[第1実施形態]
以下、本発明の屋根構造体の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態においては、屋根構造体をカーポート1に適用した例について説明する。カーポート1は、屋根体4の下方に、1台又は複数台の自動車の駐車スペースが確保されている。なお、本実施形態においては、屋根構造体をカーポート1に適用した例について説明するが、これに限定されない。また、屋根構造体を、カーポート以外の構造物、例えば、駐輪場、シェルター、休憩所、テラス、バス停などの構造物に適用してもよい。
図1は、本発明の第1実施形態に係るカーポート1を上方側から見た斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係るカーポート1を下方側から見た斜視図である。図3は、屋根体4の傾斜方向の下流側の端部側の構成を示す平面図である。図4は、主に、V字ガイド部71及び逆勾配部72の構成を示す斜視図である。図5は、図1におけるA−A線断面図である。図6は、屋根体4の前後方向の傾斜及び逆勾配部72の傾斜を示す図である。図7は、屋根体4の左右方向の傾斜を示す図である。図8は、支柱2、梁3、屋根体4及び連結部材5の構成を示す部分拡大斜視図である。図9は、図8の状態から梁カバー部材32を取り外した状態を示す部分拡大斜視図である。図10は、屋根体4の左右方向の端部における屋根体4の高さ調整機構を示す断面図である。図11は、屋根体4の左右方向の端部よりも中央側における屋根体4の高さ調整機構を示す断面図である。図12は、連結部材5の長手方向の各位置において高さ調整機構により屋根体4の左右方向の高さを調整した具体例を示す図である。図13は、屋根体4を構成する樋構成形材42と中間形材43との接続構造を示す断面図である。図14は、屋根体4を構成する中間形材43同士の接続構造を示す断面図である。図15は、誘導部材26からフィルタ部材28を取り外した状態を示す斜視図である。図16は、屋根体4の前側の端部に配置される屋根体側部カバー部材8を示す断面図である。図17は、屋根体4の前側の端部における屋根体側部カバー部材8及び連結端部止水部480を示す斜視図である。図18は、屋根体4の前側の端部における連結端部止水部480を示す斜視図である。図19は、屋根体4の前側の端部における連結端部止水部480を示す側面図である。
なお、本実施形態の説明においては、カーポート1の屋根体4を構成する複数の長尺形材(長尺材)41が延びる方向を前後方向(長尺形材41の長手方向)ともいう。また、図1において、カーポート1の左手前側を前側ともいい、カーポート1の右奥側を奥側ともいう。本実施形態においては、屋根体4の前後方向は、屋根体4が前後方向において傾斜しているため、傾斜方向ともいい、前側を下流側ともいい、後側を上流側ともいう。また、梁3が延びる方向であって、長尺形材(長尺材)41が延びる前後方向に直交する方向を左右方向(長尺形材41の長手方向に交差する方向)ともいう。
まず、本実施形態のカーポート1の全体構造について説明する。本実施形態のカーポート1は、図1〜図3に示すように、屋根体4を左右方向の両側それぞれにおいて一対の支柱2で支持する、いわゆる、両持ち構造のカーポートである。また、本実施形態のカーポート1は、支柱2に接続された梁3の下部(下方)に、連結部材5を介して、屋根体4が吊られて接続される吊構造で構成される。
図1〜図3に示すように、本実施形態のカーポート1は、地面11に立設される2組の一対の支柱2(柱材)と、支柱2の上端部から支柱2に交差する方向に延びる2つの梁3と、2つの梁3の下方に配置され屋根体端部側樋構成部40を有する屋根体4と、梁3と屋根体4とを接続する連結部材5と、屋根体4の前後方向の前側(傾斜方向の下流側)に配置されるV字ガイド部71(下流側樋構造)と、屋根体端部側樋構成部40に配置される逆勾配部72と、を備える。支柱2及び梁3は、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状の中空部を有するホロー構造を有する。
2組の支柱2(柱材)は、図1に示すように、一対の支柱2が前後方向に2組並んで配置される。一対の支柱2は、図3に示すように、カーポート1の左右方向の両側(図3における右側及び左側)に屋根体4を挟んで対向して配置され、梁3の左右方向の両端部に接続される。
2組の一対の支柱2は、図1に示すように、カーポート1の前後方向に離間して配置される。支柱2は、図3〜図5に示すように、上下方向に延びて形成される。支柱2は、図4及び図5に示すように、横断面が角筒状に形成される中空状の支柱側ホロー部21と、支柱側ホロー部21の屋根体4側の側面から屋根体4側に突出すると共に上下方向に延びる一対のカバー取付壁22と、を有する。一対のカバー取付壁22には、支柱カバー部材23が取り付けられる。支柱2の上端部には、支柱2の上端部の開口を覆うように、支柱キャップ24が配置される。
支柱2と支柱カバー部材23との間には、図5に示すように、屋根体4の屋根体端部側樋構成部40(後述)から排出された水が流される。支柱2と支柱カバー部材23との間には屋根体4の屋根体端部側樋構成部40(後述)から排出された水が流入して水が流れるため、支柱2及び支柱カバー部材23は支柱側樋構成部20(柱材側樋構造)として構成される。本実施形態においては、支柱2と支柱カバー部材23との間に雨樋用のホースなどが配置されずに、支柱2及び支柱カバー部材23だけで、縦樋を構成する。
2つの梁3は、図1に示すように、カーポート1の前後方向に離間して配置される。2つの梁3は、それぞれ、屋根体4の左右方向に延びる。2つの梁3の左右方向の両端部(右側及び左側の端部)は、図5に示すように、L字状の接続部材25を介して、支柱2の上端部に接続される。2つの梁3の下部には、連結部材5を介して、屋根体4が接続される。
屋根体4は、詳細については後述するが、図1及び図2に示すように、複数の長尺形材41が、梁3が延びる方向に並んで連設されて、互いが嵌合して連結されることで構成され、上面4a及び下面4bがフラット(平面状)に形成される。本実施形態では、屋根体4の上面4aが平面状に形成されることから、屋根体4を傾かせるだけで、屋根体4の上面4aの水を、容易に、屋根体4の傾斜面に沿って流すように構成している。
具体的には、本実施形態の屋根体4の上面4aは、図6に示すように、例えば、傾斜角度α1の角度で、前後方向の前側が下る下り傾斜に配置される。そのため、屋根体4の上面4aを流れる水の流れとしては、屋根体4の前後方向の前側が下流側となる。本実施形態においては、例えば、屋根体4の前後方向の傾斜角度α1を1°〜2°程度に設定している。
また、図7に示すように、屋根体4の上面4aは、左右方向の中央の高さが、左右方向の端部における下端から、例えば、高さLaであって、最も高く配置され、左右方向の端部に向かうに従って下る勾配の傾斜面を有するように構成される。本実施形態においては、例えば、屋根体4の左右方向の中央を高さLa=10mm程度持ち上げて、中央から両側に下る屋根体4の傾斜角度β1を1°〜2°程度に設定している。
2つの梁3は、図5、図8及び図9に示すように、それぞれ、断面が角筒状に形成される梁側ホロー部31と、梁3の対向面(梁3の面における対向する別の梁3側の面、一方の梁3における他方の梁3側の面、他方の梁3における一方の梁3側の面)に配置される梁カバー部材32と、を有する。梁側ホロー部31の下面31aは、図5に示すように、左右方向の端部において、L字アングル310を介して、支柱2に固定されている。本実施形態においては、2つの梁3は、屋根体4の前後方向に離間して対向して配置されており、梁3の対向面(梁3の面における対向する別の梁3側の面)側の構成は、同様の構成である。
梁側ホロー部31は、左右方向に延びて形成され、図9及び図10に示すように、梁3の対向面(梁3の面における対向する別の梁3側の面)において、上下方向の途中に形成される梁側カバー嵌合部311と、梁側凹部312と、梁側凹部312の上方側に形成される上方側下面313と、梁側凹部312の下方側に形成される梁側凸状部314と、梁側凸状部314の下方側に形成される下部突出支持部315と、を有する。
梁側カバー嵌合部311には、梁カバー部材32のカバー側嵌合部321が嵌合される。
梁側凹部312は、梁側カバー嵌合部311の下方に形成され、梁3の対向面(梁3の面における対向する別の梁3側の面)から窪む。梁側凹部312の空間は、連結部材5(後述)の引っ掛け部分53が上下方向に移動可能に保持される遊び部30を構成する。
遊び部30に連結部材5(後述)の引っ掛け部分53が配置された状態において、上方側下面313と連結部材5の引っ掛け部分53の上面との間には、上側規制部材61が配置され、下部突出支持部315と連結部材5の引っ掛け部分53の下面との間には、下側規制部材62が配置される。
梁カバー部材32は、図8及び図10に示すように、板状に形成され、上下方向に幅を有して、屋根体4の左右方向に延びる。梁カバー部材32における梁側ホロー部31側の面の上部には、カバー側嵌合部321が形成される。カバー側嵌合部321が、梁側ホロー部31の梁側カバー嵌合部311に嵌合することで、梁カバー部材32は、上側規制部材61(後述)及び連結部材5の上方側の部分を覆う。
連結部材5は、梁3と屋根体4とを接続する。連結部材5は、屋根体4の前後方向において、梁3の対向面(梁3の面における対向する別の梁3側の面)側に配置されて固定される。連結部材5は、一対の梁3のそれぞれに対応して設けられる。一対の連結部材5は、屋根体4における長尺形材41の長手方向に離間して設けられる。連結部材5は、図8及び図9に示すように、梁3の長手方向に沿って延びる。連結部材5の長手方向の両端部は、図9に示すように、梁3の長手方向の端部まで延びずに、梁3の長手方向の途中まで延びる。
連結部材5は、図9に示すように、屋根体4の左右方向に延びる垂直延在部51と、複数のL字状部分52と、引っ掛け部分53と、を有する。
垂直延在部51は、図9に示すように、上下方向に所定幅を有した板状に形成され、梁3の対向面(梁3の面における対向する別の梁3側の面)側に沿って、屋根体4の左右方向に延びる。垂直延在部51左右方向の両端部は、吊り金具55に接続される。
吊り金具55は、図9に示すように、連結部材5における左右方向の両端部に配置される。吊り金具55は、連結部材5の左右方向の外側の端部と、屋根体4の左右方向の支柱2側の端部と、を接続する。吊り金具55は、連結部材5の長手方向の外側の端面が、屋根体4の下方から視認し難いように、連結部材5の左右方向の外側の端部から屋根体4の左右方向の支柱2側の端部まで延びる。これにより、連結部材5の長手方向の外側の端面が屋根体4の下方から視認し難いため、意匠性を向上できる。
