JP6951097B2 - 熱電変換素子及び熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換素子及び熱電変換モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP6951097B2
JP6951097B2 JP2017065842A JP2017065842A JP6951097B2 JP 6951097 B2 JP6951097 B2 JP 6951097B2 JP 2017065842 A JP2017065842 A JP 2017065842A JP 2017065842 A JP2017065842 A JP 2017065842A JP 6951097 B2 JP6951097 B2 JP 6951097B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoelectric conversion
lattice
conversion element
thermal conductivity
crystal structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017065842A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018170373A (ja
Inventor
真 籔内
真 籔内
洋輔 黒崎
洋輔 黒崎
聡悟 西出
聡悟 西出
早川 純
純 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2017065842A priority Critical patent/JP6951097B2/ja
Priority to ES18160917T priority patent/ES2792123T3/es
Priority to EP18160917.3A priority patent/EP3447811B1/en
Publication of JP2018170373A publication Critical patent/JP2018170373A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6951097B2 publication Critical patent/JP6951097B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C5/00Alloys based on noble metals
    • C22C5/02Alloys based on gold
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F1/00Metallic powder; Treatment of metallic powder, e.g. to facilitate working or to improve properties
    • B22F1/05Metallic powder characterised by the size or surface area of the particles
    • B22F1/054Nanosized particles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F1/00Metallic powder; Treatment of metallic powder, e.g. to facilitate working or to improve properties
    • B22F1/12Metallic powder containing non-metallic particles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F7/00Manufacture of composite layers, workpieces, or articles, comprising metallic powder, by sintering the powder, with or without compacting wherein at least one part is obtained by sintering or compression
    • B22F7/02Manufacture of composite layers, workpieces, or articles, comprising metallic powder, by sintering the powder, with or without compacting wherein at least one part is obtained by sintering or compression of composite layers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C1/00Making non-ferrous alloys
    • C22C1/04Making non-ferrous alloys by powder metallurgy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects
    • H10N10/80Constructional details
    • H10N10/85Thermoelectric active materials
    • H10N10/851Thermoelectric active materials comprising inorganic compositions
    • H10N10/852Thermoelectric active materials comprising inorganic compositions comprising tellurium, selenium or sulfur
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects
    • H10N10/80Constructional details
    • H10N10/85Thermoelectric active materials
    • H10N10/851Thermoelectric active materials comprising inorganic compositions
    • H10N10/855Thermoelectric active materials comprising inorganic compositions comprising compounds containing boron, carbon, oxygen or nitrogen
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects
    • H10N10/80Constructional details
    • H10N10/85Thermoelectric active materials
    • H10N10/857Thermoelectric active materials comprising compositions changing continuously or discontinuously inside the material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Description

