以下、本発明のカーポート1の屋根体6の連結構造の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。カーポート1の屋根体6の連結構造は、2つのカーポート1A,1Bを、屋根体6を構成する長尺形材61が延びる長手方向に並べて連続して配置した場合の連結構造である。本実施形態においては、屋根体を有する屋根構造体をカーポート1に適用した例について説明する。なお、本実施形態においては、屋根構造体をカーポート1に適用した例について説明するが、これに限定されない。例えば、屋根構造体を、カーポート以外の構造物、例えば、駐輪場、シェルター、休憩所、テラス、バス停などの構造物に適用してもよい。
図1は、本発明の屋根体の連結構造を示す斜視図である。図2は、本発明の屋根体の連結構造においてカーポートを上方側から見た斜視図である。図3は、本発明の屋根体の連結構造においてカーポートを下方側から見た斜視図である。図4は、屋根体の基端側の構造を示す要部拡大斜視図である。図5は、図1におけるA−A線断面図である。図6は、屋根体を構成する樋構成形材の梁への接続構造を示す断面図である。図7は、屋根体を構成する中間形材の梁への接続構造を示す断面図である。図8は、図4におけるC−C線断面図である。図9は、図1におけるB−B線断面図である。図10は、図1における屋根体の先端側に配置される先端側形材の長手方向の端部の接続構造を示す斜視図である。図11は、長尺形材61の長手方向の端部の接続構造及び止水構造を示す斜視図である。図12は、長尺形材の長手方向の端部の接続構造及び止水構造を示す側面図である。図13は、支柱、梁、連結部材、支柱カバー部材及び誘導部材を分解して示した分解斜視図である。図14は、梁の基端側から順に複数の長尺形材を取り付ける状態を示す斜視図である。図15は、屋根体を構成する樋構成形材を、梁に取り付ける状態を示す断面図である。図16は、屋根体を構成する中間形材を、梁に取り付ける状態を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るカーポート1の屋根体6の連結構造は、隣接する2つのカーポート1A,1Bを、長尺形材61が延びる長手方向に並べて配置した場合の連結構造である。2つのカーポート1A,1Bは、連結構造の連結部300を介して、屋根体6を構成する複数の長尺形材61が延びる方向に並んで連結されている。屋根体6の連結構造の連結部300において、連結部300の上部を構成する上部構成部310は、後述する屋根体6を構成する複数の長尺形材61が延びる方向に交差する方向に延びて形成される。なお、本実施形態においては、上部構成部310が延びる方向(長尺形材61が延びる方向に交差する方向)を「連結長手方向D1」ともいう。また、連結長手方向D1に直交する上部構成部310の幅方向を「連結幅方向D2」ともいう。屋根体6の連結構造の構成の詳細については後述する。
本実施形態のカーポート1単体の全体構造について説明する。本実施形態の説明において、2つのカーポート1A,1Bの区別が特に必要ない場合には、「カーポート1」と記載する。なお、本実施形態の説明においては、カーポート1の屋根体6を構成する複数の長尺形材(長尺材)61が延びる方向を前後方向(長尺形材61の長手方向)ともいい、図1〜図3において、カーポート1の手前側を手前側ともいい、カーポート1の奥側を奥側ともいう。また、長尺形材(長尺材)61が延びる前後方向に直交する方向を左右方向(長尺形材61の長手方向に交差する交差方向)ともいう。また、左右方向において、手前側から見た場合に支柱2側を、カーポート1の右側ともいい、手前側から見た場合に支柱2と反対側を、カーポート1の左側ともいう。また、梁4が延びる方向において、支柱2側を、カーポート1の基端側ともいい、支柱2と反対側を、カーポート1の先端側ともいう。
本実施形態のカーポート1は、図2及び図3に示すように、屋根体6を左右方向の基端側(図2及び図3における右側)において一対の支柱2で支持する、いわゆる、片持ち構造のカーポートである。また、本実施形態のカーポート1は、支柱2に接続された梁4の下部(下方)に、屋根体6が吊られて接続される吊構造で構成される。
図2〜図5に示すように、本実施形態のカーポート1は、地面11に立設される一対の支柱2(柱材)と、一対の支柱2の側面に取り付けられる支柱カバー部材3(カバー部材)と、支柱2の上端部から支柱に交差する方向に延びる梁4と、支柱2と梁4とを接続するL字状の連結部材5と、梁4の下部に接続される屋根体6と、屋根体6の上面を流れた水を支柱2側へ誘導するL字状の誘導部材7(図4参照)と、屋根体側部カバー部材8(カバー部)と、屋根体先端カバー部材65と、を備える。支柱2及び梁4は、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状の中空部を有するホロー構造を有する。
一対の支柱2は、図2に示すように、カーポート1の左右方向の一方側(図2における右側)において、カーポート1の前後方向に離間して配置される。
支柱2は、上下方向に延びて形成され、図8に示すように、横断面が角筒状に形成される中空状の支柱側ホロー部21と、支柱側ホロー部21の屋根体6側の側面から屋根体6側に突出すると共に上下方向に延びる一対のカバー取付壁22と、を有する。一対のカバー取付壁22には、支柱カバー部材3が取り付けられる。支柱2の上端部には、支柱2の上端部の開口を覆うように、支柱キャップ201が配置される。
図2に示すように、一対の支柱2における前後方向の一方側(図2における手前側)の支柱2には、地面11付近の下端部に、下端開口部23が形成される。下端開口部23は、屋根体6側の側面が開放すると共に屋根体6側から支柱2の内部側に窪むように切り欠かれている。下端開口部23には、排水受け蓋部材24が配置される。排水受け蓋部材24には、前後方向の手前側の外方に向けて開放する排出開口24aが設けられている。排出開口24aは、支柱2と支柱カバー部材3とにより構成される支柱側樋構成部20(後述)を流れる水を手前側の外部へ排出する。
支柱カバー部材3は、図5に示すように、支柱2における一対のカバー取付壁22に取り付けられる。支柱カバー部材3は、上下方向に延びる1枚のカバー部材により構成される。支柱カバー部材3は、支柱2における屋根体6側の一側面、及び後述する支柱2と連結部材5とを固定するネジ部材102を覆うように、一対のカバー取付壁22(図8参照)に取り付けられる。つまり、支柱カバー部材3は、分断されずに1枚のカバー部材により構成され、支柱2の一側面のみにおいて、連結部材5の一側面のみを固定する4つのネジ部材102を覆うように配置される。支柱2と支柱カバー部材3との間には屋根体6の上面6aを流れる水が流入して水が流れるため、支柱2及び支柱カバー部材3は支柱側樋構成部20(柱材側樋構造)として構成される。本実施形態においては、支柱2と支柱カバー部材3との間に雨樋用のホースなどが配置されずに、支柱2及び支柱カバー部材3だけで、縦樋を構成する。
支柱2と支柱カバー部材3との間(支柱側樋構成部20)には、屋根体6の屋根体側樋構成部60(後述)から排出された水が流される。支柱側樋構成部20は、支柱2の屋根体6側の側面が支柱カバー部材3に覆われるため、カーポート1の外部からは視認されない。そのため、支柱2が樋の機能を備えることが外部からは視認されず、意匠性を向上できる。
一対の梁4は、図2に示すように、カーポート1の前後方向に離間して配置される。一対の梁4は、それぞれ、左右方向に延びると共に、支柱2側に下る下り傾斜で形成される。一対の梁4の基端側の端部(右側の端部)は、L字状の連結部材5を介して、支柱2の上端部に接続される。一対の梁4の下部には、屋根体6が接続される。
一対の梁4は、図2及び図5に示すように、それぞれ、断面が角筒状に形成される梁側ホロー部41と、延出板部42と、端部キャップ43と、を有する。
梁側ホロー部41の先端41aは、先端側の上端部が傾斜して切り欠かれるように、先端側から基端側(支柱2側)に向かうにしたがって上る上り傾斜で形成される。そのため、梁4の先端41aは、梁4の下部に屋根体6が接続された状態において、屋根体6の先端側の下方の地面11側からは視認しにくい形状である。よって、屋根体6の先端側の下方の地面11側からは梁4を視認しにくいため、意匠性を向上できる。
延出板部42は、梁側ホロー部41の下端部から、屋根体6における前後方向の中央側(一対の梁4のうち、当該梁4とは別の梁4側)に向けて延出すると共に、左右方向に延びる板状に形成される。
延出板部42には、図6及び図7に示すように、梁4に屋根体6を固定するために用いられるネジ部材101が挿入されるネジ孔421が左右方向に並んで複数形成されている。複数のネジ孔421は、支柱2側の基端側から梁4の先端側に向かって、第1樋形材取り付けネジ孔421a、フック部取り付けネジ孔421b、第2樋形材取り付けネジ孔421cが形成され、続けて、複数の片側取り付けネジ孔421dが並んで形成されている。
第1樋形材取り付けネジ孔421aは、図6に示すように、長尺形材61における樋構成形材62(後述)の基端側の部分と梁4の延出板部42とをネジ部材105で固定するために設けられる。
第2樋形材取り付けネジ孔421cは、長尺形材61における樋構成形材62(後述)の先端側の部分と梁4の延出板部42とをネジ部材101で固定するために設けられる。
フック部取り付けネジ孔421bには、長尺形材61における樋構成形材62(後述)を梁4に取り付ける際に、長尺形材61の樋構成形材62を引っ掛けて仮置きするためのフック部110(図6参照)をネジ部材106で固定するために設けられる。
片側取り付けネジ孔421dは、図7に示すように、長尺形材61の中間形材63を梁4に取り付ける際に、中間形材63の先端側の部分と梁4の延出板部42とをネジ部材101で固定するために設けられる。
連結部材5は、図5に示すように、カーポート1を前後方向に見た場合に、全体としてL字状に形成され、断面が筒状に形成される。連結部材5は、上下方向に延びる縦筒部51と、縦筒部51側が下る下り傾斜となるように延びると共に縦筒部51に接続される横筒部52と、を有する。
連結部材5は、支柱2と梁4とを接続する。連結部材5は、縦筒部51の下端部(一方側)が、支柱2の上端部側から支柱2の支柱側ホロー部21に挿入され、上下方向に並ぶ4つのネジ部材102により支柱2の屋根体6側の一側面のみにおいて支柱2に固定される。連結部材5は、横筒部52の先端部(他方側)が、梁4の梁側ホロー部41に挿入されて、上方側から2つのネジ部材103に固定されると共に、下方側から1つのネジ部材104で固定される。
支柱2と連結部材5とを固定する上下方向に並ぶ4つのネジ部材102は、図5に示すように、屋根体6側の支柱2の一側面の4箇所において、支柱2と連結部材5とを固定する。支柱2の屋根体6側の一側面に露出したネジ部材102は、支柱2の一側面を覆う支柱カバー部材3が支柱2に取り付けられることで、外部から視認されないように、支柱カバー部材3により覆われる。これにより、外部からネジ部材102が視認されないため、意匠性を向上できる。
梁4と連結部材5とを固定する複数のネジ部材103,104は、梁4の上面の2箇所と、梁4の下面の1箇所において、梁4と連結部材5とを固定する。梁4の上面側の2箇所のネジ部材103は、上方に露出して配置されるため、カーポート1の下方側からは視認されない。梁4の下面側の1箇所のネジ部材104は、梁4の下方に屋根体6が配置されるため、カーポート1の下方側からは視認されない。
屋根体6は、図5に示すように、屋根体6が一対の梁4の下部に吊られて配置される吊り下げ構造であって、一対の梁4の下部に取り付けられる(接続される)。屋根体6は、複数の長尺形材(長尺材)61が、梁4が延びる方向に並んで連設されて互いが嵌合して連結されて構成される。
