以下、本発明の屋根構造体の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態においては、屋根構造体をカーポート1に適用した例について説明する。なお、本実施形態においては、屋根構造体をカーポート1に適用した例について説明するが、これに限定されない。例えば、屋根構造体を、カーポート以外の構造物、例えば、駐輪場、シェルター、休憩所、テラス、バス停などの構造物に適用してもよい。
図1は、本発明の第1実施形態に係るカーポート1を上方側から見た斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係るカーポート1を下方側から見た斜視図である。図3は、屋根体6の基端側の構造を示す要部拡大斜視図である。図4は、図1におけるA−A線断面図である。図5は、屋根体6を構成する樋構成形材62の梁4への接続構造を示す断面図である。図6は、屋根体6を構成する中間形材63の梁4への接続構造を示す断面図である。図7は、図4におけるC−C線断面図である。図8は、図1におけるB−B線断面図である。図9は、図1における屋根体6の先端側に配置される先端側形材64の長手方向の端部の接続構造を示す斜視図である。図10は、支柱2、梁4、連結部材5、支柱カバー部材3及び誘導部材7を分解して示した分解斜視図である。図11は、梁4の基端側から順に複数の長尺形材61を取り付ける状態を示す斜視図である。図12は、屋根体6を構成する樋構成形材62を、梁に取り付ける状態を示す断面図である。図13は、屋根体6を構成する中間形材63を、梁に取り付ける状態を示す断面図である。
なお、本実施形態の説明においては、カーポート1の屋根体6を構成する複数の長尺形材(長尺材)61が延びる方向を前後方向ともいい、図1及び図2において、カーポート1の手前側を手前側ともいい、カーポート1の奥側を奥側ともいう。また、長尺形材(長尺材)61が延びる前後方向に直交する方向を左右方向ともいう。また、左右方向において、手前側から見た場合に支柱2側を、カーポート1の右側ともいい、手前側から見た場合に支柱2と反対側を、カーポート1の左側ともいう。また、梁4が延びる方向において、支柱2側を、カーポート1の基端側ともいい、支柱2と反対側を、カーポート1の先端側ともいう。
まず、本実施形態のカーポート1の全体構造について説明する。本実施形態のカーポート1は、図1及び図2に示すように、屋根体6を左右方向の基端側(図1及び図2における右側)において一対の支柱2で支持する、いわゆる、片持ち構造のカーポートである。また、本実施形態のカーポート1は、支柱2に接続された梁4の下部(下方)に、屋根体6が吊られて接続される吊構造で構成される。
図1〜図6に示すように、本実施形態のカーポート1は、地面11に立設される一対の支柱2(柱材)と、一対の支柱2の側面に取り付けられる支柱カバー部材3(カバー部材)と、支柱2の上端部から支柱に交差する方向に延びる梁4と、支柱2と梁4とを接続するL字状の連結部材5と、梁4の下部に接続される屋根体6と、屋根体6の上面を流れた水を支柱2側へ誘導するL字状の誘導部材7(図3参照)と、一対の屋根体側部カバー部材8(カバー部)と、屋根体先端カバー部材65と、を備える。支柱2及び梁4は、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状の中空部を有するホロー構造を有する。
一対の支柱2は、図1に示すように、カーポート1の左右方向の一方側(図1における右側)において、カーポート1の前後方向に離間して配置される。
支柱2は、上下方向に延びて形成され、図7に示すように、横断面が角筒状に形成される中空状の支柱側ホロー部21と、支柱側ホロー部21の屋根体6側の側面から屋根体6側に突出すると共に上下方向に延びる一対のカバー取付壁22と、を有する。一対のカバー取付壁22には、支柱カバー部材3が取り付けられる。支柱2の上端部には、支柱2の上端部の開口を覆うように、支柱キャップ201が配置される。
図1に示すように、一対の支柱2における前後方向の一方側(図1における手前側)の支柱2には、地面11付近の下端部に、下端開口部23が形成される。下端開口部23は、屋根体6側の側面が開放すると共に屋根体6側から支柱2の内部側に窪むように切り欠かれている。下端開口部23には、排水受け蓋部材24が配置される。排水受け蓋部材24には、前後方向の手前側の外方に向けて開放する排出開口24aが設けられている。排出開口24aは、支柱2と支柱カバー部材3とにより構成される支柱側樋構成部20(後述)を流れる水を手前側の外部へ排出する。
支柱カバー部材3は、図4に示すように、支柱2における一対のカバー取付壁22に取り付けられる。支柱カバー部材3は、上下方向に延びる1枚のカバー部材により構成される。支柱カバー部材3は、支柱2における屋根体6側の一側面、及び後述する支柱2と連結部材5とを固定するネジ部材102を覆うように、一対のカバー取付壁22(図7参照)に取り付けられる。つまり、支柱カバー部材3は、分断されずに1枚のカバー部材により構成され、支柱2の一側面のみにおいて、連結部材5の一側面のみを固定する4つのネジ部材102を覆うように配置される。支柱2と支柱カバー部材3との間には屋根体6の上面6aを流れる水が流入して水が流れるため、支柱2及び支柱カバー部材3は支柱側樋構成部20(柱材側樋構造)として構成される。本実施形態においては、支柱2と支柱カバー部材3との間に雨樋用のホースなどが配置されずに、支柱2及び支柱カバー部材3だけで、縦樋を構成する。
支柱2と支柱カバー部材3との間(支柱側樋構成部20)には、屋根体6の屋根体側樋構成部60(後述)から排出された水が流される。支柱側樋構成部20は、支柱2の屋根体6側の側面が支柱カバー部材3に覆われるため、カーポート1の外部からは視認されない。そのため、支柱2が樋の機能を備えることが外部からは視認されず、意匠性を向上できる。
一対の梁4は、図1に示すように、カーポート1の前後方向に離間して配置される。一対の梁4は、それぞれ、左右方向に延びると共に、支柱2側に下る下り傾斜で形成される。一対の梁4の基端側の端部(右側の端部)は、L字状の連結部材5を介して、支柱2の上端部に接続される。一対の梁4の下部には、屋根体6が接続される。
一対の梁4は、図1及び図4に示すように、それぞれ、断面が角筒状に形成される梁側ホロー部41と、延出板部42と、端部キャップ43と、を有する。
梁側ホロー部41の先端41aは、先端側の上端部が傾斜して切り欠かれるように、先端側から基端側(支柱2側)に向かうにしたがって上る上り傾斜で形成される。そのため、梁4の先端41aは、梁4の下部に屋根体6が接続された状態において、屋根体6の先端側の下方の地面11側からは視認しにくい形状である。よって、屋根体6の先端側の下方の地面11側からは梁4を視認しにくいため、意匠性を向上できる。
延出板部42は、梁側ホロー部41の下端部から、屋根体6における前後方向の中央側(一対の梁4のうち、当該梁4とは別の梁4側)に向けて延出すると共に、左右方向に延びる板状に形成される。
延出板部42には、図5及び図6に示すように、梁4に屋根体6を固定するために用いられるネジ部材101が挿入されるネジ孔421が左右方向に並んで複数形成されている。複数のネジ孔421は、支柱2側の基端側から梁4の先端側に向かって、第1樋形材取り付けネジ孔421a、フック部取り付けネジ孔421b、第2樋形材取り付けネジ孔421cが形成され、続けて、複数の片側取り付けネジ孔421dが並んで形成されている。
第1樋形材取り付けネジ孔421aは、図5に示すように、長尺形材61における樋構成形材62(後述)の基端側の部分と梁4の延出板部42とをネジ部材105で固定するために設けられる。
第2樋形材取り付けネジ孔421cは、長尺形材61における樋構成形材62(後述)の先端側の部分と梁4の延出板部42とをネジ部材101で固定するために設けられる。
フック部取り付けネジ孔421bには、長尺形材61における樋構成形材62(後述)を梁4に取り付ける際に、長尺形材61の樋構成形材62を引っ掛けて仮置きするためのフック部110(図5参照)をネジ部材106で固定するために設けられる。