吊り金具55は、吊り水平底面板551と、吊り垂直取り付け板552と、を有する。
吊り水平底面板551は、左右方向に延びる長方形状の板材により形成される。吊り水平底面板551は、左右方向の外側の端部において、ネジ部材551aにより、屋根体4の左右方向の端部に配置される長尺形材41(樋構成形材42)及び引っ掛け枠体120と共締めされることで、屋根体4の左右方向の端部に配置される長尺形材41(樋構成形材42)に固定される。また、吊り水平底面板551の左右方向の途中の下面には、ネジ部材551bにより、フック部110が固定されている。
吊り垂直取り付け板552は、垂直方向に沿って延びる板状に形成され、ネジ部材552bにより、連結部材5の垂直延在部51に固定される。吊り垂直取り付け板552の左右方向の外側の上端部には、吊り垂直取り付け板552の端部側に向かうに従って下るように傾斜する傾斜辺552aが形成される。吊り金具55は、屋根体4の左右方向の外側の上端部に傾斜辺552aが形成されるため、下方から視認し難い。これにより、意匠性が損なわれることを抑制できる。
複数のL字状部分52は、屋根体4の左右方向に並んで配置され、垂直延在部51の下端部に接続される。複数のL字状部分52は、それぞれ、断面L字状の板状に形成され、屋根体4の上面4aに沿って、屋根体4の左右方向に並んで配置される。一対の梁3に形成される一対の複数のL字状部分52は、屋根体4の前後方向において、梁3の対向面(梁3の面における対向する別の梁3側の面)側に配置され、互いに対向する。屋根体4の左右方向に並んで配置されるL字状部分52の間には、図9に示すように、端部側からL字状に切り欠かれたように形成される切り欠き開口54(貫通部、開口部)が形成される。切り欠き開口54は、左右方向に複数並んで形成される。なお、切り欠き開口54は、実際に切り欠いて形成してもよく、製造時にその形状で形成してもよい。
複数の切り欠き開口54は、上下方向における梁3と屋根体4との間に配置され、長尺形材41の長手方向に貫通する。複数の切り欠き開口54は、水平方向から見た場合に、長方形状に形成される。複数の切り欠き開口54は、屋根体4の上面4aを流通する水の流れを妨げないように、屋根体4の上面4aに接触する部分を有さずに配置される。複数の切り欠き開口54は、屋根体4の左右方向に並んで配置される。複数の切り欠き開口54には、屋根体4の上面4aを流れる水が上流側から下流側に流れる。切り欠き開口54の水平方向に開口する部分は、屋根体4を流通する水や水に流される汚れ(例えば、落ち葉など)を通過させて、屋根体4の前後方向において、水や水に流される汚れを、上流側から下流側に向けて流す。
L字状部分52は、断面L字状の板材で形成され、底面片521(底面部)と、立ち上がり片522と、を有する。
底面片521は、屋根体4の上面4aに配置される。一対の底面片521は、屋根体4の前後方向において、梁3の対向面(梁3の面における対向する別の梁3側の面)側に配置され、互いが近づくように延びる。底面片521は、断面が略C字状の連結部材用クッション材58に挿入された状態で、図9に示すように、ネジ部材521aにより、底面片521、連結部材用クッション材58及び長尺形材41を共締めすることで、屋根体4の上面4aに固定される。
複数の連結部材用クッション材58は、例えば、樹脂材料で形成され、屋根体4をネジ部材521aが貫通した場合に、屋根体4に形成されるネジ孔から屋根体4の内部への水の浸入を防止する。
底面片521の上面521bは、屋根体4の前後方向の傾斜方向と逆方向に僅かに傾斜する。これにより、L字状部分52を屋根体4に固定する際に、底面片521の上面521bは、屋根体4の傾斜と打ち消し合って水平になる。
立ち上がり片522は、下端部が底面片521における梁3(2つの梁3のうちの連結部材5が接続される側の梁3)側の端部に接続され、上方に延び、ネジ部材552bにより、垂直延在部51に接続される。
引っ掛け部分53は、図9及び図10に示すように、垂直延在部51の上端部から梁3側に突出する。連結部材5の引っ掛け部分53は、梁3の梁側凹部312の空間である遊び部30に配置される。
引っ掛け部分53は、梁3側に延在する水平延在片531と、水平延在片531の先端から上下方向に突出する上下突出片532と、を有する。
引っ掛け部分53の水平延在片531の上面と梁3の上方側下面313との間には、上下方向の長さが調整された上側規制部材61が配置される。上側規制部材61は、図10に示すように、ネジ部材611により、梁側ホロー部31に固定される。
また、引っ掛け部分53の水平延在片531の下面と下部突出支持部315との間には、上下方向の長さが調整された下側規制部材62が配置される。下側規制部材62は、図10に示すように、ネジ部材621により、梁側ホロー部31に固定される。
上側規制部材61は、図9に示すように、屋根体4の左右方向に並んで複数設けられる。複数の上側規制部材61は、上下方向の長さが異なる部材を使用することで、屋根体4の左右方向の所定位置において、連結部材5の上下方向の位置を異なるように設定できる。
また、下側規制部材62は、引っ掛け部分53の下方側に配置され、上側規制部材61に対応させた上下方向の長さが異なる部材を使用することで、屋根体4の左右方向の所定位置において、連結部材5の上下方向の位置を異なるように設定できる。
図10及び図11に示すように、上側規制部材61及び下側規制部材62(高さ調整部材)は、梁側凹部312により構成される梁3と連結部材5との間に形成された遊び部30において、屋根体4の左右方向に勾配を設ける際に、上下方向の長さが異なる長さの部材が使用される。上側規制部材61及び下側規制部材62は、遊び部30において連結部材5の高さ方向の位置を調整する。屋根体4の左右方向の所定の位置において、上下方向の長さが異なる長さの上側規制部材61及び下側規制部材62を設置して、遊び部30において連結部材5の高さ方向の位置を調整することで、屋根体4の高さ方向の位置を調整できる。このように、梁3の梁側凹部312により構成される遊び部30、上側規制部材61及び下側規制部材62は、連結部材5の高さ方向の位置を調整可能な高さ調整機構を構成する。
図10に示すように、連結部材5の高さを調整する高さ調整機構においては、上側規制部材61の上下方向の第1長さをL1、下側規制部材62の上下方向の第2長さをL2とした場合に、互いの長さの和が同じであって、上下方向の長さが異なる上側規制部材61及び対応する下側規制部材62を使用する。そして、屋根体4の左右方向の中央が最も高く、左右方向の端部に向かうに従って下る勾配の傾斜面を有するように、屋根体4の左右方向の所定位置において、連結部材5のL字状部分52の底面片521の位置が、左右方向の中央よりも端部側において、下方に位置するように、上側規制部材61及び対応する下側規制部材62を選択する。
これにより、例えば、図10に示すように、屋根体4の左右方向の端部においては、上側規制部材61の上下方向の第1長さL1がL11のものを使用し、下側規制部材62の上下方向の第2長さL2がL21のものを使用する。これにより、連結部材5の引っ掛け部分53の上下方向の位置を決定して、連結部材5のL字状部分52の底面片521に当接する屋根体4の上面4aの高さH1を、基準高さHkから高さHaだけ下げるように調整することができる。
また、例えば、図11に示すように、屋根体4の左右方向の端部よりも中央側においては、上側規制部材61の上下方向の第1長さL1がL12(<L11)のものを使用し、下側規制部材62の上下方向の第2長さL2がL22(>L21)のものを使用する。これにより、連結部材5の引っ掛け部分53の上下方向の位置を決定して、連結部材5のL字状部分52の底面片521に当接する屋根体4の上面4aの高さH2を、基準高さHkから高さHb(<Ha)だけ下げるように調整することができる。
ここで、連結部材5の長手方向の各位置において、高さ調整機構により屋根体4の高さを調整した具体例について説明する。図1及び図12に示すように、屋根体4の左右方向の中心位置Xcには、梁3の対向面側において、中心位置表示片60が取り付けられる。高さ調整機構は、中心位置表示片60を基準の中心位置Xcとして、連結部材5の長手方向の各位置において、各位置における高さ調整を行うことができる。
本実施形態においては、図12に示すように、高さ調整機構により調整される連結部材5の長手方向の各位置は、例えば、屋根体4の左右方向の中心位置Xcから端部に向かって順に、中心位置Xcから距離Wa離れた位置である第1位置X1、第1位置X1から距離Wa離れた位置である第2位置X2、第2位置X2から距離Wa離れた位置である第3位置X3、第3位置X3から距離Wb離れた位置である第4位置X4である。本実施形態では、例えば、距離Wa,Wbは450mm〜600mm程度に設定することが好ましい。
図12に示すように、屋根体4の左右方向の中心位置Xcにおいて、上側規制部材61aの上下方向の第1長さL1がL1aのものを使用すると共に、下側規制部材62aの上下方向の第2長さL2がL2aのものを使用する。ここでは、屋根体4の左右方向の中心位置Xcにおける連結部材5の底面片521の底面の高さを、屋根体4の上面4aの基準高さHkとする。
また、屋根体4の左右方向の中心位置Xcに対して端部側の第1位置X1、第2位置X2、第3位置X3、第4位置X4においては、第1位置X1から第4位置X4に向かうに従って、高さHd,Hd,Hd,Heずつ高さが低くなるように、上側規制部材61b,61c,61d,61eの上下方向の第1長さL1がL1b,L1c,L1d,L1eのものを使用すると共に、下側規制部材62b,62c,62d,62eの上下方向の第2長さL2がL2b,L2c,L2d,L2eのものを使用する。本実施形態では、例えば、高さHd,Heは3mm〜5mm程度に設定することが好ましい。
これにより、高さ調整機構により、屋根体4の上面4aの高さ(連結部材5の底面片521の底面)は、第1位置X1において、基準高さHkよりも高さHdだけ低い第1高さHx1に調整され、第2位置X2において、第1高さHx1よりも高さHdだけ低い第2高さHx2に調整され、第3位置X3において、第2高さHx2よりも高さHdだけ低い第3高さHx3に調整され、第4位置X4において、第3高さHxよりも高さHeだけ低い第4高さHx4に調整される。
このように、屋根体4の左右方向における中心位置Xc、第1位置X1、第2位置X2、第3位置X3、第4位置X4において、高さ調整機構により、屋根体4の左右方向における中心位置Xcから端部に向かうに従って、屋根体4の上面4aの高さを徐々に低くなるように緩やかに傾斜させることができる。
