録体7に記録剤3aが供給さ
れた直後に加熱が行なわれるようになっているが、この
逆、即ち、記録剤3aの供給に先立ってサーマルヘッド
43からの加熱がなされても同様な結果を得ることがで
きる。
【0104】図21(a)はサーマルヘッド43の片面
と一枚のプレートとで記録剤供給部8′を形成した例で
ある。図20(b)に示した記録剤供給部8は、側板を
除けば、上下2枚のプレートで構成されているが、図2
1(a)の記録剤供給部8′はプレートが一枚である点
で幾分相違している。また、この例では、サーマルヘッ
ド43の形状は図21(b)に示されるように、先端部
には記録体7を加熱する加熱部43aがドットの間隔で
並べられており、更に、サーマルヘッド43′及び記録
体7の幅は等しくされている。図21(a)に示した記
録装置は、図20(a)のものに比較して構造が簡単で
あり、サーマルヘッド43と記録剤供給部8′との位置
を調整する必要がない等の利点がある。
と一枚のプレートとで記録剤供給部8′を形成した例で
ある。図20(b)に示した記録剤供給部8は、側板を
除けば、上下2枚のプレートで構成されているが、図2
1(a)の記録剤供給部8′はプレートが一枚である点
で幾分相違している。また、この例では、サーマルヘッ
ド43の形状は図21(b)に示されるように、先端部
には記録体7を加熱する加熱部43aがドットの間隔で
並べられており、更に、サーマルヘッド43′及び記録
体7の幅は等しくされている。図21(a)に示した記
録装置は、図20(a)のものに比較して構造が簡単で
あり、サーマルヘッド43と記録剤供給部8′との位置
を調整する必要がない等の利点がある。
【0105】図22(a)はサーマルヘッド43′に溝
部44を設け、溝部44の両端から記録剤3aを供給す
るようにした例である。図22(b)は図22(a)の
サーマルヘッド43′のB方向からみたときの図であ
る。この図22(a)に示した例においても、記録剤3
aを供給するメカニズムは図20において説明したのと
同様である。そして、この図22(a)の例の利点は図
21(a)の例よりもさらに装置が簡単になり、部品点
数を減少させることができることである。但し、記録剤
3aをサーマルヘッド43′の両端から供給しているの
で、高速記録時には、溝部44の中央の記録剤3aが不
足する可能性がないとはいえない。
部44を設け、溝部44の両端から記録剤3aを供給す
るようにした例である。図22(b)は図22(a)の
サーマルヘッド43′のB方向からみたときの図であ
る。この図22(a)に示した例においても、記録剤3
aを供給するメカニズムは図20において説明したのと
同様である。そして、この図22(a)の例の利点は図
21(a)の例よりもさらに装置が簡単になり、部品点
数を減少させることができることである。但し、記録剤
3aをサーマルヘッド43′の両端から供給しているの
で、高速記録時には、溝部44の中央の記録剤3aが不
足する可能性がないとはいえない。
【0106】そこで、図22(c)に示したように、サ
ーマルヘッド43′の両端以外からの例えば三カ所から
も記録剤3aを溝部44に供給されることが考えられて
よい。図7(c)はそうした場合のサーマルヘッドの斜
視図である。
ーマルヘッド43′の両端以外からの例えば三カ所から
も記録剤3aを溝部44に供給されることが考えられて
よい。図7(c)はそうした場合のサーマルヘッドの斜
視図である。
【0107】また、高速記録に対応するため、サーマル
ヘッドの幅方向全面から記録剤3aを供給することが考
えられる。そうした場合の好ましい例を図23に示し
た。図23に示した例においては、導管81は記録体7
の幅と同じ幅にすることが考えられる。43″はサーマ
ルヘッドである。
ヘッドの幅方向全面から記録剤3aを供給することが考
えられる。そうした場合の好ましい例を図23に示し
た。図23に示した例においては、導管81は記録体7
の幅と同じ幅にすることが考えられる。43″はサーマ
ルヘッドである。
【0108】これまで図20から図23にあげた記録剤
供給手段は、例えば図17に示した手段などといずれも
毛管作用によって記録剤を記録体(A)の表面に付与す
るという点で共通している。そして、前者のその毛管作
用をより効果的にするために、前記の記録剤供給部8又
は溝部44に多孔質体9を充填しておくことが望ましい
(図24)。そうすることにより、記録剤3aの供給は
安定し、従って、良質画像が得られるようになる。
供給手段は、例えば図17に示した手段などといずれも
毛管作用によって記録剤を記録体(A)の表面に付与す
るという点で共通している。そして、前者のその毛管作
用をより効果的にするために、前記の記録剤供給部8又
は溝部44に多孔質体9を充填しておくことが望ましい
(図24)。そうすることにより、記録剤3aの供給は
安定し、従って、良質画像が得られるようになる。