片側取り付けネジ孔421dは、図6に示すように、長尺形材61の中間形材63を梁4に取り付ける際に、中間形材63の先端側の部分と梁4の延出板部42とをネジ部材101で固定するために設けられる。
連結部材5は、図4に示すように、カーポート1を前後方向に見た場合に、全体としてL字状に形成され、断面が筒状に形成される。連結部材5は、上下方向に延びる縦筒部51と、縦筒部51側が下る下り傾斜となるように延びると共に縦筒部51に接続される横筒部52と、を有する。
連結部材5は、支柱2と梁4とを接続する。連結部材5は、縦筒部51の下端部(一方側)が、支柱2の上端部側から支柱2の支柱側ホロー部21に挿入され、上下方向に並ぶ4つのネジ部材102により支柱2の屋根体6側の一側面のみにおいて支柱2に固定される。連結部材5は、横筒部52の先端部(他方側)が、梁4の梁側ホロー部41に挿入されて、上方側から2つのネジ部材103に固定されると共に、下方側から1つのネジ部材104で固定される。
支柱2と連結部材5とを固定する上下方向に並ぶ4つのネジ部材102は、図4に示すように、屋根体6側の支柱2の一側面の4箇所において、支柱2と連結部材5とを固定する。支柱2の屋根体6側の一側面に露出したネジ部材102は、支柱2の一側面を覆う支柱カバー部材3が支柱2に取り付けられることで、外部から視認されないように、支柱カバー部材3により覆われる。これにより、外部からネジ部材102が視認されないため、意匠性を向上できる。
梁4と連結部材5とを固定する複数のネジ部材103,104は、梁4の上面の2箇所と、梁4の下面の1箇所において、梁4と連結部材5とを固定する。梁4の上面側の2箇所のネジ部材103は、上方に露出して配置されるため、カーポート1の下方側からは視認されない。梁4の下面側の1箇所のネジ部材104は、梁4の下方に屋根体6が配置されるため、カーポート1の下方側からは視認されない。
屋根体6は、図4に示すように、屋根体6が一対の梁4の下部に吊られて配置される吊り下げ構造であって、一対の梁4の下部に取り付けられる(接続される)。屋根体6は、複数の長尺形材(長尺材)61が、梁4が延びる方向に並んで連設されて互いが嵌合して連結されて構成される。
複数の長尺形材61は、それぞれ、カーポート1の前後方向(梁4が延びる方向に直交する方向)に延びており、所定の厚さを有する。複数の長尺形材61は、それぞれ、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状に形成される中空部を有するホロー構造を有する。屋根体6は、上面6a及び下面6bがフラット(平面状)に形成される。屋根体6は、支柱2側が下る下り傾斜に配置されており、上面6a及び下面6bは、支柱2側が下る下り傾斜に形成される。アルミ材料の押出し形材で形成された複数の長尺形材61を連結して屋根体6を構成することで、複数の長尺形材61を、屋根体6の面材として使用できると共に、屋根体6の強度を確保することができる。また、屋根体6を構成する複数の長尺形材61を、中空部を有する形材で構成することで、屋根体6自体を強度部材として使用でき、屋根体6の強度を出すための部材を別に設ける必要がない。よって、屋根体6を構成する部材の部品点数を低減できる。
屋根体6を構成する複数の長尺形材61は、図4に示すように、支柱2側の最も基端側の端部に配置される樋構成形材62と、最も先端側に配置される先端側形材64と、樋構成形材62と先端側形材64との間に配置される複数の中間形材63と、により構成される。複数の長尺形材61は、それぞれ、ネジ部材101、105により、梁4に直接固定されて接続される。本実施形態においては、ネジ部材101、105には、緩み止め用の接着剤が塗布されている。なお、ネジ部材101、105には、緩み止め用の接着剤を塗布しなくてもよい。
樋構成形材62は、屋根体6において、複数の長尺形材61が並ぶ方向の支柱2側の端部に並列に配置される。樋構成形材62は、複数の長尺形材61のうち、複数の長尺形材61が並ぶ方向の支柱2側の端部に配置される長尺形材であり、屋根体側樋構造として構成される。樋構成形材62は、図5に示すように、上部側が上方側に向けて開口する長尺形材により形成される。本実施形態においては、樋構成形材62は、中空部を有さないソリッド材により形成され、上部側が開口する断面U字形状に形成される。なお、樋構成形材62は、これに限定されず、中空部を有するホロー構造のアルミ材料の長尺形材の上面が切り欠かれることで上部側が開口する形状に形成されていてもよい。
樋構成形材62は、屋根体6の支柱2側の最も基端側の端部において、屋根体6の上面6aを基端側に流れて基端側の端部に達した水を受け止めて流通させる屋根体側樋構成部60を構成する。屋根体側樋構成部60は、屋根体6の上面6aを流れる水の下流側の端部に配置される。本実施形態においては、屋根体側樋構成部60は、屋根体6における下り傾斜の端部であって、屋根体6における基端側の支柱2側の端部に配置されている。
屋根体側樋構成部60は、上部側が開口しているため、屋根体側樋構成部60を屋根体6の下方から見た場合に、長尺形材61のフラットな(平面状の)下面が見えるだけで、屋根体6の上面6a側に樋が存在することを認識させずに樋を構成でき、意匠性を向上できる。
樋構成形材62は、屋根体6の基端側の支柱2側に形成される樋構成部621と、屋根体6の先端側に形成される先端側上部外方延出片627(固定部)と、屋根体6の先端側に形成される先端側下部外方片628と、を有する。
樋構成部621は、上方が開放する略U字形状の樋構成部本体622と、屋根体6の基端側に配置される基端側上部内方延出片623と、屋根体6の先端側に配置される先端側上部内方延出片624と、水切りフィン625と、基端側上部壁626と、を有する。
樋構成部本体622は、屋根体6の上面6aにおいて支柱2側に流された水を、上方の開放された部分から導入して受け止める。樋構成部本体622の側面には、導出開口622a(排水口)が形成される。
導出開口622aは、図3及び図5に示すように、前後方向において一対の支柱2のうちの手前側の一方の支柱2が配置される部分において、樋構成部本体622の側面を支柱2側の側方に貫通して形成される。導出開口622aには、L字状の誘導部材7の側部開口部71(後述)が接続される。
誘導部材7は、図3及び図5に示すように、屋根体側樋構成部60に流れ込んで滞留した水を、支柱側樋構成部20に誘導する。誘導部材7は、前後方向に見た場合に、L字状の筒状に形成され、側部開口部71と、下端開口部72と、を有する。誘導部材7は、一方側の側部開口部71が樋構成部本体622(屋根体側樋構成部60)の側面に形成された導出開口622aに接続されると共に、他方側の下端開口部72が支柱2と支柱カバー部材3との間に挿入されて、支柱側樋構成部20の内部に開口される。誘導部材7は支柱2と支柱カバー部材3との間に配置されるため、支柱2を切り欠かなくても、誘導部材7の下端開口部72を支柱2側に配置できる。
基端側上部内方延出片623は、図5に示すように、樋構成部621の基端部側において、樋構成部621の上方側の内面から内方側に突出する。基端側上部内方延出片623には、ネジ部材101がねじ込まれる取付ネジ孔623aが形成される。
先端側上部内方延出片624は、樋構成部621の幅方向の基端部と反対側において、樋構成部621の上端部から内側に突出する。先端側上部内方延出片624の先端には下端に突出する引っ掛け突出片624aが形成される。樋構成形材62を梁4に取り付ける場合には、樋構成形材62の引っ掛け突出片624aを、梁4の延出板部42の下面に固定されたフック部110の立ち上がり板110dに引っ掛けることで、樋構成形材62を、梁4の延出板部42の下面に仮置きできる。また、樋構成形材62の引っ掛け突出片624aを梁4の延出板部42の下面に固定されたフック部110の立ち上がり板110dに引っ掛けた状態で、引っ掛け突出片624aを中心に樋構成形材62を回転することで、樋構成形材62を、取り付け位置に配置できる。フック部110は、図5に示すように、梁4の延出板部42の下面に取り付けられる取付板110aと、取付板110aの先端側の端部から下方に延びる上下方向延在板110bと、上下方向延在板110bの下端部から先端側に延びる底面板110cと、底面板110cの先端側の端部から立ち上がる立ち上がり板110dと、を有する。
