以下、本発明の屋根構造体の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態においては、屋根構造体をカーポート1に適用した例について説明する。カーポート1は、屋根体4の下方に、1台又は複数台の自動車の駐車スペースが確保されている。なお、本実施形態においては、屋根構造体をカーポート1に適用した例について説明するが、これに限定されない。また、屋根構造体を、カーポート以外の構造物、例えば、駐輪場、シェルター、休憩所、テラス、バス停などの構造物に適用してもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係るカーポート1を上方側から見た斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係るカーポート1を下方側から見た斜視図である。図3は、屋根体4の前後方向の傾斜を示す図であって、図1におけるA-A線断面図である。図4は、支柱2、梁3及び屋根体4の構成を示す部分拡大斜視図である。図5は、図1におけるB-B線断面図である。図6は、屋根体4を構成する一端部側樋構成形材42の梁3への接続構造を示す断面図である。図7は、屋根体4を構成する中間樋構成形材43の梁への接続構造を示す断面図である。図8は、屋根体下流側樋構造45及び下方側傾斜樋構造46を示す斜視図である。図9は、図8におけるC-C線断面図である。図10は、図8におけるD-D線断面図である。
なお、本実施形態の説明においては、カーポート1の屋根体4を構成する複数の長尺形材(長尺材)41が延びる方向を前後方向(長尺形材41の長手方向)ともいう。また、図1において、カーポート1の左手前側を前側ともいい、カーポート1の右奥側を後側ともいう。本実施形態においては、屋根体4が前後方向において傾斜しており、屋根体4の前後方向を傾斜方向ともいい、図1における左前側を下流側ともいい、図1における右後側を上流側ともいう。また、梁3が延びる方向であって、長尺形材(長尺材)41が延びる前後方向に直交する方向を左右方向(長尺形材41の長手方向に交差する方向)ともいう。
まず、本実施形態のカーポート1の全体構造について説明する。本実施形態のカーポート1は、図1~図3に示すように、屋根体4を左右方向の両側それぞれにおいて一対の支柱2で支持する、いわゆる、両支持構造のカーポートである。また、本実施形態のカーポート1は、支柱2に接続された梁3の下部(下方)に、屋根体4が吊られて接続される吊構造で構成される。
図1~図3に示すように、本実施形態のカーポート1は、地面11に立設される2組の一対の支柱2(柱材)と、支柱2の上端部から支柱2に交差する方向に延びる2つの梁3と、2つの梁3の下方に配置される屋根体4と、屋根体4の前後方向の前側(傾斜方向の下流側)の端部に配置される屋根体下流側樋構造45と、屋根体下流側樋構造45の下部に接続される一対の下方側傾斜樋構造46と、屋根体上流側端部カバー部材8と、複数の屋根体下流側端部カバー部材9と、を備える。支柱2及び梁3は、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状の中空部を有するホロー構造を有する。
2組の支柱2(柱材)は、図1~図3に示すように、一対の支柱2が前後方向に2組並んで配置される。一対の支柱2は、カーポート1の左右方向の両側に屋根体4を挟んで対向して配置され、梁3の左右方向の両端部に接続される。
2組の一対の支柱2は、図1に示すように、カーポート1の前後方向に離間して配置される。支柱2は、上下方向に延びて形成される。支柱2は、図1に示すように、横断面が角筒状に形成される中空状の支柱本体部21と、支柱本体部21の屋根体4側の側面から屋根体4側に突出すると共に上下方向に延びる一対のカバー取付壁22と、を有する。一対のカバー取付壁22には、支柱カバー部材23が取り付けられる。支柱2の上端部には、支柱2の上端部の開口を覆うように、支柱キャップ24が配置される。
支柱2と支柱カバー部材23との間には、図4及び図5に示すように、下方側傾斜樋構造46(後述)から排出された水が流される。支柱2と支柱カバー部材23との間には下方側傾斜樋構造46(後述)から排出された水が流入して水が流れるため、図6に示すように、支柱2及び支柱カバー部材23は、支柱側樋構成部20(柱材側樋構造)として構成される。
2つの梁3は、図1に示すように、カーポート1の前後方向に離間して配置される。2つの梁3は、それぞれ、屋根体4の左右方向に延びる。2つの梁3の左右方向の両端部(右側及び左側の端部)は、図5に示すように、L字状の接続部材25を介して、支柱2の上端部に接続される。2つの梁3の下部には、屋根体4が接続される。
2つの梁3は、図1及び図4に示すように、それぞれ、断面が角筒状に形成される梁側ホロー部31と、延出板部32と、を有する。本実施形態においては、2つの梁3は、屋根体4の前後方向に離間して対向して配置されており、梁3の対向面(梁3の面における対向する別の梁3側の面)側の構成は、同様の構成である。
延出板部32は、梁側ホロー部31の下端部から、屋根体4における前後方向の中央側(一対の梁3のうち、当該梁3とは別の梁3側)に向けて延出すると共に、左右方向に延びる板状に形成される。