以上のように構成される高さ調整機構により、図7に示すように、屋根体4の左右方向の中央(中心位置Xc)が最も高くなり左右方向の中央から両端部(位置X1、位置X2、位置X3、位置X4)に向かうに従って下るように、上下方向の長さの異なる上側規制部材61及び下側規制部材62を、屋根体4の左右方向のそれぞれの位置において使用する。これにより、屋根体4の左右方向の所定位置において、連結部材5の上下方向の位置を異なるように構成して、屋根体4に左右方向の傾斜を設けることができる。
屋根体4の左右方向の端部よりも中央側に配置される下側規制部材62は、図11に示すように、抜け防止ネジ部材52aにより、連結部材5の垂直延在部51と共に、梁側ホロー部31に固定される。これにより、連結部材5の引っ掛け部分53が、梁3の遊び部30(梁側凹部312)から抜け出ることを防止できる。
屋根体4は、図5に示すように、屋根体4が2つの梁3の下部に吊られて配置される吊り下げ構造であって、連結部材5を介して、2つの梁3の下部に取り付けられる(接続される)。屋根体4は、複数の長尺形材(長尺材)41が、梁3が延びる方向に並んで連設されて互いが嵌合して連結されて構成される。
複数の長尺形材41は、図5に示すように、それぞれ、カーポート1の前後方向(梁3が延びる方向に直交する方向)に延びており、所定の厚さを有する。複数の長尺形材41は、それぞれ、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状に形成される中空部を有するホロー構造を有する。屋根体4は、上面4a及び下面4bがフラット(平面状)に形成される。
屋根体4の上面4aは、図6に示すように、屋根体4の前後方向において、例えば、傾斜角度α1の角度で、前後方向の前側が下る下り傾斜に形成される(長尺形材41の長手方向の一方側から他方側に向かうに従って下るように傾斜する)。屋根体4は、2組の支柱2に接続される梁3の高さが調整されることで、前後方向の前側に傾斜するように取り付けられる。また、屋根体4の上面4aは、前述の通り、連結部材5の高さを調整する高さ調整機構により、図7に示すように、左右方向の中央(中心位置Xc)が最も高く(高さLa)配置され、左右方向の中央から両端部に向かうに従って下る傾斜角度β1の勾配を有して傾斜する。
屋根体4は、図5に示すように、アルミ材料の押出し形材で形成された複数の長尺形材41を連結して屋根体4を構成することで、複数の長尺形材41を、屋根体4の面材として使用できると共に、屋根体4の強度を確保することができる。また、屋根体4を構成する複数の長尺形材41を、中空部を有する形材で構成することで、屋根体4自体を強度部材として使用でき、屋根体4の強度を出すための部材を別に設ける必要がない。よって、屋根体4を構成する部材の部品点数を低減できる。
屋根体4を構成する複数の長尺形材41は、図5、図13及び図14に示すように、一方側の両端部に配置される2つの樋構成形材42と、左右方向の両側の2つの樋構成形材42の間に配置される複数の中間形材43と、により構成される。複数の長尺形材41は、それぞれ、連結部材5を介して、梁3に接続される。
屋根体4の上面4aには、図1に示すように、屋根体4の左右方向に延びるフラットバー401が配置され、複数のネジ部材401aにより固定される。フラットバー401は、屋根体4の前後方向の略中央において、複数の中間形材43が延びる方向に直交する方向に延びて形成され、複数の中間形材43の上面に亘って配置される。フラットバー401は、複数の長尺形材41のうちの複数の中間形材43それぞれに、ネジ部材401aで固定されている。フラットバー401で複数の中間形材43を固定することにより、複数の中間形材43が左右方向に離れて開くことが抑制されるため、屋根体4における中間形材43の連結部分に配置されるパッキン部材402(後述)の止水機能を向上させることができる。
樋構成形材42は、図5に示すように、屋根体4において、複数の長尺形材41が並ぶ方向の一方側の両端部に並列に配置される。樋構成形材42は、複数の長尺形材41のうち、複数の長尺形材41が並ぶ方向の一方側及び他方側の端部に配置される長尺形材であり、屋根体側樋構造として構成される。樋構成形材42は、図13に示すように、上部側が上方側に向けて開口する長尺形材により形成される。本実施形態においては、樋構成形材42は、中空部を有さないソリッド材により形成され、上部側が開口する断面U字形状に形成される。なお、樋構成形材42は、これに限定されず、中空部を有するホロー構造のアルミ材料の長尺形材の上面が切り欠かれることで上部側が開口する形状に形成されていてもよい。
樋構成形材42は、屋根体4の左右方向の支柱2側の両端部において、屋根体4の上面4aを流れて両端部に達した水を受け止めて流通させる屋根体端部側樋構成部40(端部側樋構造)を構成する。屋根体端部側樋構成部40は、屋根体4における支柱2側の両端部に配置されている。屋根体端部側樋構成部40は、樋構成形材42の長手方向に延びて形成され、支柱2と支柱カバー部材23との間の支柱側樋構成部20(柱材側樋構造)に接続される。
屋根体端部側樋構成部40は、上部側が開口しているため、屋根体端部側樋構成部40を屋根体4の下方から見た場合に、長尺形材41のフラットな(平面状の)下面が見えるだけで、屋根体4の上面4a側に樋が存在することを認識させずに樋を構成でき、意匠性を向上できる。
ここで、以下の長尺形材41の説明において、左右方向の区別が必要な場合には、図3、図5、図13、図14等における右側を、一方側といい、図3、図5、図13、図14等における左側を、他方側という。
樋構成形材42は、図13に示すように。屋根体4の左右方向の一方側に形成される樋構成部421と、屋根体4の左右方向の他方側に形成される他方側上部外方延出片427(固定部)と、屋根体4の左右方向の他方側に形成される他方側下部外方片428と、を有する。
樋構成部421は、上方が開放する略U字形状の樋構成部本体422と、屋根体4の左右方向の一方側に配置される一方側上部内方延出片423と、水切りフィン425と、一方側上部壁426と、を有する。
樋構成部本体422は、屋根体4の上面4aにおいて支柱2側に流された水を、上方の開放された部分から導入して受け止める。樋構成部本体422の左右方向の一方側の側面には、導出開口422a(排水口)が形成される。
導出開口422aは、前後方向において前側の支柱2が配置される部分において、樋構成部本体422の側面を支柱2側の側方に貫通して形成される。導出開口422aには、誘導部材26の屋根体側開口部261(後述)が接続される。
誘導部材26は、図13に示すように、屋根体端部側樋構成部40に流れ込んで滞留した水を、支柱側樋構成部20に誘導する。誘導部材26は、誘導部材本体27と、フィルタ部材28と、を有する。誘導部材本体27は、L字状の筒状に形成され、側部に形成された屋根体側開口部261と、下端部に形成された支柱側開口部262と、を有する。誘導部材本体27は、一方側の屋根体側開口部261が樋構成部本体422(屋根体端部側樋構成部40)の側面に形成された導出開口422aに接続されると共に、他方側の支柱側開口部262が支柱側樋構成部20の内部に開口される。
フィルタ部材28は、図13に示すように、誘導部材本体27の屋根体側開口部261に配置される。フィルタ部材28は、誘導部材26に誘導された汚れ(例えば、落ち葉など)をせき止めて捕捉する。フィルタ部材28は、図15に示すように、屋根体側開口部261を格子状に仕切るように形成され、屋根体側開口部261における上下方向の略中央において水平に延びる中間板材281と、中間板材281から上下方向に立設される複数の立設板282と、を有する。フィルタ部材28は、誘導部材本体27の屋根体側開口部261に対して着脱可能に構成される。誘導部材26は、誘導部材本体27及びフィルタ部材28の2つの部材で構成される。そのため、フィルタ部材28を誘導部材本体27から取り外すことで、フィルタ部材28に捕捉された汚れ(例えば、落ち葉など)を容易に除去できる。
一方側上部内方延出片423は、図13に示すように、樋構成部421の一方側において、樋構成部421の上方側の他方側の内面から他方側に突出する。一方側上部内方延出片423の下面には、引っ掛け枠体120の上部取り付け片121が配置される。一方側上部内方延出片423の上面には、吊り金具55の吊り水平底面板551が配置される。吊り金具55の吊り水平底面板551、一方側上部内方延出片423及び引っ掛け枠体120の上部取り付け片121は、ネジ部材551aにより共締めされる。
なお、本実施形態においては、屋根体4を施工する場合に、複数の長尺形材41のうちの最も右側(一方側)の樋構成形材42を最初に設置し、最初に設置した樋構成形材42を足掛かりに、右側(一方側)から左側(他方側)に向けて順に、複数の長尺形材41を設置する。そのため、本実施形態においては、最初に設置する樋構成形材42を設置するために必要となる引っ掛け枠体120及びフック部110は、屋根体4の左右方向の一方側(図3、図5、図13、図14等における右側)の樋構成形材42にのみ配置され、他方側には配置されない。
引っ掛け枠体120は、樋構成形材42の樋構成部421の一方側の端部の上方側に配置される。引っ掛け枠体120は、断面略C字形状に形成される。引っ掛け枠体120は、上部取り付け片121と、U字状部材122と、上部内方延出片123と、引っ掛け突出片124と、を有する。
上部取り付け片121は、水平方向に延び、一方側上部内方延出片423の下面に固定される。U字状部材122は、上部取り付け片121の一方側の端部に接続され、上方が開放する。上部内方延出片123は、U字状部材122の左右方向の他方側の上端部から一方側に突出する。引っ掛け突出片124は、上部内方延出片123の一方側の先端部から下方に突出する。
樋構成形材42を連結部材5に取り付ける場合には、樋構成形材42に固定された引っ掛け枠体120の引っ掛け突出片124を、吊り金具55の吊り水平底面板551の下面に固定されたフック部110の立ち上がり板114に引っ掛けることで、樋構成形材42を、連結部材5の下面に仮置きできる。また、樋構成形材42に固定された引っ掛け枠体120の引っ掛け突出片124を連結部材5の下面に固定されたフック部110の立ち上がり板114に引っ掛けた状態で、引っ掛け突出片124を中心に樋構成形材42を回転することで、樋構成形材42を、取り付け位置に配置できる。
フック部110は、図13に示すように、吊り金具55の吊り水平底面板551の下面にネジ部材551bで固定されることにより取り付けられる取付板111と、取付板111の先端側の端部から下方に延びる上下方向延在板112と、上下方向延在板112の下端部から屋根体4の左右方向の他方側に延びる底面板113と、底面板113における屋根体4の他方側の端部から立ち上がる立ち上がり板114と、を有する。