複数の長尺形材61は、それぞれ、カーポート1の前後方向(梁4が延びる方向に直交する方向)に延びており、所定の厚さを有する。複数の長尺形材61は、それぞれ、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状に形成される中空部を有するホロー構造を有する。屋根体6は、上面6a及び下面6bがフラット(平面状)に形成される。屋根体6は、支柱2側が下る下り傾斜に配置されており、上面6a及び下面6bは、支柱2側が下る下り傾斜に形成される。アルミ材料の押出し形材で形成された複数の長尺形材61を連結して屋根体6を構成することで、複数の長尺形材61を、屋根体6の面材として使用できると共に、屋根体6の強度を確保することができる。また、屋根体6を構成する複数の長尺形材61を、中空部を有する形材で構成することで、屋根体6自体を強度部材として使用でき、屋根体6の強度を出すための部材を別に設ける必要がない。よって、屋根体6を構成する部材の部品点数を低減できる。
屋根体6を構成する複数の長尺形材61は、図5に示すように、支柱2側の最も基端側の端部に配置される樋構成形材62と、最も先端側に配置される先端側形材64と、樋構成形材62と先端側形材64との間に配置される複数の中間形材63と、により構成される。複数の長尺形材61は、それぞれ、ネジ部材101、105により、梁4に直接固定されて接続される。本実施形態においては、ネジ部材101、105には、緩み止め用の接着剤が塗布されている。なお、ネジ部材101、105には、緩み止め用の接着剤を塗布しなくてもよい。
樋構成形材62は、屋根体6において、複数の長尺形材61が並ぶ方向の支柱2側の端部に並列に配置される。樋構成形材62は、複数の長尺形材61のうち、複数の長尺形材61が並ぶ方向の支柱2側の端部に配置される長尺形材であり、屋根体側樋構造として構成される。樋構成形材62は、図6に示すように、上部側が上方側に向けて開口する長尺形材により形成される。本実施形態においては、樋構成形材62は、中空部を有さないソリッド材により形成され、上部側が開口する断面U字形状に形成される。なお、樋構成形材62は、これに限定されず、中空部を有するホロー構造のアルミ材料の長尺形材の上面が切り欠かれることで上部側が開口する形状に形成されていてもよい。
樋構成形材62は、屋根体6の支柱2側の最も基端側の端部において、屋根体6の上面6aを基端側に流れて基端側の端部に達した水を受け止めて流通させる屋根体側樋構成部60を構成する。屋根体側樋構成部60は、屋根体6の上面6aを流れる水の下流側の端部に配置される。本実施形態においては、屋根体側樋構成部60は、屋根体6における下り傾斜の端部であって、屋根体6における基端側の支柱2側の端部に配置されている。
屋根体側樋構成部60は、上部側が開口しているため、屋根体側樋構成部60を屋根体6の下方から見た場合に、長尺形材61のフラットな(平面状の)下面が見えるだけで、屋根体6の上面6a側に樋が存在することを認識させずに樋を構成でき、意匠性を向上できる。
樋構成形材62は、屋根体6の基端側の支柱2側に形成される樋構成部621と、屋根体6の先端側に形成される先端側上部外方延出片627(固定部)と、屋根体6の先端側に形成される先端側下部外方片628と、を有する。
樋構成部621は、上方が開放する略U字形状の樋構成部本体622と、屋根体6の基端側に配置される基端側上部内方延出片623と、屋根体6の先端側に配置される先端側上部内方延出片624と、水切りフィン625と、基端側上部壁626と、を有する。
樋構成部本体622は、屋根体6の上面6aにおいて支柱2側に流された水を、上方の開放された部分から導入して受け止める。樋構成部本体622の側面には、導出開口622a(排水口)が形成される。
導出開口622aは、図4及び図6に示すように、前後方向において一対の支柱2のうちの手前側の一方の支柱2が配置される部分において、樋構成部本体622の側面を支柱2側の側方に貫通して形成される。導出開口622aには、L字状の誘導部材7の側部開口部71(後述)が接続される。
誘導部材7は、図4及び図6に示すように、屋根体側樋構成部60に流れ込んで滞留した水を、支柱側樋構成部20に誘導する。誘導部材7は、前後方向に見た場合に、L字状の筒状に形成され、側部開口部71と、下端開口部72と、を有する。誘導部材7は、一方側の側部開口部71が樋構成部本体622(屋根体側樋構成部60)の側面に形成された導出開口622aに接続されると共に、他方側の下端開口部72が支柱2と支柱カバー部材3との間に挿入されて、支柱側樋構成部20の内部に開口される。誘導部材7は支柱2と支柱カバー部材3との間に配置されるため、支柱2を切り欠かなくても、誘導部材7の下端開口部72を支柱2側に配置できる。
基端側上部内方延出片623は、図6に示すように、樋構成部621の基端部側において、樋構成部621の上方側の内面から内方側に突出する。基端側上部内方延出片623には、ネジ部材101がねじ込まれる取付ネジ孔623aが形成される。
先端側上部内方延出片624は、樋構成部621の幅方向の基端部と反対側において、樋構成部621の上端部から内側に突出する。先端側上部内方延出片624の先端には下端に突出する引っ掛け突出片624aが形成される。樋構成形材62を梁4に取り付ける場合には、樋構成形材62の引っ掛け突出片624aを、梁4の延出板部42の下面に固定されたフック部110の立ち上がり板110dに引っ掛けることで、樋構成形材62を、梁4の延出板部42の下面に仮置きできる。また、樋構成形材62の引っ掛け突出片624aを梁4の延出板部42の下面に固定されたフック部110の立ち上がり板110dに引っ掛けた状態で、引っ掛け突出片624aを中心に樋構成形材62を回転することで、樋構成形材62を、取り付け位置に配置できる。フック部110は、図6に示すように、梁4の延出板部42の下面に取り付けられる取付板110aと、取付板110aの先端側の端部から下方に延びる上下方向延在板110bと、上下方向延在板110bの下端部から先端側に延びる底面板110cと、底面板110cの先端側の端部から立ち上がる立ち上がり板110dと、を有する。
樋構成形材62の引っ掛け突出片624aは、樋構成形材62が梁4に固定された状態においては、フック部110の上方に配置される。これにより、樋構成形材62が梁4に固定された状態において、樋構成形材62を固定するネジ部材105,101が外れた場合においても、引っ掛け突出片624aは、フック部110の立ち上がり板110dに引っ掛かって、樋構成形材62の落下を抑制できる。
水切りフィン625は、図6に示すように、樋構成部本体622における屋根体6の基端側において、樋構成部本体622の下端部から下方に突出する。水切りフィン625の下端部625aの位置は、上下方向において、支柱カバー部材3の上端部31よりも下方に位置する。
水切りフィン625は、後述する屋根体側部カバー部材8の水受け流路部822から導出された水が伝達され、屋根体側部カバー部材8の水受け流路部822により伝達された水を、屋根体6の下面6bに回り込まないように、屋根体6の下方に落下させる。
また、水切りフィン625の下端部625aの位置は、上下方向において、支柱カバー部材3の上端部31よりも下方に位置するため、水切りフィン625は、支柱カバー部材3の上端部31よりも上方における誘導部材7が配置される部分を覆うことができる。これにより、誘導部材7を外部から隠すことができるため、意匠性を向上できる。
基端側上部壁626は、屋根体6の基端側の端部において、屋根体6の上面6aから立設して形成される。基端側上部壁626は、屋根体6の基端側の端部において、水の飛び出しを低減する。
先端側上部外方延出片627は、樋構成部本体622における屋根体6の先端側(左側)の上端部から先端側に向けて延出する。先端側上部外方延出片627は、樋構成形材62の先端側の端部の上端部に配置され、ネジ部材101により梁4に固定される固定部を構成する。先端側上部外方延出片627は、中間形材63における引っ掛け係合部628aの上方に形成される。先端側上部外方延出片627には、ネジ孔627aが形成される。ネジ孔627aには、樋構成形材62の先端側の端部を梁4に取り付ける際に、梁4の延出板部42の第2樋形材取り付けネジ孔421cの上方から挿入されたネジ部材101が挿入され、ネジ部材101は、先端側上部外方延出片627の下方に配置されるナット部材601に螺合する。先端側上部外方延出片627は、中間形材63における引っ掛け係合部628aの上方において、ネジ部材101により、梁4の延出板部42に固定される。
先端側上部外方延出片627における屋根体6の先端側(左側)の端部には、側方に延出する側方延出壁627bと、下方延出壁627cと、が形成される。
下方延出壁627cの先端側(左側)の面には、隣接する中間形材63の基端側の端部に取り付けられるパッキン部材602が押圧される。パッキン部材602は、樋構成形材62と中間形材63との連結部分に配置される止水部として機能する。パッキン部材602は、樋構成形材62及び隣接する中間形材63(長尺形材61)の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材61の長尺方向(長手方向)に沿って延びるように形成される。
先端側下部外方片628は、樋構成部本体622における屋根体6の先端側(左側)の下端部から先端側(左側)に延出する。先端側下部外方片628における先端側(左側)の端部には、上方側に突出する引っ掛け係合部628a(第1係合部、第1嵌合部)が形成される。
引っ掛け係合部628aは、図6に示すように、梁4に取り付けられた樋構成形材62の先端側(長手方向に直交する幅方向の一端部側)の端部において、樋構成形材62の下端部に形成される。引っ掛け係合部628aは、梁4に取り付けられた樋構成形材62の先端側(長手方向に直交する幅方向の一端部側)の端部において、樋構成形材62の下端部に配置される先端側下部外方片628から上方に立ち上がると共に、立ち上がった上端部において長手方向に直交する幅方向に延びるT字状に形成される。引っ掛け係合部628aは、立ち上がり部628bと、立ち上がり部628bの上端部から先端側に延びる第1引っ掛け部628c(引っ掛け部)と、立ち上がり部628bの上端部から先端とは反対側(基端側、支柱側)に延びる第2引っ掛け部628d(引っ掛け部)と、を有する。
中間形材63の引っ掛け係合部628aの第1引っ掛け部628cは、隣接する中間形材63の基端側の下端部の側面から基端側に突出する基端側下部突出片636(第2嵌合部)に係合可能である。また、中間形材63の引っ掛け係合部628aの第2引っ掛け部628dは、隣接する中間形材63の基端側(長手方向に直交する幅方向の樋構成形材62側の端部側)の端部に形成される引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635b(第2係合部、第2嵌合部)(後述)に係合可能である。
先端側下部外方片628の上面には、隣接する長尺形材61の中間形材63における中段樋構成部610(後述)(第1の第3止水部)から溢れた水が流通する。先端側下部外方片628の上面は、屋根体6の内部において、上下方向の下段に位置する下段樋構成部620を構成する。下段樋構成部620は、水を流す樋機能を有すると共に、止水部(第2の第3止水部)として機能する。下段樋構成部620は、パッキン部材602を通過して中段樋構成部610に受け止められた水であって中段樋構成部610(第1の第3止水部)から溢れた水を受け止めて、受け止めた水を前後方向の両端部側に流通させる。
つまり、屋根体6は、隣接する長尺形材61の連結部分において、図6及び図7に示すように、2段の樋構造を備えており、上段側に配置されると共に上段側で水を受け止める中段樋構成部610と、下段側に配置されると共に下段側で中段樋構成部610から溢れた水を受け止める下段樋構成部620と、を備えている。中段樋構成部610及び下段樋構成部620は、隣接する長尺形材61の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材61の長尺方向(長手方向)に沿って延びる。