【0109】
【実施例】実施例1 成形体材料として、パーフルオロメチルメタクリレート
(大阪有機化学社製「ビスコート17FM))をモノマ
ーとして、1,1,1−トリクロロエタン中で溶液重合
にて調製したホモポリマーを用いた。この材料を精製し
た後、フレオン113(三井フロロケミカル社製「フレ
オンTF」)にて希釈し、7重量%のコート液を調製し
た。このコート液をポリイミドフィルム上にキャスト
(約3μm膜厚の記録体を作製し、φ100mmのアル
ミ製円筒管にまきつけ図16(a)に示す構成にて、装
置を作った。加熱源として、8dot/mmのサーマル
ヘッドを用いた。記録剤としては、黒色酸性染料を溶解
したインク(粘度6cp、表面張力45dyn/cm)
を用いた。インク容器はポリエチレン製の皿を用い、こ
の中にインクを満して、サーマルヘッドと記録体7が接
するように配置した。ブレードとして厚さ約2mmのス
テンレス製の板を用い、記録体7とステンレス板5との
間隔(d)が約5.0μmとなるように調整し、上記皿
の端部に接着固定した。このようにして作製した装置を
加振器の上に置いた状態で画像記録を行なったところ、
3Gまで記録画像の乱れは認められなかった。
(大阪有機化学社製「ビスコート17FM))をモノマ
ーとして、1,1,1−トリクロロエタン中で溶液重合
にて調製したホモポリマーを用いた。この材料を精製し
た後、フレオン113(三井フロロケミカル社製「フレ
オンTF」)にて希釈し、7重量%のコート液を調製し
た。このコート液をポリイミドフィルム上にキャスト
(約3μm膜厚の記録体を作製し、φ100mmのアル
ミ製円筒管にまきつけ図16(a)に示す構成にて、装
置を作った。加熱源として、8dot/mmのサーマル
ヘッドを用いた。記録剤としては、黒色酸性染料を溶解
したインク(粘度6cp、表面張力45dyn/cm)
を用いた。インク容器はポリエチレン製の皿を用い、こ
の中にインクを満して、サーマルヘッドと記録体7が接
するように配置した。ブレードとして厚さ約2mmのス
テンレス製の板を用い、記録体7とステンレス板5との
間隔(d)が約5.0μmとなるように調整し、上記皿
の端部に接着固定した。このようにして作製した装置を
加振器の上に置いた状態で画像記録を行なったところ、
3Gまで記録画像の乱れは認められなかった。
【0110】実施例2 実施例1と同じ装置を用いた。但し、ブレードとして厚
さ約2mmのガラス板を用い、その上端部面を撥水撥油
剤[フロラードFL−721(住友3M社製)]にてコ
ートした。このブレードを記録体に間隔(d)約0.5
mmにて、対面して設置した。また、記録剤には粘度2
0cp、表面張力40dyn/cmの油性インク(溶
媒:n−オクタン、顔料:カーボンブラック)をインク
として用いた。実施例1と同じく外部振動を与えたとこ
ろ4.5G(4.5Gのときd=0.5mm)まで記録
画像の乱れは生じなかった。
さ約2mmのガラス板を用い、その上端部面を撥水撥油
剤[フロラードFL−721(住友3M社製)]にてコ
ートした。このブレードを記録体に間隔(d)約0.5
mmにて、対面して設置した。また、記録剤には粘度2
0cp、表面張力40dyn/cmの油性インク(溶
媒:n−オクタン、顔料:カーボンブラック)をインク
として用いた。実施例1と同じく外部振動を与えたとこ
ろ4.5G(4.5Gのときd=0.5mm)まで記録
画像の乱れは生じなかった。
【0111】実施例3 実施例1と同じ装置を用いた。但し、ブレードとして、
感光性樹脂を用い、露光パターンにより凹部深さ:約5
0μm、巾:約110μmにて、約125μmごとに凹
部を有するものを作製した。これを面して配置した。ま
た、記録剤として、粘度2.0cp、表面張力45dy
n/cmの黒色水性インクを用いた。この装置にて画像
記録を行ったところ、加振しない状態でもブレードがな
い場合に比べ、潜像部への付着インク滴径のバラツキは
著しく少なかった。さらに、加振を行なったところ、4
Gまで記録画像の乱れは生じなかった。
感光性樹脂を用い、露光パターンにより凹部深さ:約5
0μm、巾:約110μmにて、約125μmごとに凹
部を有するものを作製した。これを面して配置した。ま
た、記録剤として、粘度2.0cp、表面張力45dy
n/cmの黒色水性インクを用いた。この装置にて画像
記録を行ったところ、加振しない状態でもブレードがな
い場合に比べ、潜像部への付着インク滴径のバラツキは
著しく少なかった。さらに、加振を行なったところ、4
Gまで記録画像の乱れは生じなかった。
【0112】実施例4 記録体(A)は、φ100mmの円筒状のアルミ管上に
ポリイミド樹脂をコートした部材を基板として、この上
に、含フツ素メタクリレート系材料(ダイキン工業社製
「テレックスガードTG−702」)をディップコート
し、90℃で30分間乾燥して作製した。加熱手段とし
