JP2020056921A - 湿度応答性可逆変形構造体及びその製造方法 - Google Patents

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靖洋 羽場
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Abstract

【課題】可逆的にフィルムのヘイズ値、拡散透過率、及び写像性を変化させることが可能な湿度応答性可逆変形構造体及びその製造方法を提供する。【解決手段】湿度応答性可逆変形構造体は、基材フィルムとマトリックスとを有し、マトリックスは、水分を吸着及び脱離する特性を有する樹脂により構成され、マトリックスの水分の吸着に伴う体積膨張によって、マトリックスの表面に凹凸形状が形成され、マトリックスの水分の脱離に伴う体積収縮によって、マトリックスの表面が平滑となり、マトリックスの表面の、カットオフ値λfが0.8mm、カットオフ値λcが0.08mmの輪郭曲線フィルタにより得られるうねり曲線要素の二乗平均平方根うねりが、マトリックスが水分を吸着していない状態では1.5μm以下であり、マトリックスが水分を吸着した状態では2μm以上となり、マトリックスが水分を脱離した状態では1.5μm以下に戻る。【選択図】図2

Description

本発明は、水分の吸着及び脱離に伴って可逆的に体積変形する湿度応答性可逆変形構造体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、基材フィルムと、基材フィルムの少なくとも片面側に形成されたマトリックスとを有し、マトリックスが水分を吸着及び脱離する特性を有する樹脂により構成され、マトリックスの水分の吸着及び脱離に伴う体積変化によって拡散透過率、ヘイズ値が変化することを特徴とする、湿度応答性可逆変形構造体及びその製造方法に関する。
ディスプレイなどの表面に外光が反射する事を防止する事を目的として設けられる反射防止フィルムとして、基材フィルムの表面に形成されたハードコート層の中に微粒子を配置することで表面に凹凸を形成し、この凹凸が外光を散乱させることで、外光などのディスプレイへの映り込みを抑制する防眩フィルム(AGフィルム)が知られている(特許文献1参照)。
こうした防眩フィルムは、基本的には使用されるいずれの分野においても、気温・湿度などの外乱因子に対し変化しないことが求められている。
また一方で、所定量の水分を含む熱応答性高分子ゲルフィルムに熱を加えることにより全光線透過率を変化させるフィルムも知られている(特許文献2参照)。
特開平6−18706号公報 特許第5683072号公報
これに対し、本発明では、湿度、水分など使用環境の変化によって、フィルムのヘイズ値、拡散透過率が変化することを機能として捉え、フィルムとしての全光線透過率をほとんど変化させることなく、可逆的にフィルムのヘイズ値、拡散透過率、及び写像性(像鮮明度)を変化させることが可能な湿度応答性可逆変形構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明に係る湿度応答性可逆変形構造体は、基材フィルムと、基材フィルムの少なくとも片面側に形成されたマトリックスとを有し、マトリックスは、水分を吸着及び脱離する特性を有する樹脂により構成され、マトリックスの水分の吸着に伴う体積膨張によって、基材フィルムから見て遠い側にあるマトリックスの表面に凹凸形状が形成され、マトリックスの水分の脱離に伴う体積収縮によって、マトリックスの表面が平滑となり、マトリックスの表面の、うねり成分とそれより長い波長成分との境界を定義するカットオフ値λfが0.8mm、粗さ成分とうねり成分との境界を定義するカットオフ値λcが0.08mmの輪郭曲線フィルタにより得られるうねり曲線要素の二乗平均平方根うねりが、マトリックスが水分を吸着していない状態では1.5μm以下であり、マトリックスが水分を吸着した状態では2μm以上となり、マトリックスが水分を脱離した状態では1.5μm以下に戻ることを特徴とする。
また、湿度応答性可逆変形構造体は、マトリックスが水分を吸着した状態では、マトリックスが水分を吸着していない状態よりも、ヘイズ値が20%以上上昇し、拡散透過率が20%以上上昇し、平行光線透過率が20%以上低下し、マトリックスが水分を脱離した状態では、ヘイズ値、拡散透過率、及び平行光線透過率が、マトリックスが水分を吸着していない状態に戻ることが好ましい。