樋構成形材42に固定された引っ掛け枠体120の引っ掛け突出片124は、樋構成形材42が連結部材5を介して梁3に接続された状態においては、フック部110の上方に配置される。これにより、樋構成形材42が梁3に接続された状態において、樋構成形材42を固定するネジ部材521aが外れた場合においても、引っ掛け突出片124は、フック部110の立ち上がり板114に引っ掛かって、樋構成形材42の落下を抑制できる。
水切りフィン425は、図13に示すように、樋構成部本体422における屋根体4の一方側において、樋構成部本体422の下端部から下方に突出する。水切りフィン425の下端部425aの位置は、上下方向において、支柱カバー部材23の上端部よりも下方に位置する。
水切りフィン425は、屋根体側部カバー部材8により伝達された水を、屋根体4の下面4bに回り込まないように、屋根体4の下方に落下させる。
一方側上部壁426は、屋根体4の一方側の端部において、屋根体4の上面4aから立設して形成される。一方側上部壁426は、屋根体4の一方側の端部において、水の飛び出しを低減する。
他方側上部外方延出片427は、樋構成部本体422における屋根体4の左右方向の他方側(図13における左側)の上端部から左右方向の他方側に向けて延出する。他方側上部外方延出片427は、樋構成形材42の左右方向の他方側の端部の上端部に配置され、ネジ部材521aにより連結部材5に固定される固定部を構成する。他方側上部外方延出片427は、中間形材43における引っ掛け係合部428aの上方に形成される。
他方側上部外方延出片427における屋根体4の左右方向の他方側(図13における左側)の端部には、側方に延出する側方延出壁427bと、下方延出壁427cと、が形成される。
下方延出壁427cにおける屋根体4の左右方向の他方側の面には、隣接する中間形材43の一方側の端部に取り付けられるパッキン部材402が押圧される。パッキン部材402は、樋構成形材42と中間形材43との連結部分に配置される止水部として機能する。パッキン部材402は、樋構成形材42及び隣接する中間形材43(長尺形材41)の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材41の長尺方向(長手方向)に沿って延びるように形成される。
他方側下部外方片428は、樋構成部本体422における屋根体4の左右方向の他方側の下端部から他方側に延出する。他方側下部外方片428における他方側の端部には、上方側に突出する引っ掛け係合部428aが形成される。
引っ掛け係合部428aは、図13に示すように、梁3に取り付けられた樋構成形材42の左右方向の他方側の端部において、樋構成形材42の下端部に形成される。引っ掛け係合部428aは、梁3に取り付けられた樋構成形材42の左右方向の他方側の端部において、樋構成形材42の下端部に配置される他方側下部外方片428から上方に立ち上がると共に、立ち上がった上端部において長手方向に直交する幅方向に延びるT字状に形成される。
中間形材43の引っ掛け係合部428aは、隣接する中間形材43の一方側の下端部の側面から一方側に突出する一方側下部突出片436と、隣接する中間形材43の一方側の端部に形成される引っ掛け延出片435の戻り引っ掛け片435bと、(後述)に係合可能である。
他方側下部外方片428の上面には、隣接する長尺形材41の中間形材43における中段樋構成部410(止水部)から溢れた水が流通する。他方側下部外方片428の上面は、屋根体4の内部において、上下方向の下段に位置する下段樋構成部420を構成する。下段樋構成部420は、水を流す樋機能を有すると共に、止水部として機能する。下段樋構成部420は、パッキン部材402を通過して中段樋構成部410に受け止められて中段樋構成部410(止水部)から溢れた水を受け止める。下段樋構成部420は、中段樋構成部410から溢れて受け止めた水を前後方向の両端部側に流通させる。
つまり、屋根体4は、隣接する長尺形材41の連結部分において、図13に示すように、2段の樋構造を備えており、上段側に配置されると共に上段側で水を受け止める中段樋構成部410と、下段側に配置されると共に下段側で中段樋構成部410から溢れた水を受け止める下段樋構成部420と、を備えている。中段樋構成部410及び下段樋構成部420は、隣接する長尺形材41の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材41の長尺方向(長手方向)に沿って延びる。
樋構成形材42は、図13に示すように、屋根体4の左右方向の一方側において、上方側からネジ部材551aが移動され、吊り金具55の吊り水平底面板551、一方側上部内方延出片423及び引っ掛け枠体120の上部取り付け片121を貫通することで、ネジ部材551aにより共締めされる。
また、樋構成形材42は、屋根体4の左右方向の他方側において、上方側から移動されるネジ部材521aにより、他方側上部外方延出片427は、連結部材5のL字状部分52の底面片521と共締めされる。
中間形材43は、図5に示すように、左右方向の一端側に配置される樋構成形材42と他端側に配置される樋構成形材42との間に複数並んで配置される。中間形材43は、図14に示すように、一方側に配置される第1中間ホロー部431と、第1中間ホロー部431の左右方向の他方側に配置される第2中間ホロー部432と、第1中間ホロー部431における一方側の上端部の側面に形成されるパッキン取付凹部433と、第1中間ホロー部431の中間形材43側の面において上下方向の略中央から中間形材43側に延在するL字状の中段樋部434と、中段樋部434の一方側の端部の下端部から下方に延びるL字状の引っ掛け延出片435と、第1中間ホロー部431における中間形材43側の下端部の側面から一方側に突出する一方側下部突出片436と、他方側上部外方延出片437と、他方側下部外方片438と、を有する。
中段樋部434の一方側の端部の下方側には、図14に示すように、下方に開口(開放)する開口部439が形成される。開口部439は、中段樋部434における第1中間ホロー部431の一方側に配置される上下方向に延びる端辺431aと、L字状の引っ掛け延出片435とにより形成される。開口部439の開口縁には、開口部439の開口縁から開口部439の内側に互いに対向して突出する対向突出部439aが形成される。本実施形態においては、対向突出部439aは、一方側下部突出片436と、L字状の引っ掛け延出片435の戻り引っ掛け片435b(後述)と、により構成され、互いが近づくように、開口部439の内側に向けて突出して延びる。
以上のように構成される樋構成形材42及び中間形材43においては、隣接する樋構成形材42及び中間形材43が連結した状態において、樋構成形材42の引っ掛け係合部428aは、隣接する中間形材43の開口部439の内部に配置された状態で、上下方向の移動を規制するように、対向突出部439a(一方側下部突出片436、L字状の引っ掛け延出片435の戻り引っ掛け片435b)に引っ掛かって嵌合する。
パッキン取付凹部433は、基端側に隣接する樋構成形材42の下方延出壁427cに対向して配置される。パッキン取付凹部433の上面433aは、屋根体4の上面4aから一段下がった位置に形成される。パッキン取付凹部433の上面433aには、側方延出壁427bが配置される。つまり、側方延出壁427bは、パッキン取付凹部433の上面433aに重なって配置される。パッキン取付凹部433は、隣接する長尺形材41の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材41の長尺方向(長手方向)に沿って延びる。
パッキン取付凹部433には、パッキン部材402が取り付けられる。パッキン部材402は、パッキン取付凹部433に取り付けられた状態で、基端側に隣接する樋構成形材42の下方延出壁427cを押圧する。パッキン部材402は、樋構成形材42と中間形材43との連結部分に配置され、止水部として機能する。
以上のように、パッキン取付凹部433の上面433aには、側方延出壁427bが重なって配置される。このため、パッキン部材402が外部に直接露出されないため、パッキン部材402の耐候性を向上でき、パッキン部材402の劣化を低減できる。
中段樋部434は、底壁部434aと、立設片434bと、を有する。中段樋部434は、屋根体4の内部において、上下方向の中段に位置する中段樋構成部410を構成する。中段樋構成部410は、水を流す樋機能を有すると共に、止水部として機能する。中段樋構成部410は、パッキン部材402で止水できなかったパッキン部材402を通過した水を受け止めて、受け止めた水を前後方向の両端部側に流通させる。
L字状の引っ掛け延出片435は、下方延出片435aと、下方延出片435aの下端部から第1中間ホロー部431側に戻るように延びる戻り引っ掛け片435bと、を有する。戻り引っ掛け片435bは、隣接する樋構成形材42の先端側の端部に形成される引っ掛け係合部428aに係合可能である。戻り引っ掛け片435bは、引っ掛け係合部428aに係合した状態で、引っ掛け係合部428aを中心に回転可能である。
樋構成形材42の隣りに、隣接する中間形材43を取り付ける場合には、連結部材5が接続された樋構成形材42の引っ掛け係合部428aに、中間形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けることで、梁3の下方において、中間形材43を仮置きできる。また、樋構成形材42の引っ掛け係合部428aに中間形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片435の先端を中心に中間形材43を回転することで、中間形材43を取り付け位置に配置できる。
中間形材43を取り付け位置に配置した状態においては、樋構成形材42における左右方向の他方側には、樋構成形材42の引っ掛け係合部428aに中間形材43の引っ掛け延出片435が嵌合した状態で、中間形材43が取り付けられる。
中間形材43の他方側上部外方延出片437及び他方側下部外方片438については、説明しない点については、樋構成形材42の他方側上部外方延出片427及び他方側下部外方片428の構造と同様である。そのため、中間形材43の他方側上部外方延出片437及び他方側下部外方片438の構造については、図14において樋構成形材42の構造に対応する符号を付して、その説明を省略する。