樋構成形材62の引っ掛け突出片624aは、樋構成形材62が梁4に固定された状態においては、フック部110の上方に配置される。これにより、樋構成形材62が梁4に固定された状態において、樋構成形材62を固定するネジ部材105,101が外れた場合においても、引っ掛け突出片624aは、フック部110の立ち上がり板110dに引っ掛かって、樋構成形材62の落下を抑制できる。
水切りフィン625は、図5に示すように、樋構成部本体622における屋根体6の基端側において、樋構成部本体622の下端部から下方に突出する。水切りフィン625の下端部625aの位置は、上下方向において、支柱カバー部材3の上端部31よりも下方に位置する。
水切りフィン625は、後述する屋根体側部カバー部材8の水受け流路部822から導出された水が伝達され、屋根体側部カバー部材8の水受け流路部822により伝達された水を、屋根体6の下面6bに回り込まないように、屋根体6の下方に落下させる。
また、水切りフィン625の下端部625aの位置は、上下方向において、支柱カバー部材3の上端部31よりも下方に位置するため、水切りフィン625は、支柱カバー部材3の上端部31よりも上方における誘導部材7が配置される部分を覆うことができる。これにより、誘導部材7を外部から隠すことができるため、意匠性を向上できる。
基端側上部壁626は、屋根体6の基端側の端部において、屋根体6の上面6aから立設して形成される。基端側上部壁626は、屋根体6の基端側の端部において、水の飛び出しを低減する。
先端側上部外方延出片627は、樋構成部本体622における屋根体6の先端側(左側)の上端部から先端側に向けて延出する。先端側上部外方延出片627は、樋構成形材62の先端側の端部の上端部に配置され、ネジ部材101により梁4に固定される固定部を構成する。先端側上部外方延出片627は、中間形材63における引っ掛け係合部628aの上方に形成される。先端側上部外方延出片627には、ネジ孔627aが形成される。ネジ孔627aには、樋構成形材62の先端側の端部を梁4に取り付ける際に、梁4の延出板部42の第2樋形材取り付けネジ孔421cの上方から挿入されたネジ部材101が挿入され、ネジ部材101は、先端側上部外方延出片627の下方に配置されるナット部材601に螺合する。先端側上部外方延出片627は、中間形材63における引っ掛け係合部628aの上方において、ネジ部材101により、梁4の延出板部42に固定される。
先端側上部外方延出片627における屋根体6の先端側(左側)の端部には、側方延出壁627bと、下方延出壁627cと、が形成される。下方延出壁627cの基端側の側面からは、先端側係止片627dが基端側の側方に突出する。先端側係止片627dに対向する位置には、先端側上部外方延出片627の下方から下方に延出し途中で先端側係止片627d側に屈曲して形成される基端側係止片627eが形成される。
先端側上部外方延出片627の下方において、先端側係止片627dと基端側係止片627eとにより、ナット部材601が係止される。
下方延出壁627cの先端側(左側)の面には、隣接する中間形材63の基端側の端部に取り付けられるパッキン部材602が押圧される。パッキン部材602は、樋構成形材62と中間形材63との連結部分に配置される止水部(第1止水部)として機能する。パッキン部材602は、樋構成形材62及び隣接する中間形材63(長尺形材61)の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材61の長尺方向に沿って延びるように形成される。
先端側下部外方片628は、樋構成部本体622における屋根体6の先端側(左側)の下端部から先端側(左側)に延出する。先端側下部外方片628における先端側(左側)の端部には、上方側に突出する引っ掛け係合部628a(第1係合部、第1嵌合部)が形成される。
引っ掛け係合部628aは、図5に示すように、梁4に取り付けられた樋構成形材62の先端側(長手方向に直交する幅方向の一端部側)の端部において、樋構成形材62の下端部に形成される。引っ掛け係合部628aは、梁4に取り付けられた樋構成形材62の先端側(長手方向に直交する幅方向の一端部側)の端部において、樋構成形材62の下端部に配置される先端側下部外方片628から上方に立ち上がると共に、立ち上がった上端部において長手方向に直交する幅方向に延びるT字状に形成される。引っ掛け係合部628aは、立ち上がり部628bと、立ち上がり部628bの上端部から先端側に延びる第1引っ掛け部628c(引っ掛け部)と、立ち上がり部628bの上端部から先端とは反対側(基端側、支柱側)に延びる第2引っ掛け部628d(引っ掛け部)と、を有する。
中間形材63の引っ掛け係合部628aの第1引っ掛け部628cは、隣接する中間形材63の基端側の下端部の側面から基端側に突出する基端側下部突出片636(第2嵌合部)に係合可能である。また、中間形材63の引っ掛け係合部628aの第2引っ掛け部628dは、隣接する中間形材63の基端側(長手方向に直交する幅方向の樋構成形材62側の端部側)の端部に形成される引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635b(第2係合部、第2嵌合部)(後述)に係合可能である。
先端側下部外方片628の上面には、隣接する長尺形材61の中間形材63における中段樋構成部610(後述)(第1の第2止水部)から溢れた水が流通する。先端側下部外方片628の上面は、屋根体6の内部において、上下方向の下段に位置する下段樋構成部620を構成する。下段樋構成部620は、水を流す樋機能を有すると共に、止水部(第2の第2止水部)として機能する。下段樋構成部620は、パッキン部材602を通過して中段樋構成部610に受け止められた水であって中段樋構成部610(第1の第2止水部)から溢れた水を受け止めて、受け止めた水を前後方向の両端部側に流通させる。
つまり、屋根体6は、隣接する長尺形材61の連結部分において、2段の樋構造を備えており、上段側に配置されると共に上段側で水を受け止める中段樋構成部610と、下段側に配置されると共に下段側で中段樋構成部610から溢れた水を受け止める下段樋構成部620と、を備えている。中段樋構成部610及び下段樋構成部620は、隣接する長尺形材61の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材61の長尺方向に沿って延びる。
樋構成形材62は、基端側において、上方側からネジ部材105が移動され、梁4の延出板部42の第1樋形材取り付けネジ孔421aを通されたネジ部材105が基端側上部内方延出片623の取付ネジ孔623aに螺合されることで、梁4に固定される。また、樋構成形材62においては、図5に示すように、ナット部材601は、樋構成形材62における先端部側において、樋構成形材62の内部に取り付けられている。樋構成形材62は、先端側において、上方側から移動されるネジ部材101により、梁4の延出板部42の片側取り付けネジ孔421dと先端側上部外方延出片627のネジ孔627aとに挿通されたネジ部材101が、ナット部材601に螺合されることで、梁4に固定される。
中間形材63は、樋構成形材62と先端側形材64との間に複数並んで配置される。中間形材63は、図6に示すように、中間形材63側に配置される第1中間ホロー部631と、第1中間ホロー部631の先端側に配置される第2中間ホロー部632と、第1中間ホロー部631における基端側の上端部の側面に形成されるパッキン取付凹部633と、第1中間ホロー部631の中間形材63側の面において上下方向の略中央から中間形材63側に延在するL字状の第2止水部としての中段樋部634と、中段樋部634の基端側の端部の下端部から下方に延びるL字状の引っ掛け延出片635と、第1中間ホロー部631における中間形材63側の下端部の側面から基端側に突出する基端側下部突出片636(第2嵌合部、引っ掛け突出部)と、先端側上部外方延出片637(固定部)と、先端側下部外方片638と、を有する。