本発明は、熱電変換素子及び熱電変換モジュールに関する。
排熱エネルギーを電力に変換して利用する技術として、古くから熱電変換素子が知られている。200℃以下の温度で比較的効率良くゼーベック効果を得られる熱電変換材料として、例えばBiTeが実用化されている。また、上記したBi−Te系材料のように、室温近傍で高いゼーベック効果を得られる熱電変換材料は、ペルチェ効果を利用した冷却素子として適用することも可能である。
熱電変換材料の性能は、一般に、無次元性能指数(ZT)で評価されており、ゼーベック係数S及び電気伝導率σが高く、熱伝導率κが低いほど、その値が高くなる。しかしながら、低熱伝導率と高ゼーベック係数とを同時に実現する材料を選択することは困難であり、材料の選択肢は限られている。
例えばBi−Te系材料は、性能指数ZT>1と高い変換効率を示すが、Bi及びTeはともに高価であり、またTeは極めて毒性が強いものである。このため、大量生産や低コスト化、環境負荷低減が可能な材料で、BiTeに代わる高効率な熱電変換材料が求められている。
例えば特許文献1には、安価でかつ無毒な元素により構成されたシリサイド半導体である、MgSiを用いた熱電変換材料が開示されている。また、特許文献2には、Fe、V、Al等の低環境負荷でかつ低コストな元素によって構成された、ホイスラー合金型の結晶構造を有する熱電変換材料が開示されている。
特開2012−104558号公報 特開2004−253618号
特許文献1及び2に記載された熱電変換材料は、上記したBi−Te系材料のような有毒なレアメタルを含まないため、産業応用上有用な材料である。しかしながら、特許文献1及び2に記載の熱電変換材料では、必ずしもBi−Te系材料を超える熱電変換特性を得られていないため、より優れた熱電変換性能を得られる熱電変換材料が求められている。
そこで、本発明の目的は、低環境負荷及び低コスト化が可能であり、かつ高い熱電変換特性を得られる熱電変換素子及び熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
本発明に係る熱電変換素子の好ましい実施形態としては、組成式AB(組成式AB中、Aは、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Bi、He、Ne、Ar、Kr、Xeからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、Bは、Zn、Cu、Ag、Au、Al、Ga、In、Si、Ge、Snからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。)で表され、かつ格子熱伝導率が電子熱伝導率よりも低い第一の材料と、前記第一の材料より高いゼーベック係数を有し、かつ電子熱伝導率が格子熱伝導率よりも低い第二の材料とを含んでなり、前記第一の材料の格子熱伝導率は、前記第二の材料の格子熱伝導率より低く、前記第一の材料と前記第二の材料との界面から、前記第一の材料の端部及び前記第二の材料の端部までの距離が、それぞれ500nm以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る熱電変換モジュールの好ましい実施形態としては、複数の熱電変換素子と、前記熱電変換素子の間を電気的に接続する電極とを有する熱電変換モジュールであって、前記熱電変換素子として、上記した実施形態に係る熱電変換素子を有することを特徴とする。
本発明によれば、低環境負荷及び低コスト化が可能であり、かつ高い熱電変換特性を得られる熱電変換素子及び熱電変換モジュールを実現することができる。
第一の材料と第二の材料とを接合した接合モデルの説明図である。 金属材料と半導体材料とを接合した接合体における、各材料領域での電子温度及び格子温度のシミュレーション結果を示す図である。 金属材料と半導体材料とを接合した接合体における、各材料領域での電子温度及び格子温度のシミュレーション結果を示す図である。 NaZn13型の結晶構造を示す図である。 NaZn13型結晶構造を有する各化合物の状態密度とエネルギーとの関係を示す図である。 NaZn13型結晶構造を有する各化合物の状態密度とエネルギーとの関係を示す図である。 BaCu13の格子熱伝導率と温度との関係を計算した計算結果を示す図である。 BaCd11型結晶構造を示す図である。 MgZn11型結晶構造を示す図である。 NaSi23型結晶構造を示す図である。 CaCu型結晶構造を示す図である。 MgCu型結晶構造を示す図である。 多層構造を有する熱電変換素子の断面を模式的に示す図である。 二次元的な格子構造を有する熱電変換素子の斜視図である。 ナノ粒子複合体の構成を模式的に示す図である。 実施形態に係る熱電変換モジュールの斜視図である。 熱電変換ナノワイヤの製造方法を説明するための図である。 熱電変換ナノワイヤの適用例を示す斜視図である。 熱電変換ナノワイヤの適用例を示す斜視図である。 熱電変換ナノワイヤの適用例を示す斜視図である。
実施形態の熱電変換素子は、熱キャリアの主成分が互いに異なる第一の材料と第二の材料とを含んでなり、第一の材料と第二の材料とを接合してなる接合体として構成される。実施形態の熱電変換素子は、第一の材料及び第二の材料として、それぞれの格子熱伝導率と電子熱伝導率とが後述する所定の関係を満たすものを用いて接合することで、高い熱電変換特性を得ることができる。
以下に、熱電変換特性について説明する。熱電変換材料の性能は、下記式(1)の無次元性能指数(ZT)で評価される。
Figure 0006951097
上記式(1)において、σは電気伝導率であり、Sはゼーベック係数であり、κは熱伝導率である。熱伝導率κは、熱キャリアが電子と格子とからなる場合、電子からの寄与である電子熱伝導率κと格子からの寄与である格子熱伝導率κの和として表され、κ=κ+κとなる。上記式(1)の両辺に温度Tを掛けたものが、無次元性能指数(ZT)である。上記式(1)式において、ゼーベック係数S及び電気伝導率σが高く、熱伝導率κが低いほどZTが高くなり、高い熱電変換性能を得ることができる。
本発明者らは、従来の熱電変換材料において、パワーファクターσS(即ち、ゼーベック係数Sや電気伝導率σ)が高くても、格子熱伝導率κが高いために熱電変換性能の向上に限度があると考えられてきた材料に、後述する第一の材料を組み合わせることにより、高い熱電変換特性を得られることを見出した。
以下に、第一の材料と第二の材料とを接合した場合の熱抵抗Rについて、図1を用いて説明する。図1では、第一の材料10である長さlの金属材料と、第二の材料20である長さlの半導体材料又は半金属材料とを接合界面30において接合した接合体を、模式的に示している。
図1に示す接合体の全熱抵抗Rは、以下の式(2)で表される。
Figure 0006951097
上記式(2)において、κe1は金属材料の電子熱伝導率であり、κp1は金属材料の格子熱伝導率であり、κe2は半導体材料の電子熱伝導率であり、κp2は半導体材料の格子熱伝導率である。上記式(2)において、α、α、α、d及びdは、それぞれ下記式(3)〜(8)で示される。
Figure 0006951097
Figure 0006951097
Figure 0006951097
Figure 0006951097
Figure 0006951097
Figure 0006951097
上記式(3)〜(8)において、i=1、2であり、xはe、p、aのいずれかであり、Gは金属又は半導体の電子−格子相互作用因子(electro−phonon coupling factor)である。また、上記式(3)〜(8)において、ρp12は格子の界面熱抵抗であり、ρe12は電子の界面熱抵抗である。
長さ(l+l)の複合系の有効熱伝導率κeffは、上記式(2)より、下記式(9)で示される。