樋構成形材62は、基端側において、上方側からネジ部材105が移動され、梁4の延出板部42の第1樋形材取り付けネジ孔421aを通されたネジ部材105が基端側上部内方延出片623の取付ネジ孔623aに螺合されることで、梁4に固定される。また、樋構成形材62においては、図6に示すように、ナット部材601は、樋構成形材62における先端部側において、樋構成形材62の内部に取り付けられている。樋構成形材62は、先端側において、上方側から移動されるネジ部材101により、梁4の延出板部42の片側取り付けネジ孔421dと先端側上部外方延出片627のネジ孔627aとに挿通されたネジ部材101が、ナット部材601に螺合されることで、梁4に固定される。
中間形材63は、樋構成形材62と先端側形材64との間に複数並んで配置される。中間形材63は、図7に示すように、中間形材63側に配置される第1中間ホロー部631と、第1中間ホロー部631の先端側に配置される第2中間ホロー部632と、第1中間ホロー部631における基端側の側面に形成されるパッキン取付凹部633と、第1中間ホロー部631の中間形材63側の面において上下方向の略中央から中間形材63側に延在するL字状の中段樋部634(止水部)と、中段樋部634の基端側の端部の下端部から下方に延びるL字状の引っ掛け延出片635と、第1中間ホロー部631における中間形材63側の下端部の側面から基端側に突出する基端側下部突出片636(第2嵌合部、引っ掛け突出部)と、先端側上部外方延出片637(固定部)と、先端側下部外方片638と、を有する。
中段樋部634の基端側の端部の下方側には、図6に示すように、下方に開口(開放)する開口部639が形成される。開口部639は、中段樋部634における第1中間ホロー部631の基端側に配置される上下方向に延びる端辺631aと、L字状の引っ掛け延出片635とにより形成される。開口部639の開口縁には、開口部639の開口縁から開口部639の内側に互いに対向して突出する対向突出部639a(第2嵌合部)が形成される。本実施形態においては、対向突出部639aは、基端側下部突出片636と、L字状の引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635b(後述)と、により構成され、互いが近づくように、開口部639の内側に向けて突出して延びる。
以上のように構成される樋構成形材62及び中間形材63においては、隣接する樋構成形材62及び中間形材63が嵌合した状態において、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aの第1引っ掛け部628cが、隣接する中間形材63の基端側下部突出片636に係合(嵌合)すると共に、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aの第2引っ掛け部628dが、隣接する中間形材63の引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635b(後述)に係合(嵌合)することで、隣接する樋構成形材62及び中間形材63は、互いに嵌合する。
本実施形態においては、隣接する樋構成形材62及び中間形材63が連結した状態において、樋構成形材62の引っ掛け係合部628a(第1引っ掛け部628c及び第2引っ掛け部628d)は、隣接する中間形材63の開口部639の内部に配置された状態で、上下方向の移動を規制するように、対向突出部639a(基端側下部突出片636、L字状の引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635b)に引っ掛かって嵌合する。
パッキン取付凹部633は、基端側に隣接する樋構成形材62の下方延出壁627cに対向して配置される。パッキン取付凹部633の上面633aは、屋根体6の上面6aから一段下がった位置に形成される。パッキン取付凹部633の上面633aには、側方延出壁627b(又は、側方延出壁637b)が配置される。つまり、側方延出壁627b(又は、側方延出壁637b)は、パッキン取付凹部633の上面633aに重なって配置される。パッキン取付凹部633は、隣接する長尺形材61の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材61の長尺方向(長手方向)に沿って延びる。パッキン取付凹部633には、パッキン部材602が取り付けられる。パッキン部材602は、パッキン取付凹部633に取り付けられた状態で、基端側に隣接する樋構成形材62の下方延出壁627cを押圧する。パッキン部材602は、樋構成形材62と中間形材63との連結部分に配置され、止水部として機能する。
以上のように、パッキン取付凹部633の上面633aには、側方延出壁627b(又は、側方延出壁637b)が重なって配置される。このため、パッキン部材602が外部に直接露出されないため、パッキン部材602の耐候性を向上でき、パッキン部材602の劣化を低減できる。
中段樋部634は、底壁部634aと、立設片634bと、を有する。中段樋部634は、屋根体6の内部において、上下方向の中段に位置する中段樋構成部610を構成する。中段樋構成部610は、水を流す樋機能を有すると共に、止水部として機能する。中段樋構成部610は、パッキン部材602で止水できなかったパッキン部材602を通過した水を受け止めて、受け止めた水を前後方向の両端部側に流通させる。また、中段樋構成部610は、連結端部止水部680(第2止水部)(後述)を通過した水を受け止めて、受け止めた水を前後方向の両端部側に流通させる。
L字状の引っ掛け延出片635は、下方延出片635aと、下方延出片635aの下端部から第1中間ホロー部631側に戻るように延びる戻り引っ掛け片635b(第2嵌合部、引っ掛け突出部)と、を有する。戻り引っ掛け片635bは、隣接する樋構成形材62の先端側の端部に形成される引っ掛け係合部628a(第1嵌合部)に係合可能である。戻り引っ掛け片635bは、引っ掛け係合部628aに係合した状態で、引っ掛け係合部628aを中心に回転可能である。
梁4に接続した樋構成形材62の隣りに、隣接する中間形材63を取り付ける場合には、梁4に取り付けられた樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに、中間形材63の引っ掛け延出片635を引っ掛けることで、梁4の下方において、中間形材63を仮置きできる。また、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに中間形材63の引っ掛け延出片635を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片635の先端を中心に中間形材63を回転することで、中間形材63を取り付け位置に配置できる。
中間形材63を取り付け位置に配置した状態においては、樋構成形材62における梁4の先端側には、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに中間形材63の引っ掛け延出片635が嵌合した状態で、中間形材63が取り付けられる。
中間形材63の先端側上部外方延出片637及び先端側下部外方片638については、説明しない点については、樋構成形材62の先端側上部外方延出片627及び先端側下部外方片628の構造と同様である。そのため、中間形材63の先端側上部外方延出片637及び先端側下部外方片638の構造については、図7において樋構成形材62の構造に対応する符号を付して、その説明を省略する。
中間形材63においては、図7に示すように、ナット部材601は、中間形材63における先端部側(長手方向に直交する幅方向における戻り引っ掛け片635b(第2係合部)と反対側の端部側)において、中間形材63の内部に取り付けられている。中間形材63は、先端側において、上方側から移動されるネジ部材101により、梁4の延出板部42の片側取り付けネジ孔421dと先端側上部外方延出片637のネジ孔637aとに挿通されたネジ部材101が、ナット部材601に螺合されることで、梁4に固定される。
また、連続して配置される複数の中間形材63のうち、梁4に接続した中間形材63の先端側に隣接して配置される中間形材63の構成は、梁4に接続した樋構成形材62の先端側に隣接して配置される中間形材63の構成と同様である。そのため、中間形材63に隣接して配置される中間形材63の構成の説明は省略する。
梁4に接続した中間形材63の隣りに、隣接する中間形材63を取り付ける場合には、樋構成形材62の隣りに中間形材63を取り付ける場合と同様に、梁4に取り付けられた中間形材63の引っ掛け係合部638a(第1係合部)に、中間形材63の引っ掛け延出片635(第2係合部)を引っ掛けることで、梁4の下方において、中間形材63を仮置きできる。また、中間形材63の引っ掛け係合部638aに中間形材63の引っ掛け延出片635を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片635の先端を中心に中間形材63を回転することで、中間形材63を取り付け位置に配置できる。
隣接する中間形材63を取り付け位置に配置した状態においては、既に取り付けられている中間形材63における梁4の先端側には、既に取り付けられている中間形材63の引っ掛け係合部638aに、隣接する中間形材63の引っ掛け延出片635が嵌合した状態で、隣接する中間形材63が取り付けられる。
先端側形材64は、図5に示すように、梁4に接続された複数の中間形材63の先端側に配置される。先端側形材64は、1つのホロー部641を有する。また、先端側形材64における支柱2側の基端側の形状は、中間形材63の支柱2側の形状と同様であるため、中間形材63の説明を援用して、その説明を省略する。また、梁4に接続した中間形材63の隣に、隣接する先端側形材64を取り付ける場合においても、中間形材63を樋構成形材62の隣りに取り付ける場合と同様である。
先端側形材64を取り付け位置に配置した状態においては、先端側形材64の隣りの中間形材63における梁4の先端側には、中間形材63の引っ掛け係合部638aに、先端側形材64の引っ掛け延出片(図示せず)が嵌合した状態で、先端側形材64が取り付けられる。
また、屋根体6を構成する複数の長尺形材61のうち、最も先端側に配置される先端側形材64においては、図9及び図10に示すように、先端側形材64の長手方向の両端部は、ネジ部材107により、一対の屋根体側部カバー部材8(後述)それぞれの上面カバー部81に固定されている。一対の屋根体側部カバー部材8は、図2に示すように、先端側形材64の長尺方向(長手方向)の両端部(屋根体6の前後方向の両端部)において、先端側形材64の長手方向に直交(交差)する方向(梁4が延びる方向)に延びる。
以上のように構成される屋根構造体において、図5に示すように、屋根体6における複数の長尺形材61は、梁4の基端側から先端側に向かって、樋構成形材62、複数の中間形材63、先端側形材64の順に並んで連接される。樋構成形材62、複数の中間形材63、先端側形材64は、それぞれ、梁4の基端側において嵌合して連結され、梁4の先端側において、ネジ部材101により梁4に固定される。
屋根体先端カバー部材65は、屋根体6の最も先端において、先端側形材64の先端に取り付けられる。屋根体先端カバー部材65は、屋根体6の前後方向に延びる。屋根体先端カバー部材65は、図5に示すように、先端側の下端部において、下方に突出するフィン651を有する。
屋根体側部カバー部材8は、図2に示すように、2つのカーポート1A,1Bを連結する場合に、カーポート1A,1Bが連結されない側の屋根体6の前後方向の端部において、長尺形材61の長手方向に直交(交差)する方向に延びて配置される。本実施形態においては、2つのカーポート1A,1Bを連結する場合には、2つのカーポート1A,1Bの間には、後述する屋根体6の連結構造における連結部300が配置される。そのため、屋根体側部カバー部材8は、カーポート1A,1Bが連結されない側の屋根体6の前後方向の端部に設けられる。屋根体側部カバー部材8は、カーポート1A,1Bが連結されない側の屋根体6の前後方向の端部において、長尺形材61の側部を覆うように配置される。屋根体側部カバー部材8は、それぞれ、支柱2側が下る下り傾斜で、屋根体6の傾斜方向に沿って延びる。屋根体側部カバー部材8は、図9に示すように、上部フランジ部としての上面カバー部81と、側面カバー部82と、を有する。