また、連続して配置される複数の中間形材43の構成は全て同様の構成であるため、その説明を省略する。梁3に接続した中間形材43の隣りに、隣接する中間形材43を取り付ける場合には、樋構成形材42の隣りに中間形材43を取り付ける場合と同様に、連結部材5に接続された中間形材43の引っ掛け係合部438aに、中間形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けることで、連結部材5の下方において、中間形材43を仮置きできる。また、中間形材43の引っ掛け係合部438aに中間形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片435を中心に中間形材43を回転することで、中間形材43を取り付け位置に配置できる。隣接する中間形材43を取り付け位置に配置した状態においては、中間形材43における左右方向の他方側には、中間形材43の引っ掛け係合部438aに、隣接する中間形材43の引っ掛け延出片435が嵌合した状態で、隣接する中間形材43が取り付けられる。
屋根体4の左右方向の他方側の端部に配置される樋構成形材42は、一方側の端部の構成が、中間形材43の一方側の端部の構成と同様であり、一方側の端部以外の構成が、他方側の端部に配置される樋構成形材42を左右反転した構成と同様である。そのため、屋根体4の左右方向の他方側の端部に配置される樋構成形材42の説明を省略する。
以上のように構成される屋根構造体において、図5に示すように、屋根体4における複数の長尺形材41は、左右方向の一方側から他方側に向かって、樋構成形材42、複数の中間形材43、樋構成形材42の順に並んで連接される。樋構成形材42、複数の中間形材43及び樋構成形材42は、それぞれ、屋根体4における左右方向の他方の端部側において嵌合して連結される。
一対の屋根体側部カバー部材8は、図1、図16及び図17に示すように、屋根体4の前後方向の両端部において、屋根体4の左右方向(長尺形材41の長手方向に直交(交差)する方向)に延びて配置される。一対の屋根体側部カバー部材8は、屋根体4の前後方向の両端部において、長尺形材41の側部(端部)を覆うように配置される。屋根体側部カバー部材8は、図16に示すように、上面部としての上面カバー部81と、側面部としての側面カバー部82と、を有する。
上面カバー部81は、図16に示すように、左右方向(長尺形材41が延びる方向に交差する交差方向)に幅を有して形成され、かつ、屋根体4の左右方向に延びる板状に形成される。上面カバー部81は、屋根体4の上面4aに係止されて配置される。
上面カバー部81は、側面カバー部82に接続され、側面カバー部82の上部側の部分から長尺形材41側に所定幅で略水平に突出する。上面カバー部81は、長尺形材41の長手方向の端部の上部を覆うように、長尺形材41の長手方向の端部の上部に配置される。上面カバー部81の下面には、下方に突出する止水凸部811(第2止水部)と、下方に突出する2つの突き当て部812,813と、が形成される。
止水凸部811は、上面カバー部81の下面において、長尺形材41の長手方向の外側の端部の下面に配置される。止水凸部811は、長尺形材41の長手方向に直交する方向に沿って延びて配置され、長尺形材41の長手方向に直交する方向の略全域に亘って延びる。止水凸部811は、複数の長尺形材41の上面に当接する。これにより、止水凸部811は、長尺形材41の端部において、上面カバー部81と屋根体4との間に水が浸入することを抑制する止水部(第2止水部)として機能する。
2つの突き当て部812,813は、上面カバー部81の下面から下方に突出して形成され、上面カバー部81の止水凸部811よりも長尺形材41の長手方向の外側において、長尺形材41の長手方向に離間して配置される。突き当て部812,813は、屋根体4において長尺形材41の長手方向に直交する方向の略全域に亘って延びる。
止水凸部811と突き当て部812との間には、上面カバー部81の下面と長尺形材41との間において、上面シール部材814が配置される。上面シール部材814は、長尺形材41の長手方向に所定幅を有し、長尺形材41の長手方向に直交する交差方向の略全域に亘って延びる。
側面カバー部82は、上面カバー部81における長尺形材41の長手方向の端部の側部の外側に接続され、上下方向に幅を有して形成され、かつ、屋根体4の傾斜方向に沿って左右方向に延びる板状に形成される。側面カバー部82は、屋根体4における前後方向の端部の側部を覆うように配置される。
側面カバー部82は、上方に突出する上部突出部821と、下方側に形成され内面から内側に延出して形成される水受け流路部822(第4止水部)と、水受け流路部822の下部から下方に突出する水切り突状部(水切りフィン)823と、水受け流路部822の上方側において内面から内側に突出する2つの突状部824と、を有する。
水受け流路部822は、中段樋構成部410及び下段樋構成部420から導出されて屋根体4の前後方向の端部に流された水を受け止める。水受け流路部822は、屋根体4の先端側から基端側に水が向かう流路を構成すると共に、水を止水する止水部として機能する。水受け流路部822に受け止められた水は、側面カバー部82が基端側に傾斜する下り傾斜に構成されるため、基端側に流される。水受け流路部822により屋根体4の基端側に流された水は、基端側の端部において、屋根体4の下方に落下する。
ここで、側面カバー部82の基端側には、側面カバー部82に直交する方向に延びて形成される樋構成形材42の下端部から下方に延びる水切りフィン425が配置されている。そのため、水切りフィン425には、側面カバー部82の水受け流路部822の上面を流された水の一部が伝達される。水切りフィン425からは、側面カバー部82の水受け流路部822から伝達された水が、屋根体4の基端部側において屋根体4の下方に落下する。
また、図18及び図19に示すように、長尺形材41の長手方向の端部において、長尺形材41には、長手方向に沿って所定長さ切り欠かれる切欠部437f(427f)が形成される。切欠部437f(427f)は、長尺形材41の長手方向に直交する方向の屋根体4の先端側の端部において、長尺形材41同士の接続部分における前後方向の端部以外の部分に形成される側方延出壁437b(427b)が切り欠かれて形成される。切欠部437f(427f)は、長尺形材41の長手方向に直交する方向の所定幅で、側面カバー部82が配置される側の端部から長尺形材41の長手方向に沿って内側に所定長さ切り欠かれたポケット状に形成される。
切欠部437f(427f)には、カーポート1の施工時に、湿式シール部材403が塗工される。切欠部437f(427f)は、湿式シール部材403が塗工されない状態においては、長尺形材41同士の接続部分において止水するパッキン部材402の長手方向の端部が外部に露出するように切り欠かれている。切欠部437f(427f)において、カーポート1の施工時に、露出されたパッキン部材402を覆うように、湿式シール部材403が塗工される。パッキン部材402、切欠部437f(427f)、及び湿式シール部材403は、連結端部止水部480(第1止水部)を構成する。
V字ガイド部71は、図3及び図4に示すように、屋根体4の上面4aの上部において、屋根体4の傾斜方向の下流側(前後方向の前側)に配置される。V字ガイド部71は、平面視で、屋根体4の下流側(前側)が開放するV字形状に形成される。V字ガイド部71は、図3に示すように、平面視で、V字ガイド部71における左右方向の中央部分が屋根体4の最も上流側(後側)に位置し、屋根体4の傾斜方向の下流側に向かうに従って屋根体4の左右方向の中央側から両端部側に向かうように傾斜する直線状(両端部側が下るように傾斜する直線状)に形成される。V字ガイド部71は、屋根体4の左右方向の中央において傾斜方向の上流側(前後方向の後側)を頂点として、左右方向の両端部に向かうに従って傾斜方向の上流側から下流側(前後方向の後側から前側)に向かうように直線状に延びる。V字ガイド部71は、中央平面板711と、一対の長尺平面板712と、一対の長尺立ち上がり板713と、一対の側部立ち上がり板714と、を有する。
中央平面板711は、V字ガイド部71の左右方向の中央部分を構成する。中央平面板711は、屋根体4の左右方向の中央に配置され、屋根体4の上面4aに沿って配置される。本実施形態においては、中央平面板711は、平面視で、屋根体4の上流側(後側)の辺と下流側(前側)の辺とが平行に配置され、上流側(後側)の辺の長さが下流側(前側)の辺の長さよりも長い台形状に形成される。
一対の長尺平面板712は、屋根体3の上面4aに沿って配置される。一対の長尺平面板712は、それぞれ、平面視で、長方形状に形成され、中央平面板711から屋根体4の左右方向の両側に向かって傾斜して直線状に延びる。一対の長尺平面板712は、それぞれ、平面視で、左右方向の両端部に向かうに従って前後方向の後側から前側に向かうように傾斜して形成される。
一対の長尺立ち上がり板713は、それぞれ、長尺平面板712の下流側の端部において、所定高さで立ち上がる板状に形成され、長尺平面板712の前後方向の前側(屋根体4の傾斜方向の下流側)の端部側の辺に沿って延びる。一対の長尺立ち上がり板713は、それぞれ、平面視で、左右方向の両端部に向かうに従って前後方向の後側から前側に向かうように傾斜して形成される。一対の長尺立ち上がり板713は、屋根体4の上流側(後側)から下流側(前側)に流れた水を下流側においてガイドして、屋根体4の左右方向の両端部側に誘導する。なお、V字ガイド部71にガイドされる水は、屋根体4の上面4aが、左右方向の中央から端部側に向かうに従って下る勾配を有して傾斜するため、屋根体4の左右方向の両端部側に流れ易い。
一対の側部立ち上がり板714は、それぞれ、長尺平面板712の左右方向の外側の端部において、所定高さで立ち上がる板状に形成される。一対の側部立ち上がり板714は、それぞれ、平面視で、左右方向の両端部に向かうに従って前後方向の前側から後側に向かうように傾斜して形成される。側部立ち上がり板714は、長尺立ち上がり板713により屋根体4の左右方向の端部側に誘導された水を、屋根体端部側樋構成部40に配置された逆勾配部72に誘導する。
屋根体4におけるV字ガイド部71が配置された部分よりも前後方向の前側の部分には、平面視で、略三角形状の三角州部分73が形成される。三角州部分73における屋根体4の左右方向の端部には、三角州部分73と逆勾配部72とが連通する隙間が形成されている。三角州部分73に降り注いだ雨水は、屋根体4の上面4aが、左右方向の中央から端部側に向かうに従って下る勾配を有して傾斜するため、三角州部分73における屋根体4の左右方向の端部の隙間から、逆勾配部72の上流側の端部に流れ込む。