また、湿度応答性可逆変形構造体は、JIS K7374:2007に則って測定した光学くしの幅2mmの像鮮明度の透過測定において、マトリックスが水分を吸着していない状態では90%以上であり、マトリックスが水分を吸着した状態では40%以下となり、マトリックスが水分を脱離した状態では90%以上に戻ることが好ましい。
また、樹脂が、硬化性樹脂材料の重合体あるいは共重合体であることが好ましい。
また、硬化性樹脂材料が、電離放射線硬化性あるいは熱硬化性を有することが好ましい。
また、マトリックスの内部の水分の吸着及び脱離に伴う体積変化が、マトリックスの組成、硬化度、架橋密度、重合度のいずれかによって制御されていてもよい。
また、本発明の湿度応答性可逆変形構造体の製造方法は、硬化性樹脂材料を含む塗液を調製する塗液調製工程と、塗液を基材フィルム上に塗布する塗布工程と、基材フィルム上に塗布した塗液を熱処理して塗膜を形成する熱処理工程と、塗膜に電離放射線を照射して硬化させて、基材フィルム上に硬化膜からなるマトリックスを形成する電離放射線照射工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、基材フィルム上に形成したマトリックスの水分の吸着及び脱離に伴う可逆的な体積変化を利用し、フィルムとしての全光線透過率をほとんど変化させることなく、可逆的にフィルムのヘイズ値、拡散透過率、及び写像性を変化させることが可能な湿度応答性可逆変形構造体及びその製造方法を提供できる。これを利用して湿度センサーや、窓用フィルム、使用環境の水分量変化により視覚効果を与えるデバイスなどへの展開が可能となる。
本発明の実施の形態に係る湿度応答性可逆変形構造体の断面模式図(水分を吸着していない状態)。 本発明の実施の形態に係る湿度応答性可逆変形構造体の断面模式図(水分を吸着した状態)。 基材フィルムのマトリックスが形成されていない側に文字を印刷した紙を貼合した湿度応答性可逆変形構造体の水分を吸着していない状態及び水分を吸着した状態を示す写真。 基材フィルムのマトリックスが形成されていない側に文字を印刷した紙を1cm離して配置した湿度応答性可逆変形構造体の水分を吸着していない状態及び水分を吸着した状態を示す写真。 本発明の実施の形態に係る湿度応答性可逆変形構造体のマトリックス表面の顕微鏡写真(水分を吸着していない状態)。 本発明の実施の形態に係る湿度応答性可逆変形構造体のマトリックス表面の顕微鏡写真(水分を吸着した状態)。 本発明の実施の形態に係る湿度応答性可逆変形構造体のマトリックス表面の顕微鏡写真(水分を脱離した状態)。
(湿度応答性可逆変形構造体)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は、実施の形態に係る湿度応答性可逆変形構造体の一例を示した断面模式図である。図1及び図2に示すように、湿度応答性可逆変形構造体1は、基材フィルム12と、基材フィルム12上に密着して形成された、水分の吸着及び脱離により体積が変化する材料からなるマトリックス11とを有する。図1の湿度応答性可逆変形構造体1は、マトリックス11が水分を吸着していない状態(水分を吸着する前の状態)を示す断面模式図である。図2の湿度応答性可逆変形構造体1は、マトリックス11が水分を吸着した状態(水分を吸着した後の状態)を示す断面模式図である。尚、マトリックス11は、基材フィルム12の両面に形成されていてもよい。
マトリックス11が、図1の水分を吸着していない状態から図2の水分を吸着した状態となった場合、マトリックス11の体積が増加するが、マトリックス11と基材フィルム12とは密着しているため、マトリックス11の膨張に伴う応力が、マトリックス11の基材フィルム12に接した面とは逆側のマトリックス表面に生じる。その結果、基材フィルム12とは接していないマトリックス12の表面は、凹凸形状が形成された状態となる。逆に、マトリックス11が、図2の水分を吸着した状態から水を脱離すると、マトリックス11の体積が減少して、マトリックス11は図1の水分を吸着していない状態である元の状態に戻る。
尚、本明細書において、水分とは、気体、液体、固体(気相、液相、固相)のいずれであってもよく、例えば水であれば、水蒸気、液滴、氷のいずれであってもよい。水分は、マトリックス11に対して吸着及び脱離可能であればよい。水分は、単独でなく、他の物質と混合していても良い。例えば、水蒸気に他の成分(例えば香料成分)が混合していても良い。また、水分は、分子内に水酸基(−OH)を有する物質、例えばアルコールが含まれていてもよい。