延出板部32は、図4及び図5に示すように、左右方向に並んで複数配置されるネジ部材101により、延出板部32において、屋根体4に固定される。
屋根体4は、図1に示すように、屋根体4が2つの梁3の下部に吊られて配置される吊り下げ構造であって、2つの梁3の下部に取り付けられる(接続される)。屋根体4は、複数の長尺形材(長尺材)41が、梁3が延びる方向に並んで連設されて互いが嵌合して連結されて構成される。
屋根体4の上面4aは、図3に示すように、屋根体4の前後方向において、例えば、傾斜角度αの角度で、前後方向の前側が下る下り傾斜に形成される(長尺形材41の長手方向の一方側から他方側に向かうに従って下るように傾斜する)。そのため、屋根体4の上面4aを流れる水の流れとしては、屋根体4の前後方向の前側が下流側となる。本実施形態においては、例えば、屋根体4の前後方向の傾斜角度αを1°~2°程度に設定している。また、屋根体4の上面4aは、左右方向においては、傾斜していない。
複数の長尺形材41は、図1及び図4に示すように、それぞれ、カーポート1の前後方向(梁3が延びる方向に直交する方向)に延びている。複数の長尺形材41は、それぞれ、アルミ材料の押出し形材で形成される。複数の長尺形材41のうちの複数の中間樋構成形材43は、それぞれ、断面が中空状に形成される中空部を有するホロー構造を備える。
屋根体4は、上面4aの一部に、長尺形材41の長手方向に延びる凹状の複数の屋根体側樋構造40(樋構造)を有する。屋根体4の下面4bは、フラット(平面状)に形成される。なお、本実施形態においては、屋根体4の上面4aは、図5に示すように、後述する一端部側樋構成形材42の端部側ソリッド状樋構成部421の上面と、中間樋構成形材43の中間ソリッド状樋構成部432の上面と、中間樋構成形材43の中間ホロー部431の上面と、他端部側樋構成形材44の端部側ソリッド状樋構成部441の上面と、を含む概念である。
複数の凹状の屋根体側樋構造40は、屋根体4の上面4aにおいて、凹状に窪んで形成され、長尺形材41の長手方向に延びる。凹状の屋根体側樋構造40は、複数の長尺形材41の上面それぞれにおいて凹状に窪んで形成される。
屋根体4は、凹状の屋根体側樋構造40を有する長尺形材41を複数連結して構成されている。また、複数の中間樋構成形材43が連結される部分(屋根体4の少なくとも一部)では、屋根体4は、凹状の屋根体側樋構造40と中空部が形成されたホロー構造とを有する中間樋構成形材43を複数連結して構成されている。
本実施形態においては、凹状の屋根体側樋構造40は、複数の長尺形材41の全ての上面にそれぞれ形成される。複数の凹状の屋根体側樋構造40は、屋根体4の左右方向に並んで配置される。複数の凹状の屋根体側樋構造40には、長尺形材41の長手方向に沿って、屋根体4の上面4aを流れる水が上流側から下流側(前後方向における後側から前側)に流れる。
なお、屋根体4の下面4bの左右方向(長尺形材41の長手方向に直交する方向)の長さに対する複数の凹状の屋根体側樋構造40の左右方向の長さの総和である総長さの割合(%)(以下「屋根体側樋構造40の割合」ともいう)は、屋根体4の構造の全体のバランスに基づいた排水性能などを考慮して、適宜設定される。屋根体側樋構造40に水を流す場合には、屋根体側樋構造40の割合(%)は、例えば、20%程度以上であることが好ましい。また、雨水が流れる場合に雨水とともに汚れ(例えば、落ち葉など)も流れることを考慮すると、長尺形材41の幅(例えば、150mm)の半分程度以上が屋根体側樋構造40になっていることが好ましく、屋根体側樋構造40の割合(%)は、例えば、50%程度以上であることが好ましい。
本実施形態では、屋根体4の上面4aには、複数の凹状の屋根体側樋構造40が形成される。そのため、複数の凹状の屋根体側樋構造40の底面は、梁3の下端部よりも下方に位置する。これにより、屋根体4の上面4aを流れる水を、梁3が配置される部分を通過させずに、梁3よりも下方において、屋根体4の傾斜面に沿って流すように構成される。複数の凹状の屋根体側樋構造40は、屋根体4を流通する水や水に流される汚れ(例えば、落ち葉など)を通過させて、屋根体4の前後方向において、水や水に流される汚れを、上流側から下流側に向けて流す。
ここで、以下の長尺形材41の説明において、左右方向の区別が必要な場合には、図5~図7等における右側を、一方側といい、図5~図7等における左側を、他方側という。
屋根体4を構成する複数の長尺形材41は、図5~図7に示すように、左右方向に並んで配置され、一方側の端部に配置される一端部側樋構成形材42と、他方側の端部に配置される他端部側樋構成形材44と、左右方向において一端部側樋構成形材42と他端部側樋構成形材44との間に配置される複数の中間樋構成形材43と、により構成される。複数の長尺形材41は、それぞれ、梁3に接続される。
一端部側樋構成形材42及び他端部側樋構成形材44は、図5に示すように、複数の長尺形材41のうち、複数の長尺形材41が並ぶ方向の一方側の端部又は他方側の端部に配置される長尺形材であり、屋根体4において、複数の長尺形材41が並ぶ方向の一方側の端部又は他方側の端部に並列に配置される。一端部側樋構成形材42及び他端部側樋構成形材44は、中空部を有さないソリッド状の部材により形成され、上部側が上方側に向けて開口する長尺形材により形成される。これにより、一端部側樋構成形材42及び他端部側樋構成形材44は、屋根体4の上面4aから凹む凹状の屋根体端部側樋構造40a,40cとして構成される。屋根体端部側樋構造40a,40cは、長尺形材41(一端部側樋構成形材42及び他端部側樋構成形材44)の長手方向に沿って延びて構成される。