逆勾配部72は、屋根体端部側樋構成部40において、屋根体4における前後方向の前側に配置される。逆勾配部72は、図6に示すように、屋根体4の傾斜方向と逆方向に、例えば、傾斜角度α2の傾斜角度で傾斜する。本実施形態においては、逆勾配部72は、屋根体端部側樋構成部40の内部に形成されており、屋根体4の厚さの範囲内で逆勾配を形成する。
例えば、図6に示すように、逆勾配部72の傾斜角度α2を設定する場合に、屋根体4の厚さの範囲で逆勾配の傾斜を形成するためには、屋根体4の傾斜角度α1を大きく設定すると、屋根体4の傾斜角度α1が小さい場合よりも、逆勾配部72の基端である屋根体4の下流側の端部から、逆勾配部72の終端である支柱2までの距離が短くなる。屋根体4の傾斜角度α1を大きくした場合に、逆勾配部72を屋根体4の厚さの範囲内とするために、支柱2と屋根体4の傾斜方向の端部との距離が近くなり、屋根体4を支柱2で支持する位置は、屋根体4の前後方向の前側の端部近傍になる。そのため、屋根体4を支柱2で支持する位置が、屋根体4の前後方向の前側の端部近傍になると、屋根体4を端部近傍で支持することになり、屋根体4が撓む可能性がある。従って、屋根体4の傾斜角度α1及び逆勾配部72の傾斜角度α2は、屋根体4の厚さや、支柱2の支持位置や、屋根体4の撓みなどを考慮して適宜設定される。本実施形態においては、屋根体4の厚さや支柱2の支持位置や屋根体4の撓みなどを考慮して、例えば、屋根体4の傾斜角度α2を1°〜2°程度に設定し、逆勾配部72における屋根体4の傾斜とは逆傾斜の傾斜角度α2を1°〜2°程度に設定できる。
逆勾配部72は、屋根体4の前後方向の前側から後側に下るように傾斜する逆勾配傾斜板721を有する。逆勾配傾斜板721は、屋根体4の前後方向の前側の端部近傍から支柱2まで延びる板状に形成される。逆勾配傾斜板721は、L字状金具722を介して、屋根体4の左右方向の端部の長尺形材41(樋構成形材42)に固定される。逆勾配部72に流入した水は、逆勾配傾斜板721に沿って屋根体4の前側から後側に向かって流れ、屋根体端部側樋構成部40の導出開口422aに接続された誘導部材26を介して、支柱2と支柱カバー部材23との間の支柱側樋構成部20(図13参照)に流入する。
以上のように構成されるカーポート1は、複数の長尺形材41が並んで連設されるため、屋根体4の下面4bを平面状に形成できることから、意匠性を向上できる。
また、梁3と屋根体4とを接続する連結部材5を備えるため、屋根体4の左右方向の所定の位置において、連結部材5の高さ方向の位置を異ならせることで、屋根体4の高さを異ならせることができる。これにより、簡易な構成で、屋根体4が傾斜する構造を実現できる。
また、一対の連結部材5のL字状部分52は、互いに対向して配置される。そのため、連結部材5のL字状部分52は、屋根体4の前後方向の外側から視認され難い。これにより、意匠性を向上できる。
また、高さ調整機構により、屋根体4の左右方向の所定の位置において、屋根体4の高さを異ならせることができる。これにより、屋根体4が傾斜する構造を簡単に実現できる。
次に、カーポート1における雨水の流れについて説明する。
図1に示すカーポート1において、屋根体4の上面4aに降り注いだ雨水は、屋根体4の上面4aの傾斜に沿って、屋根体4の傾斜方向の上流側から下流側(前後方向の後側から前側)に流れる。
また、屋根体4は、梁3が延びる方向の中央から両端部に向かうに従って下るように傾斜する。そのため、屋根体4に流された水は、左右方向の中央から両端部に向かうように流されて、屋根体端部側樋構成部40に流入する。
ここで、長尺形材41同士の接続部分には、図13及び図14に示すように、パッキン部材402が配置されている。そのため、屋根体4の上面4aを流れる水を、長尺形材41同士の接続部分において、パッキン部材402で止水できる。これにより、屋根体4の上面4aを流れる水をパッキン部材402により止水して、屋根体4の下面4bから、水が落下することを抑制できる。本実施形態では、パッキン取付凹部433の上面433aには、側方延出壁427bが重なって配置される。このため、パッキン部材402が外部に直接露出されないため、パッキン部材402の耐候性を向上でき、パッキン部材402の劣化を低減できる。
屋根体4の上面4aを前後方向の前側の下流側に流れる水は、屋根体4の上面4aと梁3との間において、連結部材5の複数の切り欠き開口54(図8参照)を通過して、屋根体4の上面4aの傾斜方向の下流側に流れて、図6に示すように、V字ガイド部71に到達する。これにより、屋根体4を流通する水や水に流される汚れ(例えば、落ち葉など)を複数の切り欠き開口54に通過させて、屋根体4の傾斜方向において、水や水に流される汚れを、上流側から下流側に向けて流すことができる。これにより、排水性能を向上できる。
V字ガイド部71に到達した水は、V字ガイド部71にガイドされて、屋根体4の左右方向の両端部側に誘導される。V字ガイド部71にガイドされた水は、屋根体4の左右方向の両端部において、逆勾配部72に流入する。また、V字ガイド部71にガイドされる水は、屋根体4の上面4aが、左右方向の中央から端部側に向かうに従って下る勾配を有して傾斜するため、屋根体4の左右方向の両端部側に流れ易い。これにより、V字ガイド部71に到達した水を、屋根体端部側樋構成部40の逆勾配部72に誘導できるため、排水性能を一層向上できる。
また、屋根体4の前後方向のV字ガイド部71よりも前側(屋根体4の傾斜方向の下流側)に配置される三角州部分73に降り注いだ雨水は、屋根体4が、左右方向の中央から端部側に向かうに従って下る勾配を有して傾斜するため、三角州部分73における屋根体4の左右方向の端部の隙間から、逆勾配部72の上流側の端部に流入する。
図6に示すように、逆勾配部72に流入した水は、逆勾配傾斜板721に沿って、屋根体4の複数の長尺形材41で構成される上面4aの傾斜方向とは、逆の傾斜により、逆勾配部72において、屋根体4の前側から後側に向かって流れる。ここで、逆勾配部72は、V字ガイド部71から支柱2まで延びて形成され、支柱2に設けられた支柱側樋構成部20に接続されている。そのため、逆勾配部72を流れる水は、屋根体端部側樋構成部40の導出開口422aに接続された誘導部材26を介して、支柱2と支柱カバー部材23との間の支柱側樋構成部20(図13参照)に流入する。これにより、逆勾配部72に流された水を支柱側樋構成部20に流すことができる。よって、排水性能を一層向上できる。
支柱側樋構成部20に流入した水は、支柱側樋構成部20を落下して、支柱2の下方において、支柱2の外部に排出される。
また、三角州部分73に降り注いだ雨水は、長尺形材41同士の接続部分がパッキン部材402により止水されているため、パッキン部材402の上方側を、長尺形材41同士の接続部分における長尺形材41の縁部を伝わって水が流れる。ここで、図18及び図19に示すように、長尺形材41同士の接続部分における前後方向の側面カバー部82が配置される側の端部において、長尺形材41には、連結端部止水部480(第1止水部)が設けられている。連結端部止水部480(第1止水部)は、パッキン部材402、切欠部437f(427f)、及び湿式シール部材403を備えて構成される。切欠部437f(427f)は、長尺形材41同士の接続部分における前後方向の側面カバー部82が配置される側の端部において、長手方向に切り欠かれて形成される。湿式シール部材403は、パッキン部材402を覆うように塗工されている。連結端部止水部480は、長尺形材41同士の接続部分の長手方向の端部において、長尺形材41同士の接続部分を伝わる水を端部側において止水することができる。
また、パッキン部材402の部分や、連結端部止水部480(第1止水部)の部分や、屋根体側部カバー部材8の上面カバー部81の下面に形成される止水凸部811(第2止水部)の部分や、上面シール部材814の部分を水が通過した場合であっても、屋根体4の内部には、中段樋構成部410と下段樋構成部420とが段差状に2段で連続して設けられており、二重の止水部を構成する。パッキン部材402(止水部)の部分や、連結端部止水部480(第1止水部)の部分や、屋根体側部カバー部材8の上面カバー部81の止水凸部811(第2止水部)の部分や、上面シール部材814の部分を通過した水は、中段樋構成部410(第1の第3止水部)に流れる。中段樋構成部610(第1の第3止水部)から溢れた水は、下段樋構成部420(第2の第3止水部)に流れる。中段樋構成部410及び下段樋構成部420の2段の樋構造により、隣接する長尺形材41の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材41の長尺方向(長手方向)に沿って水を流して、止水できるため、屋根体4の下面4bから、水が落下することを一層抑制できる。
中段樋構成部410(第1の第3止水部)と下段樋構成部420(第2の第3止水部)とに導入された水は、屋根体4の前後方向の端部に向けて流れる。前後方向の端部に向けて流れた水は、屋根体側部カバー部材8に導入される。
屋根体側部カバー部材8に導入された水は、屋根体側部カバー部材8の下端部に形成される水受け流路部822(図16参照)(第4止水部)に受け止められて、屋根体4の傾斜に沿って、基端側の支柱2側に流される。屋根体側部カバー部材8の水受け流路部822において支柱2側に流された水は、屋根体4の支柱2側の基端側に流れて、屋根体4の支柱2側の基端側の端部から下方に落下する。そのため、水受け流路部822により、長尺形材41の長手方向に交差する方向に水を流すことで屋根体4の基端側に水を流して、屋根体4の下面4bの端部でない部分から、水が落下することを抑制できる。
屋根体4の支柱2側の基端側の端部から下方に落下するのと同時に、水受け流路部822において支柱2側に流された水の一部は、屋根体4の支柱2側の基端側の端部から、屋根体4の樋構成形材42の基端側の下端部において下方に突出して設けられる水切りフィン425(図13及び図16参照)に伝わり、屋根体4の樋構成形材42の基端側の端部において、水切りフィン425を介して下方に落下する。水切りフィン425から水を落下させることで、屋根体4の下面4b側に水が回り込むことを抑制できる。これにより、屋根体4の下面4bの端部でない部分から、水が落下することを抑制できる。
以上説明した本実施形態のカーポート1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態のカーポート1は、支柱2と、支柱2に接続される梁3と、梁3の下方において梁3に吊られて配置され、梁3が延びる方向に交差する方向に延びると共に梁3が延びる方向に並んで連設される複数の長尺形材41を有し、長尺形材41の長手方向の一方側から他方側に向かうに従って下るように傾斜する屋根体4と、梁3と屋根体4との間に形成され長尺形材41の長手方向に貫通する複数の切り欠き開口54と、を備える。そのため、梁3と屋根体4との間に形成される複数の切り欠き開口54を備えるため、屋根体4を流通する水や水に流される汚れ(例えば、落ち葉など)を複数の切り欠き開口54に通過させて、屋根体4の傾斜方向の下流側に向けて流すことができる。これにより、排水性能を向上できる。また、複数の長尺形材41が並んで連設されるため、屋根体4の下面4bを平面状に形成できることから、意匠性を向上できる。