実施の形態において、マトリックス11の表面に形成された凹凸形状を、うねり曲線要素の二乗平均平方根うねりをもちいて説明するが、これらはJIS B 0601:2001によって定義されている。
実施の形態に係るマトリックス11の表面は、通常、短い波長成分(粗さ)、長い波長成分(うねり)、及び更に長い波長成分が同時に含まれている。そこで、実施の形態では、マトリックス11の表面における形状変化の状態をうねり曲線により説明する。実施の形態において、カットオフ値λfとは、うねり成分とそれより長い波長成分との境界を定義するフィルタであり、カットオフ値λcとは、粗さ成分とうねり成分との境界を定義するフィルタである。実施の形態ではカットオフ値λfとカットオフ値λcを用いて、うねりの成分以外の波長を取り除きマトリックス11の表面の形状変化について説明する。
実施の形態において、うねり曲線要素の二乗平均平方根うねりとは、測定した基準長さにおける輪郭曲線要素の高さZtの二乗平均平方根である。
水分を吸着した状態のマトリックス11の表面に形成された凹凸形状のピッチは大小あるが平均して80μm以上であり、凹凸形状の山10ケ分が平均して800μm程度であることから、カットオフ値λfとカットオフ値λcをそれぞれ800μm、80μmと設定した。
このときマトリックス11の表面のうねり曲線要素の二乗平均平方根うねりが、マトリックス11が水分を吸着していない状態において1.5μm以下の場合、湿度応答性可逆変形構造体1は透明であり、水分を吸着した状態において2.0μm以上に変化した場合、湿度応答性可逆変形構造体1のヘイズ値、散乱透過率が上昇し、平行線透過率が低減する。
また、湿度応答性可逆変形構造体1は、JIS K7374:2007に則って測定した光学くしの幅2mmの像鮮明度の透過測定において、マトリックス11が水分を吸着していない状態では像鮮明度が90%以上であり、マトリックス11が水分を吸着した状態では像鮮明度が40%以下に低下し、マトリックス11が水分を脱離した状態では像鮮明度が可逆的に90%以上に戻る。
図3は、基材フィルムのマトリックスが形成されていない側に文字を印刷した紙を貼合した湿度応答性可逆変形構造体の写真である。図3は、基材フィルム12のマトリックス11が形成されていない側に、印刷面を基材フィルム12側に向けて紙を貼合し、マトリックス11が形成された側から印刷面の透過像を撮影した写真であって、図3(a)は、マトリックス11が水分を吸着していない状態を示す写真であり、図3(b)は、マトリックス11が水分を吸着した状態を示す写真である。また、図4は、基材フィルムのマトリックスが形成されていない側に文字を印刷した紙を1cm離して配置した湿度応答性可逆変形構造体の写真である。図4は、基材フィルム12のマトリックス11が形成されていない側に、印刷面を基材フィルム12側に向けて紙を1cm離して配置し、マトリックス11が形成された側から印刷面の透過像を撮影した写真であって、図4(a)は、マトリックス11が水分を吸着していない状態を示す写真であり、図4(b)は、マトリックス11が水分を吸着した状態を示す写真である。
マトリックス11が水分を吸着することでヘイズ値は大幅に上昇するが、全光線透過率はほぼ変化がない。そのため、図3(b)に示すように、湿度応答性可逆変形構造体1の基材フィルム12側に文字を印刷した紙を貼合した場合において、文字の境界がぎらつくものの、文字を視認することができる。一方、写像性は大幅に低下するため、図4(b)に示すように、基材フィルム12側から文字を印刷した紙を少しでも離して配置すると、文字は全く認識できなくなることがわかる。
湿度応答性可逆変形構造体1によれば、マトリックス11が水分の吸着により白化しなくても、水分の吸着に伴う表面形状の変化により光散乱が生じ、拡散透過率、ヘイズ値を上昇させることが可能となる。
マトリックス11を構成する材料としては、水分の吸着、脱離に伴って体積変化を発現する材料であれば特に限定されないが、親水基であるカルボキシル基、アルデヒド基、水酸基、アミノ基、アミド基、スルホン基などを有する親水性高分子系材料、その混合系材料、あるいはそれらに粒子やフィラーなどを含む複合材料であることが好ましい。