Figure 0006951097
図1に示すように金属材料と半導体材料とを接合した接合体における、各材料領域での電子温度及び格子温度のシミュレーション結果を図2に示す。図2において、金属材料の熱伝導率κ=10.2W/mK(κe1=9.7W/mK、κp1=0.5W/mK)とし、半導体材料の熱伝導率κ=16.5W/mK(κe2=0.1W/mK、κp2=16.4W/mK)とした。また、電子の界面熱抵抗ρe12=0.2m/GWとし、格子の界面熱抵抗ρp12=2.8m/GWとした。
図2では、接合体における金属材料側端部の温度を300.5Kとし、半導体材料側端部の温度を299.5Kとして、接合体の両端に温度差をつけたときの、電子温度及び格子温度それぞれのシミュレーション結果を示している。図2では、電子と格子の二種の熱キャリアが存在する金属材料及び半導体材料について、金属材料の厚さl及び半導体材料の厚さlをそれぞれ10nmとして、それぞれの電子温度及び格子温度のシミュレーションを行った。
図2に示すシミュレーション結果では、金属材料の領域(以下、金属領域という)と半導体材料の領域(以下、半導体領域という)とで、電子温度の変化状態及び格子温度の変化状態が著しく異なっていることが確認できる。即ち、金属領域では、電子温度は殆ど変化が無いが、格子温度は大きく変化している。一方、半導体領域では、電子温度は大きく変化しているが、格子温度は殆ど変化が無い。図2のシミュレーションに対応する各条件を、上記式(2)〜(9)に代入して有効熱伝導率を計算したところ、図2のシミュレーションに対応する各条件を、上記式(2)〜(9)に代入して有効熱伝導率を計算したところ、接合体としての有効熱伝導率κeffは1.5 W/mK であり、半導体材料単独での熱伝導率(16.5 W/mK)と比較して、その1/10程度に減少する結果が得られた。
図2の結果より、第一の材料(金属材料)として、格子熱伝導率κp1が電子熱伝導率κe1よりも低く、電子を主な熱キャリアとし、かつその格子熱伝導κp1が、第二の材料(半導体材料)の格子熱伝導率κp2より低い材料を用い、第二の材料(半導体材料)として、電子熱伝導率κe2が格子熱伝導率κp2よりも低く、格子を主な熱キャリアとする材料を用い、これらを接合した系を用いることで、接合体全体の熱伝導率が、顕著に低減する効果を得ることができる。即ち、第二の材料として、例えば高い格子熱伝導率を有する半導体材料を用いた場合でも、上記した条件を満たす第一の材料と組み合わせることで、熱電変換素子としての熱伝導率を低減することが可能となる。
また、上記したように、金属材料と半導体材料とを接合した接合体として、熱電変換素子を形成することで、熱電変換素子全体に占める、抵抗高い半導体相の割合が低減される。このため、半導体相単独で構成した場合と比較して、接合体全体としての電気伝導率が向上する。
また、図2に示すシミュレーション結果では、金属材料及び半導体材料の電子熱伝導率及び格子熱伝導率(κe1、κp1、κe2、κp1)が、それぞれ上記した関係を有することで、電子の温度勾配の殆どが半導体領域で生じている。このため、仮に、電気伝導率の高い金属の領域のゼーベック係数が極めて低い場合でも、接合体全体の平均値としてのゼーベック係数は、半導体材料単独のゼーベック係数の8割程度の値が維持される。
次に、図2で行ったシミュレーションにおいて、金属材料の厚さlと半導体材料lの厚さをそれぞれ500nmに変更した場合の、各材料領域での電子温度及び格子温度のシミュレーション結果を示す。なお、図3では、各材料の厚さを500nmに変更したこと以外は、金属材料、半導体材料とも同一の材料を用いた場合の温度シミュレーションを行った。
図3に示すように、各材料の厚さを500nmとした場合には、金属領域では、電子温度と格子温度の温度変化の差が殆ど顕れない結果となった。また、半導体領域では、接合界面近傍においては電子温度と格子温度とで、ある程度の温度差が見られたものの、半導体領域側の端部では、電子温度と格子温度の温度差は、殆ど顕れない結果となった。
以上より、半導体材料と金属材料の厚さl、lを、それぞれ500nmとした場合には、各材料の厚さを10nmとした場合の図2のシミュレーション結果とは、大きく異なる結果となった。図3のシミュレーションに対応する各条件を、上記式(2)〜(9)に代入して有効熱伝導率を計算したところ、接合体としての有効伝導率κeffは10.7 W/mKであり、半導体材料単独での熱伝導率(16.5 W/mK)からの、顕著な熱伝導率の低下はみられなかった。
図3に示す温度シミュレーションにおいて、熱伝導率の低下の効果が低かったのは、図2の場合と比較して、各材料の厚さl、lが厚く、これらが、電子−格子相互作用が大きく影響を及ぼす長さ(d、d)と比較して、十分に長いことに起因している。従って、第一の材料と第二の材料との接合により、熱伝導率を大幅に低減する効果を得るためには、各材料の厚さl、l、即ち第一の材料と第二の材料との接合界面30から、この接合界面30を形成する第一の材料及び第二の材料の、それぞれの端部までの距離を、500nm以下とすることがよい。
また、上記したように、複数種の材料を接合して熱伝導率を大幅に低減させるには、上記式(2)におけるd値を大きくすることが有効である。また、d値を大きくするためには、電子−格子相互作用因子Gの値を小さくすることが有効であることが、d値を定義する上記式(4)から認められる。G値は近似的には下記式(10)により表される(非特許文献 Phys.Rev.B 77,075133(2008) 075133−4 参照)。
Figure 0006951097
上記式(10)において、D(ε)はエネルギーεにおける状態密度であり、εは、フェルミエネルギーであり、λ<ω>は、電子−格子相互作用に関する物質パラメータである。式(10)より、フェルミエネルギーにおける状態密度が高い材料のほど、G値は高くなる傾向がある。従って、有効熱伝導率κeffを低減する(即ち、熱抵抗Rを増大させる)には、d値を大きくすることが有効であり、d値を大きくするには、フェルミエネルギーにおける状態密度が低い材料を選択して、G値を低減することが望ましい。
以上より、接合体としての有効熱伝導率κeffを低減するには、第二の材料と組み合わせる第一の材料として、上記図2で説明した条件を満たすとともに、フェルミエネルギーにおける状態密度が低い材料を選択することが望ましい。
格子熱伝導率が低く、かつフェルミエネルギーにおける状態密度が低い第一の材料の代表例として、NaZn13型結晶構造の金属材料が挙げられる。図4に、NaZn13型の結晶構造を示す。図4中、白丸はNaであり、黒丸はZnである。図4に示すように、NaZn13型結晶構造では、アルカリ金属であるNaを、Znが籠状に取り囲む結晶構造を有している。このような籠状の結晶構造を有する化合物は、格子熱伝導率が低減され易いため、金属側の材料として好適に用いることができる。NaZn13型結晶構造の金属材料としては、例えばBaCu13のように、Naサイトをアルカリ土類金属元素が占有し、ZnサイトをCu等の金属元素が占有するものを用いることができる。
図5A及び図5Bに、NaZn13型結晶構造を有する各化合物の状態密度とエネルギーとの関係を示す。図5A、図5Bでは、NaZn13型結晶構造のNaサイトを、アルカリ土類金属元素であるMg、Ca、Sr、Baで置換し、ZnサイトをCu、Ag、Auで置換した化合物についての、それぞれの状態密度とエネルギーとの関係を示している。
図5A、図5Bから、これらの化合物は、いずれもフェルミエネルギーにおける状態密度が低いことが確認できる。また、NaZn13型結晶構造の化合物としては、図5A、5Bに示す化合物に限られず、例えば、NaサイトをLiやK等のアルカリ金属で置換したものであってもよい。