て8ドット/mmのサーマル経ッドを用い、図20に示
すごとく、水性インクを介して記録体7に接して、パル
ス巾0.5msec、駆動電極12Vの駆動条件で加熱
を行い、その後付着インクを紙に転写したところ、良質
の画像が得られた。
ポリイミド樹脂をコートした部材を基板として、この上
に、含フツ素メタクリレート系材料(ダイキン工業社製
「テレックスガードTG−702」)をディップコート
し、90℃で30分間乾燥して作製した。加熱手段とし
て8ドット/mmのサーマル経ッドを用い、図20に示
すごとく、水性インクを介して記録体7に接して、パル
ス巾0.5msec、駆動電極12Vの駆動条件で加熱
を行い、その後付着インクを紙に転写したところ、良質
の画像が得られた。
【0113】実施例5 記録体(A)の作製は実施例4と同じ方法を用いて行っ
た。加熱手段として8ドット/mmのサーマルヘッドを
用い、図21に示すごとく、水性インクを介して記録体
7に接して記録体50mm/sec速度で移動しなが
ら、パルス巾0.5msec、駆動電圧12Vの駆動条
件で加熱を行い、付着インクを紙に転写したところ、良
質の画像が得られた。
た。加熱手段として8ドット/mmのサーマルヘッドを
用い、図21に示すごとく、水性インクを介して記録体
7に接して記録体50mm/sec速度で移動しなが
ら、パルス巾0.5msec、駆動電圧12Vの駆動条
件で加熱を行い、付着インクを紙に転写したところ、良
質の画像が得られた。
【0114】比較例 実施例1の構成において、ブレードを設けないで加熱器
に置いた。加振しながら画像記録を行なったところ、
0.2Gにて記録画像の乱れが認められた。
に置いた。加振しながら画像記録を行なったところ、
0.2Gにて記録画像の乱れが認められた。
【0115】
【発明の効果】本発明の装置によれば、可逆的に多数枚
の良質な所望画像を得ることができる。
の良質な所望画像を得ることができる。
【図1】(a)(b)(c)及び(d)は表面自己配向
機能を有する形態の模式的な四例の図である。
機能を有する形態の模式的な四例の図である。
【図2】(a)及び(b)は本発明装置における記録体
(A)の作用を基本的に説明するための図である。
(A)の作用を基本的に説明するための図である。
【図3】本発明装置における記録体(A)の作用をさら
に説明するための図である。
に説明するための図である。
【図4】本発明に係る記録体(A)表面に液体を接触さ
せた状態で記録体(A)表面を加熱した場合、その記録
体(A)表面にみられる後退接触角θrの変化を表わし
た図である。
せた状態で記録体(A)表面を加熱した場合、その記録
体(A)表面にみられる後退接触角θrの変化を表わし
た図である。
【図5】(a)(b)及び(c)は本発明装置を用いた
場合の三つの実施態様を示したものである。
場合の三つの実施態様を示したものである。
【図6】(a)及び(b)は記録体(A)に加熱を施す
のに有用な手段の二例を表わした図である。
のに有用な手段の二例を表わした図である。
【図7】(a)(b)(c)及び(d)は記録体(A)
表面に潜像を形成する手段の四例を表わした図である。
表面に潜像を形成する手段の四例を表わした図である。
【図8】記録体(A)表面の潜像を可視像化(現像)す
る方法を表わした図である。
る方法を表わした図である。
【図9】記録体(A)表面に潜像形成とともに可視像化
を施す手段を示した図である。
を施す手段を示した図である。
【図10】本発明装置によりつくられた記録物の応用例
を示した図である。
を示した図である。
【図11】本発明装置によりつくられた他の記録物の応
用例を示した図である。
用例を示した図である。
【図12】記録体(A)を用いて印字画像を得る例を示
した図である。
した図である。
【図13】記録体(A)を用いて印字画像を得る他の1
例を示した図である。
例を示した図である。
【図14】(a)及び(b)は本発明装置を用いない場
合の欠点を説明するための図である。
合の欠点を説明するための図である。
【図15】2つの平面の間に液体が存在するとき、液体
の圧力と液面に働くその関係を説明するための図であ
る。
の圧力と液面に働くその関係を説明するための図であ
る。
【図16】(a)は記録剤3aが記録体(A)から離れ
る部位にブレーとが設けられている図、(b)は(a)
の破線の丸で表わしたところを拡大したものである。
る部位にブレーとが設けられている図、(b)は(a)
の破線の丸で表わしたところを拡大したものである。
【図17】記録体(A)に対面したブレードに凹凸形状
が施されている図である。
が施されている図である。
【図18】(a)及び(b)は凹凸形状を有するブレー
ドによれば、各潜像部のインク付着の均一性が向上する
ことを説明するための図である。
ドによれば、各潜像部のインク付着の均一性が向上する
ことを説明するための図である。