また、複数の中間樋構成形材43は、屋根体4の左右方向において、一端部側樋構成形材42と他端部側樋構成形材44との間に並んで配置される。複数の中間樋構成形材43は、上方が開放したソリッド状の中段樋部434の中間ソリッド状樋構成部432と、中空状の中間樋構成形材43の中間ホロー部431と、を有する形材により構成される。このように、中間樋構成形材43は、一部に中空部を有するホロー構造を有する。そして、中間樋構成形材43は、屋根体4の上面4aから凹む凹状の屋根体中間樋構造40bとして構成される。屋根体中間樋構造40bは、長尺形材41(複数の中間樋構成形材43)の長手方向に延びて構成される。
図5に示すように、長尺形材41における一端部側樋構成形材42の左右方向の一方側の部分と梁3の延出板部32とは、複数のネジ部材101のうちのネジ部材102で固定される。また、長尺形材41における一端部側樋構成形材42の左右方向の他方側の部分と梁3の延出板部32とは、複数のネジ部材101のうちのネジ部材103で固定される。
長尺形材41における中間樋構成形材43の他方側の部分と梁3の延出板部32とは、複数のネジ部材101のうちのネジ部材103で固定される。
長尺形材41における一端部側樋構成形材42の左右方向の他方側の部分と梁3の延出板部32とは、複数のネジ部材101のうちのネジ部材104で固定される。
一端部側樋構成形材42は、図6に示すように。屋根体4の左右方向の一方側に形成される上方に向けて開放したソリッド状の端部側ソリッド状樋構成部421と、屋根体4の左右方向の他方側に形成される他方側上部外方延出片427(接続される部分)と、屋根体4の左右方向の他方側に形成される他方側下部外方片428と、を有する。
端部側ソリッド状樋構成部421は、上方が開放する略U字形状の凹状の樋構成部本体422と、屋根体4の左右方向の一方側に配置される一方側上部内方延出片423(接続される部分)と、他方側上部内方延出片424と、水切りフィン425と、一方側端部壁426aと、一方側上部壁426bと、を有する。
樋構成部本体422は、屋根体4の上面4aにおいて支柱2側に流された水を、上方の開放された部分から導入して受け止める。樋構成部本体422の左右方向の一方側の側面には、一方側端部壁426aが立設されている。
一方側上部内方延出片423は、図6に示すように、端部側ソリッド状樋構成部421の一方側において、端部側ソリッド状樋構成部421の一方側端部壁426aの上端部から他方側に突出する。一方側上部内方延出片423の上面には、梁3の延出板部32が配置される。梁3の延出板部32及び一方側上部内方延出片423は、ネジ部材102により共締めされる。
他方側上部内方延出片424は、端部側ソリッド状樋構成部421の幅方向の一方側と反対側の他方側において、端部側ソリッド状樋構成部421の上端部から内側に突出する。他方側上部内方延出片424の一方側の端部には、下方に突出する引っ掛け突出片424aが形成される。
一端部側樋構成形材42を梁3に取り付ける場合には、一端部側樋構成形材42の引っ掛け突出片424aを、梁3の延出板部32の下面に固定されたフック部110の立ち上がり板110dに引っ掛けることで、一端部側樋構成形材42を、梁3の延出板部32の下面に仮置きできる。また、一端部側樋構成形材42の引っ掛け突出片424aを梁3の延出板部32の下面に固定されたフック部110の立ち上がり板110dに引っ掛けた状態で、引っ掛け突出片424aを中心に一端部側樋構成形材42を回転することで、一端部側樋構成形材42を、取り付け位置に配置できる。
フック部110は、図6に示すように、梁3の延出板部32の下面にネジ部材105により固定される取付板110aと、取付板110aの他方側の端部から下方に延びる上下方向延在板110bと、上下方向延在板110bの下端部から他方側に延びる底面板110cと、底面板110cの他方側の端部から立ち上がる立ち上がり板110dと、を有する。
一端部側樋構成形材42の引っ掛け突出片424aは、一端部側樋構成形材42が梁3に固定された状態においては、フック部110の上方に配置される。これにより、一端部側樋構成形材42が梁3に固定された状態において、一端部側樋構成形材42を固定するネジ部材102,103が外れた場合においても、引っ掛け突出片424aは、フック部110の立ち上がり板110dに引っ掛かって、一端部側樋構成形材42の落下を抑制できる。
水切りフィン425は、樋構成部本体422における屋根体4の一方側において、樋構成部本体422の下端部から下方に突出する。水切りフィン425は、屋根体4の下面4bに回り込まないように、屋根体4の下方に落下させる。
一方側上部壁426bは、屋根体4の一方側の端部において、一方側端部壁426aの上端部(屋根体4の上面4a)から立設して形成される。一方側上部壁426bは、屋根体4の一方側の端部において、水の飛び出しを低減する。