図6に、BaCu13の格子熱伝導率と温度との関係を計算した計算結果を示す。図6に示すように、BaCu13の格子熱伝導率は、300Kにおいて1.8W/mKである。これは、例えばシリコン単結晶の300Kにおける格子熱伝導率156W/mKと比較して、十分に低い値である。
また、格子熱伝導率が低く、かつフェルミエネルギーにおける状態密度が低いその他の化合物の例としては、例えば図7〜11に示すような、BaCd11型結晶構造、MgZn11型結晶構造、NaSi23型結晶構造、CaCu型結晶構造、MgCu型結晶構造の金属材料が挙げられる。
なお、図7中、白丸はBaであり、黒丸はCdである。また、図8中、白丸はMgであり、黒丸はZnである。また、図9中、白丸はNaであり、黒丸はSiである。また、図10中、白丸はCaであり、黒丸はCdである。また、図11中、白丸はMgであり、黒丸はCuである。
上記したように、格子熱伝導率が低く、かつフェルミエネルギーにおける状態密度が低い(即ち電子−格子相互作用の弱い)第一の材料としては、組成式ABで表される化合物が挙げられる。但し、組成式ABにおいて、元素Aは、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Bi、He、Ne、Ar、Kr、Xeからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、元素Bは、Zn、Cu、Ag、Au、Al、Ga、In、Si、Ge、Snからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。組成式ABにおいて、xが2≦x≦13の範囲にあるものは、上記したNaZn13型結晶構造、BaCd11型結晶構造、MgZn11型結晶構造、NaSi23型結晶構造、CaCu型結晶構造、BaZn型結晶構造又はMgCu型結晶構造を有し得る。
組成式ABの元素Bとして列挙した各元素は、例えばFe、Pt、Pd、Rh等の遷移金属元素と比較して、いずれも、フェルミエネルギーにおける状態密度が低いため、これらの元素を主に含む化合物は、電子−格子相互作用Gが低くなる。
従って、組成式ABで示され、かつ上記した結晶構造を有する化合物は、格子熱伝導率が低く、かつ電子−格子相互作用の弱いものとなる。
組成式ABの元素Bの主成分を、上記で列挙した元素のうちSi、Ge、Snを除く元素とした場合には、組成式ABで示される化合物は金属的な性質となる。一方、元素BにおけるSi、Ge、Snの割合を増加させた場合には、組成式ABで示される化合物は、キャリア密度が減少し、半金属的な性質となる。このように、組成式ABにおける元素の種類を適宜選択することで、その電気伝導性を調整することができる。
組成式ABにおいて、元素BをCu又はZnとした場合、これらの元素は、フェルミエネルギーにおいて低い状態密度を得られ易く、また一般に汎用されている元素であるため、低コスト化の面でも有利である。
組成式ABにおいて、元素BをAl、Ga、Inとした場合、これらの元素は、CuやZnと比較して電子−格子相互作用Gが高くなる傾向がある。このため、電子−格子相互作用Gを低減する観点からは、元素BにおいてZn、Cu、Ag、Au等の元素が占める割合が高い方が好ましい。
元素Aとしては、上記したように、He、Ne、Ar、Kr、Xe等の希ガス元素を選択することが可能である。これらの希ガス元素の導入は、格子熱伝導率の低減に有効であり、イオン打ち込み等の手法により、第一の材料の主材に導入することが可能である。元素Aとしては、低コスト化の観点から、La又はBaが好ましい。
実施形態に係る熱電変換素子において、第二の材料としては、上記したように、電子熱伝導率が格子熱伝導率よりも低い条件を満たし、かつ第一の材料より高いゼーベック係数(即ち高いパワーファクター)を有する熱電変換材料を使用する。第二の材料としては、上記の条件を満たすものであれば、P型熱電変換材料でもよく、N型熱電変換材料でもよい。
第二の材料としては、例えばSiやGeを主とするIV族半導体材料が、半導体デバイスとの整合性が良く安価な材料系として挙げられる。Si等のIV族元素を含む化合物は、半導体材料として一般に普及しており、環境低負荷で低コスト化が可能なため、第二の材料として好適に用いることができる。また、Siと金属元素との化合物であるシリサイドや、Geと金属元素との化合物であるゲルマニドも、半導体デバイスとの整合性が良いため、用途に応じて好適に用いることができる。
また、第二の材料としては、遷移金属元素を含む化合物も、好適な材料として挙げられる。即ち、熱電変換材料としての熱起電力は、物質の電子状態に強く依存し、高い熱起電力を得るためには、フェルミレベル近傍での状態密度の変化が急峻な材料を用いることが好ましい。状態密度の変化を大きく得るためには、局在した電子状態を有することが求められる。従って、例えば遷移金属元素のように、d軌道の電子がフェルミレベル近傍の電子状態に寄与する材料系が、高い熱起電力を得られるため好適である。
比較的安価な遷移金属元素としては、鉄(Fe)やマンガン(Mn)が挙げられる。例えばFeの3dに由来する電子状態がフェルミレベル近傍にある化合物を、母相として含む材料系は、地殻埋蔵量が多く安価であり、また低環境負荷であるため、熱電変換材料として好適である。
従って、第二の材料としては、高い熱起電力を得る観点から、MnSi及びβ−FeSiなどのシリサイド半導体微粒子を好適に用いることができる。また、遷移金属元素を含む化合物としては、MoSi、TiSi、TiGe、ZrSn、V17Ge31、Cr11Ge19、MoGe16、Mo13Ge23、RuGe、RuSi、OsGe、OsSi、Rh17Ge22、MnSi、ReGe、Mn11Si19、Mn15Si26、Mn27Si47、Mn26Si45、MnSi12、Mn19Si33、Mn39Si68、IrGe、CoSiなどを用いても良い。第二の材料としては、これらの化合物を単独で用いてもよく、これらの遷移金属元素を含む化合物を、SiやGeを主体とする材料と併せて用いても良い。
また、第二の材料としては、パイライト構造を有するFeS、AuSb、CaC、CoS、MnS、NiS、NiSe、OsS、OsTe、PdAs、PtAs、PtBi、RhSe、RuS等の化合物や、酸化物半導体又は硫化物半導体を用いてもよく、フルホイスラー合金、ハーフホイスラー合金、クラスレート材料、又はスクッテルダイト等を用いても良い。フルホイスラー合金としては、例えばFeVAlやFeTiSiを用いることができ、ハーフホイスラー合金としては、例えばFeNbSbを用いることができ、クラスレート材料としては、例えばBaGaSnを用いることができ、スクッテルダイトとしては、例えばCoSbを用いることができる。これらの材料は、上記したIV族元素を含む化合物と比較すると、例えばSi等の半導体デバイス上での作製を行うのは困難であるが、熱電変換材料の適用対象に応じて、適宜選択することができる。
また、第二の材料としては、上記した各化合物を母材として所望の元素をドーピングした材料を用いても良い。また、第一の材料としては、有機半導体等を用いても良い。
実施形態に係る熱電変換素子は、第一の材料及び第二の材料として、第一の材料の格子熱伝導率が第二の材料の格子熱伝導率より低く、かつ第二の材料のゼーベック係数が第一の材料のゼーベック係数より高くなるように、上記に列挙した各材料からそれぞれ適宜選択して、これらを接合した接合体として構成することができる。
以上説明した実施形態に係る熱電変換素子によれば、上記した第一の材料と第二の材料とを接合することで、単一の材料で構成した熱電変換素子と比較して、熱電変換性能を大幅に向上させることができる。第一の材料としては、上記したように、格子熱伝導率が電子熱伝導率より低く、かつこの格子熱伝導率が第二の材料の格子熱伝導率より低い材料であり、電子−格子相互作用が弱く、電気伝導性の高い材料を用いる。また、第二の材料としては、上記したように、第一の材料より高いゼーベック係数を有し、パワーファクター(σS)の高い材料を用いる。