親水性高分子系材料としては、例えば、ポリアクリル酸系、ポリマレイン酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリビニルピリジン系、ポリアクリルアミド系、ポリエチレンオキシド系、ポリビニルスルホン系などを挙げることができる。また、これらの材料系において2種類以上が主鎖あるいは側鎖に組み込まれて構成される混合物であってもよい。具体的には、ポリアクリル酸とポリビニルアルコール系の共重合体やポリアクリル酸とポリマレイン酸の共重合体などが挙げられる。
また、水分の吸着及び脱離により体積変化する混合材料系としては、ゲル材料なども好適に用いられる。具体的には、二種類の親水性高分子鎖が相互進入高分子網目を形成することで高強度化されたダブルネットワークゲルや粘土化合物であるクレイが物理架橋点として作用するナノコンポジットゲルなどが挙げられる。
上記の親水性高分子材料やゲル材料には、電離放射線硬化性あるいは熱硬化性を有する有機モノマー、オリゴマー、ポリマーにより形成される硬化性樹脂材料が含まれることが好ましい。
電離放射線硬化性有機モノマー、オリゴマーおよびポリマーとは、紫外線や電子線といった活性エネルギー線の照射により架橋反応を経て硬化する物質のことをいう。硬化性の材料を用いることで、平坦な膜形状だけでなく、パターニングによる描写も可能となる。また、硬化条件を変更することで架橋密度を制御することができるため、水分の吸着、脱離に伴う体積変化率をコントロールすることも可能である。
親水性高分子材料やゲル材料に用いられる電離放射線硬化性モノマー、オリゴマーとしては、具体的には、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド各種四級塩、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート各種四級塩、アクリル酸、各種アルキルアクリレート、メタクリル酸、各種アルキルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、スチレン、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリプロポキシ)フェニル〕プロパン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
実施の形態に係る熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂を主成分とし、より具体的には、不飽和ポリエステル樹脂が、不飽和ポリエステル樹脂と、水酸基及び炭素−炭素二重結合を有する反応性希釈剤と、重合開始剤とを必須成分とする樹脂組成物、又は、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂と、水酸基及び炭素−炭素二重結合を有するフェノール樹脂硬化剤と、硬化促進剤とを必須成分とする樹脂組成物が好ましい。
実施の形態に係る親水性高分子材料やゲル材料には、適宜、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、重合性官能基を2つ以上有する化合物を用いることができ、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−メチレン−ビス−N−ビニルアセトアミド、N,N−ブチレン−ビス−N−ビニルアセトアミド、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、アリル化デンプン、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリストールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。
また、実施の形態に係る親水性高分子材料やゲル材料には、適宜、フィラーを添加してもよい。フィラーの形状としては、球状、粒子状、針状、繊維状、板状、燐片形状、ロッド状、不定形等が挙げられ、親水性表面を持つものがモノマーや樹脂との相溶性の観点から好ましい。例えば、粒子状であれば、親水化処理された金属酸化物微粒子や金属微粒子、ゼオライト、ポリマー微粒子などが挙げられる。また、板状であれば、サポナイトやスティブンナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、ルーセンタイト、ソマシフなど水膨潤性の層状粘土化合物などが挙げられる。また、繊維状であればセルロースナノファイバーや親水化処理されたカーボンナノチューブ、ガラスフィラーなどが挙げられる。