上面カバー部81は、図9に示すように、左右方向(長尺形材61が延びる方向に交差する交差方向)に幅を有して形成され、かつ、屋根体6の傾斜方向に沿って左右方向に延びる板状に形成される。上面カバー部81は、屋根体6の上面6aに係止されて配置される。
上面カバー部81は、側面カバー部82に接続され、側面カバー部82の上部側の部分から長尺形材61側に所定幅で略水平に突出する。上面カバー部81は、長尺形材61の長手方向の端部の上部を覆うように、長尺形材61の長手方向の端部の上部に配置される。上面カバー部81の下面には、下方に突出する止水凸部811(第1止水部)と、下方に突出する2つの突き当て部812,813と、が形成される。
止水凸部811は、上面カバー部81の下面において、長尺形材61の長手方向の外側の端部の下面に配置される。止水凸部811は、長尺形材61の長手方向に直交する方向に沿って延びて配置され、長尺形材61の長手方向に直交する方向の略全域に亘って延びる。止水凸部811は、複数の長尺形材61の上面に当接する。これにより、止水凸部811は、長尺形材61の端部において、上面カバー部81と屋根体6との間に水が浸入することを抑制する止水部(第1止水部)として機能する。
2つの突き当て部812,813は、上面カバー部81の下面から下方に突出して形成され、上面カバー部81の止水凸部811よりも長尺形材61の長手方向の外側において、長尺形材61の長手方向に離間して配置される。突き当て部812,813は、屋根体6において長尺形材61の長手方向に直交する方向の略全域に亘って延びる。
止水凸部811と突き当て部812との間には、上面カバー部81の下面と長尺形材61との間において、上面シール部材814が配置される。上面シール部材814は、長尺形材61の長手方向に所定幅を有し、長尺形材61の長手方向に直交する交差方向の略全域に亘って延びる。
側面カバー部82は、上面カバー部81における長尺形材61の長手方向の端部の側部の外側に接続され、上下方向に幅を有して形成され、かつ、屋根体6の傾斜方向に沿って左右方向に延びる板状に形成される。側面カバー部82は、屋根体6における前後方向の端部の側部を覆うように配置される。
側面カバー部82は、上方に突出する上部突出部821と、下方側に形成され内面から内側に延出して形成される水受け流路部822(第4止水部)と、水受け流路部822の下部から下方に突出する水切り突状部(水切りフィン)823と、水受け流路部822の上方側において内面から内側に突出する2つの突状部824と、を有する。
水受け流路部822は、中段樋構成部610及び下段樋構成部620から導出されて屋根体6の前後方向の端部に流された水を受け止める。水受け流路部822は、屋根体6の先端側から基端側に水が向かう流路を構成すると共に、水を止水する止水部として機能する。水受け流路部822に受け止められた水は、側面カバー部82が基端側に傾斜する下り傾斜に構成されるため、基端側に流される。水受け流路部822により屋根体6の基端側に流された水は、基端側の端部において、屋根体6の下方に落下する。
ここで、側面カバー部82の基端側には、側面カバー部82に直交する方向に延びて形成される樋構成形材62の下端部から下方に延びる水切りフィン625が配置されている。そのため、水切りフィン625には、側面カバー部82の水受け流路部822の上面を流された水の一部が伝達される。水切りフィン625からは、側面カバー部82の水受け流路部822から伝達された水が、屋根体6の基端部側において屋根体6の下方に落下する。
また、図11及び図12に示すように、長尺形材61の長手方向の屋根体側部カバー部材8が配置される側の端部において、長尺形材61には、長手方向に沿って所定長さ切り欠かれる切欠部637f(627f)が形成される。切欠部637f(627f)は、長尺形材61の長手方向に直交する方向の屋根体6の先端側の端部において、長尺形材61同士の接続部分における前後方向の端部以外の部分に形成される側方延出壁637b(627b)が切り欠かれて形成される。切欠部637f(627f)は、長尺形材61の長手方向に直交する方向の所定幅で、側面カバー部82が配置される側の端部から長尺形材61の長手方向に沿って内側に所定長さ切り欠かれたポケット状に形成される。
切欠部637f(627f)には、カーポート1の施工時に、湿式シール部材603が塗工される。切欠部637f(627f)は、湿式シール部材603が塗工されない状態においては、長尺形材61同士の接続部分において止水するパッキン部材602の長手方向の端部が外部に露出するように切り欠かれている。切欠部637f(627f)において、カーポート1の施工時に、露出されたパッキン部材602を覆うように、湿式シール部材603が塗工される。パッキン部材602、切欠部637f(627f)、及び湿式シール部材603は、連結端部止水部680(第2止水部)を構成する。
以上のように構成されるカーポート1においては、屋根体6を下方から見た場合に下面6bが平面状であるため、意匠性を向上できる。
また、屋根体6を、複数の長尺形材61を並べて構成したため、枠組みされたフレーム(枠体)を用いずに、屋根体を構成できる。これにより、屋根体6の厚さを、フレーム(枠体)を使用した場合よりも薄く形成できると共に、屋根体6の下面6bを凹凸の存在しないフラットな形状とすることができる。
また、複数の長尺形材61を、梁4が延びる方向に並べて配置した。そのため、複数の長尺形材61において、長尺形材61の長尺方向を梁4が延びる方向に交差する方向に延びるように配置できるため、複数の長尺形材61を、梁4に直接固定することができる。これにより、複数の長尺形材61を、梁4に接続する場合に、複数の長尺形材61を、支持部材などを介して、梁4に接続しなくてよい。よって、梁4と複数の長尺形材61とを支持部材などを用いて接続しなくてよいため、部品点数を削減でき、施工性を向上できる。また、梁4と複数の長尺形材61との間に支持部材などを配置しなくてよいため、梁4及び屋根体6の高さ寸法を小さくすることができる。
また、屋根体6を、複数の長尺形材61を並べて構成したため、屋根体と下面をフラットに形成した天井材との二重構造で構成した屋根体よりも、製造コストを低減できる。
また、屋根体6は、梁4の下方において梁4に吊られて配置されるため、屋根体6の上方に位置する梁4は、カーポート1を下方側から見た場合に、屋根体6に遮蔽されるため、視認されにくい。これにより、カーポート1の意匠性を向上できる。
次に、カーポートの施工方法について、図13〜図16を参照しながら説明する。
まず、図13に示すように、支柱2を設置して、支柱2に梁4を接続する。具体的には、支柱2の下端部を地面11に固定した後に、支柱2の支柱側ホロー部21の上端部に、L字状の連結部材5の下端部を挿入する。連結部材5の下端部と支柱2の上端部とを、支柱2の上端部の屋根体6側の側面において、上下方向に並ぶ4つのネジ部材102により固定する。
続けて、支柱カバー部材3を、図13に示すように、4つのネジ部材102を覆うように、支柱2の屋根体6側の側面に取り付ける。これにより、連結部材5と支柱2の上端部とを固定した4つのネジ部材102は、外部からは視認されない。そのため、意匠性を向上できる。
また、支柱カバー部材3は、支柱2の一側面のみにおいて、連結部材5の一側面のみ固定する4つのネジ部材102を覆うように配置される(図5参照)。そのため、支柱2の両方の側面にカバー部材を設けるよりも、部品点数を削減できると共に、コストを削減できる。また、支柱2の一側面のみに支柱カバー部材3を取り付ければよいため、支柱カバー部材3を取り付ける施工性が向上する。また、支柱2の両方の側面にカバー部材を設けるよりも、支柱2の幅の寸法が大きくなることを抑制できる。
また、支柱カバー部材3は、上下方向に延びる1枚のカバー部材により構成される。そのため、複数枚のカバー部材で構成されるよりも、部品点数を削減できると共に、コストを削減できる。また、支柱カバー部材3が1枚のカバー部材により構成されるため、取り付け作業が容易であり、施工性が向上する。また、支柱カバー部材3が1枚のカバー部材により構成されるため、複数枚のカバー部材で構成されることでカバー部材が分断して配置されるよりも、意匠性を向上できる。
支柱2の側面と支柱カバー部材3との間には、水が流通する。支柱2の側面と支柱カバー部材3とにより、支柱側樋構成部20が構成される。支柱側樋構成部20は、外部から視認されないため、意匠性を向上できる。
また、支柱キャップ201を、支柱2の上端部の開口を覆うように、ネジ止めにより、連結部材5の上端部に固定する。
次に、連結部材5の他端側の側方の端部を、梁4の梁側ホロー部41の基端側に挿入する。そして、連結部材5と梁4とを3つのネジ部材103,103,104により固定する。2つのネジ部材103により、梁4の上面側から、梁4と連結部材5とを固定し、1つのネジ部材104により、梁4の下面側から、梁4と連結部材5とを固定する。また、梁4の先端側の端部に、端部キャップ43を取り付ける。また、誘導部材7を、下端開口部72が、支柱2と支柱カバー部材3との間に配置されるように取り付ける。
続けて、図13に示すように、梁4の下部に屋根体6を取り付ける。具体的には、梁4の延出板部42の下面に、複数の長尺形材61を、梁4の基端側(支柱2側)の端部側から順に、1つずつ梁4に取り付ける。
詳細には、まず、図13に示すように、作業者は、屋根体6の最も基端側(支柱2側)において、梁4の延出板部42の下面に、樋構成形材62を取り付ける。
図15に示すように、樋構成形材62を梁4に施工する場合には、作業者は、樋構成形材62の引っ掛け突出片624aを、梁4の延出板部42の下面に固定されたフック部110に引っ掛けることで、樋構成形材62を、梁4の延出板部42の下面に仮置きする。これにより、作業者は樋構成形材62から手を一旦離すことができるため、一人の作業者でも作業を行うことができ、樋構成形材62を梁4に取り付ける際の作業性を向上できる。
その後、作業者は、樋構成形材62の引っ掛け突出片624aを梁4の延出板部42の下面に固定されたフック部110に引っ掛けた状態で、引っ掛け突出片624aを中心に樋構成形材62を回転することで、樋構成形材62を、取り付け位置に配置する。そのため、樋構成形材62を仮置きの状態から取り付け位置に容易に移動できるため、樋構成形材62を梁4に取り付ける際の作業性を向上できる。フック部110に引っ掛け突出片624aを引っ掛けて回転するだけで、長尺形材61を、梁4への取り付け位置に配置できる。これにより、屋根体6を施工する施工性を向上できる。
次に、作業者は、樋構成形材62を、梁4の延出板部42に、ネジ部材101、105で固定する。具体的には、樋構成形材62を、基端側において、上方側からネジ部材105を移動させて、梁4の延出板部42の第1樋形材取り付けネジ孔421aを挿通させたネジ部材105を基端側上部内方延出片623の取付ネジ孔623aに螺合させて、樋構成形材62の基端側を梁4に固定する。また、樋構成形材62を、先端側において、上方側からネジ部材101を移動させて、梁4の延出板部42の第2樋形材取り付けネジ孔421cと先端側上部外方延出片627のネジ孔627aとに挿通させたネジ部材101を、ナット部材601に螺合させて、樋構成形材62の先端側を梁4に固定する。樋構成形材62は、屋根体側樋構成部60を構成する。屋根体側樋構成部60は、屋根体6の下方側から視認されないため、意匠性を向上できる。
続けて、作業者は、図14に示すように、最も基端側に取り付けた樋構成形材62の先端側の隣りにおいて、梁4の延出板部42の下面に中間形材63を取り付ける。
図16に示すように、樋構成形材62の先端側の隣りに、中間形材63を梁4に施工する場合には、作業者は、梁4に取り付けられた樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに、中間形材63の引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635bを引っ掛けることで、梁4の下方において、中間形材63を仮置きする。これにより、作業者は中間形材63から手を一旦離すことができるため、一人の作業者でも作業を行うことができ、樋構成形材62を梁4に取り付ける際の作業性を向上できる。