このような第一の材料と第二の材料との接合界面と、接合界面を形成する第一の材料の端部及び第二の材料の端部までの距離を、それぞれ500nm以下とすることで、単一材料で構成した熱電変換素子と比較して、大幅な熱伝導率の低減が可能となり、また、接合体全体としての電気伝導率も向上する。従って、例えば第二の材料として、格子熱伝導率の高い材料を用いた場合でも、接合体全体として、低い熱伝導率と、高い電気伝導率及びゼーベック係数を得ることができ、熱電変換性能を大幅に向上させることができる。
また、第一の材料又は第二の材料として、安価で埋蔵量の多い材料を用いて組み合わせることで、例えばBi−Te系材料と比較して、大幅なコスト低減が可能となる。
次に、上記した第一の材料と第二の材料とを用いて作製した熱電変換素子の具体的な構成例を、図12〜13を用いて説明する。図12(a)に示す熱電変換素子100は、熱キャリアの主成分が高いに異なる第一の材料と第二の材料とを、それぞれ層状にして交互に積層した周期構造としての多層構造を有している。即ち、熱電変換素子100は、第一の材料により形成された第一の層101と、第二の材料により形成された第二の層102とが、交互に積層されて構成されている。第一の層101と第二の層102とは、接合界面105において接合しており、接合界面105から第一の層101の端部までの距離l(即ち、第一の層101の厚さl)、及び接合界面105から第二の層102の端部までの距離l(即ち、第二の層102の厚さl)を、それぞれ500nm以下としている。これにより、図12に示す熱電変換素子は、第一の層101及び第二の層102の積層方向に、一方向に熱伝導率が低減する効果を得ることができる。
多層構造の熱電変換素子は、例えば図12(b)に示すように、第一の材料及び第二の材料のいずれとも異なる材料の層103を、第一の層101と第二の層102との間に介装した構造としてもよい。
熱電変換素子は、多くの場合、P型熱電変換素子、N型熱電変換素子の双方が必要となる。従って、図12(c)に示すように、第二の材料としての上記条件を満たす、一般的なP型熱電変換材料又はN型熱電変換材料を選択して、第二の層102−1を形成し、第一の材料としての上記した条件を満たす材料、即ち格子熱伝導率が低く、電子−格子相互作用の小さい材料を選択して第一の層101を形成し、これらを図12(c)に示すように積層することで、P型性能又はN型性能を適宜選択して、熱電変換素子を得ることができる。
熱電変換素子200は、図13(a)に示すように、第一の材料により形成された第一の格子201と第二の材料により形成された第二の格子202とを、同一平面に交互に配列して接合した、二次元的な格子構造としてもよい。また、図13(b)に示すように、図13(a)に示す格子構造の一部に、導波路構造203を形成してもよい。
第一の格子201と第二の格子202とは、接合界面205において接合しており、接合界面205から第一の格子201の端部までの距離(即ち、第一の格子201の幅)l、及び接合界面205から第二の格子202の端部までの距離(即ち、第二の層102の幅)lを、それぞれ500nm以下としている。なお、距離l、距離lは、いずれも、接合界面205から、各材料の端部までの距離のうちの最長の距離をいう。
図13(a)、(b)に示す熱電変換素子では、第一の格子201と第二の格子202とが接合する方向、即ち図中矢印A、Bで示す方向に、それぞれ熱伝導率が低下する。従って、熱伝導率が低下する効果を二次元的に得ることができる。
図13(a)、(b)に示す例では、それぞれの格子201、202を正方格子として形成した構造を示したが、例えば各格子を三角形にして二次元的な周期構造を形成してもよく、又は各格子を六角形にしたハニカム構造として、二次元的な格子構造を形成してもよい。なお、図13(a)、(b)に示す二次元的な格子構造の一部に欠陥構造を形成することにより、平面内の一部に限り、熱伝導率を高くすることも可能である。これにより、デバイス構造の自由度を広げることが可能となる。
また、図示は省略するが、図13(a)又は図13(b)に示す熱電変換素子200を積層することで、第一の格子201と第二の格子202とが三次元的に接合した熱電変換素子とすることも可能である。具体的には、例えば図13(a)に示す熱電変換素子200の第一の格子201上に第二の格子202が配置され、第二の格子202上に第一の格子201が配置されるように、熱電変換素子200上に熱電変換素子200を積層する。このようにして得られた熱電変換素子は、第一の格子201と第二の格子202とが接合する方向に、三次元的に熱伝導率が低下する。即ち図13(a)、(b)中矢印A、Bで示す方向に加え、熱電変換素子200の主面と直交する方向に、熱伝導率が低減する効果を得られる。
また、図12〜13に示す熱電変換素子において、第一の材料又は第二の材料のいずれか一方又は双方を、ナノ粒子により構成してもよい。具体的には、図12に示す第一の層101又は第二の層102のいずれか一方又は双方を、ナノ粒子により構成してもよく、図13に示す第一の格子201又は第二の格子202のいずれか一方又は双方を、ナノ粒子により構成してもよい。
また、図14に示すように、第一の材料を構成する第一のナノ粒子301と第二の材料を構成する第二のナノ粒子302とを混合したナノ粒子複合体300により、熱電変換素子を構成することも可能である。ナノ粒子複合体300は、図14に示すように、第一のナノ粒子301と第二のナノ粒子302とが、互いに界面305において接した状態で混在している。
第一のナノ粒子301と第二のナノ粒子302とは、界面305において接しており、界面305から第一のナノ粒子301の端部までの距離l、及び界面305から第二のナノ粒子302の端部までの距離lを、それぞれ500nm以下としている。なお、距離l、距離lは、いずれも、界面305から、各粒子の粒子端までの距離のうちの最長の距離をいう。
図14に示すように、ナノメートルサイズまで微粒子化した各材料を混合することにより、粒子同士の界面が増加するため、フォノン散乱により、熱伝導率を大幅に低減させることが可能となる。また、例えば第一のナノ粒子と第二のナノ粒子との自己組織化により、これらの粒子が互いに接する構成としてもよい。
また、図12(a)〜(c)又は図13(a)、(b)に示す各熱電変換素子を用いて作製した熱電変換モジュール400を、図15に示す。なお、図15(a)は、図15(b)の上部電極を取り除いた状態の熱電変換モジュールの全体構成を示す斜視図である。図15において、熱電変換モジュール400には、P型熱電変換素子401とN型熱電変換素子402とが交互に配置されて構成されている。
図15において、P型熱電変換素子401は、例えば図12(c)において、第二の層102をP型熱電変換材料により形成した熱電変換素子100や、図13(a)において、第二の格子202をP型熱電変換材料により形成した熱電変換素子200を適用することができる。また、N型熱電変換素子402も、N型熱電変換材料を用いる点以外は、P型熱電変換素子401と同様に形成することができる。
熱電変換モジュール400は、P型熱電変換素子401とN型熱電変換素子402の一対が、これらの主面(図15(a)中上側面)において、双方に接するように設けられた上部電極403(図15(b)参照)により接続されたπ型構造を、同一面上に多数個並べて構成したものである。図15に示す熱電変換モジュール400では、P型熱電変換素子401と、このP型熱電変換素子401と上部電極403により接続されていないN型熱電変換素子402とが、下部電極404により接続されている。