中段樋部634の基端側の端部の下方側には、図5に示すように、下方に開口(開放)する開口部639が形成される。開口部639は、中段樋部634における第1中間ホロー部631の基端側に配置される上下方向に延びる端辺631aと、L字状の引っ掛け延出片635とにより形成される。開口部639の開口縁には、開口部639の開口縁から開口部639の内側に互いに対向して突出する対向突出部639a(第2嵌合部)が形成される。本実施形態においては、対向突出部639aは、基端側下部突出片636と、L字状の引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635b(後述)と、により構成され、互いが近づくように、開口部639の内側に向けて突出して延びる。
以上のように構成される樋構成形材62及び中間形材63においては、隣接する樋構成形材62及び中間形材63が嵌合した状態において、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aの第1引っ掛け部628cが、隣接する中間形材63の基端側下部突出片636に係合(嵌合)すると共に、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aの第2引っ掛け部628dが、隣接する中間形材63の引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635b(後述)に係合(嵌合)することで、隣接する樋構成形材62及び中間形材63は、互いに嵌合する。
本実施形態においては、隣接する樋構成形材62及び中間形材63が連結した状態において、樋構成形材62の引っ掛け係合部628a(第1引っ掛け部628c及び第2引っ掛け部628d)は、隣接する中間形材63の開口部639の内部に配置された状態で、上下方向の移動を規制するように、対向突出部639a(基端側下部突出片636、L字状の引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635b)に引っ掛かって嵌合する。
パッキン取付凹部633は、基端側に隣接する樋構成形材62の下方延出壁627cに対向して配置される。パッキン取付凹部633は、隣接する長尺形材61の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材61の長尺方向に沿って延びる。パッキン取付凹部633には、パッキン部材602が取り付けられる。パッキン部材602は、パッキン取付凹部633に取り付けられた状態で、基端側に隣接する樋構成形材62の下方延出壁627cを押圧する。パッキン部材602は、樋構成形材62と中間形材63との連結部分に配置され、止水部(第1止水部)として機能する。
中段樋部634は、底壁部634aと、立設片634bと、を有する。中段樋部634は、屋根体6の内部において、上下方向の中段に位置する中段樋構成部610を構成する。中段樋構成部610は、水を流す樋機能を有すると共に、止水部(第1の第2止水部)として機能する。中段樋構成部610は、パッキン部材602で止水できなかったパッキン部材602を通過した水を受け止めて、受け止めた水を前後方向の両端部側に流通させる。
L字状の引っ掛け延出片635は、下方延出片635aと、下方延出片635aの下端部から第1中間ホロー部631側に戻るように延びる戻り引っ掛け片635b(第2嵌合部、引っ掛け突出部)と、を有する。戻り引っ掛け片635bは、隣接する樋構成形材62の先端側の端部に形成される引っ掛け係合部628a(第1嵌合部)に係合可能である。戻り引っ掛け片635bは、引っ掛け係合部628aに係合した状態で、引っ掛け係合部628aを中心に回転可能である。
梁4に接続した樋構成形材62の隣りに、隣接する中間形材63を取り付ける場合には、梁4に取り付けられた樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに、中間形材63の引っ掛け延出片635を引っ掛けることで、梁4の下方において、中間形材63を仮置きできる。また、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに中間形材63の引っ掛け延出片635を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片635の先端を中心に中間形材63を回転することで、中間形材63を取り付け位置に配置できる。
中間形材63を取り付け位置に配置した状態においては、樋構成形材62における梁4の先端側には、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに中間形材63の引っ掛け延出片635が嵌合した状態で、中間形材63が取り付けられる。
中間形材63の先端側上部外方延出片637及び先端側下部外方片638については、説明しない点については、樋構成形材62の先端側上部外方延出片627及び先端側下部外方片628の構造と同様である。そのため、中間形材63の先端側上部外方延出片637及び先端側下部外方片638の構造については、図6において樋構成形材62の構造に対応する符号を付して、その説明を省略する。
中間形材63においては、図6に示すように、ナット部材601は、中間形材63における先端部側(長手方向に直交する幅方向における戻り引っ掛け片635b(第2係合部)と反対側の端部側)において、中間形材63の内部に取り付けられている。中間形材63は、先端側において、上方側から移動されるネジ部材101により、梁4の延出板部42の片側取り付けネジ孔421dと先端側上部外方延出片637のネジ孔637aとに挿通されたネジ部材101が、ナット部材601に螺合されることで、梁4に固定される。
また、連続して配置される複数の中間形材63のうち、梁4に接続した中間形材63の先端側に隣接して配置される中間形材63の構成は、梁4に接続した樋構成形材62の先端側に隣接して配置される中間形材63の構成と同様である。そのため、中間形材63に隣接して配置される中間形材63の構成の説明は省略する。
梁4に接続した中間形材63の隣りに、隣接する中間形材63を取り付ける場合には、樋構成形材62の隣りに中間形材63を取り付ける場合と同様に、梁4に取り付けられた中間形材63の引っ掛け係合部638a(第1係合部)に、中間形材63の引っ掛け延出片635(第2係合部)を引っ掛けることで、梁4の下方において、中間形材63を仮置きできる。また、中間形材63の引っ掛け係合部638aに中間形材63の引っ掛け延出片635を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片635の先端を中心に中間形材63を回転することで、中間形材63を取り付け位置に配置できる。
隣接する中間形材63を取り付け位置に配置した状態においては、既に取り付けられている中間形材63における梁4の先端側には、既に取り付けられている中間形材63の引っ掛け係合部638aに、隣接する中間形材63の引っ掛け延出片635が嵌合した状態で、隣接する中間形材63が取り付けられる。
先端側形材64は、図4に示すように、梁4に接続された複数の中間形材63の先端側に配置される。先端側形材64は、1つのホロー部641を有する。また、先端側形材64における支柱2側の基端側の形状は、中間形材63の支柱2側の形状と同様であるため、中間形材63の説明を援用して、その説明を省略する。また、梁4に接続した中間形材63の隣に、隣接する先端側形材64を取り付ける場合においても、中間形材63を樋構成形材62の隣りに取り付ける場合と同様である。
先端側形材64を取り付け位置に配置した状態においては、先端側形材64の隣りの中間形材63における梁4の先端側には、中間形材63の引っ掛け係合部638aに、先端側形材64の引っ掛け延出片(図示せず)が嵌合した状態で、先端側形材64が取り付けられる。
また、屋根体6を構成する複数の長尺形材61のうち、最も先端側に配置される先端側形材64においては、図8及び図9に示すように、先端側形材64の長手方向の両端部は、図8及び図9に示すように、ネジ部材107により、一対の屋根体側部カバー部材8(後述)それぞれの上面カバー部81に固定されている。一対の屋根体側部カバー部材8は、図1に示すように、先端側形材64の長尺方向の両端部(屋根体6の前後方向の両端部)において、先端側形材64の長手方向に直交(交差)する方向(梁4が延びる方向)に延びる。