その後、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに中間形材63の引っ掛け延出片635を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635b(及び引っ掛け係合部628a)を中心に中間形材63を回転することで、中間形材63を取り付け位置に配置する(配置工程)。これにより、中間形材63を仮置きの状態から取り付け位置に容易に移動できるため、中間形材63を梁4に取り付ける際の作業性を向上できる。また、引っ掛け係合部628aに戻り引っ掛け片635bを引っ掛けて回転するだけで、長尺形材61を、梁4への取り付け位置に配置できる。これにより、屋根体6を施工する施工性を向上できる。
次に、作業者は、中間形材63を、梁4の延出板部42に、ネジ部材101で固定する。具体的には、中間形材63を、先端側において、ネジ部材101を上方側から移動し、梁4の延出板部42の片側取り付けネジ孔421dと先端側上部外方延出片637のネジ孔637aとに通されたネジ部材101を、ネジ部材101をナット部材601に螺合させて、樋構成形材62の先端側を梁4に固定する(固定工程)。
ここで、中間形材63の基端側は、ネジ部材で固定しなくても、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに中間形材63の引っ掛け延出片635が引っ掛けた状態で係合している。そのため、中間形材63の先端側(一方側)のみを、ネジ部材101で固定すれば、中間形材63を梁4に固定できる。また、ネジ部材101を上方側から移動させるだけで、中間形材63を梁4に固定できる。これにより、樋構成形材62を梁4に取り付ける際の作業性を向上できる。
続けて、図14に示すように、梁4に取り付けた中間形材63の先端側の隣りにおいて、複数の中間形材63を、屋根体6の基端側から、先端側に向けて順に連続して取り付ける。具体的には、複数の中間形材63を、それぞれ、屋根体6の基端側から順に、仮置きして、回転させ、ネジ部材101による固定することを繰り返す。これらの方法は、上述した樋構成形材62の隣りに中間形材63を取り付ける場合と同様であるため、説明を省略する。複数の中間形材63を梁4に取り付けた後に、屋根体6の先端側において、先端側形材64を取り付ける。そして、先端側形材64の先端部に、屋根体先端カバー部材65を取り付ける。
このように、長尺形材61を仮置きした後に、長尺形材61を回転させて、長尺形材61をネジ部材101により梁4に固定して取り付けることができるため、作業者は一人で容易にカーポート1を組み立てることできる。また、長尺形材61(樋構成形材62、中間形材63、先端側形材64)を梁4に取り付ける際に、基端側(支柱2側)から1枚ずつ順に取り付け、かつ、ネジ部材101を上方から移動させるだけで長尺形材61を梁4に固定できるため、容易に取り付け作業を行うことができる。これにより、カーポート1を施工する際の作業性を向上できる。
また、中間形材63の幅方向の一方側のみを固定するだけで、中間形材63を梁4に取り付けることができる。よって、屋根体6を施工する施工性を向上できる。
また、複数の長尺形材61を支柱2側から順に梁4に取り付けるため、支柱2側から順に長尺形材61を施工できるため、長尺形材61の位置合わせが容易である。また、長尺形材61を配置する際に、支柱2から離れる側に順に長尺形材61を施工できるため、支柱2が邪魔になりにくい。これにより、屋根体6を施工する施工性を向上できる。
また、本実施形態のカーポート1の施工方法においては、複数の長尺形材61を支柱2側から順に梁4に取り付ける工程を備える。そのため、支柱2側から順に長尺形材61を施工できるため、長尺形材61の位置合わせが容易である。また、長尺形材61を配置する際に、支柱2が邪魔になりにくい。これにより、屋根体6を施工する施工性を向上できる。
次に、カーポート1における雨水の流れについて説明する。
屋根体6の上面6aに降り注いだ雨水は、図2に示すように、屋根体6の上面6aの傾斜に沿って、基端側の支柱2側に流れる。支柱2側に流れた水は、屋根体側樋構成部60に流入して、屋根体側樋構成部60の導出開口622aに接続された誘導部材7を介して、支柱2と支柱カバー部材3との間の支柱側樋構成部20(図5参照)に流入する。
また、屋根体6の長手方向の端部は、屋根体側部カバー部材8の上面カバー部81の下面に形成される止水凸部811(第1止水部)及び上面カバー部81と長尺形材61との間に配置される上面シール部材814により、長尺形材61の長手方向に沿って止水されている。そのため、屋根体側部カバー部材8の上面カバー部81と屋根体6との間に水が入ることが抑制されて、屋根体6の上面6aの傾斜に沿って長尺形材61の長手方向に直交する方向の支柱2側に流れる。支柱2側に流れた水は、屋根体側樋構成部60に流入して、屋根体側樋構成部60の導出開口622aに接続された誘導部材7を介して、支柱2と支柱カバー部材3との間の支柱側樋構成部20に流入する。
支柱側樋構成部20に流入した水は、支柱側樋構成部20を地面11側に落下して、排水受け蓋部材24に受け止められて、地面11の付近に配置される排出開口24aから、支柱2の外部に排出される。
ここで、長尺形材61同士の接続部分には、図6及び図7に示すように、パッキン部材602が配置されている。そのため、屋根体6の上面6aを流れる水を、長尺形材61同士の接続部分において、パッキン部材602で止水できる。これにより、屋根体6の上面6aを流れる水をパッキン部材602により止水して、屋根体6の下面6bから、水が落下することを抑制できる。本実施形態では、パッキン取付凹部633の上面633aには、側方延出壁627bが重なって配置される。このため、パッキン部材602が外部に直接露出されないため、パッキン部材602の耐候性を向上でき、パッキン部材602の劣化を低減できる。
また、長尺形材61同士の接続部分がパッキン部材602により止水されているため、パッキン部材602の上方側を、長尺形材61同士の接続部分における長尺形材61の縁部を伝わって水が流れる。ここで、図11及び図12に示すように、長尺形材61同士の接続部分における前後方向の側面カバー部82が配置される側の端部において、長尺形材61には、連結端部止水部680(第2止水部)が設けられている。連結端部止水部680(第2止水部)は、パッキン部材602、切欠部637f(627f)、及び湿式シール部材603を備えて構成される。切欠部637f(627f)は、長尺形材61同士の接続部分における前後方向の側面カバー部82が配置される側の端部において、長手方向に切り欠かれて形成される。湿式シール部材603は、パッキン部材602を覆うように塗工されている。連結端部止水部680は、長尺形材61同士の接続部分の長手方向の端部において、長尺形材61同士の接続部分を伝わる水を端部側において止水することができる。
また、パッキン部材602の部分や、屋根体側部カバー部材8の上面カバー部81の下面に形成される止水凸部811(第1止水部)の部分や、上面シール部材814の部分や、連結端部止水部680(第2止水部)の部分を水が通過した場合であっても、屋根体6の内部には、中段樋構成部610と下段樋構成部620とが段差状に2段で連続して設けられており、二重の止水部を構成する。パッキン部材602(止水部)の部分や、屋根体側部カバー部材8の上面カバー部81の止水凸部811(第1止水部)の部分や、上面シール部材814の部分や、連結端部止水部680(第2止水部)の部分を通過した水は、中段樋構成部610(第1の第3止水部)に流れる。中段樋構成部610(第1の第3止水部)から溢れた水は、下段樋構成部620(第2の第3止水部)に流れる。中段樋構成部610及び下段樋構成部620の2段の樋構造により、隣接する長尺形材61の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材61の長尺方向(長手方向)に沿って水を流して、止水できるため、屋根体6の下面6bから、水が落下することを一層抑制できる。
中段樋構成部610(第1の第3止水部)と下段樋構成部620(第2の第3止水部)とに導入された水は、屋根体6の前後方向の端部に向けて流れる。前後方向の端部に向けて流れた水は、屋根体側部カバー部材8に導入される。
屋根体側部カバー部材8に導入された水は、屋根体側部カバー部材8の下端部に形成される水受け流路部822(図9参照)(第4止水部)に受け止められて、屋根体6の傾斜に沿って、基端側の支柱2側に流される。屋根体側部カバー部材8の水受け流路部822において支柱2側に流された水は、屋根体6の支柱2側の基端側に流れて、屋根体6の支柱2側の基端側の端部から下方に落下する。そのため、水受け流路部822により、長尺形材61の長手方向に交差する方向に水を流すことで屋根体6の基端側に水を流して、屋根体6の下面6bの端部でない部分から、水が落下することを抑制できる。
屋根体6の支柱2側の基端側の端部から下方に落下するのと同時に、水受け流路部822において支柱2側に流された水の一部は、屋根体6の支柱2側の基端側の端部から、屋根体6の樋構成形材62の基端側の下端部において下方に突出して設けられる水切りフィン625(図6及び図9参照)に伝わり、屋根体6の樋構成形材62の基端側の端部において、水切りフィン625を介して下方に落下する。水切りフィン625から水を落下させることで、屋根体6の下面6b側に水が回り込むことを抑制できる。これにより、屋根体6の下面6bの端部でない部分から、水が落下することを抑制できる。
次に、カーポート1A,1Bの屋根体6の連結構造について説明する。図17は、本発明に係る屋根体6の連結構造を屋根体6における先端側から見た斜視図である。図18は、図17に示す屋根体6の連結構造において連結端部カバー部材350を取り外した状態を示す斜視図である。図19は、図18に示す屋根体6の連結構造において、連結端部カバー部材350を取り外した状態から、落下防止部材340を取り外した状態を示す斜視図である。図20は、本発明に係る屋根体6の連結構造を屋根体6における支柱2側から見た斜視図である。図21は、図20に示す屋根体6の連結構造において、連結端部カバー部材350を取り外した状態から、落下防止部材340を取り外した状態を示す斜視図である。図22は、屋根体6の連結構造を示す断面図である。図23は、屋根体6の連結構造において、長尺形材61同士の接続部分の長手方向の端部の止水構造を示す斜視図である。
図1に示すように、隣接するカーポート1,1Aを連結する屋根体6の連結構造は、所定方向に並んで連設される複数の長尺形材61を有する屋根体6が隣接して配置される。屋根体6の連結構造は、隣接する屋根体6を、複数の長尺形材61の長手方向に連結する連結部300を備える。
連結部300は、図17〜図22に示すように、上部構成部310と、下部構成部320と、下部カバー部材330と、一対の落下防止部材340と、一対の連結端部カバー部材350と、を有する。上部構成部310、下部構成部320及び下部カバー部材330は、連結長手方向D1(長尺形材61の長手方向に交差する交差方向)に延びて形成される。一対の落下防止部材340及び一対の連結端部カバー部材350は、上部構成部310、下部構成部320及び下部カバー部材330における連結長手方向D1(長尺形材61の長手方向に交差する交差方向)の両端部に取り付けられている。
本実施形態において、上部構成部310、下部構成部320及び下部カバー部材330における連結長手方向D1の両側の端部の構成は、図17〜図19に示すように、支柱2と反対側の先端側の端部において屋根体先端カバー部材65が配置されており、図20及び図21に示すように、支柱2側の端部において樋構成形材62の基端側上部壁626が立設されている。上部構成部310、下部構成部320及び下部カバー部材330における連結長手方向D1の両側の端部の構成について、その他の構造について同様の構造である。そのため、特に区別の必要がない構成については、区別せずに説明する。
