JP2019124840A - 表示体、粘着ラベル、転写箔及び表示体付物品 - Google Patents
表示体、粘着ラベル、転写箔及び表示体付物品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019124840A JP2019124840A JP2018005837A JP2018005837A JP2019124840A JP 2019124840 A JP2019124840 A JP 2019124840A JP 2018005837 A JP2018005837 A JP 2018005837A JP 2018005837 A JP2018005837 A JP 2018005837A JP 2019124840 A JP2019124840 A JP 2019124840A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pattern
- resin layer
- water
- display
- water absorbing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【課題】表示画像の変化を生じる表示体を提供する。【解決手段】本発明の表示体1は、第1パターン11と、第2パターン21と、前記第2パターン21を支持した吸水性樹脂層20とを備え、前記第1パターン11と前記第2パターン21との組合せが表示する画像は、前記吸水性樹脂層20の乾燥時と吸水時とで異なる。【選択図】 図2
Description
本発明は、表示体、粘着ラベル、転写箔及び表示体付物品に関する。
印刷は、一般的に、文字、絵、写真などを再現するために、紙及びフィルムなどにインクを塗布することでその対象を表現する、古くから用いられている技術である。現在、印刷技術は、出版分野だけでなく、電気・電子デバイス分野や包装分野といった様々な分野で活用されている。
印刷技術には、対象物を忠実に再現することが求められる。そのため、印刷対象物や印刷する基材に合わせて様々な印刷技術が開発されてきた。印刷技術には、新聞、写真、雑誌、ポスターなど様々な紙の印刷物によく利用されるオフセット印刷、包装材料の印刷及び写真グラビアなどの高品位が求められる印刷に用いられるグラビア印刷、ポリエチレン(PE)チューブなどのプラスチック製品及びダンボールなどへの印刷に用いられるフレキソ印刷などの様々なものがある。印刷技術については、高精細化や高再現性だけでなく、耐久性や環境適正などの向上に向け、技術革新が進められている。
本発明は、表示画像の変化を生じる表示体を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によれば、第1パターンと、第2パターンと、前記第2パターンを支持した吸水性樹脂層とを備え、前記第1パターンと前記第2パターンとの組合せが表示する画像は、前記吸水性樹脂層の乾燥時と吸水時とで異なる表示体が提供される。
本発明の第2側面によれば、第1側面に記載の表示体と、粘着層とを備えた粘着ラベルが提供される。
本発明の第3側面によれば、第1側面に記載の表示体を含んだ転写材層と、前記転写材層を剥離可能に支持した支持部材とを具備した転写箔が提供される。
本発明の第4側面によれば、第1側面に記載の表示体と、前記表示体を支持した物品とを備えた表示体付物品が提供される。
本発明の第5側面によれば、支持体と、前記支持体に支持された第1パターンとを含んだ物品と、吸水性樹脂層と、前記吸水性樹脂層に支持された第2パターンとを含み、前記物品に支持された表示体とを備え、前記第1パターンと前記第2パターンとの組合せが表示する画像は、前記吸水性樹脂層の乾燥時と吸水時とで異なる表示体付物品が提供される。
本発明によれば、表示画像の変化を生じる表示体が提供される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同様又は類似した機能を有する要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
1.表示体
1−1.構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示体が乾燥時に画像を表示している様子を概略的に示す平面図である。図2は、図1に示す表示体のII−II線に沿った断面図である。
1−1.構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示体が乾燥時に画像を表示している様子を概略的に示す平面図である。図2は、図1に示す表示体のII−II線に沿った断面図である。
図1及び図2に示す表示体1は、基材10と、第1パターン11と、吸水性樹脂層20と、第2パターン21とを含んでいる。
基材10は、特に限定されないが、一例によれば、第1及び第2主面を有する板状又はフィルム状の物体である。基材10は、無色透明であることが好ましい。基材10が着色されている場合、後述する第1パターンの視認性が低下し、表示体1が表示する画像が吸水時と乾燥時とで変化を生じ難くなる虞がある。なお、基材10は省略してもよい。
基材10は、吸水性樹脂層20と向き合っていることが好ましい。また、基材10は、吸水性樹脂層20と比較して、吸水及び乾燥による変形を生じ難いことが好ましい。基材10が、吸水及び乾燥による変形を生じ難い場合、表示体1が表示する画像の吸水時と乾燥時とでの変化率を高める上で有利である。
基材10の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン(PE)等の樹脂材料を用いることができる。また、表示体1の製造においては、基材10としては、例えば、ロール状のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)などのロール状のフィルムを使用することができる。
基材10の第1主面上には、吸水性樹脂層20が設けられている。
吸水性樹脂層20は、有機高分子を含み、水分の吸脱着により体積が変化する材料からなる。吸水性樹脂層20は、高湿度環境中で放置すること又は湿潤させることで吸水し、体積が増加する。ここで、用語「吸水」は、水の滴下、水への浸漬、又は空気中の湿気の吸収による水分吸収を包含する。また、吸水状態の吸水性樹脂層20を乾燥させて水分を除くと、吸水前の状態まで体積が減少する。なお、この吸水及び乾燥による体積変化率は、吸水性樹脂層20を構成する材料等によって異なる。
吸水性樹脂層20は、有機高分子を含み、水分の吸脱着により体積が変化する材料からなる。吸水性樹脂層20は、高湿度環境中で放置すること又は湿潤させることで吸水し、体積が増加する。ここで、用語「吸水」は、水の滴下、水への浸漬、又は空気中の湿気の吸収による水分吸収を包含する。また、吸水状態の吸水性樹脂層20を乾燥させて水分を除くと、吸水前の状態まで体積が減少する。なお、この吸水及び乾燥による体積変化率は、吸水性樹脂層20を構成する材料等によって異なる。
吸水性樹脂層20を構成する材料としては、吸水及び乾燥による体積変化を生じる材料であれば特に限定されない。そのような材料としては、例えば、カルボキシル基、アルデヒド基、水酸基、アミノ基、アミド基、及びスルホン基などの親水基を有する親水性高分子材料、それら親水性高分子材料のうち2種類以上を組み合わせてなる混合材料、又は1種以上の親水性高分子材料にフィラーなどの添加物を含んだ複合材料を用いることが好ましい。
親水性高分子材料としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、又はポリビニルスルホンを用いることができる。
また、親水性高分子材料として、これらの高分子材料のうち2種類以上を主鎖又は側鎖に組み込んで構成される共重合体を用いてもよい。具体的には、そのような親水性高分子材料としては、ポリアクリル酸とポリビニルアルコールとの共重合体及びポリアクリル酸とポリマレイン酸との共重合体などを用いることができる。
また、親水性高分子材料として、これらの高分子材料のうち2種類以上を主鎖又は側鎖に組み込んで構成される共重合体を用いてもよい。具体的には、そのような親水性高分子材料としては、ポリアクリル酸とポリビニルアルコールとの共重合体及びポリアクリル酸とポリマレイン酸との共重合体などを用いることができる。
また、吸水及び乾燥により吸水性樹脂層の体積が変化する混合材料としては、ゲル材料なども好適に用いられる。
ゲル材料としては、例えば、ダブルネットワークゲル又はナノコンポジットゲルを用いることができる。ここで、用語「ダブルネットワークゲル」とは、二種類の親水性高分子鎖が相互進入高分子網目を形成することで高強度化されたゲル材料を意味する。また、用語「ナノコンポジットゲル」とは、粘土化合物であるクレイが親水性高分子鎖の物理架橋点として作用するゲル材料を意味する。
ゲル材料としては、例えば、ダブルネットワークゲル又はナノコンポジットゲルを用いることができる。ここで、用語「ダブルネットワークゲル」とは、二種類の親水性高分子鎖が相互進入高分子網目を形成することで高強度化されたゲル材料を意味する。また、用語「ナノコンポジットゲル」とは、粘土化合物であるクレイが親水性高分子鎖の物理架橋点として作用するゲル材料を意味する。