以上のように構成される屋根構造体において、図4に示すように、屋根体6における複数の長尺形材61は、梁4の基端側から先端側に向かって、樋構成形材62、複数の中間形材63、先端側形材64の順に並んで連接される。樋構成形材62、複数の中間形材63、先端側形材64は、それぞれ、梁4の基端側において嵌合して連結され、梁4の先端側において、ネジ部材101により梁4に固定される。
屋根体先端カバー部材65は、屋根体6の最も先端において、先端側形材64の先端に取り付けられる。屋根体先端カバー部材65は、屋根体6の前後方向に延びる。屋根体先端カバー部材65は、図4に示すように、先端側の下端部において、下方に突出するフィン651を有する。
一対の屋根体側部カバー部材8は、図1に示すように、長尺形材61の両端部において、長尺形材61の長手方向に直交(交差)する方向に延びて配置される。一対の屋根体側部カバー部材8は、屋根体6の前後方向の両端部において、長尺形材61の側部を覆うように配置される。一対の屋根体側部カバー部材8は、それぞれ、支柱2側が下る下り傾斜で、屋根体6の傾斜方向に沿って延びる。屋根体側部カバー部材8は、図8に示すように、上面カバー部81と、側面カバー部82と、を有する。
上面カバー部81は、左右方向に幅を有して形成され、かつ、屋根体6の傾斜方向に沿って左右方向に延びる板状に形成される。上面カバー部81は、屋根体6の上面6aに係止されて配置される。
側面カバー部82は、上面カバー部81の端部の側部の外側に接続され、上下方向に幅を有して形成され、かつ、屋根体6の傾斜方向に沿って左右方向に延びる板状に形成される。側面カバー部82は、屋根体6における前後方向の端部の側部を覆うように配置される。
側面カバー部82は、上方に突出する上部突出部821と、下方側に形成され内面から内側に延出に形成される水受け流路部822(第3止水部)と、水受け流路部822の下部から下方に突出する水切り突状部(水切りフィン)823と、水受け流路部822の上方側において内面から内側に突出する2つの突状部824と、を有する。
水受け流路部822は、中段樋構成部610及び下段樋構成部620から導出されて屋根体6の前後方向の端部に流された水を受け止める。水受け流路部822は、屋根体6の先端側から基端側に水が向かう流路を構成すると共に、水を止水する止水部として機能する。水受け流路部822に受け止められた水は、側面カバー部82が基端側に傾斜する下り傾斜に構成されるため、基端側に流される。水受け流路部822により屋根体6の基端側に流された水は、基端側の端部において、屋根体6の下方に落下する。
ここで、側面カバー部82の基端側には、側面カバー部82に直交する方向に延びて形成される樋構成形材62の下端部から下方に延びる水切りフィン625が配置されている。そのため、水切りフィン625には、側面カバー部82の水受け流路部822の上面を流された水の一部が伝達される。水切りフィン625からは、側面カバー部82の水受け流路部822から伝達された水が、屋根体6の基端部側において屋根体6の下方に落下する。
以上のように構成されるカーポート1においては、屋根体6を下方から見た場合に下面6bが平面状であるため、意匠性を向上できる。
また、屋根体6を、複数の長尺形材61を並べて構成したため、枠組みされたフレーム(枠体)を用いずに、屋根体を構成できる。これにより、屋根体6の厚さを、フレーム(枠体)を使用した場合よりも薄く形成できると共に、屋根体6の下面6bを凹凸の存在しないフラットな形状とすることができる。
また、複数の長尺形材61を、梁4が延びる方向に並べて配置した。そのため、複数の長尺形材61において、長尺形材61の長尺方向を梁4が延びる方向に交差する方向に延びるように配置できるため、複数の長尺形材61を、梁4に直接固定することができる。これにより、複数の長尺形材61を、梁4に接続する場合に、複数の長尺形材61を、支持部材などを介して、梁4に接続しなくてよい。よって、梁4と複数の長尺形材61とを支持部材などを用いて接続しなくてよいため、部品点数を削減でき、施工性を向上できる。また、梁4と複数の長尺形材61との間に支持部材などを配置しなくてよいため、梁4及び屋根体6の高さ寸法を小さくすることができる。
また、屋根体6を、複数の長尺形材61を並べて構成したため、屋根体と下面をフラットに形成した天井材との二重構造で構成した屋根体よりも、製造コストを低減できる。
また、屋根体6は、梁4の下方において梁4に吊られて配置されるため、屋根体6の上方に位置する梁4は、カーポート1を下方側から見た場合に、屋根体6に遮蔽されるため、視認されにくい。これにより、カーポート1の意匠性を向上できる。
次に、カーポートの施工方法について、図10〜図13を参照しながら説明する。
まず、図10に示すように、支柱2を設置して、支柱2に梁4を接続する。具体的には、支柱2の下端部を地面11に固定した後に、支柱2の支柱側ホロー部21の上端部に、L字状の連結部材5の下端部を挿入する。連結部材5の下端部と支柱2の上端部とを、支柱2の上端部の屋根体6側の側面において、上下方向に並ぶ4つのネジ部材102により固定する。
続けて、支柱カバー部材3を、図10に示すように、4つのネジ部材102を覆うように、支柱2の屋根体6側の側面に取り付ける。これにより、連結部材5と支柱2の上端部とを固定した4つのネジ部材102は、外部からは視認されない。そのため、意匠性を向上できる。
また、支柱カバー部材3は、支柱2の一側面のみにおいて、連結部材5の一側面のみ固定する4つのネジ部材102を覆うように配置される(図4参照)。そのため、支柱2の両方の側面にカバー部材を設けるよりも、部品点数を削減できると共に、コストを削減できる。また、支柱2の一側面のみに支柱カバー部材3を取り付ければよいため、支柱カバー部材3を取り付ける施工性が向上する。また、支柱2の両方の側面にカバー部材を設けるよりも、支柱2の幅の寸法が大きくなることを抑制できる。
また、支柱カバー部材3は、上下方向に延びる1枚のカバー部材により構成される。そのため、複数枚のカバー部材で構成されるよりも、部品点数を削減できると共に、コストを削減できる。また、支柱カバー部材3が1枚のカバー部材により構成されるため、取り付け作業が容易であり、施工性が向上する。また、支柱カバー部材3が1枚のカバー部材により構成されるため、複数枚のカバー部材で構成されることでカバー部材が分断して配置されるよりも、意匠性を向上できる。
支柱2の側面と支柱カバー部材3との間には、水が流通する。支柱2の側面と支柱カバー部材3とにより、支柱側樋構成部20が構成される。支柱側樋構成部20は、外部から視認されないため、意匠性を向上できる。
また、支柱キャップ201を、支柱2の上端部の開口を覆うように、ネジ止めにより、連結部材5の上端部に固定する。
次に、連結部材5の他端側の側方の端部を、梁4の梁側ホロー部41の基端側に挿入する。そして、連結部材5と梁4とを3つのネジ部材103,103,104により固定する。2つのネジ部材103により、梁4の上面側から、梁4と連結部材5とを固定し、1つのネジ部材104により、梁4の下面側から、梁4と連結部材5とを固定する。また、梁4の先端側の端部に、端部キャップ43を取り付ける。また、誘導部材7を、下端開口部72が、支柱2と支柱カバー部材3との間に配置されるように取り付ける。
続けて、図10に示すように、梁4の下部に屋根体6を取り付ける。具体的には、梁4の延出板部42の下面に、複数の長尺形材61を、梁4の基端側(支柱2側)の端部側から順に、1つずつ梁4に取り付ける。
詳細には、まず、図10に示すように、作業者は、屋根体6の最も基端側(支柱2側)において、梁4の延出板部42の下面に、樋構成形材62を取り付ける。
図12に示すように、樋構成形材62を梁4に施工する場合には、作業者は、樋構成形材62の引っ掛け突出片624aを、梁4の延出板部42の下面に固定されたフック部110に引っ掛けることで、樋構成形材62を、梁4の延出板部42の下面に仮置きする。これにより、作業者は樋構成形材62から手を一旦離すことができるため、一人の作業者でも作業を行うことができ、樋構成形材62を梁4に取り付ける際の作業性を向上できる。