上部構成部310は、図22に示すように、ホロー構造を有する中空状のアルミ形材により形成される。上部構成部310は、断面が方形状の中空部311と、一対の上部フランジ部312と、第1引っ掛け部としての上部側引っ掛け部313と、を有する。
中空部311は、連結長手方向D1に延びる筒状に形成され、連結幅方向D2に沿って切断した断面が、方形状に形成される。中空部311は、隣接する屋根体6の間に配置される。
一対の上部フランジ部312は、中空部311の上端から、それぞれ、連結幅方向D2の外側の両側に向けて所定幅で略水平に突出する。一対の上部フランジ部312は、隣接する屋根体6における長尺形材61の長手方向の端部の上部に配置される。各上部フランジ部312の下面には、下方に突出する止水凸部312a(第1止水部)と、下方に突出する2つの突き当て部312b,312cと、が形成される。各上部フランジ部312の上面には、上部傾斜面312dが形成される。
止水凸部312aは、上部フランジ部312の下面において、連結幅方向D2の外側の端部の下面に配置される。止水凸部312aは、連結長手方向D1に沿って配置され、連結長手方向D1の略全域に亘って延びる。止水凸部312aは、複数の長尺形材61の上面に当接する。これにより、止水凸部312aは、上部フランジ部312と屋根体6との間に水が浸入することを抑制する止水部(第1止水部)として機能する。
2つの突き当て部312b,312cは、上部フランジ部312の下面から下方に突出して形成され、上部フランジ部312の止水凸部312aよりも連結幅方向D2の内側において、連結幅方向D2に離間して配置される。突き当て部312b,312cは、屋根体6において連結長手方向D1の略全域に亘って延びる。
止水凸部312aと突き当て部312bとの間には、上部フランジ部312の下面と長尺形材61との間において、上面シール部材312eが配置される。上面シール部材312eは、連結幅方向D2に所定幅を有し、連結長手方向D1の略全域に亘って延びる。
上部傾斜面312dは、上部フランジ部312の上面に形成される。上部傾斜面312dは、上部フランジ部312の上面において、連結幅方向D2の内側から外側に向かうにしたがって下る傾斜状に形成される。上部傾斜面312dは、屋根体6における連結長手方向D1の略全域に亘って延びる。
一対の上部フランジ部312は、それぞれ、連結長手方向D1に離間して配置される複数のネジ部材301(第1ネジ部材),ネジ部材302(第2ネジ部材)により、屋根体6を構成する複数の長尺形材61に固定される。屋根体6の連結構造の施工時に、ネジ部材301,302は、上部フランジ部312の上方から上部フランジ部312に向かうように移動されて、上部フランジ部312及び長尺形材61を貫通することで、上部構成部310の上部フランジ部312を、屋根体6を構成する長尺形材61に固定する。
なお、一対の上部フランジ部312には、それぞれ、ネジ部材301,302がネジ込まれる複数のネジ孔が、連結長手方向D1に並んで設けられている。一方、カーポートの屋根体6を構成する長尺形材61には、上部構成部310を固定するためのネジ孔は設けられていない。ネジ部材301,302により上部構成部310を複数の長尺形材61に固定する際には、例えば、タッピングネジなどを用いることで、複数の長尺形材61にネジ孔を形成しながら、上部構成部310を長尺形材61に固定する。
上部側引っ掛け部313は、図22に示すように、中空部311の連結幅方向D2の一端の下方側に形成される。上部側引っ掛け部313は、中空部311の連結幅方向D2の一端の下部から下方に延びる上下方向延在板313aと、上下方向延在板313aの下端部から中空部311の連結幅方向D2の他端側に延びる底面板313bと、底面板313bの先端側の端部から立ち上がる立ち上がり板313cと、を有する。
下部構成部320は、上部構成部310の下方に配置される。下部構成部320は、上部構成部310とは別体で構成される。下部構成部320は、例えば、アルミ材料により形成される。下部構成部320は、ネジ部材303(第3ネジ部材)により、上部構成部310の中空部311の下部に固定されて連結される。下部構成部320は、U字状部材321と、一対の下部フランジ部322と、第2引っ掛け部としての下部側引っ掛け部323と、を有する。
U字状部材321は、下方が開放する逆U字状に形成され、上部構成部310の中空部311の下方に配置される。U字状部材321は、上面板321aと、一対の側面板321bと、を有する。U字状部材321の上面板321aは、連結長手方向D1に離間して配置される複数のネジ部材303により、上部構成部310の中空部311の上面板311aに固定される。屋根体6の連結構造の施工時に、ネジ部材303は、下部構成部320の下方から下部構成部320に向かうように移動されて、下部構成部320のU字状部材321及び上部構成部310の中空部311の下面板311bを貫通することで、下部構成部320を上部構成部310に固定する。
U字状部材321の一対の側面板321bのそれぞれの高さ方向の途中には、水平方向の内側に突出する一対の嵌合突起321cが形成される。一対の嵌合突起321cには、後述する下部カバー部材330の一対の延出部332の凹状嵌合部332aが嵌合される。
一対の下部フランジ部322は、U字状部材321の下端から、それぞれ、連結幅方向D2の外側の両側に向けて所定幅で略水平に突出する。一対の下部フランジ部322は、隣接する屋根体6における長尺形材61の長手方向の端部の下部に配置される。各下部フランジ部322の外側の端部の上面には、上方に突出すると共に長尺形材61の下面に当接する支持凸部322aが形成される。これにより、一対の下部フランジ部322は、支持凸部322aが長尺形材61の下面に当接した状態で、屋根体6を構成する複数の長尺形材61の長手方向の端部を下方から支持する。一対の下部フランジ部322により、隣接する屋根体6の端部を下方から支持することができるため、屋根体6の端部が下方側に撓むことを抑制できる。
下部フランジ部322の上面、側面板321bの外側面、及び支持凸部322aの内側面により、水を連結長手方向D1に導く下部水受け流路部360(第4止水部)が構成される。下部水受け流路部360は、連結長手方向D1に延びると共に、樋構成止水部610,620(第3止水部)から導出された水を受け止める。
下部側引っ掛け部323は、上部構成部310の上部側引っ掛け部313に引っ掛けることが可能に構成される。下部側引っ掛け部323は、図22に示すように、U字状部材321の連結幅方向D2の一端の上方側に形成される。下部側引っ掛け部323は、U字状部材321の上面板部材の上端から連結幅方向D2の一方側に延びる延出上面板323aと、延出上面板323aの先端から立ち下がる立下り板323bと、を有する。
以上のように構成される上部構成部310及び下部構成部320は、一対の上部フランジ部312と一対の下部フランジ部322とにより側方に開放する凹状の飲み込み部300aを備える。これにより、隣接するカーポート1A,1Bを連結する場合に、一対の上部フランジ部312及び一対の下部フランジ部322を有して構成される側方に開放する凹状の飲み込み部300aに、屋根体6の端部を配置することで、一対の上部フランジ部312と下部フランジ部322は、隣接する屋根体6の端部を、上下から挟み込む。
下部カバー部材330は、図22に示すように、上部構成部310に取り付けられた下部構成部320の下方に配置される。下部カバー部材330は、上部構成部310に取り付けられた下部構成部320を下方から覆うと共に、下部構成部320を上部構成部310に固定するためにねじ込まれたネジ部材303の頭部を下方から覆う。下部カバー部材330は、例えば、アルミ材料により形成される。
下部カバー部材330は、略水平に形成される平面状の下部カバー本体331と、一対の延出部332と、一対の端部立ち上がり部333と、を有する。下部カバー本体331、一対の延出部332、及び一対の端部立ち上がり部333は、連結長手方向D1に延びる。
一対の延出部332は、下部カバー本体331の上面の中央部分において、連結幅方向D2に離間して配置され、上方に延出する。一対の延出部332は、下部カバー部材330が下部構成部320に取り付けられた場合に、U字状部材321の側面板321bの内面に沿って、下部構成部320のU字状部材321の内部に挿入される。
延出部332には、凹状嵌合部332aと、一対の内側突出部332bと、が形成される。
一対の内側突出部332bは、延出部332の高さ方向の途中において、延出部332の内面から内側に略水平に突出する。
凹状嵌合部332aは、延出部332の高さ方向の途中において、延出部332の外面から内側に窪む。一対の凹状嵌合部332aには、下部構成部320の一対の嵌合突起321cが嵌合される。
一対の端部立ち上がり部333は、下部カバー本体331における連結幅方向D2の両側の端部から上方に突出する。
以上の下部カバー部材330は、一対の延出部332の凹状嵌合部332aが下部構成部320の一対の嵌合突起321cに嵌合することで、下部構成部320及びネジ部材303を下方から覆うように、下部構成部320に取付けられる。
落下防止部材340は、図18に示すように、連結長手方向D1の両端部において、下部カバー部材330の落下を防止するように、上部構成部310と下部カバー部材330とを連結する。落下防止部材340は、例えば、金属材料により形成される。
落下防止部材340は、図19に示すように、断面視が略C字形状に形成される。落下防止部材340は、上下方向に延びる上下部材341と、上下部材341の上端部から略水平に延びる上部板部材342と、上下部材341の下端部から略水平に延びる下部板部材343と、を有する。
落下防止部材340の上部板部材342は、上部構成部310の中空部311の上面板311aの下方に配置され、ネジ部材304(図18参照)により、後述する連結端部カバー部材350と共に、上部構成部310に固定される。落下防止部材340の下部板部材343は、下部カバー部材330における下部カバー本体331の上面と一対の内側突出部332bとの間に配置される。これにより、落下防止部材340は、下部カバー部材330が、上部構成部310から落下することを防止できる。
一対の連結端部カバー部材350は、図18に示すように、上部構成部310及び下部構成部320の連結長手方向D1の両端部において、落下防止部材340が取り付けられた部分を覆うように取り付けられる。連結端部カバー部材350は、例えば、樹脂材料で形成される。一対の連結端部カバー部材350は、それぞれ、上下方向に延びる端面カバー部351と、上面板部352と、下部係止部353と、を有する。
端面カバー部351は、上部構成部310及び下部構成部320の連結長手方向D1の端部及び落下防止部材340を覆うように取り付けられる。
上面板部352は、板状に形成され、端面カバー部351の上端から屋根体6側に略水平に延びる。
上面板部352は、取付ネジ穴352aと、一対のネジ逃げ長穴352bと、を有する。
取付ネジ穴352aには、ネジ部材304(第4ネジ部材)がネジ込まれる。ネジ部材304は、連結端部カバー部材350の取付ネジ穴352a、上部構成部310、及び落下防止部材340の上部板部材342を貫通して固定する。
一対のネジ逃げ長穴352bは、屋根体6における連結長手方向D1の先端の端部側においてネジ止めされたネジ部材301,302の頭部を避けるように長穴状に開口する。
下部係止部353は、端面カバー部351の下端の屋根体6側に形成される。下部係止部353は、上方が開放するフック状に形成される。下部係止部353は、屋根体先端カバー部材65の下端部に引っ掛けられて係止される。
次に、屋根体6の連結構造の止水構造について説明する。
屋根体6の連結構造における止水構造は、図22及び図23に示すように、止水凸部312a(第1止水部)と、上面シール部材312eと、連結端部止水部680(第2止水部)と、樋構成止水部610,620(第3止水部)と、下部水受け流路部360(第4止水部)と、を備える。