他方側上部外方延出片427は、樋構成部本体422における屋根体4の左右方向の他方側(図6における左側)の上端部から左右方向の他方側に向けて延出する。他方側上部外方延出片427は、一端部側樋構成形材42の左右方向の他方側の端部の上端部に配置され、ネジ部材103により梁3の延出板部32に固定される固定部(接続される部分)を構成する。他方側上部外方延出片427は、中間樋構成形材43における引っ掛け係合部428aの上方に形成される。
他方側上部外方延出片427における屋根体4の左右方向の他方側(図6における左側)の端部には、側方に延出する側方延出壁427bと、下方延出壁427cと、が形成される。
下方延出壁427cにおける屋根体4の左右方向の他方側の面には、隣接する中間樋構成形材43の一方側の端部に取り付けられるビード材401(止水材)が押圧される。ビード材401は、一端部側樋構成形材42と中間樋構成形材43との連結部分に配置される止水部として機能する。ビード材401は、一端部側樋構成形材42及び隣接する中間樋構成形材43(長尺形材41)の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材41の長尺方向(長手方向)に沿って延びるように形成される。
他方側下部外方片428は、樋構成部本体422における屋根体4の左右方向の他方側の下端部から他方側に延出する。他方側下部外方片428における他方側の端部には、上方側に突出する引っ掛け係合部428aが形成される。
引っ掛け係合部428aは、図6に示すように、梁3に取り付けられた一端部側樋構成形材42の左右方向の他方側の端部において、一端部側樋構成形材42の下端部に形成される。引っ掛け係合部428aは、梁3に取り付けられた一端部側樋構成形材42の左右方向の他方側の端部において、一端部側樋構成形材42の下端部に配置される他方側下部外方片428から上方に立ち上がると共に、立ち上がった上端部において長手方向に直交する幅方向に延びるT字状に形成される。
中間樋構成形材43の引っ掛け係合部428aは、隣接する中間樋構成形材43の一方側の下端部の側面から一方側に突出する一方側下部突出片436と、隣接する中間樋構成形材43の一方側の端部に形成される引っ掛け延出片435の引っ掛け片435bと、(後述)に係合可能である。
他方側下部外方片428の上面には、隣接する長尺形材41の中間樋構成形材43における中段樋構成部410(止水部)から溢れた水が流通する。他方側下部外方片428の上面は、屋根体4の内部において、上下方向の下段に位置する下段樋構成部420を構成する。下段樋構成部420は、水を流す樋機能を有すると共に、止水部として機能する。下段樋構成部420は、ビード材401を通過して中段樋構成部410に受け止められて中段樋構成部410(止水部)から溢れた水を受け止める。下段樋構成部420は、中段樋構成部410から溢れて受け止めた水を前後方向の両端部側に流通させる。
つまり、屋根体4は、隣接する長尺形材41の連結部分において、図6に示すように、2段の樋構造を備えており、上段側に配置されると共に上段側で水を受け止める中段樋構成部410と、下段側に配置されると共に下段側で中段樋構成部410から溢れた水を受け止める下段樋構成部420と、を備えている。中段樋構成部410及び下段樋構成部420は、隣接する長尺形材41の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材41の長尺方向(長手方向)に沿って延びる。
一端部側樋構成形材42は、図6に示すように、屋根体4の左右方向の一方側において、上方側から移動されるネジ部材102により、梁3の延出板部32と共締めされる。
また、一端部側樋構成形材42は、屋根体4の左右方向の他方側において、上方側から移動されるネジ部材103により、他方側上部外方延出片427は、梁3の延出板部32と共締めされる。
中間樋構成形材43は、図7に示すように、屋根体4の左右方向の一端側に配置される一端部側樋構成形材42と他端側に配置される他端部側樋構成形材44との間に複数並んで配置される。中間樋構成形材43は、図7に示すように、一方側に配置される中間ホロー部431と、中間ホロー部431の左右方向の他方側に配置されるソリッド状の中間ソリッド状樋構成部432と、中間ホロー部431における一方側の上端部の側面に形成されるビード材取付凹部433と、中間ホロー部431の中間樋構成形材43側の面において上下方向の略中央から中間樋構成形材43側に延在するL字状の中段樋部434と、中段樋部434の一方側の端部の下端部から下方に延びるL字状の引っ掛け延出片435と、中間ホロー部431における中間樋構成形材43側の下端部の側面から一方側に突出する一方側下部突出片436と、他方側上部外方延出片437(接続される部分)と、他方側下部外方片438と、を有する。
中段樋部434の一方側の端部の下方側には、図7に示すように、下方に開口(開放)する開口部439が形成される。開口部439は、中段樋部434における中間ホロー部431の一方側に配置される上下方向に延びる端辺431aと、L字状の引っ掛け延出片435とにより形成される。開口部439の開口縁には、開口部439の開口縁から開口部439の内側に互いに対向して突出する対向突出部439aが形成される。本実施形態においては、対向突出部439aは、一方側下部突出片436と、L字状の引っ掛け延出片435の引っ掛け片435b(後述)と、により構成され、互いが近づくように、開口部439の内側に向けて突出して延びる。