その後、作業者は、樋構成形材62の引っ掛け突出片624aを梁4の延出板部42の下面に固定されたフック部110に引っ掛けた状態で、引っ掛け突出片624aを中心に樋構成形材62を回転することで、樋構成形材62を、取り付け位置に配置する。そのため、樋構成形材62を仮置きの状態から取り付け位置に容易に移動できるため、樋構成形材62を梁4に取り付ける際の作業性を向上できる。フック部110に引っ掛け突出片624aを引っ掛けて回転するだけで、長尺形材61を、梁4への取り付け位置に配置できる。これにより、屋根体6を施工する施工性を向上できる。
次に、作業者は、樋構成形材62を、梁4の延出板部42に、ネジ部材101、105で固定する。具体的には、樋構成形材62を、基端側において、上方側からネジ部材105を移動させて、梁4の延出板部42の第1樋形材取り付けネジ孔421aを挿通させたネジ部材105を基端側上部内方延出片623の取付ネジ孔623aに螺合させて、樋構成形材62の基端側を梁4に固定する。また、樋構成形材62を、先端側において、上方側からネジ部材101を移動させて、梁4の延出板部42の第2樋形材取り付けネジ孔421cと先端側上部外方延出片627のネジ孔627aとに挿通させたネジ部材101を、ナット部材601に螺合させて、樋構成形材62の先端側を梁4に固定する。樋構成形材62は、屋根体側樋構成部60を構成する。屋根体側樋構成部60は、屋根体6の下方側から視認されないため、意匠性を向上できる。
続けて、作業者は、図11に示すように、最も基端側に取り付けた樋構成形材62の先端側の隣りにおいて、梁4の延出板部42の下面に中間形材63を取り付ける。
図13に示すように、樋構成形材62の先端側の隣りに、中間形材63を梁4に施工する場合には、作業者は、梁4に取り付けられた樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに、中間形材63の引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635bを引っ掛けることで、梁4の下方において、中間形材63を仮置きする。これにより、作業者は中間形材63から手を一旦離すことができるため、一人の作業者でも作業を行うことができ、樋構成形材62を梁4に取り付ける際の作業性を向上できる。
その後、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに中間形材63の引っ掛け延出片635を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635b(及び引っ掛け係合部628a)を中心に中間形材63を回転することで、中間形材63を取り付け位置に配置する(配置工程)。これにより、中間形材63を仮置きの状態から取り付け位置に容易に移動できるため、中間形材63を梁4に取り付ける際の作業性を向上できる。また、引っ掛け係合部628aに戻り引っ掛け片635bを引っ掛けて回転するだけで、長尺形材61を、梁4への取り付け位置に配置できる。これにより、屋根体6を施工する施工性を向上できる。
次に、作業者は、中間形材63を、梁4の延出板部42に、ネジ部材101で固定する。具体的には、中間形材63を、先端側において、ネジ部材101を上方側から移動し、梁4の延出板部42の片側取り付けネジ孔421dと先端側上部外方延出片637のネジ孔637aとに通されたネジ部材101を、ネジ部材101をナット部材601に螺合させて、樋構成形材62の先端側を梁4に固定する(固定工程)。
ここで、中間形材63の基端側は、ネジ部材で固定しなくても、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに中間形材63の引っ掛け延出片635が引っ掛けた状態で係合している。そのため、中間形材63の先端側(一方側)のみを、ネジ部材101で固定すれば、中間形材63を梁4に固定できる。また、ネジ部材101を上方側から移動させるだけで、中間形材63を梁4に固定できる。これにより、樋構成形材62を梁4に取り付ける際の作業性を向上できる。
続けて、図11に示すように、梁4に取り付けた中間形材63の先端側の隣りにおいて、複数の中間形材63を、屋根体6の基端側から、先端側に向けて順に連続して取り付ける。具体的には、複数の中間形材63を、それぞれ、屋根体6の基端側から順に、仮置きして、回転させ、ネジ部材101による固定することを繰り返す。これらの方法は、上述した樋構成形材62の隣りに中間形材63を取り付ける場合と同様であるため、説明を省略する。複数の中間形材63を梁4に取り付けた後に、屋根体6の先端側において、先端側形材64を取り付ける。そして、先端側形材64の先端部に、屋根体先端カバー部材65を取り付ける。
このように、長尺形材61を仮置きした後に、長尺形材61を回転させて、長尺形材61をネジ部材101により梁4に固定して取り付けることができるため、作業者は一人で容易にカーポート1を組み立てることできる。また、長尺形材61(樋構成形材62、中間形材63、先端側形材64)を梁4に取り付ける際に、基端側(支柱2側)から1枚ずつ順に取り付け、かつ、ネジ部材101を上方から移動させるだけで長尺形材61を梁4に固定できるため、容易に取り付け作業を行うことができる。これにより、カーポート1を施工する際の作業性を向上できる。
また、中間形材63の幅方向の一方側のみを固定するだけで、中間形材63を梁4に取り付けることができる。よって、屋根体6を施工する施工性を向上できる。
また、複数の長尺形材61を支柱2側から順に梁4に取り付けるため、支柱2側から順に長尺形材61を施工できるため、長尺形材61の位置合わせが容易である。また、長尺形材61を配置する際に、支柱2から離れる側に順に長尺形材61を施工できるため、支柱2が邪魔になりにくい。これにより、屋根体6を施工する施工性を向上できる。
また、本実施形態のカーポート1の施工方法においては、複数の長尺形材61を支柱2側から順に梁4に取り付ける工程を備える。そのため、支柱2側から順に長尺形材61を施工できるため、長尺形材61の位置合わせが容易である。また、長尺形材61を配置する際に、支柱2が邪魔になりにくい。これにより、屋根体6を施工する施工性を向上できる。
次に、カーポート1における雨水の流れについて説明する。
屋根体6の上面6aに降り注いだ雨水は、図1に示すように、屋根体6の上面6aの傾斜に沿って、基端側の支柱2側に流れる。支柱2側に流れた水は、屋根体側樋構成部60に流入して、屋根体側樋構成部60の導出開口622aに接続された誘導部材7を介して、支柱2と支柱カバー部材3との間の支柱側樋構成部20に流入する。支柱側樋構成部20に流入した水は、支柱側樋構成部20を地面11側に落下して、排水受け蓋部材24に受け止められて、地面11の付近に配置される排出開口24aから、支柱2の外部に排出される。
ここで、長尺形材61同士の接続部分には、図5及び図6に示すように、パッキン部材602が配置されている。そのため、屋根体6の上面6aを流れる水を、長尺形材61同士の接続部分において、パッキン部材602で止水できる。これにより、屋根体6の上面6aを流れる水をパッキン部材602により止水して、屋根体6の下面6bから、水が落下することを抑制できる。
また、パッキン部材602の部分を水が通過した場合であっても、屋根体6の内部には、中段樋構成部610と下段樋構成部620とが段差状に2段で連続して設けられており、二重の止水部を構成する。パッキン部材602(第1止水部)の部分を通過した水は、下段樋構成部620(第1の第2止水部)に流れる。中段樋構成部610(第1の第2止水部)から溢れた水は、下段樋構成部620(第2の第2止水部)に流れる。中段樋構成部610及び下段樋構成部620の2段の樋構造により、隣接する長尺形材61の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材61の長尺方向に沿って水を流して、止水できるため、屋根体6の下面6bから、水が落下することを一層抑制できる。