図15に示す熱電変換モジュール400では、例えば、上部電極403側を高温とし、下部電極404側を低温とした場合、N型熱電変換素子402内部では、低温側から高温側に向かい、P型熱電変換素子401内部では高温側から低温側に向かう方向に電流が流れるように構成されている。
次に、以上説明した熱電変換素子の製造方法について、図16を用いて説明する。図16では、第一の格子と第二の格子とを、同一平面上に交互に配列して接合するナノワイヤ型の熱電変換素子500(以下、熱電変換ナノワイヤ500と示す)を、リソグラフィ工程を用いて製造する方法を説明する。
まず、図16(a)に示すように、Si基板501上にSiO膜502を介してSiナノワイヤ503が形成されたSOI基板を用意する(工程1)。次に、図16(b)に示すように、例えばスピンコート法等により、SOI基板上にリソグラフィ用レジストを塗布してレジスト膜504を形成した後(工程2)、例えばマスクを用いた露光及び現像により、レジスト膜504を図16(c)に示す形状となるようにパターニングする(工程3)。
次に、図16(d)に示すように、レジスト膜504に形成されたパターニング領域に、第一の材料のイオン打ち込み又はスパッタリングを行い(工程4)、第一の格子505を形成する。工程4において、スパッタリングを行う場合には、例えばパターニング後にポストベークを行った後、酸性溶液及びアルカリ性溶液に浸漬して、パターニング領域のSiナノワイヤ503を除去する。そして、Siナノワイヤ503の除去領域に、スパッタリングを行う。次に、図16(e)に示すように、溶剤によりレジスト膜504を除去して、第一の格子505と第二の格子506とが、同一平面上に交互に配列された熱電変換ナノワイヤ500を得る(工程5)。
以上説明した方法により、得られた熱電変換ナノワイヤ500は、図16(e)中、矢印Cで示す一方向に熱伝導率が低減する効果を得ることができ、かつ良好な電気伝導性を得ることができる。
実施形態に係る熱電変換素子は、上記したリソグラフィに限られず、例えばスパッタリング、真空蒸着、CVD等の手法を用いて作製することが可能である。また、第一の材料又は第二の材料を、例えばメカニカルアロイングによりナノサイズの微粒子としたり、この粒子を自己組織化することで、各材料の接合界面を形成することも可能である。
上記のようにして製造した熱電変換ナノワイヤ500は、例えば図17に示すように、SiO膜502を有するSi基板501上に、低熱伝導率の材料により形成した断熱領域600と、電気的に接続した構成とすることも可能である。
図17に示す構成において、例えば、断熱領域600を高温とし、熱電変換ナノワイヤ500の末端を低温とする等により、断熱領域600と各熱電変換ナノワイヤ500の末端との間に温度差を形成した場合には、各熱電変換ナノワイヤ500においてゼーベック効果を得ることができる。また、熱電変換ナノワイヤ500に電圧を印加した場合には、ペルチェ効果を得られるため、Si基板501上の温度コントロールを行うことも可能となる。
また、図17における断熱領域600の断熱性をより向上させる観点から、例えば図18に示すように、断熱領域600の直下及びその近傍領域のSi基板501を除去した構成としてもよく、例えば図19に示すように、断熱領域600の直下及びその近傍領域のSi基板501及びSiO膜502を除去した構成としてもよい。
以上説明した、実施形態に係る熱電変換素子は、例えば200℃以下の比較的低温域において使用可能である。例えば、地下鉄や変電所における排熱は、40〜80℃と低温であるが、実施形態に係る熱電変換素子は、このような比較的低温域の排熱を、効率的に回収利用することができる。
また、近年、コンピュータの速度増加に伴い、コンピュータ回路内で発生する熱量が増加しており、発熱に伴うコンピュータの性能低下を防止するために、コンピュータ回路の冷却が求められている。また、コンピュータ内の回路に限られず、例えば電化製品のインバータ等のパワーデバイスにおいて素子の冷却が求められる場合もある。実施形態に係る熱電変換素子は、コンピュータの冷却等に利用可能な室温近傍において、高い熱電変換性能を得ることができる。これにより、コンピュータや電化製品からの比較的低温域の排熱も、効率的に回収し、再利用することができる。
また、ゴミ焼却場などにおいて排出される排熱は、300〜600℃と高温であるが、実施形態に係る熱電変換素子は、このような比較的高温域の排熱も、効率的に回収利用することができる。
また、上記した熱電変換素子は、局所的にかつ簡便に熱制御できるため、冷却などの熱制御が可能であれば、例えば低温でのみ動作する素子と発熱素子とを混載した回路素子を、大規模な冷却装置を設けることなく稼動することが可能となる。
上記した、コンピュータ回路等を構成する半導体デバイスの冷却には、例えばシリコン等のIV族元素を含む半導体材料が好適である。
熱電変換材料部分の結晶構造は、X線回折(XRD)によって容易に確認ができる。また、TEM(Transmission Electron Miroscope)などの電子顕微鏡により格子像を観察することや電子線回折像においてスポット状パターンやリング状パターンから単結晶若しくは多結晶の結晶構造を確認することができる。試料の組成分布はEDX(Energy Dispersive X−ray spectroscopy)などのEPMA(Electron Probe MicroAnalyser)や、SIMS(Secondary Ionization Mass Spectrometer)、X線光電子分光、ICP(Inductively Coupled Plasma)などの手法を用いて確認できる。また、材料の状態密度の情報に関しては、紫外線光電子分光法やX線光電子分光などによって確認できる。電気伝導率及びキャリア密度は4端子法を用いた電気測定及びホール効果測定によって確認できる。ゼーベック係数は、試料両端に温度差をつけ、両端の電圧差を測定することによって確認できる。熱伝導率はレーザーフラッシュ法によって確認できる。また、熱電変換素子の格子配列、積層構造、ナノ粒子複合体等の各構造は、SEM(Scanning Electron Miroscope)やTEMで容易に確認できる。
<試料作製例>
以下、実施形態に係る熱電変換素子の試料作製の一例を示す。ここで作製例は一例であって、当該作製条件に限定されるものではないことは云うまでも無い。
(試料作製例1)
20nm程度のSi単結晶層を有するSOI基板上に、BaCu13ターゲットをスパッタリングして、Ba:Cu=1:13の膜を20nm程度形成し、Si単結晶層とBaCu13結晶層とが積層した、BaCu13/Siの二層構造の熱電変換素子を得た。
(試料作製例2)
20nm程度のSi単結晶層を有するSOI基板上に、BaCu12Auターゲットをスパッタリングして、Ba:Cu:Au=1:12:1の膜を20nm程度形成し、Si単結晶層とBaCu12Au層とが積層した、BaCu12Au/Siの二層構造の熱電変換素子を得た。
(試料作製例3)
20nm程度のSi単結晶層を有するSOI基板上に、AuBiターゲットをスパッタリングし、Au:Bi=2:1の膜を20nm程度形成し、Si単結晶層とAuBi層とが積層した、AuBi/Siの二層構造の熱電変換素子を得た。
(試料作製例4)
熱酸化膜付きSi基板上に、N型FeVAlターゲットとAuBiターゲットとを、20nmずつ交互にスパッタリングして、ホイスラー合金FeVAl層とAuBi層とを交互に積層した、AuBi/FeVAlの多層構造の熱電変換素子を得た。
(試料作製例5)
熱酸化膜付きSi基板上に、MnSi1.7ターゲットとAuBiターゲットとを、20nmずつ交互にスパッタリングして、MnSi1.7層とAuBi層とを交互に積層した、AuBi/MnSi1.7の多層構造の熱電変換素子を得た。