以上のように構成される一端部側樋構成形材42及び中間樋構成形材43においては、隣接する一端部側樋構成形材42及び中間樋構成形材43が連結した状態において、一端部側樋構成形材42の引っ掛け係合部428aは、隣接する中間樋構成形材43の開口部439の内部に配置された状態で、上下方向の移動を規制するように、対向突出部439a(一方側下部突出片436、L字状の引っ掛け延出片435の引っ掛け片435b)に引っ掛かって嵌合する。
ビード材取付凹部433は、一方側に隣接する一端部側樋構成形材42の下方延出壁427cに対向して配置される。ビード材取付凹部433の上面433aは、屋根体4の上面4aから一段下がった位置に形成される。ビード材取付凹部433の上面433aには、側方延出壁427bが配置される。つまり、側方延出壁427bは、ビード材取付凹部433の上面433aの一部に重なって配置される。ビード材取付凹部433は、隣接する長尺形材41の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材41の長尺方向(長手方向)に沿って延びる。
ビード材取付凹部433には、ビード材401が取り付けられる。ビード材401は、ビード材取付凹部433に取り付けられた状態で、一方側に隣接する一端部側樋構成形材42の下方延出壁427cを押圧する。ビード材401は、一端部側樋構成形材42と中間樋構成形材43との連結部分に配置され、止水部として機能する。
以上のように、ビード材取付凹部433の上面433aの一部には、側方延出壁427bが重なって配置される。このため、ビード材401が外部に直接露出されないため、ビード材401の耐候性を向上でき、ビード材401の劣化を低減できる。
中段樋部434は、底壁部434aと、立設片434bと、を有する。中段樋部434は、屋根体4の内部において、上下方向の中段に位置する中段樋構成部410を構成する。中段樋構成部410は、水を流す樋機能を有すると共に、止水部として機能する。中段樋構成部410は、ビード材401で止水できなかったビード材401を通過した水を受け止めて、受け止めた水を前後方向の両端部側に流通させる。
L字状の引っ掛け延出片435は、下方延出片435aと、下方延出片435aの下端部から中間形材43の幅方向中央部に向かう引っ掛け片435bと、を有する。引っ掛け片435bは、隣接する一端部側樋構成形材42の他方側の端部に形成される引っ掛け係合部428aに係合可能である。引っ掛け片435bは、引っ掛け係合部428aに係合した状態で、引っ掛け係合部428aを中心に回転可能である。
一端部側樋構成形材42の隣りに、隣接する中間樋構成形材43を取り付ける場合には、梁3の延出板部32が接続された一端部側樋構成形材42の引っ掛け係合部428aに、中間樋構成形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けることで、梁3の下方において、中間樋構成形材43を仮置きできる。また、一端部側樋構成形材42の引っ掛け係合部428aに中間樋構成形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片435の先端を中心に中間樋構成形材43を回転することで、中間樋構成形材43を取り付け位置に配置できる。
中間樋構成形材43を取り付け位置に配置した状態においては、一端部側樋構成形材42における左右方向の他方側には、一端部側樋構成形材42の引っ掛け係合部428aに中間樋構成形材43の引っ掛け延出片435が嵌合した状態で、中間樋構成形材43が取り付けられる。
中間樋構成形材43の他方側上部外方延出片437及び他方側下部外方片438については、説明しない点については、一端部側樋構成形材42の他方側上部外方延出片427及び他方側下部外方片428の構造と同様である。そのため、中間樋構成形材43の他方側上部外方延出片437及び他方側下部外方片438の構造については、図7において一端部側樋構成形材42の構造に対応する符号を付して、その説明を省略する。
また、連続して配置される複数の中間樋構成形材43の構成は全て同様の構成であるため、その説明を省略する。梁3に接続した中間樋構成形材43の隣りに、隣接する中間樋構成形材43を取り付ける場合には、一端部側樋構成形材42の隣りに中間樋構成形材43を取り付ける場合と同様に、梁3の延出板部32に接続された中間樋構成形材43の引っ掛け係合部438aに、中間樋構成形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けることで、梁3の下方において、中間樋構成形材43を仮置きできる。また、中間樋構成形材43の引っ掛け係合部438aに中間樋構成形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片435を中心に中間樋構成形材43を回転することで、中間樋構成形材43を取り付け位置に配置できる。隣接する中間樋構成形材43を取り付け位置に配置した状態においては、中間樋構成形材43における左右方向の他方側には、中間樋構成形材43の引っ掛け係合部438aに、隣接する中間樋構成形材43の引っ掛け延出片435が嵌合した状態で、隣接する中間樋構成形材43が取り付けられる。