吸水性樹脂層20を構成する材料は、水分の吸収及び脱離に伴って体積変化を生じる材料であれば特に限定されない。ただし、製造の容易性の観点から、上記した親水性高分子材料及びゲル材料は、電離放射線硬化性又は熱硬化性の有機モノマー、オリゴマー及びポリマーを含んだ材料から形成されるものであることが好ましい。
ここで、電離放射線硬化性の有機モノマー、オリゴマー、及びポリマー(樹脂)とは、紫外線や電子線などの活性エネルギー線の照射により架橋反応が促進され、硬化する性質を有する物質を意味する。このような性質を有する材料を用いることで、表面が平滑な層だけでなく、表面に凹凸構造を有する層を形成することも可能となる。また、硬化条件を変更することで架橋密度を調整することができる。そのため、吸水及び乾燥に伴う体積変化の程度を制御することが可能となる。
親水性高分子材料やゲル材料に用いられる電離放射線硬化性モノマー及びオリゴマーとしては、例えば、以下の化学物質が挙げられる。電離放射線硬化性モノマー及びオリゴマーは、例えば、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド各種四級塩、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート各種四級塩、アクリル酸、各種アルキルアクリレート、メタクリル酸、各種アルキルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、スチレン、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリプロポキシ)フェニル〕プロパン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、ジエチレングリコールジアリルエーテル、又はジビニルベンゼンである。
親水性高分子材料やゲル材料に用いられる熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂を含んだ樹脂組成物であることが好ましい。不飽和ポリエステル樹脂を含んだ樹脂組成物としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂と、水酸基及び炭素−炭素二重結合を有する反応性希釈剤と、重合開始剤とを必須成分とする樹脂組成物が好ましい。また、エポキシ樹脂を含んだ樹脂組成物としては、例えば、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂と、水酸基及び炭素−炭素二重結合を有するフェノール樹脂硬化剤と、硬化促進剤とを必須成分とする樹脂組成物が好ましい。
親水性高分子材料やゲル材料には、適宜、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、重合性官能基を2つ以上有する化合物を用いることができる。架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−メチレン−ビス−N−ビニルアセトアミド、N,N−ブチレン−ビス−N−ビニルアセトアミド、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、アリル化デンプン、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリストールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、又はトリアリルトリメリテートを用いることができる。
また、親水性高分子材料やゲル材料には、適宜、フィラーを添加してもよい。フィラーの形状としては、例えば、球状、粒子状、針状、繊維状、板状、燐片形状、ロッド状及び不定形状が挙げられる。
また、フィラーとしては、親水性を有するものが好ましい。親水性を有するフィラーを用いることは、モノマーやポリマー(樹脂)との相溶性の観点から好ましい。例えば、粒子状のフィラーとしては、親水化処理された金属酸化物微粒子、金属微粒子、ゼオライト、及びポリマー微粒子などを用いることができる。また、板状のフィラーとしては、例えば、サポナイト、スティブンナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、ルーセンタイト及びソマシフなどの水膨潤性の層状粘土化合物を用いることができる。また、繊維状のフィラーとしては、セルロースナノファイバー、親水化処理されたカーボンナノチューブ及びガラスフィラーなどを用いることができる。
また、フィラーとしては、親水性を有するものが好ましい。親水性を有するフィラーを用いることは、モノマーやポリマー(樹脂)との相溶性の観点から好ましい。例えば、粒子状のフィラーとしては、親水化処理された金属酸化物微粒子、金属微粒子、ゼオライト、及びポリマー微粒子などを用いることができる。また、板状のフィラーとしては、例えば、サポナイト、スティブンナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、ルーセンタイト及びソマシフなどの水膨潤性の層状粘土化合物を用いることができる。また、繊維状のフィラーとしては、セルロースナノファイバー、親水化処理されたカーボンナノチューブ及びガラスフィラーなどを用いることができる。
親水性高分子材料やゲル材料は、さらに、重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1,−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕2塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、及び2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤;ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスホンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等の紫外光によってラジカルを発生する化合物が挙げられる。また、重合開始剤としては、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゼンや3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のパーオキシエステルに対してチオピリリウム塩、メロシアニン、キノリン、又はスチルキノリン系色素を混合した物質等の360nm以上の波長の光によってラジカルを発生する化合物が挙げられる。
また、過酸化水素又は過硫酸塩は、例えば、亜硫酸塩、L−アスコルビン酸等の還元性物質又はアミン塩等を組み合わせることで、レドックス系の開始剤として使用することもできる。
また、過酸化水素又は過硫酸塩は、例えば、亜硫酸塩、L−アスコルビン酸等の還元性物質又はアミン塩等を組み合わせることで、レドックス系の開始剤として使用することもできる。
吸水性樹脂層20の形成には、溶液流延、積層成形、注型、射出成形、及び3Dプリンタなどを用いることができる。吸水性樹脂層20をフィルム状に成形するには、特に溶液流延法が適している。例えば、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、又はダイコーティング法を利用することができる。
また、吸水性樹脂層20の表面には、様々な3次元形状を賦形することができる。賦形には、例えば、ナノインプリントや微細な金型を用いた熱プレスを利用することができる。
吸水性樹脂層20の塗膜の形成は、基材10上に塗布された塗液を熱処理により乾燥させ、塗液内の溶媒を除去することによって行なうことができる。なお、熱処理は、適宜公知の乾燥手段を採用できる。例えば、乾燥手段として、加熱、送風、及び熱風を利用することができる。
電離放射線重合性モノマー又はポリマー(樹脂)を使用する場合、3次元架橋構造を有する硬化膜を得るために、熱処理工程の後に電離放射線照射工程を実施する。電離放射線照射工程は、塗膜に電離放射線を照射することにより、塗膜を硬化させる工程である。電離放射線を照射し、塗膜を硬化させることにより、吸水性樹脂層20を得ることができる。
電離放射線としては、紫外線及び電子線などを使用することができる。
紫外線硬化の場合、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、及びキセノンアークなどの光源を利用することができる。紫外線の照射条件としては、照射強度は100mW/cm2以上500mW/cm2以下が適しており、照射量(又は露光量)は200mJ/cm2以上とすることが望まれる。照射量が少ないと、硬化不十分となり、十分な強度を得ることが困難となる虞がある。さらに、紫外線照射時の雰囲気は、酸素濃度が0.3%未満であることが望まれる。酸素濃度が高いと、酸素によるラジカル反応阻害がおこり、表面が未硬化状態となる虞がある。