実施の形態に係る親水性高分子材料やゲル材料には、その重合様式によって、重合開始剤を適宜選択することができる。重合開始剤としては、具体的には、過酸化水素、過硫酸塩、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等、アゾ系開始剤、例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1,−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕2塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル)、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスホンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等の紫外光によってラジカルを発生する化合物、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゼンや3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のパーオキシエステルに、チオピリリウム塩、メロシアニン、キノリン、スチルキノリン系色素を混合した物質等の360nm以上の波長の光によってラジカルを発生する化合物等が挙げられる。また、過酸化水素あるいは過硫酸塩は、例えば、亜硫酸塩、L−アスコルビン酸等の還元性物質やアミン塩等を組み合わせてレドックス系の開始剤としても使用することができる。
基材フィルム12には、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリウレタンフィルム、アクリルフィルム、塩化ビニルフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、紙、金属箔、経木などの木材、などのフィルムを使用することができ、その材質を問わないが、フィルムやシートであることが望ましい。またこれらが積層されていても構わないし、フィルム表面にコーティングや印刷、賦形処理が施されていても構わない。
基材フィルム12が水分の吸着及び脱離に伴い体積変化する場合、基材フィルム12が体積変化しない場合と比べて、マトリックス11の表面の凹凸形状が小さくなるか、あるいは、マトリックス11の表面の凹凸形状が発現しなくなる。そのため、基材フィルム12は、水分の吸着および脱離に伴う体積変化量が小さいことが好ましい。より好ましくは体積変化量が1%以下であることが好ましい。
基材フィルム12の膜厚は特に限定しないが、10μm以上100μm以下が好ましい。
本発明の効果を得るためには、マトリックス11と基材フィルム12とは強固に密着している必要がある。基材フィルム12のマトリックス11を形成する側の面に、オゾン処理やコロナ処理、プラズマ処理などの親水化処理を施すなどの方法を利用することができる。また、マトリックス11と基材フィルム12は粘着材または接着剤により固定されていても構わない。また、両者が強固に密着していない場合、湿潤刺激に対するマトリックス11の変形の繰り返し性が悪くなる。
(湿度応答性可逆変形構造体の製造方法)
次に、実施の形態に係る湿度応答性可逆変形構造体の製造方法について説明する。
マトリックス11を形成するための上述した材料と必要に応じて溶媒を混合し、マトリックス形成用塗液を調液する。
マトリックス形成用塗液に対しては、塗布性を向上させるため表面調整剤、消泡剤、レオロジーコントロール剤等を加えることもできる。
マトリックス形成用塗液の基材フィルム12へのコーティング方法としては、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、ダイコート法、インクジェット法、ディスペンサー法等、既存の塗布方法が挙げられるが、特に限定しない。
マトリックス11の厚みは、5μm以上100μm以下程度であることが好ましく、更に好ましくは10μm以上50μm以下程度であることがより好ましい。マトリックス11の厚みをある程度厚くしても、拡散透過率、ヘイズ値、及び写像性の変化は大きくならない。また、マトリックス11が薄すぎると、その効果が現れない。ただし、マトリックス11の厚みは上記範囲に限定されるものではない。
次に、基材フィルム12上に塗布された塗液を適宜熱処理により乾燥させて塗液内の溶媒を除去し、塗膜を形成する。熱処理は、適宜公知の乾燥手段を採用できる。例えば、乾燥手段として、加熱、送風、熱風、遠赤外線などを利用することができる。