屋根体4の左右方向の他方側の端部に配置される他端部側樋構成形材44は、一方側の端部の構成が、中間樋構成形材43の一方側の端部の構成と同様であり、一方側の端部以外の構成が、他方側の端部に配置される一端部側樋構成形材42を左右反転した構成と同様である。そのため、屋根体4の左右方向の他方側の端部に配置される他端部側樋構成形材44の説明を省略する。
以上のように構成される屋根体4は、図5~図7に示すように、アルミ材料の押出し形材で形成された複数の長尺形材41を連結して屋根体4を構成することで、複数の長尺形材41を、屋根体4の面材として使用できると共に、屋根体4の強度を確保することができる。また、屋根体4を構成する複数の長尺形材41を、複数の凹状の屋根体側樋構造40により水を流すように構成すると共に、中間樋構成形材43に中間ホロー部431を形成することで、屋根体4自体を強度部材として使用できる。これにより、屋根体4の強度を出すための部材を別に設ける必要がない。よって、屋根体4を構成する部材の部品点数を低減できる。また、中間樋構成形材43の中間ホロー部431の一方側の面にビード材取付凹部433を設けたため、ビード材401を取り付ける部分の強度を確保できる。
また、屋根体端部側樋構造40a,40c及び屋根体中間樋構造40bは、上部側が開口して屋根体4の複数の凹状の屋根体側樋構造40を構成しているため、屋根体4の下方から見た場合に、長尺形材41のフラットな(平面状の)下面4bが見えるだけで、屋根体4の上面4a側に樋が存在することを認識させずに樋を構成できる。そのため、意匠性を向上できる。
屋根体上流側端部カバー部材8は、図1に示すように、屋根体4の前後方向の上流側の端部において、屋根体4の左右方向(長尺形材41の長手方向に直交(交差)する方向)に延びて配置される。屋根体上流側端部カバー部材8は、屋根体4の前後方向の上流側の端部において、長尺形材41の上流側の側部(端部)を覆うように配置される。
複数の屋根体下流側端部カバー部材9は、図8~図10に示すように、屋根体4における傾斜方向の下流側(前後方向の前側)の端部に配置されている。複数の屋根体下流側端部カバー部材9は、それぞれ、左右方向に離間して配置される中間樋構成形材43の中間ホロー部431の下流側の端面を覆うように配置される。これにより、屋根体4を構成する複数の長尺形材41の前側の端部において、中間樋構成形材43における中間ホロー部431の開口した端面が外部に露出されない。
また、複数の屋根体下流側端部カバー部材9は、図9に示すように、それぞれ、上流側から下流側に向かうに従って下るように傾斜する遮蔽傾斜板91と、遮蔽傾斜板91の下端部と長尺形材41の下端部との間に形成される下方開口部92と、を有する。
下方開口部92は、屋根体下流側端部カバー部材9の下端部において、下方を向いて形成される。下方開口部92からは、長尺形材41の内部を流通する水が下方に向けて排出される。複数の屋根体下流側端部カバー部材9の下方開口部92の下方には、屋根体下流側樋構造45(後述)が配置される。複数の屋根体下流側端部カバー部材9は、下方に向けて開口するため、中間樋構成形材43の中間ホロー部431の内部を流れる水は、屋根体下流側樋構造45に流入する。
また、複数の屋根体下流側端部カバー部材9において、遮蔽傾斜板91の上端部が屋根体4の内側に位置し、かつ、遮蔽傾斜板91は、上流側から下流側に向かうに従って下るように傾斜するため、屋根体4の他方側の端部側の下方の地面11側からは視認しにくい形状である。よって、屋根体4の意匠性を向上できる。
屋根体下流側樋構造45は、屋根体4を構成する複数の長尺形材41の下流側(前後方向の前側)の端部の下方に配置され、複数の長尺形材41の下流側端部の下部に固定される。屋根体下流側樋構造45は、上方が開放した樋形状に形成され、屋根体4の左右方向の全域に亘って延びる。
屋根体下流側樋構造45は、上方が開放した下流側樋本体451と、下流側樋本体451の上流側の上端部から下流側樋本体451の内側に略水平に延出する上流側内方延出片452と、下流側樋本体451の上流側の下端部の上流側に形成される上流側下部屈曲片453と、下流側樋本体451の下流側の上端部から下流側樋本体451の内側に略水平に延出する下流側内方延出片454と、下流側樋本体の下流側の上端部から上方に突出する下流側上方突出片455と、を有する。
屋根体下流側樋構造45の上流側内方延出片452の上面には、複数の長尺形材41の下流側の端部の下面が配置され、屋根体下流側樋構造45の上流側内方延出片452は、図8及び図10に示すように、複数の長尺形材41の下流側の端部において、ネジ部材106により、複数の長尺形材41の下面に固定される。屋根体下流側樋構造45の上流側内方延出片452及び複数の長尺形材41の下流側の端部は、図8に示すように、屋根体側樋構造40の上方から移動されるネジ部材106により、共締めされて固定される。
ここで、図10に示すように、屋根体4の長尺形材41にネジ部材106が貫通するネジ孔402が形成されても、ネジ孔402の下方には、屋根体下流側樋構造45が配置される。そのため、ネジ孔402からの水は、屋根体下流側樋構造45に落下されて、屋根体下流側樋構造45に受け止められる。これにより、屋根体4の下方への水の落下を抑制した状態で、屋根体下流側樋構造45を屋根体4に取り付けることができる。