紫外線硬化の場合、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、及びキセノンアークなどの光源を利用することができる。紫外線の照射条件としては、照射強度は100mW/cm2以上500mW/cm2以下が適しており、照射量(又は露光量)は200mJ/cm2以上とすることが望まれる。照射量が少ないと、硬化不十分となり、十分な強度を得ることが困難となる虞がある。さらに、紫外線照射時の雰囲気は、酸素濃度が0.3%未満であることが望まれる。酸素濃度が高いと、酸素によるラジカル反応阻害がおこり、表面が未硬化状態となる虞がある。
電子線硬化の場合、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、及び高周波型などの各種電子線加速器から放出される電子線を利用することができる。電子線は、50KeV以上1000KeV以下程度のエネルギーを有していることが好ましく、100KeV以上300KeV以下程度のエネルギーを有していることがより好ましい。
吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う体積変化率は、吸水性樹脂層20の形状、構成する材料、材料に含まれる成分の含有量、樹脂の硬化条件、ならびに水分の吸収及び乾燥条件により異なる。体積変化率は、表示体1の用途やこれに求められる機能によって適宜調整することができる。なお、用語「体積変化率」については、後で説明する。
ここで、硬化条件に対する体積変化率の関係の一例を示す。図3は、紫外線照度と、吸水性樹脂層の吸水に伴う体積変化率との関係を示すグラフである。
ここでは、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、及びN,N’−メチレンビスアクリルアミドを含んだ塗液で形成した塗膜に対して以下の処理を行なった。すなわち、塗膜に対して複数の条件下で紫外線(UV)照射を行ない、硬化した吸水性樹脂層について、膨潤率、すなわち、体積変化率を測定した。
ここで、UV照射は、照射強度が一定となるように行った。すなわち、照射時間を変更することで、塗膜に対する紫外線の照射量を変更した。
ここでは、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、及びN,N’−メチレンビスアクリルアミドを含んだ塗液で形成した塗膜に対して以下の処理を行なった。すなわち、塗膜に対して複数の条件下で紫外線(UV)照射を行ない、硬化した吸水性樹脂層について、膨潤率、すなわち、体積変化率を測定した。
ここで、UV照射は、照射強度が一定となるように行った。すなわち、照射時間を変更することで、塗膜に対する紫外線の照射量を変更した。
なお、「体積変化率」は、以下のようにして求める。すなわち、表示体1を、温度23℃、相対湿度40%の条件下で吸水性樹脂層20の寸法が安定するまで放置する。このときの寸法を、乾燥状態における寸法とする。次に、表示体1を、温度23℃、相対湿度60%の条件下で、吸水性樹脂層20の寸法が安定するまで放置する。このときの寸法を、吸水状態における寸法とする。体積変化率は、乾燥状態の寸法から求められる吸水性樹脂層20の体積V0と、吸水状態における寸法から求められる吸水性樹脂層20の体積V1とから、以下の等式に従って算出される値である。
体積変化率(%)=V1/V0×100
図3に示すように、UV照度が高くなるほど体積変化率は低下する。換言すると、UV照度が高くなるほど、吸水性樹脂層20のポリマー同士の架橋密度が高まるため、体積変化率が低下する。
体積変化率(%)=V1/V0×100
図3に示すように、UV照度が高くなるほど体積変化率は低下する。換言すると、UV照度が高くなるほど、吸水性樹脂層20のポリマー同士の架橋密度が高まるため、体積変化率が低下する。
また、材料に含まれる成分の含有量による体積変化率の制御としては、架橋剤の添加率を上げることが挙げられる。例えば、架橋剤の添加率を上げることで、吸水性樹脂層20の架橋密度が増加するため、体積変化率を低下させることができる。一方、親水性の高い樹脂又はモノマー成分の比率を高くすることで、吸水性樹脂層20の吸水率を増加させることができる。これにより、吸水性樹脂層20の体積変化率を向上させることができる。
体積変化率は、105%以上であることが好ましく、110%乃至350%の範囲内にあることがより好ましく、125%乃至300%の範囲内にあることがさらに好ましい。体積変化率が小さいと、吸水に伴う画像の変化を生じさせることが困難となる虞があり、また、画像の変化に要する時間が長くなりすぎる可能性がある。体積変化率が大きいと、吸水時に表示させるべき画像を知覚可能な条件の範囲が狭くなる可能性がある。
第2パターン21は、吸水性樹脂層20によって支持されている。図2に示す表示体1において、第2パターン21は、吸水性樹脂層20の表面に設けられている。ここでは、第2パターン21は、表示体1の最表面に位置している。
第2パターン21の形状は、特に限定されない。ここでは、第2パターン21は、線と点とによって形成されている。第2パターン21は、万線又は網点状のパターンであることが好ましい。
第2パターン21の寸法は、表示体1の用途、これに求められる機能、印刷方式、吸水性樹脂層20の体積変化率などに応じて、適宜選択することができる。線の太さ又は点の大きさは10μm乃至200μmの範囲にあることが望ましい。第2パターン21の寸法が上述したような範囲内にある場合、設計が比較的容易である。
第2パターン21を構成する材料は、第2パターン21の形成方法及び表示体1の用途に応じて適宜選択することができる。一例によれば、第2パターン21は、伸縮性を有しており、吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う変形に追従して変形する。他の例によれば、第2パターン21は、吸水性樹脂層20が乾燥状態から吸水状態へと変化した際に破断する。更に他の例によれば、第2パターン21は、金属からなる。
第2パターン21は、例えば、印刷法によって形成される。印刷法としては、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、活版印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。第2パターン21を印刷法によって形成する場合、印刷に使用するインクは、吸水性樹脂層20に第2パターン21を形成可能であれば、印刷方法及び表示体1の用途に応じて適宜選択することができる。インクとしては、例えば、伸縮性を有する第2パターン21が得られるインク、伸縮性を有さない第2パターン21が得られるインク、導電性を有する第2パターン21が得られるインク、様々な色を再現できるカラーインク、磁性材料を含有する磁性インク、紫外線発色インク、及び蓄光インクを使用することができる。
伸縮性を有する第2パターン21は、吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う変形に追従して変形し得る。伸縮性を有さない第2パターン21が脆性破壊を生じ易い場合、そのような第2パターンは、吸水性樹脂層20が乾燥状態から吸水状態へと変化した際に破断する。
また、第2パターン21が金属からなる場合、第2パターン21は、例えば、金属の蒸着によって形成される。具体的には、吸水性樹脂層20に金属蒸着層を形成し、第2パターン21を形成する領域以外の領域に設けられた金属蒸着層へ向けてレーザービームを照射する。これにより、金属蒸着層を部分的に消失させることができ、第2パターン21が形成される。蒸着に使用する金属は、吸水性樹脂層20に形成可能であれば、蒸着方法及び用途によって適宜選択することができる。金属としては、例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銀、金及び銅を用いることができる。第2パターン21は、例えば、金属蒸着によって形成された数十乃至百数ミクロンスケールのライン部分及びスペース部分を含んでいる。
第2パターン21は、図4に示す変形例のように、吸水性樹脂層20中に埋め込まれていてもよい。第2パターン21が吸水性樹脂層20中に埋め込まれている場合、第2パターン21の損傷を生じ難く、また、第2パターン21が不正に書き換えられる可能性も低い。なお、第2パターン21が吸水性樹脂層20の表層に設けられている場合と第2パターン21が吸水性樹脂層20中に埋め込まれている場合とで、後述する表示画像の変化に差異はない。
第2パターン21を吸水性樹脂層20の内部に形成する方法としては、まず吸水性樹脂層20の表面に第2パターン21を形成する。その後、第2パターン21を覆うように、新たに吸水性樹脂層20を塗膜し、硬化させる。
図2に示す表示体1において、第1パターン11は、基材10の主面のうち、吸水性樹脂層20が設けられていない面、すなわち、第2主面によって支持されている。換言すると、図2に示す表示体1において、基材10は、吸水性樹脂層20と第1パターン11との間に介在している。さらに、換言すると、吸水性樹脂層20は、第1パターン11と第2パターン21との間に介在している。
なお、第1パターン11の形成には、例えば、上述した第2パターン21を構成する材料及び形成方法を用いることができる。
1−2.画像表示