マトリックス11の材料として電離放射線硬化性樹脂を使用する場合、熱処理工程の後に電離放射線照射工程を設ける。塗膜に電離放射線を照射することにより、塗膜を硬化させて硬化膜の形成を行う。電離放射線としては、紫外線、電子線などを採用できる。紫外線硬化の場合、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク、UV−LEDなどの光源を利用することができる。積算光量、照度は用いる樹脂によって異なるが、通常は紫外線源を搬送ラインに多段数設けておき、複数に分けて照射する。特に一段目の紫外線照射においては、光重合の暴走による内部応力の上昇を低減するため、ウェブの温度が60℃以下に保たれていることが好ましい。
基材フィルム12に塗液を塗布する替わりに、塗布用フィルムにマトリックス形成用塗液を塗布することも可能である。この場合、塗液の塗布、乾燥、硬化を行った後、塗布用フィルムからマトリックス11単体を剥離し、基材フィルム12にマトリックス11を粘着剤や接着剤などを用いて貼合する。塗布用フィルムは、マトリックス11を容易に剥離することができるものであれば、特に限定されない。
マトリックス11は、スクリーン印刷やオフセット印刷、インクジェット印刷などのパターン印刷方式を用いて、細線、ドット、櫛形、文字などの各種印刷パターンを施すことも可能である。このようなパターニングをマトリックス11に施すことで、湿潤刺激によりパターンが浮き上がる湿度応答性可逆変形構造体とすることも可能である。
また、マトリックス11および基材フィルム12には、着色することも可能である。
実施の形態に係る湿度応答性可逆変形構造体の製造方法によれば、特殊な合成手法を必要とせず汎用材料を用いて基材フィルムに対し平滑に塗布することで、ヘイズ値、拡散透過率を変化させることが可能な湿度応答性可逆変形構造体を製造することができる。
以下、本発明の具体的な実施例を挙げて説明する。
(測定方法)
実施例及び比較例で得られた湿度応答性可逆変形構造体について、二乗平均平方根うねり、ヘイズ値、全光線透過率、平行線透過率、散乱透過率、及び像鮮明度を以下の方法で測定した。
(二乗平均平方根うねりの測定方法)
湿度応答性可逆変形構造体を50mm×50mmに切り出し、JIS B0601:2001に則り、OLIMPUS製OLS5000を用いて、マトリックス表面の、うねり成分とそれより長い波長成分との境界を定義するカットオフ値λf0.8mm、粗さ成分とうねり成分との境界を定義するカットオフ値λc0.08mmの輪郭曲線フィルタにより得られるうねり曲線要素の二乗平均平方根うねりを測定した。
(ヘイズ値、全光線透過率、平行線透過率、散乱透過率の測定方法)
湿度応答性可逆変形構造体を50mm×50mmに切り出し、JIS−K7136に則り、日本電色工業NDH 2000を用いて、ヘイズ値、全光線透過率、平行線透過率、散乱透過率を測定した。測定は、マトリックスが水分を吸着していない状態(水分を吸着する前の状態。以下、「湿潤前」ということがある)、湿度応答性可逆変形構造体に直接水をかけ1分後にマトリックスの表面に付着した水をふき取り、マトリックスが水分を吸着した状態(水分を吸着した後の状態。以下、「湿潤中」ということがある)、及び、その後室温に10分ほど湿度応答性可逆変形構造体を放置しマトリックスが十分に水分を脱離した状態(水分を脱離した後の状態。以下、「乾燥後」ということがある)、の各状態において測定した。測定はいずれも気温23℃、相対湿度50%の環境下で行った。
(像鮮明度)
湿度応答性可逆変形構造体を50mm×50mmに切り出し、JIS K7374:2007に則り、スガ試験機株式会社製ICM−1DPを用いて、光学くしの幅2mmの透過の写像性(像鮮明度)を測定した。
(実施例1)
まず、マトリックス形成用塗液を調製した。親水性UV硬化性樹脂UA−W2A(新中村化学工業社製、12重量部)、親水性UV硬化性モノマーHEAA(KJケミカルズ社製、82重量部)、水膨潤性層状粘土鉱物LAPONITE RDS(BYK社製、6重量部)、光重合開始剤Irgacure2959(BASF社製、0.2重量部)、溶媒として純水を混合した塗液を調製した。
次に、基材フィルムとして、コロナ処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)(ルミラーT60、厚さ75μm、東レ社製)を準備した。次に、バーコーターを用いて調整したマトリックス形成用塗液を基材フィルム上に塗布した。塗液の塗布量は、乾燥膜厚が45μmとなるように設定した。