屋根体下流側樋構造45には、屋根体4の上面4aに形成された凹状の複数の屋根体側樋構造40を流れた水と、屋根体4を構成する複数の長尺形材41の内部から排出された水とが流入する。屋根体下流側樋構造45の左右方向の両端部の下面には、図8に示すように、排出用開口45aが形成される。
一対の下方側傾斜樋構造46は、図8に示すように、屋根体4における長尺形材41が並ぶ方向の両端部において、屋根体4の下方に配置される。下方側傾斜樋構造46は、導入部461と、傾斜樋部462と、接続誘導部463と、を有する。
導入部461は、筒状に形成され、屋根体4の前後方向において、前側が、上方に開放して形成され、屋根体下流側樋構造45の左右方向の端部の下面の排出用開口45aに接続される。導入部461は、屋根体4の前後方向において、後側が、後側に開放して形成され、傾斜樋部462に接続される。
傾斜樋部462は、上方が開放した断面略C字形状に形成される。傾斜樋部462は、一端部が導入部461に接続され、一端部側樋構成形材42又は他端部側樋構成形材44の下方において、一端部側樋構成形材42又は他端部側樋構成形材44の長手方向に沿って、屋根体4の前後方向の前側から後側に延びる。傾斜樋部462は、屋根体4の前側から後側に向かうに従って下るように傾斜する。傾斜樋部462の下流側の端部には、接続誘導部463が接続される。
接続誘導部463は、屋根体4の後側に形成される後側開口463aと、屋根体4の左右方向の外側に開口する側面開口463bと、を有する。接続誘導部463の後側開口463aは、傾斜樋部462の下流側の端部が接続される。接続誘導部463の側面開口463bは、支柱2の側面に接続され、支柱2の内部に設けられた支柱側樋構成部20(図5参照)に接続される。
次に、本実施形態のカーポート1における雨水の流れについて説明する。
図1に示すカーポート1において、屋根体4の上面4aに降り注いだ雨水は、上面4aに形成される長尺形材41の長尺方向に延びる凹状の複数の屋根体側樋構造40に沿って、屋根体4の傾斜方向の上流側から下流側(前後方向の後側から前側)に流れる。
屋根体4の上面4aを前後方向の前側の下流側に流れる水は、屋根体4の上面4aに形成される凹状の複数の屋根体側樋構造40を通って、屋根体4の上面4aの傾斜方向の下流側に流れて、梁3の下方を通過して、屋根体下流側樋構造45に到達する。これにより、屋根体4を流通する水や水に流される汚れ(例えば、落ち葉など)を梁3の下方において複数の凹状の屋根体側樋構造40に通過させて、屋根体4の傾斜方向において、水や水に流される汚れを、上流側から下流側に向けて流すことができる。これにより、排水性能を向上できる。
長尺形材41の内部において、中段樋構成部410と下段樋構成部420とに導入された水は、屋根体4の前後方向の下流側の端部に向けて流れる。前後方向の下流側の端部に向けて流れた水は、下流側の端部において、複数の屋根体下流側端部カバー部材9の下部の下方開口部92から、屋根体下流側樋構造45に排出される。
屋根体下流側樋構造45には、屋根体4の上面4aを流れた水と、屋根体4を構成する複数の長尺形材41の内部の樋構成部(中段樋構成部410及び下段樋構成部420)から排出された水と、が流入する。屋根体下流側樋構造45の左右方向の一方側の端部の下面には、排出用開口45a(図8参照)が形成される。
屋根体下流側樋構造45に流入した水は、屋根体4の左右方向の両端部側に形成される排出用開口45aを介して、屋根体4における長尺形材41が並ぶ方向の端部側において、屋根体4の下方に配置される下方側傾斜樋構造46を介して、支柱2の内部に設けられた支柱側樋構成部20(図5参照)に誘導される。支柱側樋構成部20に流入した水は、支柱側樋構成部20を落下して、支柱2の下方において、支柱2の外部に排出される。
以上のように構成される屋根構造体において、屋根体4の上面4aには、複数の凹状の屋根体側樋構造40が形成される。そのため、屋根体4の上面4aを流通する水は、梁3よりも下方を通過して、屋根体4の傾斜方向の下流側(前後方向の前側)に向かって流れる。そのため、排水性能を向上できる。
また、屋根体4の上面4aには、複数の凹状の屋根体側樋構造40が設けられるため、梁3と屋根体4との間に吊り具などを介在させずに、梁3を屋根体4に直接接続できる。そのため、梁3と屋根体4とを密着させて配置することができる。これにより、屋根体4の上方の低い位置に梁3を設置できるため、下方から見た場合に梁3が大きく上方側に突出しておらず、屋根体4を含んだ屋根構造の厚さを薄く見せることができ、屋根構造をコンパクトに形成できる。よって、スマートなカーポート1を実現でき、意匠性を向上できる。
また、複数の長尺形材41が並んで連設されることで屋根体4を構成しており、屋根体4の下面4bが平面状に形成されるため、屋根体4を下方から見た場合の意匠性を向上できる。