次に、吸水時及び乾燥時における表示体1の変化について、図2及び図5乃至図8を参照しながら説明する。図5は、図1に示す表示体の吸水時の構造の一例を示す断面図である。図6Aは、第1実施形態の他の変形例に係る表示体の乾燥時の断面図である。図6Bは、図6Aに示す表示体の吸水時の断面図である。図7は、図1に示す表示体の吸水時の構造の他の例を示す断面図である。図8は、図1に示す表示体の吸水時の構造のさらに他の例を示す断面図である。
次に、吸水時及び乾燥時における表示体1の変化について、図2及び図5乃至図8を参照しながら説明する。図5は、図1に示す表示体の吸水時の構造の一例を示す断面図である。図6Aは、第1実施形態の他の変形例に係る表示体の乾燥時の断面図である。図6Bは、図6Aに示す表示体の吸水時の断面図である。図7は、図1に示す表示体の吸水時の構造の他の例を示す断面図である。図8は、図1に示す表示体の吸水時の構造のさらに他の例を示す断面図である。
図2に示す表示体1では、第1パターン11と第2パターン21とは、吸水性樹脂層20の主面に平行な平面への正射影が一致している。すなわち、先の平面に垂直な方向からであって、表示体1の第2パターン21側から観察した場合、第1パターン11は、第2パターン21によって隠蔽される。したがって、乾燥時には、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、第2パターン21が表示する画像と一致する。
図2に示す表示体1が表示する画像の吸水及び乾燥に伴う変化の一例を以下に説明する。
ここでは、以下の条件を仮定する。すなわち、吸水性樹脂層20は、吸水に伴って面内方向への伸長が可能である。第2パターン21は、長さ方向が揃い、幅方向に配列した複数の部分からなる。これら部分は、隙間を間に挟んで互いから離間している。また、第2パターン21は伸縮性を有している。さらに、第2パターン21は、吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う変形に追従して変形する。なお、ここでは、吸水性樹脂層20を基材10に対して、それらを貫通する1本の針で固定した場合について説明する。
ここでは、以下の条件を仮定する。すなわち、吸水性樹脂層20は、吸水に伴って面内方向への伸長が可能である。第2パターン21は、長さ方向が揃い、幅方向に配列した複数の部分からなる。これら部分は、隙間を間に挟んで互いから離間している。また、第2パターン21は伸縮性を有している。さらに、第2パターン21は、吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う変形に追従して変形する。なお、ここでは、吸水性樹脂層20を基材10に対して、それらを貫通する1本の針で固定した場合について説明する。
上記の構成を採用した表示体1は、吸水性樹脂層20に吸水させると、図5に示すように変化する。すなわち、吸水性樹脂層20は面内方向に伸長する。その結果、第2パターン21は、吸水性樹脂層20の吸水に伴う体積変化に追従して伸長し、寸法及び位置などが変化する。具体的には、第2パターン21を構成している線状の部分は、幅が増大する。また、これら部分間の隙間の大きさも増大する。したがって、これら部分の中心間距離も広がる。
上述した変化により、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、乾燥時には第2パターン21によって隠蔽されていた第1パターン11の少なくとも一部が、視認可能となる。したがって、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、吸水性樹脂層20の乾燥時と吸水時とで異なっている。
なお、このような視覚的変化は可逆的であり、吸水性樹脂層20の乾燥、すなわち、水分の脱離に伴って、表示体1は、第1パターン11が第2パターン21によって隠蔽された画像を再び表示する。
ここでは、吸水性樹脂層20を基材10に対して、それらを貫通する1本の針で固定した場合について説明したが、吸水性樹脂層20をその面内方向への膨張を妨げることなく支持することができれば、針以外の手段を用いてもよい。
次に、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合に第1パターン11と第2パターン21とが重なり合う構成を採用する代わりに、図6Aに示す構成を採用した場合について説明する。
図6Aに示す構成において、第1パターン11は、吸水性樹脂層20の少なくとも一部を間に挟んで、第2パターン21と厚さ方向に隣り合っている。ただし、図6Aに示す構成では、第1パターン11及び第2パターン21は、吸水性樹脂層20の主面に垂直な方向から観察した場合に重なり合っていない。すなわち、乾燥時の表示体1を吸水性樹脂層20の主面に垂直な方向から観察した場合であって、表示体1の第2パターン21側から観察した場合、第1パターン11は、第2パターン21によって隠蔽されない。したがって、乾燥時には、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、第1パターン11に対応した画像と第2パターン21に対応した画像との組合せである。
図6Aに示す構成において、第1パターン11は、吸水性樹脂層20の少なくとも一部を間に挟んで、第2パターン21と厚さ方向に隣り合っている。ただし、図6Aに示す構成では、第1パターン11及び第2パターン21は、吸水性樹脂層20の主面に垂直な方向から観察した場合に重なり合っていない。すなわち、乾燥時の表示体1を吸水性樹脂層20の主面に垂直な方向から観察した場合であって、表示体1の第2パターン21側から観察した場合、第1パターン11は、第2パターン21によって隠蔽されない。したがって、乾燥時には、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、第1パターン11に対応した画像と第2パターン21に対応した画像との組合せである。
次に、図6Aに示す表示体1が表示する画像の吸水及び乾燥に伴う変化を以下に説明する。
ここでは、以下の条件を仮定する。すなわち、吸水性樹脂層20は吸水に伴って面内方向への伸長が可能である。第2パターン21は、長さ方向が揃い、幅方向に配列した複数の部分からなる。これら部分は、隙間を間に挟んで互いから離間している。また、第2パターン21は、伸縮性を有している。さらに、第2パターン21は、吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う変形に追従して変形する。なお、ここでは、吸水性樹脂層20を基材10に対して、それらを貫通する1本の針で固定した場合について説明する。
ここでは、以下の条件を仮定する。すなわち、吸水性樹脂層20は吸水に伴って面内方向への伸長が可能である。第2パターン21は、長さ方向が揃い、幅方向に配列した複数の部分からなる。これら部分は、隙間を間に挟んで互いから離間している。また、第2パターン21は、伸縮性を有している。さらに、第2パターン21は、吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う変形に追従して変形する。なお、ここでは、吸水性樹脂層20を基材10に対して、それらを貫通する1本の針で固定した場合について説明する。
上記の構成を採用した表示体1は、吸水性樹脂層20に吸水させると、図6Bに示すように変化する。すなわち、吸水性樹脂層20は面内方向に伸長する。その結果、第2パターン21は、吸水性樹脂層20の吸水に伴う体積変化に追従して伸長し、寸法及び位置などが変化する。具体的には、第2パターン21を構成している線状の部分は、幅が増大する。また、これら部分間の隙間の大きさも増大する。したがって、これら部分の中心間距離も広がる。
上述した変化により、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、乾燥時には表示されていた第1パターン11に対応した画像が、第2パターン21によって隠蔽される。したがって、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、乾燥時から変化する。
次に、図2に示す表示体1が表示する画像の吸水及び乾燥に伴う変化の他の例を以下に説明する。
ここでは、以下の条件を仮定する。すなわち、吸水性樹脂層20は、吸水に伴って面内方向への伸長が可能である。また、第2パターン21は、吸水性樹脂層20が吸水状態から乾燥状態へと変化した際に破断する性質を有している。なお、ここでは、吸水性樹脂層20を基材10に対して、それらを貫通する1本の針で固定した場合について説明する。
ここでは、以下の条件を仮定する。すなわち、吸水性樹脂層20は、吸水に伴って面内方向への伸長が可能である。また、第2パターン21は、吸水性樹脂層20が吸水状態から乾燥状態へと変化した際に破断する性質を有している。なお、ここでは、吸水性樹脂層20を基材10に対して、それらを貫通する1本の針で固定した場合について説明する。
上記の構成を採用した表示体1は、吸水性樹脂層20に吸水させると、図7に示すように変化する。すなわち、吸水性樹脂層20は面内方向に伸長する。そして、吸水性樹脂層20の吸水に伴う膨張によって、第2パターン21に破断が生じる。その結果、第2パターン21は、面内方向に伸長する。加えて、第2パターン21は、パターン内に破断に起因した隙間を生じる。その結果、第2パターン21の光透過率が高まる。