(試料作製例6)
20nm程度のSi単結晶層を有するSOI基板上(図16(a)参照)に、ポジ型の電子線リソグラフィ用レジスト膜をスピンコートによって形成し(図16(b)参照)、二次元格子構造となるようにレジスト膜をパターニングした(図16(c)参照)。次いで、150℃でポストベークを行い、その後5%程度の濃度のHFに数秒ほど浸した後、純水でリンスし、1mol/lの水酸化カリウム水溶液に2分程度浸して、パターニング部分のSiを除去した。次いで、Siを除去した領域に、BaCu13ターゲットをスパッタリングし、Ba:Cu=1:13の膜を20nm程度形成した後、レジスト膜を除去し、2次元格子構造のBaCu13/Siの人工格子構造を得た。
10…第一の材料、20…第二の材料、30、105、205、305…接合界面、100、200…熱電変換素子、101…第一の層、102…第二の層、103…異なる材料の層、201、501…第一の格子、202、502…第二の格子、203…導波路構造、300…ナノ粒子複合体、301…第一のナノ粒子、302…第二のナノ粒子、400…熱電変換モジュール、401…P型熱電変換素子、402…N型熱電変換素子、403…上部電極、404…下部電極、500…熱電変換ナノワイヤ、501…Si基板、502…SiO膜、503…Siナノワイヤ、504…レジスト膜、600…断熱領域

Claims (7)

  1. 組成式AB(組成式AB中、Aは、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Bi、He、Ne、Ar、Kr、Xeからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、Bは、Zn、Cu、Ag、Au、Al、Ga、In、Si、Ge、Snからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。)で表され、電子温度および格子温度が299.5K乃至300.5Kにおいて、格子熱伝導率が電子熱伝導率よりも低い第一の材料と、
    電子温度および格子温度が299.5K乃至300.5Kにおいて、電子熱伝導率が格子熱伝導率よりも低い、シリコンを主成分とする半導体材料又はホイスラー合金である第二の材料とを含んでなり、
    電子温度および格子温度が299.5K乃至300.5Kにおいて、前記第一の材料の格子熱伝導率は、前記第二の材料の格子熱伝導率より低く、
    前記第一の材料と前記第二の材料との界面から、前記第一の材料の端部及び前記第二の材料の端部までの距離が、それぞれ500nm以下であり、
    上記組成式AB において、xが2≦x≦13の範囲にあり、
    前記第一の材料は、NaZn 13 型結晶構造、BaCd 11 型結晶構造、Mg Zn 11 型結晶構造、Na Si 23 型結晶構造、CaCu 型結晶構造、BaZn 型結晶構造又はMgCu 型結晶構造を有する
    ことを特徴とする熱電変換素子。
  2. 前記第一の材料は、組成式ABの元素Aの主たる成分がLa又はBaであり、組成式ABの元素Bの主たる成分がZn又はCuであることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 前記熱電変換素子は、前記第一の材料により形成される第一の層と前記第二の材料により形成される第二の層とが交互に積層されて該第一の層と該第二の層とが接合された多層構造を有することを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
  4. 前記熱電変換素子は、前記第一の材料と前記第二の材料とが同一平面上に交互に配列されて該第一の材料と該第二の材料とが接合された格子構造を有することを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
  5. 前記第一の材料又は前記第二の材料の少なくとも一方が、ナノ粒子により構成されることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
  6. 前記熱電変換素子は、前記第一の材料を構成する第一のナノ粒子と前記第二の材料を構成する第二のナノ粒子とが混在して互いに接合するナノ粒子複合体により構成されることを特徴とする請求項に記載の熱電変換素子。
  7. 複数の熱電変換素子と、前記熱電変換素子の間を電気的に接続する電極とを有する熱電変換モジュールであって、
    前記熱電変換素子として、請求項1に記載の熱電変換素子を有することを特徴とする熱電変換モジュール。
JP2017065842A 2017-03-29 2017-03-29 熱電変換素子及び熱電変換モジュール Active JP6951097B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017065842A JP6951097B2 (ja) 2017-03-29 2017-03-29 熱電変換素子及び熱電変換モジュール
ES18160917T ES2792123T3 (es) 2017-03-29 2018-03-09 Dispositivo de conversión termoeléctrica y módulo de conversión termoeléctrica
EP18160917.3A EP3447811B1 (en) 2017-03-29 2018-03-09 Thermoelectric conversion device and thermoelectric conversion module

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017065842A JP6951097B2 (ja) 2017-03-29 2017-03-29 熱電変換素子及び熱電変換モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018170373A JP2018170373A (ja) 2018-11-01
JP6951097B2 true JP6951097B2 (ja) 2021-10-20

Family

ID=64018931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017065842A Active JP6951097B2 (ja) 2017-03-29 2017-03-29 熱電変換素子及び熱電変換モジュール

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP3447811B1 (ja)
JP (1) JP6951097B2 (ja)
ES (1) ES2792123T3 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110635020B (zh) * 2019-08-30 2021-05-25 中国科学院物理研究所 一种镁锑基热电元件及其制备方法和应用

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6060657A (en) * 1998-06-24 2000-05-09 Massachusetts Institute Of Technology Lead-chalcogenide superlattice structures
US7342169B2 (en) * 2001-10-05 2008-03-11 Nextreme Thermal Solutions Phonon-blocking, electron-transmitting low-dimensional structures