止水凸部312aは、図22に示すように、屋根体6の連結構造の連結部300の上部構成部310と屋根体6を構成する複数の長尺形材61との間に水が浸入することを抑制する。止水凸部312aは、屋根体6連結構造の連結部300の上部構成部310の上部フランジ部312の下面に形成され、連結長手方向D1に延びて配置される。止水凸部312aは、止水部(第1止水部)として機能する。止水凸部312aは、上部構成部310が複数の長尺形材61の上面に配置された場合に、屋根体6を構成する複数の長尺形材61の上面に当接する。これにより、止水凸部312aは、屋根体6の連結構造において、屋根体6の上面と上部構成部310の上部フランジ部312の下面の間を連結長手方向D1に沿って止水する。
上面シール部材312eは、上部構成部310の上部フランジ部312の止水凸部312aよりも内側において、屋根体6を構成する複数の長尺形材61の上面と上部フランジ部312の下面との間に配置される。上面シール部材312eは、連結長手方向D1に延びて配置される。上面シール部材312eは、止水部として機能する。これにより、上面シール部材312eは、屋根体6の連結構造において、屋根体6の上面と上部構成部310の上部フランジ部312の下面の間を連結長手方向D1に沿って止水する。
連結端部止水部680(第2止水部)は、図23に示すように、屋根体6の連結構造の連結部300が配置される側の長尺形材61の長手方向の端部において、屋根体6における隣接する長尺形材61の連結部分に配置される。なお、連結端部止水部680(止水部)の構成は、屋根体6の連結構造が設けられる部分に備えられるが、前述した長尺形材61の長手方向の端部側で止水する構成と同様の構成である。そのため、同様の構成については、同じ符号を付けて説明する。
連結端部止水部680は、屋根体6の連結構造の連結部300が設けられる構成において、パッキン部材602が配置される隣接する長尺形材61の連結部分における長尺形材61の長手方向の端部において止水する止水部(第2止水部)として機能する。
連結端部止水部680は、図23に示すように、隣接する長尺形材61の間に配置されるパッキン部材602と、パッキン部材602を外部に露出するように長尺形材61の端部において切り欠かれて形成される切欠部637f(627f)と、切欠部637f(627f)に配置される湿式シール部材603と、を備える。
パッキン部材602は、隣接する長尺形材61の連結部分において、隣接する長尺形材61の間に、長尺形材61の長手方向に延びて配置される。
切欠部637f(627f)は、パッキン部材602が配置される上方に形成される。切欠部637f(627f)は、長尺形材61の上面における支柱2とは反対側の端部において、長尺形材61の長手方向に直交する方向の所定幅で、長尺形材61における長手方向の連結部300側の端部から、長尺形材61の長手方向に沿って所定長さ切り欠かれたポケット状に形成される。
切欠部637f(627f)には、屋根体6の連結構造の施工時に、湿式シール部材603が塗工される。切欠部637f(627f)は、湿式シール部材603が塗工されない状態においては、長尺形材61同士の接続部分において止水するパッキン部材602の長手方向の端部が外部に露出するように切り欠かれている。切欠部637f(627f)には、屋根体6の連結構造の施工時に、露出されたパッキン部材602を覆うように、湿式シール部材603が塗工される。これにより、屋根体6の連結構造の連結部300において、長尺形材61同士の接続部分を伝わる水を端部側において止水することができる。
樋構成止水部610,620は、連結端部止水部680(第2止水部)を通過した水を受けとめる止水部(第3止水部)として機能する。樋構成止水部610,620は、長尺形材61の樋構造により構成される。樋構成止水部610,620の構成は、前述と同様であるため、その説明を省略する。
下部水受け流路部360は、連結部300において、側面板321bの外側面、下部構成部320の下部フランジ部322の上面及び支持凸部322aの内側面により構成される。下部水受け流路部360は、下部構成部320が延びる連結長手方向D1に延びる。下部水受け流路部360は、樋構成止水部610,620から導出された水を、受け止める止水部(第4止水部)として機能する。下部水受け流路部360は、受け止めた水を、連結長手方向D1の支柱2側の端部に導く。
次に、カーポート1の屋根体6の連結構造における雨水の流れについて説明する。
屋根体6の上面6aに降り注いだ雨水は、隣接するカーポート1A,1Bの屋根体6の連結構造においては、図22に示すように、上部構成部310の上部フランジ部312の下面に形成される止水凸部312a(第1止水部)及び上部フランジ部312と長尺形材61との間に配置される上面シール部材312eにより、連結長手方向D1に沿って止水されている。そのため、連結部300の上部構成部310と屋根体6との間に水が入ることが抑制されて、屋根体6の上面6aの傾斜に沿って連結長手方向D1の支柱2側に流れる。支柱2側に流れた水は、屋根体側樋構成部60に流入して、屋根体側樋構成部60の導出開口622aに接続された誘導部材7を介して、支柱2と支柱カバー部材3との間の支柱側樋構成部20に流入する。支柱側樋構成部20に流入した水は、支柱側樋構成部20を地面11側に落下して、排水受け蓋部材24に受け止められて、地面11の付近に配置される排出開口24aから、支柱2の外部に排出される。
また、長尺形材61同士の接続部分には、図6及び図7に示すように、パッキン部材602が配置されている。そのため、屋根体6の上面6aを流れる水を、長尺形材61同士の接続部分において、パッキン部材602で止水できる。これにより、屋根体6の上面6aを流れる水をパッキン部材602により止水して、屋根体6の下面6bから、水が落下することを抑制できる。
更に、屋根体6を構成する複数の長尺形材61の連結部300側の端部において、隣接する長尺形材61の間には、連結端部止水部680(第2止水部)(シールポケット)が形成される。連結端部止水部680(第2止水部)は、長尺形材61の端部において形成される切欠部637fと、隣接する長尺形材61の間に配置されるパッキン部材602と、長尺形材61の端部において切り欠かれて形成される切欠部637fと、湿式シール部材603と、により構成される。湿式シール部材603は、パッキン部材602を覆うように切欠部637fに配置される。これにより、連結端部止水部680(第2止水部)は、屋根体6の連結構造の連結部300において、長尺形材61同士の接続部分を伝わる水を端部側において止水することができる。
また、上部構成部310の上部フランジ部312の下面に形成される止水凸部312a(第1止水部)の部分や上面シール部材312eや連結端部止水部680(第2止水部)の部分を水が通過した場合であっても、屋根体6の内部には、中段樋構成部610と下段樋構成部620とが段差状に2段で連続して設けられており、二重の止水部を構成する。止水凸部312a(第1止水部)の部分や連結端部止水部680(第2止水部)の部分を通過した水は、中段樋構成部610(第1の第3止水部)に流れる。中段樋構成部610(第1の第3止水部)から溢れた水は、下段樋構成部620(第2の第3止水部)に流れる。中段樋構成部610及び下段樋構成部620の2段の樋構造により、隣接する長尺形材61の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材61の長尺方向に沿って水を流して、止水できるため、屋根体6の下面6bから、水が落下することを一層抑制できる。
中段樋構成部610(第1の第3止水部)と下段樋構成部620(第2の第3止水部)とに導入された水は、連結部300における下部構成部320の下部水受け流路部360(第4止水部)に落下して、下部水受け流路部360(第4止水部)に受け止められて、屋根体6の傾斜に沿って、支柱2側の端部側に流される。これにより、前述のカーポート1の止水構造と同様に、屋根体6の支柱2側の基端側の端部から下方に落下する。屋根体6の支柱2側の基端側の端部から下方に落下するのと同時に、水受け流路部822において支柱2側に流された水の一部は、屋根体6の支柱2側の基端側の端部から、屋根体6の樋構成形材62の基端側の下端部において下方に突出して設けられる水切りフィン625(図6及び図9参照)に伝わり、屋根体6の樋構成形材62の基端側の端部において、水切りフィン625を介して下方に落下する。これにより、屋根体6の下面6bの端部でない部分から、水が落下することを抑制できる。
次に、カーポート1の屋根体6の連結構造の施工方法について説明する。図24は、屋根体の連結構造の施工手順を示す図であって、一方の屋根体6に上部構成部310を取り付ける手順を示す斜視図である。図25は、屋根体6の連結構造の施工手順を示す図であって、一方の屋根体6に上部構成部310を取り付けた状態において、他方の屋根体6の長尺形材61を取り付ける手順を示す斜視図である。図26は、屋根体6の連結構造の施工手順を示す図であって、上部構成部310の下方に下部構成部320を取り付け、その後、下部構成部320の下方に下部カバー部材330を取り付ける手順を示す斜視図である。図27は、屋根体6の連結構造の施工手順を示す図であって、上部構成部310及び下部構成部320の連結長手方向D1の端部に落下防止部材340を取り付け、その後、連結端部カバー部材350を取り付ける手順を示す斜視図である。
本実施形態に係るカーポート1の屋根体6の連結構造を用いて、例えば、2つのカーポート1A,1Bの屋根体6を長尺形材61が延びる長手方向に並べて配置する場合について説明する。
まず、隣接するカーポート1A,1Bのうち一方側(例えば、図1における右側)に配置されるカーポート1Aを設置する。
次に、図24に示すように、屋根体6の連結構造における連結部300における上部構成部310を、一方側のカーポート1Aに配置して、一方側のカーポート1Aの屋根体6に固定する。具体的には、一方側のカーポート1Aの屋根体6が設置された状態で、上部構成部310の一方の上部フランジ部312を一方側のカーポート1Aの屋根体6の上部に配置する(連結部配置工程)。
続けて、図24に示すように、上部構成部310の一方の上部フランジ部312の上方からネジ部材(第1ネジ部材)301を移動させて、ネジ部材301により一方の上部フランジ部312を一方の屋根体6に固定することで、上部構成部310を一方の屋根体6に固定する(上部構成部第1固定工程)。具体的には、ネジ部材301を、上部構成部310の一方の上部フランジ部312の上方から一方の上部フランジ部312に移動させて、ネジ部材301により、上部構成部310を複数の長尺形材61に固定する。
なお、上部構成部310の一方の上部フランジ部312には、連結長手方向D1に並んで複数のネジ孔が設けられている。一方、カーポートの屋根体6を構成する長尺形材61には、上部構成部310を固定するためのネジ孔は設けられていない。ネジ部材301により上部構成部310を複数の長尺形材61に固定する際には、例えば、タッピングネジなどを用いることで、複数の長尺形材61にネジ孔を形成しながら、上部構成部310を長尺形材61に固定する。これにより、長尺形材61におけるネジ止めする位置を長手方向にある程度移動できるため、長尺形材61の長手方向の位置がずれたとしても、上部構成部310を長尺形材61に固定できる。
次に、図25に示すように、他方のカーポート1Bの屋根体6における複数の長尺形材61を、上部構成部310における他方の上部フランジ部312の下部に配置する(長尺材配置工程)。具体的には、複数の長尺形材61を梁4に取り付けるだけで、他方のカーポート1Bの屋根体6における複数の長尺形材61の端部が、上部構成部310における他方の上部フランジ部312の下部に配置されるように位置が調整されている。そのため、他方のカーポート1Bの屋根体6を構成する長尺形材61を梁4に取り付けるだけで、他方のカーポート1Bの屋根体6における複数の長尺形材61を他方の上部フランジ部312の下部に配置することができる。なお、複数の長尺形材61を梁4に取り付ける場合には、前述のカーポート1の施工方法のように、複数の長尺形材61を支柱2側から順に取り付ける。そして、複数の長尺形材61を梁4に取り付ける際に、図16に示すように、支柱2側から順に、長尺形材61を隣接する長尺形材61に引っ掛けて回転させて、長尺形材61を梁4に取り付ける。