上述した変化により、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、第1パターン11と第2パターン21とが向き合った部分では、第2パターン21の色と、第2パターン21の隙間から視認される色とが混ざり合って視認される。
一方、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、第2パターン21のうち、第1パターン11と向き合っていない部分では、第2パターン21の色のみが視認される。なお、第2パターン21の色は、破断に伴って、吸水前と比較して薄く視認されることがある。
一方、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、第2パターン21のうち、第1パターン11と向き合っていない部分では、第2パターン21の色のみが視認される。なお、第2パターン21の色は、破断に伴って、吸水前と比較して薄く視認されることがある。
次に、図2に示す表示体1が表示する画像の吸水及び乾燥に伴う変化のさらに他の例を以下に説明する。
ここでは、以下の条件を仮定する。すなわち、吸水性樹脂層20は、吸水に伴う面内方向への伸長が抑制されている。具体的には、吸水性樹脂層20の主面のうち、基材10の第1主面と向き合う面は、その面全体が基材10の第1主面に対して接着により固定されている。また、第2パターン21は、吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う変形に対して追従しない性質を有している。
ここでは、以下の条件を仮定する。すなわち、吸水性樹脂層20は、吸水に伴う面内方向への伸長が抑制されている。具体的には、吸水性樹脂層20の主面のうち、基材10の第1主面と向き合う面は、その面全体が基材10の第1主面に対して接着により固定されている。また、第2パターン21は、吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う変形に対して追従しない性質を有している。
上記の構成を採用した表示体1は、吸水性樹脂層20に吸水させると、図8に示すように変化する。すなわち、吸水性樹脂層20は、基材10との接着面においては面内方向への膨張が規制され、第2パターン21との界面においても面内方向への膨張が規制される。そして、吸水性樹脂層20内には、第2パターン21の直下の部分と、それ以外の部分とで吸水率の相違を生じる。そのため、吸水性樹脂層20は、第2パターン21を面内方向へ圧縮するように変形する。その結果、第2パターン21を構成している各部分は、吸水性樹脂層20の主面に垂直な方向から見た寸法が小さくなる。ここでは、第2パターン21を構成している線状の部分の幅が小さくなる。
上述した変化により、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、乾燥時には第2パターン21によって隠蔽されていた第1パターン11の少なくとも一部の視認性が高まる。したがって、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、乾燥時から変化する。
上述した変化により、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、乾燥時には第2パターン21によって隠蔽されていた第1パターン11の少なくとも一部の視認性が高まる。したがって、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、乾燥時から変化する。
上述したいずれの構成においても、第1パターン11と第2パターン21とは同色であってもよい。この場合、吸水性樹脂層20の吸水によって第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、パターン形状の変化を生じる。
また、上述したいずれの構成においても、吸水性樹脂層20の吸水によって色彩の変化を生じさせることが可能である。すなわち、第1パターン11と第2パターン21とに異なる色を採用することにより、吸水性樹脂層20の乾燥時と吸水時とで色彩を変化させることができる。
また、上述したいずれの構成においても、吸水性樹脂層20の吸水によって色彩の変化を生じさせることが可能である。すなわち、第1パターン11と第2パターン21とに異なる色を採用することにより、吸水性樹脂層20の乾燥時と吸水時とで色彩を変化させることができる。
次に、第2実施形態に係る表示体1について図9乃至図10Bを参照しながら説明する。図9は、第2実施形態に係る表示体の乾燥時の構造を概略的に示す部分切開上面図である。図10Aは、図9に示す表示体のXA−XA線に沿った断面図である。図10Bは、図10Aに示す表示体の吸水時の構造の一例を示す断面図である。
図9及び図10Aに示す表示体1では、第2パターン21及び第1パターン11が観察者側からこの順に位置するように形成されている。そして、第1パターン11及び第2パターン21は、少なくとも部分的に重なりあっている。以下に詳しく説明する。
第1パターン11は、第1部分111と、第2部分112と、第3部分113とを含んでいる。
ここで、第1部分111は、吸水性樹脂層20の乾燥時には第2パターン21によって隠蔽されず、吸水性樹脂層20の吸水時には第2パターン21によって隠蔽される部分である。第2部分112は、吸水性樹脂層20の乾燥時には第2パターン21によって隠蔽され、吸水性樹脂層20の吸水時には第2パターン21によって隠蔽されない部分である。第3部分113は、吸水性樹脂層20の乾燥時と吸水時との双方において第2パターン21によって隠蔽されない部分である。したがって、乾燥時には、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、第1パターン11の第1部分111と第3部分113と第2パターン21とを組み合わせてなる画像である。
ここで、第1部分111は、吸水性樹脂層20の乾燥時には第2パターン21によって隠蔽されず、吸水性樹脂層20の吸水時には第2パターン21によって隠蔽される部分である。第2部分112は、吸水性樹脂層20の乾燥時には第2パターン21によって隠蔽され、吸水性樹脂層20の吸水時には第2パターン21によって隠蔽されない部分である。第3部分113は、吸水性樹脂層20の乾燥時と吸水時との双方において第2パターン21によって隠蔽されない部分である。したがって、乾燥時には、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、第1パターン11の第1部分111と第3部分113と第2パターン21とを組み合わせてなる画像である。
図9及び図10Aに示す表示体1が表示する画像は、吸水に伴って、以下のように変化する。
ここでは、吸水性樹脂層20は、吸水に伴って面内方向への伸長が可能である。また、第2パターン21の線部は、吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う変形に対する追従性を有していない。換言すると、吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う変形に対して、第2パターン21のピッチが変化する。なお、ここでは、第2パターン21が金属からなる場合について説明する。
ここでは、吸水性樹脂層20は、吸水に伴って面内方向への伸長が可能である。また、第2パターン21の線部は、吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う変形に対する追従性を有していない。換言すると、吸水性樹脂層20の吸水及び乾燥に伴う変形に対して、第2パターン21のピッチが変化する。なお、ここでは、第2パターン21が金属からなる場合について説明する。
吸水性樹脂層20に吸水させると、図10Bに示すように変化する。すなわち、吸水性樹脂層20は面内方向に伸長及び移動する。そして、これに伴って、第2パターン21の寸法及び位置などが変化する。具体的には、第2パターン21の線部の幅は変化せず、線部と線部との間隔が大きくなる。
上述した変化により、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、乾燥時には、第2パターン21によって隠蔽されていた、第1パターン11の第2部分112が第3部分113とともに視認可能となる。一方、乾燥時には、第2パターン21によって隠蔽されていなかった、第1パターン11の第1部分111は、視認不可能となる。したがって、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、第1パターン11の第2部分112と第3部分113と第2パターン21とを組み合わせてなる画像である。したがって、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、乾燥時から変化する。