また、本実施形態においては、一対の連結部材5のL字状部分52は、互いに対向して配置される。そのため、連結部材5のL字状部分52は、屋根体4の前後方向の外側から視認されない。これにより、意匠性を向上できる。
また、本実施形態においては、連結部材5の長手方向の所定位置において、連結部材5の高さ方向の位置を調整可能な高さ調整機構(遊び部30、上側規制部材61、下側規制部材62)を備え、高さ調整機構は、梁3と連結部材5との間に形成される遊び部30と、遊び部30において連結部材5の高さ方向の位置を調整する上側規制部材61及び下側規制部材62と、を有する。そのため、高さ調整機構により、屋根体4の左右方向の所定の位置において、屋根体4の高さを異ならせることができる。これにより、屋根体4が傾斜する構造を簡単に実現できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図20は、本発明の第2実施形態におけるカーポート1であって、屋根体4の傾斜方向の下流側の端部において下部に配置される水受け流路部83の構成を示す斜視図である。図21は、本発明の第2実施形態におけるカーポート1であって、屋根体4の傾斜方向の下流側の端部において下部に配置される水受け流路部83の構成を示す断面図である。第2実施形態は、第1実施形態の屋根体側部カバー部材8の下端部の水受け流路部822とは異なる水受け流路部83を設けた点において、第1実施形態と異なる。第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態の構成と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
第2実施形態においては、屋根体側部カバー部材8は、図20及び図21に示すように、上面カバー部81と、側面カバー部82と、水受け流路部83(水受け部)と、を有する。
上面カバー部81は、屋根体4の長尺形材41の上面に沿って配置される。
側面カバー部82は、屋根体4の傾斜方向の下流側の端部において、屋根体4の長尺形材41の端部の側面に沿って配置される。
水受け流路部83は、側面カバー部82の下端において、屋根体4の傾斜方向の下流側の端部の下部に配置される。水受け流路部83は、水受け本体部831と、一対の端部カバー部832と、を有する。
水受け本体部831は、屋根体4の左右方向に延びて形成され、上方側が開放するU字形状に形成される。第2実施形態の水受け本体部831は、第1実施形態の水受け流路部822よりも、水が溜まる深さが深いカップ状に形成される。水受け本体部831は、長尺形材41の連結部分から漏れた水や結露水を、屋根体4の傾斜方向の下流側の端部の下部において受け止める。
端部カバー部832は、水受け本体部831の左右方向の端部に配置される。端部カバー部832は、外部と連通する端部カバー開口部832aを有する。端部カバー開口部832aからは、水受け本体部831に受け止められた水が溢れて、外部に排出される。
第2実施形態によれば、水受け流路部83は、屋根体4の傾斜方向の下流側の端部の下部に配置される。そのため、長尺形材41の連結部分から漏れた水や結露水を、屋根体4の傾斜方向の下流側の端部の下部において受け止めて、屋根体4の左右方向の端部から外部に排出することができる。これにより、排水性能を一層向上できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図22は、本発明の第3実施形態におけるカーポート1であって、連結部材5に複数の開口穴561が形成された場合を示す斜視図である。第3実施形態は、第1実施形態における連結部材5に設けられた複数の切り欠き開口54に代えて、連結部材5Aに複数の開口穴561を設けた点において、第1実施形態と異なる。第3実施形態の説明にあたって、第1実施形態の構成と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
第3実施形態の連結部材5Aは、図22に示すように、屋根体4の左右方向に延びる垂直延在板56と、底面延在板57と、引っ掛け部分53(図9参照)と、を有する。
垂直延在板56及び底面延在板57は、屋根体4の左右方向に延びる。
垂直延在板56は、上端部が引っ掛け部分53の下端部に接続され、下端部が底面延在板57における梁3(2つの梁3のうちの連結部材5が接続される側の梁3)側の端部に接続される。
垂直延在板56には、複数の開口穴561(貫通部、開口部)が形成される。複数の開口穴561は、上下方向における梁3と屋根体4との間に配置され、長尺形材41の長手方向に貫通する。複数の開口穴561は、水平方向から見た場合に、長方形状に形成される。開口穴561の下端辺は、屋根体4の上面4aから僅かに離間した位置に配置され、屋根体4の上面4aに沿って延びる。複数の開口穴561は、屋根体4の左右方向に並んで配置される。
複数の開口穴561には、屋根体4の上面4aを流れる水が上流側から下流側に流れる。切り欠き開口54の水平方向に開口する部分は、屋根体4を流通する水や水に流される汚れ(例えば、落ち葉など)を通過させて、屋根体4の前後方向において、水や水に流される汚れを、上流側から下流側に向けて流す。
底面延在板57は、複数のネジ部材571により、屋根体4の上面4aに固定される。
第3実施形態によれば、連結部材5は、複数の開口穴561を有する。そのため、第1実施形態における連結部材5に複数の切り欠き開口54を設けた場合と同様に、屋根体4を流通する水や水に流される汚れ(例えば、落ち葉など)を複数の開口穴561に通過させて、屋根体4の傾斜方向における上流側から下流側に向けて流すことができる。これにより、排水性能を向上できる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図23は、本発明の第4実施形態におけるカーポート1Aであって、屋根体4の傾斜方向の下流側に屋根体下流側樋構造45を設けると共に、屋根体4の下方に下方側樋構造46を設けた場合を示す斜視図である。第4実施形態は、第1実施形態の屋根体端部側樋構成部40、V字ガイド部71及び逆勾配部72(図4参照)を備えない点と、屋根体下流側樋構造45及び下方側樋構造46を備える点において、第1実施形態と異なる。第4実施形態の説明にあたって、第1実施形態の構成と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図23に示すように、第4実施形態においては、屋根体4は、屋根体4の上面4aにおける左右方向の支柱2側の両端部に、第1実施形態における屋根体端部側樋構成部40(樋構成形材42)を備えていない。屋根体4の複数の長尺形材41は、屋根体4の左右方向の全域に上面4aが平面状の部材が配置される。これにより、屋根体4の上面4aは、全域に亘って、平面状(フラット)であり、屋根体4の上面4aを流通する水は、屋根体4の傾斜方向の下流側(前後方向の前側)に向かって流れる。
また、第4実施形態は、第1実施形態のV字ガイド部71及び逆勾配部72(図4参照)を備えずに、屋根体下流側樋構造45と、下方側樋構造46(端部側樋構造)と、を備える。
屋根体下流側樋構造45は、屋根体4の傾斜方向の下流側(前後方向の前側の)端部に配置され、屋根体4の左右方向の全域に亘って延びる。屋根体下流側樋構造45は、屋根体4を構成する複数の長尺形材41の下流側の端部の開口の下方側に配置され、上方が開放した樋形状に形成される。
第4実施形態のカーポート1Aにおいては、屋根体4における傾斜方向の下流側(前後方向の前側)の端部において、前記第1実施形態の屋根体側部カバー部材8は設けられておらず、屋根体4を構成する複数の長尺形材41の前側の端部において長尺形材41のホロー構造の中空部の開口が外部に露出される。更に、第4実施形態のカーポート1Aには、前記第1実施形態における連結端部止水部480も設けられていない。そのため、第4実施形態のカーポート1Aにおいては、長尺形材41の前側の端部の開口からは、長尺形材41の内部の中空部を流れる水が排出される。なお、第4変形形態においては、第1実施形態と同様に、屋根体4における長尺形材41同士の連結部分には、パッキン部材402は設けられており、長尺形材41同士の連結部分は止水されている。
屋根体下流側樋構造45には、屋根体4の上面4aを流れた水と、屋根体4を構成する複数の長尺形材41の内部から排出された水とが流入する。屋根体下流側樋構造45の左右方向の一方側の端部の下面には、排出用開口45aが形成される。
下方側樋構造46は、屋根体4における長尺形材41が並ぶ方向の端部側において、屋根体4の下方に配置される。下方側樋構造46は、導入部461と、傾斜樋部462と、接続誘導部463と、を有する。
導入部461は、筒状に形成され、前側が、上方に開放して形成され、屋根体下流側樋構造45の左右方向の端部の下面の排出用開口45aに接続され、後側が、後側に開放して形成され、傾斜樋部462に接続される。
傾斜樋部462は、方形筒状に形成される。傾斜樋部462は、一端部が導入部461に接続され、屋根体4の前後方向の後側に延びる。傾斜樋部462は、屋根体4の前側から後側に向かうに従って下るように傾斜する。傾斜樋部462の下流側の他端部には、接続誘導部463が接続される。
接続誘導部463は、屋根体4の後側に形成される後側開口463aと、屋根体4の左右方向の外側に開口する側面開口463bと、を有する。接続誘導部463の後側開口463aは、傾斜樋部462の下流側の端部が接続される。接続誘導部463の側面開口463bは、支柱2の側面に接続される。
次に、第4実施形態のカーポート1Aにおける雨水の流れについて説明する。
図23を参照すると、第4実施形態のカーポート4Aにおいて、屋根体4の上面4aに降り注いだ雨水は、屋根体4の上面4aの傾斜に沿って、屋根体4の傾斜方向の上流側から下流側(前後方向の後側から前側)に流れる。屋根体4の上面4aを前後方向の前側の下流側に流れる水は、屋根体4の上面4aと梁3との間において、連結部材5の複数の切り欠き開口54(図8参照)を通過して、屋根体4の上面4aの傾斜方向の下流側に流れて、屋根体下流側樋構造45に到達する。これにより、屋根体4を流通する水や水に流される汚れ(例えば、落ち葉など)を複数の切り欠き開口54に通過させて、屋根体4の傾斜方向において、水や水に流される汚れを、上流側から下流側に向けて流すことができる。これにより、排水性能を向上できる。