中段樋構成部610(第1の第2止水部)と下段樋構成部620(第2の第2止水部)とに導入された水は、屋根体6の前後方向の端部に向けて流れる。前後方向の端部に向けて流れた水は、屋根体側部カバー部材8に導入される。
屋根体側部カバー部材8に導入された水は、屋根体側部カバー部材8の下端部に形成される水受け流路部822(図8参照)(第3止水部)に受け止められて、屋根体6の傾斜に沿って、基端側の支柱2側に流される。屋根体側部カバー部材8の水受け流路部822において支柱2側に流された水は、屋根体6の支柱2側の基端側に流れて、屋根体6の支柱2側の基端側の端部から下方に落下する。そのため、水受け流路部822により、隣接する長尺形材61の連結部分に交差する方向に水を流すことで屋根体6の基端側に水を流して、屋根体6の下面6bの端部でない部分から、水が落下することを抑制できる。
屋根体6の支柱2側の基端側の端部から下方に落下するのと同時に、水受け流路部822において支柱2側に流された水の一部は、屋根体6の支柱2側の基端側の端部から、屋根体6の樋構成形材62の基端側の下端部において下方に突出して設けられる水切りフィン625(図5及び図8参照)に伝わり、屋根体6の樋構成形材62の基端側の端部において、水切りフィン625を介して下方に落下する。水切りフィン625から水を落下させることで、屋根体6の下面6b側に水が回り込むことを抑制できる。これにより、屋根体6の下面6bの端部でない部分から、水が落下することを抑制できる。
次に、カーポート1の屋根体6の落下防止構造について説明する。図14は、屋根体6における中間形材63の落下防止構造を説明する図である。図15は、屋根体6における樋構成形材62の落下防止構造を説明する図である。
まず、屋根体6における中間形材63の落下防止構造について説明する。本発明においては、図6に示すように、隣接する中間形材63が連結した状態において、中間形材63の先端側の端部では、中間形材63の引っ掛け係合部638a(第1引っ掛け部638c及び第2引っ掛け部638d)は、隣接する中間形材63の開口部639の内部に配置された状態で、上下方向の移動を規制するように、対向突出部639a(基端側下部突出片636、L字状の引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635b)に引っ掛かって嵌合している。
そのため、中間形材63におけるネジ部材101により固定される側の先端側の端部においては、図14に示すように、中間形材63の先端側上部外方延出片637を梁4の延出板部42に固定するネジ部材101が外れたとしても、図14の(a)に示すように、隣接する中間形材63におけるネジ部材101の下方の連結部分における下部において、中間形材63の引っ掛け係合部638aが、隣接する中間形材63の対向突出部639aに引っ掛かって嵌合しており、かつ、上部において、中間形材63同士が当接して干渉し合っているため、隣接する中間形材63同士の嵌合は外れ難い構造になっている。
また、本実施形態においては、図14の(a)の部分において、中間形材63を固定するネジ部材101が外れたとしても、ネジ部材101が外れた中間形材63は、その両側において、隣接する中間形材63が嵌合して連結されている。これにより、ネジ部材101が外れた中間形材63は、両側において、隣接する中間形材63が嵌合されることで下方側への移動が規制される。よって、ネジ部材101が外れたとしても、ネジ部材101が外れた箇所において屋根体6が僅かに下方に撓む程度で、屋根体6が落下することは抑制される。
仮に、ネジ部材101が外れた中間形材63において、隣接する中間形材63の片方側の嵌合が破断したとしても、図14の(b)に示すように、ネジ部材101が外れた中間形材63は、中間形材63の引っ掛け係合部638aが、隣接する中間形材63の引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635bに引っ掛かった状態で、引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635bを中心に中間形材63が回転するだけで、隣接する中間形材63にぶら下がって落下しない。よって、中間形材63が落下することがないため、屋根体6が落下することを抑制できる。
次に、屋根体6における支柱2側の端部に配置される樋構成形材62の落下防止構造について説明する。樋構成形材62が梁4に接続された状態においては、図15に示すように、樋構成形材62の引っ掛け突出片624aの下方には、フック部110が配置される。そのため、屋根体6を構成する複数の長尺形材61のうち、最も支柱2側に配置される樋構成形材62においては、図15に示すように、梁4が延びる方向の両端部のネジ部材101,105が外れたとしても、樋構成形材62の先端側上部内方延出片624が、フック部110の立ち上がり板110dに引っ掛かって、樋構成形材62は、落下することが抑制される。これにより、屋根体6が落下することを抑制できる。
次に、屋根体6における先端部に配置される先端側形材64の落下防止構造について説明する。屋根体6を構成する複数の長尺形材61のうち、最も先端側に配置される先端側形材64(図4参照)においては、図8及び図9に示すように、先端側形材64の長手方向の両端部は、ネジ部材107により、一対の屋根体側部カバー部材8それぞれの上面カバー部81に固定されている。そのため、先端側形材64の先端側を固定するネジ部材101(図4参照)が外れたとしても、先端側形材64は、長手方向の両端部において、ネジ部材107により屋根体側部カバー部材8に固定されていることにより、先端側形材64が落下することを抑制できる。
以上説明した本実施形態のカーポート1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態のカーポート1は、支柱2と、支柱2に接続される梁4と、梁4に接続される屋根体6であって、所定方向に並んで連設されて互いが嵌合して連結される複数の長尺形材61を有し、上面6a及び下面6bが平面状に形成される屋根体6と、を備え、屋根体6を構成する複数の長尺形材61の連結部分に配置されるパッキン部材602を備える。そのため、屋根体6の上面6aを流れる水をパッキン部材602により止水して、屋根体6の下面6bから、水が落下することを抑制できる。
また、本実施形態においては、長尺形材61は、中空部を有するホロー構造のアルミ材料の形材で構成され、長尺形材61の形材は、長尺形材61の形材の長手方向に延びると共にパッキン部材602を通過した水を受け止める中段樋構成部610及び下段樋構成部620を有する。これにより、止水できるため、屋根体6の下面6bから、水が落下することを一層抑制できる。
また、本実施形態においては、中段樋構成部610及び下段樋構成部620における長手方向の端部において長尺形材61の長手方向に交差する方向に延びて配置され、中段樋構成部610又は下段樋構成部620から導出された水を受け止める水受け流路部822を更に有する。水受け流路部822により、屋根体6の基端側に水を流して、屋根体6の下面6bの端部でない部分から、水が落下することを抑制できる。
また、本実施形態においては、下方に延びて形成され、水受け流路部822から導出された水を受けて下方に落下させる水切りフィン625を更に備える。水切りフィン625から水を落下させることで、屋根体6の下面6b側に水が回り込むことを抑制できる。これにより、屋根体6の下面6bの端部でない部分から、水が落下することを抑制できる。
次に、本発明の第2実施形態に係るカーポート1Aについて説明する。図16は、本発明の第2実施形態におけるカーポート1Aにおいて、支柱2Aと連結部材5Aとの固定構造及び支柱カバー部材3Aを示す断面図である。第2実施形態に係るカーポート1Aは、第1実施形態に係るカーポート1と比べて、支柱2Aと連結部材5Aとを固定するネジ部材102が取り付けられる向きや、支柱2Aにおける支柱カバー部材3Aが配置される面が異なる。第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態の構成と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