上述した変化により、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、乾燥時には、第2パターン21によって隠蔽されていた、第1パターン11の第2部分112が第3部分113とともに視認可能となる。一方、乾燥時には、第2パターン21によって隠蔽されていなかった、第1パターン11の第1部分111は、視認不可能となる。したがって、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、第1パターン11の第2部分112と第3部分113と第2パターン21とを組み合わせてなる画像である。したがって、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、乾燥時から変化する。
第1パターン11は、第1部分111と第2部分112との両方を含んでいることが好ましい。この構成によれば、第2パターン21によって隠蔽されずに視認可能な画像を変化させることが可能となる。また、第1パターン11は、第3部分113をさらに含んでいることがより好ましい。この構造は、乾燥時に表示される画像と吸水時に表示される画像とが部分的に重なり合った構成の設計を容易にする。
また、第1パターン11は、吸水性樹脂層20の吸水量が増加又は減少するのに伴って順次視認可能となる複数の画像要素を含んでいてもよい。例えば、第2パターン21によって隠蔽されずに視認可能な画像要素が、吸水の程度が高まるにつれて別の画像要素へと順次切り替わる構成を採用した場合であって、これら画像要素の位置及び形状の少なくとも一方が僅かに異なっている場合には、以下のことが可能となる。すなわち、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、吸水量の増加に伴って動画のように変化する。
1−3.効果
上記の表示体1は、第1パターン11と、第2パターン21と、第2パターン21を支持した吸水性樹脂層20とを備えている。また、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、吸水性樹脂層20の乾燥時と吸水時とで異なっている。このような構成によれば、吸水性樹脂層20は、乾燥時と吸水時との体積変化によって表示画像を変化させることができる。
上記の表示体1は、第1パターン11と、第2パターン21と、第2パターン21を支持した吸水性樹脂層20とを備えている。また、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、吸水性樹脂層20の乾燥時と吸水時とで異なっている。このような構成によれば、吸水性樹脂層20は、乾燥時と吸水時との体積変化によって表示画像を変化させることができる。
従来の印刷物は、可能な限り吸水を避ける工夫がなされてきた。例えば、紙を基材とした印刷物では、吸水によって紙がふやけてしまい、インクが基材から剥離するか、又は、印刷パターン形状にゆがみを生じ、印刷物として機能しなくなることがあった。また、基材の微量な吸湿による変形によって、転写位置精度に狂いが生じることがあった。このような問題に対し、使用する印刷基材やインクとして吸水性の低い材料を用いたり、ラミネート加工のように印刷物全体をフィルムで保護することが行なわれてきた。
一方で、上記の表示体1は、第2パターン21を支持した吸水性樹脂層20を備えており、水分の吸収を生じやすい構成を採用している。そして、吸収に伴う膨張を利用して表示画像の変化を生じさせるものである。
このように、上記表示体1は、従来の常識に反して、吸水に伴う膨張を画像の変化に積極的に採用したものである。
このように、上記表示体1は、従来の常識に反して、吸水に伴う膨張を画像の変化に積極的に採用したものである。
2.粘着ラベル
次に、本発明の一実施形態に係る粘着ラベルについて説明する。
図11は、本発明の一実施形態に係る粘着ラベルを概略的に示す断面図である。
次に、本発明の一実施形態に係る粘着ラベルについて説明する。
図11は、本発明の一実施形態に係る粘着ラベルを概略的に示す断面図である。
図11に示す粘着ラベル2は、表示体1と粘着層30とを含んでいる。なお、図11において、参照符号40は、台紙を表している。
粘着層30は、表示体1の一方の主面であって、基材10の主面のうち吸水性樹脂層20が設けられていない主面に設けられている。粘着層30は、粘着ラベル2の使用直前まで、台紙40によって保護される。
粘着層30は、感圧接着剤などの粘着剤からなる。粘着剤としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系ポリアミド、又は、アクリル系、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコーン系若しくはポリイソブチル系粘着剤を使用する。
粘着剤は、添加剤を更に含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、アルキルメタクリレート、ビニルエステル、アクリルニトリル、スチレン及びビニルモノマーなどの凝集成分;不飽和カルボン酸、ヒドロキシ基含有モノマー及びアクリルニトリルなどの改質成分;重合開始剤;可塑剤;硬化剤;硬化促進剤;酸化防止;又はそれらの2つ以上を含んだ混合物を使用する。
3.転写箔
次に、本発明の一実施形態に係る転写箔について説明する。
図12は、本発明の一実施形態に係る転写箔を概略的に示す断面図である。
次に、本発明の一実施形態に係る転写箔について説明する。
図12は、本発明の一実施形態に係る転写箔を概略的に示す断面図である。
図12に示す転写箔3は、表示体1を含んだ転写材層50と、支持部材51と、接着層31とを含んでいる。
支持部材51は、転写材層50を剥離可能に支持している。支持部材51は、例えば、接着層31よりも高い耐熱性を有する樹脂フィルム又はシートである。支持部材51は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱性に優れた材料からなる。
また、支持部材51は、図12に示すように、転写材層50側の面に剥離層52を有していることが好ましい。剥離層52は、例えば、フッ素樹脂又はシリコーン樹脂からなる。
支持部材51は、転写材層50を剥離可能に支持している。支持部材51は、例えば、接着層31よりも高い耐熱性を有する樹脂フィルム又はシートである。支持部材51は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱性に優れた材料からなる。
また、支持部材51は、図12に示すように、転写材層50側の面に剥離層52を有していることが好ましい。剥離層52は、例えば、フッ素樹脂又はシリコーン樹脂からなる。
接着層31は、転写材層50を被覆している。転写材層50は、例えば、熱可塑性樹脂を含んでいる。
転写材層50は、表示体1を、吸水性樹脂層20と支持部材51とが向き合うように含んでいる。
転写材層50は、互いに隣接した図示しない転写部及び非転写部を含んでいる。
転写部は、転写材層50のうち、物品へ転写される部分であって、上記の表示体1を含んでいる。非転写部は、転写材層50のうち、物品へ転写されずに残留する部分である。
転写部は、転写材層50のうち、物品へ転写される部分であって、上記の表示体1を含んでいる。非転写部は、転写材層50のうち、物品へ転写されずに残留する部分である。
4.表示体付物品
次に、本発明の一実施形態に係る表示体付物品について説明する。
次に、本発明の一実施形態に係る表示体付物品について説明する。
図13は、本発明の一実施形態に係る表示体付物品を概略的に示す平面図である。
図13に示す表示体付物品4は、表示体1と、表示体1を支持した物品60とを備えている。
物品60としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用することができる。
また、表示体付物品4では、第1パターン11は、表示体1に含ませず、物品60に含ませていてもよい。図14は、本発明の他の実施形態に係る表示体付物品を概略的に示す断面図である。
図14に示す表示体付物品4は、物品60と、これに支持された表示体1’とを含んでいる。
物品60は、支持体61と、支持体61に支持された第1パターン11とを含んでいる。表示体1’は、第1パターン11及び基材10を省略したこと以外は、上述した表示体1と同様の構造を有している。すなわち、表示体1’は、吸水性樹脂層20と、吸水性樹脂層20に支持された第2パターン21とを含んでいる。この表示体付物品4も、上述した表示体1と同様に、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する画像は、吸水性樹脂層20の乾燥時と吸水時とで異なる。
支持体61としては、特に限定されないが、例えば、カード基材を使用することができる。
表示体付物品4にこの構成を採用した場合も、図13を参照しながら説明した表示体付物品と同様の効果を達成することができる。
以下に、本発明の具体例を記載する。
<表示体の製造>
(例1)
図2に示す表示体1を以下のように作製した。
親水性UV硬化性モノマーと、光重合開始剤と、溶媒とを混合して、塗液を調製した。ここで、親水性UV硬化性モノマーとしては、30質量部のN−メチルアクリルアミドと、30質量部のN−イソプロピルアクリルアミドと、10質量部のN,N’−メチレンビスアクリルアミドとを使用した。また、光重合開始剤としては、0.1質量部のIrgacure(登録商標)2959(BASF社製)を使用した。そして、溶媒としては、30質量部の純水を使用した。