JP4750349B2 (ja) 2003-02-20 2011-08-17 国立大学法人 名古屋工業大学 熱電変換材料の製造方法
WO2006110858A2 (en) * 2005-04-12 2006-10-19 Nextreme Thermal Solutions Methods of forming thermoelectric devices including superlattice structures and related devices
JP4726747B2 (ja) * 2005-10-25 2011-07-20 独立行政法人物質・材料研究機構 マグネシウム、珪素、スズからなる金属間化合物の焼結体およびその製造方法
JP5408517B2 (ja) * 2006-03-15 2014-02-05 日本電気株式会社 複合構造体、その製造方法及びそれを用いた熱電変換素子
WO2007108147A1 (ja) * 2006-03-22 2007-09-27 Murata Manufacturing Co., Ltd. 熱電半導体、熱電変換素子および熱電変換モジュール
KR101452795B1 (ko) * 2006-12-01 2014-10-21 메사추세츠 인스티튜트 오브 테크놀로지 나노 구조의 열전 재료에서의 높은 성능 지수를 위한 방법
EP2430112B1 (en) * 2009-04-23 2018-09-12 The University of Chicago Materials and methods for the preparation of nanocomposites
JP5750727B2 (ja) * 2010-09-16 2015-07-22 国立研究開発法人産業技術総合研究所 ナノ結晶半導体材料及びその製造方法
JP5641474B2 (ja) 2010-11-08 2014-12-17 日立化成株式会社 Mg2Si基化合物から成る熱電材料の製造方法
JP6188635B2 (ja) * 2014-05-28 2017-08-30 株式会社日立製作所 熱電変換材料および熱電変換素子
JP2016219666A (ja) * 2015-05-22 2016-12-22 トヨタ自動車株式会社 熱電材料及びその製造方法
JPWO2017037884A1 (ja) * 2015-09-02 2018-04-05 株式会社日立製作所 熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子並びに熱電変換モジュール
JP6603518B2 (ja) * 2015-09-04 2019-11-06 株式会社日立製作所 熱電変換材料および熱電変換モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018170373A (ja) 2018-11-01
ES2792123T3 (es) 2020-11-10
EP3447811A1 (en) 2019-02-27
EP3447811B1 (en) 2020-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Liu et al. Current progress and future challenges in thermoelectric power generation: From materials to devices
US8569740B2 (en) High efficiency thermoelectric materials and devices
US8044293B2 (en) High performance thermoelectric nanocomposite device
CN101969095B (zh) 准一维纳米结构热电材料及其制备方法和应用
JP5663422B2 (ja) 熱電変換素子
KR20190073079A (ko) 맥신을 포함하는 열전 복합 재료 및 그 제조 방법
US10043963B2 (en) Thermoelectric conversion element and thermoelectric conversion module
US20150114441A1 (en) Thermoelectric material including nano-inclusions, thermoelectric module and thermoelectric apparatus including the same
Ali et al. Nanowire-based thermoelectrics
US20180323358A1 (en) Method for pre-processing semiconducting thermoelectric materials for metallization, interconnection and bonding
JP2012124469A (ja) 熱電素子及び熱電モジュール
WO2013093967A1 (ja) 熱電変換素子とそれを用いた熱電変換モジュール
JP6603518B2 (ja) 熱電変換材料および熱電変換モジュール
Abdel-Motaleb et al. Thermoelectric devices: principles and future trends
JP6951097B2 (ja) 熱電変換素子及び熱電変換モジュール
WO2004105144A1 (ja) 熱電変換材料及びその製法
KR102592148B1 (ko) 열전 복합체, 및 이를 포함하는 열전소자 및 열전장치
JP2013008722A (ja) ナノコンポジット熱電変換材料およびその製造方法
Kim et al. Nanostructured thermoelectric cobalt oxide by exfoliation/restacking route
CN101969096B (zh) 纳米结构热电材料、器件及其制备方法
Hasan et al. Atomic site-targeted doping in Ti2FeNiSb2 double half-Heusler alloys: zT improvement via selective band engineering and point defect scattering
JP3186659B2 (ja) 熱電変換材料の製造方法および熱電変換材料
JP2018019014A (ja) 熱電変換材料及びこれを用いた熱電変換モジュール
WO2016030964A1 (ja) n型熱電変換材料及び熱電変換素子
JP4415640B2 (ja) 熱電変換素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200811

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201001

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210629

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210629

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210709

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6951097

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150