次に、基材フィルムに塗布された塗液を熱処理により乾燥させ、基材フィルム上に塗膜を形成した。熱処理条件は、100℃で1分間とした。
次に、基材フィルム上に形成した塗膜に電離放射線を照射し、塗膜を硬化させ、湿度応答性可逆変形構造体を作製した。このとき、電離放射線として紫外線を照射した。また、紫外線の照射は、コンベア式紫外線硬化装置を用いて露光量420mJ/cmとした。
作製した湿度応答性可逆変形構造体の湿潤前、湿潤中、乾燥後の二乗平均平方根うねり、像鮮明度、ヘイズ値、全光線透過率、拡散透過率、平行透過率を測定した。測定結果を表1に示す。二乗平均平方根うねりは、マトリックスが水分を吸着していない状態では1.11μmであり、水分を吸着した状態では10.94μmに増加し、水分を脱離した状態では1.23μmに減少し元に戻った。像鮮明度は、マトリックスが水分を吸着していない状態では97.8%であり、水分を吸着した状態では19.0%に低下し、水分を脱離した状態では96.5%に増加し元に戻った。また、マトリックスが水分を吸着した状態ではヘイズ値が76%上昇し、全光線透過率が6%上昇し、拡散透過率が74%上昇し、平行光線透過率が67%低下し、水分を脱離した状態では元に戻った。
実施例1に係る湿度応答性可逆変形構造体について、湿潤前(図5)、湿潤中(図6)、乾燥後(図7)におけるマトリックスの表面の光学顕微鏡写真を撮影した。図5〜図7に示すように、マトリックスの表面は、湿潤前は平滑であり、湿潤中に凹凸形状が形成され、乾燥後に元に戻ることが確認された。
(実施例2)
塗布したマトリックス形成用塗液の乾燥膜厚を20μmとする以外は実施例1と同じ条件で湿度応答性可逆変形構造体を作製した。
作製した湿度応答性可逆変形構造体の湿潤前、湿潤中、乾燥後の二乗平均平方根うねり、像鮮明度、ヘイズ値、全光線透過率、拡散透過率、平行透過率を測定した。測定結果を表1に示す。二乗平均平方根うねりは、マトリックスが水分を吸着していない状態では0.98μmであり、水分を吸着した状態では2.29μmに増加し、水分を脱離した状態では1.10μmに減少し元に戻った。像鮮明度は、マトリックスが水分を吸着していない状態では96.0%であり、水分を吸着した状態では32.6%に低下し、水分を脱離した状態では95.3%に増加し元に戻った。また、マトリックスが水分を吸着した状態ではヘイズ値が44%上昇し、全光線透過率が2%上昇し、拡散透過率が41%上昇し、平行光線透過率が39%低下し、水分を脱離した状態では元に戻った。
(実施例3)
マトリックス形成用塗液として、親水性UV硬化性樹脂UA−W2A(新中村化学工業社製、24重量部)、親水性UV硬化性モノマーHEAA(KJケミカルズ社製、70重量部)、水膨潤性層状粘土鉱物LAPONITERDS(BYK社製、6重量部)、光重合開始剤Irgacure2959(BASF社製、0.2重量部)、溶媒として純水を混合した塗液を調製した。それ以外は実施例1と同じ条件で湿度応答性可逆変形構造体を作製した。
作製した湿度応答性可逆変形構造体の湿潤前、湿潤中、乾燥後の二乗平均平方根うねり、像鮮明度、ヘイズ値、全光線透過率、拡散透過率、平行透過率を測定した。測定結果を表1に示す。二乗平均平方根うねりは、マトリックスが水分を吸着していない状態では1.01μmであり、水分を吸着した状態では8.75μmに増加し、水分を脱離した状態では1.15μmに減少した。像鮮明度は、マトリックスが水分を吸着していない状態では96.3%であり、水分を吸着した状態では25.3%に低下し、水分を脱離した状態では95.7%に増加し元に戻った。また、マトリックスが水分を吸着した状態ではヘイズ値が74%上昇し、全光線透過率が6%上昇し、拡散透過率が71%上昇し、平行光線透過率が66%低下し、水分を脱離した状態では元に戻った。
(実施例4)
塗布したマトリックス形成用塗液の乾燥膜厚を20μmとする以外は実施例3と同じ条件で湿度応答性可逆変形構造体を作製した。
作製した湿度応答性可逆変形構造体の湿潤前、湿潤中、乾燥後の二乗平均平方根うねり、像鮮明度、ヘイズ値、全光線透過率、拡散透過率、平行透過率を測定した。測定結果を表1に示す。二乗平均平方根うねりは、マトリックスが水分を吸着していない状態では0.95μmであり、水分を吸着した状態では2.15μmに増加し、水分を脱離した状態では1.10μmに減少した。像鮮明度は、マトリックスが水分を吸着していない状態では96.9%であり、水分を吸着した状態では35.5%に低下し、水分を脱離した状態では95.5%に増加し元に戻った。また、マトリックスが水分を吸着した状態ではヘイズ値が38%上昇し、全光線透過率が1%低下し、拡散透過率が35%上昇し、平行光線透過率が35%低下し、水分を脱離した状態では元に戻った。