以上説明した本実施形態のカーポート1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態のカーポート1は、支柱2と、支柱2に接続される梁3と、梁3に直接的に又は間接的に接続される屋根体4であって、所定方向に並んで連設される複数の長尺形材41を有する屋根体4と、を備え、屋根体4は、下面4bが平面状に形成され、上面4aの少なくとも一部に凹状の複数の屋根体側樋構造40を有する。そのため、梁3と屋根体4の複数の凹状の屋根体側樋構造40を備えるため、屋根体4を流通する水や水に流される汚れ(例えば、落ち葉など)を複数の凹状の複数の屋根体側樋構造40に通過させて、屋根体4の傾斜方向の下流側に向けて流すことができる。これにより、排水性能を向上できる。また、屋根体4の下面4bが平面状に形成されることから、意匠性を向上できる。
また、本実施形態においては、屋根体4は、凹状の屋根体側樋構造40を有する長尺形材41を複数含んで構成されている。これにより、複数の長尺形材41を連設するだけで、屋根体4の上面4aに複数の屋根体側樋構造40を形成できる。よって、簡易な構成で、排水性能を向上できる。
また、本実施形態においては、複数の中間樋構成形材43が連結される部分では、屋根体4は、凹状の屋根体側樋構造40と中空部が形成されたホロー構造とを有する中間樋構成形材43を複数含んで構成されている。これにより、屋根体4の中間樋構成形材43においては、屋根体側樋構造40により水の流通を確保しつつ、ホロー構造により屋根体4の強度を確保できる。また、中間樋構成形材43は、ホロー構造を有するため、形材として強度を有する。そのため、複数の中間樋構成形材43を連結する際の施工性が良好であり、屋根体4を施工する際の施工性を向上できる。
また、本実施形態においては、屋根体4の上面4aには、梁3に直接的に接続される部分(一端部側樋構成形材42の一方側上部内方延出片423及び他方側上部外方延出片427,中間樋構成形材43の他方側上部外方延出片437、他端部側樋構成形材44の他方側上部内方延出片443)が設けられ、屋根体4は、梁3の下方において梁3に直接的に吊られて配置される。そのため、梁3と屋根体4とを密着させて配置することができる。これにより、屋根体4の上方の低い位置に梁3を設置できるため、下方から見た場合に梁3が大きく上方側に突出しておらず、屋根体4を含んだ屋根構造の厚さを薄く見せることができ、屋根構造をコンパクトに形成できる。よって、スマートなカーポート1を実現でき、より意匠性を向上できる。
また、本実施形態においては、屋根体4は、長尺形材41の長手方向の一方側から他方側に向かうに従って下るように傾斜する。そのため、屋根体4は、複数の凹状の複数の屋根体側樋構造40が延びる方向に傾斜する。これにより、屋根体4を流通する水や水に流される汚れ(例えば、落ち葉など)を、複数の凹状の複数の屋根体側樋構造40を通過させて屋根体4の下流側に誘導しやすい。よって、排水性能を一層向上できる。
また、本実施形態においては、長尺形材41は、アルミ材料の形材で形成され、少なくとも一部に中空部を有するホロー構造を備える。これにより、中空部を有するホロー構造の部分により、屋根体4の強度を確保できる。
以上、本発明のカーポート(屋根構造体)の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、屋根体4を梁3の下方において梁3に直接的に接続(固定)して構成したが、これに限定されず、屋根体4を他の部材を介して間接的に梁に接続(固定)して構成してもよい。
また、前記実施形態においては、屋根体4は、梁3に吊られて構成されていたが、これに限定されず、梁3の上方に配置される構成であってもよい。
また、前記実施形態においては、屋根体側樋構造40とホロー構造とを有する中間樋構成形材43を複数連結することで屋根体4を構成しているが、これに限定されない。屋根体側樋構造40とホロー構造とを別体で構成して、複数の屋根体側樋構造40と複数のホロー構造とを連結することで屋根体4を構成してもよい。
また、前記実施形態では、屋根体4の全ての長尺形材41が、凹状の屋根体側樋構造40を有しているが、これに限定されない。少なくとも一部に、凹状の屋根体側樋構造40を有する長尺形材41を複数含んで、屋根体4を構成してもよい。
また、前記実施形態では、屋根体4の全ての中間樋構成形材43が、凹状の屋根体側樋構造40とホロー構造とを有しているが、これに限定されない。少なくとも一部に、凹状の屋根体側樋構造40とホロー構造とを有する長尺形材を複数含んで、屋根体4を構成してもよい。
また、前記実施形態においては、屋根体側樋構造40を有する長尺形材41を複数連続して連結して屋根体4を構成しているが、これに限定されない。例えば、屋根体側樋構造40を有する長尺形材41の隣りに、屋根体側樋構造40を有さない長尺形材41を連結してもよい。例えば、屋根体側樋構造40を有する長尺形材41と有さない長尺形材41とを混在させて連結して、屋根体4を構成してもよい。
また、前記実施形態においては、屋根体4を前後方向において傾斜するように構成したが、これに限定されず、屋根体4を左右方向において傾斜するように構成してもよい。
また、前記実施形態においては、カーポートを、屋根体4を左右方向の両側それぞれにおいて一対の支柱2で支持する、いわゆる、両支持構造のカーポートにより説明したが、これに限定されず、屋根体4を左右方向の一方の端部を支柱で支持する、いわゆる、片持ち構造のカーポートでもよい。