(例1)
図2に示す表示体1を以下のように作製した。
親水性UV硬化性モノマーと、光重合開始剤と、溶媒とを混合して、塗液を調製した。ここで、親水性UV硬化性モノマーとしては、30質量部のN−メチルアクリルアミドと、30質量部のN−イソプロピルアクリルアミドと、10質量部のN,N’−メチレンビスアクリルアミドとを使用した。また、光重合開始剤としては、0.1質量部のIrgacure(登録商標)2959(BASF社製)を使用した。そして、溶媒としては、30質量部の純水を使用した。
次に、調製した塗液を基材10上に塗布した。基材10としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラー(登録商標)T60、厚さ75μm、東レ社製)を用いた。また、塗工には、ダイコーター使用した。具体的には、塗工幅が450mm、塗工長さが100mとなるように連続塗工を行なった。なお、塗液の塗布量は、乾燥膜厚が45μmとなるように設定した。
そして、基材10に塗布した塗液を熱処理により乾燥させ、基材10上に塗膜を形成した。ここで、熱処理条件は、100℃で3分間とした。
次に、基材10上に形成した塗膜に電離放射線を照射し、塗膜を硬化させた。このとき、電離放射線としては紫外線を用いた。また、紫外線の照射は、コンベア式紫外線硬化装置を用いて行ない、露光量が420mJ/cm2となるように行なった。これにより吸水性樹脂層20を得た。
得られた吸水性樹脂層20の主面のうち、基材10と面していない主面に、インクジェット印刷を用いて、線部の幅が100μm、ピッチが200μmのラインアンドスペースのパターンを形成した。これにより、第2パターンを形成した。
また、基材10の主面のうち、吸水性樹脂層20と面していない主面に、インクジェット印刷を用いて、第2パターンと同一のパターンを形成した。これにより、第1パターンを形成した。
また、基材10の主面のうち、吸水性樹脂層20と面していない主面に、インクジェット印刷を用いて、第2パターンと同一のパターンを形成した。これにより、第1パターンを形成した。
以上の方法により、図2に示す表示体1を作製した。以下、この表示体1を表示体N1と表記する。
乾燥時における表示体N1の表示画像を図15Aに示す。図15Aは、例1に係る表示体が乾燥時に画像を表示している様子を概略的に示す平面図である。図15Aに示すとおり、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する表示画像I1は、第2パターン21が表示する画像と一致する。
乾燥時における表示体N1の表示画像を図15Aに示す。図15Aは、例1に係る表示体が乾燥時に画像を表示している様子を概略的に示す平面図である。図15Aに示すとおり、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する表示画像I1は、第2パターン21が表示する画像と一致する。
(例2)
図9及び図10Aに示す表示体1を以下の方法で得た。具体的には、以下のことを除いて、表示体N1と同様の方法で、図9及び図10Aに示す表示体1を作製した。
まず、吸水性樹脂層20の主面のうち、基材と面していない主面に、真空蒸着法を用いてアルミニウムを100nm程度堆積させた。その後、レーザーマーカーを用いて、線部の幅が約170μm、ピッチが約250μmのラインアンドスペースのパターンとなるように、不要な部分のアルミニウムを消失させた。これにより、第2パターン21を形成した。
図9及び図10Aに示す表示体1を以下の方法で得た。具体的には、以下のことを除いて、表示体N1と同様の方法で、図9及び図10Aに示す表示体1を作製した。
まず、吸水性樹脂層20の主面のうち、基材と面していない主面に、真空蒸着法を用いてアルミニウムを100nm程度堆積させた。その後、レーザーマーカーを用いて、線部の幅が約170μm、ピッチが約250μmのラインアンドスペースのパターンとなるように、不要な部分のアルミニウムを消失させた。これにより、第2パターン21を形成した。
次に、白い紙面上にインクジェットプリンタを用いて、線部の幅が約80μm、ピッチが約250μmのシアン色のラインアンドスペースで構成されている「T」の文字と、線部の幅が約80μm、ピッチが約290μmのシアン色のラインアンドスペースで構成されている「P」の文字を作成した。これにより、第1パターンを形成した。
そして、第1パターン11を形成したインクジェット印刷用紙の上に、第2パターン21を形成した吸水性樹脂層20を重ね合わせた。これにより、図9及び図10Aに示す表示体1を作製した。以下、この表示体1を表示体N2と表記する。
乾燥時における表示体N2の表示画像を図16Aに示す。図16Aは、例2に係る表示体が乾燥時に画像を表示している様子を概略的に示す平面図である。図16Aに示すとおり、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する表示画像I3は、「T」の文字を表示している。
乾燥時における表示体N2の表示画像を図16Aに示す。図16Aは、例2に係る表示体が乾燥時に画像を表示している様子を概略的に示す平面図である。図16Aに示すとおり、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する表示画像I3は、「T」の文字を表示している。
<画像表示>
表示体N1及び表示体N2を、相対湿度が40%から60%に達するまで湿潤させたところ、次のような変化が観察された。
表示体N1及び表示体N2を、相対湿度が40%から60%に達するまで湿潤させたところ、次のような変化が観察された。
表示体N1の吸水時における表示画像を図15Bに示す。図15Bは、図15Aに示す表示体N1が吸水時に画像を表示している様子を概略的に示す平面図である。
図15Bに示すとおり、表示体N1では、吸水性樹脂層20の吸水によって第2パターン21のピッチが広がり、それに伴って第1パターン11のラインアンドスペースとの微小なズレを生じた。その結果、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する表示画像I2に、黒色のモアレ縞を生じた。すなわち、吸水時には、乾燥時の表示画像とは異なる表示画像が観察された。
図15Bに示すとおり、表示体N1では、吸水性樹脂層20の吸水によって第2パターン21のピッチが広がり、それに伴って第1パターン11のラインアンドスペースとの微小なズレを生じた。その結果、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する表示画像I2に、黒色のモアレ縞を生じた。すなわち、吸水時には、乾燥時の表示画像とは異なる表示画像が観察された。
表示体N2の吸水時における表示画像を図16Bに示す。図16Bは、図16Aに示す表示体が吸水時に画像を表示している様子を概略的に示す平面図である。
図16Bに示すとおり、表示体N2では、吸水性樹脂層20の吸水によって第2パターン21の線部の幅は変化せず、線部と線部との間隔のみが大きくなった。そのため、線部のピッチが変化した。その結果、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する表示画像I4は「P」の文字を示した。すなわち、吸水時には、乾燥時の表示画像とは異なる表示画像が観察された。
図16Bに示すとおり、表示体N2では、吸水性樹脂層20の吸水によって第2パターン21の線部の幅は変化せず、線部と線部との間隔のみが大きくなった。そのため、線部のピッチが変化した。その結果、吸水性樹脂層20を、その主面に垂直な方向から観察した場合、第1パターン11と第2パターン21との組合せが表示する表示画像I4は「P」の文字を示した。すなわち、吸水時には、乾燥時の表示画像とは異なる表示画像が観察された。
また、表示体N1及び表示体N2は、吸水性樹脂層20の乾燥、すなわち、水の脱離に伴って、それぞれ、表示画像I1及び表示画像I3を再び表示し、可逆性を示した。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…表示体、2…粘着ラベル、3…転写箔、4…表示体付物品、10…基材、11…第1パターン、20…吸水性樹脂層、21…第2パターン、30…粘着層、31…接着層、40…台紙、50…転写材層、51…支持部材、52…剥離層、60…物品、61…支持体、111…第1部分、112…第2部分、113…第3部分。
Claims (22)
- 第1パターンと、
第2パターンと、
前記第2パターンを支持した吸水性樹脂層と
を備え、
前記第1パターンと前記第2パターンとの組合せが表示する画像は、前記吸水性樹脂層の乾燥時と吸水時とで異なる表示体。 - 前記第1パターンは、前記吸水性樹脂層の少なくとも一部を間に挟んで、前記第2パターンと前記吸水性樹脂層の厚さ方向に隣り合っている請求項1に記載の表示体。
- 前記吸水性樹脂層の主面に垂直な方向から観察した場合に、前記第1及び第2パターンは少なくとも部分的に重なり合っている請求項1又は2に記載の表示体。