(比較例)
比較例として、PETフィルム(ルミラーT60、厚さ75μm、東レ社製)を準備した。次に、このPETフィルムの湿潤前、湿潤中、乾燥後の二乗平均平方根うねり、像鮮明度、ヘイズ、全光線透過率、拡散透過率、平行透過率を測定した。測定結果を表1に示す。いずれの測定結果においても、水分の吸着及び脱離に伴う変化は見られなかった。
本発明の湿度応答性可逆変形構造体は、湿度センサーや、窓用フィルム、使用環境の水分量変化により視覚効果を与えるデバイスなどに好適に利用できる。
1…湿度応答性可逆変形構造体
11…マトリックス
12…基材フィルム

Claims (7)

  1. 湿度応答性可逆変形構造体であって、
    基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも片面側に形成されたマトリックスとを有し、
    前記マトリックスは、水分を吸着及び脱離する特性を有する樹脂により構成され、
    前記マトリックスの水分の吸着に伴う体積膨張によって、前記基材フィルムから見て遠い側にある前記マトリックスの表面に凹凸形状が形成され、前記マトリックスの水分の脱離に伴う体積収縮によって、前記マトリックスの前記表面が平滑となり、
    前記マトリックスの前記表面の、うねり成分とそれより長い波長成分との境界を定義するカットオフ値λfが0.8mm、粗さ成分とうねり成分との境界を定義するカットオフ値λcが0.08mmの輪郭曲線フィルタにより得られるうねり曲線要素の二乗平均平方根うねりが、前記マトリックスが水分を吸着していない状態では1.5μm以下であり、前記マトリックスが水分を吸着した状態では2μm以上となり、前記マトリックスが水分を脱離した状態では1.5μm以下に戻ることを特徴とする、湿度応答性可逆変形構造体。
  2. 前記湿度応答性可逆変形構造体は、
    前記マトリックスが水分を吸着した状態では、前記マトリックスが水分を吸着していない状態よりも、ヘイズ値が20%以上上昇し、拡散透過率が20%以上上昇し、平行光線透過率が20%以上低下し、
    前記マトリックスが水分を脱離した状態では、ヘイズ値、拡散透過率、及び平行光線透過率が、前記マトリックスが水分を吸着していない状態に戻ることを特徴とする、請求項1に記載の湿度応答性可逆変形構造体。
  3. 前記湿度応答性可逆変形構造体は、JIS K7374に則って測定した光学くしの幅2mmの像鮮明度の透過測定において、前記マトリックスが水分を吸着していない状態では90%以上であり、前記マトリックスが水分を吸着した状態では40%以下となり、前記マトリックスが水分を脱離した状態では90%以上に戻ることを特徴とする、請求項1または2に記載の湿度応答性可逆変形構造体。
  4. 前記樹脂が、硬化性樹脂材料の重合体あるいは共重合体であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の湿度応答性可逆変形構造体。
  5. 前記硬化性樹脂材料が、電離放射線硬化性あるいは熱硬化性を有することを特徴とする、請求項4に記載の湿度応答性可逆変形構造体。
  6. 前記マトリックスの内部の水分の吸着及び脱離に伴う体積変化が、前記マトリックスの組成、硬化度、架橋密度、重合度のいずれかによって制御されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の湿度応答性可逆変形構造体。
  7. 請求項1〜6にいずれか1項に記載の湿度応答性可逆変形構造体の製造方法において、
    硬化性樹脂材料を含む塗液を調製する塗液調製工程と、
    前記塗液を基材フィルム上に塗布する塗布工程と、
    前記基材フィルム上に塗布した前記塗液を熱処理して塗膜を形成する熱処理工程と、
    前記塗膜に電離放射線を照射して硬化させて、前記基材フィルム上に硬化膜からなるマトリックスを形成する電離放射線照射工程とを有することを特徴とする、湿度応答性可逆変形構造体の製造方法。
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