【図19】ブレードの上面を疎液性とした図である。
【図20】(a)は本発明装置の他の具体例の図であ
り、(b)はその記録剤供給部の拡大図である。
り、(b)はその記録剤供給部の拡大図である。
【図21】(a)は本発明装置の更に他の具体例の図で
あり、(b)はその記録剤供給部の拡大図である。
あり、(b)はその記録剤供給部の拡大図である。
【図22】(a)は本発明装置の更にまた他の具体例の
図であり、(b)及び(c)はその記録剤供給部の二例
の拡大図である。
図であり、(b)及び(c)はその記録剤供給部の二例
の拡大図である。
【図23】本発明装置のまた更に他の具体例を示した図
である。
である。
【図24】本発明装置のその他の具体例を示した図であ
る。
る。
1 基板 2 膜 3a インク液 4 ヒータ(43・・・サーマルヘッド) 5 ブレード 7 記録体(A) 8 記録剤供給部
フロントページの続き (72)発明者 大山口 章 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 渡辺 好夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭60−145890(JP,A) 特開 平3−227255(JP,A) 特開 平3−224785(JP,A) 特開 昭63−102986(JP,A) 特開 昭56−99692(JP,A) 特開 昭59−162057(JP,A) 特開 平3−178478(JP,A) 特開 平3−205184(JP,A) 特開 平3−205185(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】 下記記録体(A)の表面を下記接触材料(B)
と接触させた状態で選択的に加熱することにより又は記
録体(A)の表面を選択的に加熱した状態で接触材料(B)と
接触させることにより記録体(A)の表面に加熱温度に応
じた後退接触角を示す潜像領域を形成せしめる接触材料
(B)を記録体(A)表面に供給する手段と、記録体(A)の表
面を加熱する手段と、該潜像領域を顕像化させる記録剤
の供給を毛管作用により行なう記録剤付与手段とを設け
てなることを特徴とする記録装置。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触角
が低下する表面を有する記録体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の低下開
始温度以下で液体となるか、液体もしくは蒸気を発生す
る固体。 - 【請求項2】 前記の記録体(A)表面に接触材料(B)を供
給する手段と、記録剤付与手段とを1つのものにした請
求項1記載の記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9812391A JP2606760B2 (ja) | 1990-04-25 | 1991-04-03 | 記録装置 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11139890 | 1990-04-25 | ||
JP2-111398 | 1990-04-25 | ||
JP2-116172 | 1990-05-02 | ||
JP11617290 | 1990-05-02 | ||
JP9812391A JP2606760B2 (ja) | 1990-04-25 | 1991-04-03 | 記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04226370A JPH04226370A (ja) | 1992-08-17 |
JP2606760B2 true JP2606760B2 (ja) | 1997-05-07 |
Family
ID=27308588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9812391A Expired - Fee Related JP2606760B2 (ja) | 1990-04-25 | 1991-04-03 | 記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2606760B2 (ja) |
-
1991
- 1991-04-03 JP JP9812391A patent/JP2606760B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04226370A (ja) | 1992-08-17 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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