- 前記第2パターンは隙間を有しており、前記吸水性樹脂層の吸水及び乾燥に伴う変形に追従して前記隙間の大きさが変化する請求項3に記載の表示体。
- 前記第2パターンは、前記隙間を間に挟んで隣り合った複数の部分を含み、前記吸水性樹脂層が乾燥状態から吸水状態へと変化した際に、前記複数の部分は、それらの中心間距離が広がるように移動する請求項4に記載の表示体。
- 前記第2パターンは、前記隙間を間に挟んで隣り合った複数の部分を含み、前記吸水性樹脂層が乾燥状態から吸水状態へと変化した際に、前記複数の部分の各々は、前記吸水性樹脂層の主面に垂直な方向から見た寸法が小さくなるように変形する請求項4に記載の表示体。
- 前記第2パターン及び前記第1パターンが観察者側からこの順に位置するように使用され、
前記第1パターンは、前記吸水性樹脂層の乾燥時には前記第2パターンによって隠蔽され、前記吸水性樹脂層の吸水時には前記第2パターンによって隠蔽されない第1部分を含んだ請求項3乃至6の何れか1項に記載の表示体。 - 前記第2パターン及び前記第1パターンが観察者側からこの順に位置するように使用され、
前記第1パターンは、前記吸水性樹脂層の乾燥時には前記第2パターンによって隠蔽されず、前記吸水性樹脂層の吸水時には前記第2パターンによって隠蔽される第2部分を含んだ請求項3乃至6の何れか1項に記載の表示体。 - 前記第2パターン及び前記第1パターンが観察者側からこの順に位置するように使用され、
前記第1パターンは、
前記吸水性樹脂層の乾燥時には前記第2パターンによって隠蔽され、前記吸水性樹脂層の吸水時には前記第2パターンによって隠蔽されない第1部分と、
前記吸水性樹脂層の乾燥時には前記第2パターンによって隠蔽されず、前記吸水性樹脂層の吸水時には前記第2パターンによって隠蔽される第2部分とを
含んだ請求項3乃至6の何れか1項に記載の表示体。 - 前記第1パターンは、前記吸水性樹脂層の乾燥時と吸水時との双方において前記第2パターンによって隠蔽されない第3部分を更に含んだ請求項7乃至9の何れか1項に記載の表示体。
- 前記第2パターンは、伸縮性を有しており、前記吸水性樹脂層の吸水及び乾燥に伴う変形に追従して変形する請求項1乃至10の何れか1項に記載の表示体。
- 前記第2パターンは、前記吸水性樹脂層が乾燥状態から吸水状態へと変化した際に破断する請求項1乃至10の何れか1項に記載の表示体。
- 前記第2パターンは金属からなる請求項1乃至10の何れか1項に記載の表示体。
- 前記吸水性樹脂層は、前記第1パターンと前記第2パターンとの間に介在した請求項1乃至13の何れか1項に記載の表示体。
- 前記第2パターンは前記吸水性樹脂層中に埋め込まれた請求項1乃至13の何れか1項に記載の表示体。
- 前記第2パターンは万線又は網点状のパターンである請求項1乃至15の何れか1項に記載の表示体。
- 前記吸水性樹脂層と向き合い、前記第1パターンを支持した基材を更に備え、前記基材は、前記吸水性樹脂層と比較して、吸水及び乾燥による変形を生じ難い請求項1乃至16の何れか1項に記載の表示体。
- 前記基材は、前記吸水性樹脂層と前記第1パターンとの間に介在した請求項17に記載の表示体。
- 請求項1乃至18の何れか1項に記載の表示体と、前記表示体の一方の主面に設けられた粘着層とを具備した粘着ラベル。
- 請求項1乃至18の何れか1項に記載の表示体を含んだ転写材層と、前記転写材層を剥離可能に支持した支持部材とを具備した転写箔。
- 請求項1乃至18の何れか1項に記載の表示体と、前記表示体を支持した物品とを備えた表示体付物品。
- 支持体と、前記支持体に支持された第1パターンとを含んだ物品と、
吸水性樹脂層と、前記吸水性樹脂層に支持された第2パターンとを含み、前記物品に支持された表示体と
を備え、
前記第1パターンと前記第2パターンとの組合せが表示する画像は、前記吸水性樹脂層の乾燥時と吸水時とで異なる表示体付物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018005837A JP2019124840A (ja) | 2018-01-17 | 2018-01-17 | 表示体、粘着ラベル、転写箔及び表示体付物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018005837A JP2019124840A (ja) | 2018-01-17 | 2018-01-17 | 表示体、粘着ラベル、転写箔及び表示体付物品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019124840A true JP2019124840A (ja) | 2019-07-25 |
Family
ID=67398812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018005837A Pending JP2019124840A (ja) | 2018-01-17 | 2018-01-17 | 表示体、粘着ラベル、転写箔及び表示体付物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019124840A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020162342A1 (ja) * | 2019-02-05 | 2020-08-13 | コニカミノルタ株式会社 | 立体造形物の製造方法および立体造形装置 |
CN112837605A (zh) * | 2019-11-25 | 2021-05-25 | 兆宣精密印刷有限公司 | 标签贴纸 |
-
2018
- 2018-01-17 JP JP2018005837A patent/JP2019124840A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020162342A1 (ja) * | 2019-02-05 | 2020-08-13 | コニカミノルタ株式会社 | 立体造形物の製造方法および立体造形装置 |
JPWO2020162342A1 (ja) * | 2019-02-05 | 2021-12-16 | コニカミノルタ株式会社 | 立体造形物の製造方法および立体造形装置 |
CN112837605A (zh) * | 2019-11-25 | 2021-05-25 | 兆宣精密印刷有限公司 | 标签贴纸 |
CN112837605B (zh) * | 2019-11-25 | 2023-08-18 | 兆宣精密印刷有限公司 | 标签贴纸 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6320480B2 (ja) | 像が形成された物品及びその作製方法 | |
RU2531201C1 (ru) | Способ повышения качества печати на флексографских печатных формах | |
KR101719750B1 (ko) | 엠보 점착 시트 및 이의 제조방법 | |
US20030108710A1 (en) | Articles bearing patterned microstructures and method of making | |
JPWO2007111026A1 (ja) | 光学フィルム | |
JP2019124840A (ja) | 表示体、粘着ラベル、転写箔及び表示体付物品 | |
TW201903539A (zh) | 製造浮凸圖像印刷元件之方法 | |
JP2009210834A (ja) | 光線制御部材およびその製造方法 | |
JP2015217595A (ja) | フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶表示素子の製造方法 | |
JP6954050B2 (ja) | 刺激応答性可逆変形構造体及びその製造方法 | |
JP5482296B2 (ja) | 立体画像形成方法 | |
JP2004077548A (ja) | うちわ | |
TWI729465B (zh) | 柔版印刷版與使用其的液晶顯示元件的製造方法 | |
JP7225648B2 (ja) | 湿潤応答性可逆変形構造体及びその製造方法 | |
WO2010110006A1 (ja) | ニュートンリング防止シート、及びこれを用いたタッチパネル | |
JP2020003448A (ja) | 刺激応答性可逆変形構造体及びその製造方法 | |
JP7243063B2 (ja) | 可逆変形レンズフィルム | |
JPH11277864A (ja) | 孔版印刷方法 | |
JP7238333B2 (ja) | レンズ形成フィルム | |
JP2020056921A (ja) | 湿度応答性可逆変形構造体及びその製造方法 | |
JP5371286B2 (ja) | 樹脂製モールド作製用積層体および樹脂製モールドの製造方法 | |
JP2002107512A5 (ja) | ||
CN111372787A (zh) | 柔性印刷版原版 | |
JP7287170B2 (ja) | 粘着シート | |
JPH1034781A (ja) | 大面積用表面シート |