続けて、上部構成部310における他方の上部フランジ部312の上方からネジ部材302を移動させて、他方の上部フランジ部312の下部に配置した長尺形材61を、他方の上部フランジ部312にネジ部材302により固定する。これにより、上部構成部310に他方の屋根体6を固定する(上部構成部第2固定工程)。具体的には、上部構成部310における他方の上部フランジ部312の下部に数枚(例えば2〜3枚)の長尺形材61を配置した後に、ネジ部材302を、上部構成部310の他方の上部フランジ部312の上方から上部フランジ部312に移動させて、ネジ部材302により、上部構成部310を複数の長尺形材61に固定する。これらの作業を繰り返して行うことで、複数の長尺形材61を上部構成部310の他方の上部フランジ部312の下部に固定する。
なお、上部構成部310の他方の上部フランジ部312には、連結長手方向D1に並んで複数のネジ孔が設けられている。一方、カーポートの屋根体6を構成する長尺形材61には、上部構成部310を固定するためのネジ孔は設けられていない。ネジ部材302により上部構成部310を複数の長尺形材61に固定する際には、例えば、タッピングネジなどを用いることで、複数の長尺形材61にネジ孔を形成しながら、上部構成部310を長尺形材61に固定する。これにより、長尺形材61におけるネジ止めする位置を長手方向にある程度移動できるため、長尺形材61の長手方向の位置がずれたとしても、上部構成部310を長尺形材61に固定できる。
次に、下部構成部320を上部構成部310に固定する作業の前作業として、上部構成部310の下方側に形成される上部側引っ掛け部313に、下部構成部320の上方側に形成される下部側引っ掛け部323を引っ掛けて仮置きする(仮置き工程)。これにより、下部構成部320を上部構成部310に連結する前に、下部構成部320の下部側引っ掛け部323を上部構成部310の上部側引っ掛け部313に引っ掛けることで、下部構成部320を上部構成部310に仮置きできる。そのため、下部構成部320を上部構成部310に仮置きし、その後、引っ掛けた部分の反対側を手で持ち上げながらネジ部材303によるネジ止めが可能となるため、作業が容易となり、例えば一人での作業が容易となる。
続けて、上部構成部310の下方に下部構成部320を配置して、下部構成部320をネジ部材303により上部構成部310に固定する(下部構成部固定工程)。具体的には、ネジ部材303を、下部構成部320の下方から下部構成部320に移動させて、ネジ部材303により、下部構成部320の下部に、上部構成部310を固定する。これにより、上部構成部310の上部フランジ部312及び下部構成部320の下部フランジ部322により、屋根体6を構成する複数の長尺形材61の長手方向の端部を上下で挟み込んで固定できる。
続けて、下部構成部320及びネジ部材303を下方から覆うように、図26に示すように、下部構成部320の下方に、下部カバー部材330を取り付ける。具体的には、下部構成部320の一対の嵌合突起321cに、下部カバー部材330の一対の延出部332の凹状嵌合部332aを嵌合させる。これにより、下部カバー部材330を下部構成部320に簡単に取り付けることができ、かつ、下部構成部320及びネジ部材303が外部から視認できないように覆うことができる。
次に、上部構成部310及び下部構成部320の連結長手方向D1の端部に、落下防止部材340を取り付ける。具体的には、落下防止部材340の下部板部材343を下部カバー部材330における下部カバー本体331の上面と一対の内側突出部332bとの間に挿入すると共に、落下防止部材340の上部板部材342を上部構成部310の中空部311の上面板311aの下側に挿入する。後述するように、落下防止部材340の上部板部材342は、上部構成部310の中空部311の上面板311aに、ネジ部材304により固定される。これにより、下部構成部320に嵌合により取り付けられている下部カバー部材330の落下を防止できる。
続けて、落下防止部材340を側方から覆うように、図27に示すように、屋根体6の傾斜方向の先端側において、連結長手方向D1の外側から、連結端部カバー部材350を取り付ける。また、図21に示すように、屋根体6の支柱2側において、連結長手方向D1の外側から、連結端部カバー部材350を取り付ける。これにより、連結部300の連結長手方向D1の両端部を連結端部カバー部材350で覆うことで、意匠性を向上できる。
そして、連結端部カバー部材350の上面板部352及び落下防止部材340の上部板部材342を、上部構成部310の中空部311の上面板311aに、ネジ部材304により固定する。これにより、連結長手方向D1の端部において、落下防止部材340を、上部構成部310と下部カバー部材330とを連結するように固定すると共に、連結端部カバー部材350を固定する。
以上のように構成される屋根体6の連結構造においては、上部フランジ部312及び下部フランジ部322は、隣接する屋根体6の端部を上下から挟み込む。そのため、屋根体6の端部を上下から挟み込むことで、隣接する屋根体6を安定して連結できる。また、隣接する屋根体6を連結する連結構造を、屋根体6の端部を上下から挟み込むだけの簡易な構成で実現でき、かつ、簡単に施工できる。
また、一方の屋根体6を設置した後に、上部構成部310を一方の屋根体6に固定し、その後、他方の屋根体6を上部構成部319に固定する。そのため、2つの屋根体6を設置した後に、2つの屋根体6の間に上部構成部310を設置しなくてもよく、屋根体6の上に乗って作業しなくてよい。即ち、一方の屋根体6を設置した後に、他方の屋根体6を施工するのと同時に、他方の屋根体6の長尺形材61を固定することできるため、屋根体6の上に乗って作業しなくてもよく、屋根体6の連結構造の作業性を向上できる。
以上説明した本実施形態のカーポート1の屋根体6の連結構造によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態のカーポート1の屋根体6の連結構造においては、連結部300は、連結長手方向D1に延びて形成されており、隣接する屋根体6の上部に配置される一対の上部フランジ部312を含んで構成される上部構成部310と、隣接する屋根体6の下部に配置される一対の下部フランジ部322を含んで構成される下部構成部320と、を有して構成され側方に開放する凹状の飲み込み部300aを備え、上部フランジ部312及び下部フランジ部322は、隣接する屋根体6の端部を上下から挟み込む。そのため、屋根体6の端部を上下から挟み込むことで、隣接する屋根体6を安定して連結できる。また、上部構成部310と下部構成部320とで、屋根体6の端部を上下から挟み込むだけの簡易な構造であるため、隣接する屋根体6を連結する連結構造を、簡易な構成で実現でき、かつ、簡単に施工できる。
また、本実施形態では、上部構成部310と下部構成部320とは、別体で構成されると共に、上下方向に連結される。そのため、上部構成部310及び下部構成部320を別々に設置できるため、取り扱いが容易で、簡単に施工できる。また、上部構成部310と下部構成部320とで、屋根体6の端部を上下から挟み込む構成を簡単に実現できる。
また、本実施形態では、上部構成部310は、下方側に形成される上部側引っ掛け部313を有し、下部構成部320は、上方側に形成され上部側引っ掛け部313に引っ掛けることが可能な下部側引っ掛け部323を有する。そのため、上部構成部310及び下部構成部320を上下方向に連結する場合に、上部構成部310の上部側引っ掛け部313に、下部構成部320の下部側引っ掛け部323を引っ掛けて仮置きすることが可能である。これにより、簡単に、上部構成部310に下部構成部320を連結することができる。
また、本実施形態では、上部構成部310及び下部構成部320を連結した状態で、下部構成部320を下方から覆うように下部構成部320に嵌合により取り付けられる下部カバー部材330と、連結長手方向D1の端部において下部カバー部材330を上部構成部310又は下部構成部320に連結する落下防止部材340と、を備える。そのため、落下防止部材340により、下部カバー部材330の落下を防止できる。
また、本実施形態の屋根体6の連結構造の施工方法においては、隣接する屋根体6のうちの一方の屋根体6が設置された状態で、一方の上部フランジ部312を一方の屋根体6の上部に配置する連結部配置工程と、連結部配置工程の後の工程であって、一方の上部フランジ部312の上方からネジ部材301を移動させて、ネジ部材301により一方の上部フランジ部312を一方の屋根体6に固定することで、上部構成部310を一方の屋根体6に固定する上部構成部第1固定工程と、上部構成部第1固定工程の後の工程であって、隣接する屋根体6のうちの他方の屋根体6における複数の長尺形材61を他方の上部フランジ部312の下部に配置する長尺材配置工程と、他方の上部フランジ部312の上方からネジ部材302を移動させて、第2ネジ部材302により長尺材配置工程で配置した長尺形材61を上部フランジ部312に固定することで、上部構成部310に他方の屋根体6を固定する上部構成部第2固定工程と、を備える。そのため、一方の屋根体6を設置した後に、上部構成部310を一方の屋根体6に固定し、その後、他方の屋根体6を上部構成部319に固定する。よって、2つの屋根体6を設置した後に、2つの屋根体6の間に上部構成部310を設置するものではない。従って、屋根体6の上に乗って作業しなくてもよく、作業性を向上できる。
また、本実施形態の屋根体6の連結構造の施工方法においては、上部構成部第2固定工程の後の工程であって、上部構成部310の下方に本実施形態を配置して、下部構成部320をネジ部材303により上部構成部310に固定する。これにより、ネジ部材303により、上部構成部310に、下部構成部320を簡単に固定できる。
また、本実施形態の屋根体6の連結構造の施工方法においては、下部構成部固定工程の前の工程であって、上部構成部310の下方側に形成される上部側引っ掛け部313に、下部構成部320の上方側に形成される下部側引っ掛け部323を引っ掛けて仮置きする仮置き工程を更に備える。そのため、上部構成部310及び下部構成部320を上下方向に連結する前に、上部構成部310の上部側引っ掛け部313に、下部構成部320の下部側引っ掛け部323を引っ掛けて仮置きすることが可能である。これにより、上部構成部310に下部構成部320を連結する作業性を向上できる。
以上、本発明の屋根体の連結構造の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、屋根体6の連結構造の連結部300について、上部構成部310及び下部構成部320を別体で構成したが、これに限定されない。上部構成部310及び下部構成部320を一体で構成してもよい。この場合には、上部構成部310及び下部構成部320の強度を高くできる。そのため、隣接する屋根体6を強固に連結できる。
また、前記実施形態では、屋根体6の連結構造の施工方法において、上部構成部310を屋根体6に固定した後に、上部構成部310に下部構成部320を連結したが、これに限定されない。例えば、上部構成部310及び下部構成部320を一体化させるように、上部構成部310及び下部構成部320をネジ部材(第4ネジ部材)で仮固定する仮固定工程を行った後に、仮固定工程で仮固した上部構成部310及び下部構成部320を屋根体6に固定して、その後、仮固定された上部構成部310及び下部構成部320をネジ部材(第4ネジ部材)のネジ込み量を調整することで本固定する本固定工程を行うように構成してもよい。これにより、下部構成部320を上部構成部310に取り付ける作業性を向上できる。なお、この場合、上部構成部310及び下部構成部320を一体化させた状態で屋根体6に固定するため、前記実施形態のように、上部構成部310の上部側引っ掛け部313に、下部構成部320の下部側引っ掛け部323を引っ掛けて仮置きすることは不要となる。