屋根体下流側樋構造45には、屋根体4の上面4aを流れた水と、屋根体4を構成する複数の長尺形材41の内部から排出された水と、が流入する。屋根体下流側樋構造45の左右方向の一方側の端部の下面には、排出用開口45aが形成される。
屋根体下流側樋構造45に流入した水は、屋根体4の左右方向の両端部側に形成される排出用開口45aを介して、屋根体4における長尺形材41が並ぶ方向の端部側において、屋根体4の下方に配置される下方側樋構造46を介して、支柱2に設けられた支柱側樋構成部20に誘導される。支柱側樋構成部20に流入した水は、支柱側樋構成部20を落下して、支柱2の下方において、支柱2の外部に排出される。
第4実施形態によれば、複数の長尺形材41が並んで連設されることで屋根体4を構成しているため、屋根体4の下面4bを平面状に形成できることから、屋根体4を下方から見た場合の意匠性を向上できる。
また、屋根体4の傾斜方向の下流側に配置される屋根体下流側樋構造45と、屋根体4における長尺形材41が並ぶ方向の端部側に配置される下方側樋構造46と、を備える。そのため、屋根体下流側樋構造45に到達した水を、下方側樋構造46を介して、支柱2に設けられた支柱側樋構成部20に誘導できるため、排水性能を一層向上できる。
[第4実施形態の変形形態]
次に、本発明の第4実施形態の変形形態のカーポート1Aaについて説明する。図24は、本発明の第4実施形態の変形形態のカーポート1Aaであって、第4実施形態の構成に屋根体端部側樋構成部40を更に設けた場合を示す斜視図である。
図24に示すように、第4実施形態の変形形態のカーポートAaは、第4実施形態のカーポート1Aの構成に加えて、第1実施形態の屋根体端部側樋構成部40を更に備える。
屋根体端部側樋構成部40は、屋根体4における長尺形材41が並ぶ方向の端部側に並んで配置されると共に、下方側樋構造46の上方に配置される。屋根体端部側樋構成部40は、屋根体4の前後方向(傾斜方向)に延びて形成され、屋根体4の前後方向の前側(傾斜方向)の下流側端部において開口しており、屋根体下流側樋構造45に向けて開口する。なお、屋根体端部側樋構成部40の長手方向の途中の側面には導出開口422a(第1実施形態、図13参照)は形成されておらず、支柱側樋構成部20(柱材側樋構造)には接続されていない。
次に、第4実施形態の変形形態のカーポート1Aaにおける雨水の流れについて説明する。
図24を参照すると、第4実施形態の変形形態のカーポート1Aaにおいて、屋根体4の上面4aに降り注いだ雨水は、屋根体4の上面4aの傾斜に沿って、屋根体4の傾斜方向の上流側から下流側(前後方向の後側から前側)に流れる。
ここで、屋根体4は、梁3が延びる方向の中央から両端部に向かうに従って下るように傾斜する。また、屋根体4は、長尺形材41が並ぶ方向の端部側に並列に配置される屋根体端部側樋構成部40を備える。そのため、屋根体4に流された水は、左右方向の中央から両端部に向かうように流されて、屋根体端部側樋構成部40に流入する。屋根体端部側樋構成部40に流入した水は、屋根体4の傾斜方向の下流側に流れて、屋根体下流側樋構造45に到達する。
屋根体下流側樋構造45には、屋根体4の上面4aを流れた水と、屋根体4を構成する複数の長尺形材41の内部から排出された水と、屋根体端部側樋構成部40を流れた水とが流入する。屋根体下流側樋構造45の左右方向の一方側の端部の下面には、排出用開口45aが形成される。
これにより、屋根体4を流通する水や水に流される汚れ(例えば、落ち葉など)を複数の切り欠き開口54を通過させるのに加えて、屋根体端部側樋構成部40の上方側に開放された部分(屋根体4の上面4aから窪む凹部)に流通させて、屋根体4の傾斜方向において、水や水に流される汚れを、屋根体4の傾斜方向の上流側から下流側に向けて流すことができる。これにより、排水性能を向上できる。
屋根体下流側樋構造45に流入した水は、屋根体4の左右方向の両端部側に形成される排出用開口45aを介して、屋根体4における長尺形材41が並ぶ方向の端部側において、屋根体4の下方に配置される下方側樋構造46を介して、支柱2に設けられた支柱側樋構成部20に誘導される。支柱側樋構成部20に流入した水は、支柱側樋構成部20を落下して、支柱2の下方において、支柱2の外部に排出される。
第4実施形態の変形形態によれば、複数の長尺形材41が並んで連設されることで屋根体4を構成しているため、屋根体4の下面4bを平面状に形成できることから、屋根体4を下方から見た場合の意匠性を向上できる。
また、屋根体4の傾斜方向の下流側に配置される屋根体下流側樋構造45と、屋根体4における長尺形材41が並ぶ方向の端部側に配置される屋根体端部側樋構成部40及び下方側樋構造46と、を備える。そのため、屋根体端部側樋構成部40により屋根体4の傾斜方向において屋根体下流側樋構造45に向けて効率よく排水できると共に、屋根体下流側樋構造45に到達した水を、下方側樋構造46を介して、支柱2に設けられた支柱側樋構成部20に誘導できるため、排水性能を向上できる。
以上、本発明のカーポート(屋根構造体)の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、屋根体4の左右方向の勾配について、屋根体4の左右方向の中央が最も高くなり左右方向の中央から両端部に向かうに従って下るように傾斜するように構成したが、これに限定されず、屋根体4の左右方向には傾斜を形成せずに、水平に構成してもよい。
また、前記実施形態においては、屋根体4と梁3と接続する連結部材5を設けて、連結部材5に複数の切り欠き開口54を設けたが、これに限定されない。例えば、連結部材5を設けずに、長尺形材41に屋根体4の上面4aから窪む凹部を設けることで、梁3と屋根体4との間に、長尺形材41の長手方向に貫通する貫通部を形成してもよいし、梁3を吊ることで屋根体4と梁との間に隙間を設けることで、梁3と屋根体4との間に、長尺形材41の長手方向に貫通する貫通部を形成してもよい。
また、前記実施形態においては、屋根体4と梁3と接続する連結部材5を設けて、連結部材5を屋根体4の左右方向に延びるように構成したが、これに限定されない。連結部材5を複数の連結片(図示せず)で構成して、複数の連結片を屋根体4の左右方向に並べて配置することで、複数の連結片により、梁3の下方に屋根体4を吊るように構成してもよい。複数の連結片を屋根体4の左右方向に離間して配置することで、複数の連結片の間には、複数の開口部(貫通部)を形成できる。
また、前記第1実施形態において、屋根体4の前後方向の前側(傾斜方向の下流側)に配置される下流側樋構造を、V字状のV字ガイド部71により構成したが、下流側樋構造の形状は、これに限定されない。例えば、下流側樋構造を、平面視で、屋根体4の左右方向に沿って直線状に延びる形状としてもよいし、平面視で、屋根体4の左右方向に対して傾斜する直線状に延びる形状としてもよい。
また、前記実施形態においては、カーポートを、屋根体4を左右方向の両側それぞれにおいて一対の支柱2で支持する、いわゆる、両持ち構造のカーポートにより説明したが、これに限定されず、屋根体4を左右方向の一方の端部を支柱で支持する、いわゆる、片持ち構造のカーポートでもよい。
ここで、本発明を片持ち構造のカーポートに適用した第1変形形態及び第2変形形態について、模式図を参照しながら説明する。第1変形形態及び第2変形形態の片持ち構造のカーポート1B,1Cは、本発明の適用範囲である。図25は、第1変形形態の片持ち構造のカーポート1Bを示す模式図である。図26は、第2変形形態の片持ち構造のカーポートを示す模式図である。第1変形形態の説明にあたって、第1実施形態の構成と異なる構成について主に説明し、第1実施形態の構成と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。また、第2変形形態の説明にあたって、第4実施形態の構成と異なる構成について主に説明し、第4実施形態の構成と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図25に示すように、第1変形形態の片持ち構造のカーポート1Bは、主に、第1実施形態のカーポート1(図1等参照)の両持ち構造を片持ち構造に変更した形態であり、一方側に配置される2つの支柱2と、2つの梁3と、屋根体4Bと、ガイド部71B(下流側樋構造)と、屋根体端部側樋構成部40Bと、屋根体端部側樋構成部40に配置される逆勾配部72Bと、を備える。2つの梁3に接続される屋根体4Bは、屋根体4Bの左右方向の片側(一方側、図25における右側)において、屋根体4Bの前後方向に離間した2つの支柱2により、支持されている。
屋根体4Bの上面4aは、前後方向において、屋根体4Bの前後方向の前側に向かうに従って下るように傾斜すると共に、左右方向において、梁3の先端側から支柱2側(梁3が延びる方向の一端部側から他端部側)に向かうに従って下るように傾斜する。ガイド部71Bは、屋根体4Bの傾斜方向の下流側(前後方向の前側)において、平面視で、屋根体4Bの左右方向に延びる直線状に形成される。なお、ガイド部71Bが延びる方向はこれに限定されず、平面視で、屋根体4Bの傾斜方向の下流側(前後方向の前側)に向かうに従って梁3の先端側から支柱2側に向かうように傾斜する直線状(支柱2側が下るように傾斜する直線状)に形成することもできる。この場合に、ガイド部71Bに沿って流れる屋根体4Bの上面4aの水は、屋根体4Bの傾斜方向の下流側に向かうに従って屋根体端部側樋構成部40B側に誘導されるため、屋根体端部側樋構成部40B側に流れやすい。
逆勾配部72Bは、第1実施形態の逆勾配部72Bと同様の構成である。
また、図26に示すように、第2変形形態の片持ち構造のカーポート1Cは、主に、第4実施形態のカーポート1A(図23参照)の両持ち構造を片持ち構造に変更した形態であり、一方側に配置される2つの支柱2と、2つの梁3と、屋根体4Cと、屋根体下流側樋構造45Cと、下方側樋構造46Cと、を備える。2つの梁3に接続される屋根体4Cは、屋根体4Cの左右方向の片側(一方側、図26における右側)において、屋根体4Cの前後方向に離間した2つの支柱2により、支持されている。
屋根体4Cの上面4aは、前後方向において、屋根体4Cの前後方向の前側に向かうに従って下るように傾斜する。また、屋根体4Cは、左右方向において、屋根体4Cの上面4aは水平に形成される。
屋根体下流側樋構造45C及び下方側樋構造46Cは、第4実施形態の屋根体下流側樋構造45及び下方側樋構造46と同様の構成である。