第2実施形態においては、支柱2Aにおける前後方向の奥側の側面のみにおいて、連結部材5Aの下端部と支柱2Aの上端部は、上下方向に並ぶ4本のネジ部材102により固定されている。
支柱2Aは、奥側の側面から奥側に突出する一対のカバー取付壁22Aを有する。
支柱カバー部材3Aは、支柱2Aの奥側の側面を、支柱2Aの奥側から覆うように、支柱2Aの奥側から、一対のカバー取付壁22Aに取り付けられる。
誘導部材7Aは、下端側開口部72Aが、支柱2Aと支柱カバー部材3Aとの間の支柱側樋構成部20Aに挿入されて配置されている。
第2実施形態のカーポート1Aは、支柱2Aの奥側の側面において、ネジ部材102により連結部材5Aを支柱2Aに固定する。支柱2Aの奥側の側面には、支柱カバー部材3Aが取り付けられる。
第2実施形態においては、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図17は、本発明の第3実施形態において、ネジ部材101Aに緩み止め防止構造66が施された状態の断面図である。図18は、本発明の第3実施形態において、ネジ部材101Aに緩み止め防止構造66が施された状態の平面図である。
第3実施形態は、第1実施形態がネジ部材101に緩み止め用の接着剤が塗布されているのに対して、ネジ部材101Aに緩み止め防止構造66が施されている点において、第1実施形態と異なる。本実施形態においては、樋構成形材62、中間形材63及び先端側形材64を梁4に固定するネジ部材101Aには、緩み止め防止構造66が施されている。緩み止め防止構造66は、図17に示すように、緩み止め嵌合部材67を備えている。緩み止め嵌合部材67は、樋構成形材62、中間形材63及び先端側形材64を梁4に固定するネジ部材101Aの頭部に嵌合させることで、ネジ部材101Aの緩みを防止する。
緩み止め嵌合部材67は、図17及び図18に示すように、貫通孔671aが形成された板状の嵌合部材本体671と、嵌合部材本体671から側方に延びる板状の延出片672と、延出片672における嵌合部材本体671と反対側の端部から上方に延びる係止片673と、を有する。
嵌合部材本体671における貫通孔671aの周縁には、緩み止め嵌合凹凸縁部671bが形成される。ネジ部材101Aの上方から、緩み止め嵌合部材67を、ネジ部材101Aの頭部に嵌合させることで、緩み止め嵌合凹凸縁部671bは、ネジ部材101Aの頭部の角部に嵌合する。これにより、ネジ部材101Aの頭部の角部が緩み止め嵌合凹凸縁部671bに嵌合することで、緩み止め嵌合部材67は、ネジ部材101Aの緩みを防止する。
係止片673は、緩み止め嵌合部材67を、ネジ部材101Aの頭部に嵌合させる際に、梁4のホロー部41の下端部と延出板部42との間に形成される下端溝401に係止されて固定される。これにより、緩み止め嵌合部材67をネジ部材101Aの頭部に取り付ける際に、係止片673を梁4の下端溝401に係止させて固定することで、緩み止め嵌合部材67をネジ部材101Aの頭部に取り付けた状態で、緩み止め嵌合部材67を梁4に固定することができる。
以上説明した第3実施形態の屋根構造体によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の屋根構造体は、支柱2と、支柱2に接続される梁4と、梁4に接続される屋根体6であって、梁4が延びる方向に並んで連設されて互いが嵌合して連結される複数の長尺形材61を有する屋根体6と、を備える屋根構造体であって、複数の長尺形材61(樋構成形材62、中間形材63及び先端側形材64)は、それぞれ、緩み止め防止構造66が施されたネジ部材101Aにより、梁4に固定されている。
そのため、屋根体6は、樋構成形材62、中間形材63及び先端側形材64を固定するネジ部材101Aが緩み止め嵌合部材67により緩み止めが施された状態で梁4に固定され、かつ、樋構成形材62、複数の中間形材63及び先端側形材64が、それぞれ互いに嵌合して連結されている。よって、屋根体6の落下を抑制できる。
また、本実施形態においては、緩み止め防止構造66は、梁4に固定されると共にネジ部材101Aの頭部に嵌合することでネジ部材101Aの緩みを防止する緩み止め嵌合部材67を有する。これにより、緩み止め嵌合部材67をネジ部材101Aの頭部に嵌合させるという簡易な構成で、梁4に固定された状態で、ネジ部材101Aの緩みを防止できる。
以上、本発明のカーポート(屋根構造体)の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記第1実施形態では、支柱2における屋根体6側の側面で、連結部材5を支柱2に固定し、前記第2実施形態では、支柱2Aの奥側の側面で、連結部材5Aを支柱2Aに固定した。しかし、これらに限定されない。ネジ部材により、支柱2の手前側の側面で連結部材5を固定してもよいし、支柱2における屋根体6とは反対側の側面で連結部材5を固定してもよい。これらの場合には、ネジ部材で固定した支柱の側面を、支柱カバー部材で覆うことで、ネジ部材を覆うことができる。
また、前記実施形態では、複数の長尺形材61を、それぞれ、ネジ部材101、105により、梁4に直接固定して接続するように構成したが、これに限定されない。例えば、複数の長尺形材61を、支持部材などを介して、梁4に接続するように構成してもよい。
また、前記実施形態では、屋根体6を、複数の長尺形材61を並べて配置して構成したが、これに限定されない。例えば、フレーム(枠体)とフレームに支持されるパネル材とを備える構造の屋根体であってもよい。
また、前記実施形態では、複数の長尺形材61を左右方向に並べて配置したが、これに限定されず、複数の長尺形材61を前後方向に並べて配置してもよい。
また、前記実施形態では、屋根体6の上面6aを平面状(フラット)に形成したが、これに限定されず、屋根体6の上面6aを、凹凸を有した形状に形成してもよい。
また、前記実施形態では、長尺形材61を、中空部を有するホロー構造としたが、これに、限定されず、中空部を有さないソリッド材や複数のソリッド材を組み合わせた構造の形材を用いてもよい。また、長尺形材61にけるホロー構造の中空部の数は限定されない。
また、前記実施形態では、樋を構成する長尺形材61を屋根体6の左右方向の一方側に設けたが、これに限定されない、例えば、樋を構成する長尺形材61を屋根体6の前後方向の端部に設けてもよい。
また、前記実施形態では、支柱側樋構成部20を、一対の支柱2のうちの手前側の支柱2のみに設けたが、これに限定されず、一対の支柱2のうちの奥側の支柱2のみに設けてもよいし、一対の支柱2の両方に設けてもよい。
また、前記実施形態では、屋根体6を梁4に吊られる構造としたが、これに限定されず、屋根体6を梁4の上方に配置する構造でもよい。
また、前記実施形態では、支柱2と連結部材5とを固定するネジ部材102を覆う支柱カバー部材3を設けたが、これに限定されず、梁4と連結部材5を固定するネジ部材を覆うカバー部材を設けてもよい。
また、前記実施形態では、対向突出部639a(第2嵌合部)を、下方に開口(開放)する開口部639の開口縁に設け、対向突出部639a(第2嵌合部)に嵌合する引っ掛け係合部628a(第1嵌合部)を、T字状に形成したが、これに限定されない。例えば、対向突出部639a(第2嵌合部)を側方に開口(開放)する開口部の開口縁に設け、対向突出部639a(第2嵌合部)に嵌合する引っ掛け係合部628a(第1嵌合部)をL字状に形成してもよい。
また、前記実施形態では、複数の長尺形材の全てを互いに嵌合させて連結することで屋根体6を構成したが、これに限定されない。複数の長尺形材のうちの一部を嵌合により連結して他部を嵌合により連結しなくてもよい。隣接する長尺形材同士を嵌合で連結しない部分では、例えば、互いをネジ部材で固定して連結してもよいし、長尺形材を梁に直接固定することで長尺形材同士を嵌合で連結しなくてもよい。また、隣接する長尺形材の側面と側面とが対向した状態で複数の長尺形材を連設し、隣接する長尺形材の間に止水部材を配置することで、屋根体6を構成してもよい。